JP6858148B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、離型フィルムに関する。
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の成型工程や、半導体素子等の電子部品の製造における封止工程においては、作製した成型品ないし封止体を金型からスムーズに取り出すために、金型に接して離型フィルムが配設される。この離型フィルムとして、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系フィルム、ポリ(4−メチルペンテン−1)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)表層にシリコーン系材料を塗布したフィルム等が実用化されている。
また、離型フィルムは高温に曝されるために耐熱性が求められる。耐熱性に優れた離型フィルムとして、例えば特許文献1には、(A)ポリフェニレンエーテルを50質量%以上85質量%以下、(B)少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体及び/又はその水素添加されたブロック共重合体を15質量%以上50質量%以下含む樹脂組成物により形成されたポリフェニレンエーテル系樹脂フィルムが記載されている。
特開2009−249515号公報
従来、半導体素子の封止工程はトランスファーモールド方式が主流であった。しかし最近になって、より低い圧力での封止が可能で、細線化したワイヤーに対しても損傷を生じにくいコンプレッションモールド方式の開発が進められている。このコンプレッションモールド方式の一例では、まず、下側金型を下降させてその中に熱硬化性樹脂を溶かし込む。次いで下側金型を上昇させ、これにより上側金型に固定した半導体素子を樹脂中に浸した後、樹脂を熱硬化して半導体素子を封止する。コンプレッションモールド方式において、離型フィルムは、熱硬化性樹脂と下側金型との間に設置され、封止体の取り出しを容易にするために用いられる。
コンプレッションモールド方式で使用する離型フィルムには、金型に追従した延伸状態で高温に曝されても、延伸前の状態に向けて復元できる特性が求められる。コンプレッションモールド方式に用いる離型フィルムは、真空吸引等により金型の内表面全体に当該表面の形状に沿って延伸して密着させた状態で、熱硬化性樹脂を溶かすために高温に曝される。この延伸・高温状態で離型フィルムが伸びきって復元できない状態になってしまうと、半導体素子の封止のために金型を移動させて熱硬化性樹脂を硬化した際に離型フィルムに弛みが生じ、硬化樹脂中にフィルムが巻き込まれて封止体の取り出しに支障をきたしたり、外観が悪化したりする。
そこで本発明は、より高品質の成形品ないし封止体をより効率的に製造することを可能とする離型フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み、離型フィルムの特性について鋭意検討を重ねた。その結果、上記の目的をより高いレベルで実現するには、離型フィルムは単に、高温下で延伸力を解いた後の復元率が高いだけでは足りず、復元する力も重要な要素であることを見い出すに至った。すなわち、高温下で延伸力を解いたときに延伸前の状態に向けて復元できる特性を有していても、復元する力強さが十分でない場合には、加圧して成形した封止樹脂中に離型フィルムの食い込みが生じやすく離型フィルムがちぎれて封止体に食い込んだ状態で封止体が取り出されてしまったり、あるいは取り出した封止体に離型フィルムの食い込み痕がシワとして残ったりして、封止体の製造効率ないし品質が低下しやすいことが明らかとなってきた。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち、本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
〔1〕
175℃における収縮回復率が60%以上であり、175℃における5%モジュラスの値が1.5MPa以上である離型フィルムであって、
ポリフェニレンエーテル樹脂を70質量%以上含有し、かつスチレン系エラストマーを2質量%以上20質量%以下含有する層を含む離型フィルム

前記離型フィルムが複層構造である、〔〕記載の離型フィルム。

前記離型フィルムの一方の面において、最表層がポリオレフィン樹脂を含有する、〔1〕又は〔2〕記載の離型フィルム。

前記ポリオレフィン樹脂が環状オレフィン成分を含有する、〔〕記載の離型フィルム。

電子部品の封止工程に用いる、〔1〕〜〔〕のいずれか記載の離型フィルム。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の離型フィルムは、より高品質の成形品ないし封止体をより効率的に製造することを可能とする。
図1は、本発明の離型フィルムを使用する、コンプレッションモールド方式による半導体パッケージの作製工程の一例を説明する概略断面図である。図1(a)は、下側金型4の上に離型フィルム1を張りその上に熱硬化性樹脂6のペレットを載せた状態とし、上側金型3には半導体素子7を固定化した状態を示す。図1(b)は、離型フィルム1が下側金型4表面に吸着し、下側金型4の熱で熱硬化性樹脂6のペレットが溶融した状態を示す。図1(c)は、下側金型4の底部分が上昇し、溶融した熱硬化性樹脂6中に半導体素子7が浸され、封止体8が成型された状態を示す。図1(d)は、封止体8を上側金型3および離型フィルム1から剥離した状態を示す。
[離型フィルム]
本発明の離型フィルムは、175℃における収縮回復率が60%以上である。これにより、離型フィルムを延伸した状態で高温に曝しても、この延伸状態を解いたときに延伸前の状態に向けて、十分に復元することができる。
また、本発明の離型フィルムは、175℃における5%モジュラスの値が1.5MPa以上である。すなわち、離型フィルムを延伸した状態で高温に曝しても、一定の強い力で、延伸前の状態に向けて復元できる物性を有している。
<175℃における収縮回復率>
本発明の離型フィルムは、上記の通り、175℃における収縮回復率が60%以上である。封止体への離型フィルムの食い込みをより抑える観点から、上記回復率は65%以上が好ましい。また、上記回復率は、100%であってもよい。
離型フィルムの175℃における収縮回復率は、後述する実施例に記載の方法により決定される。
<175℃における5%モジュラス>
本発明の離型フィルムは、上記の通り、175℃における5%モジュラスの値が1.5MPa以上である。封止体への離型フィルムの食い込みをより抑える観点から、上記5%モジュラスの値は1.8MPa以上が好ましく、2.0MPa以上がより好ましく、2.2MPa以上がさらに好ましい。また、上記5%モジュラスの値は、30MPa以下とするのが実際的であり、通常は20MPa以下であり、例えば12MPa以下とすることも好ましい。
離型フィルムの175℃における5%モジュラスの値は、後述する実施例に記載の方法により決定される。
<離型フィルムの構成>
本発明の離型フィルムは、上記物性を満たす限り、単層構成であってもよく、複層構成であってもよい。本発明の離型フィルムが複層構成の場合、2〜5層が好ましく、2〜4層がより好ましく、2〜3層がさらに好ましく、2層構成であることが特に好ましい。
本発明の離型フィルムを構成する材料も、離型フィルムが上記物性を満足すれば特に制限されず、樹脂フィルムの材料として用い得る樹脂を広く用いることができる。以下に本発明の離型フィルムの構成材料ないし層構成の好ましい例を説明するが、本発明は、本発明で規定すること以外はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の離型フィルムが複層構成の場合、離型フィルムの一方の面において、最表層がポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい(離型フィルムの両面のうち一面において、最外層がポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい。)。例えばコンプレッションモールド方式による封止に当たり、ポリオレフィン樹脂を含有する層を樹脂側(金型に接する側とは反対の側)とすることにより、封止樹脂との接着性を低減でき、離型性をより高めることができる。
上記ポリオレフィン樹脂としては、特に制限なく、環状オレフィン成分(シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等)を含んでもよいし、鎖状オレフィン成分(エチレン成分、α−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン等)成分等)を含んでもよい。また、単独重合体でもよいし、共重合体でもよい。離型性をより高める観点からは、環状オレフィン成分を含むことが好ましく、なかでもノルボルネン化合物成分を含むことが好ましい。なお、「ノルボルネン化合物」は、ノルボルネンの他、ノルボルネンが置換基を有する構造を含む意味である。
上記のポリオレフィン樹脂を含有する層は、ポリオレフィン樹脂を1種含有する層でもよく、2種以上のポリオレフィン樹脂を含有してもよい。ポリオレフィン樹脂を含有する層中、ポリオレフィン樹脂の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。ポリオレフィン樹脂を含有する層はポリオレフィン樹脂からなることも好ましい。ポリオレフィン樹脂を含有する層がポリオレフィン樹脂以外の樹脂成分を含む場合、ポリオレフィン樹脂を除く残部は、ポリオレフィン樹脂と相溶性を示す樹脂成分が好ましい。
本発明の離型フィルムは、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層を含むことが好ましい。また、少なくとも金型と接する層を、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層とすることが好ましい。 ポリフェニレンエーテル樹脂は、通常は変性ポリフェニレンエーテルである。「変性ポリフェニレンエーテル」とは、ポリフェニレンエーテルと他の樹脂とのポリマーアロイの総称である。変性ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンとのポリマーアロイ、ポリアミドとポリフェニレンエーテルとのポリマーアロイ、ポリプロピレンとポリフェニレンエーテルとのポリマーアロイ、ポリフェニレンサルファイドとポリフェニレンエーテルとのポリマーアロイが挙げられる。
中でも、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンとのポリマーアロイ、すなわち、スチレン変性ポリフェニレンエーテルが好ましい。
ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層中、ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量はフィルムの耐熱性が下がり封止材の成型温度で流動化するのをより抑制する観点から、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層は、スチレン系エラストマーを含有することが好ましい。このスチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEEPS)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層中、スチレン系エラストマーの含有量は、耐熱性をより高める観点から30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、8質量%以下とすることが特に好ましい。また、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層中、スチレン系エラストマーの含有量は、可とう性をより高める観点から1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層は、スチレン系エラストマー以外のポリスチレン樹脂を含有してもよい。例えば、汎用ポリスチレン(GPPS)、ハイブランチポリスチレン等を含有することができる。ハイブランチポリスチレンは、例えば特開2012−57082号公報に記載されたものを用いることができる。スチレン系エラストマー以外のポリスチレン樹脂は、ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系エラストマーとの相溶化剤としても機能する。
ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層中、スチレン系エラストマー以外のポリスチレン樹脂の含有量は、耐熱性をより高める観点から30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、8質量%以下とすることが特に好ましい。また、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層中、スチレン系エラストマー以外のポリスチレン樹脂の含有量は、ポリフェニレンエーテル樹脂とエラストマーとの相溶性を高め、製造性をより良化する観点から1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。
本発明の離型フィルムは、上記のポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層とポリオレフィン樹脂を含有する層とを含む、複層構造であることが好ましい。より好ましくは、離型フィルムの両面のうち一方の面の最表層がポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層であり、他方の面の最表層がポリオレフィン樹脂を含有する層であることが好ましい。離型フィルムが上記のポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層とポリオレフィン樹脂を含有する層とを含む複層構造の場合、2層構造であることがより好ましい。当該2層構造の場合、[ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する層]/[ポリオレフィン樹脂を含有する層]の厚さの比は、30/70〜95/5が好ましく、40/60〜90/10がより好ましい。ポリオレフィン樹脂を含有する層の占める割合の上限を上記の好ましい範囲内とすることにより、流動性がより抑えられて耐熱性をより高めることができ、また、当該割合の下限を上記の好ましい範囲内とすることにより、離型性をより高めることができる。
本発明の離型フィルムは(離型フィルムが複層構造の場合、各層は)、本発明の目的を阻害しない限り、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、顔料等の各種添加剤成分の1種又は2種以上を配合することができる。これらの添加剤としては公知のものを適宜に用いることができる、また、添加の配合量に特に制限はなく、目的に応じて適宜に調整される。
<離型フィルムの製造方法>
本発明の離型フィルムの製造方法は、本発明で規定する物性を有する離型フィルムを得ることができれば特に限定されず、通常は溶融押出成形法により製造される。例えばキャスト法、インフレーション法を採用することができる。
成形したフィルムは延伸処理することもできる。延伸処理は常法により行うことができる。例えば、同時に縦方向(MD:Machine Direction)および横方向(TD:Transverse Direction)の2方向に延伸する、同時二軸延伸が挙げられ、延伸の後に弛緩工程を含んでもよい。
本発明の離型フィルムの厚さは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜に設計することができ、取り扱い易さ、巻取り性等を考慮すると、通常は10〜300μmである。使用時の破れをより確実に防ぐ観点からは、本発明の離型フィルムの厚さは15μm以上とすることが好ましく、30μm以上とすることがより好ましい。また、金型凹凸面への追従性の観点からは100μm以下とすることが好ましく、収縮回復力をより高める観点からは80μm以下とすることが好ましい。
なお、離型フィルムの厚みは、JIS K6783に準拠した定圧厚さ測定器により測定することができ、フィルムの厚みの最大値を指す。この測定では、表面粗さRaより十分大きい測定子径φを有する測定子を用いて測定する。
<離型フィルムの用途>
離型フィルムは、いわゆる「剥がれる機能」を有するフィルムの総称であり、剥離フィルム、工程フィルム、包装フィルム等に大別される。本発明の離型フィルムは、これらのすべてを包含するものである。
即ち、剥離フィルムとは、具体的には、粘着テープ、両面テープ、マスキングテープ、ラベル、シール、ステッカー等において用いられるフィルム、または不織布等で作られた皮膚貼付用湿布剤の薬面に貼られているフィルムである。また工程フィルムとは、プリント基板やセラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等を製造する際に、金属板同士、樹脂同士、金型と樹脂との接着を防止、抑制するため、成形工程時に金属板同士の間、樹脂同士の間あるいは金属板と樹脂との間に挟み込まれるフィルムである。
なかでも本発明の離型フィルムは、半導体等の電子部品の封止工程に好適に用いることができる。
本発明の離型フィルムを使用した電子部品の封止工程の一態様として、コンプレッションモールド方式による半導体パッケージの作製工程の一例を、図1を参照して説明する。しかし、本発明は、本発明で規定されること以外は下記実施形態に限定されるものではない。また、各図面に示される形態は、本発明の理解を容易にするための模式図であり、各部材のサイズ、厚み、ないしは相対的な大小関係等は説明の便宜上大小を変えている場合があり、実際の関係をそのまま示すものではない。また、本発明で規定する事項以外はこれらの図面に示された外形、形状に限定されるものでもない。
本発明の離型フィルム1は、ロール状の離型フィルム2から引き出され、下側金型4の上に設置される。設置された本発明の離型フィルム1の上にさらに熱硬化性樹脂6が設置される。スペーサー5を有する上側金型3には半導体素子7が設置されている(図1(a)参照)。
本発明の離型フィルム1は、張架されると共に下側金型4の空気孔(脱気孔、図示せず)から吸引され、高温(例えば、175℃程度)に加熱された下側金型4に吸着し、下側金型を被覆すると同時に下側金型の熱により熱硬化性樹脂6を溶融する(図1(b)参照)。次いで、加熱溶融した熱硬化性樹脂6中に、上側金型3に設置された半導体素子7を浸漬するために、上側金型を下降させると共に、下側金型4の底部分を上昇させる。その後、熱硬化性樹脂6を加熱硬化することにより、半導体素子7を熱硬化性樹脂6で被覆してなる封止体8を作製する(図1(c)参照)。
加熱硬化終了後、上側金型3を移動し、封止体8を本発明の離型フィルム1から剥離する。その後、下側金型4の空気孔(図示なし)から乾燥空気を流し、下側金型4から本発明の離型フィルム1を剥離する(図1(d)参照)。なお、封止体を離型フィルムから剥離する前に空気孔から乾燥空気を流して、封止体と離型フィルムを一体に金型から分離し、その後、封止体と離型フィルムとを分離してもよい。
本発明の実施の形態を下記実施例に基づきより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例] 離型フィルムの製造
下表に示す層構成ないし成分組成(質量部)の離型フィルムを製造した。
同方向回転二軸押出機HK−25D(パーカコーポレーション社製)を用いて各材料の混合物を混練し、コンパウンドペレットを作製した。その後、このペレットをTダイ押出成形機(創研社製)を用いて押出し(複層の場合は押出し合わせて)、厚み50μmの離型フィルムを作製した。得られた離型フィルムを用いて、下記の分析及び試験を行った。
[分析1] 175℃における5%モジュラス値の測定
上記で製造した離型フィルムを幅1mmに切り出して試験片を得た。チャック間隔を10mmとして熱機械分析装置(TMA)にセットし、175℃の温度下で、3秒間かけて50%伸長させた(チャック間距離が15mmになるまで伸長させた)。この伸長過程において、5%変形時(5%伸長時)の引張応力を測定し、5%モジュラス(MPa)の値を決定した。
[分析2] 175℃における収縮回復率の測定
上記で製造した離型フィルムを幅1mmに切り出して試験片を得た。チャック間隔を10mmとして熱機械分析装置(TMA)にセットし、175℃の温度下で、3秒間かけて50%伸長させた(チャック間距離が15mmになるまで伸長させた)。この50%伸長状態を60秒間維持した後、3秒間かけてチャック間距離を10mmまで戻し、25℃で静置した。5%モジュラス値の10分の1の荷重で試験片を引っ張り、試験片のたゆみをなくした状態としたときのチャック間距離(La)を測定した。175℃における収縮回復率を下記式から算出した。
175℃における収縮回復率(%)=100×[15(mm)−La(mm)]/5(mm)
[試験例1] 封止体への離型フィルムの噛み込み評価
TOWA株式会社製のコンプレッションモールド成形機:FFT1030を用いて、封止体を作製した。すなわち、図1(a)に示すように下側金型4の凹部(長さ200mm×幅80mm)を離型フィルム1で覆い、この離型フィルム1を金型の周囲で固定して密閉し、凹部内の空気を脱気孔(図示せず)から抜くことで、離型フィルムを金型の凹面に追従、吸着させた。なお、離型フィルムが2層構造の場合、層1を金型と接するように配した。その後、厚さ0.5mm又は1.2mmのパッケージを成形するのに十分な量の顆粒状封止樹脂(熱硬化性樹脂、住友ベークライト社製)を離型フィルム上に設置し、下側金型の熱(175℃)により封止樹脂を溶融した。その後、パッケージの厚みが0.5mm又は1.2mmになるように金型凹部の底を上昇させて、金型温度175℃、封止時間2分間、96kNで加圧封止した。封止剤の硬化後、脱気孔から乾燥空気を流して、成形の完了した封止体と離型フィルムがくっついた状態で金型から分離し、次いで封止体を離型フィルムから分離した。
得られた封止体を切断し、断面を観察して、パッケージへの離型フィルムの噛み込みの程度を調べた。パッケージ端部から内部に向けて、フィルム長として0.5mm以上のフィルム侵入が認められなかった場合を○、フィルム長として0.5mm以上1.0mm未満のフィルム侵入が認められた場合を△、フィルム長として1.0mm以上のフィルム侵入が認められた場合を×とした。
結果を下表に示す。
[試験例2] 離型性評価
上記試験例1において、脱気孔から乾燥空気を流して、成形の完了した封止体と離型フィルムがくっついた状態で金型から分離した後、封止体への噛み込みがない部分の離型フィルムを25mm幅に切り出して、切り出した離型フィルムを封止体から剥離した際の剥離力を、株式会社東洋精機製作所の引張試験機:ストログラフで測定した。剥離角度は30°とし、剥離速度は500mm/minとした。剥離力が0.2N/25mm未満の場合を○、0.2N/25mm以上2N/25mm未満の場合を△、2N/25mm以上の場合を×とした。
結果を下表に示す。
Figure 0006858148
Figure 0006858148
[材料]
<PPE>
スチレン変性ポリフェニレンエーテル(商品名:ザイロン1000H、旭化成社製)
<GPPS>
汎用ポリスチレン(商品名:XC−515、DIC社製)
<HP−250>
ハイブランチポリスチレン(商品名:DIC社製)
<SBS>
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(商品名:タフプレンA、旭化成社製)
<SEBS>
スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(商品名:タフテックH1221、旭化成社製)
<SEEPS>
ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(商品名:セプトン4044、クラレ社製)
<SPS>
シンジオタクチックポリスチレン(商品名:ザレックS105、出光興産社製)
<酸化防止剤1>
フェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010、BASF株式会社)
<酸化防止剤2>
リン系酸化防止剤(イルガフォス168、BASF株式会社)
<環状ポリオレフィン>
TOPAS6013(トパス社製、ノルボルネン成分を含む)
<鎖状ポリオレフィン>
HF313(三菱ケミカル社製、ポリエチレン)
上記表に示されるように、フィルムの175℃における5%モジュラスが本発明で規定するよりも小さい場合や、175℃における収縮回復率が本発明で規定するよりも小さい場合には、フィルムのパッケージへの噛み込みが顕著であった(比較例1〜5)。
これに対し、175℃における5%モジュラスと175℃における収縮回復率がいずれも本発明の規定を満たすフィルムは、パッケージ厚を1.2mmまで厚くした場合でもフィルムのパッケージへの噛み込みを十分に抑えることができた(実施例1〜12)。
なお、表には示していないが、層1中のポリフェニレンエーテル含有量が比較的少ないものをポリオレフィン樹脂層と組合せたフィルム(比較例4)や、単に非エラストマー系のポリスチレン樹脂で形成したフィルム(比較例5)は、可撓性にも劣っていた。
1 離型フィルム
2 ロール状の離型フィルム
3 上側金型
4 下側金型
5 スペーサー
6 熱硬化性樹脂
7 半導体素子
8 封止体

Claims (5)

  1. 175℃における収縮回復率が60%以上であり、175℃における5%モジュラスの値が1.5MPa以上である離型フィルムであって、
    ポリフェニレンエーテル樹脂を70質量%以上含有し、かつスチレン系エラストマーを2質量%以上20質量%以下含有する層を含む離型フィルム
  2. 前記離型フィルムが複層構造である、請求項記載の離型フィルム。
  3. 前記離型フィルムの一方の面において、最表層がポリオレフィン樹脂を含有する、請求項1又は2記載の離型フィルム。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂が環状オレフィン成分を含有する、請求項記載の離型フィルム。
  5. 電子部品の封止工程に用いる、請求項1〜のいずれか1項記載の離型フィルム。
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