JP6860307B2 - 画像処理装置およびその方法、並びに、画像形成装置 - Google Patents

画像処理装置およびその方法、並びに、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、形成する画像の光沢の制御に関する。
水に溶解し易い染料を色材に用いた染料インクを画像形成に用いると、溶媒中の色材が記録媒体の繊維内に浸透し、画像形成後も記録媒体の表面形状が維持され、記録媒体自体の光沢が記録画像の光沢として維持される。ただし、染料分子は光によって分解し易く、染料インクを用いた記録画像は褪色し易い。また、染料インクを用いた印刷物が水に濡れると、繊維に浸透した染料分子が水に溶解するため、記録画像に滲みが発生する。
これら染料インクの問題を解決するために、近年、色材として顔料を用いた顔料インクが画像形成に利用されている。溶媒中に分子として存在する染料と異なり、顔料は数10nmから数μmの大きさの粒子として溶媒中に存在するため、顔料インクを用いると耐候性の高い印刷物が得られる。顔料は、記録媒体内に浸透し難く、記録媒体の表面に付着し、記録画像の表面に凹凸を形成し、顔料インクを用いた印刷物の光沢は記録媒体自体の光沢とは異なる。さらに、顔料インクに用いる樹脂や顔料自体の特性から、顔料インクを用いた記録画像の表面反射率は、染料インクを用いた記録画像に比べて大きくなる。
また、印刷物において、光沢の違いを利用して装飾効果を得る技術が開発されている。例えば、特許文献1は、領域ごとに、または、オブジェクトごとに光沢を変化させて、装飾効果を得る発明を開示する。近年、顔料インクを用いた印刷物においても、光沢の違いを利用することで装飾効果を得ようとする技術が開発されている。
特許文献1の技術によれば、オブジェクトごとに設定された光沢度に基づき、光沢材である透明トナーの使用量を決定して所望の光沢を得る。しかし、光沢の制御範囲は、光沢材の使用量のみで制御可能な範囲に限られ、例えば、光沢材を使用しない領域については光沢を全く制御することができない。
また、装飾効果を得る目的ではないが光沢を制御する技術として、特許文献2は、相対的に光沢の高い高明度領域においてインクを同じ位置に記録し、記録画像の表面の凹凸を助長して光沢を低下させる発明を開示する。しかし、この方法によれば、相対的に光沢が低くなる傾向にある低明度領域の光沢を増加するなどの制御はできない。
このように、顔料インクを用いた印刷物においては、光沢の違いを利用して装飾効果を得ようとしても、光沢の制御範囲の制限により、充分な装飾効果が得られない。
特開2002-331708号公報 特開2010-284951号公報
JIS H 8686-1「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法-第1部:視感測定方法」 ISO 13803「Paints and varnishes」 ASTM E430「Standard Test Methods for Measurement of Gloss of High-Gloss Surfaces by Abridged Goniophotometry」 JIS Z 8741「鏡面光沢度−測定方法」
本発明は、印刷物における光沢の制御を目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明にかかる画像処理は、記録媒体上に画像を形成するための信号を生成する画像処理装置であって、
前記画像を形成するための濃記録材の画素ごとの使用量を表す第一の記録材量信号と、前記画像の光沢を表す光沢画像データと、を入力する入力手段と、
前記第一の記録材量信号が表す前記濃記録材の画素ごとの使用量の一部を、前記画像における画素ごとの記録材の使用量の総和が前記光沢画像データに応じた量となるように、前記濃記録材よりも濃度が低い淡記録材の使用量に置き換えた第二の記録材量信号を生成する色分解手段と、を有し、
前記画像の光沢は、前記淡記録材のドットの配置に応じて形成される凹凸により制御される。
本発明によれば、印刷物における光沢の制御が可能になる。例えば、印刷物における光沢の制御範囲が拡大し、印刷物により高い装飾効果を付与することができる。
記録媒体上に顔料の記録材が積層した状態を模式的に示す図。 実施例1の画像処理装置の構成例を示すブロック図。 第一色分解処理部が参照する色分解テーブルの一例を示す図。 情報処理装置の構成例を示すブロック図。 画像処理装置による画像形成データの生成処理を説明するフローチャート。 第二色分解処理部が参照する光沢制御テーブルの一例を示す図。 パス分解処理を説明する図。 K"信号のパス分解データを1ビットの駆動信号に量子化するハーフトーン処理用の4×4ディザマトリクスの一例を示す図。 K"値のパス分解データのハーフトーン処理結果を示す図。 Gy"値のパス分解データのハーフトーン処理を説明する図。 実施例2の画像処理装置の構成例を示すブロック図。 光沢制御変換およびパス分解処理を説明する図。 R"値のパス分解データのハーフトーン処理結果を示す図。 Y"M"値のパス分解データのハーフトーン処理結果を示す図。 実施例3の画像処理装置の構成例を示すブロック図。 CL値の決定およびパス分解処理を説明する図。 ハーフトーン処理を説明する図。 実施例3の画像処理装置による画像形成データの生成処理を説明するフローチャート。 実施例4の画像処理装置の構成例を示すブロック図。 光沢制御変換およびパス分解処理を説明する図。 Gy記録材のハーフトーン処理を説明する図。 Lgy記録材のハーフトーン処理を説明する図。 BK系記録材の最終的なドット配置を示す図。
以下、本発明にかかる実施例の画像処理装置および画像処理方法を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例は特許請求の範囲にかかる本発明を限定するものではなく、また、実施例において説明する構成の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須とは限らない。
[概要]
図1により記録媒体上に顔料の記録材が積層した状態を模式的に示す。図1(a)は、所定領域の全エリアにブラック(K)の記録材によって画像が形成された状態を示す。本実施例において、エリアとは、ドットのオンオフが制御可能な最小単位を表す。
図1(b)は、K記録材とグレイ(Gy)記録材の組み合わせによって画像が形成された状態を示し、再現される色は図1(a)の場合と等しい。図1(b)において、あるエリアはK記録材が一層だが、別のエリアはGy記録材が二層重なっている。つまり、図1(a)(b)に示すように、使用する記録材または記録材の組み合わせ、記録材の使用量、記録材の積層状態によって、同一色を再現しながら所定領域の画像表面の凹凸を変化させることができる。
記録材自体が有する微小な凹凸や、上面から見たドットの形状がほぼ円形であることに由来して、図1(a)の場合も画像の表面が完全な平滑にはならないものの、比較的平滑である。一方、図1(b)の場合は、エリアによって記録材層の厚さが違い、図1(a)と比較すれば平滑性が低下する。つまり、図1(b)の画像は、図1(a)の画像と同じ発色であるが、図1(a)の画像よりも低光沢になる。
つまり、光沢信号が示す光沢が低いほど、相対的に濃度が高い記録材(以下、濃記録材)を相対的に濃度が低い記録材(以下、淡記録材)に置き換え、淡記録材を重ねて色を再現することで画像の表面の凹凸を増やせば、光沢の制御が可能になる。
以下、記録材の積層状態とは、何色の記録材と何色の記録材がどのような順序で積層しているかを示す。また、以下では、n層(nは自然数)の第一の記録材(例えばK記録材)の発色と、m層(mは自然数、n<m)の第二の記録材(例えばGy記録材)の発色が等しいと見做せる記録材の組み合わせが前提になる。
さらに、第一および第二の記録材よりも濃度が低い第三の記録材(例えばライトグレイ(Lgy)記録材)を用いることも可能である。勿論、ブラック系記録材の組み合わせに限らず、シアン(C)記録材と淡シアン(Lc)記録材、マゼンタ(M)記録材と淡マゼンタ(Lm)記録材の組み合わせも利用可能である。以下では、説明を簡単にするため、K記録材とGy記録材の組み合わせを中心に説明を行う。
[装置の構成]
図2のブロック図により実施例1の画像処理装置12の構成例を示す。図2において、入力部101は、印刷対象の画像の各画素の色を表す色画像データRGB、および、印刷対象の画像の各画素の光沢写像性を表す光沢画像データGlを情報処理装置11から入力する。
入力部101は、入力データ(色画像データRGBおよび光沢画像データGl)の解像度と、画像形成装置13の記録解像度が異なる場合、両者の解像度を一致させる解像度変換を行う。入力データの解像度が600ppi、記録解像度が主走査方向2400dpi、副走査方向1200dpiの場合、例えばバイキュービック法などの解像度変換により、入力データを主走査方向2400dpi、副走査方向1200dpiのデータに変換する。
色画像データRGBおよび光沢画像データGlは、コンピュータ装置である情報処理装置11において稼働する各種アプリケーションによって作成、編集または加工されたデータであり、色画像データRGBは例えばsRGBデータである。色画像データRGBおよび光沢画像データGlは、情報処理装置11に限らず、画像入力デバイス、メモリカードなどの記録メディア、ウェブサイトなどから取得してもよい。また、入力部101としては、USBのようなシリアルバスインタフェイス、有線または無線LANのようなネットワークインタフェイスが利用可能である。
カラーマッチング部102は、ルックアップテーブル(LUT)形式のカラーマッチングテーブル103を参照して、sRGBデータを画像形成装置13の色域にマッピングしたR'G'B'信号を出力する。R'G'B'信号は例えば各色8ビットの信号である。カラーマッチングテーブル103として記録媒体の種類や画像形成の目的に応じた複数のテーブルが用意され、ユーザは、適切なテーブルの選択が可能である。
第一色分解処理部104は、LUT形式の色分解テーブル105を参照して、カラーマッチング部102が出力するR'G'B'信号を色材量信号CMYKに変換する。色材量信号CMYKは、画像形成装置13が備えるシアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの濃記録材の使用量を示し、CMYK信号は例えば各色8ビットの信号である。以上の処理により、色画像データRGBは印刷データCMYKに変換される。
例えば、色材量信号CMYKが(0, 20, 100, 255)の場合、CMYK色材の各ドットはそれぞれ0/255、20/255、100/255、255/255の確率で記録される。言い替えれば、画素数nの画像において、0/255×n個のCドット、20/255×n個のMドット、100/255×n個のYドット、255/255×n個のKドットが記録される。例えば、16×16画素(n=256)すべての色材量信号CMYKが(0, 20, 100, 255)の画像の場合、0個のCドット、20個のMドット、100個のYドット、256個のKドットが記録される。
図3により第一色分解処理部104が参照する色分解テーブル105の一例を示す。色分解テーブル105は、例えば、R'G'B'それぞれが0、16、32、48、64、80、96、112、128、144、160、176、192、208、224、240、255の17値の何れかである173=4913の格子点を示す。そして、各格子点のR'G'B'値(入力値)に対応する色材量信号値(出力値)が色分解テーブル105に格納される。
第二色分解処理部106は、第一色分解処理部104が出力するCMYK信号および光沢画像データGlを入力し、光沢画像データGlに基づきCMYK信号を淡記録材の信号値を含むC'M'Y'K'LcLmGy信号に変換する。詳細は後述するが、第二色分解処理部106は、光沢画像データGlが示す光沢値が低いほど、C'M'Y'K'LcLmGy信号の合計値がCMYK信号の合計値よりも大きくなる変換を行う。
上述したように、再現する光沢が低いほど記録画像の表面の凹凸を増やすために、記録材の積層数を増やす必要がある。従って、光沢値が低いほど濃記録材の使用量を淡記録材に対応する使用量に置き換える変換を行う。以下、第二色分解処理部106によるこの変換を「光沢制御変換」と呼ぶことにする。
第一色分解処理部104と第二色分解処理部106の二種類の色分解処理を行う理由は、装飾印刷を行なわない場合、つまり光沢画像データGlが入力されていない場合は光沢制御変換を行なわず、CMYK信号をそのまま移行の処理に使用するためである。言い替えれば、第二色分解処理部106は、光沢画像データGlが入力されない場合、CMYK信号をスルーパスする。
パス分解部108は、第二色分解処理部106が出力するC'M'Y'K'LcLmGy信号を、マルチパス記録を行う画像形成装置13の各記録走査(パス)に割り当てるパス分解処理を行う。マルチパス記録の詳細については説明を省略する。詳細は後述するが、記録画像の表面の凹凸を制御するために光沢値に基づき同じ淡記録材の積層を行うため、同一領域に同一記録材を記録する必要があり、複数回の記録走査によってこれを実現する。
ハーフトーン処理部109は、詳細は後述するが、パス分解処理後のCiMiYiKiLciLmiGyiについてドット配置を決定する処理を行い、画像形成装置13の記録ヘッドの各記録素子を駆動する駆動データを生成する。
出力データバッファ110は、ハーフトーン処理部109が出力する駆動データを画像形成データとして格納する。出力データバッファ110に格納された画像形成データは、画像形成装置13の画像形成動作に同期して、出力部111を介して画像形成装置13に出力される。出力部111としては、USB、eSATA、PCI、PCIe(登録商標)などの汎用インタフェイスや専用インタフェイスが利用可能である
[画像形成装置と情報処理装置]
画像形成装置13の構成の詳細は省略するが、画像形成装置13は、記録媒体に対して記録ヘッドを相対的に縦横に移動して、画像形成データが表す各色材の二値画像を記録媒体上に記録する。また、画像形成装置13は、記録媒体上を記録ヘッドによって複数回走査して画像を完成させるマルチパス記録方式を採用し、記録ヘッドの往路走査と復路走査の何れにおいても記録動作を行う所謂双方向印刷方式を採用する。また、前述したように、画像形成装置13は、複数の記録素子を用いて、記録媒体の同一領域を同一の記録材により複数回、記録走査することが可能である。
図4のブロック図により情報処理装置11の構成例を示す。CPU171は、RAM173をワークメモリとして、ROM172や記憶部179に格納されたOSや各種プログラムを実行し、システムバス178を介して後述する各部を制御する。
記憶部179は、例えばSATAインタフェイス(I/F)176を介してシステムバス178に接続されるHDD、SSD、フラッシュメモリなどである。汎用I/F175は、USBなどのシリアルバスインタフェイスであり、マウスやキーボードなどの入力デバイス14、画像形成装置13、記録メディア用の汎用ドライブ17などが接続される。
CPU171は、入力デバイス14を介してユーザが指定するプログラムを記憶部179からRAM173にロードし、当該プログラムを実行してビデオカード(VC)174に接続されたモニタ16にユーザインタフェイスを表示する。ユーザは、当該ユーザインタフェイスを利用して、画像処理装置12に入力する色画像データや光沢画像データの選択、作成、編集を行う。なお、色画像データや光沢画像データまたはそれら画像データの基になるデータが記憶部179や汎用ドライブ17の記録メディアに格納されている。
ネットワークインタフェイスカード(NIC)177は、情報処理装置11を有線LANまたは無線LANなどのネットワーク15に接続するためのネットワークインタフェイスである。情報処理装置11が実行するプログラム、色画像データや光沢画像データまたはそれら画像データの基になるデータはネットワーク上のサーバ装置に格納されていてもよい。
画像処理装置12の処理および機能は、情報処理装置11が実行する画像形成装置13用のプリンタドライバによって実現可能である。勿論、画像処理装置12をハードウェアとして画像形成装置13に組み込むことも可能である。あるいは、画像処理装置12の一部である入力部101、カラーマッチング部102、第一色分解処理部104をプリンタドライバによって実現し、第二色分解処理部106以降をハードウェアとして画像形成装置13に組み込むことも可能である。
[画像処理]
図5のフローチャートにより画像処理装置12による画像形成データの生成処理を説明する。入力部101は、色画像データRGBと光沢画像データGlを入力する(S501)。カラーマッチング部102は、入力された色画像データRGBを画像形成装置13に依存する色信号R'G'B'に変換するカラーマッチング処理を実行する(S502)。
第一色分解処理部104は、色信号R'G'B'を記録材量信号CMYKに変換する第一色分解処理を実行する(S503)。第二色分解処理部106は、入力された光沢画像データGlに基づき、記録材量信号CMYKを淡記録材の信号値を含む記録材量信号C'M'Y'K'LcLmGyに変換する第二色分解処理を実行する(S504)。
パス分解部108は、記録材量信号C'M'Y'K'LcLmGyをマルチパス記録するためのパス分解処理を実行する(S505)。ハーフトーン処理部109は、パス分解処理結果から画像形成装置13の各記録素子を駆動する駆動データに変換するためのハーフトーン処理を実行する(S506)。
出力部111は、画像形成装置13の画像形成動作に同期して、出力データバッファ110に格納された画像形成データを画像形成装置13に出力する(S507)。画像形成データは、画像全体または記録走査のバンド幅分などの単位で出力される。また、ステップS501からS506の処理は画素単位に繰り返し実行される。
[第二色分解処理部]
前述したように、第二色分解処理部106は、光沢画像データGlに基づき、第一色分解処理部104の出力である色材量信号CMYKを淡記録材の信号値を含む記録材量信号C'M'Y'K'LcLmGyに変換する。その際、光沢画像データGlが示す光沢値が低いほど、C'M'Y'K'LcLmGy信号の合計値がCMYK信号の合計値よりも大きくなる変換を行うことで、記録材の積層数を増やして記録画像の表面の凹凸を増やし、記録画像が再現する光沢を低下させる。
光沢値としては、試料表面に映り込んだ物体の像の鮮明度を測定する写像性試験方法(非特許文献1)に規定された像明瞭性の値Cを用いて説明を行う。なお、以下の説明においては、像明瞭性の値Cとシアン材量値Cの混乱を避けるため、光沢値をGlと表記する。像鮮明度を変化させることにより印刷物に装飾効果を与えられることが確認されており、記録画像の表面の凹凸を制御することにより像鮮明度の制御が可能である。その他、試料表面の曇り具合を測定するヘイズ測定方法(非特許文献2、3)に規定される反射ヘイズや、鏡面光沢度の測定方法(非特許文献4)に規定される鏡面光沢度など、試料の光沢の程度を示す指標であれば利用可能である。
上記指標は何れも、記録画像の表面の凹凸が変化すると異なる値を示す指標である。ただし、上記指標のうち、反射ヘイズのみ値が大きくなるほど光沢が低くなる指標である。以下では、値が大きいほど光沢が高くなる光沢値を説明するため、反射ヘイズを用いる場合は逆数を扱うなどの処理が必要である。また、これら指標は、画像観察者が感じる光沢感と線形関係にない場合があり、ユーザが光沢画像データGlを生成する際に、光沢値と光沢感の関係が直観的に理解され易いように、光沢値として用いる指標に基づく適切な変換を行うことが好ましい。
図6により第二色分解処理部106が参照する光沢制御テーブル107の一例を示す。光沢制御テーブル107は、例えば、CMYKそれぞれについて0、32、64、96、128、160、192、224、255の九値の何れかと、CMYK値の一つの組み合わせに対して五つの光沢値Glが規定され、93×5=3645の格子点を示す。光沢値Glとしては、例えば60、55、50、45、40が規定される。そして、各格子点のCMYKGl値(入力値)に対応する色材量信号値(出力値)が光沢制御テーブル107に格納される。
例えば、CMYK=(0, 0, 0, 255)において光沢値Glが変化すると出力値が変化し、Gl値が低い値になるほどK記録材の使用量がGy記録材に対応する使用量に置き換えられ、Gy値が増加する。また、本実施例では、Gy記録材の積層数を二層として説明を行うが、第二色分解処理部106の処理結果には、この積層数が考慮されている。Gy値を2で除算した値とK'値を合計すると、光沢値Glに依らず合計値は256になる。ただし、Gy=0になるGl=60の場合のみ合計値は255になる。
第二色分解処理部106は、入力されるCMYKGl値が光沢制御テーブル107の格子点の値であれば、当該格子点に記録された色材量信号C'M'Y'K'LcLmGyを出力する。また、入力されるCMYKGl値が光沢制御テーブル107の格子点間の値であれば、当該値を囲む格子点に記録された値を用いる補間処理により色材量信号C'M'Y'K'LcLmGyを出力する。
図6の例において、画像形成装置13による光沢再現範囲は40≦Gl≦60である。つまり、光沢の上限値(図6の例では60)を超える光沢値と、下限値(図6の例ではGl<40)未満の光沢値に相当する光沢は再現が難しい。なお、再現不可能な光沢値が入力された場合、情報処理装置11のアプリケーションが警告を発することが好ましい。
再現不可能なGl値が入力された場合、第二色分解処理部106は、当該Gl値を上限値または下限値にクリッピングして、Gl値を光沢再現範囲に収めて第二色分解処理を行う。つまり、Gl値が光沢再現範囲の上限値以下の場合、CMYK信号が示す濃記録材の使用量のうちGl値に応じた使用量が、淡記録材に対応する使用量に置き換えられ、C'M'Y'K'LcLmGy信号値の総和がCMYK信号値の総和よりも大きくなる。使用量の置き換えは、Gl値が光沢再現範囲の上限値以下の場合に行われ、使用量の置き換えにおける置換量はGl値の減少に従い増加する。
第二色分解処理部106が多次元LUTを用いる例を説明したが、第二色分解処理部106は、下式を用いて第二色分解処理を行ってもよい。
if (Gl>60) Gl = 60;
if (Gl<40) Gl = 40;
if (C<255){
C' = C - Wc/×(Glm - Gl);
}else{
C' = C +1 - Wc/×(Glm - Gl);

if (C'>255) C' = 255;
if (C'<0) C' = 0;
if (M<255){
M' = M - Wm/×(Glm - Gl);
}else{
M' = M + 1 - Wm/×(Glm - Gl);

if (M'>255) M' = 255;
if (M'<0) M' = 0;
Y' = Y;
if (K<255){
K' = K - Wk/×(Glm - Gl);
}else{
K' = K + 1 - Wk/×(Glm - Gl);

if (K'>255) K' = 255;
if (K'<0) K' = 0;
Lc = Nlc×Wc/×(Glm - Gl);
Lm = Nlm×Wm/×(Glm - Gl);
Gy = Ngy×Wk/×(Glm - Gl); …(1)
ここで、Glmは光沢再現範囲の上限値、
Wc、Wm、WkはC、M、Kの値に依存した重み係数、
Nlc、Nlm、Ngyは積層数。
淡記録材の積層数(または使用量)を変化させた印刷物を測色して、濃記録材の使用量に対してほぼ同じ濃度が得られる淡記録材の積層数(または使用量)を、KからGy、CからLc、MからLmへ置き換える場合の淡記録材の積層数とすればよい。あるいは、各記録材を一層(または等量)記録した印刷物の測色値から下式によって、積層数を求めてもよい。
まず、K記録材またはGy記録材を一層(または等量)、記録媒体に記録した画像の反射率R'(K)またはR'(Gy)は下式で表すことができる。
R'(K) = R(K)×Rp;
R'(Gy) = R(Gy)×Rp; …(2)
ここで、R(K)はK記録材単体の反射率、
R(Gy)はGy記録材単体の反射率、
Rpは記録媒体自体の反射率。
式(2)においてR'(K)、R'(Gy)、Rpは測定可能であるから、反射率R(K)およびR(Gy)は計算可能である。また、記録媒体にGy記録材をNgy回積層した場合の反射率R'(Gy_Ngy)は下式で表すことができる。
R'(Gy_Ngy) = R(Gy)Ngy×Rp; …(3)
従って、R'(K)=R'(Gy_Ngy)を得るための積層数Ngyは下式により表される。
Ngy = log{R(K)}/log{R(Gy)}; …(4)
なお、式(4)によって算出されるNgyに最も近い自然数を積層数に設定すればよい。また、重み係数Wc、Wm、Wkは、濃記録材を淡記録材に置き換える割合(面積率)を変化させた印刷物の光沢値Glを測定することによって設定可能である。
●Ly記録材
上記は、Y記録材に対応する淡記録材であるライトイエロー(Ly)記録材が画像形成装置13に未搭載の場合を前提にしているため、Y'=Yとして説明を行った。Y記録材は濃度が低く、Ly記録材の使用は一般的ではないためである。しかし、C=0、M=0、Y>0、K=0の領域において光沢を制御することができないため、Ly記録材を画像形成装置13に搭載することが好ましい。この場合のY値からLy値の置き換えは下式に従う。
if (Y<255){
Y' = Y - Wy/×(Glm - Gl);
}else{
Y' = Y + 1 - Wy/×(Glm - Gl);

if (Y'>255) Y' = 255;
if (Y'<0) Y' = 0;
Ly = Nly×Wy/×(Glm - Gl); …(5)
ここで、Glmは光沢再現範囲の上限値、
WyはYの値に依存した重み係数、
Nlyは積層数。
[パス分解部]
パス分解部108は、第二色分解処理部106が出力するC'M'Y'K'LcLmGy信号を各記録走査(パス)に割り当てるパス分解処理を行う。
マルチパス記録方式について簡単に説明する。インクジェット記録方式には、印刷幅分の記録素子を備える記録ヘッドを用いて、記録媒体のみを副走査方向に移動(紙送り)して画像を記録するライン型がある。また、ライン型の記録ヘッドより少ない数の記録素子を備える記録ヘッドを用いて、記録ヘッドの主走査方向への移動(記録主走査)と紙送りとを交互に繰り返して、順次、画像を記録するシリアル型がある。記録主走査は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを記録媒体に対して移動走査することであり、紙送りとは記録主走査に直交する方向に記録媒体を所定長ずつ搬送することである。
記録ヘッドに備わる記録素子の配列密度と数によって、一回の記録主走査で記録する領域の幅が決まる。一回の記録走査で画像を記録すると、記録素子の製造誤差、記録主走査による記録ヘッド周辺の気流などの影響により、記録材が記録媒体に到達する位置のばらつきが発生し、「バンディング」と呼ばれる濃淡の条が発生して画像品位を劣化させる。
上記の問題を軽減して画像品位を高めるために、マルチパス記録方式が採用される。本実施例においては、記録画像の表面の凹凸を制御するために淡記録材を積層する。従って、同じ領域に同一記録材を記録する必要があり、複数回の記録走査によって、これを実現するマルチパス記録を行う。
マルチパス記録方式においては、複数回の記録主走査によって画像を完成させるため、記録可能な画像形成データのすべてが一回の記録主走査において記録されることはない。図7によりパス分解処理を説明する。図7(a)は記録走査ごとの記録率を示す記録率テーブル例を示す。C'M'Y'K'LcLmGy信号の値は、記録率テーブルに従って、各記録走査(パス)に割り当てられる。言い替えれば、信号値に記録率を乗算した値が各パスにおける記録材の使用量になる。
後段のハーフトーン処理における単位領域が例えば4×4ドットの場合、4×4ドットによって再現可能な階調数は16である。この場合、パス分解部108は、各色8ビットのC'M'Y'K'LcLmGy信号を0-15を表す各色4ビットの信号に変換する。図7(b)は第二色分解処理後のK'Gy値(各色8ビット)の上位4ビットをとって各色4ビットの信号に変換した結果を示す。
図7(c)は4ビットに変換後のK"Gy"値を記録率に基づいて各パスに割り当てたパス分解データを示し、パス分解部108の出力を示す。パス分解部108は、C'M'Y'K'Lc'Lm'Gy'信号をi番目のパスのパス分解データであるCiMiYiKiLciLmiGyiに変換する。
パス分解部108は、第1パスから順に記録率テーブルに従いパス分解データを決定するが、剰余については次パスへ伝播する誤差拡散処理に類似する処理を行う。つまり、注目パスにおける誤差(剰余)を次のパスに伝播して、誤差を加算した信号値と次のパスの記録率により当該パスのパス分解データを決定する。また、4ビットの信号値が0xF=15の場合、パス分解部108は、当該信号値を「16」としてパス分解処理を行う。なお、図7(b)(c)には参考のためにGl値を併記するが、Gl値がパス分解部108の処理に直接関係しないことは言うまでもない。
[ハーフトーン処理部]
ハーフトーン処理部109は、パス分解データCiMiYiKiLciLmiGyiに対するドット配置を決定する。つまり、ハーフトーン処理部109は、記録材ごとに、パス分解データからオンドットの記録位置を示す1ビットの記録信号を生成する。記録信号は、出力部111を介して、画像形成装置13の各記録素子の駆動信号(各1ビット)として出力される。
●濃記録材
図8によりK"信号のパス分解データを1ビットの駆動信号に量子化するハーフトーン処理用の4×4ディザマトリクスの一例を示す。つまり、ハーフトーン処理部109は、図8に示すディザマトリクスを用いて、K記録材の各パスのドット配置を決定する。
第1パスにおいて、ハーフトーン処理部109は、初期のディザマトリクス(図8(a))の値が最小のセルから順に、パス分解データに等しい値をもつセルまでの記録信号を‘1’(ドットオン)とし、他のセルの記録信号を‘0’(ドットオフ)にする。
そして、ハーフトーン処理部109は、ディザマトリクスの各セルの値から1パス目のパス分解データ分を減算する。もし、値が0以下になったセルが出現した場合は、セル値を1-16の範囲に維持するため、当該セル値に16を加算する。図8(b)(c)はパス分解データが「4」の場合のディザマトリクスの更新を示す。
第2パスにおいて、ハーフトーン処理部109は、更新ディザマトリクス(図8(c))を用いて、第1パスと同様の処理を行う。このような処理を全パスに対して繰り返し実行することで、濃記録材の各パスのドット配置が決定される。
図9により図7(c)に示すK"値のパス分解データのハーフトーン処理結果を示す。図9において「K」を記録したセルがオンドットに相当する。なお、図9には参考のためにGl値を併記するが、Gl値がハーフトーン処理部109の処理に直接関係しないことは言うまでもない。
●淡記録材
図10によりGy"値のパス分解データのハーフトーン処理を説明する。図10(a)はGy"信号のパス分解データを1ビットの駆動信号に量子化するハーフトーン処理用の4×4ディザマトリクスの一例を示す。つまり、ハーフトーン処理部109は、図10(a)に示すディザマトリクスを用いて、Gy記録材の各パスのドット配置を決定する。
第1パスにおいて、ハーフトーン処理部109は、濃記録材のハーフトーン処理と同様に、初期のディザマトリクスの、値が最小のセルから順に、パス分解データに等しい値をもつセルまでの記録信号を‘1’とし、他のセルの記録信号を‘0’にする。
濃記録材のハーフトーン処理の場合、各パスのハーフトーン処理後にディザマトリクスを更新する。一方、淡記録材のハーフトーン処理の場合、全パス数をP、積層数をNとするとパス数int(P/N)分のハーフトーン処理を行った後、ハーフトーン処理部109は、ディザマトリクスを初期化して淡記録材の積層を可能にする。この初期化により、画像形成装置13の記録走査において淡記録材のオンドットの重畳が発生する。
例えば、P=4、N=2の場合は第二パスのハーフトーン処理後、ディザマトリクスが初期化され、淡記録材のオンドットの重畳が発生する。また、P=4、N=3の場合は第一、第二、第三パスのハーフトーン処理後、ディザマトリクスが初期化され、淡記録材のオンドットの重畳が発生する。ディザマトリクスの初期化により、既にオンドットにしたセルを再びドットオンにすることが可能になり、同じセル位置において淡記録材を積層することが可能になる。
図10(b)は図7(c)に示すGy"値のパス分解データをハーフトーン処理した結果を示し、「G」を記録したセルがオンドットに相当し、「2G」を記録したセルがGy記録材が二層のドットに相当する。なお、図10(b)には参考のためにGl値を併記するが、Gl値がハーフトーン処理部109の処理に直接関係しないことは言うまでもない。
図9と図10(B)に示す最終的なドット配置を比較すると、KドットとGyドットが排他的に配置されていることが分かる。つまり、光沢値Glに応じて、Kドットが二層のGyドットに置換されている。また、光沢値Glが最低値(この例ではGl=40)の場合、Kドットの面積率とGyドットの面積率が等しく、一層のKドットと二層のGyドットが市松模様に配置される。その結果、隣接するドットの間で記録材の厚さが異なり、記録画像の表面の凹凸(高低差)が最大になる。
上記では、四回の記録走査(4パス)の例を示したが、淡記録材を二層、濃記録材を一層、記録すればよく、2パスでも画像形成可能である。また、4パスにおいても、連続したパスで同じ領域に淡記録材を記録しても構わない。しかし、それにも関わらず4パス記録を行って、連続したパスで同じ領域に極力記録しない次の理由がある。
記録材は、液体の状態で記録媒体に着弾し、溶媒の記録媒体内への浸透や空気中への蒸発によって次第に固体として記録媒体上に定着する。つまり、記録媒体に着弾した直後の記録材は濡れた状態にある。そのため、着弾に時間差を与えることで、先に着弾した記録材の定着を待ち、その後、同じ領域に記録材を着弾させることで、濡れた記録材の拡がり防ぎ、より嵩高く淡記録材を積層すること目的とする。
このように、入力された光沢画像データGlに基づき、色画像データの色分解処理によって得られる濃記録材の使用量を淡記録材に使用量に置換する。さらに、淡記録材が重畳するように淡記録材のドット配置を決定して、記録画像の表面の凹凸を制御する。従って、再現する光沢値が低いほど、記録画像の表面の凹凸を増加させる面積率が増加することで、記録画像において所望の光沢再現を得ることができる。
以下、本発明にかかる実施例2の画像処理装置および画像処理方法を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
[概要]
実施例1では、光沢画像データGlに基づき再現する光沢値が低いほど濃記録材の使用量を淡記録材に対応する使用量に置き換え、さらに、淡記録材が重畳するように淡記録材のドット配置を決定することで、記録画像の表面の凹凸を制御する方法を説明した。
画像形成装置13は、CMYKの記録材(以下、基本色記録材)のほかに、CMYと補色関係にあるレッド(R)記録材、ブルー(B)記録材、グリーン(G)記録材などの特色と呼ばれる記録材(以下、特色記録材)を搭載する場合がある。実施例2では、CMYKRGBの七色の記録材を搭載する画像形成装置13に本発明を適用する例を説明する。
基本色記録材と特色記録材を搭載する画像形成装置13の場合、再現する光沢値が低いほど特色記録材の使用量をCMY記録材に対応する使用量に置き換え、CMY記録材が重畳するようにCMY記録材のドット配置を決定することで、記録画像の表面の凹凸を制御する。
図1(c)は、所定領域の全エリアにR記録材によって画像が形成された状態を示す。図1(d)は、一層のR記録材、および、Y記録材とM記録材の重畳によって画像が形成された状態を示し、再現される色は図1(c)の場合と等しい。図1(d)の場合、R記録材だけで構成されるエリアと、Y記録材とM記録材の積層で構成されるエリアが混在し、記録画像の表面の凹凸が増加し、光沢が低下する。
[装置の構成]
図11のブロック図により実施例2の画像処理装置12の構成例を示す。第一色分解処理部114は、色分解テーブル115を参照して、カラーマッチング部102が出力するR'G'B'信号を色材量信号CMYKRGBに変換する。色材量信号CMYKRGBは、画像形成装置13が備える基本色記録材の使用量、および、特色記録材の使用量を示し、CMYKRGB信号は例えば各色8ビットの信号である。以上の処理により、色画像データRGBは印刷データCMYKRGBに変換される。
第二色分解処理部116は、第一色分解処理部114が出力するCMYKRGB信号および光沢画像データGlを入力し、光沢画像データGlに基づきCMYKRGB信号をC'M'Y'KR'G'B'信号に変換する。第二色分解処理部116は、光沢画像データGlが示す光沢値が低いほど、C'M'Y'KR'G'B'信号の合計値がCMYKRGB信号の合計値よりも大きくなる変換を行う。つまり、再現する光沢が低いほど記録画像の表面の凹凸を増やすために、RGB記録材の使用量をCMY記録材に対応する使用量に置き換える光沢制御変換を行う。
第二色分解処理部116は、光沢制御テーブル117を参照して光沢制御変換を行う。入力されるCMYKRGBGl値が光沢制御テーブル117の格子点の値であれば、当該格子点に記録された色材量信号C'M'Y'KR'G'B'を出力する。また、入力されるCMYKRGBGl値が光沢制御テーブル117の格子点間の値であれば、当該値を囲む格子点に記録された値を用いる補間処理により色材量信号C'M'Y'KR'G'B'を出力する。
図12により光沢制御変換およびパス分解処理を説明する。図12(a)はCMYKRGB値が(0, 0, 0, 0, 255, 0, 0)、つまりR記録材のみで再現可能な赤色の印刷データが第二色分解処理部116に入力された場合を示す。この場合、図12(a)の表における第2コラムから第4コラムに示すように、光沢値Gl=60の場合はY記録材とM記録材は未使用であるが、光沢値Glが低下するほど、R記録材の使用量を低下させる。そして、減法混色により赤色を再現可能なY記録材とM記録材の使用量を増加させる。勿論、R記録材のみでは再現できない赤色の場合、第一色分解処理の結果はY≧0、M≧0、K≧0、R<255になるが、その場合も、光沢値Glが低下するほど、R記録材の使用量を低下させ、Y記録材とM記録材の使用量を増加させる。
図12(a)には示さないが、第一色分解処理の結果がG=255を示す場合などは、光沢値Glが低下するほど、G記録材の使用量を低下させ、減法混色により緑色を再現可能なY記録材とC記録材の使用量を増加させる。同様に、第一色分解処理の結果がB=255を示す場合などは、光沢値Glが低下するほど、B記録材の使用量を低下させ、減法混色により青色を再現可能なC記録材とM記録材の使用量を増加させる。
パス分解部118は、第二色分解処理部116が出力するC'M'Y'KR'G'B'の信号値を各記録走査(パス)に割り当てるパス分解処理を行う。なお、実施例1と同様に、パス分解部118が図7(a)に示す記録率テーブルを用い、ハーフトーン処理部119における単位領域が4×4ドットとする。従って、パス分解部118は、各色8ビットのC'M'Y'KR'G'B'信号を各色4ビットの信号に変換する。図12(a)の表における第5コラムから第7コラムは第二色分解処理後のR'Y'M'値(各色8ビット)の上位4ビットをとって各色4ビットの信号に変換した結果を示す。
図12(b)は4ビットに変換後のR"Y"M"値を記録率に基づいて各パスに割り当てたパス分解データを示し、パス分解部118の出力を示す。パス分解部118は、C'M'Y'KR'G'B'信号をi番目のパスのパス分解データであるCiMiYiKiRiGiBiに変換する。
ハーフトーン処理部119は、パス分解処理後のCiMiYiKiRiGiBiについてドット配置を決定する。つまり、ハーフトーン処理部119は、記録材ごとに、パス分解データからオンドットの記録位置を示す1ビットの記録信号を生成する。その際、特色記録材用の初期ディザマトリクスとして図8(a)が使用される。また、基本色記録材用の初期ディザマトリクスとして図10(a)が使用される。ただし、同じ記録材を積層する実施例1とは異なり、色が異なる記録材を積層するため、ハーフトーン処理途中のディザマトリクスの初期化は行われない。
図13により図12(b)に示すR"値のパス分解データのハーフトーン処理結果を示す。図13において「R」を記録したセルがオンドットに相当する。R記録材から置換された分のY記録材とM記録材については、同じセルがオンドットに割り当てられる。図14により図12(b)に示すY"M"値のパス分解データのハーフトーン処理結果を示す。図14において「YM」を記録したセルがY記録材とM記録材のオンドットに相当する。図13と図14には参考のためにGl値を併記するが、Gl値がハーフトーン処理部119の処理に直接関係しないことは言うまでもない。
図13と図14に示す最終的なドット配置を比較すると、RドットとYMドットが排他的に配置されていることが分かる。つまり、光沢値Glに応じて、Rドットが二層のYMドットに置換されている。また、光沢値Glが最低値(この例ではGl=40)の場合、Rドットの面積率とYMドットの面積率が等しく、一層のRドットと二層のYMドットが市松模様に配置される。その結果、隣接するドットの間で記録材の厚さが異なり、記録画像の表面の凹凸(高低差)が最大になる。
上記では、説明の簡単のために、すべての記録材の記録率テーブルとして図7(a)を適用する例を説明した。そのため、Y記録材とM記録材が同じパス数で同じエリアに記録される。実施例1で説明した重畳する記録材の着弾時間の差を得るには、C記録材、Y記録材、M記録材それぞれに異なる記録率テーブルを用いる。
このように、入力された光沢画像データGlに基づき、色画像データの色分解処理によって得られる特色記録材の使用量をCMY記録材に使用量に置換する。さらに、CMY記録材が重畳するようにCMY記録材のドット配置を決定して、記録画像の表面の凹凸を制御する。従って、再現する光沢値が低いほど、記録画像の表面の凹凸を増加させる面積率が増加することで、記録画像において所望の光沢再現を得ることができる。
なお、図5において、ステップS503の処理をR'G'B'→CMYKRGBに、ステップS504の処理をCMYKRGB→C'M'Y'KR'G'B'に書き換えれば、実施例2の画像形成データの生成処理を示すフローチャートと同等になる。従って、実施例2の画像形成データの生成処理を示すフローチャートは省略する。
以下、本発明にかかる実施例3の画像処理装置および画像処理方法を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
[概要]
実施例1、2では、濃記録材の使用量から淡記録材の使用量への置換、特色記録材の使用量からCMY記録材の使用量への置換、淡記録材またはCMY記録材の積層を説明した。画像形成装置13には、濃記録材(基本色記録材)、淡記録材、特色記録材のほかに、実質的に無色透明なクリア材を搭載する場合がある。実施例3では、CMYK四色の基本色記録材とCL材を搭載する画像形成装置13に本発明を適用する例を説明する。
クリア材(以下、CL材)材は、主に、印刷物の光沢を調整するための光沢調整材として使用され、一般に、光沢を高める用途に使用される。一方、実施例3においては、再現する光沢が低いほどCL材の使用量を増やして記録画像の表面の凹凸を増加させる。なお、CL材には僅かな色や濁りがあっても構わない。
[装置の構成]
図15のブロック図により実施例3の画像処理装置12の構成例を示す。クリア材付加部(CL材付加部)126は、第一色分解処理部104が出力するCMYK信号および光沢画像データGlを入力し、光沢画像データGlに基づきCL値を決定し、CMYKCL信号を出力する。CL材付加部126は、光沢画像データGlが示す光沢値が低いほどCL値を大きくする。つまり、再現する光沢が低いほど記録画像の表面の凹凸を増やすために、CL材の使用量を増やす。
CL材付加部126は、一次元の光沢制御テーブル127を参照してCL信号値を決定する。入力される光沢値Glが光沢制御テーブル127の記録値であれば、当該光沢値Glに対応するCL値を付加したCMYKCL信号を出力する。また、入力される光沢値Glが光沢制御テーブル127の記録値の間の値であれば、当該光沢値を挟む記録値を用いる補間処理により決定したCL値を付加したCMYKCL信号を出力する。
図16によりCL値の決定およびパス分解処理を説明する。図16(a)はCMYK値が(0, 0, 0, 255)、つまりK記録材のみで再現可能な黒色の印刷データがCL材付加部126に入力された場合を示す。図16(a)の表における第2コラムに示すように、K記録材の使用量は光沢値Glに無関係である。一方、第3コラムに示すように、光沢値Gl=60の場合はCL材を未使用とし、光沢値Glが低下するほどCL材の使用量を増加させる。言い替えれば、CMYK信号値を維持したまま、光沢値Glが低下するほどCL記録材の使用量を増加させる。
パス分解部128は、CL材付加部126が出力するCMYKCLの信号値を各記録走査(パス)に割り当てるパス分解処理を行う。なお、実施例1と同様に、パス分解部128が図7(a)に示す記録率テーブルを用い、ハーフトーン処理部129における単位領域が4×4ドットとする。従って、パス分解部128は、各8ビットのCMYKCL信号を各4ビットの信号に変換する。図16(a)の表における第4コラムと第6コラムはKLC値(各色8ビット)の上位4ビットをとって各4ビットの信号に変換した結果を示す。
図16(b)は4ビットに変換後のK"LC"値を記録率に基づいて各パスに割り当てたパス分解データを示し、パス分解部128の出力を示す。パス分解部128は、CMYKLC信号をi番目のパスのパス分解データであるCiMiYiKiLCiに変換する。
ハーフトーン処理部129は、パス分解処理後のCiMiYiKiCLiについてドット配置を決定する。つまり、ハーフトーン処理部119は、記録材ごとに、パス分解データからオンドットの記録位置を示す1ビットの記録信号を生成する。その際、基本色記録材用の初期ディザマトリクスとして図8(a)が使用される。また、CL材用のディザマトリクスとして図10(a)が使用される。ただし、同じ記録材を積層する実施例1とは異なり、基本色記録材とCL材を積層するため、ハーフトーン処理途中のディザマトリクスの初期化は行われない。
図17によりハーフトーン処理を説明する。図17(a)は、図16(b)に示すK"値のパス分解データをハーフトーン処理した結果を示す。図17(a)において「K」を記録したセルがオンドットに相当する。図17(b)は、図16(b)に示すCL"値のパス分解データをハーフトーン処理した結果を示す。図17(b)において「CL」を記録したセルがCL材のオンドットに相当する。図17(b)には参考のためにGl値を併記するが、Gl値がハーフトーン処理部119の処理に直接関係しないことは言うまでもない。
図17は、K記録材が全エリアに記録され、Gl=60以外の場合にK記録材の上にCL材が重畳され、光沢値Glが低いほどCL材の重畳面積が増加することを示す。なお、記録画像の表面iに凹凸が形成されればよいため、基本色記録材の上にCL材を配置してもよいし、CL材の上に基本色記録材を配置してもよい。
図18のフローチャートにより実施例3の画像処理装置12による画像形成データの生成処理を説明する。入力部101は、色画像データRGBと光沢画像データGlを入力する(S601)。カラーマッチング部102は、入力された色画像データRGBを画像形成装置13に依存する色信号R'G'B'に変換するカラーマッチング処理を実行する(S602)。
第一色分解処理部104は、色信号R'G'B'を記録材量信号CMYKに変換する第一色分解処理を実行する(S603)。CL材付加部126は、入力された光沢画像データGlに基づくCL材量を付加した記録材量信号CMYKCLを出力する(S604)。
パス分解部128は、記録材量信号CMYKCLマルチパス記録するためのパス分解処理を実行する(S605)。ハーフトーン処理部129は、パス分解処理結果から画像形成装置13の各記録素子を駆動する駆動データに変換するためのハーフトーン処理を実行する(S606)。
出力部111は、画像形成装置13の画像形成動作に同期して、出力データバッファ110に格納された画像形成データを画像形成装置13に出力する(S607)。画像形成データは、画像全体または記録走査のバンド幅分などの単位で出力される。また、ステップS601からS606の処理は画素単位に繰り返し実行される。
このように、入力された光沢画像データGlに基づきCL材の使用量を決定し、光沢値が低いほどCL材の使用量を増加させる。さらに、基本色記録材とCL材が重畳するようにドット配置を決定して、記録画像の表面の凹凸を制御する。従って、再現する光沢値が低いほど、記録画像の表面の凹凸を増加させる面積率が増加することで、記録画像において所望の光沢再現を得ることができる。
以下、本発明にかかる実施例3の画像処理装置および画像処理方法を説明する。なお、実施例4において、実施例1-3と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
[概要]
実施例1では、光沢画像データGlに基づき再現する光沢値が低いほど濃記録材の使用量をLcLmGy記録材に対応する使用量に置き換え、さらに、淡記録材が重畳するように淡記録材のドット配置を決定することで、記録画像の表面の凹凸を制御する方法を説明した。
画像形成装置13は、相対的の濃度が高い高濃度ブラック系記録材である、基本色記録材に含まれるK記録材に対して、相対的に濃度が低い低濃度ブラック系記録材を複数搭載する場合がある。例えば、ブラック系記録材(以下、BK系記録材)として濃度の高い順にK、Gy、Lgyの三種類を搭載する場合があり、この場合、GyとLgyが低濃度ブラック系記録材である。実施例4では、CMYKGyLgyの六色の記録材を搭載する画像形成装置13に本発明を適用する例を説明する。
三種類のBK系記録材を用いる場合、K記録材を、Gy記録材の積層、あるいは、Lgy記録材の積層に置き換え、一層のK記録材、Gy記録材の積層、Lgy記録材の積層を混在させることで、さらに低光沢を実現することができる。
図1(e)はK記録材の一部を二層のGy記録材に置き換えた画像を示す。図1(f)はK記録材の一部を四層のLgy記録材に置き換えた画像を示す。なお、二層のGy記録材が再現する色、四層のLgy記録材が再現する色、一層のK記録材が再現する色が等しいことが前提である。また、図1(g)はK記録材の一部を二層のGy記録材または四層のLgy記録材に置き換えた画像を示す。
図1(e)(f)(g)それぞれの右側に示すグラフは、対応する記録画像の表面の法線角度のヒストグラム(法線ヒストグラム)を示す。これらヒストグラムは、図1(e)(f)(g)ぞれぞれの試料の表面形状の測定結果を、微小領域に分割して各微小領域の法線方向から求めたものである。
図1(e)に示す法線ヒストグラムと図1(f)に示す法線ヒストグラムを比較すると、最も頻度が高い法線角度が異なることがわかる。さらに図1(g)の法線ヒストグラムを参照すると、頻度分布がブロードになっていることがわかる。つまり、図1(g)の画像における微小領域の各面は様々な方向に傾き、その結果、画像表面で反射する光の方向も様々な角度に分布する。従って、図1(g)の画像の光沢は、図1(e)(f)の画像に比べて、さらに低下する。
[装置の構成]
図19のブロック図により実施例4の画像処理装置12の構成例を示す。ブラック系分解処理部(BK系分解処理部)136は、第一色分解処理部104が出力するCMYK信号および光沢画像データGlを入力し、光沢画像データGlに基づきBK系記録材の分解処理を行い、CMYK信号をCMYK'GyLgy信号に変換する。BK系分解処理部136は、光沢画像データGlが示す光沢値が低いほどK記録材の使用量をGy記録材に対応する使用量やLgy記録材に対応する使用量に置き換える変換を行う。つまり、再現する光沢が低いほど記録画像の表面の凹凸を増やすために、Gy記録材やLgy記録材の使用量を増やす光沢制御変換を行う。
BK系分解処理部136は、光沢制御テーブル137を参照して光沢制御変換を行う。入力されるCMYKGl値が光沢制御テーブル137の格子点の値であれば、当該格子点に記録された色材量信号CMYK'GyLgyを出力する。また、入力されるCMYKGl値が光沢制御テーブル137の格子点間の値であれば、当該値を囲む格子点に記録された値を用いる補間処理により色材量信号CMYK'GyLgyを出力する。
図20により光沢制御変換およびパス分解処理を説明する。図20(a)はCMYK値が(0, 0, 0, 0, 255)、つまりK記録材のみで再現可能な黒色の印刷データがBK系分解処理部136に入力された場合を示す。この場合、図20(a)の表における第2コラムから第4コラムに示すように、光沢値Gl=60の場合はGy記録材とLgy記録材は未使用であるが、Gl値が低下すると、K記録材の使用量が低下され、まずGy記録材の使用が開始される。
さらにGl値が低下すると、Gy記録材の使用量が増加され、かつ、Lgy記録材の使用が開始される。さらにGl値が低下すると、Gy記録材の使用量の増加は停止し、Lgy記録材の使用量が増加される。つまり、Gl値に応じた数の低濃度ブラック系記録材に対して、使用量の置き換えが行われる。
パス分解部138は、BK系分解処理部136が出力するCMYK'GyLgyの信号値を各記録走査(パス)に割り当てるパス分解処理を行う。なお、実施例1と同様に、パス分解部128が図7(a)に示す記録率テーブルを用い、ハーフトーン処理部129における単位領域が4×4ドットとする。従って、パス分解部128は、各8ビットのCMYK'GyLgy信号を各4ビットの信号に変換する。図20(a)の表における第5コラムから第7コラムはK'GyLgy値(各色8ビット)の上位4ビットをとって各4ビットの信号に変換した結果を示す。
図20(b)は4ビットに変換後のK"LC"値を記録率に基づいて各パスに割り当てたパス分解データを示し、パス分解部138の出力を示す。パス分解部138は、CMYK'GyLgy信号をi番目のパスのパス分解データであるCiMiYiKiGyiLgyiに変換する。
ハーフトーン処理部139は、パス分解処理後のCiMiYiKiGyiLgyiについてドット配置を決定する。つまり、ハーフトーン処理部119は、記録材ごとに、パス分解データからオンドットの記録位置を示す1ビットの記録信号を生成する。その際、基本色記録材用の初期ディザマトリクスとして図8(a)が使用される。従って、図20(b)に示すK"値のパス分解データをハーフトーン処理した結果は図9と同様になる。
図21によりGy記録材のハーフトーン処理を説明する。図21(a)はGy記録材用の初期ディザマトリクスの一例を示し、Gy記録材を二層に重畳するため実施例1と同様に、ハーフトーン処理途中のディザマトリクスの初期化が行われる。図21(b)は、図20(b)に示すGy"値のパス分解データをハーフトーン処理した結果を示す。図21(b)において「G」を記録したセルがオンドットに相当し、「2G」を記録したセルがGy記録材が二層のドットに相当する。
図22によりLgy記録材のハーフトーン処理を説明する。図22(a)はLgy記録材用のディザマトリクスの一例を示し、Lgy記録材を四層に重畳する(全パスで重畳)ため、ハーフトーン処理途中のディザマトリクスの初期化は行われない。図22(b)は、図20(b)に示すLgy"値のパス分解データをハーフトーン処理した結果を示す。図22(b)において「Lg」を記録したセルがオンドットに相当し、「4L」を記録したセルがLgy記録材が四層のドットに相当する。なお、図21(b)、図22(b)には参考のためにGl値を併記するが、Gl値がハーフトーン処理部119の処理に直接関係しないことは言うまでもない。
図23によりBK系記録材の最終的なドット配置を示す。光沢値Glが低下するに伴い記録画像を形成するドットが「一層のKドット」→「一層のKドット+二層のGyドット」→「一層のKドット+二層のGyドット+四層のLgyドット」と変化する。前述したように、K記録材の濃度Dk、Gy記録材の濃度Dgy、Lgy記録材の濃度Dlgyの関係がDk:Dgy:Dlgy=4:2:1であれば図23に示す4×4領域内において色の変化は観察されず、光沢値Glに従う光沢が再現された画像になる。
このように、濃度が異なる複数のBK系記録材を用いて、K記録材の使用量を複数の低濃度のBK系記録材の使用量に分配する。さらに、複数の低濃度のBK系記録材の濃度に応じた層数の重畳が得られるように複数の低濃度のBK系記録材のドット配置を決定して、記録画像の表面の凹凸を制御する。従って、再現する光沢値に従い、記録画像の表面の凹凸を多段階に増加させる各面積率の制御が可能になり、記録画像において所望する光沢再現、かつ、より滑らかな光沢変化を得ることができる。
さらに、階調によらず光沢を低下させることが可能になり、とくに画像の暗部において、低光沢側の再現範囲を広げることで、装飾効果の向上が期待される。また、エリア単位に、相対的に濃度が高い高濃度記録材を相対的に濃度が低い低濃度記録材に置き換えて記録画像の表面の凹凸を増加させる際、隣接するエリアの間の色または濃度ができるだけ等しくなるようにすることで、粒状性の低下を防ぐ効果がある。
なお、図5において、ステップS504の処理をCMYK→CMYK'GyLgyに書き換えれば、実施例4の画像形成データの生成処理を示すフローチャートと同等になる。従って、実施例4の画像形成データの生成処理を示すフローチャートは省略する。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の一以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける一以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、一以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101 … 入力部、104 … 第一色分解処理部、106 … 第二色分解処理部、108 … パス分解部、109 … ハーフトーン処理部

Claims (18)

  1. 記録媒体上に画像を形成するための信号を生成する画像処理装置であって、
    前記画像を形成するための濃記録材の画素ごとの使用量を表す第一の記録材量信号と、前記画像の光沢を表す光沢画像データと、を入力する入力手段と、
    前記第一の記録材量信号が表す前記濃記録材の画素ごとの使用量の一部を、前記画像における画素ごとの記録材の使用量の総和が前記光沢画像データに応じた量となるように、前記濃記録材よりも濃度が低い淡記録材の使用量に置き換えた第二の記録材量信号を生成する色分解手段と、を有し、
    前記画像の光沢は、前記淡記録材のドットの配置に応じて形成される凹凸により制御されることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第二の記録材量信号を画像形成装置の各記録走査に対応するパス分解データに変換するパス分解手段と、
    前記パス分解データに対するハーフトーン処理を行って、前記画像形成装置の記録走査において前記淡記録材のドットを重畳させるための記録信号を生成するハーフトーン処理手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。
  3. 前記濃記録材は高濃度ブラック系記録材であり、前記淡記録材は前記高濃度ブラック系記録材よりも濃度が低い低濃度ブラック系記録材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された画像処理装置。
  4. 記録媒体上に画像を形成するための信号を生成する画像処理装置であって、
    前記画像を形成するための、基本色記録材と前記基本色記録材と異なる色を表現するための特色記録材の画素ごとの使用量を表す第一の記録材量信号と、前記画像の光沢を表す光沢画像データと、を入力する入力手段と、
    前記第一の記録材量信号が表す前記特色記録材の画素ごとの使用量の一部を、前記画像における画素ごとの記録材の使用量の総和が前記光沢画像データに応じた量となるように、前記特色記録材に対応する複数の基本色記録材の使用量に置き換えた第二の記録材量信号を生成する色分解手段と、を有し、
    前記画像の光沢は、前記基本色記録材のドットの配置に応じて形成される凹凸により制御されることを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記第二の記録材量信号を画像形成装置の各記録走査に対応するパス分解データに変換するパス分解手段と、
    前記パス分解データに対するハーフトーン処理を行って、前記画像形成装置の記録走査において前記複数の基本色記録材のドットを重畳させるための記録信号を生成するハーフトーン処理手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項4に記載された画像処理装置。
  6. 前記特色記録材に対応する複数の基本色記録材は、前記特色記録材が表現する色を表現可能な基本色記録材の組み合わせであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載された画像処理装置。
  7. 記録媒体上に画像を形成するための信号を生成する画像処理装置であって、
    前記画像を形成するための記録材の画素ごとの使用量を表す記録材量信号と、前記画像の光沢を表す光沢画像データと、を入力する入力手段と、
    前記光沢画像データに基づき、前記画像における画素ごとのクリア材の使用量を表す信号を前記記録材量信号に付加する付加手段と、を有し、
    前記画像の光沢は、前記クリア材のドットの配置に応じて形成される凹凸により制御されることを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記記録材量信号を画像形成装置の各記録走査に対応するパス分解データに変換するパス分解手段と、
    前記パス分解データに対するハーフトーン処理を行って、前記画像形成装置の記録走査において前記記録材のドットと前記クリア材のドットとを重畳させるための記録信号を生成するハーフトーン処理手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項7に記載された画像処理装置。
  9. 前記光沢画像データが表す光沢が画像形成装置の光沢再現範囲の上限値以下である場合、前記付加手段は、前記画像における画素ごとのクリア材の使用を表す信号を前記記録材量信号に付加することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載された画像処理装置。
  10. 前記クリア材の使用量は、前記光沢画像データが表す光沢の減少に従って増加することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載された画像処理装置。
  11. 前記光沢画像データが表す光沢が画像形成装置の光沢再現範囲の上限値以下である場合、前記使用量の置き換えが行われることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された画像処理装置。
  12. 前記使用量の置き換えにおける置換量は、前記光沢画像データが表す光沢の減少に従って増加することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された画像処理装置。
  13. 前記使用量の置き換えにより、前記第二の記録材量信号の信号値の総和が前記第一の記録材量信号の信号値の総和よりも大きくなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された画像処理装置。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載された画像処理装置を含み、
    前記記録媒体上に前記画像を形成する形成手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 記録媒体上に画像を形成するための信号を生成する画像処理方法であって、
    前記画像を形成するための濃記録材の画素ごとの使用量を表す第一の記録材量信号と、前記画像の光沢を表す光沢画像データと、を入力する入力ステップと、
    前記第一の記録材量信号が表す前記濃記録材の画素ごとの使用量の一部を、前記画像における画素ごとの記録材の使用量の総和が前記光沢画像データに応じた量となるように、前記濃記録材よりも濃度が低い淡記録材の使用量に置き換えた第二の記録材量信号を生成する色分解ステップと、を有し、
    前記画像の光沢は、前記淡記録材のドットの配置に応じて形成される凹凸により制御されることを特徴とする画像処理方法。
  16. 記録媒体上に画像を形成するための信号を生成する画像処理方法であって、
    前記画像を形成するための、基本色記録材と前記基本色記録材と異なる色を表現するための特色記録材の画素ごとの使用量を表す第一の記録材量信号と、前記画像の光沢を表す光沢画像データと、を入力する入力ステップと、
    前記第一の記録材量信号が表す前記特色記録材の画素ごとの使用量の一部を、前記画像における画素ごとの記録材の使用量の総和が前記光沢画像データに応じた量となるように、前記特色記録材に対応する複数の基本色記録材の使用量に置き換えた第二の記録材量信号を生成する色分解ステップと、を有し、
    前記画像の光沢は、前記基本色記録材のドットの配置に応じて形成される凹凸により制御されることを特徴とする画像処理方法。
  17. 記録媒体上に画像を形成するための信号を生成する画像処理方法であって、
    前記画像を形成するための記録材の画素ごとの使用量を表す記録材量信号と、前記画像の光沢を表す光沢画像データと、を入力する入力ステップと、
    前記光沢画像データに基づき、前記画像における画素ごとのクリア材の使用量を表す信号を前記記録材量信号に付加する付加ステップと、を有し、
    前記画像の光沢は、前記クリア材のドットの配置に応じて形成される凹凸により制御されることを特徴とする画像処理方法。
  18. コンピュータを請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載された画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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