JP2018100442A - 無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法、無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法、および無電解めっき液の評価方法 - Google Patents
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Abstract
Description
粉体を無電解めっき液中でめっき処理するときのめっき処理時間を測定する測定方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、
所定時間を置いて繰り返し作製された各試料に含まれる前記第1金属イオンの濃度を定量する定量工程と、
前記定量工程の結果に基づき、前記無電解めっき液によるめっき処理時間を測定する測定工程と、を有する、無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法が提供される。
前記粉体が金属粉末であり、
前記定量工程では、前記第1金属イオンと、当該第1金属イオンとの置換めっきにより前記金属粉末から溶出する第2金属イオンとを定量する。
前記第1金属イオンが金、銀、銅、白金、ニッケルおよびパラジウムの少なくとも1つである。
前記定量工程ではICP発光分光分析により定量を行う。
無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有する、試料作製方法が提供される。
無電解めっき液の評価方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有し、
所定時間を置いて繰り返し作製された各試料から前記無電解めっき液のめっき反応による経時変化を分析し評価する、無電解めっき液の評価方法が提供される。
以下、本発明の一実施形態にかかる試料作製方法およびめっき液中の金属イオン濃度の測定方法について説明する。本実施形態の測定方法は、試料作製方法を行い、得られた試料を分析するものであり、準備工程、混合工程、試料作製工程、定量工程および測定工程を有する。以下、各工程について詳述する。
まず、被めっき材である粉体と、第1金属イオンを含む無電解めっき液(以下、単にめっき液ともいう)とを準備する。
続いて、粉体とめっき液とを混合する。例えば、ポリマ製の容器に粉体とともに純水を投入して撹拌子で混合することで粉体が分散するスラリーを調製する。その後、スラリーに所定のめっき液を投入する。これにより無電解めっきの反応を進行させ、粉体の表面に第1金属イオンを含むめっき被膜を析出させる。めっき被膜の析出によりめっき液中の第1金属イオン濃度が減少することになる。
本実施形態では、無電解めっき処理中のめっき液における第1金属イオン濃度の経時変化、つまり時間経過による第1金属イオン濃度の減少を測定するため、混合工程でめっき反応を開始してから所定時間の経過ごとに、めっき液から所定量を採取し、複数の試料を作製する。このとき、試料に粉体が取り込まれると、定量するまでの間に試料中でめっき反応が進行して採取時点での金属イオン濃度を正しく反映しなくなるので、めっき液から所定量を採取したときに粉体を分離させる。これにより、各試料中でのめっき反応の進行を抑制し、各試料における第1金属イオン濃度を採取した時点での濃度に維持することができる。
続いて、試料作製工程で所定時間の経過ごとに得られた複数の試料のそれぞれについて、第1金属イオン濃度を定量する。本実施形態では、各試料は、採取したときに粉体が取り除かれてめっき反応が進行しないように作製されているので、その第1金属イオン濃度は採取した時点での濃度を反映している。これにより、定量工程では、各試料について採取した時点での第1金属イオン濃度を定量することができる。
続いて、定量工程で得られた結果に基づいて、無電解めっき液における第1金属イオン濃度の経時変化を把握し、それから、めっき処理時間を求める。例えば、図1や図2に示すように、横軸を経過時間(めっき処理時間)[min]、縦軸を金属イオンの濃度[mg/l]として、所定の経過時間ごとに得られた各試料に含まれる第1金属イオン濃度をプロットすることにより、無電解めっき処理中のめっき液に含まれる第1金属イオン濃度の経時変化を把握することができる。この経時変化から、第1金属イオン濃度が0となるときの経過時間を求めることにより、測定しためっき液のめっき処理時間を算出することができる。
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
まず、銅粉を10g秤量し、ポリマ製の容器に投入した。その後、容器に純水100mlを添加しスタラーにより撹拌することで銅粉末スラリーを調製した。次に、調製した銅粉末スラリーに無電解銀めっきAを200ml投入し、30分間撹拌を続けることで無電解めっき処理を行った。
本実施例では、無電解めっき処理中の金属イオン濃度の経時変化を測定するため、無電解めっき液を投入してから所定時間を置いて断続的にめっき液を採取し、複数の試料を作製した。具体的には、めっき液を投入してから3分後までは0.5分間隔でめっき液を採取し、その後、5分後、10分後および20分後のそれそれでめっき液を採取した。なお、試料の作製はシリンジを用いてめっき液から所定量を採取してから、シリンジの先端にフィルタ(コマフィルタ)を取り付け、シリンジを押し出すことで銅粉末をろ過した。
所定時間を置いて作製した各試料について、ICP発光分光分析により測定を行い、各試料に含まれる銀イオン濃度を定量した。そして、図1に示すように、横軸を経過時間(めっき処理時間)[min]、縦軸を金属イオン(銀イオン)の濃度[mg/l]として、所定の経過時間ごとに得られた各試料に含まれる金属イオン濃度をプロットすることにより、実施例1の無電解めっき液における金属イオン濃度の経時変化を示す図を作成した。
実施例2では、めっき液の種類を無電解めっき液Aから無電解めっき液Bに変更した以外は実施例1と同様に試料を作製し測定を行った。その結果、図2に示すような金属イオン濃度の経時変化が確認できた。図2によれば、無電解めっき液Bのめっき処理時間が10分であることが確認された。
Claims (6)
- 粉体を無電解めっき液中でめっき処理するときのめっき処理時間を測定する測定方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、
所定時間を置いて繰り返し作製された各試料に含まれる前記第1金属イオンの濃度を定量する定量工程と、
前記定量工程の結果に基づき、前記無電解めっき液によるめっき処理時間を測定する測定工程と、を有する、無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。 - 前記粉体が金属粉末であり、
前記定量工程では、前記第1金属イオンと、当該第1金属イオンとの置換めっきにより前記金属粉末から溶出する第2金属イオンとを定量する、
請求項1に記載の無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。 - 前記第1金属イオンが金、銀、銅、白金、ニッケルおよびパラジウムの少なくとも1つである、
請求項1又は2に記載の無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。 - 前記定量工程ではICP発光分光分析により定量を行う、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の無電解めっき液のめっき処理時間の測定方法。 - 無電解めっき液を評価するための試料を作製する試料作製方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有する、試料作製方法。 - 無電解めっき液の評価方法であって、
第1金属イオンを含む無電解めっき液と粉体とを混合する混合工程と、
前記混合工程の後、前記無電解めっき液から所定量を採取するとともに前記粉体を分離して前記第1金属イオンを含む試料を作製することを、所定時間を置いて繰り返し行う試料作製工程と、を有し、
所定時間を置いて繰り返し作製された各試料から前記無電解めっき液のめっき反応による経時変化を分析し評価する、無電解めっき液の評価方法。
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