下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各構成要素の厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の実装基板1a及びそれを備えるLEDモジュール3aについて図1A〜3に基づいて説明する。
実装基板1aは、電子部品2を表面実装可能である。電子部品2は、表面実装用の第1電極21及び第2電極22を備える。電子部品2では、第1電極21及び第2電極22の各々が、外部接続用の端子を構成する。電子部品2は、例えば、表面実装型LED(Light Emitting Diode)2aである。LEDモジュール3aは、実装基板1aと、実装基板1aに実装された表面実装型LED2aと、を備える。
表面実装型LED2aは、図2に示すように、LEDチップ(Light Emitting Diode Chip)23と、パッケージ本体20と、第1電極21と、第2電極22と、を含む。パッケージ本体20は、表面201及び表面201とは反対側の裏面202を有しLEDチップ23を収納する。第1電極21は、パッケージ本体20の裏面202側に設けられLEDチップ23の第1パッド電極231に電気的に接続される。第2電極22は、パッケージ本体20の裏面202側に設けられLEDチップ23の第2パッド電極232に電気的に接続される。LEDチップ23の第1パッド電極231は、LEDチップ23におけるp型半導体層に電気的に接続されたパッド電極である。第2パッド電極232は、LEDチップ23におけるn型半導体層に電気的に接続されたパッド電極である。よって、表面実装型LED2aでは、第1電極21が、アノード端子を構成する。また、表面実装型LED2aでは、第2電極22が、カソード端子を構成する。
LEDチップ23は、一例として、可視光を放射するLEDチップである。より詳細には、LEDチップ23は、青色光を放射するLEDチップである。LEDチップ23から放射される青色光は、440nm〜480nmの波長域に主発光ピーク波長がある発光スペクトルを有する。LEDチップ23の平面視形状は、例えば、矩形形状である。LEDチップは、LEDダイ(Light Emitting Diode die)とも呼ばれる。
LEDチップ23は、パッケージ本体20の凹部26に収納されている。LEDチップ23の第1パッド電極231は、第1ワイヤ24を介して第1電極21と電気的に接続されている。LEDチップ23の第2パッド電極232は、第2ワイヤ25を介して第2電極22と電気的に接続されている。第1ワイヤ24及び第2ワイヤ25の各々は、例えば、Auワイヤである。
パッケージ本体20は、矩形板状に形成されている。パッケージ本体20は、表面201に凹部26が形成されている。パッケージ本体20は、電気絶縁性を有する。パッケージ本体20の色は、例えば、白色である。パッケージ本体20は、樹脂(例えば、不飽和ポリエステル)に光の反射率を高めるためのフィラー(例えば、二酸化チタン製のフィラー)を添加した材料から形成されている。パッケージ本体20は、上述の樹脂等からなる成形構造体である。
第1電極21と第2電極22とは、パッケージ本体20の裏面202側において、パッケージ本体20の長手方向に並んでいる。言い換えれば、第1電極21と第2電極22とは、パッケージ本体20の裏面202側で、パッケージ本体20の長手方向において離れている。
以下では、説明の便宜上、第1電極21と第2電極22との並ぶ方向を第1方向D1として、パッケージ本体20の厚さ方向を第2方向D2とし、第1方向D1と第2方向D2とに直交する方向を第3方向D3として説明することもある。
第1電極21と第2電極22とは、第1方向D1において所定の電気絶縁距離を確保するように離れている。
第1電極21は、パッケージ本体20の第3方向D3の中央部に配置された矩形状の第1内側電極部21Aと、第1内側電極部21Aから第2電極22側とは反対側に突出した矩形状の第1外側電極部21Bと、を備える。表面実装型LED2aでは、第1電極21の第1内側電極部21AにLEDチップ23がシリコーン樹脂により接合されている。つまり、第1電極21の第1内側電極部21Aは、LEDチップ23がダイボンドされるダイ搭載部(チップ搭載部)を兼ねている。また、表面実装型LED2aでは、第1電極21の第1内側電極部21Aに、LEDチップ23の第1パッド電極231に一端が接続された第1ワイヤ24の他端が接続されている。第1外側電極部21Bにおける第3方向D3の幅H1Bは、第1内側電極部21Aにおける第3方向D3の幅H1Aよりも狭い。第1電極21は、第1外側電極部21Bを2つ備えており、第1内側電極部21Aにおける第3方向D3の両端から第1方向D1に沿って第2電極22側とは反対側に突出している。第1電極21は、第2電極22側とは反対側が開放されたU字状に形成されている。第1電極21では、2つの第1外側電極部21Bそれぞれの先端が、パッケージ本体20における第1方向D1の第1側面203から突出している。
第2電極22は、パッケージ本体20の第3方向D3の中央部に配置された矩形状の第2内側電極部22Aと、第2内側電極部22Aから第1電極21側とは反対側に突出した矩形状の第2外側電極部22Bと、を備える。表面実装型LED2aでは、第2電極22の第2内側電極部22Aに、LEDチップ23の第2パッド電極232に一端が接続された第2ワイヤ25の他端が接続されている。第2外側電極部22Bにおける第3方向D3の幅H2Bは、第2内側電極部22Aにおける第3方向D3の幅H2Aよりも狭い。第2電極22は、第2外側電極部22Bを2つ備えており、第2内側電極部22Aにおける第3方向D3の両端から第1方向D1に沿って第1電極21側とは反対側に突出している。第2電極22は、第1電極21側とは反対側が開放されたU字状に形成されている。第2電極22では、2つの第2外側電極部22Bそれぞれの先端が、パッケージ本体20における第1側面203とは反対側の第2側面204から突出している。
上述の説明から明らかなように、表面実装型LED2aでは、第1電極21の第1内側電極部21Aと第2電極22の第2内側電極部22Aとで、LEDチップ23の実装部を構成している。ここにおいて、「実装部」とは、LEDチップ23が機械的に接続され、かつ、電気的に接続される部位である。
第1電極21の第1内側電極部21Aにおける第3方向D3の幅H1Aと、第2電極22の第2内側電極部22Aにおける第3方向D3の幅H2Aと、は同じである。第1電極21における第1内側電極部21Aの第1方向D1の寸法は、第2電極22における第2内側電極部22Aの第1方向D1の寸法よりも大きい。第1電極21の第1外側電極部21Bと第2電極22の第2外側電極部22Bとは、大きさ及び形状が同じである。これにより、表面実装型LED2aでは、第1電極21の面積が、第2電極22の面積よりも大きい。ここにおいて、第1電極21の面積は、第1電極21のうち実装基板1aに対向する表面の面積である。また、第2電極22の面積は、第2電極22のうち実装基板1aに対向する表面の面積である。
第1電極21及び第2電極22は、一例として、リードフレームを利用して形成されている。より詳細には、第1電極21及び第2電極22は、例えば、リードフレームにパッケージ本体20を成形した後、リードフレームの不要部分を除去することにより形成される。リードフレームの材質は、例えば、銅合金(例えば、42アロイ)である。第1電極21及び第2電極22の各々は、リードフレームを利用して形成された導電板(例えば、銅合金板)に、表面処理層が形成されているのが好ましい。表面処理層は、一例として、導電板上のNi層と、Ni層上のAg層と、の積層構造を有している。表面処理層は、めっき法により形成されている。
第1電極21及び第2電極22は、それぞれの厚さ方向の第1面211、221の一部がパッケージ本体20の凹部26の内底面と略面一となるように配置されている。また、第1電極21及び第2電極22は、それぞれの厚さ方向の第2面212、222がパッケージ本体20の裏面202と略面一となるように配置されている。
表面実装型LED2aは、第1電極21の厚さ方向に第1電極21を貫通した第1樹脂部27と、第2電極22の厚さ方向に第2電極22を貫通した第2樹脂部28と、を更に備える。第1樹脂部27及び第2樹脂部28は、パッケージ本体20と一体成形されている。よって、第1樹脂部27及び第2樹脂部28は、上述の樹脂及びフィラーを含んでいる。
第1電極21と第2電極22とを含む電極パターンは、パッケージ本体20の第1方向D1に沿った中心線を基準として線対称となるパターンである。また、電極パターンは、パッケージ本体20の第3方向D1に沿った中心線を基準として非対称となるパターンである。
表面実装型LED2aは、LEDチップ23を覆う封止部29を更に備えるのが好ましい。封止部29は、パッケージ本体20の凹部26内でLEDチップ23等を覆っている。封止部29は、LEDチップ23から放射される光を透過するように構成されている。封止部29は、LEDチップ23等を封止して保護する機能を有する。封止部29は、電気絶縁性を有する。
封止部29は、透光性材料により形成されている。透光性材料は、例えば、シリコーン系樹脂である。「シリコーン系樹脂」とは、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂等である。
封止部29は、一例として、LEDチップ23から放射される光によって励起されて発光する蛍光体粒子を含有している。言い換えれば、封止部29は、LEDチップ23から放射された光の一部を波長変換して異なる波長の光を放射する波長変換材料として、蛍光体粒子を備えている。これにより、表面実装型LED2aでは、LEDチップ23から放射される光(以下、「第1の光」ともいう)と蛍光体粒子から放射される光(以下、「第2の光」ともいう)との混色光を得ることが可能となる。表面実装型LED2aの光源色は、第1の光と第2の光との混色光の色である。蛍光体粒子は、例えば、第2の光として黄色の光を放射する黄色蛍光体粒子である。
図1に示す実装基板1aは、一例として、プリント配線板により構成されている。プリント配線板は、熱伝導率が高いのが好ましい。プリント配線板は、一例として、CEM−3(Composite Epoxy Materials-3)の規格を満たすガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂銅張積層板から形成されている。平面視における実装基板1aの外形サイズは、平面視における表面実装型LED2aの外形サイズよりも大きい。
実装基板1aは、支持体10と、第1ランド(Land)11と、第2ランド12と、を備える。
支持体10は、プリント配線板における絶縁基板により構成されている。これにより、支持体10は、電気絶縁性を有する。支持体10は、平板状に形成されており、表面101及び裏面102を有する。
第1ランド11及び第2ランド12は、プリント配線板における絶縁基板上の銅はくにより構成されている。第1ランド11及び第2ランド12は、電子部品2(ここでは、表面実装型LED2a)を接続するための導体部分である。
第1ランド11及び第2ランド12は、支持体10の表面101上に設けられている。これにより、支持体10は、第1ランド11及び第2ランド12を支持している。第1ランド11と第2ランド12とは、第1方向D1において並ぶように配置されている。つまり、実装基板1aにおいて、1つの表面実装型LED2aの実装に利用する第1ランド11と第2ランド12とは、当該1つの表面実装型LED2aを実装する実装領域で、一方向に並ぶように配置されている。
LEDモジュール3a(図1C参照)では、第1ランド11は、表面実装型LED2aの第1電極21に対向する。また、第2ランド12は、表面実装型LED2aの第2電極22に対向する。
実装基板1aは、第1ランド11を含む第1導体部110と、第2ランド12を含む第2導体部120と、支持体10の表面101側に設けられ第1導体部110及び第2導体部120を覆うレジスト層13を備えるのが好ましい。ここにおいて、第1導体部110の面積は、第1ランド11の面積よりも大きい。また、第2導体部120の面積は、第2ランド12の面積よりも大きい。第1導体部110、第1ランド11、第2導体部120及び第2ランド12の面積は、支持体10側とは反対側の表面の面積である。
第1導体部110は、2つの第1ランド11を含んでいる。第1導体部110の平面視形状は、矩形状である。
第2導体部120は、2つの第2ランド12を含んでいる。第2導体部120の平面視形状は、矩形状である。
第1導体部110の第3方向D3の幅と第2導体部120の第3方向D3の幅とは同じである。第1導体部110の第1方向D1の長さは、第2導体部120の第1方向D1の長さよりも長い。よって、第1導体部110の面積は、第2導体部120の面積よりも大きい。第1導体部110と第2導体部120との最短距離L1(第1方向D1における距離)は、表面実装型LED2aの第1電極21と第2電極22との最短距離L2(第1方向D1における距離)よりも長い。最短距離L2は、例えば、0.5mmである。
レジスト層13には、第1ランド11を露出させる第1窓孔131と、第2ランド12を露出させる第2窓孔132と、が形成されている。レジスト層13の材料は、例えば、フッ素樹脂系の白色レジスト、エポキシ樹脂系の白色レジスト、シリコーン樹脂系の白色レジスト等が好ましい。実装基板1aでは、第1ランド11及び第2ランド12のはんだ濡れ性が、レジスト層13のはんだ濡れ性よりも高い。言い換えれば、実装基板1aでは、レジスト層13のはんだ濡れ性が第1ランド11及び第2ランド12のはんだ濡れ性よりも低い。
実装基板1aでは、第1導体部110及び第2導体部120それぞれの一部が、第1方向D1において第1ランド11と第2ランド12との間に在る。
第1ランド11と第2ランド12との最短距離L10(第1方向D1における最短距離)は、第1電極21と第2電極22との最短距離L2(第1方向D1における最短距離)よりも長い。第1ランド11の面積は、第1電極21の面積よりも小さい。
第1ランド11は、幅広部11A(第1幅広部)と、幅狭部11B(第1幅狭部)と、を有する。幅広部11Aの平面視形状は、矩形状である。幅広部11Aは、第1電極21における第2電極22側とは反対側の端部である第1外側電極部21Bよりも幅広である。幅狭部11Bの平面視形状は、矩形状である。幅狭部11Bは、幅広部11Aから第1方向D1において第2ランド12側とは反対方向に延びており第1外側電極部21Bよりも幅狭である。要するに、第1ランド11は、平面視形状が、L字状である。幅広部11Aの幅W1Aは、第1電極21の第1外側電極部21Bの幅H1Bよりも広く、第1内側電極部21Aの幅H1Aよりも狭い。第1ランド11の平面視において、幅狭部11Bの第3方向D3の幅W1Bは、例えば、幅広部11Aの第3方向D3の幅W1Aの2分の1〜3分の1程度である。
第2ランド12は、幅広部12A(第2幅広部)と、幅狭部12B(第2幅狭部)と、を有する。幅広部12Aの平面視形状は、矩形状である。幅広部12Aは、第2電極22における第1電極21側とは反対側の端部である第2外側電極部22Bよりも幅広である。幅狭部12Bの平面視形状は、矩形状である。幅狭部12Bは、幅広部12Aから第1方向D1において第1ランド11側とは反対方向に延びており第2外側電極部22Bよりも幅狭である。要するに、第2ランド12は、平面視形状が、L字状である。幅広部12Aの幅W2Aは、第2電極22の第2外側電極部22Bの幅H2Bよりも広く、第2内側電極部22Aの幅H2Aよりも狭い。第2ランド12の平面視において、幅狭部12Bの第3方向D3の幅W2Bは、例えば、幅広部12Aの第3方向D3の幅W2Aの2分の1〜3分の1程度である。
第1ランド11の幅広部11Aにおける幅狭部11B側のエッジと第2ランド12の幅広部12Aにおける幅狭部12B側のエッジとの最短距離L11は、第1外側電極部21Bの先端面と第2外側電極部22Bの先端面との距離L20よりもやや長い。例えば、最短距離L11は、実装基板1a上の表面実装型LED2aの所定位置(所定の実装位置)から第1方向D1への許容ずれ量(0.1mm)の2倍の長さ(0.2mm)だけ長い。実装基板1a上において表面実装型LED2aが所定位置から第1方向D1及び第3方向D3のいずれにも位置ずれすることなく実装されている場合、第1電極21と第2電極22との間に第1ランド11を含む第1導体部110の一部又は第2ランド12を含む第2導体部120の一部が存在することはない。また、第1方向D1において、第2電極22と第2ランド12を含む第2導体部120との距離は、(L1−L2)/2となる。また、第1方向D1において、第1ランド11の幅広部11Aにおける幅狭部11B側のエッジと第1外側電極部21Bの先端面との距離は、上述の許容ずれ量と等しくなる。また、第1方向D1において、第2ランド12の幅広部12Aにおける幅狭部12B側のエッジと第2外側電極部22Bの先端面との距離は、上述の許容ずれ量と等しくなる。
LEDモジュール3aでは、実装基板1aの第1ランド11と表面実装型LED2aの第1電極21とが、はんだにより接合される。LEDモジュール3aでは、実装基板1aの第2ランド12と表面実装型LED2aの第2電極22とが、はんだにより接合される。LEDモジュール3aでは、表面実装型LED2aの第1電極21と実装基板1aの第1ランド11との間に、第1電極21と第1ランド11とを接合しているはんだからなる第1接合部31が存在する。また、LEDモジュール3aでは、表面実装型LED2aの第2電極22と実装基板1aの第2ランド12との間に、第2電極22と第2ランド12とを接合しているはんだからなる第2接合部32が存在する。第1接合部31及び第2接合部32の各々は、溶融したクリームはんだ(以下「溶融はんだ」という)が凝固することにより形成されている。はんだは、例えば、SnAgCuである。
第1接合部31のうち表面実装型LED2aにおける第1電極21の側方に在る部分は、第1フィレット(Fillet)31Bを構成している。第1フィレット31Bは、はんだフィレットである。第1フィレット31Bは、第1電極21における第1外側電極部21Bの先端面(図1Cにおける右側面)と第1ランド11の表面とに跨って形成されている。また、第2接合部32のうち表面実装型LED2aにおける第2電極22の側方に在る部分は、第2フィレット32Bを構成している。第2フィレット32Bは、はんだフィレットである。第2フィレット32Bは、第2電極22における第2外側電極部22Bの先端面(図1Cにおける左側面)と第1ランド11の表面とに跨って形成されている。
実装基板1aは、表面実装型LED2aへの給電用の一対の端子部(図示せず)を更に備えている。一対の端子部の各々は、第1導体部110及び第2導体部120と同様、支持体10の表面101上に形成されている。一対の端子部の各々は、一例として、銅はくにより構成されている。実装基板1aでは、一対の端子部の各々に、電線(例えば、リード線)、コネクタ等を接続することができる。また、実装基板1aは、一対の端子部のうち一方の端子部と第1導体部110とを接続する配線部(図示せず)と、他方の端子部と第2導体部120とを接続する配線部(図示せず)と、を更に備える。各配線部は、第1導体部110及び第2導体部120と同様、支持体10の表面101上に形成されている。各配線部は、一例として、銅はくにより構成されている。実装基板1aでは、第1導体部110の一部が一方の端子部を構成するようにし、第2導体部120の一部が他方の端子部を構成するようにしてもよい。
LEDモジュール3aでは、例えば、外部の電源ユニット(電源装置)等から一対の端子部間に給電されることにより、表面実装型LED2aが発光する。LEDモジュール3aにおける一対の端子部の間には、電源ユニットに限らず、例えば、電源回路(点灯回路)等の外部回路が接続されてもよい。
LEDモジュール3aの製造方法についてより詳細に説明する前に、比較例のLEDモジュールの構成及びその製造方法について図4〜6に基づいて説明する。
比較例のLEDモジュールは、LEDモジュール3aの表面実装型LED2a及び実装基板1aの代わりに、表面実装型LED2b(図4参照)及び実装基板1r(図5参照)を備える。比較例のLEDモジュールに関して、LEDモジュール3aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
表面実装型LED2bは、表面実装型LED2aと略同じ構成であり、表面実装型LED2aにおける第1樹脂部27及び第2樹脂部28を備えていない点で表面実装型LED2aと相違する。
実装基板1rは、実装基板1aと略同じ構成であり、第1ランド11及び第2ランド12の数が1つずつである点、第1ランド11及び第2ランド12の平面視形状が、それぞれ、第1電極21及び第2電極22と同様のU字状である点で実装基板1aと相違する。また、実装基板1rは、第1ランド11及び第2ランド12の面積が、それぞれ、表面実装型LED2bの第1電極21及び第2電極22の面積よりも大きい点で実装基板1aと相違する。図6Aに示すように、実装基板1rにおける第1ランド11の第3方向D3の幅は、表面実装型LED2bにおける第1電極21の第3方向D3の幅よりも広い。また、図6A及び6Bに示すように、実装基板1rにおける第1ランド11の第1方向D1の長さは、表面実装型LED2bにおける第1電極21の第1方向D1の長さと略同一である。また、図6A及び6Cに示すように、実装基板1rにおける第2ランド12の第1方向D1の長さは、表面実装型LED2bにおける第2電極22の第1方向D1の長さと略同一である。また、実装基板1rでは、第1方向D1において、第1ランド11と第2ランド12との最短距離L10(図5及び6A参照)が、表面実装型LED2bにおける第1電極21と第2電極22との最短距離L2(図4及び6A参照)よりも長い。また、実装基板1rでは、第1方向D1において、第1ランド11を含む第1導体部110と第2ランド12を含む第2導体部120との最短距離L1(図5及び6A参照)が、第1電極21と第2電極22との最短距離L2よりも長い。
比較例のLEDモジュールの製造方法では、実装基板1rに表面実装型LED2bをはんだ付けしたときに、表面実装型LED2bの位置ずれが起こりやすい。この点については、以下に説明する。
比較例のLEDモジュールの製造方法では、実装基板1aの第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面の全面にクリームはんだ(Solder Paste)を塗布する。その後、表面実装型LED2bを実装基板1r上の所定位置に置き(図6A参照)、続いて、リフロー炉を通すことでクリームはんだを溶融させて表面実装型LED2bをソルダリングする。比較例のLEDモジュールにおいて、第1電極21と第1ランド11とを接合している第1接合部、第2電極22と第2ランド12とを接合している第2接合部の各々は、溶融はんだが凝固することにより形成されている。「第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面の全面にクリームはんだを塗布する」とは、塗布されたクリームはんだの形状が第1ランド11及び第2ランド12と同じ形状となるようにクリームはんだを塗布することを意味する。
比較例1のLEDモジュールの製造方法では、第1ランド11上の溶融はんだが第1電極21に濡れ広がって表面実装型LED2bを第1方向D1において第1ランド11側に引っ張り込もうとする。また、第2ランド12上の溶融はんだが第2電極22に濡れ広がって表面実装型LED2bを第1方向D1において第2ランド12側に引っ張り込もうとする。ここで、第1ランド11上の溶融はんだの量が第2ランド12上の溶融はんだの量よりも多いので、図6Aのように表面実装型LED2bが所定位置に位置精度良く置かれても、リフローの際に、図6Bのように表面実装型LED2bがずれてしまうことがある。図6Bでは、表面実装型LED2bが第1方向D1において第1ランド11側へずれている。この場合、第2電極22と第1導体部110との最短距離が、第2電極22と第1電極21との最短距離L2よりも短くなってしまい、表面実装型LED2bに必要な電気絶縁距離を確保できなくなることがある。「所定位置」は、第1方向D1に関して、第1導体部110から第2導体部120側へ第1電極21がはみ出している長さと、第2導体部120から第1導体部110側へ第2電極22がはみ出している長さとを同じとする位置である。また、「所定位置」は、第3方向D3に関して、第1電極21から第3方向D3の両側それぞれへの第1ランド11のはみ出し距離を同じとし、かつ、第2電極22から第3方向D3の両側それぞれへの第2ランド12のはみ出し距離が同じとする位置である。
また、図6Bのように表面実装型LED2bが所定位置よりも第1ランド11側にずれて置かれると、第2電極22が第2ランド12から第1ランド11側へはみ出してしまう。この場合、リフローの際に、第2ランド12の表面に塗布されていたクリームはんだは、第2電極22に濡れ広がって第2電極22を第2ランド12側に引っ張り込もうとする。一方、第1電極21は全体が第1ランド11に重なっており、しかも、第1電極21の面積が第2電極22の面積よりも大きいので、第1電極21は、第2ランド12側へは移動しにくい。このため、図6Bのように所定位置からずれた位置に置かれた表面実装型LED2bが、そのずれた位置で実装基板1rに固定されてしまうので、表面実装型LED2bの位置ずれが生じる。
また、図6Cのように、表面実装型LED2bが所定位置よりも第2ランド12側にずれて置かれると、第1電極21が第1ランド11から第2ランド12側へはみ出してしまう。この場合、リフローの際に、第1ランド11に塗布されていたクリームはんだは、第1電極21に濡れ広がって第1電極21を第1ランド11側に引っ張り込もうとする。これに対し、第2電極22は、全体が第2ランド12に重なっているが、第2ランド12に塗布されていたクリームはんだの量よりも第1ランド11に塗布されていたクリームはんだの量が多いので、第1ランド11側にずれようとする。ここで、第1ランド11から第1電極21がはみ出さなくなった位置で安定してしまい、結果として位置ずれが起きてしまう。
以上のように、表面実装型LED2bの第1電極21の面積と第2電極22との面積がアンバランスな場合、実装基板1rにおける支持体10の表面101に平行な面内での表面実装型LED2bの位置ずれが起こりやすい。その結果、比較例のLEDモジュールでは、表面実装型LED2bに必要な電気絶縁距離を確保できなくなることがある。また、LEDモジュールをレンズ等の光学系と合わせて使用する場合には、表面実装型LED2bの位置ずれに起因して光出力が低下したり、光出力むらが発生したりすることがある。
また、図6Bのように第1電極21が第1ランド11における第2ランド12側とは反対側へずれすぎると、第1接合部にフィレットが形成されにくくなる。この場合、比較例のLEDモジュールに関して、第1接合部の外観検査が難しいという問題や、温度サイクル等の熱衝撃によって第1接合部にクラックが発生する(はんだ割れが生じる)という懸念があった。このため、比較例のLEDモジュールでは、信頼性が低下したり、寿命が短寿命化してしまう懸念がある。
以下、本実施形態のLEDモジュール3aの製造方法について説明する。
LEDモジュール3aの製造に際しては、実装基板1aの第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面上に適量のクリームはんだ(Solder Paste)を塗布(印刷)し、その後、表面実装型LED2aを実装基板1a上に置く(図3参照)。図3では、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにおいてクリームはんだが塗布される領域にドットのハッチングを付してある。これらのハッチングは、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにおいてクリームはんだが塗布される領域を分かりやすくするために付しただけであり、断面を表すハッチングではない。このハッチングを付した領域は、クリームはんだを塗布するときに利用するメタルマスク(metal mask)の孔の形状によって決まる。メタルマスクは、メタルステンシル(metal stencil)とも呼ばれる。
上述のように表面実装型LED2aを実装基板1a上に置いた後、リフロー炉(リフロー槽)を通すことでクリームはんだを溶融させて表面実装型LED2aをソルダリングする。要するに、LEDモジュール3aの製造方法では、表面実装型LED2aをリフローソルダリング(Reflow Soldering)により表面実装する。
LEDモジュール3aの製造方法では、リフローの際に、表面実装型LED2aの位置ずれを抑制することが可能となる。以下、この点について説明する。
まず、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにクリームはんだを塗布した後に、図1B及び3のように表面実装型LED2aが所定位置に位置精度良く置かれた場合について説明する。
リフローの際には、第1ランド11、第2ランド12に塗布されていたクリームはんだが溶融して、それぞれ第1電極21、第2電極22へ濡れ広がる。ここにおいて、第1電極21の面積が第2電極22の面積よりも大きいので、第1電極21の表面に沿って吸い上げられる溶融はんだの量が、第2電極22の表面に沿って吸い上げられる溶融はんだの量よりも大きい。言い換えれば、第1電極21へ溶融はんだが濡れ広がる面積が、第2電極22へ溶融はんだが濡れ広がる面積よりも広い。このため、第2電極22が第2ランド12を引っ張る力よりも、第1電極21が第1ランド11を引っ張る力のほうが強いので、表面実装型LED2aが第1ランド11側にずれる。しかし、第1電極21が第2ランド12側から第1ランド11の幅広部11Aのエッジを越えようとすると、溶融はんだにより第1電極21に発生する表面張力と、溶融はんだにより第1ランド11の幅広部11Aに発生する表面張力と、により、第1電極21と第1ランド11とが互いに引っ張り合う。これにより、表面実装型LED2aの位置ずれが抑制される。
よって、LEDモジュール3aの製造方法では、表面実装型LED2aをより精度良く実装することが可能となる。また、LEDモジュール3aの製造方法では、第1接合部31、第2接合部32に、それぞれ、第1フィレット31B、第2フィレット32Bが形成される。より詳細には、実装基板1aは、第1ランド11の幅狭部11Bを有することにより、幅狭部11Bに第1フィレット31Bの少なくとも一部が形成されるので、第1フィレット31Bの形成領域を確保することが可能である。また、実装基板1aは、第2ランド12の幅狭部12Bを有することにより、幅狭部12Bに第2フィレット32Bの少なくとも一部が形成されるので、第2フィレット32Bの形成領域を確保することが可能である。
次に、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにクリームはんだを塗布した後に、許容される実装ずれを超えて表面実装型LED2aが第1ランド11側にずれて置かれた場合(幅広部11Aを越えて実装された場合)について説明する。
リフローの際には、第2ランド12上の溶融はんだが第2電極22に沿って吸い上げられて濡れ広がることで、表面実装型LED2aが第2ランド12側に引っ張られる。一方、第1ランド11上の溶融はんだが第1電極21に沿って吸い上げられて濡れ広がる。ここで、第1内側電極部21Aに濡れ広がった溶融はんだにより第1ランド11側に引っ張られ、第1外側電極部21Bに濡れ広がった溶融はんだにより第2ランド12側に引っ張られる。このため、表面実装型LED2aが第2ランド12側にずれる。しかし、第1電極21が第1ランド11の幅狭部11B側から幅広部11Aのエッジを越えようとすると、第1電極21に発生する表面張力と第1ランド11の幅広部11Aに発生する表面張力とにより、第1電極21と第1ランド11とが互いに引っ張り合う。これにより、表面実装型LED2aの位置ずれが抑制される。
次に、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにクリームはんだを塗布した後に、許容される実装ずれを超えて表面実装型LED2aが第2ランド12側にずれて置かれた場合(幅広部12Aを越えて実装された場合)について説明する。
リフローの際には、第1ランド11上の溶融はんだが第1電極21に沿って吸い上げられて濡れ広がることで、表面実装型LED2aが第1ランド11側に引っ張られる。一方、第2ランド12上の溶融はんだが第2電極22に沿って吸い上げられて濡れ広がる。ここで、第2内側電極部22Aに濡れ広がった溶融はんだにより表面実装型LED2aが第2ランド12側に引っ張られ、第2外側電極部22Bに濡れ広がった溶融はんだにより表面実装型LED2aが第1ランド11側に引っ張られる。このため、表面実装型LED2aが第1ランド11側にずれる。しかし、第2電極22が第2ランド12の幅狭部12B側から幅広部12Aのエッジを越えようとすると、第2電極22に発生する表面張力と第2ランド12の幅広部12Aに発生する表面張力とにより、第2電極22と第2ランド12とが互いに引っ張り合う。これにより、多くの場合、表面実装型LED2aの位置ずれが抑制される。
しかし、第1電極21の面積が第2電極22の面積よりも大きいので、第1電極21の表面に沿って吸い上げられて濡れ広がる溶融はんだの量が、第2電極22の表面に沿って吸い上げられて濡れ広がる溶融はんだの量よりも多い。このため、第2電極22が第2ランド12を引っ張る力よりも、第1電極21が第1ランド11を引っ張る力のほうが強いので、表面実装型LED2aが第1ランド11側に更にずれる場合がある。その場合、第1電極21が第2ランド12側から第1ランド11の幅広部11Aのエッジを越えようとすると、溶融はんだにより第1電極21に発生する表面張力と、溶融はんだにより第1ランド11の幅広部11Aに発生する表面張力と、により、第1電極21と第1ランド11とが互いに引っ張り合う力が追加されることになる。これにより、表面実装型LED2aの位置ずれが抑制される。
LEDモジュール3aの製造方法では、第1電極21に沿って吸い上げられた溶融はんだ及び第1接合部31は、必ずしも第1電極21の表面全体を覆う必要はない。また、LEDモジュール3aの製造方法では、第2電極22に沿って吸い上げられた溶融はんだ及び第2接合部32は、必ずしも第2電極22の表面全体を覆う必要はない。
LEDモジュール3aの製造方法では、実装基板1aにおける支持体10の表面101に平行な面内での表面実装型LED2aの位置ずれを抑制することが可能となる。その結果、LEDモジュール3aでは、表面実装型LED2aに必要な電気絶縁性を確保しやすくなる。また、LEDモジュール3aでは、レンズ等の光学系と合わせて使用する場合に、表面実装型LED2aの位置ずれに起因して光出力が低下したり、光出力むらが発生するのを抑制することが可能となる。
また、本実施形態のLEDモジュール3aでは、その製造時に、第1接合部31、第2接合部32に、それぞれ、第1フィレット31B、第2フィレット32Bをより確実に形成することが可能となる。これにより、LEDモジュール3aでは、第1接合部31及び第2接合部32に対する外観検査の検査精度の向上を図れる。ここにおいて、外観検査は、例えば、目視検査、光学顕微鏡を用いた外観検査、撮像装置と画像処理装置とを用いた外観検査等である。また、LEDモジュール3aでは、熱衝撃によるはんだ割れを抑制することが可能となるので、長寿命化を図ることが可能となる。よって、LEDモジュール3aは、信頼性の向上を図ることが可能となる。
また、実装基板1aでは、第1ランド11が、第2方向D2(表面実装型LED2aの厚さ方向D2)において、第1電極21の第1内側電極部21Aに重ならず、かつ、第1外側電極部21Bに重なるように配置されている。また、実装基板1aでは、第2ランド12が、第3方向D3において、第1電極21の第1内側電極部21Aに重ならず、かつ、第1外側電極部21Bに重なるように配置されている。これにより、実装基板1aに表面実装型LED2aを実装する場合、リフローの際にクリームはんだに含まれていたフラックスが外部へ抜けやすくなる。よって、実装基板1aでは、第1電極21と第2電極22との間においてパッケージ本体20の裏面202、実装基板1aのレジスト層13の表面等にはんだボールが形成されるのを抑制することが可能となる。これにより、実装基板1aは、実装される表面実装型LED2aの第1電極21と第2電極22との短絡を抑制することが可能となる。
以上説明した本実施形態の実装基板1aは、電子部品2を表面実装可能である。電子部品2は、表面実装用の第1電極21及び第2電極22を備える。第1電極21の面積が第2電極22の面積よりも大きい。実装基板1aは、支持体10と、第1ランド11と、第2ランド12と、を備える。支持体10は、電気絶縁性を有する。第1ランド11は、支持体10の表面101上に設けられており第1電極21がはんだにより接合される。第2ランド12は、支持体10の表面101上に設けられており第2電極22がはんだにより接合される。第1ランド11と第2ランド12との最短距離L1が第1電極21と第2電極22との最短距離L2よりも長い。第1ランド11は、幅広部11Aと、幅狭部11Bと、を有する。幅広部11Aは、第1電極21における第2電極22側とは反対側の端部である第1外側電極部21Bよりも幅広である。幅狭部11Bは、幅広部11Aから第1ランド11と第2ランド12との並び方向において第2ランド12側とは反対方向に延びている。幅狭部11Bは、第1外側電極部21Bよりも幅狭である。
以上の構成により、実装基板1aは、電子部品2をより精度良く実装することが可能で、かつ、電子部品2に必要な電気絶縁性を確保しやすい。
実装基板1aでは、第2ランド12は、幅広部12Aと、幅狭部12Bと、を有する。幅広部12Aは、第2電極22における第1電極21側とは反対側の端部である第2外側電極部22Bよりも幅広である。幅狭部12Bは、幅広部12Aから第1ランド11と第2ランド12との並び方向において第1ランド11側とは反対方向に延びている。幅狭部12Bは、第2外側電極部22Bよりも幅狭である。これにより、実装基板1aは、電子部品2を更に精度良く実装することが可能で、かつ、電子部品2に必要な電気絶縁性を確保しやすい。より詳細には、第2電極22が第2ランド12の幅広部11Aのエッジを越えようとすると、第2電極22に発生する表面張力と第2ランド12の幅広部12Aに発生する表面張力とにより、第2電極22と第2ランド12とが互いに引っ張り合う。これにより、実装基板1aは、表面実装型LED2aの位置ずれをより確実に抑制することが可能となる。第2ランド12が幅広部12Aと幅狭部12Bとを有する場合、第2ランド12の面積と第1ランド11の面積とが同じであるのが好ましい。これにより、実装基板1aは、電子部品2を実装するときに第1ランド11から第1電極21に濡れ広がる溶融はんだの量と第2ランド12から第2電極22に濡れ広がる溶融はんだの量とを略同じとすることが可能となる。よって、実装基板1aは、電子部品2を更に精度良く実装することが可能となる。
実装基板1aでは、第1ランド11を含む第1導体部110及び第2ランド12を含む第2導体部120それぞれの一部は、第1ランド11と第2ランド12との並び方向において第1ランド11と第2ランド12との間に在る。また、実装基板1aは、支持体10の表面101側に設けられ第1導体部110及び第2導体部120それぞれの一部を覆うレジスト層13を備えるのが好ましい。これにより、実装基板1aは、電子部品2を実装するときに、第1ランド11と第2ランド12との間において、表面実装型LED2aと実装基板1aとの間の間隔を狭くすることが可能となる。よって、実装基板1aは、電子部品2を実装するときに、第1ランド11上の溶融はんだが第1電極21において濡れ広がる範囲を狭くすることが可能となり、かつ、第2ランド12上の溶融はんだが濡れ広がる範囲を狭くすることが可能となる。これにより、実装基板1aは、電子部品2を更に精度良く実装することが可能となる。また、実装基板1aは、電子部品2を実装するときに、第1ランド11と第2ランド12との間において、表面実装型LED2aや実装基板1aにはんだボールが発生するのをより抑制することが可能となる。
実装基板1aに表面実装する電子部品2は、第1電極21の厚さ方向に第1電極21を貫通した第1樹脂部27と、第2電極22の厚さ方向に第2電極22を貫通した第2樹脂部28と、を備えている。実装基板1aでは、第1ランド11は、第1ランド11と第2ランド12との並び方向における第2ランド12側の端部が第1樹脂部27の少なくとも一部に重なるように配置されている。また、実装基板1aでは、第2ランド12は、第1ランド11と第2ランド12との並び方向における第1ランド11側の端部が第2樹脂部28の少なくとも一部に重なるように配置されている。これにより、実装基板1aでは、電子部品2が実装されるときに、第1ランド11上の溶融はんだの濡れ広がりが、第1電極21よりもはんだ濡れ性の低い第1樹脂部27によって抑制される。また、第2ランド12上の溶融はんだの濡れ広がりが、第2電極22よりもはんだ濡れ性の低い第2樹脂部28によって抑制される。よって、実装基板1aは、電子部品2をより精度良く実装することが可能となる。ただし、実装基板1aでは、第1ランド11の第2ランド12側の端部が、第1樹脂部27の一部に重ならない場合でも第1樹脂部27の近辺にあれば、第1ランド11上の溶融はんだの濡れ広がりが、第1樹脂部27によって抑制される。また、実装基板1aでは、第2ランド12の第1ランド11側の端部が、第2樹脂部28の一部に重ならない場合でも第2樹脂部28の近辺にあれば、第2ランド12上の溶融はんだの濡れ広がりが、第2樹脂部28によって抑制される。
本実施形態におけるLEDモジュール3aは、上記の実装基板1aと、実装基板1aに実装された電子部品2と、を備え、電子部品2が表面実装型LED2aである。これにより、LEDモジュール3aは、実装基板1aに対して表面実装型LED2aをより精度良く実装することが可能で、かつ、表面実装型LED2aに必要な電気絶縁性を確保しやすい。
本実施形態におけるLEDモジュール3aは、表面実装型LED2aと、表面実装型LED2aが表面実装される実装基板1aと、を備える。表面実装型LED2aは、LEDチップ23と、パッケージ本体20と、第1電極21と、第2電極22と、を含む。パッケージ本体20は、表面201及び表面201とは反対側の裏面202を有し、LEDチップ23を収納する。第1電極21は、パッケージ本体20の裏面202側に設けられ、LEDチップ23の第1パッド電極231に電気的に接続される。第2電極22は、パッケージ本体20の裏面202側に設けられ、LEDチップ23の第2パッド電極232に電気的に接続される。第1電極21の面積が第2電極22の面積よりも大きい。実装基板1aは、支持体10と、第1ランド11と、第2ランド12と、を備える。支持体10は、電気絶縁性を有する。第1ランド11は、支持体10の表面101上に設けられ第1電極21に対向する。第2ランド12は、支持体10の表面101上に設けられ第2電極22に対向する。第1ランド11と第2ランド12との最短距離L1が第1電極21と第2電極22との最短距離L2よりも長い。第1ランド11は、幅広部11Aと、幅狭部11Bと、を有する。幅広部11Aは、第1電極21における第2電極22側とは反対側の端部である第1外側電極部21Bよりも幅広である。幅狭部11Bは、幅広部11Aから第1ランド11と第2ランド12との並び方向において第2ランド12側とは反対方向に延びており第1外側電極部21Bよりも幅狭である。第1電極21と第1ランド11との間に第1電極21と第1ランド11とを接合しているはんだからなる第1接合部31が存在する。第2電極22と第2ランド12との間に第2電極22と第2ランド12とを接合しているはんだからなる第2接合部32が存在する。
以上の構成により、LEDモジュール3aは、実装基板1aに対して表面実装型LED2aをより精度良く実装することが可能で、かつ、表面実装型LED2aに必要な電気絶縁性を確保しやすい。
LEDモジュール3aの製造方法では、実装基板1aにクリームはんだを塗布するときに、第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面の全体よりもやや狭い領域(図3においてドットで示した領域)にクリームはんだを塗布する。ここにおいて、クリームはんだを塗布するときには、第1ランド11及び第2ランド12それぞれに対してL字状の領域にクリームはんだを塗布する。より詳細には、第1ランド11に対しては、第1ランド11の幅狭部11Bの表面の全体と、幅広部11Aの表面の一部と、にクリームはんだを塗布する。第2ランド12に対しては、第2ランド12の幅狭部12Bの表面の全体と、幅広部12Aの表面の一部と、にクリームはんだを塗布する。よって、第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面の全体にクリームはんだを塗布する場合に比べて、クリームはんだの量を少なくすることができる。これにより、LEDモジュール3aの製造方法では、第1ランド11上の溶融はんだの第1電極21への濡れ広がりと、第2ランド12上の溶融はんだの第2電極22への濡れ広がりと、を抑制することが可能となる。このため、LEDモジュール3aの製造方法では、実装基板1aに対して表面実装型LED2aを更に精度良く実装することが可能となる。
図7は、実装基板1aに、電子部品2として、表面実装型LED2aとは異なる表面実装型LED2bを置いた状態の平面図である。図7Bは、実装基板1aと表面実装型LED2bとを備えるLEDモジュール3bの断面図である。図7Bは、図7AのX−X線断面に対応する断面図である。
LEDモジュール3bでは、LEDモジュール3aと同じ実装基板1aを備えるので、実装基板1aに対して表面実装型LED2bをより精度良く実装することが可能で、かつ、表面実装型LED2bに必要な電気絶縁性を確保しやすい。
図8では、図3と同様、LEDモジュール3bを製造するときに、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにおいてクリームはんだが塗布される領域にドットのハッチングを付してある。このハッチングを付した領域は、クリームはんだを塗布するときに利用するメタルマスクの孔の形状によって決まる。ここでは、実装基板1a上で、表面実装型LED2bのパッケージ本体20に外側のみにクリームはんだが塗布されるように、メタルマスクの孔の形状を設計してある。これにより、LEDモジュール3bの製造方法では、溶融はんだの濡れ広がりを抑制することが可能となり、第1接合部31と第2接合部32との距離をより長くすることが可能となり、はんだボールの発生をより抑制することが可能となる。また、第1ランド11上の溶融はんだが表面実装型LED2bと実装基板1aとの間の空間へ飛散したとしても、はんだ濡れ性の高い第1電極21にキャッチされやすいという利点がある。同様に、第2ランド12上の溶融はんだが表面実装型LED2bと実装基板1aとの間の空間へ飛散したとしても、はんだ濡れ性の高い第2電極22にキャッチされやすいという利点がある。ただし、クリームはんだを塗布する領域は、図3と同様の領域でもよいし、第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面の全域でもよい。
図9は、実施形態1の変形例1に係る実装基板1cの平面図である。実装基板1cに関し、実装基板1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実装基板1cは、第2ランド12の平面視形状がL字状ではなく矩形状である点で、実装基板1aと相違する。
実装基板1cと表面実装型LED2bとを備えるLEDモジュールの製造方法は、実施形態1におけるLEDモジュール3aの製造方法と同様であり、リフローの際に、表面実装型LED2bの位置ずれを抑制することが可能となる。以下、この点について説明する。
まず、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにクリームはんだを塗布した後に、図10Aのように表面実装型LED2bが所定位置に位置精度良く置かれた場合について説明する。
リフローの際には、第1ランド11、第2ランド12に塗布されていたクリームはんだが溶融して、それぞれ第1電極21、第2電極22へ濡れ広がり、表面実装型LED2bが第1ランド11側にずれる。しかし、第1電極21が第2ランド12側から第1ランド11の幅広部11Aのエッジを越えようとすると、溶融はんだにより第1電極21に発生する表面張力と、溶融はんだにより第1ランド11に発生する表面張力と、により、第1電極21と第1ランド11とが互いに引っ張り合う。これにより、表面実装型LED2bの位置ずれが抑制される。
よって、実装基板1cを備えるLEDモジュールの製造方法では、表面実装型LED2bをより精度良く実装することが可能となる。
次に、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにクリームはんだを塗布した後に、図10Bのように表面実装型LED2bが第1ランド11側にずれて置かれた場合について説明する。
リフローの際には、第2ランド12上の溶融はんだが第2電極22に沿って吸い上げられて濡れ広がることで、表面実装型LED2bが第2ランド12側に引っ張られる。一方、第1ランド11上の溶融はんだが第1電極21に沿って吸い上げられて濡れ広がる。ここで、第1内側電極部21Aに濡れ広がった溶融はんだにより第1ランド11側に引っ張られ、第1外側電極部21Bに濡れ広がった溶融はんだにより第2ランド12側に引っ張られる。このため、表面実装型LED2bが第2ランド12側にずれる。しかし、第1電極21が第1ランド11の幅狭部11B側から幅広部11Aのエッジを越えようとすると、第1電極21に発生する表面張力と第1ランド11の幅広部11Aに発生する表面張力とにより、第1電極21と第1ランド11とが互いに引っ張り合う。これにより、表面実装型LED2bの位置ずれが抑制される。
次に、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにクリームはんだを塗布した後に、図10Cのように表面実装型LED2bが第2ランド12側にずれて置かれた場合について説明する。
リフローの際には、第1ランド11、第2ランド12上の溶融はんだが、それぞれ第1電極21、第2電極22へ濡れ広がり、表面実装型LED2aが第1ランド11側にずれる。しかし、第1電極21が第2ランド12側から第1ランド11の幅広部11Aのエッジを越えようとすると、溶融はんだにより第1電極21に発生する表面張力と、溶融はんだにより第1ランド11に発生する表面張力と、により、第1電極21と第1ランド11とが互いに引っ張り合う。これにより、表面実装型LED2bの位置ずれが抑制される。
実施形態1の変形例2に係る実装基板1d及びそれを備えるLEDモジュール3dについて図11に基づいて説明する。実装基板1dに関し、実装基板1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、LEDモジュール3dに関し、LEDモジュール3aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。LEDモジュール3dは、表面実装型LED2aの代わりに、表面実装型LED2bを備えている。
変形例2に係る実装基板1dでは、第1導体部110、第2導体部120それぞれの面積が、実装基板1aにおける第1導体部110、第2導体部120それぞれの面積よりも小さい。ここで、変形例2に係る実装基板1dでは、第1方向D1における第1導体部110、第2導体部120それぞれの長さが、実装基板1aにおける第1導体部110、第2導体部120それぞれの長さよりも短い。
実装基板1dにおける第1導体部110と第2導体部120との最短距離L1は、実装基板1aにおける第1導体部110と第2導体部120との最短距離L1よりも長い。これにより、実装基板1dは、表面実装型LED2bに必要な電気絶縁性をより確保しやすい。
実施形態1の変形例3に係る実装基板1eについて図12に基づいて説明する。実装基板1eに関し、変形例2の実装基板1dと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実装基板1eでは、第1ランド11及び第2ランド12の形状が、実装基板1aの第1ランド11及び第2ランド12の形状と相違する。より詳細には、実装基板1eでは、第1ランド11及び第2ランド12の平面視形状がT字状である。実装基板1eでは、第1ランド11の幅広部11Aの第3方向D3における幅は、実装基板1aにおける幅広部11Aの幅W1Aと同じである。実装基板1eでは、第1ランド11の幅狭部11Bの第3方向D3における幅は、実装基板1aにおける幅狭部11Bの幅W1Bの半分程度である。また、実装基板1eでは、第2ランド12の幅広部12Aの第3方向D3における幅は、実装基板1aにおける幅広部12Aの幅W2Aと同じである。実装基板1eでは、第2ランド12の幅狭部12Bの第3方向D3における幅は、実装基板1aにおける幅狭部12Bの幅W1Bの半分程度である。
実装基板1eでは、実装基板1dと比べて、表面実装型LED2bをより精度良く実装することが可能となる。ただし、実装基板1eを備えたLEDモジュールでは、LEDモジュール3dと比べて、第1フィレット31B及び第2フィレット32Bが小さくなる。逆に言えば、第1フィレット31B及び第2フィレット32Bを大きくする観点からは、実装基板1eよりも実装基板1dのほうが好ましい。
実施形態1の変形例4に係る実装基板1fについて図13に基づいて説明する。実装基板1fに関し、変形例3の実装基板1eと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実装基板1fには、例えば、図13に示す表面実装型LED2fを表面実装する。表面実装型LED2fでは、第1電極21及び第2電極22の形状が、表面実装型LED2bにおける第1電極21及び第2電極22の形状と相違する。表面実装型LED2fでは、第1電極21の第1外側電極部21Bが1つである。ここで、第3方向D3における第1外側電極部21Bの幅は、第3方向D3における第1内側電極部21Aの幅と同じである。また、表面実装型LED2fでは、第2電極22の第2外側電極部22Bが1つである。ここで、第3方向D3における第2外側電極部22Bの幅は、第3方向D3における第2内側電極部22Aの幅と同じである。
実装基板1fでは、第1ランド11及び第2ランド12の平面視形状がT字状である。実装基板1fでは、第3方向D3における第1ランド11の幅広部11Aの幅は、第3方向D3における第1外側電極部21Bの幅よりも広い。また、実装基板1fでは、第3方向D3における第1ランド11の幅狭部11Bの幅は、第3方向D3における第1外側電極部21Bの幅よりも狭い。これにより、実装基板1fは、電子部品2をより精度良く実装することが可能で、かつ、電子部品2に必要な電気絶縁性を確保しやすい。
実装基板1fでは、第3方向D3における第2ランド12の幅広部12Aの幅は、第3方向D3における第2外側電極部22Bの幅よりも広い。また、実装基板1fでは、第3方向D3における第2ランド12の幅狭部12Bの幅は、第3方向D3における第2外側電極部22Bの幅よりも狭い。これにより、実装基板1fは、電子部品2を更に精度良く実装することが可能で、かつ、電子部品2に必要な電気絶縁性を確保しやすい。
実施形態1の変形例5に係る実装基板1gについて図14に基づいて説明する。実装基板1gに関し、変形例4の実装基板1fと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実装基板1gでは、実施形態1の実装基板1aと同様、第1ランド11を含む第1導体部110及び第2ランド12を含む第2導体部120それぞれの一部が、第1ランド11と第2ランド12との並び方向において第1ランド11と第2ランド12との間に在る。これにより、実装基板1gは、電子部品2を実装するときに、第1ランド11と第2ランド12との間において、表面実装型LED2fと実装基板1fとの間の間隔を狭くすることが可能となる。
実施形態1の変形例6に係る実装基板1hについて図15に基づいて説明する。実装基板1hに関し、実施形態1の実装基板1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
表面実装型LED2bの発熱量が多くて放熱性を更に向上させる必要があり、かつ表面実装型LED2bの実装精度を比較的高くできる場合には、例えば、図15Aに示すような実装基板1hを採用してもよい。
実装基板1hは、実装基板1aと略同じ構成であり、第1ランド11及び第2ランド12の数が1つずつである点、第1ランド11及び第2ランド12の平面視形状が、それぞれ、第1電極21及び第2電極22と同様のU字状である点で実装基板1aと相違する。実装基板1hにおける第1ランド11の第3方向D3の幅は、表面実装型LED2bにおける第1電極21の第3方向D3の幅よりも広い。また、実装基板1hにおける第1ランド11の第1方向D1の長さは、表面実装型LED2bにおける第1電極21の第1方向D1の長さと略同一である。また、実装基板1hにおける第2ランド12の第1方向D1の長さは、表面実装型LED2bにおける第2電極22の第1方向D1の長さと略同一である。また、実装基板1hでは、第1方向D1において、第1ランド11と第2ランド12との最短距離L10が、表面実装型LED2bにおける第1電極21と第2電極22との最短距離L2よりも長い。また、実装基板1hでは、第1方向D1において、第1ランド11を含む第1導体部110と第2ランド12を含む第2導体部120との最短距離L1が、第1電極21と第2電極22との最短距離L2よりも長い。
実装基板1hにおける第1ランド11は、2つの幅広部11Aと、2つの幅広部11Aそれぞれから1つずつ延びている2つの幅狭部11Bと、を有する。
また、実装基板1hにおける第2ランド12は、2つの幅広部12Aと、2つの幅広部12Aそれぞれから1つずつ延びている2つの幅狭部11Bと、を有する。
図15Bは、第1ランド11及び第2ランド12それぞれにクリームはんだを塗布した後に、実装基板1hに表面実装型LED2bを精度良く置いた状態の平面図である。ここにおいて、クリームはんだを塗布する領域は、例えば、第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面の全域である。第1電極21の大部分は、第1ランド11上に置かれている。また、第2電極22の大部分は、第2ランド12上に置かれている。
リフローの際には、第1ランド11上、第2ランド12上の溶融はんだがそれぞれ第1電極21、第2電極22に濡れ広がろうとするが、それぞれ濡れ広がる面積が少ないため表面実装型LED2bを引っ張る力が小さい。一方、第1ランド11上の第1電極21、第2ランド12上の第2電極22には、表面張力により実装基板1hの方向へ下向きの張力が発生し、表面実装型LED2bをその場に留まらせようとする力が働いている。実装基板1hでは、実装基板1aと比べて、放熱性を向上させることを目的に、表面実装型LED2bの第1電極21に重なる第1ランド11、第2電極22に重なる第2ランド12それぞれの面積を大きくしてある。これにより、実装基板1hでは、リフローの際に表面実装型LED2bが、その場に留まろうとする力が大きくなる。そのため、実装基板1hは、表面実装型LED2bの位置ずれを抑制することが可能となっている。
しかしながら、第2ランド12に塗布されているクリームはんだの量よりも第1ランド11に塗布されているクリームはんだの量が多い。このため、リフローの際に、表面実装型LED2bを第1ランド11側に引っ張る力が働くので、表面実装型LED2bが第1ランド11側にずれる場合がある。その場合、第1電極21が第1ランド11の幅広部11Aのエッジを越えようとすると、溶融はんだにより第1電極21に発生する表面張力と、溶融はんだにより第1ランド11の幅広部11Aに発生する表面張力と、により、第1電極21と第1ランド11とが互いに引っ張り合う。これにより、表面実装型LED2bの位置ずれが抑制される。
実装基板1hと、実装基板1hに表面実装された表面実装型LED2bと、を備えるLEDモジュールでは、第1電極21と第2電極22との間に、第1導体部110の一部又は第2導体部120の一部が位置するのを抑制することができる。したがって、実装基板1hは、電子部品2(ここでは、表面実装型LED2b)をより精度良く実装することが可能で、かつ、電子部品2に必要な電気絶縁性を確保しやすい。
また、実装基板1hでは、第1方向D1において、第1ランド11及び第2ランド12が表面実装型LED2bの第1電極21と第2電極22との間の空間よりも外側に位置することになる。このため、リフローの際に、第1ランド11上の溶融はんだの一部が飛散したとしても第1電極21でキャッチすることが可能であり、また、第2ランド12上の溶融はんだの一部が飛散したとしても第2電極22でキャッチすることが可能である。よって、実装基板1hでは、電子部品2に必要な電気絶縁性を確保しやすい。
ただし、図15Cのように表面実装型LED2bがずれて置かれた場合には、第1電極21がクリームはんだを介して第1ランド11の略全体にのってしまっており、リフローの際にも、第1電極21が動きずらいので、そのまま表面実装型LED2bのずれとなってしまう。したがって、変形例6の実装基板1h及びそれを備えるデバイス(LEDモジュール)では、実装基板1hに電子部品2(表面実装型LED2b)を置くときの位置精度が重要である。
実施形態1の変形例7に係る実装基板1iについて図16に基づいて説明する。実装基板1iに関し、実施形態1の実装基板1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実装基板1iは、第1ランド11及び第2ランド12の他に、第3ランド14を更に備える点で実装基板1aと相違する。実装基板1iでは、第3ランド14が、表面実装型LED2bの厚さ方向において、第1電極21の第1内側電極部21Aの中央部に重なり、かつ、第1外側電極部21Bに重ならないように配置されている。第3ランド14の面積は、第1内側電極部21Aの面積よりも小さい。第3ランド14の面積は、支持体10側とは反対側の表面の面積である。ここで、第1方向D1における第3ランド14の長さは、第1方向D1における第1内側電極部21Aの長さよりも短い。また、第3方向D3における第3ランド14の幅は、第3方向D3における第1内側電極部21Aの幅よりも狭い。また、実装基板1iは、表面実装型LED2bが所定位置に精度良く実装されている場合に、第3ランド14から第3方向D3の両側それぞれへの第1電極21のはみ出し距離が略同じとなるように第3ランド14を配置してある。第3ランド14は、表面実装型LED2bの第1電極21がはんだにより接合される。
第3ランド14は、第1ランド11及び第2ランド12と同様、支持体10の表面101(図1C参照)上に設けられている。第3ランド14の平面視形状は、矩形状である。第1導体部110は、2つ第1ランド11と1つの第3ランド14とを含む。レジスト層13には、第3ランド14を露出させる第3窓孔134が形成されている。ここにおいて、第1ランド11を露出させる第1窓孔131と第3ランド14を露出させる第3窓孔134とは、第1方向D1において離れている。したがって、第1ランド11と第3ランド14とは、第1方向D1において離れている。第3ランド14と第2ランド12との最短距離L14は、第1ランド11と第2ランド12との最短距離L10よりも短い。第3ランド14と第2ランド12との最短距離L14は、第1導体部110と第2導体部120との最短距離L1よりも長い。2つの第1ランド11と2つの第2ランド12と1つの第3ランド14とを含む導体パターンは、第1方向D1に沿った中心線を基準として線対称となるパターンであるのが好ましい。
変形例7の実装基板1iは、変形例6の実装基板1hと比べると放熱性は低いが、実施形態1の実装基板1aよりは放熱性を向上させることが可能である。また、変形例7の実装基板1iは、変形例6の実装基板1hと比べると、電子部品2(ここでは、表面実装型LED2b)を置いたときの位置精度が低い場合でも、表面実装型LED2bをより精度良く実装することが可能となる。
リフローの際には、第3ランド14上の溶融はんだが放射状に濡れ広がるので、第3ランド14上の溶融はんだが表面実装型LED2bを第1方向D1においてどちらか一方に動かすことは殆どない。また、変形例7の実装基板1iは、第3ランド14と2つの第1ランド11との合計面積が、変形例6の実装基板1hの第1ランド11の面積よりも小さいので、実装基板1hと比べて、リフローの際に表面実装型LED2bをその場に留めようとする力も小さい。また、実装基板1iでは、リフローの際に第3ランド14上の溶融はんだが表面実装型LED2bの位置精度に与える影響が小さいので、実装基板1aと同様、2つの第1ランド11、2つの第2ランド12により、表面実装型LED2bの位置ずれを抑制することが可能である。
実装基板1iでは、第1ランド11及び第2ランド12それぞれの形状がL字形状であるが、これに限らず、変形例3の実装基板1eと同様、第1ランド11及び第2ランド12それぞれの平面視形状をT字状としてもよい。この場合、リフローの際の第1ランド11の幅広部11A及び第2ランド12の幅広部12Aそれぞれの引っ張り力を強くすることが可能となり、より精度良く表面実装型LED2bの位置ずれを抑制することが可能となる。
(実施形態2)
以下、本実施形態の実装基板1j及びそれを備えるLEDモジュール3jについて図17及び18に基づいて説明する。
本実施形態の実装基板1jの基本構成は、実施形態1の実装基板1aと略同じである。実装基板1jは、複数の表面実装型LED2aを表面実装できるように構成されている点で実装基板1aと相違する。本実施形態の実装基板1jに関し、実施形態1の実装基板1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、LEDモジュール3jに関し、LEDモジュール3aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
LEDモジュール3jは、実装基板1jに、複数(図示例では112個)の表面実装型LED2aが実装されている。ここにおいて、複数の表面実装型LED2aには、互いの光源色が異なる第1表面実装型LED2aa(図18参照)と第2表面実装型LED2ab(図18参照)とがある。より詳細には、複数(図示例では112個)の表面実装型LED2aは、複数(図示例では、56個)の第1表面実装型LED2aaと、複数(図示例では、56個の)の第2表面実装型LED2abと、に分けられる。第1表面実装型LED2aa及び第2表面実装型LED2abそれぞれの光源色は、例えば、JIS Z9112:2012で定義されているLEDの光源色の相関色温度に基づいて設定されているのが好ましい。LEDモジュール3aでは、第1表面実装型LED2aaの光源色が昼白色であり、第2表面実装型LED2abの光源色が電球色である。第1表面実装型LED2aaの光源色の相関色温度は、一例として、約5000Kに設定してある。第2表面実装型LED2abの光源色の相関色温度は、一例として、約3000Kに設定してある。
LEDモジュール3jでは、複数(112個)の表面実装型LED2aが、実装基板1j上において、実装基板1jの周方向に沿って2列に分けて並んでいる。LEDモジュール3jでは、2列の各列において、複数(56個)の表面実装型LED2aが、略等間隔で並んでいる。ここでいう「略等間隔」とは、厳密に同じ間隔でなくてもよく、所定の範囲内の間隔であればよい。LEDモジュール3jでは、2列の各列において、第1表面実装型LED2aaと第2表面実装型LED2abとが交互に並んでいる。
LEDモジュール3jは、複数(例えば、56個)の第1表面実装型LED2aaを直列接続して構成された第1直列回路と、複数(例えば、56個)の第2表面実装型LED2abを直列接続して構成された第2直列回路と、を備えている。実装基板1aは、第1直列回路を形成するための第1配線部141(図18参照)と、第2直列回路を形成するための第2配線部142(図18参照)と、を備えている。第1配線部141及び第2配線部142は、銅はくにより構成されている。また、実装基板1jは、第1直列回路への給電用の一対の第1端子部(図示せず)と、第2直列回路への給電用の一対の第2端子部(図示せず)と、を備えている。一対の第1端子部及び一対の第2端子部の各々は、銅はく等により構成されている。また、実装基板1jは、その中央部に円形状の貫通孔331が形成されている。LEDモジュール3jは、例えば、外部の電源ユニット(電源装置)等から一対の第1端子部間に給電されることにより、複数(56個)の第1表面実装型LED2aaが発光する。また、LEDモジュール3aは、電源ユニット等から一対の第2端子部間に給電されることにより、複数(56個)の第2表面実装型LED2abが発光する。
次に、上述のLEDモジュール3jを光源として備えた照明器具300について、図19に基づいて説明する。
照明器具300は、天井309に取り付けられるシーリングライトである。照明器具300は、器具本体302と、LEDモジュール3jと、電源回路部4、電源カバー306、光源カバー307と、グローブ316と、を備える。以下では、照明器具300に対して天井309側を上方向、床側を下方向として説明する。
天井309には、引掛シーリングローゼット391が設けられている。引掛シーリングローゼット391は、照明器具300を支持し、かつ照明器具300に電源供給する電源ソケットである。
照明器具300は、引掛シーリングローゼット391に対して電気的及び機械的に接続される円柱状のアダプタ311を備えている。アダプタ311は、外周面(外側面)の一部から進退自在に突出した2つの引掛爪3111が設けられている。2つの引掛爪3111は、アダプタ311の外周面から互いに反対向きに突出している。
器具本体302は、例えば金属製である。器具本体302は、例えば円盤状に形成されている。器具本体302の中央部には、アダプタ311を通す円形の貫通孔321が設けられている。器具本体302には、器具本体302の下面側に配置される固定部材312が固定されている。固定部材312は、器具本体302の貫通孔321と略同径の貫通孔3121を有する円筒部3122と、円筒部3122の上端に形成されたフランジ3123とを備えている。
照明器具300を天井309に取り付けるには、例えば、作業者が、器具本体302の貫通孔321にアダプタ311を通すように天井309に向かって器具本体302を押し上げることで、器具本体302を天井309に取り付ければよい。この場合、アダプタ311の引掛爪3111が固定部材312の円筒部3122の下端部に引っ掛かることで、器具本体302が天井309に取り付けられる。
照明器具300は、器具本体302の下面側において固定部材312を囲むように配置されてアダプタ311を保護する保護カバー315を更に備える。保護カバー315は、器具本体302に固定されている。
LEDモジュール3jは、器具本体302の下面側に配置されて器具本体302に取り付けられている。実装基板1aは、角が円弧状に湾曲した略矩形板状に形成されている。実装基板1jは、その中央部に、保護カバー315を通す略円形の貫通孔331が設けられている。
実装基板1jには、電源回路部4の複数の回路素子41(例えば、抵抗、コンデンサ、インダクタ、スイッチング素子等)も実装されている。実装基板1jでは、複数の表面実装型LED2aを実装するLED実装領域よりも内側に、複数の回路素子41を実装する回路素子実装領域がある。電源回路部4は、電源ケーブルの一端が接続されるコネクタを備えている。電源ケーブルは、一端が電源回路部4のコネクタに電気的に接続され、他端がアダプタ311に電気的に接続される。これにより、電源回路部4は、電源ケーブルを介してアダプタ311と電気的に接続される。
電源回路部4は、アダプタ311を介して供給される交流電力からLEDモジュール3jが備える複数の表面実装型LED2aを点灯させる直流電力を生成する。
LEDモジュール3jには、電源回路部4を覆う電源カバー306と、透光性を有し光源部5を覆う光源カバー307と、が設けられている。
電源カバー306は、金属製であるのが好ましい。電源カバー306は、上面が開口したボウル状に形成されている。電源カバー306は、電源回路部4が備える複数の回路素子41と接触せずに電源回路部4を下側から覆うように実装基板1jに取り付けられている。また、電源カバー306は、アダプタ311の下面を露出させるように底壁に貫通孔362が設けられている。
光源カバー307は、円盤状に形成されており、中央部に、電源カバー306を通す貫通孔371が設けられている。光源カバー307は、複数の表面実装型LED2aと接触せずに複数の表面実装型LED2aを下側から覆うように器具本体302に取り付けられている。
また、器具本体302の下面には、3つの取付部材314が設けられている。照明器具300では、ドーム状のグローブ316が、3つの取付部材314により器具本体302に取り付けられている。
以上説明した本実施形態における照明器具300は、LEDモジュール3jと、LEDモジュール3jを保持する器具本体302と、を備える。これにより、照明器具300は、実装基板1jに対して表面実装型LED2aをより精度良く実装することが可能で、かつ、表面実装型LED2aに必要な電気絶縁性を確保しやすい。
上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論のことである。
例えば、実装基板1a、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1iは、1つの電子部品2を表面実装できるように構成されているが、これに限らず、実装基板1jと同様、複数の電子部品2を表面実装できるように構成されていてもよい。
また、実装基板1a、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1jは、プリント配線板に限らず、例えば、セラミック基板でもよい。
また、実装基板1a、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1jは、平板状に形成された基板に限らず、例えば、MID(Molded Interconnect Devices)等でもよい。MIDの場合、支持体10が、樹脂等からなる成形構造体により構成され、第1ランド11、第2ランド12等が、成形構造体の表面の適宜位置に形成された導電層により構成される。
また、LEDチップ23は、可視光を発光するLEDチップに限らず、赤外線を発光するLEDチップ、紫外線を発光するLEDチップ等でもよい。
また、表面実装型LED2a、2b、2fは、パッケージ本体20の凹部26に収納されているLEDチップ23の数が、1つに限らず、複数でもよい。また、表面実装型LED2aは、パッケージ本体20の凹部26に、互いに発光色の異なる複数種のLEDチップが収納されていてもよい。
また、電子部品2は、LEDに限らず、例えば、レーザダイオード、ダイオード等でもよい。
また、第1ランド11及び第2ランド12それぞれの表面上に供給するはんだは、クリームはんだに限らず、例えば、成形されたペレット状のはんだでもよい。また、はんだは、鉛フリーはんだ(Lead-free Solder)であるのが好ましく、上述のSnCuAgの他にも、例えば、AuSn等を採用することができる。
また、照明器具は、シーリングライトに限らず、例えば、ダウンライト、スポットライト等でもよい。
電源回路部4の部品は、実装基板1jにおいて表面実装型LED2aが表面実装される第1面とは反対側の第2面側に実装されていてもよい。