JP6860466B2 - 非水電解質二次電池、電池パック、車両、電極群の製造方法及び非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
電池は、高エネルギー密度電池として盛んに研究開発が進められている。
物や、チタン複合酸化物を用いる非水電解質二次電池が商用化されている。リチウム遷移
金属複合酸化物は、遷移金属としてCo、Mn、Ni等を用いるのが一般的である。
水電解質二次電池の容量低下等の劣化が進むことは一般的に知られている。劣化の一つに
活物質と電解質の反応が挙げられるが、これを抑制する方法として、活物質の表面に金属
有機化合物を被膜する技術が挙げられる。
共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施
の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装
置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更
することができる。
第1の実施形態として非水電解質二次電池が提供される。この非水電解質二次電池は、
正極活物質と(化1)又は(化2)で示される有機アルミニウム化合物を含み、前記有機
アルミニウム化合物に含まれるアルミニウムの重量が、前記正極活物質重量の1%以下で
ある正極と、負極活物質を含む負極と、イソシアネート基含有化合物又はトリアルキルシ
リル基含有化合物含む非水電解質を有する。
活物質として炭素や、チタン複合酸化物を用いる非水電解質二次電池が商用化されている
。リチウム遷移金属複合酸化物は、遷移金属として、例えばCo、Mn、Ni等が用いら
れている。
水電解質二次電池の容量低下等の劣化が進むことは一般的に知られている。劣化の一つに
活物質と電解質の反応が挙げられるが、これを抑制する方法として、活物質の表面に金属
有機化合物を被膜する技術が挙げられる。
抑制して電池寿命を改善するが、負極活物質に炭素系材料を用いた場合には高抵抗の被膜
を形成してしまうために電池特性が悪化することが知られている。しかし酸化物系材料を
用いた場合はこの限りではなく、被膜を形成させた方が好ましい。例えば特許文献1では
、負極に炭素を用い、正極合剤層にシランカップリング剤を含有し、さらに電解質中にニ
トリル基含有化合物を含有することで、正極上に被膜を形成して高温におけるガス発生を
抑える非水電解質二次電池が開示されている。また特許文献2には、非水電解質中にイソ
シアネート基含有化合物を加えることにより、負極上に良好な保護被膜を形成することが
できる非水電解質二次電池が開示されている。しかし、このような非水電解質二次電池で
は優れた寿命特性を示すことができなかった。
質二次電池を発明した。
化合物を含み、負極には負極活物質を含み、非水電解質に添加剤としてイソシアネート基
含有化合物又はトリアルキルシリル基含有化合物を含有する。
物質を含んでいてもよいし、又は2種類以上の正極活物質を含んでいてもよい。酸化物の
例には、Li又はLiイオンを吸蔵及び放出することができる化合物をあげることができ
る。詳しい内容は後述する。
ことができる。前記正極は、前記有機アルミニウム化合物(化1)、(化2)のいずれか
一方又は両方を含むことができる。
、液状非水電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質又は固体電解質を含むこと
ができる。非水電解質中に含まれる添加剤のイソシアネート基含有化合物やトリアルキル
シリル基含有化合物について、詳しくは後述する。
で、前記有機アルミニウム化合物が正極作製過程で一部酸化物となり、この有機アルミニ
ウム化合物の酸化物が正極活物質表面上に形成され、活物質表面に被膜を作ることができ
る。前記酸化物が被膜を形成することに加え、非水電解質中に添加剤としてイソシアネー
ト基含有化合物又はトリアルキルシリル基含有化合物を含むことで、前記酸化物の被膜に
これらの添加剤が結合し、被膜を形成することができるため、従来よりも優れた寿命特性
を示すことができる非水電解質二次電池を製造することができる。この前記酸化物の被膜
及び添加剤の被膜について詳しく説明すると、前記有機アルミニウム化合物(化1)、(
化2)で表現されるR3やR6のアルコキシ基又は酸素と、R1、R2、R4、R5を含むアルキルア
セトナートの、両方を有する化合物を使用することで、この化合物を正極のスラリーに混
合した時に反応の早いR3、R6のアルコキシ基又は酸素が、まず活物質の上に付着して被膜
を形成しやすくし、さらにアルキルアセトナートの分解温度を下げることでアルキルアセ
トナートのみよりも低温で反応を進め被膜を形成する。この時、乾燥を2度に分けること
で本実施形態の効果をより高めることができる。例えば、一度目の乾燥を常圧の温風下で
実施することで、温風中に含まれる水分により有機アルミニウム化合物の分解で得られる
有機アルミニウム化合物の酸化物の表面に吸着水に起因する水酸基を形成しやすくし、さ
らに二度目の乾燥を減圧下で実施することで有機アルミニウム化合物の分解を促進して強
固な被膜を形成することができる。より具体的には、一度目の乾燥を80℃〜150℃の
常圧のある程度水分を含んだ大気下で乾燥を行う。これより温度が低いと十分な乾燥が行
われず、150℃より高いと急激な乾燥で電極が変形してしまう可能性がある。またある
程度水分を含んだ大気下で実施することにより、水分が付着して水酸基を形成できる。ま
た二度目の乾燥は80〜150℃の減圧乾燥下で実施する。減圧で実施することにより、
有機アルミニウム化合物の分解を促進し、発生した物質を速やかに除去できるからである
。水酸基の形成は、電解質の添加剤であるイソシアネート基含有化合物やトリアルキルシ
リル基含有化合物と結合しやすくする。前者は水酸基と配位結合して強固な結合をすると
されており、後者は水酸基とアルコキシ基が脱アルコール反応して共有結合をするとされ
ている。この現象を用いることにより、本来負極側で形成しやすい膜を正極側でもつける
ことができ、さらに有機アルミニウム化合物を用いない時よりも強固に接着することがで
きる。 なお、この有機アルミニウム化合物が完全に分解して酸化物になる必要はなく、
結着剤や電解質との親和性が良くなるため、一部官能基を維持したままの方が好ましい。
料について詳しく説明する。
正極は、集電体と、この集電体の片面又は両面に形成され、活物質、導電剤及び結着剤
、有機アルミニウム化合物を含む正極合剤層とを備える。
、酸化鉄、酸化銅及び酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LisMn
2O4又はLisMnO2(0<s≦1))、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLi
sNiO2(0<s≦1))、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LisCoO2(
0<s≦1))、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LisNi1−tCo
yO2(0<s≦1、0≦t≦1))、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばL
isMntCo1−tO2(0<s≦1、0≦t≦1))、スピネル型の結晶構造を有す
るリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LisMn2−tNitO4(0<s
≦1、0<t≦1))、オリビン型の結晶構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、L
isFePO4、LisFe1−tMntPO4、LisCoPO4など(0<s≦1、
0≦t≦1))、硫酸鉄(例えばLisFe2(SO4)3(0≦s≦1))、並びにバ
ナジウム酸化物(例えばLisV2O5(0≦s≦1))が含まれる。また、ポリアニリ
ンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料などの有機材
料及び無機材料を用いることもできる。
化合物の例には、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLisMn2O4)、リチウムニ
ッケル複合酸化物(例えばLisNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLi
sCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLisNi1−tCotO
2)、スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLi
sMn2−tNitO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLisMnt
Co1−tO2)、及びリチウムリン酸鉄(例えば、LisFePO4)が含まれる。な
お、上記の式中、s及びtは、先に示した範囲内であることが好ましい。
チウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を用いることが挙げられる。式中、i,j,
k及びlは、それぞれ、不等式0<i≦1.1、0.1≦j≦0.5、0<k≦0.9、
0.1≦l≦0.5により表される関係を満たす。
しい。0.1m2/g以上の比表面積を有する正極活物質粒子は、Liイオンの吸蔵・放
出サイトを十分に確保できる。10m2/g以下の比表面積を有する正極活物質粒子は、
工業生産の上で取り扱い易く、かつ良好な充放電サイクル性能を確保できる。
着させるために配合される。結着剤の例には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースプロピル(HPMC)、酢酸セルロース、アンモニ
ウム塩セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(
PVdF)、フッ素系ゴム、及びスチレン−ブタジエンゴム、ポリアクリル酸化合物(例
えばアクリル系ゴム及びアクリル系樹脂)、及びイミド化合物(例えばポリアミドイミド
)が含まれる。これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、又はこれらのうちの2種以
上の混合物を用いてもよい。
に配合される。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボン繊維、グラフェン、フラ
ーレン、VGCF(Vapor Grown Carbon Fiber:気相成長カーボン繊維)、コークス
、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノファイバー及びカーボンナノチューブ
などの炭素系材料が含まれる。炭素系材料の平均粒子径は、0.1μm以上10μm以下
であることが好ましい。0.1μm以上であると、ガス発生を効果的に抑制することがで
きる。10μm以下であると、良好な導電ネットワークが得られる。炭素系材料の比表面
積は、10m2/g以上100m2/g以下であることが好ましい。10m2/g以上で
あると、良好な導電ネットワークが得られる。100m2/g以下であると、ガス発生を
効果的に抑制することができる。
以下、及び2質量%以上20質量%以下の割合で配合することが好ましい。
剤の量を20質量%以下にすると、電極に含まれる絶縁体の量が減るため、内部抵抗を減
少できる。
上95質量%以下、2質量%以上20質量%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割
合で配合することが好ましい。
また、導電剤の量を15質量%以下にすることにより、電解質と接触する導電剤の割合を
低くすることができる。この割合が低いと、高温保存下において、電解質の分解を低減す
ることができる。
極合剤層は、電池に組み込まれた電極群においては、電解質、例えば液状非水電解質、ゲ
ル状非水電解質又は固体電解質の一部を保持することもできる。電解質の一部は、例えば
、多孔質の正極合剤層の細孔に保持され得る。この好ましい態様では、正極合剤層がより
優れたイオン伝導性を示すことができる。その結果、より優れた出力性能及びより優れた
サイクル寿命を実現することができる。
Cu及びSiから選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好まし
い。
が好ましく、15μm以下であることがより好ましい。アルミニウム箔の純度は99質量
%以上であることが好ましい。アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に含まれる鉄、銅
、ニッケル、及びクロムなどの遷移金属の含有量は、1質量%以下であることが好ましい
。
それぞれ独立に炭素が8以下の炭化水素基又はアルコキシ基である。R3、R6はそれぞれ独
立に炭素が8以下のアルコキシ基又は酸素である。例えば、2−ブトキシアルミニウムジ
アセチルアセトナート、ジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトアセトナートや、ジ2
−ブトキシアルミニウムアセチルアセトナートや、アルミニウムエチルアセトアセトナー
トジイソプロピレート、アルミニウムオクチルアセトアセトナートジイソプロピレートな
どが挙げられる。これらの化合物中に含まれるアルミニウム元素の量を、活物質の重量に
対して0.001〜1%の割合で混合して使用するのが良い。好ましくは0.005〜0
.2%以下の割合で混合して使用するのが良い。0.001%より少ないと、活物質の表
面に十分な被膜を形成できなくなり、1%を超えると被膜が厚くなりすぎて充放電に支障
が出てしまう。
存在することができる。導電剤上にも存在することで、導電剤と非水電解質との反応を抑
えることができる。
認できる。一つの方法としては、アルゴンボックス中で非水電解質二次電池を分解して正
極又は負極を取り出し、溶媒でよく洗浄する。この時の洗浄溶媒は、リチウム塩を含まな
い非水電解質や電極を作製するときに使用する溶媒などで、有機アルミニウム化合物を溶
解させることが可能なもので行う。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、N−メチルピロリドンなどがある。この洗浄した溶媒を、
LC/MS(Liquid Chromatography Mass Spectrometry:液体クロマトグラフ質量分析)
を用いて分析を行い、有機アルミニウム化合物を検出することができる。含有しているア
ルミニウム元素の総量を分析するには、集電体を除く電極を例えば酸などに溶解させ、溶
解しない成分をろ過後にICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)法で
元素分析することにより確認することができる。
ば遠心分離で導電剤と正極活物質を分離後に導電剤をICP法で元素分析を行うか、又は直
接的にTEM-EELS(Transmission Electron Microscopy-Electron Energy-Loss Spectr
oscopy:透過電子顕微鏡‐電子エネルギー損失分光法)などで確認することもできる。
負極は、集電体と、この集電体の片面又は両面に形成され、活物質、導電剤及び結着剤
を含む負極合剤層とを備える。
は、リチウムチタン複合酸化物が挙げられる。リチウムチタン複合酸化物には、例えば、
スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウム(例えば、Li4+xTi5O12(−
1≦x≦3))、ラムスデライト型の結晶構造を有するチタン酸リチウム(例えば、Li
2+xTi3O7(0≦x≦1))、Li1+xTi2O4(0≦x≦1)、Li1.1
+xTi1.8O4(0≦x≦1)、Li1.07+xTi1.86O4(0≦x≦1)
及びLixTiO2(0≦x≦1)が挙げられる。上記種類のリチウムチタン複合酸化物
は、リチウム吸蔵放出の際の体積変化が小さいという特徴を有する。
例えば、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタンTiO2、及び単斜晶型の結晶構
造を有する二酸化チタンTiO2(B)が挙げられる。
対して1.0Vよりも貴となる、単斜晶型の結晶構造を有するニオブチタン複合酸化物(
例えばNb2TiO7)などが挙げられる。
活物質の他の例としては、以下の一般式(1)又は(2)で表される斜方晶型の結晶構
造を有する複合酸化物が挙げられる:
LiaM11-bM2bTi6-cM3cO14+d (1)
ここで、M1は、Sr、Ba、Ca、及びMgからなる群より選択される少なくとも1
種である。M2は、Cs、K、及びNaからなる群より選択される少なくとも1種である
。M3は、Al、Fe、Zr、Sn、V、Nb、Ta、及びMoからなる群より選択され
る少なくとも1種である。各添字は、2≦a≦6、0<b<1、0<c≦6、−0.5≦
d≦0.5を満たす。M1は、Sr、Ba、Ca、及びMgからなる群より選択される1
種を含んでもよいし、或いはこの群から選択される2種以上を組み合わせて含んでもよい
。M2は、Cs、K、及びNaからなる群より選択される1種を含んでもよいし、或いは
この群から選択される2種以上を組み合わせて含んでもよい。M3は、Al、Fe、Zr
、Sn、V、Nb、Ta、及びMoからなる群より選択される1種を含んでもよいし、或
いはこの群から選択される2種以上を組み合わせて含んでもよい;
Li2+wNa2-eMαfTi6-gMβgO14+h (2)
、Zr、Sn、V、Nb、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選
択される少なくとも1種である。各添字は、0≦w≦4、0<e<2、0≦f<2、0<
g≦6、−0.5≦h≦0.5を満たす。Mαは、Cs及びKのいずれか一方であっても
よいし、或いは、Cs及びKの両方を含んでもよい。Mβは、Zr、Sn、V、Nb、T
a、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選択される1種を含んでもよい
し、或いはZr、Sn、V、Nb、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる
群より選択される2種以上を組み合わせて含んでもよい。
い。この好ましい複合酸化物は、斜方晶型の結晶構造を有するニオブ含有複合酸化物と呼
ぶこともできる。
複合酸化物は、スピネル型チタン酸リチウムよりも低い作動電位を示すことができる。そ
のため、これらの複合酸化物を含んだ電極を負極として用いて作製した非水電解質二次電
池は、スピネル型チタン酸リチウムを負極において用いた非水電解質二次電池よりも高い
電池電圧を示すことができる。また、これらの複合酸化物は、作動電位範囲において、電
位の段差部なしに、有意な勾配をもって電位が変化する充電曲線及び放電曲線を示すこと
ができる。そのため、これらの複合酸化物を用いて作製した非水電解質二次電池は、電圧
変化に基づいて充電状態を容易に把握することができる。
り好ましい。
組み合わせて含むこともできる。そして、先に説明したように、負極活物質は、粒子の形
状を有することができる。すなわち、負極活物質粒子は、例えば、スピネル型の結晶構造
を有するチタン酸リチウム、ラムスデライト型の結晶構造を有するチタン酸リチウム、ア
ナターゼ型の結晶構造を有するチタン酸化物、単斜晶型の結晶構造を有するチタン酸化物
、単斜晶型の結晶構造を有するニオブチタン複合酸化物、及び斜方晶型の結晶構造を有す
るニオブ含有複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含むことがで
きる。
しい。0.1m2/g以上の比表面積を有する正極活物質粒子は、Liイオンの吸蔵及び
放出サイトを十分に確保できる。10m2/g以下の比表面積を有する正極活物質粒子は
、工業生産の上で取り扱い易く、かつ良好な充放電サイクル性能を確保できる。
合される。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボン繊維、グラフェン、フラーレ
ン、VGCF(Vapor Grown Carbon Fiber:気相成長カーボン繊維)、コークス、カ
ーボンブラック、グラファイト、カーボンナノファイバー及びカーボンナノチューブなど
の炭素系材料が含まれる。炭素系材料の平均粒子径は、0.1μm以上10μm以下であ
ることが好ましい。0.1μm以上であると、ガス発生を効果的に抑制することができる
。10μm以下であると、良好な導電ネットワークが得られる。炭素系材料の比表面積は
、10m2/g以上100m2/g以下であることが好ましい。10m2/g以上である
と、良好な導電ネットワークが得られる。100m2/g以下であると、ガス発生を効果
的に抑制することができる。
させるために配合される。結着剤の例には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースプロピル(HPMC)、酢酸セルロース、アンモニウ
ム塩セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(P
VdF)、フッ素系ゴム、及びスチレン−ブタジエンゴム、ポリアルギン酸、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリアクリル酸化合物(例えばアクリル系ゴム及びアクリル系樹脂)、及
びイミド化合物(例えばポリアミドイミド)が含まれる。これらのうちの1種を単独で用
いてもよいし、又はこれらのうちの2種以上の混合物を用いてもよい。
下、2質量%以上30質量%以下及び2質量%以上30質量%以下の割合で配合すること
が好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極合剤層の集電性能を向上
させることができる。また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極合剤層と
負極集電体との結着性が十分となり、優れたサイクル性能を期待できる。一方、導電剤及
び結着剤はそれぞれ28質量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
ある材料が用いられる。負極集電体は、銅、ニッケル、ステンレス又はアルミニウム、或
いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される一以上の元素を含
むアルミニウム合金から作られることが好ましい。負極集電体の厚さは、5μm以上20
μm以下であることが好ましい。このような厚さを有する負極集電体は、負極の強度と軽
量化のバランスをとることができる。また、バイポーラ構造の電極構造に有利となる。
あることが好ましい。負極合剤層の密度がこの範囲内にある負極は、エネルギー密度と電
解質の保持性とに優れている。負極合剤層の密度は、2.1g/cm3以上2.8g/c
m3以下であることがより好ましい。
極合剤層は、電池に組み込まれた電極群においては、電解質、例えば液状非水電解質、ゲ
ル状非水電解質又は固体電解質の一部を保持することもできる。電解質の一部は、例えば
、多孔質の負極合剤層の細孔に保持され得る。この好ましい態様では、負極合剤層がより
優れたイオン伝導性を示すことができる。その結果、より優れた出力性能及びより優れた
サイクル寿命を実現することができる。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリプロピレン(p
olypropylene;PP)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;P
ET)、セルロース及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)のような材料から形成された多
孔質フィルム、合成樹脂製不織布等を用いることができる。好ましい多孔質フィルムはポ
リエチレン又はポリプロピレンから作られ、一定温度において溶融し、電流を遮断するこ
とが可能であるために安全性を向上できる。
非水電解質は、液状非水電解質、ゲル状非水電解質又は固体電解質を含むことができる
。また、それらは合わせて用いることもできる。例えば、液状非水電解質とゲル状非水電
解質の複合物を用いることもできる。
好ましい。
F6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6
)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチ
ルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]のリチウム塩、又はこれらの
混合物を含む。電解質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPF6
が最も好ましい。
ビニレンカーボネートのような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(DEC)、ジ
メチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カー
ボネート;トナートラヒドロフラン(THF)、2メチルトナートラヒドロフラン(2M
eTHF)、ジオキソラン(DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(DME
)、ジエトエタン(DEE)のような鎖状エーテル;又はγ−ブチロラクトン(GBL)
、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)を含む。これらの有機溶媒は、単独又は
混合溶媒の形態で用いることができる。
を添加する。添加量は、例えば電解質重量に対して0.01〜5%の重量比で添加する。
イソシアネート基含有化合物としては、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。ま
たトリアルキルシリル基含有化合物としては、トリメチルシリルホスフェート、トリエチ
ルシリルホスフェート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、などが挙げられる。これら
の添加剤は、特に負極に良好な被膜を形成する。また水酸基と強固な結合を形成する。
か一方又は両方を前記非水電解質中に添加してもよい。
外装部材としては、例えば、ラミネートフィルムからなる容器、又は金属製容器を用い
ることができる。
m以下である。
含む多層フィルムが用いられる。樹脂層は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチ
レン(PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を
含んでいる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなる
ことが好ましい。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより、外装部
材の形状に成形され得る。
であり、更に好ましくは、0.2mm以下である。
ウム合金は、マグネシウム、亜鉛、及びケイ素等の元素を含むことが好ましい。アルミニ
ウム合金は、鉄、銅、ニッケル、及びクロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は10
0ppm以下であることが好ましい。
角型、円筒型、コイン型、又はボタン型等であってもよい。外装部材は、電池寸法に応じ
て、例えば携帯用電子機器等に搭載される小型電池用外装部材、二輪乃至四輪の自動車、
鉄道用車両等の車両に搭載される大型電池用外装部材であってもよい。
負極端子は、上述の負極活物質のLi吸蔵放出電位において電気化学的に安定であり、
かつ導電性を有する材料から形成されることができる。具体的には、負極端子の材料とし
ては、銅、ニッケル、ステンレス若しくはアルミニウム、又は、Mg,Ti,Zn,Mn
,Fe,Cu,及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニ
ウム合金が挙げられる。負極端子の材料としては、アルミニウム又はアルミニウム合金を
用いることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集
電体と同様の材料からなることが好ましい。
正極端子は、リチウムの酸化還元電位に対する電位が3.0V以上4.5V以下の範囲
(vs.Li/Li+)において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成
される。正極端子の材料としては、アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、F
e、Cu及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合
金が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と
同様の材料から形成されることが好ましい。
る。
の拡大断面図を示す。
ルムからなる袋状外装部材2内に収納されている。扁平状の捲回電極群1は、外側から負
極3、セパレータ4、正極5、セパレータ4の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、こ
の積層物をプレス成型することにより形成される。最外層の負極3は、図1に示すように
負極集電体3aの内面側の片面に負極活物質を含む負極合剤層3bを形成した構成を有し
、その他の負極3は、負極集電体3aの両面に負極合剤層3bを形成して構成されている
。正極5は、正極集電体5aの両面に正極合剤層5bを形成して構成されている。
接続され、正極端子7は内側の正極5の正極集電体5aに接続されている。これらの負極
端子6及び正極端子7は、袋状外装部材2の開口部から外部に延出されている。例えば非
水電解質は、袋状外装部材2の開口部から注入されている。袋状外装部材2の開口部をヒ
ートシールすることにより捲回電極群1及び非水電解質を完全密封している。ヒートシー
ルする際、負極端子6及び正極端子7は、この開口部にて袋状外装部材2により挟まれる
。
に限らず、例えば図3及び図4に示す構成にすることができる。図3は、第1の実施形態
に係る別の扁平型非水電解質二次電池を模式的に示す部分切欠斜視図で、図4は図3のB
部の拡大断面図である。
からなる外装部材12内に収納されている。積層型電極群11は、図4に示すように正極
13と負極14とをその間にセパレータ4を介在させながら交互に積層した構造を有する
。正極13は複数枚存在し、それぞれが正極集電体13aと、正極集電体13aの両面に
担持された正極合剤層13bとを備える。負極14は複数枚存在し、それぞれが負極集電
体14aと、負極集電体14aの両面に担持された負極合剤層14bとを備える。各負極
14の負極集電体14aは、一端が正極13から突出している。負極集電体14aの突出
している一端は、帯状の負極端子6に電気的に接続されている。帯状の負極端子6の先端
は、外装部材12から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極13の正極集
電体13aは、一端が負極14から突出している。負極14から突出している正極13a
の一端は、負極集電体14aの突出している一端と反対側に位置する。正極集電体13a
の突出している一端は、帯状の正極端子7に電気的に接続されている。帯状の正極端子7
の先端は、負極端子6とは反対側に位置し、外装部材12の辺から外部に引き出されてい
る。
く、図5に示すようなバイポーラ構造であってもよい。
質二次電池100は、電極群11と、この電極群11を収容している外装部材12とを備
えている。
物質層3bが形成された第1の積層体を含む。第1の積層体が含む負極活物質3b上には
、セパレータ4が形成されている。
集電体8の片面に負極活物質層3bとセパレータ4とがこの順に設けられた積層体である
。第2の積層体が含む集電体8には、正極端子7が電気的に接続されている。図示してい
ないが、正極端子7は、外装部材12から外部に引き出されている。
集電体8の片面に正極活物質5bが設けられた積層体である。第3の積層体が含む集電体
8には、負極端子6が電気的に接続されている。図示していないが、負極端子6は、外装
部材12から外部に引き出されている。
積層体と、第3の積層体とがこの順で積層されて構成されている。第1の積層体の数は、
電池設計に応じて適宜変更することができる。
れた寿命性能、熱安定性及び電気化学的安定性を達成できる。
の実施形態に係る非水電解質二次電池を複数個具備している。
して配置してもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて配置してもよい。
200は、5つの単電池100と、4つのバスバー21と、正極側リード22と、負極側
リード23とを具備している。5つの単電池100のそれぞれは、本実施形態に係る非水
電解質二次電池である。
る単電池100の正極端子7とを接続している。このようにして、5つの単電池100は
、4つのバスバー21により直列に接続されている。すなわち、図6の組電池200は、
5直列の組電池である。
正極端子7は、外部接続用の正極側リード22に接続されている。また、5つの単電池1
00のうち、他方の端部に位置する単電池100の負極端子6は、外部接続用の負極側リ
ード23に接続されている。
正極活物質と(化1)又は(化2)で示される有機アルミニウム化合物を含み、前記有機
アルミニウム化合物に含まれるアルミニウムの重量が、前記正極活物質重量の1%以下で
ある正極と、負極活物質を含む負極と、イソシアネート基含有化合物又はトリアルキルシ
リル基含有化合物含む非水電解質を有する。このような非水電解質二次電池は電極上に被
膜を形成し、電極の劣化を防ぐことができるため、優れた寿命特性を持つことができる。
第2の実施形態に係る電池パックの一例について、図面を参照しながら説明する。
8は、図7に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図である。
と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35と、図示しない絶縁板とを備え
ている。
35とを収容可能に構成されている。蓋32は、収容容器31を覆うことにより、上記組
電池200等を収容する。収容容器31及び蓋32には、図示していないが、外部機器等
へと接続するための開口部又は接続端子等が設けられている。
向の一方の内側面とに配置されている。プリント配線基板34は、収容容器31の短辺方
向の他方の内側面に設置されている。保護シート33は、例えば、樹脂又はゴムからなる
。
粘着テープ24とを備えている。組電池200は、1つの単電池100であってもよい。
数の単電池100の少なくとも1つは、第1実施形態に係る非水電解質二次電池である。
複数の単電池100は、外部に延出した負極端子6及び正極端子7が同じ向きになるよう
に揃えて積層されている。複数の単電池100の各々は、図8に示すように電気的に直列
に接続されている。複数の単電池100は、電気的に並列に接続されていてもよく、直列
接続及び並列接続を組み合わせて接続されていてもよい。複数の単電池100を並列接続
すると、直列接続した場合と比較して、電池容量が増大する。
熱収縮テープを用いて複数の単電池100を固定してもよい。この場合、組電池200の
両側面に保護シート33を配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮
させて複数の単電池100を結束させる。
100の正極端子7に接続されている。負極側リード23の一端は、単電池100の積層
体において、最上層に位置する単電池100の負極端子6に接続されている。
スタ343と、保護回路344と、配線345及び346と、通電用の外部端子347と
、プラス側配線348aと、マイナス側配線348bとを備えている。プリント配線基板
34の一方の主面は、組電池200において負極端子6及び正極端子7が延出した面と向
き合っている。プリント配線基板34と組電池200との間には、図示しない絶縁板が介
在している。
2の他端が挿入されることにより、正極側コネクタ341と正極側リード22とは電気的
に接続される。負極側コネクタ342には、貫通孔が設けられている。この貫通孔に、負
極側リード23の他端が挿入されることにより、負極側コネクタ342と負極側リード2
3とは電気的に接続される。
タ343は、単電池100の各々の温度を検出し、その検出信号を保護回路344に送信
する。
電用の外部端子347は、電池パック300の外部に存在する機器と電気的に接続されて
いる。
44は、プラス側配線348aを介して通電用の外部端子347と接続されている。保護
回路344は、マイナス側配線348bを介して通電用の外部端子347と接続されてい
る。また、保護回路344は、配線345を介して正極側コネクタ341に電気的に接続
されている。保護回路344は、配線346を介して負極側コネクタ342に電気的に接
続されている。更に、保護回路344は、複数の単電池100の各々と配線35を介して
電気的に接続されている。
、サーミスタ343から送信される検出信号、又は、個々の単電池100若しくは組電池
200から送信される検出信号に基づいて、保護回路344と外部機器への通電用の外部
端子347との電気的な接続を遮断する。
定の温度以上であることを検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100若し
くは組電池200から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の過充電、過
放電及び過電流を検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100について過充
電等を検出する場合、電池電圧を検出してもよく、正極電位又は負極電位を検出してもよ
い。後者の場合、参照極として用いるリチウム電極を個々の単電池100に挿入する。
、電子機器、自動車等)に含まれる回路を用いてもよい。
ていることが要求される用途に用いられる。この電池パック300は、具体的には、例え
ば、電子機器の電源、定置用電池、車両の車載用電池又は鉄道車両用電池として用いられ
る。電子機器としては、例えば、デジタルカメラを挙げることができる。この電池パック
300は、車載用電池として特に好適に用いられる。
。したがって、この電池パック300は、通電用の外部端子347を介して、組電池20
0からの電流を外部機器に出力するとともに、外部機器からの電流を、組電池200に入
力することができる。言い換えると、電池パック300を電源として使用する際には、組
電池200からの電流が、通電用の外部端子347を通して外部機器に供給される。また
、電池パック300を充電する際には、外部機器からの充電電流が、通電用の外部端子3
47を通して電池パック300に供給される。この電池パック300を車載用電池として
用いた場合、外部機器からの充電電流として、車両の動力の回生エネルギーを用いること
ができる。
の組電池200は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並
列接続を組み合わせて接続されてもよい。また、プリント配線基板34及び配線35は省
略してもよい。この場合、正極側リード22及び負極側リード23を通電用の外部端子と
して用いてもよい。
ている。それ故、この電池パックは、優れた寿命特性を達成できる。
第3の実施形態によると、車両が提供される。この車両は、第2の実施形態に係る電池
パックを搭載している。
ギーを回収するものである。
電気自動車、及び、アシスト自転車及び鉄道用車両が挙げられる。
車に搭載する場合、電池パックは、車両のエンジンルーム、車体後方又は座席の下に搭載
することができる。
を含んでいる。図9に示す車両400は、四輪の自動車である。
ック300は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接
続を組み合わせて接続されてもよい。
る。電池パック300の搭載位置は、特に限定されない。電池パック300は、車両本体
40の後方又は座席の下に搭載してもよい。この電池パック300は、車両400の電源
として用いることができる。
。図10は、第3の実施形態に係る車両の他の例を概略的に示した図である。図10に示
す車両400は、電気自動車である。
位制御手段である車両ECU(ECU:Electric Control Unit;電気制御装置)42
と、外部端子(外部電源に接続するための端子)43と、インバータ44と、駆動モータ
45とを備えている。
の下に搭載している。なお、図10に示す車両400では、車両用電源41の搭載箇所に
ついては概略的に示している。
と、電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)411と、通信バス412と
を備えている。
。電池パック300aは、組電池200aと組電池監視装置(VTM:Voltage Tempera
ture Monitoring)301aとを備えている。電池パック300bは、組電池200bと
組電池監視装置301bとを備えている。電池パック300cは、組電池200cと組電
池監視装置301cとを備えている。電池パック300a、300b、及び300cは、
それぞれ独立して取り外すことが可能であり、別の電池パック300と交換することがで
きる。
。複数の単電池の少なくとも1つは、第1の実施形態に係る非水電解質二次電池である。
組電池200a〜200cは、それぞれ、正極端子413及び負極端子414を通じて充
放電を行う。
視装置301a〜301cとの間で通信を行い、車両用電源41に含まれる組電池200
a〜200cに含まれる単電池100の電圧、及び温度などに関する情報を収集する。
が接続されている。通信バス412は、1組の通信線を複数のノード(電池管理装置と1
つ以上の組電池監視装置と)で共有するように構成されている。通信バス412は、例え
ばCAN(Control Area Network)規格に基づいて構成された通信バスである。
づいて、組電池200a〜200cを構成する個々の単電池の電圧及び温度を計測する。
ただし、温度は1つの組電池につき数箇所だけで測定することができ、全ての単電池の温
度を測定しなくてもよい。
磁接触器(例えば図10に示すスイッチ装置415)を有することもできる。スイッチ装
置415は、組電池200a〜200cへの充電が行われるときにオンするプリチャージ
スイッチ(図示せず)、及び、電池出力が負荷へ供給されるときにオンするメインスイッ
チ(図示せず)を含んでいる。プリチャージスイッチ及びメインスイッチは、スイッチ素
子の近傍に配置されたコイルに供給される信号によりオン又はオフされるリレー回路(図
示せず)を備えている。
圧に変換する。インバータ44の3相の出力端子は、駆動モータ45の各3相の入力端子
に接続されている。インバータ44は、電池管理装置411、あるいは車両動作全体を制
御するための車両ECU42からの制御信号に基づいて、出力電圧を制御する。
例えば差動ギアユニットを介して車軸及び駆動輪Wに伝達される。
ーキ機構は、車両400を制動した際に駆動モータ45を回転させ、運動エネルギーを電
気エネルギーとしての回生エネルギーに変換する。回生ブレーキ機構で回収した回生エネ
ルギーは、インバータ44に入力され、直流電流に変換される。直流電流は、車両用電源
41に入力される。
411内の電流検出部(図示せず)を介して接続されている。接続ラインL1の他方の端
子は、インバータ44の負極入力端子に接続されている。
415を介して接続されている。接続ラインL2の他方の端子は、インバータ44の正極
入力端子に接続されている。
部電源に接続することができる。
11を協調制御して、車両全体の管理を行なう。電池管理装置411と車両ECU42と
の間では、通信線により、車両用電源41の残容量など、車両用電源41の保全に関する
データ転送が行われる。
ため、第3の実施形態によれば、優れた寿命特性を持つ電池パックを搭載した車両を提供
することができる。
以下に実施例を説明するが、実施形態は、以下に掲載される実施例に限定されるもので
はない。
以下の手順で非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、リチウムニッケル複合酸化物(LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2)粉
末90重量部、導電剤として、アセチレンブラック10重量部、結着剤として、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)10重量部をN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合し
、スラリーを調製した。このスラリー中に、ジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトア
セトナートを0.18重量部を混合した。厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体
の両面に塗布し、120℃の恒温槽内で乾燥してプレスすることにより正極を得た。(一
度目の乾燥)
負極活物質として、チタン酸リチウム粉末90重量部を、導電剤としてアセチレンブラ
ックを10重量部を、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を10重量部をN
−メチルピロリドン(NMP)とを混合し、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ
15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、120℃の恒温槽内で乾燥し
てプレスすることにより、負極を得た。
セパレータとして、厚さ25μmのポリエチレン製の不織布を用いた。
積層体を渦巻き状に捲回した。これを80℃で加熱プレスすることにより偏平状電極群を
作製した。得られた電極群を、ナイロン層/アルミニウム層/ポリエチレン層の3層構造
を有し、厚さが0.1mmであるラミネートフィルムからなるパックに収納し、80℃で
16時間、真空中で乾燥した。(二度目の乾燥)
プロピレンカーボネート(PC)及びジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体
積比率1:2)に、電解質としてLiPF6を1mol/L溶解し、さらに添加剤として
ヘキサメチレンジイソシアネートをこの電解質に対して重量で1%溶解させることで非水
電解質を得た。電解質の調整は、アルゴンボックス内で実施した。
ートシールにより完全密閉した。これにより、非水電解質二次電池を得た。
非水電解質二次電池を作製後、前述したICP法で、正極活物質に対する正極が含有する
アルミニウム元素の総量を確認し、活物質に対する重量%を確認した。
いて分析したところジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトアセトナートが検出され、
有機アルミニウム化合物として電極中に存在することを確認した。また、電極のTEM観察
により、活物質表面、及び導電剤表面にもアルミニウム元素が存在していることを確認し
た。
る。また、表3、表4では比較例1〜24の結果を示している。表1、表3には、正極に
添加した有機アルミニウム化合物、非水電解質中の添加剤を示した。表2、表4には、活
物質に対するアルミニウム元素の総量、25℃において200回充放電を行った後の容量
維持率を示した。
実施例1とはジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトアセトナートを含まないこと以
外は同様に電極を作製し、非水電解質二次電池を得た。
実施例1とはジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトアセトナート及び電解質の添加
剤であるヘキサメチレンジイソシアネートを含まないこと以外は同様に電極を作製し、非
水電解質二次電池を得た。
実施例1で用いたジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトアセトナートの代わりに、
アルミニウムトリ2−ブトキシドを用いたこと以外は同様にスラリーを調整したが、20
分ほどでスラリーがゲル化して、電極を製造することはできなかった。
実施例1で用いたジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトアセトナートの代わりに、
アルミニウムトリスアセチルアセトナートを用いたこと以外は同様に電極を作製し、非水
電解質二次電池を得た。
(実施例2〜7、比較例5)
例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(実施例8〜21、比較例6〜19)
外は同様に電極を作製した。
(実施例22〜26、比較例20〜24)
添加により200サイクルの容量維持率が改善していることが確認できる。また比較例3
のアルミニウムトリスアセチルアセトナート添加と比較しても維持率が改善されている。
これは、ジ2−ブトキシアルミニウムエチルアセトナートが活物質及び導電剤表面に被覆
され、かつ120℃という乾燥条件において適度に分解されて被膜を形成しているからと
推測される。また実施例2〜4、比較例4を比較すると、活物質に対するアルミニウム元
素としての添加量が0.9%までは容量維持率が改善しているものの、これ以上添加量を
増やした比較例4では維持率が悪くなった。また、実施例5〜7で有機アルミニウム化合
物の種類を他の物質にしたものでも同様のサイクル後の容量維持率の改善が確認できた。
善が確認できた。実施例16〜21では、負極の活物質を変化させても同様のサイクル後
の容量維持率の改善が確認できた。実施例22〜26では、有機アルミニウム化合物を添
加しない比較例20〜24と比べてサイクル後の容量維持率の改善が確認できた。以上に
説明された少なくとも一つの実施形態及び実施例によると、非水電解質二次電池が提供さ
れる。この非水電解質二次電池は、正極活物質と(化1)又は(化2)で示される有機ア
ルミニウム化合物を含み、前記有機アルミニウム化合物に含まれるアルミニウムの重量が
、前記正極活物質重量の1%以下である正極と、負極活物質を含む負極と、イソシアネー
ト基含有化合物又はトリアルキルシリル基含有化合物含む非水電解質を有する非水電解質
二次電池である。
極の活物質と電解質との反応を抑制し、電極の劣化を抑制することができ、より寿命特性
に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は
、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、
種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の
範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含
まれる。
4…セパレータ、5…正極、5a…正極集電体、5b…正極合剤層、6…負極端子、7…
正極端子、8…集電体、11…積層型電極群、12…外装部材、13…正極、13a…正
極集電体、13b…正極合剤層、14…負極、14a…負極集電体、14b…負極合剤層
、21…バスバー、22…正極側リード、23…負極側リード、24…粘着テープ、31
…収容容器、32…蓋、33…保護シート、34…プリント配線基板、35…配線、40
…車両本体、41…車両用電源、42…電気制御装置、43…外部端子、44…インバー
タ、45…駆動モータ、100…非水電解質二次電池、200…組電池、200a…組電
池、200b…組電池、200c…組電池、300…電池パック、300a…電池パック
、300b…電池パック、300c…電池パック、301a…組電池監視装置、301b
…組電池監視装置、301c…組電池監視装置、341…正極側コネクタ、342…負極
側コネクタ、343…サーミスタ、344…保護回路、345…配線、346…配線、3
47…通電用の外部端子、348a…プラス側配線、348b…マイナス側配線、400
…車両、411…電池管理装置、412…通信バス、413…正極端子、414…負極端
子、415…スイッチ装置、L1…接続ライン、L2…接続ライン、W…駆動輪。
Claims (14)
- 前記有機アルミニウム化合物の酸化物が、前記正極活物質の表面に付着し、前記酸化物に前記イソシアネート基含有化合物又は前記トリアルキルシリル基含有化合物が化学的に結合されてなる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極活物質が、リチウムを含有した二酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅及び酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、オリビン型リチウムリン酸化物、硫酸鉄、バナジウム酸化物及びリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む請求項1又は2記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極活物質が、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウム、ラムスデライト型の結晶構造を有するチタン酸リチウム、アナターゼ型の結晶構造を有するチタン酸化物、単斜晶型の結晶構造を有するチタン酸化物、単斜晶型の結晶構造を有するニオブチタン複合酸化物、及び斜方晶型の結晶構造を有するニオブ含有複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記有機アルミニウム化合物に含まれるアルミニウムの重量が、前記正極活物質重量の0.001〜1%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記有機アルミニウム化合物に含まれるアルミニウムの重量が、前記正極活物質重量の0.005〜0.2%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記非水電解質が、液状電解質、ゲル状電解質又は固体電解質を含む請求項1〜6いずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 請求項1〜7いずれか1項に記載の非水電解質二次電池を具備した電池パック。
- 通電用の外部端子と、保護回路とを更に含む請求項8に記載の電池パック。
- 複数の前記非水電解質二次電池を具備し、前記非水電解質二次電池が、直列、並列、又は直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている請求項8又は9に記載の電池パック。
- 請求項8〜10のいずれか1項に記載の電池パックを搭載した車両。
- 前記車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構を含む、請求項11に記載の車両。
- 請求項13に記載の方法で製造された電極群を外装材に収納する工程と、
前記外装材内にイソシアネート基含有化合物又はトリアルキルシリル基含有化合物を含む非水電解質を注入する工程と、
を備える非水電解質二次電池の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2017205542A JP6860466B2 (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 非水電解質二次電池、電池パック、車両、電極群の製造方法及び非水電解質二次電池の製造方法 |
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JP2017205542A JP6860466B2 (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 非水電解質二次電池、電池パック、車両、電極群の製造方法及び非水電解質二次電池の製造方法 |
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