JP6863750B2 - ウインチ作動速度制御装置 - Google Patents
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Description
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様に係るクレーンは、ウインチと、前記ウインチに回転力を付与する可変容量型のウインチモータと、上記第1の態様に係るウインチ作動速度制御装置と、を備える。
(構成)
図1に示すように、第1実施形態に係る車両搭載型のクレーン1は、自走可能な車両100を有し、この車両100のシャーシフレーム101上にベース2が連結固定されている。更に、このベース2上には、コラム3が旋回自在に設けられており、このコラム3の上端部にはブーム4が起伏自在に枢支されている。なお、ベース2の左右両側には、アウトリガ5が設けられている。
2速切換式ピストンモータ10は、ウインチモータ10aと、電磁式切換弁10bと、変速用ピストン10cと、カウンタバランス弁10dとを備えている。
回転センサ12は、ウインチ6のドラム回転軸6cに、ドラム回転軸6cと同心に固定された円環状の回転検出プレート12aと、回転検出プレート12aの回転位置情報R1及びR2を検出する近接スイッチ12b及び12cとを備える。近接スイッチ12b及び12cは、回転検出プレート12aの周方向に沿って、例えば、電気角で90度の位相差を有して設けられており、これら近接スイッチで検出した回転位置情報R1及びR2を、信号線を介して制御部20に送信する。
ウインチモータ10aは、可変容量型の油圧モータを含んで構成されている。このウインチモータ10aは、2速切換式のモータであり、速度モードとして、低速モード及び高速モードの2速の速度モードを備えている。
第1プランジャピストン61は、一端側がシリンダ60の第1のピストン室64内に該ピストン室64内を摺動可能に設けられている。加えて、第1のピストン室64から突出する他端が、図2に示す状態では、斜板63の傾斜面の傾斜方向に沿った一端側に当接して設けられている。
斜板63は、プランジャピストンの進退方向に傾転可能に設けられ、その傾転角αは変速用ピストン10cのストローク量を変更することによって変更可能に構成されている。従って、傾転角αが変わるとウインチモータ10aの第1及び第2プランジャピストン61及び62のストローク量が変わり、ウインチモータ10aの容量(モータ吸収量、1回転あたりの必要油量)が変わる。即ち、斜板63の傾転角αを変化させることで、圧油の供給量が一定の状態でも回転速度を変化させることが可能である。
図1に戻って、油圧ポンプ50は、車両100のエンジンの駆動力によって駆動する例えば容量固定型のポンプである。
リリーフ弁51は、アンロードが必要なときにポンプポートとタンクポートとを連通させる弁である。
具体的に、ウインチ用切換弁52は、ウインチ6用の操作レバー9aが中立位置のときに、油圧ポンプ50からの圧油が2速切換式ピストンモータ10に供給されないようにブロックするスプール位置(初期位置)となる。一方、操作レバー9aを巻上げ方向に傾倒させた場合は、巻上げ方向に対応する回転方向にウインチモータ10aを回転させる油路に油圧ポンプ50からの圧油を供給するスプール位置へと切り換える。また、操作レバー9aを巻下げ方向に傾倒させた場合は、巻下げ方向に対応する回転方向にウインチモータ10aを回転させる油路に油圧ポンプ50からの圧油を供給するスプール位置へと切り換える。
具体的に、現在の速度モードが低速モードであるときに、第1実施形態では、制御信号Ctrによって電磁弁をON状態とすることで、スプールの位置が高速モードの位置へと切り換わる。これによって、変速用ピストン10cに圧油が供給され、変速用ピストン10cが伸長する。その結果、斜板63の傾転角αが減少し、ウインチモータ10aの容量が高速制御用の容量(小容量)となる。即ち、1回転当たりの押しのけ容積が小さくなるので、ウインチ6を低トルクかつ高速に変速させることが可能となる。
カウンタバランス弁10dは、低圧の供給圧で開弁し、吊荷負荷(吊荷重)に応じたブレーキ圧力を出口側に発生させることによって吊荷が急降下するのを防ぐための弁である。
なお、ロードセル11、回転センサ12及び制御部20から第1実施形態に係るウインチ作動速度制御装置が構成される。
制御部20は、図3に示すように、所定の制御プログラムに基づいて、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)21と、CPU21の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)22と、制御プログラムを含む各種データを格納しているROM(Read Only Memory)23と、時間計測用のタイマ24とを備えている。
制御部20は、図1に示すように、機能構成部として、ウインチ作動速度制御部200を備える。
ウインチ作動速度制御部200は、図4に示すように、回転情報演算部201と、吊荷重モード判定部202と、回転数モード判定部203と、速度切換制御部204とを備えている。
回転数モード判定部203は、速度切換制御部204からの指令に応じて、回転情報演算部201からの回転数Rfと、ROM23に予め記憶された回転数閾値Thvとに基づき、ウインチモータ10aの現在の回転数Rfによる速度モードの判定処理(以下、「第2モード判定処理」と記載する)を実行する。そして、この判定処理による判定結果である第2判定結果DR2を速度切換制御部204に出力する。
速度切換制御部204は、吊荷重モード判定部202からの第1判定結果DR1が低速モードを示す場合に、速度モードを低速モードに切り換える制御信号Ctrを、電磁式切換弁10bに送信する。
次に、図5に基づき、制御部20のウインチ作動速度制御部200で実行される、ウインチ作動速度制御処理の処理手順の一例を説明する。なお、ウインチ作動速度制御処理は、所定周期で繰り返し実行される処理である。
CPU21において、プログラムが実行されウインチ作動速度制御処理が開始されると、図5に示すように、まずステップS100に移行する。
ステップS104に移行した場合は、速度切換制御部204において、第1判定結果DR1は低速モードであるか否かを判定する。そして、低速モードであると判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行する。一方、低速モードではないと判定した場合(No)は、実行指令ECを回転数モード判定部203に出力して、ステップS108に移行する。
これによって、例えば、現在の速度モードが高速モードである場合は、電磁式切換弁10bのスプールが低速モードの位置に切り換わって圧油の流入を遮断し、変速用ピストン10cのストローク量が小さくなる。これによって、斜板63が、傾転角αが大きくなる方向に傾転して、ウインチモータ10aの容量が低速モードに対応する容量に切り換わる。
ステップS110では、速度切換制御部204において、回転数モード判定部203からの第2判定結果DR2が、低速モードであるか否かを判定する。そして、低速モードであると判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS112に移行する。
これによって、例えば、現在の速度モードが低速モードである場合は、電磁式切換弁10bのスプールが高速モードの位置に切り換わって2速切換式ピストンモータ10のポートに圧油が流入して、変速用ピストン10cのストローク量が大きくなる。これによって、斜板63が、傾転角αが小さくなる方向に傾転して、ウインチモータ10aの容量が高速モードに対応する容量に切り換わる。
次に、図6に基づき、上記ステップS102で実行される第1モード判定処理の処理手順の一例を説明する。
ステップS102で第1モード判定処理が実行されると、図6に示すように、まずステップS200に移行する。
ステップS204では、吊荷重モード判定部202において、吊荷重Wは、荷重閾値Thw以上であるか否かを判定する。そして、荷重閾値Thw以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS208に移行する。
一方、ステップS208に移行した場合は、吊荷重モード判定部202において、吊荷重Wによる速度モードを高速モードと判定する。そして、高速モードを示す第1判定結果DR1を、速度切換制御部204に出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
次に、図7に基づき、上記ステップS108で実行される第2モード判定処理の処理手順の一例を説明する。
ステップS108で第2モード判定処理が実行されると、図7に示すように、まずステップS300に移行する。
一方、ステップS304に移行した場合は、回転数モード判定部203において、回転数Rfによる速度モードを高速モードと判定し、高速モードを示す第2判定結果DR2を速度切換制御部204に出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
次に、図8及び図9に基づき、第1実施形態のウインチ作動速度制御装置の動作を説明する。
このウインチ作動速度制御装置は、吊荷重Wが荷重閾値Thw(例えば、クレーン1の最大吊荷重量が2.9[t]の場合に1.2[t])以上となる場合、第1判定結果DR1が低速モードとなるため、従来と同様に速度モードが低速モードで固定される。従って、以下、吊荷重Wが荷重閾値Thw未満となる場合の動作を説明する。
上記に示したように、斜板63の傾斜に掛かる傾斜時間t2はほぼ一定であるから、この通常時では、低速モードから高速モードへは、図8(b)で示すような傾斜時間t2に対する回転数上昇の傾きを有する切換タイミングで以って高速モードへと移行している。
一方、図9(a)〜(c)に示す例は、ウインチ用の操作レバーの操作量(スプール位置)に基づきウインチの作動速度を制御する従来技術の構成に対応しており、通常時における低速モードから高速モードへの切換タイミングは、上記図8(a)に示す例と同様に、操作時間が、経過時間t1を経過したときのタイミングとなる。この切換タイミングの操作量(スプール位置P)を切換位置PXとする。
しかし、操作量の推移は正常でも、例えば気温と、連続使用など使用状況に伴う油温上昇による圧油の粘性変化等が要因で、通常時とは異なる回転数Rfの推移となる場合がある。
ここでも、図8(c)中の折れ線Sと通常時を示す折れ線Nとを比較しても分かるように、傾転時間t2に対する回転数上昇の傾きに変化は少なく、かつ切換後の速度変動が予め設定した許容範囲内であるから問題は生じない。
同じく従来構成の図9(c)中の折れ線SとNを比較すると、NよりSの方が傾きは小さく、切換後の速度変動が予め設定した許容範囲内であるから、図9においても通常時の折れ線Nより回転数が遅くなる場合については、問題は生じない。
ここで、回転情報演算部201が、回転数検出部に対応し、ロードセル11が、吊荷重検出部に対応する。
また、吊荷重モード判定部202、回転数モード判定部203及び速度切換制御部204が、速度切換制御部に対応する。
第1実施形態に係るウインチ作動速度制御装置は、クレーン1のウインチ6に用いられ、可変容量型のウインチモータ10aの容量の切り換え動作を制御することでウインチ6の作動速度を制御する。具体的に、かかるウインチ作動速度制御装置は、ウインチモータ10aが、低速制御用の容量及び高速制御用の容量を含む複数の容量(第1実施形態では低速モードと高速モードにそれぞれ対応する2つの容量)のうちいずれか一の容量に切り換え可能に構成されている。回転情報演算部201が、ウインチ6の回転数Rfを検出する。ロードセル11が、クレーン1の吊荷重Wを検出する。吊荷重モード判定部202が、吊荷重Wが予め設定した荷重閾値Thw以上であると判定すると、速度切換制御部204が、ウインチモータ10aの容量を、上記複数の容量のうち低速制御用の容量(第1実施形態では低速モードに対応する容量)となるように切り換え動作を制御する。一方、吊荷重モード判定部202が、吊荷重Wが荷重閾値Thw未満であると判定し、回転数モード判定部203が、検出した回転数Rfが回転数閾値Thv以上と判定した場合、速度切換制御部204が、ウインチモータ10aの容量を、上記複数の容量のうち高速制御用の容量となるように切り換え動作を制御する。
これによって、例えば、クレーン1が、比較的高トルクが必要な重量物を吊っているときに、トルクがより低くなる高速制御用の容量に切り換わるのを防ぐことが可能となる。その結果、トルク不足による不具合の発生を低減することが可能となるとともに、作業者が操作レバーを最大へと操作しても、危険な高回転に移行することなく安全を配慮した回転数を維持したまま作業を行うことが可能である。
(構成)
上記第1実施形態のウインチ作動速度制御装置は、回転数の上昇速度が通常時よりも大きくなる異常時に、吊荷重Wが荷重閾値Thw未満であるときは、回転数Rfが回転数閾値Thv以上となったときに、常に速度モードを低速モードから高速モードへと切り換えるようにした。これに対して、第2実施形態のウインチ作動速度制御装置は、回転数Rfの変化率である回転数変化率CRを検出する。そして、回転数Rfが回転数閾値Thv未満の値から回転数閾値Thv以上の値になったときに、その閾値Thvを跨ぐ直前の回転数変化率CRが変化率閾値Thrよりも大きい場合に、低速モードから高速モードへの切り換えを禁止する点が上記第1実施形態と異なる。
第2実施形態の制御部20は、機能構成部として、上記第1実施形態のウインチ作動速度制御部200に代えて、第2のウインチ作動速度制御部200Aを備える。
この第2のウインチ作動速度制御部200Aは、図10に示すように、第2の回転情報演算部201Aと、吊荷重モード判定部202と、第2の回転数モード判定部203Aと、速度切換制御部204とを備えている。更に、制御部20は、ハードウェア構成部として、上記第1実施形態のROM23に代えて、ROM23の記憶内容に加えて変化率閾値Thrが記憶されたROM23Aを備えている。
また、第2の回転数モード判定部203Aは、回転数Rfが低速モード領域の値から高速モード領域の値へと切り換わったタイミング(以下、「高速変化タイミング」と記載する)を検出する。
次に、図11に基づき、第3モード判定処理の処理手順の一例を説明する。ここで、第2実施形態では、ウインチ作動速度制御処理のステップS108において、上記第1実施形態の第2モード判定処理に代えて、第3モード判定処理を実行する。
ステップS108で第3モード判定処理が実行されると、図11に示すように、まずステップS400に移行する。
一方、ステップS404に移行した場合は、第2の回転数モード判定部203Aにおいて、高速変化タイミングか否かを判定する。そして、高速変化タイミングであると判定した場合(Yes)は、ステップS406に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS410に移行する。
ステップS408に移行した場合は、第2の回転数モード判定部203Aにおいて、回転数Rfによる速度モードを高速モードと判定し、高速モードを示す第3判定結果DR3を速度切換制御部204に出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
次に、図8を参照しつつ図12に基づき、第2実施形態のウインチ作動速度制御装置の動作を説明する。
以下、吊荷重Wが荷重閾値Thw未満となる場合の動作を説明する。
いま、作業者が、ウインチ用の操作レバー9aを、中立位置の状態から、図8(a)に示す操作量と時間との関係で巻上げ方向に操作したとする。そして、ウインチモータ10aが低速モードで駆動しているときに、図12(a)中の直線Fに示すように、回転数Rfが、同図(a)中の折れ線Nに示す通常時の回転数Rfの上昇速度と比較して高速に上昇したとする。
この場合は、図12(b)中の折れ線S及びNの部分拡大図に示すように、通常時と比較して回転数変化率CRが小さくなるため、高速変化タイミングの直前にRAM22に記憶された回転数変化率CRが変化率閾値Thr未満となる。第2実施形態のウインチ作動速度制御装置は、回転数変化率CRが変化率閾値Thr未満となる場合は、速度モードを高速モードと判定して、低速モードから高速モードへの切り換えを許可する。即ち、回転数変化率CRが変化率閾値未満となる場合は、高速モードへと切り換える。
また、吊荷重モード判定部202、第2の回転数モード判定部203A及び速度切換制御部204が、速度切換制御部に対応する。
第2実施形態は、上記第1実施形態の作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を奏する。
即ち、第2実施形態に係るウインチ作動速度制御装置は、第2の回転情報演算部201Aが、回転数変化率CRを算出する。吊荷重モード判定部202、第2の回転数モード判定部203A及び速度切換制御部204は、第2の回転情報演算部201Aで検出した回転数Rfがウインチモータ10aの現在の容量を低速制御用の容量(低速モードに対応する容量)から高速制御用の容量(高速モードに対応する容量)へと切り換える回転数となったときに、その直前に第2の回転情報演算部201Aで算出された回転数変化率CRが予め設定した変化率閾値Thr未満であるか否かを判定する。そして、変化率閾値未満ではないと判定した場合に、高速制御用の容量への切り換えを禁止する制御を行う。
(構成)
上記第2実施形態のウインチ作動速度制御装置は、回転数Rfが低速モード領域の値から高速モード領域の値に切り換わるときに、その直前の回転数変化率CRが変化率閾値Thr以上のときに、低速モードから高速モードへの切り換えを禁止するようにした。これに対して、第3実施形態では、更に、低速モードから高速モードへ切り換わった後に、回転数変化率CRが高速モード用変化率閾値ThrH以上となったときに、速度モードを高速モードから低速モードへと切り換える点が上記第2実施形態と異なる。ここで、高速モード用変化率閾値ThrHは、上記第2実施形態の変化率閾値Thrよりも大きい値であり、例えば、高速モードにおける通常時の変化率を5[%]増しにした値となる。以下、判別しやすいように、上記第2実施形態の変化率閾値Thrを、「低速モード用変化率閾値ThrL」と記載する。
第3実施形態の制御部20は、機能構成部として、上記第2実施形態の第2のウインチ作動速度制御部200Aに代えて、第3のウインチ作動速度制御部200Bを備える。
この第3のウインチ作動速度制御部200Bは、図示省略するが、上記第2実施形態の第2のウインチ作動速度制御部200Aにおいて、第2の回転数モード判定部203Aに代えて第3の回転数モード判定部203Bを備えた構成となる。
第3実施形態の速度切換制御部204は、吊荷重モード判定部202からの第1判定結果DR1が高速モードを示す場合に、第4モード判定処理の実行指令ECを第3の回転数モード判定部203Bに出力する。そして、この実行指令ECに応じた第3の回転数モード判定部203Bからの第4判定結果DR4に基づき、ウインチモータ10aの速度モードを低速モード及び高速モードのいずれか一方に決定する。そして、現在の速度モードを、決定した速度モードに切り換える制御信号Ctrを、電磁式切換弁10bに送信する。
次に、図13に基づき、第4モード判定処理の処理手順の一例を説明する。ここで、第3実施形態では、ウインチ作動速度制御処理のステップS108において、上記第2実施形態の第3モード判定処理に代えて、第4モード判定処理を実行する。
ステップS108で第4モード判定処理が実行されると、図13に示すように、まずステップS500に移行する。
一方、ステップS504に移行した場合は、第3の回転数モード判定部203Bにおいて、現在の速度モードが、低速モードが否かを判定し、低速モードであると判定した場合(Yes)は、ステップS506に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS508に移行する。
ステップS510に移行した場合は、第3の回転数モード判定部203Bにおいて、回転数Rfによる速度モードを高速モードと判定し、高速モードを示す第4判定結果DR4を速度切換制御部204に出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
次に、図8を参照しつつ図14に基づき、第3実施形態のウインチ作動速度制御装置の動作を説明する。
以下、吊荷重Wが荷重閾値Thw未満となる場合の動作を説明する。
いま、作業者が、ウインチ用の操作レバー9aを、中立位置の状態から、図8(a)に示す操作量と時間との関係で巻上げ方向に操作したとする。そして、ウインチモータ10aが低速モードで駆動しているときに、図14(a)中の直線Fに示すように、回転数Rfが、同図(a)中の折れ線Nに示す通常時の回転数Rfの上昇速度と比較して高速に上昇したとする。
また、吊荷重モード判定部202、第3の回転数モード判定部203B及び速度切換制御部204が、速度切換制御部に対応する。
(第3実施形態の作用及び効果)
第3実施形態は、上記第2実施形態の作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を奏する。
上記各実施形態では、クレーンの吊荷重を検出し、ウインチの回転数に加えて吊荷重にも基づきウインチモータの速度モード(容量)の切り換えを制御していたが、この構成に限らず、吊荷重を用いずに回転数に基づき速度モードの切り換えを制御する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、吊荷重を検出するのにワイヤロープの張力を利用するロードセルを用いる構成としたが、この構成に限らない。例えば、クレーンの起伏シリンダのロッド側とシリンダ側の圧力差を検出するモーメント検出器と、ブームの全長を検出するブーム長検出器と、ブームの角度を検出する角度検出器を備え、これらの検出値に基づき吊荷重を推定する構成とするなど他の構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、電磁式切換弁によって、速度モードを切り換える構成としたが、この構成に限らず、例えば、油圧パイロット式切換弁を用いて速度モードを切り換える構成としてもよい。
4 ブーム
6 ウインチ
6c ドラム回転軸
7 ワイヤロープ
8 フック
9 操作レバー
10 2速切換式ピストンモータ
10a ウインチモータ
10b 電磁式切換弁
10c 変速用ピストン
10d カウンタバランス弁
11 ロードセル
12 回転センサ
21 CPU
22 RAM
23 ROM
50 油圧ポンプ
52 ウインチ用切換弁
63 斜板
200 ウインチ作動速度制御部
201 回転情報演算部
201A 第2の回転情報演算部
202 吊荷重モード判定部
203 回転数モード判定部
203A 第2の回転数モード判定部
203B 第3の回転数モード判定部
204 速度切換制御部
Claims (11)
- クレーンのウインチに用いられ、可変容量型のウインチモータの容量の切り換え動作を制御することでウインチの作動速度を制御するウインチ作動速度制御装置であって、
前記ウインチモータは、低速制御用の容量と高速制御用の容量とを含む複数の容量のうちのいずれか一の容量に切り換え可能に構成されており、
前記ウインチの回転数を検出する回転数検出部と、
前記回転数検出部で検出した回転数が予め設定した回転数閾値未満であると判定すると前記ウインチモータの容量を前記低速制御用の容量とし、前記回転数検出部で検出した回転数が前記回転数閾値以上であると判定すると前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量とする速度切換制御部と、を備えることを特徴とするウインチ作動速度制御装置。 - 前記クレーンの吊荷重を検出する吊荷重検出部を備え、
前記速度切換制御部は、
前記吊荷重が予め設定した荷重閾値以上であると判定すると、前記ウインチモータの容量を前記低速制御用の容量とし、
前記吊荷重が前記荷重閾値未満であると判定した場合、前記回転数検出部で検出した回転数が予め設定した回転数閾値未満であると判定すると前記ウインチモータの容量を前記低速制御用の容量とし、前記回転数検出部で検出した回転数が前記回転数閾値以上であると判定すると前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量とする請求項1に記載のウインチ作動速度制御装置。 - 前記ウインチの回転方向を検出する回転方向検出部と、
前記回転方向がクレーンのフックを巻上げる回転方向である巻上方向であるか否かを判定する回転方向判定部と、を備え、
前記速度切換制御部は、
前記回転方向判定部で巻上方向であると判定した場合に、前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得してこれを現在の吊荷重として設定し、
前記回転方向判定部で巻上方向ではないと判定した場合に、前記回転数検出部で検出した回転数に基づき前記ウインチが回転しているか否かを判定し、回転していると判定した場合に前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得せずに前回取得し設定した吊荷重を維持したまま適用し、回転していないと判定した場合に前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得してこれを現在の吊荷重として設定する請求項2に記載のウインチ作動速度制御装置。 - 前記回転数の変化率を算出する変化率算出部を備え、
前記速度切換制御部は、前記回転数検出部で検出した回転数が、前記ウインチモータの現在の容量を前記低速制御用の容量から前記高速制御用の容量へと切り換える回転数となったときに、その直前に前記変化率算出部で算出された変化率が予め記憶した変化率閾値以上であると判定すると、前記高速制御用の容量への切り換えを禁止する制御を行う請求項1から3のいずれか1項に記載のウインチ作動速度制御装置。 - 前記回転数の変化率を算出する変化率算出部を備え、
前記速度切換制御部は、前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量に切り換えた後に、前記変化率算出部で算出された変化率が予め記憶した変化率閾値以上であると判定すると、前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量から前記低速制御用の容量へと切り換える制御を行う請求項1から4のいずれか1項に記載のウインチ作動速度制御装置。 - クレーンのウインチに用いられ、可変容量型のウインチモータの容量の切り換え動作を制御することでウインチの作動速度を制御するウインチ作動速度制御装置であって、
前記ウインチモータは、低速制御用の容量と高速制御用の容量とを含む複数の容量のうちのいずれか一の容量に切り換え可能に構成されており、
前記ウインチの回転数を検出する回転数検出部と、
前記回転数検出部で検出した回転数に基づき、前記容量の切り換え動作を制御する速度切換制御部と、
前記クレーンの吊荷重を検出する吊荷重検出部と、
前記ウインチの回転方向を検出する回転方向検出部と、
前記回転方向がクレーンのフックを巻上げる回転方向である巻上方向であるか否かを判定する回転方向判定部と、を備え、
前記速度切換制御部は、
前記吊荷重が予め設定した荷重閾値以上であると判定すると、前記ウインチモータの容量が前記複数の容量のうち前記低速制御用の容量となるように前記切り換え動作を制御し、
前記吊荷重が前記荷重閾値未満であると判定すると、前記ウインチモータの容量が前記複数の容量のうち前記回転数検出部で検出した回転数に対して予め設定された容量となるように前記切り換え動作を制御し、
前記回転方向判定部で巻上方向であると判定した場合に、前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得してこれを現在の吊荷重として設定し、
前記回転方向判定部で巻上方向ではないと判定した場合に、前記回転数検出部で検出した回転数に基づき前記ウインチが回転しているか否かを判定し、回転していると判定した場合に前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得せずに前回取得し設定した吊荷重を維持したまま適用し、回転していないと判定した場合に前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得してこれを現在の吊荷重として設定するウインチ作動速度制御装置。 - 前記回転数の変化率を算出する変化率算出部を備え、
前記速度切換制御部は、
前記回転数検出部で検出した回転数が、前記ウインチモータの現在の容量を前記低速制御用の容量から前記高速制御用の容量へと切り換える回転数となったときに、その直前に前記変化率算出部で算出された変化率が予め記憶した変化率閾値以上であると判定すると、前記高速制御用の容量への切り換えを禁止する制御を行い、
前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量に切り換えた後に、前記変化率算出部で算出された変化率が前記変化率閾値以上であると判定すると、前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量から前記低速制御用の容量へと切り換える制御を行う請求項6に記載のウインチ作動速度制御装置。 - クレーンのウインチに用いられ、可変容量型のウインチモータの容量の切り換え動作を制御することでウインチの作動速度を制御するウインチ作動速度制御装置であって、
前記ウインチモータは、低速制御用の容量と高速制御用の容量とを含む複数の容量のうちのいずれか一の容量に切り換え可能に構成されており、
前記ウインチの回転数を検出する回転数検出部と、
前記回転数検出部で検出した回転数に基づき、前記容量の切り換え動作を制御する速度切換制御部と、
前記回転数の変化率を算出する変化率算出部と、を備え、
前記速度切換制御部は、前記回転数検出部で検出した回転数が、前記ウインチモータの現在の容量を前記低速制御用の容量から前記高速制御用の容量へと切り換える回転数となったときに、その直前に前記変化率算出部で算出された変化率が予め記憶した変化率閾値以上であると判定すると、前記高速制御用の容量への切り換えを禁止する制御を行うウインチ作動速度制御装置。 - クレーンのウインチに用いられ、可変容量型のウインチモータの容量の切り換え動作を制御することでウインチの作動速度を制御するウインチ作動速度制御装置であって、
前記ウインチモータは、低速制御用の容量と高速制御用の容量とを含む複数の容量のうちのいずれか一の容量に切り換え可能に構成されており、
前記ウインチの回転数を検出する回転数検出部と、
前記回転数検出部で検出した回転数に基づき、前記容量の切り換え動作を制御する速度切換制御部と、
前記回転数の変化率を算出する変化率算出部と、を備え、
前記速度切換制御部は、前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量に切り換えた後に、前記変化率算出部で算出された変化率が予め記憶した変化率閾値以上であると判定すると、前記ウインチモータの容量を前記高速制御用の容量から前記低速制御用の容量へと切り換える制御を行うウインチ作動速度制御装置。 - 前記クレーンの吊荷重を検出する吊荷重検出部を備え、
前記速度切換制御部は、
前記吊荷重が予め設定した荷重閾値以上であると判定すると、前記ウインチモータの容量が前記複数の容量のうち前記低速制御用の容量となるように前記切り換え動作を制御し、
前記吊荷重が前記荷重閾値未満であると判定すると、前記ウインチモータの容量が前記複数の容量のうち前記回転数検出部で検出した回転数に対して予め設定された容量となるように前記切り換え動作を制御する請求項8または9に記載のウインチ作動速度制御装置。 - 前記ウインチの回転方向を検出する回転方向検出部と、
前記回転方向がクレーンのフックを巻上げる回転方向である巻上方向であるか否かを判定する回転方向判定部と、を備え、
前記速度切換制御部は、
前記回転方向判定部で巻上方向であると判定した場合に、前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得してこれを現在の吊荷重として設定し、
前記回転方向判定部で巻上方向ではないと判定した場合に、前記回転数検出部で検出した回転数に基づき前記ウインチが回転しているか否かを判定し、回転していると判定した場合に前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得せずに前回取得し設定した吊荷重を維持したまま適用し、回転していないと判定した場合に前記吊荷重検出部から前記吊荷重を取得してこれを現在の吊荷重として設定する請求項10に記載のウインチ作動速度制御装置。
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