JP2020050754A - 流動点降下剤ならびにそれを含む潤滑油組成物 - Google Patents

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Yohei IMAIZUMI
洋平 今泉
和成 安村
Kazunari Yasumura
和成 安村
宇賀村 忠慶
Tadayoshi Ukamura
忠慶 宇賀村
啓子 泉
Keiko Izumi
啓子 泉
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Abstract

【課題】炭化水素系基油中において高い流動点降下作用を有する流動点降下剤、およびそれを含む潤滑油組成物の提供。【解決手段】本発明に係る流動点降下剤は、(a)炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート;(b)炭素数が12〜18の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート;(c)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体;及び(d)芳香族単量体を含む単量体成分を重合してなる。[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)、アルケニル基、アリール基、シアノ基またはヒドロキシル基である。]【選択図】なし

Description

本発明は、流動点降下剤ならびにそれを含む潤滑油組成物に関する。
近年の地球環境保護対策の一環で、自動車に対する省燃費性や排ガス浄化性能の強化が求められている。自動車の高性能化のため、炭化水素系燃料油や潤滑油、各種添加剤の改良が行われている。炭化水素系燃料油や潤滑油は冬期あるいは寒冷地において低温にさらされると流動性が低下することがあり問題になっている。
極低温では、潤滑油基油中の結晶性ワックス構造により該潤滑油基油のゲル化が引き起こされる。潤滑油基油の低温流動性は、脱ロウすることによって改善することができ、典型的には脱ロウされると、潤滑油基油の流動点は約−15℃になる。
流動点を更に低くすることは、流動点降下用の添加剤、すなわち“流動点降下剤”の使用によって達成され、典型的には約−30℃まで低下される。このような流動点降下剤の一種としてポリメタクリレート系の流動点降下剤が知られている(特許文献1、2)。
しかしながら、従来から提案されている流動点降下剤の効果は未だ不十分であった。
特開昭54−70305号公報 特開2001−122925号公報
従って、本発明の課題は、炭化水素系基油中において高い流動点降下作用を有する流動点降下剤、およびそれを含む流動点降下に優れた潤滑油組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、単量体成分としてマレイミド系単量体を含み、芳香族単量体の量を抑えた単量体成分を重合して得たポリメタクリレート系の流動点降下剤が、炭化水素系基油中において高い流動点降下作用を有することを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の流動点降下剤は、単量体成分の総質量に対し、
(a)炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート[以下、「(a)成分」と称する]1質量%以上59.5質量%以下、
(b)炭素数が12〜18の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート[以下、「(b)成分」と称する]40質量%以上98.5質量%以下、
(c)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体[以下、「(c)成分」と称する]0.5質量%以上59質量%以下、及び
(d)芳香族単量体[以下、「(d)成分」と称する]0質量%以上3質量%未満
を含む単量体成分を重合してなる。
Figure 2020050754
[式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)、アルケニル基、アリール基、シアノ基またはヒドロキシル基である。]
上記(c)成分1質量部に対する上記(b)成分の割合は、1質量部以上20質量部未満であることが好ましい。
また、重量平均分子量が0.5万以上20万未満であることが好ましい。
さらに、本発明の潤滑油組成物は、上記流動点降下剤と、潤滑油基油とを含んでいる。
また、好ましい形態として本発明の潤滑油組成物は、上記流動点降下剤と、重量平均分子量が20万以上の共重合体を有する粘度指数向上剤と、潤滑油基油とを含んでいても良い。
本発明の流動点降下剤およびそれを含む潤滑油組成物によれば、炭化水素系基油中において高い流動点降下作用を有する流動点降下剤、およびそれを含む流動点降下に優れた潤滑油組成物を提供できる。
[流動点降下剤]
本発明に係る流動点降下剤は、単量体成分の総質量に対し、
(a)炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート[以下、「(a)成分」と称する]1質量%以上59.5質量%以下、
(b)炭素数が12〜18の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート[以下、「(b)成分」と称する]40質量%以上98.5質量%以下、
(c)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体[以下、「(c)成分」と称する]0.5質量%以上59質量%以下、及び
(d)芳香族単量体[以下、「(d)成分」と称する]0質量%以上3質量%未満
を含む単量体成分を重合してなる。
Figure 2020050754
[式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)、アルケニル基、アリール基、シアノ基またはヒドロキシル基である。]
(a)成分[(a)炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート]
(a)成分としては、以下の下記一般式(2)で表される構造を有し、かつ、式中のRが水素原子又はメチル基であり、Rが炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基である(メタ)アクリレートエステル類が挙げられる。なお、Rは直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良く、置換基を有していても良い。
Figure 2020050754
は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、直鎖状または分岐状であることが特に好ましい。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
(a)成分の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を混合して使用できる。
上記(a)成分の含有量は、単量体成分の総質量100質量%中、1質量%以上59.5質量%以下であり、好ましくは5質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上35質量%以下、特に好ましくは15質量%以上30質量%以下である。上記(a)成分の含有量は、2種以上を使用する場合は、それらの合計量の含有量である。
上記(a)成分の含有量が上記範囲において、他の成分との相溶性が良く、重合速度も良好で重合率も高く生産性が良い。また、共重合して得られる流動点降下剤の剪断安定性を向上させる効果がより良好となる。
(b)成分[(b)炭素数が12〜18の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート]
(b)成分としては、上記一般式(2)で表される構造を有し、かつ、式中のRが水素原子又はメチル基であり、Rが炭素数12〜18のアルキル基である(メタ)アクリレートエステル類が挙げられる。また、Rは直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良く、置換基を有していても良い。なかでも、Rは直鎖状であることが好ましい。
(b)成分としては、具体的には、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を混合して使用できる。
(b)成分の含有量は、単量体成分の総質量100質量%に対して、40質量%以上98.5質量%以下であり、好ましくは40質量%以上90質量%以下、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。上記数値範囲の(b)成分を用いた重合体は、種々の組成の潤滑油基油への溶解性が良好なものとなる。上記(b)成分の含有量は、2種以上を使用する場合は、それらの合計量の含有量である。
また、(b)成分100質量%中、Rが直鎖状である(b)成分の含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
(c)成分[(c)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体]
Figure 2020050754
[式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)、アルケニル基、アリール基、シアノ基またはヒドロキシル基である。]
上記一般式(1)におけるXとしては、環状のアルキル基として、ベンジル基などの芳香環を有するアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基及びナフチル基などのアリール基が好ましい。
(c)成分としては、具体的には、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−ターシャリブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ヒドロキシルエチルマレイミド、N−ヒドロキシルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミドなどが挙げられ、これらの化合物が1種または2種以上用いられる。これらの中でもN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましい。
また、上記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体に代えて、又は併用して、下記一般式(3)で示される単量体成分を用いても良い。式(3)で表される単量体は、重合して下記一般式(4)で表される構成単位を高い割合で生成し、重合体の耐熱性、流動点降下剤のせん断安定性を改善することができる。使用量は、上述した(c)成分と同じ範囲で同様の効果を奏する。
Figure 2020050754
Figure 2020050754
一般式(3)、(4)中のRは、水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表し、目的や用途に合わせて、適宜選択すればよい。
また、上記一般式(3)で表される単量体を化合物名で例を挙げると、α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メトキシブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシプロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フルオロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフルオロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸クロロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジクロロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ブロモエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジブロモエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ビニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メタリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸クロチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸プロパギル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−メチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸イソボルニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アダマンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンタジエニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−t−ブチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ベンジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シンナミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ナフチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アントラニル、その他アルキル−(α−メタリルオキシメチル)アクリレート系単量体などが挙げられる。これらの式(3)で表される単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
さらには、上記単量体(c)成分に代えて、又は併用して、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体を用いても良い。例えば、2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビスアクリル酸、ジアルキル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアルキル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等の化合物等が挙げられる。これらの中でも、分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等を用いることが好適である。
上記(c)成分の含有量は、単量体成分の総質量100質量%に対して0.5質量%以上59質量%以下であり、好ましくは0.5%以上35質量%以下、より好ましくは2%以上35質量%以下、さらに好ましくは4%以上30質量%以下、特に好ましくは4%以上25質量%以下、最も好ましくは5%以上15質量%以下である。上記数値範囲の(c)成分を用いた場合、流動点降下作用が大きい。さらに、金属表面への親和性を高めることができ、また、主鎖に環構造を導入することで、せん断安定性を向上させることができる。
(d)成分[(d)芳香族単量体]
(d)成分は、上記(a)〜(c)成分以外の成分であって、芳香族基を有する単量体である。(d)成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(d)成分の含有量は、単量体成分の総質量100質量%に対して0質量%以上3質量%未満であり、好ましくは0質量%以上2質量%以下、より好ましくは0質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。(d)成分を3質量%以上用いた場合、溶剤への溶解性が悪くなる。
その他の単量体成分
本発明の重合体を合成する単量体成分として、(a)〜(d)成分以外のラジカル重合性単量体(e)を含有することができる。この例としては、アルキル(メタ)アクリレート以外の、アルキル基の炭素数1〜30の不飽和モノまたはポリカルボン酸エステル類(ブチルクロトネート、オクチルクロトネート、ドデシルクロトネート、ジブチルマレエート、ジオクチルフマレート、ジラウリルマレエート、ジステアリルフマレート、ジオクチルイタコネート、ジラウリルイタコネートなど);ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);カルボン酸化合物類(無水マレイン酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸など);アクロレイン;共役ジエン(ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど);アセチレン;置換アセチレン[アルキルアセチレン(プロピン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシンなど)、アリールアセチレン(フェニルアセチレン、p−メチルフェニルアセチレンなど)];アルキルビニルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、ヘプチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ペンタデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテルなど];アルキルアリルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルアリルエーテル(メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、アミルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、ヘプチルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、ノニルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、トリデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ペンタデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテルなど]が挙げられ、これらのうち1種以上の単量体を含有することができる。
これらのうち好ましいものは、アルキルビニルエーテルであり、特に好ましいものは、炭素数2〜6のアルキルを有するアルキルビニルエーテルである。
本発明における流動点降下剤中の、単量体(e)成分の含有量は特に限定はないが、通常、単量体成分の総質量100質量%に対して、好ましくは0質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0質量%以上5質量%以下、特に好ましくは0質量%以上2質量%以下である。
さらに本発明の流動点降下剤は、必要に応じて窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1種以上の原子を有する単量体(f)成分(分子内にチオエーテル基を有するラジカル重合性ビニル化合物を除く)を1種以上含有してもよい。この場合には、流動点降下剤に清浄分散性や抗酸化性などを付与でき好ましい。この例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルチオピロリドン、ビニルピリジン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は、通常1〜4)、ビニルイミダゾール、モルフォリノアルキレン(メタ)アクリレート等や、アミノフェノチアジン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾリン、アミノメルカプトチアゾール、アミノピペリジン残基を有する(メタ)アクリレート誘導体などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、N−ビニルピロリドン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は、通常1〜4)及びN−アリールフェニレンジアミン残基を有する(メタ)アクリレート誘導体である。
本発明の流動点降下剤中の単量体(f)成分の含有量は特に限定はないが、通常、単量体成分の総質量100質量%に対して、好ましくは0%以上5質量%以下、より好ましくは0%以上3質量%以下、さらに好ましくは0%以上1質量%以下である。
本発明の流動点降下剤では、上記(c)成分[(c)上記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体]1質量部に対する上記(b)成分[(b)炭素数が12〜18の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート]の割合は、1質量部以上20質量部未満であることが好ましく、5質量部以上20質量部未満であることがより好ましく、10質量部以上20質量部未満であることがさらに好ましい。このような範囲とすることに依り、流動点降下剤の耐熱性ならびにせん断安定性を向上させることができる。
本発明の流動点降下剤は、重量平均分子量が0.5万以上20万未満であることが好ましい。
なお、ここでいう重量平均分子量は、東ソー製GPCシステムHLC−8220にガードカラムとして東ソー製TSKguardcolumn SuperHZ−Lを、分離カラムとして東ソー製TSKgel SuperHZM−Mを2本直列接続し、リファレンス側カラムとして東ソー製、TSKgel SuperH−RCを使用し、クロロホルムを展開溶媒として、温度40℃、流速0.6mL/分、試料濃度0.1重量%、試料注入量50μL、検出器示差屈折率計(RI)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
また、溶解度パラメーターは粘度指数および低温での溶解性の観点から、通常6.5〜9.4の範囲であり、好ましくは8.7〜9.4の範囲であり、さらに好ましくは9.0〜9.3の範囲である。
また、HLB値は0.5〜6が好ましい。この物性値がこの範囲内にあると抗乳化性が特に良好である。さらに好ましくは、HLB値が1〜5.5、特に好ましくは1.5〜5である。
[流動点降下剤の製造方法]
本発明の流動点降下剤の重合方法としては、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などいずれでもよいが、特に限定はされない。触媒(開始剤)の種類や濃度は、目的とする分子量や分子量分布によって異なる。分散媒、乳化剤、分散剤等を使用する場合は特に制限がなく公知のものが使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキシドの過酸化物や、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤の存在下で、あるいは分子量分布を制御するために1−ドデカンチオール等の硫黄化合物の存在下で、単量体成分(a)〜(d)成分並びに必要に応じて用いられるその他の単量体成分を含む混合物をラジカル溶液重合させることにより容易に得ることができる。
また、過酸化物系開始剤と適当な還元剤の組み合わせによるレドックス開始系を用いることもできる。また、分子量分布を制御するための硫黄化合物、すなわち連鎖移動剤としては1−ドデカンチオールのほか、チオフェノール、2−メルカプトエタノール、四塩化炭素、四臭化炭素等があげられる。連鎖移動剤の好ましい量は、単量体成分の総質量100質量部に対して、0.1質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上2質量部以下である。この範囲にすることで、分子量分布が狭くなり、剪断安定性がよくなる。
分子量分布を狭くすることは、粘度指数の改善やせん断安定性改善の観点から非常に有利であるため、重合方法としてはLiving Radical Polymerizationが挙げられる。使用例としては特表2008−518052号などがある。触媒(重合開始剤)の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチル)ブチロニトリル、アゾビス(イソ酪酸)ジメチルなどのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシドなどの過酸化物などが用いられる。重合開始剤の使用量は特に限定はされないが、全単量体成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。重合開始剤が0.001質量部未満であると重合反応が非常に遅くなる等の傾向があり、10質量部を超えると重合反応が激しくなって反応制御が難しくなる等の問題があり、いずれも好ましくない。
重合反応を行う温度は、0〜200℃が好ましく、25〜150℃が特に好ましい。重合温度は0℃未満であると重合反応が非常に遅くなり、200℃を超えると反応が激しく制御が難しくなるので、いずれも好ましくない。
重合反応の溶媒としては、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環式飽和炭化水素類;シクロヘキセンなどの脂環式不飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアルキレングリコールのエーテル類;メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホン酸エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの脂環式炭酸エステル類;水、などが挙げられるが、好ましくは上記の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類、エーテル類、アルコール類及びアミド類である。溶媒としては、下記の基油が好ましく使用できる。
溶媒の使用量は特に制限はないが、単量体成分、重合開始剤、その他の成分の合計量の濃度が10質量%以上80質量%以下となる程度が好ましい。
基油の好ましい例としては、以下に示す基油(1)〜(7)を原料とし、この原料油及び/又はこの原料油から回収された潤滑油留分を、所定の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる基油を挙げることができる。また(7)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分について所定の処理を行うことにより得られる下記基油(8)が特に好ましい。
(1)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留による留出油(WVGO)。
(2)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス(スラックワックス等)および/またはガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等)。
(3)基油(1)〜(2)から選ばれる1種または2種以上の混合油および/または当該混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油。
(4)基油(1)〜(3)から選ばれる2種以上の混合油。
(5)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸残渣油の脱れき油(DAO)。
(6)基油(5)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)。
(7)基油(1)〜(6)から選ばれる2種以上の混合油を水素化分解し、その生成物又はその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、又は当該脱ろう処理をした後に蒸留することによって得られる水素化分解鉱油。
(8)上記基油(1)〜(7)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分を水素化異性化し、その生成物又はその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、又は、当該脱ろう処理をした後に蒸留することによって得られる水素化異性化鉱油。
また、合成系基油としては、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられ、中でも、ポリα−オレフィンが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、典型的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びそれらの水素化物が挙げられる。合成系基油の100℃における動粘度は、1〜20mm/sであることが好ましい。
反応容器の容量は、目的とする重合体の分子量等に応じて適宜選定するのが好ましい。例えば、重量平均分子量が5万以下の場合は、使用する単量体の量の1.5倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上、また7倍以下、好ましくは6倍以下、より好ましくは5倍以下とするのが好ましい。5万を超える分子量が目標の場合は使用する単量体の量の3倍以上、好ましくは4倍以上、より好ましくは5倍以上、また10倍以下、好ましくは8倍以下、より好ましくは7倍以下とするのが好ましい。これは製造された流動点降下剤の粘度を取り扱いが可能になる粘度となるように溶媒量を調整するためである。ただし、分子量制御のために、溶媒量に制限がある場合はこの限りではない。
また、攪拌装置の種類及び攪拌速度は、流動点降下剤の混合物と溶媒が激しく均一に攪拌される速度であればよい。
また、共重合反応は、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましく、また、反応開始前に反応容器内を完全に窒素に置換しておくことが好ましい。
また、共重合反応においては、単量体が容器から蒸発せず、容器内に還流するようにするための冷却装置を用いることが好ましい。
反応容器内への単量体の導入方法及び導入速度は、単量体の量及び目的とする重合体の種類等によって適宜選定することができる。例えば、目的の重合体がランダム共重合体である場合は、使用する単量体を完全に混合したものを、所定の速度で反応容器内に導入すればよい。一方、目的の重合体がブロック共重合体である場合には、1つの単量体を一度に反応容器内に導入し、十分反応させて単独重合体を得た後、他の単量体についても同様に順次反応させることが可能である。
共重合に用いる触媒(重合開始剤)の種類や濃度は、目的とする重合体、流動点降下剤の分子量や分子量分布等によって異なる。高分子の生成物を得たい場合は、反応温度を低くし(例えば70℃程度)、触媒量を少なくすることが好ましい。ただし、触媒の量は、容器内の残存酸素量、単量体に残存している重合禁止剤との量等を考慮して調整することが好ましい。一方、低分子の生成物を得たい場合は、反応温度を高くし(例えば85〜90℃)、触媒を多くすることが好ましい。
重合体を精製する方法は、限定されず、例えば、再沈澱、透析、遠心分離、減圧乾燥による溶剤除去などが採用される。
本発明の流動点降下剤は、せん断安定性を改善できる流動点降下剤としても好適に用いられる。せん断安定性の具体的数値としてPSSI(パーマネントシアスタビリティインデックス:ASTM D 6022)や分解開始温度が指標となる。
本実施形態に係る流動点降下剤は、上述した重合体を主成分として、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上、100質量%以下として含有する。この流動点降下剤のPSSIは、40以下であることが好ましく、より好ましくは35以下であり、さらに好ましくは30以下であり、特に好ましくは25以下である。また、上記PSSIは、0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは2以上であり、特に好ましくは5以上である。PSSIが0.1未満の場合には流動点降下効果が小さくコストが上昇するおそれがあり、PSSIが40を超える場合にはせん断安定性や貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
流動点降下剤の分解開始温度は、220℃以上であることが好ましく、より好ましくは240℃以上であり、さらに好ましくは260℃以上であり、特に好ましくは280℃以上である。耐熱性の向上により分解安定性、せん断安定性が良好なものとなる。その他、本発明の流動点降下剤は、低極性で且つ耐熱性にも優れているため、スケール樹脂成型用の滑剤、離型剤、相溶化剤、感熱転写用インクバインダー、石油精製用汚れ防止剤などにも好適に用いることができる。
本発明の流動点降下剤は通常、50ニュートラル油〜300ニュートラル油の様な粘度範囲にある鉱物油、MLDW油、イソパラフィンを含有する高粘度指数鉱物油、炭化水素系合成潤滑油、エステル系合成潤滑油に、目的の粘度に成るよう配合、溶解し本発明の潤滑油組成物として使用されるが、粘度指数が115以上の高粘度指数油に本発明の流動点降下剤を添加した潤滑油組成物の方が低温での低粘度化が図れ、省燃費性が良好となる。
本発明の流動点降下剤は、他の任意成分、例えば清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系のもの等)、分散剤(イソブテニルコハク酸イミド系、マンニッヒ縮合物系等)、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、ヒンダードフェノール系等)、油性剤(脂肪酸系、脂肪酸エステル系等)、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンカーバメイト等)、極圧剤(硫黄リン系、クロル系等)を含んでいても良い。
[潤滑油組成物]
本発明の潤滑油組成物は、上記流動点降下剤と、潤滑油基油とを含有する。
潤滑油基油としては、上述した重合体の反応溶媒として述べた基油(1)〜(7)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分について所定の処理を行うことにより得られる基油(8)が特に好ましい。
(8)上記基油(1)〜(7)から選ばれる基油又は当該基油から回収された潤滑油留分を水素化分解し、その生成物又はその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、又は当該脱ろう処理をした後に蒸留することによって得られる水素化分解鉱油。
上記(8)の潤滑油基油は、好都合なステップで、必要に応じて溶剤精製処理及び/又は水素化仕上げ処理されていてもよい。
また、潤滑油基油として合成系基油を用いても良い。合成系基油としては、100℃における動粘度が1〜20mm/sである、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられ、中でも、ポリα−オレフィンが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、典型的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びそれらの水素化物が挙げられる。
上記潤滑油基油の粘度指数は、100以上であることが好ましく、より好ましくは120〜160である。粘度指数が上記の下限値未満であると、粘度−温度特性及び熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化するだけでなく、摩擦係数が上昇する傾向にあり、また、摩耗防止性が低下する傾向にある。また、粘度指数が上記の上限値を超えると、低温粘度特性が低下する傾向にある。なお、本明細書でいう粘度指数とは、JIS K 2283−1993に準拠して測定された粘度指数を意味する。
本発明の潤滑油組成物においては、上記潤滑油基油(8)を単独で用いてもよく、また、他の基油の1種又は2種以上と併用してもよい。なお、上記潤滑油基油(8)と他の基油とを併用する場合、それらの混合基油中に占める上記潤滑油基油(8)の割合は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
本発明の潤滑油組成物において、上述した本発明の流動点降下剤の含有量は、潤滑油組成物の全量を基準として、好ましくは0.01質量%以上10質量%未満、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上1質量%以下である。
本発明の潤滑油組成物は、上記流動点降下剤に加えて、摩耗防止剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、腐食防止剤、泡消剤及び摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤をさらに含有することが好ましい。
摩耗防止剤(又は極圧剤)としては、潤滑油に用いられる任意の摩耗防止剤・極圧剤が使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、MoDTC、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。これらの中では硫黄系極圧剤の添加が好ましく、特に硫化油脂が好ましい。
金属系清浄剤としては、アルカリ金属/アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属/アルカリ土類金属フェネート、及びアルカリ金属/アルカリ土類金属サリシレート等の正塩又は塩基性塩を挙げることができる。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられるが、マグネシウム又はカルシウムが好ましく、カルシウムがより好ましい。
無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤が使用でき、例えば、炭素数40〜400の直鎖もしくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するモノ又はビスコハク酸イミド、炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、あるいは炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、あるいはこれらのホウ素化合物、カルボン酸、リン酸等による変成品等が挙げられる。使用に際してはこれらの中から任意に選ばれる1種類あるいは2種類以上を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等が、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、又はイミダゾール系化合物等が挙げられる。
泡消剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000〜10万mm/sのシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。
摩擦調整剤としては、モリブデンジチオカーバメートやモリブデンジチオフォスフェートなどのコハク酸イミドモリブデン錯体や有機モリブデン酸のアミン塩等の有機モリブデン化合物のほか、基本構造として炭素数8以上30以下の直鎖アルキルと金属に吸着できる極性基を同じ分子内にもつ構造のものが挙げられる。極性基としては、アミンやポリアミン、アミドや、これらを同時に分子内に持つ、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ウレア系化合物、ヒドラジド系化合物等尿素やアルケニルコハク酸イミドタイプ、エステル、アルコールやジオール、あるいはエステルと水酸基を同時にもつ、例えばモノアルキルグリセリンエステルなどが挙げられる。そのほかアミンと水酸基とを同じ分子内に持つ、たとえばアルキルアミンアルコキシアルコール等など様々である。
本発明の潤滑油組成物が摩耗防止剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、さび止め剤、泡消剤及び摩擦調整剤の1種又は2種以上を含有する場合、それぞれの含有量は、潤滑油組成物の全量を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましい。また、本発明の潤滑油組成物が消泡剤を含有する場合、その含有量は、好ましくは0.0001〜0.01質量%である。
また、本発明の潤滑油組成物は、上記の成分に加えて、粘度指数向上剤、さび止め剤、抗乳化剤、金属不活性化剤等をさらに含有することができる。
粘度指数向上剤としては、具体的には非分散型又は分散型エステル基含有粘度指数向上剤、例えば、非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤、非分散型又は分散型オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体系粘度指数向上剤、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系粘度指数向上剤及びこれらの混合物等が挙げられ、これらの中でも非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤であることが好ましい。特に非分散型又は分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤であることが好ましい。その他に、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体及びポリアルキルスチレン等を挙げることができる。
上記粘度指数向上剤に含まれる共重合体は、重量平均分子量(Mw)が20万以上であることが好ましく、25万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましく、また70万以下が好ましく、65万以下がより好ましく、60万以下がさらに好ましい。共重合体の重量平均分子量が小さい場合は、粘度指数向上剤の基油溶液の粘度指数が低下しやすくなるため、所望の粘度に調整するために粘度指数向上剤の使用量が増え、コスト面で不利となる。共重合体の重量平均分子量が過度に大きい場合は、粘度指数向上剤の基油への溶解性が低下したり、粘度指数向上剤のせん断安定性が低下しやすくなる。本発明の潤滑油組成物では、上記のような粘度指数向上剤を含んでいても、流動点降下機能が阻害されることがなく、溶解性も良好であり、さらに粘度指数も向上する。このため、本発明の潤滑油組成物では、上記流動点降下剤と、重量平均分子量が20万以上の共重合体を有する粘度指数向上剤と、潤滑油基油とを含んでいることが好ましい。
さび止め剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、又は多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、又はβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
上記添加剤としては、本発明の流動点降下剤の流動点降下作用を阻害せず、潤滑油組成物への溶解性に優れていることが求められる。
本発明の潤滑油組成物によれば、上記本発明の流動点降下剤を含有しているため、流動点降下作用に優れた潤滑油組成物を提供できる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)分析および評価方法
(1−1)重量平均分子量および数平均分子量
重合体の重量平均分子量と数平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、HLC−8320GPC ECOSEC)を用いて求めた。測定条件は下記の通りである。
−カラム:東ソー社製、TSKgel GMHXL 2本
−展開溶媒:テトラヒドロフラン
−展開溶媒の流量:1.0mL/分
−標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製、PS−オリゴマーキット)
−カラム温度:40℃
−サンプル濃度:0.5%
−注入量:200μL
(1−2)基油溶解性
重合体と基油(SK社製、YUBASE4)とを配合して重合体の基油溶液を調製し、室温で1時間撹拌した。目視で析出物の有無を確認し、析出物、不溶物が確認されなかった場合を溶解性○とした。析出物、不溶物が確認された場合は、その溶液を撹拌しながら80℃で30分間加熱した。その後、重合体の基油溶液を室温まで冷却し、目視で析出物の有無を確認した。析出物が確認された場合を溶解性×、析出物が確認されなかった場合を溶解性△と評価した。なお、SK社製のYUBASE4は、米国石油協会(API)分類におけるグループIII基油(粘度指数122、40℃動粘度19.6mm2/s)である。
(1−3)流動点
流動点は重合体と基油(SK社製、YUBASE4)、及び各種添加剤の混合物に対し、 JIS K2269の方法で測定した。
(1−4)高温高せん断後流動点
高温高せん断後流動点は重合体と基油(SK社製、YUBASE4)、及び各種添加剤の混合物に対し、以下の条件で超音波照射後、JIS K2269の方法で測定した。
装置:Hielscher Ultrasonics製 UP400S
設定:Amplitude=70%、Cycle=1
時間:10分
温度:150℃
(1)共重合体の製造例
製造例1
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管、および滴下ロートを備えた反応容器に、メチルメタクリレート(MMA)30.0質量部、ステアリルメタクリレート(StMA)60.0質量部、N−フェニルマレイミド(PMI)10.0質量部、トルエン93.5質量部、n−ドデシルメルカプタン1.5質量部、アデカスタブ0.05質量部を仕込み、これに窒素ガスを導入しつつ内容物を85℃まで昇温させた。重合開始剤として0.5質量部の2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とトルエン4.5質量部を混合した溶液を添加し、6時間後に上記重合開始剤0.3質量部とトルエン3.0質量部の混合溶液を添加し、さらに2時間熟成を行った。
続いて、冷却管を冷却管および溜出液受器につなげたトの字管に取替え、基油(粘度指数130)296.7質量部を反応容器に投入した。バス温を150℃まで昇温した後、真空ポンプを用いて徐々に減圧し、トルエンを除去した。内温が142℃に到達してから30分後に解圧・冷却し、重合体1の基油溶液(重合体濃度20.0質量%)を得た。
製造例2
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管、および滴下ロートを備えた反応容器に、ブチルメタクリレート(BMA)5質量部、ステアリルメタクリレート(StMA)60質量部、N−フェニルマレイミド(PMI)5質量部、ラウリルメタクリレート/トリデシルメタクリレート=54/46(質量比)の混合物(SLMA)30質量部、基油(SK製 YUBASE 4)97.0質量部、n−ドデシルメルカプタン0.50質量部を仕込み、これに窒素ガスを導入しつつ内容物を105℃まで昇温させた。重合開始剤として0.2660質量部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)と基油(SK製 YUBASE 4)2.23質量部を混合した溶液を添加し、6時間熟成を行った。続いて基油(SK製 YUBASE 4)を200質量部加え希釈することで重合体2の基油溶液(重合体濃度25質量%)を得た。
製造例3
製造例2において、n−ドデシルメルカプタン0.50質量部を0.20質量部へと変更した以外は、製造例2と同様の操作を行うことで重合体3の基油溶液(重合体濃度25質量%)を得た。
製造例4
製造例2においてn−ドデシルメルカプタン0.50質量部を0.15質量部へと変更した以外は、製造例2と同様の操作を行うことで重合体4の基油溶液(重合体濃度25質量%)を得た。
製造例5
製造例3においてBMA5質量部を10質量部に、PMI5質量部を0質量部に変更した以外は製造例2と同様の操作を行うことで重合体5の基油溶液(重合体濃度25質量%)を得た。
製造例6
製造例5においてBMA10質量部を0質量部に、StMA60質量部を50質量部に変更し、新たにMMA35質量部、及びスチレン15質量部を加えた以外は製造例5と同様の操作を行うことで重合体6と基油の混合液(重合体濃度25質量%)を得た。
実施例1
製造例1の重合体濃度が0.2質量%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え、得られた重合体基油溶液の溶解性を確認後、高温高せん断前後の流動点を測定した。結果を表に示す。
実施例2
製造例2の重合体濃度が0.2質量%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え、得られた重合体基油溶液の溶解性を確認後、高温高せん断前後の流動点を測定した。結果を表に示す。
実施例3
製造例3の重合体濃度が0.2質量%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え、得られた重合体基油溶液の溶解性を確認後、高温高せん断前後の流動点を測定した。結果を表に示す。
実施例4
製造例4の重合体濃度が0.2質量%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え、得られた重合体基油溶液の溶解性を確認後、高温高せん断前後の流動点を測定した。結果を表に示す。
実施例5
製造例3の重合体溶液にパッケージ添加剤(Chevron Oronite製 OAS−55501)と基油(SK製 YUBASE4)を加え、基油溶液全体に対し、重合体3の濃度が0.2質量%に、パッケージ添加剤(OAS−55501)濃度が8.9%になるように調製した。得られた重合体基油溶液の溶解性を確認後、高温高せん断前後の流動点を測定した。結果を表に示す。
実施例6
製造例3の重合体溶液にパッケージ添加剤(OAS−55501)、及びWO2018/056316実施例4に記載の方法で製造した分子量37万のPMA系粘度指数向上剤、基油(SK製 YUBASE4)を加え、基油溶液全体に対し、重合体3の濃度が0.2質量%に、粘度指数向上剤の濃度が1.6%に、パッケージ添加剤(OAS−55501)の濃度が8.9%になるように調製した。得られた重合体基油溶液の溶解性を確認後、高温高せん断前後の流動点を測定した。結果を表に示す。
比較例1
基油(SK製 YUBASE4)の流動点を測定した。結果を表に示す。
比較例2
パッケージ添加剤(OAS−55501)の濃度が8.9%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え、得られた基油溶液の流動点を測定した。結果を表に示す。
比較例3
製造例5の重合体5の濃度が0.2質量%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え、得られた重合体基油溶液の溶解性を確認後、流動点を測定した。結果を表に示す。
比較例4
WO2018/056316実施例4に記載の方法で製造した分子量37万のPMA系粘度指数向上剤の濃度が1.6%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え、得られた基油溶液の流動点を測定した。結果を表に示す。
比較例5
製造例6において得た混合液を、共重合体6の濃度が0.2%になるように基油(SK製 YUBASE4)を加え希釈したが、共重合体が析出していた。
Figure 2020050754
表1に示すように、実施例で使用した製造例1〜4の流動点降下剤は、潤滑油組成物とした場合に基油への溶解性に優れ、高分子量の粘度指数向上剤やパッケージ添加剤等の他の添加剤との相溶性にも優れていた。また、上記他の添加剤による効果阻害も見られず、流動点降下性に優れていた。さらに、高温高せん断後においても流動点降下が維持されていた。
本発明の流動点降下剤を使用した潤滑油組成物は、従来の潤滑油組成物に比べて、炭化水素系基油中において流動点降下性に優れていることから、駆動系潤滑油、作動油、エンジン油に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 単量体成分の総質量に対し、
    (a)炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート[以下、「(a)成分」と称する]1質量%以上59.5質量%以下、
    (b)炭素数が12〜18の脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート[以下、「(b)成分」と称する]40質量%以上98.5質量%以下、
    (c)下記一般式(1)で示されるマレイミド系単量体[以下、「(c)成分」と称する]0.5質量%以上59質量%以下、及び
    (d)芳香族単量体[以下、「(d)成分」と称する]0質量%以上3質量%未満
    を含む単量体成分を重合してなる、流動点降下剤。
    Figure 2020050754
    [式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、環状、分岐状のアルキル基(芳香環を有するアルキル基を含む)、アルケニル基、アリール基、シアノ基またはヒドロキシル基である。]
  2. 前記(c)成分1質量部に対する前記(b)成分の割合が、1質量部以上20質量部未満である、請求項1に記載の流動点降下剤。
  3. 重量平均分子量が0.5万以上20万未満である、請求項1又は2に記載の流動点降下剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の流動点降下剤と、潤滑油基油とを含有する潤滑油組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の流動点降下剤、潤滑油基油、及び重量平均分子量が20万以上の共重合体を含む粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113201372A (zh) * 2021-04-27 2021-08-03 上海应用技术大学 一种含萘柴油降凝剂组合物及其制备和应用

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