JP4333826B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、データを送信する送信装置と、その送信装置から送信されたデータを受信する受信装置を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機等の遊技機には、図柄を表示する表示装置、音を発生するスピーカ、遊技者に賞球を払出す賞球装置等の機器が取付けられる。これらの機器は、機器毎に制御部(以下、機器制御部という)を有し、この機器制御部は、遊技機全体を制御するメイン制御部から送信されたデータに基づいて各機器を制御する。
上述したメイン制御部と機器制御部との間の従来のデータ伝送は、メイン制御部から機器制御部に対してライト信号(割りこみ信号)が出力され、このライト信号を契機に機器制御部がメイン制御部からデータを受け取る方法で行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的にパチンコ機等の遊技機が設置される遊技店には各種電気設備が備付けられており、これらの電気設備から多くの電磁ノイズが発生する。このため、このようなノイズが上記ライト信号を送信する制御線にのった場合等には、メイン制御部がライト信号を出力していないにもかかわらず、機器制御部はメイン制御部からライト信号が出力されたと判断することとなる。このため、機器制御部は、この誤った判断に基づいてメイン制御部からデータを受信する場合が生じる。
このように従来の遊技機で行われていたデータ伝送技術では、さまざまなノイズが制御線にのることにより誤ったデータが送受信されてしまうという問題があった。
【0004】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、送信側が送信状態にあるかどうかを受信側で判断することで、ノイズにより誤ってデータが送受信されることを防止することができるデータ伝送技術を実現する。
【0005】
【課題を解決するための手段及び効果】
上記課題を解決するため請求項1に記載の遊技機は、データを送信する送信装置と、該送信装置から送信されたデータを受信する受信装置を備える。送信装置は、受信装置に第1所定時間だけONとなる起動信号を出力する信号出力手段と、受信装置に出力するデータをセットする出力ポートを有している。受信装置は、信号出力手段から出力された起動信号を割込み信号として受信するNMI端子と、信号出力手段から出力された起動信号を通常の信号として受信する入力ポートと、NMI端子に信号を受信した際、(1)NMI端子で信号を受信した時から前記第1所定時間よりも短い第2所定時間だけ経過したときに入力ポートに起動信号を受信していないと、送信装置の出力ポートにセットされたデータを受信せず、(2)NMI端子で信号を受信した時から前記第1所定時間よりも短い第2所定時間だけ経過したときに入力ポートに起動信号を受信していると、送信装置の出力ポートにセットされたデータを受信するデータ受信手段を有する。
上記遊技機においては、送信装置の信号出力手段から受信装置に出力された起動信号は、割込み信号としてNMI端子で受信され、さらに、通常の信号として入力ポートで受信される。そして、NMI端子に信号を受信した際は、入力ポートの信号受信状態に基づいて、送信装置から出力されたデータの有効性(送信装置から起動信号が出力されたか否か)が判断される。このように上記遊技機では、送信装置から出力される起動信号を通常の信号として入力ポートでも受信するため、受信装置は送信装置が起動信号を出力しているか否か(送信装置が送信状態にあるか否か)の判断が可能となる。また、受信装置はNMI端子で信号を受信した際に送信装置が送信状態にあるか否かを判断するため、ノイズ等によりNMI端子で信号を受信した場合でも受信装置が誤ってデータを受信してしまうことを防止できる。
【0006】
また、請求項1に記載の遊技機においては、前記信号出力手段と前記NMI端子とを接続する第1の信号送信ラインと、該第1の信号送信ラインから分岐して前記入力ポートに接続される第2の信号送信ラインと、第1の信号送信ライン上であって、第2の信号送信ラインが分岐する点とNMI端子との間に配置されたラッチ回路を有することができる。
このような構成によれば、第1の信号送信ラインにノイズ等により瞬間的な信号がのる場合には、信号がのってから(NMI端子で信号を受信してから)所定時間後には入力ポートで信号を受信していない状態となる。一方、信号出力手段の起動信号の出力時間を適当な時間に設定することで、信号出力手段から出力された起動信号については、NMI端子により信号を受信してから所定時間後でも入力ポートで信号を受信している状態とすることができる。したがって、上記構成によれば、ノイズ等が信号送信ラインにのった場合と信号出力手段から起動信号が出力された場合とを判別することができる。
【0007】
なお、前記受信装置は、遊技機に取付られた演出モードに係る機器を制御する制御装置の受信部とすることができる。
上記構成によれば、演出モードに係る機器が誤って伝送されたデータに基づいて制御されず、その誤動作が防止される。特に、演出モードに係る機器が誤動作した場合、遊技者にその誤動作が認識され遊技店と遊技者との間に不信感が生じる原因となるが、上記構成によればこのような問題の発生が防止される。
ここで、演出モードに係る機器とは、例えばパチンコ機等に配設される図柄表示器や、スピーカや、ランプ等の機器が相当する。特に、パチンコ機の図柄表示器のように表示される図柄の組合せにより遊技者に有利な特典を与える場合は、表示された図柄と実際の遊技機の状態(動き)が相違すると、遊技者側と遊技店側との間に生じるトラブルの原因となるため、本発明の伝送技術は効果的に機能する。
【0008】
また、前記受信装置は、遊技機に取付けられた遊技者に特典を付与する機器を制御する制御装置の受信部としても良い。
上記構成によれば、正しく伝送されたデータに基づいて特典を付与する機器が正しく制御されるため、ノイズ等により誤って遊技者に特典が付与されてしまうことが防止される。このため、遊技店側の不利益が防止される。
ここで、遊技者に特典を付与する機器とは、遊技者に何らかの利益を付与する機器であり、例えば、パチンコ機における賞球装置、スロットマシンにおけるコイン払出装置等が相当する。
【0009】
なお、本発明は、送信装置から受信装置への一方向にのみデータの伝送が行われるように構成されている遊技機において効果的である。
このような場合は、受信装置から送信装置へ逆方向のデータ伝送を行い、送信装置から伝送されたデータの内容チェック等が行えないためである。
【0010】
【実施の形態】
本発明を具現化した第1種パチンコ機の一実施の形態を図1乃至図6を用いて説明する。ここで、図1は第1種パチンコ機の外観を示す正面図であり、図2は図1に示すパチンコ機の制御システムを示すブロック図であり、図3は賞球制御部70における回路図であり、図4はメイン制御部におけるデータ出力処理のフローチャートであり、図5は賞球制御部におけるデータ受信処理のフローチャートであり、図6はメイン制御部及び賞球制御部にいて入出力される各信号のタイムチャートである。
図1に示すようにパチンコ機10の遊技盤面12には、図柄表示装置14、第1種始動口30、大入賞口34等が適宜配置されている。
第1種始動口30は始動口センサ32(図示しない;ただし、図2のブロック図に図示)を有し、パチンコ球が入賞すると通常の入賞口(後述する大入賞口34を含む)と同様に、遊技盤の裏側に設けられた賞球装置54(図示しない;ただし、図2のブロック図に図示)より賞球(賞品球)を払い出す。また、大入賞口34は開閉蓋36を有し、その開平蓋36はソレノイド(図示しない)により開閉駆動されるようになっている。開閉蓋36が開放される期間は、例えば大入賞口34にパチンコ球が所定個数(一般的には10個)入賞するか、開放してから30秒間を経過するまでのいずれか早いほうで終了する。また、開閉蓋36が開放されている間に大入賞口34に入賞したパチンコ球は、入賞球センサ33(図示しない;ただし、図2のブロック図に表示)で検出され賞球装置54より賞球が払出される。
【0011】
遊技盤面12の略中央には、図1に示すように図柄表示装置14が組み付けられている。この図柄表示装置14には、図柄表示器22と、特別図柄の変動保留回数を表示する保留球ランプ28等が設けられている。
図柄表示器22は液晶表示器で構成され、その画面上に3つの特別図柄が所定条件下で変動表示される。この図柄表示器22に変動表示される特別図柄は、変動停止時の図柄の組合せにより大当り遊技状態(大入賞口34が開放される状態)に移行するか否かを遊技者に認識させる役割を果たす。ここで、特別図柄として用いる図柄には、文字(英数字や漢字等)、記号、図形、絵柄等があるが、本実施の形態では数字(0〜9)を用いている。
なお、本実施の形態における図柄表示器22には液晶表示器を用いたが、これ以外にもCRT表示器、LED表示器、プラズマ表示器等を使用することができる。
【0012】
また、遊技機10には、図1に示すように、上述した遊技盤面12以外にも、賞球や貸球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下血40、タバコの吸い殻を入れる灰皿42、賞球の受皿である上皿46、上皿46の内部に設けられて遊技状態に応じて効果音を発生するスピーカ52等が設けられている。また、パチンコ機10正面の適宜の位置には、パチンコ機10の遊技状態に応じて発光するランプ類16等を備える。なお、これら装置の機械的構造については、公知のパチンコ機に設けられたものと同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【0013】
次に、パチンコ機10によるパチンコ遊技を実現するための制御システムの構成や作動について、図2を参照しながら説明する。なお、図2に示す各制御部は、いずれもパチンコ機10の背面側に設けられている。
図2に示すように、パチンコ機10の制御システムは、パチンコ機10全体を制御するメイン制御部60と、このメイン制御部60と接続される各制御部(賞球制御部70,図柄制御部80,音声制御部90,ランプ制御部100)から構成される。
メイン制御部60は、CPU62、ROM63、RAM64、入力回路65、出力回路66を備えたマイクロコンピュータで構成される。
CPU62は、ROM63に格納されている遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10を制御する。この遊技制御プログラムには、各種センサ(始動口センサ32,入賞球センサ33等)から出力された信号に基づいて各制御部70,80,90,100に送信するコマンドデータを作成する処理や、その作成したコマンドデータを送信する処理等を実現するためのプログラムが含まれる。また、RAM64には、上述した各処理を実行するためのデータ、入力回路65で受信した入力信号、CPU62で作成したコマンドデータ等が格納される。
入力回路65は、始動口センサ32や入賞球センサ33からの信号をメイン制御部60内で処理可能な信号に変換等する回路であり、また、出力回路66は、コマンドデータ等を適切な信号に変換してサブ制御部70、80、90、100に出力等する回路である。
なお、出力回路65は、各制御部(賞球制御部70,図柄制御部80,音声制御部90,ランプ制御部100)の前述したメイン制御部60と同様の入力回路(入力端子)と信号送信ラインにより接続される。この出力回路65に接続される信号送信ラインには、各制御部にライト信号を出力するためのライト信号送信ラインや、コマンドデータを送信するコマンドデータ送信ライン等が含まれる。
【0014】
上述したように構成されるメイン制御部60に接続される賞球制御部70は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを中心に構成され、メイン制御部60から出力されたライト信号及びコマンドデータに基づいて賞球装置54から賞球を払出す制御を行う。
この賞球制御部70のマイクロコンピュータ71には、図3に示す回路を介してメイン制御部60から出力されたライト信号が入力する。すなわち、図3に示すように、メイン制御部60から出力されたライト信号は、論理回路73を介してラッチ回路72に入力する。このラッチ回路72の出力端子はマイクロコンピュータ71のNMI端子74(ノンマスカラブルインターラプト端子)に接続され、また、ラッチ回路72の入力端子にはマイクロコンピュータ71の出力ポート85が接続され、マイクロコンピュータ71から出力されたクリア信号が入力されるように構成される。また、論理回路73から出力された信号は、ラッチ回路72の手前で分岐して、マイクロコンピュータ71の入力ポート76にも入力するよう構成されている。
したがって、メイン制御部60から出力されたライト信号は、まず論理回路73で反転出力される。そして、論理回路73から出力された信号は、ラッチ回路72を介してNMI端子に入力され、また、マイクロコンピュータ71の入力ポートに入力することとなる。このため、NMI端子74に入力する信号は、ラッチ回路72によりラッチされるため、マイクロコンピュータ71からクリア信号が出力されるまでON状態となる。一方、入力ポート76に受信する信号は、メイン制御部60からライト信号が送信されている間だけON状態となる。
ここで、ラッチ回路72を介してNMI端子74に信号を入力するのは、連続して入力されるノイズ等により割り込み処理が多重に実行されてしまうことを防止するためである。
なお、メイン制御部60から出力されたコマンドデータは、マイクロコンピュータ71の入力ポート77に入力するように構成されている。
【0015】
なお、メイン制御部60に接続される他の図柄制御部80も、マイクロコンピュータを中心に構成され、メイン制御部60から出力されたコマンドデータに基づいて図柄表示器22に画像(例えば、特別図柄、装飾図柄等)を表示し、また、音声制御部90、ランプ制御部100も、マイクロコンピュータを中心に構成され、メイン制御部60から出力されたコマンドデータに基づいて、それぞれスピーカ52、ランプ類16の駆動制御を行う。これらの各制御部80,90,100においても、図3に示す回路を介してメイン制御部60から出力されたライト信号が入力するように構成されている。
【0016】
なお、メイン制御部60から各制御部(賞球制御部70,図柄制御部80,音声制御部90,ランプ制御部100)へのデータ通信は、メイン制御部60から各制御部への1方向のみで行われる。これは、各制御部からメイン制御部60へのデータ送信を禁止することで、不正行為を防止するためである。
【0017】
次に、上記のように構成されるパチンコ機10において、メイン制御部60から各制御部(賞球制御部70,図柄制御部80,音声制御部90,ランプ制御部100)に、メイン制御部60で作成したコマンドデータを伝送する際の動作について説明する。ここで、メイン制御部60から各制御部にコマンドデータを伝送する際のメイン制御部60における処理及び各制御部におけるコマンドデータの受信処理は、コマンドデータが送信される制御部によって相違することはないため、以下の説明ではメイン制御部60から賞球制御部70にコマンドデータを伝送する場合を例に説明する。
【0018】
まず、メイン制御部60の動作について説明する。メイン制御部60は、入賞球センサ33から出力された入賞信号を入力回路65で受信すると、その入賞信号に基づいてRAM64の所定のアドレスに入賞を記憶する。
ここで、本実施の形態のパチンコ機10においては、パチンコ球が入賞した入賞口によって払出す賞球数を変えている。このため、払出す賞球数毎に賞球センサ33が複数設置され、これら賞球センサ33毎に入賞を記憶するRAM64のアドレスを変更している。
次に、RAM64に記憶した入賞に基づいてコマンドデータを作成する。ここでRAM64に複数の入賞が記憶されている場合(例えば5個払いの入賞と15個払いの入賞が記憶されている場合)、本実施の形態においては、まず賞球数の多い15個払いの入賞に基づいてコマンドデータを作成し、次回の処理において5個払いの入賞に基づきコマンドデータを作成するようにしている。
なお、メイン制御部60で作成される賞球制御部70に送信するコマンドデータを表1に示す。表1に示すように賞球制御部70に送信されるコマンドデータは、1バイトのデータであり、コマンドデータ01H〜0FHは払出す賞球個数に応じたコマンドデータである。また、コマンドデータ11Hは、賞球装置54に貯留しているパチンコ球が不足する場合等において賞球の停止を指示するコマンドデータであり、コマンドデータ12Hは、コマンドデータ11Hにより停止した賞球の開始を指示するコマンドデータである。
また、コマンドデータ13Hは、電源投入時/電源復帰時において賞球の開始を指示するコマンドデータである。このコマンドデータ13Hを設けた理由は、電源投入時/電源復帰時においてバックアップした情報から賞球制御部70が勝手に賞球を払出す処理を開始することを防止するためである。すなわち、賞球制御部70は、メイン制御部60から出力されたコマンドデータ13Hを受信した後、バックアップした情報に基づいて賞球の払出しを行う。
【0019】
【表1】
【0020】
上述した手順でコマンドデータが作成されると、次にこの作成したコマンドデータを賞球制御部70に出力する処理を行う。このコマンドデータ出力処理を、図4に基づいて説明する。
図4に示すように、メイン制御部60は、まず、作成したコマンドデータを出力回路65の所定のポートにセットする(S10)。次に、ライト信号をONし(S12)、所定時間[賞球制御部70でコマンドデータを受信可能な時間(例えば、10μs)]待機し(S14)、ライト信号をOFFする(S16)。
以上がメイン制御部60における処理である。
【0021】
次に、賞球制御部70におけるコマンドデータ受信処理について図5のフローチャートに基づいて説明する。
賞球制御部70はNMI端子にライト信号を受信すると〔ステップS18でYESの場合〕、以下に説明する割込み処理(コマンドデータ受信処理)を開始する。
コマンドデータ受信処理が開始されると、まず、賞球制御部70はタイマ処理を行う(S20)。すなわち、予め設定したカウント値(時間)をカウントする処理を行う。このステップS20で行うカウント時間は、ノイズ(瞬間的な信号)とライト信号(メイン制御部60から出力された信号)とを明確に区別するために充分な時間に設定することが好ましい。したがって、メイン制御部60から出力されるライト信号がON状態からOFFされる直前(図4のステップS16の直前)までカウントすることが好ましい。
ステップS20のタイマ処理が終わると(NMI端子74にライト信号が入力されてから所定時間後)、次に入力ポート76にライト信号を受信しているかどうかを判断する(S22)。すなわち、入力ポート76の信号受信状態(HighレベルかLowレベルか)を判断する。
そして、ライト信号がONされていない場合[ステップS22でNOの場合]には、メイン制御部60がデータを送信している状態ではないと判断し、ステップS26に進む。一方、ライト信号がONされている場合[ステップS22でYESの場合]には、メイン制御部60がデータを送信している状態であると判断し、賞球制御部70の入力ポート77に受信したコマンドデータを有効なコマンドデータとして、受信バッファの記憶領域に書き込みを行い(S24)、ステップS26に進む。そして、ステップS26ではラッチ回路72にクリア信号を出力し、コマンドデータ受信処理を終了する。
なお、ステップS26のクリア信号の出力タイミングは、次のコマンドが伝送されてくるタイミング(メイン制御部60から、次のライト信号が出力されるタイミング)の前であればいつ行われても良い。ただし、本実施の形態では、何らかの異常(賞球装置54の球不足)に基づいて賞球を緊急停止するため、上述したコマンド受信処理が終了した直後にクリアを行い、賞球制御部70をコマンドデータが受信可能な状態とすることが好ましい。
このようなコマンドデータ受信処理が行われた後、賞球制御部70は、この受信したコマンドデータを解析し、このコマンドデータに基づいて賞球装置54を駆動する。このコマンドデータ解析処理・賞球装置54の駆動処理は公知のパチンコ機と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【0022】
次に、上述したコマンドデータ伝送時におけるメイン制御部60のライト信号の出力状態、及び、賞球制御部70における各ポートの信号状態を図6のタイミングチャートにより説明する。
図6に示すように、まず、メイン制御部100の出力回路に送信するコマンドデータAA(例えば、賞球数15個「0FH」)がセットされる。そして、メイン制御部60によりライト信号がON(Lowレベル)される。このため、賞球制御部70のNMI端子もON(Lowレベル)され、同時に賞球制御部70の入力ポートもON(Highレベル)される。賞球制御部70は、NMI端子がONされてから所定時間tだけ経過した後で、入力ポートの状態を確認する。この際、メイン制御部60からライト信号が出力されている場合は、入力ポートの状態がON(Highレベル)である。したがって、賞球制御部70は、受信したコマンドデータAAを有効なデータとして受信バッファに記憶する。そして、クリア信号を出力し、これによりNMI端子の状態がOFF(Highレベル)される。次のコマンドデータBB(例えば、賞球数5個「05H」)を伝送する場合も、上述した手順と同様の手順で行う。
【0023】
ここで、図6に示すように、1回目のコマンドデータAAの伝送と2回目のコマンドデータBBの伝送との間に、ライト信号送信ラインにスパイク状ノイズがのる場合がある。このようなスパイク状ノイズがライト信号送信ラインにのると、ライト信号が一時的にON(Lowレベル)となる。このため、従来のコマンドデータ伝送技術では、賞球制御部70はスパイク状ノイズによってもメイン制御部60によりライト信号がON状態にされたと判断する。そして、そのノイズによって受信処理を開始し、受信したコマンドデータAAを有効なデータとして取り扱い賞球装置54から賞球を払出す処理が行われる。したがって、遊技者に誤って賞球が払出されることとなり、遊技店にとって不利益な事態が生じる。
しかしながら、本実施の形態では、このようなノイズがライト信号送信ラインにのりライト信号が一時的にON(Lowレベル)となった場合、まず、賞球制御部70は所定時間tが経過した後に入力ポート76の状態を確認する。ノイズにより入力ポート76も一時的にONされるが、ノイズは瞬間的なものであるので所定時間tが経過したときにはOFFとなっている。このため、賞球制御部70はメイン制御部60が送信状態ではないと判断し、このスパイク状ノイズにより受信したコマンドデータAAを有効なコマンドデータとして取り扱わない。したがって、本実施の形態における遊技機ては、ノイズ等によって受信した誤ったコマンドデータに基づいて賞球が払出されず、遊技店の不利益が防止される。
なお、既に述べたように、図柄制御部80,音声制御部90,ランプ制御部100に対してコマンドを伝送する場合も、上述した手順と同一手順で行われる。
【0024】
上述したことからも明らかなように、本実施の形態のパチンコ機10においては、メイン制御部60から出力されたライト信号を分岐して各制御部のNMI端子74と入力ポート76に入力する。そして、NMI端子74で信号を受信してから所定時間後に入力ポート76の状態を確認することで、メイン制御部60が送信状態かどうかを判断する。したがって、スパイク状のノイズ等によりライト信号が瞬間的にON状態となった場合は、各制御部70はそのスパイク状のノイズによって受信したコマンドデータを有効なデータとして取り扱わない。これにより、ノイズ等により誤って受信したコマンドデータに基づいて各機器(賞球装置54、図柄表示器22、スピーカ52,ランプ16)が制御されず、各機器の誤動作が防止される。
【0025】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られることなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができ、例えば、次に示す各形態で実施することも可能である。
【0026】
(1)上述した実施の形態においては、各制御部70,80,90,100においてライト信号を分岐し、ライト信号をNMI端子、入力ポートで受信するようにしたが、このような例に限られず、メイン制御部60と各制御部70,80,90,100との間であればどのような位置において分岐しても良い。例えば、メイン制御部60において分岐して、2本の制御線(送信ライン)で各制御部70,80,90,100にライト信号を出力する形態としても良い。
【0027】
(2)上述した実施の形態においては、各制御部70,80,90,100のNMI端子でライト信号を受信するようにしたが、このような例に限られず、各制御部70,80,90,100におけるINT端子で受信するようにしても良い。この場合は、INT端子に信号を受信してからコマンド受信処理が開始されるまでの時間を考慮して、ライト信号を出力する時間及びコマンド受信処理が開始されてから入力ポートの状態を確認するまでの時間を設定する必要がある。
【0028】
(3)上述した実施の形態は、本発明を第1種パチンコ機に適用した例であったが、本発明は、データを送信する送信装置と、その送信装置から送信されたデータを受信する受信装置を備えたものであればどのようなものでも良く、例えばパチンコ機、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機等に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1種パチンコ機の外観を示す正面図
【図2】図1に示すパチンコ機の制御システムを示すブロック図
【図3】賞球制御部70における回路図
【図4】メイン制御部におけるデータ出力処理のフローチャート
【図5】賞球制御部におけるデータ受信処理のフローチャート
【図6】メイン制御部及び賞球制御部にいて入出力される各信号のタイムチャート
【符号の説明】
10・・パチンコ機
16・・ランプ
22・・図柄表示器
52・・スピーカ
54・・賞球装置
60・・メイン制御部
70・・賞球制御部
80・・図柄制御部
90・・音声制御部
100・・ランプ制御部
Claims (2)
- データを送信する送信装置と、該送信装置から送信されたデータを受信する受信装置を備えた遊技機であって、
送信装置は、受信装置に第1所定時間だけONとなる起動信号を出力する信号出力手段と、受信装置に出力するデータをセットする出力ポートを有し、
受信装置は、
信号出力手段から出力された起動信号を割込み信号として受信するNMI端子と、
信号出力手段から出力された起動信号を通常の信号として受信する入力ポートと、
NMI端子に信号を受信した際、(1)NMI端子で信号を受信した時から前記第1所定時間よりも短い第2所定時間だけ経過したときに入力ポートに起動信号を受信していないと、送信装置の出力ポートにセットされたデータを受信せず、(2)NMI端子で信号を受信した時から前記第1所定時間よりも短い第2所定時間だけ経過したときに入力ポートに起動信号を受信していると、送信装置の出力ポートにセットされたデータを受信するデータ受信手段を有することを特徴とする遊技機。 - 前記信号出力手段と前記NMI端子とを接続する第1の信号送信ラインと、該第1の信号送信ラインから分岐して前記入力ポートに接続される第2の信号送信ラインと、第1の信号送信ライン上であって、第2の信号送信ラインが分岐する点とNMI端子との間に配置されたラッチ回路を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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