以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。また、打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14(および後述する第3始動入賞口)とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたときに、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、本実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、本実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、図1に示す例では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14との2つの始動入賞口が設けられ、遊技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む)したことにより、第1特別図柄の可変表示の実行条件である第1始動条件が成立し、第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したことにより、第2特別図柄の可変表示の実行条件である第2始動条件が成立するように構成されているが、このような構成に限らず、始動入賞口が3つ(または3以上)設けられていてもよいし、1つのみ設けられていてもよい。例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に加えて、第3始動入賞口を設けるとともに、遊技球が第3始動入賞口に入賞したことを検出可能な第3始動口スイッチを設け、第3始動口スイッチにより遊技球が検出されたことにより、第1始動条件または第2始動条件が成立するようにしてもよい。すなわち、3つ目の始動入賞口は、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とのいずれかに対応付けられるようにする。なお、始動入賞口が1つのみ設けられる場合には、特別図柄も1種類となる。詳細については後述するが、この実施の形態では、始動入賞口の数が1〜3のいずれであっても、適用可能な遊技制御基板(主基板)31が用いられている。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。したがって、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合や、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。したがって、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。したがって、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
次に、各種スイッチの接続方法について説明する。図3は、2つの始動口が設けられている遊技機に主基板を適用する場合の始動口スイッチおよびゲートスイッチの接続例を示す説明図である。また、図4は、3つの始動口が設けられている遊技機に主基板を適用する場合の始動口スイッチおよびゲートスイッチの接続例を示す説明図である。
上述したように、この実施の形態では、始動入賞口の数が1〜3のいずれであっても、適用可能な主基板31が用いられている。すなわち、図3,図4に示すように、始動入賞口の数が異なる遊技機に適用する場合でも、主基板31の回路構成は同じである。
図3、4に示すように、主基板31には、始動口スイッチを含む各種スイッチと接続可能な第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310cと、インタフェース基板33と接続される主基板側多極コネクタ310dとが搭載されている。
また、図2には図示されていないが、カウントスイッチ23と、主基板31との間には、インタフェース基板330が設けられている。インタフェース基板33は、遊技機固有の基板であり、遊技機の特性に応じて回路構成が設計される。インタフェース基板330は、インタフェース基板側多極コネクタ330が搭載され、インタフェース基板側多極コネクタ330および主基板側多極コネクタ310dを介して、主基板31と接続される。したがって、例えば、カウントスイッチ23は、インタフェース基板33に設けられた入力用コネクタ(例えば、インタフェース基板側多極コネクタ330に対応する)に接続され、カウントスイッチ23からの検出信号は、インタフェース基板330を介して、主基板31に入力される。なお、一般入賞口スイッチや磁気センサ、電波センサなどの検出装置を設ける場合にも、それらの検出装置の検出信号は、インタフェース基板330を介して、主基板31に入力される。
この実施の形態では、図1に示すように、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14との2つの始動入賞口が設けられているため、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびゲートスイッチ32aは、図3に示す接続方法により接続されている。
具体的には、第1始動口スイッチ13aが第1コネクタ310aに接続され、第2始動口スイッチ14aが第2コネクタ310bに接続され、ゲートスイッチ32aが第3コネクタ310cに接続されている。すなわち、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびゲートスイッチ32aのいずれも、インタフェース基板33を介することなく主基板31に接続されている。
図4には、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14および第3始動入賞口の3つの始動入賞口が設けられている遊技機に、この実施の形態の主基板31が用いられる場合の例が示されている。
図4では、第1始動口スイッチ13aが第1コネクタ310aに接続され、第2始動口スイッチ14aが第2コネクタ310bに接続され、第3始動口スイッチ14bが第3コネクタ310cに接続され、ゲートスイッチ32aがインタフェース基板33に接続されている。すなわち、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ14bは、インタフェース基板33を介することなく主基板31に接続され、ゲートスイッチ32aは、インタフェース基板33を介して主基板31に接続されている。
この実施の形態では、主基板31に設けられた第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310cは、各始動口スイッチと接続可能であるとともに、ゲートスイッチ32aとも接続可能であるように構成されている。また、ゲートスイッチ32aは、第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310cとインタフェース基板33の入力用コネクタとのいずれにも接続可能であるように構成されている。したがって、始動入賞口の数が異なる場合でも、主基板31を適用させることができるとともに、始動口スイッチが接続される第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310cに何も接続されていない状態が生じることを回避することができ、不正が行われることを防止することができる。
なお、この実施の形態の主基板31を始動入賞口の数が1つの遊技機に適用させる場合には、例えば、ゲートスイッチ32aが第2コネクタに接続され、カウントスイッチ23が第3コネクタに接続される。このように、第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310cは、各始動口スイッチやゲートスイッチ32aに加えて、複数種類の検出装置(例えば、一般入賞口スイッチ、磁気センサ、電波センサ等の検出装置)を接続可能に構成されている。また、ゲートスイッチ32aやカウントスイッチ23を含む複数種類の検出装置は、第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310cとインタフェース基板33の入力用コネクタとのいずれにも接続可能であるように構成されている。
また、この実施の形態では、図3に示すように、インタフェース基板33に設けられた入力用コネクタのうち、電気部品(例えば、検出装置を含む複数種類の装置)が接続されていない入力用コネクタはグラウンドに接続される。例えば、始動口スイッチが接続されていない第3コネクタ310cをグラウンドに接続することも可能であるが、第3コネクタ310cを空きコネクタとしないことにより、遊技に与える影響が大きい始動口スイッチに関する不正の対策を強化することができる。
なお、この実施の形態では、ゲートスイッチ32aを第3コネクタ310cに接続する例を用いて説明しているが(図3参照)、ゲートスイッチ32aに代えて、または加えて、例えば、カウントスイッチ23や、他の装置を第3コネクタ310cに接続するようにしてもよい。この場合、インタフェース基板33を介さずに主基板31に接続することにより、ノイズ等の不具合や不正の発生を抑えることが期待できるため、重要度が高い装置を優先して接続することが望ましい。
また、この実施の形態の主基板31は、複数種類の遊技機に適用可能であるが、遊技機ごとに用いるコードやハーネスが異なると接続ミスが生じるおそれがある。そこで、例えば、コードやハーネスとコネクタとを、接続する(または接続可能な)組み合わせにより色や柄を統一し、接続先を判断しやすくするようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技媒体が始動領域(例えば、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14、第3始動入賞口)を通過したことを検出可能な第1検出部(例えば、第1始動口スイッチ13aや第2始動口スイッチ14a、第3始動入賞口スイッチ14b)と、所定の変化を検出可能な第2検出部(例えば、ゲートスイッチ32aやカウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ、磁気センサ、電波センサ等の検出装置)と、第1接続部(例えば、第1コネクタ310aや第2コネクタ310b、第3コネクタ310c)と第2接続部(例えば、主基板側多極コネクタ310d)とを有する主制御手段(例えば、主基板31)と、第2接続部と接続される第3接続部(例えば、インタフェース基板側多極コネクタ330)を有する中継手段(例えば、インターフェース基板33)とを備えており、主制御手段は、第1検出部が第1接続部に接続され、第2検出部が第3接続部を介して第2接続部に接続される第1接続方法(例えば、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ14bがインタフェース基板33を介することなく主基板31に接続され、ゲートスイッチ32aがインタフェース基板33を介して主基板31に接続される接続方法。図4参照)と、第1検出部と第2検出部とが第1接続部に接続される第2接続方法(例えば、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびゲートスイッチ32aがインタフェース基板33を介することなく主基板31に接続される接続方法。図3参照)とをとることが可能である。
そして、第1接続部の数が第1検出部の数と同じである場合は、第1接続方法をとり、第1接続部の数が第1検出部の数よりも多い場合は、第2接続方法をとるように構成されている(例えば、第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310c(すなわち3つのコネクタ)に対して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ(すなわち3つの始動口スイッチ)が設けられている場合には、図4に示す接続方法が適用され、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14a(すなわち2つの始動口スイッチ)が設けられている場合には、図3に示す接続方法が適用される)。そのため、基本設計や基板管理の負担が増加することを防ぐとともに、不正が行われることを防止することができる。
一般的に、他の遊技機と始動領域の数が異なる場合には、主基板の仕様が異なり、基本設計や基板管理の負担が増加するおそれがある。また、始動領域が多い遊技機に対応した仕様の主基板を、始動領域が少ない遊技機に単純に適用すると、空きコネクタが生じるため、不正が行われるおそれがある。例えば、3つの始動領域(すなわち3つの検出スイッチ)が設けられた遊技機に対応した主基板として、3つの検出スイッチをそれぞれ接続可能な3つのコネクタを設ける仕様とすることが考えられる。ここで、この主基板を単純に2つの始動領域(すなわち2つの検出スイッチ)が設けられた遊技機に適用しようとすると、3つのコネクタのうち1つが何も接続されていない状態となる。このような状態では、空きコネクタを狙った不正が行われるおそれがある。特に、始動領域の検出スイッチや接続されるコネクタに対する不正については、遊技に与える影響が大きいため、対策が必要である。
そこで、この実施の形態では、上記のように第1接続方法と第2接続方法とをとることが可能な主基板(すなわち、始動領域の数が異なる遊技機に適用可能な主基板)を用いることで、基本設計や基板管理の負担が増加することを防ぐとともに、不正が行われることを防止している。
また、この実施の形態では、少なくとも複数の第2検出部の一部(例えば、ゲートスイッチ32aやカウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ、磁気センサ、電波センサなどの検出装置うちのいずれか)を、第1接続部(例えば、第1コネクタ310aや第2コネクタ310b、第3コネクタ310c)と、第3接続部(例えば、インタフェース基板側多極コネクタ330)とのいずれにも接続可能な構成としている(例えば、第1コネクタ310a、第2コネクタ310bおよび第3コネクタ310c(すなわち3つのコネクタ)に対して、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14a(すなわち2つの始動口スイッチ)が設けられている場合には、ゲートスイッチ32aが第3コネクタ310cに接続され、図3に示す接続方法が適用される)。そのような構成により、第1接続部の数が第1検出部の数よりも多い場合は、第2接続方法をとることができる。
また、この実施の形態では、第2接続方法をとる場合、中継手段(例えば、インタフェース基板33)に設けられた接続部(例えば、入力用コネクタ)のうち、電気部品(例えば、検出装置を含む複数種類の装置)が接続されていない接続部はグラウンドに接続される(図3参照)。第1接続部の数が第1検出部の数よりも多い場合には、第1検出部が接続されていない第1接続部(例えば、第3コネクタ310c)が存在することになるが、当該第1接続部はグラウンドに接続されず、いずれかの電気部品が接続され、中継手段の接続部がグラウンドに接続される。このような構成により、遊技に与える影響が大きい第1検出部や第1接続部に対する不正の対策を強化することができる。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。