以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明の第1実施形態例のスロットマシンSは、筐体1、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3を主として備えている。
上扉2には、光演出を実行するランプ4、音演出を実行する一対のスピーカ5、画像演出を実行するモニタ6、クレジットされたメダル(遊技媒体)の枚数を表示するクレジット表示器7、遊技者に払い出されるメダル枚数を表示する払出枚数表示器8、スロットマシンSに投入(ベット)されたメダル枚数を表示するベットランプ9a〜cが設けられている。
下扉3には、スロットマシンSにメダルを投入するためのメダル投入口11、クレジットされたメダルをスロットマシンSに投入するためのMAXベットボタン12および1枚ベットボタン13、スロットマシンSに投入されたメダルおよびクレジットされたメダルを精算するための精算ボタン14、後述の各リール34〜36を回転させるためのスタートレバー15、各リール34〜36の回転をそれぞれ停止させるための左ストップボタン16,中ストップボタン17,右ストップボタン18、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出口19、メダル払出口19から払出されたメダルを収容する受皿20が設けられている。
スロットマシンSは、筐体1の内部に、ホッパーユニット21(図3参照)、リールユニット30、電源ユニット(図示省略)等を備えている。
ホッパーユニット21は、スロットマシンSに投入されたメダルを貯留する貯留タンク(図示省略)、この貯留タンクに貯留されたメダルをメダル払出口19より払い出すためのホッパー駆動モータ(図示省略)を有している。
リールユニット30は、左リール34、中リール35および右リール36を有しており、各リール34〜36は、図示せぬステッピングモータの駆動によりそれぞれ回転する。図2に示すように、左リール34の外周面に左図柄列34a、中リール35の外周面に中図柄列35a、右リール36の外周面に右図柄列36aがそれぞれ付されており、各図柄列34a〜36aは均等な20の領域(20コマ)にそれぞれ区画されている。図柄列の各領域に1個の図柄が配置され、各図柄に図柄番号0〜19がそれぞれ対応付けられている。上扉2が閉鎖状態にあるときに、遊技者は、上扉2の下部中央に透明材料で形成された表示窓50を通して図柄を視認可能になると共に、各リール34〜36の停止状態では、各リールの外周面にそれぞれ配置された20個の図柄のうち連続する3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示窓50に表示されて、3行3列に配置された合計9個の図柄を目視できる。
表示窓50には、各リール34〜36の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段、中段および下段の停止位置が設けられており、各リールの停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。具体的には、図1に示すように、有効ラインLは、各リール34〜36の中段(中段停止位置)の組み合わせからなる。
図2に示すように、各図柄列34a〜36aには、赤7、黒BAR(バー)、花1〜3、チェリー、スイカ、ベル1,2、リプレイの合計10種類の図柄が配置されており、これら図柄の組合せが予め対応付けられた役が複数種類設けられている。詳しくは後述するが、複数種類の役は、遊技状態の移行契機となる遊技状態移行役、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役、入賞によりメダルを遊技者に払い出す小役に大別される。
電源ユニットは、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ(図示省略)、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キー(図示省略)および設定変更ボタン(図示省略)を有している。本実施形態例のスロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が1〜6までの設定値にそれぞれ対応付けられている。遊技場の管理者は、設定キーや設定変更ボタン等を操作することにより設定値1〜6の間で設定値を変更可能になっている。
次に、図3を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口11から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ11a、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、精算ボタン14、スタートレバー15、各ストップボタン16〜18、その他の装置が接続されており、これら各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインCPUは、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して当該主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ4、一対のスピーカ5、モニタ6等の演出装置を制御する。サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入(後述の再遊技の設定を含む)によりスタートレバー15の操作(遊技開始操作,第1操作)を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー15の操作に基づいて複数種類の役の当否を内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された役のフラグ(以下、当選フラグと言う。)を成立させる当選フラグ制御手段(持越し手段)103、各リール34〜36の回転および停止を制御するリール制御手段104、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて入賞した場合に、当該小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出すメダル払出手段105、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、主制御処理部100の作動状態である遊技状態を制御する遊技状態移行手段107、副制御処理部200の作動状態である演出モードを制御する演出モード制御手段108が構築されている。
図5,6に示すように、複数種類の役には、RBB役(遊技状態移行役、特定役)、CBB役(遊技状態移行役)、RB役(遊技状態移行役)、REP(再遊技役、通常役)、NML1〜35(小役、通常役)が含まれており、図7に示すように、これら各役が複数種類の当選エリアの何れかに対応付けられている。また、図8に示すように、遊技状態は、通常状態、RBB内部(第1状態)、CBB内部、RBB作動(第2状態)およびCBB作動に大別され、RBB作動は、RB非内部、RB内部およびRB作動に分別されている。詳しくは後述するが、通常状態におけるRBB役の当選に基づいて遊技状態が通常状態からRBB内部を経由してRBB作動へ移行し、通常状態におけるCBB役の当選に基づいて遊技状態が通常状態からCBB内部を経由してCBB作動へ移行し、RBB作動のRB非内部におけるRB役の当選に基づいて遊技状態がRB非内部からRB内部を経由してRB作動へ移行するようになっている。
図3に示すように、副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて、演出モードを複数種類の演出モードの間で移行させる演出モード移行手段201、演出装置(ランプ4、一対のスピーカ5、モニタ6)で演出を実行する演出実行手段202が構築されている。
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
スタートレバー有効化手段101は、CBB作動以外の遊技状態では3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させ、CBB作動では2枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させる。
内部抽選手段102は、有効化されたスタートレバー15の操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する。具体的には、内部抽選手段102は、主制御処理部100のメインROMに記憶された図9に示す内部抽選テーブル109を遊技状態に応じて参照し、参照したテーブルと取得された内部抽選用の乱数値とに基づいて当選エリアを決定する。なお、役、当選エリア、内部抽選テーブルおよび遊技状態の遷移については詳しく後述する。
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役に係る当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットし、成立させた当選フラグが遊技状態移行役(RBB役、CBB役およびRB役)に係る当選フラグである場合には、これらの役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されるまで当該当選フラグを持ち越す。なお、RBB内部はRBB役に係る当選フラグが持ち越されている遊技状態であり、CBB内部はCBB役に係る当選フラグが持ち越されている遊技状態であり、RB内部はRB役に係る当選フラグが持ち越されている遊技状態である。
また、当選フラグ制御手段103は、遊技状態がCBB作動に滞在している場合には、内部抽選の結果に拘わらず、全ての小役に係る当選フラグをONにセットし、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。
リール制御手段104は、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の操作に基づいて各リール34〜36の回転を開始させ、各リール34〜36が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リール34〜36が定常回転に到達すると、各リールの回転速度を維持する。そして、各リールの回転速度が定常回転に到達すると、全てのストップボタン16〜18の操作を有効化させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールの回転を停止させる。
リール制御手段104は、CBB作動以外の遊技状態では、各ストップボタン16〜18の停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。ここで、各リール34〜36の定速回転数は約80回/分であるため、定速回転数の下で各リール34〜36が一回転に要する時間は60s/約80回≒約750msとなり、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は750ms/20図柄=37.5msとなる。このため、リールは対応するストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる((190ms/37.5ms)−1図柄≒4図柄)。
また、リール制御手段104は、CBB作動では、各リール34〜36のうち一のリールの回転を当該一のリールに対応するストップボタンの停止操作時から75ms以内に、他のリールの回転を当該他のリールに対応するストップボタンの停止操作から190ms以内に、それぞれ停止させるよう制御する。よって、前記一のリールはストップボタンの押下タイミングから最大で1図柄(1コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると2コマ分)だけ回転可能となり、他のリールはストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分だけ回転可能となる。
さらに、リール制御手段104は、複数の当選フラグが同時に成立している場合において、CBB作動以外の遊技状態では、ストップボタンの押下タイミングから最大滑りコマ数である4コマの範囲内で、CBB作動では、ストップボタンの押下タイミングから1コマまたは4コマの範囲内で、成立している複数の当選フラグに対応する各々の役のうちメダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する払出枚数優先制御と、成立している複数の当選フラグに対応する各々の役に対応する図柄組合せの個数が最も多くなるように当該役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する個数優先制御と、RBB内部、CBB内部およびRB内部において、RBB役、CBB役およびRB役に対応する図柄組合せよりも小役または再遊技役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する役付け優先制御とにより最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1〜S5)
規定数のメダルがスロットマシンSに投入されると(S1)、スタートレバー15が有効化され(S2)、かかる後に、スタートレバー15の操作が行われると(S3)、内部抽選が行われる(S4)。そして、内部抽選で決定された役に対応する当選フラグがONにセットされる(S5)。
(ステップS6〜S8)
次に、前回の遊技における各リール34〜36の回転開始時点から所定時間(例えば4.1秒)の経過を条件に各リール34〜36の回転が一斉に開始され(S6)、全てのリールが定常回転に達した後に全てのストップボタンの操作が有効化される(S7)。そして、有効化された各ストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールを停止させる(S8)。
(ステップS9〜S13)
次に、ステップS4の内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されているか否かの遊技結果判定処理が行われ(S9)、この遊技結果判定処理に応じて、小役の入賞によるメダル払出処理(S10)、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことによる再遊技設定処理(S11)、遊技状態移行役(RBB1役、RBB2役、RB役)に対応する図柄組合せが表示されたこと等による遊技状態の移行処理(S12)、遊技結果判定処理の結果に応じて当選フラグのON・OFFを制御する当選フラグ制御処理(S13)が行われる。
このように、本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の遊技開始操作に基づいて複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール34〜36の回転を開始させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作(第2操作)および内部抽選の結果に基づいて各リール34〜36の回転を停止させて1回の遊技を行う。そして、この1回の遊技が行われる間に複数種類のコマンドが所定のタイミングで副制御処理部200に送信され、これら複数種類のコマンドに基づいて副制御処理部200のメインROMに構築された演出モード移行手段201が演出モードを移行し、演出実行手段202が各演出装置で様々な演出を実行するようになっている。
次に、役、当選エリア、内部抽選テーブルおよび遊技状態の遷移について、図2、図5〜図12を用いて説明する。
図5に示すように、通常状態からCBB作動への移行契機となるCBB役としてCBB1役とCBB2役が設けられており、図8に示すように、CBB作動にはCBB1作動とCBB2作動が含まれている。CBB1役は、遊技状態を通常状態からCBB1作動へ移行させる役として機能し、CBB2役は、遊技状態を通常状態からCBB2作動へ移行させる役として機能する。
図7に示すように、CBB1役は当選エリア「CBB1」(34番)に単独で対応付けられており、CBB2役は当選エリア「CBB2」(35番)に単独で対応付けられている。これら当選エリア「CBB1」,「CBB2」は通常状態でのみ内部抽選の対象となっている。遊技状態移行手段107は、図8に示すように、通常状態における内部抽選で当選エリア「CBB1」に当選した場合に遊技状態をCBB1内部に移行させ(同図中のC1)、CBB1内部中にCBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をCBB1作動に移行させ(同図中のC2)、CBB1作動中にメダルの払出総数が2枚を超えると遊技状態を通常状態に移行させる(同図中のC3)。同様に、遊技状態移行手段107は、通常状態における内部抽選で当選エリア「CBB2」に当選した場合に遊技状態をCBB2内部に移行させ(同図中のD1)、CBB2内部中にCBB2役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をCBB2作動に移行させ(同図中のD2)、CBB2作動中にメダルの払出総数が2枚を超えると遊技状態を通常状態に移行させる(同図中のD3)。
なお、以下の説明において、説明の便宜のため、役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄のうち、左図柄列34aに対応する図柄のことを単に「左図柄」、中図柄列35aに対応する図柄のことを単に「中図柄」、右図柄列36aに対応する図柄のことを単に「右図柄」ということにし、役に対応付けられた図柄組合せを「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」と表記することにする。
図5に示すように、CBB1役にCBB1図柄組合せA〜D(同図中に示すA〜D)が対応付けられている。CBB1図柄組合せAの「左図柄(リプレイ図柄)」は、図2に示すように、左図柄列34aにおいて最大滑りコマ数である4コマの範囲内に配置されている図柄であり、CBB1図柄組合せAの「中図柄(黒BAR図柄または花1図柄)」は、中図柄列35aにおいて最大滑りコマ数である4コマを超えて14コマ間隔で配置されている図柄であり、CBB1図柄組合せAの「右図柄(赤7図柄または花1図柄)」は、最大滑りコマ数である4コマの範囲を超えて配置されている図柄である。先述のように、リール制御手段104は、CBB作動以外の遊技状態では、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内(190ms以内)で、当選フラグに対応する役に係る図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを停止させるよう制御する。このため、CBB1役の当選フラグが成立してCBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示可能なCBB1内部において、CBB1図柄組合せAの「左図柄」はストップボタンの操作タイミングに拘わらず有効ラインLに必ず表示される図柄であるといえ、CBB1図柄組合せAの「中図柄」と「右図柄」は、ストップボタンの操作タイミングに応じて有効ラインLに表示され得る図柄であるといえる。よって、CBB1図柄組合せAは、CBB1内部において、中,右ストップボタン17,18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる図柄組合せであるといえる。
なお、以下の説明において、CBB作動以外の遊技状態、即ち、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内(190ms以内)でリールの停止制御が行われる遊技状態において、ストップボタンの操作タイミングに拘わらず有効ラインLに表示可能とされる図柄を「完全図柄」ということにし、ストップボタンの操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる図柄を「不完全図柄」ということにする。また、CBB作動以外の遊技状態で、ストップボタンの操作タイミングに拘わらず有効ラインLに表示可能とされる図柄組合せを「完全図柄組合せ」(所謂PB=1)ということにし、ストップボタンの操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる図柄組合せを「不完全図柄組合せ」(所謂PB≠1)ということにする。
なお、CBB1役に対応付けられたCBB1図柄組合せB〜Dについての詳しい説明は省略するが、図2,図5に示すように、CBB1図柄組合せB,C(同図中に示すB,C)は、CBB1図柄組合せAと同様に、CBB1内部において、中,右ストップボタン17,18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示され得る不完全図柄組合せ(PB≠1)である。これに対し、CBB1図柄組合せDを構成する左図柄(リプレイ図柄)、中図柄(リプレイ図柄)、右図柄(スイカ図柄)の全ては最大滑りコマ数である4コマの範囲内に配置されている完全図柄であるため、CBB1図柄組合せDはCBB1内部において完全図柄組合せ(PB=1)である。
図5に示すように、CBB2作動への移行契機となるCBB2役にCBB2図柄組合せE〜G(同図中に示すE〜G)が対応付けられている。図2に示すように、CBB2図柄組合せEの「左図柄(リプレイ図柄)」は完全図柄であるが、「中図柄(黒BAR図柄および花1図柄)」および「右図柄(花2図柄および花3図柄)」は不完全図柄である。このため、CBB2図柄組合せEは、CBB1内部において中,右ストップボタン17,18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる不完全図柄組合(PB≠1)である。同様に、CBB2図柄組合せFもCBB1内部において中,右ストップボタン17,18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる不完全図柄組合(PB≠1)である。これに対し、CBB2図柄組合せGを構成する全ての図柄は完全図柄であるため、CBB2図柄組合せGはCBB1内部において完全図柄組合せ(PB=1)であるといえる。
このように、CBB作動(CBB1作動,CBB2作動)への移行契機となるCBB役(CBB1役,CBB2役)に互いに異なる複数種類の図柄組合せが対応付けられており、通常状態で当選エリア「CBB」(当選エリア「CBB1」,「CBB2」、CBB当選エリアとも言う。)に当選すると遊技状態がCBB内部(CBB1内部,CBB2内部)に移行し、このCBB内部でCBB役に対応する何れか一の図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態がCBB作動に移行する。
本実施形態例では、CBB1役に対応付けられたCBB1図柄組合せDがCBB1内部においてPB=1(完全図柄組合せ)であるにも拘らず、当選エリア「CBB1」に当選したときのストップボタンの操作態様に応じて、CBB1役に対応する図柄組合せ(CBB1図柄組合せA〜D、以下、CBB1図柄組合せと言う。)の何れも有効ラインLに表示されない場合がある。同様に、CBB2役に対応付けられたCBB2図柄組合せGがCBB2内部においてPB=1(完全図柄組合せ)であるにも拘らず、当選エリア「CBB2」に当選したときのストップボタンの操作態様に応じて、CBB2役に対応する図柄組合せ(CBB2図柄組合せE〜G、以下、CBB2図柄組合せと言う。)の何れも有効ラインLに表示されない場合がある。
そして、本実施形態例では、通常状態で当選エリア「CBB」(当選エリア「CBB1」,「CBB2」)に当選したときにCBB図柄組合せ(CBB1図柄組合せ,CBB2図柄組合せ)が有効ラインLに表示されないと、遊技状態がCBB内部(CBB1内部,CBB2内部)に滞在することになる。図9に示すように、CBB内部では、小役または再遊技役の対応付けられた当選エリア2番〜27番が内部抽選の対象となっているため、CBB役に係る当選フラグと小役または再遊技役に係る当選フラグとが重複して成立することになる。先述のように、リール制御手段104は、CBB内部において、CBB図柄組合せよりも小役または再遊技役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示する役付け優先制御によりリールを制御するため、CBB役に係る当選フラグと小役または再遊技役に係る当選フラグとが重複して成立している場合、通常、CBB図柄組合せが有効ラインLに表示されることはない。ただし、本実施形態例では、CBB内部で後述の当選エリア2番,3番の「択役B」(「択11枚Bその1」,「択11枚Bその2」)に当選したとき、ストップボタンが特定の操作タイミングで操作された場合には、CBB図柄組合せが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB作動に移行する構成になっている。
さらに、本実施形態例では、図7に示すように、CBB作動(CBB1作動,CBB2作動)における内部抽選では、何れの役も対応付けられていない当選エリア「不当選」に必ず当選することになるが、先述のように、CBB作動では内部抽選の結果に拘わらず全ての小役に係る当選フラグが成立した状態となる。そして、リール制御手段104は、CBB作動において、払出枚数優先制御により払出メダル枚数の最も多い小役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する。具体的には、図5,6に示すように、規定数が2枚のCBB作動では、後述するNML19〜35に最大メダル枚数である2枚のメダル払出枚数が対応付けられているため、CBB作動では規定数2枚のメダル投入に対してNML19〜35の何れかが入賞となって必ず2枚のメダルが払い出されることになる。ここで、CBB作動が終了する条件はCBB作動中にメダル払出総数が2枚を超過することに設定されているため、CBB作動中に規定数2枚のメダル投入に対して2枚のメダルが払い出される1回の遊技が2度行われると、CBB作動の終了条件が満たされて、遊技状態がCBB作動から通常状態に移行する。よって、CBB作動では遊技者の手持ちのメダルが増減することはない。
次に、遊技状態を通常状態からRBB作動(RBB1作動,RBB2作動)へ移行させる契機となるRBB役(RBB1役,RBB2役)について説明する。
RBB1役は、遊技状態を通常状態からRBB1作動へ移行させる役として機能し、図7に示すように、当選エリア30番〜32番の「RBB1」〜「RBB1+1枚ALL」(以下、RBB1当選エリアと言う。)に対応付けられている。このRBB1当選エリアは通常状態でのみ内部抽選の対象となっており、図9に示すように、RBB1当選エリアのそれぞれに3200、1、1の乱数値数が対応付けられているため、通常状態におけるRBB1当選エリアの当選確率は約1/20.46(3202/65536)となる。図8に示すように、遊技状態移行手段107は、通常状態における内部抽選でRBB1当選エリアに当選した場合に遊技状態をRBB1内部に移行させ(同図中のA1)、RBB1内部中にRBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRBB1作動に移行させる(同図中のA2)。
図5に示すように、RBB1役に「赤7図柄」−「赤7図柄」−「赤7図柄」の図柄組合せ(以下、RBB1図柄組合せと言う。)が対応付けられている。図2に示すように、RBB1図柄組合せを構成する赤7図柄は、各図柄列34a〜36aの全てにおいて最大滑りコマ数の4コマの範囲を超えて配置されている不完全図柄である。このため、RBB1図柄組合せは、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止するよう制御されるRBB1内部において、各ストップボタン16〜18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる不完全図柄組合(PB≠1)である。
RBB2役は、遊技状態を通常状態からRBB2作動へ移行させる役として機能し、図7に示すように、RBB2役は当選エリア「RBB2」(以下、RBB2当選エリアと言う。)に対応付けられている。このRBB2当選エリアは通常状態でのみ内部抽選の対象となっており、図9に示すように、RBB2当選エリアに3200の乱数値数が対応付けられているため、RBB2当選エリアの当選確率は高確率の約1/20.48(3200/65536)となる。図8に示すように、遊技状態移行手段107は、通常状態における内部抽選でRBB2当選エリアに当選した場合に遊技状態をRBB2内部に移行させ(同図中のB1)、RBB2内部中にRBB2図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRBB2作動に移行させる(同図中のB2)。また、図5に示すように、RBB2役に「赤7図柄」−「赤7図柄」−「黒BAR」の図柄組合せ(以下、RBB2図柄組合せと言う。)が対応付けられており、図2に示すように、RBB2図柄組合せを構成する各図柄は、各図柄列34a〜36aの全てにおいて最大滑りコマ数の4コマの範囲を超えて配置されている不完全図柄である。このため、RBB2図柄組合せは、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止するよう制御されるRBB2内部において、各ストップボタン16〜18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示可能とされる不完全図柄組合(PB≠1)である。
このように、通常状態ではRBB1当選エリアおよびRBB2当選エリアの双方が内部抽選の対象となっており、RBB1当選エリアの当選確率は約1/20.46、RBB2当選エリアの当選確率は約1/20.48であるため、RBB1当選エリアおよびRBB2当選エリアの当選確率の合算確率は約1/10.23(6402/65536)となる。
図8に示すように、RBB作動(RBB1作動,RBB2作動)は、RB非内部、RB内部およびRB作動で構成されており、遊技状態がRBB内部(RBB1内部,RBB2内部)からRBB作動に移行してきたときは(同図中のA2,B2)、まず、遊技状態移行手段107は遊技状態をRBB作動のRB非内部に移行させる。このRB非内部では、遊技状態をRB内部へ移行させる役として機能するRB役が内部抽選の対象となっている。
遊技状態移行手段107は、RBB1作動のRB非内部における内部抽選で当選エリア「RB」に当選した場合に遊技状態をRBB1作動のRB内部に移行させ(同図中のA3)、RB内部中にRB図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRBB1作動のRB作動に移行させる(同図中のA4)。そして、RBB1作動中にメダルの払出総数が200枚を超えると、遊技状態移行手段107は遊技状態を通常状態に移行させる(同図中のA5)。一方、遊技状態移行手段107は、RBB2作動のRBB2内部においてRBB2図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRBB2作動のRB非内部に移行させ(同図中のB3)、このRB内部中にRB図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態をRB作動に移行させ(同図中のB4)、RBB2作動中にメダルの払出総数が80枚を超えると、遊技状態を通常状態に移行させる(同図中のB5)。
図5に示すように、RB役には「花1図柄」−「黒BAR図柄」−「花2図柄」の図柄組合せ(以下、RB図柄組合せと言う。)が対応付けられている。RB役は、図7に示すように、当選エリア「RB」(29番)に単独で対応付けられており、RBB作動(RBB1作動,RBB2作動)のRB非内部で内部抽選の対象となっている。このRB図柄組合せを構成する各図柄は、図2に示すように、各図柄列34a〜36aの全てにおいて最大滑りコマ数の4コマの範囲を超えて配置されている不完全図柄である。このため、RB図柄組合せは、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止するよう制御されるRB内部において、各ストップボタン16〜18の操作態様に応じて有効ラインLに表示可能とされる不完全図柄組合せ(PB≠1)であるといえる。そして、図9に示すように、当選エリア「RB」に24110の乱数値数が対応付けられているため、当選エリア「RB」の当選確率は約1/2.718(24110/65536)となる。
このように、通常状態からRBB作動のRB作動への移行は、RBB役の当選かつRBB図柄組合せの表示により遊技状態がRBB作動のRB非内部へ移行した後に、このRB非内部においてRB役に当選し、さらにはRB図柄組合せが有効ラインLに表示されることによって実現する。そして、上述のように、RB役に対応付けられたRB図柄組合せはRBB作動のRB内部においてPB≠1(不完全図柄組合せ)であるため、ストップボタンの操作タイミングに応じて有効ラインLに表示されたり表示されなかったりすることになる。ここで、図2に示すように、RB図柄組合せを構成する各図柄(「花1図柄」、「黒BAR図柄」、「花2図柄」)は、各図柄列34a〜36aの全てに1つ配置されている特徴的で印象的な赤7図柄から最大滑りコマ数である4コマ以上離れた位置にそれぞれ配置されている。このため、RB非内部における内部抽選で当選エリア「RB」に当選したとき、各リール34〜36のうち何れか一のリールの図柄列に配置されている赤7図柄が表示窓50に表示されるタイミングを狙って対応するストップボタンを操作することにより、遊技者は、RB図柄組合せが有効ラインLに表示されることを意図的に回避することが可能になっている。この場合、遊技状態がRBB作動のRB内部からRBB作動のRB作動へ移行することなくRB内部に滞在することになるが、このRB内部では、通常状態やRBB作動のRB非内部と比較して、後述する11枚役(NML21〜35)に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて入賞となる確率(表示確率。以下、入賞確率と言う。)が高確率となる。以下に、入賞によりメダルを遊技者に払い出す小役(NML1〜NML35)について説明する。
図5,6に示すように、NML1〜NML18(第1小役。以下、1枚役と言う。)は、規定数が3枚に設定されているCBB作動以外の遊技状態および規定数が2枚に設定されているCBB作動において、入賞により1枚のメダルを遊技者に払い出す小役である。一方、NML21〜NML35(第2小役。以下、11枚役と言う。)は、規定数が3枚に設定されているCBB作動以外の遊技状態において、入賞により11枚のメダルを遊技者に払い出す小役であり、規定数が2枚に設定されているCBB作動において、入賞により2枚のメダルを遊技者に払い出す小役である。
図7に示すように、NML1〜NML35は当選エリア番号2番〜28番、31番および32番の各当選エリア(小役当選エリア)にそれぞれ対応付けられている。この小役当選エリアには、1枚役および11枚役の双方が対応付けられている当選エリア(当選エリア番号2番〜23番。以下、特殊当選エリアと言う。)と、1枚役のNML5〜8と6枚役のNML19が対応付けられている当選エリア「スイカ」(25番)と、1枚役のみが対応付けられている当選エリア「1枚ALL」(27番)と、NML1〜NML35の全ての小役が対応付けられている当選エリア「小役ALL」(28番)とが含まれている。
当選エリア「スイカ」(25番)は、図7に示すように、通常状態、RBB内部、CBB内部、RBB作動のRB非内部、RBB作動のRB内部でそれぞれ内部抽選の対象となっており、RBB作動のRB作動およびCBB作動で内部抽選の対象外となっている。本実施形態例では、CBB内部における内部抽選で当選エリア「スイカ」に当選した場合に、リール制御手段104は、当選エリア「スイカ」に対応付けられた小役のうち6枚役(NML19)よりも1枚役(NML5〜8)を優先させて1枚役を入賞させるようリールを制御する。一方、通常状態で当選エリア「スイカ」に当選した場合に、リール制御手段104は、1枚役よりも6枚役を優先させて6枚役を入賞させるようリールを制御する。このため、CBB内部ではNML19に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されることはないが、通常状態ではNML19に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されることがある。
1枚役および11枚役の双方が対応付けられている特殊当選エリア(2番〜23番)は、通常状態、RBB内部、CBB内部、RBB作動のRB非内部、RBB作動のRB内部で内部抽選の対象となっており、RBB作動のRB作動およびCBB作動で内部抽選の対象外となっている。なお、通常状態、RBB内部、CBB内部、RBB作動のRB非内部およびRBB作動のRB内部はボーナス状態の機能を有さない遊技状態であり、RBB作動のRB作動およびCBB作動はボーナス状態の機能を有する遊技状態であるが、ボーナス状態の機能については後述する。
本実施形態例では、リール制御手段104は、通常状態、RBB内部(ただし、一部の当選エリアを除く。)、CBB内部(ただし、一部の当選エリアを除く。)、RBB作動のRB非内部における内部抽選で特殊当選エリア(2番〜23番)に当選した場合に、この特殊当選エリアに対応付けられた小役のうち11枚役よりも1枚役を優先させて1枚役を入賞させるようにリールを制御する。一方、リール制御手段104は、RBB作動のRB内部で特殊当選エリアに当選した場合に、1枚役よりも11枚役を優先させて11枚役を入賞させるようにリールを制御する。なお、図7に示すように、RBB内部において、当選エリア番号8番〜11番の「択11枚A3その1」〜「択11枚A4その2」の何れかに当選した場合には、リール制御手段104は1枚役よりも11枚役の入賞を優先させるようにリールを制御する。
例えば、通常状態やRB非内部で特殊当選エリアである「択11枚Bその1」(2番)に当選したとする。このとき、NML1,2,21の当選フラグが重複して成立することになるが、上述のように、通常状態やRB非内部では1枚役を優先させるリール制御が行われるため、11枚役のNML21が入賞の候補から除かれて1枚役のNML1,2が入賞の候補となる。ここで、図2,5に示すように、NML1に対応する図柄柄組合せ(以下、NML1図柄組合せと言う。)を構成する図柄のうち「左図柄(リプレイ図柄)」および「右図柄(スイカ図柄)」は完全図柄であるが、「中図柄」の「黒BAR図柄および花3図柄」は不完全図柄である。つまり、NML1図柄組合せは、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止するよう制御されるCBB作動以外の遊技状態(通常状態やRB非内部)において、中ストップボタン17の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示され得る小役である。一方、NML2に対応する図柄柄組合せ(以下、NML2図柄組合せと言う。)を構成する図柄のうち「左図柄(リプレイ図柄)」および「中図柄(ベル1図柄)」は完全図柄であるが、「右図柄」の「赤7図柄および花3図柄」は不完全図柄である。このため、NML2図柄組合せは、CBB作動以外の遊技状態において、右ストップボタン18の操作タイミングに応じて有効ラインLに表示され得る小役である。そして、当選エリア「択11枚Bその1」(2番)に当選したとき、中ストップボタン17よりも右ストップボタン18が先に操作された場合には、リール制御手段104は、NML2図柄柄組合せの「右図柄(不完全図柄)」よりもNML1図柄柄組合せの「右図柄(完全図柄)」を優先してNML1図柄柄組合せの「右図柄」を有効ラインLに停止させ、その後、中図柄列35aの図柄番号3番〜0番,19番,13番〜9番が表示窓50に表示されているタイミングで中ストップボタン17が操作されるとNML1図柄柄組合せの「中図柄」を有効ラインLに表示させてNML1が入賞となる。これに対し、当選エリア「択11枚Bその1」(2番)に当選したとき、右ストップボタン18よりも中ストップボタン17が先に操作された場合には、リール制御手段104は、NML1図柄柄組合せの「中図柄(不完全図柄)」よりもNML2図柄柄組合せの「中図柄(完全図柄)」を優先してNML2図柄柄組合せの「中図柄」を有効ラインLに停止させ、その後、右図柄列36aの図柄番号15番〜6番が表示窓50に表示されているタイミングで右ストップボタン18が操作されるとNML2図柄柄組合せの「右図柄」を有効ラインLに表示させてNML2が入賞となる。即ち、通常状態やRBB作動のRB非内部等において、当選エリア「択11枚Bその1」(2番)に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に応じて1/2の確率で1枚役(NML1,2)が入賞となり、1/2の確率で1枚役が非入賞となる。なお、当選エリア「択11枚Bその1」以外の特殊当選エリアについても「択11枚Bその1」と同様に、通常状態、RBB1内部、RBB2内部、RB非内部における内部抽選で当選となった場合に、ストップボタンの操作態様に応じて1/2の確率で1枚役が入賞となり、残り1/2の確率で1枚役が非入賞となる。
また、例えば、RBB作動のRB内部において特殊当選エリアである「択11枚Bその1」(2番)に当選したとする。このとき、NML1,2,21の当選フラグが重複して成立することになるが、上述のように、RBB作動のRB内部ではリール制御手段104が11枚役を優先させるリール制御を行うため、11枚役のNML21のみが入賞の候補となる。ここで、図2,5に示すように、NML21に対応する図柄柄組合せは、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止するよう制御されるRB非内部において完全図柄組合せ(PB=1)であるため、「択11枚Bその1」に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に拘わらずNML21が入賞となり11枚のメダルが遊技者に払い出されることになる。なお、「択11枚Bその1」以外の特殊当選エリア(ただし、当選エリア「択11枚A5その1」,「択11枚A5その2」(12番,13番)を除く)についても当選エリア「択11枚Bその1」と同様に、RB内部における内部抽選で当選となった場合にストップボタンの操作態様に拘わらず11枚役が入賞となる。
なお、詳細な説明を省略するが、本実施形態例では、RBB作動のRB内部で当選エリア「択11枚A5その1」(12番)または「択11枚A5その2」(13番)に当選したとき、各ストップボタン16〜18のうち左ストップボタン16が最初に操作された場合には、他の特殊当選エリアと同様に、ストップボタンの操作タイミングに拘わらず、11枚役が必ず入賞する構成になっているが、中ストップボタン17または右ストップボタン18が最初に操作された場合には、ストップボタンの操作タイミングに応じて11枚役が非入賞となる場合がある。そして、中ストップボタン17または右ストップボタン18が最初に操作されて11枚役が非入賞となったとき、ストップボタンの操作タイミングに応じて、RB役に対応付けられたRB図柄組合せが有効ラインLに表示される場合がある。この場合には、遊技状態がRB内部からRB作動へ移行することになる。
このように、RBB作動のRB内部で一部の特殊当選エリア(当選エリア「択11枚A5その1」,「択11枚A5その2」)に当選したときに中,右ストップボタン17,18が最初に操作されると11枚役が非入賞となることもあるが、RB内部で左ストップボタン16が最初に操作される場合には、特殊当選エリア当選時における11枚役の入賞確率は100%となる。先述のように、通常状態、CBB内部およびRBB作動のRB非内部における11枚役の入賞確率は0%であるため、11枚役(NML21〜35)の入賞確率は、通常状態、RBB内部、CBB内部およびRBB作動のRB非内部よりもRBB作動のRB内部の方が高確率となる。そして、本実施形態例では、RBB作動のRB非内部における当選エリア「RB」の当選時に赤7図柄を狙うストップボタンの操作態様により、ボーナス状態の機能を有するRB作動に遊技状態が移行することを回避して、11枚役の入賞確率が高確率のRB内部に遊技状態を滞在させることが可能となっている。
ここで、RBB作動のRB作動がボーナス状態の機能を備えていることについて説明する。ボーナス状態の機能を備える要件として以下の第1〜第3の要件を満たす必要がある。第1の要件は、NML1〜35の各当選確率が通常状態やRBB作動のRB非内部よりも高確率であること、即ち、RBB作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率が、RBB作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率である必要がある。第2の要件は、小役当選エリアの当選確率が通常状態やRBB作動のRB非内部よりもRBB作動のRB作動の方が高確率であることであり、第3の要件は、各ストップボタンの操作順序および操作タイミングをランダムとした場合における出玉率が通常状態よりもRBB作動のRB作動の方が高いこと、即ち、RBB作動のRB作動における出玉獲得性能を通常状態よりも落としてはならないことである。
以下に、RBB作動のRB作動が第1〜第3の要件を満たしていることについて、図7、図9〜12等を用いて説明する。なお、図7から明らかなように、全ての遊技状態でNML1〜35の小役が内部抽選の対象となっているため、遊技状態の移行に応じて内部抽選の対象となる小役の数に増減はない。また、図12中の「市場の出玉率」とは、本実施形態例のスロットマシンSが遊技場に設置された場合における出玉率のことであり、「最大枚数制御による出玉率」とは、内部抽選で小役に当選したときに払出メダル枚数の最も多い小役を入賞させるようにリール制御を行うと仮定した場合における出玉率のことである。また、図12中の「ランダム(リプレイ抜き)出玉率」とは、各ストップボタンの操作順序および操作タイミングをランダムとした場合の出玉率であって、再遊技役の当選結果を除外して算出される出玉率のことであり、「ランダム(リプレイ込み)出玉率」とは、各ストップボタンの操作順序および操作タイミングをランダムとした場合の出玉率であって、再遊技役の当選結果を含めて算出される出玉率のことである。「再遊技役の当選結果を除外して算出される出玉率」とは、再遊技役に当選した遊技における規定数のメダルの投入とメダルの払い出しの双方がなかったものとして算出される出玉率のことであり、「再遊技役の当選結果を含めて算出される出玉率」とは、再遊技役に当選した遊技における規定数のメダルの投入と規定数のメダルの払い出しの双方があったものとして算出される出玉率のことである。
まず、RBB作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率が、RBB作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率であるという第1の要件を満たすことについて説明する。
図7,9に示すように、RBB作動のRB非内部において、NML1が対応付けられている当選エリアは、乱数値数200の対応付けられた「択11枚Bその1」(2番)と、乱数値数1の対応付けられた「1枚ALL」(27番)である。このため、図10に示すように、RBB作動のRB非内部において、NML1に係る条件装置の作動確率は201/65536となる。一方、RBB作動のRB作動において、NML1が対応付けられている当選エリアは、乱数値数40706の対応付けられた「1枚ALL」(27番)と、乱数値数4353の対応付けられた「小役ALL」(28番)である。このため、RBB作動のRB作動におけるNML1に係る条件装置の作動確率は45059/65536となり、NML1に係る条件装置の作動確率はRBB作動のRB非内部よりもRBB作動のRB作動の方が高くなり第1の要件を満たす。同様に、図7,9に示すように、RBB作動のRB非内部において、NML19の対応付けられている当選エリアは、乱数値数512の対応付けられた当選エリア番号25番の「スイカ」のみであるため、RBB作動のRB非内部におけるNML19に係る条件装置の作動確率は512/65536となる。一方、RBB作動のRB作動において、NML19が対応付けられている当選エリアは、乱数値数4353の対応付けられた当選エリア番号28番の「小役ALL」のみであるため、RBB作動のRB作動におけるNML19に係る条件装置の作動率は4353/65536となる。このため、図10に示すように、NML19に係る条件装置の作動確率はRBB作動のRB非内部よりもRBB作動のRB作動の方が高くなり第1の要件を満たす。そして、NML1およびNML19以外の小役についても、NML1およびNML19と同様に、RBB作動のRB非内部よりもRBB作動のRB作動の方が入賞に係る条件装置の作動確率が高確率となる。よって、RBB作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率が、RBB作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率であるという第1の要件を満たす。
なお、詳細な説明は省略するが、図9から明らかなように、RBB作動のRB非内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率は、通常状態およびRBB内部における入賞に係る一の条件装置の作動確率と同じ確率となるため、当然に、RBB作動のRB作動における入賞に係る一の条件装置の作動確率は、通常状態およびRBB内部のそれぞれにおける入賞に係る一の条件装置の作動確率よりも高確率となり、この場合も第1の要件を満たす。
次に、小役当選エリアの当選確率が通常状態やRBB作動のRB非内部よりもRBB作動のRB作動の方が高確率であるという第2の要件について説明する。図7に示すように、RBB作動のRB非内部において、小役の対応付けられている小役当選エリアは当選エリア番号2番〜27番であり、これら当選エリアに対応付けられた乱数値の総数は41426(65536−24110)となる。一方、RBB作動のRB作動において、小役当選エリアは当選エリア番号27番と28番であり、これら当選エリアに対応付けられた乱数値の総数は45059(40706+4353)となる。このため、図11に示すように、RBB作動のRB非内部における小役当選エリアの当選確率よりもRBB作動のRB作動における小役当選エリアの当選確率の方が高確率となり第2の要件を満たす。なお、詳細な説明は省略するが、RBB作動のRB作動における小役当選エリアの当選確率は、通常状態およびRBB内部のそれぞれにおける小役当選エリアの当選確率よりも高確率となり、この場合も第2の要件を満たす。
最後に、RBB作動のRB作動における出玉獲得性能を通常状態よりも落としてはならないという第3の要件について説明する。図7に示すように、通常状態において、内部抽選の対象となっている小役当選エリアは当選エリア番号2番〜25番、31番および32番であり、再遊技役の対応付けられた当選エリア1番が内部抽選の対象となっている。このため、通常状態のランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア番号1番〜25番、31番および32番のそれぞれのランダム(リプレイ込み)出玉率の和で求められる。
まず、当選エリア番号1番のランダム(リプレイ込み)出玉率について説明すると、通常状態における規定数は3枚に設定され、通常状態で当選エリア1番の当選確率は8978/65536に設定されている。このため、通常状態で当選エリア1番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア1番の当選確率(8978/65536)×メダル払出枚数(3枚)×入賞確率(1/1)/規定数(3枚)で求められ、約0.137となる。
次に、当選エリア番号5番のランダム(リプレイ込み)出玉率について説明すると、先述のように、通常状態における内部抽選で当選エリア5番に当選した場合における1枚役の入賞確率は1/2であり、通常状態における規定数は3枚に設定され、通常状態で当選エリア5番の当選確率は2000/65536に設定されている。このため、通常状態で当選エリア5番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア5番の当選確率(2000/65536)×メダル払出枚数(1枚)×入賞確率(1/2)/規定数(3枚)で求められ、約0.0051となる。
同様に、当選エリア番号1番と5番以外の当選エリアについてもそれぞれランダム(リプレイ込み)出玉率が求められ、これらすべての出玉率を合計すると図12に示すように、通常状態のランダム(リプレイ込み)出玉率は約25%となる。
一方、RBB作動のRB作動において、内部抽選の対象となっている小役当選エリアは当選エリア番号27番,28番であり、再遊技役の対応付けられた当選エリア1番が内部抽選の対象となっていない。そして、RB作動における規定数は3枚、当選エリア27番の当選確率は40706/65536、当選エリア28番の当選確率は4353/65536、当選エリア27番に内部抽選で当選した場合における1枚役の入賞確率は1/1、当選エリア28番に内部抽選で当選した場合における11枚役の入賞確率は1/1である。このため、RBB作動のRB作動で当選エリア27番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア27番の当選確率(40706/65536)×メダル払出枚数(1枚)×入賞確率(1/1)/規定数(3枚)で求められ、約0.207となり、RBB作動のRB作動で当選エリア28番に当選したときのランダム(リプレイ込み)出玉率は、当選エリア28番の当選確率(4353/65536)×メダル払出枚数(11枚)×入賞確率(1/1)/規定数(3枚)で求められ、約0.243となる。このため、図12に示すように、RBB作動のRB状態におけるランダム(リプレイ込み)出玉率は約0.207に約0.243を加えて得られた約0.45に100を乗じて得られた約45%となる。
よって、通常状態におけるランダム(リプレイ込み)出玉率(約25%)よりもRBB作動のRB作動におけるランダム(リプレイ込み)出玉率(約45%)の方が高いため、第3の要件を満たす。
このように、RBB作動のRB作動は上記第1〜第3の要件を全て満たすため、ボーナス状態の機能を備えているといえる。なお、CBB作動について詳細な説明は省略するが、RBB作動のRB作動と同様に、CBB作動は上記第1〜第3の要件を全て満たしてボーナス状態の機能を備えている。
次に、図13,14を用いて、通常状態でCBB役の対応付けられたCBB当選エリア(当選エリア「CBB1」,「CBB2」)に当選した場合のリールの停止態様を説明する。なお、図13(1),図14(1a)〜(1d)は当選エリア「CBB1」に当選した場合の例であり、図13(2),図14(2a)〜(2d)は当選エリア「CBB2」に当選した場合の例である。
図13(1):当選エリア「CBB1」に当選した場合
内部抽選で当選エリア「CBB1」に当選するとCBB1役の当選フラグが成立するため、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補は図13(1)に示すとおりとなる。なお、当選エリア「CBB1」の当選により遊技状態がCBB1内部に移行する。
図14(1a):
CBB1役に対応する図柄組合せ(CBB1図柄組合せA〜D、図13(1)中のA〜D)の「左図柄」は全てリプレイ図柄であり、このリプレイ図柄は、ストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止制御されるCBB1内部において、最大滑りコマ数(4コマ)の範囲内(以下、単に「引き込み範囲内」と言う。)にある完全図柄である。このため、図14(1a)に示すように、左ストップボタン16が操作されるとリプレイ図柄が有効ラインLに表示される。
図14(1b):
最初に左ストップボタン16が操作されたとしても、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補は変化することなくCBB1図柄組合せA〜Dである。ここで、CBB1図柄組合せAの「中図柄」である黒BAR図柄と花1図柄は、中図柄列35aの図柄番号19番と4番に配置されている。このため、黒BAR図柄および花1図柄の何れか一方が有効ラインLに表示されるためには、中図柄列35aの図柄番号8番〜0番までの領域と19番(以下、第1領域と言う。)が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作される必要があり、第1領域以外の領域、即ち、中図柄列35aの図柄番号18番〜9番(以下、第2領域と言う。)が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作された場合には、CBB1図柄組合せAが有効ラインLに表示されることはない。そして、第1領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されたとすると、引き込み範囲内には、CBB1図柄組合せAの中図柄のみならず、CBB1図柄組合せCの「中図柄」(ベル1図柄)とCBB1図柄組合せDの「中図柄」(リプレイ図柄)とが含まれている。このとき、本実施形態例では、CBB1図柄組合せC,DよりもCBB1図柄組合せAを優先してCBB1図柄組合せAの「中図柄」を有効ラインLに表示するようリールが制御される。このため、図14(1b)に示すように、CBB1図柄組合せAの「中図柄」である黒BAR図柄または花1図柄が有効ラインLに表示される。
なお、図示は省略するが、第2領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されたとすると、引き込み範囲内にはCBB1図柄組合せB〜Dの「中図柄」がそれぞれ含まれていることになる。この場合、本実施形態例では、内部抽選で当選エリア「CBB1」と当選エリア「CBB2」の何れに当選したかの判別を不可能とするために、CBB1図柄組合せC,DよりもCBB1図柄組合せBを優先してCBB1図柄組合せBの「中図柄」を有効ラインLに表示するようリールが制御される。
図14(1c),(1d):
左、中の順番でストップボタンが操作されると、図示は省略するが、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補はCBB1図柄組合せAのみとなる。ここで、CBB1図柄組合せAの「右図柄」である赤7図柄と花1図柄は、右図柄列36aの図柄番号11番と16番に配置されている。このため、赤7図柄および花1図柄の何れか一方が有効ラインLに表示されるためには、右図柄列36aの図柄番号0番,19番〜11番までの領域(以下、第3領域と言う。)が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作される必要があり、第3領域以外の領域、即ち、右図柄列36aの図柄番号10番〜1番(以下、第4領域と言う。)が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作された場合には、CBB1図柄組合せAが有効ラインLに表示されることはない。このため、有効ラインLに第3領域が表示されているときに右ストップボタン18が操作されると、図14(1c)に示すように、有効ラインLにCBB1図柄組合せAが表示され、遊技状態がCBB1作動に移行する。一方、有効ラインLに第4領域が表示されているときに右ストップボタン18が操作されると、図14(1d)に示すように、有効ラインLにCBB1図柄組合せAが表示されずに取りこぼしとなり遊技状態がCBB1内部で維持される。
図13(2):当選エリア「CBB2」に当選した場合
内部抽選で当選エリア「CBB2」に当選するとCBB2役に係る当選フラグが成立し、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補は図13(2)に示すとおりとなる。なお、当選エリア「CBB2」の当選により遊技状態がCBB2内部に移行する。
図14(2a):
CBB2役に対応する図柄組合せ(CBB2図柄組合せE〜G、図13(2)中のE〜G)の「左図柄」は全てリプレイ図柄であり、このリプレイ図柄はストップボタンの押下時から4コマの範囲内でリールが停止制御されるCBB2内部において完全図柄である。このため、図14(2a)に示すように、左ストップボタン16の操作によりリプレイ図柄が有効ラインLに表示される。
図14(2b):
最初に左ストップボタン16が操作されたとしても、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補は変わらずCBB2図柄組合せE〜Gである。ここで、先述のように、CBB2図柄組合せEの「中図柄」である黒BAR図柄と花1図柄は、第1領域が有効ラインLに表示されているときの中ストップボタン17の操作により有効ラインLに表示される図柄であり、第2領域が有効ラインLに表示されているときの中ストップボタン17の操作により有効ラインLに表示されない図柄である。そして、第1領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されたとすると、引き込み範囲内には、CBB2図柄組合せEの「中図柄」のみならず、CBB2図柄組合せGの「中図柄」(ベル1図柄)も含まれている。このとき、本実施形態例では、CBB2図柄組合せGよりもCBB2図柄組合せEを優先してCBB2図柄組合せEの「中図柄」を有効ラインLに表示するようリールが制御される。このため、図14(2b)に示すように、CBB2図柄組合せEの「中図柄」である黒BAR図柄または花1図柄が有効ラインLに表示される。
なお、図示は省略するが、第2領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されたとすると、引き込み範囲内にはCBB2図柄組合せEの「中図柄」以外のCBB2図柄組合せF〜Gの「中図柄」がそれぞれ含まれていることになる。この場合、内部抽選で当選エリア「CBB1」と「CBB2」の何れに当選したかの判別を不可能とするために、CBB2図柄組合せGよりもCBB2図柄組合せFを優先してCBB2図柄組合せFの「中図柄」を有効ラインLに表示するようリールが制御される。
図14(2c),(2d):
左、中の順番(所謂順押し)でストップボタンが操作されると、図示は省略するが、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補はCBB2図柄組合せEのみとなる。ここで、CBB2図柄組合せEの「右図柄」である花2図柄と花3図柄は、右図柄列36aの図柄番号1番と6番に配置されている。このため、花2図柄および花3図柄の何れか一方が有効ラインLに表示されるためには、右図柄列36aの図柄番号10番〜1番までの領域である先述の「第4領域」が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作される必要があり、先述の「第3領域」が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作された場合には、CBB2図柄組合せEが有効ラインLに表示されることはない。このため、第3領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されると、図14(2c)に示すように、有効ラインLにCBB2図柄組合せEが表示されずに遊技状態がCBB2内部で維持される一方、第4領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されると、図14(2d)に示すように、有効ラインLにCBB2図柄組合せEが表示されて遊技状態がCBB2作動に移行する。
このように、右図柄列36aの第3領域(図柄番号0番,19番〜11番までの領域)は、CBB1図柄組合せAを有効ラインLに表示可能な領域であると同時にCBB2図柄組合せEを有効ラインに表示不可能な領域であり、右図柄列36aの第4領域(図柄番号10番〜1番までの領域)は、CBB1図柄組合せAを有効ラインに表示不可能な領域であると同時にCBB2図柄組合せEを有効ラインLに表示可能な領域である。つまり、右図柄列36aの第3領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されると、CBB1図柄組合せAを有効ラインLに表示させることはできるがCBB2図柄組合せEを有効ラインに表示させることができず、右図柄列36aの第4領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されると、CBB2図柄組合せEを有効ラインLに表示させることはできるがCBB1図柄組合せAを有効ラインLに表示させることができないことになる。なお、詳細な説明は省略するが、CBB1図柄組合せAとCBB2図柄組合せEとの関係性と同様に、中図柄列35aの第2領域が有効ラインLに表示された場合におけるCBB1図柄組合せBとCBB2図柄組合せFとの関係性も同じである。
さらに、本実施形態例では、当選エリア「CBB1」および「CBB2」の何れに当選した場合であっても、左ストップボタン16の操作により有効ラインLの左リール34(左図柄列34a)に対応する位置に表示される図柄は「リプレイ図柄」となる。このため、左リール34の停止態様のみでは、内部抽選で当選エリア「CBB1」と「CBB2」の何れに当選したかの判別は不可能である。そして、中ストップボタン17の操作タイミングに応じて有効ラインLの中リール35(中図柄列35a)に対応する位置に表示される図柄は、CBB1図柄組合せAとCBB2図柄組合せEの中図柄である「黒BAR図柄または花1図柄」またはCBB1図柄組合せBとCBB2図柄組合せFの中図柄である「花2図柄または花3図柄」となる。このため、左、中の順番でストップボタンが操作されて左,中リール34,35が停止した状態であっても、この停止状態から内部抽選で当選エリア「CBB1」と「CBB2」の何れに当選したかの判別が不可能である。つまり、遊技者はCBB当選エリアに当選した場合に全てのストップボタンを操作するまで何れのCBB当選エリアに当選したかを判別することができないことになる。なお、説明は省略するが、左、右の順番でストップボタンが操作されて左,右リール34,36が停止した状態であっても、内部抽選で当選エリア「CBB1」と「CBB2」の何れに当選したかの判別が不可能となっている。以上のことから、内部抽選でCBB当選エリアに当選した場合にCBB図柄組合せが有効ラインLに表示される確率は1/2となる。
次に、図15を用いて、CBB1内部で当選エリア「択11枚Bその1」に当選した場合のリールの停止態様を説明する。なお、図15(1)〜(3),(4a)〜(7a)は、左、中、右の順番(順押し)で各ストップボタンが操作された場合の例であり、図15(1)〜(3),(4b)〜(7b)は、左、右、中の順番(所謂挟み押し)で各ストップボタンが操作された場合の例である。
図15(1):
CBB1内部における内部抽選で「択11枚Bその1」に当選するとCBB1役、NML1,2,21の当選フラグが重複して成立するため、有効ラインLに表示される図柄の候補は図15(1)に示すとおりとなる。
図15(2),(3):
図15(1)に示すように、有効ラインLの左図柄列34aに対応する位置に表示される図柄の候補は「リプレイ図柄」と「スイカ図柄」であるが、図柄組合せの個数が最も多くなるリプレイ図柄が有効ラインLに表示される(個数優先制御)。そして、左図柄列34aのリプレイ図柄は上述のように完全図柄であるため、図15(2)に示すように、左ストップボタン16の操作によりリプレイ図柄が有効ラインLに表示される。これにより、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補は図15(3)に示すとおりとなる。
図15(4a),(5a):
次に、中ストップボタン17が操作されると、CBB内部における役付け優先制御により、CBB1役よりも小役に対応する図柄組合せが優先的に有効ラインLに表示される。このとき、有効ラインLの中図柄列35aに対応する位置に表示される図柄の候補はNML1およびNML2に対応する図柄組合せの「中図柄」(「黒BAR図柄または花1図柄」および「ベル1図柄」)となる。本実施形態例では、NML1よりもNML2に対応する図柄組合せの「中図柄」が優先的に有効ラインLに表示される。そして、中図柄列35aにおけるベル1図柄は取りこぼしの無い完全図柄であるため、図15(4a)に示すように、中ストップボタン17の操作タイミングに拘わらず、ベル1図柄が有効ラインLに表示される。これにより、有効ラインLに表示される役の候補は図15(5a)に示すとおりとなる。
図15(6a),(7a):
左、中の順番でストップボタンが操作されると、図15(5a)に示すように、有効ラインLの右図柄列36aに対応する位置に表示される図柄組合せの候補はCBB1図柄組合せCおよびNML2に対応する図柄組合せの「中図柄」(「黒BAR図柄またはチェリー図柄」および「赤7図柄または花1図柄」)となる。そして、右ストップボタン18が操作された場合にも、CBB内部における役付け優先制御により、CBB1役よりも小役に対応する図柄組合せが優先的に有効ラインLに表示されることになる。ここで、先述のように、右図柄列36aの第3領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されると赤7図柄および花1図柄の何れか一方が有効ラインLに表示されてNML2が入賞となり、第4領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されると、赤7図柄および花1図柄の何れも有効ラインLに表示されないようになっている。このため、図15(6a)に示すように、右図柄列36aの第4領域で右ストップボタン18が操作されるとNML2を取りこぼし、CBB1図柄組合せCの「右図柄」である「黒BAR図柄またはチェリー図柄」が有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行することになる。一方、右図柄列36aの第3領域で右ストップボタン18が操作されるとNML2が入賞し、遊技状態がCBB1内部で維持される。
図15(4b),(5b):
一方、最初に左ストップボタン16が操作され、その次に右ストップボタン18が操作された場合、役付け優先制御により、CBB1役よりも小役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するよう制御する。このため、有効ラインLの右図柄列36aに対応する位置に表示される図柄組合せの候補は、NML1図柄組合せおよびNML2図柄組合せの各右図柄(「スイカ図柄」,「赤7図柄または花1図柄」)となる(図15(3)参照)。本実施形態例では、NML2よりもNML1を優先してNML1図柄組合せの「右図柄」を有効ラインLに表示するようリールが制御されるため、図15(4b)に示すように、右図柄列36aにおける完全図柄であるスイカ図柄が有効ラインLに表示される。これにより、有効ラインLに表示される図柄の候補は図15(5b)に示すとおりとなる。
図15(6b),(7b):
左、右の順番でストップボタンが操作されると、図15(5b)に示すように、有効ラインLの右図柄に表示される図柄組合せの候補はCBB1図柄組合せDおよびNML1に対応する図柄組合せの中図柄(「リプレイ図柄」および「黒BAR図柄または花1図柄」)となる。そして、中ストップボタン17が操作された場合にも、CBB内部における役付け優先制御により、CBB1役よりも小役に対応する図柄組合せが優先的に有効ラインLに表示されることになる。ここで、先述のように、中図柄列35aの第1領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されると黒BAR図柄および花1図柄の何れか一方が有効ラインLに表示されてNML1が入賞となり、中図柄列35aの第2領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されると、黒BAR図柄および花1図柄の何れも有効ラインLに表示されないようになっている。このため、図15(6b)に示すように、中図柄列35aの第2領域で中ストップボタン17が操作されるとNML1を取りこぼして、CBB1図柄組合せDの「中図柄」である「リプレイ図柄」が有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行することになる。一方、中図柄列35aの第1領域で中ストップボタン17が操作されると、図15(7b)に示すように、NML1が入賞となりCBB1内部に滞在することになる。
このように、CBB1内部における内部抽選で当選エリア「択11枚Bその1」(2番)に当選したとき(図15)、順押しで各ストップボタンが操作された場合(図15(4a)〜(7a))、右図柄列36aの第4領域が有効ラインLに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML2が非入賞となって、CBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行し(図15(6a))、右図柄列36aの第3領域が有効ラインに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML2が入賞となって遊技状態がCBB1内部で維持される(図15(7a))。
一方、挟み押しで各ストップボタンが操作された場合(図15(4b)〜(7b))、中図柄列35aの第2領域が有効ラインLに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML1が非入賞となって、CBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行し(図15(6b))、中図柄列35aの第1領域が有効ラインLに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML1が入賞となって遊技状態がCBB1内部で維持される(図15(7b))。
次に、図16を用いて、CBB1内部で当選エリア「択11枚Bその2」(3番)に当選した場合のリールの停止態様を説明する。なお、図16(1)〜(3),(4a)〜(7a)は、左、中、右の順番(順押し)で各ストップボタンが操作された場合の例であり、図16(1)〜(3),(4b)〜(7b)は、左、右、中の順番(挟み押し)で各ストップボタンが操作された場合の例である。
図16(1)〜(3),(4a)〜(7a):
まず、順押しで各ストップボタンが操作された場合の例について説明する。図16(1)に示すように、CBB1内部における内部抽選で「択11枚Bその2」に当選すると有効ラインLに表示される図柄組合せの候補はCBB1役に対応する図柄組合せ(同図中のA〜D)、NML3,4,21のそれぞれに対応する図柄組合せとなる。最初に左ストップボタン16が操作されるとき個数優先制御によりリールが制御され、有効ラインLの左図柄列34aに対応する位置に完全図柄であるリプレイ図柄が表示される。これにより、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補は図16(3)に示すとおりとなる。次に、中ストップボタン17が操作されるとき、CBB内部における役付け優先制御とNML3よりもNML4に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するリール制御が行われ、有効ラインLの中図柄列35aに対応する位置にNML4に対応する図柄組合せの「中図柄」であるベル1図柄が表示される。そうすると、図16(5a)に示すように、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補はCBB1図柄組合せCおよびNML4に対応する図柄組合せとなる。最後に右ストップボタン18が操作されるとき、CBB内部における役付け優先制御によりCBB1役よりも小役に対応する図柄組合せが優先的に有効ラインLに表示されるリール制御が行われる。ここで、先述のように、右図柄列36aの第4領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されるとNML4が入賞となり、右図柄列36aの第3領域が有効ラインLに表示されているときに右ストップボタン18が操作されるとNML4が非入賞となる。このため、図16(6a)に示すように、右図柄列36aの第3領域で右ストップボタン18が操作されるとNML4が非入賞となってNML4を取りこぼし、CBB1図柄組合せCが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行することになる。一方、右図柄列36aの第4領域で右ストップボタン18が操作されるとNML4が入賞となり遊技状態がCBB1内部で維持されることになる。
図16(1)〜(3),(4b)〜(7b):挟み押しの場合
続いて、挟み押しで各ストップボタンが操作された場合の例について説明する。最初に左ストップボタン16が操作され、その次に右ストップボタン18が操作されたとき、役付け優先制御とNML4よりもNML3を優先する制御によりリールが制御される。これにより、図16(4b)に示すように、有効ラインLの右図柄列36aに対応する位置にNML3図柄組合せとCBB1図柄組合せDの「右図柄」であって右図柄列36aにおいて完全図柄であるスイカ図柄が表示される。そうすると、図16(5b)に示すように、有効ラインLに表示される図柄組合せの候補はCBB1図柄組合せDおよびNML3図柄組合せとなる。そして、最後に中ストップボタン17が操作されたとき、CBB内部における役付け優先制御によりリールが制御される。ここで、先述のように、中図柄列35aの第2領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されるとNML3が入賞となり、中図柄列35aの第1領域が有効ラインLに表示されているときに中ストップボタン17が操作されるとNML3が非入賞となる。このため、図16(6b)に示すように、中図柄列35aの第1領域で中ストップボタン17が操作されるとNML3が非入賞となってNML3を取りこぼし、CBB1図柄組合せDが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行する。一方、中図柄列35aの第2領域で中ストップボタン17が操作されるとNML3が入賞となり遊技状態がCBB1内部で維持される。
このように、CBB1内部における内部抽選で当選エリア「択11枚Bその2」(3番)に当選したとき(図16)、順押しで各ストップボタンが操作された場合(図16(4a)〜(7a))、右図柄列36aの第3領域が有効ラインLに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML3が非入賞となって、CBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行し(図16(6a))、右図柄列36aの第4領域が有効ラインに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML3が入賞となって遊技状態がCBB1内部で維持される(図16(7a))。
一方、挟み押しで各ストップボタンが操作された場合(図16(4b)〜(7b))、中図柄列35aの第1領域が有効ラインに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML3が非入賞となって、CBB1役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB1作動へ移行し(図16(6b))、中図柄列35aの第2領域が有効ラインに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML3が入賞となって遊技状態がCBB1内部で維持される(図16(7b))。
したがって、図19(a)に示すように、CBB1内部における内部抽選で当選エリア「択B」(当選エリア「択11枚Bその1」,「択11枚Bその2」)に当選した場合には、1/2の確率で小役が入賞となって遊技状態がCBB1内部で維持され、1/2の確率で小役が非入賞となって遊技状態がCBB1作動へ移行することになる。
なお、CBB2内部における内部抽選で当選エリア「択11枚Bその1」(2番)に当選した場合のリールの停止態様(図17に図示)と、CBB2内部における内部抽選で当選エリア「択11枚Bその2」(3番)に当選した場合のリールの停止態様(図18に図示)は、CBB1内部における内部抽選で当選エリア「択B」(2番,3番)に当選した場合のリールの停止態様と同様であるため、概略だけを以下に説明し詳細な説明は省略する。
図17に示すように、CBB2内部における内部抽選で当選エリア「択11枚Bその1」(2番)に当選したとき、順押しで各ストップボタンが操作された場合(図17(4a)〜(7a))、右図柄列36aの第4領域が有効ラインLに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML2が非入賞となって、CBB2役に対応する図柄組合せ(CBB2図柄組合せG)が有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB2作動へ移行し(図17(6a))、右図柄列36aの第3領域が有効ラインに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML2が入賞となって遊技状態がCBB2内部で維持される(図17(7a))。
一方、挟み押しで各ストップボタンが操作された場合、中図柄列35aの第2領域が有効ラインに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML1が非入賞となって、CBB2役に対応する図柄組合せ(CBB2図柄組合せG)が有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB2作動へ移行し(図17(6b))、中図柄列35aの第1領域が有効ラインに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML1が入賞となって遊技状態がCBB2内部で維持される(図17(7b))。
図18に示すように、CBB2内部における内部抽選で当選エリア「択11枚Bその2」(3番)に当選したとき、順押しで各ストップボタンが操作された場合(図18(4a)〜(7a))、右図柄列36aの第3領域が有効ラインLに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML4が非入賞となって、CBB2役に対応する図柄組合せ(CBB2図柄組合せG)が有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB2作動へ移行し(図18(6a))、右図柄列36aの第4領域が有効ラインに表示されているときの右ストップボタン18の操作によりNML4が入賞となって遊技状態がCBB2内部で維持される(図18(7a))。
一方、挟み押しで各ストップボタンが操作された場合、中図柄列35aの第1領域が有効ラインに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML3が非入賞となってCBB2役に対応する図柄組合せ(CBB2図柄組合せG)が有効ラインLに表示されて(図18(6b))遊技状態がCBB2作動へ移行し、中図柄列35aの第2領域が有効ラインに表示されているときの中ストップボタン17の操作によりNML3が入賞となって(図18(7b))遊技状態がCBB2内部で維持される。
したがって、図19(b)に示すように、CBB2内部における内部抽選で当選エリア「択B」(当選エリア「択11枚Bその1」,「択11枚Bその2」)に当選した場合にも、1/2の確率で小役が入賞となって遊技状態がCBB2内部で維持され、1/2の確率で小役が非入賞となって遊技状態がCBB2作動へ移行することになる。
このように、本実施形態例に係るスロットマシンSによると、CBB作動への移行契機となるCBB1役とCBB2役が設けられ、当選エリア「CBB1」にCBB1役が対応付けられ、当選エリア「CBB2」にCBB2役が対応付けられている。そして、通常状態における内部抽選で当選エリア「CBB1」および「CBB2」の何れに当選した場合であっても、全てのストップボタンを操作するまで、当選エリア「CBB1」および「CBB2」の何れに当選したかを判別することができない構成になっている。このため、通常状態における内部抽選で当選エリア「CBB1」または「CBB2」に当選したとき、遊技者の意図的なストップボタンの操作により遊技状態が通常状態からCBB内部を経由してCBB作動に移行することを封じることができる。
そして、本実施形態例では、例えば、右図柄列36aを構成する20の図柄による配列を、通常状態における当選エリア「CBB1」の当選によりCBB1役に対応するCBB1図柄組合せAが有効ラインLに表示可能、かつ、通常状態における当選エリア「CBB2」の当選によりCBB2役に対応するCBB2図柄組合せEが有効ラインLに表示不可能な右図柄列36aの第3領域(図柄番号0番,19番〜11番)と、通常状態における当選エリア「CBB1」の当選によりCBB1図柄組合せAが有効ラインLに表示不可能、かつ、CBB2図柄組合せEが有効ラインLに表示可能な第4領域(図柄番号10番〜1番)と、に分けることにより、内部抽選で当選エリア「CBB」(当選エリア「CBB1」,「CBB2」)に当選したときのCBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示される確率を1/2に設定可能としている。つまり、本実施形態例では、遊技者の所謂目押しの熟練度に拘わらず、通常状態における内部抽選で当選エリア「CBB」に当選したときのCBB作動への移行確率を1/2に、CBB内部での滞在確率を残りの1/2に設定することができる。
また、本実施形態例のRBB作動のRB作動は、通常状態よりも入賞に係る一の条件装置の作動確率、小役当選エリアの当選確率およびランダム(リプレイ込み)出玉率のそれぞれが高確率に設定されてボーナス状態の機能を備えており、遊技状態を通常状態からRBB作動のRB作動に移行させるためには、まず、通常状態でRBB役の対応付けられたRBB当選エリアに当選した後にRBB役に対応付けられたRBB図柄組合せを有効ラインLに表示させて遊技状態をRBB作動のRB非内部に移行させ、かかる後に、RBB作動のRB非内部でRB役の対応付けられた当選エリア「RB」に当選し、さらにRB役に対応付けられたRB図柄組合せを有効ラインLに表示させる必要がある。そして、RBB作動のRB作動はボーナス状態の機能を有するもののランダム(リプレイ込み)出玉率は約45%に設定されているため、遊技者が手持ちのメダルを増やし難い。これに対し、RBB作動のRB内部で当選エリア「RB」に当選したときにRB図柄組合せが有効ラインLに表示されなかった場合に滞在するRB内部では、11枚役と1枚役とが重複して対応付けられている特殊当選エリア(当選エリア2番〜23番)に当選した場合に、11枚役を優先させて入賞させるようにリール制御を変更しているため、遊技者が手持ちのメダルを増やし易い。そして、RB内部での滞在は、RB非内部での当選エリア「RB」の当選時に、各図柄列に配置された特徴的な赤7図柄を狙うという比較的に簡単な方法で実現可能となっている。このため、RBB作動のRB非内部でRB役に当選した場合には、メダルの増加があまり見込めないRB作動への移行を遊技者自らのストップボタンの操作で回避して、メダルの増加が期待されるRBB作動のRB内部に滞在させることが可能である。これにより、RBB作動のRB非内部におけるRB役の当選に遊技者の注意を惹きつけてRB非内部の遊技性を向上させることができる。
さらに、本実施形態例では、CBB内部で当選エリア「択B」(2番,3番)に当選し、かつ、小役が非入賞となった場合に限り遊技状態がCBB内部からCBB作動へ移行する構成になっている。このCBB内部における当選エリア「択B」の当選確率は約1/163.84(400/65536)に設定されており(図9)、当選エリア「択B」に当選した場合に小役が非入賞となってCBB役に対応するCBB図柄組合せが有効ラインLに表示される確率は1/2となっている。このため、CBB内部でCBB作動へ移行する期待値は約1/327.84(1/163.84×1/2)となる。これに対し、通常状態におけるRBB当選エリア(RBB役の対応付けられた当選エリア)の当選確率は約1/10.23、CBB当選エリアの当選確率(CBB役の対応付けられた当選エリア)は約1/16.38にそれぞれ設定されており、これらRBB当選エリアやCBB当選エリアの当選確率とCBB内部からCBB作動への移行期待値とを比較すると、CBB作動への移行期待値は約1/327.84と低く設定されている。このため、比較的長い期間に亘り遊技状態をCBB内部に滞在させることが可能となる。
そして、本実施形態例のCBB内部では、当選エリア「リプレイ」(1番)の当選確率が約1/2.71(24110/65536)と最も高く、次いで当選エリア「択役A」(約1/32.76)、当選エリア「チェリー」および「スイカ」(1/128)、当選エリア「択B」(約1/163.8)・・・という順番で当選確率が設定されており、このCBB内部における市場の出玉率は約48%となっている(図12)。これにより、CBB内部を手持ちのメダルを増加させ難い遊技者に不利な遊技状態とすることができる。
また、本実施形態例のRBB作動のRB非内部では、RB作動への移行契機となる当選エリア「RB」の当選確率が約1/2.718と比較的に高確率に設定されているため、市場の出玉率が低確率(約12%)であるRB非内部に滞在する期間を短いものとすることができる。
本実施形態例のスロットマシンSでは、遊技状態として、出玉率が比較的に低くて滞在期間が比較的に長いCBB内部と、出玉率が比較的に高いRB作動を含むRBB作動と、CBB当選エリアおよびRBB当選エリアの双方を内部抽選の対象としている通常状態とが設けられており、通常状態でRBB当選エリアに当選したことに基づいて遊技状態がRBB作動のRB内部に移行するとリール制御の変更によりメダルの獲得が容易となって、このRB内部で所定枚数(RBB1作動のRB内部で200枚,RBB2作動のRB内部で80枚)のメダルの払い出しが行われると遊技状態が再び通常状態に移行する構成になっている。このため、通常状態でRBB当選エリアに当選することにより通常状態からRB作動への移行を複数回に亘り返し可能であり、通常状態はRB作動の連荘区間になり得る。よって、通常状態での滞在は遊技者の遊技意欲を向上させることができる。一方で、通常状態でCBB当選エリアに当選したとき、CBB役に対応する図柄組合せを有効ライン表示することができないとCBB内部に遊技状態が滞在することになる。このCBB内部は当選エリアRBBが内部抽選の対象となっていないRBB役の無抽選区間であり、また、CBB内部で当選エリア「択B」に当選したとき遊技者のストップボタンの操作により小役が非入賞となった場合に限り有効ラインLにCBB図柄組合せが表示されてRB作動の連荘区間になり得る通常状態へ移行することができる。このため、CBB内部におけるCBB図柄組合せの表示は、遊技者のRBB作動への移行に対する期待感を向上させることができる。このように、通常状態はRB作動の連荘区間となり得る遊技状態であり、RBB内部およびRBB作動のRB非内部はメダルの獲得が容易なRBB作動のRB内部へ移行可能な遊技状態であるため、これらの遊技状態に滞在しているときは遊技者によって遊技が継続して行われるのが通常である。このため、通常、遊技者がスロットマシンSの前に着席して遊技を開始させたとき、遊技状態はCBB内部に滞在しており、このCBB内部における当選エリア「択B」の当選によりCBB図柄組合せが有効ラインLに表示されて遊技状態がCBB作動に移行すると、CBB作動で規定数2枚のメダル投入に対して必ず2枚のメダルが払い出される1回の遊技が2回行われて遊技状態がCBB作動から通常状態へすぐに移行することになる。
そして、本実施形態例では、RB作動の連荘区間となり得る通常状態でCBB当選エリアに当選すると1/2の確率で遊技状態を手持ちのメダルを増加させ難く、かつ、内部抽選でRBB役が内部抽選の対象となっていないCBB内部に滞在させ、このCBB内部で比較的に長い期間に亘り遊技を行わせるような構成になる。よって、通常状態におけるRBB当選エリアの当選確率が約1/10.23と高確率であるにも拘らず、市場における出玉率が高ベースとならないような遊技機を提供することができる。
本実施形態例では、図12に示すように、通常状態における市場の出玉率(約33%)とRBB作動のRB作動における市場の出玉率(約36%)との差(所謂役物比率)を約3%と小さくしてRBB作動のRB作動におけるメダルの増加をあまり見込めないようにしている。これにより、従来の所謂ノーマルタイプのスロットマシン、即ち、所謂AT非搭載型であって第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動や第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動によりメダルを増やすスロットマシンと比較してRBB当選エリアの当選確率が高確率のノーマルタイプの遊技機の提供を実現可能としている。
仮に、本実施形態例のRBB作動を通常状態におけるRBB当選エリアの当選かつRBB図柄組合せの表示により即時に移行する即作動のものに置き換えたとする。そうすると、本実施形態例のスロットマシンSはRBB役の当選確率が高確率に設定されているため、RBB作動における市場の出玉率が高くなり、全ての遊技状態における出玉率を調整する必要が生じ、RBB作動における市場の出玉率が高くなることに伴って、例えば通常状態における市場の出玉率の引き下げを余儀なくされる。その結果、所謂役物比率が大きくなって、通常状態でメダル獲得枚数の期待値が減少して、通常状態における遊技性が著しく低下してしまう虞がある。本実施形態例では、RBB作動のRB作動をメダルの増加があまり見込めない遊技状態とすることにより所謂役物比率を小さくすることができるため、通常状態における出玉率を確保しつつも、リール制御の変更によりRBB作動のRB内部での多くのメダルの獲得を実現すると共に、RBB当選エリアの当選確率を高確率なものにして従来にない新しい遊技機を提供可能としている。
また、本実施形態例では、CBB内部における内部抽選で当選エリア「不当選」に当選することはないため、CBB内部では必ずCBB役と小役または再遊技役とが重複して成立していることになる。そして、CBB内部では役付け優先制御によりCBB役よりも小役または再遊技役に対応する図柄組合せを優先して有効ラインに表示するようにリールが制御され、かつ、CBB内部でCBB作動へ移行する期待値は約1/327.84である。これにより、CBB内部に移行してすぐにCBB役に対応するCBB図柄組合せが有効ラインLに表示されないようにして、出玉率が高ベースとならないようにすることができる。
また、本実施形態例のRBB作動のRB内部では、ストップボタンの操作態様に拘わらず11枚役を優先して入賞させるリール制御が行われるため、遊技毎にストップボタンの押し順に係る打順演出に従ってストップボタンを操作することによりメダルを獲得するような従来の所謂AT機のような煩わしさがないため、遊技の進行を円滑に行わせることができる。
また、本実施形態例では、当選エリア「スイカ」(25番)は通常状態、RBB内部、CBB内部、RBB作動のRB内部およびRB作動で内部抽選の対象となっており、CBB内部で当選エリア「スイカ」(25番)に当選した場合に、6枚役(NML19)よりも1枚役を優先させて1枚役を入賞させるようにリールが制御され、通常状態で当選エリア「スイカ」に当選した場合に、1枚役よりも6枚役(NML19)を優先させて6枚役を入賞させるようにリールが制御される。このため、NML19に対応する図柄組合せ(右下がりのスイカ図柄)が表示窓50に表示された場合には、遊技状態がCBB内部に滞在していないことが確定的となる。よって、NML19に対応する図柄組合せの表示は、RB作動の連荘区間となり得る通常状態やRBB役の当選フラグが持ち越されているRBB内部に遊技状態が滞在している可能性を示唆して、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
さらに、本実施形態例では、左図柄列34aの図柄番号11番の黒BAR図柄が有効ラインLに表示されるタイミングで左ストップボタン16を恒常的に操作するようにする(所謂DDT打法)。そうすると、最大滑りコマ数である4コマの範囲内にRBB1役に対応するRBB1図柄組合せを構成する「左図柄」の赤7図柄が含まれるため、RBB1役の対応付けられた当選エリア「RBB1」(30番)に当選した場合にはRBB1役に係る当選フラグが単独で成立している状態となるため、有効ラインLの左リール34(左図柄列34)に対応する位置に赤7図柄を表示するようにリールが制御される。これにより、例えば、RBB役の当選時に当該当選を告知する演出(所謂先告知)が実行されなくとも、当選エリア「RBB1」に当選した遊技においてRBB1役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示可能である。よって、先告知の有無に拘わらず遊技者が最大の出玉率を得ることができる遊技方法が同一である遊技機を提供することができる。
なお、本実施形態例では、CBB作動中に手持ちのメダルが増えない構成になっているがこの構成に限られず、CBB作動の終了条件を規定数2枚のメダル投入に対して例えば15枚のメダルが払い出される1回の遊技が2度行われるとCBB作動の終了条件が満たされて、遊技状態がCBB作動から通常状態に移行する構成、即ち、CBB作動で手持ちのメダルが増加する構成であっても良い。この場合、CBB作動で手持ちのメダルが増加するため、市場の出玉率や最大枚数制御による出玉率が上昇することになるが、このような場合には、RB作動付のRBB作動への移行契機となる当選エリア「RBB1」および「RBB2」の当選確率を調整したり、RBB1作動の終了条件やRBB2作動の終了条件であるメダル払出総枚数を調整したりすることにより、市場の出玉率や最大枚数制御による出玉率を調整することにより、実施形態例における出玉率を本実施形態例における出玉率と同程度にすることが可能である。
また、本実施形態例ではRBB内部において、11枚役と1枚役とが重複して対応付けられた特殊当選エリアの一部の当選エリア(当選エリア8番〜11番)について11枚役よりも1枚役を優先させて入賞させるリール制御が行われる構成であったが、これに限られず、RBB内部では特殊当選エリアに当選した場合、何れの特殊当選エリアに当選したかに拘わらず、1枚役よりも11枚役を優先させて11枚役を入賞させるリール制御が行われる構成としても良い。
また、本実施形態例ではRBB作動のRB内部において、当選エリア12番,13番に当選した場合にRB役に対応するRB図柄組合せが有効ラインLに表示される場合があるが、これに限られず、当選エリア12番,13番に当選した場合であってもRB図柄組合せが有効ラインに表示されない構成であっても良い。
なお、本実施形態例では、RBB1役およびRBB2役(ボーナス役)の当選により手持ちのメダルを増やす構成になっており、本実施形態例のスロットマシンは所謂ノーマルタイプのスロットマシンであるが、この構成に限られず、本実施形態例に係るスロットマシンに所謂AT機能を搭載して、手持ちのメダルをボーナス役の当選およびAT(所謂ARTも含む)により手持ちのメダルを増やすスロットマシンであっても良い。
また、本実施形態例では、RBB1当選エリアおよびRBB2当選エリアの何れに当選した場合であっても、RBB図柄組合せの表示により遊技状態をRBB作動へ移行させて、さらに、RB役の当選かつRB図柄組合せの表示によりRBB作動のRB作動へ移行させる構成になっており、RBB1作動およびRBB2作動は所謂シフト付(RB付き)のRBB(第一種特別役物がRB役で第一種特別役物に係る役物連続作動装置がRBB役)となっているが、この構成に限られず、例えば、RBB1作動およびRBB2作動のうち何れか一方をRBB役の当選かつRBB図柄組合せの表示によりボーナス機能を備える遊技状態に移行させる遊技状態とし、他方をシフト付RBBとする構成であっても良い。
また、本実施形態例では、RBB作動のRB非内部でRB内部への移行契機となるRB役が内部抽選の対象となっており、このRB非内部でRB役に当選したとき各図柄列に配置された赤7図柄を狙うことで、メダルの増加があまり見込めないRB作動への移行を回避して、メダルの増加が期待されるRBB作動のRB内部に滞在させることが可能な構成になっている。そして、本実施形態例のようにRB役の当選を報知するような演出を演出装置で実行しないような場合には、RB役の当選時に遊技者がRB役の当選を認識することはできないため、RB非内部で遊技が行われる度に、遊技者は赤7図柄を狙ってRB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されることを回避する必要が生じる。そこで、RB役の当選時にRB役の図柄組合せが有効ラインLに表示されることを回避できた場合には、その旨を演出装置で報知する構成としても良い。これにより、遊技状態がRB内部へ移行したことを速やかに遊技者に報知することが可能になり、RB非内部における遊技毎の赤7図柄の目押しに対する遊技者の労力を軽減することができる。
また、本実施形態例では、RBB作動にRBB1作動とRBB2作動とが含まれており、RBB1作動とRBB2作動の何れの遊技状態に移行したとしても、各RBB作動のRB非内部では一つのRB役が内部抽選の対象となっており、このRB役の当選時における遊技者の意図的なストップボタンの操作により、11枚役の入賞確率が高確率となるRB内部に遊技状態を滞在させることが可能な構成になっている。この構成に限られず、RB役として互いに図柄組合せの異なるRB1役とRB2役とを設け、RBB1作動のRB非内部でRB1役を内部抽選の対象とすると共に、RBB2作動のRB非内部でRB2役を内部抽選の対象とし、RBB2作動のRB内部(以下、RB2内部と言う。)における11枚役の入賞確率(例えば50%)よりもRBB1作動のRB内部(以下、RB1内部と言う。)における11枚役の入賞確率(例えば100%)を高確率とする構成であっても良い。例えば、RB2内部における11枚役の入賞確率よりもRB1内部における11枚役の入賞確率を高確率とする方法として、RB1内部では、本実施形態例のRB内部と同様に、特殊当選エリア(2番〜23番)の当選により1枚役よりも11枚役を優先して入賞させるようにリール制御を変更し、RB2内部では、特殊当選エリアの一部の当選により11枚役よりも1枚役を優先して入賞させると共に、その他の特殊当選エリアの当選により1枚役よりも11枚役を優先して入賞させるようにリール制御を変更する。このようにすると、RB1内部およびRB2内部における出玉率に変化をつけて、遊技のバリエーションを豊富なものにすることができる。なお、RB1内部における11枚役の入賞確率よりもRB2内部における11枚役の入賞確率を高確率とする構成であっても良い。
続いて、本発明の第2実施形態例に係るスロットマシンについて説明する。第2実施形態例に係るスロットマシンは、第1実施形態例に係るスロットマシンSと比較して、遊技の開始時にリールの動作態様を用いた回胴演出が実行される点で相違する。そこで、第1実施形態例と相違する部分について図20,21を用いて説明をし、同じ部分については説明を省略する。
第2実施形態例に係る主制御処理部100のメインROMには、図20に示すように、遊技の進行を一時的に中断するフリーズとして回胴演出の実行を決定する回胴演出実行決定手段(フリーズ実行決定手段)110と、回胴演出実行決定手段110により回胴演出の実行が決定された場合に回胴演出を実行する回胴演出実行手段(フリーズ実行手段)111がさらに構築されている。
回胴演出実行決定手段110は、内部抽選で当選エリア「RBB」(RBB役の対応付けられた当選エリア、30番〜33番)に当選した場合に回胴演出の実行を決定する。また、回胴演出実行決定手段110は、回胴演出の実行を決定した場合に回胴演出の実行が待ち状態であることを示す回胴演出待機フラグをONにセットし、回胴演出の実行が終了した場合に回胴演出待機フラグをOFFにセットする。
回胴演出実行手段111は、当選エリア「RBB」に当選した後に初めてRBB役に係る当選フラグ(以下、RBBフラグと言う。)が単独で成立している状態となったとき、即ち、RBB図柄組合せを有効ラインLに表示可能となったときに回胴演出を実行する。本実施形態例では、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB1」(30番)に当選したとき、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB2」(33番)に当選したとき、RBB内部における内部抽選で当選エリア「不当選」に当選したときにRBBフラグが単独で成立している状態となる。
なお、回胴演出実行手段111は回胴演出の開始時に特定演出(図21参照)の実行を指示する特定コマンドを副制御処理部200に送信しており、副制御処理部200が特定コマンドを受信すると、副制御処理部200のサブROMに構築された演出実行手段202が一対のスピーカ5およびモニタ6で特定演出を実行する。これにより、特定演出の実行開始時期は回胴演出の実行開始時期と略同期することになる。なお、特定演出は音演出「キュイン」および回転灯を模した画像による画像演出で構成されている。
次に、回胴演出が実行される様子について図21を用いて説明する。
図21(a)に示すように、スタートレバー15が操作されると、内部抽選手段102により当選エリアが決定される。このとき、遊技状態は通常状態に滞在しているものとし、この内部抽選で当選エリア32番の「RBB1+1枚ALL」(図7等参照)に当選したとする。そうすると、当選フラグ制御手段103はRBB1役とNML1〜18に係る当選フラグとを重複して成立させ、遊技状態移行手段107は遊技状態を通常状態からRBB1内部に移行させる。これにより、回胴演出実行決定手段110は回胴演出の実行を決定すると共に回胴演出待機フラグをONにセットし、回胴演出実行手段111は、RBB1役に係る当選フラグが単独で成立していないことに起因して、回胴演出を実行しないように制御する。
なお、図示は省略するが、通常状態における内部抽選で当選エリア「RBB1」(30番)に当選したときには、当選フラグ制御手段103はRBB1役に係る当選フラグ(RBBフラグ)を単独で成立させ、遊技状態移行手段107は遊技状態を通常状態からRBB1内部(第1状態)に移行させる。このとき、回胴演出実行決定手段110は回胴演出の実行を決定すると共に回胴演出待機フラグをONにセットするが、RBB1役に係る当選フラグが単独で成立しているため、回胴演出実行手段111は、回胴演出待機フラグのONと略同期して、即ち、当選エリア「RBB1」の当選と略同期して回胴演出を実行するように制御する。
図21に説明を戻し、図21(b)に示すように、遊技の開始時に回胴演出が実行されないため、リール制御手段104は、スタートレバー15の操作により全てのリールを一斉に回転を開始させて全てのストップボタンの操作を有効化させる。かかる後に、図21(c)に示すように、遊技者により全てのストップボタンが操作されたとする。このとき、リール制御手段104は、RBB内部における役付け優先制御により、RBB1役に対応するRBB1図柄組合せよりも、NML1〜18に対応する図柄組合せを優先して有効ラインLに表示するようリールを制御する。このため、例えば、図21(d)に示すように、有効ラインLにNML1に対応する図柄組合せが表示されて、1枚のメダルが払い出される。
図示は省略するが、図21(d)の後にスタートレバー15が操作されて内部抽選が行われたとする。このとき、遊技状態はRBB内部に滞在しているため、図9に示すように、当選エリア「不当選」、「リプレイ」、「択役B」、「択役A」、「チェリー」、「スイカ」、「11枚フォロー」および「1枚ALL」が内部抽選の対象となる。例えば、当選エリア「択役A」の「択11枚A6その1」(14番)に当選したとすると、NML5,6,27に係る当選フラグとRBB1役に係る当選フラグとが重複して成立することになる。これにより、ストップボタンの操作によりRBB1図柄組合せを有効ラインLに表示できないため、回胴演出実行手段111は回胴演出を実行しないようにし、回胴演出待機フラグがONのまま維持される。このとき、RBB内部における役付け優先制御により、例えば、有効ラインLにNML5に対応する図柄組合せが表示される。
次に、図21(e)に示すように、スタートレバー15が操作されて当選エリア「不当選」に当選したとする。このとき、RBB1役に係る当選フラグが初めて単独で成立している状態となり、ストップボタンの操作によりRBB1図柄組合せを有効ラインLに表示可能となる。このため、図21(f),(g)に示すように、回胴演出実行手段111は、全てのリールが停止した状態で維持される回胴演出を実行するよう制御し、演出実行手段202は一対のスピーカ5およびモニタ6で特定演出を実行する。なお、回胴演出実行決定手段110は、回胴演出の実行により回胴演出待機フラグをOFFにセットする。
次に、図21(h)に示すように、予め定められた回胴演出の実行時間(例えば2秒)が経過すると、全てのリールが回転を開始する。なお、図示は省略するが、回胴演出の実行が終了して中断されていた遊技が再開される際には、遊技復帰処理が行われる。この遊技復帰処理とは、各リール34〜36の回転開始タイミングをランダムに開始させる処理であり、当該処理は回胴演出終了時(フリーズ終了時)のリールの停止態様がこれから再開される遊技における遊技者の目押し補助とならないことを目的としている。
次に、図21(i)に示すように、RBB1図柄組合せが有効ラインLに表示され得るタイミングで遊技者がストップボタンを操作することにより、有効ラインLに「赤7図柄」−「赤7図柄」−「赤7図柄」の図柄組合せが表示されて遊技状態がRBB1内部からRBB1作動へ移行することになる。
以上のように、第2実施形態例に係るスロットマシンでは、RBB役(特定役)の対応付けられた当選エリア「RBB」の当選により回胴演出実行決定手段110は回胴演出の実行を決定し、当選エリア「RBB」の当選後に初めてRBB役に係る当選フラグが単独で成立した状態となった場合には、リール制御手段104はRBB役に対応するRBB図柄組合せ(特定図柄組合せ)を有効ラインLに表示可能とし、回胴演出実行手段111は回胴演出を実行する。このため、回胴演出の実行により、RBB図柄組合せが有効ラインLに表示可能であることを遊技者に報知することができる。
そして、RBB内部でRBB役に係る当選フラグと小役または再遊技役に係る当選フラグとが重複して成立している場合、即ち、RBB内部(第1状態)における内部抽選で小役(通常役)または再遊技(通常役)に当選した場合には、リール制御手段104がRBB役に対応するRBB図柄組合せ(特定図柄組合せ)よりも小役や再遊技役に対応する図柄組合せ(通常役に対応する図柄組合せ)を優先して有効ラインLに表示可能とし、回胴演出実行手段111は回胴演出待機フラグがONにセットされているにも拘わらず、回胴演出を実行しないように制御する。このため、遊技者が遊技毎にRBB図柄組合せを有効ラインLに表示させるようなストップボタンの操作を行う必要がないため、遊技者の遊技負担を軽減すると共に、遊技を円滑に進行させることが可能になる。その結果、単位時間あたりにおける遊技の回数を増加させることが可能となり、遊技機の稼働を良好なものにすることができる。
なお、仮にRBB役に係る当選フラグが成立している場合に必ず回胴演出を実行する構成にしたとすると、RBB内部で小役や再遊技役に当選してRBB図柄組合せを有効ラインLに表示できない場合にも回胴演出が実行されることになり、回胴演出の実行が遊技の進行の妨げとなり遊技性の低下に繋がる虞がある。本実施形態例ではRBB図柄組合せを有効ラインLに表示可能な場合にのみ回胴演出が実行されるため、回胴演出の実行により遊技性が低下することを防止できる。
また、本実施形態例では、遊技の進行を中断する回胴演出が遊技の開始時に行われるため、遊技の開始から回胴演出の実行が終了するまでの回胴演出の実行期間に亘りストップボタンの操作を無効として、この期間内における遊技者のストップボタンの操作を受け付けないようにすることができる。このため、RBB図柄組合せを有効ラインLに表示可能であるにも拘わらず、誤操作でストップボタンが操作されたり、無造作にストップボタンが操作されたり、あるいは、遊技の進行を急ぐために1回の遊技の終了後にすぐにストップボタンが操作されたりすることにより、RBB図柄組合せを有効ラインLに表示させる機会を逃すことを防止することができると共に、無駄なメダルの消費を抑えることができる。
特に、内部抽選で当選エリア「RBB」に当選したことに応じて演出装置による演出の内容を変化させないような構成、即ち、当選エリア「RBB」の当選をなるだけ秘匿にするような遊技機である場合には、遊技者は当選エリア「RBB」の当選時に当選エリア「RBB」に当選したことを判別することは困難となる。このような場合に、本実施形態例では、回胴演出の実行がRBB図柄組合せを有効ラインLに表示可能であることを遊技者に報知するものであるため、当然に、回胴演出の実行が当選エリア「RBB」の当選をも報知することになる。さらに、本実施形態例では、回胴演出の実行の際にモニタ6等で特定演出を実行する構成になっているため、確実に当選エリア「RBB」の当選を遊技者に報知することができ、また、演出効果をも向上させることができる。
また、本実施形態例では、当選エリア「RBB」に当選して初めてRBB図柄組合せを有効ラインLに表示可能となった場合、即ち、RBB内部(第1状態)における内部抽選で小役(通常役)または再遊技(通常役)に当選しなかった場合に限り回胴演出および特定演出を実行する構成となっているため、RBB図柄組合せ(特定図柄組合せ)が有効ラインLに表示可能となる度に回胴演出および特定演出の双方が実行されて回胴演出および特定演出の実行が遊技の邪魔となってしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態例では当選エリア「RBB」として「RBB1」および「RBB2」が設けられているが、内部抽選で当選エリア「RBB1」および「RBB2」の何れに当選したかに拘わらず、この当選後に初めて有効ラインLにRBB図柄組合せを表示可能であるときに回胴演出および特定演出が実行される構成になっている。ただし、この構成に限られず、例えば、より多くのメダルを獲得な当選エリア「RBB1」の当選のみで回胴演出および特定演出を実行する構成であっても良いし、また例えば、より多くのメダルを獲得な当選エリア「RBB1」の当選で回胴演出および特定演出を実行し、当選エリア「RBB2」の当選で回胴演出のみを実行する構成であっても良い。
また、本実施形態例では、当選エリア「RBB」に当選して初めてRBB図柄組合せを有効ラインLに表示可能となる場合に限り回胴演出および特定演出を実行する構成になっているが、この構成に限られず、目押しの失敗等によりRBB図柄組合せを有効ラインLに表示可能な機会を逃した後であっても、有効ラインLにRBB図柄組合せを表示可能であるときに回胴演出および特定演出を実行する構成であっても良い。
なお、本実施形態例では、回胴演出として、全てのリールの回転を所定時間に亘り停止する所謂無回転フリーズを実行する構成になっているが、この構成に限られず、遊技の進行の妨げとならないことを前提に、一のリールを回転させ他のリールを無回転とする回胴演出や全てのリールを逆回転させる回胴演出を実行する構成であっても良い。また、当選エリア「RBB」の種別に応じて回胴演出の種類を変更する構成であっても良い。
続いて、本発明の第3実施形態例に係るスロットマシンについて説明する。第3実施形態例に係るスロットマシンは、第1,第2実施形態例に係るスロットマシンと比較して、遊技状態に応じて演出モード(演出状態)が移行する点で相違する。そこで、第1,第2実施形態例と相違する部分について図22を用いて説明をし、同じ部分については説明を省略する。なお、演出モードの移行を制御しているのは、主制御処理部100のメインROMに構築された演出モード制御手段(演出状態制御手段)108である。
図22に示すように、演出モードとして、通常モード、チャンスモードおよびボーナスモードが設けられている。一般的に、遊技者がスロットマシンの前に初めて着席して遊技を開始したとき、演出モードは通常モードに滞在し、遊技状態はCBB内部に滞在している。CBB内部(CBB1内部,CBB2内部)では、図9に示すように、当選エリア「リプレイ」、「択役B」、「択役A」、「チェリー」、「スイカ」、「11枚フォロー」および「1枚ALL」が内部抽選の対象となっている。先述のように、CBB内部で当選エリア「択役B」に当選した場合に限り遊技状態がCBB内部からCBB作動(第2ボーナス状態)へ移行する場合があり、遊技状態がCBB内部からCBB作動へ移行する期待値は約1/327.84である。なお、通常状態でCBB役(第2ボーナス役)の対応付けられた当選エリア「CBB」(当選エリア「CBB1」,「CBB2」)に当選したとき、CBB役に対応するCBB図柄組合せ(CBB1図柄組合せA〜D,CBB2図柄組合せE〜G)が有効ラインLに表示されると遊技状態がCBB作動(CBB1作動,CBB2作動)へ移行し、CBB図柄組合せが有効ラインLに表示されないと遊技状態はCBB内部に滞在する。
通常モードのCBB内部(演出モードが通常モード、かつ、遊技状態がCBB内部)で当選エリア「択役B」に当選し、遊技状態がCBB内部からCBB作動を経由して通常状態に移行したとしても、演出モードは通常モードのまま維持される。つまり、通常モードはCBB内部、CBB作動および通常状態のそれぞれの遊技状態に対応している演出モードであるといえる。このため、通常モードで遊技状態がCBB内部からCBB作動に移行し、さらにはCBB作動から通常状態に移行したとしても、演出モードは通常モードで維持される。よって、遊技者は通常モードから遊技状態を的確に判別することはできないが、先述のように、通常モードでは遊技状態がRB作動の連荘区間である通常状態に滞在する場合があり、この場合には遊技状態が遊技者に有利なRBB作動のRB内部への移行のチャンスとなる。
通常モードの通常状態(演出モードが通常モード、かつ、遊技状態が通常状態)で、RBB役(第1ボーナス役)の対応付けられた当選エリア「RBB」(当選エリア番号30番〜33番)に当選すると遊技状態がRBB内部(RBB1内部,RBB2内部)に移行するが、演出モードは通常モードのまま維持される。つまり、通常モードはCBB内部、CBB作動および通常状態に加えてRBB内部にも対応している演出モードである。そして、通常モードのRBB内部(演出モードが通常モード、かつ、遊技状態がRBB内部)でRBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されると、遊技状態がRBB内部からRBB作動(第1ボーナス状態)に移行し、これに伴って演出モードが通常モードからボーナスモードへ移行する(図22のA)。
先述のように、ボーナスモードのRBB作動中にメダルの払い出し枚数が所定枚数(RBB1作動の場合200枚、RBB2作動の場合80枚)を超過するとRBB作動が終了し、遊技状態がRBB作動から再び通常状態に移行する。このとき、演出モードはチャンスモードに移行する(図22のB)。本実施形態例では、遊技状態がRBB作動から通常状態に移行した場合には、通常モード中に遊技状態がCBB作動から通常状態に移行してきた場合と異なり、演出モードを通常モードと異なるチャンスモードに滞在させるようにして、遊技状態がRBB作動へ移行可能なボーナス連荘区間になり得る通常状態であることを遊技者に報知している。
本実施形態例の演出モード制御手段108は、チャンスモードにおける遊技回数をカウントしており、このカウント数が32となるまで、即ち、チャンスモードにおける32回目の遊技を終えるまでは、遊技状態がRBB作動に移行した場合を除き、演出モードをチャンスモードで維持するよう制御する。そして、演出モード制御手段108は、チャンスモードにおける32回目の遊技を終えるときの遊技状態を判別しており、このときの遊技状態が通常状態、CBB作動およびRBB内部の何れかに滞在していると判別した場合には演出モードをチャンスモードで維持する。一方、演出モード制御手段108は、チャンスモードにおける32回目の遊技を終えるときの遊技状態がCBB内部に滞在していると判別した場合にはチャンスモードを終了させて、次の遊技の開始時に演出モードを通常モードに移行させるよう制御している(図22のD)。同様に、演出モード制御手段108は、チャンスモードにおける32回目以降の遊技の終了毎に遊技状態がCBB内部に滞在しているか否かを判別し、CBB内部に滞在していると判別した場合には演出モードを通常モードに移行させる。なお、演出モード制御手段108は、チャンスモードにおける32回目の遊技を終えるまでにRBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された場合には、演出モードをチャンスモードからボーナスモードに移行させる(図22のC)。
以上のように、第3実施形態例に係るスロットマシンでは、主制御処理部100のメインROMに遊技状態の移行に応じて演出モードを制御する演出モード制御手段108が構築されており、演出モード制御手段108は、RBB作動(第1ボーナス状態)への移行の前後で演出モードを通常モードからボーナスモードに変更し、または、チャンスモードからボーナスモードに変更する。RBB作動のRB内部は、他の遊技状態と比較して多くのメダルを獲得可能な遊技状態であり、遊技者が手持ちのメダルを増やすことのできる遊技状態である。このため、ボーナスモードはRBB作動への移行を確実に報知して遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
そして、本実施形態例では、通常状態がボーナス連荘区間であり、遊技状態がRBB作動から通常状態に移行した場合には演出モードがチャンスモードに滞在する。このため、チャンスモードの滞在は遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
第3実施形態例に係るスロットマシンでは、演出モード制御手段108がチャンスモードにおける遊技回数をカウントしており、チャンスモードにおける32回目の遊技を終えるまでは、遊技状態が通常状態からCBB内部に移行したとしても、演出モードをチャンスモードで維持するよう制御している。また、演出モードが通常モードに滞在している場合に遊技状態が通常状態からCBB内部を経由してCBB作動に移行した場合でも、演出モードを通常モードで維持するよう制御している。つまり、本実施形態例では、CBB作動(第2ボーナス状態)への移行の前後で演出モードが変更されることはなく、このとき演出モードは通常モードまたはチャンスモードで維持される。ここで、CBB作動では規定数2枚のメダル投入に対して必ず2枚のメダルが払い出されて、CBB作動中にメダル払出総数2枚を超過すると遊技状態がCBB作動から通常状態に移行するため、CBB作動はメダルを増やすことのできない遊技状態である。このため、CBB作動はRBB作動と比較して遊技者の期待にそえないボーナス状態であるといえ、さらに、CBB作動への移行の前提となるCBB内部に移行した場合には、当選エリア「RBB」が内部抽選の対象から外れ、出玉率の低い遊技が比較的に長い期間に亘り行われることになる。よって、通常状態で当選エリア「CBB」(当選エリア「CBB1」,「CBB2」)に当選することは遊技者にとって有利な状況とはいえないが、本実施形態例では、CBB作動への移行の前後で演出モードが変更することなく通常モードまたはチャンスモードで維持され、さらには、遊技状態がRBB作動から通常状態に移行してきてチャンスモードに滞在した場合には、チャンスモードで32回の遊技が行われるまで演出モードが変更されずにチャンスモードで維持される。これにより、演出モードの変更による遊技者の遊技意欲の低下を防止することができる。
そして、本実施形態例では、チャンスモードにおける32回目の遊技を終えるときの遊技状態が通常状態、CBB作動およびRBB内部の何れかに滞在していると判別された場合には演出モードがチャンスモードで維持され、チャンスモードにおける32回目以降の遊技の終了毎に遊技状態がCBB内部に滞在しているか判別され、CBB内部に滞在していると判別された場合には演出モードがチャンスモードから通常モードに移行する。このため、チャンスモードにおける遊技回数が32回目を超えてもなお演出状態がチャンスモードで維持されている場合には、遊技状態がCBB内部に滞在していないことが確定的となり、遊技者はRBB作動への移行に期待を持つことができる。
また、本実施形態例では、チャンスモードで32回の遊技が行われるまでの間に遊技状態がCBB内部、CBB作動、通常状態と移行した場合であっても、演出モードがチャンスモードで維持されるため、遊技状態の移行を遊技者に秘匿にすることができる。仮に、チャンスモードで32回の遊技が行われるまでの間に遊技状態がCBB内部やCBB作動に移行したことにより演出モードをチャンスモードから通常モードへ移行させたとすると、通常モードへの移行により、RBB作動への移行に対する遊技者の期待が失われる虞があり、遊技者が遊技を止めてしまう可能性がある。本実施形態例では、チャンスモードにおける32回目までの遊技において通常状態からCBB内部やCBB作動への移行が秘匿にされるため、RBB作動への移行に対する遊技者の期待を維持させることができる。
なお、第3実施形態例の技術に第2実施形態例の技術を適用させると、第3実施形態例では、通常モードの通常状態で当選エリア「RBB」に当選して遊技状態がRBB内部に移行したとしても、演出モードは通常モードのままで維持され、第2実施形態例では、当選エリア「RBB」に当選した後に初めてRBB役に対応するRBB図柄組合せが有効ラインLに表示可能となると、一対のスピーカ5、モニタ6および各リール34〜36を用いた特定演出が実行される構成になっている。このため、通常モードで突然に特定演出が実行されて、RBB図柄組合せが有効ラインLに表示可能であることや当選エリア「RBB」の当選が遊技者に告知される。このように、通常モードにおける特定演出の実行により突然のボーナス当選告知を行うことができるので、趣向性のある遊技機を提供することができる。
なお、本実施形態例では、通常状態における当選エリア「RBB」の当選確率や当選エリア「CBB」の当選確率およびCBB内部からCBB作動への移行期待値等を考慮して、チャンスモードにおける32回目の遊技が終了するまで、遊技状態が通常状態からCBB内部やCBB作動に移行しても演出モードをチャンスモードで維持する構成となっている。即ち、第3実施形態例に係るスロットマシンでは、遊技状態移行手段107は、RBB作動(第1ボーナス状態)でメダルの払出総数が200枚を超過したこと(第1条件の成立)に基づいて遊技状態を通常状態に移行させる一方、CBB作動(第2ボーナス状態)でメダルの払出総数が2枚を超過したこと(第2条件の成立)に基づいて遊技状態を通常状態に移行させるよう構成され、演出モード制御手段(演出状態制御手段)108は、遊技状態の移行に応じて演出モード(演出状態)の移行を制御する移行手段と、遊技状態がRBB作動から通常状態に移行した後の遊技の回数をカウントするカウント手段と、遊技状態がRBB作動から通常状態に移行した後の遊技の終了の際に遊技状態がCBB内部に滞在しているか否かを判別する判別手段を備え、移行手段は、遊技状態がRBB作動から通常状態に移行したことに基づいて演出モードをチャンスモード(特定演出状態)に移行させると共に、カウント手段によりカウントされた遊技の回数が32回(所定回数)未満の場合に、判別手段により遊技状態がCBB内部(第2ボーナス成立状態)と判別された場合であっても、演出モードを通常モードに移行することなくチャンスモードで維持するよう制御する一方、カウント手段によりカウントされた遊技の回数が32回(所定回数)以上の場合に、判別手段により遊技状態がCBB内部と判別された場合には、演出モードをチャンスモードから通常モードに移行するよう制御する構成になっている。ただし、RBB作動への移行の期待を抱くことができる演出モードとしてチャンスモードが機能することを前提に、例えば、通常状態からCBB内部やCBB作動への移行に拘わらず演出モードをチャンスモードで維持する遊技回数を50回や70回等に設定する構成であっても良い。
なお、本実施形態例では、演出モード制御手段108が演出モードの移行を制御している構成になっているが、この構成に限られず、副制御処理部200のメインROMに構築された演出モード移行手段201が演出モードの移行を制御する構成であっても良い。