JP6860841B2 - 三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法 - Google Patents

三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6860841B2
JP6860841B2 JP2016211978A JP2016211978A JP6860841B2 JP 6860841 B2 JP6860841 B2 JP 6860841B2 JP 2016211978 A JP2016211978 A JP 2016211978A JP 2016211978 A JP2016211978 A JP 2016211978A JP 6860841 B2 JP6860841 B2 JP 6860841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
modeling
dimensional
layer
mounting surface
dispersant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016211978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018069570A (ja
Inventor
大祐 青木
大祐 青木
淳郎 平井
淳郎 平井
基和 長谷川
基和 長谷川
剛志 荒生
剛志 荒生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2016211978A priority Critical patent/JP6860841B2/ja
Publication of JP2018069570A publication Critical patent/JP2018069570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6860841B2 publication Critical patent/JP6860841B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C64/00Additive manufacturing, i.e. manufacturing of three-dimensional [3D] objects by additive deposition, additive agglomeration or additive layering, e.g. by 3D printing, stereolithography or selective laser sintering
    • B29C64/20Apparatus for additive manufacturing; Details thereof or accessories therefor
    • B29C64/245Platforms or substrates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B33ADDITIVE MANUFACTURING TECHNOLOGY
    • B33YADDITIVE MANUFACTURING, i.e. MANUFACTURING OF THREE-DIMENSIONAL [3-D] OBJECTS BY ADDITIVE DEPOSITION, ADDITIVE AGGLOMERATION OR ADDITIVE LAYERING, e.g. BY 3-D PRINTING, STEREOLITHOGRAPHY OR SELECTIVE LASER SINTERING
    • B33Y30/00Apparatus for additive manufacturing; Details thereof or accessories therefor

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)

Description

本発明は、三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法に関するものである。
従来、載置部材の載置面上に載せた造形材料によって三次元造形物を造形する三次元造形装置が知られている。
例えば、特許文献1には、熱溶解積層法により三次元造形物を造形する三次元造形装置が開示されている。この三次元造形装置は、造形材料を加熱しながら吐出する造形ヘッド部を土台プレート(載置部材)の面に沿って二次元方向へ移動させることで、土台プレート上に層状構造物を順次積層し、最終的に三次元造形物を造形する。
また、例えば、特許文献2には、粉末焼結積層法により三次元造形物を造形する三次元造形装置が開示されている。この三次元造形装置は、所定厚みの粉末層を造形プレート(載置部材)上に形成した後、光ビームを当該粉末層の所定箇所に照射して固化させた固化層を形成し、その後、その上に新たな粉末層を形成してその粉末層の所定箇所に再び光ビームを照射して固化層を積層させていくという処理を繰り返し行って、最終的に三次元造形物を造形する。
熱溶解積層法や粉末焼結積層法等のように、載置部材の載置面上に載せた造形材料によって三次元造形物を造形する場合、造形中においては、載置部材は三次元造形物への密着性(固着力)が求められる。また一方で、三次元造形物が冷却等により変形した際には、変形への追従性(柔軟性)が求められる他、三次元造形物を載置部材から剥離させる際は剥離性も求められ、既存の載置部材ではこれらの性質を両立することは困難であった。
なお、この両立が困難であるという課題は、密着性(固着力)、変形への追従性(柔軟性)、剥離性という性質間だけに限らずに生じ得る課題である。
上述した課題を解決するために、本発明は、載置部材の載置面上に載せた造形材料によって三次元造形物を造形する三次元造形装置において、前記載置部材は、前記載置面を形成する載置面層が、体積平均粒径が150[μm]以下である粒子を、該粒子とは異なる材料の基材中に分散させたものであり、前記載置面は、前記粒子によって複数の凸部が形成された凹凸面であることを特徴とする。
本発明によれば、両立しにくい性質や機能を併せ持つ載置面層を備えた載置部材を容易に実現でき、三次元造形装置における種々の問題を解決し得るという優れた効果がある。
実施形態における三次元造形装置の構成を模式的に示す説明図である。 同三次元造形装置の内部に設けられるチャンバーの外観を示す斜視図である。 同三次元造形装置の図2中の手前部分を切断して除外した状態の斜視図である。 同三次元造形装置の制御ブロック図である。 実施形態における予熱処理及び造形処理の流れを示すフローチャートである。 従来の高剛性造形プレート上に形成された層状構造物が剥離した状態を示す模式図である。 実施形態における造形プレートを模式的に示す断面図である。 同造形プレートを模式的に示す平面図である。 同造形プレートの変形層が層状構造物の変形に追従して変形する状態を示す模式図である。 同造形プレート上に第1層目の層状構造物を形成するときの状態を模式的に示す断面図である。 分散材をランダムに分散させて分散材が偏在するように構成した造形プレートの一例を模式的に示す平面図である。 異なる寸法をもった2種類の分散材を分散させた造形プレートの一例を模式的に示す平面図である。 異なる寸法をもった3種類の分散材を分散させた造形プレートの一例を模式的に示す平面図である。 2種類の分散材を規則的に分散させた造形プレートの一例を模式的に示す平面図である。 2種類の分散材を規則的に分散させた造形プレートの他の例を模式的に示す平面図である。 回転対称性をもつような規則性をもって分散材を配置した造形プレートの一例を模式的に示す平面図である。 回転対称性をもつような規則性をもって分散材を配置した造形プレートの他の例を模式的に示す平面図である。
以下、本発明を、熱溶解積層法(FDM)により三次元造形物を造形する三次元造形装置に適用した一実施形態について説明する。
本発明を適用する三次元造形装置は、熱溶解積層法(FDM)に限定されるものではなく、載置台の表面上又は載置台に保持される載置板上に、加熱された造形材料を冷却して固化させる層状構造物を積層して、三次元造形物を造形する三次元造形装置であれば、他の造形方法で三次元造形物を造形する三次元造形装置にも適用可能である。
図1は、本実施形態における三次元造形装置1の構成を示す説明図である。
図2は、本実施形態における三次元造形装置1の内部に設けられるチャンバーの外観を示す斜視図である。
図3は、本実施形態における三次元造形装置1の前方部分を切断して除外した状態の斜視図である。
三次元造形装置1は、本体フレーム2の内部に三次元造形用チャンバー(以下「チャンバー」という。)3を備えている。チャンバー3の内部は、三次元造形物を造形するための処理空間となっており、その処理空間内すなわちチャンバー3の内部には、載置台としてのステージ4が設けられている。本実施形態では、このステージ4上に載置部材としての造形プレート40を保持させ、その造形プレート40上に三次元造形物が造形される。
ステージ4に対する造形プレート40の保持方法は、特に限定はなく、ネジ、クリップ、ツメなどの保持部材を用いて保持したり、造形プレート40上の被圧入箇所をステージ4の圧入箇所に圧入させて保持したりしてもよいし、ステージ4上に設けたレールなどを用いて造形プレート40をガイドして保持してもよい。また、吸引による吸着固定方式、静電力や磁気力などの電磁気力を用いた固定方式、熱で圧着させて固定させる方式、接着材料などで材料的に固定する方式などで、保持してもよい。
チャンバー3内の処理空間を囲っている壁部は、その大部分又はその全部が断熱機能を有する断熱壁で構成されている。具体的には、チャンバー3の天井壁部は、後述するように、複数のスライド断熱部材3A,3Bによって構成された断熱壁である。また、チャンバー3の側壁部3C、すなわち、装置左右方向(図2及び図3中の左右方向=X軸方向)の両壁部は、ガラスウール等を内包した断熱材を内側板と外側板の間に挟み込んだ構造をもつ断熱壁である。また、チャンバー3の底壁部3Dも、ガラスウール等を内包した断熱材を内側板と外側板の間に挟み込んだ構造をもつ断熱壁である。また、チャンバー3の後壁部及び前壁部3Eも、ガラスウール等を内包した断熱材を内側板と外側板の間に挟み込んだ構造をもつ断熱壁である。
本実施形態において、チャンバー3の前壁部3Eには、図2に示すように、開閉扉3aが設けられている。この開閉扉3aは、前壁部3Eと同様に断熱壁を構成するものであり、十分な断熱機能を発揮する構成となっている。また、チャンバー3の前壁部3Eには、図2に示すように、窓3bが設けられている。この窓3bは、空気層を挟み込んだ2重ガラス構造であり、前壁部3Eと同様に断熱壁を構成するものである。
なお、チャンバー3の各壁部の断熱構成は、必要な断熱機能を発揮できる構成であれば、本実施形態のものに限られず、あらゆる断熱構成のものを利用することができる。本実施形態においては、チャンバー3内の処理空間が造形処理時には200℃以上の高温になるところ、このような高温時でもチャンバー3の外部気温がおよそ40℃以下に収まるような断熱機能を発揮できる断熱壁であることが好ましい。
チャンバー3の内部におけるステージ4の上方には、造形材料排出部としての造形ヘッド10が設けられている。造形ヘッド10は、その下方に造形材料であるフィラメントを射出する射出ノズル11を有する。本実施形態では、造形ヘッド10上に4つの射出ノズル11が設けられているが、射出ノズル11の数は任意である。また、造形ヘッド10には、各射出ノズル11に供給されるフィラメントを加熱する造形材料加熱手段としてのヘッド加熱部12が設けられている。
フィラメントは、細長いワイヤー形状であり、巻き回された状態で三次元造形装置1にセットされており、フィラメント供給部6により造形ヘッド10上の各射出ノズル11へそれぞれ供給される。なお、フィラメントは、射出ノズル11ごとに異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。本実施形態においては、フィラメント供給部6により供給されるフィラメントをヘッド加熱部12で加熱して溶融(あるいは軟化)させ、溶融状態のフィラメントを所定の射出ノズル11から押し出すようにして射出することにより、ステージ4上に保持された造形プレート40上に層状の造形構造物を順次積層して、三次元造形物を造形する。
なお、造形ヘッド10上の射出ノズル11には、造形材料のフィラメントではなく、三次元造形物を構成しないサポート材が供給される場合がある。このサポート材は、通常、造形材料のフィラメントとは異なる材料で形成され、最終的にはフィラメントで形成された三次元造形物から除去される。このサポート材も、ヘッド加熱部12で加熱溶融され、溶融状態のサポート材が所定の射出ノズル11から押し出されるように射出されて、層状に順次積層される。
造形ヘッド10は、装置左右方向(図2及び図3中の左右方向=X軸方向)に延びるX軸駆動機構21に対し、連結部材21aを介して、そのX軸駆動機構21の長手方向(X軸方向)に沿って移動可能に保持されている。造形ヘッド10は、X軸駆動機構21の駆動力により、装置左右方向(X軸方向)へ移動することができる。造形ヘッド10は、ヘッド加熱部12によって加熱されて高温になるため、その熱がX軸駆動機構21に伝わりにくいように、連結部材21aを低伝熱性のものとするのが好ましい。
X軸駆動機構21の両端は、それぞれ、装置前後方向(図2及び図3中の前後方向=Y軸方向)に延びるY軸駆動機構22に対し、そのY軸駆動機構22の長手方向(Y軸方向)に沿ってスライド移動可能に保持されている。X軸駆動機構21がY軸駆動機構22の駆動力によってY軸方向に沿って移動することにより、造形ヘッド10はY軸方向に沿って移動することができる。
本実施形態において、チャンバー3の底壁部3Dは、本体フレーム2に固定されている、装置上下方向(図2及び図3中の上下方向=Z軸方向)に延びるZ軸駆動機構23に対し、そのZ軸駆動機構23の長手方向(Z軸方向)に沿って移動可能に保持されている。チャンバー3の底壁部3Dは、Z軸駆動機構23の駆動力により、装置上下方向(Z軸方向)へ移動することができる。この底壁部3D上には、ステージ4が固定されているので、Z軸駆動機構23の駆動力によりステージ4及びこれに保持される造形プレート40をZ軸方向へ移動させることができる。
チャンバー3の底壁部3Dの周縁部は、チャンバー3の両側壁部3C並びに前壁部3E及び後壁部の各内壁面に密着している。チャンバー3の底壁部3DがZ軸駆動機構23によりZ軸方向へ移動する際、底壁部3Dは、その周縁部を、チャンバー3の両側壁部3C並びに前壁部3E及び後壁部の各内壁面を摺動させながら移動する。これにより、チャンバー3内の遮蔽性が確保され、チャンバー3内の十分な断熱性が得られる。なお、チャンバー3内の十分な断熱性が得られるのであれば、チャンバー3の底壁部3Dの周縁部と、チャンバー3の両側壁部3C並びに前壁部3E及び後壁部の各内壁面との間に、多少の隙間があってもよい。このような隙間を形成することで、スムーズかつ高精度な底壁部3Dの移動を実現でき、ステージ4のスムーズかつ高精度な移動が実現される。
また、本実施形態においては、チャンバー3の内部(処理空間)に、チャンバー3内を加熱する処理空間加熱手段としてのチャンバー用ヒータ7が設けられている。本実施形態においては、熱溶解積層法(FDM)で三次元造形物を造形するため、チャンバー3内の温度を目標温度に維持した状態で、造形処理を行うことが望ましい。そのため、本実施形態では、造形処理を開始する前に、予めチャンバー3内の温度を目標温度まで昇温させる予熱処理を行う。チャンバー用ヒータ7は、この予熱処理中には、チャンバー3内を目標温度まで昇温させるためにチャンバー3内を加熱するとともに、造形処理中には、チャンバー3内の温度を目標温度に維持するためにチャンバー3内を加熱する。チャンバー用ヒータ7の動作は、制御部100によって制御される。
本実施形態においては、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22及びZ軸駆動機構23が、チャンバー3の外部に配置されている。よって、X軸駆動機構21、Y軸駆動機構22及びZ軸駆動機構23は、チャンバー3内の高温に曝されず、安定した駆動制御が実現される。なお、X軸駆動機構21及びY軸駆動機構22の全体がチャンバー3の外部に配置される構成に限らず、その一部又はその全体がチャンバー3の内部に配置される構成であってもよい。
ここで、本実施形態におけるX軸駆動機構21及びY軸駆動機構22の駆動対象は造形ヘッド10であり、その造形ヘッド10の一部(射出ノズル11を含む造形ヘッド10の先端部分)がチャンバー3内に配置されている。本実施形態では、造形ヘッド10をX軸方向へ移動させてもチャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成となっている。具体的には、チャンバー3の天井壁部においては、図2及び図3に示すように、Y軸方向に長尺な複数のX軸スライド断熱部材3AがX軸方向へ並べて配設された構成となっており、隣接するX軸スライド断熱部材3A間は互いにX軸方向へ相対的にスライド移動可能に構成されている。これにより、X軸駆動機構21により造形ヘッド10をX軸方向へ移動させても、これに応じて複数のX軸スライド断熱部材3AがそれぞれX軸方向へスライド移動し、チャンバー3内の処理空間上部は常にX軸スライド断熱部材3Aによって覆われる。
同様に、チャンバーの天井壁部においては、図2及び図3に示すように、複数のY軸スライド断熱部材3BがY軸方向へ並べて配設された構成となっている。隣接するY軸スライド断熱部材3B間は互いにY軸方向へ相対的にスライド移動可能に構成されている。これにより、Y軸駆動機構22によりX軸駆動機構21上の造形ヘッド10をY軸方向へ移動させても、これに応じて複数のY軸スライド断熱部材3BがそれぞれY軸方向へスライド移動し、チャンバー3内の処理空間上部は常にY軸スライド断熱部材3Bによって覆われる。
また、本実施形態におけるZ軸駆動機構23の駆動対象は、チャンバー3の底壁部3Dあるいはステージ4(もしくは造形プレート40)である。本実施形態では、底壁部3Dあるいはステージ4をZ軸方向へ移動させてもチャンバー3の内部が外部から遮蔽される構成となっている。具体的には、チャンバー3の両側壁部3Cには、図2及び図3に示すように、Z軸駆動機構23と底壁部3Dとの連結部を貫通させるスライド孔3cがZ軸方向に延びるように形成されている。このスライド孔3cは、断熱材料からなる可撓性のシール部材3dによってシールされている。Z軸駆動機構23により底壁部3DをZ軸方向へ移動させる際、Z軸駆動機構23と底壁部3Dとの連結部は、可撓性のシール部材3dを弾性変形させながらスライド孔3cに沿ってZ軸方向へ移動する。よって、チャンバー3の両側壁部3Cに形成されたスライド孔3cは、常にシール部材3dによって覆われる。
そのほか、本実施形態においては、チャンバー3の外部であって三次元造形装置1の内部の空間を冷却させるための装置内冷却装置8や、造形ヘッド10の射出ノズル11を清掃するためのノズル清掃部9などが設けられている。
図4は、本実施形態の三次元造形装置1の制御ブロック図である。
本実施形態においては、造形ヘッド10のX軸方向位置を検知するX軸ポジション検知機構24が設けられている。X軸ポジション検知機構24の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてX軸駆動機構21を制御して、造形ヘッド10を目標のX軸方向位置へ移動させる。
また、本実施形態においては、X軸駆動機構21のY軸方向位置(造形ヘッド10のY軸方向位置)を検知するY軸ポジション検知機構25が設けられている。Y軸ポジション検知機構25の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてY軸駆動機構22を制御することにより、X軸駆動機構21上の造形ヘッド10を目標のY軸方向位置へ移動させる。
また、本実施形態においては、ステージ4上に保持される造形プレート40のZ軸方向位置を検知するZ軸ポジション検知機構26が設けられている。Z軸ポジション検知機構26の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてZ軸駆動機構23を制御して、ステージ4上の造形プレート40を目標のZ軸方向位置へ移動させる。
制御部100は、このようにして造形ヘッド10及びステージ4の移動制御を行うことにより、チャンバー3内における造形ヘッド10とステージ4上の造形プレート40との相対的な三次元位置を、目標の三次元位置に位置させることができる。
図5は、本実施形態における予熱処理及び造形処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態において、制御部100は、ユーザーの指示操作等により造形をスタートすると、まず、チャンバー用ヒータ7、ヘッド加熱部12及びステージ加熱部5への通電をONにして、これらを稼働させる(S1)。また、制御部100は、Z軸駆動機構23を制御して、Z軸駆動機構23の駆動力によりステージ4を所定の待機位置(例えば最下点)から上昇させる(S2)。そして、ステージ4が上述した予熱用位置に到達したら(S3のYes)、Z軸駆動機構23の駆動を停止する(S4)。
処理空間の温度が目標温度に達したら(S5のYes)、続いて、制御部100は、造形処理に移行する。本実施形態の三次元造形装置1により造形する三次元造形物の三次元形状データは、本三次元造形装置1に対して有線あるいは無線でデータ通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される。制御部100は、入力された三次元形状データに基づき、上下方向に分解された多数の層状構造物のデータ(造形用のスライスデータ)を生成する。各層状構造物に対応するスライスデータは、本三次元造形装置1の造形ヘッド10から射出されるフィラメントによって形成される各層状構造物に対応しており、その層状構造物の厚みは、三次元造形装置1の能力に応じて適宜設定される。
造形処理では、まず、制御部100は、最下層(第一層)のスライスデータに従って、ステージ4上に保持されている造形プレート40の表面に最下層の層状構造物を作成する(S6)。具体的には、制御部100は、最下層(第一層)のスライスデータに基づき、X軸駆動機構21及びY軸駆動機構22を制御して、造形ヘッド10の射出ノズル11の先端を目標位置(X−Y平面上の目標位置)に順次移動させながら、射出ノズル11よりフィラメントの射出を行う。これにより、ステージ4上の造形プレート40の表面には、最下層(第一層)のスライスデータに従った層状構造物が形成される。なお、三次元造形物を構成しないサポート材も一緒に作成する場合があるが、ここでの説明は省略する。
次に、制御部100は、Z軸駆動機構23を制御して、層状構造物の一層分に相当する距離だけステージ4を下降させ、そのステージ4上の造形プレート40を、次の層(第二層)の層状構造物を作成するための位置まで下降させ、位置決めする(S8)。その後、制御部100は、第二層のスライスデータに基づき、X軸駆動機構21及びY軸駆動機構22を制御して、造形ヘッド10の射出ノズル11の先端を目標位置に順次移動させながら、射出ノズル11よりフィラメントの射出を行う。これにより、ステージ4の造形プレート40上に形成されている最下層の層状構造物上に、第二層のスライスデータに従った層状構造物が形成される(S6)。
このようにして、制御部100は、Z軸駆動機構23を制御して、ステージ4を順次下降させながら、下層から順に各層状構造物を積層させて造形する処理を繰り返す。そして、最上層の層状構造物の作成が終了したら(S7のYes)、入力された三次元形状データに従った三次元造形物が造形プレート40上に造形される。
このようにして造形処理が終了したら、制御部100は、Z軸駆動機構23を制御して、ステージ4を所定の取出用位置(本実施形態では最下点)まで下降させる(S9)。この取出用位置は、チャンバー3の前壁部3Eに設けられている開閉扉3aを開けて、ステージ4上の三次元造形物をチャンバー3の外部へ取り出しやすい位置に設定される。
造形処理終了直後は、まだ、チャンバー3内の処理空間が高温であるため、開閉扉3aを開けて処理空間内の三次元造形物をユーザーがすぐに取り出すことはできない。したがって、ユーザーは、処理空間内の温度が取り出し可能な温度まで低下してから、開閉扉3aを開けて処理空間内の三次元造形物を造形プレート40に固着した状態のまま取り出すことになる。制御部100は、処理空間内の温度が取り出し可能な温度まで低下するまで開閉扉3aをロック状態にする冷却期間を設け、処理空間内の温度が取り出し可能な温度まで低下した後に、開閉扉3aのロック状態を解除することが好ましい。
ここで、本実施形態の三次元造形装置1で三次元造形物を造形する際、ヘッド加熱部12で加熱されて射出ノズル11から射出された軟化状態のフィラメント50は、チャンバー3内の造形プレート40上へ射出される。チャンバー3内は、チャンバー用ヒータ7等によって加熱されているが、チャンバー3内の温度はヘッド加熱部12におけるフィラメント50の軟化温度よりも低いため、造形プレート40上へ射出された軟化状態のフィラメントの温度は徐々に下がることになる。これにより、フィラメント50は、造形プレート40の表面に固着するとともに、層状構造物としての形状を維持できるように硬度が高まる。
造形プレート40上に射出されたフィラメント50は、徐々に温度が下がる過程で、熱収縮を引き起こす。従来は、図6に示すように、造形プレート40’が容易に変形しない高剛性部材で構成されていたため、これに固着した最下層の層状構造物は、その熱収縮によって内部応力が高まっていく。また、この最下層の上に積層される第二層以降の層状構造物も同様に熱収縮を引き起こすため、第二層以降の層状構造物の内部応力も高まり、これによって最下層の層状構造物の内部応力は更に高まっていく。このように高まっていく最下層の層状構造物の内部応力は、最下層の層状構造物を反り返らせ、最下層の層状構造物の端部を高剛性の造形プレート40’から引き離すような剥離力を発生させる。
最下層の層状構造物と高剛性の造形プレート40’との固着力を超える剥離力が生じるほど最下層の層状構造物の内部応力が高まると、図6に示すように、最下層の層状構造物が造形プレート40’から剥離してしまう。造形処理の途中で最下層の層状構造物が造形プレート40’から剥離してしまうと、形成済みの層状構造物の位置が造形プレート40’上で動いてしまい、その上に形成される新たな層状構造物との相対位置がずれて、造形処理を適切に継続できなくなる。
剥離を抑制する方法としては、最下層の層状構造物と高剛性の造形プレート40’との固着力を高めることが考えられる。例えば、高剛性の造形プレート40’に層状構造物との化学的結合や機械的結合を改善する表膜をコーティングし、造形プレート40’と最下層の層状構造物との固着力を高める方法が挙げられる。しかしながら、固着力を高めるにも限界があるため、最下層の層状構造物の剥離力が大きい場合には、最下層の層状構造物が造形プレート40’から剥離する問題を解決することが難しい。
なお、ここでは、熱収縮が発生する場合で説明したが、熱膨張が発生する場合でも同様である。例えば、チャンバー3内の温度バラつきによって、造形処理の途中で層状構造物が熱膨張することもあり、そのような熱膨張によっても剥離力が発生するおそれがある。
図7は、本実施形態における造形プレート40を模式的に示す断面図である。
図8は、本実施形態における造形プレート40を模式的に示す平面図である。
本実施形態の造形プレート40は、図7に示すように、剛性層である剛性基板41とその剛性基板41上に形成された載置面層としての変形層42とから構成されている。この変形層42は、剛性基板41上に強固に固着されており、変形層42に固着する最下層の層状構造物の変形に追従して変形可能な柔軟性を有する層である。本実施形態の変形層42は、このような柔軟性を有することで、造形プレート40の変形層42上に形成された層状構造物が熱収縮を引き起こして変形層42に固着した最下層の層状構造物が反り返るように変形しても、図9に示すように、その変形に追従して変形層42も変形する。その結果、変形層42と最下層の層状構造物との間に生じる剥離力は小さく抑えられ、造形処理の途中で最下層の層状構造物が造形プレート40から剥離するのを抑制できる。したがって、造形処理の途中で形成済みの層状構造物の位置が許容範囲を超えて造形プレート40上で動いてしまうようなことはなく、造形処理を適切に実施できる。
一方で、このように造形プレート40の変形層42が最下層の層状構造物の変形に追従して変形してしまうと、造形処理中に最下層の層状構造物が変形してしまって、造形される三次元造形物の造形精度が低くなり得る。しかしながら、造形処理中に剥離が生じてしまうと、そもそも三次元造形物を造形すること事態ができないことと比較すると、造形精度が低くても三次元造形物を造形できることのメリットの方が大きい。
また、造形プレート40の変形層42が最下層の層状構造物の変形に追従して変形する場合でも、変形層42の変形時にはその変形に抗する変形抵抗力が発生し、その変形抵抗力が最下層の層状構造物の変形を抑制する力となる。したがって、最下層の層状構造物の変形を十分に抑制できる変形抵抗力が発生するように変形層42の柔軟性を調整することで、許容範囲の造形精度で三次元造形物を造形することが可能である。
更に、本実施形態において、造形プレート40に固着した状態の三次元造形物は、造形処理を終了した後、チャンバー3内で取出可能な温度(例えば室温付近)まで冷却されてから、チャンバー3から取り出される。この冷却過程において、造形プレート40に固着する三次元造形物の最下層の層状構造物は、造形処理中よりも大きな熱収縮を引き起こす。そのため、より大きな剥離力が発生するため、従来の高剛性の造形プレート40’では、その造形プレート40’に固着した三次元造形物が冷却される過程で、最下層の層状構造物が反り返って最下層の層状構造物が造形プレート40’から剥離してしまう。このような冷却過程で剥離が生じると、その後は三次元造形物の熱収縮による変形に抗する外力が全く作用しなくなるため、三次元造形物の変形が進行して、造形精度が悪化する。
本実施形態によれば、このような冷却過程において最下層の層状構造物が変形しても、その変形に追従して造形プレート40の変形層42が変形する。このときも、変形層42の変形時にはその変形に抗する変形抵抗力が発生し、その変形抵抗力が最下層の層状構造物の変形を抑制する力となる。したがって、造形処理後の冷却過程時に三次元造形物が熱収縮によって変形することも、変形層42によって抑制でき、剥離による造形精度の悪化も抑制できる。
なお、ステージ加熱部5を制御してステージ4の温度を調整することにより、ステージ4の近傍の温度環境を変化させ、三次元造形物の熱収縮率をコントロールするようにすれば、接着性や造形精度の更なる向上を図ることが可能である。
変形層42は、最下層の層状構造物の変形に追従して変形可能であれば、変形の復元力が小さい又は無い塑性変形する層であってもよい。しかしながら、本実施形態では、変形層42として、変形の復元力が大きな弾性層を用いている。このような弾性層であれば、変形の復元力が最下層の層状構造物の変形に抗する変形抵抗力として継続的に作用するため、最下層の層状構造物の変形を抑制する効果が高い。したがって、より高い造形精度で三次元造形物を造形することが可能となる。
造形プレート40の剛性基板41としては、変形層42が最下層の層状構造物の変形に追従して変形しても、実質的に変形することなく変形層42を支持できる硬度をもつものであればよい。ただし、本実施形態において、造形プレート40はチャンバー3内で高温に曝されるため、その剛性基板41としては、難燃性、耐熱性を有するものが好ましい。
剛性基板41の材料としては、スチレン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂を用いることができる。難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
また、剛性基板41の材料としては、熱伝導率や機械的強度の観点から、樹脂材料よりも金属材料がより好ましい。金属材料を用いる場合でも、実質的に変形することなく変形層42を支持できる硬度や耐熱性が有するものであれば、その種類は問わず、汎用性の高い、鉄やアルミニウム、ステンレス、真鋳、チタン、鋼、銅などが使用できるが、コストや機械的強度、熱伝導性、表面の加工性の観点より、ステンレスやアルミニウムが好ましい。
また、造形プレート40の剛性基板41の表面には、粗面化処理等により凹凸を形成して接触面積の増大やアンカー効果による剛性基板41と変形層42との固着性の向上を測ってもよい。このような凹凸を形成する方法としては、メッキ、表面コーティング、プラズマ処理、表面改質、プライマー層の形成など、公知の粗面化処理が挙げられる。サンドブラスト、ショットブラスト、メッキ加工、研磨などでもよい。
また、変形層42の材料としては、汎用の樹脂、エラストマー、ゴムなどの材料を使用することが可能だが、エラストマー材料やゴム材料を用いるのが良い。
エラストマー材料としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性として、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
これらの各種エラストマー、ゴムの中から、上述した変形層42としての所望の特性が得られる材料を適宜選択するが、本実施形態においては、変形層42の柔軟性(層状構造物の変形追従性)や金属材料で形成される剛性基板41との固着性の観点から、変形層42の材料としてはアクリルゴムが好ましい。
本実施形態においては、造形プレート40がチャンバー3内で高温に曝されるため、その変形層42としては、そのような高温環境下で、上述した変形層42としての所望の特性が得られる材料を選択することが望ましい。この観点からすると、変形層42の材料としては、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどが好適であり、特に難燃性の面からシリコーンゴムがより好適である。
積層させる変形層42の硬度は、造形品質に影響をおよぼす。詳しくは、硬度が高すぎると、変形しにくくなって追従性に劣ることになる一方、硬度が低すぎると、三次元造形物の変形を許容しすぎてしまい、造形品質が悪化することになる。変形層42の硬度を測定する方法としては、マルテンス硬度、ビッカース硬度などの微小硬度計測を行う方法が挙げられる。この方法では、測定部位のバルク方向の浅い領域、つまり表面近傍の硬度しか測定していないので、変形層42全体としての変形性能を評価することは難しい。そのため、変形層42全体の変形性能が評価できるマイクロゴム硬度を測定する方法を用いるのが好ましい。マイクロゴム硬度は、市販のマイクロゴム硬度計を使用して測定することができる。具体的には、例えば高分子計器社製の「マイクロゴム硬度計MD−1」を使用して測定することができる。変形層42のマイクロゴム硬度は、23℃50%RHの環境下で10以上50以下が好ましく、15以上40以下が更に好ましい。
このように、変形層42には、最下層の層状構造物が反り返ることに追従して変形することで剥離力を小さくしつつ、その変形量が造形品質を悪化させない許容範囲内に抑えられる適切な硬度(柔軟性)が求められる。しかしながら、このような柔軟性をもつ変形層42を実現しようとする場合、造形材料の種類などによっては、最下層の層状構造物と変形層42との間の接着性を十分に得ることが難しい場合がある。例えば、結晶性材料のエンジニアリングプラスチックであるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような熱収縮が大きい造形材料を用いる場合には、最下層の層状構造物と変形層42との間の接着性を十分に得ることが難しい。すなわち、変形層42の硬度(柔軟性)を、変形量が造形品質を悪化させない許容範囲内に抑えられる適切な硬度にすると、追従変形による剥離力低下の効果が不十分で、最下層の層状構造物が造形プレート40から剥離してしまう場合がある。
最下層の層状構造物と変形層42との間の接着性を高める方法としては、変形層42の材料として、造形材料との間で分子間力等の結合力が高い材料を選択する方法が考えられる。しかしながら、そのような材料を選択したときに、上述したような適切な硬度(柔軟性)をもつ変形層42を構成できない場合も多い。
また、上述した剛性基板41と変形層42との接着と同様に、変形層42の表面を粗面化処理等により凹凸面とし、最下層の層状構造物と変形層42との間の接触面積の増大やアンカー効果により、接着性を高める方法も考えられる。しかしながら、上述したような適切な硬度(柔軟性)をもつ変形層42を実現するために好適なエラストマー材料やゴム材料は、剛性基板41のような金属材料と比べて粗面化処理が困難で、十分なアンカー効果が得られるような凹凸面とするのが難しい。しかも、エラストマー材料やゴム材料の場合、その表面を凹凸面にできたとしても、変形層42が上述したように追従変形すると、クラックが生じやすく、耐久性が低下してしまう。更には、変形層42の表面上の凸部もエラストマー材料やゴム材料などの比較的柔らかい材料で形成され、この点でも、十分なアンカー効果を得ることが難しい。
なお、変形層42の表面に大きな凹凸を形成すれば、エラストマー材料やゴム材料であっても、十分なアンカー効果を得ることが可能であるが、この場合、変形層42の表面上の凹凸に沿ってその上に形成される層状構造物にも凹凸が生じ、造形精度の低下を招くという問題が生じる。
以上のように、上述した適切な硬度(柔軟性)をもち、かつ、最下層の層状構造物との間の高い接着性をもつような変形層42を、その変形層42を形成する単一の材料で実現することは難しい。
そこで、本実施形態においては、変形層42を2種類の異なる材料で形成している。具体的には、本実施形態の変形層42は、図7や図8に示すように、エラストマー材料やゴム材料などの基材42aに、その基材42aよりも硬い材料からなる分散材42bを分散配置したものとなっている。本実施形態では、分散材42bによる多数の凸部が形成されるように、基材42aに対して多数の分散材42bが分散配置されている。これにより、変形層42の表面は、分散材42bの寸法に応じた凹凸が形成される。よって、図10に示すように、分散材42bの寸法を適切に設定することで、造形精度の低下を招かない小さな凹凸で、接触面積の増大やアンカー効果による高い接着性を発揮することが可能となる。
このような変形層42であれば、上述した適度な硬度(柔軟性)については、エラストマー材料やゴム材料からなる基材42aによって得られる一方、最下層の層状構造物との間の接着性については、基材42aよりも硬い分散材42bによって形成される凹凸によって得られる。このように、変形層42に求められる柔軟性と接着性という2つの性質あるいは機能を、それぞれ異なる材料(基材42aと分散材42bの各材料)によって個別に得ることで、これらの性質や機能を両立することができる。しかも、エラストマー材料やゴム材料からなる基材42aについては粗面化処理を行わないため、クラックが生じにくく、耐久性低下も抑制される。
本実施形態のような変形層42をもつ造形プレート40の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、エラストマー材料やゴム材料などの基材42a中に多数の分散材42bを分散させたものを剛性基板41上に塗布することにより製造できる。この場合、変形層42の表面上の凸部を構成する分散材42bの表面に基材42aがコーティングされた状態になっていても、凸部の剛性は分散材42bの硬さによって確保されるため、十分なアンカー効果が得られる。
また、変形層42の表面上に分散材42bを露出した場合だと、最下層の層状構造物に接着した分散材42bが基材42aから剥離してしまって、これにより最下層の層状構造物が造形プレート40から剥離するおそれがある。これに対し、上述したように、変形層42の表面上において分散材42bの表面が基材42aにコーティングされた状態であれば、分散材42bが基材42aから離脱しにくく、分散材42bが基材42aから剥離することによって最下層の層状構造物が造形プレート40から剥離するような事態が抑制される。
一方で、変形層42の表面上に分散材42bを露出させるように構成してもよい。この場合、接触面積の増大やアンカー効果に加え、最下層の層状構造物と分散材42bとの間の分子間力などによっても、接着性を向上させることが可能となり、より高い接着性を実現できる。ただし、図7に示すように、変形層42の表面上における凸部と凹部との高低差hが、当該凸部を形成する分散材42bの高さHの50%未満であるのが好ましい。この場合、凸部を形成する分散材42bの表面積の半分以上が基材42aに接触し、分散材42bと基材42aとの接着性を確保して基材42aから分散材42bが離脱するのを十分に抑制できる。
なお、ここでいう高低差hと分散材42bの高さHとの関係は、測定領域内における平均値で示したものである。分散材42bの高さH及び高低差hは、変形層42の断面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察し、凸部を構成する分散材42bの高さHを測定するとともに、当該凸部の頂点とこれに隣接する凹部の最深部との差を高低差hとして測定した。
本実施形態における分散材42bの材料としては、基材42aよりも硬い材料で、さらに耐熱性を有する樹脂材料や金属材料が好ましい。また、変形層42の表面上に分散材42bを露出させた構成とする場合、接着性向上の観点から、造形材料との親和性を持つ樹脂や金属材料であるのが好ましい。具体的な分散材42bの材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂といった熱可塑性エラストマーから構成される材料系や、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの硬化性樹脂やエンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックを主成分としてなる粒子が挙げられる。また、これらの樹脂材料を、他の樹脂で被覆したものを使用してもよい。特に、これらの材料の中から、耐熱性の観点も含めて選択されるのが好ましい。
近年、造形材料として、より高い強度を有する材料を使用する傾向があり、これまで使用してきたABSやPLAに加えて、エンジニアリングプラスチックである、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンが、また、スーパーエンジニアリングプラスチックである、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド樹脂が、使用されることがある。
このような高い強度を有する造形材料を吐出するためには、造形ヘッド10での加熱温度を高くする必要があり、このような高温で排出される造形材料に対しても耐えられる耐熱性が、凸形状を維持してアンカー効果を発揮するためにも、分散材42bに求められる。したがって、上述した基材42aはもとより、分散材42bについても、造形ヘッド10から排出される造形材料の温度よりも高い融点又は熱分解温度を有する材料を選択することが好ましい。よって、エンジニアリングプラスチックや架橋性樹脂から構成される樹脂材料が分散材42bの材料として好適に用いることができ、好ましくは、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋性のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いることができる。
本実施形態における分散材42bの形状は、ほぼ球形であるが、球形にかぎらず、多面体形状、細長い棒形状(長鎖繊維)などであってもよい。
また、本実施形態における分散材42bの体積平均粒径は、0.5[μm]以上150[μm]以下であるのが好ましい。分散材42bの体積平均粒径が0.5[μm]未満である場合、変形層42の表面に、十分なアンカー効果が得られる高低差をもつ凹凸を形成することが困難であり、場合によっては、分散材42bを変形層42の表面に偏在させることもプロセス上で困難となり得る。一方、分散材42bの体積平均粒径が150[μm]を超える場合、変形層42の表面上に形成される層状構造物にも凹凸が生じて造形精度の低下を招きやすい。また、分散材42bの体積平均粒径が150[μm]を超えると、変形層42の表面上に分散材42bを露出させた構成において、分散材42bが基材42aから離脱しやすくなり、分散材42bが基材42aから剥離することによって最下層の層状構造物が造形プレート40から剥離する事態が発生しやすくなる。
また、本実施形態における分散材42bの粒度分布はシャープである(分散材42bの寸法が一定範囲内に収まっている)のが好ましい。具体的には、粒度分布の幅が、±(体積平均粒径×1/2)以下であるのが好ましい。ただし、寸法にバラツキがあっても、所望の寸法をもつ分散材42bが変形層42の表面上の凸部を構成するように形成すればよい。
また、本実施形態における変形層42の表面上において、分散材42bによる凸部の占める割合(凸部占有面積率)は、少なくとも20[%]以上であるのが好ましい。20[%]未満であると、変形層42の表面上における凹凸による表面面積の増大やアンカー効果による十分な接着性が得にくい場合がある。また、なお、接着性が高すぎることが問題になる場合もあり(例えば、造形処理後に三次元造形物を造形プレート40から取り外す作業を行う場合、接着性が高すぎるとその作業が困難になる。)、そのような場合には、凸部占有面積率を調整し、表面面積の増大やアンカー効果による接着性をコントロールするのがよい。
なお、本実施形態においては、図8に示したように、変形層42の表面上において分散材42bが均一に分散するように構成しているが、図11に示すように、分散材42bをランダムに分散させて分散材42bが偏在するような構成であってもよい。
また、本実施形態においては、図8に示したように、ほぼ同じ寸法の分散材42bを用いる構成であるが、図12に示すように、異なる寸法をもった2種類の分散材42b1,42b2を分散させてもよい。異なる寸法をもった2種類の分散材42b1,42b2を分散させることで、両分散材42b1,42b2間の含有比率を調整して凹凸状態をコントロールでき、表面面積の増大やアンカー効果による接着性をコントロールすることが可能である。また、図13に示すように、異なる寸法をもった3種類の分散材42b1,42b2,42b3を分散させれば、接着性を更に細かくコントロールすることが可能である。
また、異なる材料からなる2種類以上の分散材を分散させてもよい。この場合、例えば。両分散材間における造形材料との分子間力の違いにより、両分散材間の含有比率を調整して接着性をコントロールすることが可能である。また、例えば、異なる造形材料に対してそれぞれ適切な材料からなる2種類以上の分散材を分散させることで、1つの造形プレート40で、複数種類の造形材料に対応することが可能となる。また、例えば、材料の異なる分散材の種類を増やすことで、変形層42に新たな性質や機能を追加することも可能となる。
また、異なる寸法をもった2種類以上の分散材や、異なる材料からなる2種類以上の分散材を分散させる場合、図14や図15に示すように、規則的に分散させるようにしてもよい。このように規則的に分散させることで、変形層42の表面上において局所的に接着性が劣る箇所が生じ得る事態を回避しやすい。
なお、造形中の層状構造物は表面から次第に冷却されていくため、層状構造物の表面付近から変形が起こる場合が多い。したがって、例えば、層状構造物の表面付近(すなわち変形が早く、変形量が多い箇所)に対応する位置に局所的に接着性をもたせることで、接着性の低下を防ぐことができる。
また、異なる寸法をもった2種類以上の分散材や、異なる材料からなる2種類以上の分散材を分散させる場合、図16や図17に示すように、少なくとも1種類の分散材42b1,42b3だけを規則的に配置するようにしてもよい。このとき、図16中符号Aで示す領域や、図17中符号Bで示す領域のように、回転対称性をもつような規則性をもって分散材42b1,42b3を配置するのがよい。この場合、高い接着性を得やすい。
また、本実施形態の造形プレート40は、剛性基板41と変形層42とから構成されているが、ステージ4上に変形層42を直接形成した構成であってもよい。
〔効果確認試験〕
次に、本実施形態における造形プレート40を用いた効果確認試験について説明する。
本効果確認試験においては、造形プレート40を構成する基材42aの材料並びに分散材42bの材料及び体積平均粒径を変えた各種変形層42をもつ造形プレート40を用いて、所定の三次元造形物を造形した。そして、これらの変形層42における埋没率h/H[%]、造形材料多様性、接着性、造形精度(反り量)を測定、評価した。
「埋没率」は、変形層42の表面凸部を形成する分散材42bの高さHに対する、変形層42の表面の当該凸部とこれに隣接する凹部との高低差hの割合を示すものであり、上述したように、変形層42の断面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察して測定した。
「造形材料多様性」は、造形材料として用いることのできる材料の幅(種類の多さ)を示すものである。本効果確認試験では、造形材料多様性を簡易的に評価するために、汎用性の高いABSと、造形ヘッド10での加熱温度を高温にする必要のあるPEEKという2種類の造形材料を用いて三次元造形物の造形を行い、ABS及びPEEKのいずれも造形可能な場合には「◎」と評価し、ABSのみ造形可能な場合には「○」と評価し、ABSで造形したときの造形品質が基準を満たさない場合には「△」と評価した。
「接着性」については、各種変形層42をもつ造形プレート40上に、直径12.7[mm](0.5インチ)、高さ50.8[mm](2インチ)の円柱形状の三次元造形物をInfillRate100%で造形し、造形完了直後30秒以内に、その三次元造形物の頂部をデジタルフォースゲージで押し倒した時に掛かった力を算出した。この算出した力が10[N]以上であれば「◎」と評価し、5[N]より大きく10[N]より小さければ「○」と評価し、5[N]以下であれば「△」とした。
「造形精度」については、各種変形層42をもつ造形プレート40上に、幅20[mm]、長さ160[mm]、厚みが3[mm]の直方体形状の三次元造形物を造形し、造形完了後室温に戻るまで放置した後、造形プレート40を剥がした後の当該三次元造形物を定盤上に置き、当該三次元造形物のカール量を隙間ゲージにより測定した。この測定した隙間が5[mm]以下であれば「◎」と評価し、5[mm]より大きく15[mm]より小さければ「○」と評価し、15[mm]以上であれば「△」とした。
以下、本効果確認試験で作成した各種造形プレート40について説明する。
〔実施例1〕
実施例1の造形プレートAは、基材42aとして耐熱性かつ高強度のポリイミド樹脂を用い、その基材42aの表面にエポキシ樹脂微粒子からなる分散材42bを分散させて、表面を凹凸面にした非変形層を剛性基板41上に形成したものである。使用したポリイミド樹脂には、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)を用いた。また、エポキシ樹脂微粒子には、トレパール(東レ社製:平均粒子径20[μm])を用いた。作成された造形プレートAにおける非変形層の埋没率h/Hは、77[%]であった。
このようにして作成した造形プレートA上に、造形材料としてABSを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性、接着性、造形精度のいずれも「○」という合格基準を満たす評価が得られた。
〔比較例1〕
比較例1の造形プレートBは、分散材42bを分散させず、基材42aのみで非変形層を形成した以外は、前記実施例1と同様である。
このようにして作成した造形プレートB上に、前記実施例1と同様、造形材料としてABSを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性、接着性、造形精度のいずれも「△」という評価となり、いずれも合格基準を満たす評価が得られなかった。
前記実施例1と前記比較例1とを比較すると、前記実施例1は分散材42bにより非変形層の表面に凹凸を形成したことにより、三次元造形物との接触面積の増大やアンカー効果によって、造形プレートの非変形層と三次元造形物との接着性が高まったことで、接着性や造形精度が向上したことが確認された。
〔比較例2〕
比較例2の造形プレートCは、分散材42bとして、体積平均粒径が0.4[μm]であるトレパール(東レ社製:平均粒子径0.4[μm])を用いた以外は、前記実施例1と同様である。作成された造形プレートCにおける非変形層の埋没率h/Hは、前記実施例1とほぼ同様の76[%]であった。
このようにして作成した造形プレートC上に、前記実施例1と同様、造形材料としてABSを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性、接着性、造形精度のいずれも「△」という評価となり、いずれも合格基準を満たす評価が得られなかった。
前記実施例1と前記比較例2とを比較すると、分散材42bの粒径が小さすぎると、分散材42bによる非変形層の表面凹凸によって十分な接着性が得られず、合格基準を満たす接着性や造形精度が得られない場合があることが確認された。本発明者による種々の実験結果を総合的に勘案すると、合格基準を満たす接着性や造形精度が得るには、分散材42bの体積平均粒径が0.5[μm]以上であることが望ましい。
〔実施例2〕
実施例2の造形プレートDは、基材42aとして弾性材料であるシリコーンゴムを用いた以外は、前記実施例1と同様である。すなわち、実施例2の造形プレートDは、上述した実施形態の造形プレート40と同様、分散材により表面を凹凸面にした変形層42をもった造形プレートである。なお、作成された造形プレートDにおける変形層42の埋没率h/Hは、前記実施例1とほぼ同様の75[%]であった。
このようにして作成した造形プレートD上に、造形材料としてABSを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性及び接着性については「○」という評価が得られ、造形精度については「◎」という評価が得られた。
前記実施例1と前記実施例2とを比較すると、前記実施例1では、三次元造形物と造形プレートの非変形層との間で局所的(周辺部)に僅かな剥がれが生じ得る。この場合、造形プレートの非変形層との接着による三次元造形物の拘束が当該局所(周辺部)において開放されて、三次元造形物の内部応力により三次元造形物に僅かな反りが発生し得る。これに対し、前記実施例2では、三次元造形物が接着される造形プレートの変形層42が弾性材料で形成されているため、三次元造形物の変形に追従して変形層42が変形して当該局所での剥離が生じない。しかも、三次元造形物の変形に追従して弾性変形した変形層42の復元力が、三次元造形物の変形に抗する変形抵抗力として継続的に作用する結果、三次元造形物の変形が抑制され、高い造形精度が得られた。
〔比較例3〕
比較例3の造形プレートEは、分散材42bを分散させず、基材42aのみで変形層42を形成した以外は、前記実施例2と同様である。
このようにして作成した造形プレートE上に、前記実施例2と同様、造形材料としてABSを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性、接着性、造形精度のいずれも「△」という評価となり、いずれも合格基準を満たす評価が得られなかった。
前記実施例2と前記比較例3とを比較すると、いずれも、三次元造形物が接着される造形プレートの変形層42が三次元造形物の変形に追従して変形するが、前記比較例3では、接着性が不十分なために、三次元造形物と造形プレートの変形層との間で局所的(周辺部)な剥がれが生じてしまい、接着性も造形精度も「△」という評価となった。これに対し、前記実施例2は、分散材42bにより変形層の表面に凹凸を形成したことにより、三次元造形物との接触面積の増大やアンカー効果によって、造形プレートの変形層と三次元造形物との接着性が高まり、これにより三次元造形物と造形プレートの変形層との間で局所的(周辺部)な剥がれが生じず、接着性や造形精度が向上した。
〔比較例4〕
比較例4の造形プレートFは、埋没率h/Hが31[%]である以外は、前記実施例2と同様である。
このようにして作成した造形プレートF上に、前記実施例2と同様、造形材料としてABSを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性、接着性、造形精度のいずれも「△」という評価となり、いずれも合格基準を満たす評価が得られなかった。
前記実施例2と前記比較例4とを比較すると、前記比較例4では、分散材42bの埋没率h/Hが低すぎた結果、分散材42bとこれを保持する基材42aとの接触面積が少なすぎて、分散材42bが基材42aから剥離しやすい。そのため、三次元造形物と分散材42bとの間の接着力が分散材42bと基材42aとの間の接着力を上回って、分散材42bが三次元造形物に接着したまま基材42aから剥離してしまう現象が生じた。その結果、三次元造形物と造形プレートの変形層との間で剥がれが生じ、接着性も造形精度も「△」という評価となった。これに対し、前記実施例2は、分散材42bと基材42aとの接触面積を十分に確保できている結果、分散材42bと基材42aとの間の接着力が十分高く、分散材42bが三次元造形物に接着したまま基材42aから剥離してしまう現象は生じず、接着性や造形精度が向上した。
〔実施例3〕
実施例3の造形プレートGは、分散材42bとしてポリイミド樹脂よりも耐熱性の高いシリコーン樹脂を用いた以外は、前記実施例1と同様である。シリコーン樹脂としては、トスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製:体積平均粒径2.0[μm])を使用した。なお、作成された造形プレートGにおける非変形層の埋没率h/Hは、前記実施例1とほぼ同様の76[%]であった。
このようにして作成した造形プレートG上に、造形材料として、エンジニアリングプラスチックであるPEEKを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、造形材料多様性については「◎」という評価が得られ、接着性及び造形精度については「○」という評価が得られた。
前記実施例1と前記実施例3とを比較すると、前記実施例1では、分散材42bとして耐熱温度(融点)が310[℃]であるエポキシ樹脂を用いているため、造形ヘッド10での加熱温度が360[℃]であるPEEKを造形材料として用いると、分散材42bが軟化あるいは溶融して、分散材42bによる機能や性質が発揮されず、接着性や造形精度の低下が見られた。これに対し、前記実施例3では、分散材42bとして、耐熱温度の高いシリコーン樹脂を用いているため、PEEKを造形材料として用いる場合でも、分散材42bが軟化、溶融せず、分散材42bによる機能や性質が維持でき、接着性や造形精度が確保された。その結果、造形材料として用いることのできる材料の幅が広がり、造形材料多様性の評価は高まった。
〔実施例4〕
実施例4の造形プレートHは、基材42aとして弾性材料であるシリコーンゴムを用いた以外は、前記実施例3と同様である。すなわち、実施例4の造形プレートHは、上述した実施形態の造形プレート40と同様、分散材により表面を凹凸面にした変形層42をもった造形プレートである。なお、作成された造形プレートHにおける変形層42の埋没率h/Hは、前記実施例3とほぼ同様の78[%]であった。
このようにして作成した造形プレートH上に、造形材料としてPEEKを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性、接着性、造形精度のいずれについても「◎」という評価が得られた。
前記実施例3と前記実施例4とを比較すると、前記実施例3では、三次元造形物と造形プレートの非変形層との間で局所的(周辺部)に僅かな剥がれが生じ得る。この場合、造形プレートの非変形層との接着による三次元造形物の拘束が当該局所(周辺部)において開放されて、三次元造形物の内部応力により三次元造形物に僅かな反りが発生し得る。これに対し、前記実施例4では、三次元造形物が接着される造形プレートの変形層42が弾性材料で形成されているため、三次元造形物の変形に追従して変形層42が変形して当該局所での剥離が生じない。しかも、三次元造形物の変形に追従して弾性変形した変形層42の復元力が、三次元造形物の変形に抗する変形抵抗力として継続的に作用する結果、三次元造形物の変形が抑制され、高い造形精度が得られた。
〔比較例5〕
比較例5の造形プレートIは、埋没率h/Hが39[%]である以外は、前記実施例4と同様である。
このようにして作成した造形プレートI上に、前記実施例4と同様、造形材料としてPEEKを用いて三次元造形物を造形し、樹脂多様性、接着性及び造形精度の評価を行ったところ、樹脂多様性については「◎」という評価が得られたが、接着性、造形精度については「△」という評価となり、いずれも合格基準を満たす評価が得られなかった。
前記実施例4と前記比較例5とを比較すると、前記比較例5では、分散材42bの埋没率h/Hが低すぎた結果、分散材42bとこれを保持する基材42aとの接触面積が少なすぎて、分散材42bが基材42aから剥離しやすい。そのため、三次元造形物と分散材42bとの間の接着力が分散材42bと基材42aとの間の接着力を上回って、分散材42bが三次元造形物に接着したまま基材42aから剥離してしまう現象が生じた。その結果、三次元造形物と造形プレートの変形層との間で剥がれが生じ、接着性も造形精度も「△」という評価となった。これに対し、前記実施例4は、分散材42bと基材42aとの接触面積を十分に確保できている結果、分散材42bと基材42aとの間の接着力が十分高く、分散材42bが三次元造形物に接着したまま基材42aから剥離してしまう現象は生じず、接着性や造形精度が向上した。
以上の効果確認試験の条件や結果をまとめると、以下の表1のとおりとなる。
Figure 0006860841
本実施形態の造形プレート40は、剛性基板41と変形層42の二層構造となっているが、最下層の層状構造物の変形に追従した変形層42の変形を不可能にするような層でなければ、その他の必要な層を付加してもよい。
また、本実施形態では、造形処理後に三次元造形物と一緒にチャンバー3から取り出される造形プレート40をステージ4上に保持し、その造形プレート40上に三次元造形物を造形する構成について説明したが、造形プレート40を用いずに三次元造形物をステージ4上に直接造形するものであってもよい。この場合、造形プレート40の変形層42と同様の変形層をステージ4の表面部に設けることで、同様に、ステージ4の変形層上に形成された層状構造物が熱収縮を引き起こして変形しても、その変形に追従してステージ4の変形層も変形する。これにより、造形処理の途中で形成済みの層状構造物の位置が許容範囲を超えて造形プレート40上で動いてしまうようなことはなく、造形処理を適切に実施できる。また、この場合も、ステージ4上の変形層の変形時に発生する変形に抗する変形抵抗力が最下層の層状構造物の変形を抑制する力となり、造形精度の低下を抑制できる。
また、本実施形態においては、ポリイミド樹脂やシリコーンゴムなどの樹脂やゴム等からなる基材42aに対しては、接触面積の増大やアンカー効果を得るための粗面化処理が困難であり、三次元造形物の変形へ追従可能な柔軟性と、接触面積の増大やアンカー効果による接着性とを、単一の材料によって実現することが難しいことに鑑み、柔軟性を得るための材料からなる基材42aに、接触面積の増大やアンカー効果による接着性を得るための凹凸形成用の分散材42bを分散させ、それぞれ異なる材料を採用することにより柔軟性と接着性の両立を図ったものである。この考え方は、柔軟性と接着性の両立に限られず、三次元造形装置の造形プレート40に求められる両立困難な2以上の機能や性質を得ようとする場合に応用できる。すなわち、三次元造形装置の造形プレート40に求められる両立困難な2以上の機能や性質の実現を、それぞれ別個に実現可能な2種類以上の材料で担うべく、造形プレートの載置面を形成する載置面層を2種類以上の異なる材料で形成すれば、単一の材料では両立しにくい2つ以上の性質や機能を併せ持つ載置面層を備えた造形プレートを容易に実現でき、三次元造形装置における種々の問題を解決し得る。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
造形プレート40等の載置部材の載置面上に載せたABSやPEEK等の造形材料によって三次元造形物を造形する三次元造形装置1において、前記載置部材は、前記載置面を形成する変形層42等の載置面層が2種類以上の異なる材料で形成されたものであることを特徴とする。
これによれば、三次元造形装置の載置部材の載置面層に求められる各種機能や性質のうち、柔軟性と接着性などのように、両立しにくい機能や性質について、それぞれ別個に材料によって実現することが可能となる。これにより、両立しにくい性質や機能を併せ持つ載置面層を備えた載置部材を容易に実現でき、三次元造形装置における種々の問題を解決し得る。
特に、三次元造形物の造形終了後には、載置部材を三次元造形物から引き剥がす(剥離させる)必要があり、造形中に求められていた密着性とは相反する性質である剥離性が求められる場合がある。上述した実施形態のように、基材42a及び分散剤42bの三次元造形物に対する密着力を調整することで、三次元造形物と載置部材との間にはたらく密着力を面ではなく点の集合とすることもでき、造形終了後の剥離性も高めることができる。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記載置面層は、少なくとも1種類の分散材42bが該分散材とは材料の異なる基材42aに分散配置されたものであることを特徴とする。
載置部材の載置面層全体にわたって、単一の材料では両立しにくい2つ以上の性質や機能を併せ持つ載置面層を備えた載置部材を容易に実現できる。なお、ここでいう「分散配置」は、図11〜図13に示すようなランダムに分散した配置でもよいし、図14〜図17に示すように少なくとも一部の配置が規則性をもって分散した配置でもよい。
(態様C)
前記態様Bにおいて、前記載置面は、前記分散材によって複数の凸部が形成された凹凸面であることを特徴とする。
これによれば、載置面とこの上に造形される三次元造形物との接着性を、載置面の凹凸による接触面積の増大やアンカー効果によって向上させることができる。よって、基材42aの材料では載置面を凹凸面とすることが困難で接着性向上が難しい場合であっても、分散材によって載置面を凹凸面にして接着性向上を図ることができる。
(態様D)
前記態様Cにおいて、前記載置面上における凸部と凹部との高低差hは、該凸部を形成する分散材の高さHの50%未満であることを特徴とする。
これによれば、分散材42bが三次元造形物側に接着したまま基材42aから剥離してしまって三次元造形物の載置面に対する接着性が低下する事態を抑制できる。
(態様E)
前記態様C又はDにおいて、前記凸部を形成する分散材の体積平均粒径は、0.5[μm]以上であることを特徴とする。
これによれば、十分な高低差をもった凹凸を載置面上に形成しやすく、安定した接着性を実現しやすい。
(態様F)
前記態様B〜Eのいずれかの態様において、前記分散材のうちの少なくとも一部は、前記載置面上に露出していることを特徴とする。
これによれば、分散材と造形材料とが直接接触することにより発揮される機能や性質を実現できる。例えば、分散材と造形材料との分子間力が基材と造形材料との分子間力によりも高い場合には、接着性を大きくでき、逆の場合には、過剰な接着性を低下させることができる。
(態様G)
前記態様B〜Fのいずれかの態様において、前記基材42aは、前記載置面上に載せた造形材料の変形に追従して変形可能な材料で形成されていることを特徴とする。
これによれば、三次元造形物が熱膨張や熱収縮を引き起こしても、その三次元造形物が固着している載置部材の載置面層(変形層42)が、熱膨張や熱収縮による三次元造形物の変形に追従して変形する。したがって、三次元造形物が熱膨張や熱収縮を引き起こして変形しても、三次元造形物と載置部材の載置面との間に発生する剥離力を小さく抑えることができ、三次元造形物が載置部材から剥離するのを抑制できる。
(態様H)
前記態様Gにおいて、前記変形可能な材料は、前記変形に対する復元力を発揮する弾性材料であることを特徴とする。
これによれば、変形の復元力が三次元造形物の変形に抗する変形抵抗力として継続的に作用するため、三次元造形物の変形を抑制する高い効果が得られる。これにより、より高い造形精度の三次元造形物を造形することが可能となる。
(態様I)
前記態様A〜Hのいずれかの態様において、加熱されたABSやPEEK等の造形材料を排出する造形ヘッド10等の造形材料排出部と、前記載置部材が配置される処理空間を内部に備えたチャンバー3と、前記チャンバー内の処理空間を加熱するチャンバー用ヒータ7等の処理空間加熱手段と、前記載置部材と前記造形材料排出部とを相対移動させながら層状構造物を形成して積層する動作を制御する制御部100等の造形制御手段とを有することを特徴とする。
これによれば、熱溶解積層法(FDM)により三次元造形物を造形する三次元造形装置において求められる2つ以上の性質や機能を併せ持つ載置面層を備えた載置部材を容易に実現でき、当該三次元造形装置における種々の問題を解決し得る。
(態様J)
前記態様Iにおいて、前記載置面層を形成する材料は、前記造形材料排出部から排出される造形材料の温度よりも高い融点又は熱分解温度を有するものであることを特徴とする。
これによれば、載置面層を形成する各種材料が固形状態を維持でき、本来の機能や性質を安定して発揮できる。
(態様K)
造形プレート40等の載置部材の載置面上に載せたABSやPEEK等の造形材料によって三次元造形物を造形する三次元造形装置の載置部材であって、前記載置面を形成する載置面層が2種類以上の異なる材料で形成されていることを特徴とする。
これによれば、三次元造形装置の載置部材の載置面層に求められる各種機能や性質のうち、柔軟性と接着性などのように、単一の材料では両立しにくい2以上の機能や性質について、それぞれ別個に材料によって実現することが可能となる。これにより、単一の材料では両立しにくい2つ以上の性質や機能を併せ持つ載置面層を備えた載置部材を容易に実現でき、三次元造形装置における種々の問題を解決し得る。
(態様L)
造形プレート40等の載置部材の載置面上に載せたABSやPEEK等の造形材料によって三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法において、前記載置部材として、前記載置面を形成する載置面層が2種類以上の異なる材料で形成された載置部材を用いることを特徴とする。
これによれば、三次元造形装置の載置部材の載置面層に求められる各種機能や性質のうち、柔軟性と接着性などのように、単一の材料では両立しにくい2以上の機能や性質について、それぞれ別個に材料によって実現することが可能となる。これにより、単一の材料では両立しにくい2つ以上の性質や機能を併せ持つ載置面層を備えた載置部材を容易に実現でき、より良好に三次元造形物を製造することができる。
1 三次元造形装置
3 チャンバー
4 ステージ
5 ステージ加熱部
7 チャンバー用ヒータ
10 造形ヘッド
11 射出ノズル
40 造形プレート
41 剛性基板
42 変形層
42a 基材
42b 分散材
50 フィラメント
100 制御部
特許第5611433号公報 特許第5189953号公報

Claims (10)

  1. 載置部材の載置面上に載せた造形材料によって三次元造形物を造形する三次元造形装置において、
    前記載置部材は、前記載置面を形成する載置面層が、体積平均粒径が150[μm]以下である粒子を、該粒子とは異なる材料の基材中に分散させたものであり、
    前記載置面は、前記粒子によって複数の凸部が形成された凹凸面であることを特徴とする三次元造形装置
  2. 項1に記載の三次元造形装置において、
    前記載置面上における凸部と凹部との高低差は、該凸部を形成する粒子の体積平均粒径の50%未満であることを特徴とする三次元造形装置。
  3. 請求項1又は2に記載の三次元造形装置において、
    前記凸部を形成する分散材の体積平均粒径は、0.5[μm]以上であることを特徴とする三次元造形装置。
  4. 請求項1至3のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
    前記粒子のうちの少なくとも一部は、前記載置面上に露出していることを特徴とする三次元造形装置。
  5. 請求項1至4のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
    前記基材は、前記載置面上に載せた造形材料の変形に追従して変形可能な材料で形成されていることを特徴とする三次元造形装置。
  6. 請求項5に記載の三次元造形装置において、
    前記変形可能な材料は、前記変形に対する復元力を発揮する弾性材料であることを特徴とする三次元造形装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
    加熱された造形材料を排出する造形材料排出部と、
    前記載置部材が配置される処理空間を内部に備えたチャンバーと、
    前記チャンバー内の処理空間を加熱する処理空間加熱手段と、
    前記載置部材と前記造形材料排出部とを相対移動させながら層状構造物を形成して積層する動作を制御する造形制御手段とを有することを特徴とする三次元造形装置。
  8. 請求項7に記載の三次元造形装置において、
    前記載置面層を形成する材料は、前記造形材料排出部から排出される造形材料の温度よりも高い融点又は熱分解温度を有するものであることを特徴とする三次元造形装置。
  9. 載置部材の載置面上に載せた造形材料によって三次元造形物を造形する三次元造形装置の載置部材であって、
    前記載置面を形成する載置面層が、体積平均粒径が150[μm]以下である粒子を、該粒子とは異なる材料の基材中に分散させたものであり、
    前記載置面は、前記粒子によって複数の凸部が形成された凹凸面であることを特徴とする載置部材。
  10. 載置部材の載置面上に載せた造形材料によって三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法において、
    前記載置部材として、前記載置面を形成する載置面層が、体積平均粒径が150[μm]以下である粒子を、該粒子とは異なる材料の基材中に分散させたものであり、かつ、前記載置面が、前記粒子によって複数の凸部が形成された凹凸面である載置部材を用いることを特徴とする三次元造形物の製造方法。
JP2016211978A 2016-10-28 2016-10-28 三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法 Active JP6860841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016211978A JP6860841B2 (ja) 2016-10-28 2016-10-28 三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016211978A JP6860841B2 (ja) 2016-10-28 2016-10-28 三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018069570A JP2018069570A (ja) 2018-05-10
JP6860841B2 true JP6860841B2 (ja) 2021-04-21

Family

ID=62112015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016211978A Active JP6860841B2 (ja) 2016-10-28 2016-10-28 三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6860841B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11958652B2 (en) 2018-12-04 2024-04-16 Gpcp Ip Holdings Llc Film securing apparatus and method

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019235546A1 (ja) * 2018-06-05 2019-12-12 株式会社ブリヂストン 多孔質構造体、多孔質構造体の製造方法、及び、3d造形用データ
JP7389026B2 (ja) * 2018-06-05 2023-11-29 株式会社アーケム 多孔質構造体、多孔質構造体の製造方法、及び、3d造形用データ
KR20210022638A (ko) * 2018-06-22 2021-03-03 에테하 쭈리히 열방성 액정 중합체를 사용한 적층 제조
JP7306065B2 (ja) * 2019-05-30 2023-07-11 セイコーエプソン株式会社 三次元造形物の製造方法および三次元造形装置
JP7207197B2 (ja) * 2019-06-26 2023-01-18 豊田合成株式会社 車両用樹脂製品の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6004124A (en) * 1998-01-26 1999-12-21 Stratasys, Inc. Thin-wall tube liquifier
JP2000211031A (ja) * 1999-01-26 2000-08-02 Ntt Data Cmet Kk 光造形装置の支持テ―ブル
JP4422576B2 (ja) * 2004-08-02 2010-02-24 ナブテスコ株式会社 光学的立体造形方法および装置
GB2500412A (en) * 2012-03-21 2013-09-25 Eads Uk Ltd Build Plate for an additive manufacturing process
JP2015182283A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 トヨタ自動車株式会社 型の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11958652B2 (en) 2018-12-04 2024-04-16 Gpcp Ip Holdings Llc Film securing apparatus and method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018069570A (ja) 2018-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6860841B2 (ja) 三次元造形装置、載置部材及び三次元造形物の製造方法
US9592660B2 (en) Heated build platform and system for three dimensional printing methods
US10906291B2 (en) Controllable release build plate for 3D printer
US9688026B2 (en) Heating platform and 3D printing apparatus
JP6802994B2 (ja) 三次元造形装置及び造形物載置板
EP4234212A1 (en) Removable build plate for three-dimensional printers
US20200198233A1 (en) 3d printing technology-based processing apparatus and method
US20190022934A1 (en) Manufacturing apparatus and method for three-dimensional object, and material supply unit to be used in the manufacturing apparatus
JP4917381B2 (ja) 粉末焼結積層造形装置及び粉末焼結積層造形方法
US11007706B2 (en) Three-dimensional modeling apparatus and method of producing three-dimensionally modeled object
JP5149069B2 (ja) 金型組立体及び射出成形方法
JP2018183930A (ja) 3次元造形用ステージ
US10639845B2 (en) Printing module and three-dimensional printing apparatus using the same
US11273597B2 (en) Printer unit for a 3D-printing apparatus and method
JP4856979B2 (ja) 粉末焼結積層造形装置及び粉末焼結積層造形方法
JP2017052129A (ja) ノズルと積層造形装置およびノズル動作方法と積層造形方法
WO2017057333A1 (ja) 三次元造形物及びその造形方法
JP2019084779A (ja) 造形装置
JP2015189053A (ja) 樹脂被覆物
JP7218891B2 (ja) 製造方法、樹脂リール、製造システム及び受け治具
JP2009025371A (ja) 中空部材、定着部材、定着装置および画像形成装置
WO2024014474A1 (ja) 三次元プリンティング装置、三次元プリンティング方法、及び圧縮装置
JP6582456B2 (ja) 積層造形装置および積層造形方法
JP2020111801A (ja) 三次元造形物の製造方法及び三次元造形物の製造装置
JP5628231B2 (ja) 積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210311

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6860841

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151