JP6859735B2 - サイリスタ - Google Patents

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Description

本発明は、サイリスタに関する。
従来、ゲート電極に電圧を印加することによりチャネルを形成し、オンオフを制御するゲート制御型のサイリスタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2000−311998号公報
しかしながら、従来のサイリスタは、オン電圧の低下が十分ではなく、更なるオン電圧の低下が望まれている。
本発明の第1の態様においては、半導体基板のおもて面側に形成され、第1導電型を有するカソード層と、半導体基板において、カソード層の裏面側に設けられ、第1導電型と異なる第2導電型を有する第1ベース層と、半導体基板において、第1ベース層の裏面側に設けられ、第1導電型を有する第2ベース層と、半導体基板において、第2ベース層の裏面側に設けられ、第2導電型を有するアノード層と、第1ベース層からの正孔の引き抜きを制御することにより、サイリスタのオンオフを制御する制御部とを備えるサイリスタを提供する。制御部は、半導体基板のおもて面側において、第1の方向に延伸して、第1の方向と垂直な第2の方向に配列された複数のゲートトレンチ部を備えてよい。また、制御部は、半導体基板のおもて面側であって、複数のゲートトレンチ部のうち第2の方向に隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部の間に設けられた、第2導電型のコンタクト部を備えてよい。
制御部は、第1ベース層から正孔を引き抜くことによりサイリスタをターンオフさせてよい。また、制御部は、第1ベース層から正孔を引き抜かず、第1ベース層に正孔を蓄積させることによりサイリスタをターンオンさせてよい。
制御部は、サイリスタのターンオン時において、カソード層から第2ベース層を介してアノード層に電子を注入させ、アノード層から第1ベース層に正孔を蓄積させてよい。
コンタクト部およびカソード層は、カソード電位に設定されてよい。
カソード層の厚さは、第1ベース層の厚さよりも薄くてよい。
カソード層の第1の方向における長さは、複数のゲートトレンチ部における一つのゲートトレンチ部の第1の方向における長さよりも短くてよい。
カソード層の第1の方向における長さは、複数のゲートトレンチ部における一つのゲートトレンチ部の第1の方向における長さよりも長くてよい。
複数のゲートトレンチ部は、第2の方向に隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部と、第2の方向に隣接して設けられた他の組のゲートトレンチ部とを含んでよい。また、1組のゲートトレンチ部と、第2の方向に隣接する他の組のゲートトレンチ部とが、第2の方向に並んで設けられてよい。
複数のゲートトレンチ部は、第2の方向に隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部と、第2の方向に隣接して設けられた他の組のゲートトレンチ部とを含んでよい。1組のゲートトレンチ部と、第2の方向に隣接する他の組のゲートトレンチ部とが、第1の方向にずれて設けられてよい。
複数のゲートトレンチ部は、第1の方向に加えて、第2の方向に延伸したL字型の構造を有してよい。
コンタクト部は、複数のゲートトレンチ部のうち隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部の間において、平面視で1組のゲートトレンチ部の第1の方向の端部に対して窪んで設けられてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
実施例1に係るサイリスタ100の斜視図の一例を示す。 実施例1に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。 ゲートオフ動作時のサイリスタ100の一例を示す。 ゲートオン動作時のサイリスタ100の一例を示す。 サイリスタ100の上面図の一例を示す。 比較例1に係るサイリスタ500の構成を示す。 実施例2に係るサイリスタ100の斜視図の一例を示す。 実施例2に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。 実施例3に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。 実施例4に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。 サイリスタ100の動作の一例を示す。 サイリスタ100の動作の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[実施例1]
図1Aは、実施例1に係るサイリスタ100の斜視図の一例を示す。図1Bは、実施例1に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。サイリスタ100は、半導体基板10に形成されたカソード層12、第2ベース層14、コンタクト部15、第1ベース層16、アノード層18およびゲートトレンチ部30を備える。サイリスタ100は、PNPN構造を有する。なお、本明細書において、第1導電型をn型として、第2導電型をp型として説明する。但し、これらの導電型は入れ替えられてもよい。
ゲートトレンチ部30は、トレンチの内壁に沿って形成されたトレンチ絶縁膜と、トレンチ絶縁膜の内側に形成されたゲート導電部とを有する。例えば、ゲート導電部は、多結晶シリコンである。ゲート導電部は、ゲート電位に設定される。本例では、複数のゲートトレンチ部30が半導体基板10のおもて面側に設けられている。ゲートトレンチ部30は、半導体基板10のおもて面側からカソード層12および第1ベース層16を貫通して第2ベース層14に達する。
ゲートトレンチ部30は、予め定められた延伸方向(即ち、Y軸方向)に延伸して形成されている。本例では、複数のゲートトレンチ部30が延伸方向と垂直な配列方向(即ち、X軸方向)に配列されている。本明細書において延伸方向とは、半導体基板10のおもて面と平行な、ゲートトレンチ部30が延伸する方向である。配列方向は、半導体基板10のおもて面と平行な、ゲートトレンチ部30の延伸方向と直交する方向である。延伸方向は、第1の方向の一例である。また、配列方向は、第2の方向の一例である。
複数のゲートトレンチ部30は、配列方向に並んで設けられている。複数のゲートトレンチ部30は、トレンチの間隔の狭い領域と、トレンチの間隔の広い領域とを繰返して配列されている。複数のゲートトレンチ部30は、1組のゲートトレンチ部と他の組のゲートトレンチ部とを含む。1組のゲートトレンチ部30と配列方向に隣接する他の組のゲートトレンチ部30とが、配列方向に並んで設けられている。トレンチの間隔の狭い領域は、1組のゲートトレンチ部30のトレンチ同士に挟まれた領域である。トレンチの間隔の広い領域は、1組のゲートトレンチ部30と、他の組のゲートトレンチ部30との間に挟まれた領域である。
カソード層12は、半導体基板10のおもて面側に設けられる。カソード層12は、第1導電型を有する。本例のカソード層12は、n+型の不純物濃度を有する。カソード層12のおもて面側には、カソード電極が形成されてよい。これにより、カソード層12は、カソード電位Kに設定される。本例のカソード層12の厚さは、第1ベース層16の厚さよりも薄い。
カソード層12の面積は、サイリスタ100の要求される特性に応じて、任意に設定されてよい。一例において、カソード層12の延伸方向における長さが、サイリスタ100の要求される特性に応じて、任意に設定される。カソード層12の延伸方向における長さは、複数のゲートトレンチ部30における一つのゲートトレンチ部30の延伸方向における長さよりも短い。また、カソード層12の延伸方向における長さは、複数のゲートトレンチ部30の配列方向の長さよりも長くてもよい。
第1ベース層16は、半導体基板10のおもて面側に設けられる。一例において、第1ベース層16は、半導体基板10のおもて面側から不純物をイオン注入することにより形成される。第1ベース層16の少なくとも一部は、カソード層12の裏面側に設けられている。第1ベース層16は、第2導電型を有する。本例の第1ベース層16は、p型の不純物濃度を有する。
第2ベース層14は、第1ベース層16の裏面側に設けられる。第2ベース層14は、第1導電型を有する。本例の第2ベース層14は、n−型の不純物濃度を有する。例えば、半導体基板10が第1導電型を有する場合、半導体基板10がそのまま第2ベース層14とされてよい。
コンタクト部15は、半導体基板10のおもて面側に設けられる。コンタクト部15は、複数のゲートトレンチ部30のうち配列方向に隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部30の間に設けられている。一例において、コンタクト部15は、半導体基板10のおもて面側から不純物をイオン注入することにより形成される。コンタクト部15は、第2導電型を有する。本例のコンタクト部15は、p+型の不純物濃度を有する。コンタクト部15のおもて面側には、カソード電極が形成されてよい。これにより、コンタクト部15は、カソード電位Kに設定される。
アノード層18は、半導体基板10の裏面側に設けられる。本例のアノード層18は、第1ベース層16の裏面側に設けられている。アノード層18は、第2導電型を有する。本例のアノード層18は、p+型の不純物濃度を有する。アノード層18の裏面側には、アノード電極が形成されてよい。これにより、アノード層18は、アノード電位Aに設定される。
ここで、ゲートトレンチ部30およびコンタクト部15は、サイリスタ100のオンオフを制御する制御部の一例である。制御部は、第1ベース層16からの正孔の引き抜きを制御することにより、サイリスタ100のオンオフを制御する。例えば、制御部は、第1ベース層16から正孔を引き抜くことによりサイリスタ100をターンオフさせる。また、制御部は、第1ベース層16から正孔を引き抜かず、第1ベース層16に正孔を蓄積させることによりサイリスタ100をターンオンさせる。制御部は、サイリスタ100のターンオン時において、カソード層12から第2ベース層14を介してアノード層18に電子を注入させ、アノード層18から第1ベース層16に正孔を蓄積させる。
特に、コンタクト部15は、複数のゲートトレンチ部30のうち隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部30の間において、平面視でゲートトレンチ部30の延伸方向の端部に対して窪んで設けられている。これにより、コンタクト部15は、第1ベース層16に蓄積されたキャリアを引き抜くか否かを制御される。
図2Aは、ゲートオフ動作時のサイリスタ100の一例を示す。ゲートオフの場合、半導体基板10のキャリアは、コンタクト部15によってカソード電極に排出される。一例において、ゲートオフの場合とは、ゲートトレンチ部30のゲート電圧がローの場合である。また、ゲートオフの場合とは、キャリアがコンタクト部15によってカソード電極に排出可能な程度に低い電圧がゲートトレンチ部30に印加される場合を含んでよい。即ち、ゲートオフの場合とは、ゲート電圧がローの場合のみならず、ゲート電圧に基づく電圧が実質的にローの場合を含んでよい。ここで、コンタクト部15によってカソード電極にキャリアが排出されるゲート電圧は、複数のゲートトレンチ部30の間隔やコンタクト部15の濃度等に応じて異なる。図2Aの矢印は、キャリアがゲートトレンチ部30を回り込んでコンタクト部15に排出される経路を示す。
図2Bは、ゲートオン動作時のサイリスタ100の一例を示す。ゲートオンの場合、ゲートトレンチ部30の周囲にゲート電位による電位障壁が生じる。一例において、ゲートオンの場合とは、ゲートトレンチ部30のゲート電圧がハイの場合である。また、ゲートオンの場合とは、ゲートトレンチ部30の周囲にゲート電位による電位障壁が生じ、キャリアがコンタクト部15に排出されない程度に高い電圧がゲートトレンチ部30に印加される場合を含んでよい。例えば、ゲート電位による電位障壁が生じると、半導体基板10における正孔がコンタクト部15に排出されるのが抑制される。これにより、第1ベース層16の電位が持ち上がり、カソード層12と第1ベース層16とのPN接合が順バイアスとなる。第1ベース層16とカソード層12からなるPN接合が順バイアスとなるとサイリスタ100がオンする。ここで、キャリアがコンタクト部15に排出されない程度に高い電圧は、複数のゲートトレンチ部30の間隔やコンタクト部15の濃度等に応じて異なる。
また、ゲートトレンチ部30のゲート電圧がローとなると、第1ベース層16に蓄積されたキャリアが排出されるので、サイリスタ100がオフする。以上の通り、第1ベース層16は、ゲートオフ動作時にはカソード電位となり、ゲートオン動作時にフローティング電位となる。なお、ゲートトレンチ部30のトレンチの間隔の広い領域では、第1ベース層16とゲートトレンチ部30の界面に反転層が形成される。形成された反転層は、第2ベース層14を介してアノード層18に電子を注入し、それに応じてアノード層18から第1ベース層16に正孔が注入される。
以上の通り、本例のサイリスタ100は、第1ベース層16におけるキャリアの蓄積を制御することにより、オンオフ動作を制御する。即ち、サイリスタ100は、第1ベース層16に正孔が蓄積され、カソード層12と第1ベース層16とのPN接合が順バイアスされることによりオンする。一方、サイリスタ100は、第1ベース層16に蓄積された正孔がカソード層12からカソード電極に排出され、第1ベース層16の電位が下がることによりオフする。
図3は、サイリスタ100の上面図の一例を示す。本例では、サイリスタ100の設計方法の一例を説明する。長さDa〜Dgは、サイリスタ100の構造の代表的な寸法を示す。本例では、実施例1に係るサイリスタ100において、隣接する1組のゲートトレンチ部30a,30bと、隣接する他の組のゲートトレンチ部30c,30dを用いて説明する。本例のゲートトレンチ部30a,30bおよびゲートトレンチ部30c,30dは、同一の構造およびサイズを有する。
長さDaは、1組のゲートトレンチ部30の間隔(メサ幅)を示す。本例の長さDaは、ゲートトレンチ部30aとゲートトレンチ部30bとの間隔を示している。長さDaは、ゲートトレンチ部30にゲート電圧が印加されることにより、コンタクト部15への正孔の引き抜きを制御できる長さに設定される。即ち、長さDaは、ゲートトレンチ部30をゲートオンした場合に、電位障壁が生じ、コンタクト部15への正孔の注入を抑制できる程度の長さに設定される。なお、1組のゲートトレンチ部30の間隔は、例えば0.01μm〜3μm、より好ましくは0.1μm〜0.5μmとするとよい。
長さDbは、ゲートトレンチ部30の配列方向の幅を示す。本例の長さDbは、ゲートトレンチ部30bの配列方向の幅を示している。本例では、ゲートトレンチ部30a,30b,30c,30dのそれぞれの配列方向の幅が等しい。長さDbは、半導体の製造プロセス等に応じて決定されてよい。
長さDcは、隣接する1組のゲートトレンチ部30と他の組のゲートトレンチ部30との間隔を示す。本例では、1組のゲートトレンチ部30a,30bと、他の組のゲートトレンチ部30c,30dとの間隔を示している。より具体的には、ゲートトレンチ部30bと、ゲートトレンチ部30cとの間隔を示す。
長さDdは、ゲートトレンチ部30aの延伸方向の端部と、コンタクト部15の延伸方向の端部との距離を示す。即ち、長さDdは、平面視における、コンタクト部15の1組のゲートトレンチ部30a,30bに対する窪み量を示している。長さDdを調整することにより、第1ベース層16に蓄積されたキャリアの引き抜きを制御する。
長さDeは、コンタクト部15の延伸方向における長さを示す。長さDeは、ゲートトレンチ部30の延伸方向における長さとの関係に応じて決定されてよい。長さDeに応じてコンタクト部15の面積が変更され、サイリスタ100の特性が調整されてよい。
長さDfは、ゲートトレンチ部30bの延伸方向の端部と、カソード層12の延伸方向の端部との距離を示す。本例の長さDfは、ゲートトレンチ部30bのY軸方向の正側の端部と、カソード層12のY軸方向の正側の端部との間隔を示している。長さDfは、第1ベース層16に蓄積されるキャリアの蓄積容易性および排出容易性に寄与する。例えば、長さDfを長くすることにより、第1ベース層16に正孔を蓄積し易くなるが排出しにくくなる。一方、長さDfを短くすることにより、第1ベース層16に正孔を蓄積しにくくなるが排出し易くなる。
長さDgは、カソード層12の延伸方向における長さを示す。長さDgの大きさに応じて、平面視における第1ベース層16とカソード層12との面積比が変化する。第1ベース層16とカソード層12との面積比によって、サイリスタ100のオン電圧が調整されてよい。例えば、第1ベース層16に対するカソード層12の面積比を大きくすることにより、サイリスタ100のオン電圧が低減される。
[比較例1]
図4は、比較例1に係るサイリスタ500の構成を示す。サイリスタ500は、半導体基板510、バッファ層512、ベース層516、ゲート電極520、エミッタ電極522およびコレクタ電極524を備える。本例のサイリスタ500は、エミッタ電極522とコレクタ電極524との間にPNPNの四重構造を有している。ゲート電極520にゲート電圧が印加されることにより、ゲート電極520と絶縁膜を挟んだ領域にチャネルが形成される。これにより、サイリスタ500のサイリスタがオンする。比較例1に係るサイリスタ500では、チャネルが抵抗となるのでオン電圧を十分低減できない場合がある。
[実施例2]
図5Aは、実施例2に係るサイリスタ100の斜視図の一例を示す。図5Bは、実施例2に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。本例のサイリスタ100では、カソード層12が形成される領域が、実施例1に係るサイリスタ100と異なる。本例では、実施例1と相違する点について特に説明する。
サイリスタ100は、実施例1に係るサイリスタ100よりもカソード層12の形成される領域が広い。言い換えると、半導体基板10のおもて面において、p領域である第1ベース層16が形成された領域よりも、n+領域であるカソード層12が形成された領域の方が広い。例えば、カソード層12の延伸方向における長さは、複数のゲートトレンチ部30における一つのゲートトレンチ部30の延伸方向における長さよりも長い。本例のカソード層12は、ゲートトレンチ部30の延伸方向にストライプ状に形成されている。本例のサイリスタ100は、実施例1よりも単位面積当たりのn+領域が広いので、オン電圧を低減できる。
以上の通り、サイリスタ100は、カソード層12と第1ベース層16が形成される領域の割合を任意に設定してよい。例えば、サイリスタ100は、要求されるオン電圧の値に応じて、カソード層12と第1ベース層16との割合を調整する。即ち、カソード層12の具体的な形状は、本例に限られない。
[実施例3]
図6は、実施例3に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。本例のサイリスタ100は、ゲートトレンチ部30の配列が実施例1および2に係るサイリスタ100と異なる。本例のサイリスタ100では、1組のゲートトレンチ部30の配置が、実施例2に係るサイリスタ100と異なる。本例では、実施例2と相違する点について特に説明する。
1組のゲートトレンチ部30の配置は、ゲートトレンチ部30の構造や、サイリスタ100のオンオフの制御性を考慮して任意に決定される。本例の複数のゲートトレンチ部30では、1組のゲートトレンチ部30と配列方向に隣接する他の組のゲートトレンチ部30とが、延伸方向にずれて設けられている。これにより、本例の複数のゲートトレンチ部30は、半導体基板10のおもて面において、実施例1および2の場合よりも均等に配置されている。よって、本例のサイリスタ100は、第1ベース層16に蓄積されたキャリアを容易に引き抜ける。よって、サイリスタ100がターンオフしやすくなる。
[実施例4]
図7は、実施例4に係るサイリスタ100の上面図の一例を示す。本例のサイリスタ100では、ゲートトレンチ部30の形状が、実施例2に係るサイリスタ100と異なる。本例では、実施例2と相違する点について特に説明する。
複数のゲートトレンチ部30は、平面視で、L字型の構造を有する。本例の複数のゲートトレンチ部30は、延伸方向に加えて、配列方向に延伸したL字型の構造を有する。また、4つのL字型のゲートトレンチ部30は、L字の角部が4つのゲートトレンチ部30の中心を向くように配置されている。本例のサイリスタ100は、実施例2の場合よりも、ゲートトレンチ部30が均等に配置されているので、ターンオフしやすい。なお、本例のゲートトレンチ部30は、X軸方向の長さとY軸方向の長さが等しくなるように設けられている。但し、ゲートトレンチ部30は、X軸方向の長さとY軸方向の長さとが異なるように設けられてもよい。
図8Aは、サイリスタ100の動作の一例を示す。図8Bは、サイリスタ100の動作の一例を示す。縦軸はゲート電圧Vg、コレクタ電圧Vc、コレクタ電流Icのいずれかを示し、横軸は時間tを示す。ゲート電圧Vg、コレクタ電圧Vcおよびコレクタ電流Icは、実線、1点鎖線、点線でそれぞれ示されている。図8Aおよび図8Bは、サイリスタ100のシミュレーション結果を示している。図8A、図8Bでは、1組のゲートトレンチ部30の間隔(メサ幅)を0.2μmとした。
ゲート電圧Vgをオンすると、コレクタ電圧Vcが低下し、コレクタ電流Icが流れる。一方、ゲート電圧Vgをオフすると、コレクタ電圧Vcが上昇し、コレクタ電流Icが遮断されている。即ち、サイリスタ100は、ゲート電圧Vgのオンオフの制御により、ターンオンおよびターンオフすることが確認された。
以上の通り、サイリスタ100は、第1ベース層16に蓄積された正孔の引き抜きを制御することにより、オンオフを制御する。これにより、本例のサイリスタ100は、ゲート制御により生じた反転層をチャネルとした場合と比べて、オン電圧を低減できる。本例のサイリスタ100は、電力変換装置に用いられるパワー半導体装置に適用されてよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発*明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・半導体基板、12・・・カソード層、14・・・第2ベース層、15・・・コンタクト部、16・・・第1ベース層、18・・・アノード層、30・・・ゲートトレンチ部、100・・・サイリスタ、500・・・サイリスタ、512・・・バッファ層、510・・・半導体基板、516・・・ベース層、520・・・ゲート電極、522・・・エミッタ電極、524・・・コレクタ電極

Claims (10)

  1. 半導体基板のおもて面側に形成され、第1導電型を有するカソード層と、
    前記半導体基板において、前記カソード層の裏面側に設けられ、前記第1導電型と異なる第2導電型を有する第1ベース層と、
    前記半導体基板において、前記第1ベース層の裏面側に設けられ、前記第1導電型を有する第2ベース層と、
    前記半導体基板において、前記第2ベース層の裏面側に設けられ、前記第2導電型を有するアノード層と、
    前記第1ベース層からの正孔の引き抜きを制御することにより、サイリスタのオンオフを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記半導体基板のおもて面側において、第1の方向に延伸して、前記第1の方向と垂直な第2の方向に配列された複数のゲートトレンチ部と、
    前記半導体基板のおもて面側であって、前記複数のゲートトレンチ部のうち前記第2の方向に隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部の間に設けられた、前記第2導電型のコンタクト部と
    を備え
    前記コンタクト部は、前記複数のゲートトレンチ部のうち隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部と接しており、前記1組のゲートトレンチ部の間において、平面視で前記1組のゲートトレンチ部の前記第1の方向の端部に対して窪んで設けられるサイリスタ。
  2. 前記制御部は、
    前記第1ベース層から正孔を引き抜くことにより前記サイリスタをターンオフさせ、
    前記第1ベース層から正孔を引き抜かず、前記第1ベース層に正孔を蓄積させることにより前記サイリスタをターンオンさせる
    請求項1に記載のサイリスタ。
  3. 前記制御部は、
    前記サイリスタのターンオン時において、前記カソード層から前記第2ベース層を介して前記アノード層に電子を注入させ、前記アノード層から前記第1ベース層に正孔を蓄積させる
    請求項1又は2に記載のサイリスタ。
  4. 前記コンタクト部および前記カソード層は、カソード電位に設定されている
    請求項1から3のいずれか一項に記載のサイリスタ。
  5. 前記カソード層の厚さは、前記第1ベース層の厚さよりも薄い
    請求項1から4のいずれか一項に記載のサイリスタ。
  6. 前記カソード層の前記第1の方向における長さは、前記複数のゲートトレンチ部における一つのゲートトレンチ部の前記第1の方向における長さよりも短い
    請求項1から5のいずれか一項に記載のサイリスタ。
  7. 前記カソード層の前記第1の方向における長さは、前記複数のゲートトレンチ部における一つのゲートトレンチ部の前記第1の方向における長さよりも長い
    請求項1から6のいずれか一項に記載のサイリスタ。
  8. 前記複数のゲートトレンチ部は、前記第2の方向に隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部と、前記第2の方向に隣接して設けられた他の組のゲートトレンチ部とを含み、
    前記1組のゲートトレンチ部と、前記第2の方向に隣接する前記他の組のゲートトレンチ部とが、前記第2の方向に並んで設けられている
    請求項1から7のいずれか一項に記載のサイリスタ。
  9. 前記複数のゲートトレンチ部は、前記第2の方向に隣接して設けられた1組のゲートトレンチ部と、前記第2の方向に隣接して設けられた他の組のゲートトレンチ部とを含み、
    前記1組のゲートトレンチ部と、前記第2の方向に隣接する前記他の組のゲートトレンチ部とが、前記第1の方向にずれて設けられている
    請求項1から8のいずれか一項に記載のサイリスタ。
  10. 前記複数のゲートトレンチ部は、前記第1の方向に加えて、前記第2の方向に延伸したL字型の構造を有する
    請求項1から7のいずれか一項に記載のサイリスタ。
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