JP6855342B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は潤滑油組成物に関し、特に内燃機関用潤滑油組成物に関する。
一般に潤滑油は、摺動面の間に油膜を形成することにより、摺動面どうしが直接に接触することを防止する(流体潤滑)。流体潤滑条件においては、摺動面の間に油膜が維持されない潤滑条件(境界潤滑)におけるよりも大幅に摩擦および摩耗が低減される。潤滑油の粘度が高いほど油膜が維持されやすいが、同時に摺動抵抗も増大するため省エネルギー性の点では不利となる。
例えば自動車エンジン等の内燃機関の潤滑に用いられる潤滑油組成物(内燃機関用潤滑油組成物)については、省燃費性を向上させるために、低粘度の基油を用いつつ、ポリ(メタ)アクリレート等の粘度指数向上剤の添加によって高温における基油の粘度低下を補うことが提案されている。
特開2015−013957号公報 特開2015−013962号公報 特開2015−013963号公報 特開2015−013964号公報 特表2003−515630号公報 国際公開2014/017554号パンフレット 特表2008−518051公報 特表2007−512413公報 特開2007−084658公報 特公平7−25859号公報 特開平11−335432号公報 特開平6−93060号公報 特許第4681187号公報
耐熱性が不十分な潤滑油を高温下で使用すると、熱で変質した生成物(炭質物)が不溶分として析出しやすい。そのため例えば内燃機関用潤滑油等の、高温になる機械要素を潤滑する潤滑油には、耐スラッジ性も要求される。
本発明は、ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物であって、向上した耐スラッジ性を有する潤滑油組成物を提供することを課題とする。
本発明の一の実施形態は、潤滑油基油と、(A)下記一般式(1)で表される構造単位を、重合体全量基準で25〜35質量%と、下記一般式(2)で表される構造単位を、重合体全量基準で25〜35質量%とを含み、重量平均分子量が50,000〜500,000であり、下記式(3)で表されるパラメタaの値が0.12以下である、(メタ)アクリレート系重合体とを含むことを特徴とする、潤滑油組成物である。
Figure 0006855342
(式(1)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。)
Figure 0006855342
(式(2)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数16〜24の直鎖アルキル基、またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を表す。)
a=Log(M(t1/2))−Log(M(t)) …(3)
(式(3)中、M(t)は上記(メタ)アクリレート系重合体のゲル浸透クロマトグラフィー測定により得られるポリスチレン換算分子量の微分分子量分布曲線におけるピークトップ分子量を表し;M(t1/2)は上記微分分子量分布曲線において分子量M(t)における強度の1/2の強度を与える高分子量側のポリスチレン換算分子量を表す。)
本明細書中において「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」と「アクリル」との総称を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「メタクリレート」と「アクリレート」との総称を意味する。またLogは常用対数(底が10の対数)を意味する。また本明細書において、分岐鎖アルキル基における主鎖および側鎖の決定は、有機化合物の命名法(IUPAC命名法)に従うものとする。
一の好ましい実施形態において、上記(メタ)アクリレート重合体は、さらに下記式(4)で表される構造単位を、重合体全量基準で30〜50質量%含む。
Figure 0006855342
(式(4)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数6〜14の直鎖アルキル基、またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を表す。)
一の好ましい実施形態において、上記(メタ)アクリレート系重合体は、1種以上の(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む原料をリビングアニオン重合によって重合させることによって得られる重合体であり、原料中の水酸基を有する化合物の含有量が、該原料中の1種以上の(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以下である。
本発明によれば、ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物であって、向上した耐スラッジ性を有する潤滑油組成物を提供できる。
重合体のGPC測定により得られるポリスチレン換算の微分分子量曲線における、M(t)、M(t1/2)、M(t1/2)、a値、及び半値全幅(b値)を示す概略図である。
以下、本発明について詳述する。なお、特に断らない限り、数値A及びBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。また「又は」及び「若しくは」の語は、特に断りのない限り論理和を意味するものとする。
<潤滑油基油>
潤滑油基油としては、特に制限されず、通常の潤滑油に使用される潤滑油基油を使用できる。具体的には、鉱油系基油、合成系基油、又はこれらの中から選ばれる2種以上の潤滑油基油を任意の割合で混合した混合基油等を使用できる。
鉱油系基油としては、例えば、原油を常圧蒸留および/または減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理から選ばれる1種以上の処理により精製したパラフィン系鉱油、およびノルマルパラフィン系基油、イソパラフィン系基油、ならびにこれらの混合物等を挙げることができる。
鉱油系基油の好ましい例としては、以下に示す基油(1)〜(8)を原料とし、この原料油および/またはこの原料油から回収された潤滑油留分を、所定の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留による留出油;
(2)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留による留出油(WVGO);
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス(スラックワックス等)および/またはガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等);
(4)基油(1)〜(3)から選ばれる1種または2種以上の混合油および/または当該混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油;
(5)基油(1)〜(4)から選ばれる2種以上の混合油;
(6)基油(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の脱れき油(DAO);
(7)基油(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC);
(8)基油(1)〜(7)から選ばれる2種以上の混合油。
なお、上記所定の精製方法としては、水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精製;フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製;溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう;酸性白土や活性白土などによる白土精製;硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)洗浄などが好ましい。本発明では、これらの精製方法のうちの1種を単独で行ってもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。また、2種以上の精製方法を組み合わせる場合、その順序は特に制限されず、適宜選定することができる。
更に、鉱油系基油としては、上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分について所定の処理を行うことにより得られる下記基油(9)または(10)が特に好ましい。
(9)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分を水素化分解し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または当該脱ろう処理をした後に蒸留することによって得られる水素化分解基油;
(10)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分を水素化異性化し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または、当該脱ろう処理をしたあとに蒸留することによって得られる水素化異性化基油。脱ろう工程としては接触脱ろう工程を経て製造された基油が好ましい。
また、上記(9)または(10)の潤滑油基油を得るに際して、必要に応じて溶剤精製処理および/または水素化仕上げ処理工程を適当な段階で更に行ってもよい。
また、上記水素化分解・水素化異性化に使用される触媒は特に制限されないが、分解活性を有する複合酸化物(例えば、シリカアルミナ、アルミナボリア、シリカジルコニアなど)または当該複合酸化物の1種類以上を組み合わせてバインダーで結着させたものを担体とし、水素化能を有する金属(例えば周期律表第VIa族の金属や第VIII族の金属などの1種類以上)を担持させた水素化分解触媒、あるいはゼオライト(例えばZSM−5、ゼオライトベータ、SAPO−11など)を含む担体に第VIII族の金属のうち少なくとも1種類以上を含む水素化能を有する金属を担持させた水素化異性化触媒が好ましく使用される。水素化分解触媒および水素化異性化触媒は、積層または混合などにより組み合わせて用いてもよい。
水素化分解・水素化異性化の際の反応条件は特に制限されないが、水素分圧0.1〜20MPa、平均反応温度150〜450℃、LHSV0.1〜3.0hr−1、水素/油比50〜20000scf/bとすることが好ましい。
合成系基油としては、例えば、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;アルキルナフタレン、アルキルベンゼン等の芳香族系合成油、及びこれらの混合物等を例示できる。
潤滑油基油の100℃における動粘度は、好ましくは2.0〜8.0mm/sである。また、5mm/s以下であることがより好ましく、さらに好ましくは4.5mm/s以下、特に好ましくは4.4mm/s以下、最も好ましくは4.3mm/s以下である。一方、当該100℃における動粘度は、2.0mm/s以上であることがより好ましく、さらに好ましくは2.5mm/s以上、特に好ましくは3.0mm/s以上、最も好ましくは3.3mm/s以上である。潤滑油基油の100℃における動粘度が8.0mm/sを超える場合には、潤滑油組成物の低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、2.0mm/s未満の場合には潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。なお本明細書において、「100℃における動粘度」とは、ASTM D−445に規定される100℃での動粘度を意味する。
潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは40mm/s以下、より好ましくは30mm/s以下、さらに好ましくは25mm/s以下、特に好ましくは22mm/s以下、最も好ましくは20mm/s以下である。一方、当該40℃における動粘度は、好ましくは6.0mm/s以上、より好ましくは8.0mm/s以上、さらに好ましくは10mm/s以上、特に好ましくは12mm/s以上、最も好ましくは14mm/s以上である。潤滑油基油の40℃における動粘度が40mm/sを超える場合には、潤滑油組成物の低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、6.0mm/s未満の場合には潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。なお本明細書において「40℃における動粘度」とは、ASTM D−445に規定される40℃での動粘度を意味する。
潤滑油基油の粘度指数は、100以上であることが好ましい。より好ましくは110以上、さらに好ましくは115以上、特に好ましくは120以上、最も好ましくは125以上である。粘度指数が100未満であると、潤滑油組成物の粘度−温度特性および熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化するだけでなく、摩擦係数が上昇する傾向にあり、また、摩耗防止性が低下する傾向にある。なお、本明細書において粘度指数とは、JIS K 2283−1993に準拠して測定された粘度指数を意味する。
潤滑油基油の15℃における密度(ρ15)は、好ましくは0.860以下、より好ましくは0.850以下、さらに好ましくは0.840以下、特に好ましくは0.835以下である。なお、本明細書において15℃における密度とは、JIS K 2249−1995に準拠して15℃において測定された密度を意味する。
潤滑油基油の流動点は、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−12.5℃以下、更に好ましくは−15℃以下、最も好ましくは−17.5℃以下である。流動点が上記上限値を超えると、潤滑油組成物全体の低温流動性が低下する傾向にある。なお、本明細書において流動点とは、JIS K 2269−1987に準拠して測定された流動点を意味する。
潤滑油基油における硫黄分の含有量は、その原料の硫黄分の含有量に依存する。例えば、フィッシャートロプシュ反応等により得られる合成ワックス成分のように実質的に硫黄を含まない原料を用いる場合には、実質的に硫黄を含まない潤滑油基油を得ることができる。また、潤滑油基油の精製過程で得られるスラックワックスや精ろう過程で得られるマイクロワックス等の硫黄を含む原料を用いる場合には、得られる潤滑油基油中の硫黄分は通常100質量ppm以上となる。潤滑油基油においては、熱・酸化安定性の更なる向上および低硫黄化の点から、硫黄分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましく、10質量ppm以下であることが更に好ましく、5質量ppm以下であることが特に好ましい。
潤滑油基油における窒素分の含有量は、好ましくは10質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下、更に好ましくは3質量ppm以下である。窒素分の含有量が10質量ppmを超えると、熱・酸化安定性が低下する傾向にある。なお、本明細書において窒素分とは、JIS K 2609−1990に準拠して測定される窒素分を意味する。
潤滑油基油の%Cは、好ましくは70以上、より好ましくは80以上、さらに好ましくは85以上であり、また通常99以下、好ましくは95以下、より好ましくは94以下である。潤滑油基油の%Cが上記下限値未満の場合、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾向にあり、更に、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効き目が低下する傾向にある。また、潤滑油基油の%Cが上記上限値を超えると、添加剤の溶解性が低下する傾向にある。
潤滑油基油の%Cは、2以下であることが好ましく、より好ましくは1以下、更に好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.5以下である。潤滑油基油の%Cが上記上限値を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および省燃費性が低下する傾向にある。
潤滑油基油の%Cは、好ましくは30以下であり、より好ましくは25以下であり、さらに好ましくは20以下であり、特に好ましくは15以下である。また潤滑油基油の%Cは、好ましくは1以上であり、より好ましくは4以上である。潤滑油基油の%Cが上記上限値を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾向にある。また、%Cが上記下限値未満であると、添加剤の溶解性が低下する傾向にある。
本明細書において%C、%Cおよび%Cとは、それぞれASTM D 3238−85に準拠した方法(n−d−M環分析)により求められる、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率、および芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率を意味する。つまり、上述した%C、%Cおよび%Cの好ましい範囲は上記方法により求められる値に基づくものであり、例えばナフテン分を含まない潤滑油基油であっても、上記方法により求められる%Cは0を超える値を示し得る。
潤滑油基油における飽和分の含有量は、潤滑油基油全量を基準として、好ましくは90質量%以上であり、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。また、当該飽和分に占める環状飽和分の割合は、好ましくは40質量%以下であり、好ましくは35質量%以下であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは21質量%以下である。また、当該飽和分に占める環状飽和分の割合は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。飽和分の含有量および当該飽和分に占める環状飽和分の割合がそれぞれ上記条件を満たすことにより、粘度−温度特性および熱・酸化安定性を向上させることができ、また、当該潤滑油基油に添加剤が配合された場合には、当該添加剤を潤滑油基油中に十分に安定的に溶解保持しつつ、当該添加剤の機能をより高水準で発現させることができる。更に、潤滑油基油自体の摩擦特性を改善することができ、その結果、摩擦低減効果の向上、ひいては省エネルギー性の向上を達成することができる。なお本明細書において飽和分とは、ASTM D 2007−93に準拠して測定された値を意味する。
また、飽和分の分離方法、あるいは環状飽和分、非環状飽和分等の組成分析の際には、同様の結果が得られる類似の方法を使用することができる。例えば、上記ASTM D 2007−93に記載された方法の他、ASTM D 2425−93に記載の方法、ASTM D 2549−91に記載の方法、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による方法、あるいはこれらの方法を改良した方法等を挙げることができる。
潤滑油基油における芳香族分は、潤滑油基油全量を基準として、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.2質量%以下であり、芳香族分を実質的に含有しない基油も好ましく用いることができる。本明細書において、基油が芳香族分を「実質的に含有しない」とは、芳香族分の含有量が基油全量基準で0〜1000質量ppmであることを意味する。芳香族分の含有量が上記上限値を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性、更には揮発防止性および低温粘度特性が低下する傾向にあり、更に、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効き目が低下する傾向にある。
なお、本明細書において芳香族分とは、ASTM D 2007−93に準拠して測定された値を意味する。芳香族分には、通常、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレンおよびこれらのアルキル化物、更にはベンゼン環が四環以上縮環した化合物、ピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ原子を有する芳香族化合物などが含まれる。
<(A)(メタ)アクリレート系重合体>
本発明の潤滑油組成物は、(A)下記一般式(1)で表される構造単位を、重合体全量基準で25〜35質量%と、下記一般式(2)で表される構造単位を、重合体全量基準で25〜35質量%とを含み、重量平均分子量が50,000〜500,000であり、下記式(3)で表されるパラメタaの値が0.12以下である、(メタ)アクリレート系重合体(以下において「(A)成分」または「(メタ)アクリレート系重合体(A)」ということがある。)を含有する。
Figure 0006855342
(式(1)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。)
Figure 0006855342
(式(2)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数16〜24の直鎖アルキル基、またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を表す。)
a=Log(M(t1/2))−Log(M(t)) …(3)
(式(3)中、M(t)は上記(メタ)アクリレート系重合体のゲル浸透クロマトグラフィー測定により得られるポリスチレン換算分子量の微分分子量分布曲線におけるピークトップ分子量を表し;M(t1/2)は上記微分分子量分布曲線において分子量M(t)における強度の1/2の強度を与える高分子量側のポリスチレン換算分子量を表す。)
(メタ)アクリレート系重合体(A)は、分子量分布が狭いだけでなく、潤滑油組成物の耐スラッジ性を高める観点から、高分子量側の分子量分布が狭いことが重要である。高分子量側の分子量分布を評価する方法として、以下の方法を用いる。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られるクロマトグラムを、溶出時間と標準ポリスチレンの分子量との関係を示す検量線を用いて、ポリスチレン換算の分子量の微分分子量分布曲線に置き換える。その際、(メタ)アクリレート系重合体のポリスチレン換算のピークトップ分子量(測定強度が最も高い分子量)M(t)における測定強度をI(t)とする。該微分分子量分布曲線において、強度が0.5I(t)となる地点の高分子量側のポリスチレン換算分子量をM(t1/2)とする。(メタ)アクリレート系重合体(A)は、このようにして定められるM(t)及びM(t1/2)に対して、上記式(3)で示されるパラメタaの値が0.12以下である必要がある(図1参照)。パラメタaの値が0.12以下である(メタ)アクリレート系重合体(A)は、高分子量側の分子量分布が小さい重合体である。
潤滑油組成物の耐スラッジ性をより高める観点、および、剪断粘度安定性が良好な(メタ)アクリレート系重合体を得る観点からは、上記a値は、0.11以下が好ましく、0.10以下がより好ましく、0.095以下がさらに好ましい。なお上記式(2)において、Logは常用対数(底が10の対数)を意味する。なお、上記a値は通常0.05以上である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)において、下記式(5)で表されるパラメタbの値が0.3以下であることが好ましい。
b=Log(M(t1/2))−Log(M(t1/2)) …(5)
(式(5)中、M(t1/2)は上記定義のとおりであり、M(t1/2)は上記微分分子量分布曲線において分子量M(t)における強度の1/2の強度を与える低分子量側のポリスチレン換算分子量を表す。)
パラメタbの値は半値全幅を表す。半値幅が0.3以下であると、低分子量側の分子量分布も狭く、すなわちピークトップ分子量M(t)より小さい分子量を有する重合体の量も少ないので、粘度指数向上に寄与しない重合体の割合が少なくなり、したがって(A)成分の添加量を低減することができる。同様の観点から、上記b値は、0.25以下であることがより好ましい。なお、上記b値は通常0.1以上である。
さらに、半値半幅aと半値全幅bとの比a/bが、0.46以下であることが好ましい。比a/bが0.46以下であると、高分子量側の分子量分布が狭く、せん断力を受けた際に切断されやすい高分子量のポリマー分子が少ないため、潤滑油組成物の耐スラッジ性およびせん断粘度安定性をより向上させることができる。同様の観点から、上記a/b比は、0.44以下であることがより好ましく、0.43以下であることがさらに好ましく、0.42以下であることが最も好ましい。なお、上記a/b比は通常0.1以上である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)は、上記一般式(1)で表される構造単位を1種のみ含んでいてもよく、上記一般式(1)で表される2種以上の異なる構造単位を含んでいてもよい。また(メタ)アクリレート系重合体(A)は、上記一般式(2)で表される構造単位を1種のみ含んでいてもよく、上記一般式(2)で表される2種以上の異なる構造単位を含んでいてもよい。(メタ)アクリレート系重合体(A)における、上記一般式(1)で表される構造単位の含有量は、(メタ)アクリレート系重合体(A)の全量を基準(100質量%)として、25〜35質量%である。上記一般式(1)で表される構造単位の含有量が25質量%以上であることにより、省燃費性を高めることが可能になる。また上記一般式(1)で表される構造単位の含有量が35質量%以下であることにより、溶解性を高めることが可能になる。また、(メタ)アクリレート系重合体(A)における、上記一般式(2)で表される構造単位の含有量は、(メタ)アクリレート系重合体(A)の全量を基準(100質量%)として、25〜35質量%である。上記一般式(2)で表される構造単位の含有量が25質量%以上であることにより、省燃費性および低温流動性を高めることが可能になる。また上記一般式(2)で表される構造単位の含有量が35質量%以下であることにより、溶解性を高めることが可能になる。
(メタ)アクリレート系重合体(A)は、下記一般式(4)で表される構造単位をさらに含むことが好ましい。(メタ)アクリレート系重合体(A)は、下記一般式(4)で表される構造単位を1種のみ含んでいてもよく、下記一般式(4)で表される2種以上の異なる構造単位を含んでいてもよい。また、(メタ)アクリレート系重合体(A)における、下記一般式(4)で表される構造単位の含有量は、(メタ)アクリレート系重合体(A)の全量を基準(100質量%)として、30〜50質量%であることが好ましい。
Figure 0006855342
(式(4)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数6〜14の直鎖アルキル基、またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を表す。)
、RおよびRはそれぞれ、水素又はメチル基のいずれであってもよいが、好ましくはメチル基である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)中の、上記一般式(1)で表される構造単位と、上記一般式(2)で表される構造単位と、上記一般式(4)で表される構造単位との合計の含有量は、(メタ)アクリレート系重合体(A)に含まれる構造単位の全量を基準(100質量%)として、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、一の好ましい実施形態において99質量%以上であり、100質量%であってもよい。なお一般式(1)で表される構造単位と、一般式(2)で表される構造単位と、一般式(4)で表される構造単位との合計の含有量が100質量%であるとは、当該(メタ)アクリレート系重合体(A)が、一般式(1)で表される構造単位と、一般式(2)で表される構造単位と、一般式(4)で表される構造単位とからなることを意味する。
省燃費性の観点から、(メタ)アクリレート系重合体(A)には、Rがメチル基である上記一般式(1)の構造単位が、(メタ)アクリレート系重合体(A)に含まれる構造単位の全量を基準として、20質量%以上含まれることが好ましく、25質量%以上含まれることがより好ましく、30質量%以上含まれることがさらに好ましく、35質量%含まれてもよい。一の好ましい実施形態において、(メタ)アクリレート系重合体(A)に含まれる上記一般式(1)の構造単位で表される構造単位は、Rがメチル基である上記一般式(1)の構造単位からなる。かかる実施形態によれば、省燃費性をさらに高めることが可能になる。Rがメチル基である上記一般式(1)の構造単位において、Rは水素であってもよく、メチル基であってもよく、それらの組み合わせであってもよいが、好ましくはメチル基である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)は、上記一般式(1)で表される構造単位、上記一般式(2)で表される構造単位、及び上記一般式(4)で表される構造単位のみを含んでいてもよく、あるいは、これら以外の構造単位を更に含んでいてもよい。また、(メタ)アクリレート系重合体(A)の重合鎖末端は、特に制限されない。このような重合鎖の中でも、上記一般式(1)で表される構造単位及び上記一般式(2)で表される構造単位及び上記一般式(4)で表される構造単位のみを含んでおり、末端が水素原子である重合鎖、すなわち下記一般式(6)で表される重合鎖が好ましい。
Figure 0006855342
式(6)中、Rは水素又はメチル基を示し、Rは、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、炭素数16〜24の直鎖アルキル基もしくはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基、又は、炭素数6〜14の直鎖アルキル基若しくはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を示し、pは重量平均分子量Mw及び重量平均分子量Mwの数平均分子量Mnに対する比Mw/Mnが所望の範囲内となるように選ばれる整数である。pは、例えば400〜2000の整数である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)の重量平均分子量Mwは50,000以上500,000以下であり、省燃費性能の観点から好ましくは100,000以上、より好ましくは150,000以上、特に好ましくは190,000以上であり、またせん断安定性の観点から好ましくは400,000以下、さらに好ましくは310,000以下であり、一の実施形態において300,000以下である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn;以下において「分子量分布」ということがある。)は、剪断粘度安定性および省燃費性の観点から、好ましくは1.6以下、より好ましくは1.5以下であり、また製造の容易性および経済性の観点から好ましくは1.01以上、より好ましくは1.05以上であり、特に好ましくは1.11以上である。MwおよびMnは、例えば、(メタ)アクリレート系重合体(A)の製造の際に使用する、(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む原料中の水酸基を有する化合物や重合禁止剤の量に依存する。MwおよびMnは、上述したGPCによる測定から求められたポリスチレン換算分子量の値である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)の数平均分子量Mnは、Mw/Mnが上記の条件を満たすように適宜選択することができる。Mnは、省燃費性能の観点から、75,000以上であることが好ましく、94,000以上であることがより好ましく、110,000以上であることが更に好ましい。Mnの上限は特に制限されないが、Mnは例えば400,000以下であり得る。
剪断粘度安定性は、例えば粘度低下率によって評価される。粘度低下率は、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.5%以下である。粘度低下率が上記上限値以下であると、省燃費性に優れる。なお本明細書において、剪断粘度低下率とは、超音波剪断試験における粘度低下率を意味し、具体的には、JASO M347−95(自動変速機油剪断安定性試験方法)に準拠し、試料容量のみ増加させた条件にて評価した際の粘度指数向上剤による増粘性の低下率を意味する。
剪断粘度安定性は、より詳細には、ASTMの試験法(ASTM D6022−06(2012))に規定されている標準油Aにて出力調整を行った後、振幅28μm、振動数10KHz、照射時間10分、試料容量50mLの条件で剪断試験を実施し、測定された動粘度に基づき計算したポリマーの永久剪断安定性指数PSSI(Permanent Shear Stability Index)を意味する。PSSIは、剪断試験前に測定された100℃における粘度指数向上剤の添加量あたりの増粘性(V1)と、剪断試験後に測定された100℃における粘度指数向上剤の添加量あたりの増粘性(V2)とに基づき、((V1−V2)/V1×100)(%)により計算される。
潤滑油組成物中における(メタ)アクリレート系重合体(A)の含有量は、組成物全量基準で、通常0.1〜30質量%であり、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であり、また好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。含有量が0.1質量%より少ない場合には省燃費性が悪化するとともに、低温特性が不十分となるおそれがあり、また含有量が30質量%を超える場合には組成物の省燃費性が悪化するとともに、せん断安定性が悪化するおそれがある。
かかる(メタ)アクリレート系重合体(A)は、例えば、上記一般式(1)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステル、上記一般式(2)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、上記一般式(4)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む(メタ)アクリレート系重合性単量体を重合することにより得られる。
((メタ)アクリレート系重合性単量体)
上記一般式(1)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等の炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等の炭素数3〜4の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
上記一般式(1)においてRの炭素数が1〜4であることにより、粘度指数向上効果を高めることが可能になる。上記一般式(1)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルが特に好ましい。上記一般式(1)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記一般式(2)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸n−ノナデシル、(メタ)アクリル酸n−エイコシル、(メタ)アクリル酸n−ヘンエイコシル、(メタ)アクリル酸n−ドコシル、(メタ)アクリル酸n−トリコシル、(メタ)アクリル酸n−テトラコシル等の、炭素数16〜24の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソヘキサデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−n−ヘプタデシル、及び(メタ)アクリル酸イソイコシル等の、いずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;などが挙げられる。
上記一般式(2)において、Rの炭素数は16〜24であり、好ましくは16〜22、より好ましくは16〜20である。上記一般式(2)においてRの炭素数が16以上であることにより、粘度指数向上効果を高めることが可能になる。またRの炭素数が24以下であることにより、剪断安定性を高めることが可能になる。上記一般式(2)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸エステルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記一般式(4)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル等の、炭素数6〜14の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸2,4,6−トリメチルヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−n−ドデシル等の、いずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;などが挙げられる。
上記一般式(4)において、Rの炭素数は6〜14であり、好ましくは8〜12である。上記一般式(4)においてRの炭素数が6以上であることにより、基油への溶解性を高めることが可能となる。またRの炭素数が14以下であることにより、合成したポリマーのハンドリング性が良好になる。上記一般式(4)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸エステルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
また、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体には、上記一般式(1)、(2)、又は(4)で表される構造単位以外の構造単位を与える他の(メタ)アクリレート系重合性単量体が含有されていてもよい。かかる他の(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロドデシル等の脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸ビフェニル等の芳香族炭化水素を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のエーテル結合を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
一の実施形態において、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体は、高せん断粘度への影響の観点から、炭素数6以上の側鎖を有する分岐鎖アルキル基を有する単量体を含有しないことが好ましく、炭素数5以上の側鎖を有する分岐鎖アルキル基を有する単量体を含有しないことがより好ましく、炭素数4以上の側鎖を有する分岐鎖アルキル基を有する単量体を含有しないことがさらに好ましく、炭素数3以上の側鎖を有する分岐鎖アルキル基を有する単量体を含有しないことが特に好ましい。
粘度指数向上効果および剪断安定性の観点から、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、炭素数6〜14の直鎖アルキル基もしくはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、炭素数16〜24の直鎖アルキル基もしくはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、を含有する混合物が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、及び、炭素数6〜14の直鎖アルキル基もしくはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、炭素数16〜24の直鎖アルキル基もしくはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、を含有する混合物がより好ましい。
上記(メタ)アクリレート系重合性単量体は、上記一般式(1)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、上記一般式(2)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含み、好ましくは更に、上記一般式(4)で表される構造単位を与える(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む限りにおいて特に限定されるものではないが、粘度指数向上効果の観点からは、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体は、該(メタ)アクリレート系重合性単量体の全量を基準(100質量%)として、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル25〜35質量%、炭素数16〜24の直鎖アルキル基またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル25〜35質量%、および、炭素数6〜14の直鎖アルキル基またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル30〜50質量%を含有する混合物であることが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル25〜35質量%、炭素数16〜24の直鎖アルキル基またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル25〜35質量%、および、炭素数6〜14の直鎖アルキル基またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル30〜50質量%を含有する混合物であることがより好ましい。
((メタ)アクリレート系重合性単量体を含む原料中の水酸基を有する化合物)
上記の特性を有する(メタ)アクリレート系重合体(A)を得るには、(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む原料中の水酸基を含有する化合物の濃度を制御することが好ましい。原料中に含まれる水酸基を含有する化合物には特に制限はなく、例えば水、フェノール性水酸基を有する化合物、アルコール性水酸基を有する化合物(例えば、アルコールなど)を挙げることができる。
フェノール性水酸基を有する化合物は、例えば、(メタ)アクリレート系重合性単量体の保存安定性を確保する重合禁止剤などとして用いられる。フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシフェノール、p−tert−ブチルカテコール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。なお、重合禁止剤としては、重合禁止効果の高い、ハイドロキノン、メトキシフェノール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノールが好ましく使用される。
原料中に含まれるアルコール性水酸基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート系重合性単量体に含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対応するアルコールが挙げられる。特に、高炭素数(例えば炭素数10以上。)のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対応する高炭素数のアルキル基を有するアルキルアルコールは沸点が高く、該アルキルアルコールが原料中に含まれる場合、該アルキルアルコールを(メタ)アクリル酸アルキルエステルに影響を与えることなく完全に除去することは困難である。
原料中の水酸基を有する化合物の含有量は、(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以下であり、より好ましくは0.1質量部以下である。(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して、原料中の水の含有量は0.002質量部以下であることが好ましく、原料中のフェノール性水酸基を有する化合物の含有量は0.005質量部以下であることが好ましく、原料中のアルコール性水酸基を有する化合物の含有量は0.2質量部以下であることが好ましい。
また、(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して、原料中の水の含有量は0.00001質量部以上であることが好ましく、原料中のフェノール性水酸基を有する化合物の含有量は0.00001質量部以上であることが好ましく、原料中のアルコール性水酸基を有する化合物の含有量は0.0001質量部以上であることが好ましい。
原料中の水およびアルコール性水酸基を有する化合物の含有量を上記下限値未満まで低減することは、除去効率および経済性の観点から困難である。特に、(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料に含まれる高炭素数(例えば炭素数10以上。)のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、沸点が高く、一般には、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む原料中には、水酸基を有する化合物が多く残存する傾向にある。また、原料中のフェノール性水酸基を有する化合物の含有量が上記下限値以上であることにより、原料に含まれる(メタ)アクリレート系重合性単量体の保存安定性を確保することが容易になる。
(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料中の水酸基を有する化合物の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーを用い、内部標準法、または絶対検量線法によって求めることができる。
(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料に含まれる水酸基を有する化合物の含有量を低減する方法に制限は無く、例えば、(メタ)アクリレート系単量体を含む混合物から蒸留、再結晶などにより水酸基を有する化合物の含有量を低減する方法、(メタ)アクリレート系単量体を含む混合物から吸着材を用いた吸着処理により水酸基を有する化合物を低減する方法などが挙げられ、さらに(メタ)アクリレート系単量体の製造時に原料アルコールを消費させることによって残存量を抑える方法なども挙げられる。なかでも、(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む原料の回収率および操作の簡便さの観点から、吸着処理により水酸基を有する化合物を低減する方法が好ましい。
上記吸着材としては、水酸基を有する化合物を吸着除去することが可能な吸着剤を特に制限なく使用できるが、吸着効率の高さから、活性アルミナ、シリカ、活性白土、酸性白土、活性炭、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキュラーシーブスが好ましい。中でも、活性アルミナ、ゼオライト、モレキュラーシーブスがより好ましい。
吸着処理の方法としては、(メタ)アクリレート系単量体を含む混合物と吸着材とをバッチ式で混合した後、撹拌または静置する方法や、吸着材を充填した充填塔に(メタ)アクリレート系単量体を含む混合物を連続的に導入する方法などが挙げられる。
吸着処理は、(メタ)アクリレート系単量体を含む混合物を溶剤に希釈してから行ってもよい。吸着処理において使用する溶媒としては、吸着処理に悪影響を及ぼさない溶媒を特に制限なく用いることができ、例えばペンタン、n−ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素; シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素; ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、ジフェニルエーテル等のエーテル;などが挙げられる。これらの中でも、その後の重合反応にそのまま使用できること、溶媒の回収精製が容易であることなどの観点から、芳香族炭化水素が好ましく、トルエン、キシレンがより好ましい。これらの溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタアクリレート系重合性単量体を含む混合物の製造方法)
(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料となる(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む混合物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば公知または公知に準ずる方法を採用できる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル等の短鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとアルキルアルコールとをブレンステッド酸やルイス酸触媒の存在下で加熱し、生成した短鎖アルコールを留去させながら行うエステル交換反応や、(メタ)アクリル酸とアルキルアルコールとを硫酸やp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸や固体酸触媒の存在下で加熱することによって行う縮合反応、(メタ)アクリル酸クロリドまたは(メタ)アクリル酸無水物とアルキルアルコールとをトリエチルアミンやピリジン等の塩基存在下で反応させる方法等を挙げることができる。
反応液から(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む混合物を取得するにあたっては、抽出、再結晶等の公知の方法を特に制限なく用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸とアルキルアルコールとの反応により得られた反応液からの(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む混合物の取得は、例えば(メタ)アクリル酸とアルキルアルコールとを、トルエンやヘキサン等の有機溶剤中硫酸やp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸や固体酸等の酸触媒存在下で加熱し、共沸脱水によって生成した水を系外に除去しながら反応を行って反応液を得た後に、該反応液に水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を添加することによって酸触媒を中和、抽出し、その後有機層中の溶剤を留去することによって行うことができる。
上記(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む混合物の製造においては、重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ベンゾキノンなどのキノン類;メトキシフェノール、p−tert−ブチルカテコール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、及び2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノールから選ばれる少なくとも1つのフェノール性水酸基を有する化合物;クペロン、フェノチアジンが挙げられる。なお、重合禁止剤としては、重合禁止効果の高い、ハイドロキノン、メトキシフェノール、p−tert−ブチルカテコール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノールが好ましく使用される。
上記(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む混合物を製造する際の重合禁止剤の使用量は、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルの重合防止の観点から、原料の(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸短鎖アルキルエステル100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上である。また、当該使用量は、生成物の有用性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。
上記(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む混合物中の上記重合禁止剤の含有量は、保管中の重合防止の観点から、(メタ)アクリレート系単量体100質量部に対して好ましくは0.00001質量部以上、より好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.0005質量部以上である。また、当該含有量は、重合で使用する前の除去の容易さから、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.2質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下である。
((メタ)アクリレート系重合体(A)の製造方法)
(メタ)アクリレート系重合体(A)の製造方法は特に制限ないが、a値を所望の範囲にするためには、該製造方法は、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆付加フラグメント化連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド介在重合(NMP)、ヨウ素移動重合、(有機テルル、アンチモン、ビスマス等の)高周期ヘテロ元素を用いる重合、硼素介在重合、触媒移動重合(CCT)、およびコバルトやチタンなどの金属と炭素結合をドーマント種とする重合系(OMRP)などの精密ラジカル重合、ならびにリビングアニオン重合が好ましい。なかでも、熱安定性が高い(メタ)アクリレート系重合体(A)が得られることから、リビングアニオン重合がより好ましい。かかるリビングアニオン重合法としては、例えば、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用いアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法(特公平7−25859号参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法(特開平11−335432号参照)、有機希土類金属錯体やメタロセン型金属錯体を重合開始剤としてアニオン重合する方法(特開平6−93060号参照)などが挙げられる。なかでも、Mw/Mnのより小さい重合体が得られるために剪断安定性が良好となること、シンジオタクティシティの高い重合体が得られるために粘度指数向上効果が高くなることから、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法が好ましい。
有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用いた有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合は、例えば、有機リチウム化合物と、下記の一般式(7)又は(8):
AlR1011 …(7)
(一般式(7)中、R、R10及びR11はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、若しくはN,N−二置換アミノ基を表す。)
AlR12 …(8)
(一般式(8)中、Rは上記定義の通りであり、R12は置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を表す。)
で表される有機アルミニウム化合物の存在下に、必要に応じて、反応系内に、ジメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、12−クラウン−4などのエーテル;又は、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ピリジン、2,2’−ジピリジルなどの含窒素化合物を更に存在させて(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合させることにより行なわれる。
上記アニオン重合で用いられる有機リチウム化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウムなどのアルキルリチウムおよびアルキルジリチウム;フェニルリチウム、m−トリルリチウム、p−トリルリチウム、キシリルリチウム、リチウムナフタレンなどのアリールリチウムおよびアリールジリチウム; ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、トリチルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、α−メチルスチリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウムなどのアラルキルリチウムおよびアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどのリチウムアミド;メトキシリチウム、エトキシリチウム、n−プロポキシリチウム、イソプロポキシリチウム、n−ブトキシリチウム、sec−ブトキシリチウム、tert−ブトキシリチウム、ペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウム、ヘプチルオキシリチウム、オクチルオキシリチウム、フェノキシリチウム、4−メチルフェノキシリチウム、ベンジルオキシリチウム、4−メチルベンジルオキシリチウムなどのリチウムアルコキシド等を、単独で又は組み合わせて用いることができる。
また、上記一般式(7)又は(8)で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジメチル(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ) アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウムなどのジアルキルフェノキシアルミニウム;メチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)]アルミニウムなどのアルキルジフェノキシアルミニウム;メトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ) アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)]アルミニウムなどのアルコキシジフェノキシアルミニウム; トリス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウムなどのトリフェノキシアルミニウム等を、単独で又は組み合わせて用いることができる。中でも、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)]アルミニウムなどが、取り扱いが容易であり、しかも比較的緩和な温度条件下で失活なく(メタ)アクリル酸エステルの重合を進行させることができる点から特に好ましく用いられる。
上記アニオン重合は、溶媒中で行なうことが好ましい。該溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒を特に制限なく用いることができ、例えばペンタン、n−ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエーテル、などが挙げられる。中でも、生成する重合体または共重合体の溶解度が高いこと、廃水への混入が生じにくいこと、溶媒の回収精製が容易であることなどの観点から、芳香族炭化水素が好ましく、トルエン、キシレンがより好ましい。これらの溶媒は単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、上記溶媒は、予め脱気および脱水処理して精製しておくことが、重合反応を円滑に進行させる点から好ましい。
また、(メタ)アクリレート系重合体(A)を製造する重合反応は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
(メタ)アクリレート系重合体(A)を製造する際の重合温度は、使用する(メタ)アクリル酸エステルの種類、重合反応液中の濃度などに応じて適切に選択すればよいが、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合する方法により製造する場合には、重合時間が短縮でき、また、重合中の失活反応が少ないことなどから、通常−20〜80℃の範囲の温度が好ましい。これは、従来の(メタ)アクリル酸エステルのアニオン重合条件と比較して極めて温和な温度条件であるので、本発明の方法を工業的に実施するに際しては、従来の方法と比較して冷却設備のコストを大幅に削減することができる。
(メタ)アクリレート系重合体(A)を製造するための重合方式としては、例えばバッチ重合方式、連続重合方式などを用いることができる。
(メタ)アクリレート系重合体(A)は、例えば、製造する最終の反応器より連続的に流出する重合反応液に、重合停止剤を添加することによって重合反応を停止させることにより得ることができる。重合停止剤としては、例えば水、メタノール、酢酸、塩酸などのプロトン性化合物などが挙げられる。重合停止剤の使用量は特に限定されないが、通常、使用する重合開始剤に対して1〜100倍モルの範囲である。
重合停止後の重合反応液から分離取得した(メタ)アクリレート系重合体(A)中に、使用した有機アルミニウム化合物に由来するアルミニウムが残存していると、(メタ)アクリレート系重合体(A)や、それを用いた材料の物性低下を生じる場合があるので、有機アルミニウム化合物に由来するアルミニウムを重合終了後に除去することが好ましい。該アルミニウムの除去方法としては、重合停止剤を添加した後の重合反応液を、酸性水溶液を用いた洗浄処理する方法、イオン交換樹脂などの吸着剤を用いた吸着処理などに付する方法などが有効である。
重合を停止させ、アルミニウムの除去処理操作を行なった後の重合反応液から(メタ)アクリレート系重合体(A)を分離取得するための方法は特に制限されず、公知の方法を適宜採用できる。例えば、重合反応液を、(メタ)アクリレート系重合体(A)の貧溶媒に注いで該(メタ)アクリレート系重合体(A)を析出させる方法; 重合反応液から溶媒を減圧下に留去して(メタ)アクリレート系重合体(A)を取得する方法などが挙げられる。また、まず薄膜蒸発装置などを用いて、重合反応液から溶媒および低沸点成分の大部分を除去した後、得られた残留物を連続的に溶融押出器に供給し、かかる溶融押出器中において減圧下に溶媒などを留去して、(メタ)アクリレート系重合体(A)をストランド、ペレットまたは餅状ブロックとして回収することも可能である。また、重合反応液として取り出してもよいし、用いた溶媒よりも沸点の高い溶媒を加えて溶媒を除去することで、重合で用いた別の溶媒に溶解した溶液として取り出すことも可能である。
(メタ)アクリレート系重合体(A)は、単一の単量体から製造される単独重合体であっても、複数の単量体から製造される共重合体であってもよい。単独重合体としては、直鎖状であっても、スター型であってもよい。共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、スター型共重合体であってもよい。
<その他の添加剤>
本発明の潤滑油組成物には、さらにその性能を向上させるために、その目的に応じて潤滑油に一般的に使用されている他の添加剤を含有させることができる。そのような添加剤としては、例えば、上記(A)成分以外の粘度指数向上剤、無灰分散剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤または極圧剤、酸化防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、防錆剤、抗乳化剤、および消泡剤等を挙げることができる。
上記(A)成分以外の粘度指数向上剤としては、耐スラッジ性に悪影響を与えない範囲において、上記の(メタ)アクリレート系重合体(A)以外のポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤、ポリイソブテン系粘度指数向上剤、エチレン−プロピレン共重合体系粘度指数向上剤、スチレン−ブタジエン水添共重合体系粘度指数向上剤などが挙げられる。潤滑油組成物は上記(A)成分以外の粘度指数向上剤を含有してもよく、含有しなくてもよい。潤滑油組成物中の上記(A)成分以外の粘度指数向上剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下であり、0質量%であってもよい。さらに、潤滑油組成物中の上記(A)成分以外の粘度指数向上剤の含有量は、上記(A)成分100質量部に対して好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下であり、0質量部であってもよい。
金属系清浄剤としては、アルカリ金属スルホネートもしくはアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネートもしくはアルカリ土類金属フェネート、及びアルカリ金属サリシレートもしくはアルカリ土類金属サリシレート等の正塩、塩基性塩または過塩基性塩などが挙げられる。本発明では、これらからなる群より選ばれる1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属系清浄剤、特にアルカリ土類金属系清浄剤を好ましく使用することができる。特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が好ましく、カルシウム塩がより好ましく用いられる。潤滑油組成物に金属系清浄剤を含有させる場合、その含有量は、金属量として、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.15質量%以上であり、また好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下である。金属系清浄剤の含有量が金属元素換算で0.01質量%に満たない場合には、十分な清浄性を発揮できないおそれがあり、また1.5質量%を超える場合には、硫酸灰分量が多くなるため排気ガス後処理装置に悪影響を与える恐れがある。
無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる無灰分散剤を特に制限なく用いることができる。本発明において使用可能な無灰分散剤としては、例えば、炭素数40〜400の直鎖もしくは分枝状のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するモノまたはビスコハク酸イミド、炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、あるいは炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、あるいはこれらのホウ素化合物、カルボン酸、またはリン酸等による変成品等が挙げられ、これらの中から選ばれる1種以上を配合することができる。潤滑油組成物に無灰分散剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。無灰分散剤の含有量が0.01質量%未満の場合は、清浄分散性向上効果が不十分となるおそれがあり、一方、20質量%を超える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が大幅に悪化するおそれがある。
摩擦調整剤としては、公知の摩擦調整剤を特に制限なく用いることができ、有機モリブデン化合物および/または無灰摩擦調整剤を好ましく用いることができる。
有機モリブデン化合物としては、例えば、モリブデンジチオホスフェート、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物;モリブデン化合物(例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩またはアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等。)と、硫黄含有有機化合物(例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、硫化エステル等。)又はその他の有機化合物との錯体等;および、上記硫化モリブデン、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体等の、硫黄を含有する有機モリブデン化合物を挙げることができる。
また、有機モリブデン化合物として、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物を用いることもできる。構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物としては、具体的には、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、モリブデン−アミン錯体、有機酸のモリブデン塩およびアルコールのモリブデン塩が好ましい。
潤滑油組成物において、摩擦調整剤として有機モリブデン化合物を用いる場合、その含有量は組成物全量基準で例えば0.1〜1.0質量%とすることができる。また有機モリブデン化合物のモリブデン元素換算での含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは10質量ppm以上、より好ましくは50質量ppm以上、さらに好ましくは100質量ppm以上、特に好ましくは200質量ppm以上である。一方、潤滑油基油への溶解性、貯蔵安定性および酸化安定性、さらには経済性の観点から、好ましくは400質量ppm以下、より好ましくは300質量ppm以下、特に好ましくは250質量ppm以下である。なお、有機モリブデン化合物のモリブデン元素換算での含有量が400質量ppmを超えると、特に、潤滑油組成物の高温における安定性が阻害され、デポジットの生成が促進されるので好ましくなく、さらには経済性の面からも好ましくない。
無灰摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられている化合物が特に制限なく使用可能である。本発明の潤滑油組成物において使用可能な無灰摩擦調整剤としては、例えば、分子中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選ばれる1種以上のヘテロ元素を含有する、炭素数6〜50の化合物が挙げられる。さらに具体的には、炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、分岐アルキル基、または分岐アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ウレア系化合物、ヒドラジド系化合物等の無灰摩擦調整剤等が挙げられる。
潤滑油組成物における無灰摩擦調整剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.8質量%以下である。無灰摩擦調整剤の含有量が0.01質量%未満であると、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にあり、また2質量%を超えると、添加剤の溶解性が悪化する傾向にあり、さらに耐摩耗性添加剤などの効果が阻害される恐れがある。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具体的には例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等が挙げられ、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン等が挙げられる。潤滑油組成物に酸化防止剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、通常5.0質量%以下であり、好ましくは3.0質量%以下であり、また好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上である。
摩耗防止剤または極圧剤としては、潤滑油に用いられる摩耗防止剤・極圧剤を特に制限なく使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。潤滑油組成物に摩耗防止剤または極圧剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、例えば0.05〜2.0質量%とすることができ、耐摩耗性あるいは耐荷重性向上の観点から、0.01〜10質量%であることが好ましい。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、およびイミダゾール系化合物等が挙げられる。潤滑油組成物に腐食防止剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.005〜5質量%である。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、および多価アルコールエステル等が挙げられる。潤滑油組成物に防錆剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.005〜5質量%である。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、およびポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。潤滑油組成物に抗乳化剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.005〜5質量%である。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、およびβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。潤滑油組成物にこれらの金属不活性化剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.005〜1質量%である。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000〜100,000mm/sのシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル、メチルサリチレート、および、o−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられ、特にシリコーンオイルを好ましく用いることができる。潤滑油組成物にこれらの消泡剤を含有させる場合、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.0001〜0.1質量%である。
<潤滑油組成物>
潤滑油組成物の100℃における動粘度は、好ましくは3.0mm/s以上、より好ましくは3.5mm/s以上、更に好ましくは4.0mm/s以上であり、また好ましくは16.3mm/s以下、より好ましくは12.5mm/s以下、更に好ましくは9.3mm/s以下である。100℃における動粘度が上記下限値以上であると、潤滑性を確保しやすくなり、一方、100℃における動粘度が上記上限値以下であると、より省燃費性が向上する。
潤滑油組成物の粘度指数は、好ましくは150以上、より好ましくは160以上、さらに好ましくは170以上であり、また好ましくは300以下、より好ましくは280以下、更に好ましくは260以下である。粘度指数が上記下限値以上であると、HTHS粘度を維持しながら、より省燃費性を向上させることができ、また低温粘度を低下させやすくなる。一方、粘度指数が上記上限値以下であると、低温流動性、添加剤の溶解性、及びシール材料との適合性を確保することができる。
潤滑油組成物の150℃におけるHTHS粘度は、好ましくは1.7mPa・s以上、より好ましくは2.0mPa・s以上、更に好ましくは2.3mPa・s以上、最も好ましくは2.6mPa・s以上であり、また好ましくは4.0mPa・s以下、より好ましくは3.0mPa・s以下である。150℃におけるHTHS粘度が上記下限値以上であると、潤滑油組成物の蒸発を抑制でき、潤滑性を確保することができる。また150℃におけるHTHS粘度が上記上限値以下であると、省燃費性を高めることができる。
潤滑油組成物の100℃におけるHTHS粘度は、好ましくは5.2mPa・s以下、より好ましくは5.1mPa・s以下、更に好ましくは5.0mPa・s以下であり、また好ましくは3.0mPa・s以上、より好ましくは3.5mPa・s以上、さらに好ましくは4.0mPa・s以上である。100℃におけるHTHS粘度が上記上限値以下であると、より高い省燃費性を得ることができる。また100℃におけるHTHS粘度が上記下限値以上であることにより、潤滑性を確保することができる。
なお、本明細書において、150℃又は100℃におけるHTHS粘度は、ASTM D−4683に規定される150℃又は100℃における高温高せん断粘度を意味する。
潤滑油組成物の−40℃におけるMRV粘度は、好ましくは60,000mPa・s以下、より好ましくは40,000mPa・s以下、更に好ましくは30,000mPa・s以下である。−40℃におけるMRV粘度が上記上限値以下であると、低温時のポンピング特性に優れる。なお本明細書において、−40℃におけるMRV粘度は、ASTM D−4684に規定される−40℃におけるMRV粘度を意味する。
潤滑油組成物の蒸発損失量は、250℃におけるNOACK蒸発量として、20質量%以下であることが好ましく、16質量%以下であることがさらに好ましく、15質量%以下であることが特に好ましい。潤滑油基油成分のNOACK蒸発量が20質量%を超える場合、潤滑油の蒸発損失が大きく、粘度増加等の原因となるため好ましくない。なお本明細書において、NOACK蒸発量とは、ASTM D 5800に準拠して測定される潤滑油の蒸発量を測定した値である。潤滑油組成物の250℃におけるNOACK蒸発量の下限は特に制限されるものではないが、通常5質量%以上である。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
((メタ)アクリレート系重合性単量体の含有量、フェノール性水酸基を有する化合物の含有量、アルコール性水酸基を有する化合物の含有量)
島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−2014に、カラムとしてGL Sciences Inc.製InertCap 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m)を繋いでなるガスクロマトグラフィー装置を用いて、インジェクション温度240℃、検出器温度300℃、カラム温度を180℃から昇温速度10℃/分で280℃まで昇温して10分間保持する条件にて測定を行った。(メタ)アクリレート系重合性単量体の純度は、ガスクロマトグラフィー測定で得られたチャート中のピークの単純面積から算出した。フェノール性水酸基を有する化合物およびアルコール性水酸基を有する化合物の含有量は、絶対検量線法により単量体100質量部に対する質量比として算出した。
(原料中の水分量)
株式会社三菱化学アナリティック社製電量滴定方式カールフィッシャー水分計CA−200を用いて、単量体中の水分量を測定し、単量体100質量部に対する割合として算出した。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn))
下記条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行い、得られたクロマトグラムから、標準ポリスチレンの分子量に換算したMw、Mn、Mw/Mnの値を算出した。なお、ベースラインはGPCチャートの高分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てゼロからプラスに変化する点と、低分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てマイナスからゼロに変化する点とを結んだ線とした。
GPC装置:東ソー株式会社製、HLC−8320
検出器:示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製のTSKgel SuperMultipore HZMMを2本とSuperHZ4000とを上流側から上記順に直列に繋いだものを用いた。
溶離剤: テトラヒドロフラン
溶離剤流量: 0.35ml/分
カラム温度: 40℃
検量線:標準ポリスチレン10点のデータを用いて作成
(重合体中の単量体組成)
核磁気共鳴装置(Bruker社製ULTRA SHIELD 400 PLUS)を用い、試料10mgに対して重水素化クロロホルム1mL、室温、積算回数64回の条件にて、H−NMRスペクトルを測定し、そのスペクトルのうち、TMS(テトラメチルシラン)のピークの化学シフトを0ppmとした際の3.3〜4.2ppmに現れるエステル基の酸素原子に隣接するメチレンまたはメチン、メチル基由来のシグナルの面積値(積分値)から、(メタ)アクリレート系重合体(A)中の単量体に由来する構造単位の組成を算出した。
(原料製造例1)
温度計、メカニカルスターラーを取り付けた1L三口フラスコに、n−ステアリルアルコールとメタクリル酸とのエステル化により合成したメタクリル酸n−ステアリル((メタ)アクリレート系単量体)を含む混合物(メタクリル酸n−ステアリル99.26質量%;メタクリル酸n−ステアリル100質量部に対する含有量として、メトキシフェノール0.0252質量部、n−ステアリルアルコール0.3425質量部、および水0.0181質量部を含む)250gとイソプロパノール583gとを入れ、25℃で撹拌することによってメタクリル酸n−ステアリルを溶解させた。その後、溶液を4時間かけて−20℃まで冷却した。析出した結晶をろ過、乾燥することによって、243.3g(回収率97.3%)の結晶性の(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(1)を得た。ガスクロマトグラフィーおよびカールフィッシャー水分計により測定を行った結果、(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(1)中、メタクリル酸n−ステアリルの含有量は99.67質量%であり、(メタ)アクリレート系単量体100質量部に対して、水の含有量は0.001質量部、n−ステアリルアルコールの含有量は0.006質量部であり、メトキシフェノールは検出されなかった。
(原料製造例2)
磁気撹拌子を入れた500mL三口フラスコに、n−ステアリルアルコールとメタクリル酸とのエステル化により合成したメタクリル酸n−ステアリル((メタ)アクリレート系単量体)を含む混合物(メタクリル酸n−ステアリル99.26質量%;メタクリル酸n−ステアリル100質量部に対する含有量として、メトキシフェノール0.0252質量部、n−ステアリルアルコール0.3425質量部、および水0.0181質量部を含む)を90g、トルエンを210g、吸着材として水澤化学製活性アルミナGP−20を30g入れ、25℃で4時間撹拌した。その後ろ過によって活性アルミナを除去し、エバポレーターを用いて液温35℃以下でトルエンを留去することによって、87.2gの液状の(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(2)を得た。ガスクロマトグラフィーおよびカールフィッシャー水分計により測定を行った結果、(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(2)中、メタクリル酸n−ステアリルの含有量は99.20質量%であり、(メタ)アクリレート系単量体100質量部に対して、水の含有量は0.0007質量部、n−ステアリルアルコールの含有量は0.11質量部であり、メトキシフェノールは検出されなかった。
(原料製造例3)
原料製造例2によって得られたメタクリル酸n−ステアリルを含む原料(2)にp−メトキシフェノールを、その含有量が(メタ)アクリレート系単量体100質量部に対して0.0005質量部となるように添加することにより、(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(3)を作製した。
(原料製造例4)
原料製造例2によって得られたメタクリル酸n−ステアリルを含む原料(2)にn−ステアリルアルコールを、その含有量が(メタ)アクリレート系単量体100質量部に対して0.36質量部となるように添加することにより、(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(4)を作製した。
(原料製造例5)
磁気撹拌子を入れた500mL三口フラスコに、メタクリル酸n−ドデシル((メタ)アクリレート系単量体)を含む混合物(東京化成工業(株)製;メタクリル酸n−ドデシル98質量%;メタクリル酸n−ステアリル100質量部に対する含有量として、重合禁止剤メトキシフェノール0.10質量部、n−ドデシルアルコール0.50質量部、および水0.02質量部を含む)を100g、トルエンを100g、吸着材として水澤化学製活性アルミナGP−20を30g入れ、25℃で4時間撹拌した。その後ろ過によって活性アルミナを除去し、エバポレーターを用いて液温35℃以下でトルエンを留去することによって、95gの液状の(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(5)を得た。ガスクロマトグラフィーおよびカールフィッシャー水分計により測定を行った結果、(メタ)アクリレート系重合体(A)の原料(5)中、メタクリル酸n−ドデシルの含有量は98.8質量%であり、(メタ)アクリレート系単量体100質量部に対して、水の含有量は0.0002質量部、n−ドデシルアルコールの含有量は0.0004質量部であり、メトキシフェノールは検出されなかった。
<製造例1>
以下の手順により、(メタ)アクリレート系重合体を製造した。十分乾燥した2Lの三口フラスコに三方コックを取り付け、内部を窒素にて置換した後、室温にて、トルエン480g、1,2−ジメトキシエタン24g、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.45Mトルエン溶液10gを入れ、さらに、sec−ブチルリチウム1.0mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.62gを加えた。続いて(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として85g加え、室温にて12時間攪拌した。反応液は、当初黄色に着色していたが、12時間攪拌後には無色となった。その後、メタノール1.0gを加え、重合反応を停止させた。得られた反応液を6.0kgのメタノール中に注いで白色沈殿物を析出させた。その後、この白色沈澱物を濾過により回収し、乾燥させることにより、メタクリレート系重合体80gを得た。
得られたメタクリレート重合体のH−NMR測定及びGPC測定を行った結果、重合体はランダム共重合体であり、重合体の重量平均分子量(Mw)は83,000であり、数平均分子量(Mn)は77,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。
また、得られたメタクリレート系重合体中の各単量体に由来する構造の質量比は、メタクリル酸メチルに由来する構造が30質量%、メタクリル酸ドデシルに由来する構造が40質量%、およびメタクリル酸ステアリルに由来する構造が30質量%であることが分かった。結果を表1に示す。
<製造例2>
sec−ブチルリチウム1.0mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.62gを、sec−ブチルリチウム0.64mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.39gに変更した以外は製造例1と同様にして、メタクリレート系重合体79.5gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表1に示す。
<製造例3>
sec−ブチルリチウム1.0mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.62gを、sec−ブチルリチウム0.55mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.33gに変更した以外は製造例1と同様にして、メタクリレート系重合体78gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表1に示す。
<製造例4>
sec−ブチルリチウム1.0mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.62gを、sec−ブチルリチウム0.44mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.27gに変更した以外は製造例1と同様にして、メタクリレート系重合体79.5gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表1に示す。
<製造例5>
sec−ブチルリチウム1.0mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.62gを、sec−ブチルリチウム0.41mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合溶液0.25gに変更した以外は製造例1と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表1に示す。
<製造例6>
製造例3で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例2で得た原料(2)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として85g加える以外は製造例3と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表1に示す。
<製造例7>
製造例3で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例3で得た原料(3)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例3と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表1に示す。
<製造例8>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)25質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)50質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)25質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表2に示す。
<製造例9>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)35質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)25質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表2に示す。
<製造例10>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)25質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)35質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表2に示す。
<製造例11>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)35質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)30質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)35質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表2に示す。
<製造例12>
製造例5で使用した原料に替えて、メタクリル酸ステアリル原料30質量%、メタクリル酸n−ドデシル原料40質量%、およびメタクリル酸n−ブチル原料30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表3に示す。
<製造例13>
製造例5で使用した原料に替えて、メタクリル酸ステアリル原料30質量%、メタクリル酸2−エチルヘキシル原料40質量%、およびメタクリル酸メチル原料30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表3に示す。
<製造例14>
製造例5で使用した原料に替えて、メタクリル酸n−ヘキサデシル原料30質量%、メタクリル酸n−ドデシル原料40質量%、およびメタクリル酸メチル原料30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表3に示す。
<製造例15>
製造例5で使用した原料に替えて、メタクリル酸n−テトラコシル原料30質量%、メタクリル酸n−ドデシル原料40質量%、およびメタクリル酸メチル原料30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表3に示す。
<比較製造例1>
製造例5で使用した原料に替えて、n−ステアリルアルコールとメタクリル酸とのエステル化により合成したメタクリル酸n−ステアリルを含む混合物(メタクリル酸n−ステアリル含有量99.26質量%;メタクリル酸n−ステアリル100質量部に対する含有量として、メトキシフェノール0.0252質量部、n−ステアリルアルコール0.3425質量部、および水0.0181質量部を含む)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として85g加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体79.5gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<比較製造例2>
製造例3で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例4で得た原料(4)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例3と同様にして、メタクリレート系重合体80.4gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<比較製造例3>
以下の手順により、メタクリレート系重合体を製造した。十分乾燥した2Lの三口フラスコに撹拌翼、ジムロート冷却器および三方コックを取り付け、内部を窒素にて置換した後、室温にて、原料製造例2で得た(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料(2)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として500g加え、さらに高度精製鉱油500g、クミルジチオ安息香酸(CDTBA)0.53gを加え、攪拌下で均一溶液とした。該溶液を氷浴にて0℃まで冷却し、ダイヤフラムポンプを用いて反応系の真空脱気/窒素パージを5回実施した。さらに、窒素フロー下でサンプル導入口よりラジカル開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0083gを投入した後、窒素雰囲気下にて溶液温度90℃で12時間重合を実施し、メタクリレート系重合体を含有する溶液を得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<比較製造例4>
以下手順によりメタクリレート系重合体を製造した。十分乾燥した2Lの三口フラスコに撹拌翼、ジムロート冷却器および三方コックを取り付け、内部を窒素にて置換した後、室温にて、原料製造例2で得た(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料(2)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)40質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として500g加え、さらに高度精製鉱油500gを加え、窒素の導通により不活性ガス雰囲気下とした。引き続き触媒として、CuBr0.18gおよびリガンド(ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA))0.22gをそれぞれ加えた。90℃に加熱後、開始剤(エチル−2−ブロモイソブチレート)0.45gを加えた。三口フラスコ中の温度を100℃に高め、20時間重合を実施し、メタクリレート系重合体を含有する溶液を得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<比較製造例5>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)50質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)20質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体78.6gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<比較製造例6>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)30質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)30質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)40質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体79.4gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<比較製造例7>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)20質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)50質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<比較製造例8>
製造例5で使用した原料に替えて、(メタ)アクリレート系重合性単量体であるメタクリル酸ステアリルを含む原料製造例1で得た原料(1)40質量%、メタクリル酸n−ドデシルを含む原料製造例5で得た原料(5)30質量%、およびメタクリル酸メチル原料(株式会社クラレ製:メタクリル酸メチルの含有量99.9質量%以上;メタクリル酸メチル100質量部に対して、水の含有量0.0003質量部、メタノールの含有量0.0002質量部以下、重合禁止剤である2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノールの含有量0.0001質量部)30質量%を含む混合物を原料として85gを加えた以外は製造例5と同様にして、メタクリレート系重合体80.2gを得た。得られたメタクリレート系重合体の評価結果を表4に示す。
<実施例1〜15、比較例1〜8>
以下に示す基油および性能添加剤、ならびに、上記製造例1〜15及び比較製造例1〜8で得られた(メタ)アクリレート系重合体を用いて、本発明の潤滑油組成物(実施例1〜15)及び比較用の潤滑油組成物(比較例1〜8)をそれぞれ調製した。表中、重合体中の構造単位について「mass%」は重合体全量を基準とする質量%を表し、潤滑油組成物について「mass%」は組成物全量を基準とする質量%を表す。なお、各実施例および比較例においては、潤滑油組成物の150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・sとなるように、(メタ)アクリレート系重合体の含有量を決定した。
基油:Group III基油、動粘度(100℃)4.2mm/s、粘度指数125
性能添加剤:カルシウムスルホネート系金属系清浄剤,コハク酸イミド系無灰分散剤,モリブデン系摩擦調整剤、及びZnDTP系摩耗防止剤を含む添加剤パッケージ
Figure 0006855342
Figure 0006855342
Figure 0006855342
Figure 0006855342
(潤滑油組成物の評価)
実施例1〜15および比較例1〜8の各潤滑油組成物について、100℃における動粘度、粘度指数、ならびに100℃及び150℃におけるHTHS粘度を測定した。またパネルスラッジ試験により耐スラッジ性を評価した。結果を表1に併せて示している。
(1)動粘度:ASTM D−445に準拠して測定した。
(2)粘度指数:JIS K 2283−1993に準拠して測定した。
(3)HTHS粘度:ASTM D−4683に準拠して、150℃および100℃における高温高せん断粘度を測定した。潤滑油の150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・sとなるように(メタ)アクリレート系重合体の含有量を調整したとき、潤滑油の100℃におけるHTHS粘度が5.0mPa・s以下であれば、当該(メタ)アクリレート系重合体は省燃費性に優れているといえる。
(4)スラッジ試験:50gの潤滑油を100mLビーカーに入れ、鉄線と銅線各30cmをコイル状にして浸漬し、アルミ箔でふたをして150℃の高温槽で72時間加温した。試験後に0.8μmのフィルターでろ過し、捕獲される不溶解分の重量を測定した。不溶解分の重量が少ないほど耐スラッジ性に優れているといえる。
(5)MRV試験(低温粘度評価):ASTM D−4684に準拠して測定した。粘度測定時に所定の荷重以上の錘をのせないと粘度が測定できない状態を降伏応力(Yield Stress;「Y.S.」と略記することがある。)発生と判断した。Y.S.の発生のない潤滑油を合格とした。本試験に合格した潤滑油は、低温粘度特性に優れているといえる。
本発明の潤滑油組成物は、向上した耐スラッジ性を有するので、内燃機関用潤滑油、ガスエンジン油や高温軸受油等、高温になる機械要素を潤滑する潤滑油として好ましく用いることができる。

Claims (9)

  1. 潤滑油基油と、
    (A)下記一般式(1)で表される構造単位を、重合体全量基準で25〜35質量%と、下記一般式(2)で表される構造単位を、重合体全量基準で25〜35質量%とを含み、重量平均分子量が50,000〜500,000であり、下記式(3)で表されるパラメタaの値が0.12以下である、(メタ)アクリレート系重合体と
    を含むことを特徴とする、潤滑油組成物。
    Figure 0006855342
    (式(1)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。)
    Figure 0006855342
    (式(2)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数16〜24の直鎖アルキル基、またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数16〜24の分岐鎖アルキル基を表す。)
    a=Log(M(t1/2))−Log(M(t)) …(3)
    (式(3)中、M(t)は前記(メタ)アクリレート系重合体のゲル浸透クロマトグラフィー測定により得られるポリスチレン換算分子量の微分分子量分布曲線におけるピークトップ分子量を表し;M(t1/2)は前記微分分子量分布曲線において分子量M(t)における強度の1/2の強度を与える高分子量側のポリスチレン換算分子量を表す。)
  2. 前記(メタ)アクリレート重合体が、さらに下記式(4)で表される構造単位を、重合体全量基準で40〜50質量%含む、
    請求項1に記載の潤滑油組成物。
    Figure 0006855342
    (式(4)中、Rは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数6〜14の直鎖アルキル基、またはいずれの側鎖の炭素数も2以下である炭素数6〜14の分岐鎖アルキル基を表す。)
  3. 下記式(5)で表されるパラメタbの値が0.3以下である、
    請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
    b=Log(M(t1/2))−Log(M(t1/2)) …(5)
    (式(5)中、M(t1/2)は前記微分分子量分布曲線において分子量M(t)における強度の1/2の強度を与える低分子量側のポリスチレン換算分子量を表す。)
  4. 前記(メタ)アクリレート系重合体の重量平均分子量Mwが310,000以下である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  5. 前記(メタ)アクリレート系重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.6以下である、
    請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  6. 前記(メタ)アクリレート系重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.11以上である、
    請求項1〜5のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  7. 前記(メタ)アクリレート系重合体は、1種以上の(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む原料をリビングアニオン重合によって重合させることによって得られる重合体であり、
    前記原料中の水酸基を有する化合物の含有量が、該原料中の前記1種以上の(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以下である、
    請求項1〜6のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  8. 金属系清浄剤、無灰分散剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、前記(A)成分以外の粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、抗乳化剤、および消泡剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤をさらに含む、
    請求項1〜7のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  9. 内燃機関の潤滑に用いられる、請求項1〜8のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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