JP6863170B2 - 無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法、無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法、および無電解めっき液の評価方法 - Google Patents

無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法、無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法、および無電解めっき液の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法、無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法、および無電解めっき液の評価方法に関する。
例えば金属粉末などの粉体の表面にめっき処理を施す方法として、無電解めっきがある。無電解めっきは、電解めっきのように通電によりめっき被膜を析出させるのではなく、金属イオンを含む無電解めっき液に還元剤を添加して還元剤の酸化で放出される電子によって金属イオンを還元しめっき被膜を析出させる方法である。無電解めっきでは、部材を無電解めっき液に浸漬させることによりめっき被膜を析出できるので、部材の形状に制限がなく、複雑な形状で精密な部品であっても、例えば金属粉末のような微細な粉体であっても、めっき被膜を比較的均一に形成することができる。また、通電を必要としないため、部材としてプラスチックやセラミックのような不導体からなるものであってもめっき被膜を形成することができる。
無電解めっき液には、めっき被膜をより均一に形成する目的で有機系添加剤が配合される。有機系添加剤は種類によってめっき反応の速度(以下、めっき速度ともいう)を変化させ、この変化によって様々な膜質のめっき被膜が形成されることになる。そのため、良好な膜質のめっき被膜を形成するには、有機系添加剤の種類の違いによるめっき速度の違いを把握することが重要となる。
例えば特許文献1では、めっき処理で形成されためっき被膜の膜厚を測定し、その膜厚とめっき時間との関係からめっき速度を求める方法が提案されている。
特開2015−155566号公報
ところで、無電解めっきでは、より良好な膜質のめっき被膜を形成するため、有機系添加剤を変更したときのめっき被膜の析出挙動を明確に解析することが求められている。例えば、特許文献1に示すようなめっき速度だけではなく、所定のめっき液を用いてめっき反応させたときにめっき反応が終了するまでに要する時間(以下、めっき処理時間ともいう)などが重要となる。そのため、無電解めっき液中の金属イオン濃度がめっき反応の進行とともに減少し、どのぐらいの時間が経過したときに0となるのか、を把握することが求められている。
しかし、特許文献1の方法では、めっき反応の開始から終了までの平均的なめっき速度しか求められず、有機系添加剤の種類を変更したときにめっき速度がどのような挙動で変化し、めっき処理時間がどのように変化するかまでは明確に把握することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、無電解めっき液に粉体を投入して無電解めっき処理するときのめっき処理に要する時間を測定する技術を提供することを目的とする。
上述したように、無電解めっきによるめっき被膜の膜質をより向上させるには、めっき速度だけではなく、めっき反応が終了するまでに要する時間(めっき処理時間)が重要となる。このめっき処理時間を測定するには、無電解めっき液に粉体を投入してめっき反応を開始してから反応が終了するまでの間の金属イオン濃度の経時変化を観察し、濃度が0となるまでの経過時間を測定する必要がある。そして、無電解めっき液中の金属イオン濃度の経時変化を観察するには、めっき反応を開始してから所定時間ごとにめっき液から試料を採取し、試料に含まれる濃度を測定するとよい。
ただし、試料中に粉体が存在していると、試料中でめっき反応が進行し、そこに含まれる金属イオン濃度が変動してしまう。つまり、所定時間ごとに試料を採取したとしても、各試料は採取した時点での金属イオン濃度を正確に反映しない。そのため、無電解めっき液中の金属イオン濃度の経時変化を把握することが難しく、その経時変化からはめっき処理時間を正確に測定できない。
このことから、本発明者は、無電解めっき液中の金属イオン濃度の経時変化を把握するには、試料を採取し測定するまでの間にめっき反応が進行しないようにすることが重要であり、そのためには所定時間ごとに試料を採取したときに粉体を分離するとよいことを見出した。これにより、試料を採取してから測定するまでの間にめっき反応が進行することを抑制し、採取した時点での金属イオン濃度をより正確に測定することができ、無電解めっき処理中の金属イオン濃度の経時変化をより正確に把握することができる。本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、以下のとおりである。
すなわち、本発明の第1の態様は、
粉体を無電解めっき液中でめっき処理するときのめっき処理時間を測定する測定方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、
所定時間を置いて繰り返し作製された各試料に含まれる前記第1金属イオンの濃度を定量する定量工程と、
前記定量工程の結果に基づき、前記無電解めっき液によるめっき処理時間を測定する測定工程と、を有する、無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法が提供される。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
前記粉体が金属粉末であり、
前記定量工程では、前記第1金属イオンと、当該第1金属イオンとの置換めっきにより前記金属粉末から溶出する第2金属イオンとを定量する。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記第1金属イオンが金、銀、銅、白金、ニッケルおよびパラジウムの少なくとも1つである。
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様において、
前記定量工程ではICP発光分光分析により定量を行う。
本発明の第5の態様は、
無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有する、試料作製方法が提供される。
本発明の第6の態様は、
無電解めっき液の評価方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有し、
所定時間を置いて繰り返し作製された各試料から前記無電解めっき液のめっき反応による経時変化を分析し評価する、無電解めっき液の評価方法が提供される。
本発明によれば、無電解めっき液に粉体を投入して無電解めっき処理するときのめっき処理に要する時間を測定することができる。
図1は、実施例1の無電解めっき液における金属イオン濃度の経時変化を示す図である。 図2は、実施例2の無電解めっき液における金属イオン濃度の経時変化を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態にかかる試料作製方法およびめっき液中の金属イオン濃度の測定方法について説明する。本実施形態の測定方法は、試料作製方法を行い、得られた試料を分析するものであり、準備工程、混合工程、試料作製工程、定量工程および測定工程を有する。以下、各工程について詳述する。
(準備工程)
まず、被めっき材である粉体と、第1金属イオンを含む無電解めっき液(以下、単にめっき液ともいう)とを準備する。
粉体としては、特に限定されず、金属、樹脂又はプラスチックなどからなる粉末を用いることができる。なお、粉末の粒径は特に限定されない。
めっき液は、無電解めっき処理をできるものであれば特に限定されず、粉体の表面にめっき被膜を形成する第1金属イオンと、還元剤や錯化剤(有機系添加剤)などの添加剤とを含む。第1金属イオンはめっき被膜として形成できるものであれば特に限定されず、金、銀、銅、白金、ニッケルおよびパラジウムの少なくとも1つであることが好ましい。還元剤や錯化剤は従来公知の化合物を用いることができる。
(混合工程)
続いて、粉体とめっき液とを混合する。例えば、ポリマ製の容器に粉体とともに純水を投入して撹拌子で混合することで粉体が分散するスラリーを調製する。その後、スラリーに所定のめっき液を投入する。これにより無電解めっきの反応を進行させ、粉体の表面に第1金属イオンを含むめっき被膜を析出させる。めっき被膜の析出によりめっき液中の第1金属イオン濃度が減少することになる。
(試料作製工程)
本実施形態では、無電解めっき処理中のめっき液における第1金属イオン濃度の経時変化、つまり時間経過による第1金属イオン濃度の減少を測定するため、混合工程でめっき反応を開始してから所定時間の経過ごとに、めっき液から所定量を採取し、複数の試料を作製する。このとき、試料に粉体が取り込まれると、定量するまでの間に試料中でめっき反応が進行して採取時点での金属イオン濃度を正しく反映しなくなるので、めっき液から所定量を採取したときに粉体を分離させる。これにより、各試料中でのめっき反応の進行を抑制し、各試料における第1金属イオン濃度を採取した時点での濃度に維持することができる。
試料作製工程においてめっき液を採取する時間の間隔は、特に限定されないが、例えば0.5分〜5分の間で適宜変更するとよい。このような間隔でめっき液を採取し試料を作製することで、第1金属イオン濃度の経時変化をより細かく測定することができる。また、試料作製工程で採取する量は、後述の定量工程で第1金属イオン濃度を正確に測定できれば、特に限定されない。
試料作製工程において、めっき液から粉体を分離させる方法は特に限定されないが、採取とともに分離を容易に行えることから、シリンジおよびシリンジフィルタを用いることが好ましい。具体的には、シリンジを用いてめっき液から所定量を採取した後、このシリンジの先端にシリンジフィルタを取り付け、シリンジを押すことによりめっき液をろ過し、第1金属イオンを含むめっき液と粉体とを簡易に分離させることができる。また、このようなシリンジやフィルタによれば、使い捨てが可能であり、コストを低減することができる。なお、フィルタの孔径は、粉体を捕集できるような大きさであれば特に限定されない。粉体が所定の粒度分布を有し、粒子径の比較的小さな粒子を含むことから、このような微細な粒子を漏らさずに捕集する観点からは、孔径が0.45μmであることが好ましく、0.2μmがより好ましい。
(定量工程)
続いて、試料作製工程で所定時間の経過ごとに得られた複数の試料のそれぞれについて、第1金属イオン濃度を定量する。本実施形態では、各試料は、採取したときに粉体が取り除かれてめっき反応が進行しないように作製されているので、その第1金属イオン濃度は採取した時点での濃度を反映している。これにより、定量工程では、各試料について採取した時点での第1金属イオン濃度を定量することができる。
試料に含まれる第1金属イオン濃度の定量は、特に限定されず、従来公知の方法で行うとよい。例えばICP発光分光分析、原子吸光法、イオンクロマトグラム分析法などで定量するとよい。この中でも、定量分析を簡易にかつ低コストで行えることからICP発光分光分析が好ましい。
(測定工程)
続いて、定量工程で得られた結果に基づいて、無電解めっき液における第1金属イオン濃度の経時変化を把握し、それから、めっき処理時間を求める。例えば、図1や図2に示すように、横軸を経過時間(めっき処理時間)[min]、縦軸を金属イオンの濃度[mg/l]として、所定の経過時間ごとに得られた各試料に含まれる第1金属イオン濃度をプロットすることにより、無電解めっき処理中のめっき液に含まれる第1金属イオン濃度の経時変化を把握することができる。この経時変化から、第1金属イオン濃度が0となるときの経過時間を求めることにより、測定しためっき液のめっき処理時間を算出することができる。
<本実施形態に係る効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態では、めっき液に粉体を混合してめっき反応を開始してから、所定時間を置いて複数の試料を採取している。そして、この採取の際、試料から粉体を分離している。これにより、試料を採取してから試料中の金属イオン濃度を定量するまでの間に、試料中でめっき反応が進行することを抑制している。すなわち、試料中の第1金属イオン濃度を採取した時点の濃度に維持している。この結果、所定時間を置いて作製した各試料の第1金属イオン濃度を定量することで、粉体を無電解めっき処理するときのめっき液に含まれる第1金属イオン濃度の経時変化を正確に把握することができる。例えば、めっき液に含まれる有機系添加剤の種類を変更したときに、めっき反応中のめっき液における第1金属イオン濃度の減少がどのように変化し、めっき処理時間がどのように変化するのか、を把握することができる。そして、このめっき処理時間を参考にしてめっき被膜の膜質を改善することができる。
上述したように、従来、めっき液はめっき処理により形成されためっき被膜の膜厚により評価されていたが、本実施形態の測定方法によれば、めっき液自体を直接評価することができる。例えば有機系添加剤の種類を変更した場合、めっき被膜の膜厚から算出される平均的なめっき速度の変化だけでなく、めっき反応中の第1金属イオン濃度の経時変化がどのように変わるのか、などをモニタリングすることにより、めっき被膜の析出挙動をより詳細に分析することができる。
めっき液に含まれる金属イオンは金、銀、銅、白金、ニッケルおよびパラジウムの少なくとも1つであることが好ましい。本実施形態の測定方法によれば、これら金属イオンの経時変化を正確に把握することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
上述の実施形態では、所定時間を置いて繰り返し作製された各試料について、それぞれに含まれる第1金属イオン濃度を定量し、その経時変化から、無電解めっき液のめっき処理時間を測定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、例えば、第1金属イオン濃度の経時変化からめっき処理時間を決定することも可能である。また例えば、各試料について、それぞれに含まれる添加剤(例えば有機系添加剤など)の濃度を定量し、その経時変化を分析することにより、無電解めっき液のめっき反応を異なる観点からモニタリングすることもできる。このように、各試料から、無電解めっき液のめっき反応による経時変化を分析することにより、無電解めっき液を評価することができる。
上述の実施形態では、所定時間を置いて繰り返し作製された各試料について、それぞれに含まれる第1金属イオンを定量する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、粉体として金属粉末を用いる場合、定量工程では、第1金属イオンとともに、第1金属イオンとの置換めっきにより金属粉末から溶出する第2金属イオンの濃度を定量することが好ましい。金属粉末を無電解めっき処理する場合、金属粉末の溶解に伴って第2金属イオンが溶出するとともに電子が遊離し、この電子によってめっき液中の第1金属イオンが還元されて金属粉末の表面にめっき被膜が析出することになる。すなわち、めっき液中では、めっき被膜の析出により第1金属イオン濃度が減少する一方、金属粉末が溶解して第2金属イオン濃度が増加することになる。そのため、めっき液中の第1金属イオン濃度だけでなく、置換めっきにより金属粉末から溶出する第2金属イオン濃度を定量することにより、めっき液中での各濃度の経時変化を把握することが可能となり、めっき反応をより正確にモニタリングすることができる。
また、定量工程は、所定時間を置いて試料を作製した後に随時行ってもよく、得られた複数の試料をめっき反応の終了後にまとめて行ってもよい。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
本実施例では、粉末として銅粉(平均粒子径約10.0μm)を準備した。また、めっき液として、無電解銀めっき液Aおよび無電解銀めっき液Bを準備した。なお、これらに含まれる銀イオン濃度はともに、1800mg/lであった。
(実施例1)
まず、銅粉を10g秤量し、ポリマ製の容器に投入した。その後、容器に純水100mlを添加しスタラーにより撹拌することで銅粉末スラリーを調製した。次に、調製した銅粉末スラリーに無電解銀めっきAを200ml投入し、30分間撹拌を続けることで無電解めっき処理を行った。
本実施例では、無電解めっき処理中の金属イオン濃度の経時変化を測定するため、無電解めっき液を投入してから所定時間を置いて断続的にめっき液を採取し、複数の試料を作製した。具体的には、めっき液を投入してから3分後までは0.5分間隔でめっき液を採取し、その後、5分後、10分後および20分後のそれそれでめっき液を採取した。なお、試料の作製はシリンジを用いてめっき液から所定量を採取してから、シリンジの先端にフィルタ(コマフィルタ)を取り付け、シリンジを押し出すことで銅粉末をろ過した。
所定時間を置いて作製した各試料について、ICP発光分光分析により測定を行い、各試料に含まれる銀イオン濃度を定量した。そして、図1に示すように、横軸を経過時間(めっき処理時間)[min]、縦軸を金属イオン(銀イオン)の濃度[mg/l]として、所定の経過時間ごとに得られた各試料に含まれる金属イオン濃度をプロットすることにより、実施例1の無電解めっき液における金属イオン濃度の経時変化を示す図を作成した。
図1に示すように、めっき液を投入してから時間が経過するごとに金属イオン濃度が減少し、3分の経過後に金属イオン濃度が0となり、めっき反応が終了することが確認された。これにより、無電解めっき液Aのめっき処理時間が3分であることが分かった。
(実施例2)
実施例2では、めっき液の種類を無電解めっき液Aから無電解めっき液Bに変更した以外は実施例1と同様に試料を作製し測定を行った。その結果、図2に示すような金属イオン濃度の経時変化が確認できた。図2によれば、無電解めっき液Bのめっき処理時間が10分であることが確認された。
図1および図2を比較すると、無電解銀めっき液Aおよび無電解銀めっき液Bはともに銀イオンを同じ濃度含むにもかかわらず、めっき処理時間が異なることが確認された。この理由としては、それぞれの無電解めっき液に含まれる添加剤の種類、例えば有機系添加剤の種類などが異なるためと推測される。従来、無電解めっき液の評価は、めっき液からめっき被膜を形成し、その膜質からめっき液を間接的に評価するのが一般的であり、めっき液そのものを直接評価するのは困難であった。これに対して、めっき処理時間によれば、金属イオンの種類や濃度だけでなく、めっき液に含まれる添加剤の違いなどからめっき液そのものを直接評価することができる。そして、例えば粉体の種類に応じて適切なめっき処理時間を解析することで、より良質なめっき被膜の形成が可能となる。
なお、図1および図2には、無電解めっき液における銀イオン濃度の経時変化を示し、銅粉から溶出する銅イオンの濃度については示していない。本発明者によると、めっき反応の進行により、銀イオン濃度が減少するのにともなって銅イオンが相関よく増えることが確認されている。
以上説明したように、粉体を無電解めっき処理するときのめっき液から所定量を採取するとともに粉体を分離して試料を作製することを所定時間を置いて繰り返すことにより、めっき液中での金属イオン濃度の経時変化を把握し、めっき液のめっき処理時間を正確に測定することができる。

Claims (6)

  1. 粉体を無電解めっき液中でめっき処理するときのめっき処理時間を測定する測定方法であって、
    第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
    前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、
    所定時間を置いて繰り返し作製された各試料に含まれる前記第1金属イオンの濃度を定量する定量工程と、
    前記定量工程の結果に基づき、前記無電解めっき液によるめっき処理時間を測定する測定工程と、を有する、無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。
  2. 前記粉体が金属粉末であり、
    前記定量工程では、前記第1金属イオンと、当該第1金属イオンとの置換めっきにより前記金属粉末から溶出する第2金属イオンとを定量する、
    請求項1に記載の無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。
  3. 前記第1金属イオンが金、銀、銅、白金、ニッケルおよびパラジウムの少なくとも1つである、
    請求項1又は2に記載の無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。
  4. 前記定量工程ではICP発光分光分析により定量を行う、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。
  5. 無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法であって、
    第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
    前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有する、試料作製方法。
  6. 無電解めっき液の評価方法であって、
    第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
    前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有し、
    所定時間を置いて繰り返し作製された各試料から前記無電解めっき液のめっき反応による経時変化を分析し評価する、無電解めっき液の評価方法。
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