以下、図1乃至図12を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
袋
図1は、本実施の形態による袋10を表面側から見た場合を示す斜視図である。図1においては、内容物が充填された状態の袋10が示されている。
袋10は、上部11、下部12及び側部13を含む。なお、「上部」、「下部」及び「側部」などの名称、並びに、「上方」、「下方」、「上下方向」、「水平方向」などの用語は、後述する下部フィルム20が下方に位置するように袋10が自立している状態を基準として袋10やその構成要素の位置や方向を表している。
本実施の形態においては、袋10が、液体や紛体などの内容物をボトル等の容器に移し替えるための詰め替え袋である例について説明する。液体の例としては、液体洗剤やシャンプー等の生活用品を挙げることができる。また、内容物は、醤油、ドレッシングなどの食品であってもよい。袋10に収容される内容物の、20℃における粘度は、好ましくは1mPa・s以上且つ1000mPa・s以下であり、より好ましくは1mPa・s以上且つ100mPa・s以下であり、更に好ましくは1mPa・s以上且つ10mPa・s以下である。
本実施の形態による袋10は、本体部16、注出口部18及びスカート部19を備える。本体部16は、袋10のうち表面と裏面との間の空間に内容物を収容することができる部分を含む。注出口部18及びスカート部19は、袋10の下部12を構成している。注出口部18は、内容物を袋10から注出するための部分であり、本体部16に連通している。スカート部19は、図1に示すように、本体部16に接続され、且つ注出口部18を一周にわたって囲っている。このようなスカート部19を設けることにより、後述するように、注出口部18が閉塞されてしまうことを抑制することができる。また、袋10を所定の載置面に自立させることが可能になる。
本体部16は、表面フィルム14及び裏面フィルム15を含む。表面フィルム14及び裏面フィルム15は、内面同士が部分的に接合されている。注出口部18は、第1注出口フィルム22、第2注出口フィルム27及びスパウト30を含む。第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27は、内面同士が部分的に接合されており、また、表面フィルム14と裏面フィルム15との間に位置している。スパウト30は、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27の下端に取り付けられている。例えば、スパウト30は、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27の下端において、第1注出口フィルム22の内面及び第2注出口フィルム27の内面に熱溶着などによって接合されている。
(フィルム)
以下、上述の本体部16、注出口部18及びスカート部19を備える袋10を構成するフィルムについて、詳細に説明する。図2は、袋10を構成するフィルムを示す分解図である。また、図3は、袋10を表面側から見た場合を示す正面図である。図2に示すように、袋10は、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20を備える。表面フィルム14は、袋10の表面を構成する。裏面フィルム15は、袋10の裏面を構成する。上述の本体部16は、表面フィルム14及び裏面フィルム15のうち下部フィルム20よりも上方に位置する部分によって構成されている。下部フィルム20は、袋10の下部12において表面フィルム14と裏面フィルム15との間に位置する。下部フィルム20は、注出口部18を構成する上述の第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27を含む。
なお、「表面フィルム」、「裏面フィルム」、及び「下部フィルム」という用語は、袋10の外面の位置関係に応じて、袋10を構成するフィルムを区画したものに過ぎず、袋10を製造する際のフィルムの提供方法が、上述の用語によって限定されることはない。例えば、表面フィルム14及び下部フィルム20の一部が1枚のフィルムで構成されたり、裏面フィルム15及び下部フィルム20の一部が1枚のフィルムで構成されたり、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20が一枚のフィルムで構成されたりしてもよい。
表面フィルム14及び裏面フィルム15は、略矩形状の輪郭を有する。図2に示すように、好ましくは、表面フィルム14の下端14dには切欠部14aが設けられている。これによって、図1に示すように、注出口部18を部分的に露出させることができ、このことにより、使用者が注出口部18の位置を認識し易くなる。なお、図示はしないが、裏面フィルム15の下端15dに、注出口部18を構成する第2注出口フィルム27を部分的に露出させる切欠部を設けてもよい。
図2に示すように、下部フィルム20は、表面フィルム14側に位置する第1下部フィルム21と、裏面フィルム15側に位置する第2下部フィルム26と、を有する。第1下部フィルム21は、外面同士が対向するように互いに接続された第1注出口フィルム22及び第1連結フィルム23を含む。互いに接続された第1注出口フィルム22及び第1連結フィルム23は、例えば、第1注出口フィルム22の上端22cとなる位置において1枚の第1下部フィルム21を折り曲げることによって構成されている。第2下部フィルム26は、外面同士が対向するように互いに接続された第2注出口フィルム27及び第2連結フィルム28を含む。互いに接続された第2注出口フィルム27及び第2連結フィルム28は、例えば、第2注出口フィルム27の上端27cとなる位置において1枚の第2下部フィルム26を折り曲げることによって構成されている。
図2に示す第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27は、下方に向かうにつれて幅が小さくなる先細部分を含む。例えば、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27は、上端が上底となり下端が上底よりも短い下底となるよう配置された台形の形状を有する。
第1注出口フィルム22の内面と第2注出口フィルム27の内面とは、注出口部18を画成するよう、部分的に接合されている。例えば、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27が、上端が上底となる台形の形状を有する場合、第1注出口フィルム22の内面と第2注出口フィルム27の内面とは、台形の脚に沿って接合されている。
第1下部フィルム21の第1注出口フィルム22は、上端22cが表面フィルム14の下端14dよりも上方に位置するよう、表面フィルム14の内面14xに連結されている。例えば、第1下部フィルム21の第1連結フィルム23は、第1注出口フィルム22の上端22cに接続されており、そして、第1連結フィルム23の内面が表面フィルム14の内面に接合されている。また、第2下部フィルム26の第2注出口フィルム27は、上端27cが裏面フィルム15の下端15dよりも上方に位置するよう、裏面フィルム15の内面に連結されている。例えば、第2下部フィルム26の第2連結フィルム28は、第2注出口フィルム27の上端27cに接続されており、そして、第2連結フィルム28の内面が裏面フィルム15の内面に接合されている。この場合、表面側から袋10を見ると、少なくとも部分的に表面フィルム14と第1注出口フィルム22とが重なることになる。また、裏面側から袋10を見ると、少なくとも部分的に裏面フィルム15と第2注出口フィルム27とが重なることになる。
図1に示すスカート部19は、表面フィルム14及び裏面フィルム15のうち下部フィルム20と重なる部分、表面フィルム14の内面に接合された第1連結フィルム23、及び裏面フィルム15の内面に接合された第2連結フィルム28によって構成されている。
図2に示すように、第1連結フィルム23の下端23dには、表面フィルム14の切欠部14aに対応する切欠部23aが設けられていてもよい。これによって、袋10の表面側において注出口部18を構成する第1注出口フィルム22を部分的に露出させることができる。なお、裏面フィルム15の下端15dに切欠部が設けられる場合、第2連結フィルム28の下端28dに、裏面フィルム15の切欠部に対応する切欠部を設けてもよい。
(スパウト)
次に、スパウト30について説明する。図3は、スパウト30を示す斜視図である。スパウト30は、筒部31を含む。筒部31には、第1注出口フィルム22の内面と第2注出口フィルム27の内面との間の空間に連通する貫通孔が形成されている。筒部31の外面には、キャップ34に嵌合するネジ山32が設けられていてもよい。また、スパウト30は、筒部31の外面から突出したフランジ部33を含んでいてもよい。フランジ部33は、熱溶着などによって第1注出口フィルム22の内面及び第2注出口フィルム27の内面に接合される。
スパウト30を構成する材料としては、第1注出口フィルム22の内面22xおよび第2注出口フィルム27の内面27xに熱溶着され得る材料が用いられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が用いられる。スパウト30は、金型を用いた熱可塑性樹脂の射出成形などによって作製される。スパウト30の例えば筒部31は、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20などのフィルム比べて大きな厚みを有し、このため高い剛性を有する。
好ましくは、スパウト30は、上下方向におけるスパウト30の下端(ここではキャップ34の表面)の位置が、少なくとも部分的に、表面フィルム14の下端14dの位置又は裏面フィルム15の下端15dの位置に一致するよう、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27に取り付けられる。この場合、上部11が上方に位置し下部12が下方に位置する状態で袋10を所定の載置面に自立させた時に、表面フィルム14の下端14d又は裏面フィルム15の下端15dだけでなく、スパウト30の下端(ここではキャップ34の表面)も、少なくとも部分的に載置面に接触するようになる。このため、自立時の袋10の安定性を高めることができる。
(シール部)
上述の各フィルムは、袋10の本体部16、注出口部18及びスカート部19を実現するように互いに接合されている。以下、各フィルムの接合部分をシール部と称する。以下、シール部について、図4乃至図6を参照して説明する。図4は、袋10を表面側から見た場合を示す正面図である。また、図5は、図4に示す袋10をV−V線に沿って見た場合を示す断面図である。図6は、図4に示す袋10をVI−VI線に沿って見た場合を示す断面図である。本願において、図4などの正面図においては、シール部にハッチングを施している。また、図4においては、内容物が充填される前の状態の袋10が示されている。図4に示す袋10の上部11から袋10の内部に内容物を充填し、上部11を封止することにより、図1に示す袋10を得ることができる。
なお、フィルム同士を接合して袋10を封止することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによってフィルム同士を溶融させて、フィルムを溶着させることによって、シール部を形成してもよい。若しくは、接着剤などを用いてフィルム同士を接着することによって、シール部を形成してもよい。
シール部は、図4に示すように、上部シール部11a、下部シール部12a、側部シール部13a、及び第1注出口シール部18aを含む。
図1に示すように、上部シール部11aは、袋10の上縁に沿って延びる。なお、内容物が充填される前の状態の袋10においては、図4に示すように、袋10の上縁は開口部11bになっている。袋10に内容物を充填した後、表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを袋10の上縁に沿って接合することにより、上部シール部11aが形成されて袋10が封止される。
側部シール部13aは、袋10の側縁に沿って延びる。側部シール部13a及び上述の上部シール部11aは、表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを接合することによって形成されるシール部である。
図4に示すように、下部シール部12aは、袋10の下部12において広がり、袋10を封止している。図5及び図6に示すように、下部シール部12aは、表面フィルム14の内面14xと第1連結フィルム23の内面23xとを接合することによって形成されるシール部、及び、裏面フィルム15の内面15xと第2連結フィルム28の内面28xとを接合することによって形成されるシール部を含む。
好ましくは、下部シール部12aは、第1連結フィルム23の全域を表面フィルム14に密着させ、且つ第2連結フィルム28の全域を裏面フィルム15に密着させるよう、形成される。これによって、スカート部19の剛性を高めることができる。
第1注出口シール部18aは、注出口部18において袋10を封止するよう、形成される。第1注出口シール部18aは、第1注出口フィルム22の内面22xと第2注出口フィルム27の内面27xとを接合することによって形成されるシール部である。第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27が、上端が上底となる台形の形状を有する場合、図4に示すように、第1注出口シール部18aは、台形の一対の脚に沿って延びている。
図4及び図5に示すように、スパウト30は、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27の下端において、第1注出口フィルム22の内面及び第2注出口フィルム27の内面に熱溶着などによって接合されている。また、スパウト30の筒部31にはキャップ34が取り付けられている。このようにして、注出口部18の内部の空間が、第1注出口シール部18a、筒部31及びキャップ34によって封止される。図5に示すように、注出口部18の内部の空間は、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとの間の本体部16の空間に連通している。
注出口部18とスカート部19との間には、少なくとも部分的に隙間19aが存在している。例えば、図5に示すように、第1注出口フィルム22の外面22yと第1連結フィルム23の外面23yとは接合されておらず、このため、第1注出口フィルム22と表面フィルム14との間に隙間19aが存在するようになる。また、第2注出口フィルム27の外面27yと第2連結フィルム28の外面28yとは接合されておらず、このため、第1連結フィルム23と裏面フィルム15との間にも隙間19aが存在するようになる。この場合、袋10の内容物をボトルに詰め替えるために袋10の注出口部18をボトルの口部に挿入する際、ボトルの口部が注出口部18とスカート部19との間の隙間19aに位置することができる。このため、水平方向においてボトルの口部の端部と重なる位置において、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとの間の間隔を、少なくともボトルの口部の外径以上に維持することができる。このことにより、後述するように、内容物を注出する際に注出口部18が閉塞されてしまうことを抑制することができる。
(その他の構成)
以下、袋10のその他の詳細な構成について説明する。
好ましくは、第1注出口フィルム22の上端22c及び第2注出口フィルム27の上端27cよりも下方の位置において、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとが部分的に接合されている。例えば、図2に示すように、第1連結フィルム23の側縁に切欠部23bを形成し、また、第2連結フィルム28の側縁に切欠部28bを形成する。切欠部23bは、第1連結フィルム23の上端よりも第1連結フィルム23の下端23dに近い位置に形成される。また、切欠部28bは、第2連結フィルム28の上端よりも第2連結フィルム28の下端28dに近い位置に形成される。そして、図4に示すように、切欠部23b及び切欠部28bを介して表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとを接合させて側部シール部13aを形成する。このように表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとを下部12において部分的に接合することにより、スカート部19の内側にボトルが挿入された場合にスカート部19が開いたり捲れあがったりすることを抑制することができる。
また、好ましくは、図4及び図6に示すように、第1連結フィルム23の下端23dは、少なくとも部分的に、表面フィルム14の下端14dに一致している。また、第2連結フィルム28の下端28dは、少なくとも部分的に、裏面フィルム15の下端15dに一致している。これによって、スカート部19の下端の剛性を高めることができ、袋10の自立性を高めることができる。
また、好ましくは、図4に示すように、注出口部18のスパウト30が、袋10の幅方向における中央領域に位置している。図4において、符号T1は、袋10の第1の側縁からスパウト30の中心までの、袋10の幅方向における距離を表す。また、符号T2は、袋10の第2の側縁からスパウト30の中心までの、袋10の幅方向における距離を表す。スパウト30が中央領域に位置するとは、T1とT2の和に対する、T1とT2の差の絶対値の比率が、5%以下であることを意味する。このようにすることにより、内容物が充填された袋10の重心を、ほぼスパウト30の上方に位置させることができる。これによって、スパウト30の筒部31をボトルの口部に挿入して内容物の詰め替えを実施する際の袋10の姿勢を安定させることができる。
(フィルムの層構成)
図7は、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20の層構成の一例を示す断面図である。なお、下部フィルム20の内面20xとは、第1注出口フィルム22の内面22x、第2注出口フィルム27の内面27x、第1連結フィルム23の内面23x、及び第2連結フィルム28の内面28xを含む概念である。また、下部フィルム20の外面20yとは、第1注出口フィルム22の外面22y、第2注出口フィルム27の外面27y、第1連結フィルム23の外面23y、及び第2連結フィルム28の外面28yを含む概念である。
図7に示すように、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20は、少なくともシーラント層36及び基材層37を含む。図7に示す例においては、シーラント層36が、表面フィルム14の内面14x、裏面フィルム15の内面15x、及び下部フィルム20の内面20xを構成している。また、基材層37が、表面フィルム14の外面14y、裏面フィルム15の外面15y、及び下部フィルム20の外面20yを構成している。
シーラント層36を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンを用いることができる。シーラント層36の厚みは、例えば40μm以上且つ160μm以下である。
基材層37を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンやナイロンなどのプラスチックや紙などを用いることができる。基材層37は、熱溶着によってシール部を形成する際に求められる高い耐熱性を有している。基材層37がプラスチックの場合、一軸または二軸に延伸されていてもよい。また、基材層37には、製品情報を示したり美感を付与したりするための印刷表示が施されていてもよい。印刷表示としては、文字、数字、記号、図形、絵柄などを挙げることができる。基材層37がプラスチックの場合、基材層37の厚みは、例えば4μm以上且つ30μm以下である。基材層37が紙の場合、基材層37の厚み(坪量)は、例えば20g/m2以上且つ100g/m2以下である。
基材層37にシーラント層36を積層する方法としては、溶融押出法、ドライラミネート法などを挙げることができる。溶融押出法においては、基材層37の上にシーラント層36を構成する材料を押し出す。ドライラミネート法においては、フィルム状のシーラント層36とフィルム状の基材層37とを、接着剤を用いて貼り合わせる。
表面フィルム14及び裏面フィルム15の厚みは、例えば45μm以上且つ220μm以下である。下部フィルム20の厚みは、例えば45μm以上且つ220μm以下である。
表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20は、シーラント層36及び基材層37以外の層を含んでいてもよい。例えば、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20は、シーラント層36と基材層37との間に位置する機能層を更に含んでいてもよい。
機能層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、機能層がガスバリア層の場合、アルミニウムなどの無機物や酸化アルミニウムや酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層などが設けられ得る。その他にも、ガスバリア層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの芳香族ポリアミドなどの、ガスバリア性を有する樹脂層を設けてもよい。このようなガスバリア層を設けることにより、酸素や水蒸気が袋10の内部に浸入することを抑制することができる。また、機械的強度を付与するために、機能層として、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材層と同じものを用いることができる。例えば、支持体として、延伸ナイロンフィルムを設けてもよい。この場合、袋10の耐突き刺し性を高めることができる。
機能層は、シーラント層36と基材層37との間ではなく、基材層37のシーラント層36とは反対側の面に設けられていてもよい。
なお、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20の層構成は、上述したものに限定されないことは言うまでもない。また、表面フィルム14の層構成、裏面フィルム15の層構成、及び下部フィルム20の層構成は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、第1注出口フィルム22、第1連結フィルム23、第2注出口フィルム27及び第2連結フィルム28の層構成は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、図8又は図9に示すように、下部フィルム20の内面20x及び外面20yの両方は、シーラント層36によって構成されていてもよい。図8は、下部フィルム20が単一のシーラント層36によって構成される例を示す。図9は、下部フィルム20の内面20x及び外面20yがそれぞれ別個のシーラント層36によって構成され、内面20x側のシーラント層36と外面20y側のシーラント層36との間に基材層37が設けられる例を示す。内面20x及び外面20yの両方がシーラント層36である下部フィルム20は、例えば、後述する第2変形例における下部フィルム20を構成する際に用いられる。
袋の製造方法
次に、上述の袋10を製造する方法の一例について説明する。まず、スパウト30が取り付けられた下部フィルム20を作製する方法の例について、図10A乃至図10Dを参照して説明する。
まず、長尺状の第1下部フィルム21及び長尺状の第2下部フィルム26を含む下部フィルム20を準備する。第1下部フィルム21及び第2下部フィルム26は、別個のフィルムとして準備してもよく、若しくは、1枚の長尺状の下部フィルム20を切断することによって準備してもよい。次に、図10Aに示すように、第1下部フィルム21の内面と第2下部フィルム26の内面とを向かい合わせる。
続いて、図10Bに示すように、第1下部フィルム21及び第2下部フィルム26の下端において、第1下部フィルム21の内面と第2下部フィルム26の内面との間にスパウト30を配置する。続いて、第1下部フィルム21の内面と第2下部フィルム26の内面とを部分的に接合して、第1注出口シール部18aを形成する。また、スパウト30を第1下部フィルム21の内面及び第2下部フィルム26の内面に接合する。これによって、第1注出口シール部18a及びスパウト30によって囲まれた空間を含む注出口部18を画定することができる。また、第1下部フィルム21及び第2下部フィルム26を部分的に打ち抜いて、後に切欠部23b及び切欠部28bとなる孔を形成する。
続いて、図10Cに示すように、第1注出口シール部18aの外縁に沿って第1下部フィルム21及び第2下部フィルム26を切断する。
続いて、図10Dに示すように、第1下部フィルム21を外側に折り返し、これによって、第1注出口フィルム22及び第1連結フィルム23を得る。また、第2下部フィルム26を外側に折り返し、これによって、第2注出口フィルム27及び第2連結フィルム28を得る。このようにして、第1注出口フィルム22、第2注出口フィルム27、第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28を含み、且つスパウト30が取り付けられた下部フィルム20を得ることができる。
次に、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20を用いて袋10を製造する方法について、図11A乃至図11Dを参照して説明する。
まず、長尺状の表面フィルム14及び裏面フィルム15を準備する。また、図11Aに示すように、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとの間に下部フィルム20を配置する。好ましくは、表面フィルム14の下端14d、裏面フィルム15の下端15d、下部フィルム20の第1連結フィルム23の下端23d及び第2連結フィルム28の下端28dが一致するよう、表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20を配置する。
続いて、図11Bに示すように、少なくともスパウト30が露出するように、表面フィルム14に切欠部14aを設け、第1連結フィルム23に切欠部23aを設ける。好ましくは、表面フィルム14及び第1連結フィルム23を同時に打ち抜いて、切欠部14a及び切欠部23aを形成する。これによって、切欠部14aの位置と第1連結フィルム23の位置とを精度良く一致させることができる。
なお、図示はしないが、第1連結フィルム23の切欠部23aを、下部フィルム20を表面フィルム14と裏面フィルム15との間に配置する工程よりも前に形成してもよい。
続いて、図11Cに示すように、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとを部分的に接合して、上述の側部シール部13aを形成する。これによって、表面フィルム14、裏面フィルム15及び側部シール部13aによって囲まれた空間を含む本体部16を画定することができる。
また、表面フィルム14の内面14xと第1連結フィルム23の内面とを第1連結フィルム23の全域にわたって接合し、裏面フィルム15の内面15xと第2連結フィルム28の内面とを第2連結フィルム28の全域にわたって接合して、上述の下部シール部12aを形成する。これによって、下部シール部12aを介して接合された表面フィルム14及び第1連結フィルム23と、下部シール部12aを介して接合された裏面フィルム15及び第2連結フィルム28とを含むスカート部19を得ることができる。なお、下部シール部12aを形成する際に第1注出口フィルム22の内面と第2注出口フィルム27の内面とが互いに接合されてしまうことを防ぐため、第1注出口フィルム22と第2注出口フィルム27との間にプレートを挿入してもよい。
続いて、図11Dに示すように、長尺状の表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20を、側部シール部13aに沿って切断する。このようにして、本体部16、注出口部18及びスカート部19を備える袋10を得ることができる。
次に、袋10の上部11の開口部を介して袋10に内容物を充填する。その後、上部11において表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを接合して、上部シール部11aを形成する。このようにして、内容物が充填されて封止された袋10を得ることができる。
(詰め替え方法)
次に、袋10の内容物をボトルに詰め替える方法について、図12を参照して説明する。図12は、袋10の内容物をボトル40に詰め替える様子を示す図である。ボトル40は、肩部43と、肩部43から上方へ突出した口部41と、を備える。
まず、キャップ34を筒部31から取り外して、スパウト30を開封する。次に、図12に示すように、筒部31をボトル40の口部41に挿入する。また、袋10の内容物が筒部31から注出されるよう、ボトル40及び袋10の姿勢を調整する。例えば、図11に示すように、袋10の上部11が上方に位置し、袋10の筒部31が下方に位置するようにする。
ここで本実施の形態においては、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27の先細部分の下端に筒部31が取り付けられているので、筒部31だけでなく第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27も部分的にボトル40の口部41に挿入することができる。このため、ボトル40に対する袋10の姿勢をより安定に維持することができる。
また、本実施の形態においては、注出口部18が、フィルムよりも高い剛性を有するスパウト30を含む。このため、内容物の圧力によって注出口部が閉塞されることを抑制することができる。
また、本実施の形態において、袋10は、スパウト30を含む注出口部18を囲うように設けられたスカート部19を備える。このため、袋10のスパウト30の筒部31をボトル40の口部41に挿入すると、ボトル40の口部41の端部42が、注出口部18とスカート部19との間の上述の隙間19aに位置するようになる。
また、本実施の形態においては、注出口部18とスカート部19との間の上述の隙間19aにボトル40の口部41が挿入されるので、スカート部19の内面(ここでは、スカート部19を構成する第1連結フィルム23の外面及び第2連結フィルム28の外面)が、少なくとも部分的に口部41に接触することができる。この点でも、ボトル40に対する袋10の姿勢をより安定に維持することが可能になる。
好ましくは、図12に示すように、袋10の注出口部18の筒部31がボトル40の口部41に挿入された状態において、スカート部19の下端(表面フィルム14の下端14d、裏面フィルム15の下端15d、第1連結フィルム23の下端、第2連結フィルム28の下端など)がボトル40の肩部43に少なくとも部分的に接触することができるよう、注出口部18及びスカート部19が構成される。これによって、ボトル40に対する袋10の姿勢をより安定に維持することができる。
図示はしないが、筒部31は、ボトル40の口部41に嵌合可能であるよう構成されていてもよい。例えば、筒部31の外面のネジ山32が、ボトル40の口部41の内面のネジ山に嵌合してもよい。これによって、ボトル40に対する袋10の姿勢をより安定に維持することができる。
また、本実施の形態においては、袋10を自立させている時、内容物が重力によって、上部11側よりも下部12側寄りに、すなわちスパウト30側に位置する。このため、スパウト30から遠い側に内容物が位置する状態で袋10が保管されている場合に比べて、内容物を迅速にスパウト30から注出することができる。このことは、内容物の粘性が高い場合に特に有用である。また、袋10に収容されている内容物の全量を1回では全て使いきれず、このため当初に比べて少量の内容物が袋10に収容されている場合にも有用である。
(比較の形態)
以下、上述の本実施の形態における袋10を、図26に示す比較の形態における袋100と比較することにより、上述の本実施の形態における袋10の利点を説明する。
図26に示す袋100は、特許文献1の場合と同様に、上部11と側部13との間の角部に注出口部118が形成されるタイプの袋である。袋100の下部12には、内側に折り返し図120fが位置するように折り返された下部フィルム120が挿入されており、これによって、袋100が自立可能になっている。
図26に示す比較の形態における袋100において、内容物はまだ充填されておらず、このため上部11に開口部11bが形成されている。袋100に内容物を充填した後、表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを開口部11bにおいて接合することにより、上部シール部が形成されて袋100が封止される。
比較の形態においては、袋100の上部に注出口部118及び開口部11bの両方が設けられる。このため、注出口部118の幅及び開口部11bの幅がいずれも制限される。この結果、注出口部118において内容物の閉塞が生じやすくなってしまう。また、開口部11bを介して内容物を袋100に充填する作業に要する時間が長くなってしまう。
これに対して、本実施の形態においては、注出口部18が、フィルムよりも高い剛性を有するスパウト30を含む。このため、仮に注出口部18の幅が制限される場合であっても、注出口部18が閉塞されることを抑制することができる。また、本実施の形態においては、袋10の下部12に注出口部18を設けているので、注出口部18及び開口部11bをそれぞれ、袋10の幅のほぼ全域にわたって広がるように設けることができる。これによって、本体部16から注出口部18への内容物の流入速度を高めることができる。
また、比較の形態においては、上部11と側部13との間の角部に注出口部118が形成されている。このため、ボトルの口部に注出口部118を挿入して内容物をボトルに詰め替える際、袋100の重心が注出口部118の上方からずれやすくなり、ボトル40に対する袋100の姿勢が不安定になりやすい。
これに対して、本実施の形態によれば、袋10の下部12に注出口部18を設けているので、内容物の充填のための開口部を袋10の上部11に設けながら、注出口部18のスパウト30を袋10の幅方向における中央領域に位置付けることができる。このため、ボトルの口部にスパウト30の筒部31を挿入して内容物をボトルに詰め替える際、袋10の重心が筒部31の上方に位置するように袋10の姿勢を調整し易い。このため、袋10からボトルへの内容物の詰め替えをより容易に実施することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
上述の本実施の形態においては、スパウト30の筒部31からキャップ34を取り外すと、筒部31の貫通孔と本体部16とが連通する。この場合、キャップ34を筒部31から取り外してから筒部31をボトル40の口部41に挿入するまでの間に袋10が傾いたりすると、内容物が筒部31から漏れ出てしまうことが考えられる。このような課題を考慮し、本変形例においては、以下に説明するように、注出口部18に、第1注出口シール部18aよりも小さい強度を有する第2注出口シール部を形成することを提案する。
図13は、本変形例における袋10を示す正面図である。また、図14は、図13に示す袋10をXIV−XIV線に沿って見た場合を示す断面図である。図13に示すように、注出口部18は、上述の第1注出口シール部18aに加えて、第2注出口シール部18bを更に含む。図14に示すように、第2注出口シール部18bは、第1注出口シール部18aと同様に、第1注出口フィルム22の内面22xと第2注出口フィルム27の内面27xとを接合することによって形成されるシール部である。
図13に示すように、第2注出口シール部18bは、第1注出口シール部18aに接続された両端を含む。この第2注出口シール部18bは、第1注出口シール部18aに比べて小さな強度で第1注出口フィルム22の内面22xと第2注出口フィルム27の内面27xとを接合している。このため、袋10を使用するとき、第2注出口シール部18bに力を加えて第2注出口シール部18bを剥離させ、第2注出口シール部18bの剥離部分から内容物を袋10の外部へ注出することができる。
以下、第1注出口シール部18a及び第2注出口シール部18bの接合強度を測定する方法について、図27A及び図27Bを参照して説明する。図27Aは、注出口シール部の測定強度を測定するためのサンプル100を示す図である。図27Bは、サンプル100を用いて注出口シール部の接合強度を測定する方法を示す図である。
図27Aに示すように、サンプル100は、長手方向に延びる矩形状の形状を有する。サンプル100は、第1フィルム101と第2フィルム102とが接合されていない未シール部103と、第1フィルム101と第2フィルム102とが接合されているシール部104と、を含む。第1フィルム101及び第2フィルム102は、例えば、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27に相当する。図27Aにおいて、符号101aは、長手方向における第1フィルム101の両端部のうち、本体部16側に位置する端部(第1端部)を表す。また、符号101bは、第1端部の反対側に位置する第2端部を表す。
接合強度の測定方法においては、図27Bに示すように、サンプル100がT字状になるよう、未シール部103において第1フィルム101及び第2フィルム102の端部をそれぞれ逆方向に300mm/minで引っ張り、これによって、シール部104を一定の速度で剥離させる。この場合、サンプル100のシール部104の接合強度を、シール部104を剥離させることに要した張力の最大値として算出することができる。
図28は、図13に示す本変形例による袋10から、第1注出口シール部18a及び第2注出口シール部18bの接合強度を測定するためのサンプルを採取する例を示す図である。図28において、符号100Aは、第1注出口シール部18aの接合強度を測定するための第1サンプルを示し、符号100Bは、第2注出口シール部18bの接合強度を測定するための第2サンプルを示す。
図28に示すように、サンプル100A、100Bはいずれも、その長手方向が袋10の側部13が延びる方向と平行になるよう、採取される。また、第2サンプル100Bは、側部13が延びる方向に直交する方向における第2注出口シール部18bの寸法が、第2サンプル100Bの幅W2に一致し、且つ、第2サンプル100Bが第2注出口シール部18b全体を含むよう、採取される。また、第1サンプル100Aは、第1サンプル100Aの幅W1が、第2サンプル100Bの幅W2に一致し、且つ、第1注出口シール部18aが第1サンプル100Aの幅方向の一端から他端へ至るよう、採取される。第1サンプル100Aの幅W1及び第2サンプル100Bの幅W2は、例えば15mmである。
第1サンプル100Aにおいて、第1注出口シール部18aは、第1サンプル100Aの幅方向に傾斜した方向へ延びている。第2サンプル100Bにおいて、第2注出口シール部18bは、第2サンプル100Bの幅方向に平行に延びている。
第1サンプル100Aの第1注出口シール部18aの接合強度は、好ましくは、第2サンプル100Bの第2注出口シール部18bの接合強度の2倍以上であり、より好ましくは5倍以上である。なお、第1サンプル100Aの幅W1が第2サンプル100Bの幅W2に一致するように第1サンプル100Aの幅W1を採取することができない場合、第1サンプル100Aの幅W1と第2サンプル100Bの幅W2の相違を考慮して、第1注出口シール部18aの接合強度を算出してもよい。例えば、採取し得る第1サンプル100Aの最大の幅W1が、第2サンプル100Bの幅W2の1/aである場合、そのような第1サンプル100Aを用いることによって算出された接合強度にaを掛けることにより、第1注出口シール部18aの接合強度を算出してもよい。
本変形例において、注出口部18の内部の空間は、第2注出口シール部18bによって第1注出口未シール部18c及び第2注出口未シール部18dに区画される。第1注出口未シール部18cは、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとの間の本体部16の空間に連通している。この第1注出口未シール部18cの、下方部分の境界は、図14に示すように、第1注出口シール部18a及び第2注出口シール部18bによって定められている。
第2注出口未シール部18dは、第2注出口シール部18bに対して第1注出口未シール部18cとは反対側に位置する未シール部である。言い換えると、第2注出口未シール部18dは、第2注出口シール部18bを介して第1注出口未シール部18cと対向している。第2注出口未シール部18dは、第1注出口シール部18a、第2注出口シール部18b及びスパウト30によって囲われている。また、第1注出口シール部18aのうち第2注出口未シール部18dに接する部分は、第2注出口シール部18bとの接続部分から外側に向かって凸になる形状を有している。なお「外側」とは、正面図において袋10の中心から遠ざかる側のことである。また、後述する「内側」とは、正面図において袋10の中心寄りの側のことである。
(第1注出口シール部及び第2注出口シール部の形成方法)
上述のように、第2注出口シール部18bは、第1注出口シール部18aよりも小さな強度を有する。以下、このような強度差を有する第1注出口シール部18a及び第2注出口シール部18bを形成する方法の一例について、図15を参照して説明する。図15において、横軸は、第1注出口フィルム22の内面のシーラント層36及び第2注出口フィルム27の内面のシーラント層36を加熱して接合させる際の温度を表す。また、縦軸は、第1注出口フィルム22の内面のシーラント層36と、第2注出口フィルム27の内面のシーラント層36との間の接合強度を表す。
シーラント層36の材料として「エチレン―メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂」等を用いる場合、シーラント層36の接合温度と接合強度との関係は、図15に示すように、接合温度が低い側から高い側へ順に、第1段階St1、第2段階St2、第3段階St3及び第4段階St4に区画される。接合強度は、接合温度が高くなるほど大きくなる。また、第2段階St2における接合強度の傾きは、第1段階St1における接合強度の傾きよりも小さい。また、第3段階St3における接合強度の傾きは、第2段階St2における接合強度の傾きよりも大きい。また、第4段階St4における接合強度の傾きは、第3段階St3における接合強度の傾きよりも小さい。なお、「接合強度の傾き」とは、接合温度が1℃高くなることによる、接合強度の増加量を意味する。
第1注出口シール部18aの形成工程においては、第4段階St4に属する温度の範囲内で第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27を加熱して第1注出口シール部18aを形成する。一方、第2注出口シール部18bの形成工程においては、第2段階St2に属する温度の範囲内で第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27を加熱して第2注出口シール部18bを形成する。これによって、第2注出口シール部18bの接合強度を第1注出口シール部18aの接合強度よりも小さくすることができる。シーラント層36を構成する材料が「エチレン―メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂」である場合、第4段階St4の温度範囲は例えば160℃以上、好ましくは180℃以上であり、第2段階St2の温度範囲は例えば100℃以上且つ150℃以下、好ましくは100℃以上且つ140℃以下である。また、第4段階St4の温度範囲で形成されるシール部の接合強度は、好ましくは30N以上であり、第2段階St2の温度範囲で形成されるシール部の接合強度は、好ましくは0.65N以上且つ5N以下であり、より好ましくは1.5N以上且つ5N以下である。また、第4段階St4の温度範囲で形成されるシール部の接合強度は、好ましくは、第2段階St2の温度範囲で形成されるシール部の接合強度の5倍以上である。
その他にも、図示はしないが、第2注出口シール部18bを形成する第1注出口フィルム22の内面と第2注出口フィルム27の内面との間にイージーピール層を設けることにより、上述の強度差を実現してもよい。イージーピール層としては、例えば、ポリプロピレン/プロピレン−エチレン共重合体、ブロックポリプロピレン系コポリマー/ブロックポリプロピレン系コポリマーとポリエチレン系コポリマー又はポリブテン系コポリマーのブレンド物、ランダムポリプロピレン系コポリマー/ポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンと非晶性ポリスチレンのブレンド物、ポリオレフィン系樹脂とポリブテン−1ポリマーのブレンド物、ポリオレフィン/低密度ポリエチレン系接着層/エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリブテン−1のブレンド物、ポリオレフィン/低密度ポリエチレン系接着層/エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリプロピレンのブレンド物等が挙げられる。
その他にも、第2注出口シール部18bを形成する第1下部フィルム21の内面と第2下部フィルム26の内面との間に易剥離コート剤を設けることにより、上述の強度差を実現してもよい。易剥離コート剤としては、例えば、シリコーン樹脂とセルロース系樹脂とを主成分とし、酢酸エチルを溶剤として含むインキ(例えば、DIC株式会社、ポリコートP−91、固形分10%)等が挙げられる。
その他にも、第1注出口シール部18aの幅に対して第2注出口シール部18bの幅を狭くすることにより、上述の強度差を実現してもよい。
(詰め替え方法)
次に、本変形例において、袋10の内容物をボトルに詰め替える方法について、図16を参照して説明する。
まず、注出口部18が上部11よりも上方に位置する状態で、キャップ34を筒部31から取り外して、スパウト30を開封する。続いて、図16に示すように、スパウト30の筒部31をボトル40の口部41に挿入する。
続いて、本体部16を押圧して、内容物が注出口部18の第2注出口シール部18bに加える圧力を増加させて、第2注出口シール部18bを少なくとも部分的に剥離させる。これによって、内容物が、第2注出口シール部18bの剥離部分を通って筒部31からボトル40へ注出される。
このように本実施の形態においては、注出口部18に第2注出口シール部18bが形成されているので、キャップ34を取り外してスパウト30を開封した後に袋10を所定の姿勢に調整するときに内容物が筒部31から漏れ出てしまうことを抑制することができる。また、第2注出口シール部18bの接合強度が第1注出口シール部18aの接合強度よりも小さいので、袋10を所定の姿勢に調整した後、本体部16を押圧することによって、第2注出口シール部18bを剥離させることができる。これらのことにより、内容物の漏れ出しを防ぎながら、内容物を所定の対象に向けて注出することができる。
なお、図13においては、第2注出口シール部18bが、袋10の側部13が延びる方向に直交する方向に延びる例を示したが、これに限られることはない。例えば、図29に示すように、第2注出口シール部18bは、内側に向かって凸となる形状を有していてもよい。これによって、本体部16側から注出口部18側へ袋10の側部13が延びる方向に沿って第2注出口シール部18bの剥離が進行する場合に、第2注出口シール部18bがより剥離し易くなる。
図30Bは、図29に示す第2サンプル100Bの第2注出口シール部18bの接合強度を測定した結果を示す図である。図30Bに示すように、第2注出口シール部18bを形成する際の温度を100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃に設定した場合についてそれぞれ、接合強度を測定した。また、各温度において、3つの第2サンプル100Bについて測定を実施し、平均値を算出した。結果、第1注出口シール部18aの場合と同様に、第2注出口シール部18bを形成する際の温度が高くなるほど、接合強度が大きくなる傾向が見られた。
図30A及び図30Bに示すように、180℃以上で形成された第1注出口シール部18aの接合強度は、160℃以下で形成された第2注出口シール部18bの接合強度よりも大きくなっていた。また、180℃以上で形成された第1注出口シール部18aの接合強度は、150℃以下で形成された第2注出口シール部18bの接合強度の2倍以上になっていた。また、180℃以上で形成された第1注出口シール部18aの接合強度は、140℃以下で形成された第2注出口シール部18bの接合強度の5倍以上になっていた。
(第2変形例)
上述の本実施の形態においては、下部フィルム20が、第1注出口フィルム22、第2注出口フィルム27、第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28を含む例を示した。この場合、第1注出口フィルム22、第2注出口フィルム27及びスパウト30が注出口部18を構成し、第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28がスカート部19の一部を構成する。しかしながら、これに限られることはなく、下部フィルム20は、注出口部18を構成する第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27を少なくとも含んでいればよい。本変形例においては、下部フィルム20が、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27を含むが、第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28を含まない例について説明する。
図17は、本変形例における袋10を構成する表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム20を示す分解図である。図18は、本変形例における袋10を示す正面図である。図19は、図18に示す袋10をXIX−XIX線に沿って見た場合を示す断面図である。図20は、図18に示す袋10をXX−XX線に沿って見た場合を示す断面図である。
図17に示すように、下部フィルム20は、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27を含む。上述の本実施の形態の場合と同様に、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27は、下方に向かうにつれて幅が小さくなる先細部分を含む。また、第1注出口フィルム22の内面と第2注出口フィルム27の内面とは、図18及び図19に示すように、第1注出口シール部18aによって部分的に接合されている。また、スパウト30が、第1注出口フィルム22及び第2注出口フィルム27の下端において、第1注出口フィルム22の内面及び第2注出口フィルム27の内面に熱溶着などによって接合されている。
図19に示すように、第1注出口フィルム22の外面22yは、その上端22cに沿って下部シール部12aを介して表面フィルム14の内面14xに接合されている。下部シール部12aは、例えば接着剤である。また、上述の図8及び図9に示すように、第1注出口フィルム22の外面22yがシーラント層36によって構成されている場合、下部シール部12aは、表面フィルム14の内面14xと第1注出口フィルム22の外面22yとを熱溶着することによって形成されるシール部であってもよい。
また、第1注出口フィルム22の場合と同様に、第2注出口フィルム27の外面27yも、その上端27cに沿って下部シール部12aを介して裏面フィルム15の内面15xに接合されている。
本変形例においては、下部フィルム20が第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28を含まない。この場合、表面フィルム14のうち第1注出口フィルム22の上端22cよりも下方に位置する部分、及び裏面フィルム15のうち第2注出口フィルム27の上端27cよりも下方に位置する部分が、スカート部19を構成する。また、第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28が存在しないので、図20に示すように、スカート部19の部分において、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとを、袋10の側縁に沿って側部シール部13aを介して接合することができる。
(第3変形例)
図21に示すように、袋10の側部13に、本体部16に向かう窪み部13bを設けてもよい。窪み部13bを設けることにより、使用者が袋10を片手で把持し易くなる。
(第4変形例)
上述の本実施の形態においては、内容物が充填される前の状態の袋10の平面図において、上下方向におけるスパウト30の下端の位置が、少なくとも部分的に、スカート部19の下端の位置(例えば表面フィルム14の下端14dの位置又は裏面フィルム15の下端15dの位置)に一致する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図22に示すように、内容物が充填される前の状態の袋10の平面図において、スパウト30の下端(例えばキャップ34の表面)が上下方向においてスカート部19の下端よりも上方に位置していてもよい。
(第5変形例)
上述の本実施の形態においては、下部フィルム20の第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28の側縁が水平方向において表面フィルム14及び裏面フィルム15の側縁に一致する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図23に示すように、下部フィルム20の第1連結フィルム23及び第2連結フィルム28の側縁が、水平方向において表面フィルム14及び裏面フィルム15の側縁よりも内側に位置していてもよい。この場合、図23に示すように、スカート部19の部分において、表面フィルム14の内面14xと裏面フィルム15の内面15xとを、袋10の側縁に沿って側部シール部13aを介して接合することができる。
(第6変形例)
上述の本実施の形態においては、袋10が、下部フィルム20及びスパウト30を含む下部12が下方に位置し上部11が上方に位置する状態で所定の載置面に自立可能である例を示した。本変形例においては、袋10の上部11が、上部11が下方に位置し下部12が上方に位置する状態で、袋10が所定の載置面に自立可能であるよう、構成されている例について説明する。
例えば、図24に示すように、上部11は、上部11にマチを設けたガセット式の構造を有する。具体的には、袋10の上部11では、内側に折り返し部が位置するように折り返された上部フィルム35が表面フィルム14と裏面フィルム15との間に挿入されている。上部フィルム35の内面は、上部シール部11aによって、表面フィルム14の内面14x及び裏面フィルム15の内面15xに接合されている。
図25は、図24に示す袋10を上下反転させた状態を示す図である。上部11がガセット式の構造を有することにより、図25に示すように、本変形例による袋10は、上部11が下方に位置する状態で自立することができる。このため、例えば、筒部31からキャップ34を取り外した後、筒部31が上方に位置する状態で袋10を自立させることができる。なお、本変形例において、上部11が所定の載置面に自立可能である限りにおいて、上部11の構成は限られない。
(第7変形例)
上述の本実施の形態及び各変形例においては、注出口部18の第1注出口シール部18aが、第1注出口フィルム22の上端22cから下方へ延びる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1注出口シール部18aは、第1注出口フィルム22の上端22cに沿って延びる部分を含んでいてもよい。
図31は、本変形例における袋10を示す正面図である。また、図32は、図31の袋10の注出口部18を拡大して示す正面図である。第1注出口シール部18aは、側部13から上端22cに沿って内側に延びる水平シール部186を含んでいてもよい。
また、注出口部18は、第1部分18gと、第1部分18gの下部から下方へ突出した第2部分18hと、を有していてもよい。第1部分18g及び第2部分18hにおいて、第1注出口シール部18aは連続的に延びている。第2部分18hの下端にはスパウト30が取り付けられる。この場合、第1注出口シール部18aは、第1部分18gを画定する一対の第1シール部181と、一対の第1シール部181の下端に接続され、第2部分18hを画定する一対の第2シール部182と、を含む。第1シール部181の上端は、水平シール部186の内側の端部に接続されている。
水平シール部186が延びる方向と第1注出口フィルム22の上端22cが延びる方向とが成す角度は、例えば10°以下である。また、第1シール部181が延びる方向と第1注出口フィルム22の上端22cが延びる方向とが成す角度θ1(図31参照)は、例えば15°以上且つ70°以下である。
本変形例によれば、第1注出口シール部18aが水平シール部186を含むことにより、袋10の幅方向における注出口部18の開口幅S1を任意に調整することができる。例えば、注出口部18の開口幅S1を、本体部16の幅S0よりも小さくすることができる。これにより、内容物が収容された状態の注出口部18の形状や寸法を、ボトルの口部の形状や寸法に適合させ易くなる。注出口部18の開口幅S1は、例えば、本体部16の幅S0の0.2倍以上且つ0.8倍以下である。
次に、本変形例に係る袋10の下部シール部12aについて説明する。上述の本実施の形態及び各変形例においては、表面フィルム14の内面14xと第1連結フィルム23の内面23xとの間の下部シール部12aが、第1注出口フィルム22の上端22cに至るまで広がる例を示した。本変形例においては、表面フィルム14と第1連結フィルム23とが部分的に接合されない例について説明する。
図33は、図31に示す袋10のスカート部19及び注出口部18を示す断面図である。図33に示すように、表面フィルム14の内面14xと第1連結フィルム23の内面23xとの間には、両者が接合されていない非シール部12cが存在している。非シール部12cは、図31及び図33に示すように、第1注出口フィルム22の上端22cに至るよう存在している。非シール部12cは、例えば、上端22cを下底とする台形の形状を有する。この場合、台形の一対の脚は、側部13の側部シール部13aから下方へ延びている。
図33に示すように、裏面フィルム15の内面15xと第2連結フィルム28の内面28xとの間にも、両者が接合されていない非シール部12cが存在している。非シール部12cは、第2注出口フィルム27の上端27cに至るよう存在している。図示はしないが、裏面フィルム15と第2連結フィルム28との間の非シール部12cも、表面フィルム14と第1連結フィルム23との間の非シール部12cと同様に、台形の形状を有していてもよい。
図34は、図33に示す袋10の注出口部18に液体などの流動性を有する内容物Fを充填した状態を示す断面図である。上述のように、本変形例においては、表面フィルム14の内面14xと第1連結フィルム23の内面23xとの間に、上端22cに至る非シール部12cが存在する。この場合、図34に示すように、袋10に内容物Fが収容されると、非シール部12cに内容物Fが侵入する。また、第1注出口フィルム22の上端22cが内容物Fから押圧されて下方へ変位する。このため、第1連結フィルム23が全域にわたって表面フィルム14に接合されている場合に比べて、表面フィルム14と裏面フィルム15との間の間隔が広がり易くなる。これにより、袋10の厚み方向(表面フィルム14の法線方向)における注出口部18の開口幅を拡大することができ、この結果、注出口部18の内部に収容され得る内容物Fの体積を増加させることができる。従って、内容物Fが収容された状態の袋10の重心をより下部12側に位置付けることができ、これにより、袋10の自立性を高めることができる。
また、第1注出口フィルム22の上端22cが内容物Fから押圧されて下方へ変位すると、第2部分18h及びスパウト30も同様に下方へ変位する。このため、スパウト30のうち表面フィルム14の下端14dよりも下方へ突出している部分の長さを増加させることができる。これにより、スパウト30を開封する作業を容易にすることができる。また、スパウト30をボトルの口部に挿入する作業を容易にすることができる。
また、本変形例においては、上述のように、裏面フィルム15の内面15xと第2連結フィルム28の内面28xとの間にも、両者が接合されていない非シール部12cが存在している。このため、図41に示すように、袋10に内容物Fが収容されると、裏面フィルム15と第2連結フィルム28との間の非シール部12cに内容物Fが侵入する。また、第2注出口フィルム27の上端27cが内容物Fから押圧されて下方へ変位する。この場合、袋10の厚み方向におけるスパウト30の位置は、第1連結フィルム23が内容物Fから押圧される力と、第2連結フィルム28が内容物Fから押圧される力とが釣り合う位置に、すなわち表面フィルム14と裏面フィルム15との中間位置に定まり易くなる。従って、スパウト30の位置が表面フィルム14側又は裏面フィルム15側のいずれか一方に偏ることを抑制することができる。このことも、スパウト30をボトルの口部に挿入する作業を容易にすることができる。
(注出口部の変形例)
注出口部18が第1部分18g及び第2部分18hを含む場合に、図35に示すように、注出口部18は、上述の第1変形例の場合と同様に、第1注出口シール部18aに加えて第2注出口シール部18bを更に含んでいてもよい。この場合、図36に示すように、第2部分18hを画定する第2シール部182は、第1シール部181と第2注出口シール部18bとの接続部から第2注出口シール部18bと同一方向に延びる部分を含んでいてもよい。なお、図35及び図36に示す注出口部18は、本変形例以外の袋10において採用されてもよい。
(非シール部の変形例)
図31においては、表面フィルム14と第1連結フィルム23との間の非シール部12cが台形の形状を有する例を示した。しかしながら、非シール部12cが第1注出口フィルム22の上端22cに至るよう広がる限りにおいて、正面図における非シール部12cの形状が特に限られることはない。例えば、図37に示すように、非シール部12cは弓形や半円の形状を有していてもよい。
(非シール部と注出口部の組み合わせの変形例)
図31においては、第1注出口シール部18aが、側部13から上端22cに沿って内側に延びる水平シール部186を含む例を示した。しかしながら、表面フィルム14と第1連結フィルム23との間に非シール部12cが存在する場合の袋10の注出口部18が、水平シール部186を含むタイプの注出口部18に限られることはない。例えば、図38に示すように、表面フィルム14と第1連結フィルム23との間に非シール部12cが存在する場合の袋10の注出口部18が、水平シール部186を含まないタイプの注出口部18であってもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。