JP6865793B2 - フッ素樹脂組成物及びこれを使用するプリプレグと銅張基板 - Google Patents

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本発明はフッ素樹脂組成物に関し、特に、無機粉体と低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末を成分として含み、優れた誘電性能と熱伝導特性を有し、高周波回路基板用のプリプレグ及び銅張基板を製造するために好適に用いられるフッ素樹脂組成物に関する。
無線ネットワーク、衛星レーダ及び5G通信の速やかな発展の上に、知能連結(Intelligence Connectivity)、弾性ネットワーク(Elastic RAN)、及び大規模アレイアンテナ(Massive MIMO)の構築のため、5G時代を開いて消費者に新規な態様の電子通信サービス及び自動車の自動運転サービスを与えるようになってきた。しかしながら、5G電子製品の出力パワーが絶えず増加してきて、その対応する適用周波数もミリ波帯域(30〜300GHz)に大幅に向上したことに対して、材料の放熱性に対する要求も大幅に向上した。このような条件では、伝統的なFR4基板の誘電性能、特に高周波での信号減衰特性は、厳しい高周波伝送要求に満たせないようになった。
電子素子の放熱特性を向上させるために、従来技術の教示によれば、材料、プロセス及び加工の面で電子素子の放熱特性を改良する場合が多い。例えば、米国第9,508,648B2号特許には、樹脂において約90wt%を占める多量の高熱伝導率無機フィラーを配合することによって製造された積層半導体基板が高放熱性、低熱膨張などの特性を有するようになることが開示された。しかしながら、積層半導体基板に多量の無機フィラーを添加するため、積層された層間の接着が不良になり易く、打ち抜く際に銅?離が生じ易く、また、材料にボイド(voids)が現れやすく、更に加工信頼性についての問題を引き起こすようになった。
例えば、米国特許第5,975,201号出願には、回路基板において高伝導率材料と低伝導率材料を併用すると共に、高伝導率材料で熱の流れを放熱シートにガイドし、熱エネルギーを効果的に配分することによって、高出力電子素子の高出力稼働における熱エネルギー蓄積の問題を改良することが開示された。
プリント回路基板は、材料を選択することによって熱伝導特性を改良する以外、プリント回路基板の構造設計によっても放熱特性を改良できる。例えば、プリント回路基板において銅インゴットを埋め込み、銅インゴットの高熱伝導特性によって高出力電子素子の放熱問題を改良することがある。
また、従来技術における高周波マイクロウェーブ基板に利用される基板絶縁樹脂材料としては、炭化水素化合物やポリフェニルエーテル、シアネート、ポリテトラフルオロエチレンなどの絶縁樹脂材料が通常である。これらの絶縁樹脂は、多量の対称的構造を有するため、分子間の双極子モーメントが非常に小さく、高周波マイクロウェーブ基板の高周波帯域での絶縁特性を大幅に向上させた。
また、炭化水素化合物やポリフェニルエーテル、シアネートなどの絶縁樹脂は、官能基の変性によって熱硬化する場合が多いため、その誘電特性が官能基の種類及び数に著しく影響される。機械的特性と化学耐性などの複数の目的特性を同時に達成する必要がある場合、これらの樹脂は、その優れた誘電特性を部分的に犠牲しなければならない。
それに対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂は熱可塑性樹脂であり、主鎖炭素原子の周囲の水素原子が高電気陰性度のフッ素原子に置換され、極めて高い結晶度及び対称性を有し、分子量が通常に1,000,000〜5,000,000と高いため、ポリテトラフルオロエチレンは優れた化学不活性、熱安定性(長期間使用温度は−50℃〜260℃であってもよい)、及び誘電特性(即ち、低誘電率及び低誘電損失)を有するようになる。従って、ポリテトラフルオロエチレン材料は今、大量にマイクロウェーブ通信産業に広く適用されている。
ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、優れた物理的特性を有するが、分子量が極めて大きいという特性のため、その融点で極めて高い粘度(約1010〜1012)を有し、流れにくいから、伝統的な熱可塑性プラスチック加工手段によって成形することはできない。なお、ポリテトラフルオロエチレン樹脂はその融点が327℃と高いため、加工雰囲気がより一層厳しいようになり、その加工機械及び電力設備としては、伝統的な熱可塑性プラスチック加工設備だけでは満たせないようになる。
従来技術において、ポリテトラフルオロエチレンによる加工しにくい特性を改良するために、ポリテトラフルオロエチレンのパーフルオロ系又は非パーフルオロ系の溶融可能なフッ素系樹脂、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリパーフルオロエチレンプロピレン(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−トリフルオロクロロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを採用することがある。
パーフルオロ系樹脂(例えばPFA又はFEPなど)は、フッ素系樹脂の優れた誘電性能を維持できる場合が多く、加工温度が比較的低いが、高価であるため、その汎用が制限される。非パーフルオロ系樹脂(例えばETFE、ECTFE、PVF又はPVDFなど)は、同様に加工温度が低く、優れた機械的性能を有するが、長期間利用可能な温度が低く、その熱安定性、化学耐性、及び誘電性能のいずれも著しく悪い。
ポリテトラフルオロエチレンは高度結晶の重合体であり、生材(合成後、いずれの熱履歴加工処理も経由しない)の結晶度が92〜98%と高いが、加工、焼結及び冷却を経由すると、結晶度が70%以下に大幅に低減し、熱伝導率が約0.25W/m・Kであり、高出力電子素子製品に効果的に適用できない。この問題を解決するために、従来技術において、高熱伝導無機セラミック粉体を多量に添加することによって、熱伝導率を約1.5W/m・Kのレベルに効果的に向上できることが開示された。しかしながら、多量に添加された高熱伝導無機セラミック粉体は、高周波基板又は基板材の加工性と信頼性に影響を与えやすく、元のポリテトラフルオロエチレンの優れた物理的及び誘電特性のいずれも低減された。
本発明は、以上のことを鑑みて、優れた誘電性能及び熱伝導特性を有し、高周波回路基板用のプリプレグ及び銅張基板を製造するために好適に用いられるフッ素樹脂組成物を提供する。特に、本発明に係るフッ素樹脂組成物は、銅張基板を製造する際のラミネート過程において、温度が350℃から250℃まで降下する間において1〜4℃/分間のラミネート降温レートを好適に制御することによって、フッ素樹脂組成物の結晶度を向上させ、銅張基板の熱伝導率を改良できると共に、高熱伝導率及び広範囲の誘電率を有するようになるため、高周波回路基板の製造に好適に用いられる。
フッ素樹脂組成物は、樹脂組成物の全重量を基にして各成分の全量が100wt%になるように、(1)10〜90wt%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂と、(2)1〜10wt%のテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はパーフルオロエチレンプロピレン共重合体(FEP)から選ばれる1種以上のフッ素含有共重合体と、(3)5〜50%の分子量が2,000〜200,000であり、熱分解による分解法又は放射線照射による分解法で製造され得る低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末と、(4)1〜80wt%の無機粉体と、
を含む。
本発明に係るフッ素樹脂組成物は下記の顕著な効果を有する。
(1)フッ素樹脂組成物に低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末を導入することによって熱伝導率を向上させ、樹脂組成物における各成分の使用量が多様化し、フッ素樹脂組成物の誘電特性を更に制御しやすくすることが可能である。
(2)このフッ素樹脂組成物で製造された銅張基板は、高熱伝導率及び広範囲の誘電率を有し、高周波回路基板の製造に好適に用いられ、従来の高熱伝導高周波マイクロウェーブ基板が同時に熱伝導率、誘電特性及び加工信頼性を有し兼ねないなどの総合的問題を大幅に改良した。
本発明に係るフッ素樹脂組成物は、無機粉体と低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末を成分として含む。本発明に係るフッ素樹脂組成物は、優れた誘電性能及び熱伝導特性を有し、高周波回路基板用のプリプレグ及び銅張基板を製造するために好適に用いられる。
フッ素樹脂組成物は、樹脂組成物の全重量を基にして各成分の全量が100wt%になるように、(1)10〜90wt%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂と、(2)1〜10wt%のフッ素含有共重合体と、(3)5〜50%の低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末と、(4)1〜80wt%の無機粉体と、を含む。
フッ素含有共重合体は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はパーフルオロエチレンプロピレン共重合体(FEP)から選ばれる1種以上である。本発明に係るフッ素樹脂組成物におけるフッ素含有共重合体の使用量が10wt%よりも大きい場合、銅張基板を製造するラミネート過程において、ゲルが流れやすく、銅張基板の加工性及び厚さ均一性に影響を与える。フッ素含有共重合体の比率が1%よりも小さい場合、銅張基板にはボイドが生じやすい
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂の構造は、構造式(A)に示す通りである。
Figure 0006865793
その中で、nは整数でn≧1である。
テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の構造は、構造式(B)に示す通りである。
Figure 0006865793
その中で、n及びmは整数でn≧1、m≧1である。
パーフルオロエチレンプロピレン共重合体(FEP)の構造は、構造(C)に示す通りである。
Figure 0006865793

その中で、n及びmは整数でn≧1、m≧1である。
低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末は、熱分解による分解法又は放射線照射による分解法で製造されてもよく、好ましくは、エネルギー利用効率が高い放射線照射による分解法で製造される。低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末の分子量は2,000〜200,000であり、好ましくは10,000〜100,000であり、平均粒子径は1〜10μmである。
フッ素樹脂組成物における無機粉体の使用量が80wt%よりも大きい場合、銅張基板の基板材間の接着力及び基板材と銅箔との間の接着力に影響を与え、銅張基板に分層が現れやすい。
無機粉体はその平均粒子径が0.01〜50μmであり、球形又は非晶質の二酸化ケイ素(SiO)、二酸化チタン(TiO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、球形又は非晶質のアルミナ(Al)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸マグネシウム(2MgO・TiO)、球形又は塊成化物形又は片状の窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、二酸化セリウム(CeO)、又はフュームドシリカ(Fume silica)から選ばれる1種以上であってもよい。また、フュームドシリカは多孔質ナノオーダー(nano−sized)シリカ粒子から選ばれてもよく、平均粒子径は1〜100ナノメートル(nm)である。シリカは、溶融型及び結晶型であってもよく、組成物の誘電特性を考えると、好ましくは溶融型シリカである。二酸化チタンはルチル、アナターゼ又はブルッカイトであってもよく、組成物の誘電特性を考えると、好ましくはルチルである。
本発明に係るフッ素樹脂組成物には、低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末及び無機粉体が添加され、適切な高温焼結及び高温ラミネートのプロセスパラメータの上、低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末による優れた短分子鎖の配列能を利用することによって、プリプレグ及び銅張基板の結晶度を効果的に向上させることができる。材料の結晶度を向上させる目的は、材料の熱伝導率を高めることにある。
本発明において、低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末の結晶度を制御する具体的な方法としては、銅張基板を製造するラミネート過程において、ラミネート過程の降温レートを制御・調整することによって達成し、好ましくは降温レート(又は、結晶レートという)が1〜4℃/分間である。降温レートが速すぎると、低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末を結晶として配列できないが、降温レートが遅すぎると、プロセスに掛かる時間が長すぎ、スループットに影響を与えて実用性を有しない。
本発明に係るフッ素樹脂プリプレグは、ガラスファイバークロスをマトリックスとし、本発明に係るフッ素樹脂組成物が複数回含浸塗布されてなったものである。
本発明に係る銅張基板は、本発明に係るフッ素樹脂プリプレグを基板とし、その上面と下面に銅箔を貼り合わせた後、ラミネート過程において、温度が350℃から250℃まで降下する間において1〜4℃/分間のラミネート降温レートに好適に制御することによって、フッ素樹脂組成物の結晶度を制御することでフッ素樹脂組成物の結晶度を向上し、銅張基板の熱伝導率を改良すると共に、高熱伝導率及び広範囲の誘電率を有するため、高周波回路基板を製造するために好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の効果を説明するが、本発明の請求の範囲はただ実施例の範囲に制限されない。
各実施例及び比較例で製造された銅張基板は、以下の方法によって物性を評価した。
(1)銅張基板ラミネート過程における降温レート
熱プレス機の温度制御システムによって制御し、制御可能な調整範囲は1〜20℃/分間にある。
(2)示差走査熱量分析(DSC)試験
示差走査熱量分析計(TAインスツルメンツ社製のDSCQ20)によって基板の一次融解エンタルピーを計測した。
(3)熱伝導分析試験
ASTM−D5470試験方法に準じ、界面材の熱抵抗及び熱伝導係数計測機器(台湾Long Win Science & Technology株式会社製、型式:LW−9389)で熱伝導分析試験を行った。
(4)誘電率Dk(10GHz)
誘電分析機器(Dielectric Analyzer、型式:HP Agilent E4991A)で周波数10GHzにおける誘電率Dkを測定した。
(5)誘電損失Df(10GHz)
誘電分析機器(DielecTric Analyzer、型式:HP Agilent E4991A)で周波数10GHzにおける誘電損失Dfを測定した。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
(フッ素樹脂組成物の予備含浸液の調製)
表1の配合と比率に基づいて、フッ素樹脂組成物の予備含浸液を調製した。調製ステップには、(1)ポリテトラフルオロエチレン樹脂乳液及びフッ素含有共重合体樹脂乳液を100rpmの回転数で均一に攪拌して20分間混合することと、(2)そして、低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末及び無機粉体を均一に混合された乳液に加え、低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末及び無機粉体が乳液に均一に分散して浮遊するまで、500rpmの回転数で30分間攪拌することと、(3)最後、100rpmの回転数で均一に攪拌して20分間混合し、フッ素樹脂組成物の予備含浸液を調製することと、が含まれる。
(フッ素樹脂プリプレグの調製)
ガラスファイバークロスに調製されたフッ素樹脂組成物の予備含浸液を含浸させた後、予備含浸液が含浸されたガラスファイバークロスを高温炉に送入して80〜120℃での乾燥、200〜240℃でのベーク、及び340〜360℃での焼結を行い、加熱過程において、各ゾーンにはいずれも少なくとも20分間の十分な加熱過程を維持した。ガラスファイバークロスにおける樹脂組成物層の厚さが約100μmに達するまで、上述した含浸塗布と加熱のステップを繰り返し、フッ素樹脂プリプレグを調製した。
(銅張基板の製造)
上述した調製されたフッ素樹脂プリプレグを使用し、銅箔を貼り合わせた後、温度350℃と圧力50kg/cmの条件で、銅箔とラミネートし、同温度且つ同圧力で2時間維持した後、250℃まで降温し、そして10℃/分間のレートで常温に降温して銅張基板を製造した。また、ラミネート過程において、温度が350℃から250℃まで降下する間において、実施例1〜5及び比較例1〜3のフッ素樹脂組成物におけるポリテトラフルオロエチレン微粉末の結晶度については、異なる降温レートのため、異なる結晶度が生じ、更に熱伝導率に影響を与えた。
基板の結晶度、熱伝導率及び誘電特性を評価した。各物性の計測結果は表1に示す通りである。
(結果)
実施例1〜3のフッ素樹脂組成物は、比率が異なる低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末を添加することによってその結晶度を調整し、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの添加量が増加すると、フッ素樹脂組成物の結晶度が明らかに向上し、更に、高基板の熱伝導率を最大1.33W/m・Kに高めると共に、依然として優れた誘電特性及び耐熱性を維持した。これに対して、比較例1のフッ素樹脂組成物にはいずれの低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末も添加されなく、板としてプレスされた後、基板の耐熱性及び電気的性能がいずれも優れたが、熱伝導率としてただ0.61W/m・Kを有し、フッ素樹脂組成物に低分子量ポリテトラフルオロエチレンを添加する方が、熱伝導率を顕著に向上させる効果を有すると示す。
実施例4及び実施例5のフッ素樹脂組成物は、無機粉体の種類及びポリテトラフルオロエチレン樹脂との比率を調整することによって、降温レートが4.0m/分間に向上し、依然として優れた結晶度及び熱伝導率を維持し、基板の誘電率Dkを2.5〜12.5の間に調整してもよく、広い誘電率範囲によってプリント回路基板の異なる線路設計に寄与し、低誘電率の方は高速伝送特性の製品に適用可能であり、高誘電率の方は線路を微小化し、電子素子全体のサイズを減少できる。
実施例2に比べると、比較例2では、実施例2の基板ラミネート降温レートが1.0℃/分間から5.0℃/分間に増加し、基板の熱伝導率が元の1.15W/m・Kから0.79W/m・Kに低減し、低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末の分子配列が結晶度及び熱伝導率に影響を与えることを示す。比較例3ではラミネート降温レートが0.5℃/分間に低減し、結晶度及び熱伝導率の向上に対する効果が著しくなく、時間もエネルギーもかかり、加工コストが大幅に向上した。
比較例4には多量の無機粉体を添加し、また低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末を添加せず、板としてプレスされた後、熱伝導率が1.83W/m・Kに効果的に向上したが、多量の無機粉体のため基板における無機粉体の分散が悪く、不均一な界面によって誘電損失が高すぎるようになり、また耐熱性が不良であり、プリント回路基板加工の信頼性の問題が生じ易い。
実施例1〜5の銅張基板は、調製されたフッ素樹脂プリプレグでラミネートによって製造され、優れた熱伝導性、誘電性能及び安定な加工信頼性を有すると共に、広範囲の誘電率区間を同時に実現し、高周波高出力電子製品についての放熱及び誘電特性に対する要求を満たすことができる。
Figure 0006865793

Claims (7)

  1. 樹脂組成物の全重量を基にして各成分の全量が100wt%になるように、
    (1)10wt%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂と、
    (2)5wt%のテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はパーフルオロエチレンプロピレン共重合体(FEP)から選ばれる1種以上のフッ素含有共重合体と、
    (3)50wt%の分子量が2,000〜200,000である低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末と、
    (4)35wt%の無機粉体と、
    を含むことを特徴とする、フッ素樹脂組成物。
  2. 前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、構造式(A)の構造を有し、
    Figure 0006865793
    その中で、nは整数でn≧1であることを特徴とする、
    請求項1に記載のフッ素樹脂組成物。
  3. 前記テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体は、構造式(B)の構造を有し、
    Figure 0006865793
    その中で、n及びmは整数でn≧1、m≧1であることを特徴とする、
    請求項1に記載のフッ素樹脂組成物。
  4. 前記パーフルオロエチレンプロピレン共重合体(FEP)は、構造式(C)の構造を有し、
    Figure 0006865793
    その中で、n及びmは整数でn≧1、m≧1であることを特徴とする、
    請求項1に記載のフッ素樹脂組成物。
  5. 前記低分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末は、熱分解による分解法又は放射線照射による分解法で製造されることを特徴とする、
    請求項1に記載のフッ素樹脂組成物。
  6. 前記無機粉体は、二酸化ケイ素(SiO)、二酸化チタン(TiO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、アルミナ(Al)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸マグネシウム(2MgO・TiO)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、二酸化セリウム(CeO)又はフュームドシリカ(Fume silica)の1種以上であることを特徴とする、
    請求項1に記載のフッ素樹脂組成物。
  7. ガラスファイバークロスをマトリックスとして請求項1に記載のフッ素樹脂組成物が含浸塗布されてなったものであることを特徴とする、
    フッ素樹脂プリプレグ。
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