(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、表面シート、裏面シート及び吸収コアを有する本体部と、後処理用のテープ部材と、を有し、前記テープ部材は、前記本体部に固定された固定部と、前記本体部に固定されていなく、かつ伸長方向に伸長可能な伸長部と、を有し、前記本体部及び前記テープ部材の少なくとも一方には、前記テープ部材が破断せずに伸長可能な推奨伸長限度を指標する目印部が設けられている。
使用者は、テープ部材が破断せずに伸長可能な推奨伸長限度を目印部によって把握することができる。よって、使用者がテープ部材を伸ばし過ぎて意図せずに破断することを抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記テープ部材が前記推奨伸長限度で伸長した最大伸長状態の前記伸長部の前記伸長方向の長さと、前記伸長していない自然状態の前記伸長部の前記伸長方向の長さと、差である伸長可能長さを示す。
使用者は、目印部によって、破断させずにテープ部を伸ばすことができる長さを把握することができる。使用者がテープ部材を伸ばし過ぎて意図せずに破断することを抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記テープ部材が前記推奨伸長限度で伸長した最大伸長状態で前記本体部の外縁から延出する延出部を有し、前記目印部は、前記延出部の前記伸長方向の延出長さを示す。
使用者は、目印部によって最大伸長状態の延出部の長さを把握することができ、延出部を目安として吸収性物品からテープ部材を延出させるようにテープ部材を引っ張ることができる。よって、使用者がテープ部材を伸ばし過ぎて意図せずに破断することを抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記テープ部材が前記推奨伸長限度で伸長した最大伸長状態の前記テープ部材の形態である伸長形態を示す。
使用者は、目印部によって最大伸長状態のテープ部材の形態を把握することができ、伸長形態を目安としてテープ部材の形態を変化させるべくテープ部材を引っ張ることができる。よって、使用者がテープ部材を伸ばし過ぎて意図せずに破断することを抑制できる。また、使用者は、最大伸長状態の形態を把握しつつ操作を行うことができるため、安心してテープ部材を引っ張ることができる。
好ましい一態様によれば、前記本体部の非肌対向面には、前記吸収性物品を着用物品に止めるための粘着部が設けられており、前記目印部は、前記粘着部の前記伸長方向の長さによって構成されている。
使用者は、粘着部によって推奨伸長限度を把握することができる。粘着部は、本体部の非肌対向面側に配置されており、吸収性物品の肌対向面側が内側になるように吸収性物品を丸めた状態で外側に位置する。使用者は、丸めた状態で粘着部を視認しやすく、当該丸めた状態で推奨伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記本体部の非肌対向面には、前記吸収性物品を着用物品に止めるための粘着部が設けられており、前記粘着部は、前記伸長方向に間隔を空けて設けられており、前記目印部は、前記粘着部どうしの前記伸長方向の間隔によって構成されている。
使用者は、粘着部によって推奨伸長限度を把握することができる。粘着部は、本体部の非肌対向面側に配置されており、吸収性物品の肌対向面側が内側になるように吸収性物品を丸めた状態で外側に位置する。使用者は、丸めた状態で粘着部を視認しやすく、当該丸めた状態で伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアには、少なくとも前記吸収コアを厚み方向に圧縮した圧搾部が複数形成されており、前記目印部は、前記圧搾部の前記伸長方向の長さによって構成されている。
使用者は、圧搾部によって推奨伸長限度を把握することができる。圧搾部は、吸収コアが圧縮されており、圧搾部が形成されていない部分と比較して剛性が高くなっている。よって、使用者は、本体部を触ることによって圧搾部の長さを把握できる。使用者は、視覚と触覚によって圧搾部の長さを把握でき、テープ部材の伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアには、少なくとも前記吸収コアを厚み方向に圧縮した圧搾部が複数形成されており、前記圧搾部は、前記伸長方向に間隔を空けて設けられており、前記目印部は、前記圧搾部どうしの前記伸長方向の間隔によって構成されている。
使用者は、圧搾部によって推奨伸長限度を把握することができる。圧搾部は、吸収コアが圧縮されており、圧搾部が形成されていない部分と比較して剛性が高くなっている。よって、使用者は、本体部を触ることによって圧搾部の間隔を把握できる。使用者は、視覚と触覚によって圧搾部の間隔を把握でき、テープ部材の推奨伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、吸収材料の目付が周囲よりも低い低目付領域を有し、前記目印部は、前記低目付領域の前記伸長方向の長さによって構成されている。
使用者は、低目付領域によって推奨伸長限度を把握することができる。低目付領域は、吸収材料の目付が低く、周囲と比較して剛性が低くなっている。よって、使用者は、本体部を触ることによって低目付領域の長さを把握できる。使用者は、視覚と触覚によって低目付領域の長さを把握でき、テープ部材の推奨伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、吸収材料の目付が周囲よりも低い低目付領域を複数有し、前記低目付領域は、前記伸長方向に間隔を空けて設けられており、前記目印部は、前記低目付領域どうしの前記伸長方向の間隔によって構成されている。
使用者は、低目付領域によって推奨伸長限度を把握することができる。低目付領域は、吸収材料の目付が低く、周囲と比較して剛性が低くなっている。よって、使用者は、本体部を触ることによって低目付領域の間隔を把握できる。使用者は、視覚と触覚によって低目付領域の間隔を把握でき、テープ部材の推奨伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記本体部は、前記本体部の非肌対向面側から視認可能な本体印刷部を有し、前記目印部は、前記本体印刷部の前記伸長方向の長さによって構成されている。
使用者は、本体印刷部によって推奨伸長限度を把握することができる。本体印刷部は、本体部の非肌対向面側から視認可能に構成されており、吸収性物品の肌対向面側が内側になるように吸収性物品を丸めた状態で視認可能である。使用者は、丸めた状態で本体印刷部を視認しやすく、当該丸めた状態で推奨伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記本体部は、前記本体部の非肌対向面側から視認可能な本体印刷部を複数有し、前記本体印刷部は、前記伸長方向に間隔を空けて設けられており、前記目印部は、前記本体印刷部どうしの前記伸長方向の間隔によって構成されている。
使用者は、本体印刷部によって推奨伸長限度を把握することができる。本体印刷部は、本体部の非肌対向面側から視認可能に構成されており、吸収性物品の肌対向面側が内側になるように吸収性物品を丸めた状態で視認可能である。使用者は、丸めた状態で本体印刷部を視認しやすく、当該丸めた状態で伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記テープ部材の前記伸長部は、前記本体部の非肌対向面側から視認可能なテープ印刷部を有し、前記本体部は、前記本体部の非肌対向面側から視認可能な本体印刷部を有し、前記目印部は、前記本体印刷部によって構成されており、前記本体印刷部は、前記最大伸長状態の前記テープ印刷部の形状を示す。
使用者は、本体印刷部及びテープ部材によって推奨伸長限度を把握することができる。本体印刷部は、本体部の非肌対向面側から視認可能に構成されており、吸収性物品の肌対向面側が内側になるように吸収性物品を丸めた状態で視認可能である。使用者は、丸めた状態で本体印刷部を視認しやすく、当該丸めた状態で推奨伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記テープ部材の前記伸長部は、前記本体部の非肌対向面側から視認可能なテープ印刷部を有し、前記本体部は、前記本体部の非肌対向面側から視認可能な本体印刷部を有し、前記目印部は、前記最大伸長状態の前記テープ印刷部の前記伸長方向の長さを示す前記本体印刷部によって構成されている。
使用者は、本体印刷部及びテープ部材によって推奨伸長限度を把握することができる。本体印刷部は、本体部の非肌対向面側から視認可能に構成されており、吸収性物品の肌対向面側が内側になるように吸収性物品を丸めた状態で視認可能である。使用者は、丸めた状態で本体印刷部を視認しやすく、当該丸めた状態で推奨伸長限度を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記伸長部において前記テープ部材の非肌対向面側から視認可能なテープ印刷部を複数有し、前記本体部は、前記本体部の非肌対向面側から視認可能な本体印刷部を有し、前記目印部は、前記最大伸長状態の前記テープ印刷部どうしの間隔を示す前記本体印刷部によって構成されている。
使用者は、本体印刷部及びテープ部材によって推奨伸長限度を把握することができる。本体印刷部は、本体部の非肌対向面側から視認可能に構成されており、吸収性物品の肌対向面側が内側になるように吸収性物品を丸めた状態で視認可能である。使用者は、丸めた状態で本体印刷部を視認しやすく、当該丸めた状態で推奨伸長限度を容易に把握できる。
(2)吸収性物品の構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品ついて説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、母乳パッド、大人用失禁パッド、糞便パッド又は汗取りシートのような吸収性物品であってよい。特に、吸収性物品は、使用者の下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
図1は、肌対向面側から見た第1実施形態に係る吸収性物品10の平面図である。図2は、非肌対向面側から見た第1実施形態に係る吸収性物品10の平面図である。ここで、「肌対向面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌対向面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。図3は、前後方向に巻かれた状態の吸収性物品の斜視図である。
吸収性物品10は、前後方向L及び幅方向Wを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。
吸収性物品10は、本体部20と、後処理用のテープ部材60と、を有する。本体部20は、着用者の肌に向けられる表面シート21と、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シート22と、表面シート21と裏面シート22の間に配置された吸収コア23と、を含む。表面シート21は、使用中に着用者の肌の方に向く。裏面シート22は、使用中に、着用者の肌とは反対側に向けられる。吸収コア23は、体液を吸収する吸収材料を含み、吸収性物品の前後方向Lに沿って延びている。
本体部20は、ウイング40及びヒップフラップ50を有していてもよい。ウイング40は、使用時に着用物品のクロッチ部の非肌対向面側に折り返される。ヒップフラップ50は、ウイング40よりも後方で、幅方向Wに膨らんだ部分である。ヒップフラップ50は、幅方向Wにおける吸収コア23の外縁よりも外側に膨らんだ部分である。
本体部20は、使用中に着用者の排泄口(例えば膣口)に対向する排泄口対向域S1を有する。排泄口対向域S1は、着用者の股下、すなわち着用者の両足の間に配置される領域であって、吸収コア23が存在する領域に相当する。なお、ウイング40を有する吸収性物品10では、排泄口対向域S1は、ウイング40どうしの間であって、吸収コア23が存在する領域に相当する。
図2に示すように、本体部20は、裏面シート22の非肌対向面側に設けられた粘着部42,52,70を有してよい。粘着部42,52,70は、吸収性物品10を着用物品に止めるための粘着剤が設けられた領域である。粘着部は、本体粘着部70と、ウイング粘着部42と、フラップ粘着部52と、を含んでよい。
裏面シート22の非肌対向面側に設けられた粘着部42,52,70によって、吸収性物品10を下着等の着用物品に固定することができる。また、粘着部42,52,70によって、吸収性物品10の使用後に、吸収性物品10を巻いた状態でテープ部材60を止着させ、巻いた状態を維持することもできる。したがって、粘着部42,52,70は、着衣に固定する用途と、後処理用のテープ部材を止着する用途と、の2つに兼用できる。
本体粘着部70は、吸収性物品10の厚み方向において、吸収コア23と重なる領域に設けられている。本体粘着部70は、少なくとも排泄口対向域S1から吸収性物品10の後方へ連続的又は断続的に延びていることが好ましい。本体粘着部70は、幅方向Wに延び、かつ前後方向に間隔を空けて複数設けられてよい。他の形態において、本体粘着部70は、前後方向Lに延びており、幅方向Wに間隔をあけて複数設けられていてよい。
ウイング粘着部42は、ウイング40に設けられている。ウイング40は、使用中に着用者の着用物品に折り返され、ウイング粘着部42によって着用物品の非肌対向面側に取り付けられる。フラップ粘着部52は、ヒップフラップ50に設けられている。
吸収性物品10は、幅方向Wに沿って延びた折り目を有していてもよい。図1,2に示す例では、吸収性物品10の折り目は、第1折り目F1と、第2折り目F2と、第3折り目F3と、を有している。第1折り目F1は、吸収性物品10の前端縁E1に最も近い折り目である。第2折り目F2は、吸収性物品10の後端縁E2に最も近い折り目である。第3折り目F3は、第1折り目F1と第2折り目F2の間に配置される。なお、折り目は、4本以上設けられていてもよい。折り目は、吸収性物品の包装時に、吸収性物品の肌対向面側T1を内側にして吸収性物品10を折り畳むためのラインである。
吸収性物品10は、幅方向Wに沿って延びた少なくとも2つの折り目を有していてもよい。図1,2に示す例では、吸収性物品10は、3つの折り目F1〜F3を有している。これらの折り目F1〜F3は、吸収性物品の包装時に、吸収性物品を折り畳むためのラインである。
テープ部材60は、本体部20に固定されている。テープ部材60は、本体部20に固定された固定部62を有してよい。固定部62は、テープ部材60の一端に設けられてよい。固定部62は、接着剤等の接着手段によって本体部20に固定されてよい。固定部62は、本体部20の非肌対向面を構成する裏面シート22に固定されていてもよいし、本体部20の肌対向面を構成する表面シート21に固定されていてもよいし、表面シート21と裏面シート22の間に挟まれ、当該表面シート21と裏面シート22から延出していてもよい。本実施の形態のテープ部材60は、裏面シート22に固定されている。
また、テープ部材60は、本体部20に固定されてなく、かつ伸長方向Dに伸長可能な伸長部64を有してよい。伸長部64は、裏面シート22に固定されてなく、使用者がテープ部材60を引っ張ることにより伸長する部分である。伸長部64の伸長方向Dは、固定部62から伸長部64に向かう方向であってよい。固定部62と伸長部64が前後方向Lに隣接する構成にあっては、伸長方向Dは、前後方向Lであってよい。
テープ部材60は、吸収性物品10の廃棄時に、吸収性物品の肌対向面側を内側にして巻かれた状態の本体部20に止着し、吸収性物品10が巻かれた状態を維持するように構成されてよい。テープ部材60の伸長部64は、本体部20に対して止着可能に構成されている。伸長部64が本体部20に止着する構成は、本体部20の粘着部であってもよいし、テープ部材60に設けられた粘着剤やフック部材等の止着手段であってもよい。
本実施の形態のテープ部材60の伸長部64は、本体粘着部70を介して廃棄時に本体部20に止着する。本体部20の粘着部によってテープ部材60が本体部20に止着する構成にあっては、伸長部64には、粘着剤等の止着手段が設けられていなくてよい。
テープ部材60の少なくとも伸長部64は、伸長方向Dに伸長可能に構成されている。テープ部材60の少なくとも伸長部64が伸長方向Dに伸長可能に構成されているため、巻いた吸収性物品10をテープ部材60で固定する際に、テープ部材60で吸収性物品10を固定し易くなる(図3参照)。テープ部材60は、固定部62を含む全体が伸長方向Dに伸長可能に構成されてもよいし、伸長部64のみが伸長可能に構成されてもよい。ここで、「伸長」とは、「弾性変形」又は「塑性変形」による伸長を含む。一例として、テープ部材60は、伸縮性シート、フィルムから構成されていてよい。
図2に示すように、テープ部材60は、伸長していない状態(自然状態)において、本体部20の外縁20Eよりも内側に配置されてもよい。テープ部材60は、肌対向面側から見ると、本体部20に隠れた状態であってもよい。テープ部材60は、伸長した状態(伸長状態)において、本体部20の外縁20Eよりも外側に延出してもよい。使用者は、吸収性物品10の使用後に本体部20を前後方向Lに巻いた後、テープ部材60を本体部20の外縁20Eよりも外側に延出させ、本体部20にテープ部材60を止着することができる(図3参照)。
このような構成によれば、吸収性物品10の使用中においては、テープ部材60は、裏面シート22の非肌対向面側で本体部20の外縁20Eよりも内側に配置されているため、経血のような体液が付されない。使用者は、吸収性物品10の使用後に、外側に延出させたテープ部材60を本体粘着部70等に止着することによって、吸収性物品10を丸めた状態に維持することができる。ここで、テープ部材60に経血のような体液が付着しないため、テープ部材60と本体粘着部70との接合力の低下、又はテープ部材の止着手段の接合力の低下を防止することができる。さらに、吸収性物品10の使用中においては、テープ部材60は、裏面シート22の非肌対向面側に設けられ、本体部20の外縁20Eより外側へ延びていないため、テープ部材60は、着用者の肌に直接当たらない。したがって、使用中の違和感や不快感を低減することができる。
また、他の形態において、テープ部材60は、伸長していない状態(自然状態)において、本体部20の外縁20Eよりも外側に延出していてもよい。テープ部材60は、肌対向面側から見ると、視認可能な状態であってもよい。
本体粘着部70によってテープ部材60が本体部20に止着する構成にあっては、本体粘着部70の伸長方向Dと直交する交差方向Cの長さは、伸長部64の交差方向Cの長さよりも長くてよい。具体的には、図2に示すように、本体粘着部70の幅方向の長さW2は、伸長部64の幅方向Wの長さW1よりも長くてよい。使用者によっては、伸長部64を伸長する際に、伸長方向Dと平行に引っ張らずに、伸長方向Dに対して斜めに引っ張ることがある。本体粘着部70の交差方向Cの長さW2が伸長部64の交差方向Cの長さW1よりも長いため、伸長方向Dに対して斜めに引っ張られた場合であっても、伸長部64を本体粘着部70に止着し易くなる。
なお、他の形態において、本体粘着部70が前後方向Lに伸び、幅方向Wに間隔を空けて複数配置された構成にあっては、複数の本体粘着部70のうち、前後方向Lにおいてテープ部材60と重なる領域に配置された本体粘着部70の交差方向Cの長さが、伸長部64の交差方向Cの長さよりも長くてよい。好適には、全ての本体粘着部70の交差方向Cの長さが、伸長部64の交差方向Cの長さよりも長くてよい。また、本体粘着部70の幅方向Wの間隔は、伸長部64の交差方向Cの長さよりも短くてよい。この構成によれば、伸長部64の交差方向Cの長さが長いため、本体粘着部70の間隔に伸長部64が配置された場合であっても、いずれの本体粘着部70に伸長部64が止着可能である。
テープ部材60は、本体部20の前後方向Lの中心よりも後側に設けられていることが好ましい。使用者は、通常吸収性物品10を丸める際に、吸収性物品10の前端縁又は後端縁から前後方向Lに丸め始める。そのうち、約8割の使用者は、吸収性物品10の前端縁から丸め始める。よって、テープ部材60は、前後方向Lの中心に対して後側に位置する領域に設けられていることが好ましい。テープ部材60の少なくとも一部は、吸収コア23の後端縁を跨いで、または吸収コアの後端縁よりも後側に配置されてよい。
テープ部材60は、第1折り目F1〜第3折り目F3のうちの最も後側の第2折り目F2よりも後側に設けられていることがより好ましい。約8割の使用者は、使用後の吸収性物品10を前側から巻き始める。テープ部材60が吸収性物品10の第2折り目F2よりも後側に設けられていることにより、多くの使用者は、吸収性物品10の前端縁から丸め始め、巻き終わり部分をテープ部材60によって止着できる。
伸長部64は、図示しない仮固定部によって本体部の非肌対向面に剥離可能に接合されていてもよい。仮固定部を設けることにより、テープ部材60の使用前(製造時、着用時)に伸長部64が捲れたり、伸長部64が折れたりすることを抑制できる。仮固定部の接合力は、固定部62の接合力よりも低くてよい。仮固定部の接合力が固定部62の接合力よりも低いため、使用者は、テープ部材60の使用時に容易に仮固定部を剥がし、伸長部64を掴んでテープ部材60を操作することができる。仮固定部の固定手段としては、接着剤、エンボス加工、熱溶着、超音波溶着を例示でき、固定部62よりも接着剤の塗布量(面積、目付)を少なくしたり、固定部62よりもエンボス加工の圧搾を弱くしたりできる。また、仮固定部は、本体部の外縁のエンボスによって構成されていてもよい。
本実施の形態の吸収性物品の具体的な構成の一例を示す。表面シートは、目付30g/m2のエアースルー不織布(PE/PET)によって構成されてよい。表面シートと吸収コアの間にセカンドシートが設けられてよい。セカンドシートしては、表面シートと同様の材料によって構成されてよい。本体部の幅方向の外側には、表面シートが配置されず、サイドシートが配置されてもよい。サイドシートとしては、目付13g/m2のSMS不織布(PP)によって構成されてよい。吸収コアの吸収材料は、針葉樹クラフトパルプと高吸収ポリマーによって構成されてよい。吸収材料全体の重量に対する高吸収ポリマーの重量の比率は、10%であってよい。排泄口対向域S1を含む領域の吸収コアの目付は、周囲の吸収コアの目付よりも高く構成されてよい。排泄口対向域S1を含む領域の吸収コアの目付は、950g/m2であってよく、周囲の吸収コアの目付は、300g/m2であってよい。裏面シートは、目付23.5g/m2のポリエチレンフイルム(非通気タイプ)によって構成されてよい。吸収性物品は、表面シートと吸収コアが厚み方向に圧搾された圧搾部が形成されていてもよい。本体粘着部は、ゴム系のホットメルト型接着剤によって構成されてよい。本体粘着部の目付は、27g/m2のであってよい。本体粘着部は、幅方向に空けて6本設けられてよい。各本体粘着部の幅方向の長さは、5mm、各本体粘着部の前後方向の長さは、320mmであってよい。吸収性物品の前後方向の長さは、420mm、吸収性物品の幅方向の長さは、200mmであってよい。後処理用のテープ部材は、目付35g/m2のポリエチレンフイルムによって構成されてよい。テープ部材の長手方向の長さは、45mm、テープ部材の短手方向の長さは、25mmであってよい。テープ部材は、100g/m2のゴム系のホットメルト型接着剤によって本体部に固定されてよい。接着剤は、幅21mm、かつ長さ5mmの範囲で塗布されてよい。テープ部材の裏面シート側の面には、印刷が施されてよい。印刷は、ピンク糸のウレタン系インクを用いてよい。また、伸長するテープ部材としては、目付10g/m2のポリプロピレン層、10g/m2のスチレン系ゴム層、及び目付10g/m2のポリプロピレン層の積層によって構成されてよい。
次いで、このように構成された吸収性物品の目印部80について説明する。目印部80は、使用者がテープ部材60を伸ばす際の目印として機能する。例えば、使用者がテープ部材60を伸長する際に、テープ部材を伸ばし過ぎると、意図せずにテープ部材60が破断することがある。目印部80は、テープ部材60が破断せずに伸長可能な推奨伸長限度を指標する。使用者は、テープ部材60が破断せずに伸長可能な推奨伸長限度を目印部80によって把握することができ、テープ部材60を伸ばし過ぎることを抑制でき、意図せずにテープ部材60が破断することを抑制できる。
推奨伸長限度は、物理的にテープが破断しない伸長限度ではなく、設計者として推奨する伸長限度であってよい。推奨伸長限度は、テープ部材が破断せずに伸長可能な上限であってもよいし、テープ部材の物性が変化せずに伸長可能な上限であってもよい。推奨伸長限度は、例えば、破断する伸長倍率(以下、破断伸長倍率とする)に対する70〜80%までを限度して設計することができる。70〜80%は、安全率であり、適宜設定することができる。破断伸長倍率は、破断する伸長状態の長さ/自然状態の長さによって算出できる。
目印部80は、伸長可能長さDAを推奨伸長限度として示してよい。伸長可能長さDAは、テープ部材60が推奨伸長限度で伸長した最大伸長状態の伸長部64の伸長方向Dの長さ(以下、最大伸長長さD2とする)と、伸長していない状態、すなわち自然状態の伸長部64の伸長方向Dの長さ(以下、自然長さD1とする)と、差である。すなわち、DA=D2−D1である。
最大伸長長さD2は、伸長部64の伸長方向Dの長さ×破断伸長倍率×安全率によって算出できる。自然長さは、自然状態の伸長部64の伸長方向Dの長さである。図4(A)は、自然状態のテープ部材60を示しており、図4(B)は、最大伸長状態のテープ部材60を示している。ここで、自然状態とは、パッケージに収容されている吸収性物品にあっては、パッケージから吸収性物品を取り出し、20℃±2℃、相対湿度60%±5%RHの雰囲気下において24時間放置した状態である。
目印部80が伸長可能長さDAを示すことにより、使用者は、テープ部材60の伸ばすことができる長さ、すなわち引っ張り操作を行う量を把握することができる。よって、使用者がテープ部材60を伸ばし過ぎて、意図せずにテープ部材60が破断することを抑制できる。
また、伸長可能長さDAを設定する際は、伸長部64全体が伸長可能な長さであると仮定せずに、伸長部64の一部が伸長可能な長さである仮定してもよい。具体的には、使用者がテープ部材60を伸長する際は、伸長部64の一部を把持して伸ばす。そのため、伸長部64全体が伸長すると仮定せずに、把持する部分を除いた部分が伸長可能な長さであると仮定して、伸長可能長さDAを設定してもよい。具体的には、テープ部材60の伸長方向Dの長さが45mm、かつ固定部62の伸長方向Dの長さが10mmの場合、伸長部の長さを35mmとせずに、手持ち部分を10mmと仮定し、25mmを伸長部の長さとして設定し、推奨伸長限度を設定してもよい。
目印部80は、本体部20に設けられていてもよいし、テープ部材60に設けられていてもよいし、本体部20とテープ部材60の両方に設けられていてもよい。
目印部80は、粘着部70,42,52によって構成されてよい。具体的には、目印部80は、粘着部70,42,52の伸長方向Dの長さによって構成されてよい。または、粘着部70,42,52の伸長方向Dの間隔によって構成されてよい。使用者は、粘着部70,42,52の長さ又は間隔によって、伸長させてよい量や伸張状態のテープ部材の長さを把握することができる。本実施の形態の目印部80は、本体粘着部70の伸長方向の長さD70によって構成され、かつ本体粘着部70の伸長方向の間隔G70によって構成されている。D70及びG70の長さは、伸長可能長さDAである。
このような構成によれば、使用者は、本体粘着部70によって推奨伸長限度を把握することができる。本体粘着部70は、本体部20の非肌対向面側に配置されており、吸収性物品10の肌対向面側が内側になるように吸収性物品10を丸めた状態で外側に位置する。使用者は、丸めた状態で本体粘着部70を視認しやすく、当該丸めた状態で推奨伸長限度を容易に把握できる。特に、テープ部材60が粘着剤を有さずにテープ部材60が本体粘着部70に止着される形態にあっては、使用者は、止着先である本体粘着部70を視認しつつテープ部材60を伸長する操作を行う。本体粘着部70が目印部80を構成することにより、使用者は、廃棄操作をより円滑に行うことができる。
また、目印部を構成する本体粘着部70は、前後方向Lに間隔を空けて、本体部20の全体に亘って複数配置されてよい。使用者によって吸収性物品の巻き方は、異なる。そのため、巻き終わりとなる本体部20の後端縁の前後方向Lの位置は、一定でない。目印部80となる本体粘着部70が前後方向Lに間隔を空けて本体部20の全体に亘って配置されているため、使用者によって巻き方が異なった場合であっても、いずれかの本体粘着部70が本体部20の後端縁近傍に配置され、テープ部材60を伸長する際の目印部80として機能し易い。
次いで、他の実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同じ箇所については、同符号を用いて説明を省略する。図5は、変形例1に係る吸収性物品10Aの非肌対向面側から見た平面の一部を示している。図5(A)は、自然状態のテープ部材60を示しており、図5(B)は、最大伸長状態のテープ部材60を示している。
変形例1に係る目印部80Aは、伸長形態を推奨伸長限度として示してよい。伸長形態は、最大伸長状態のテープ部材60の形態であってよい。最大伸長状態のテープ部材60の形態は、最大伸長状態のテープ部材60の伸長方向Dの長さ、及び最大伸長状態のテープ部材60の外形であってよい。使用者は、目印部80Aによって最大伸長状態のテープ部材60の形態を把握することができ、伸長形態を目安としてテープ部材の形態を変化させるべくテープ部材60を引っ張ることができる。よって、使用者がテープ部材60を伸ばし過ぎて意図せずに破断することを抑制できる。また、使用者は、最大伸長状態の形態を把握しつつ操作を行うことができるため、安心してテープ部材60を引っ張ることができる。
変形例1に係る目印部80Aは、第1目印部80A1と、第2目印部80A2と、第3目印部80A3と、を有してよい。第1目印部80A1、第2目印部80A2、及び第3目印部80A3は、伸長形態としての最大伸長状態のテープ部材60の伸長方向の長さ(以下、全体伸長長DB)を示している。
変形例1に係る吸収性物品10Aの吸収コア23は、低目付領域25を有してよい。低目付領域25は、周囲と比較して吸収材料の目付が低い領域である。ここで、「低目付領域」は、その周囲の吸収コアよりも低い目付を有する吸収コアからなる領域、又は吸収コアを有していない領域(すなわち目付が零の領域)を意味するものとする。低目付領域25は、裏面シート22を介して視認可能に構成されてよい。また、低目付領域は、周囲よりも目付が低く、その剛性が低い。低目付領域25は、裏面シート22を介して触感によって把握できるように構成されていてもよい。
第1目印部80A1は、低目付領域25によって構成されてよい。具体的には、第1目印部80A1は、低目付領域25の伸長方向の長さD25によって構成されてよい。または、第1目印部80A1は、低目付領域25の伸長方向の間隔G25によって構成されてよい。使用者は、低目付領域25の長さD25又は間隔G25によって、推奨伸長限度を把握することができる。本実施の形態の第1目印部80A1は、低目付領域25の伸長方向の長さD25によって構成され、かつ低目付領域25の伸長方向の間隔G25によって構成されている。D25及びG25の長さは、全体伸長長さDBである。低目付領域25は、吸収材料の目付が低く、周囲と比較して剛性が低くなっている。よって、使用者は、本体部20を触ることによって低目付領域25の長さD25及び間隔G25を把握できる。使用者は、視覚と触覚によって低目付領域25の長さD25及び間隔G25を把握でき、テープ部材60の推奨伸長限度を容易に把握できる。
また、本体部20は、圧搾部26を有してよい。圧搾部26は、少なくとも吸収コア23を厚み方向に圧縮されていればよく、表面シートと吸収コアが圧縮されていてもよい。圧搾部26は、裏面シート22を介して視認可能に構成されてよい。また、圧搾部26は、周囲よりも密度が低く、その剛性が高い。圧搾部26は、裏面シート22を介して触感によって把握できるように構成されていてもよい。
第2目印部80A2は、圧搾部26によって構成されてよい。具体的には、第2目印部80A2は、圧搾部26の伸長方向の長さD26によって構成されてよい。または、第2目印部80A2は、圧搾部26の伸長方向Dの間隔G26によって構成されてよい。使用者は、圧搾部26の長さD26又は間隔G26によって、推奨伸長限度を把握することができる。本実施の形態の第2目印部80A2は、圧搾部26の伸長方向の長さD26によって構成され、かつ圧搾部26の伸長方向の間隔G26によって構成されている。D26及びG26の長さは、全体伸長長さDBである。圧搾部26は、吸収コア23が圧縮されており、圧搾部26が形成されていない部分と比較して剛性が高くなっている。よって、使用者は、本体部20を触ることによって圧搾部26の長さD26及び間隔G26を把握できる。使用者は、視覚と触覚によって圧搾部26の長さD26及び間隔G26を把握でき、テープ部材60の推奨伸長限度を容易に把握できる。
また、本体部20は、本体印刷部91を有してよい。本体印刷部91は、本体部20の非肌対向面側から視認可能に構成されてよい。本体印刷部91は、裏面シート22に設けられていてもよいし、裏面シート22よりも肌対向面側に設けられ、かつ裏面シート22を介して視認可能に構成されていてもよい。印刷手段は、限定されず、フレキソ印刷、グラビア印刷を例示できる。
第3目印部80A3は、本体印刷部91によって構成されてよい。具体的には、第3目印部80A3は、本体印刷部91の伸長方向の長さD91によって構成されてよい。または、第3目印部80A3は、本体印刷部91の伸長方向Dの間隔G91によって構成されてよい。使用者は、本体印刷部91の長さD91又は間隔G91によって、推奨伸長限度を把握することができる。本実施の形態の第3目印部80A3は、本体印刷部91の伸長方向の長さD91によって構成され、かつ本体印刷部91の伸長方向Dの間隔G91によって構成されている。D91及びG91の長さは、全体伸長長さDBである。本体印刷部91は、本体部20の非肌対向面側から視認可能に構成されており、吸収性物品10の肌対向面側が内側になるように吸収性物品10を丸めた状態で外側に位置する。使用者は、丸めた状態で本体印刷部91を視認しやすく、当該丸めた状態で推奨伸長限度を容易に把握できる。
図6は、変形例2に係る吸収性物品10Bの非肌対向面側から見た平面の一部を示している。図6(A)は、自然状態のテープ部材60を示しており、図6(B)は、最大伸長状態のテープ部材60を示している。
変形例2に係る目印部は、最大伸長状態のテープ部材の外形を推奨伸長限度として示してよい。変形例2に係るテープ部材60は、伸長した際に幅入り(ネックイン)するように構成されている。目印部80Bは、最大伸長状態の幅入りしたテープ部材60の形状を示してよい。使用者は、最大伸長状態のテープ部材の形状と同じようになるまでテープ部材を伸長し、それ以上伸長させないことができる。使用者は、最大伸長状態のテープ部材60の形状を把握しつつ操作を行うことができるため、安心してテープ部材60を引っ張ることができる。
図7は、変形例3に係る吸収性物品10Cの非肌対向面側から見た平面の一部を示している。図7(A)は、自然状態のテープ部材60を示しており、図7(B)は、最大伸長状態のテープ部材60を示している。
変形例3に係る本体部20は、本体印刷部91を有してよい。また、テープ部材60の伸長部64は、テープ印刷部92を有してよい。変形例3に係るテープ部材60の伸長部64は、テープ印刷部92を有してよい。テープ印刷部92は、テープ部材60の非肌対向面側から視認可能に構成されてよい。印刷手段は、限定されず、フレキソ印刷、グラビア印刷を例示できる。変形例3に係る目印部80Cは、伸長形態を示してよい。より詳細には、最大伸長状態のテープ印刷部92の形状を示してよい。最大伸長状態のテープ印刷部92の形態は、最大伸長状態のテープ印刷部92の伸長方向の長さD92、及び最大伸長状態のテープ印刷部92の外形であってよい。
変形例3に係る目印部80Cは、第1目印部80C1と、第2目印部80C2と、を有してよい。第1目印部80C1及び第2目印部80C2は、本体印刷部91によって構成されてよい。第1目印部80C1は、本体印刷部91の伸長方向の長さD91によって構成されてよい。D91の長さは、最大伸長状態のテープ印刷部92の伸長方向の長さD92である。最大伸長状態のテープ印刷部92の伸長方向の長さは、自然状態のテープ印刷部92の伸長方向の長さと比べて長くなる。使用者は、最大伸長状態のテープ印刷部92の長さを把握することにより、本体印刷部91の長さを目安として、テープ部材を破断させずに伸長することができる。
第2目印部80C2は、最大伸長状態のテープ印刷部92の外形を示してよい。最大伸長状態のテープ印刷部92の外形は、自然状態のテープ印刷部92の外形と異なり、伸長方向に伸びている。使用者は、最大伸長状態のテープ印刷部の外形を把握することにより、本体印刷部91の外形を目安として、テープ部材を破断させずに伸長することができる。使用者は、最大伸長状態のテープ印刷部92の形状を把握しつつ操作を行うことができるため、安心してテープ部材60を引っ張ることができる。また、本体印刷部の絵柄とテープ印刷部の絵柄によって目印部を構成することにより、使用者は、絵合わせのように絵柄を合わせることによって感覚的に推奨伸長限度を把握できる。
図8は、変形例4に係る吸収性物品10Dの非肌対向面側から見た平面の一部を示している。図8(A)は、自然状態のテープ部材60を示しており、図8(B)は、最大伸長状態のテープ部材60を示している。
変形例4に係る本体部20は、本体印刷部91を有してよい。また、変形例4に係るテープ部材60の伸長部64は、テープ印刷部92を有してよい。テープ印刷部92は、伸長方向に間隔を空けて複数設けられてよい。変形例4に係る目印部80Dは、伸長形態を示してよい。より詳細には、最大伸長状態のテープ印刷部92のどうしの間隔G92を示してよい。
変形例4に係る目印部80Dは、第1目印部80D1と、第2目印部80D2と、を有してよい。第1目印部80D1及び第2目印部80D2は、本体印刷部91によって構成されてよい。第1目印部80D1は、本体印刷部91の伸長方向の長さD91によって構成されてよい。D91の長さは、最大伸長状態のテープ印刷部92の伸長方向の間隔G92である。最大伸長状態のテープ印刷部92の伸長方向の間隔G92は、自然状態のテープ印刷部92の伸長方向の間隔と比べて長くなる。使用者は、最大伸長状態のテープ印刷部の間隔を把握することにより、本体印刷部91の長さを目安として、テープ部材を破断させずに伸長することができる。
第2目印部80D2は、本体印刷部91の伸長方向の間隔G91によって構成されてよい。本体印刷部91は、伸長方向に間隔を空けて複数配置されてよい。G91の長さは、最大伸長状態のテープ印刷部92の伸長方向の間隔G92である。最大伸長状態のテープ印刷部92の伸長方向の間隔G92は、自然状態のテープ印刷部92の伸長方向の間隔と比べて長くなる。使用者は、最大伸長状態のテープ印刷部の間隔を把握することにより、本体印刷部91の間隔を目安として、テープ部材を破断させずに伸長することができる。また、使用者は、本体印刷部91の間隔とテープ印刷部92の間隔を合わせるようにテープ部材60を伸ばすため、絵合わせのように本体印刷部91とテープ印刷部92を対比でき、感覚的に推奨伸長限度を把握できる。
図9は、変形例5に係る吸収性物品10Eの非肌対向面側から見た平面の一部を示している。図9(A)は、自然状態のテープ部材60を示しており、図9(B)は、最大伸長状態のテープ部材60を示している。
変形例5に係るテープ部材60は、最大伸長状態で本体部20の外縁20Eから延出する延出部65を有してよい。目印部80Eは、最大伸長状態における延出部65の伸長方向の延出長さD65を示してよい。延出長さD65は、本体部20の外縁20Eと、最大伸長状態における延出部65の先端縁と、の伸長方向に沿った長さである。目印部80Eは、第1目印部80E1と、第2目印部80E2と、を有してよい。第1目印部80E1及び第2目印部80E2は、本体印刷部91によって構成されてよい。第1目印部80E1は、本体印刷部91の伸長方向の長さD91によって構成されてよい。D91の長さは、最大伸長状態の延出部65の伸長方向の長さD65である。また、第2目印部80E2は、本体印刷部91の伸長方向の間隔G91によって構成されてよい。G91の長さは、最大伸長状態の延出部65の伸長方向の長さD65である。使用者は、目印部によって最大伸長状態の延出部の長さを把握することができ、延出部を目安として吸収性物品からテープ部材を延出させるようにテープ部材を引っ張ることができる。よって、使用者がテープ部材を伸ばし過ぎて意図せずに破断することを抑制できる。
また、目印部80Eは、推奨伸長限度(伸長可能な上限長さ)のみならず、使用に適切な推奨伸長量を指標してもよい。推奨伸長量は、テープ部材の使用に適切な伸長量であってよい。推奨伸長量は、伸長させる量(長さ)の下限であってよい。具体的には、テープ部材を伸長させて本体部の外縁の内側から外側に引き出す構成にあっては、テープ部材が本体部の外縁から延出するために必要な伸長する量を推奨伸長量とすることができる。使用者は、推奨伸長量を目印部によって把握することができる。よって、使用者は、テープ部材によって吸収性物品を固定するために適した状態まで、テープ部材を伸長させることができ、廃棄の操作を円滑に行うことができる。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
例えば、実施形態に係る目印部及び変形例に係る目印部は、いずれも推奨伸長限度の構成を限定されない。具体的には、伸長可能長さを推奨伸長限度して示してもよいし、伸長形態を推奨伸長限度して示してもよいし、延出長さを推奨伸長限度して示してもよい。また、実施形態に係る吸収性物品及び変形例に係る吸収性物品は、いずれも目印部の構成を限定されない。目印部は、粘着部によって構成されていてもよいし、低目付領域によって構成されていてもよいし、圧搾部によって構成されていてもよいし、本体印刷部によって構成されていてもよい。