以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明の第1実施形態例のスロットマシンSは、筐体1、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3を主として備えている。
上扉2には、光演出を実行するランプ4、音演出を実行する一対のスピーカ5、画像演出を実行するモニタ6、クレジットされたメダル(遊技媒体)の枚数を表示するクレジット表示器7、遊技者に払い出されるメダル枚数を表示する払出枚数表示器8、スロットマシンSに投入(ベット)されたメダル枚数を表示するベットランプ9a〜cが設けられている。
下扉3には、メダルをスロットマシンSに投入するためのメダル投入口11、クレジットされたメダルをスロットマシンSに投入するためのMAXベットボタン12および1枚ベットボタン13、スロットマシンSに投入されたメダルおよびクレジットされたメダルを精算するための精算ボタン14、後述の各リール34〜36を回転させるためのスタートレバー15、各リール34〜36の回転をそれぞれ停止させるための左ストップボタン16,中ストップボタン17,右ストップボタン18、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出口19、メダル払出口19から払出されたメダルを収容する受皿20が設けられている。
スロットマシンSは、筐体1の内部に、ホッパーユニット21(図3参照)、リールユニット30、電源ユニット(図示省略)等を備えている。
ホッパーユニット21は、スロットマシンSに投入されたメダルを貯留する貯留タンク(図示省略)、この貯留タンクに貯留されたメダルをメダル払出口19より払い出すためのホッパー駆動モータ(図示省略)を有している。
リールユニット30は、左リール34、中リール35および右リール36を有しており、各リール34〜36は、図示せぬステッピングモータの駆動によりそれぞれ回転する。図2に示すように、左リール34の外周面に左図柄列34a、中リール35の外周面に中図柄列35a、右リール36の外周面に右図柄列36aがそれぞれ付されており、各図柄列34a〜36aは均等な20の領域(20コマ)にそれぞれ区画されている。図柄列の各領域に1個の図柄が配置され、各図柄に図柄番号0〜19がそれぞれ対応付けられている。上扉2が閉鎖状態にあるときに、遊技者は、上扉2の下部中央に透明材料で形成された表示窓50を通して図柄を視認可能になると共に、各リール34〜36の停止状態では、各リールの外周面にそれぞれ配置された20個の図柄のうち連続する3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示窓50に表示されて、3行3列に配置された合計9個の図柄を目視できる。
表示窓50には、各リール34〜36の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段、中段および下段の停止位置が設けられており、各リールの停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。具体的には、図1に示すように、有効ラインLは、各リール34〜36の中段(中段停止位置)の組み合わせからなる。
図2に示すように、各図柄列34a〜36aには、赤7、黒BAR(バー)、花1〜3、チェリー、スイカ、ベル1,2、リプレイの合計10種類の図柄が配置されており、これら図柄の組合せが予め対応付けられた役が複数種類設けられている。複数種類の役は、遊技状態の移行契機となる遊技状態移行役(RBB1役、RBB2役およびRB役)、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役(REP)、入賞によりメダルを遊技者に払い出す小役(NML1〜NML35)に大別される。遊技状態移行役には、後述のRBB1作動(第1ボーナス作動状態)への移行契機となるRBB1役(第1ボーナス役)、後述のRBB2作動(第2ボーナス作動状態)への移行契機となるRBB2役(第2ボーナス役)、RBB2作動のRB作動(第2ボーナス作動状態の第3状態)への移行契機となるRB役(シフト役とも言う。)が含まれている。
電源ユニットは、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ(図示省略)、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キー(図示省略)および設定変更ボタン(図示省略)を有している。本実施形態例のスロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が1〜6までの設定値にそれぞれ対応付けられている。遊技場の管理者は、設定キーや設定変更ボタン等を操作することにより設定値1〜6の間で設定値を変更可能になっている。
次に、図3を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口11から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ11a、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、精算ボタン14、スタートレバー15、各ストップボタン16〜18、その他の装置が接続されており、これら各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインCPUは、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して当該主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ4、一対のスピーカ5、モニタ6等の演出装置を制御する。サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入(後述の再遊技の設定を含む)によりスタートレバー15の操作(遊技開始操作)を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー15の操作に基づいて複数種類の役の当否を内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された役のフラグ(以下、当選フラグと言う。)を成立させる当選フラグ制御手段103、各リール34〜36の回転および停止を制御するリール制御手段104、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて入賞した場合に、当該小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出すメダル払出手段105、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、主制御処理部100の作動状態である遊技状態を制御する遊技状態移行手段107、副制御処理部200の作動状態である演出モードを制御する演出モード制御手段108が構築されている。
図8に示すように、遊技状態には、RBB1役およびRBB2役を内部抽選の対象としている通常状態と、RBB1役に係る当選フラグが成立しているRBB1内部と、RBB2役に係る当選フラグが成立しているRBB2内部と、ボーナス状態の機能を有するRBB1作動と、RB非内部(第2ボーナス作動状態の第1状態)、RB内部(第2ボーナス作動状態の第2状態)およびRB作動(第2ボーナス作動状態の第3状態)を有するRBB2作動が含まれている。RBB2作動のRB非内部は、第1種特別役物であるRB役を内部抽選の対象としている遊技状態であり、RBB2作動のRB内部はRB役に係る当選フラグが成立している遊技状態であり、RB作動はボーナス状態の機能を有する遊技状態である。遊技状態および遊技状態の遷移については詳しく後述するが、遊技状態に応じて小役の対応付けられた当選エリア(以下、小役当選エリアと言う。)の当選確率が変動する構成になっており、ボーナス状態の機能を有するRBB1作動およびRB作動は、他の遊技状態と比較して、小役当選エリアの当選確率が高確率に設定されている。
副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて、演出モードを複数種類の演出モードの間で移行させる演出モード移行手段201、演出装置(ランプ4、一対のスピーカ5、モニタ6)で演出を実行する演出実行手段202が構築されている。
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
スタートレバー有効化手段101は、通常状態、RBB1内部、RBB2内部、RBB1作動、RBB2作動(RB非内部、RB内部、RB作動)の全ての遊技状態において3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させる。
内部抽選手段102は、有効化されたスタートレバー15の操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する。具体的には、内部抽選手段(小役当選確率変動手段)102は、主制御処理部100のメインROMに記憶された図9に示す内部抽選テーブル109を遊技状態に応じて参照し、参照したテーブルと取得された内部抽選用の乱数値とに基づいて当選エリアを決定する。なお、役および当選エリアについては詳しく後述する。
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役に係る当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットし、成立させた当選フラグが遊技状態移行役(RBB1役、RBB2役およびRB役)に係る当選フラグである場合には、遊技状態移行役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されるまで当該当選フラグを持ち越す。
リール制御手段104は、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の操作に基づいて各リール34〜36の回転を開始させ、各リール34〜36が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リール34〜36が定常回転に到達すると、各リールの回転速度を維持する。そして、各リールの回転速度が定常回転に到達すると、全てのストップボタン16〜18の操作を有効化させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールの回転を停止させる。
リール制御手段104は、各ストップボタン16〜18の停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。ここで、各リール34〜36の定速回転数は約80回/分であるため、定速回転数の下で各リール34〜36が一回転に要する時間は60s/約80回≒約750msとなり、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は750ms/20図柄=37.5msとなる。このため、リールは対応するストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる((190ms/37.5ms)−1図柄≒4図柄)。
リール制御手段104は、複数の当選フラグが同時に成立している場合において、ストップボタンの押下タイミングから最大滑りコマ数である4コマの範囲内で、成立している複数の当選フラグに対応する各々の役のうちメダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する払出枚数優先制御と、成立している複数の当選フラグに対応する各々の役に対応する図柄組合せの個数が最も多くなるように当該役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する個数優先制御と、RBB1内部、RBB2内部およびRB内部において、RBB1役、RBB2役およびRB役に対応する図柄組合せよりも小役または再遊技役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する役付け優先制御と、により最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1〜S5)
規定数のメダルがスロットマシンSに投入されると(S1)、スタートレバー15が有効化され(S2)、かかる後に、スタートレバー15の操作が行われると(S3)、内部抽選が行われる(S4)。そして、内部抽選で決定された役に対応する当選フラグがONにセットされる(S5)。
(ステップS6〜S8)
次に、前回の遊技における各リール34〜36の回転開始時点から所定時間(例えば4.1秒)の経過を条件に各リール34〜36の回転が一斉に開始され(S6)、全てのリールが定常回転に達した後に全てのストップボタンの操作が有効化される(S7)。そして、有効化された各ストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールを停止させる(S8)。
(ステップS9〜S13)
次に、ステップS4の内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されているか否かの遊技結果判定処理が行われ(S9)、この遊技結果判定処理に応じて、小役の入賞によるメダル払出処理(S10)、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことによる再遊技設定処理(S11)、遊技状態移行役(RBB1役、RBB2役、RB役)に対応する図柄組合せが表示されたこと等による遊技状態の移行処理(S12)、遊技結果判定処理の結果に応じて当選フラグのON・OFFを制御する当選フラグ制御処理(S13)が行われる。
このように、本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の遊技開始操作に基づいて複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール34〜36の回転を開始させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作および内部抽選の結果に基づいて各リール34〜36の回転を停止させて1回の遊技を行う。そして、この1回の遊技が行われる間に複数種類のコマンドが所定のタイミングで副制御処理部200に送信され、これら複数種類のコマンドに基づいて副制御処理部200のメインROMに構築された演出モード移行手段201が演出モードを移行し、演出実行手段202が各演出装置で様々な演出を実行する構成になっている。
次に、役、当選エリア、内部抽選テーブルおよび遊技状態の遷移について、図2、図5〜図12を用いて説明する。
図5に示すRBB1役は、遊技状態を通常状態からRBB1作動へ移行させる役として機能し、RBB1役に「赤7図柄」−「赤7図柄」−「赤7図柄」の図柄組合せ(以下、RBB1図柄組合せと言う。)が対応付けられている。図2に示すように、RBB1図柄組合せを構成する赤7図柄は、各図柄列34a〜36aの全てにおいて最大滑りコマ数(4コマ)の範囲を超えて配置されている図柄(以下、不完全図柄と言う。)である。先述のように、リール制御手段104は、全ての遊技状態においてストップボタンの押下時から4コマの範囲内(190ms以内)で、当選フラグに対応する役に係る図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを停止させるよう制御する。このため、RBB1図柄組合せは、ストップボタンの操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる図柄組合せ(以下、不完全図柄組合せと言う。所謂PB≠1)であるといえる。
図7に示すように、RBB1役は当選エリア30番〜32番の「RBB1」〜「RBB1+1枚ALL」(以下、RBB1当選エリアと言う。)に対応付けられており、このRBB1当選エリアは通常状態でのみ内部抽選の対象となっている。そして、図9に示すように、RBB1当選エリアのそれぞれに218、1、1の乱数値数が対応付けられているため、通常状態におけるRBB1当選エリアの当選確率は約1/297.89(220/65536)となる。
遊技状態移行手段107は、図8に示すように、通常状態における内部抽選でRBB1当選エリアに当選した場合に遊技状態をRBB1内部に移行させ(同図中のA1)、RBB1内部中にRBB1図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRBB1作動に移行させ(同図中のA2)、RBB1作動中にメダルの払出総数が402枚を超えると遊技状態を通常状態に移行させる(同図中のA3)。
図5に示すRBB2役は、遊技状態を通常状態からRBB2作動へ移行させる役として機能し、RBB1役と同様に、RBB2役に不完全図柄組合せ(PB≠1)であるRBB2図柄組合せ(「赤7図柄」−「赤7図柄」−「黒BAR」の図柄組合せ)が対応付けられている。図7に示すように、RBB2役は当選エリア33番の「RBB2」(以下、RBB2当選エリアと言う。)に対応付けられており、このRBB2当選エリアは通常状態でのみ内部抽選の対象となっている。そして、図9に示すように、当選エリア33番の「RBB2」に440の乱数値数が対応付けられているため、RBB2当選エリアの当選確率は約1/148.95(440/65536)となる。
遊技状態移行手段107は、図8に示すように、通常状態における内部抽選でRBB2当選エリアに当選した場合に遊技状態をRBB2内部に移行させ(同図中のB1)、RBB2内部中にRBB2図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRBB2作動に移行させる(同図中のB2)。
このように、RBB1当選エリアの当選確率は約1/297.89であり、RBB2当選エリアの当選確率は約1/148.95であるため、RBB2当選エリアの当選確率はRBB1当選エリアの当選確率よりも高く、通常状態におけるRBB1当選エリアおよびRBB2当選エリアの当選確率の合算確率は約1/99.30(660/65536)となる。
RBB2作動は、図8に示すように、RB非内部(第2ボーナス作動状態の第1状態)、RB内部(第2ボーナス作動状態の第2状態)およびRB作動(第2ボーナス作動状態の第3状態)を有しており、遊技状態がRBB2内部からRBB2作動に移行してきたときは、まず、遊技状態移行手段107は遊技状態をRB非内部に移行させる。このRB非内部では、遊技状態をRB非内部からRB作動(RB内部)へ移行させる役として機能するRB役が内部抽選の対象となっている。
図5に示すように、RB役には「花1図柄」−「黒BAR図柄」−「花2図柄」の図柄組合せ(以下、RB図柄組合せと言う。)が対応付けられている。そして、図2に示すように、RB図柄組合せを構成する各図柄は、各図柄列34a〜36aの全てにおいて最大滑りコマ数(4コマ)の範囲を超えて配置されている不完全図柄であるため、RB図柄組合せはストップボタンの操作態様に応じて有効ラインLに表示可能とされる不完全図柄組合せ(PB≠1)である。RB役は、図7に示すように、当選エリア「RB」(29番)に単独で対応付けられており、RBB2作動のRB非内部でのみ内部抽選の対象となっている。そして、図9に示すように、当選エリア「RB」に48126の乱数値数が対応付けられているため、当選エリア「RB」の当選確率は約1/1.36(48126/65536)となる。
遊技状態移行手段107は、図8に示すように、RBB2作動のRB非内部における内部抽選で当選エリア「RB」に当選した場合に遊技状態をRBB2作動のRB内部に移行させ(同図中のB3)、このRB内部中にRB図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRBB2作動のRB作動に移行させる(同図中のB4)。そして、RBB2作動中にメダルの払出総数が80枚を超えると、遊技状態移行手段107は遊技状態を通常状態に移行させる(同図中のB5)。
なお、通常状態、RBB1内部、RBB2内部、RBB2作動のRB非内部およびRB内部はボーナス状態の機能を有さない遊技状態であり、RBB1作動とRBB2作動のRB作動はボーナス状態の機能を有する遊技状態である。このボーナス状態の機能については後述する。
このように、通常状態からボーナス状態の機能を有するRBB1作動への移行は、RBB1役の当選かつRBB1図柄組合せの表示により実現されるが、通常状態からボーナス状態の機能を有するRBB2作動のRB作動への移行は、まず、RBB2役の当選かつRBB2図柄組合せの表示により通常状態からRBB2作動へ移行した後に、RB役の当選かつRB図柄組合せの表示により実現される構成になっている。そして、本実施形態例では、通常状態におけるRBB2当選エリアの当選確率(約1/148.95)は、通常状態におけるRBB1当選エリアの当選確率(約1/297.89)よりも高いため、RBB1作動よりもRBB2作動へ移行しやすい。また、RBB2作動のRB非内部ではRB役の当選確率が約1/1.36に設定されているため、RB役の当選によりRB作動への移行の前提であるRB内部へ移行しやすい。
本実施形態例では、上述のように、各遊技状態においてRB役に対応付けられたRB図柄組合せは不完全図柄組合せ(PB≠1)であるため、RB図柄組合せはストップボタンの操作タイミングに応じて有効ラインLに表示されたり表示されなかったりする。ここで、図2に示すように、RB図柄組合せを構成する左図柄列34aの「花1図柄」、中図柄列35aの「黒BAR図柄」、右図柄列36aの「花2図柄」は、各図柄列34a〜36aの全てに1つだけ配置されている特徴的な図柄である赤7図柄から最大滑りコマ数である4コマ以上離れた位置にそれぞれ配置されている。このため、内部抽選で当選エリア「RB」に当選したとき、各リール34〜36のうち何れか一のリールの図柄列に配置されている赤7図柄が表示窓50に表示されるタイミングを狙って対応するストップボタンを操作することにより、遊技者は、RB図柄組合せが有効ラインLに表示されることを意図的に回避することが可能になっている。この場合、遊技状態がRBB2作動のRB内部からRB作動へ移行することなくRB内部に滞在することになるが、このRB内部(第2ボーナス作動状態の第2状態)では、通常状態やRBB作動のRB非内部と比較して、後述する10枚役(第2小役,NML21〜35)に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて入賞となる確率(表示確率。以下、入賞確率と言う。)が高確率となる構成になっている。以下に、入賞によりメダルを遊技者に払い出す小役(NML1〜NML35)について説明する。
図5,6に示すように、NML1〜NML18(以下、1枚役と言う。)は、規定数が3枚に設定されている遊技状態(図8に示す全ての遊技状態)において、入賞により1枚のメダルを遊技者に払い出し可能な小役である。一方、NML21〜NML35(以下、10枚役と言う。)は、規定数が3枚に設定されている遊技状態(図8に示す全ての遊技状態)において、入賞により10枚のメダルを遊技者に払い出す小役である。
図7に示すように、NML1〜NML35は当選エリア番号2番〜28番、31番および32番の各当選エリア(小役当選エリア)にそれぞれ対応付けられている。小役当選エリアには、1枚役(第1小役)および10枚役(第2小役)の双方が対応付けられている当選エリア(当選エリア番号2番〜23番。以下、特殊当選エリアと言う。)と、1枚役のみが対応付けられている「1枚ALL」(27番)と、NML1〜NML35の全ての小役が対応付けられている「小役ALL」(28番)とが含まれている。
当選エリア番号2番〜23番の特殊当選エリアは、ボーナス状態の機能を有さない通常状態、RBB1内部、RBB2内部、RBB2作動のRB非内部およびRB内部(以下、非ボーナス状態と言う。)で内部抽選の対象となっており、ボーナス状態の機能を有するRBB1作動とRBB2作動のRB作動では内部抽選の対象外となっている。
リール制御手段104は、非ボーナス状態のうち通常状態、RBB1内部(ただし、一部の当選エリアを除く。)、RBB2内部(ただし、一部の当選エリアを除く。)、RBB2作動のRB非内部の何れかで1枚役および10枚役の双方が対応付けられている特殊当選エリアに当選した場合に、10枚役よりも1枚役を優先させて1枚役を入賞させるようにリールを制御する。一方、リール制御手段104は、非ボーナス状態のうちRBB2作動のRB内部で特殊当選エリアに当選した場合に、1枚役よりも10枚役を優先させて10枚役を入賞させるようにリールを制御する。なお、図7に示すように、RBB1内部およびRBB2内部において、当選エリア番号8番〜11番の「択10枚A3その1」〜「択10枚A4その2」の何れかに当選した場合には、リール制御手段104は10枚役の入賞を優先させるようにリールを制御する。
例えば、通常状態やRB非内部で特殊当選エリアである「択10枚Bその1」(2番)に当選したとする。このとき、NML1,2,21の当選フラグが重複して成立することになるが、上述のように、通常状態やRB非内部ではリール制御手段104が1枚役を優先させるリール制御を行うため、NML21が入賞の候補から除かれてNML1,2が入賞の候補となる。ここで、図2,5に示すように、NML1に対応する図柄柄組合せ(以下、NML1図柄組合せと言う。)を構成する図柄のうち左,右図柄列34a,36aの図柄は、最大滑りコマ数である4コマの範囲内にある完全図柄であるが、中図柄列35aの「黒BAR図柄および花3図柄」は、最大滑りコマ数である4コマの範囲を超えた不完全図柄である。つまり、NML1図柄組合せは、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止するよう制御される通常状態やRB非内部において、中ストップボタン17の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示され得る小役である。一方、NML2に対応する図柄柄組合せ(以下、NML2図柄組合せと言う。)を構成する図柄のうち左,中図柄列34a,35aの図柄は完全図柄であるが、右図柄列36aの「赤7図柄および花3図柄」は不完全図柄である。つまり、NML2図柄組合せは、通常状態やRB非内部において、右ストップボタン18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示され得る小役である。そして、当選エリア「択10枚Bその1」(2番)に当選したとき、中ストップボタン17よりも右ストップボタン18が先に操作された場合には、リール制御手段104は、NML2図柄柄組合せの「右図柄(不完全図柄)」よりもNML1図柄柄組合せの「右図柄(完全図柄)」を優先してNML1図柄柄組合せの「右図柄」を有効ラインLに停止させ、その後、中図柄列35aの図柄番号3番〜0番,19番,13番〜9番が表示窓50に表示されているタイミングで中ストップボタン17が操作されるとNML1図柄柄組合せの「中図柄」を有効ラインLに表示させてNML1が入賞となる。これに対し、当選エリア「択10枚Bその1」(2番)に当選したとき、右ストップボタン18よりも中ストップボタン17が先に操作された場合には、リール制御手段104は、NML1図柄柄組合せの「中図柄(不完全図柄)」よりもNML2図柄柄組合せの「中図柄(完全図柄)」を優先してNML2図柄柄組合せの「中図柄」を有効ラインLに停止させ、その後、右図柄列36aの図柄番号15番〜6番が表示窓50に表示されているタイミングで右ストップボタン18が操作されるとNML2図柄柄組合せの「右図柄」を有効ラインLに表示させてNML2が入賞となる。即ち、通常状態やRB非内部等において、当選エリア「択10枚Bその1」(2番)に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に応じて1/2の確率で1枚役(NML1,2)が入賞となり、1/2の確率で1枚役が非入賞となる。なお、当選エリア「択10枚Bその1」以外の特殊当選エリアについても「択10枚Bその1」と同様に、通常状態、RBB1内部、RBB2内部、RBB2作動のRB非内部における内部抽選で当選となった場合に、ストップボタンの操作態様に応じて1/2の確率で1枚役が入賞となり、残り1/2の確率で1枚役が非入賞となる。
また、例えば、RBB2作動のRB内部において特殊当選エリアである「択10枚Bその1」(2番)に当選したとする。このとき、NML1,2,21の当選フラグが重複して成立することになるが、上述のように、RB内部ではリール制御手段104が10枚役を優先させるリール制御を行うため、10枚役のNML21のみが入賞の候補となる。ここで、図2,5に示すように、NML21に対応する図柄柄組合せは、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止するよう制御されるRB内部において完全図柄組合せ(PB=1)である。このため、RB内部において「択10枚Bその1」に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に拘わらずNML21が入賞となり10枚のメダルが遊技者に払い出されることになる。なお、「択10枚Bその1」以外の特殊当選エリア(ただし、当選エリア「択10枚A5その1」,「択10枚A5その2」(12番,13番)を除く)についても「択10枚Bその1」と同様に、RB内部における内部抽選で当選となった場合にストップボタンの操作態様に拘わらず10枚役が入賞となる。
なお、詳細な説明を省略するが、本実施形態例では、RBB2作動のRB内部で当選エリア「択10枚A5その1」(12番)または「択10枚A5その2」(13番)に当選したとき、各ストップボタン16〜18のうち左ストップボタン16が最初に操作された場合には、他の特殊当選エリアと同様に、ストップボタンの操作タイミングに拘わらず、10枚役が必ず入賞する構成になっているが、中ストップボタン17または右ストップボタン18が最初に操作された場合には、ストップボタンの操作タイミングに応じて10枚役が非入賞となる場合がある。そして、中ストップボタン17または右ストップボタン18が最初に操作されて10枚役が非入賞となったとき、ストップボタンの操作タイミングに応じて、RB役に対応付けられたRB図柄組合せが有効ラインLに表示される場合がある。この場合には、遊技状態がRB内部からRB作動へ移行することになる。
このように、RBB2作動のRB内部で一部の特殊当選エリア(当選エリア「択10枚A5その1」,「択10枚A5その2」)に当選したときに中,右ストップボタン17,18が最初に操作されると10枚役が非入賞となることもあるが、RB内部で左ストップボタン16が最初に操作される場合には、特殊当選エリア当選時における10枚役の入賞確率は100%となる。先述のように、通常状態やRBB2作動のRB非内部における10枚役の入賞確率は0%であるため、10枚役(NML21〜35)の入賞確率は、通常状態、RBB1内部、RBB2内部およびRBB2作動のRB非内部よりもRBB2作動のRB内部の方が高確率となる。そして、本実施形態例では、RBB2作動のRB非内部における当選エリア「RB」(29番)の当選時に赤7図柄を狙うストップボタンの操作態様により、ボーナス状態の機能を有するRB作動に遊技状態が移行することを回避して、10枚役の入賞確率が高確率のRBB2作動のRB内部に遊技状態を滞在させることが可能となっている。
ここで、RBB2作動のRB作動がボーナス状態の機能を備えていることについて以下に説明する。ボーナス状態の機能を備える要件として以下の第1〜第3の要件を満たす必要がある。第1の要件は、NML1〜35の各当選確率が通常状態やRBB2作動のRB非内部よりも高確率であること、即ち、RBB2作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率が、RBB2作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率であることである。第2の要件は、小役の対応付けられた小役当選エリアの当選確率が通常状態やRBB2作動のRB非内部よりも高確率であることであり、第3の要件は、各ストップボタンの操作順序および操作タイミングをランダムとした場合における出玉率が通常状態よりもRBB2作動のRB作動の方が高いこと、即ち、RBB2作動のRB作動における出玉獲得性能を通常状態よりも落としてはならないことである。
以下に、RBB2作動のRB作動が第1〜第3の要件を満たしていることについて、図7、図9〜12等を用いて説明する。なお、図7から明らかなように、全ての遊技状態でNML1〜35の小役が内部抽選の対象となっているため、遊技状態の移行に応じて内部抽選の対象となる小役の数に増減はない。また、図12中の「市場の出玉率」とは、本実施形態例のスロットマシンSが遊技場に設置された場合における出玉率のことであり、「最大枚数制御による出玉率」とは、内部抽選で小役に当選したときに払出メダル枚数の最も多い小役を入賞させるようにリール制御を行うと仮定した場合における出玉率のことである。また、図12中の「ランダム(リプレイ抜き)出玉率」とは、各ストップボタンの操作順序および操作タイミングをランダムとした場合の出玉率であって、再遊技役の当選結果を除外して算出される出玉率のことであり、「ランダム(リプレイ込み)出玉率」とは、各ストップボタンの操作順序および操作タイミングをランダムとした場合の出玉率であって、再遊技役の当選結果を含めて算出される出玉率のことである。「再遊技役の当選結果を除外して算出される出玉率」とは、再遊技役に当選した遊技における規定数のメダルの投入とメダルの払い出しの双方がなかったものとして算出される出玉率のことであり、「再遊技役の当選結果を含めて算出される出玉率」とは、再遊技役に当選した遊技における規定数のメダルの投入と規定数のメダルの払い出しの双方があったものとして算出される出玉率のことである。
まず、RBB2作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率が、RBB2作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率であるという第1の要件を満たすことについて説明する。
図7,9に示すように、RBB2作動におけるRB非内部において、NML1が対応付けられている当選エリアは、乱数値数622の対応付けられた「択10枚Bその1」(2番)と、乱数値数2700の対応付けられた「小役ALL」(28番)である。このため、図10に示すように、RBB2作動のRB非内部において、NML1に係る条件装置の作動確率は3323/65536となる。一方、RBB2作動のRB作動において、NML1が対応付けられている当選エリアは、乱数値数11386の対応付けられた「1枚ALL」(27番)と、乱数値数6025の対応付けられた「小役ALL」(28番)とである。このため、RBB2作動のRB作動におけるNML1に係る条件装置の作動確率は17411/65536となり、NML1に係る条件装置の作動確率はRBB2作動のRB非内部よりもRBB2作動のRB作動の方が高くなり第1の要件を満たす。同様に、図7,9に示すように、RBB2作動のRB非内部において、NML5の対応付けられている当選エリアは、乱数値数622の対応付けられた当選エリア番号4番、6番、8番、10番、12番、14番、16番、18番、20番、22番と、乱数値数512の対応付けられた24番、25番と、乱数値数1の対応付けられた当選エリア番号26番と、乱数値数2700の対応付けられた当選エリア番号28番であるため、RBB2作動のRB非内部におけるNML5に係る条件装置の作動確率は9946/65536となる。一方、RBB2作動のRB作動において、NML5が対応付けられている当選エリアは、乱数値数11386の対応付けられた当選エリア番号27番と、乱数値数6025の対応付けられた当選エリア番号28番とであるため、RBB2作動のRB作動におけるNML5に係る条件装置の作動率は17411/65536となる。このため、図10に示すように、NML5に係る条件装置の作動確率は、RBB2作動のRB非内部よりもRBB2作動のRB作動の方が高くなり第1の要件を満たす。そして、NML1およびNML5以外の小役についても、NML1およびNML5と同様に、RBB2作動のRB非内部よりもRBB2作動のRB作動の方が入賞に係る条件装置の作動確率が高確率となる。よって、RBB2作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率が、RBB2作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率であるという第1の要件を満たす。
なお、詳細な説明は省略するが、図9から明らかなように、RBB2作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率は、通常状態、RBB1内部、RBB2内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率と同じ確率となるため、当然に、RBB2作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率は、通常状態、RBB1内部、RBB2内部のそれぞれにおける入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率となり、この場合も第1の要件を満たす。
次に、小役当選エリアの当選確率が通常状態やRBB2作動のRB非内部よりもRBB2作動のRB作動の方が高確率であるという第2の要件について説明する。図7に示すように、RB非内部において、小役当選エリアは当選エリア番号2番〜28番であり、これら当選エリアに対応付けられた乱数値の総数は17410(65536−48126)となる。一方、RBB2作動のRB作動において、小役当選エリアは当選エリア番号27番と28番であり、これら当選エリアに対応付けられた乱数値の総数は17411(11386+6025)となる。このため、図11に示すように、RBB2作動のRB非内部における小役当選エリアの当選確率よりもRBB2作動のRB作動における小役当選エリアの当選確率の方が高確率となり第2の要件を満たす。なお、詳細な説明は省略するが、RBB2作動のRB作動における小役当選エリアの当選確率は、通常状態、RBB1内部、RBB2内部のそれぞれにおける小役当選エリアの当選確率よりも高確率となり、この場合も第2の要件を満たす。
最後に、RBB2作動のRB作動における出玉獲得性能を通常状態よりも落としてはならないという第3の要件について説明する。図7に示すように、通常状態において、内部抽選の対象となっている小役当選エリアは当選エリア番号2番〜25番、28番、31番および32番であり、再遊技役の対応付けられた当選エリア1番が内部抽選の対象となっている。このため、通常状態のランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア番号2番〜25番、28番、31番および32番のそれぞれのランダム(リプレイ込み)出玉率の和で求められる。
まず、当選エリア番号1番のランダム(リプレイ込み)出玉率について説明すると、通常状態における規定数は3枚に設定され、通常状態で当選エリア1番の当選確率は8978/65536に設定されている。このため、通常状態で当選エリア1番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア1番の当選確率(8978/65536)×メダル払出枚数(3枚)×入賞確率(1/1)/規定数(3枚)で求められ、約0.137となる。
次に、当選エリア「択10枚Bその1」(2番)のランダム(リプレイ込み)出玉率について説明すると、先述のように、通常状態における内部抽選で当選エリア2番に当選した場合における1枚役の入賞確率は1/2であり、通常状態における規定数は3枚に設定され、通常状態で当選エリア2番の当選確率は622/65536に設定されている。このため、通常状態で当選エリア2番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア5番の当選確率(622/65536)×メダル払出枚数(1枚)×入賞確率(1/2)/規定数(3枚)で求められ、約0.00016となる。
同様に、他の小役当選エリアについてもそれぞれ市場の出玉率が求められ、これらすべての出玉率を合計すると図12に示すように、通常状態におけるランダム(リプレイ込み)出玉率は約32%となる。
一方、RBB2作動のRB作動において、内部抽選の対象となっている小役当選エリアは当選エリア番号27番,28番であり、再遊技役の対応付けられた当選エリア1番が内部抽選の対象となっていない。そして、RB作動における規定数は3枚、当選エリア27番の当選確率は11386/65536、当選エリア28番の当選確率は6025/65536、当選エリア27番に内部抽選で当選した場合における1枚役の入賞確率は1/1、当選エリア28番に内部抽選で当選した場合における10枚役の入賞確率は1/1である。このため、RB作動で当選エリア27番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア27番の当選確率(11386/65536)×メダル払出枚数(1枚)×入賞確率(1/1)/規定数(3枚)で求められ、約0.0579となり、RB作動で当選エリア28番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア28番の当選確率(6025/65536)×メダル払出枚数(10枚)×入賞確率(1/1)/規定数(3枚)で求められ、約0.3064となる。このため、図12に示すように、RB作動における市場の出玉率は0.0579に0.3064を加えて得られた0.3643に100を乗じて得られる約36%となる。
よって、通常状態におけるランダム(リプレイ込み)出玉率(約33%)よりもRBB2作動のRB作動におけるランダム(リプレイ込み)出玉率(約36%)の方が高いため、第3の要件を満たす。
このように、RBB2作動のRB作動は上記第1〜第3の要件を全て満たすため、ボーナス状態の機能を備えているといえる。なお、RBB1作動について詳細な説明は省略するが、RBB1作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率は65536/65536であり、RBB1作動における内部抽選では当選エリア「小役ALL」(28番)に必ず当選し、さらには、RBB1作動におけるランダム(リプレイ込み)出玉率は333%と極めて高く設定されているため、RBB2作動のRB作動と同様に、RBB1作動は上記第1〜第3の要件を全て満たしてボーナス状態の機能を備えている。
以上のように、第1実施形態例に係るスロットマシンSによると、RBB1作動とRBB2作動のRB作動は、通常状態よりも入賞に係る一の条件装置の作動確率、小役当選エリアの当選確率およびランダム(リプレイ込み)出玉率のそれぞれが高確率となるボーナス状態の機能を備えており、遊技状態を通常状態からRBB1作動に移行させるためには、RBB1役の当選かつRBB1図柄組合せの表示により実現するが、遊技状態を通常状態からRBB2作動のRB作動に移行させるためには、まず、RBB2役の当選かつRBB2図柄組合せの表示によりRBB2作動へ移行した後に、さらに、RB役に当選してRB役に対応する図柄組合せが表示されなければならない。このように、本実施形態例では、通常状態でRBB1役およびRBB2役の当選を待ちながら遊技を進行させ、RBB1役およびRBB2役の当選に基づいて移行するRBB1作動およびRBB2作動で手持ちのメダルを増やし、再び通常状態に戻るような遊技性になっており、RBB1作動およびRBB2作動のRB作動への移行経路が互いに異なっている。これにより遊技の興趣を向上させることができる。
特に、RBB2作動のRB作動はボーナス状態の機能を有するものの、ランダム(リプレイ込み)出玉率が約36%に設定されているため、遊技者が手持ちのメダルを増やし難い。これに対し、RBB2作動のRB内部では、10枚役と1枚役とが重複して対応付けられている特殊当選エリアに当選した場合に、1枚役よりも10枚役を優先して10枚役を入賞させるようにリールの停止制御を変更しているため、遊技者が手持ちのメダルを増やし易い。このため、RBB2作動のRB内部おける遊技性を向上させることができる。そして、RBB2作動のRB内部への移行は、RBB2作動のRB非内部でのRB役の当選時に赤7図柄を狙うという比較的に簡単な方法により可能となっている。このため、RBB2作動のRB非内部でRB役に当選した場合には、メダルの増加があまり見込めないRB作動への移行を遊技者自らのストップボタンの操作で回避して、メダルの増加が期待されるRBB2作動のRB内部に滞在させることが可能である。これにより、RBB2作動のRB非内部におけるRB役の当選に遊技者の注意を惹きつけてRB非内部の遊技性を向上させることができる。
また、本実施形態例のRBB2作動のRB非内部では、RB作動への移行契機となる当選エリア「RB」の当選確率が約1/1.36と比較的に高確率に設定されているため、ランダム(リプレイ込み)出玉率が低確率(約18%、図12参照)であるRB非内部に滞在する期間を短いものとすることができる。
また、RBB2作動のRB内部では、10枚役を優先して入賞させるリール制御が行われるため、遊技毎にストップボタンの押し順に係る打順演出に従ってストップボタンを操作することによりメダルを獲得するような従来の所謂AT機のような煩わしさがないため、遊技の進行を円滑に行わせることができる。
さらに、本実施形態例では、図12に示すように、通常状態における市場の出玉率(約33%)とRBB2作動のRB作動における市場の出玉率(約36%)との差(所謂役物比率)を約3%と小さくしてRB作動におけるメダルの増加があまり見込めない構成になっている。これにより、従来の所謂ノーマルタイプのスロットマシン、即ち、所謂AT非搭載型であって第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動によりメダルを増やすスロットマシンと比較してボーナス当選の合算確率が高確率(約1/99.30)のノーマルタイプの遊技機の提供を実現可能としている。
仮に、本実施形態例のRBB2作動を本実施形態例のRBB1作動のようなRBB1役の当選かつRBB1図柄組合せの表示により即時に移行する即作動のものに置き換えたとする。そうすると、本実施形態例と同様にボーナス状態の機能を備えている2種類の遊技状態を設けることになるが、この場合、RBB2作動における市場の出玉率を高確率なものにすると、全ての遊技状態における出玉率を調整する必要が生じ、RBB2作動における市場の出玉率を引き上げることに伴い、通常状態等における市場の出玉率の引き下げを余儀なくされ、所謂役物比率が大きくなってしまう。その結果、通常状態でメダル獲得枚数の期待値が減少して、通常状態における遊技性が著しく低下し、その結果、所謂台離れの現象が生じ得る。一方、本実施形態例のRBB2作動を即作動のものに置き換えたとき、RBB2作動における市場の出玉率を本実施形態例のRB作動の市場における出玉率(約36%)と同程度に設定したとする。そうすると、通常状態で当選エリア「RBB2」に当選して遊技状態がRBB2作動へ移行したとしてもメダルの増加があまり見込めないため、ボーナス状態の機能を備えている2つの遊技状態を設けた意義が失われると共に、通常状態におけるRBB2役の当選により遊技意欲を著しく低下させて遊技性を損なう虞がある。本実施形態例では、RBB2作動のRB作動をメダルの増加があまり見込めない遊技状態として所謂役物比率を小さくして通常状態における出玉率を確保しつつも、遊技者の意図的なストップボタンの操作によりRB作動への移行を回避して、遊技状態をRBB2作動のRB内部に滞在させることにより、RBB2作動での約80枚のメダルの獲得を実現させている。これにより、当選エリア「RBB1」と「RBB2」との当選確率の合算を高確率なものとして従来にない新しい遊技機を提供可能としている。
さらに、本実施形態例では、左図柄列34aの図柄番号11番の黒BAR図柄が有効ラインLに表示されるタイミングで左ストップボタン16を恒常的に操作するようにする(所謂DDT打法)。そうすると、最大滑りコマ数である4コマの範囲内にRBB1役に対応するRBB1図柄組合せを構成する「左図柄」の赤7図柄が含まれるため、RBB1役の対応付けられた当選エリア「RBB1」(30番)に当選した場合にはRBB1役に係る当選フラグが単独で成立している状態となるため、有効ラインLの左リール34(左図柄列34a)に対応する位置に赤7図柄を表示するようにリールが制御される。これにより、例えば、RBB役の当選時に当該当選を告知する演出(所謂先告知)が実行されなくとも、当選エリア「RBB1」に当選した遊技においてRBB1役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示可能である。よって、先告知の有無に拘わらず遊技者が最大の出玉率を得ることができる遊技方法が同一である遊技機を提供することができる。
また、本実施形態例ではRBB内部(RBB1内部、RBB2内部)において、10枚役と1枚役とが重複して対応付けられた特殊当選エリアの一部の当選エリア(当選エリア8番〜11番)に内部抽選で当選した場合に、1枚役よりも10枚役を優先させて10枚役を入賞させるようにリール制御が行われる。このように、特殊当選エリアの一部の当選エリアを10枚役の入賞を優先させ、その他の当選エリアを1枚役の入賞を優先させることにより、RBB内部における出玉率の調整を行うことができる。
また、本実施形態例では、遊技状態がRBB2作動のRB非内部からRB内部に移行したことに基づいて、当選エリア「リプレイ」(1番)の当選確率が高確率(48126/65536)となるため、RBB2作動のRB内部におけるランダム(リプレイ込み)出玉率を比較的に高い約264%に設定することができる。そして、RBB2作動の終了条件はメダル払出総数が80枚を超過することであるが、RBB2作動のRB内部における内部抽選で当選確率が高確率に設定された当選エリア「リプレイ」(1番)に当選したとしても、メダルが払い出されることはないため、この当選エリア「リプレイ」の当選によりRBB2作動が終了して遊技状態が通常状態に移行することはない。このため、RBB2作動のRB内部で当選エリア「リプレイ」に当選した場合には、RBB2作動での遊技を必ず継続して遊技者に行わせることが可能となる。
仮に、RBB2作動のRB内部において、当選エリア「リプレイ」に対応付けられた乱数値数を48126から8978まで減少させる、すなわち、遊技状態がRBB2作動のRB非内部からRB内部に移行したとしても当選エリア「リプレイ」の当選確率を同じ確率で維持すると共に、この減少分(48126−8978=39148)の乱数値数をメダル払出枚数3枚が対応付けられた小役(以下、3枚役と言う。)に対応付けて、3枚役を内部抽選の対象にしたとする。このようにすると、RBB2作動のRB内部において、再遊技役および3枚小役の何れに当選した場合であっても、遊技者の手持ちのメダルが増減することはない。しかし、このRB内部で3枚小役に当選したことに基づいて3枚のメダルが払い出されてRBB2作動の終了条件が満たされる場合があり、この場合、遊技状態がRB内部から通常状態に移行してしまい、RBB2作動での遊技を継続して遊技者に行わせることができない。これに対し、RBB2作動のRB内部で再遊技役に当選した場合には、上述のように、RBB2作動での遊技を必ず継続して遊技者に行わせることが可能である。本実施形態例では、遊技状態がRBB2作動のRB非内部からRB内部に移行したことに基づいて、当選エリア「リプレイ」(1番)の当選確率を上昇させることにより、RBB2作動の滞在期間を長期化させることが可能になり、その結果、遊技性を向上させることができる。
また、本実施形態例では、遊技状態がRBB2作動から通常状態に移行したことに基づいて、当選エリア「リプレイ」(1番)の当選確率が通常の確率(8978/65536)となるため、RBB2作動のRB内部の当選エリア「リプレイ」の当選確率を高確率に設定したとしても、遊技状態全体における出玉率の上昇を抑えることができる。
続いて、本発明の第2実施形態例に係るスロットマシンを図13〜図15を用いて説明する。この第2実施形態例に係るスロットマシンは、第1実施形態例と比べると、遊技状態の移行契機となる遊技状態移行役としてCBB2役およびCBB2役が設けられている点で相違する。以下に、第1実施形態例と異なる部分のみを説明する。
CBB1役は、遊技状態を通常状態からCBB1作動へ移行させる役として機能し、図13に示すように、CBB1役に「リプレイ図柄」−「リプレイ図柄」−「スイカ図柄」の図柄組合せ(以下、CBB1図柄組合せと言う。)が対応付けられている。CBB2役は、遊技状態を通常状態からCBB2作動へ移行させる役として機能し、CBB2役に「リプレイ図柄」−「ベル1図柄」−「スイカ図柄」の図柄組合せ(以下、CBB2図柄組合せと言う。)が対応付けられている。
図14に示すように、CBB1役は当選エリア34番の当選エリア「CBB1」に対応付けられており、この当選エリアは通常状態でのみ内部抽選の対象となっている。遊技状態移行手段107は、図15に示すように、通常状態における内部抽選で当選エリア「CBB1」に当選した場合に遊技状態をCBB1内部に移行させ(同図中のC1)、CBB1内部中にCBB1図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をCBB1作動に移行させ(同図中のC2)、CBB1作動中にメダルの払出総数が15枚を超えると遊技状態を通常状態に移行させる(同図中のC3)。
また、CBB2役は当選エリア35番の「CBB2」に対応付けられており(図14)、この当選エリアは通常状態でのみ内部抽選の対象となっている。当選エリア「CBB2」の当選による遊技状態の遷移については、図15に示すように、当選エリア「CBB1」に当選した場合の遊技状態の遷移と同様である(同図中のD1〜D3)。
第2実施形態例に係るスタートレバー有効化手段101は、通常状態、RBB内部(RBB1内部、RBB2内部)、CBB1内部、CBB2内部、RBB1作動、RBB2作動(RB非内部、RB内部、RB作動)において3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させ、CBB1作動およびCBB2作動において2枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させる。
第2実施形態例に係る当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグがCBB役(CBB1役、CBB2役)に係る当選フラグである場合には、これらの役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されるまで当該当選フラグを持ち越す。また、当選フラグ制御手段103は、遊技状態がCBB作動に滞在している場合には、内部抽選の結果に拘わらず、全ての小役に係る当選フラグをONにセットし、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。
第2実施形態例に係るリール制御手段104は、CBB作動(CBB1作動、CBB2作動)では、各リール34〜36のうち一のリールの回転を当該一のリールに対応するストップボタンの停止操作時から75ms以内に、他のリールの回転を当該他のリールに対応するストップボタンの停止操作から190ms以内に、それぞれ停止させるよう制御する。よって、前記一のリールはストップボタンの押下タイミングから最大で1図柄(1コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると2コマ分)だけ回転可能となり、他のリールはストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分だけ回転可能となる。また、リール制御手段104は、CBB内部(CBB1内部およびCBB2内部)において複数の当選フラグが同時に成立している場合に、CBB1役およびCBB2役に対応する図柄組合せよりも小役または再遊技役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する。
CBB1図柄組合せ(「リプレイ図柄」−「リプレイ図柄」−「スイカ図柄」の図柄組合せ)を構成する各図柄は、図2に示すように、各図柄列において最大滑りコマ数である4コマの範囲内に4コマ間隔で配置されている。先述のように、リール制御手段104は、CBB作動以外の遊技状態では、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内(190ms以内)で、当選フラグに対応する役に係る図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを停止させるよう制御する。このため、CBB1役の当選フラグが成立してCBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示可能なCBB1内部において、CBB1図柄組合せはPB=1の完全図柄である。このため、当選エリア「CBB1」の当選時に行われるストップボタンの操作によりCBB1図柄組合せが必ず表示され、CBB1役に対応する当選フラグが次遊技に持ち越されることはない。
また、CBB2図柄組合せ(「リプレイ図柄」−「ベル1図柄」−「スイカ図柄」の図柄組合せ)を構成する各図柄は、図2に示すように、各図柄列において最大滑りコマ数である4コマの範囲内に4コマ間隔で配置されているため、CBB2内部においてCBB2図柄組合せはPB=1の完全図柄である。このため、当選エリア「CBB2」の当選時に行われるストップボタンの操作によりCBB2図柄組合せが必ず表示され、CBB2役に対応する当選フラグが次遊技に持ち越されることはない。
図14に示すように、CBB作動(CBB1作動、CBB2作動)では、内部抽選の結果が必ず当選エリア「不当選」の当選となるが、内部抽選の結果に拘わらず、NML1〜NML35の全ての小役に対応する当選フラグが成立した状態となる。このCBB作動において、リール制御手段104は、払出枚数優先制御により払出メダル枚数の最も多い小役(本実施形態例ではNML1〜NML35の何れか)に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する。そして、CBB作動では規定数が2枚に設定されており、規定数2枚の場合における各小役に対応付けられたメダル払出枚数は全て15枚になっているため、CBB作動では規定数2枚のメダル投入に対して必ず15枚のメダルが払い出されることになる。ここで、CBB作動が終了する条件はCBB作動中にメダル払出総数が15枚を超過することに設定されているため、CBB作動中に規定数2枚のメダル投入に対して15枚のメダルが払い出される1回の遊技が2度行われると、CBB作動の終了条件が満たされて、遊技状態がCBB作動から通常状態に移行する。よって、CBB作動で遊技者は手持ちのメダルを確実に増やすことができる。
このように、手持ちのメダルを確実に増やすことができるCBB1作動およびCBB2作動を設けたとしても、第1実施形態例と同様の効果、即ち、即作動のRBB1作動とRB作動付きのRBB2作動の移行経路の異なる2種類のボーナス役を設けて所謂ノーマルタイプの遊技機の趣向性を向上させると共に、遊技状態がRBB2作動のRB内部に移行したことに基づいてリールの停止制御を変更して、RBB2作動のRB内部の10枚役の入賞確率を高確率なものとして遊技性を向上させることができるという格別の効果を奏し得る。
なお、第2実施形態例では、手持ちのメダルを確実に増やすことができるCBB作動(CBB1作動、CBB2作動)が設けられているため、全体として市場の出玉率が上昇することになる。そこで、即作動のRBB1作動への移行契機となる当選エリア「RBB1」の当選確率やRB作動付のRBB2作動への移行契機となる当選エリア「RBB2」の当選確率を調整したり、RBB1作動の終了条件やRBB2作動の終了条件であるメダル払出総枚数を調整したりすることにより、第2実施形態例における出玉率を第1実施形態例における出玉率と同程度にすることが可能である。
また、第1および第2実施形態例において、RBB2作動のRB内部ではリール制御の変更により10枚役の入賞確率が高確率となるが、この構成に替えて、RBB内部(RBB1内部,RBB2内部)においてリール制御を変更することにより、RBB内部の10枚役の入賞確率を高確率とする構成も考えられる。しかし、このような構成にしたとすると、RBB内部はRBB役(RBB1役,RBB2役)に係る当選フラグが持ち越された状態であり、RBB内部の終了条件はRBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されることであるため、RBB内部における遊技者のストップボタンの操作によりRBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されることを意図的に回避することができる。これにより、RBB内部で手持ちのメダルを際限なく増加させることが可能となり所謂遊技機の攻略に繋がる。
また、第1および第2実施形態例において、RBB2作動のRB内部で10枚役の入賞確率が高確率となる構成に替えて、CBB内部(CBB1内部,CBB2内部)においてリール制御を変更することにより、10枚役の入賞確率を高確率とする構成も考えられる。ここで、CBB役に対応する図柄組合せはPB=1の完全図柄組合せとすることも可能であり、この場合には、上記した遊技機の攻略、すなわち、遊技者のストップボタンの操作によりCBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されることを意図的に回避することを封じることができる。しかし、CBB役に対応する図柄組合せをPB=1にしたとすると、CBB内部の滞在期間が短くなり、第1実施形態例や第2実施形態例におけるRBB2作動のRB内部のように一定量のメダルを獲得させることが困難となり、その結果、CBB内部で10枚役の入賞確率を高確率とする意義が失われてしまう。
第1および第2実施形態例では、RBB2作動のRB内部で10枚役の入賞確率が高確率となり、このRBB2作動の終了条件はメダル払出総数が80枚を超過することであるため、第2実施形態例のように、RBB2作動のRB内部でRB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されない仕様にしたとしても(図14参照)、RBB2作動でメダル払出総数が80枚を超過するとRBB2作動が必ず終了して通常状態に移行する。このため、RBB内部の10枚役の入賞確率を高確率とした場合に生じる不具合(遊技機の攻略)は無く、また、RBB2作動のRB内部で一定量のメダルを安定して払い出すことが可能となる。
また、第2実施形態例では、CBB作動中に手持ちのメダルが増える構成になっているがこの構成に限られず、CBB作動の終了条件を規定数2枚のメダル投入に対して2枚のメダルが払い出される1回の遊技が2度行われるとCBB作動の終了条件が満たされて、遊技状態がCBB作動から通常状態に移行する構成、即ち、CBB作動で手持ちのメダルが増加しない構成であっても良い。
なお、第1実施形態例ではRBB1内部およびRBB2内部において、10枚役と1枚役とが重複して対応付けられた特殊当選エリアの一部の当選エリア(当選エリア8番〜11番)に内部抽選で当選した場合に、1枚役よりも10枚役を優先させて10枚役を入賞させるリール制御としていたが、この構成に限られず、図14に示すように、第2実施形態例ではRBB1内部およびRBB2内部において、特殊当選エリアの全てについて10枚役よりも1枚役を優先させて1枚役を入賞させるリール制御としても良い。
また、第1実施形態例ではRBB2作動におけるRB内部において、当選エリア12番,13番に内部抽選で当選した場合には、RB役に対応するRB図柄組合せが有効ラインLに表示される場合があったが、この構成に限られず、図14に示すように、第2実施形態例では当選エリア12番,13番に当選した場合であってもRB図柄組合せが有効ラインに表示されない構成であっても良い。
なお、第1実施形態例では、RBB1役およびRBB2役の当選で手持ちのメダルを増やし、第2実施形態例では、RBB1役、RBB2役、CBB1役およびCBB2役の当選で手持ちのメダルを増やす構成(所謂ノーマルタイプのスロットマシン)であるが、この構成に限られず、第1,第2実施形態例に係るスロットマシンに所謂AT機能を搭載して、手持ちのメダルをボーナス役の当選およびAT(所謂ARTも含む)により手持ちのメダルを増やす構成としても良い。
なお、第1および第2実施形態例では、RBB1作動中の規定数が3枚に設定されているが、この構成に限られず、RBB1作動中の規定数が2枚に設定されていても良い。このような構成の場合には、NML1〜NML35の全ての小役は、規定数が2枚に設定されているRBB1作動において、入賞により15枚のメダルを遊技者に払い出す小役としても良い。