JP6860255B2 - レール基礎の施工方法およびレール基礎ブロック - Google Patents

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Description

この発明は、港湾、造船あるいは重機メーカーなどに用いられる大型の門型移動クレーンやガントリークレーンなどの荷役設備用の軌条や、あるいは貨物引込線などに用いられるレール基礎に関するものである。
特許文献1には、耐久性のある地上走行クレーンのレールの基礎構造を得ることが記載されている。文献1では、レールの左右両側に位置するように、断面U字型のレール基礎梁の長手方向に沿って、複数組打設された2本1組のアンカーボルトと、左右のアンカーボルト4列のそれぞれに固着され、レール基礎梁の全長にわたる長さの縦通構造材と、該縦通構造材の上に間隔をおいて複数固着され、レールを左右からボルトで固定するための1対のねじ孔を有する敷き鉄板、アンカーボルト、縦通構造材および敷き鉄板を固定するために、レール基礎梁のU字型の内部に打設したコンクリートからなる地上走行クレーンレールの基礎構造が開示されている。
特許文献2には、将来の改修工事を見込んで、組立て分解が容易な構造としたレール基礎およびこれに好適な改修方法を提供することが記載されている。この文献2では、レール基礎は、地中に頂部を残して埋設状態に構築された断面凹状の鉄筋コンクリート製のレール基礎本体と、基礎本体の凹部の底面に配置されたレベル調整コンクリート(但しモルタルを含む)と、レベル調整コンクリートの上面中央に設置され、かつ上部に予めレールを一体に配置したレール固定ブロックと、レール固定ブロックの両側部と前記凹部内壁面との隙間に配置される一対の袋体を介して隙間形状に充填された間詰め用コンクリートとを備え、前記レールは、レベル調整コンクリートにより水平度を維持し、またレール固定ブロックの左右を間詰め用コンクリートが圧することによって直線度を保持される。
特開2002−332645号公報 特開平8−169682号公報
レールの基礎構造をコンクリート製の構造体で形成する場合、レールを固定するために、基礎梁にアンカーボルトを打設して、敷き鉄板を設置して、その上にレールを配置したり、レベル調整用のコンクリートを配置した上に、レール固定ブロックを介してレールを配置したりなど、レールの取り付け精度を確保するために地中に埋設されたコンクリート製のレール基礎の上に様々な構造体を追設する必要がある。したがって、レール基礎の施工には期間とコストが必要となっている。また、レールの施工現場において、現場打ちの基礎コンクリートまたはモルタルが固まる前に、予定の場所にレールを固定するためのアンカーボルトなどを設置する施工方法も多く採用されているが、基礎コンクリートの精度およびアンカーボルトの位置精度を確保することは容易ではない。
本発明の一態様は、クレーンの走行レールを設置するためのプレキャストされたコンクリート製のレール基礎ブロックであって、単体で、基礎部と、基礎部から内部に1つのU字型の溝が形成されるように上方に立ち上がった一対の側壁とからなる全体が逆Π字型、U字型または上型が開いたコ字型の断面を有し、溝の底面に走行レールを設置するための複数の埋設金物が埋設されているレール基礎ブロックである。このレール基礎ブロックを用いて簡単に精度よくクレーンの走行レール用の基礎を施工できる。
溝の両側の側壁の内側の角が外側の角に対し大きく面取りされていてもよい。また、埋設金具は、インサートおよびボルトの少なくともいずれかであってもよい。
本発明の他の態様の1つは、カントリークレーン用のレール基礎であって、上記のレール基礎ブロックが門型クレーン(ガントリークレーン)の車輪が走行する走行レールを設置するように2列に埋設されているレール基礎である。本発明の他の態様の1つは、上記のレール基礎と、レール基礎に設けられた複数の埋設金具に押さえ金具を装着し、押さえ金具により取り付けられた走行レールとを有する門型クレーン用(ガントリークレーン用)の走行レールシステムである。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、門型クレーン用のレール基礎の施工方法であって、上記に記載のレール基礎ブロックを門型クレーンの車輪が走行する走行レールを設置するように2列に埋設することを有する。本発明のさらに異なる他の態様の1つは、門型クレーン用の走行レールシステムの施工方法であって、上記に記載のレール基礎ブロックを門型クレーンの車輪が走行する走行レールを設置するように2列に埋設してレール基礎を施工することと、レール基礎に設けられた複数の埋設金具に押さえ金具を装着し、押さえ金具により走行レールを取り付けることとを有する。
ガントリークレーンの一例を示す図。 レール基礎ブロックを用いて施工されたクレーンレール用の基礎およびレールシステム(軌条)の平面図。 図2に示す基礎およびレールシステムの断面図。 図4(a)はレール基礎ブロックの平面図、図4(b)はレール基礎ブロックの右側面図、図4(c)はレール基礎ブロックの正面図、図4(d)はレール基礎ブロックのd−d断面図。 異なるレール基礎ブロックの断面図。 図6(a)は、異なるレール基礎ブロックの正面図、図6(b)はレール基礎ブロックの平面図。 図6に示すレール基礎ブロックを用いて施工されたクレーンレール用の基礎およびレールシステムを示す断面図。 さらに異なるレール基礎ブロックの正面図。 図8に示すレール基礎ブロックを用いて施工されたクレーンレール用の基礎およびレールシステムを示す断面図。 従来のレール基礎およびレールシステムの構成を示す断面図。 車両横断用の部材を設置した状態を示す図。 従来の異なるレール基礎およびレールシステムの構成を示す断面図。
以下に示すレール基礎の一態様は、少なくとも1mの単位の長さでプレキャストされたコンクリートブロック製のレール基礎ブロックである。このレール基礎ブロックは、上側に、長手方向に延び、両端が開口となり、周面の断面が略U字型の走行レール設置用の溝と、溝の底面に、長手方向に沿って設定された走行レール設置用の設置面と、その両側に、一定の間隔で埋設された複数の埋設金具であって、走行レールの押さえ金具を固定するための複数の埋設金具とを有する。埋設金具は、インサートおよびボルトの少なくともいずれかを含むものであってもよい。
レール基礎ブロックを工場においてプレハブ(プレキャスト)することにより、コンクリート製品であって、製造誤差の少なく、平坦で歪みなどが小さく、精度の高い面を備えたコンクリート製品を製造できる。さらに、レール基礎ブロックのプレキャストする単位を1m以上、例えば2m程度にすることにより、長手方向にわたり、平坦で歪みなどが小さい、精度の高い面を備えたレール基礎ブロックを製造できる。このレール基礎ブロックにおいては、その精度の高い面を、溝の底面の長手方向に設定することにより、走行レールを直に設置できる程度の精度を備えた設置面を含むレール基礎ブロックを提供できる。このため、複数のレール基礎ブロックを、長手方向に一列に、溝の両端の開口が合致するように埋設することにより、ガントリークレーン用のレール基礎を短期間、低コストで施工できる。
レール基礎ブロックは、溝の両側の側壁の外側の面の少なくとも一方の面の下方で、外側に張り出した部分を含む基礎部を有していてもよい。ブロックの底面の幅を広げやすく、レール基礎を車両が通過したり、レール基礎に車両が接近したときであっても、レール基礎ブロックに係る荷重を分散できる。基礎部は、溝の両側の側壁の外側の面の下方で、外側に張り出した部分を含んでもよい。外側に張り出した部分はほぼ水平な上面を含んでもよい。側壁の外側で、側壁の上面にアクセスする部分を、張り出した部分によりレール基礎ブロックにより支持できるので、側壁の上面と周囲との沈下による段差の発生を抑制しやすい。
レールを設定する設置面を溝の底面の中央に形成してもよい。溝の底面の幅W1と、溝の両側の側壁の上面の幅の平均の幅W2とが以下の条件(1)を満たしてもよい。
0.3≦W2/W1≦0.8・・・(1)
レールの耐荷重とは直には関係しない両側壁の平均の上面の幅W2を底面の幅W1の半分程度、すなわち、両側の側壁の幅(2×W2)と底面の幅W1とがほぼ同等になるように設計することにより、底面の強度に対して側壁の強度を大幅に向上できる。このため、側壁により底面の長手方向の歪みを防止でき、より精度の高い設置面を備えたレール基礎ブロックを提供できる。さらに、側壁の強度を設定することにより、トラックなどの車両が、レールが設置されたレール基礎を横断する際に、側壁によりトラックの荷重を支持できる。このため、横断用の補強や、横断用の構造を省くことが可能となり、低コストで、車両がスムーズに横断できるレール基礎ブロックおよびレール基礎を提供できる。条件(1)の下限は、0.4であってもよく、上限は0.75であってもよく、0.70であってもよい。
両側壁の形状は対称であっても非対称であってもよいが、一方の側壁の強度が他方に対して同等であってもよい。したがって、一方の側壁の上面の幅は、平均の幅W2の1/2以上であってもよく、2/3以上であってもよい。
当該レール基礎ブロックの底面の幅W3は、以下の条件(2)を満たしてもよい。
1≦W3/(W1+2×W2)≦3・・・(2)
ブロックの底面の幅W3を、側壁の上面を含めた幅(W1+2×W2)よりも大きくすることにより、レール基礎ブロックの強度を向上して設置面の精度をさらに向上できる。さらに、レールを横断したり、平行して走行する際に、車両が一方の側壁にのみ載ったとしても、基礎ブロックの広い底面により分散して処理でき、レール基礎ブロックがモーメントにより傾いたり歪んだりすることを抑制できる。条件(2)の上限は2であってもよく、1.5であってもよい。
また、溝の両側の側壁の内側の角は、側壁の外側の角に対し大きく面取りされていてもよい。内側の角は、車両がレールを乗り越える際に干渉するので、大きく面取りすることにより角欠けを防止できる。一方、側壁の外側の角は、面取りが大きいと、周囲の面との間に凹みが形成されやすく、水が溜まったり、土が溜まったりする。このため、施工後に、レール基礎ブロックが脆弱になりやすい。溝の両側の側壁の内側の角に10R以上、好ましくは20R以上、50R以下、または10C以上、好ましくは20C以上、50C以下の面が設けられていてもよい。なお、10Rは10mmの曲率半径の面が形成されていることを示し、10Cは頂点(頂線)から10mm後退した位置に斜めに面が形成されていることを示す。
溝の両側の側壁の上面の設置面からの高さh2と、設置面に設置される走行レールの高さh1とは以下の条件(3)を満たしてもよい。
0<h2−h1<10mm・・・(3)
異なる態様の1つは、ガントリークレーン用などのレール基礎であって、上記のレール基礎ブロックを複数有し、複数のレール基礎ブロックが長手方向に少なくとも一列に、典型的には2列に溝の両端の開口が合致するように埋設されているレール基礎である。
さらに異なる態様の1つは、上記のレール基礎に設けられた複数のインサートなどの埋設金具と押さえ金具により、設置面に取り付けられた走行レールとを有する走行レールシステム(軌条)である。
さらに異なる態様の1つは、ガントリークレーン用などのレール基礎の施工方法であって、上記のレール基礎ブロックを複数、長手方向に少なくとも一列に、溝の両端の開口が合致するように埋設することを有する施工方法である。
さらに異なる態様の1つは、ガントリークレーン用などの走行レールシステムの施工方法であって、上記のレール基礎ブロックを複数、長手方向に少なくとも一列に、溝の両端の開口が合致するように埋設してレール基礎を施工することと、レール基礎に設けられた複数のインサートなどの埋設金具に押さえ金具を装着して、設置面に走行レールを取り付けることとを有する施工方法である。
図1に、本発明に係るレール基礎を使用した門型クレーン(ガントリークレーン)の一例を示している。ガントリークレーン2は、門型の構造体3と、門型の構造体3のガーダー(横行梁)4に搭載されたホイスト(トロリ)5とを含み、運搬車6あるいは運搬船から荷物(コンテナ)7を吊り下げて搬入搬出する搬送装置(システム)を構成する。門型の構造体3は、車輪8を介して地上9に設置された2列の走行レールシステム(軌条)1に沿って縦方向(ガーダー4と直交する方向)に移動し、荷物7を搬送する。本発明においては、車両6の横断が可能な門型クレーン2のレール基礎10の施工方法およびレール基礎ブロック20を提供する。すなわち、本発明の走行レールシステム1においては、埋設されたレール基礎10に、走行レール15が設置されており、走行レール15の上を門型クレーン2が走行する。この発明は、港湾、造船あるいは重機メーカーなどに用いられる大型の門型移動クレーンやガントリークレーンなどの荷役設備用の軌条(走行レールシステム)1に限定されず、貨物引込線などに好適なレール基礎10に関するものである。
図10に、門型移動クレーンの従来の軌条(走行レールシステム)90の一例を示している。この走行レールシステム90においては、地表9に走行レール15が表れている。図10は、従来のレール基礎99の一例を断面構造で示している。長手方向に通った状態のクレーンレール15が、現場打ちされたベースコンクリート91に、固定用プレート17により固定されている。クレーンレール15は、プレート17を通してコンクリート基礎91に埋め込みのアンカー92により固定されている。このレール基礎99を施工する際は、まず、門型移動クレーンの軌条になる部分を掘削し、そこに基礎コンクリート98およびベースコンクリート91を打設する。コンクリートの養生後に、クレーンレール15を固定する為のアンカー92を一定間隔で打ち込む。このアンカー位置がずれると、クレーンレール15を敷設できなくなるため、正確な位置出しとアンカー92の打ち込みが必要となる。アンカー92の打ち込み後にクレーンレール15を設置し、固定用プレート17を通してクレーンレール15を、ボルト18を介してアンカー92に固定する。
ところで、門型移動クレーンは港湾や造船など以外にもコンクリート製品メーカーなどでも製品の出荷の為に使用する場合がある。生産した製品を在庫ヤードに運ぶ際にはフォークリフトが使われるが、図10のような構造のレール基礎99が設置されていた場合には、フォークリフトはレール15の上を横断することができない。このため、軌条の横に部分的に、図11に示すように、乗り入れ用部材93を置くなどして対応している。この場合、乗り入れできる場所が限定されてしまう。一方、軌条に沿った全ての領域で乗り入れ用部材93を使用すると、費用が多くかかってしまう。また、フォークリフトで乗り入れ用部材93を通過する際の衝撃で運んでいる製品を傷つけてしまう可能性もある。
図12に、従来の異なる走行レールシステム90およびレール基礎99の一例を示している。上記のような問題を解決する為に一部の港湾などでは、ベースコンクリート91を車両が通行する地表あるいは道路9の高さよりも低い位置に設置し、レール15の両側に、後からコンクリート95を追加で打設したり、アスファルトで厚く舗装することにより、レール15の天場(上端)を道路9に合わせる施工が行われている。しかしながら、コンクリートを数回に分けて打設するのは型枠の組立や、養生期間の確保などかなりの工期が必要となる。また、現場打ちコンクリートで高さ調整用のコンクリートブロック95を打設した場合、現場の型枠ではコーナー部分の形状を曲面にしたり面取りしたりすることは難しく、労力と費用がかかる。このため、コンクリートブロック95の端部が、尖って施工されてしまうと、車両が走行した際にコーナー部分が欠けやすく、レール上にかけたコンクリートがあるとレールが痛んだり、門型移動クレーンの走行不良の要因になる。アスファルト舗装で高さ調整を行った場合は、養生期間は短くて済むが、コンクリートほど強度がなく、長期的にはアスファルト部分がつぶれてしまい、結果的にレール部分と段差ができてしまう可能性がある。
アンカー92の施工に注目すると、現場でコンクリートを打設したあとにドリルで穴をあけてアンカー92を打ち込む場合、その正確な位置出しと、ドリルで穴をあけるのに時間がかかる。正確な位置出しを行っても、ドリルで正確な位置に穴をあけるのには熟練した技術が必要となる。アンカー92の位置出しがずれていたり、アンカー92の打ち込みで位置がずれるとクレーンレール15の固定ができなくなる。クレーンレール15を無理やりまげて固定すると、門型クレーンの走行に支障が発生する。
このような従来のクレーン基礎の問題に鑑み、この発明においては、レール基礎の施工に、予め工場で生産された基礎ブロックを敷設して、その後レールをとりつける方法を採用する。工場プレハブ(プレキャスト)された基礎ブロックはU字型の内面を含む構造になっており、U字型の底面に予め埋設金物としてインサート(インサートナット)を一定間隔で埋設する。これによりアンカーの位置出し作業、アンカーの打ち込み作業がなく、迅速かつ正確にクレーンレールを基礎に固定することができる。また、U字型の二つの側壁の上端の高さは、クレーンレールを設置した時にその頂部とほぼ同じになるように設計することができる。さらに、工場プレハブすることにより、側壁の内側には少なくとも10Cもしくは10R以上の面を設けることも容易である。これにより、レール(軌条)の上を車両が容易に通行可能となり、内側に欠けにくい面が設けられているので、車両が通過した場合にもコーナー部分が欠けたり基礎が損傷したり、クレーンの走行に障害となるリスクが少なくなる。
図2に、レール基礎ブロックを用いて施工されたレール基礎10およびレール走行システム(軌条)1の概要を平面図により示している。図3に、レール走行システム1およびレール基礎10の構造を断面により示している。本例のレール走行システム1は、ガントリークレーンなどが走行するための設備であり、レール(走行レール)15が延びた方向(長手方向)Xに延びたレール基礎10と、レール基礎10に設置されたレール15とを含む。本例のレール基礎10は、長手方向Xに一列に埋設された複数のレール基礎ブロック20を有する。ガントリークレーン基礎として、本例のレール基礎10を、複数列、典型的には2列に埋設して2列のレールを備えた走行レールシステム1を提供できる。本例の走行レールシステム1は、レール基礎10を構成するレール基礎ブロック20に予め埋設されたインサート50に、押さえ金具(固定用プレート、レールクリップ)17およびボルト18を介して固定された走行レール15を含む。レール基礎ブロック20は、工場においてプレキャストされたコンクリート製のブロックであって、プレキャストする単位は長辺が1m以上、本例では2mに設定されている。
図4に、レール基礎ブロック20を示している。図4(a)は、レール基礎ブロック20の平面図、図4(b)は、レール基礎ブロック20の長辺側(図面上の右側)から見た側面図、図4(c)は、レール基礎ブロック20の短辺側(図面上の下側)から見た側面図(正面図)、図4(d)は、図4(a)のd−dにおける断面図を示す。レール基礎ブロック20は、左右対称な形状であり、レール基礎ブロック20の左側から見た側面図は図4(b)と同一に表れ、図4(c)と反対側から見た背面の形状は図4(c)と同一に表れる。また、図4(a)と反対側の裏面の形状は、図4(a)と同一の輪郭を持つ長方形である。
レール基礎ブロック20は、少なくとも1m(本例では2m)の単位の長さで、プレキャストされたコンクリートブロックであって、その上側21に長手方向Xに延びる、走行レール15を設置するための溝33を有する。溝33は、ブロック20の両端22に達し、達した部分は開口32となっており、溝33の周面30、すなわち、側面および底面は、断面が略U字型になっており、深さに対して上面21に開いた開口の幅が広い形状となっている。基礎ブロック20は、U字型の溝33の底面34の幅方向の中央に、長手方向に延びた走行レール15を設置するための設置面40と、設置面40の両側に一定の間隔で埋設された複数のインサート50とを有する。複数のインサート50は、走行レール15の耐荷重などの条件を満足するように、溝33の底面34の長手方向Xに所定の間隔を開けて埋設されている。本例では約2/3mの間隔で設置面40の両側に計6つのインサート50が埋設されている。インサート50の一例は内部にメスねじが形成された金具であり、ボルト18によりプレートなどの金具を固定することができる。
プレキャストされたレール基礎ブロック20は、工場において鉄あるいはその他の金属を用いた高精度な型枠を用いて、品質管理された状態で製造される。したがって、1m以上の長さのコンクリート製のブロック20であって、所定の面について、その面の歪みや撓みなどが小さく、直線性に優れた面を備えたコンクリート製品を低コストで量産できる。本例においては、走行用レール15が設置される面(設置面、基準面)40の精度を確保できるように、工場プレハブする際の型枠を設計し、コンクリートの注入位置などを決めることにより、例えば、2mの単位で、直に走行用レール15を設置できる高精度な基盤あるいは基礎梁となるコンクリート製のレール基礎ブロック20を低コストで提供できる。このため、レール基礎ブロック20の施工を高い精度で行うことにより、レール基礎ブロック20の溝内に、再度、高さ調整用のモルタルを敷設して、鉄板などによる基礎構造を現場で構築しなくても、レール15を設置できるレール基礎10を施工できる。さらに、プレキャスト用(プレハブ用)の型枠の所定の位置にインサート50を取り付けることが可能であり、設置面40の両側の所定の位置に、所定の間隔で高い精度でインサート50が埋め込まれたレール基礎ブロック20を製造できる。したがって、レール基礎ブロック20を用いることにより、現場でアンカーを施工する手間と時間とを省くことができ、レール基礎10の施工に要する費用および時間を軽減できる。
走行レールシステム1の施工例を図3に示している。レール基礎10は、まず、地表あるいは路面9から、施工後にレール基礎ブロック20の側壁24の上面24aが路面9とほぼ同じレベルになるように掘削する。その後、基礎コンクリート(基礎材)75を施工し、その上に、くさびや高さ調整用のプレートなどで、複数のレール基礎ブロック20を、U字型の溝33の両端の開口32同士が合致し、レール基礎10として誤差範囲となるように高さを調整して長手方向Xに並べる。さらに、高さ調整用の調整モルタルまたは調整コンクリート70を注入して長手方向Xに並べられた複数のレール基礎ブロック20の相互の位置高さを固定することによりレール基礎10が施工される。レール基礎10の天場24aは、路面9とほぼ同じレベルとなり、車両6が、レール基礎10をどこでも、容易に横断することができる。また、レール基礎10に近づけて車両6を停止することも可能となる。
次に、U字型の溝33の底面34の中心に設けられた、設置面40に走行レール15を搭載し、設置面40の両側に所定のピッチで予め埋設されているインサート50を利用して、押さえ金具17およびボルト18により走行レール15をレール基礎10に固定する。これにより、複数のレール基礎ブロック20により形成されたレール基礎10と、レール基礎10に設けられた複数のインサート50に押さえ金具17を装着し、押さえ金具17により、設置面40に取り付けられた走行レール15とを有する走行レールシステム1を提供できる。
一例として示すレール基礎ブロック20は、耐荷重30kgの普通レール用の基礎ブロックであり、全体が長さ2m、底面25aの幅W3(長手方向Xと直交する方向の距離)が750mmの細長い長方形で板状の基礎部25と、基礎部25から内部にU字型の溝33が形成するように上方21に立ち上がった一対の側壁24とを含む。基礎部25は、側壁24の外側の面24bの下方で、外側の面24bから外側にはみ出した部分(張り出した部分)28を含む。したがって、このレール基礎ブロック20は、断面が逆Π字型で左右対称のコンクリート製ブロックである。張り出した部分28の上面28aは、ほぼ水平な面となっており、側壁24の両側の地表9を形成する土砂またはアスファルトなどの部材を基礎部25の張り出した部分28により支持しやすい構造となっている。
両側壁24は断面がほぼ台形の対称形で、側壁24の平均幅W2として上面24aの幅を採用すると、幅W2が150mm程度、溝33の底面34からの高さh2が111mm程度である。側壁24の幅W2は、断面が略台形の側壁24であれば、上面24a、すなわち、両側壁が上面24aと交わる、台形の上辺に相当する幅であってもよく、断面が略方形の側壁であれば、側壁の中間高さにおける幅であってもよい。両側壁24の間にU字型の溝33が形成され、その底面34の幅W1は250mm程度である。また、設置対象の30kg対応の走行レール15の高さh1は約108mmである。したがって、上述した条件(1)〜(3)の値は以下の通りであり、本例のレール基礎ブロック20は、条件(1)および(2)を満たす。
条件(1)(W2/W1):0.6
条件(2)(W3/(W1+2×W2)):1.4
条件(3)(h2−h1):3mm
条件(1)は溝33の幅W1に対して、両側壁24の幅(上面24aの幅)(2×W2)をほぼ等しく、すなわち、両側壁24の平均幅W2、本例においては一方の側壁24の幅W2を溝33の底面34の幅W1の半分前後に設定すること示している。側壁24の強度を向上することは、レール基礎10としてレール15の荷重を受ける部分の強度を向上することと直に関連性はない。しかしながら、側壁24の幅W2を十分に確保することにより、レール基礎ブロック20の断面強度を向上でき、工場プレハブ後のU字型の溝33の底面34の歪みや撓みの発生を抑制できる。したがって、より精度の高い設置面40を備えたレール基礎ブロック20を提供できる。また、側壁24の幅W2を、レール15の荷重を受ける底面34の幅W1に対して30〜80%、さらには、40〜70%程度と、十分に厚くすることにより、車両6がレール基礎10を横断する際に、側壁24により車両6の荷重を受け、溝33の内部に設置されているレール15への影響を抑制できる。
また、この基礎ブロック20は、条件(2)を満足しており、基礎ブロック20の底面25aの幅W3が、両側壁24の上面24aを含めた幅(W1+2×W2)よりも大きく設計されている。基礎ブロック20単体としては、上側21の幅(W1+2×W2)よりも底面25aの幅W3が大きく、断面が、全体として四角形または上方が狭い台形状となり、レール基礎ブロック20の単体としての強度が高く、形状の変位が起こりにくく、設置面の精度をさらに向上できる。また、レール基礎10として施工された場合は、上面21に表れる幅(W1+2×W2)よりも、基礎コンクリート75などに荷重を伝達する底面25aの幅W3が大きくなり、レール15の荷重や、軌条1を横断したり、平行して走行する車両6の荷重を分散して支持できる。このため、レール基礎10がモーメントにより傾いたり歪んだり、あるいは部分的に沈下したりする不具合を未然に防止できる。
特に、本例の基礎ブロック20においては、基礎部25が両側壁24の外面24bから外側に張り出した(突き出た)部分28を有する。したがって、上側21の幅(W1+2×W2)に対して底面25aの幅W3を大きくしやすく、基礎ブロック20を用いたレール基礎10に加わる荷重を分散しやすい。また、基礎部25の外側に張り出した部分28が地中に存在することにより、車両6の荷重が基礎ブロック20の一方に掛かっても、基礎部25の反対側に張り出した部分28が抵抗となり、レール基礎10が回転したり、歪んだりすることを防止できる。特に、張り出した部分28の上面28aは水平な面となっており、土圧等を受けて基礎ブロック20が回転したり歪んだりすることを抑制しやすい。
さらに、この基礎ブロック20は、条件(3)を満足しており、内部に設置されるレール15より両側壁24の上面24aの方が若干高く、車両6が走行レールシステム(軌条)1を通過する際に衝撃が少なく、また、レール15に対する車両6の影響も抑制できる。したがって、走行レールシステム1のどこでも、車両通行用の補助材料を追設したりすることなく、車両6が容易に横断できるレール基礎10を、レール基礎ブロック20を用いて容易に施工できる。軌条1の上を車両が横断する際、レール15が、10mm程度であれば、レール基礎10の天場(上端)24aより突き出ていても車両6の通行に大きな障害にならない。しかしながら、横断時のレール15に対する影響、施工後の経年変化、製造誤差、施工誤差などを考慮すると、レール基礎ブロック20は条件(3)を満足し、レール基礎10は、レール15がレール基礎10の天場24aよりも若干低くなるように施工されていることが好ましい。
また、本例のレール基礎ブロック20においては、溝33を形成する両側の側壁24の内側の角(コーナ)26は、側壁24の外側の角(コーナ)27に対し大きく面取りされた構造としている。本例のレール基礎ブロック20は、工場プレハブする際の型枠により内側の角26を30R(曲率半径30mm)で成型し、外側の角27を5C(頂点から5mm後退した位置に45度の面を形成)で成型している。内側の角26は、車両6が軌条1を乗り越える際に干渉する可能性がある。このため、内側の角26を大きく、10Rまたは10C以上に、好ましくは20Rまたは20C以上に面取りすることにより角欠けを防止できる。また、施工後の軌条1の補修工事を減らしコスト削減できる。また、角欠けした材料がレール15に落ちたりしてクレーンの走行に障害になる可能性を低減できる。一方、側壁の外側の角27は、面取りが大きいと、周囲の面との間に凹みが形成されやすく、水が溜まったり、土が溜まったりするために、施工後にレール基礎ブロックが脆弱になりやすい。したがって、面取りを施さないか、または、面取りが10Rまたは10C以下になるように基礎ブロック20を成型している。
図5に、レール基礎ブロックの異なる例を示している。本例のレール基礎ブロック20は、上述したレール基礎ブロック20と共通の構成を備えているが、埋設金物として、インサート50に代わりボルト(アンカーボルト)55が埋設されている。この基礎ブロック20においては、所定の位置に所定の間隔で埋設されたボルト55に押さえ金具17を装着することによりレールを固定できる。ボルト55は、プレートなどの引き抜き耐力を向上される他の金具とともに埋設されていてもよい。埋設金具は、インサート(インサートナット)50またはボルト(アンカーボルト)55に限定されず、スタッドボルトを溶接したり、適当な方法により押さえ金具17が装着できる金具であればよく、例えば、プレートあるいはチャネルなどの他の金具(金属部材)であってもよい。なお、以降の実施例においても、埋設金具としてインサート50が埋設された例を説明しているが、ボルト55あるいはその他の金属部材であってもよいことは上述した通りである。
図6に、レール基礎ブロックの異なる例を示している。本例のレール基礎ブロック20aは、工場で型枠(精密型枠)によりプレハブされたプレキャストコンクリートブロックであり、基礎部25と、基礎部25の両側から上方21に立ち上がった一対の側壁24を含み、全体の断面が左右対称なU字型または、上側が開いたC字状またはコ字状に成型され、全長が2mのX方向に長いブロックである。本例のレール基礎ブロック20aは、基礎部25が側壁24の外面24bから外側に張り出していないシンプルな形状となっており、より低コストで提供することができる。一方、レール基礎ブロック20aは、上記のレール基礎ブロック20と同様に、内部に、上側21に開いた周面30の断面がU字型の溝33が形成されており、U字型の溝33の底面34の幅方向の中心に、長手方向Xに延びた設置面40と、設置面40の両側に一定の間隔で埋設された複数のインサート50とを有する。したがって、設置面40に、走行レール15を、インサート50を用いて精度よく固定することができる。溝33の底面34の幅W1、両側壁24の上面24aの平均の幅W2(本例においては一方の側壁24の上面24の幅)、底面25aの幅W3、および側壁24の高さh2と、内部に設置されるレール15の高さh1とは、上述した各条件(1)〜(3)を満足するように設計されている。さらに、側壁24の内側のコーナー26は30Rで成型され、外側のコーナー27は5Cで成型されている。
したがって、図7に示すように、本例のレール基礎ブロック20aを用いてレール基礎10aを施工することにより、上述したレール基礎10と同様に、短期間で、低コストで精度よく走行用レール15を敷設できるレール基礎10aを施工でき、走行レールシステム(軌条)1を提供できる。また、車両6が軌条1のどこでも横断でき、さらに、車両6の横断によりコーナー26が欠けたりすることが予防された軌条1を提供できる。
図8に、レール基礎ブロックのさらに異なる例を示している。本例のレール基礎ブロック20bは、工場で型枠(精密型枠)によりプレハブされたプレキャストコンクリートブロックであり、基礎部25と、基礎部25の両側から上方21に立ち上がった一対の側壁24を含み、全体の断面が左右対称なU字型または、上側が開いたC字状またはコ字状に成型された全長が2mの長いブロックである。本例のレール基礎ブロック20bは、側壁24の外面24bが底面25aに向かって広がった全体として台形状となっており、シンプルな形状であるとともに、基礎部25の幅W3が広く、レール基礎ブロック20bに上面21からかかる荷重を分散しやすい形状となっている。
レール基礎ブロック20bは、上記のレール基礎ブロック20と同様に、内部に、上側21に開いた周面30の断面がU字型の溝33が形成されており、U字型の溝33の底面34の幅方向の中心に、長手方向Xに延びた設置面40と、設置面40の両側に一定の間隔で埋設された複数のインサート50とを有する。したがって、このレール基礎ブロック20bにおいても、工場プレハブすることにより精度の高い設置面40を備えたブロック20bを提供でき、設置面40に、走行レール15を、インサート50を用いて精度よく固定することができる。溝33の底面34の幅W1、側壁24の上面24aの幅W2、底面25aの幅W3、および側壁24の高さh2と、内部に設置されるレール15の高さh1とは、上述した各条件(1)〜(3)を満足するように設計されている。さらに、側壁24の内側のコーナー26は30Rで成型され、外側のコーナー27は5Cで成型されている。
したがって、図9に示すように、本例のレール基礎ブロック20bを用いてレール基礎10bを施工することにより、上述したレール基礎10と同様に、短期間で、低コストで精度よく走行用レール15を敷設できるレール基礎10bを施工できる。また、施工されたレール基礎10b、走行レール15を敷設することにより、短期間および低コストで、走行レールシステム(軌条)1を施工できる。提供された軌条1は、上述した例と同様に、車両6が軌条1のどこでも横断できるものとなり、さらに、車両6の横断によりコーナー26が欠けたりすることが予防された軌条1である。
なお、上記においては、長さ2mでプレキャストされたレール基礎ブロックをもとに本発明を説明しているが、レール基礎ブロックは1m程度以上であれば、1mであってもよく、1.5mであってもよく、3m以上であってもよい。しかしながら、工場から現場への輸送、施工されるレールシステムの長さ(全長)に、レール基礎ブロックを組み合わせて対応させることを考えると、レール基礎ブロックの長さは2m前後が好適であり、レールシステムの全長との組み合わせを考えて、断面形状は同一で、長さが2mのブロックと、長さが1mのブロックとを用意してもよい。
また、上記では、断面の形状が左右対称なレール基礎ブロックにより本発明を説明しているが、レール基礎ブロックの断面形状は左右非対称であってもよい。その場合、レール基礎ブロックの一方の側壁の上端の幅は、両側壁の上端の幅の平均の幅W2の半分以上であると、側壁の強度を含めてレール基礎ブロック全体の強度を確保しやすい。さらに、レール基礎ブロックの一方の側壁の上端の幅は、平均の幅W2の2/3以上であることが好ましい。
上記には、少なくとも1mの単位の長さでプレキャストされたコンクリートブロックであって、上側に、長手方向に延び、両端が開口となり、周面の断面が略U字型の走行レール設置用の溝と、前記溝の底面に、前記長手方向に沿って設定された走行レール設置用の設置面と、前記設置面の両側に、一定の間隔で埋設された複数の埋設金具であって、走行レールの押さえ金具を固定するための複数の埋設金具とを有する、レール基礎ブロックが開示されている。前記設置面は前記溝の前記底面の中央に形成されていてもよい。基礎ブロックは、前記溝の両側の側壁の外側の面の少なくとも一方の面の下方で、外側に張り出した部分を含む基礎部を有していてもよい。前記基礎部は、前記溝の両側の側壁の外側の面の下方で、外側に張り出した部分を含んでもよい。前記外側に張り出した部分はほぼ水平な上面を含んでもよい。
前記埋設金具は、インサートおよびボルトの少なくともいずれかを含んでもよい。前記溝の底面の幅W1と、前記溝の両側の側壁の上面の幅の平均の幅W2とが以下の条件を満たしてもよい。
0.3≦W2/W1≦0.8
当該レール基礎ブロックの底面の幅W3は、以下の条件を満たしてもよい。
1≦W3/(W1+2×W2)≦3
前記溝の両側の側壁の内側の角が外側の角に対し大きく面取りされていてもよい。前記溝の両側の側壁の内側の角に10R以上、50R以下または10C以上、50C以下の面が設けられていてもよい。前記溝の両側の側壁の上面の前記設置面からの高さh2と、前記設置面に設置される走行レールの高さh1とは以下の条件を満たしてもよい。
0<h2−h1<10mm
また、上記のレール基礎ブロックを複数有し、複数のレール基礎ブロックが前記長手方向に少なくとも一列に、前記溝の両端の前記開口が合致するように埋設されている、レール基礎が開示されている。このレール基礎と、レール基礎に設けられた複数の前記埋設金具に押さえ金具を装着し、前記押さえ金具により前記設置面に取り付けられた走行レールとを有する走行レールシステムが開示されている。上記のレール基礎ブロックを複数、前記長手方向に少なくとも一列に、前記溝の両端の前記開口が合致するように埋設することを有する、レール基礎の施工方法が開示されている。上記のレール基礎ブロックを複数、前記長手方向に少なくとも一列に、前記溝の両端の前記開口が合致するように埋設してレール基礎を施工することと、前記レール基礎に設けられた複数の前記埋設金具に押さえ金具を装着し、前記押さえ金具により、前記設置面に走行レールを取り付けることとを有する走行レールシステムの施工方法が開示されている。
このように、プレキャストされたレール基礎ブロックを用いて、走行用レール用の基礎および走行レールシステム(軌条)を短期間に低コストで施工できる。本発明のレール基礎ブロックを用いて施工できる軌条1は、ガントリークレーンまたは門型クレーン用の軌条に限定されず、他の重量物や装置などを、操作のため、あるいはメンテナンスのためなどに常設される軌条であってもよい。また、走行レールシステムは2列のレールが敷設されたシステムに限らず、2列のレールのいずれか一方の一列のレールがレール基礎ブロックを用いて施工されたものであってもよく、3列以上のレールが敷設されたシステムであってもよい。
1 走行レールシステム(軌条)、 10、10a、10b レール基礎
20、20a、20b レール基礎ブロック

Claims (6)

  1. 門型クレーンの車輪が走行する走行レールのいずれか一方の一列のレールのレール基礎を、他方の一列のレール基礎とは独立して、他のプレキャストされたブロックとは上下に組み合わされずに、設置するためのプレキャストされたコンクリート製のレール基礎ブロックであって、
    単体で、基礎部と、前記基礎部から内部に1つのU字型の溝が形成されるように上方に立ち上がった一対の側壁とからなる全体が逆Π字型、U字型または上型が開いたコ字型の断面を有し、
    前記溝の底面に前記走行レールを設置するための複数のインサートが、前記基礎部内に前記複数のインサート全体が収まるように埋設されている、レール基礎ブロック。
  2. 請求項1において、
    前記溝の両側の側壁の内側の角が外側の角に対し大きく面取りされている、レール基礎ブロック。
  3. 門型クレーン用のレール基礎であって、
    請求項1または2に記載のレール基礎ブロックが前記門型クレーンの車輪が走行する走行レールを設置するように2列に埋設されている、レール基礎。
  4. 請求項に記載のレール基礎と、
    前記レール基礎に設けられた複数の前記インサートに押さえ金具を装着し、前記押さえ金具により取り付けられた走行レールとを有する、門型クレーン用の走行レールシステム。
  5. 門型クレーン用のレール基礎の施工方法であって、
    請求項1または2に記載のレール基礎ブロックを前記門型クレーンの車輪が走行する走行レールを設置するように2列に埋設することを有する施工方法。
  6. 門型クレーン用の走行レールシステムの施工方法であって、
    請求項1または2に記載のレール基礎ブロックを前記門型クレーンの車輪が走行する走行レールを設置するように2列に埋設してレール基礎を施工することと、
    前記レール基礎に設けられた複数の前記インサートに押さえ金具を装着し、前記押さえ金具により走行レールを取り付けることとを有する施工方法。
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