以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体(遊技価値)として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の遊技価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の遊技価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの中段、中可変表示列10Mの上段、右可変表示列10Rの下段により構成されるラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60とが配設されている。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。報知用表示器60は、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて有利操作態様にかかわる操作情報等を報知する。また、報知用表示器60は、7セグメントLEDの右下にドットLEDが搭載されており、当該ドットLEDにより有利期間報知ランプ80が構成されている。
有利期間報知ランプ80は、有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間(以下、有利期間という)であることを報知する表示器である。有利期間報知ランプ80は、有利期間において点灯可能となり、少なくとも有利操作態様が報知されるときには点灯し、有利期間が終了して通常期間に移行されるときに消灯する。
クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値1〜6のうちの少なくともいずれかの設定値を特定可能にする情報であって、設定されている設定値を示唆する情報をいう。クレジット表示器45、ペイアウト表示器46は、報知用表示器60と同様に、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。
前面扉5の表示窓7の右側には、遊技特定用ランプ82が配設されている。遊技特定用ランプ82からの光を照射する照射面には、例えば光の色に応じて、「疑似遊技」という文字、「AT」という文字、および「CZ」という文字のいずれかが浮き出て遊技者が視認可能となるようにチェンジング加工が施されている。このため、遊技特定用ランプ82の点灯態様(点灯色)を変化させることにより、遊技の進行に応じて、「疑似遊技」、「AT」、および「CZ」のいずれかを報知することが可能となる。図1では、後述する疑似遊技中である旨を示す「疑似遊技」が報知されている状態が示されている。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、チャンススイッチ81F、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大賭け枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大賭け枚数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では「3」に設定。)をいう。なお、最大ベットスイッチ17にはLEDが内蔵されており賭数設定できる状態となると所定の態様(点滅状態、点灯状態)で発光するようになっている。
演出操作部81は、遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を検出するスイッチである。チャンススイッチ81Fは、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作、および遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を含む。
スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。また、ストップスイッチ21L〜21Rは、後述する疑似遊技中においてリールの回転を停止させて図柄を疑似停止させるための操作をも検出するスイッチである。また、スタートスイッチ19は、疑似遊技中においてリールを疑似停止させた状態において当該疑似遊技を終了させて本遊技としてのリール回転を開始させるための操作をも検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L〜21R、演出操作部81およびチャンススイッチ81Fを含む各種スイッチは、各々に対応する操作部(ボタン部)への操作を検出する。各種スイッチに対応する操作部は、光を透過する透過部材から構成されている。また、各種スイッチに対応する操作部の内部には、例えばLEDなどの光源が搭載されており、遊技の進行に応じて操作可能なタイミング(操作を有効に受付けるタイミング)等において発光することにより演出を実行する。
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図4参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図4参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図4参照)と、ホッパーモータ57(図4参照)と、払出センサ54(図4参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際にエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6(本実施形態においては、設定値1、2、5、6の4段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1〜6の6段階に設けられているものであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されていた設定値を記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(図4参照)と、投入センサ53(図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
次に、図3を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図3に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。図3では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「R7」「B7」「BAR」「REP」「BEL1」「BEL2」「WM」「CH1」「CH2」「ST」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「R7」として赤色の「7」の絵柄、「B7」として青色の「7」の絵柄、「BAR」として「BAR」の絵柄、「BEL1」として「ベル」の絵柄、「REP」として「リプレイ」の絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。なお、「BEL1」「BEL2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「BEL」ともいう。同様に、「CH1」「CH2」についても、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「CH」ともいう。
図3においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態においては、「ボーナス状態」以外の遊技状態の規定数として「3」および「2」が定められており、「ボーナス状態」の規定数としてはボーナス状態の種類に応じて後述するように「3」または「2」のいずれかが定められている。つまり、「ボーナス状態」以外の遊技状態においては、賭数が「3」および「2」のいずれでも遊技が可能となるが、「ボーナス状態」においては、ボーナス状態の種類に応じて賭数が「3」または「2」のいずれかでしか遊技を行うことができない。なお、規定数は、これに限らず、他の値であってもよく、また、遊技状態にかかわらず同じ値が設定されるものであってもよい。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(表示結果、遊技結果)に応じて遊技者に対して所定の特典を新たに付与する。所定の特典としては、例えば、遊技状態の移行、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定、遊技用価値の付与である所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
また、スロットマシン1では、スタートスイッチ19への操作によりリール11L〜11Rの回転が開始されてからリール11L〜11R各々の回転速度が定常回転速度(所定速度)となるまでの間において、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を契機として、回転中のリールを疑似的に停止(当該停止を疑似停止ともいう)させて図柄組合せを表示させるリール演出(以下、疑似遊技ともいう)を実行可能である。疑似遊技は、役抽選の結果や、有利な状態の開始あるいは終了から消化したゲーム数、乱数抽選、遊技状態の移行、AT当選や上乗せ当選等、予め定められている特定条件が成立することにより実行される。なお、疑似遊技は、スタートスイッチ19への操作によりリール11L〜11Rの回転が開始されてからリール11L〜11R各々の回転速度が定常回転速度となるまでの間(後述する本停止有効化されるまでの間であるともいえる)において行われるものであれば、疑似遊技(リール回転後に図柄組合せ疑似停止させる動作)を複数回行うものであってもよい。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されているセレクターエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、全遊技期間に対して有利期間に滞在している有利期間滞在比率、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率、総遊技回数に対するボーナス入賞からボーナス終了までの遊技回数の役物等状態比率、メダルの総払出枚数に対して有利期間中におけるナビ演出(指示)による払出枚数とボーナス状態中における払出枚数との合計払出枚数が占める比率(例えば、指示込役物比率ともいう)などを表示する表示器が搭載されている。なお、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、演出操作部81、チャンススイッチ81F、および遊技特定用ランプ82などが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。サブCPU71により制御される各種ランプ・LEDには、各種スイッチに対応する操作部の内部に搭載されているLEDを含む。サブCPU71は、エコモードであるか否かに応じて、制御されているモードに対応する消費電力となるように当該LED等を制御することにより、操作部を光らせることができる。
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際にチャンススイッチ81Fへの操作を促す促進演出を実行し、チャンススイッチ81Fが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。管理者メニュー画面では、「日時設定」、「設定変更履歴」の表示、「携帯連動サービスON/OFF設定」、および「エコモードの設定」などを行うことができる。エコモードとは、サブ制御基板73に接続された機器類による演出実行により消費される電力を通常時よりも節約するモードをいう。エコモードが設定されているときには、通常時よりも、例えば、液晶表示器27、各種ランプ・LEDの輝度を低くする制御や、駆動時間あるいは点灯時間を短くする制御、スピーカ31L、31Rから出力される音量を低くする制御などが行われる。
サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、チャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出、疑似遊技中、疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後であって本遊技に移行するまでの間など)が実行されていないときに、決定スイッチ81aが操作されることにより、遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。
また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81への操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定、スピーカ31L、31Rから出力される音量設定、液晶表示器27の輝度調整などを行うことができる。なお、エコモードの設定は、管理者メニュー状態において設定可能となる例について説明するが、これに限らず、遊技者メニュー状態において設定可能となるものであってもよい。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出がチャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出がチャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、チャンススイッチ81Fへの操作を促すチャンスボタン演出、疑似遊技中、疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後であって本遊技に移行するまでの間など)が実行されていないときであって、いずれの操作も検出されることなく所定時間が経過している状態(以下では、待機状態、あるいは遊技待機中ともいう)において、予め定められているデモ演出を実行する。デモ演出は、複数種類設けられている。サブCPU71は、遊技待機中に制御されたときに停止している図柄(表示結果)に応じた種類のデモ演出を実行する。また、デモ演出実行中において操作(例えば、賭数を設定するための操作など)が検出されたときには、復帰時演出が実行可能となる。サブCPU71は、デモ演出が開始されてから操作が検出されるまでの時間に応じて復帰時演出を実行する。デモ演出および復帰時演出は、ともに、液晶表示器27において予め定められているデモ画面や復帰時画面を表示することにより行われる演出である。
さらに、サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際にチャンススイッチ81Fへの操作を促す促進演出を実行し、チャンススイッチ81Fが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、演出操作部81の上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
メインCPU61は、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための賭数設定処理を行う。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。
遊技制御処理におけるステップS01においては、設定された賭数が規定数に達しているか否かが判定される。ステップS01において賭数が規定数に達していると判定されなかったときには、ステップS01の処理が繰り返される。ステップS01において賭数が規定数に達していると判定されたときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)となり、ステップS02においてスタートスイッチ19への操作が検出されたか否か、つまりスタートレバーが作動したか否かが判定される。ステップS02においてスタートレバーが作動したと判定されなかったときには、ステップS02の処理が繰り返される。ステップS02においてスタートレバーが作動したと判定されたときには、ステップS03の内部抽選処理へ移行する。内部抽選処理へ移行する際には、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
ステップS03の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。役抽選では、図9で示す役抽選の対象となる当選役グループ各々について当選確率を特定可能な役抽選用テーブルが参照される。役抽選用テーブルは、ROM67の所定領域に格納されている。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態への移行を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定する役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する役である。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
ボーナス役としては、例えば、役名称を「RBB役1」〜「RBB役5」(以下、まとめてボーナス役、あるいは「RBB役」ともいう)とする複数種類の役と、「SB役」が設けられている。「RBB役1」〜「RBB役5」のうち「RBB役1」〜「RBB役3」と「SB役」とは、賭数として「3」が設定されている遊技において当選・入賞可能となる。一方、「RBB役4」および「RBB役5」は、賭数として「2」が設定されている遊技において当選・入賞可能となる。「RBB役1」〜「RBB役5」の図柄組合せ(入賞となる組合せ)には、各々、例えば、「B7」「R7」「BAR」などの図柄からなる組合せが予め定められている。RBB役に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(例えば、RBB1〜RBB3:36枚、RBB4,5:5枚)を超えた遊技で終了する。また、「SB役」の図柄組合せには、例えば、「BEL」「CH」など、後述する小役や再遊技役などを構成する図柄を含む組合せ(例えば、停止されたことを一見して遊技者が把握し難いばらけ目の組合せ等)が予め定められている。なお、「SB役」の図柄組合せは、「B7」「R7」「BAR」などの図柄からなる組合せが定められているものであってもよい。SB役に入賞したときには、次の1遊技だけシングルボーナス状態に制御される。
また、再遊技役としても、例えば、役名称を「通常RP役」や、「R7揃いRP役」、「B7揃いRP役」、「BAR揃いRP役」、「BARテンパイRP役」(以下、まとめて、「RP役」ともいう)とする複数種類の役が設けられている。これらを含む再遊技役の図柄組合せ(入賞となる組合せ)には、各々、「REP」「BEL」「B7」「R7」などの図柄からなる組合せが予め定められている。例えば、「通常RP役」の図柄組合せが入賞ラインNL上に停止されたときには、「REP」がいずれかのライン(例えば中段ライン(中段・中段・中段)等)に停止される。また、「R7揃いRP役」の図柄組合せが入賞ラインNL上に停止されたときには、「R7」がいずれかのラインに停止される。また、「B7揃いRP役」、「BAR揃いRP役」各々の図柄組合せが入賞ラインNL上に停止されたときには、対応する「B7」、「BAR」がいずれかのラインに停止される。また、「BARテンパイRP役」の図柄組合せが入賞ラインNL上に停止されたときには、「BAR」がいずれかのライン上の左中・中右・左右のいずれか2箇所にテンパイして停止される。
小役としては、例えば、役名称を「正解AT役」「1枚役」「スイカ役1」「スイカ役2」「チェリー役」とする複数種類の役が設けられている。「正解AT役」の図柄組合せ(入賞となる組合せ)が入賞ラインNL上に停止されたときには、「BEL」がいずれかのライン上に揃って停止される。「スイカ役1」「スイカ役2」は、まとめて「WM役」ともいう。「WM役」の図柄組合せが入賞ラインNL上に停止されたときには、「WM」がいずれかライン上に揃って停止される場合がある。「チェリー役」の図柄組合せが入賞ラインNL上に停止されたときには、「CH」がいずれかライン上に揃って停止される場合がある。他の小役についても同様に、「REP」「BEL」「WM」「CH」「B7」「R7」などの図柄からなる組合せが予め定められている。なお、小役が入賞したときには、小役に対して予め定められている枚数のメダルが払出される。例えば、「正解AT役」の払出枚数は、「10」に定められている。「スイカ役1」「スイカ役2」の払出枚数は、「3」に定められている。「1枚役」「チェリー役」の払出枚数は、「1」に定められている。このため、「1枚役」「チェリー役」をまとめて1枚役ともいう。なお、他の小役についても同様に、入賞したときの払出枚数が予め定められている。このようなメダル(遊技の進行に供する遊技価値)の付与は、疑似遊技では行われずに本遊技において行われる。
内部抽選処理では、予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図9を参照して、本実施形態における当選役グループについて説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、「RBB1」〜「RBB5」および「SB」が設けられている。「RBB1」〜「RBB5」は、それぞれ1つのボーナス役(前述した「RBB役1〜5」のうちのいずれか)から構成される当選役グループであり、「SB」は、「SB役」から構成される当選役グループである。なお、ボーナス役を含む当選役グループは、ボーナス役のみならず、他の役(例えばスイカ役、チェリー役など)と同時に当選する当選役グループを含むものであってもよい。
再遊技役の当選役グループとしては、「MRP1」「NRP1」〜「NRP3」が設けられている。「MRP1」「NRP1」〜「NRP3」は、各々、「通常RP役」、「R7揃いRP役」、「B7揃いRP役」、「BAR揃いRP役」、および「BARテンパイRP役」等を含む複数種類の再遊技役のうちの予め定められた役の組合せから構成される当選役グループである。「MRP1」「NRP1」〜「NRP3」各々を構成する役の組合せは、他の再遊技役の当選役グループを構成する役の組合せと異なるように定められている。例えば、「MRP1」「NRP3」は、ともに「通常RP役」を含む一方、両者で異なる再遊技役を含むことにより、各々を構成する役の組合せが異なるように定められている。また、「NRP1」「NRP2」は、ともに「通常RP役」、「R7揃いRP役」、「B7揃いRP役」、「BAR揃いRP役」、および「BARテンパイRP役」を含む一方、両者で異なる再遊技役を含むことにより、各々を構成する役の組合せが異なるように定められている。
小役の当選役グループとしては、「A_LC1」〜「A_RC2」、「B_LC1」〜「B_RC2」、「CH」、「WM1」、「WM2」、「SP1」、「SP2」、「BE」、「ALL1」、および「ALL2」が設けられている。これらの小役の当選役グループは、各々、「正解AT役」「1枚役」「スイカ役1」「スイカ役2」および「チェリー役」等を含む複数種類の小役のうちの予め定められた役の組合せから構成される当選役グループである。「A_LC1」〜「A_RC2」、「B_LC1」〜「B_RC2」、「CH」、「WM1」、「WM2」、「SP1」、「SP2」、「BE」、「ALL1」、および「ALL2」各々を構成する役の組合せは、他の小役の当選役グループを構成する役の組合せと異なるように定められている。例えば、「A_LC1」〜「A_RC2」、「B_LC1」〜「B_RC2」「BE」「ALL2」は、ともに「正解AT役」および「1枚役」を含む一方、それぞれで異なる小役を含むことにより、各々を構成する役の組合せが異なるように定められている。「A_LC1」〜「A_RC2」、「B_LC1」〜「B_RC2」は、AT中においてナビ演出の対象となるため、AT役ともいう。また、「CH」には、少なくとも「チェリー役」が含まれる。「WM1」「WM2」は、ともに「スイカ役1」「スイカ役2」を含む一方、それぞれで異なる小役を含むことにより、両者を構成する役の組合せが異なるように定められている。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、いずれのRBB役も当選していない「RT0」、RBB役1〜RBB役3のいずれかが当選している「RT1」、RBB役4およびRBB役5のいずれかが当選している「RT2」、RBB役1〜RBB役5各々の入賞に伴うボーナス状態である「RBB1」〜「RBB5」、SB役の入賞に伴うシングルボーナス状態である「SB」などが設けられている。「RT0」〜「RT2」は、まとめて一般遊技状態ともいう。また、ボーナス状態である「RBB1」〜「RBB5」は、まとめてRBBともいう。
図9の遊技状態欄には、3枚賭け時のRT0〜RT2、2枚賭け時のRT0〜RT2、RBB1〜5・SB各々において、役抽選の対象となる当選役グループを〇印で示し、役抽選の対象ではない当選役グループを×印で示している。特に、RBB1〜RBB3およびSBは、RT0中であって3枚賭け時のみにおいて役抽選の対象となり、RBB4、5は、RT0中であって2枚賭け時のみにおいて役抽選の対象となるように定められている。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了する。
ここで、当選役グループのうちの「A_LC1」〜「B_RC2」までの小役の当選確率と、「SB」中における抽選対象役の当選確率とについて説明する。まず、「A_LC1」〜「B_RC2」の当選確率は、2枚賭け時のRT0〜RT2であるときよりも3枚賭け時のRT0〜RT2であるときの方が、高確率となるように判定値が定められている。より具体的には、3枚賭け時のRT0〜RT2における「A_LC1」〜「B_RC2」の当選確率は、後述するナビ演出が実行され得るAT中における払出率(例えば、ペイアウト率=(期待できる払出枚数)/(賭数設定に用いる枚数)×100)が1以上となる確率となるように、判定値が定められている。これに対し、2枚賭け時のRT0〜RT2における「A_LC1」〜「B_RC2」の当選確率は、後述するナビ演出が実行され得るAT中であっても、払出率が1未満となる確率となるように、判定値が定められている。払出率が1未満となる状態は、(期待できる払出枚数)から(賭数設定に用いる枚数)を差し引いた差引枚数が0未満となる状態であるとも言い換えることができる。
また、「SB」中においては、図9に示すように、「ALL1」と「ALL2」とが抽選対象役に定められている。後述するように、「ALL1」に当選した遊技においては、メダルが1枚払出され、「ALL2」に当選した遊技においてはメダルが10枚払出される。しかし、「SB」中における抽選対象役の当選確率は、「ALL2」よりも「ALL1」の方が、高確率となるように判定値が定められている。より具体的に、「ALL1」および「ALL2」各々の当選確率は、「SB」中の払出率が1未満となる確率となるように、判定値が定められている。
図5に戻り、ステップS03における内部抽選処理が行われた後においては、ステップS04において役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、RBB役に当選したときにはいずれかの「RBB役」に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、RP役に当選したときにはいずれかの再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「A_LC1」〜「A_RC2」、「B_LC1」〜「B_RC2」などに当選したときにはAT役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
ステップS05では、押し順バッファ設定処理が行われる。図6(a)は、押し順バッファ設定処理を説明するためのフローチャートである。RAM65には、ストップスイッチ21L〜21Rに対する停止操作の態様(押し順等)が定められている値を記憶するための押し順バッファが設けられている。
押し順バッファ設定処理におけるステップS31では、まず、押し順バッファに記憶されている値がクリア、つまり「0」の値に更新される。ステップS32では、有利操作態様を報知するときとなるAT中であるか否かが判定される。ステップS32においてAT中であると判定されなかったときには、押し順バッファ設定処理を終了する。一方、ステップS32においてAT中であると判定されたときには、ステップS33において有利期間報知ランプ80を点灯させる処理が行われる。なお、すでに有利期間報知ランプ80が点灯しているときには、当該点灯が維持される。
ステップS34においては、有利操作態様を報知する対象となる当選役グループであるAT役に当選しているか否かが、当選フラグ等に基づいて判定される。ステップS34においてAT役に当選していると判定されなかったときには、押し順バッファ設定処理を終了する。一方、ステップS34においてAT役に当選していると判定されたときには、ステップS35において成立したAT役に応じて特定(選択)した値が、押し順バッファに保存(記憶)される。ステップS35において値を特定する際には、成立したAT役に対応する有利操作態様に合致する操作態様が定められている値のうちからいずれかの値が特定される。押し順バッファに保存された値は、少なくとも図5のステップS14において取得されるまで保持され、次回の遊技におけるステップS31を実行時にクリアされる。
図6(b)は、押し順バッファに記憶され得る値と、当該値に定められている停止操作態様(操作関連情報)であって、報知用表示器60に表示される表示内容と、液晶表示器27に表示される表示内容とが示されている。報知用表示器60に表示される表示内容としては、図6(b)において「1」〜「12」が例示されている。液晶表示器27に表示される表示内容としては、丸付の「1」〜「3」の数字や、「?」、「×」が示されており、左から左リールについての押し順や正解・不正解等に関する情報・中リールについての押し順や正解・不正解等に関する情報・右リールについての押し順や正解・不正解等に関する情報が示されている。
例えば、値「1」に対しては、報知用表示器60に表示される表示内容として「1」が定められており、液晶表示器27に表示される表示内容として「1・2・3」が定められており、左リール11Lを第1停止させ、中リール11Mを第2停止させ、右リール11Rを第3停止させる操作態様(いわゆる1択となる有利操作態様)が定められている。また、値「5」に対しては、報知用表示器60に表示される表示内容として「5」が定められており、液晶表示器27に表示される表示内容として「2・3・1」が定められており、右リール11Rを第1停止させ、左リール11Lを第2停止させ、中リール11Mを第3停止させる操作態様が定められている。また、値「7」に対しては、報知用表示器60に表示される表示内容として「7」が定められており、液晶表示器27に表示される表示内容として「1・?・?」が定められており、左リール2Lを第1停止させることが正解手順であり、第2停止が中リール11Mおよび右リール11Rのいずれであるかを特定できないこと(いわゆる2択となる有利操作態様)が示されている。また、値「10」に対しては、報知用表示器60に表示される表示内容として「10」が定められており、液晶表示器27に表示される表示内容として「×・?・?」が定められており、左リール2Lが第1停止ではなく不正解手順であり、第1停止が中リール11Mおよび右リール11Rのいずれであるか、および第2停止が残りのリールのいずれであるかを特定できないこと(いわゆる4択となる有利操作態様)が示されている。なお、値「0」には、報知用表示器60に表示される表示内容が定められておらず報知用表示器60が非表示状態となり、液晶表示器27については任意となっている。任意とは、例えば、遊技者の停止操作の態様にかかわらず遊技の結果が同じとなる当選役グループ(リプレイ)に当選しているときや、疑似遊技を実行しているときなどに限り、液晶表示器27において「リプレイ」といった画像や、任意の押し順を報知することが許容され得ることをいう。
AT役のうち「正解AT役」を入賞させるための有利操作態様として、左リール11Lを第1停止させて、次に中リール11Mを第2停止させ、最後に右リール11Rを第3停止させる態様が定められている「A_LC1」に当選している場合、ステップS35では、「A_LC1」の有利操作態様として適切な値である「1」「7」「11」「12」のいずれかを特定して、当該値が押し順バッファに保存(記憶)される。いずれかの値を特定する際には、AT中の払出率に関するモードや、有利期間における純増枚数・消化ゲーム数などの遊技の進行に応じて更新される特定のパラメータに基づいて割合が変化するものであってもよく、同じ割合となるものでもよい。さらに、AT中におけるメダルの純増枚数を変化させるために当選したAT役の有利操作態様を所定割合で報知しないように制御する場合には、値「0」も含めていずれかの値を特定するようにしてもよい。また、当選役グループの種類から複数の値のいずれかが特定されるものに限らず、当選役グループの種類から一義的に一の値が特定されるように定められているものであってもよい。例えば、上述のいわゆる1択となる有利操作態様しか有していない遊技機であれば、AT中であって「A_LC1」に当選したときは値「1」を特定するようにしてもよい。
図5に戻り、ステップS06においては、スタートレバー後のAT系抽選処理として第1関連処理が行われる。ステップS06の第1関連処理では、有利期間にかかわる処理が行われる。本実施形態においては、通常期間において、所定の有利期間移行条件が成立することにより有利期間に制御可能となる。有利期間は、有利一般、チャンスゾーン(以下、CZという)、および、アシストタイム(以下、ATという)を含む。有利一般は、CZに移行するか否かのCZ移行抽選を実行可能な期間である。CZは、AT遊技を実行可能なATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。有利一般は、CZあるいはAT遊技を実行可能なATに移行するか否かの移行抽選(CZ移行抽選、AT移行抽選)を実行可能な期間である。CZは、ATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。AT移行抽選においてATに移行する旨が決定される割合は、有利一般中であるときよりもCZ中であるときの方が高い。
有利期間のうちの有利一般およびCZは、当該期間中の払出率が1を超えない期間(例えば、有利期間中非出玉期間ともいう)であるのに対し、ATは、AT遊技が行われる結果、AT中の払出率が1を超える期間(例えば、有利期間中出玉期間ともいう)であるといえる。有利期間においては、まず有利一般に制御される。また、有利一般中においては、所定のCZ移行抽選条件が成立することにより行われるCZ移行抽選において当選することによりCZに制御可能となる。また、有利一般中およびCZ中においては、所定のAT移行抽選条件が成立することにより行われるAT移行抽選において当選することによりATに制御可能となる。よって、有利期間は、ATに制御可能な期間であるといえる。また、有利期間のうちのATは、遊技者にとって有利な有利状態であるといえる。
所定の有利期間移行条件は、内部抽選処理における役抽選の結果に基づいて成立する条件である。図10(a)は、有利期間移行条件を成立させる当選役グループを示している。有利期間移行条件は、当選役グループのうちの「SB」、「A_LC1」〜「B_RC2」、「CH」、「WM1」、「WM2」、「SP1」、「SP2」、「BE」のうちのいずれかに当選することにより成立して、有利期間に制御される。なお、有利期間への移行条件は、当選確率に設定差が設けられている当選役グループに当選することによっても成立し、当選確率に設定差が設けられていない当選役グループに当選することによっても成立する。また、有利期間への移行条件は、役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている特定の当選役グループに当選することにより成立するものであってもよい。「役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている」とは、いずれの状態においても役抽選における当選確率が一律に定められているものをいう。
また、所定のCZ移行抽選条件および所定のAT移行抽選条件各々についても、例えば図10(b)に示す当選役グループ(SB、「A_LC1」〜「B_RC2」、「CH」、「WM1」、「WM2」、「SP1」、「SP2」、「BE」)のいずれかに当選することにより成立する。AT移行抽選条件が成立したときには、図10(b)に示すように、当選している当選役グループの種類に応じて予め定められているAT当選確率で、AT移行抽選において当選する。このため、通常期間において例えば「SB」に当選したときには、有利移行条件が成立することにより有利期間に制御され、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件が成立して抽選が行われ、AT移行抽選において当選した場合には当該有利期間のうちATに制御される場合も生じ得る。なお、有利期間移行条件、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件が全く同じ条件である例を示しているが、これに限らず、全く異なる条件であってもよく、さらには一部が共通する条件を含むものであってもよい。
有利期間を終了させる条件は、後述するように有利期間の上限値(例えば上限ゲーム数:1500)到達を示す有利期間カウンタ=1500となることにより成立する第1の条件と、有利期間において賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数が有利期間の上限値(例えば上限累計数:2400)に到達することにより成立する第2の条件を含む。累計数は、有利期間中において更新される累計数カウンタの値に応じて特定される。有利期間カウンタおよび累計数カウンタは、ともに、RAM65の所定領域において更新される。なお、第1の条件である上限ゲーム数1500や、第2の条件である上限累計数2400については、必ずしもその数値に到達するとは限らず、これらの条件を超えることのない数値で有利期間が終了されることもあり、例えば、第1の条件においては1450前後で終了したり、第2の条件においては2300前後で終了したりするようにしてもよい。
有利期間を終了させる条件としては、さらに、ATゲーム数やATナビ回数が終了したことや、ATが終了した後における有利一般中においてCZあるいはATに移行されることなく遊技を所定回数消化することや、ATが終了した後におけるCZ中においてATに移行されることなく遊技を所定回数消化することなどにより成立する第3の条件などを含む。以下においては、有利期間(有利一般、CZおよびATのいずれか)を終了させる条件をまとめて「有利期間を終了させる条件(有利期間終了条件)」ともいう。有利期間を終了させる条件は、少なくとも第1の条件と第2の条件とを含むものであれば、本実施形態において例示したものに限らず、他の予め定められている事象により成立し得る条件であってもよい。
第1関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件(例えば所定の当選役グループに当選)、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況(例えば今回遊技により有利期間の上限遊技回数(1500)あるいは上限累計数(2400)に到達等)であるか否かを判定し、成立させ得る状況であるときには当該条件が成立する可能性があることを煽る演出を実行する。例えば、メインCPU61は、すべてのセグメントを点滅させる態様でペイアウト表示器46、報知用表示器60等を駆動制御する。
ステップS07においては、遊技機に関する試験等を円滑に行うための試験用信号を外部出力装置90を介して外部に出力するための処理が行われる。試験用信号には、当選している役の種類や、当該役に対応する最適な押し順あるいは最適な押し位置(停止操作タイミング等)を特定可能な情報が含まれる。
ステップS08においては、サブ制御基板73に対してコマンドが送信される。ステップS08において出力されるコマンドには、有利期間やATに関連する情報を特定するためのコマンドや、押し順バッファに記憶した値を特定するための情報を含む押し順コマンドなどが含まれる。これにより、サブ制御基板73側においても押し順バッファに記憶した値に対応する表示内容(図6(b)参照)である操作態様を報知するための演出を液晶表示器27等において実行可能となる。また、前述した所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況であるときには、メインCPU61は成立する可能性がある条件を特定可能な条件関連コマンドをサブ制御基板73に出力する。これにより、例えば、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および有利期間を終了させる条件各々について成立する可能性を液晶表示器27により報知することができる。このように、第1関連処理は、有利期間にかかわる条件等が成立し得るか否かに応じた処理を実行するものである。実際に有利期間に移行させるための処理、および有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定して有利期間を終了させるための処理等については、例えば後述するステップS19等の処理により行われる。
ステップS09においては、RBBなどのボーナス中であるか、または、2枚賭時の遊技であるかが判定される。ステップS09においてボーナス中であると判定されたときや、2枚賭時の遊技であると判定されたときには、ステップS12へ移行する。ステップS09においてボーナス中であると判定されず、かつ2枚賭時の遊技であるとも判定さなかったときには、ステップS10において特定条件が成立しており疑似遊技が実行されるときであるか否かが判定される。ステップS10において疑似遊技が実行されるときであると判定されなかったときには、ステップS12へ移行する。ステップS10において疑似遊技が実行されるときであると判定されたときには、ステップS11において疑似遊技処理が行われる。
図7は、疑似遊技処理を説明するためのフローチャートである。ステップS41においては、サブ制御基板73に対して疑似遊技開始コマンドが送信される。これにより、サブ制御基板73側において疑似遊技が開始される旨を特定できる。その結果、サブ制御基板73側においては、例えば、遊技特定用ランプ82や液晶表示器27等を用いて疑似遊技中であることが特定可能となる疑似遊技特定報知を行うことが可能となる。また、サブ制御基板73側においては、例えば、有利期間中であるかAT中であるかにかかわらず、疑似遊技中において停止操作の態様(例えば、押し順、停止タイミング、狙う図柄等)を液晶表示器27において表示することが可能となる。ステップS42においては、疑似遊技リール起動処理が行われる。疑似遊技リール起動処理では、疑似遊技を開始するために、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させる処理が行われる。
ステップS43においては、振動制御フラグがセットされる。振動制御フラグとは、疑似遊技中においてストップスイッチへの操作に応じて疑似停止されているリールを、一定時間(例えば、500msec)毎に微振動させる処理を行うためのフラグである。ステップS44においては、疑似停止有効化処理が行われる。疑似停止有効化処理では、例えば、ステップS42における疑似遊技リール起動処理により開始されたリール11L〜11R各々の回転速度が一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより疑似停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの疑似停止操作を有効に受け付ける状態(疑似停止有効化)とする。また、疑似停止有効化処理では、疑似停止有効化に伴って、ストップスイッチ21L〜21R各々の操作部の内部に搭載されているLED(停止可ランプともいう)を疑似態様(例えば、赤色)で点灯させる処理が行われる。なお、疑似停止有効化処理において疑似停止有効化とする一定速度とは、例えば、前述した定常回転速度である所定速度と同じ速度であってもよく、また、所定速度よりも遅い速度や、所定速度よりも速い速度などであってもよい。また、疑似停止有効化とする一定速度は、定常回転速度のように一つの速度に定められているものではなく、例えば、疑似遊技毎に複数の速度からいずれかが特定される(つまり、疑似遊技毎に異なる)ものであってもよい。
ステップS45においては、疑似遊技リール停止処理が行われる。疑似遊技リール停止処理では、回転中のリールに対応するストップスイッチへの操作により、当該リールの回転を終了させて疑似停止させる処理が行われる。なお、疑似遊技リール停止処理では、ストップスイッチへの操作態様(例えば、押し順、操作タイミング等)に応じた位置でリールを疑似停止させるもの(後述するステップS16におけるリール停止処理と同様)であってもよく、ストップスイッチへの操作態様(操作タイミング、押し順、操作の有無などを含む)にかかわらず予め定められている位置や予め決定される位置等でリールを疑似停止させるものであってもよい。なお、疑似遊技において疑似停止させる位置つまり疑似停止させる図柄が、予め定められている場合や予め決定される場合、メイン制御基板63は、予め定められている図柄あるいは予め決定される図柄であって疑似停止させる予定の図柄を特定可能な情報(疑似停止予定図柄コマンド)をサブ制御基板73側へ送信するようにしてもよい。サブ制御基板73側においては、当該疑似停止予定図柄コマンドに基づいて疑似遊技中に報知するナビ演出等の報知内容を決定(例えば、後述する図15のステップS121)するようにしてもよい。なお、メイン制御基板63は、疑似停止させる予定の図柄を特定可能な疑似停止予定図柄コマンドを送信する例について説明したが、予め定められている場合として、疑似遊技が発生したときには特定の図柄組合せが必ず疑似停止される場合、サブ制御基板73側においては、ステップS41において送信される疑似遊技開始コマンドに基づいて特定の図柄組合せに対応する報知内容を特定(例えば、後述する図15のステップS121)するようにしてもよい。
また、疑似遊技リール停止処理では、ストップスイッチへの操作に応じてリールを疑似停止させたときに、当該疑似停止させたリールと当該リールに配列されている図柄とを特定可能な情報(例えば、疑似停止図柄特定用コマンド等)や、すべてのリールが疑似停止されたときに疑似停止されている図柄組合せを特定可能な情報(例えば、疑似停止図柄組合せ特定用コマンド等)をサブ制御基板73側へ出力するようにしてもよい。また、サブ制御基板73側においては、疑似停止図柄特定用コマンドや疑似停止図柄特定用コマンドに基づいて、疑似停止されている図柄に応じた演出を行うようにしてもよい。
また、振動制御フラグがセットされている間においては、疑似停止しているリールを制御するリールモータに対して励磁相を変化させる励磁信号を一定時間(例えば、500msec)毎に出力する。これにより、疑似遊技中において疑似停止しているリールを一定時間(例えば、500msec)毎に微振動させることができる。
ストップスイッチ等への操作に応じて疑似停止させる場合、疑似遊技中における疑似遊技リール停止処理では、当該操作を有効に受け付けてから、当該操作に対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲(停止上限範囲)内および当該引込み可能範囲を超えて配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを疑似停止させる処理を行う。引込み可能範囲は、後述するように4図柄先までの範囲である。引込み可能範囲を超えて配列されている図柄とは、4を超える所定数図柄先までに配列されている図柄である。所定数とは、リールに配列されている1周分の図柄数(20図柄)や、1回転させた後にいずれの図柄も停止可能となる2周分の図柄数(40図柄)、30などの任意の図柄数などであってもよい。このため、疑似遊技中における疑似遊技リール停止処理では、操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄および4図柄を超えて5図柄以上先に配列されている図柄を入賞ラインNL上に疑似停止可能となる。
ステップS46においては、すべてのリールが疑似停止したか否かが判定される。ステップS46においてすべてのリールが疑似停止していると判定されなかったときには、ステップS48において、疑似遊技が開始されてから所定時間(例えば5分等)が経過したか否かが判定される。ステップS48において疑似遊技が開始されてから所定時間が経過したと判定されたときには、ステップS49において回転中のリールを強制的に疑似停止させて、ステップS50へ移行する。強制的に疑似停止させる際、遊技者にとって最適な態様で疑似停止される。最適な態様とは、例えば、押し順バッファに記憶されている値に応じた停止操作の態様であってもよく、また、後述するように疑似遊技中にサブ制御基板73側において報知する押し順等をメイン制御基板63側において決定する場合には当該押し順等となる態様であってもよい。
一方、ステップS48において疑似遊技が開始されてから所定時間が経過したと判定されなかったときには、ステップS47において疑似遊技を途中でキャンセルするための疑似キャンセル操作が行われたか否かを判定する。疑似キャンセル操作としては、例えば、精算スイッチ23への操作である。なお、疑似キャンセル操作としては、精算スイッチ23などの他の機能を生じさせるための操作を受け付ける操作手段を兼用して当該操作手段への操作としてもよく、また、疑似キャンセル専用の操作手段への操作としてもよい。
ステップS47において、疑似キャンセル操作が行われたと判定されたときには、ステップS51へ移行する。なお、疑似キャンセル操作が行われたと判定されたときには、ステップS49へ移行させるようにしてもよい。一方、ステップS47において疑似キャンセル操作が行われたと判定されなかったときには、ステップS45へ移行する。
ステップS46においてすべてのリールが疑似停止していると判定されたときや、ステップS49が行われた後においては、ステップS50においてスタートレバーが作動したか否かが判定される。スタートレバーが作動したと判定されなかったときには、ステップS50の処理が繰り返される。スタートレバーが作動したと判定されたときには、ステップS51においてサブ制御基板73に対して疑似遊技終了コマンドが送信される。これにより、サブ制御基板73側において疑似遊技が終了した旨を特定でき、例えば、疑似遊技中であることが特定可能となる疑似遊技特定報知を終了することや、液晶表示器27において表示している停止操作の態様(例えば、押し順、停止タイミング、狙う図柄等)などを消去することが可能となる。
特定条件が成立することにより、複数回の疑似遊技が行われる場合には、ステップS50においてスタートレバーが作動したと判定されたときに、次回も疑似遊技を行うか否かを判定し、次回も疑似遊技を行う場合にはステップS42に移行し、疑似遊技を終了する場合にはステップS51に移行される。また、特定条件が成立した際に、疑似遊技を行う回数が決定されるものであってもよく、このように予め複数回の疑似遊技を行うことが決定されている場合であって、ステップS50においてスタートレバーが作動したと判定されたときに未だ未消化の疑似遊技があるか否かを判定し、未だ未消化の疑似遊技がある場合にはステップS42に移行し、未消化の疑似遊技がない場合にはステップS51に移行される。
ステップS50においてスタートレバーが作動したと判定されることにより、ステップS42に移行する場合を除き、疑似遊技が終了して、ランダム遅延処理を行った後にリール回転させて疑似遊技ではなく遊技価値や特典の付与にかかわる図柄組合せを停止させるための遊技に移行されることとなる。疑似遊技では、疑似停止された図柄組合せ等にかかわらず遊技価値や特典が付与されることがない。疑似遊技ではなく遊技価値や特典の付与にかかわる図柄組合せを停止させるための遊技は、疑似遊技と区別するために本遊技(あるいは通常遊技)という。本遊技においては、本停止が可能となり、疑似遊技においては、疑似停止が可能となる。
なお、ステップS50においてスタートレバーが作動したと判定されなかったときであっても、疑似遊技が開始(リール回転開始)されてから所定時間が経過していると判定されるときには、スタートレバーが作動したものとみなして、次の処理(例えば、ステップS51、疑似遊技の回数等に応じてステップS42等)に移行させるようにしてもよい。
ステップS43においてセットされた振動制御フラグは、以降においても維持され、後述するようにランダム遅延後においてすべてのリールの回転が開始されたときにリセットされる。このため、疑似停止しているリールに対して一定時間毎に発生する微振動は、ランダム遅延処理開始後においても継続され、ランダム遅延処理後においてすべてのリールの回転が開始されるまで継続する。
図5に戻り、ステップS12においては、ウェイトタイムが経過しているか否かが判定される。ウェイトタイムは、次遊技のストップスイッチの停止有効化となるまでの期間が一定期間以上となるようにするものである。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始されるものであってもよい。ステップS12においてウェイトタイムが経過していると判定されなかったときには、ステップS12の処理が繰り返される。
ステップS12においてウェイトタイムが経過していると判定されたときには、ステップS13において押し順バッファの値として「0」が記憶されているか否かが判定される。押し順バッファの値が「0」の場合とは、例えば、図6(a)のステップS31においてクリアされた後に、AT中でないためにステップS35の処理が行われなかった場合である。ステップS13において押し順バッファの値として「0」が記憶されていると判定されたときには、ステップS15に移行される。これにより、報知用表示器60において停止操作の態様が報知されず、非表示状態となる。一方、ステップS13において押し順バッファの値として「0」が記憶されていると判定されなかったときには、ステップS14において押し順バッファの値を取得し、当該値に対応する表示内容であって遊技者にとって有利な停止操作の態様を特定可能となる停止操作情報を報知用表示器60に表示する。これにより、報知用表示器60において有利操作態様が報知され得る。なお、ステップS14において報知用表示器60により有利操作態様を報知する処理は、疑似遊技が発生した場合であっても、当該疑似遊技を行うための処理(ステップS11等)の終了後に行われる。このため、仮に、押し順バッファの値として「0」以外の値が記憶されている場合であっても、疑似遊技中に報知用表示器60において有利操作態様が報知されることはない。
ステップS15においては、リール起動処理が行われる。図8は、リール起動処理を説明するためのフローチャートである。ステップS61においては、疑似遊技終了後であるか否か、または、疑似遊技中に発生した電断復帰後であるか否かが判定される。疑似遊技終了後であるとも疑似遊技中に発生した電断復帰後であるとも判定されなかったときには、ステップS63へ移行する。疑似遊技終了後であると判定されたときあるいは疑似遊技中に発生した電断復帰後であると判定されたときには、ステップS62においてランダム遅延ウェイト処理を行う。ランダム遅延ウェイト処理とは、例えば、回転開始対象となるリールの回転開始タイミングを遅延させる遅延時間を決定し、当該遅延時間が経過するまで待機するための処理である。遅延時間は、ランダム遅延ウェイト処理毎に、例えば5.96msec〜750.96msecの範囲内から乱数抽選などによりランダムに決定される。ランダム遅延ウェイト処理では、決定した遅延時間が経過するまで待機し、遅延時間が経過したと判定されたときに次の処理(ステップS62の場合にはステップS63)に移行する。ステップS63では、リールモータ14Lを駆動制御して、左リール11Lを回転させる左リール起動処理が行われる。これにより、疑似遊技終了後でも疑似遊技中に発生した電断復帰後でもないときには、即座に左リール11Lの回転が開始されるのに対し、疑似遊技終了後または疑似遊技中に発生した電断復帰後においては、ランダムに遅延させた後に左リール11Lの回転が開始される。
ステップS64においては、疑似遊技終了後であるか否か、または、疑似遊技中に発生した電断復帰後であるか否かが判定される。疑似遊技終了後であるとも疑似遊技中に発生した電断復帰後であるとも判定されなかったときには、ステップS66へ移行する。疑似遊技終了後であると判定されたときあるいは疑似遊技中に発生した電断復帰後であると判定されたときには、ステップS65においてランダム遅延ウェイト処理を行う。ステップS66では、リールモータ14Cを駆動制御して、中リール11Mを回転させる中リール起動処理が行われる。これにより、疑似遊技終了後でも疑似遊技中に発生した電断復帰後でもないときには、即座に中リール11Mの回転が開始されるのに対し、疑似遊技終了後または疑似遊技中に発生した電断復帰後においては、ランダムに遅延させた後に中リール11Mの回転が開始される。
ステップS67においては、疑似遊技終了後であるか否か、または、疑似遊技中に発生した電断復帰後であるか否かが判定される。疑似遊技終了後であるとも疑似遊技中に発生した電断復帰後であるとも判定されなかったときには、ステップS69へ移行する。疑似遊技終了後であると判定されたときあるいは疑似遊技中に発生した電断復帰後であると判定されたときには、ステップS68においてランダム遅延ウェイト処理を行う。ステップS69では、リールモータ14Rを駆動制御して、右リール11Rを回転させる処理が行われる。これにより、疑似遊技終了後でも疑似遊技中に発生した電断復帰後でもないときには、即座に右リール11Rの回転が開始されるのに対し、疑似遊技終了後または疑似遊技中に発生した電断復帰後においては、ランダムに遅延させた後に右リール11Rの回転が開始される。なお、ステップS63やステップS66、ステップS68においてリールの回転が開始されるまでは、振動制御フラグがセットされていることにより、一定時間毎に微振動が発生することになる。振動制御フラグは、すべてのリールの回転が開始されたときにステップS70においてリセットされる。また、すべてのリールの回転が開始されたときには、サブ制御基板73に対してリール回転開始コマンドが送信される。図8のステップS61〜S69で示した処理は、まとめてランダム遅延処理ともいう。
ステップS71においては、リール11L〜11R各々の回転速度が定常回転速度に到達し(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが所定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態であるか否かが判定される。ステップS71において停止操作可能な状態であると判定されなかったときには、ステップS71の処理が繰り返される。ステップS71において停止操作可能な状態であると判定されたときには、ステップS72においてリール停止有効化処理が行われる。リール停止有効化処理では、ストップスイッチ21L〜21Rへの停止操作(本遊技における停止操作を本停止操作ともいい、本遊技における停止を本停止ともいう)を有効に受け付ける状態(本停止有効化)とするとともに、ストップスイッチ21L〜21R各々の操作部の内部に搭載されているLED(停止可ランプともいう)を通常態様(例えば、青色)で点灯させる処理が行われる。なお、本停止有効化とは、本遊技における停止操作を有効に受け付ける状態とすることであるのに対し、ステップS44で示した疑似遊技における疑似停止操作を有効に受け付ける状態とする疑似停止有効化とは異なるものである。
図5に戻り、ステップS16においては、リール停止処理が行われる。リール停止処理では、回転中のリールに対応するストップスイッチへの操作により、当該リールの回転を終了させて停止させる処理が行われる。より具体的に、リール停止処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲(停止上限範囲)内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させる処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲である。このため、本遊技中におけるリール停止処理では、停止操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
RBB役を構成する図柄(例えば、「B7」「R7」「BAR」などの図柄)は、各々、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、リール11Lにおいて、「B7」図柄は、2つしか配列されておらず、図柄番号3〜12の図柄が入賞ラインNL上を通過中にストップスイッチ21Lを停止操作したときには、「B7」図柄を入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、RBB役は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、RBB役のいずれかに当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、RBB役については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RBB内部当選状態であるRT1またはRT2に制御されて当該RBB役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
CB役を構成する図柄(例えば、「BEL」「CH」などの図柄)には、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する図柄を含む。例えば、CB役を構成する図柄のうち中図柄が「CH1」により構成される。この場合、リール11Mにおいて、「CH1」図柄は、1つしか配列されておらず、図柄番号3〜17の図柄が入賞ラインNL上を通過中にストップスイッチ21Mを停止操作したときには、「CH1」図柄を入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、SB役は、当選していてもストップスイッチの操作タイミングによっては入賞ラインにSB役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、SB役のいずれかに当選しているときには、当選しているSB役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、SB役に入賞しない場合が生じる。なお、SB役については、RBB役と異なり、当選した遊技において入賞させることができなかった場合には当該SB役の当選フラグはクリアされて、次遊技以降に持ち越されることはない。
「MRP1」「NRP1」〜「NRP3」を構成する図柄(例えば、「REP」「BEL」「B7」「R7」などの図柄)は、各々、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている図柄と、引込み可能範囲内に配列されていない図柄とを含む。しかし、「MRP1」「NRP1」〜「NRP3」に当選したときには、複数種類の再遊技役に同時に当選し、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、同時当選している再遊技役のいずれかを入賞させることができる。
リール停止処理では、複数種類の役に当選しているときには、当選している役の種類(役抽選の結果)およびストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングおよび押し順(操作態様)に応じて、優先して引き込む対象が予め定められている。図11(a)は、3枚賭け時のRT0中またはRT1中の当選役グループ毎に行われるリール制御および停止可能な出目の例を説明するための図である。「NRP1」に当選しているときには、図11に記載のとおり、リール11Lを第1停止させたときには、「通常RP役」を他の当選役よりも入賞ラインNL上に優先して引き込むリール制御を行い、リール11Mを第1停止させたときには、「BAR揃いRP役」および「B7揃いRP役」を他の当選役よりも入賞ラインNL上に優先して引き込むリール制御を行い、リール11Rを第1停止させたときには、「R7揃いRP役」および「BARテンパイRP役」を他の当選役よりも入賞ラインNL上に優先して引き込むリール制御を行う。同様に、「NRP2」に当選しているときには、図11に記載のとおり、リール11Lを第1停止させたときには、「通常RP役」を他の当選役よりも入賞ラインNL上に優先して引き込むリール制御を行い、リール11Mを第1停止させたときには、「R7揃いRP役」および「BARテンパイRP役」を他の当選役よりも入賞ラインNL上に優先して引き込むリール制御を行い、リール11Rを第1停止させたときには、「BAR揃いRP役」および「B7揃いRP役」を他の当選役よりも入賞ラインNL上に優先して引き込むリール制御を行う。なお、「MRP1」や「NRP3」に当選しているときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作態様にかかわらず、「通常RP役」を入賞ラインNL上に優先して引き込むリール制御を行う。
次に、小役のうち「A_LC1」〜「A_RC2」、「B_LC1」〜「B_RC2」のいずれかに当選しているときのリール停止処理について説明する。「A_LC1」〜「A_RC2」、「B_LC1」〜「B_RC2」のいずれかに当選しているときには、第1停止させたリールの種類および第2停止させたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。
例えば、「A_LC1」に当選しているときにおいて、図11に示すように、左第1停止(左のリール11Lを第1停止)した後、中第2停止(中のリール11Mを第2停止)したとき(L−C−R)には、「正解AT役」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。また、「正解AT役」を構成する図柄は、引込み可能範囲内に配列されているために、「正解AT役」の取りこぼしが発生することはない。よって、「A_LC1」に当選しているときにおいて、左第1停止・中第2停止したときには、必ず「正解AT役」に入賞するようにリール制御が行われる。「正解AT役」に入賞したときには、例えば、10枚のメダル払出を伴う。
一方、「A_LC1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止(中あるいは右のリール11Mあるいは11Rを第1停止)したときや、左第1停止した後に右第2停止したときには、「正解AT役」よりも同時当選している他の役を優先して引き込むように定められている。「A_LC1」に当選しているときにおいて左第1停止した後に右第2停止したときには、1/2の割合(タイミング)で入賞ラインNL上に引き込み可能な図柄から構成されている「1枚役」を優先して引き込むように定められている。このため、ストップスイッチの操作タイミングによって、「1枚役」を構成する図柄を、1/2の割合で入賞ラインに引き込み入賞させ、1/2の割合でいずれも入賞させることができない場合が生じる。つまり、1/2の割合で1枚役が入賞する。また、「A_LC1」に当選しているときにおいて中あるいは右第1停止したときには、1/4の割合(タイミング)で入賞ラインNL上に引き込み可能な図柄から構成されている「1枚役」を優先して引き込むように定められており、ストップスイッチの操作タイミングによって1/4の割合でいずれかの役を入賞ラインに引き込み入賞させ、3/4の割合でいずれも入賞させることができない場合が生じる。つまり、1/4の割合で1枚役が入賞する。
また、「A_LC2」当選時においても、左第1停止・中第2停止したとき(L−C−R)には、「正解AT役」を他の役よりも優先して引き込み、「正解AT役」に入賞するようにリール制御が行われる。これに対し、左第1停止した後に右第2停止したときには、1/2の割合(タイミング)で入賞ラインNL上に引き込み可能な図柄から構成されている「1枚役」を優先して引き込み、1/2の割合で1枚役を入賞ラインに引き込み入賞させ、1/2の割合でいずれも入賞させることができない場合が生じる。また、中あるいは右第1停止したときには、1/4の割合(タイミング)で入賞ラインNL上に引き込み可能な図柄から構成されている「1枚役」を優先して引き込むように定められており、ストップスイッチの操作タイミングによって1/4の割合で1枚役を入賞ラインに引き込み入賞させ、3/4の割合でいずれも入賞させることができない場合が生じる。
次に、「A_LR1」当選時においては、左第1停止・右第2停止したとき(L−R−C)には、「正解AT役」を他の役よりも優先して引き込み、「正解AT役」に入賞するようにリール制御が行われる。これに対し、左第1停止した後に中第2停止したときには、1/2の割合(タイミング)で入賞ラインNL上に引き込み可能な図柄から構成されている「1枚役」を優先して引き込み、1/2の割合で1枚役を入賞ラインに引き込み入賞させ、1/2の割合でいずれも入賞させることができない場合が生じる。また、中あるいは右第1停止したときには、1/4の割合(タイミング)で入賞ラインNL上に引き込み可能な図柄から構成されている「1枚役」を優先して引き込むように定められており、ストップスイッチの操作タイミングによって1/4の割合で1枚役を入賞ラインに引き込み入賞させ、3/4の割合でいずれも入賞させることができない場合が生じる。
「A_LR2」〜「B_RC2」当選時においても、図11に示すように、「正解AT役」に対応する押し順で停止操作されたときには当該「正解AT役」に入賞するようにリール制御が行われ、それ以外の押し順で停止操作されたときには当該押し順に応じた割合で1枚役に入賞するようにリール制御が行われる。このように、「A_LC1」〜「B_RC2」は、押し順に応じて入賞ラインNLに優先して引き込む役が異なり、「正解AT役」に入賞したときには「BEL」がライン上に停止するため、押し順ベルともいう。
「A_LC1」〜「B_RC2」のいずれかに当選しているときにおいて、「正解AT役」を入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「A_LC1」〜「B_RC2」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知可能となる。このように、「A_LC1」〜「B_RC2」は、AT中においてナビ演出の対象となるためナビ対象役ともいう。なお、「B_LC1」〜「B_RC2」については、遊技状態がRT1中であるときには、押し順にかかわらず必ず「正解AT役」に入賞するようにリール制御が行われる。
前述したように、3枚賭け時のRT0中またはRT1中における「A_LC1」〜「B_RC2」の当選確率は、ナビ演出が実行され得るAT中における払出率が1以上となる確率となるように、判定値が定められている。このため、3枚賭け時の遊技において有利期間に制御されてATに制御されたときには、遊技者所有のメダルが増加する期待感を遊技者に抱かせることができる。
本実施形態においては、2枚賭け時のRT0中等における「A_LC1」〜「B_RC2」のいずれかに当選しているときでも、3枚賭け時のRT0中またはRT1中(図11(a)に示す内容)と同じリール制御が行われる。しかし、前述したように、2枚賭け時のRT0中またはRT2中における「A_LC1」〜「B_RC2」の当選確率は、3枚賭け時のRT0中等よりも低く、ナビ演出が実行され得るATを仮に実施したとしても(ナビ演出が仮に実行されたとしても)払出率が1未満となる確率となるように判定値が定められている。このため、2枚賭け時の遊技において仮にナビ演出が実行されたときであっても、平均すると遊技者所有のメダル枚数が増えることを期待できない。さらに、2枚賭け時の遊技においては、3枚賭け時の遊技よりも、「A_LC1」〜「B_RC2」に当選して正解押し順により「正解AT役」に入賞し得ることを期待できる割合が低くなる。このため、2枚賭け時の遊技においては、仮にナビ演出が実行されたとしても当該ナビ演出によるメリットを十分に享受できるとはいえない。
次に、小役のうち「CH」に当選したときには、「チェリー役」を優先して入賞ラインNL上に引き込むリール制御が行われるため、図11に記載のとおり、「チェリー役」を入賞させることができる。「WM1」に当選したときには、「スイカ役1」を優先して入賞ラインNL上に引き込むリール制御が行われるため、図11に記載のとおり、「スイカ役1」を入賞させることができる。「WM2」に当選したときには、「スイカ役2」を優先して入賞ラインNL上に引き込むリール制御が行われるため、図11に記載のとおり、「スイカ役2」を入賞させることができる。「SP1」に当選したときには、例えば、当選している所定の役を引き込み、当該役を取りこぼしたときに図11に記載のとおり、はずれ図柄組合せのうち予め定められた「チャンス目1」が停止可能となる。「SP2」に当選したときには、例えば、当選している所定の役を引き込み、当該役を取りこぼしたときに図11に記載のとおり、はずれ図柄組合せのうち予め定められた「チャンス目2」が停止可能となる。「BE」に当選したときには、押し順にかかわらず必ず「正解AT役」に入賞するようにリール制御が行われる。このように、押し順にかかわらず共通して「正解AT役」に入賞するため、「BE」は、「共通ベル」ともいう。
また、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RBB内部当選状態)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
リール停止処理では、いずれの役にも当選していない場合、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。いずれの役にも当選していない場合であって、例えば特定操作態様(右のリール11Rを第1停止)で停止操作されたときには、「B7」「R7」「BAR」などの図柄をいずれかのラインに引き込みつつはずれ図柄組合せとなるようにリール制御が行われる。これにより、「NRP1」や「NRP2」に当選しているときと類似する図柄組合せを停止させることができ、「NRP1」や「NRP2」に当選していることに対する期待感を抱かせることができる。
図11(b)は、SB中の当選役グループ毎に行われるリール制御および停止可能な出目の例を説明するための図である。SB中における抽選対象役は、RT0中やRT1中などと異なり、「ALL1」と「ALL2」とが定められている。「ALL1」に当選したときには、押し順にかかわらず、メダル1枚の払出を伴う「SB中役1」に入賞するようにリール制御が行われる。「ALL2」に当選したときには、押し順にかかわらず、メダル10枚の払出を伴う「SB中役2」に入賞するようにリール制御が行われる。
しかし、前述したように、「SB」中における抽選対象役の当選確率は、「ALL2」よりも「ALL1」の方が、高くなるように判定値が定められている。さらに、「ALL1」および「ALL2」各々の当選確率は、「SB」中の払出率が1未満となる確率となるように、判定値が定められている。このため、「SB」中の遊技において仮にナビ演出が実行されたときであっても、平均すると遊技者所有のメダル枚数が増えることを期待できない。さらに、「SB」中の遊技においては、押し順にかかわらず当選役に応じた出目が停止されるため、例えば「A_LC1」〜「B_RC2」当選時のように正解押し順により「正解AT役」などの有利度合いが高い出目が停止し得ることが期待できず、仮にナビ演出が実行されたとしても当該ナビ演出によるメリットを享受できない。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。
ステップS17においては、リール11L〜11Rすべてが停止したか否かが判定される。ステップS17においてリール11L〜11Rすべてが停止したと判定されなかったときには、ステップS16へ移行する。一方、ステップS17においてリール11L〜11Rすべてが停止したと判定されたときには、ステップS18へ移行する。
ステップS18においては、報知用表示器60において操作情報が表示されているときに、当該報知用表示器60を非表示状態とする。ステップS19においては、リール停止後のAT系抽選処理として第2関連処理が行われる。ステップS19の第2関連処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立したことに基づいて有利期間に制御する。第2関連処理では、有利期間中における状態の遷移を制御するための処理を実行する。ここで、図12を用いて、有利期間中における状態遷移の概要を説明する。
第2関連処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立することに基づいて有利期間に制御する。有利期間移行条件は、例えば図10(a)に示す当選役グループ(SB、「A_LC1」〜「B_RC2」、「CH」、「WM1」、「WM2」、「SP1」、「SP2」、「BE」)のうちのいずれかに当選することにより成立する。このため、遊技の大半は、有利期間において行われる。有利期間中においては、当該有利期間が開始されてからの賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数(いわゆるMY値)や遊技回数がカウントされる。
通常期間から有利期間に制御されたときには、図12に示すように有利一般に制御される。有利一般中においては、CZ移行抽選において当選する確率(遊技者にとっての有利度合い)が異なる、低確・通常・高確等の複数種類のモードのうちのいずれかに制御されるようにしてもよく、例えば、通常期間から有利期間に制御されたときには、複数種類のモードのうち、CZ移行抽選において当選する確率が高いモードに制御されてもよい。このようにすることで、AT終了直後の通常期間から有利期間に制御されるときに、遊技者の期待感を持続させることができる。また、有利一般中におけるAT移行抽選の有利度合い(例えばAT当選する割合等)も、低確・通常・高確等のモードの種類に応じて異なるようにしてもよい。なお、CZ移行抽選やAT移行抽選の一方または両方は一定となるように定められていてもよい。
また、通常期間から有利期間に制御されるときには、ATに制御するまでに要する天井遊技回数を設定する。ATは、天井遊技回数に到達することやAT当選することにより制御される状態である点において、役抽選においてボーナスに当選することにより制御可能となるRBB等とは異なる。天井遊技回数とは、ATに強制的に制御する回数である。有利期間が開始されてから消化した遊技回数が天井遊技回数に到達することにより、ATに制御される。天井遊技回数は、所定のゲーム数(例えば999回)に一律に定められているものであってもよく、また、通常期間から有利期間に制御されるときに複数のゲーム数(例えば、250回、500回、999回)のうちから抽選により決定されるものであってもよい。
通常期間中において例えばSB当選によるCZ移行抽選や、有利一般中におけるCZ移行抽選において当選したときには、所定期間(例えば所定ゲーム数消化する期間等)に亘りCZに制御される。CZにおいてAT移行当選することなく所定期間が経過したときには、再び有利一般に制御される。通常期間中において例えばSB当選によるCZ移行抽選や有利一般またはCZにおけるAT移行抽選において当選したときや、天井遊技回数に到達したときには、ATに制御される。
AT中は、「押し順ベル」および「RT移行リプレイ」(以下、まとめてナビ対象役ともいう)に当選したときに有利操作態様(正解手順)を報知するナビ演出が実行される。また、AT中においては、ATに制御可能とするATゲーム数を上乗せするか否か(上乗せ抽選)、1回のATの終了条件が成立(例えばATゲーム数を消化)した後に再度ATに制御するか否か(ATストック抽選)、1回のATの終了条件が成立した後にATストックがない場合に有利一般およびCZのいずれに制御するか(AT終了後状態抽選)などについて抽選する各種AT中抽選が行われる。各種AT中抽選は、例えば、内部抽選において所定の当選役グループ(例えば、「RBB」、「SB」、「CH」、「WM1」、「WM2」、「SP1」、「SP2」など)に当選することにより行われる。また、ATストック抽選では、当選することにより、ATに制御可能な回数(ATストック回数)を1加算する。ATストック回数は、AT終了後においてATに繰返し制御可能となり、制御される毎に1ずつ減算される。なお、AT中における各種AT中抽選の有利度合い(当選確率等)は、一律に定められているものであってもよく、また、複数のモード(低確率モード、通常確率モード、高確率モードなど)のうち制御されているモードに応じた有利度合いとなるようにしてもよい。
各種AT中抽選のうち上乗せ抽選において、ATゲーム数が上乗せされたときには、当該ATの残りATゲーム数に加算される。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上であるときには、再度ATに制御される。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上ではないときには、AT終了後状態抽選の結果に応じて、有利一般およびCZのいずれかに制御される。
次に、ステップS20においては、払出処理が行われる。払出処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ(疑似遊技ではなく本遊技において停止された図柄組合せ)に基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、入賞した小役の種類に対応して予め定められている払出枚数分のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。払出処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、払出処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率等を算出するために用いる各種カウンタの値を更新して、当該有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率等を算出してRAM65の所定領域に記憶する。このような払出処理は、疑似遊技では行われず、本遊技において行われる。
ステップS21においては、有利期間が終了するか否かを判定する。有利期間は、有利期間中の遊技回数が上限遊技回数の1500に到達することにより第1の条件が成立するか、有利期間中の賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数上限累計数の2400に到達することにより第2の条件が成立することにより終了する。このような、第1の条件および第2の条件が成立するまでの残り遊技回数あるいは累計数が所定値未満となったときには、エンディングに制御される。具体的には、AT中において、有利期間中の遊技回数が1200に到達したときや、有利期間中の差数が2000に到達したときにエンディングに制御される。エンディング中においても、ナビ演出が実行されるように定められている。エンディングは、第1の条件または第2の条件が成立するまで継続し、第1の条件または第2の条件が成立することにより有利期間終了条件が成立したときに、通常期間に制御する。このときにも、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。また、ATが終了した後におけるCZ中においてATに移行されることなく遊技を所定回数消化することなどにより成立する第3の条件が成立したときや、有利一般およびCZ中のAT移行抽選において当選することなく所定の終了条件が成立(例えば、予め定められたゲーム数を消化したときなど)したときにも、有利期間が終了する。
ステップS21において有利期間が終了すると判定されたときには、ステップS22において有利期間終了時の初期化処理が行われる。有利期間終了時の初期化処理においては、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセット(初期化)される。ステップS23においては、有利期間の終了に伴い、有利期間報知ランプ80を消灯する。これにより、1遊技に関する遊技制御処理が終了する。
なお、1遊技が終了する際には、遊技状態設定処理なども行われる。遊技状態設定処理としては、例えば、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図13には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態設定処理は、設定変更等により初期化されると「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RT0」中においては、賭数の規定数として「3」および「2」が定められている。「RT0」中において賭数「3」を設定した遊技において「RBB役1」〜「RBB役3」のいずれかに当選したが入賞しなかったときには、「RT1」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RBB役1」〜「RBB役3」に当選した遊技あるいは当該当選が持ち越されている「RT1」中の遊技において「RBB役1」〜「RBB役3」のうちの当選しているRBB役に入賞したときには、ボーナス状態である「RBB1」〜「RBB4」のうち入賞したRBB役に対応するRBBを特定可能な遊技状態フラグを設定して、RBBに制御する。
一方、「RT0」中において賭数「2」を設定した遊技において「RBB役4」または「RBB役5」に当選したが入賞しなかったときには、「RT2」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RT2」では、賭数の規定数として「3」および「2」が定められている。「RBB役4」または「RBB役5」に当選した遊技において当選しているRBB役に入賞したときには、ボーナス状態である「RBB4」または「RBB5」のうち入賞したRBB役に対応するRBBを特定可能な遊技状態フラグを設定して、RBBに制御する。
遊技状態設定処理は、RBB中における払出枚数を計数し、払出枚数が入賞したボーナス役の種類に応じた枚数を超えたときに「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。これにより、「RT0」において「RBB役」に当選・非入賞のときにRBB内部当選状態としての「RT1」または「RT2」に制御し、「RBB役」に入賞したときにボーナス状態である「RBB」に制御する。RBBにおいて規定数払出があったときには、RBB終了となり「RT0」に制御される。また、「RT0」中において賭数「3」を設定した遊技において「SB役」に当選かつ入賞したときには、「SB」に制御する。「SB」は、1回の遊技で終了となり、その後、再び「RT0」に制御される。
ここで、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。有利期間のうちの非AT中においては、「A_LC1」〜「B_RC2」に当選しても、有利操作態様を報知するAT遊技が行われることがない。このため、意図的に「正解AT役」を入賞させることはできない。一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、「A_LC1」〜「B_RC2」に当選したときに、「正解AT役」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知可能となる。これにより、有利操作態様が報知された場合には、停止操作を誤らない限り、確実に「正解AT役」を入賞させることができる。その結果、有利期間のうちのAT中においては、メダルが10枚払い出される割合が高まる。
また、遊技状態設定処理では、次回以降の遊技がいずれの遊技状態(RBB、SB、RT0〜RT2のいずれ)であるのか、通常期間、有利期間のうちの有利一般、CZ、およびAT(残りATゲーム数カウンタの値を含む)のうちのいずれであるか、有利期間中において更新される各種情報(各種AT中抽選を行う条件の成立、AT開始、CZ開始)などを特定可能な状態コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、次回以降の状態に応じた演出を実行可能となる。なお、1遊技に関する遊技制御処理が終了する際には、賭数をクリアして次回の賭数設定を可能にするための処理なども行われる。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。所定の演出を実行するための演出実行手段は、サブCPU71により行われる演出制御処理に含まれる。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。演出制御処理は、当選種別コマンドを受信したことに基づいて、例えば、「RBB」の当選種別コマンド受信時は「ボーナス確定!」などを含む確定画面を液晶表示器27に表示する演出や、「押し順ベル」を特定可能な当選種別コマンドに基づいてベルと類似色の「黄色い風船」の画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御処理では、AT中において押し順バッファに記憶された値を特定するための押し順コマンドを受信したときに、当該コマンドから特定される表示内容(図6(b)参照)を有利操作態様として液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、AT中においてナビ対象役のいずれかに当選したときに正解手順で停止操作を行って、確実に「正解AT役」を入賞させることが可能となる。有利操作態様を特定可能な画像は、ナビ演出ともいう。また、疑似遊技中であるときには、疑似遊技に対応する各種演出が実行される。疑似遊技に対応する各種演出には、上記ナビ演出と同様に停止操作の態様を報知する演出や、疑似遊技中である旨を報知する演出などが含まれる。また、演出制御処理では、メイン制御基板63側において制御されている状態に応じて液晶表示器27において表示する背景画像の種類を制御する処理や、遊技特定用ランプ82を対応する態様で制御する処理が行われる。
図14は、演出制御処理に含まれる遊技特定用ランプ制御処理を説明するためのフローチャートである。遊技特定用ランプ制御処理においては、メイン制御基板63側において制御される状態等に応じて遊技特定用ランプ82の点灯態様を制御するための処理が行われる。ステップS101においては、例えば、第2関連処理において送信される状態コマンドに基づきCZ開始を特定するためのCZ開始コマンドを受信したか否かが判定される。ステップS101においてCZ開始コマンドを受信したと判定されなかったときには、ステップS103へ移行する。ステップS101においてCZ開始コマンドを受信したと判定されたときには、ステップS102において遊技特定用ランプ80をCZ態様(例えば、黄色で点灯)で制御する。これにより、「CZ」という文字を視認可能となるように浮き上がらせることができ、「CZ」中であることを遊技者に報知できる。
ステップS103においては、例えば、第2関連処理において送信される状態コマンドに基づきAT開始を特定するためのAT開始コマンドを受信したか否かが判定される。ステップS103においてAT開始コマンドを受信したと判定されなかったときには、ステップS105へ移行する。ステップS103においてAT開始コマンドを受信したと判定されたときには、ステップS104において遊技特定用ランプ80をAT態様(例えば、青色で点灯)で制御する。これにより、「AT」という文字を視認可能となるように浮き上がらせることができ、「AT」中であることを遊技者に報知できる。
ステップS105においては、疑似遊技開始コマンド(図7のステップS41参照)を受信したか否かが判定される。ステップS105において疑似遊技開始コマンドを受信したと判定されなかったときには、ステップS108へ移行する。ステップS105において疑似遊技開始コマンドを受信したと判定されたときには、ステップS106において遊技特定用ランプ80を疑似遊技態様(例えば、赤色で点灯)で制御する。これにより、「疑似遊技」という文字を視認可能となるように浮き上がらせることができ、「疑似遊技」中であることを遊技者に報知できる。ステップS107においては、疑似遊技中である旨を特定するための疑似遊技フラグがセットされる。なお、ステップS106において遊技特定用ランプ80を疑似遊技態様で制御するタイミングで、液晶表示器27においても疑似遊技中である旨を報知するための画像(疑似遊技特定報知の画像)が表示される。
ステップS108においては、疑似遊技終了コマンド(図7のステップS51参照)を受信したか否かが判定される。ステップS108において疑似遊技終了コマンドを受信したと判定されなかったときには、遊技特定用ランプ制御処理を終了する。ステップS108において疑似遊技終了コマンドを受信したと判定されたときには、ステップS109において遊技特定用ランプ80を状態コマンドに基づき現在制御中の状態に応じた態様で制御する。これにより、現在制御中の状態を報知できる。なお、「疑似遊技」、「CZ」、および「AT」のいずれでもないときには、遊技特定用ランプ82が無点灯状態に制御され、何らの文字も視認できない状態となる。ステップS110においては、疑似遊技の終了に伴って、疑似遊技フラグがリセットされる。なお、ステップS109において遊技特定用ランプ80の疑似遊技態様での制御を終了するタイミングで、液晶表示器27においても疑似遊技中である旨を報知するための画像(疑似遊技特定報知の画像)を非表示とする。
図15は、演出制御処理に含まれるナビ関連処理を説明するためのフローチャートである。ナビ関連処理においては、停止操作の態様を報知するナビ演出を制御するための処理が行われる。ステップS120においては、疑似遊技フラグがセット(図14のステップS107参照)されているか否かが判定される。つまり、疑似遊技中であるか否かが判定される。ステップS120において疑似遊技フラグがセットされていると判定されなかったときには、ステップS125へ移行する。ステップS120において疑似遊技フラグがセットされていると判定されたときには、有利期間中であるか否かやAT中であるか否かにかかわらず、ステップS121において疑似停止に関する報知内容を決定し、所定タイミングで報知される。
疑似停止に関する報知内容は、例えば、停止操作の態様である押し順を示唆する情報や、狙うべき図柄を示唆する情報が含まれる。ステップS121における疑似停止に関する報知内容は、メイン制御基板63側からの押し順コマンドから特定される値に定められている停止操作の態様に基づいて決定されるものであってもよく、また、役抽選の結果に応じて決定されるものなどであってもよい。
また、ステップS121における疑似停止に関する報知内容は、メイン制御基板63側における役抽選の結果に関係なく、メイン制御基板63側において疑似停止させる位置として予め決定されている位置であって疑似停止させる図柄を前述した疑似停止予定図柄コマンドなどから特定し、当該図柄に対応した内容としてもよい。例えば、メイン制御基板63側において疑似停止させる予定の図柄が決定されて疑似停止予定図柄コマンドが送信される場合、ステップS121においては、当該疑似停止予定図柄コマンドに基づいて疑似停止される予定の図柄に応じて疑似遊技中に報知するナビ演出等の報知内容を決定するようにしてもよい。また、疑似遊技が発生したときには特定の図柄組合せが必ず疑似停止される場合、ステップS121においては、疑似遊技開始コマンドに基づいて特定の図柄組合せに対応する報知内容を特定するようにしてもよい。さらに、ステップS121における疑似停止に関する報知内容は、メイン制御基板63側における決定結果(例えば、押し順コマンドから特定される値等)にかかわらず、サブ制御基板73側で独自に決定するものであってもよく、例えばステップS121において乱数抽選等でランダムに決定されるものであってもよい。
また、所定タイミングとしては、例えば、疑似遊技におけるリール回転が開始されるタイミング、リール回転が開始されて一定速度(疑似停止有効化となる速度)に到達したタイミング、疑似遊技中における疑似停止操作が有効化されたタイミングなどのいずれかのタイミングが定められている。
ステップS122においては、疑似遊技フラグがリセット(図14のステップS110参照)されたか否かが判定される。ステップS122において疑似遊技フラグがリセットされていると判定されたときには、ステップS125に移行する。ステップS122において疑似遊技フラグがリセットされていると判定されなかったときには、ステップS123において前回操作(例えば、スタートレバー操作、疑似停止のためのストップスイッチへの操作等)から所定時間(例えば、3分)経過したか否かが判定される。ステップS123において前回操作から所定時間経過したと判定されなかったときには、ステップS122へ移行する。一方、ステップS123において前回操作から所定時間経過したと判定されたときには、ステップS124において疑似停止のためのストップスイッチへの操作を促すための疑似停止操作促進演出を行って、ステップS122へ移行する。疑似停止操作促進演出としては、例えば、「疑似停止させましょう!」といったメッセージが液晶表示器27に表示される。これにより、遊技者に対して疑似停止させるための操作を促すことができる。
ステップS125においては、押し順コマンドを受信したか否かが判定される。ステップS125において押し順コマンドを受信したと判定されなかったときには、ナビ関連処理を終了する。一方、ステップS125において押し順コマンドを受信していると判定されたときには、ステップS126において押し順コマンドに基づくナビ演出の報知内容を決定し、所定タイミングで報知される。ナビ演出の報知内容としては、例えば、押し順コマンドから特定される値に定められている停止操作の態様を示唆するものであって、図6(b)の液晶表示器に表示される表示内容が決定される。また、所定タイミングとしては、疑似遊技終了後におけるランダム遅延処理の開始に関連(対応)するタイミングであって、例えば、リール回転が開始されるタイミング、リール回転が開始されて定常回転速度(停止有効化となる速度)に到達したタイミング、停止操作(本停止)が有効化されたタイミングなどのいずれかのタイミングが定められている。
ステップS127においては、リールが回転中であるか否か、つまり遊技中であるか否かが判定される。ステップS127においてリールが回転中であると判定されたときには、ステップS128において前回操作(例えば、スタートレバー操作、ストップスイッチへの停止操作等)から所定時間(例えば、1分)経過したか否かが判定される。ステップS128において前回操作から所定時間経過したと判定されなかったときには、ステップS130へ移行する。一方、ステップS128において前回操作から所定時間経過したと判定されたときには、ステップS129においてストップスイッチへの停止操作を促すための停止操作促進演出を行って、ステップS130へ移行する。停止操作促進演出としては、例えば、「リールを停止させましょう!」といったメッセージが液晶表示器27に表示される。これにより、遊技者に対してリールを停止させるための操作を促すことができる。
ステップS130においては、ナビ演出による報知内容に合致しない操作が受け付けられたか否か、つまり操作ミスがあったか否かが判定される。ステップS130において操作ミスがあったと判定されなかったときには、ステップS127へ移行する。ステップS130において操作ミスがあったと判定されたときには、ステップS131において実行中のナビ演出を途中で終了してステップS127へ移行する。
(AT中に疑似遊技が発生したときの例)
次に、疑似遊技中および疑似遊技終了後における各種制御内容について、より具体的に説明する。図16は、AT中において疑似遊技が発生したときの各種制御内容を説明するためのタイミングチャートである。図16には、上から、遊技状態の種類、遊技数(遊技目)、最大ベットスイッチ17への操作の有無、スタートスイッチ19への操作の有無、液晶表示器27の表示内容、左リール11L〜右リール11R各々の状態、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への操作の有無、有利期間報知ランプ80の点灯状態、疑似遊技特定報知の報知状態、および、報知用表示器60の表示内容が示されており、左から右にかけて時間の経過が示されている。また、図17は、図16に対応する報知用表示器60、液晶表示器27、および、遊技特定用ランプ82の表示態様例を示す図である。
図16では、遊技状態欄に示されるように「AT遊技中」であって、遊技数欄に示されるように「N−1遊技目」、「N遊技目」、および「N+1遊技目」の遊技内容が示されている。また、遊技数欄においては、遊技数(遊技目)とともに、「疑似遊技」と示すことにより疑似遊技中である旨を示し、「本遊技」と示すことにより疑似遊技ではない本遊技中である旨を示している。図16では、AT中であり有利操作態様が報知され得る状態であるため、有利期間報知ランプ欄に示されるように有利期間報知ランプ80が「ON」となり点灯している状態が示されている。
タイミング1は、「N−1遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング2は、「N−1遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。AT中であるためAT役に当選しているときには、タイミング2の液晶欄および報知用表示器欄に示されるように、液晶表示器27において押し順バッファに記憶されている値に応じたサブ側のナビ演出が実行される(図15のステップS126参照)とともに、報知用表示器60において「ON」となり押し順バッファに記憶されている値に応じた表示内容が表示される(図5のステップS14参照)。
図17(a)には、「N−1遊技目」における表示態様例が示されている。報知用表示器60においては、押し順バッファの値「1」に対応する表示内容として「1」が表示されるとともに、液晶表示器27においては、画面の下方領域において押し順バッファの値「1」に対応する表示内容として「1・2・3」が表示され、有利操作態様が報知されている。また、AT中であるため、有利期間報知ランプ80が点灯した状態となっているとともに、遊技特定用ランプ82がAT態様で制御されている。また、液晶表示器27の画面の上方領域においては、ATの進行に応じて更新されるAT関連遊技情報が表示されている。AT関連遊技情報としては、例えば、画面左上方においてATの残りゲーム数として「LAST:350G」が示されるとともに、ATにおいて消化したゲーム数として「TOTAL150G」が示され、画面右上方においてATにおける純増枚数として「GET:350」が示されている。
図16に戻り、タイミング2以降において示すように、スタートレバーが操作されたことに伴って、左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始されて定常回転速度で回転する状態に制御される。左リール11L〜右リール11R欄における右上がり方向の実線は、リールが定常回転速度である所定速度に到達するまで加速している状態を示し、水平方向の実線は、リールが一定となる速度で回転している状態を示している。
定常回転速度に到達して停止操作が有効化された後においては、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への停止操作に応じて、対応するリールが停止する(図5のステップS16)。左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R欄における垂直方向の実線は、各々、停止操作が行われたタイミングを示している。また、左リール11L〜右リール11R欄における垂直方向の実線は、回転していたリールが停止した状態を示している。図16の「N−1遊技目」における例では、ナビ演出等に従って、左リール11Lを第1停止し、中リール11Mを第2停止し、右リール11Rを第3停止している様子が示されている。報知用表示器60は、すべてのリールが停止されたタイミングで非表示状態となる(図5のステップS18)。つまり、図17(a)の報知用表示器60に表示されている「1」は、すべてのリールが停止されたタイミングで非表示状態となる。一方、液晶表示器27におけるナビ演出は、次の遊技の賭数を設定するための操作を受け付けたときに終了する(図16のタイミング3参照)。なお、液晶表示器27におけるナビ演出についても、すべてのリールが停止されたタイミングで終了するようにしてもよい。
タイミング3は、「N遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング4は、「N遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。「N遊技目」においては、特定条件が成立しており、スタートレバー操作時のタイミング4〜5に亘って疑似遊技が発生している例を示している。疑似遊技中であっても、有利期間報知ランプ80の点灯状態は維持される。また、スタートレバー操作時においては、タイミング4の液晶欄および疑似遊技特定報知欄に示されるように、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出等が実行される(図15のステップS121参照)とともに、疑似遊技特定報知が実行される(図14のステップS106参照)。これに対し、タイミング4の報知用表示器欄に示されるように、AT中であって仮にAT役に当選しているときであっても、疑似遊技中においては、報知用表示器60が非表示状態に維持され、報知用表示器60により停止操作の態様を特定するための情報が表示されることがない。なお、図16のタイミング4におけるスタートレバーへの操作は、疑似遊技を開始する契機となる操作であり、また、疑似遊技後において本遊技が開始されるため、後において本遊技を開始するための操作でもある。
図17(b)には、「N遊技目」における疑似遊技開始時の表示態様例が示されている。報知用表示器60においては、AT中であって仮にAT役に当選しているときであっても、疑似遊技中において停止操作の態様が示唆されることがなく非表示状態となるが、有利期間報知ランプ80については、点灯状態が維持されている。一方、液晶表示器27においては、画面の下方領域において押し順を示す表示内容として「3・2・1」が表示されている。疑似遊技中において液晶表示器27にナビ演出が発生した場合においては、本遊技中の液晶表示器27におけるナビ演出についての制御内容(図15のステップS130、S131等)とは異なり、当該ナビ演出により示唆される押し順等で停止操作できずに操作ミスを生じさせたとしても当該ナビ演出がその後も継続して表示される。
また、疑似遊技特定報知としては、液晶表示器27の下方の帯領域において「疑似遊技中」といったメッセージをスクロールさせる画像が表示されるとともに、遊技特定用ランプ82が疑似遊技態様で制御されている。なお、液晶表示器27の画面の上方領域におけるAT関連遊技情報は、「N−1遊技目」における遊技の結果に応じて更新されている。
図16に戻り、タイミング4以降において示すように、疑似遊技中であってもタイミング2以降で示した本遊技等と同様に、スタートレバーへの操作に伴って左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始され、一定速度で回転した状態に制御される。一定速度に到達して疑似停止有効化された後に、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への疑似停止操作に応じて、対応するリールを疑似停止させることができる。左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R欄における垂直方向の点線は、各々、疑似停止操作が行われたタイミングを示している。図16の「N遊技目」の疑似遊技における例では、ナビ演出等に従って、右リール11Rを第1停止し、中リール11Mを第2停止し、左リール11Lを第3停止している様子が示されている。また、左リール11L〜右リール11R欄における垂直方向の実線であって欄内の高さ半分まで下がる実線は、回転していたリールが疑似停止した状態を示し、半分の高さから水平方向に延びる線は、疑似停止したリールが一定時間(500msec)毎に微振動している状態を示している。
図17(c)には、「N遊技目」における疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止したときの表示態様例が示されている。すべてのリールが疑似停止したときには、疑似遊技の結果として所定の画像が液晶表示器27に表示される。図17(c)の例では、液晶表示器27の画面中央領域においてベル図柄に対応する画像が表示されている。疑似遊技において図柄組合せが疑似停止したときに表示される画像としては、入賞ラインNL上に停止されている図柄のみならず、入賞ラインNL上に停止されていない図柄に関する画像を表示することが許容されている。これに対し、本遊技において図柄組合せが表示されたときには、入賞ラインNL上に停止されている図柄に関する画像を表示することが可能であるが、入賞ラインNL上に停止されていない図柄に関する画像を表示することはできない。液晶表示器27において所定の画像が表示される点を除き、疑似遊技において図柄組合せが疑似停止されたときであっても、他の機器(報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、遊技特定用ランプ82)の状態やATに関する遊技情報などは維持される。図17(c)に示す疑似遊技特定報知は、疑似遊技が終了するまで継続し、スタートレバー操作が行われて疑似遊技が終了するタイミングに合わせて終了する(図7のステップS50、S51、図14のステップS105〜S110参照)。
タイミング5は、「N遊技目」における疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後においてスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後においてスタートレバーが操作されたときには、AT役に当選していることを条件として、タイミング5の液晶欄および報知用表示器欄に示されるように、液晶表示器27において押し順バッファに記憶されている値に応じたサブ側のナビ演出が実行される(図15のステップS126参照)とともに、報知用表示器60において「ON」となり押し順バッファに記憶されている値に応じた表示内容が表示される(図5のステップS14参照)。
図17(d)には、「N遊技目」の本遊技における表示態様例が示されている。報知用表示器60においては、押し順バッファの値「6」に対応する表示内容として「6」が表示されるとともに、液晶表示器27においては、画面の下方領域において押し順バッファの値「6」に対応する表示内容として「3・2・1」が表示され、有利操作態様が報知されている。また、AT中であるため、有利期間報知ランプ80が点灯した状態が継続されるとともに、遊技特定用ランプ82がAT態様で制御されている。また、液晶表示器27の画面の上方領域におけるAT関連遊技情報は継続して表示される。
また、「N遊技目」の疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後においてスタートレバーが操作されたタイミング5においては、リール毎に回転開始タイミングをランダムに遅延させる処理(図8のステップS61〜S69)が行われる。このため、まず、ランダムに遅延した時間経過後に左リール11Lの回転が開始され、次に、ランダムに遅延した時間経過後に中リール11Mの回転が開始され、最後に、ランダムに遅延した時間経過後に右リール11Rの回転が開始される。タイミング5以降において示すように、スタートレバーが操作されたことに伴って、左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始されて定常回転速度で回転している状態となり、停止操作が有効化された後においては、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への停止操作に応じて、対応するリールが停止する(図5のステップS16)。図16の「N遊技目」の本遊技における例では、ナビ演出等に従って、右リール11Rを第1停止し、中リール11Mを第2停止し、左リール11Lを第3停止している様子が示されている。報知用表示器60は、すべてのリールが停止されたタイミングで非表示状態となる。つまり、図17(d)の報知用表示器60に表示されている「6」は、すべてのリールが停止されたタイミングで非表示状態となる。一方、液晶表示器27におけるナビ演出は、次の遊技の賭数を設定するための操作を受け付けたときに終了する。なお、液晶表示器27におけるナビ演出についても、すべてのリールが停止されたタイミングで終了するようにしてもよい。タイミング5におけるスタートレバーへの操作は、疑似遊技が終了してランダム遅延処理を行った後に本遊技に移行させるための操作であるため、以下では、当該操作を導入操作ともいう。
タイミング6は、「N+1遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング7は、「N+1遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。AT中であるためAT役に当選しているときには、「N−1遊技目」等と同様に、液晶表示器27において押し順バッファに記憶されている値に応じたサブ側のナビ演出が実行されるとともに、報知用表示器60において「ON」となり押し順バッファに記憶されている値に応じた表示内容が表示される。しかし、図16におけるタイミング7では、AT役に当選していない場合を示しているため、液晶欄や報知用表示器欄および図17(d)に示すように、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出が実行されることがなく、かつ、報知用表示器60において停止操作の態様に関する表示内容が表示されることはない。なお、AT中であるため、有利期間報知ランプ80が点灯した状態が維持されるとともに、遊技特定用ランプ82がAT態様で制御が維持される。また、液晶表示器27の画面の上方領域におけるAT関連遊技情報は更新表示される。
(通常中に疑似遊技が発生したときの例)
図18は、通常中(例えば、非AT中、非有利期間中等)において疑似遊技が発生したときの各種制御内容を説明するためのタイミングチャートである。図18における通常中とは、有利期間報知ランプ80が点灯しておらず、図12に示す有利一般に制御されている状態とする。また、図18においては、AT当選せず、有利期間報知ランプ80が点灯する契機も成立しなかった場合の例を示している。なお、図18についても、図16と同様の項目が上から示されており、左から右にかけて時間の経過が示されている。また、図19は、図18に対応する報知用表示器60、液晶表示器27、および、遊技特定用ランプ82の表示態様例を示す図である。
図18では、遊技状態欄に示されるように「通常遊技中」であって、遊技数欄に示されるように「N−1遊技目」、「N遊技目」、および「N+1遊技目」の遊技内容が示されている。図18では、通常中であり有利操作態様が報知され得ない状態であるため、有利期間報知ランプ欄に示されるように有利期間報知ランプ80が「OFF」となり点灯していない状態が示されている。
タイミング1は、「N−1遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング2は、「N−1遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。通常中であるため仮にAT役に当選したとしても、タイミング2の液晶欄および報知用表示器欄に示されるように、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出が実行されることがなく、かつ、報知用表示器60において停止操作の態様に関する表示内容が表示されることはない。
図19(a)には、「N−1遊技目」における表示態様例が示されている。報知用表示器60および液晶表示器27のいずれにおいても、停止操作の態様に関する内容が表示されていない。また、通常中であるため、有利期間報知ランプ80は点灯しておらず、かつ、有利一般中であるため、遊技特定用ランプ82については、点灯しておらず文字等を視認できない状態に制御されている。また、液晶表示器27の画面においては、通常中に対応する通常画面が表示される。
図18に戻り、タイミング2以降において示すように、スタートレバーが操作されたことに伴って、左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始されて定常回転速度で回転する状態に制御される。定常回転速度に到達して停止操作が有効化された後においては、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への停止操作に応じて、対応するリールが停止する(図5のステップS16)。
タイミング3は、「N遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング4は、「N遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。「N遊技目」においては、特定条件が成立しており、スタートレバー操作時のタイミング4〜5に亘って疑似遊技が発生している例を示している。スタートレバー操作時においては、タイミング4の液晶欄および疑似遊技特定報知欄に示されるように、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出等が実行可能となる(図15のステップS121参照)とともに、疑似遊技特定報知が実行される(図14のステップS106参照)。しかし、通常中であるため、疑似遊技中であっても、有利期間報知ランプ80については非点灯状態が維持され、仮にAT役に当選しているときであっても報知用表示器60については非表示状態が維持される。なお、図18のタイミング4におけるスタートレバーへの操作は、疑似遊技を開始する契機となる操作であり、また、疑似遊技後において本遊技が開始されるため、後において本遊技を開始するための操作でもある。
図19(b)には、「N遊技目」における疑似遊技開始時の表示態様例が示されている。液晶表示器27においては、画面の下方領域において押し順を示す表示内容として「3・2・1」が表示されるとともに、画面中央において所定のキャラクタ画像が表示される。疑似遊技中に液晶表示器27においてナビ演出が発生した場合においては、本遊技中の液晶表示器27におけるナビ演出についての制御内容(図15のステップS130、S131等)とは異なり、当該ナビ演出により示唆される押し順等で停止操作できずに操作ミスを生じさせたとしても当該ナビ演出がその後も継続して表示される。また、疑似遊技特定報知としては、液晶表示器27の下方の帯領域において「疑似遊技中」といったメッセージをスクロールさせる画像が表示されるとともに、遊技特定用ランプ82が疑似遊技態様で制御されている。一方、有利期間報知ランプ80については非点灯状態が維持され、仮にAT役に当選しているときであっても報知用表示器60については非表示状態が維持され、停止操作の態様に関する内容が表示されることはない。
図18に戻り、タイミング4に示すように、疑似遊技中であっても、タイミング2以降で示した本遊技等と同様に、スタートレバーへの操作に伴って左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始され、一定速度で回転した状態に制御される。一定速度に到達して疑似停止有効化された後に、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への疑似停止操作に応じて、対応するリールを疑似停止させることができる。疑似停止されているリールは、一定時間(500msec)毎に微振動する状態に制御される。
「N遊技目」における疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止したときには、AT中であるときと同様に、疑似遊技の結果として所定の画像が液晶表示器27に表示される。液晶表示器27におけるサブ側のナビ演出および疑似遊技特定報知は、疑似遊技が終了するまで継続し、スタートレバー操作が行われて疑似遊技が終了するタイミングに合わせて終了する。
タイミング5は、「N遊技目」の疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後においてスタートレバーが操作(導入操作)されたタイミングが示されている。疑似遊技において図柄組合せを疑似停止させた後、スタートレバーが操作されたときにおいても同様に、タイミング5の液晶欄および報知用表示器欄や図19(c)に示すように、有利期間報知ランプ80については非点灯状態が維持され、報知用表示器60において停止操作の態様に関する内容が表示されることはなく、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出が実行されることもない。
また、「N遊技目」の疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後においてスタートレバーが操作されたタイミング5においては、リール毎に回転開始タイミングをランダムに遅延させる処理(図8のステップS61〜S69)が行われる。タイミング5以降において示すように、スタートレバーが操作されたことに伴って、ランダム遅延を発生させて左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始されて定常回転速度で回転している状態となり、停止操作が有効化された後においては、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への停止操作に応じて、対応するリールが停止する(図5のステップS16)。
タイミング6は、「N+1遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング7は、「N+1遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。通常中であるため仮にAT役に当選したとしても、液晶欄や報知用表示器欄および図17(d)に示すように、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出が実行されることがなく、また、報知用表示器60において停止操作の態様に関する表示内容が表示されることはない。
(疑似遊技が発生する遊技において有利期間報知ランプが点灯するときの例)
図20は、通常中において疑似遊技が発生する遊技において有利期間報知ランプが点灯するときの各種制御内容を説明するためのタイミングチャートである。図20における通常中とは、有利期間報知ランプ80が点灯しておらず、図12に示すCZに制御されている状態とする。また、図20においては、AT当選に応じて疑似遊技が発生する遊技において有利期間報知ランプ80が点灯する契機が成立した場合の例を示している。なお、図20についても、図16等と同様の項目が上から示されており、左から右にかけて時間の経過が示されている。また、図21は、図20に対応する報知用表示器60、液晶表示器27、および、遊技特定用ランプ82の表示態様例を示す図である。
図20では、遊技状態欄に示されるように「通常遊技中」であって、遊技数欄に示されるように「N−1遊技目」、「N遊技目」、および「N+1遊技目」の遊技内容が示されている。図20のタイミング1においては、通常中であり有利操作態様が報知され得ない状態であるため、有利期間報知ランプ欄に示されるように有利期間報知ランプ80が「OFF」となり点灯していない状態が示されている。タイミング1は、「N−1遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング2は、「N−1遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。通常中であるため仮にAT役に当選したとしても、タイミング2の液晶欄および報知用表示器欄に示されるように、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出が実行されることがなく、かつ、報知用表示器60において停止操作の態様に関する表示内容が表示されることはない。
図21(a)には、「N−1遊技目」における表示態様例が示されている。報知用表示器60および液晶表示器27のいずれにおいても、停止操作の態様に関する内容が表示されていない。また、通常中であるため、有利期間報知ランプ80は点灯していない。遊技特定用ランプ82については、CZ態様で制御されている(図14のステップS102)。また、液晶表示器27の画面においては、通常中(ここではCZ)に対応する通常画面が表示される。
図20に戻り、タイミング2以降において示すように、スタートレバーが操作されたことに伴って、左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始されて定常回転速度で回転する状態に制御される。定常回転速度に到達して停止操作が有効化された後においては、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への停止操作に応じて、対応するリールが停止する(図5のステップS16)。
タイミング3は、「N遊技目」の遊技に対する賭数の設定操作が行われたタイミングが示され、タイミング4は、「N遊技目」の遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたタイミングが示されている。「N遊技目」における遊技は、有利期間報知ランプ80を点灯させると決定された遊技であって、かつ、特定条件が成立しておりスタートレバー操作時のタイミング4〜5に亘って疑似遊技が発生する遊技の一例を示している。なお、ここでは、有利期間報知ランプ80を点灯させる決定と、特定条件の成立とに関連性を有していない例を示しているが、これに限らず、有利期間報知ランプ80を点灯させると決定されることにより、特定条件が成立するものであってもよく、また、有利期間報知ランプ80が非点灯状態であるときにおける役抽選の結果に応じて特定条件が成立することにより、有利期間報知ランプ80を点灯させることが決定されるものであってもよい。
図20の例では、疑似遊技が開始されるタイミング4において、有利期間報知ランプ80が点灯状態に制御される(図6のステップS33参照)。疑似遊技が開始されるタイミングにおいて有利期間報知ランプ80を点灯状態に制御するタイミングは、本遊技において停止操作の態様を示唆する内容を報知するまでのタイミングであればよく、例えば、疑似遊技におけるリールの回転が開始されたとき、疑似遊技におけるリールの回転速度が一定速度に到達したとき、疑似停止操作が有効化されたとき、疑似遊技において最初にリールが疑似停止されたとき、疑似遊技において最後のリールが疑似停止されたときなどであってもよい。
また、スタートレバー操作時においては、タイミング4の液晶欄および疑似遊技特定報知欄に示されるように、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出等が実行される(図15のステップS121参照)とともに、疑似遊技特定報知が実行される(図14のステップS106参照)。これに対し、タイミング4の報知用表示器欄に示されるように、仮にAT役に当選しているときであっても、疑似遊技中においては、報知用表示器60が非表示状態に維持され、報知用表示器60により停止操作の態様を特定するための情報が表示されることがない。なお、図20のタイミング4におけるスタートレバーへの操作は、疑似遊技を開始する契機となる操作であり、また、疑似遊技後において本遊技が開始されるため、後において本遊技を開始するための操作でもある。
図21(b)には、「N遊技目」における疑似遊技開始時の表示態様例が示されている。有利期間報知ランプ80については、点灯状態となり得るが、報知用表示器60においては、仮にAT役に当選しているときであっても疑似遊技中において停止操作の態様が示唆されることがなく非表示状態が維持される。一方、液晶表示器27においては、ナビ演出等の一例として、画面の中央領域においてBAR図柄を狙わせる狙え画像が表示される。狙え画像は、リールに配列されている「BAR」図柄を示唆するBAR図柄示唆部と、操作態様(逆押し)を示唆する操作態様示唆部(左向き矢印)とを含む。また、BAR図柄示唆部には、「狙え!」といった文字画像部が含まれている。これにより、「BAR」図柄を逆押しで狙って停止させることを遊技者に促すことができる。
また、疑似遊技特定報知としては、液晶表示器27の下方の帯領域において「疑似遊技中」といったメッセージをスクロールさせる画像が表示されるとともに、遊技特定用ランプ82が疑似遊技態様で制御されている。
図20に戻り、タイミング4に示すように、疑似遊技中であっても、タイミング2以降で示した本遊技等と同様に、スタートレバーへの操作に伴って左リール11L〜右リール11R各々の回転が開始され、一定速度で回転した状態に制御される。一定速度に到達して疑似停止有効化された後に、左ストップスイッチ21L〜右ストップスイッチ21R各々への疑似停止操作に応じて、対応するリールを疑似停止させることができる。図20の「N遊技目」の疑似遊技における例では、狙え画像に従って、右リール11Rを第1停止し、中リール11Mを第2停止し、左リール11Lを第3停止している様子が示されている。疑似停止されているリールは、一定時間(500msec)毎に微振動する状態に制御される。
図21(c)および図21(d)には、各々「N遊技目」における疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止されたときの表示態様例が示されている。すべてのリールを疑似停止させてBAR揃いとなったときには、図21(c)に示すように、疑似遊技の結果としてAT移行当選している旨を示唆する演出画像(例えば、ギザギザマーク内に「AT獲得」といったメッセージ)が表示される。これに対し、すべてのリールを疑似停止させてBAR揃いとならなかったときには、図21(d)に示すように、疑似遊技の結果としてAT移行当選していなかったかのような演出画像(例えば、「シ〜〜ン」といったメッセージ)が表示される。
疑似遊技中のリール制御においてBAR揃いとなるか否かは、AT当選しているか否かに応じて図7のステップS45において特定される。図7のステップS45においては、例えば、AT当選しているときには疑似停止操作の態様に応じてBAR揃いとなるリール制御を実行可能とする一方、AT当選していないときには、疑似停止操作の態様にかかわらずBAR揃いとならないリール制御を実行する。なお、AT当選しているときには、疑似停止操作の態様にかかわらずBAR揃いとなるリール制御かあるいは疑似停止操作の態様にかかわらずBAR揃いとならないリール制御を行うものであってもよい。なお、液晶表示器27において疑似停止された図柄組合せに応じた所定の画像が表示される点を除き、疑似遊技において図柄組合せが疑似停止されたときであっても、他の機器(報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、遊技特定用ランプ82)の状態などは維持される。図21(c)および図21(d)に示す疑似遊技特定報知は、疑似遊技が終了するまで継続し、スタートレバー操作が行われて疑似遊技が終了するタイミングに合わせて終了する。なお、図21(c)〜図21(g)においては、説明の便宜上、遊技特定用ランプ82を報知用表示器60の下に図示している。
タイミング5は、「N遊技目」の疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後においてスタートレバーが操作(導入操作)されたタイミングが示されている。AT当選しておりかつAT役に当選していることを条件として、タイミング5の液晶欄および報知用表示器欄に示されるように、液晶表示器27において押し順バッファに記憶されている値に応じたサブ側のナビ演出が実行される(図15のステップS126参照)とともに、報知用表示器60において「ON」となり押し順バッファに記憶されている値に応じた表示内容が表示される(図5のステップS14参照)。
図21(e)には、「N遊技目」の疑似遊技において図21(c)の表示態様となった後の本遊技における表示態様例が示されている。報知用表示器60においては、押し順バッファの値「6」に対応する表示内容として「6」が表示されるとともに、液晶表示器27においては、画面の下方領域において押し順バッファの値「6」に対応する表示内容として「3・2・1」が表示され、有利操作態様が報知されている。また、AT中であるため、有利期間報知ランプ80が点灯した状態が継続されるとともに、遊技特定用ランプ82がAT態様で制御されている。また、液晶表示器27の画面の上方領域におけるAT関連遊技情報が表示される。
AT当選している場合であっても、図7のステップS45においては疑似停止操作の態様に応じたリール制御が行われるため、疑似停止操作の態様によってはBAR揃いとならない場合が生じ得る。この場合には、「N遊技目」の疑似遊技において図21(d)の表示態様となった後、図21(f)に示す表示態様となってAT当選している旨が報知されてから、図21(e)に移行される。スタートレバー操作により疑似遊技が終了してランダム遅延処理(図8のステップS61〜S69)が開始されるときに、図21(f)に示すように、AT移行当選している旨を示唆する演出画像(例えば、ギザギザマーク内に「復活獲得」といったメッセージ)が表示される。これにより、遊技者に対してAT当選していた旨が報知される。その後において、図21(e)に移行される。図21(f)においても、図21(e)と同様に、報知用表示器60においては、押し順バッファの値「6」に対応する表示内容として「6」が表示され、有利操作態様が報知されている。なお、図21(f)ついては、タイミング的に、先に報知用表示器60において有利操作態様が報知され、その後(例えば2秒経過後等)において、AT移行当選している旨を示唆する演出画像(例えば、ギザギザマーク内に「復活獲得」といったメッセージ)が表示されるものであってもよい。この場合には、報知用表示器60の表示に遊技者を注目させることができる(注目度を向上させることができる)。また、AT中であるため、有利期間報知ランプ80が点灯した状態が継続されるとともに、遊技特定用ランプ82がAT態様で制御されている。なお、図21(f)の例では、液晶表示器27におけるサブ側のナビ演出が表示されておらず、かつAT関連遊技情報が表示されていないが、図21(f)の段階においてもこれらの情報(図21(e)と同様)を表示するようにしてもよい。
次に、疑似遊技でBAR不揃いとなり図21(d)に示す表示態様となった後であって、AT当選していなかったときの表示態様について例示する。疑似遊技において図柄組合せが疑似停止された後においてスタートレバーが操作されたときであって、AT当選していなかったときには、図21(g)に示すように、有利期間報知ランプ80について点灯状態が維持されるものの、報知用表示器60において停止操作の態様に関する内容が表示されることはなく、液晶表示器27においてサブ側のナビ演出が実行されることもない。また、疑似遊技特定報知も終了し、疑似遊技前の状態であるCZに戻るため、遊技特定用ランプ82がCZ態様で制御される。なお、有利期間報知ランプ80の点灯状態は、1遊技が終了するときに行われる図5のステップS21〜ステップS23の処理に従って消灯状態に制御される。なお、図20のタイミング6以降については、図16のタイミング6以降と同様であるため説明を省略する。
なお、図21(g)では、疑似遊技前のCZ(有利期間)が維持されるとともに、有利期間報知ランプ80の点灯状態も維持される例について説明した。しかし、疑似遊技が行われて図21(d)に示す疑似遊技の結果(はずれ)が報知された後においては、CZ(有利期間)を終了させて、有利期間報知ランプ80を消灯させるとともに、遊技特定用ランプ82を無点灯状態に制御して、何らの文字も視認できない状態となるようにしてもよい。つまり、有利期間報知ランプ80については、消灯状態(図21(a))において疑似遊技が開始されることにより点灯状態(図21(b))とした後に、当該疑似遊技後における本遊技が終了したとき(図21(d)の遊技終了時)に有利期間を終了させるとともに消灯させるようにしてもよい。
(疑似停止パターンについて)
上記の実施形態では、疑似遊技中において疑似停止している間(図7や図16等で示した振動制御フラグがセットされている間)におけるリールの疑似停止パターンとして、図22(a)に示すように、当該リールを駆動させるためのリールモータに対して一定時間(500msec)毎に励磁相を変化させる励磁信号を出力することにより、微振動させる例(疑似停止パターン1)について説明した。図22(a)における左リールモータ14L〜右リールモータ14R欄における疑似停止操作後の細長い立ち上がり部分は、一定時間(500msec)毎に疑似停止しているリールが微振動している状態を示している。
しかし、疑似停止しているリールの疑似停止パターンは、図22(a)に示すものに限るものではない。例えば、図22(b)に示す疑似停止パターン2としてもよい。疑似停止パターン2では、疑似停止しているリールを駆動させるためのリールモータに対して一定時間(500msec)毎に、励磁相を変化させず前回出力時と同じ励磁相を励磁するための励磁信号を出力する例を示している。図22(b)における左リールモータ14L〜右リールモータ14R欄における上向き矢印は、一定時間(500msec)毎に、疑似停止しているリールに対応するリールモータに前回出力時と同じ励磁相を励磁するための励磁信号を出力している状態を示している。同じ励磁相を励磁するための励磁信号が出力されるため、リールモータ自体は回転せず、リール自体も振動等が生じず遊技者は励磁信号が出力されていることを特定できない。
また、図22(c)に示す疑似停止パターン3としてもよい。疑似停止パターン3では、疑似遊技において回転されたリールのうち最初のリールが疑似停止されてから最後のリールが疑似停止されるまでの間においては、図22(b)に示す疑似停止パターン2の態様で励磁信号を出力し、最後のリールが疑似停止されてからランダム遅延後に回転させるまでの間においては、図22(a)に示す疑似停止パターン1の態様で励磁信号を出力するパターンである。また、疑似停止パターン3においては、最後のリールの疑似停止を契機として疑似停止パターン2の態様から疑似停止パターン1の態様に切り替える際、既に疑似停止している他のリールのうち励磁信号を出力するタイミングを最初に迎えるリールの励磁タイミングに合わせて、疑似停止しているすべてのリールに対して疑似停止パターン1の態様で励磁信号を出力するようにしてよい。図22(c)の例では、左リール11Lおよび中リール11Mを疑似停止させて最後に右リール11Rを疑似停止させた場合であって、既に疑似停止している左リール11Lおよび中リール11Mのうち励磁信号を出力するタイミングを最初に迎える中リール11Mの励磁タイミング(図22(c)におけるタイミング1)に合わせて、左リールモータ14L〜右リールモータ14Rのすべてに疑似停止パターン1の態様で励磁信号を出力するようにしてもよい。これにより、微振動させるタイミングを疑似停止しているリール間において一致させることができる。
なお、疑似停止パターンとしては、図22(c)とは逆に、例えば、疑似遊技において回転されているリールのうち最初のリールが疑似停止されてから最後のリールが疑似停止されるまでの間においては、疑似停止パターン1の態様で励磁信号を出力し、最後のリールが疑似停止されてからランダム遅延後に回転されるまでの間においては、疑似停止パターン2の態様で励磁信号を出力するパターンを設けてもよい。
(報知用表示器における表示開始タイミングについて)
上記の実施形態では、AT中においてAT役に当選したときに報知用表示器60において停止操作の態様を表示する例を示した(図6、図5のステップS14)。また、報知用表示器60において表示開始するタイミングについて、AT中であって疑似遊技が発生しない通常遊技時においては、スタートレバー操作後からリール回転開始までの間におけるウェイトタイムの経過判定(図5のステップS12)においてウェイトタイムが経過していると判定されたタイミングを例示した(図5のステップS14)。つまり、図23(a)の実施例のタイミングに示すように、スタートレバー操作後に行われるウェイト判定1においてウェイトタイムが経過していると判定されたときに報知用表示器60における表示を開始する例について説明した。
しかし、ウェイトタイムの経過判定は、リールの回転開始後から停止有効化するまでの所定タイミングにおいて行うようにしてもよい。例えば、図23(a)に示すように、リール回転を開始(図23(a)のタイミング3)させた後から停止有効化(図23(a)のタイミング4)するまでの所定タイミングにおいてウェイトタイムの経過判定を行うようにしてもよい(ウェイト判定2)。この場合、ウェイト判定2は、例えば、図8のステップS61〜ステップS71のいずれかが行われるまでのタイミングにおいて行うようにしてもよい。また、AT中であって疑似遊技が発生しない通常遊技時では、当該ウェイト判定2においてウェイトタイムが経過していると判定されたときに報知用表示器60における表示を開始するようにしてもよい(図23(a)のタイミング1)。
また、AT中であって疑似遊技が発生しない通常遊技時において報知用表示器60における表示を開始するタイミングは、ウェイト判定においてウェイトタイムが経過していると判定されたときに限らず、ウェイトの有無にかかわらず、例えば、スタートレバーが操作されたとき(図23(a)のタイミング2)であってもよく、リールの回転が開始されたとき(図23(a)のタイミング3)であってもよく、停止有効化されたとき(図23(a)のタイミング4)であってもよい。つまり、AT中であって疑似遊技が発生しない通常遊技時においては、報知用表示器60を制御するための処理(ステップS13およびS14に相当)を、タイミング2とする場合には、例えば図5のステップS02でYESと判定されてステップS03〜ステップS05の処理を行った後に行い、タイミング3とする場合には図8のステップS63あるいはステップS69が開始されるときに行い、タイミング4とする場合には図8のステップS71においてYESと判定されたときに行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、疑似遊技が発生しない通常遊技時においては、リール11L〜11Rがすべて同時に回転開始する例について説明した。しかし、図23(a’)に示すように、リール11L〜11Rを所定順で回転開始させるもの(第1に左リールが回転し、続いて中リールが回転し、最後に右リールが回転するようなもの)であってもよい。この場合、AT中であって疑似遊技が発生しない通常遊技時において報知用表示器60における表示を開始するタイミングは、図23(a)で示したタイミングに限らず、リール11L〜11Rのうちで最初にリールが回転開始されたとき(図23(a’)のタイミングa、図8のステップS63に相当する処理が行われたとき)であってもよく、最後にリールが回転開始されたとき(図23(a’)のタイミングb、図8のステップS69に相当する処理が行われたとき)であってもよい。
一方、AT中であって疑似遊技が発生した後においては、疑似遊技後のみ行われる図8のステップS62、ステップS65、およびステップS68などのランダム遅延ウェイト処理の開始に関連するタイミングとして、疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止されている状態においてスタートレバーが操作されたタイミング(疑似遊技終了後においてウェイトタイムが経過していないことは現実的にあり得えない)を例示し、当該タイミングで報知用表示器60における表示を開始する例について説明した。疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止されている状態においてスタートレバーが操作されたタイミングとは、ランダム遅延処理において遅延時間が決定されるよりも前のタイミングともいえる。なお、疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止されている状態においてスタートレバーが操作されたとき(図7のステップS50でYESと判定されたとき)には、ステップS12を経由することなく、ステップS13へ移行するようにしてもよい。
しかし、AT中であって疑似遊技が発生した後に報知用表示器60において停止操作の態様の表示を開始するタイミングは、疑似遊技後のみ行われる図8のステップS62、ステップS65、およびステップS68などのランダム遅延ウェイト処理の開始に関連するタイミングであれば、疑似遊技中においてスタートレバーが操作されたタイミングに限らず、当該スタートレバー操作により開始されるランダム遅延処理のうち、例えば、ステップS62において遅延時間が決定された後であって遅延時間の計測が開始されるとき(図23(b)のタイミング1)であってもよく、遅延時間が経過して最初にリールの回転が開始されるとき(図23(b)のタイミング2)であってもよく、最後のリールの回転が開始されるとき(図23(b)のタイミング3)であってもよい。つまり、AT中であって疑似遊技が発生した後においては、報知用表示器60を制御するための処理(ステップS13およびS14に相当)を、例えば、タイミング1とする場合にはステップS62において遅延時間が決定された後であって遅延時間の計測を開始するときに行い、タイミング2とする場合には図8のステップS63が開始されるときに行い、タイミング3とする場合には図8のステップS69が開始されるときに行うようにしてもよい。
また、AT中であって疑似遊技が発生した後に報知用表示器60において停止操作の態様を示唆する内容の表示を開始するタイミングは、図23(b)に示す実施例のタイミングからタイミング1あるいはタイミング2までの所定タイミングであって、特定の処理(例えば、遅延計測が開始等)が開始あるいは終了したときに関連するタイミングに限らず、例えば、ランダム遅延処理が開始されてから所定時間(例えば、100msec)経過したときなどであってもよい。
(有利期間報知ランプの点灯開始タイミングについて)
上記の実施形態では、疑似遊技が発生しない通常遊技時であるか疑似遊技発生時であるかにかかわらず、スタートレバーが操作されたときに有利期間報知ランプ80の点灯を開始する例を示した(図5のステップS02、S05および図6のステップS33)。つまり、AT中であって有利操作態様を報知する場合には、図24(a)および図24(b)の実施例のタイミングに示すように、通常遊技時においても疑似遊技発生時においても、スタートレバーが操作されたときに有利期間報知ランプ80の点灯を開始する例について説明した。
しかし、有利期間報知ランプ80の点灯を開始するタイミングは、少なくとも有利操作態様が報知されるまでのタイミングであればこれに限るものではない。通常遊技時において有利期間報知ランプ80の点灯を開始するタイミングは、図24(a)に示すように、有利操作態様を報知する本遊技の前回遊技が終了したタイミング1であってもよい。なお、前回遊技が終了したタイミング1とは、すべてのリール回転が停止したときや、リール回転停止後における払出処理が終了したとき、次の遊技の賭数設定が可能となったときなどであってもよい。
また、疑似遊技発生時において有利期間報知ランプ80の点灯を開始するタイミングは、図24(b)に示すように、本遊技において有利操作態様を報知する遊技の前回遊技が終了したタイミング2や、疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止したタイミング3、疑似遊技を終了させて本遊技に移行させるためのスタートレバーが操作(導入操作)されたタイミング4であってもよい。なお、タイミング4としては、本遊技において停止操作の態様を示唆する内容を報知するまでのタイミングであればよく、例えば、図8のステップS61〜S69で示したランダム遅延処理が開始されるあるいは開始されたときに関連するタイミングであってもよい。具体的に、タイミング4としては、疑似遊技を終了させて本遊技のリール回転を開始させるためのスタートレバーが操作されてランダム遅延処理が開始されるタイミングや、ステップS62において遅延時間が決定された後であって遅延時間の計測が開始されるとき(後述する図25(b)のタイミング1参照)であってもよく、遅延時間が経過して最初にリールの回転が開始されるとき(後述する図25(b)のタイミング2参照、図8のステップS63が行われるとき)であってもよく、最後のリールの回転が開始されるとき(後述する図25(b)のタイミング3参照、図8のステップS69が行われるとき)などであってもよい。また、前回遊技が終了したタイミング2とは、すべてのリール回転が停止したときや、リール回転停止後における払出処理が終了したとき、次の遊技の賭数設定が可能となったときなどであってもよい。
(疑似遊技特定報知に関するタイミングについて)
上記の実施形態では、図25(a)の実施例のタイミングに示すように、疑似遊技を発生させる遊技を開始するためのスタートレバーが操作されたときに疑似遊技特定報知を開始する例を示した(図5のステップS02、S11および図7のステップS41、図14のステップS105、S106)。しかし、疑似遊技特定報知を開始するタイミングは、疑似遊技開始に関連するタイミングであればこれに限らず、例えば、図25(a)に示すように、疑似遊技におけるリールの回転が開始されたタイミング1や、リールの回転速度が一定速度に到達したタイミング2、疑似停止操作が有効化されたタイミング3などであってもよい。
また、上記の実施形態では、図25(b)の実施例のタイミングに示すように、疑似遊技を終了させて本遊技のリール回転を開始させるためのスタートレバーが操作されたときに疑似遊技特定報知を終了する例を示した(図7のステップS50、S51、図14のステップS108、S109)。しかし、疑似遊技特定報知を開始するタイミングは、図8のステップS61〜S69で示したランダム遅延処理が開始されるあるいは開始されたときに関連するタイミングであれば、疑似遊技を終了させて本遊技のリール回転を開始させるためのスタートレバーが操作されてランダム遅延処理が開始されるタイミングに限らず、スタートレバー操作により開始されるランダム遅延処理のうち、例えば、ステップS62において遅延時間が決定された後であって遅延時間の計測が開始されるとき(図25(b)のタイミング1)であってもよく、遅延時間が経過して最初にリールの回転が開始されるとき(図25(b)のタイミング2、図8のステップS63が行われるとき)であってもよく、最後のリールの回転が開始されるとき(図25(b)のタイミング3、図8のステップS69が行われるとき)であってもよく、停止有効化されるとき(図25(b)のタイミング4、図8のステップS72が行われるとき)などであってもよい。
(疑似遊技特定報知の画像について)
上記の実施形態では、疑似遊技特定報知の画像として、図26に示すように液晶表示器27の長手方向に沿った帯状の帯領域において「疑似遊技中」といった文字画像をスクロールさせる例について説明した。帯領域の外周は、例えば黒色などの単色で囲われ、かつ液晶表示器27の表示領域の縁(例えば下辺)と重ならない位置に定められている。また、帯領域の長さLと、スクロールさせる文字画像の長さMと、文字画像の間隔Nとの関係は、(M+N)≦L/2となるように定められている。
<スロットマシン1が備える技術的事項および効果の例>
(1−1) 従来からメイン制御手段によって制御される報知手段によって遊技者にとって有利な操作態様を報知する遊技機がある。このような遊技機においては、1遊技を開始するためのスタート操作等が行われたときに当該報知手段によって有利な操作態様が報知される。しかし、このような遊技機において、リールを用いた演出である疑似遊技を行う場合において、疑似遊技を行わない場合と同じタイミング(あるいは同じ契機等)で当該報知手段によって有利な操作態様を報知してしまうと、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまう虞や、疑似遊技であるのか本遊技であるのかが不明となり混乱を招いてしまう虞があった。
そこで、上記実施形態におけるスロットマシン1では、図23等に示すように、疑似遊技が発生しない通常遊技時においては図23(a)に例示したいずれかのタイミング(以下、第1タイミングという)で報知用表示器60における有利操作態様の表示を開始するのに対し、疑似遊技が発生した後においては第1タイミングではなく図8のステップS62、ステップS65、およびステップS68などのランダム遅延ウェイト処理の開始に関連するタイミングであって図23(b)に例示したいずれかのタイミング(以下、第2タイミングという)で報知用表示器60における有利操作態様の表示を開始する。
これにより、疑似遊技が発生しない通常遊技時と、疑似遊技発生後とにおいて、報知用表示器60における有利操作態様の表示を開始するタイミング(契機)を異ならせることができる。また、疑似遊技が発生する場合においては、第1タイミングにおいて報知用表示器60における有利操作態様の表示が開始されることがない。その結果、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。また、疑似遊技が発生した後においては、本遊技の開始を準備しているランダム遅延処理に関連する本遊技の準備段階であって少なくとも停止有効化されるまでに、報知用表示器60における有利操作態様の表示が開始される。このため、有利操作態様の表示が開始されるまでに、遊技者によって誤って先に停止操作がされてしまうことを防止することができる。その結果、遊技者の利益を低減させてしまうことを防止できる。
また、第1タイミングを停止有効化されたとき(図23(a)のタイミング4)とした場合、疑似遊技が発生しない通常遊技では、停止有効化されるときに報知用表示器60における有利操作態様の表示が開始されるため、遊技者は操作直前の表示に従いスムーズに遊技(停止操作)を行うことができる。また、疑似遊技終了後である場合にはランダム遅延の開始にあわせて報知用表示器60における有利操作態様の表示が開始されるため、疑似遊技を終了させた遊技者に対して、次のストップスイッチへの停止操作が本遊技において停止有効化された操作となることを事前に報知でき、疑似遊技でないことを事前に報知できる。その結果、疑似遊技の惰性で本遊技における停止操作を遊技者に行わせてしまうことを防止できる。
さらに、疑似遊技終了後も第1タイミングで有利操作態様を報知するとなると、疑似遊技を伴わない第1タイミングよりも遅いタイミングで有利操作態様を報知することとなる。その結果、当該遊技における遊技進行のスピードが遅くなってしまいテンポよく遊技を進め難くなってしまう問題が生じる。このような問題を解消するために、疑似遊技終了後においては、疑似遊技を伴った第1タイミングよりも早いタイミングとなる第2タイミングで有利操作態様を報知することで、遊技進行のスピードが遅くなってしまうことを極力抑えテンポよく遊技を進めることができる。
(1−2) 上記(1−1)に関連して、第2タイミングをランダム遅延処理において遅延時間が決定されるまでのタイミング(例えば図23(b)の実施例のタイミング、あるいはタイミング1)とした場合、疑似遊技終了後において早々と報知用表示器60における有利操作態様の表示が開始される。このため、遊技者に対して早いタイミングで安堵感を抱かせることができる。また、早々と有利操作態様が報知されるため、疑似遊技終了後の本停止有効化になったときにすぐに有利操作態様で停止操作を行うことができるため遊技進行スピードが滞ることを防止することができる。
(1−3) 上記(1−1)に関連して、第2タイミングを、遅延時間が経過して最初にリールの回転が開始されるタイミング(図23(b)のタイミング2)とした場合や、遅延時間が経過して最後にリールの回転が開始されるタイミング(図23(b)のタイミング3)とした場合、疑似遊技終了後におけるリールの回転開始タイミングに合わせて報知用表示器60における有利操作態様の表示が開始される。このため、報知用表示器60における有利操作態様の表示が何らの動作もなく突然開始されるものと比較して、遊技者に違和感を抱かせてしまうことを防止できる。
また、第2タイミングを遅延時間が経過して最後にリールの回転が開始されるタイミング(図23(b)のタイミング3)とした場合、疑似停止されているすべてのリールの回転が開始されていることとなるタイミングで有利操作態様の報知が行われることで、疑似遊技が終了して本遊技が開始されることを確実に把握できるタイミングで有利操作態様が報知される。このため、疑似遊技の終了とこれに伴った本遊技の開始を把握できつつ有利操作態様を把握することができる。
(2−1) 従来からメイン制御手段によって制御される報知手段によって遊技者にとって有利な操作態様を報知する遊技機がある。このような遊技機においては、1遊技を開始するためのスタート操作等が行われたときに当該報知手段によって有利な操作態様が報知される。しかし、このような遊技機において、リールを用いた演出である疑似遊技を行う場合において、疑似遊技を行わない場合と同じように当該報知手段によって有利な操作態様を報知してしまうと、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまう虞や、疑似遊技であるのか本遊技であるのかが不明となり混乱を招いてしまう虞があった。
そこで、上記実施形態におけるスロットマシン1では、図16に示したように、AT中において疑似遊技が発生していない通常遊技(例えば、図16の「N−1遊技目」の遊技)においては、報知用表示器60および液晶表示器27各々において停止操作の態様が報知される場合があるようにする一方で、疑似遊技中(例えば、図16の「N遊技目」の疑似遊技)においては、液晶表示器27においては停止操作の態様が報知される場合があるようにしつつも、報知用表示器60においては停止操作の態様が報知される場合がないようにし、当該疑似遊技終了後の本遊技(例えば、図16の「N遊技目」の本遊技)においては、報知用表示器60においても停止操作の態様が報知される場合があるようにしている。
これにより、疑似遊技中においてはAT中であっても報知用表示器60において有利操作態様が表示されることがない。その結果、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。また、疑似遊技終了後の本遊技においては、AT役等に当選しているときなどにおいて報知用表示器60において有利操作態様が表示される場合があるため、遊技者の利益を低減させてしまうことを防止できる。一方、疑似遊技中であっても液晶表示器27においてサブ側のナビ演出等が実行される場合があるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−2) 図17(b)および図17(d)に示したように、「N遊技目」の疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出により報知される停止操作の態様(押し順321)と、当該疑似遊技終了後における本遊技において報知用表示器60により報知される停止操作の態様(「6」が表示されている、「6」は図6(b)から押し順321)とが同じ内容を示す場合であっても、「N遊技目」の疑似遊技中においては報知用表示器60において停止操作の態様を報知する場合がなく、「N遊技目」の疑似遊技終了後であってランダム遅延処理が開始されるタイミング(図23(b)参照)において報知用表示器60において停止操作の態様を報知する場合がある。
これにより、報知される停止操作の態様にかかわらず疑似遊技中においては報知用表示器60において停止操作の態様が報知されない。このため、誤解を遊技者に抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。また、疑似遊技終了後においては、本遊技の準備段階であるランダム遅延処理が開始されるタイミングにおいて報知用表示器60において停止操作の態様を報知する場合がある。このため、停止操作の態様が報知されるまでに、遊技者によって誤って先に停止操作がされてしまうことを防止することができる。その結果、遊技者の利益を低減させてしまうことを防止できる。
(3−1) 従来からメイン制御手段によって制御される報知手段によって遊技者にとって有利な操作態様を報知する遊技機がある。このような遊技機においては、有利な操作態様を報知可能である旨を報知するものもある。しかし、このような遊技機において、リールを用いた演出である疑似遊技を行う場合において、疑似遊技を行わない場合と同じように当該報知手段によって有利な操作態様を報知してしまうと、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまう虞や、疑似遊技であるのか本遊技であるのかが不明となり混乱を招いてしまう虞がある。また、有利な操作態様を報知可能である旨の報知を、疑似遊技中においてどのように制御すべきかについて着眼したものはなく、何らの検討もされていなかった。
そこで、上記実施形態におけるスロットマシン1では、有利期間中においては、図16に示したようにAT遊技中などにおいて、報知用表示器60および液晶表示器27各々において停止操作の態様を報知する場合があり、有利期間報知ランプ80を点灯状態とする場合があり(図16の「N−1遊技目」参照)、AT遊技中であってかつ有利期間報知ランプ80が点灯状態となっているときであっても、疑似遊技中においては報知用表示器60において停止操作の態様を報知する場合がない一方で有利期間報知ランプ80の点灯状態を継続するものであり(図16の「N遊技目」の疑似遊技中参照)、疑似遊技終了後の本遊技では報知用表示器60において停止操作の態様を報知する場合がある(図16の「N遊技目」の本遊技中参照)ようにしている。
これにより、AT遊技中においては疑似遊技中であっても有利期間報知ランプ80が点灯状態に維持される。このため、有利期間報知ランプ80の点灯状態を終了してしまうことによりAT遊技が終了してしまったのではないかといった不信感を遊技者に抱かせてしまうことを未然に防止できる。一方、疑似遊技中においては報知用表示器60において停止操作の態様が報知されず、疑似遊技終了後に報知用表示器60において停止操作の態様が報知され得る。このため、疑似遊技中であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。また、疑似遊技終了後においては停止操作の態様が報知され得るため、遊技者の利益を低減させてしまうことを防止できる。
(3−2) また、上記実施形態におけるスロットマシン1では、図18に示したように通常遊技中などであっても疑似遊技中においては液晶表示器27において停止操作の態様を報知する場合がある一方で、報知用表示器60において停止操作の態様が報知される場合がなく、さらに、有利期間報知ランプ80が点灯状態となる場合もないようにした(図18の「N遊技目」の疑似遊技参照)。
これにより、通常遊技中であっても疑似遊技中においては液晶表示器27において停止操作の態様が報知される場合があるため、遊技の興趣を向上させることができる。一方、通常遊技中であって液晶表示器27において停止操作の態様が報知される場合であっても、報知用表示器60において停止操作の態様が報知される場合がない。このため、疑似遊技中であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。また、通常遊技中であって液晶表示器27において停止操作の態様が報知される場合であっても、有利期間報知ランプ80が点灯状態となる場合がない。このため、ATなどに移行されたのではないかといった誤解を生じさせてしまうことを防止できる。
(4) 従来からメイン制御手段によって制御される報知手段によって遊技者にとって有利な操作態様を報知する遊技機がある。しかし、このような遊技機において、リールを用いた演出である疑似遊技を行う場合において、疑似遊技を行わない場合と同じように当該報知手段によって有利な操作態様を報知してしまうと、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまう虞や、疑似遊技であるのか本遊技であるのかが不明となり混乱を招いてしまう虞がある。また、疑似遊技が行われる場合において、報知すべき有利な操作態様をどのように特定すべきかについて着眼したものはなく、何らの検討もされていなかった。
そこで、上記実施形態におけるスロットマシン1では、図6(a)のステップS35において特定した値を押し順バッファに保存し、図5のステップS14において保存されている値を取得して少なくとも報知用表示器60において報知する停止操作の態様を特定するようにする。また、AT中であって疑似遊技が発生しないときには、例えば図16の「N−1遊技目」のように報知用表示器60および液晶表示器27各々において停止操作の態様を報知する場合があるようにする。さらに、停止操作の態様を報知するとなったときであって疑似遊技が発生するときには、当該疑似遊技開始する前に図6(a)のステップS35において特定した値を押し順バッファに保存し、疑似遊技中においては報知用表示器60において停止操作の態様を報知する場合がない一方で押し順バッファの値を保持し、疑似遊技終了後に図5のステップS14において保持している押し順バッファの値から特定される停止操作の態様を報知用表示器60において報知するようにした。
これにより、AT中であっても疑似遊技中においては報知用表示器60において停止操作の態様が報知されない。このため、疑似遊技中であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。一方、疑似遊技終了後においては、当該疑似遊技を開始する前に図6(a)のステップS35において特定されて記憶された値であって、少なくとも当該疑似遊技が行われている間にわたって保持されている押し順バッファの値に基づく停止操作の態様が報知用表示器60において報知される。このため、報知用表示器60において停止操作の態様を報知するための処理負担を疑似遊技開始前と疑似遊技終了後とに分散できる。また、疑似遊技開始前に特定された押し順バッファの値が用いられるため、疑似遊技開始前および疑似遊技終了後など複数回に亘って停止操作の態様を特定するための値をAT役などに基づいて特定する処理を行う必要がなく、処理負担を軽減できる。
(5−1) 従来からメイン制御手段によって制御される報知手段によって遊技者にとって有利な操作態様を報知する遊技機がある。また、このような遊技機においては、有利な操作態様を報知可能である旨を報知するものや、リールを用いた演出である疑似遊技を行うものがある。しかし、有利な操作態様を報知可能である旨を報知あるいは終了するタイミングや、疑似遊技を開始あるいは終了するタイミングをどのように規定すべきかについて着眼したものはなく、何らの検討もされていなかった。
そこで、上記実施形態におけるスロットマシン1では、疑似遊技中であることを特定可能な疑似遊技態様と、当該疑似遊技が終了したことや疑似遊技中でないことを特定可能なその他の態様とを含む複数種類の態様のうちのいずれか報知可能とする遊技特定用ランプ82や液晶表示器27(以下、遊技特定用ランプ82等ともいう)を設けた。その上で、遊技特定用ランプ82等については、図25(a)に示すように、疑似遊技を開始させるスタートレバー操作や当該スタートレバー操作に関連するタイミング(実施例のタイミングおよびタイミング1〜3各々)を契機として疑似遊技特定報知を開始し、図25(b)に示すように、疑似遊技を終了させるスタートレバー操作や当該スタートレバー操作に関連するタイミング(実施例のタイミングおよびタイミング1〜4各々)を契機として疑似遊技特定報知を終了するようにした。これに対して、有利期間報知ランプ80については、図24(a)の実施例のタイミングや図24(b)の実施例のタイミングおよびタイミング4に示すように、スタートレバー操作を契機として点灯状態とし、図5のステップS23に示すように、有利期間を終了させる遊技においてリール11L〜11Rのうち一のリールのみが回転している状態で当該リールの回転を停止させるための停止操作に基づくタイミング(ステップS17でYES)以降であって、遊技終了処理(例えばステップS19、S20等の処理)が完了するまでの間のタイミングで消灯状態になるようにした。
これにより、スタートレバー操作を行う際には、遊技特定用ランプ82等において疑似遊技特定報知が行われること、および、有利期間報知ランプ80が点灯状態となることの双方に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。これに対して、遊技特定用ランプ82等において疑似遊技特定報知が終了するタイミングと有利期間報知ランプ80が消灯状態となるタイミングとが異なるため、疑似遊技が終了することと有利期間が終了することとの双方が同時に報知されてしまい遊技者の期待を大きく落胆させてしまうことを防止できる。また、遊技特定用ランプ82等および有利期間報知ランプ80各々に対する遊技者の注目先をタイミング的に分散させることができ、遊技者が見逃してしまうことを低減させることができる。
(5−2) また、図24には、有利期間報知ランプ80を点灯状態とする他の例が示されており、例えば、図24(a)のタイミング1や図24(b)のタイミング2、3に示すように、疑似遊技特定報知を開始し得るスタートレバー操作とは異なるタイミングを契機として点灯状態とし、図5のステップS23に示すように、有利期間を終了させる遊技においてリール11L〜11Rのうち一のリールのみが回転している状態で当該リールの回転を停止させるための停止操作に基づくタイミング(ステップS17でYES)以降であって、遊技終了処理(例えばステップS19、S20等の処理)が完了するまでの間のタイミングで消灯状態になるようにした例についても示している。
この場合においては、遊技特定用ランプ82等において疑似遊技特定報知が行われるタイミングと有利期間報知ランプ80が点灯状態となるタイミングとが異なるため、疑似遊技が開始されることに対する期待感と、有利期間やATが開始されることに対する期待感とをタイミング的に分散させることができる。また、遊技特定用ランプ82等において疑似遊技特定報知が終了するタイミングと有利期間報知ランプ80が消灯状態となるタイミングとが異なるため、疑似遊技が終了することと有利期間が終了することとの双方が同時に報知されてしまい遊技者の期待を大きく落胆させてしまうことを防止できる。また、遊技特定用ランプ82等および有利期間報知ランプ80各々に対する遊技者の注目先をタイミング的に分散させることができ、遊技者が見逃してしまうことを低減させることができる。
(5−3) 従来からメイン制御手段によって制御される報知手段によって遊技者にとって有利な操作態様を報知する遊技機がある。しかし、このような遊技機において、リールを用いた演出である疑似遊技を行う場合において、疑似遊技を行わない場合と同じように当該報知手段によって有利な操作態様を報知してしまうと、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を遊技者に抱かせてしまう虞や、疑似遊技であるのか本遊技であるのかが不明となり混乱を招いてしまう虞がある。
そこで、上記実施形態におけるスロットマシン1では、AT中において疑似遊技の実行契機となる特定条件が成立しているときに報知用表示器60において停止操作の態様を報知するタイミングを、図16の「N遊技目」の疑似遊技に示すように、遊技特定用ランプ82等において疑似遊技特定報知が行われているタイミングと重複するタイミングではなく、疑似遊技終了後におけるランダム遅延処理の開始に関連するタイミング(図23(b)の実施例のタイミング、タイミング1〜3等)とした。なお、この場合における疑似遊技特定報知を終了するタイミングは、図25(b)における実施例のタイミングであり、図25(b)に示すタイミング1〜4ではないものとする。
これにより、遊技特定用ランプ82等において疑似遊技特定報知が行われているにもかかわらず、報知用表示器60により停止操作の態様が報知されてしまうことがない。その結果、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。また、疑似遊技終了後においては、本遊技の開始を準備しているランダム遅延処理に関連する本遊技の準備段階であって少なくとも停止有効化されるまでに、報知用表示器60において停止操作の態様が表示される。このため、停止操作の態様が報知されるまでに、遊技者によって誤って先に停止操作がされてしまうことを防止することができる。その結果、遊技者の利益を低減させてしまうことを防止できる。
(5−4) 上記(5−3)において、さらに、報知用表示器60において停止操作の態様を表示することに対応させて液晶表示器27においてナビ演出を行うタイミングは、図16の「N遊技目」の疑似遊技に示すように、遊技特定用ランプ82等において疑似遊技特定報知が行われているタイミングと重複するタイミングではなく、疑似遊技終了後におけるランダム遅延処理の開始に関連するタイミング(図15のステップS126、疑似遊技終了後におけるランダム遅延処理の開始に関連(対応)するタイミングであって、例えば、リール回転が開始されるタイミング、リール回転が開始されて定常回転速度に到達したタイミング、停止操作が有効化されたタイミングなどのいずれかのタイミング)とした。
これにより、遊技特定用ランプ82において疑似遊技特定報知が行われているにもかかわらず、液晶表示器27により停止操作の態様が報知されてしまうことがない。その結果、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。また、疑似遊技終了後においては、本遊技の開始を準備しているランダム遅延処理に関連する本遊技の準備段階であって少なくとも停止有効化されるまでに、液晶表示器2において停止操作の態様が表示される。このため、停止操作の態様が報知されるまでに、遊技者によって誤って先に停止操作がされてしまうことを防止することができる。その結果、遊技者の利益を低減させてしまうことを防止できる。
(6) 上記のスロットマシン1では、図5のステップS09〜S11に示したように、疑似遊技は、ボーナス中でもなく設定されている賭数が2枚賭時でないとき(具体的には3枚賭時であるとき)に実行可能となる。ボーナス中であるときや設定されている賭数が2枚賭時であるときなどは、ステップS09においてYESと判定されるため、仮に特定条件が成立している状態であっても疑似遊技が実行されない。これにより、ボーナス中以外の状態において疑似遊技を実行可能とすることが、遊技の興趣を向上させることができる。また、疑似遊技が実行されるようにすべく、遊技者に対して3枚賭の遊技を推奨することができる。さらに、この場合における2枚賭時やボーナス中は遊技者にとって遊技媒体の多くの獲得が3枚賭時等に比べて期待できない低期待状態であり、当該低期待状態においては疑似遊技が発生しないようにすることで、低期待状態において疑似遊技で期待感を煽られることにより遊技者が抱く不満を未然に防ぐことを目的として、このような不満を未然に防ぐことができる。
(7) 上記のスロットマシン1では、疑似遊技中に液晶表示器27において表示される疑似遊技特定報知の画像に関して、図26を参照して説明したように、「疑似遊技中」といった文字画像をスクロールさせる帯領域の外周が、例えば黒色などの単色で囲われており、さらに、液晶表示器27の表示領域の縁(例えば下辺)と重ならない位置に定められている。これにより、疑似遊技特定報知の画像が遊技画面の背景等に溶け込んでしまい確認し難くなることを防止できる。
また、帯領域の長さLと、スクロールさせる文字画像の長さMと、文字画像の間隔Nとの関係は、(M+N)≦L/2となるように定められている。このため、疑似遊技特定報知の画像においては、文字画像のスクロール位置にかかわらず、スクロールされている文字画像に、文字画像の始点である(疑)から終点である(中)までが表示されている文字画像が必ず含まれることとなる。その結果、スクロールされているタイミングにかかわらず、文字画像全体を遊技者に視認させることができる。従来の遊技機においては疑似遊技が実行される可能性がある遊技機において、疑似遊技と本遊技とを誤認することがないように疑似遊技と本遊技との違いが明確に分かるようにすることが求められているところ、当該(7)に記載のような疑似遊技特定報知の画像の表示態様を工夫することにより、誤認することを未然に防ぐことができる。
(8) 上記のスロットマシン1では、図15に示したように、疑似遊技中においてナビ演出等を実行可能であり(ステップS121)、また、疑似遊技が発生していない通常遊技中においてもナビ演出を実行可能である(ステップS126)。通常遊技中におけるナビ演出は、ステップS130およびS131で示すように、操作ミスした場合に当該ナビ演出を終了する。これに対して、疑似遊技中におけるナビ演出等は、ステップS122〜S124の間においてステップS130およびS131に相当する処理が行われないため、操作ミスした場合であっても当該ナビ演出等がその後も継続する。すなわち疑似遊技中におけるナビ演出等については、通常遊技中におけるナビ演出とは異なる取扱いがされ得るように定められている。従来から疑似遊技が実行される可能性がある遊技機において疑似遊技における遊技者の参加意欲の向上が求められているところ、これにより、液晶表示器27において表示するナビ演出等のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、ナビ演出の態様を異ならせることによって、疑似遊技と本遊技(通常遊技)との違いをナビ演出の違いによっても把握することができる。
(9) 上記のスロットマシン1では、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率等を算出するために用いる各種カウンタの値を更新や、当該有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率等の算出を、ステップS11における疑似遊技処理中や、ステップS15におけるリール起動処理(ランダム遅延処理を含む)中などにおいて行わず、図5のステップS20に示すようにすべてのリールが停止した後の処理(例えば払出処理など)において行う。これにより、処理負担を分散させることができる。従来から疑似遊技は本遊技の一部として行われるところ、疑似遊技における疑似停止や、疑似停止によって停止された表示結果によって遊技回数や払出、枚数が更新されてしまうと各種カウンタが正確な数値を計数や算出ができなくなってしまう虞があるところ、疑似遊技においては各種カウンタの更新は行わないことで、このような虞を未然に防ぐことができる。
(10) 上記のスロットマシン1では、ストップスイッチ21L〜21R各々の操作部の内部に搭載されているLEDである停止可ランプについて、本遊技中において停止有効化している旨を報知する態様(図8のステップS72)と、疑似遊技中において停止有効化している旨を報知する態様(図7のステップS44)とを異ならせている。従来からの疑似遊技が実行される可能性がある遊技機において疑似遊技と本遊技とを誤認することがないように疑似遊技と本遊技との違いが明確に分かるようにすることが求められているところ、これにより、停止可ランプの態様からも、疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。
(11) 上記のスロットマシン1において疑似遊技特定報知を行う遊技特定用ランプ82は、点灯態様を変化させることにより、AT中である旨や、CZ中出ある旨を報知可能である。従来から疑似遊技が実行される可能性がある遊技機において疑似遊技と本遊技とを誤認することがないように疑似遊技と本遊技との違いが明確に分かるようにすることが求められているところ、これにより、疑似遊技であることを明確に把握できる遊技特定用ランプ82を備えつつ限りある前面扉5のスペースを有効活用できる。
(12) 上記のスロットマシン1では、図22(a)等で示したように、リールを疑似停止している間においては、ランダム遅延処理が開始されておりリール回転が遅延されている間においても一定時間毎に励磁信号を出力して微振動等させる。従来から疑似遊技中においては本遊技と異なるリール制御が求められているところ、これにより、本遊技においてリール回転が実際に開始されるまでの間においても、遊技者に対して疑似停止であった旨を報知できる。
(13) 上記のスロットマシン1では、図21(b)に示す疑似遊技中においてナビ演出等が実行されたときであって、当該ナビ演出等と合致する停止操作を行ったとき(図21ではBAR揃い:成功時)には、図21(e)に示すように報知用表示器60および液晶表示器27において停止操作の態様が表示されるのに対し、当該ナビ演出等と合致する停止操作を行うことができなかったとき(図21ではBAR不揃い:失敗時)には、図21(f)に示すようにランダム遅延開始時に報知用表示器60において停止操作の態様が表示されるとともに液晶表示器27において復活報知が行われた後に図21(e)に移行する。従来から疑似遊技における遊技者の参加意欲の向上が求められているところ、これにより、疑似遊技中における停止操作の態様に応じて遊技者に有利・不利を生じさせることを防止できるとともに、失敗時であっても復活することに対する期待感を持続させることができる。
(14) 上記のスロットマシン1では、払出率が1未満となる非出玉期間である通常遊技中であっても疑似遊技を実行可能であり(図18参照)、払出率が1以上となる出玉期間であるAT中などにおいて疑似遊技が実行されたときは、図16の「N遊技目」や図23(b)に示すように、ランダム遅延処理の開始に関連するタイミングで報知用表示器60において停止操作の態様を表示する。従来から疑似遊技の活用については工夫が求められているところ、これにより、出玉期間であることを示唆できる。
(15) 上記のスロットマシン1では、疑似遊技中に電断して復帰した場合、図8のステップS61等において疑似遊技中の電断復帰後であると判定されて、ステップS62等のランダム遅延ウェイト処理が行われる。これにより、リールの位置関係が所定の関係を維持したまま本遊技における停止有効化がされてしまうことを防止できる。また、図7のステップS47で示したように、疑似遊技中においては、疑似キャンセル操作を行うことにより当該疑似遊技を途中で終了させることができる。この場合においても、図8のステップS61等において疑似遊技後であると判定されて、疑似遊技中の電断復帰後と同様に、ランダム遅延処理が行われる。従来の遊技機においては処理負荷を軽減することが求められているところ、これにより、新たな処理を付加することなく、疑似キャンセルを可能としつつ、当該疑似キャンセル後においても、リールの位置関係が所定の関係を維持したまま本遊技における停止有効化がされてしまうことを防止できる。
(16) 上記のスロットマシン1では、図7のステップS48およびS49で示したように、疑似遊技が開始されてから所定時間(例えば5分等)が経過したときに、回転中のリールを強制的に疑似停止させる。強制的に疑似停止させる際、遊技者にとって最適な態様で疑似停止される。従来から疑似遊技が長引いてしまい本遊技の進行に影響を及ぼす恐れがあったところ、これにより、遊技者に対して不利益を生じさせないようにしつつも、疑似遊技が行われることにより遊技の進行が停滞してしまうことを防止できる。
(17) 上記のスロットマシン1では、図14のステップS109で示したように、疑似遊技が終了したときに、遊技特定用ランプ82を疑似遊技開始前の状態に応じた態様で制御する。これにより、疑似遊技開始前の状態がAT中であったときには、AT態様で制御し、疑似遊技開始前の状態が有利一般であったときには、非点灯状態に制御する。
(18) 上記のスロットマシン1では、図25で示したように、疑似遊技特定報知の終了タイミングは、スタートレバーが操作されたタイミング(ランダム遅延処理が開始される前のタイミング)とするものに限らず、当該スタートレバーが操作されたことに関連するタイミング1〜4のいずれのタイミングであってもよい。これにより、ランダム遅延処理が開始された後においても疑似遊技特定報知を継続して表示できるため、疑似遊技が継続していること(2回目の疑似遊技等)に対する期待感を持続等させることができる。
(19) 上記のスロットマシン1では、図17(c)で説明したように、疑似遊技において図柄組合せが疑似停止したときに表示される画像としては、入賞ラインNL上に停止されている図柄のみならず、入賞ラインNL上に停止されていない図柄に関する画像を表示することが許容されている。これに対し、本遊技において図柄組合せが表示されたときには、入賞ラインNL上に停止されている図柄に関する画像を表示することが可能であるが、入賞ラインNL上に停止されていない図柄に関する画像を表示することはできない。このため、疑似遊技において図柄組合せが疑似停止されたときに表示される画像のバリエーションを増やすことができる。
(20) 上記のスロットマシン1では、図15のステップS123およびS124において、疑似遊技中において前回操作から所定時間(例えば、3分)経過したと判定されたときに、「疑似停止させましょう!」といった疑似停止操作促進演出を行う。これに対して、図15のステップS128およびS129において、本遊技中において前回操作から所定時間(例えば、1分)経過したと判定されたときに、「リールを停止させましょう!」といった停止操作促進演出(疑似停止操作促進演出とは異なる態様)を行う。従来から疑似遊技と本遊技とを誤認することがないようにすることが求められているところ、これにより、促進演出によっても疑似遊技であるにもかかわらず本遊技であるかのような誤解を抱かせてしまうことや混乱を招いてしまうことを防止できる。なお、疑似停止操作促進演出の態様と、停止操作促進演出の態様とは、同じ態様としてもよい。
(21) 上記のスロットマシン1では、有利期間報知ランプ60とは異なるデバイスである遊技特定用ランプ82を搭載させて、当該遊技特定用ランプ82により疑似遊技特定報知を行う。従来から疑似遊技と本遊技とを誤認することがないようにすることが求められているところ、これにより、有利期間報知ランプ60を有利期間である旨を報知する専用のデバイスとなるため、有利期間であるか否かを遊技者が分かり難くなるといった不具合を未然に防止できる。
<各種演出について>
スロットマシン1においては、遊技の進行に応じて各種演出が実行される。サブCPU71は、遊技の進行に応じてメインCPU61からのコマンドに基づき、液晶表示器27や、各種ランプ、スピーカ31L、31Rなどを用いて各種演出を実行する。
各種演出には、例えば、ATゲーム数やストックなどの特典が付与されるか否かを報知する当否示唆演出や、所定の遊技事項に関する数値として遊技者にとっての有利度合いの大きさを報知する有利度報知演出、スロットマシン1に設定されている設定値の示唆に関する設定示唆関連演出などが含まれる。所定の遊技事項に関する数値であって有利度合いの大きさには、例えば、付与(あるいは上乗せ)されたATゲーム数、AT中に消化したATゲーム数、AT中に付与されたメダル数などが含まれる。以下では、有利度報知演出の一例として、ATなどの有利状態が終了する際に当該有利状態中に消化したATゲーム数と獲得したメダル数とを含む有利状態中の遊技履歴を報知するリザルト演出を例示する。また、設定示唆関連演出の一例として、スロットマシン1において現在設定されている設定値を示唆する設定示唆と、次回の報知タイミングにおいて設定示唆が行われることを事前に予告する示唆予告とを例示する。本実施形態では、設定示唆や示唆予告がリザルト演出中において実行される例について説明する。
<有利度報知演出について>
図27は、有利度報知演出としてリザルト演出が実行された場合の液晶表示器27における表示例を説明するための図である。図27では、液晶表示器27の表示例を主に説明するが、リザルト演出実行時には、液晶表示器27における表示に対応する態様で各種ランプが制御されるとともに、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから出力されるものとする。本実施形態におけるリザルト演出は、ATの最終遊技における第3停止操作が行われたときに実行されるが、ATの最終遊技に関連するタイミングで行われるものであればこれに限らず、例えば、最終遊技が開始されたときに実行されるものであってもよく、最終遊技におけるメダルの払出が終了したときに実行されるものであってもよい。
リザルト演出では、例えば、終了するATにおいて消化したゲーム数であるATゲーム数と、当該ATにおいて純増したメダル数である獲得メダル数とが表示される。このうち、消化したATゲーム数については、リザルト演出開始時から結果となるゲーム数そのものが表示される。これに対し、遊技者の実質的な利益に相当する獲得メダル数については、リザルト演出が開始されてから更新表示(加算更新)させる桁数を1桁(一の位)から4桁(千の位)まで段階的に増やす演出を行った後に、結果となるメダル数が確定表示される。これにより、遊技者の利益に直結する度合いが高い獲得メダル数に対する注目度合いを向上させることができる。ATについては、前述したように獲得メダル数の上限値として上限累計数:2400が定められている。このため、獲得メダル数の最大桁数は、前述のように4桁(千の位)となる。なお、上限累計数は、2400であるが、払出枚数が例えば「2399」のときに1遊技における最大払出枚数(本実施形態では例えば「10」)が払い出された場合には、実際には「2400」を超える枚数(例えば「2409」、1遊技における最大払出枚数が「15」の場合は「2414」)に到達し得ることになる。
図27では、消化したATゲーム数が「300」であり、所定の遊技事項に関する数値である獲得メダル数として「945」がサブCPU71により特定された場合を例示する。リザルト演出が開始されると、画面中央において「RESULT」といったメッセージが表示された後に、図27(a)に示すように「ATゲーム数」および「獲得メダル数」といったメッセージが表示される。「ATゲーム数」とは、終了するATにおいて消化したATゲーム数を示しており、図27(a)では「300」が表示されている。一方、AT中における純増枚数に相当する「獲得メダル数」については、まず、1桁目(一の位)において更新表示が開始される。図27(a)では、説明のために、「0」がグレーで示され当該数値に重畳させて点線の下向き矢印が示されており、グレーと下向き矢印により当該桁の数値が「0→1→2→3→…」といったように順次更新表示(変動表示)されている状況である旨を示している。なお、ある数値から次の数値(例えば、「0→1」)への更新間隔は、一定時間に定められており、例えば0.02秒で次の数値に更新されるように定められている。
図27(b)は、1桁目の数値の更新表示が開始されてから所定時間(例えば、数値7個分の更新(移動量、数値変動数)に相当する0.02×7=0.14秒)経過したときの表示例を示している。リザルト演出における獲得メダル数は、所定時間更新表示することにより、ひとつ上位となる桁を増やして当該桁においても更新表示が開始される。このようにリザルト演出における獲得メダル数については、結果として表示する獲得メダル数の多少にかかわらず、1桁目から更新表示を開始し、所定時間経過毎に更新表示する桁数を1つ増やし、最大桁数まで増大させて更新表示される。
図27(b)では、獲得メダル数の1桁目が「7」まで更新表示されたときに2桁目(十の位)が増えて「0」からの更新表示が開始されている例が示されている。以降、「07→18→29→30→41→…」といったように更新表示される。このように、本実施形態における更新表示では、少なくとも隣り合う桁とは異なる数値となるように各桁における数値が更新表示される。
また、所定時間経過により増える桁の数値は、当該桁の正規の位置よりも上位の桁側に寄った位置(左に寄った位置)において表示された後に、さらに所定時間経過するまで(次の桁が増えるまで)の間に徐々に正規の位置まで移動表示(右に移動表示)する。これにより、桁が増えたことをアピール・強調して遊技者に把握させることができる。
図27における獲得メダル数の1桁目〜4桁目の数値の正規の位置は、例えば、獲得メダル数の上方に表示されているATゲーム数の1桁目〜4桁目の数値の表示位置と左右方向において同じ位置関係となる。つまり、ATゲーム数の1桁目〜4桁目各々の数値の表示位置に対応する真下の位置が、獲得メダル数の1桁目〜4桁目各々の数値の正規の位置となる。
図27(b)に示すように、2桁目(十の位)が増えた場合には、当該2桁目の数値「0」がその上方に表示されているATゲーム数の2桁目の位置よりも左右方向において左側に寄った位置に表示され、その後の時間経過に応じて徐々にATゲーム数の2桁目の数値の真下となる正規の位置まで移動表示する(図27(c)の2桁目の位置参照)。
図27(c)は、2桁目の数値の更新表示が開始されてから所定時間(例えば、数値7個分の更新(移動量、数値変動数)に相当する0.14秒)経過したときの表示例を示している。図27(c)では、獲得メダル数の1桁目が「4」、2桁目が「7」まで更新表示されたときに3桁目(百の位)が増えて「0」からの更新表示が開始されている例が示されている。以降、「074→185→296→307→418→…」といったように更新表示される。このように、3桁の更新表示でも、少なくとも隣り合う桁とは異なる数値となるように各桁における数値が更新表示される。
また、図27(c)に示すように、3桁目(百の位)が増えた場合には、当該3桁目の数値「0」がその上方に表示されているATゲーム数の3桁目の位置よりも左右方向において左側に寄った位置に表示され、その後の時間経過に応じて徐々にATゲーム数の3桁目の数値の真下となる正規の位置まで移動表示する(図27(d)の3桁目の位置参照)。
図27(d)は、3桁目の数値の更新表示が開始されてから所定時間(例えば、数値7個分の更新(移動量、数値変動数)に相当する0.14秒)経過したときの表示例を示している。図27(d)では、獲得メダル数の1桁目が「1」、2桁目が「4」、3桁目が「7」まで更新表示されたときに4桁目(千の位)が増えて「0」からの更新表示が開始されている例が示されている。以降、「0741→1852→2963→3074→4185→…」といったように更新表示される。このように、4桁の更新表示でも、少なくとも隣り合う桁とは異なる数値となるように各桁における数値が更新表示される。なお、更新表示においては、隣り合う桁に限らず、いずれの桁においても同じ数値が表示されるタイミングが生じ得ないように更新表示されるものであってもよい。
また、図27(d)に示すように、4桁目(千の位)が増えた場合には、当該4桁目の数値「0」がその上方に表示されているATゲーム数の4桁目(図27においては示されていない)の位置よりも左右方向において左側に寄った位置に表示され、その後の時間経過に応じて徐々にATゲーム数の4桁目の数値の真下となる正規の位置まで移動表示する(図27(e)等の4桁目の位置参照)。本実施形態におけるリザルト演出においては、結果として表示するメダル数にかかわらず、結果が表示されるまでの間に、更新表示させる桁数を1桁から最大桁数となる4桁まで順次増大させる表示が行われる。
図27(e)は、4桁目の数値の更新表示(図27(d))が開始されてから所定時間(例えば、数値7個分の更新(移動量、数値変動数)に相当する0.14秒)経過したときの表示例を示している。図27(e)では、獲得メダル数の1桁目が「8」、2桁目が「1」、3桁目が「4」、4桁目が「7」まで更新表示されているが、4桁目が最大桁数であるためさらに桁数を増やす表示が行われることはない。また、4桁目の数値の更新表示が開始されてから所定時間経過した後においても、図27(f)に示すように、1桁目〜4桁目各々における更新表示が継続され、以降の所定のタイミングにおいて結果として獲得メダル数を表示するための処理(結果表示するための処理)に移行する。
図27(g)は、4桁目の数値の更新表示が開始されて(図27(d)のタイミング)から所定時間よりも長い期間(例えば、0.5秒等)経過して結果表示するための処理を開始する所定のタイミングに到達したときの例を示している。結果表示するための処理を開始するときには、1桁目〜4桁目における更新表示を継続しつつ、結果表示する獲得メダル数の多少にかかわらず、所定音が所定回数出力される。図27(g)では、液晶表示器27の右側の文字により、所定音として「デ」といった効果音が3回出力されて「デデデ♪」といった効果音が出力されている様子を示している。このように、全桁が正規の位置となってから最終的に結果表示するメダル数を表示するまでの間の期間において所定音「デ」を所定回数出力することによって、メダル数が最終的に結果表示されるまでのタメの期間(遊技者を引き付ける期間)を強調することが可能となり、メダル数が表示されることに対する期待感を高揚させることができる。また、このようなタメの期間において所定音を所定回数出力することにより、間もなく最終結果が表示されるということを遊技者に意識させることができ、所定音が無い場合よりも所定音がある場合の方が最終結果を見逃し難くなり、注目させることができる。なお、所定音としての「デ」は、図27(g)のタイミングで出力する例を示しているが、所定音としての「デ」を出力するタイミングは、これに限らず、リザルト演出が開始された図27(a)のタイミングや、図27(b)〜図27(f)のうちのいずれかのタイミングであってもよい。このように早い段階から所定音としての「デ」を出力することにより、早い段階から遊技者の注意を引きつけることができるとともに、リザルト演出が開始されたことを遊技者に伝える(把握させる)ことができる。
リザルト演出において獲得メダル数を結果表示する際には、結果表示するメダル数の下位の桁(すなわち1桁目(一の位))から上位の桁に向けて1桁ずつ表示される。各桁における更新表示は、結果として数値が表示されるまで継続される。また、1桁ずつ表示するタイミングに合わせて、結果表示するメダル数の当該桁の数値(実際の値)に切り替えるとともに当該数値に重畳させて特別画像が表示される。特別画像は、次の上位の桁の結果となる数値を表示するまでに非表示となる。なお、特別画像は、次の上位の桁の結果となる数値を表示とタイミング的に若干重畳した後に非表示となるものであってもよい。また、結果表示するメダル数の各桁の数値を表示するタイミング毎に、特定音が出力される。桁数は4桁であるため、特定音は4回出力されることになる。
図27(h)においては、1桁目の数値を、結果表示される「945」のうちの1桁目の「5」に切り替えるとともに、当該「5」に重畳させて上下左右に向けて爆発しているかのような特別画像が表示されている。また、図27(h)では、液晶表示器27の右側の文字により、特定音として「キュン♪」といった効果音が出力されている様子を示している。なお、この時点においても、2桁目〜4桁目における更新表示は継続して行われる。
図27(i)においては、1桁目の結果である「5」に対する特別画像が非表示となった後、2桁目の数値を、結果表示される「945」のうちの2桁目の「4」に切り替えるとともに、当該「4」に重畳させて特別画像が表示されている。また、図27(i)においても特定音として「キュン♪」といった効果音が出力されている様子が示されている。なお、この時点においても、3桁目〜4桁目における更新表示は継続して行われる。
図27(k)においては、2桁目の結果である「4」に対する特別画像が非表示となった後、3桁目の数値を、結果表示される「945」のうちの3桁目の「9」に切り替えるとともに、当該「9」に重畳させて特別画像が表示されている。また、図27(k)においても特定音として「キュン♪」といった効果音が出力されている様子が示されている。なお、この時点においても、4桁目における更新表示は継続して行われる。図27では、結果として表示する数値が存在する桁(例えば、1桁目〜3桁目)については、当該数値を表示する際に、当該数値を表示する制御とともに(ほぼ同時に)、特別画像を表示する制御を行う例について説明した。しかし、これに限らず、結果として表示する数値が存在する桁(例えば、1桁目〜3桁目)については、当該数値を表示する際に、当該数値を表示する制御を行った後に特別画像を表示する制御を行うものであってもよく、また、当該数値を表示する桁の位置において特別画像を表示する制御を行った後に当該数値を表示する制御を行うものであってもよい。
図27(m)においては、3桁目の結果である「9」に対する特別画像が非表示となった後、4桁目の数値を結果表示する数値に切り替えるタイミングを示している。図27では、獲得メダル数として「945」を結果表示する場合を想定しているため、4桁目に対応する数値が存在しない。このような場合、図27(m)に示すように、4桁目の数値を非表示とした後(消去後)に、4桁目の正規の位置に重畳させて特別画像が表示される。図27では、結果として表示する数値が存在しない桁(例えば、4桁目)については、当該桁の数値を非表示とする制御を行った後に当該桁の位置に特別画像を表示する制御を行う例について説明した。しかし、これに限らず、数値が存在しない桁に対する特別画像についても、数値が存在する桁に対する特別画像と同様に、更新表示されていた数値を非表示(図27(m)では4桁目の数値を非表示)とするとともに(ほぼ同じタイミングで)、当該桁の正規の位置(図27(m)では4桁目の正規の位置)に重畳させて表示させるようにしてもよい。つまり、結果として表示する数値が存在しない桁(例えば、4桁目)については、当該桁の数値を非表示とする制御とともに(ほぼ同時に)、当該桁の位置に特別画像を表示する制御を行うものであってもよい。また、結果として表示する数値が存在しない桁(例えば、4桁目)については、当該桁の位置に特別画像を表示する制御を行った後に当該桁の数値を非表示とする制御を行うものであってもよい。
また、図27(m)においても特定音として「キュン♪」といった効果音が出力されている様子が示されている。図27(h)〜図27(m)に示すように、各桁において結果表示するタイミング毎に特定音が出力されるため、結果表示する際には、特定音としての「キュン♪」といった効果音が、最大桁数に相当する4回出力されることとなる。このように、結果表示するタイミングに合わせて特定音を出力することにより、各桁において結果表示されることを分かりやすくすることができる。また、所定音「デ」と特定音「キュン」を異なる音とすることによっても、表示が切り替わることを分かりやすくしている。また、メダルの実際の獲得数に関わらず特定音を特定回数出力することによって、更新表示中の桁数との整合を図ることができ違和感を無くすことができる。
図27(n)においては、4桁目に対する特別画像が非表示となって、獲得メダル数として「945」が結果表示されたタイミングを示している。このように、結果表示する獲得メダル数(特定された数値)の桁数が最大桁数に満たない場合には、桁数を減じて特定された獲得メダル数を結果として報知し得る。獲得メダル数が結果表示されたときには、図27(n)における液晶表示器27の右側の文字により示されるように、「シャキーン♪」といった効果音が出力される。
図27では、獲得メダル数として「945」を結果表示する場合を説明している。しかし、例えば獲得メダル数として4桁となる数値(例えば「1945」)を結果表示する場合には、3桁目の結果である「9」に対する特別画像が非表示となった後、4桁目の数値を、結果表示される「1945」のうちの4桁目の「1」に切り替えるとともに、当該「1」に重畳させて特別画像が表示されることになる。また、例えば獲得メダル数として2桁となる数値(例えば「45」)を結果表示する場合には、2桁目の結果である「4」に対する特別画像が非表示となった後、まず、3桁目の数値を非表示とした後(消去後)に、3桁目の正規の位置に重畳させて特別画像が表示される。その後、3桁目に対する特別画像が非表示となった後、4桁目の数値を非表示とした後(消去後)に、4桁目の正規の位置に重畳させて特別画像が表示されることになる。なお、前述したとおり、数値が存在する桁に対する特別画像と同様に、例えば、3桁目の数値を非表示とするとともに当該3桁目の正規の位置に重畳させて特別画像を表示し、当該3桁目に対する特別画像が非表示となった後に、4桁目の数値を非表示とするとともに当該4桁目の正規の位置に重畳させて特別画像を表示するものであってもよい。また、各桁の数値が表示されるか非表示となるかにかかわらず、特別画像を表示する際には、特定音としての「キュン♪」といった効果音が出力されることとなり、さらに、各桁の結果表示が行われた後には、「シャキーン♪」といった効果音が出力されることとなる。各桁の結果表示が行われた後に「シャキーン♪」といった効果音を出力することで結果表示が完了したことを強調することができる。また、このように結果表示が完了する区切りのタイミングで効果音を出力することで結果表示が完了したことを報知するとともに、一の遊技状態(例えば一連のAT)が終了したことも報知することができ、このような効果音が無い場合に比べて、演出や遊技状態の区切りを明確に報知することができ、遊技者も区切りを把握しやすくなる。
(有利度報知演出による効果の一例)
上記のように、有利度報知演出としてのリザルト演出の獲得メダル数表示では、更新表示される桁数を増大させ(図27(a)〜図27(e))、結果として表示する数値として特定された実際の数値にかかわらず、最大桁数まで増大させ得ることにより遊技者に注目させた状況において、実際の獲得メダル数を結果として報知し、実際の獲得メダル数が最大桁数に満たず更新表示の際に実際よりも多い桁数まで増大していた場合には桁数を減じて結果として報知される(図27(m)および図27(n))。このため、更新表示される数値および結果として報知される獲得メダル数に対する注目度合いを高めつつ、報知された獲得メダル数に対する遊技者の満足感を向上させることができる。また、特定された実際の獲得メダル数にかかわらず、更新表示される桁数を最大桁数まで増大させるため、更新表示されている間における期待感あるいは優越感を向上させることができる。また、結果として報知される獲得メダル数の桁数よりも多い桁数まで更新表示する桁数を増大させることで、単に結果を報知する場合よりも、結果に対する高揚感を与えることができる。結果として報知される獲得メダル数が大きな数値である場合も小さな数値である場合の双方にも効果的であり、結果として報知される獲得メダル数が大きな数値である場合は結果に対する高揚感を与え、結果として報知される獲得メダル数が小さな数値である場合は失望感を低減することができる。
また、下位の桁において所定期間更新表示することによりひとつ上位の桁における更新表示を開始することにより更新表示させる桁数を最大桁数まで順次増大させ、最大桁数まで増大させた後においては、図27(d)〜図27(g)で示したように、各桁において所定期間よりも長い期間更新表示させた後に、結果報知に移行する。これにより、最大桁数まで増大させて更新表示させる期間が長く設けられているため、遊技者に注目させて期待感あるいは優越感を増大させる期間を長くでき、遊技の興趣を向上させることができる。
また、結果として報知する際には、図27(h)〜図27(m)に示すように、特定された実際の獲得メダル数のうち下位の桁から上位の桁に向けて1桁ずつ数値が表示される。このため、上位の桁の数値が報知されるまで遊技者の注目を引き付けることができる。
また、1桁ずつ数値を報知する際には、例えば図27(h)で示すように、当該桁の数値を結果として報知する数値に切り替えるとともに当該数値に重畳させて特別画像を表示する。ここで、仮に特別画像が表示されない場合には、例えば、ある桁において数値として「5」が更新表示されているときに、当該桁において結果として「3」を表示するときには、「5」から更新表示順ではない「3」に飛んで切り替えられたことに違和感を抱かせてしまう虞がある。しかし、本実施形態においては、図27(h)等で示すように切り替えの際に特別画像を重畳して表示することにより、当該特別画像により数値が切り替えられたことを分かり難くすることにより違和感を抱かせ難くすることができるとともに、結果として当該桁の数値が報知されることを分かり易くすることができる。
また、図27(k)に示すように、特定された実際の獲得メダル数を結果として報知するまでは、当該数値の桁よりも上位の桁(4桁目)における更新表示を継続し、結果として報知するときにおいて、図27(m)に示すように、上位の桁(4桁目)の数値を消去した後に当該上位の桁の位置に重畳させて特別画像を表示する。これにより、桁数を減じて特定された数値を結果として報知する場合においても数値を消去した後に他の桁と同様に特別画像が表示されるため、当該桁だけ特別画像が表示されないといった違和感を遊技者に抱かせてしまうことを防止できる。さらに、本実施形態のように特別画像の表示が有る場合には、特別画像の表示が無い場合よりも、桁数が減ぜられたという感覚を抑えることができる。
また、図27(g)〜図27(m)に示すように、特定された実際の獲得メダル数を結果として報知する際に、当該特定された獲得メダル数にかかわらず、所定音としての「デ」を所定回数として「3回」出力した後に、特定音としての「キュン」を特定回数として「4回」出力する。これにより、特定された獲得メダル数にかかわらず、結果として報知する際には共通の態様で所定音および特定音が出力されるため、結果報知されることを遊技者に分かり易くすることができる。なお、特定された実際の獲得メダル数を結果として報知する際に、当該特定された獲得メダル数にかかわらず、所定音としての「キュン」を所定回数として「4回」出力した後に、特定音としての「シャキーン」を特定回数として「1回」出力しているともいえる。あるいは、特定された実際の獲得メダル数を結果として報知する際に、当該特定された獲得メダル数にかかわらず、所定音としての「デ」を所定回数として「3回」出力した後に、特定音としての「シャキーン」を特定回数として「1回」出力しているともいえる。また、特定された実際の獲得メダル数を結果として報知する際に、当該特定された獲得メダル数にかかわらず、所定音としての「デ」を所定回数として「3回」出力した後に、特定音としての「キュン」を特定回数として「4回」出力し、さらに特別音として「シャキーン」を予め定められた回数として「1回」出力しているともいえる。
また、図27(b)等で示したように、更新表示させる桁数を増大させる際には当該増大させる桁の正規の位置よりも上位の桁側に寄った位置において桁数を増大させて更新表示を開始した後、当該更新表示の位置を正規の位置まで移動させる。これにより、桁数が増大したことを遊技者にアピールすることができ、その後は正規の位置に移動するため、表示されている数値が例えば隣り合う桁が離れていることなどにより読み取り難くなってしまうことを防止できる。
また、図27(b)〜図27(g)に示すように、少なくとも隣り合う桁とは異なる数値となるように各桁における数値が更新表示される。これにより、隣り合う桁と同じ数値となるように更新表示されるものと比較して、数値が更新されている印象を強く抱かせることができる。
(有利度報知演出の変形例)
図27におけるリザルト演出の獲得メダル数表示では、獲得メダル数の数値そのものが結果表示され、獲得メダル数の桁数が最大桁数に満たない場合には当該満たない桁について数値が表示されない例(図27(n)では4桁目(千の位)について非表示)について説明した。しかし、獲得メダル数の桁数が最大桁数に満たない場合には、結果表示する際に、当該満たない桁について数値として「0」を表示するようにしてもよい。その一例について図28を参照して説明する。なお、図28(a)〜図28(k)については、図27(a)〜図27(k)と同じであるため説明を省略する。
図28(m)においては、3桁目の結果である「9」に対する特別画像が非表示となった後、結果表示するメダル数が4桁に満たない場合に当該4桁目の数値として「0」に切り替えるとともに、当該「0」に重畳させて特別画像が表示されている。また、図28(m)においても所定音として「キュン♪」といった効果音が出力されている様子が示されている。
図28(n)においては、4桁目に対する特別画像が非表示となって、獲得メダル数として「0945」が結果表示されたタイミングを示している。このように、結果表示する獲得メダル数(特定された数値)の桁数が最大桁数に満たない場合には、満たない桁の数値を「0」として最大桁数で特定された獲得メダル数を報知し得る。獲得メダル数が結果表示されたときには、図28(n)における液晶表示器27の右側の文字により示されるように、「シャキーン♪」といった効果音が出力される。
また、図27および図28におけるリザルト演出の獲得メダル数表示では、当該リザルト演出を開始してから更新表示させる桁数を1桁から最大桁数まで段階的に増やす演出を行った後に結果表示する例について説明した。しかし、リザルト演出においては、開始したときに桁数を段階的に増やすものに限らず、開始時から最大桁数を表示して各桁において更新表示させるようにしてもよい。その一例について図29を参照して説明する。なお、図29においても特定(算出)された獲得メダル数(特定された数値)が「945」である場合を例示する。
リザルト演出が開始されると、画面中央において「RESULT」といったメッセージが表示された後に、図29(a)に示すように、「ATゲーム数」として「300」が表示される一方、「獲得メダル数」としては結果表示するメダル数の多少にかかわらず最大桁数を表示して各桁において更新表示される。また、図29の例では、各桁における更新表示が開始されてから、結果表示するメダル数の多少にかかわらず予め定められた時間が経過したときに、結果表示するための処理に移行する。
結果表示するための処理においては、まず、1桁目〜4桁目における更新表示を継続しつつ、結果表示する獲得メダル数の多少にかかわらず、所定音が所定回数出力される。図27(g)と同様に、所定音として「デ」といった効果音が3回出力されて「デデデ♪」といった効果音が出力され、続いて、図29(b)〜図29(d)に示すように、図27(h)〜図27(k)と同様の表示および効果音が出力される。
また、獲得メダル数の桁数が最大桁数に満たない場合には、図29(e)に示すように、図27(m)と同様、最大桁数に満たない桁である4桁目の数値を非表示とした後(消去後)に、4桁目の正規の位置に重畳させて特別画像を表示(「キュン♪」といった効果音も出力)した後、図29(f)に示すように、図27(n)と同様、4桁目に対する特別画像を非表示として獲得メダル数として「945」を結果表示する(「シャキーン♪」といった効果音も出力)。なお、結果表示するための処理において、獲得メダル数の桁数が最大桁数に満たない場合には、図29(g)および図29(h)に示すように、図28(m)および図28(n)と同様、最大桁数に満たない桁の数値として「0」を表示するようにしてもよい。
図27および図28では、更新表示を開始する際に、一の位である下位の桁から千の位である上位の桁に向けて1桁ずつ増大させる例について説明した。しかし、増大させる態様は、これに限らず、例えば、千の位である上位の桁から一の位である下位の桁に向けて1桁ずつ増大させるものであってもよく、また、ランダムに増大(例えば、一の位→百の位→十の位→千の位といったように増大させるパターンなど)させるものであってもよい。
図27〜図29では、結果表示を、桁の増大と同様に、一の位である下位の桁から千の位である上位の桁に向けて1桁ずつ表示する例について説明した。しかし、結果表示させる態様は、これに限らず、例えば、千の位である上位の桁から一の位である下位の桁に向けて1桁ずつ結果表示させるものであってもよく、また、ランダムに結果表示(例えば、一の位→百の位→十の位→千の位といったように結果表示させるパターンなど)させるものであってもよい。また、図27および図28において結果表示させる態様は、桁数を増大させる態様と同じにすることにより、遊技者にとって分かり易いものとすることができる。なお、更新表示から1桁ずつ結果表示するものに限らず、例えば、結果表示として一気に全桁を表示するようにしてもよい。この場合、更新表示から結果表示するときには、数値全体をフラッシュさせるか、または、少なくとも一部の桁を覆うように所定画像を一瞬重畳させて(瞬間的に被せて)から結果表示するなど、特別な演出効果を伴わせるようにしてもよい。
図27および図28では、下位の桁における更新表示が所定時間経過により、上位の桁を増大させて更新表示を開始する例について説明した。しかし、上位の桁を増大させるのに要する時間は、桁にかかわらず一定に定められているものに限らず、桁毎に異なるように定められているものであってもよく、例えば、上位の桁程、増大させるのに要する時間が長く定められているものであってもよい。また、上位の桁を増大させる契機は、所定時間経過することにより成立するものに限らず、例えば、数値が所定量変動することや、所定個数の数値に切り替えられることによって成立するものであってもよく、また、0から順次更新し、9→0に切り替えられる際に桁上がりとして、上位の桁を増大させるものであってもよい。
有利度報知演出としてのリザルト演出の獲得メダル数表示では、結果表示として各桁の数値を表示する際に、図27(h)等で示したように特別画像を重畳させて表示する例について説明したが、これに限らず、特別画像を表示することなく各桁の数値を表示するようにしてもよい。
図27〜図29で示した有利度報知演出では、終了するAT中において純増したメダル数である獲得メダル数を報知する例について説明したが、図27〜図29で示した態様で更新表示および結果表示される数値は、所定の遊技事項に関する数値であれば獲得メダル数に限らず、例えば、払い出されたメダル数であってもよく、所定役(例えば、15枚役、あるいはレア役)に入賞した回数であってもよく、このようなリザルト画面においては当該AT中に消化したAT期間数(ATゲーム数やナビ回数)であってもよい。また、ATゲーム数の上乗せが高確率で行われる上乗せ特化ゾーンにおいて上乗せされた合計上乗せATゲーム数であってもよく、また、当該上乗せ特化ゾーンに制御されていた期間であってもよい。合計上乗せATゲーム数を報知する具体例として、上乗せ特化ゾーンにおいて上乗せされた合計上乗せATゲーム数を特定し、上乗せ特化ゾーンが終了する際のリザルト画面において、図27〜図29において獲得メダル数を表示する態様と同様の態様で、合計上乗せATゲーム数を報知するようにしてもよい。なお、図27〜図29におけるリザルト演出では、ATゲーム数と獲得メダル数とをともに表示しているが、これに限らず、ATゲーム数は表示せずに獲得メダル数のみを表示するようにしてもよい。もちろん、AT中は、獲得メダル数とATの残りゲーム数の双方を表示しているところ、リザルト演出においてはそのどちらかのみを表示することによって結果として報知する対象を強調することができる。
図27〜図29では、有利度報知演出を、AT終了画面において実行される演出である例を示したが、これに限らず、例えばボーナス終了画面において実行される演出であってもよく、また、有利期間(有利区間)のリミッタに到達した際における終了画面において実行される演出であってもよい。
上記実施形態では、有利期間のリミッタ到達によるAT終了時も、有利期間のリミッタ到達により終了する場合ではないAT終了時(リミッタ非到達時のAT終了)も、ともに更新表示を経由して結果表示するものであり、更新表示については共通の態様で行われることを想定している。これにより、AT終了時における結果表示を共通化できるため、遊技者に分かり易く報知できるとともに、報知のための処理負担を軽減できる。しかし、これに限らず、有利期間のリミッタ到達により終了する場合ではないAT終了時(リミッタ非到達時のAT終了)においては、図27〜図29で示したように更新表示を経て結果表示するリザルト画面を表示する一方で、リミッタ到達におり終了する場合のAT終了時(リミッタ到達時のAT終了)においては、更新表示を経ることなく結果表示するようにしてもよい。これは、リミッタ到達時は、リミッタ非到達時に比べてある一定数のメダルを獲得した上で終了するものであり、更新表示における期待感の創出を遊技者に煩わしく感じさせてしまう虞があるところ、上記のとおりリミッタ到達時のAT終了時には更新表示を経ないで結果表示することにより、遊技者に煩わしさを感じさせてしまうことを防止できる。
図27〜図29では、いずれも最大桁数の数値を更新表示する例について説明したが、特定した数値(獲得メダル数)の桁数に応じて、当該桁数よりも予め定められた数(例えば一つ)多い桁数まで更新表示の際に増大させ、結果表示する際には桁数を減じて特定した数値が結果表示されるようにしてもよい。また、特定した数値(獲得メダル数)の桁数が特定数(例えば、4桁)未満であるときには、特定した数値にかかわらず特定数の桁数まで更新表示の際に増大させる一方、特定した数値の桁数が特定数以上であるときには、当該特定数よりも予め定められた数(例えば一つ)多い桁数まで更新表示の際に増大させ、結果表示する際には桁数を減じて特定した数値が結果表示されるようにしてもよい。これにより、特定数よりも一つ多い桁数まで増大されることに対する期待感あるいは優越感を遊技者に抱かせることができる。
図27〜図29においては、結果表示までに各桁において更新表示を行う例について説明したが、これに限らず、各桁において更新表示を行うことなく、上記の予め定められている態様で結果として表示する数値を表示(例えば、一の位である下位の桁から千の位である上位の桁に向けて1桁ずつ結果表示、千の位である上位の桁から一の位である下位の桁に向けて1桁ずつ結果表示、ランダムに結果表示、1桁ずつ結果表示、複数桁ずつ結果表示等)するものであってもよい。
図27〜図29におけるリザルト演出では、獲得メダル数等を表示する例について説明したが、これに限らず、例えばリミッタ到達時においては、獲得メダル数等にかえてリミッタに到達することや、ある一定数を超えたことなどを遊技者が特定可能となる情報(例えば、「2400枚祝」、「2000枚OVER」、「Congratulations!」等)を表示するようにしてもよい。
また、リザルト演出が開始されたときには、所定のリザルト音(例えば、「バババン」)を出力するようにしてもよく、この場合であっても所定音や特定音や特別音などを図27〜図29等で既に説明した態様で出力するようにしてもよく、また、所定のリザルト音を出力する場合には、所定音や特定音や特別音の一部あるいは全部を出力しないようにしてもよい。
<設定示唆関連演出について>
次に、設定示唆関連演出について説明する。本実施形態では、設定示唆関連演出の一例である設定示唆や示唆予告が、AT終了時の終了画面であるリザルト演出中において実行される例について説明する。しかし、設定示唆関連演出は、有利状態の終了に伴って表示される終了画面中において実行されるものであればこれに限らず、例えば、ボーナス終了時のエンディング演出中において実行されるものや、前述した上乗せ特化ゾーン終了時のリザルト画面において実行されるものなどであってもよい。
設定示唆関連演出のうちの設定示唆は、例えば、スロットマシン1において現在設定されている設定値を示唆する情報であって、少なくとも設定されている設定値を含む設定値を特定可能な設定示唆情報を示唆する情報である。なお、本実施形態において「設定されている設定値を含む設定値を特定可能」とは、「1」〜「6」の設定値のうちから設定されている設定値として一つの設定値を特定することのみならず、例えば「少なくとも奇数の設定値が設定されていることを特定できる」や「4以上の設定値が設定されていることを特定できる」などといったように、設定されている設定値を絞り込んで推測・予測等できることをも概念的に含まれる。一方、設定示唆関連演出のうちの示唆予告は、例えば、リザルト演出において表示されることにより、次回ATの終了時におけるリザルト演出において設定示唆が行われる旨を事前に予告するものである。設定示唆は、リザルト演出において表示されるキャラクタの種類(例えば、キャラクタA〜C)によって示唆される。これに対して、示唆予告は、リザルト演出において所定のオブジェクト(例えば、木箱)が表示されることによって予告される。なお、設定示唆および示唆予告は、いずれもキャラクタの種類によるものであってもよく、いずれもオブジェクトの種類によるものであってもよく、その他の態様(文字、数字、音など)により報知されるものであってもよい。
図30は、設定示唆関連演出の実行に関する抽選に用いる抽選テーブルを説明するための図である。サブCPU71は、例えばリザルト演出を実行するに際して、当該リザルト演出中において設定示唆を行うか、示唆予告を行うか、示唆なしかを抽選する設定示唆関連抽選を行う。図30(a)は、設定示唆関連抽選において参照される設定示唆関連抽選テーブルの一例を説明するための図である。
設定示唆関連抽選テーブルは、現在設定されている設定値毎に異なる振分率が定められている。現在設定されている設定値が「1」であるときには、30%の割合で設定示唆に決定され、20%の割合で示唆予告に決定され、50%の割合で示唆なしに決定される。設定値が高くなるに連れて、設定示唆に決定される割合および示唆予告に決定される割合が高まる一方、示唆なしに決定される割合が低くなるように定められている。その結果、設定値が「6」であるときには、40%の割合で設定示唆に決定され、30%の割合で示唆予告に決定され、30%の割合で示唆なしに決定される。
このようにいずれの設定値であっても示唆予告よりも設定示唆の方が高い実行割合となるように定められているため、スロットマシン1において遊技を比較的長い期間(例えば、17500回、あるいは、100000回等)に亘って行った場合であって、リザルト演出(終了画面)が一定回数(例えば、30回、あるいは、200回等)以上表示された場合には、示唆予告が行われた回数よりも設定示唆が行われた回数の方が多くなる(少なくとも多くなる頻度が高い)。
サブCPU71は、設定示唆関連抽選において設定示唆に決定したときには示唆内容を抽選するための示唆内容抽選を行う。図30(b)は、示唆内容抽選において参照される示唆内容抽選テーブルの一例を説明するための図である。示唆内容抽選テーブルは、現在設定されている設定値毎に異なる振分率が定められている。
現在設定されている設定値が「1」であるときには、100%の割合でキャラクタAに決定される。現在設定されている設定値が「2」であるときには、50%の割合でキャラクタBに決定され、50%の割合でキャラクタCに決定される。
また、現在設定されている設定値が「3」であるときには、40%の割合でキャラクタAに決定され、30%の割合でキャラクタCに決定され、30%の割合でキャラクタA+キャラクタBに決定される。なお、キャラクタA+キャラクタBとは、キャラクタAとキャラクタBとが出現することをいう。現在設定されている設定値が「4」であるときには、30%の割合でキャラクタBに決定され、30%の割合でキャラクタCに決定され、20%の割合でキャラクタA+キャラクタBに決定され、20%の割合でキャラクタB+キャラクタCに決定される。
また、現在設定されている設定値が「5」であるときには、20%の割合でキャラクタAに決定され、30%の割合でキャラクタCに決定され、20%の割合でキャラクタA+キャラクタBに決定され、20%の割合でキャラクタB+キャラクタCに決定され、10%の割合でキャラクタA+キャラクタCに決定される。現在設定されている設定値が「6」であるときには、20%の割合でキャラクタBに決定され、20%の割合でキャラクタCに決定され、20%の割合でキャラクタA+キャラクタBに決定され、20%の割合でキャラクタB+キャラクタCに決定され、10%の割合でキャラクタA+キャラクタCに決定され、10%の割合でキャラクタA〜キャラクタCに決定される。なお、キャラクタA〜キャラクタCとは、キャラクタAとキャラクタBとキャラクタCとのすべてのキャラクタが出現することをいう。
このように振分率が定められているため、キャラクタAは、奇数の設定値が定められていることを示唆し、キャラクタBは、偶数の設定値が定められていることを示唆し、キャラクタCは、設定値が「2」以上であることを示唆し、キャラクタA+キャラクタBは、設定値が「3」以上であることを示唆し、キャラクタB+キャラクタCは、設定値が「4」以上であることを示唆し、キャラクタA+キャラクタCは、設定値が「5」以上であることを示唆し、キャラクタA〜キャラクタCは、設定値が「6」であることを示唆するキャラクタであるといえる。なお、設定示唆として決定され得る示唆内容には、設定されている設定値が「1」〜「6」のいずれであっても決定されて出現し得る示唆内容であって、設定されている設定値に応じて決定され得る割合(ひいては出現し得る割合)が異なる示唆内容(例えば、キャラクタDを出現させるもの等)が設けられているものであってもよい。
なお、図30では、設定示唆関連抽選テーブルと、示唆内容抽選テーブルとを設けて、まず、設定示唆関連抽選を行った後に、設定示唆に決定された場合には示唆内容抽選を行う例を示しているが、これに限らず、1回の抽選で設定示唆・示唆予告の実行の有無および設定示唆の示唆内容を決定するものであってもよい。
図31は、設定示唆および示唆予告の表示例を示している。設定示唆および示唆予告は、リザルト演出において例えば結果として獲得メダル数が表示されるタイミングにおいて、当該獲得メダル数の下方において行われる。図31(a)は、設定示唆としてキャラクタA+キャラクタBが出現したときの表示例である。キャラクタAは、図31(a)において向かって左側に表示されているキャラクタであって、かえる(オス)を模したキャラクタである。キャラクタBは、図31(a)において向かって右側に表示されているキャラクタであって、かえる(メス)を模したキャラクタである。図31(b)は、設定示唆としてキャラクタA〜キャラクタCのすべてが出現したときの表示例である。キャラクタCは、図31(b)において向かって最も左側に表示されているキャラクタ(キャラクタAの左側のキャラクタ)であって、子かえるを模したキャラクタである。
また、獲得メダル数が結果表示されたときに出力する効果音(図27において「シャキーン」として説明した効果音)は、設定示唆が行われたときには、当該設定示唆に応じた効果音となるようにしてもよい。設定示唆としてキャラクタA+キャラクタBが出現したときには、例えば、図31(a)に示されるように「バイーン♪」といった効果音が出力されるようにしてもよい。設定示唆としてキャラクタA〜キャラクタCのすべてが出現したときには、例えば、図31(b)に示されるように「ピュイーン♪」といった効果音が出力されるようにしてもよい。なお、このように図27において「シャキーン」として説明した効果音を設定示唆に応じて変化させる場合であっても、それ以前に出力される所定音「デ」や特定音「キュン」などの音や出力回数については変化することがない。
図31(c)は、示唆予告が行われたときの表示例である。示唆予告は、図31(c)に示されるように、木箱が表示されることにより行われる。示唆予告は、結果として獲得メダル数が表示されるタイミングであって、設定示唆が行われるタイミングと重複し得るタイミングにおいて行われる。示唆予告が行われたときには、獲得メダル数が結果表示されたときに出力する効果音に変化はない(図27において「シャキーン」として説明した効果音)が、これに限らず、示唆予告に応じた効果音を出力するものであってもよい。
図31(d)は、示唆予告が行われたことにより、次のAT終了時におけるリザルト演出において設定示唆が行われたときの表示例である。次のAT終了時におけるリザルト演出において設定示唆が行われるときには、まず、示唆予告時と同じ木箱が表示される。これにより、前回のリザルト演出において示唆予告が行われていたことを遊技者に印象付けることができる。続いて、木箱から設定示唆に対応するキャラクタを出現させることにより設定示唆が行われる。なお、図31(d)では、示唆予告(図31(c))時と同じ木箱といったオブジェクトを表示することにより示唆予告を一旦行った後に設定示唆が行われる例について示したが、これに限らず、示唆予告(図31(c))時と異なるオブジェクトを表示することにより示唆予告が行われていた旨を報知した後に設定示唆を行うようにしてもよく、また、示唆予告が行われていた旨などを報知することなく最初から設定示唆を行うようにしてもよい。
サブCPU71は、リザルト演出において示唆予告を行うときには次回設定示唆を行う旨を特定するためのフラグ(例えば、次回設定示唆フラグ)を設定する。サブCPU71は、リザルト演出を実行するときに次回設定示唆フラグが設定されていないときには前述した設定示唆関連抽選を行う一方、次回設定示唆フラグが設定されているときには設定示唆関連抽選を行うことなく、示唆内容抽選を行い、木箱から出現させるキャラクタを決定することになる。これにより、前回のリザルト演出において示唆予告が行われた場合には、当該示唆予告通り次回のリザルト演出において設定示唆が行われることとなる。有利期間に関するすべての情報については、AT終了(有利期間終了)によって初期化されるが、次回設定示唆フラグについては、AT終了(有利期間終了)によっては初期化されることがない。しかし、次回設定示唆フラグは、電源が遮断(電断)されることや、設定変更が行われることなど遊技を行うことができない非許容状態となることに伴って初期化される。このため、非許容状態となった後において、電源投入等されるなどして遊技を行うことができる許容状態となりさらにATに制御されたとしても、当該ATのリザルト演出中において前回示唆予告が行われていたことに伴って設定示唆が行われることがない(ただし、設定示唆関連抽選の結果に応じて設定示唆が行われることはあり得る)。なお、有利期間に関するすべての情報については、設定変更が行われることにより非許容状態となったときには次回設定示唆フラグと同様に初期化されるが、電断により非許容状態となったときには次回設定示唆フラグと異なり初期化されずその後も維持される。
リザルト演出において行われた示唆予告に対応するオブジェクトは、当該リザルト演出が終了した後から次のAT終了時におけるリザルト演出まで非表示となるが、示唆予告が行われた後の当該期間においては当該示唆予告に対応するオブジェクトを表示し得るものであってもよい。示唆予告が行われたリザルト演出が終了した後から次のAT終了時におけるリザルト演出が開始されるまでの期間であっても、例えば、所定の抽選で当選したときに示唆予告に対応するオブジェクトを表示してもよく、また、遊技を所定回数消化する毎に示唆予告に対応するオブジェクトを表示してもよい。また、示唆予告が行われたリザルト演出が終了した後から次のAT終了時におけるリザルト演出が開始されるまでの間においては、示唆予告が行われていないリザルト演出終了後において実行されることがない特別な演出(特別なキャラクタ表示など)が実行可能となるようにしてもよい。これにより、前回のリザルト演出において示唆予告が行われていたことを確認的に報知できる。また、前回AT終了時において示唆予告が行われたか否かについては、例えば、遊技者メニュー画面などにおいて遊技者が確認できるようにしてもよい。これにより、示唆予告が行われたことを把握する遊技者が仮に遊技を終了したとしても、他の遊技者により遊技が行われる可能性を高めることができ稼働率をさらに向上させることができる。
設定示唆および示唆予告については、リザルト演出中に限らず、その他のタイミング(期間)において行われ得るものであってもよい。具体的に、設定示唆を実行可能なタイミングとしては、リザルト演出中に加えて、リザルト演出中以外において所定の実行条件が成立したときなどが定められている。所定の実行条件は、例えば、所定役に当選したときや、所定抽選で当選したとき、遊技を所定回数消化したとき、所定の状態(ボーナスやCZ等)が終了したとき、AT中における払出枚数が予め定められた枚数(666枚等)に到達したときなどに成立するものであってもよい。また、リザルト演出中であるか否かにかかわらず予め定められたゲーム回数(例えば500ゲーム毎の期間)内において初めて設定示唆を実行可能なタイミングとなったときに、当該設定示唆の示唆内容の抽選態様を遊技場の管理者等の操作に応じて予め設定(以下、設定示唆カスタマイズともいう)することもできる。図32を参照して設定示唆カスタマイズについて説明する。
設定示唆カスタマイズは、例えば、管理者メニュー状態において行うことができる。管理者メニュー状態は、変更処理開始スイッチ56への操作に応じて移行される設定変更処理中や設定値を確認する設定確認中に移行可能となる状態である。なお、設定示唆カスタマイズは、設定変更処理中ではなく、設定確認中に移行される管理者メニュー状態においてのみ行うことができるものであってもよい。
図32は、設定確認中において管理者メニュー状態に移行されたときの液晶表示器27におけるメニュー画面の表示例を説明するための図である。メニュー画面においては、「設定確認中!!」といったメッセージとともに、選択項目として「エラー履歴」「ドア開閉履歴」「時刻設定」「設定示唆カスタマイズ」「次ページ」が表示される。また、メニュー画面の左下領域においては、いずれのスイッチ(操作手段)を操作すべきかを管理者に対して案内する案内表示(演出操作部81を模した画像)を表示する。管理者は、演出操作部81のうち上下選択スイッチを操作して選択し、決定スイッチ81aを操作することにより選択項目を決定することができる。「設定示唆カスタマイズ」を選択して決定することにより、図32(b)に示す設定示唆カスタマイズ画面に移行される。
設定示唆カスタマイズ画面においては、「設定確認中!!」といったメッセージとともに、最上部に「設定示唆カスタマイズ」表示され、その下方に「ON」「OFF」の選択アイコンが表示される。当該選択アイコンは、設定示唆カスタマイズでの設定を当該スロットマシン1において有効にして反映させるか否かを選択するためのアイコンである。「ON」を選択して決定すると、設定示唆カスタマイズでの設定がスロットマシン1における以降遊技(以降の設定示唆)において有効に反映される状態となる。一方、「OFF」を選択して決定すると、設定示唆カスタマイズでの設定がスロットマシン1に反映されない状態となる。
「ON」を選択して決定すると(図32(b)では選択・決定した状態をグレー表示で示す)、ゲーム回数として、1〜500G、501〜1000G、1001〜1500G、…3001〜3500G…といったように500G間隔で設定内容を選択するための選択画面が表示される。ゲーム回数とは、前回のRAM初期化(あるいは設定変更など)から行われた累計ゲーム回数である。なお、ゲーム回数は、前回非許容状態となった後に再び許容状態となってから行われた累計ゲーム回数であってもよい。
設定内容としては、ゲーム回数の期間毎に、「なし」、「パターンA」、「パターンB」、および「パターンC」のいずれかを選択可能となる。例えば、上下選択スイッチを操作して、ゲーム回数の期間を選択し、左右選択スイッチを操作して、設定内容を選択する。
設定内容のうち「なし」とは、カスタム設定しないということを意味する。この場合には、設定示唆の示唆内容の抽選は、通常の態様(通常の抽選テーブル、例えば図30(b)と同様)で行われることになる。設定内容のうち「パターンA」〜「パターンC」については、設定示唆カスタマイズ画面の右下方に説明表示されている。
具体的に、「パターンA」とは、スロットマシン1に設定値「2」以上が設定されていることを条件として選択可能となり、例えば図30(b)のキャラクタC以上の示唆内容(キャラクタCより右側に図示されている示唆内容)から抽選することを意味する。「パターンB」とは、図30(b)に示す設定値毎に選択可能となる示唆内容から均等な割合で抽選することを意味する。例えば、選択可能となる示唆内容が4個設けられている設定値「4」については、4個の示唆内容が25%という均等な割合で抽選することを意味する。
「パターンC」とは、図30(b)に示す設定値毎に選択可能となる示唆内容のうち、実際に設定されている設定値を極力正確かつ精度よく絞り込むことができる示唆内容であって、遊技者にとって最も価値の高い最高の示唆内容に決定することを意味する。最高の示唆内容は、図30(b)で設定値毎に選択可能となる示唆内容のうち、最も右側に図示されている示唆内容が該当する。例えば、設定値「5」については、設定値「5」以上を示唆するキャラクタA+キャラクタCの示唆内容に決定することを意味する。
管理者は、設定示唆カスタマイズ画面において、「ON」を選択し、ゲーム回数の期間毎に設定内容を設定することにより、消化したゲーム回数に対応する期間内において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときに、当該設定示唆の示唆内容を予めカスタム設定した抽選態様(設定内容)で特定して実行させることが可能となる。消化したゲーム回数に対応する期間内において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときとは、当該期間内において初めてリザルト演出が実行されたときや、所定の実行条件が成立したときをいう。消化したゲーム回数に対応する期間内において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときには、図30などで示した抽選の結果にかかわらず(特に、設定示唆関連抽選で設定示唆に決定されたか否かにかかわらず)、予めカスタム設定した抽選態様(設定内容)で設定示唆の示唆内容を特定し、当該特定した示唆内容で設定示唆が実行させることになる。なお、設定内容として「なし」にカスタム設定されている期間内において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときには、通常通り、図30などで示した抽選の結果に応じて設定示唆や示唆予告が実行されることになる。
ゲーム回数の各期間について、例えば図32(b)に示すように設定内容が設定されている場合で、1〜500Gの期間内(例えば450G)において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したとき(かつ設定値が「2」以上に設定されているとき)には、設定示唆の示唆内容がパターンAの抽選態様で決定された示唆内容の設定示唆が行われることとなる。つまり、図30(b)のキャラクタC以上の示唆内容で設定示唆が必ず行われる。また、501〜1000Gの期間内(例えば750G)において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときには、設定示唆の示唆内容がパターンBの抽選態様で決定されて、当該決定された示唆内容の設定示唆が行われることとなる。つまり、均等抽選で特定された示唆内容で設定示唆が必ず行われる。また、3001〜3500Gの期間内(例えば3200G)において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときには、設定示唆の示唆内容がパターンCの抽選態様で決定されて、当該決定された示唆内容の設定示唆が行われることとなる。つまり、設定されている設定値に応じた最高の示唆内容で設定示唆が必ず行われる。このように、設定示唆の示唆内容をカスタマイズできるため、同じ機種であっても遊技場毎の経営方針等に沿ったサービスを提供することができ、他の遊技場との差別化を図ることができる。
なお、消化したゲーム回数に対応する期間内において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときには、カスタム設定に応じた抽選態様で特定した示唆内容で設定示唆が必ず行われる例について説明したが、これに限らず、消化したゲーム回数に対応する期間内において設定示唆を実行可能なタイミングに初めて到達したときであっても、図30などで示した抽選の結果に応じて例えば設定示唆関連抽選で設定示唆に決定されることにより、当該設定示唆の示唆内容を予めカスタム設定した抽選態様(設定内容)で特定して実行させ、設定示唆関連抽選で設定示唆に決定されなかったときには設定示唆を行わないものであってもよい。つまり、消化したゲーム回数に対応する期間内において設定示唆関連抽選の結果に応じて設定示唆が初めて行われる旨が決定されたときなどにおいて、当該設定示唆の示唆内容をカスタム設定に応じて特定するものであってもよい。
(設定示唆関連演出による効果の一例)
上記のスロットマシン1においては、ATのリザルト演出(終了画面)において設定示唆が行われなかったときでも、次回のATのリザルト演出において設定示唆が行われる旨を予告する示唆予告が行われる場合がある。このため、遊技者に安心感を抱かせつつ次回のATまで遊技を継続する意欲を増大させることができ、その結果、稼働率が低下してしまうことを防止できる。また、図30(a)で示したように、いずれの設定値であっても示唆予告よりも設定示唆の方が高い実行割合となるように定められているため、スロットマシン1において遊技を比較的長い期間(例えば、17500回、あるいは、100000回等)に亘って行った場合であって、リザルト演出が一定回数(例えば、30回、あるいは、200回等)以上行われた場合には、示唆予告が行われた回数よりも設定示唆が行われた回数の方が多くなる。その結果、スロットマシン1における遊技履歴をトータルすると、示唆予告が行われた回数よりも設定示唆が行われた回数の方が少なくとも多くなる頻度が高くなる。このため、示唆予告が頻繁に行われてしまい当該示唆予告の価値(レアリティの度合い)を低下させてしまうことを防止できる。
前述した実施形態では、前回ATのリザルト画面で示唆予告が行われていたときに、次回ATのリザルト画面で設定示唆を行う例について説明した。ここで、前回ATから次回ATまでの間において、ATとは異なる有利状態として例えばボーナスなどにも制御され得る。しかし、当該ボーナスのリザルト画面では、設定示唆を行うことはない。これにより、ATのリザルト画面で示唆予告が行われたことにより、次回のATまで遊技を継続する意欲を増大させることができ、次回のATまでに仮にボーナスに制御された場合であっても次回のATに制御されるまで稼働率低下を防止できる。
また、設定値として「6」(特定の設定値)が設定されている場合において、示唆予告が行われる割合は図30(a)に示すように「30%」であるのに対し、設定示唆として6確定となるキャラクタA〜キャラクタCに決定される割合は「4%(=40%×10%)」(図30(a)および図30(b)参照)である。このため、設定値として「6」が設定されている場合であってリザルト演出が一定回数以上行われた場合に、設定示唆として6確定となるキャラクタA〜キャラクタCが行われた回数よりも示唆予告が行われた回数の方が多くなる頻度が高い。これにより、示唆予告の出現頻度が極端に低くなり過ぎてしまい、示唆予告が報知されることによる効果を生じさせる機会が低下してしまうことを防止できる。
また、図30(a)の設定値に対する示唆予告の割合から、リザルト演出が一定回数以上行われる間において示唆予告が行われる頻度は、例えば「1」(所定の設定値)が設定されているときよりも、設定値として遊技者にとって有利な「6」が設定されているときの方が高くなるように、設定値が高い程、示唆予告が行われる頻度も高くなる。このため、設定示唆に限らず、示唆予告が行われる頻度から設定されている設定値の高さ(有利な設定値が設定されているか)を推測するといった面白味を提供することができる。
また、図31(c)等で示したように、リザルト演出において設定示唆を行う場合に当該リザルト演出を表示してから設定示唆を報知するタイミングと、リザルト演出において示唆予告を行う場合に当該リザルト演出を表示してから示唆予告を報知するタイミングとが重複し得るように定められている。これにより、リザルト演出において上記重複し得る所定のタイミングにおいて設定示唆および示唆予告のいずれにおいても実行の有無を確認可能となるため、設定示唆や示唆予告を遊技者が見逃してしまう可能性を低減できる。
また、リザルト演出において示唆予告が行われた後であって、次回のATのリザルト演出においては、図31(d)で示したように、示唆予告を一旦行ってから設定示唆に変化させて報知される。これにより、示唆予告が前回のリザルト演出において行われていたことに起因して設定示唆が今回行われていることを遊技者に認識させることができるため、示唆予告の効果が発揮されていることを遊技者に対して確実に認識させることができる。
また、リザルト演出において示唆予告が行われた以降において遊技を行うことができない非許容状態(例えば、設定変更、電断等)となった場合には、再び遊技を行うことができる許容状態となり次回のATに制御されても当該ATのリザルト演出において設定示唆が報知されない場合が生じ得る。なぜなら、電断や設定変更など遊技を行うことができない非許容状態となる前後における遊技者が同一人物である可能性が低いことに鑑み、次回設定示唆を行う旨を特定するための次回設定示唆フラグが非許容状態となることに伴って初期化されるためである。これにより、非許容状態となる前に報知された示唆予告の恩恵が許容状態となった後の遊技者に対してまで与えられてしまうことを極力防止できる。
また、ATのリザルト演出において設定示唆を報知する場合には、以前のリザルト演出において示唆予告が報知されていたか否かにかかわらず、図30(b)の設定示唆決定用テーブルに示す所定の割合に従って設定示唆の示唆内容が決定される。このため、処理負担を軽減できるとともに、示唆予告が報知されることにより以降の示唆内容に影響を及ぼしてしまうこと(例えば示唆内容に偏りを生じさせてしまうことなど)を防止できる。
また、以前のリザルト演出において設定示唆も示唆予告も報知されていないか、あるいは、設定示唆が報知されていたかなどにかかわらず、今回のリザルト演出においては、図30の設定示唆関連抽選テーブルおよび設定示唆決定用テーブルに示す一律の所定割合に従って設定示唆および示唆予告に関する決定が行われる。このため、処理負担を軽減できるとともに、前回のリザルト演出における示唆の有無などに応じて以降の示唆に影響を及ぼしてしまうことを防止できる。
(設定示唆関連演出の変形例)
上記のスロットマシン1では、示唆する内容として設定値に関する設定示唆および示唆予告を例示したが、示唆する内容は、遊技者にとって有益となる情報であればこれに限るものではない。例えば、AT当選することなく所定ゲーム数(いわゆる天井ゲーム数)を消化することにより強制的にATに制御される場合であって、AT終了に際して当該天井ゲーム数を複数のゲーム数から決定するものにおいて、当該AT終了の際におけるリザルト演出において、次のATまでの天井ゲーム数を示唆する天井ゲーム数示唆や、次回のAT終了の際のリザルト演出において天井ゲーム数示唆が行われる旨を予告する天井示唆予告などを実行可能となるようにしてもよい。この場合においても、いずれの設定値であっても、天井示唆予告よりも天井ゲーム数示唆の方が高い割合で行われ得るようにして、リザルト演出が一定回数(例えば、30回、あるいは、200回等)以上行われた場合には、天井示唆予告が行われた回数よりも天井ゲーム数示唆が行われた回数の方が多くなる頻度が高くなるようにしてもよい。
上記のスロットマシン1では、図30(a)で示したように、設定示唆および示唆予告のいずれかが実行される割合および示唆なしとなる割合は、設定値「1」のときに同じ割合となり、設定値「2」以上のときには設定示唆および示唆予告のいずれかが実行される割合の方が示唆なしとなる割合よりも高くなる例について説明した。しかし、設定示唆情報としての「設定示唆」および予告情報としての「示唆予告」のいずれかが実行される割合は、設定値にかかわらず、示唆なしとなる割合よりも高くなるように定められているものであってもよく、例えば、「設定示唆の実行割合>示唆予告の実行割合>示唆なし」となる割合といった関係となるものであってもよい。また、設定示唆および示唆予告のいずれかが実行される割合は、設定値にかかわらず、示唆なしとなる割合よりも低くなるように定められているものであってもよく、例えば、「示唆なしとなる割合>設定示唆の実行割合>示唆予告の実行割合」といった関係となるものであってもよく、「示唆なしとなる割合>示唆予告の実行割合>設定示唆の実行割合」といった関係となるものであってもよい。また、設定示唆情報としての「設定示唆」の実行割合と、予告情報としての「示唆予告」の実行割合とは、図30(a)に示す設定示唆関連抽選テーブルに示すように、「「設定示唆」の実行割合>「示唆予告」の実行割合」となるように定められているものに限らず、リザルト演出が一定回数以上行われた場合に、実行される頻度(回数)が結果的に「「設定示唆」>「示唆予告」」の関係となるものであれば、「「設定示唆」の実行割合<「示唆予告」の実行割合」となるように定められた抽選テーブルを用いて設定示唆関連抽選を行うものであってもよい。また、リザルト演出が一定回数以上行われた場合に実行される頻度(回数)が結果的に「「設定示唆」>「示唆予告」」の関係となるものであれば、遊技に関わる計数値(総ゲーム数、ATに制御された回数など)が予め定められている数よりも少ない場合は、一時的に「「設定示唆」<「示唆予告」」の関係となり得る場合が生じるものであってもよい。
また、リザルト演出において示唆予告が行われた以降において遊技を行うことができない非許容状態(例えば、設定変更、電断等)となった場合には、次回設定示唆フラグが非許容状態となることに伴って初期化される例について説明した。しかし、これに限らず、例えば、非許容状態となった場合であっても次回設定示唆フラグを初期化せずに維持させて、再び遊技を行うことができる許容状態となった後に制御される次回のATのリザルト演出において当該次回設定示唆フラグに基づいて設定示唆を行うようにしてもよい。また、リザルト演出において示唆予告が行われた以降において遊技を行うことができない非許容状態(例えば、設定変更、電断等)となった場合には、次回設定示唆フラグが非許容状態となることに伴って初期化する一方で特定フラグを設定し、次回のATのリザルト演出において当該特定フラグが設定されているときには特定フラグが設定されていないときよりも高い割合で設定示唆を行うようにしてもよく、あるいは、特定フラグが設定されていないときよりも高い割合で示唆予告を行うようにしてもよい。これにより、示唆予告が報知された以降において非許容状態となったことによる遊技者にとっての不利益を補完できるため、非許容状態となることにより稼働率が低下してしまうことを防止できる。
また、リザルト演出において示唆予告が報知されなかった以降における次回のATのリザルト演出においては、設定示唆よりも示唆予告が行われる頻度が高くなる(具体的には「設定示唆」の実行割合<「示唆予告」の実行割合の関係となる)ようにしてもよい。これにより、次回のATまでの稼働率を低下させてしまうことをより一層防止できる。
また、リザルト演出において設定示唆を報知する場合に、前回のリザルト演出において示唆予告が報知されていたか否かにかかわらず、図30(b)で示す一律の割合で当該設定示唆の示唆内容を決定する例について示したが、これに限らず、前回のリザルト演出において示唆予告が報知されていたか否かに応じて異なる割合に従って当該設定示唆の示唆内容を決定するようにしてもよい。具体的には、前回のリザルト演出において示唆予告が報知されていたときには、前回のリザルト演出において示唆予告が報知されていなかったときよりも、特定の示唆内容(例えば設定されている設定値において最高の設定示唆、図32のパターンCと同様)が行われる割合が高くなるように定められているものであってもよい。これにより、示唆予告が報知された後の次回のATのリザルト演出における示唆内容に遊技者を注目させることができる。
また、リザルト演出において設定示唆を行う割合は、前回のリザルト演出において示唆予告が行われていたか否かに応じて異なる割合となるように定められているものであってもよい。リザルト演出において設定示唆を行う割合は、例えば、前回のリザルト演出において示唆予告が行われていたときの方が行われていなかったときよりも高い割合となるように定められているものであってもよい。また、リザルト演出において設定示唆を行う割合は、例えば、前回のリザルト演出において示唆予告が行われていなかったときの方が行われていたときよりも高い割合となるように定められているものであってもよい。
また、前回のリザルト演出において設定示唆も示唆予告も報知されていないか、あるいは、設定示唆が報知されていたかなどにかかわらず、今回のリザルト演出においては、図30の設定示唆関連抽選テーブルおよび設定示唆決定用テーブルに示す一律の所定割合に従って設定示唆および示唆予告に関する決定が行われる例について示した。しかし、前回のリザルト演出において設定示唆も記示唆予告も報知されていないか、あるいは、設定示唆が報知されていたかなどに応じて、今回のリザルト演出においては異なる割合に従って設定示唆および示唆予告に関する決定を行うようにしてもよい。これにより、前回のリザルト演出における設定示唆あるいは示唆予告の有無などに応じて今回のリザルト演出における設定示唆および示唆予告の有無などに対して遊技者を注目させることができる。
上記スロットマシン1では、スロットマシン1において遊技を比較的長い期間に亘って行った場合であって、リザルト演出が一定回数以上行われた場合(リザルト演出が行われた回数ではなく、例えば、1万回の遊技を10回(10セット)行った場合などでもよい)には、示唆予告が行われた回数よりも設定示唆が行われた回数の方が多くなる例について説明したが、これに限らず、例えばいずれの設定値であっても設定示唆よりも示唆予告の方が高い実行割合となるように定め、リザルト演出が一定回数以上行われた場合には、設定示唆が行われた回数よりも示唆予告が行われた回数の方が多くなる頻度が高くなるようにしてもよい。
示唆予告の態様としては、図31(c)で木箱のオブジェクトを例示した。しかし、示唆予告の態様は、複数種類定められているものであってもよい。また、示唆予告の態様を複数種類定めたときであっても、上記実施形態と同様に、示唆予告の態様にかかわらず、次回のリザルト演出における設定示唆の示唆内容を一律の割合に従って決定するもの、つまり示唆予告の態様が設定示唆の示唆内容の出現率に影響を与えないのであってもよい。あるいは、示唆予告の態様を複数種類定めたときには、示唆予告の態様に応じて、次回のリザルト演出における設定示唆の示唆内容の決定割合を異ならせるもの、つまり示唆予告の態様によって設定示唆の示唆内容の出現率に偏りを生じさせるものであってもよい。
また、上記のスロットマシン1では、前回のリザルト演出において設定示唆が行われたか否かにかかわらず、一律の割合で次回のリザルト演出において示唆予告が行われる例について説明したが、これに限らず、前回のリザルト演出において設定示唆が行われた場合には、設定示唆が行われなかった場合よりも高い割合で、次回のリザルト演出において示唆予告が行われるようにしてもよい。
また、電断復帰後の状態として、日を跨ぐ電断復帰後(例えば、23時に電源OFF、翌日8時に電源ON等)と、日を跨がない電断復帰後(瞬間的に電源OFF、単なる電源OFF等)とにおいて、示唆予告の実行割合を異ならせてもよい。例えば、電断復帰後における1回目のリザルト演出において示唆予告が実行される割合は、日を跨ぐ電断復帰後の方が日を跨がない電断復帰後よりも高くなるように定められているものであってもよい。
前述した実施形態では、前回ATのリザルト画面で示唆予告が行われていたときに、次回ATのリザルト画面で設定示唆を行うものであって、前回ATから次回ATまでの間において、ATとは異なる有利状態として例えばボーナスなどに制御された場合であっても、当該ボーナスのリザルト画面では設定示唆を行うことはない例について説明した。しかし、これに限らず、前回ATのリザルト画面で示唆予告が行われていたことに起因して、次回ATまでに制御されたボーナスのリザルト画面において設定示唆を行うようにしてもよい。この場合、当該ボーナスのリザルト画面において行う設定示唆は、ATのリザルト画面において行う設定示唆と異なる種類の演出(演出態様)となるようにしてもよく、ATのリザルト画面において行う設定示唆と同種の演出(図30(b)で示した演出等)となるようにしてもよい。なお、当該ボーナスのリザルト画面において設定示唆が行われた場合であっても次回ATのリザルト画面において設定示唆を行うようにしてもよく、あるいは、当該ボーナスのリザルト画面において設定示唆が行われた場合には次回ATのリザルト画面において設定示唆を行わないようにし設定示唆関連抽選を行うようにしてもよい。
また、前回ATのリザルト画面で示唆予告が行われていたことに起因して、次回ATまでに制御されたボーナスのリザルト画面において示唆予告を行うようにしてもよい。この場合、当該ボーナスのリザルト画面において行う示唆予告は、ATのリザルト画面において行う示唆予告と異なる種類の演出(演出態様)となるようにしてもよい。なお、当該ボーナスのリザルト画面において示唆予告が行われたか否かにかかわらず、次回ATのリザルト画面においては設定示唆が行われる。
上記実施形態では、設定値として「6」が設定されている場合であってリザルト演出が一定回数以上行われた場合に、設定示唆として6確定となるキャラクタA〜キャラクタCが行われた回数よりも示唆予告が行われた回数の方が多くなる頻度が高くなる例について説明したが、これに限らず、設定値として「6」が設定されている場合であってリザルト演出が一定回数以上行われた場合において、設定示唆として6確定となるキャラクタA〜キャラクタCが行われた回数の方が、示唆予告が行われた回数よりも多くなる頻度が高くなる(つまり示唆予告が行われにくい)ように定められているものであってもよい。これにより、示唆予告の出現頻度を抑えることにより、示唆予告のレアリティを高めることができる。
<払出率の大小関係について>
前述した実施形態においては、図9等を参照して当選役グループの一例を説明し、図12および図13等を参照して状態遷移の一例を説明したが、払出率(以下、出玉率、あるいは出率などともいう)に関する詳細な説明を省略した。以下では、上記実施形態におけるスロットマシン1に対して当選役グループの当選確率や状態遷移等に変更を加えた例を示すとともに、再遊技役であるリプレイを含むすべての役を加味した総払出率とリプレイ以外の役を加味した実質払出率との大小関係に着眼することにより、払出率を適切な範囲に収束させることができるスロットマシン1’について説明する。具体的に、スロットマシン1’では、遊技の進行に応じて制御され得る状況として、後述するように総払出率よりも実質払出率の方が高い第1の状況(後述するRT2)と、第1の状況とは真逆の状況であって、実質払出率よりも総払出率の方が高い第2の状況(後述するRT1)とを設けることにより、払出率を適切な範囲に収束させることができる例について説明する。なお、スロットマシン1’においても、図1〜図32を用いて説明した技術的事項を備えているものとする。
ここで、払出率とは、小役に対応する図柄が停止されて払い出されたメダルの合計払出枚数を、賭数として設定されたメダルの合計賭数で除して算出される率をいう。また、すべての役を加味した総払出率とは、例えば3枚賭時の遊技においてリプレイ入賞したときに、当該リプレイ入賞によりメダルが3枚払い出され、次の遊技においてメダルが3枚賭けられたものとして算出される払出率(第1の払出率)をいう。これに対し、リプレイ以外の役を加味した実質払出率とは、例えば3枚賭時の遊技においてリプレイ入賞したときに、当該リプレイ入賞によりメダルが0枚払い出され、次の遊技においてメダルが0枚賭けられたものとして算出される払出率(第2の払出率)をいう。
図33(a)は、スロットマシン1’における遊技状態の遷移について説明するための図である。スロットマシン1’では、基底の遊技状態(例えば、遊技の大半を消化することとなる状態であったり、設定変更を契機に移行されたりする状態など)であるRT0と、RT0において所定の移行役Aに入賞することにより移行されるRT1と、RT0において所定の移行役Bに入賞することにより移行されるRT2とを含む複数種類の状態間において遊技状態が遷移する。RT0〜RT2においては、いずれも、賭数として3枚設定されることにより1遊技が開始可能となる。RT1またはRT2に移行された後においては、規定ゲーム数として定められている遊技を100回消化することによりRT0に再び移行されることとなる。スロットマシン1’におけるRT0では、前述した移行役Aおよび移行役Bに加えて、ボーナス役、再遊技役、小役などについて当選するか否かの役抽選が行われ、払出率が1未満となるように定められている。また、スロットマシン1’では、RT0〜RT2のいずれであっても、ボーナス役に入賞すると払出率が1以上となるボーナス状態に遷移されるものとするが、説明の便宜上、図33(a)からは省略している。なお、スロットマシン1’は、RT0を設けることなく、RT1とRT2とを含む状態間において遊技状態を遷移させるものであってもよい。
図33(b)は、RT1において役抽選の対象となる役の一部および当選確率の高低について説明するための図である。RT1では、ボーナス役、リプレイaおよびリプレイbなどを含む再遊技役、3枚払出を伴う3枚役および15枚払出可能な押し順役などを含む小役などが役抽選の対象となるように定められている。3枚役は、押し順や操作タイミング(操作態様)にかかわらず当選した遊技において必ず入賞する。一方、押し順役は、所定の押し順(前述する有利操作態様に相当)で操作されたときに入賞して15枚払出となるが、所定の押し順で操作されなかったときには入賞しない(他の役(例えば1枚役)等に入賞し得るものであってもよい)。
ボーナス役の当選確率は、設定値が「1」〜「3」のときには1/250となるように定められており、設定値が「4」〜「6」のときには1/200となるように定められている。このため、RT1におけるボーナス役の当選確率は、設定値「1」〜「3」であるときと、設定値「4」〜「6」であるときとの2段階に設定されている。また、再遊技役のうちリプレイbの当選確率は、設定値にかかわらず低確率(例えば、5/200等)となるように定められている一方、小役のうち押し順役の当選確率は、設定値にかかわらず高確率(例えば、60/200等)となるように定められている。なお、RT1において押し順役に当選したとしても、有利操作態様を特定可能となるナビ演出が実行されることはない(つまりATに制御されることはない)。このため、押し順役に当選した場合であっても、例えば、1/6の確率で入賞し、5/6の確率で非入賞となる。
これに対して、再遊技役のうちリプレイaの当選確率と、小役のうち3枚役の当選確率とについては、合算当選確率が一律(例えば、50/200等)となるようにしつつも、設定値毎にリプレイaおよび3枚役の当選確率の比率が異なるように定められている。具体的には、設定値「1」および「6」であるときには、リプレイaが低確率(例えば、15/200等)となる一方、3枚役が高確率(例えば、35/200等)となるように定められている。設定値「2」および「5」であるときには、リプレイaおよび3枚役各々が共に中確率(例えば、25/200等)となるように定められている。設定値「3」および「4」であるときには、リプレイaが高確率(例えば、35/200等)となる一方、3枚役が低確率(例えば、15/200等)となるように定められている。
図33(c)は、RT2において役抽選の対象となる役の一部および当選確率の高低について説明するための図である。RT2では、RT1と同様、ボーナス役、リプレイaおよびリプレイbなどを含む再遊技役、3枚払出を伴う3枚役および15枚払出可能な押し順役などを含む小役などが役抽選の対象となるように定められている。RT2におけるリプレイbの当選確率は、RT1であるときよりも高確率(例えば、45/200等)となるように定められているが、その他の役の当選確率はRT1であるときと同じ確率となるように定められている。また、RT2において押し順役に当選したときには、RT1と異なり、有利操作態様を特定可能となるナビ演出が実行される。このため、RT2において押し順役に当選したときには、操作態様を誤らない限り、押し順役を入賞させてメダルが15枚払い出されることとなる。なお、RT2において役抽選の対象となる役は、RT1と同じように定められているものに限らず、異なるように定められているものであってもよい。
また、RT1およびRT2においては、リプレイaおよび3枚役の合算当選確率(当選時には必ず入賞するため合算入賞確率でもある)は設定値にかかわらず一律となる。しかし、総払出率と実質払出率とに着眼して対比した場合には、設定値毎に異なることとなる。例えば、設定値「1」および「6」であるときには、リプレイaの当選・入賞確率が低確率となるため総払出率と実質払出率との差が比較的小さくなるのに対し、設定値「2」および「5」であるときにはその差が比較的大きくなり、設定値「3」および「4」であるときには総払出率と実質払出率との差が最大となる。また、ボーナス役の当選確率に影響する設定値1〜3、および、設定値4〜6のいずれにおいても、総払出率と実質払出率との差が比較的小さくなる設定値、総払出率と実質払出率との差が比較的大きくなる設定値、総払出率と実質払出率との差が最大となる設定値が含まれるように定められている。
このようなRT1およびRT2の払出率の一例について、図34を参照して説明する。なお、賭数設定に用いたメダル枚数は3枚とし、図34においては、RT1およびRT2においてボーナス役に当選していない場合を例示する。RT1中であって設定値「1」または「6」のいずれかが設定されているときのリプレイの当選確率は、10/100(=(15+5)/200)となるため、100G間においては平均10回入賞することが期待できる。このため、図34(a)では、RT1中であって設定値「1」または「6」のいずれかが設定されているときの100G間においてリプレイが10回入賞した場合の「総IN枚数」「実質IN枚数」「総OUT枚数」「実質OUT枚数」についての一例を示し、これらの枚数に基づく実質払出率および総払出率を示している。なお、「総IN枚数」および「実質IN枚数」とは、いずれも、賭数設定に用いたメダル枚数であるが、「総IN枚数」はリプレイ入賞後に自動設定される賭数を含む枚数であるのに対し、「実質IN枚数」はリプレイ入賞後に自動設定される賭数を除いた枚数(リプレイ入賞後の賭数を「0」とした枚数)である点で異なる。また、「総OUT枚数」および「実質OUT枚数」とは、いずれも、小役入賞に伴って払い出されたメダル枚数であるが、「総OUT枚数」はリプレイ入賞時に3枚払い出されたものとした枚数であるのに対し、「実質IN枚数」はリプレイ入賞時に0枚払い出されたものとした枚数である点で異なる。
図34(a)に示すように100Gに亘るRT1においてリプレイが10回入賞した場合、「総IN枚数」は「300」(=100G×3枚)となり、「実質IN枚数」は「270」(=300枚−10回×3枚)となる。また、「総OUT枚数」は、「150」となったものとし、この場合の「実質OUT枚数」は、「120」(=150−10回×3枚)となる。このため、実質払出率は、0.444(≒120÷270)となるのに対し、総払出率は、0.5(=150÷300)となる。
次に、図34(b)について説明する。RT1中であって設定値「3」または「4」のいずれかが設定されているときのリプレイの当選確率は、20/100(=(35+5)/200)となるため、100G間においては平均20回入賞することが期待できる。このため、図34(b)では、RT1中であって設定値「3」または「4」のいずれかが設定されているときの100G間においてリプレイが20回入賞した場合の「総IN枚数」「実質IN枚数」「総OUT枚数」「実質OUT枚数」についての一例を示し、これらの枚数に基づく実質払出率および総払出率を示している。図34(b)に示すように100Gに亘るRT1においてリプレイが20回入賞した場合、「総IN枚数」は「300」(=100G×3枚)となり、「実質IN枚数」は「240」(=300枚−20回×3枚)となる。また、「総OUT枚数」は、図33(b)で示したようにリプレイaと3枚役の合算確率が一律であるため、図34(a)と同様に「150」となったものとし、この場合の「実質OUT枚数」は、「90」(=150−20回×3枚)となる。このため、実質払出率は、0.375(=90÷240)となるのに対し、総払出率は、0.5(=150÷300)となる。
以上のように、RT1中においては、設定値に応じて総払出率と実質払出率との差が異なるものの、図34(e)に示すように、設定値にかかわらず(いずれの設定値であっても)実質払出率よりも総払出率の方が高い状況であるといえる。なお、RT1中であって設定値「2」または「5」のいずれかが設定されているときの100G間については、図示していない。しかし、「総IN枚数」や「総OUT枚数」については、消化したゲーム数およびリプレイaと3枚役の合算確率が一律であるため、図34(a)等と同様となる。また、リプレイ入賞回数や「実質IN枚数」「実質OUT枚数」については、確率的に、図34(a)と図34(b)とで示す数値の間の数値となり得る。このことから、RT1中であって設定値「2」または「5」のいずれかが設定されているときの100G間についても実質払出率よりも総払出率の方が高い状況となる。また、RT1中においては、設定値にかかわらず実質払出率よりも総払出率の方が高い状況としつつも、総払出率および実質払出率のいずれも1未満となるため、遊技者にとって不利な状態とすることができる。
一方、RT2中においては、設定値に応じて総払出率と実質払出率との差が異なるものの、設定値にかかわらず(いずれの設定値であっても)総払出率よりも実質払出率の方が高い状況となっている。このことについて、以下に説明する。
RT2中であって設定値「1」または「6」のいずれかが設定されているときのリプレイの当選確率は、30/100(=(15+45)/200)となるため、100G間においては平均30回入賞することが期待できる。図34(c)では、RT2中であって設定値「1」または「6」のいずれかが設定されているときの100G間においてリプレイが30回入賞した場合の「総IN枚数」「実質IN枚数」「総OUT枚数」「実質OUT枚数」についての一例を示し、これらの枚数に基づく実質払出率および総払出率を示している。図34(c)に示すように100Gに亘るRT2においてリプレイが30回入賞した場合、「総IN枚数」は「300」(=100G×3枚)となり、「実質IN枚数」は「210」(=300枚−30回×3枚)となる。また、「総OUT枚数」は、ナビ演出が行われる結果「600」となったものとし、この場合の「実質OUT枚数」は、「510」(=600−30回×3枚)となる。このため、実質払出率は、2.428(≒510÷210)となるのに対し、総払出率は、2(=600÷300)となる。
次に、図34(d)について説明する。RT2中であって設定値「3」または「4」のいずれかが設定されているときのリプレイの当選確率は、40/100(=(35+45)/200)となるため、100G間においては平均40回入賞することが期待できる。図34(d)では、RT2中であって設定値「3」または「4」のいずれかが設定されているときの100G間においてリプレイが40回入賞した場合の「総IN枚数」「実質IN枚数」「総OUT枚数」「実質OUT枚数」についての一例を示し、これらの枚数に基づく実質払出率および総払出率を示している。図34(d)に示すように100Gに亘るRT2においてリプレイが40回入賞した場合、「総IN枚数」は「300」(=100G×3枚)となり、「実質IN枚数」は「180」(=300枚−40回×3枚)となる。また、「総OUT枚数」は、図33(c)で示したようにリプレイaと3枚役の合算確率が一律であるため、図34(c)と同様に「600」となったものとし、この場合の「実質OUT枚数」は、「480」(=600−40回×3枚)となる。このため、実質払出率は、2.666(≒480÷180)となるのに対し、総払出率は、2(=600÷300)となる。
以上のように、RT2中においては、前述したように設定値に応じて総払出率と実質払出率との差が異なるものの、図34(e)に示すように、設定値にかかわらず(いずれの設定値であっても)総払出率よりも実質払出率の方が高い状況であるといえる。なお、RT2中であって設定値「2」または「5」のいずれかが設定されているときの100G間については、図示していない。しかし、「総IN枚数」や「総OUT枚数」については、消化したゲーム数およびリプレイaと3枚役の合算確率が一律であるため、図34(c)等と同様となる。また、リプレイ入賞回数や「実質IN枚数」「実質OUT枚数」については、確率的に、図34(c)と図34(d)とで示す数値の間の数値となり得る。このことから、RT2中であって設定値「2」または「5」のいずれかが設定されているときの100G間についても総払出率よりも実質払出率の方が高い状況となる。また、RT2中においては、設定値にかかわらず総払出率よりも実質払出率の方が高い状況としつつも、総払出率および実質払出率のいずれも1以上となるため、遊技者にとって有利な状態とすることができる。
上記のようにスロットマシン1’においては、制御され得る状況として、リプレイを含むすべての役を加味した総払出率とリプレイ以外の役を加味した実質払出率との大小関係に着眼し、図33(a)および図34(e)に示すように、実質払出率よりも総払出率の方が高い状況と、総払出率よりも実質払出率の方が高い状況とを設けることにより、例えばいずれか一方の払出率が高い状況しか生じ得ない遊技機と比較して、払出率を適切な範囲に収束させることができる。
なお、RT0からRT1への移行契機は、移行役Aなどの所定役の入賞に限らず、特定のはずれ図柄組合せが停止されることや、遊技を所定回数消化すること、所定の抽選で当選することなどにより成立するものであってもよい。また、RT0からRT2への移行契機は、移行役Bなどの所定役の入賞に限らず、特定のはずれ図柄組合せが停止されることや、遊技を所定回数消化すること、所定の抽選で当選することなどにより成立するものであってもよい。また、RT1からRT0への移行契機は、遊技を所定回数消化することにより成立するものに限らず、所定役に入賞することや、特定のはずれ図柄組合せが停止されること、所定の抽選で当選することなどにより成立するものであってもよい。また、RT2からRT0への移行契機は、遊技を所定回数消化することにより成立するものに限らず、所定役に入賞することや、特定のはずれ図柄組合せが停止されること、所定の抽選で当選することなどにより成立するものであってもよい。
また、移行役Aは、他の役a、役bなどと役抽選において同時に当選し、移行役Aが同時当選している他の役の種類に応じて移行役Aを入賞させる操作態様(例えば押し順)が異なるように定められているものであってもよい。また、移行役Bは、他の役a、役bなどと役抽選において同時に当選し、移行役Bが同時当選している他の役の種類に応じて移行役Bを入賞させる操作態様(例えば押し順)が異なるように定められているものであってもよい。また、移行役A、移行役B、および他の役a、役bなどは、役抽選において同時に当選し、同時当選している他の役の種類に応じて、移行役Aを入賞させる操作態様、および移行役Bを入賞させる操作態様が異なるように定められているものであってもよい。この場合、RT0において移行役Aや移行役Bに当選したときに、押し順当て遊技を発生させることにより、RT0における遊技の興趣を向上させることができる。
例えば、移行役Aは、RT1移行リプレイとし、他の通常リプレイa、通常リプレイbと役抽選において同時に当選し、RT1移行リプレイが同時当選している他の通常リプレイの種類に応じてRT1移行リプレイを入賞させる操作態様(例えば押し順)が異なるように定められているものであってもよい。具体的には、RT0における当選状況として、RT1移行リプレイが通常リプレイaと同時に当選する当選状況aと、RT1移行リプレイが通常リプレイbと同時に当選する当選状況bとが設けられており、当選状況aのときに左第1停止されることによりRT1移行リプレイを入賞させるリール制御が行われる一方、左以外が第1停止されることにより通常リプレイaを入賞させるリール制御が行われるのに対して、当選状況bのときに左以外が第1停止されることによりRT1移行リプレイを入賞させるリール制御が行われる一方、左第1停止されることにより通常リプレイbを入賞させるリール制御が行われるようにしてもよい。
また、移行役Bは、RT2移行リプレイとし、他の通常リプレイa、通常リプレイbと役抽選において同時に当選し、RT2移行リプレイが同時当選している他の通常リプレイの種類に応じてRT2移行リプレイを入賞させる操作態様(例えば押し順)が異なるように定められているものであってもよい。具体的には、RT0における当選状況として、RT2移行リプレイが通常リプレイaと同時に当選する当選状況cと、RT2移行リプレイが通常リプレイbと同時に当選する当選状況dとが設けられており、当選状況cのときに左第1停止されることによりRT2移行リプレイを入賞させるリール制御が行われる一方、左以外が第1停止されることにより通常リプレイaを入賞させるリール制御が行われるのに対して、当選状況dのときに左以外が第1停止されることによりRT2移行リプレイを入賞させるリール制御が行われる一方、左第1停止されることにより通常リプレイbを入賞させるリール制御が行われるようにしてもよい。
この場合におけるRT0において、当選状況a〜dのいずれかとなったときに押し順当て遊技である旨を報知することにより(例えば、当選状況a、bのときには「ピンチ!押し順回避だ!」といったメッセージを表示、当選状況c、dのときには「チャンス!自力で正解させろ!」といったメッセージを表示等)、遊技者にいずれの押し順で停止操作を行うかといったことを考えさせる面白さを提供でき、RT0における遊技の興趣を向上させることができる。
また、図33(a)では、RT0〜RT2間における遊技状態遷移を例示したが、リプレイを含むすべての役を加味した総払出率とリプレイ以外の役を加味した実質払出率との大小関係に着眼し、図34(e)に示すように、実質払出率よりも総払出率の方が高い状況と、総払出率よりも実質払出率の方が高い状況とが生じ得るものであればこれに限るものではない。
また、図33(b)および図33(c)では、総払出率と実質払出率とに着眼して対比した場合には、総払出率と実質払出率との差が設定値毎に異なることや、ボーナス役の当選確率に影響する設定値1〜3、および、設定値4〜6のいずれにおいても、総払出率と実質払出率との差が比較的小さくなる設定値、総払出率と実質払出率との差が比較的大きくなる設定値、総払出率と実質払出率との差が最大となる設定値が含まれることについて説明した。しかし、図34(e)に示すように、実質払出率よりも総払出率の方が高い状況と、総払出率よりも実質払出率の方が高い状況とが生じ得るような当選確率で役抽選が行われるもの(例えば、リプレイの当選確率が0%あるいは100%に定められているものではない等)であれば、図33(a)で示した遊技状態遷移や、図33(b)および図33(c)などで示した役抽選の対象となる役および当選確率などに限るものではない。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
(役抽選の対象となる役や遊技状態遷移について)
図1〜図34を用いて説明したスロットマシンにおける役抽選の対象となる役や遊技状態遷移については、図9や、図13、図33等で示したものに限るものではない。役抽選の対象となる役や遊技状態遷移などについては、例えば、図35〜図38に示すようなものであってもよく、このようなスロットマシン(遊技機)においても、図1〜図34を用いて説明した技術的事項を備えているものであってもよい。
図35は、変形例におけるスロットマシン1”のリール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明するための図である。リール11L〜11Rには、各々、図35(a)に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。複数種類の図柄は、絵柄により構成される。以下においては、複数種類の図柄各々を、図35(b)において対応するように示されている名称(「R7」「B7」「BAR」「BL」「R1」「R2」「BE」「CH」「WM1」「WM2」)を用いて説明する。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。「R7」および「B7」は、絵柄が「7」を主体としており形状が共通するものの、尖った部分の位置・方向(R7:右上部分において左方向に尖っている+左下部分において上方向に尖っている、B7:右上部分および左下部分左部分において尖っていない)や色合い(R7:赤色、B7:青色)が異なる。また、「R1」および「R2」は、絵柄中央に「Replay」と記載されており、形状や色合いが共通するものの、突出している箇所(R1:上下左右、R2:左上、左下、右上、右下)が異なる。このように、「R1」および「R2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「R」ともいう。同様に、「WM1」および「WM2」は、絵柄が「スイカ」を主体としており形状や色合いが共通するものの、特殊なデザイン(きらきらをイメージさせるデザイン)の有無(WM1:無し、WM2:切り口に沿って点在)において異なる。このように、「WM1」および「WM2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「WM」ともいう。
図35においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
図36は、変形例におけるスロットマシン1”において設定されている役の種別および役名称について説明するための図である。なお、以下説明するスロットマシンにおける入賞ラインNLとしては、左可変表示列10Lの中段、中可変表示列10Mの中段、右可変表示列10Rの中段により構成されるラインが設定されているものとする。役の種別としては、前述した実施形態と同様に、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。
ボーナス役としては、役名称「RBB1」が設けられている。「RBB1」の図柄組合せには、「R7」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB1」に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(図36の備考欄に記載の200枚)を超えた遊技で終了する。
再遊技役としては、役名称「RP1」〜「RP10」が設けられている。「RP1」の図柄組合せには、「R1」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RP2」〜「RP10」についても、各々、図36に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「RP1」および「RP2」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11L〜11R各々の中段・中段・中段に「R」図柄が停止し、見た目上は、「R」図柄が入賞ラインNL上に揃う。「RP3」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11L〜11R各々の下段・中段・上段に「R」図柄が停止し、見た目上は、「R」図柄が右上がりライン上に揃う。「RP4」および「RP5」は、再遊技役の当選確率が高い遊技者にとって有利な遊技状態(後述するRT2)に制御する契機となる役であるため、昇格リプレイともいう。「RP4」および「RP5」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11Lおよびリール11M各々の中段・中段に「R」図柄が停止するとともにリール11Rの中段に「BE」図柄が停止し、見た目上は、リール11Lおよびリール11Mにおいて「R」図柄がテンパイしている状態となる。
「RP6」および「RP7」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11Mの中段とリール11Rの上段または下段に「BAR」図柄が停止するとともにリール11Lの中段に「BE」図柄が停止し、見た目上は、リール11Mおよびリール11Rにおいて「BAR」図柄がテンパイしている状態となる場合がある。このため、「RP6」および「RP7」は、BARテンパイリプレイあるいはフェイクBARともいう。
これに対し、「RP8」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BAR」図柄がリール11L〜11R各々の下段・中段・上段に停止し、見た目上は、「BAR」図柄が右上がりラインに停止している状態となる場合がある。このため、「RP8」は、右上がりBAR揃いリプレイともいう。また、「RP9」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BAR」図柄がリール11L〜11R各々の上段・中段・下段に停止し、見た目上は、「BAR」図柄が右下がりラインに停止している状態となる場合がある。このため、「RP9」は、右下がりBAR揃いリプレイともいう。「RP10」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11Lおよびリール11M各々の中段・上段に「CH」図柄が停止している状態になり得る場合がある。
小役としては、役名称「PZ1」〜「PZ41」が設けられている。「PZ1」〜「PZ41」についても、各々、図36に記載のとおりの図柄組合せが定められている。このうち、「PZ1」および「PZ2」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BE」図柄がリール11L〜11R各々の上段・中段・下段に停止し、見た目上は、「BE」図柄が右下がりラインに停止される。このため、「PZ1」および「PZ2」は、右下がりベルともいう。「PZ3」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「BE」図柄がリール11L〜11R各々の中段・中段・中段に停止し、「BE」図柄が入賞ラインNL上に停止される。このため、「PZ3」は、中段ベルともいう。「PZ1」〜「PZ3」は、ボーナス状態以外の状態においては押し順が正解したときに入賞となり、ボーナス状態においては押し順にかかわらず入賞となり、メダルが9枚払い出される。「PZ4」〜「PZ36」は、押し順が不正解(失敗)したときであってストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが4枚払出される。「PZ4」〜「PZ36」は、押し順不正解ベルともいう。
また、「PZ37」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「WM」図柄がリール11L〜11R各々の上段・中段・下段に停止し、「WM」図柄が右下がりラインに停止される場合がある。このため、「PZ37」は、スイカともいう。「PZ38」〜「PZ40」各々の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「CH」図柄がリール11Lおよびリール11M各々の上段あるいは下段に停止される場合がある。このため、「PZ38」〜「PZ40」は、チェリーともいう。「PZ41」は、入賞ラインNL上において「WM」図柄がテンパイするチャンス目を停止し得る役である。「PZ37」〜「PZ41」は、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが4枚払出される。
図5のS03で示す内部抽選処理では、図36に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図37を参照して、当選役グループおよび役構成について説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、ボーナス役である「RBB1」から構成される「RBB」が設けられている。なお、ボーナス役を含む当選役グループは、ボーナス役のみならず、他の役(例えば「PZ38」〜「PZ41」など)と同時に当選する当選役グループを含むものであってもよい。
再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプレイ」、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」(以下、まとめて「RT2移行リプレイ」ともいう)、「フェイクリプレイ」、および、「BAR揃いリプレイ」が設けられている。「通常リプレイ」は、「RP1」および「RP2」から構成される当選役グループである。「RT2移行リプレイ1」は、「RP1」「RP2」「RP4」「RP5」から構成される当選役グループである。他の再遊技役の当選役グループについても、図37の役構成欄に記載の役から構成される。
小役の当選役グループとしては、「チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」、および、「全小役」が設けられている。このうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、「PZ1」および「PZ2」、または「PZ3」に加えて、「PZ4」〜「PZ36」のうちの複数種類の役であって、互いに異なる組合せとなる役を含むように構成される当選役グループである。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、まとめて「押し順ベル」ともいう。「全小役」は、すべての小役から構成される当選役グループである。他の小役の当選役グループについても、図37の役構成欄に記載の役から構成される。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1”において制御可能となる遊技状態としては、「RT0」〜「RT2」、「RBB1」が当選している、いわゆる持越し遊技状態とも内部当選状態とも言われる「RT3」、およびボーナス役の入賞に伴うボーナス状態である「RBB1」などが設けられている。「RT0」〜「RT2」は、まとめて一般遊技状態ともいう。
ボーナス役を含む当選役グループのうち「RBB」は、一般遊技状態において役抽選の対象となる。ボーナス役を含む当選役グループは、例えば設定値1のときには当選確率が1/400となるように判定値が定められている。ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる。例えば、設定値6のときには当選確率が1/380となるように判定値が定められている。なお、「RBB」は、設定値にかかわらず一律の確率で当選するように判定値が定められているものであってもよい。また、ボーナス役を含む当選役グループに当選する確率は、例示したものに限るものではなく、他の確率となるように定められているものであってもよい。
次に、再遊技役を含む当選役グループのうち「通常リプレイ」は、一般遊技状態、「RT3」において役抽選の対象となる。また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」は、「RT1」においてのみ役抽選の対象となる。「フェイクリプレイ」および「BAR揃いリプレイ」は、各々、「RT1」および「RT2」において役抽選の対象となる。再遊技役を含む当選役グループの当選確率は、制御されているRTの種類に応じた当選確率となる。
「通常リプレイ」「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」「フェイクリプレイ」および「BAR揃いリプレイ」のうちのいずれかに当選する確率は、例えば、「RT1」≦「RT0」<「RT3」<「RT2」の関係となるように判定値が記憶されている。このため、一般遊技状態のうち「RT2」は、他の遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のうちのいずれかに当選する確率は、「RT1」において例えば1/20となるように判定値が記憶されている。また、「フェイクリプレイ」に当選する確率、および、「BAR揃いリプレイ」に当選する確率は、各々、「RT1」において例えば1/20となり、「RT2」において例えば1/10となるように判定値が記憶されている。なお、再遊技役を含む当選役グループに当選する確率は、例示したものに限るものではなく、他の確率となるように定められているものであってもよい。
小役を含む当選役グループのうち、「チェリー」「スイカ」「チャンス目」「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、各々、一般遊技状態および「RT3」において役抽選の対象となる。また、「チェリー」「スイカ」「チャンス目」「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々に当選する確率は、遊技状態や設定値にかかわらず一律の確率となるように判定値が記憶されている。例えば、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選する確率は、遊技状態や設定値にかかわらず例えば1/5となり、かつ「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々の当選確率が同一となるように、判定値が均等に振分けられている。「チェリー」「スイカ」「チャンス目」のいずれかに当選する確率は、遊技状態や設定値にかかわらず、例えば1/100となるように、判定値が記憶されている。また、「全小役」は、「RBB1」において役抽選の対象となり、1/1の確率で当選するように判定値が定められており、1遊技毎にすべての小役に当選して9枚払出を伴う「PZ3」に入賞する。このため、「RBB1」は、一般遊技状態などと比較して遊技者にとって有利な状態であるといえる。なお、小役を含む当選役グループに当選する確率は、例示したものに限るものではなく、他の確率となるように定められているものであってもよく、設定値に応じて定められているものであってもよい。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。本実施形態における「はずれ」となる確率は、例えば、「RT1」≧「RT0」>「RT3」>「RT2」となるように定められているものであってもよい。
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了する。内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「RBB1」に当選したときにはボーナス役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、再遊技役を含む当選役グループのいずれかに当選したときにはいずれかの再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには押し順ベルに当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
「RBB1」を構成する図柄は、図35に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB1」を構成する図柄「R7」は、リール11L〜11Rに1つしか配列されていない。このため、「RBB1」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、図37に示すように、「RBB1」に当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、「RBB1」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RT3に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
「通常リプレイ」に含まれる「RP1」および「RP2」の中図柄および右図柄を構成する「R1」は、図35に示すように、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP1」および「RP2」の左図柄を構成する「R1」および「R2」は、各々、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。しかし、「通常リプレイ」当選時には「RP1」および「RP2」のいずれにも当選する。その結果、「通常リプレイ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RP1」および「RP2」のいずれかを入賞させることができる。
また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」各々に含まれる再遊技役を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」各々に当選したときには対応する再遊技役のすべてに当選する。その結果、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のいずれかに当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、当選している「RT2移行リプレイ」に含まれる再遊技役のいずれかを必ず入賞させることができる。
また、「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」当選時には、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。第1停止とは、すべてのリール11L〜11Rが回転しているときに最初にリールを停止させることをいう。また、第1停止されたリールは、第1停止リールともいう。また、第2停止とは、第1停止により一のリールが停止し残り2つのリールが回転しているときに停止させることをいい、第3停止とは、残り1つのリールが回転しているときに停止させることをいう。第1停止、第2停止、および第3停止のためのストップスイッチへの操作を、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作ともいう。
例えば、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、左第1停止(左のリール11Lを第1停止)したときには、RT2への移行を伴う「RP4」および「RP5」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「RP4」および「RP5」の中図柄および右図柄を構成する「R1」および「BE」は、いずれもリール11Mおよび11Rにおいて引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP4」および「RP5」の左図柄を構成する「R1」および「R2」は、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、いずれかの図柄を入賞ラインNL上に引込み可能となる範囲内に配列されている。また、「RT2移行リプレイ1」当選時には「RP4」および「RP5」のいずれにも当選する。その結果、「RP4」および「RP5」を他の役よりも優先して引き込んだときには、「RP4」および「RP5」のいずれかを入賞させることができる。よって、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、「RP4」および「RP5」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止(中あるいは右のリール11Mあるいは11Rを第1停止)したときには、「RP4」および「RP5」よりも「RP1」および「RP2」を優先して引き込むように定められている。このため、「RT2移行リプレイ1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
また、「RT2移行リプレイ2」に当選しているときにおいて、中第1停止したときには、「RP4」および「RP5」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われ、左あるいは右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。また、「RT2移行リプレイ3」に当選しているときにおいて、右第1停止したときには、「RP4」および「RP5」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われ、左あるいは中第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のいずれかに当選しているときにおいて「RP4」および「RP5」のいずれかを入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「RT2移行リプレイ1」〜「RT2移行リプレイ3」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
次に、「フェイクリプレイ」に当選しているときにおけるリール制御について説明する。「フェイクリプレイ」に含まれる再遊技役を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「フェイクリプレイ」に当選したときには対応する再遊技役のすべてに当選する。その結果、「フェイクリプレイ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、「フェイクリプレイ」に含まれる再遊技役のいずれかを必ず入賞させることができる。
また、「フェイクリプレイ」当選時には、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。例えば、「フェイクリプレイ」当選時において、左第1停止あるいは中第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
これに対して、「フェイクリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」よりも「RP6」および「RP7」を優先して引き込むように定められている。「RP6」および「RP7」の右図柄を構成する「R1」および「BE」は、リール11Rの図柄配列において引込み可能範囲内に配列されている。また、「RP6」および「RP7」の左図柄を構成する「BE」は、リール11Lにおいて引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP6」および「RP7」の中図柄を構成する「BAR」は、リール11Mの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「フェイクリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP6」および「RP7」を他の役よりも優先して引き込み、ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、ストップスイッチ21Lの操作タイミングにかかわらず「RP6」および「RP7」のいずれかを入賞させることができる。
ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP1」〜「RP3」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。例えば、右図柄として「R1」が停止されているときには、「RP1」および「RP2」のいずれかを優先して引き込み入賞させることができる。また、右図柄として「BE」が停止されているときには、「RP3」を優先して引き込むように定められている。「RP3」の左図柄を構成する「BE」は、リール11Lにおいて引込み可能範囲内に配列されており、「RP3」の中図柄を構成する「R1」は、リール11Mにおいて引込み可能範囲内に配列されている。このため、「RP3」を優先して引き込んだときには、「RP3」を必ず入賞させることができる。
「フェイクリプレイ」当選時で右第1停止したときには、前述したように、「R1」および「BE」のいずれかを入賞ラインNL上に必ず停止させることができる。このとき、図35の図柄番号0の「R1」と図柄番号1の「BE」とのいずれをも入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、図柄番号0の「R1」よりも図柄番号1の「BE」を優先して入賞ラインNL上に引き込むように定められている。また、図35の図柄番号5の「R1」と図柄番号6の「BE」とのいずれをも入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、図柄番号6の「BE」よりも図柄番号5の「R1」を優先して入賞ラインNL上に引き込むように定められている。このため、「フェイクリプレイ」当選時において右第1停止するときに、図柄番号2〜4の「BAR」図柄を狙って停止操作したときに、図柄番号1の「BE」を入賞ラインNL上に停止させて下段に「BAR」図柄を停止させるか、図柄番号5の「R1」を入賞ラインNL上に停止させて上段に「BAR」図柄を停止させることができる。
また、「フェイクリプレイ」当選時において右第1停止により「BAR」図柄を上段または下段に停止させた状態で、中第2停止するときに、図柄番号3の「BAR」図柄を狙って停止操作したときには、図柄番号3の「BAR」を入賞ラインNL上に停止させることができる。このように、「フェイクリプレイ」当選時において右第1停止および中第2停止により「BAR」図柄を狙って停止操作することにより、「BAR」図柄を右上がりラインあるいは右下がりラインのいずれかにおいてテンパイさせることができる。なお、「RP6」および「RP7」を構成する左図柄の「BE」が入賞ラインNL上に停止したときには、図35に示すリール11Lの図柄配列から、少なくとも図柄番号2の「BAR」図柄が上段あるいは下段に停止されることがないため、「BAR」図柄がライン上に揃って停止されることはない。
次に、「BAR揃いリプレイ」に当選しているときにおけるリール制御について説明する。「BAR揃いリプレイ」に含まれる再遊技役を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「BAR揃いリプレイ」に当選したときには対応する再遊技役のすべてに当選する。その結果、「BAR揃いリプレイ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、「BAR揃いリプレイ」に含まれる再遊技役のいずれかを必ず入賞させることができる。
また、「BAR揃いリプレイ」当選時には、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。例えば、「BAR揃いリプレイ」当選時において、左第1停止あるいは中第1停止したときには、「RP1」および「RP2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
これに対して、「BAR揃いリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP1」および「RP2」よりも「RP8」および「RP9」を優先して引き込むように定められている。「RP8」および「RP9」の右図柄を構成する「R1」および「BE」は、リール11Rの図柄配列において引込み可能範囲内に配列されている。一方、「RP8」および「RP9」の左図柄を構成する「R1」および「CH」は、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。また、「RP8」および「RP9」の中図柄を構成する「BAR」は、リール11Mの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「BAR揃いリプレイ」当選時において、右第1停止したときには、「RP8」および「RP9」を他の役よりも優先して引き込み、ストップスイッチ21Lが左図柄の「R1」および「CH」のいずれかを入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作され、かつ、ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、「RP8」および「RP9」のいずれかを入賞させることができる。
これに対して、ストップスイッチ21L、21Mへの停止操作のタイミングによって、「RP8」および「RP9」のいずれをも入賞させることができない場合には、以下のようなリール制御が行われる。まず、第2停止操作により、ストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときや、ストップスイッチ21Lが左図柄の「R1」または「CH」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP1」〜「RP3」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。このため、例えば、右図柄として「R1」が停止されているときには、「RP1」および「RP2」のいずれかを優先して引き込み入賞させることができ、右図柄として「BE」が停止されているときには、「RP3」を優先して引き込み入賞させることができる。
次に、第2停止操作により中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み停止された状態において、第3停止操作によりストップスイッチ21Lが左図柄の「R1」または「CH」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP6」および「RP7」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。このため、例えば、右図柄として「R1」が停止されているときには、「RP6」を優先して引き込み入賞させることができ、右図柄として「BE」が停止されているときには、「RP7」を優先して引き込み入賞させることができる。
第2停止操作により左図柄の「R1」または「CH」を入賞ラインNL上に引き込み停止された状態において、第3停止操作によりストップスイッチ21Mが中図柄の「BAR」を入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されなかったときには、「RP1」および「RP10」のうち既に停止されている図柄に応じて入賞を生じさせる役を優先して引き込むように定められている。このため、例えば、左図柄として「R1」が停止されているときには、「RP1」を優先して引き込み入賞させることができ、左図柄として「CH」が停止されているときには、「RP10」を優先して引き込み入賞させることができる。
「BAR揃いリプレイ」当選時で右第1停止したときには、前述したように、「R1」および「BE」のいずれかを入賞ラインNL上に必ず停止させることができる。このとき、図35の図柄番号0の「R1」と図柄番号1の「BE」とのいずれをも入賞ラインNL上に引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには、「フェイクリプレイ」当選時と同様のリール制御が行われるため、図柄番号2〜4の「BAR」図柄を狙って停止操作したときに、図柄番号1の「BE」を入賞ラインNL上に停止させて下段に「BAR」図柄を停止させるか、図柄番号5の「R1」を入賞ラインNL上に停止させて上段に「BAR」図柄を停止させることができる。
また、「BAR揃いリプレイ」当選時において右第1停止により「BAR」図柄を上段または下段に停止させた状態で、第2停止および第3停止において、リール11Lおよびリール11M各々の「BAR」図柄を狙って停止操作したときには、「BAR」図柄を入賞ラインNL上に停止させることができる。このため、「BAR揃いリプレイ」当選時において「BAR」図柄を狙って停止操作することにより、「BAR」図柄を右上がりラインあるいは右下がりラインのいずれかにおいてテンパイさせることや、揃えさせることができる。その結果、「BAR」図柄が右上がりラインあるいは右下がりラインに揃うことにより、「BAR揃いリプレイ」に当選していたことを遊技者に対して確定的に報知できる。また、「BAR」図柄が右上がりラインあるいは右下がりラインにテンパイすることにより、停止操作タイミングが合わなかった場合などにおいて、「BAR揃いリプレイ」に当選していたことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
小役のうち「チェリー」に含まれる小役を構成する左図柄(「BAR」「BL」「WM1」)は、図35に示すとおり、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「チェリー」は、当選していてもストップスイッチ21Lの操作タイミングによっては、「チェリー」に含まれる小役を構成する左図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
小役のうち「スイカ」に含まれる小役を構成する図柄は、リール11L〜11Rの図柄配列において引込み可能範囲内に配列されている。このため、「スイカ」に当選した場合には、ストップスイッチ21L〜21R各々への操作タイミングにかかわらず、「スイカ」に含まれる小役を引き込み入賞させることができる。
小役のうち「チャンス目」に含まれる小役を構成する左図柄(「WM1」)および中図柄(「WM2」)は、図35に示すとおり、リール11Lおよび11Mの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「チャンス目」は、当選していてもストップスイッチ21Lおよび21Mの操作タイミングによっては、「チャンス目」に含まれる小役を構成する左図柄あるいは中図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
次に、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときのリール停止処理(図15のS16相当)について説明する。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときには、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。
例えば、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、9枚払出となる「PZ1」および「PZ2」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「PZ1」および「PZ2」の左図柄を構成する「R1」および「R2」は、リール11Lの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、いずれかの図柄を入賞ラインNL上に引込み可能となる範囲内に配列されている。また、「左正解ベル1」当選時には「PZ1」および「PZ2」のいずれにも当選する。その結果、「PZ1」および「PZ2」を他の役よりも優先して引き込んだときには、「PZ1」および「PZ2」のいずれかを入賞させることができる。よって、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、「PZ1」および「PZ2」のいずれかに必ず入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止したときには、「PZ1」および「PZ2」よりも同時当選している「PZ4」等の他の小役を優先して引き込むように定められている。「PZ4」等の他の小役を構成する図柄は、いずれも、図35に示されるようにリール11L〜11Rの図柄配列から引込み可能範囲内に配列されていない箇所が存在する。このため、ストップスイッチの操作タイミングによっては、入賞ラインに同時当選している「PZ4」等の他の小役を構成する図柄を引き込むことができず、「左正解ベル1」に当選してもいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。
また、「左正解ベル2」〜「左正解ベル4」当選時においても、左第1停止したときには必ず「PZ1」および「PZ2」を入賞させることができるものの、中あるいは右第1停止したときには「PZ1」および「PZ2」よりも同時当選している他の小役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の小役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの小役にも入賞させることができない場合が生じる。同様に、「中正解ベル1」〜「中正解ベル4」当選時においても、中第1停止したときには必ず9枚払出となる「PZ3」を入賞させることができる。しかし、左あるいは右第1停止したときには、「PZ3」よりも同時当選している他の小役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。また、「右正解ベル1」〜「右正解ベル4」当選時においても、右第1停止したときには必ず9枚払出となる「PZ3」を入賞させることができるものの、左あるいは中第1停止したときには「PZ3」よりも同時当選している他の小役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の小役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの小役にも入賞させることができない場合が生じる。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて、正解手順で操作できず、かつ同時当選している他の小役のいずれも入賞させることができないタイミングで停止操作されたときには、「はずれ」図柄組合せのうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」に当選していないときには入賞ライン上に停止することがない特定の「はずれ」図柄組合せを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。特定の「はずれ」図柄組合せは、「RT0」あるいは「RT2」において入賞ラインNL上に停止すると「RT1」への移行を伴う。このため、特定の「はずれ」図柄組合せは、通常移行出目ともいう。
「全小役」に当選しているとき(例えば、「ボーナス状態」中)には、ストップスイッチ21L〜21Rの操作態様にかかわらず、必ず9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかに入賞するようにリール制御が行われる。
また、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RT3)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。
遊技状態を遷移させるための処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図38には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態を遷移させるための処理は、「RT0」または「RT2」において通常移行出目が入賞ラインNL上に停止されたときに、「RT1」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RT1」において昇格リプレイである「RP4」〜「RP5」に入賞したときに、「RT2」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RT2」を特定可能な遊技状態フラグを設定する処理は、役に対応する特典を付与するための制御を行う特典付与手段に含まれる。
また、遊技状態を遷移させるための処理は、「RT0」「RT1」および「RT2」のいずれかにおいて「RBB1」に当選した遊技において入賞しなかったときに、「RT3」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態を遷移させるための処理は、「RBB1」に入賞したときに、「ボーナス状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「ボーナス状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する処理は、役に対応する特典を付与するための制御を行う特典付与手段に含まれる。遊技状態を遷移させるための処理は、「ボーナス状態」中における払出枚数を計数し、払出枚数が所定枚数を超えたときに「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、スロットマシン1”は、設定変更等により初期化されると「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。
ここで、図38を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。
スロットマシン1”は、設定変更等により初期化されると遊技状態としてRT0に設定されて遊技が開始される。RT0においては、「押し順ベル」が比較的高確率(1/5)で当選する一方、「押し順ベル」当選時において有利操作態様(正解手順)を報知するAT遊技が行われることがない。このため、比較的早いタイミングで押し順ベルを取りこぼして通常移行出目が停止されることになり、RT1に制御されることになる。
RT1では、「RT2移行リプレイ」に当選して「昇格リプレイ」が入賞するとRT2に制御される。しかし、非AT中であるため、「RT2移行リプレイ」当選時において有利操作態様(正解手順)を報知するAT遊技が行われることがない。また、「昇格リプレイ」に入賞してRT2に制御された後においも非AT中であるため、RT0中と同様、「押し順ベル」が比較的高確率で当選する結果、比較的早いタイミングで通常移行出目が停止されて「RT1」に制御されることになる。よって、非AT中においては、遊技の大半をRT1において行うことになる。
また、RT1中等において「RBB1」に当選したとしても、当該「RBB1」を構成する図柄を入賞ラインNL上に引き込むことができるタイミングで停止操作しなければ入賞させることができない。その結果、「RBB1」に当選した遊技において入賞させることができなかった場合、「RT3」に制御される。
「RBB1」に入賞すると、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態中においては、毎遊技において全小役に当選する結果、操作態様にかかわらず9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させることができるため、効率的にメダルを獲得できる。払出枚数が所定枚数を超えるとボーナス終了となり「RT0」に制御される。
一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、「RT1」「RT2」中において「押し順ベル」に当選したときに、9枚払出となる「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「PZ1」〜「PZ3」のいずれかを入賞させることができる。その結果、メダルが9枚払い出される割合が高まる。また、ATに制御されているときにおける「RT1」中において「RT2移行リプレイ」に当選したときには、「昇格リプレイ」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「昇格リプレイ」を入賞させることができる。その結果、「RT2」に制御させることができる。さらに、ATに制御されているときには、前述したとおり「押し順ベル」当選時に「PZ1」等を入賞させることができることにより、通常移行出目を回避できるため、「RT2」から「RT1」に転落してしまうことも防止できる。その結果、AT中においては、遊技の大半をRT2において行うことができる。
また、AT中に当選したRBBが終了した後においては、ATゲーム数等が持ち越されるため再びAT中となり、有利操作態様が報知されて「RT2」に制御される。AT中に当選したRBBが終了した後において「RT2」に制御されるまでの「RT0」および「RT1」に制御される期間は、「RT2」に制御されるまでの準備段階であるため、準備期間ともいう。なお、AT中に当選したRBBが終了した後に制御される「RT0」中において「押し順ベル」に当選したときには、「RT1」へ移行可能となるようにするため、「PZ1」等を入賞させるための有利操作態様が報知されることはない。なお、有利期間およびAT等にかかわる処理においては、図12で説明した処理と同様の処理が行われる。
以上のようなスロットマシン1”においても、図27〜図29で示した技術的事項(例えば有利度報知演出に関する技術的事項)を備えるようにしてもよく、また、図30〜図32で示した技術的事項(例えば設定示唆関連演出に関する技術的事項)を備えるようにしてもよく、また、図33および図34で示した技術的事項(払出率の大小関係に関する技術的事項)を備えるようにしてもよい。
(払出率に関する技術的事項について)
図33および図34を参照して、制御され得る状況として、リプレイを含むすべての役を加味した総払出率とリプレイ以外の役を加味した実質払出率との大小関係に着眼し、総払出率よりも実質払出率の方が高い状況(以下、第1の状況ともいう)と、実質払出率よりも総払出率の方が高い状況(以下、第2の状況ともいう)とが設けられているスロットマシンについて例示した。また、第1の状況として、払出率が1以上となる遊技状態としてRT2を例示し、第2の状況として、払出率が1未満となる遊技状態としてRT1を例示した。さらに、第1の状況として、払出率が1以上となる遊技状態としてナビ演出が実行され得るATを例示し、第2の状況として、払出率が1未満となる遊技状態としてナビ演出が実行されない非ATを例示した。換言すれば、付与された遊技価値の合計数である合計付与数が、賭数として設定された遊技価値の合計数である合計賭数よりも多い状況下においては、総払出率よりも実質払出率の方が高くなり、付与された遊技価値の合計数である合計付与数が、賭数として設定された遊技価値の合計数である合計賭数よりも少ない状況下においては、実質払出率よりも総払出率の方が高くなる例を示した。また、当選役に対応する有利操作態様を報知する報知状態においては、総払出率よりも実質払出率の方が高くなり、当選役に対応する有利操作態様を報知しない非報知状態においては、実質払出率よりも総払出率の方が高くなる例を示した。さらに、以下のような構成を備えているともいえる。例えば、第1の状況は、役抽選において再遊技役に当選する確率が第2の状況よりも高く定められていることにより、総払出率よりも実質払出率の方が高くなる。
また、上記の関係は、いずれも、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうち実際に設定されている設定値にかかわらず成立し得る。図34で示したように、例えば、第1の状況は、実際に設定されている設定値にかかわらず、総払出率よりも実質払出率の方が高い状況であり、第2の状況は、実際に設定されている設定値にかかわらず、実質払出率よりも総払出率の方が高い状況である。
また、図33および図34では、RT1へ移行される割合(例えば、移行役Aの当選・入賞割合)や、RT2へ移行される割合(例えば、移行役Bの当選・入賞割合)について示していないが、例えば、RT1へ移行される割合は、設定値が高い程、低割合となるように定められている一方、RT2へ移行される割合は、設定値が高い程、高割合となるように定められているものであってもよい。具体的に、RT0中における役抽選において移行役A、Bの当選割合について、まず、移行役Aの当選割合が、設定値が高い程、低割合となるように定められている一方、移行役Bの当選割合が、設定値が高い程、高割合となるように定められているものであってもよい。また、設定値が低い場合(例えば、「1」〜「3」の場合)には、RT1へ移行される割合>RT2へ移行される割合の関係となるように定められている一方、設定値が高い場合(例えば、「4」〜「6」の場合)には、RT1へ移行される割合<RT2へ移行される割合の関係となるように定められているものであってもよい。換言すれば、例えば、有利度が最も有利な設定値「6」(以下、第1の設定値ともいう)と、有利度が最も不利な設定値「1」(以下、第2の設定値ともいう)とが設けられており、第2の設定値が設定されているときよりも第1の設定値が設定されているときの方が第1の状況になる割合が高く、第1の設定値が設定されているときよりも第2の設定値が設定されているときの方が第2の状況になる割合が高くなるように定められているものであってもよい。
また、図33および図34では、非ATへ移行される割合(例えば、移行役Aの当選・入賞割合)や、ATへ移行される割合(例えば、移行役Bの当選・入賞割合)について示していないが、例えば、非ATへ移行される割合は、設定値が高い程、低割合となるように定められている一方、ATへ移行される割合は、設定値が高い程、高割合となるように定められているものであってもよい。具体的に、RT0中における役抽選において移行役A、Bの当選割合について、まず、移行役Aの当選割合が、設定値が高い程、低割合となるように定められている一方、移行役Bの当選割合が、設定値が高い程、高割合となるように定められているものであってもよい。また、設定値が低い場合(例えば、「1」〜「3」の場合)には、非ATへ移行される割合>ATへ移行される割合の関係となるように定められている一方、設定値が高い場合(例えば、「4」〜「6」の場合)には、非ATへ移行される割合<ATへ移行される割合の関係となるように定められているものであってもよい。換言すれば、例えば、有利度が最も有利な設定値「6」(第1の設定値)と、有利度が最も不利な設定値「1」(第2の設定値)とが設けられており、第2の設定値が設定されているときよりも第1の設定値が設定されているときの方が第1の状況になる割合が高く、第1の設定値が設定されているときよりも第2の設定値が設定されているときの方が第2の状況になる割合が高くなるように定められているものであってもよい。
なお、図33および図34では、移行役Bの当選・入賞により必ずATへ移行される例について説明したが、例えばAT移行抽選契機となる入賞役(例えば移行役B)に当選することによりAT移行抽選を行い、当該AT移行抽選で当選することによりATへ移行するようにして払出率が1以上となる状態(第1の状況)となるようにしてもよい。この場合、役抽選において、AT移行抽選契機となる入賞役に当選する割合は、設定値が高い程、高割合となるように定められ、設定値が低い程、低割合となるように定められているものであってもよく、設定値にかかわらず同じ割合となるように定められているものであってもよい。また、AT移行抽選で当選する割合(AT移行抽選契機となる入賞役当選時におけるAT移行割合)は、設定値が高い程、高割合となるように定められ、設定値が低い程、低割合となるように定められているものであってもよく、設定値にかかわらず同じ割合となるように定められているものであってもよい。
また、図33および図34では、第1の状況として、払出率が1以上となる遊技状態としてリプレイ高確率+ナビ演出有りとなる状態(RT2かつAT)を例示し、第2の状況として、払出率が1未満となる遊技状態としてリプレイ低確率+ナビ演出無しとなる状態(RT1かつ非AT)を例示した。つまり、第1の状況および第2の状況のいずれも、リプレイ確率の高低とATの有無とが連動している状態を例示した。しかし、第1の状況および第2の状況は、AT有無の差異はなく、リプレイ確率の高低により差異が設けられており、例えば、第1の状況としてはリプレイ高確率とすることにより払出率が1以上となる状態とし、第2の状況としてはリプレイ低確率とすることにより払出率が1未満となる状態としてもよい。また、第1の状況および第2の状況は、リプレイ確率の差異はなく、ATの有無により差異が設けられており、例えば、第1の状況としてはAT有りとすることにより払出率が1以上となる状態とし、第2の状況としてはAT無しとすることにより払出率が1未満となる状態としてもよい。また、第1の状況および第2の状況は、リプレイ確率、AT有無に替えてあるいは加えて、ボーナス状態であるか通常状態(あるいは通常RT、図33のRT0等)であるかで差異を設けるものであってもよく、例えば、第1の状況としてはボーナス状態とすることにより払出率が1以上となる状態とし、第2の状況としては通常状態とすることにより払出率が1未満となる状態としてもよい。
(リール回転開始時について)
上記実施形態におけるリール回転開始の際に、本遊技では図5のステップS15の処理を行い、疑似遊技では図7のステップS42の処理を行う例について説明した。具体的に、本遊技における図5のステップS15の処理では、本遊技用の処理(例えば、ステップS61〜ステップS69)が行われるのに対し、疑似遊技における図7のステップS42の処理では、疑似遊技用の処理が行われる。このため、上記実施形態では、リール回転開始の際における本遊技における図5のステップS15の処理内容と、疑似遊技における図7のステップS42の処理内容とが異なる例、つまりリール回転開始のための処理として、本遊技専用の処理と、疑似遊技専用の処理とが設けられている例について説明した。一方、リール回転開始の際にリールモータに対して励磁信号を出力するための励磁パターン(制御用データ)については、本遊技における図5のステップS15の処理と、疑似遊技では図7のステップS42の処理とで、同じ制御用データを用いるものであってもよく、また、異なる制御用データを用いるものであってもよい。
また、リール回転開始の際に用いる処理は、本遊技と疑似遊技とで同じ処理(すべて共通化、一部共通化)としてもよい。また、リール回転開始の際に用いる処理は、本遊技と疑似遊技とで同じ処理(すべて共通化、一部共通化)を行うようにした場合においても、リール回転開始の際に用いる励磁パターン(制御用データ)は、本遊技と疑似遊技とで同じデータ(すべて共通化、一部共通化)としてもよく、異なるデータとしてもよい。なお、本遊技と疑似遊技とで同じデータ(すべて共通化、一部共通化)とする場合で、かつ、本遊技において到達させるべき定常回転速度(所定速度)と、疑似遊技において到達させるべき一定速度とが異なる場合には、速度が速い方(例えば、本遊技における定常回転速度)の制御用データをROM等に記憶させ、速度が速い方まで到達させる場合(例えば、本遊技開始時)には当該制御用データを用いてリール回転制御を行うのに対し、速度が遅い方まで到達させる場合(例えば、疑似遊技開始時)には当該制御用データのうち遅い速度に到達するまでの制御用データを用いてリール回転制御を行うようにしてもよい。
(停止有効化について)
上記実施形態において、本遊技において本停止有効化するための処理としてはウェイトタイム経過判定(図5のステップS12)後に図8のステップS71、S72の処理を行い、疑似遊技において疑似停止有効化するための処理としてはウェイトタイム経過判定(図5のステップS12)前のステップS11における図7のステップS44の処理を行う例について説明した。つまり、本停止有効化あるいは疑似停止有効化するための処理は、本遊技と疑似遊技とでタイミング的に異なる例について説明した。しかし、これに限らず、本停止有効化あるいは疑似停止有効化するための処理は、タイミング的に同じとなるようにしてもよい。例えば、図5のウェイトタイム経過判定(図5のステップS12)後において、ステップS09〜ステップS11を行うとともに、ステップS15を行うようにしてもよい。これにより、本遊技であるか疑似遊技であるかにかかわらず、ウェイトタイム経過までリールの回転開始を待機させ、リール回転後において停止有効化するための処理を行うことができる。この場合、停止有効化するための処理は、本遊技と疑似遊技とで同じ処理(すべて共通化、一部共通化)としてもよい。停止有効化するための処理を同じ処理とした場合であって、本遊技において到達させるべき定常回転速度(所定速度)と疑似遊技において到達させるべき一定速度とが異なる場合には、ある速度に到達したか否かの基準速度として本遊技開始時か疑似遊技開始時かに応じた速度を読み出して設定するようにしてもよい。
(リール回転停止時について)
上記実施形態におけるリール回転停止の際に、本遊技では図5のステップS16の処理を行い、疑似遊技では図7のステップS45の処理を行う例について説明した。図5のステップS16の処理では、停止操作したときに例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで停止させる処理であって、具体的には引込み可能範囲内において当選役に応じた停止位置を決定するための停止位置決定データが用いられる。停止位置決定データは、ROM67に予め記憶されている。一方、図7のステップS45の処理では、ステップS16におけるリール停止処理と同じ処理が行われるものであってもよい例について説明した。つまり、リール回転停止の際に用いる処理は、本遊技と疑似遊技とで同じ処理(すべて共通化、一部共通化)としてもよい。この場合、ステップS45の処理では、ステップS16の処理で用いられる停止位置決定データそのものを用いるものであってもよい。しかし、遊技機(スロットマシン)の内部処理的にはそのもののデータを本遊技と同じように用いた場合、本遊技か疑似遊技かの区別がつかなくなり、例えば検査等において混乱を生じさせてしまう可能性がある。このため、ステップS45の処理においてROM67に記憶されている停止位置決定データを用いるときに、ステップS16の処理において用いる停止位置決定データと全く同じデータであるが、使用するデータを特定するための識別情報(例えばデータラベル等)についてはステップS16の処理において用いる場合と異ならせるようにしたり、使用する際にRAM65の所定領域に一旦書き込む際にその書き込み先のアドレスをステップS16の処理において書き込む際のアドレスと異ならせるようにしてもよい。これにより、効率的な検査を行うことが可能な遊技機を提供することができる。
(疑似遊技特定報知の開始契機・終了契機について)
上記実施形態においては、図5において、疑似遊技に関するステップS09〜S11の処理を行った後に、ステップS12においてウェイトタイム経過判定を行う例について説明した。このため、図7のステップS41における処理である疑似遊技開始コマンドが、図5のステップS02においてスタートレバーが作動したと判定されたときに送信され、また、図7のステップS51における処理である疑似遊技終了コマンドが、ウェイトタイム経過判定を行う前に送信される例について説明した。これにより、少なくともサブ制御基板73側における疑似遊技特定報知が、疑似遊技を行う契機となったスタートレバーが操作されたときに開始される。しかし、疑似遊技特定報知は、スタートレバーが操作されたことに応じて開始されるものであればこれに限らず、例えば、図5のウェイトタイム経過判定(図5のステップS12)後において、ステップS09〜ステップS11を行うようにしてもよい。この場合には、図7のステップS41における疑似遊技開始コマンドが、スタートレバー操作後であってウェイトタイムが経過したときに送信される。その結果、疑似遊技を行う契機となったスタートレバーが操作されたときであって、ウェイトタイムが経過していると判定されたことを契機として疑似遊技特定報知を開始することができる。
また、特定条件が成立しているときにおいてステップS10において疑似遊技実行と判定されたときには、ステップS11へ移行し、ステップS41において疑似遊技開始コマンドを送信して疑似遊技特定報知を開始させ(図14のステップS106)、疑似遊技後において導入操作が行われたとき(図7のステップS50)には、ステップS51において疑似遊技終了コマンドを送信して疑似遊技特定報知を終了させる(図7のステップS109)例について説明した。しかし、疑似遊技を行う契機となったスタートレバーへの操作に応じたタイミングで所定のコマンドが送信(例えば、図25(a)に示すいずれかのタイミングなどにおいて送信されるコマンド)されて疑似遊技の開始をサブ制御基板73側において特定可能であるときには、ステップS41において疑似遊技開始コマンドを送信しないようにしてもよい。また、疑似遊技の終了に応じたタイミングで所定のコマンドが送信(例えば、図25(b)に示すいずれかのタイミングなどにおいて送信されるコマンド)されて疑似遊技の終了をサブ制御基板73側において特定可能であるときには、ステップS51において疑似遊技終了コマンドを送信しないようにしてもよい。なお、この場合であっても、ステップS41における疑似遊技開始コマンドおよびステップS51における疑似遊技終了コマンドは、遊技機を所定の試験機に接続して試験を行うときに試験機側に向けて送信することが可能となるように構成されているものであってもよい。
(スタートレバー(スタートスイッチ19)への操作促進演出について)
上記実施形態において、スタートレバーが操作可能なタイミングにおいて、例えば遊技者に対する期待感を高めるために、当該スタートレバーへの操作を促すレバー操作促進演出(例えば、「レバーを叩け!」といったメッセージ表示等)が行われるものであってもよい。レバー操作促進演出は、役抽選やAT移行抽選等の結果に応じて、遊技者にとって有利度合いが高いときには低いときよりも高い割合で実行し得るものであってもよい。ただし、レバー操作促進演出は、規定数の賭数が設定された直後であって1遊技を開始するためのスタートレバーへの操作を受け付け可能な遊技前期間(図5のステップS02の判定処理を繰り返している期間)においては、実行されないかあるいは当該遊技前期間でないときよりも低い割合でしか実行されないようにしてもよい。遊技前期間においてはスタートレバー操作により疑似遊技が開始されるのかすぐに本遊技が開始されるのかが不明な期間であるところ、このような不明な期間においてレバー操作促進演出を実行してスタートレバー操作に注目させすぎてしまうことや、遊技者に対して必要以上に期待感を抱かせてしまうことを防止できる。一方、導入操作や次回の疑似遊技を開始させるための操作を受け付け可能な期間(図7のステップS50の判定処理を繰り返している期間)においては、レバー操作促進演出を実行してもよく、例えば、遊技前期間よりも高い割合で実行されるようにしてもよい。
(疑似停止中の報知態様について)
上記実施形態において、疑似遊技中においては、疑似遊技特定報知を行い、疑似遊技中であって疑似停止中においては、図22(a)に示したように一定時間毎に疑似停止しているリールを微振動させる例について説明した。つまり、リールが疑似停止しているときには、一定時間毎に微振動すること、および、疑似遊技特定報知を行うことにより、疑似遊技中における疑似停止である旨を報知する例について説明した。しかし、リールが疑似停止しているときにおいて、疑似遊技特定報知が行われるときには、微振動させる疑似停止パターン1(図22(a))ではなく、微振動させない疑似停止パターン2(図22(b))としてもよい。また、逆に、疑似停止パターン1により疑似停止を行っているときには、少なくとも当該期間において疑似遊技特定報知を行わないようにしてもよい。つまり、疑似停止パターン1により疑似停止を行う場合には、当該疑似停止している期間のみ疑似遊技特定報知を行わないものであってもよく、当該疑似停止パターン1による疑似停止を行うこととなる疑似遊技が開始されてから終了するまでの期間に亘って疑似遊技特定報知を行わないものであってもよい。また、疑似遊技中においては原則的に疑似遊技特定報知を行うが疑似停止中においては例外的に疑似遊技特定報知を一時的に中断し、疑似遊技が複数回行われる場合には疑似停止が終了してリール回転が開始されるときに疑似遊技特定報知を再開するものであってもよい。
さらに、疑似遊技特定報知として、遊技特定用ランプ82による報知と、液晶表示器27による報知とが行われる例について説明したが、疑似遊技特定報知を行う場合には、遊技特定用ランプ82による報知および液晶表示器27による報知のうちの少なくともいずれか一方のみが行われるものであればよい。また、疑似遊技中においては、遊技者に対する特典(例えば、付与あるいは上乗せ等されるATゲーム数の大きさ、ATを継続するか否かの継続率の高さ、設定値の高さ等)の有利度合いに応じて、疑似停止パターンの種類(疑似停止パターン1か疑似停止パターン2か等)と、疑似遊技特定報知の種類(遊技特定用ランプ82か液晶表示器27か等)との組合せが選択されるようにしてもよい。これにより、疑似遊技中における報知態様の組合せから特典の有利度合いを予測するといった面白みを提供することができる。
上記実施形態では、疑似停止しているリールの微振動、遊技特定用ランプ82、および、液晶表示器27各々によって、疑似遊技中である旨を報知する例について説明した。しかし、疑似遊技中である旨は、疑似停止しているリールの微振動、遊技特定用ランプ82、および、液晶表示器27のうちのいずれかにより報知可能であればよい。また、遊技特定用ランプ82により疑似遊技特定報知を行わない場合であっても、当該遊技特定用ランプ82においては、AT中やCZ中である旨を報知可能であるが、これに限らず、遊技特定用ランプ82により疑似遊技特定報知を行わない場合には当該遊技特定用ランプ82を遊技機に備えないようにしてもよい(備える必要はない)。例えば、液晶表示器27において疑似遊技特定報知を行う場合には、遊技特定用ランプ82を遊技機に搭載させないようにしてもよい。
(ランダム遅延時間の計測開始タイミングについて)
上記実施形態における図8のステップS62等で説明したランダム遅延ウェイト処理では、例えば、回転開始対象となるリールの回転開始タイミングを遅延させる遅延時間を決定した後に、当該遅延時間の計測を開始して、遅延時間が経過したときにリール回転を開始するために次のステップS63等へ移行する処理が行われる。ここで、遅延時間の計測を開始するタイミングは、遅延時間を決定した後であれば、決定したタイミングであってもよいが、例えば、疑似停止しているリールのうち遅延の対象となるリールを微振動させるための励磁信号の励磁パターンが所定状態となったタイミングとしてもよい。つまり、遅延時間決定後から当該遅延の対象となるリールの励磁パターンが所定状態となるまでは、遅延時間の計測開始を待機させて、所定状態となったタイミングから遅延時間の計測を開始するようにしてもよい。疑似停止によりリールが微振動していることを考慮せずに遅延時間の計測を開始してしまうと、遅延時間経過時において当該リールが様々な励磁パターンにより励磁されていることが考えられ、その結果、遅延時間経過時の励磁パターンによってはリール回転開始するための励磁パターンで励磁したときに脱調等を発生させてしまう虞がある。しかし、上記のように遅延時間の計測を開始するタイミングを疑似停止しているリールのうち遅延の対象となるリールを微振動させるための励磁信号の励磁パターンが所定状態となったタイミングとすることにより、ランダム遅延経過後に用いられる回転開始のための励磁パターンにてスムーズに回転開始を行うことができる。
具体的に、遅延時間経過後においてリール回転を開始するための励磁パターンが、例えば1相→1相+2相→2相→2相+3相→…と定められている場合において、疑似停止時における微振動で1相となっているタイミングにおいて遅延時間経過して上記励磁パターンでの励磁が開始された場合には、リールをスムーズに回転開始させることができる。一方、疑似停止時における微振動で2相となっているタイミングにおいて遅延時間経過して上記励磁パターンでの励磁が開始された場合には、2相励磁から1相励磁となるため、リール回転と逆方向に一旦励磁されてしまうため、リールをスムーズに回転開始させることができない虞があり、場合によっては脱調してしまう虞がある。しかし、上記のように遅延時間の計測を開始するタイミングを疑似停止しているリールのうち遅延の対象となるリールを微振動させるための励磁信号の励磁パターンが所定状態となったタイミングとすることにより、ランダム遅延経過後に用いられる回転開始のための励磁パターンにてスムーズに回転開始を行うことができる。
なお、所定状態としては、例えば、疑似停止時における微振動で2相や2相+3相となっているタイミングにおいて遅延時間経過することがないように予め設計されている状態(励磁状態)である。つまり、励磁パターンが例えば1相のときに設定され得るいずれの遅延時間の計測が開始されたときであっても当該遅延時間経過時には励磁パターンが1相となっている場合には、励磁パターンが1相の状態が所定状態となる。また、励磁パターンが例えば2相+3相のときに設定され得るいずれの遅延時間の計測が開始されたときであっても当該遅延時間経過時には励磁パターンが1相となっている場合には、励磁パターンが2相+3相の状態が所定状態となる。また、リールが微振動していないときに設定され得るいずれの遅延時間の計測が開始されたときであっても当該遅延時間経過時には励磁パターンが1相となっている場合には、リールが微振動していない状態が所定状態となる。
(その他)
上記実施形態においては、疑似遊技特定報知を行う遊技特定用ランプ82について、サブ制御基板73に電気的に接続されており、当該サブ制御基板73側において制御される例について説明した。しかし、遊技特定用ランプ82は、メイン制御基板63と電気的に接続し、当該メイン制御基板63側において制御されるようにしてもよい。また、遊技特定用ランプ82は、疑似遊技特定報知を行っているときには疑似遊技中である旨のみを報知可能としつつ、疑似遊技中でない他の状態(ATやCZ等)においては当該状態である旨を兼用して報知する例について説明したが、これに限らず、疑似遊技特定報知のみを行う専用のランプであってもよい。
上記実施形態においては、図8のステップS61〜S69に示したように、左リール11L、中リール11M、右リール11Rの順に、一つのリールについて遅延時間を決定して当該遅延時間に亘って回転開始を遅延させた後に回転開始させることにより、次のリールについてのランダム遅延処理に移行する例について説明した。しかし、ランダム遅延処理は、リール11L〜11R各々の位置関係をランダムにばらけさせるものであればこれに限らず、例えば、ランダム遅延処理を開始するときにリール11L〜リール11R各々についての遅延時間を決定した後、遅延時間の計測を開始して、決定された遅延時間が経過したリールから順に回転開始させるようにしてもよい。
上記実施形態では、図22等において、疑似停止しているリールを一定時間(例えば、500msec)毎に微振動等させるように、リールモータに対して励磁信号を出力する例について説明した。しかし、一定時間経過するまでに励磁信号を出力するものであればこれに限らず、例えば、一定時間未満の時間(予め定められている時間、あるいは、ランダムに特定される時間)経過で励磁信号を出力する場合があるものであってもよい。また、一定時間未満の第1時間毎に励磁信号を出力する第1励磁パターンと、一定時間未満の第2時間(>第1時間)毎に励磁信号を出力する第2励磁パターンとを含む複数種類の励磁パターンを設け、例えば、遊技者に対する特典(例えば、付与あるいは上乗せ等されるATゲーム数の大きさ、ATを継続するか否かの継続率の高さ、設定値の高さ等)の有利度合いに応じて有利度合いが高いほど第1励磁パターンよりも第2励磁パターンが選択される割合が高くなるように、疑似遊技毎に励磁パターンを決定し、当該励磁パターンに基づいて当該疑似遊技中において疑似停止しているリールを制御するようにしてもよい。これにより、疑似停止されているリールの励磁パターンから特典の有利度合いを予測するといった面白みを提供することができる。
また、疑似停止しているリールに対する微振動等させる態様は、1種類に限らず、複数種類定められているもの、つまり微振動などの動作をさせる際の励磁信号のパターンが複数種類定められているものであってもよい。複数種類の動作には、例えば、振動により動かす振り幅や、振動させる時間、振動させる速さ・間隔等の複数種類のパラメータのうちの少なくともいずれかが異なるものであればよい。また、疑似停止されているリールを、第1種類の態様で動作させる第1励磁パターンと、第2種類の態様(第1種類よりも振り幅が大きい、振動させる時間が長い等)で動作させる第2励磁パターンとを含む複数種類の励磁パターンを設け、例えば、遊技者に対する特典(例えば、付与あるいは上乗せ等されるATゲーム数の大きさ、ATを継続するか否かの継続率の高さ、設定値の高さ等)の有利度合いに応じて有利度合いが高いほど第1励磁パターンよりも第2励磁パターンが選択される割合が高くなるように、疑似遊技毎に励磁パターンを決定し、当該励磁パターンに基づいて当該疑似遊技中において疑似停止しているリールを制御するようにしてもよい。これにより、疑似停止されているリールの励磁パターンから特典の有利度合いを予測するといった面白みを提供することができる。
また、特定条件が成立することにより行われ得る疑似遊技の回数の決定について、例えば、特定条件が成立したときに、遊技者に対する特典(例えば、付与あるいは上乗せ等されるATゲーム数の大きさ、ATを継続するか否かの継続率の高さ、設定値の高さ等)の有利度合いに応じて有利度合いが高いほど、多い回数に決定される割合が高くなるように、疑似遊技の回数を決定するようにしてもよい。また、他の例として、特定条件が成立して疑似遊技を開始するときに、疑似遊技を継続させる継続率を複数種類の継続率(例えば、30%、60%、90%等)のうちから決定し、1回の疑似遊技が終了した後に次の疑似遊技を行うか否かを当該継続率に従って決定することにより、疑似遊技の回数を特定するものであってもよい。この場合、遊技者に対する特典(例えば、付与あるいは上乗せ等されるATゲーム数の大きさ、ATを継続するか否かの継続率の高さ、設定値の高さ等)の有利度合いに応じて有利度合いが高いほど、高い継続率に決定される割合が高くなるように、継続率を決定するようにしてもよい。これにより、疑似遊技の実行回数から特典の有利度合いを予測するといった面白みを提供することができる。また、特定条件についても、遊技者に対する特典(例えば、付与あるいは上乗せ等されるATゲーム数の大きさ、ATを継続するか否かの継続率の高さ、設定値の高さ等)の有利度合いに応じて有利度合いが高いほど、成立する割合が高くなるように、特定条件の成否を決定(特定)するようにしてもよい。
上記実施形態における疑似遊技では、リール11L〜リール11Rすべてについて、回転させた後にストップスイッチへの操作に応じて疑似停止させる例について説明したが、これに限らず、例えば、リール11L〜リール11Rすべてについて回転させた後、リール11Lおよびリール11Rについては時間経過等に応じて自動的に疑似停止させるのに対し、リール11Mについてのみストップスイッチ21Mに対する操作に応じて疑似停止させるものであってもよい。また、疑似遊技は、ストップスイッチへの操作に応じて疑似停止させた図柄組合せ(例えば、BAR揃い)について、時間経過等に応じて自動的にリール11L〜リール11Rすべてについて回転させた後に再度図柄組合せ(例えば、BAR揃い)を自動的に疑似停止させた後にランダム遅延処理等に移行可能とするものであってもよく、また、ストップスイッチへの操作に応じて疑似停止させた図柄組合せ(例えば、BAR揃いに限らない)について、時間経過等に応じて自動的にリール11L〜リール11Rすべてについて回転させた後に予め定められている図柄組合せ(例えば、BAR揃い)を自動的に疑似停止させた後にランダム遅延処理等に移行可能とするものであってもよい。
また、疑似遊技中においては、時間経過に応じてリールが自動停止されることなく、本遊技と同様に、ストップスイッチへの操作によってのみ疑似停止を行うものであってもよい。また、疑似遊技中においては、途中でキャンセルできないものとし、本遊技と同様に、ストップスイッチへの操作によってのみ終了するものであってもよい。具体的に、図7の疑似遊技処理において、ステップS48およびS49の処理、および、ステップS47の処理の少なくともいずれか一方を行わないようにしてもよい。例えば、ステップ46においてNOと判定されたときには、ステップS45へ移行されるものであってもよく、また、ステップ46においてNOと判定されたときにはステップS47へ移行されるものやステップS48においてNOと判定されたときにはステップS45へ移行されるものであってもよい。これにより、疑似遊技への遊技者の介入度合いを向上させることができる。
上記実施形態における図7のステップS42における疑似遊技リール起動処理では、疑似遊技ではない通常遊技時と同様に、リール11L〜リール11Rすべてを同時に回転させる例について説明したが、これに限るものではなく、例えば、リール回転を所定順で開始させるものであってもよい(例えば、図23(a’)参照)。
上記実施形態では、疑似遊技において次の処理(本遊技、あるいは次回の疑似遊技)に移行させるために、スタートレバーへの操作を要する例について説明した。しかし、疑似遊技において次の処理(例えば、ランダム遅延処理、あるいは次回の疑似遊技)に移行させるための操作としては、スタートレバーへの操作に替えてあるいは加えて賭数設定操作としてもよい。また、スタートレバーへの操作を要することなく、疑似遊技においてすべてのリールが疑似停止してから所定時間(例えば3秒)が経過することにより次の処理(例えば、ランダム遅延処理、あるいは次回の疑似遊技)に自動的に移行するようにしてもよい。
上記実施形態では、図6のステップS34においてAT役に当選していると判定されなかったときにもステップS35に移行するようにし、ステップS35において値として「0」を押し順バッファに保存するようにしてもよい。この場合においては、図5のステップS13の判定処理を行わないようにし、ステップS14において値が「0」である場合には、報知用表示器60を非表示状態とするようにしてもよい。
上記実施形態では、疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出等の内容については、サブ制御基板73側の図12のステップS121にて決定する例について説明したが、これに限らず、メイン制御基板63側において疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出等の内容を決定し、当該決定内容をサブ制御部73に送信して液晶表示器27に表示するようにしてもよい。例えば、メイン制御基板63は、疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出等の内容を、役抽選の結果に応じて決定するものや、乱数抽選等でランダムに決定するものであってもよい。また、メイン制御基板63は、メイン制御基板63側において疑似停止させる位置や図柄を決定する場合、疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出等の内容を、当該疑似停止させる位置や図柄に応じて決定するものであってもよく、当該疑似停止させる位置や図柄に応じて予め定められている内容に決定するものであってもよい。
上記実施形態では、AT中であって擬似遊技が発生しない通常遊技では、報知用表示器60において停止操作の態様を表示し、液晶表示器27においてはメインからの押し順コマンドから特定される値(押し順バッファに記憶されている値)に基づいて停止操作の態様を表示する例について説明した。しかし、AT中であって擬似遊技においては、押し順コマンドから特定される値にかかわらず任意のナビ演出等を液晶表示器27で実行可能である一方、報知用表示器60においては、液晶表示器27のナビ演出等にかかわらず停止操作の態様を表示しないが、擬似遊技開始前に当選した役の当選役情報(当選フラグ)は保持するものであり、当該擬似遊技終了後において、報知用表示器60および液晶表示器27各々において当選役情報に基づいて停止操作の態様を報知するようにしてもよい。
上記実施形態における図5のステップS14においては、疑似遊技が発生した後であるか否かにかかわらず、疑似遊技発生前に押し順バッファにおいて記憶された値に基づいて報知する停止操作の態様を特定する例について説明したが、疑似遊技発生前に押し順バッファにおいて記憶された値を用いるものではなく、例えば、疑似遊技終了後のタイミングにおいて値(図6(b)参照)を特定して、当該値に基づく停止操作の態様を報知用表示器60において報知するようにしてもよい。
上記実施形態において、遊技特定用ランプ82により照射され疑似遊技特定報知に用いられる領域(例えば、図17(b)等で示す「疑似遊技」の文字を囲っている領域)は、単色の縁で覆われている。また、遊技特定用ランプ82により疑似遊技特定報知に用いられる領域(例えば、図17(b)等で示す「疑似遊技」の文字を囲っている領域の面積)は、例えば、ボーナス当選等の報知などに用いられる領域や有利期間報知ランプ80の報知に用いられる領域よりも大きく定められているものであってもよい。また、遊技特定用ランプ82により疑似遊技特定報知に用いられる領域は、例えば、リール11L〜11Rに配列されている図柄(例えば、BAR図柄)と異なる大きさが定められており、当該図柄の80%の大きさに定められているものや、当該図柄の150%の大きさに定められているものであってもよい。また、遊技特定用ランプ82により疑似遊技特定報知に用いられる領域は、例えば、リール11L〜11Rに配列されている図柄(例えば、BAR図柄)と異なる大きさが定められており、当該図柄の80%の大きさに定められているものや、当該図柄の150%の大きさに定められているものであってもよい。また、疑似遊技特定報知に用いられる疑似遊技態様は、赤色で点灯させる態様である例について説明したが、リール11L〜11Rに配列されている図柄のいずれにも用いられていない色で点灯させる態様であってもよく、リール11L〜11Rに配列されている図柄に用いられている色と色相環において反対側に位置する色で点灯させる態様であってもよい。
上記実施形態においてメイン制御基板63に電気的に接続されている各種LEDには、規定数の賭数が設定されておりスタートレバー操作によりリール回転(本遊技のリール回転のみならず、特定条件が成立しており本遊技前に行われる疑似遊技のリール回転を含む)を開始可能な状態である旨を報知するレバー有効化報知用のLED(開始操作有効化報知手段)を含むものであってもよい。レバー有効化報知用のLEDは、例えば、前面扉5の表示窓7の左側の所定位置であって遊技者が視認可能な位置に設けられている。レバー有効化報知用のLEDは、例えば、図5のステップS01において規定数の賭数が設定されることによりYESと判定されたときに点灯状態となりレバー有効化が報知され、ステップS02においてスタートレバーが操作されてYESと判定されたときにレバー有効化ではない旨の消灯状態となる。これに対して、疑似遊技中においてすべての図柄が疑似停止されることにより図7のステップS46においてYESと判定されたときであって、スタートレバーへの操作(導入操作)が有効化されるときであっても、レバー有効化報知用のLEDを再び点灯状態に制御しない。これにより、導入操作を受け付け可能な期間であってもレバー有効化が報知されることがない。その結果、すでに設定された賭数に対するレバー操作を検出済である状態において、新たな賭数を設定していないにもかかわらず再度レバー有効化である旨を報知することにより、疑似遊技が本遊技であったかのような誤解を遊技者に抱かせてしまうことを防止できる。
上記実施形態では、図15のステップS121の決定結果に応じて、図17(b)および図17(d)に示したように、「N遊技目」の疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出により報知される停止操作の態様(押し順321)と、当該疑似遊技終了後における本遊技において報知用表示器60により報知される停止操作の態様(「6」が表示されている、「6」は図6(b)から押し順321)とが同じ内容を示す場合が生じ得る例について説明したが、図15のステップS121の決定結果に応じて、図17(b)および図17(d)に示したように、「N遊技目」の疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出により報知される停止操作の態様(押し順321)と、当該疑似遊技終了後における本遊技において報知用表示器60により報知される停止操作の態様(「6」が表示されている、「6」は図6(b)から押し順321)とが異なる内容を示す場合も生じ得る。これにより、疑似遊技中の報知内容と本遊技中の報知内容との組合せのバリエーションを豊富にすることができる。
これに対して、図15のステップS121においては、例えば、液晶表示器27に表示するナビ演出により報知される停止操作の態様として、本遊技において報知用表示器60により報知される停止操作の態様(「6」が表示されている、「6」は図6(b)から押し順321)と必ず同じ内容となるように決定するようにしてもよく、また逆に、本遊技において報知用表示器60により報知される停止操作の態様(「6」が表示されている、「6」は図6(b)から押し順321)とは必ず異なる内容となるように決定するようにしてもよい。
上記実施形態では、例えば、図17(b)および図17(c)で例示したように、本遊技において報知用表示器60で停止操作の態様を表示(メイン制御基板63側で表示)することに対応させて液晶表示器27において表示(サブ制御基板73側で表示)するナビ演出等の態様(色や、形、デザイン、大きさなど)と、報知用表示器60での表示に対応するものではなく疑似遊技中(メイン制御基板63側で非表示時)において液晶表示器27において表示(サブ制御基板73側で表示)するナビ演出等の態様とが、同じである例について説明した。つまり、本遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出と、疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出とは、同じ内容(押し順等)を報知する場合、同じ態様(色や、形、デザイン、大きさなど)となる例について説明した。しかし、本遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出と、疑似遊技中において液晶表示器27に表示するナビ演出とは、同じ内容(押し順等)を報知する場合であっても、態様(色や、形、デザイン、大きさなど)が異なるようにしてもよい。これにより、液晶表示器27に表示するナビ演出等の態様からも、疑似遊技が本遊技であったかのような誤解を遊技者に抱かせてしまうことを防止できる。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが,これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。