JP6855110B2 - 表示器 - Google Patents

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Description

本発明は、光源からの光を受けて発光し各種情報を正面に表示する表示パネルと、該表示パネルを背面側から保持すると共に前記光源を取り付ける本体と、を備えた表示器に関する。
従来より、この種の表示パネルを備えた表示器は様々な分野で活用されており、例えば、歩行者用信号灯器に付設される押ボタン箱に用いられている。本件出願人は、特許文献1,2に開示されたように、表示器を備えた押ボタン箱を既に提案している。かかる押ボタン箱における表示器は、図28および図29に示すように、他の一般的な押ボタン箱1の表示器4と同様に、LEDからの光を受けて発光し各種情報を表示する表示パネル5と、該表示パネル5を背面側から保持すると共にLED基板6を取り付ける本体4aとを有していた。
図28に示すように、一般的な押ボタン箱1では、その筐体2の前面ケース3に、表示パネル5の正面を裏側から合致させる開口部3aが開設されている。表示器4は、表示パネル5の正面が前記開口部3aに合致する状態で、本体4aと表示パネル5の両側端がそれぞれネジ止めされる。なお、表示パネル5の正面の周囲と前面ケース3の内壁との間には、防水用のパッキン7が介装されていた。
図29に示すように、表示器4の本体4aには、表示パネル5の背面に合わさる正面壁部より背面側に窪むように光反射面部4bが設けられている。LED基板6は、光反射面部4bの上端側で、表示パネル5の背面に対し直角となる状態に取り付けられる。このような表示器4では、LEDからの光を光反射面部4bで反射拡散させて表示パネル5に出射するように、垂直方向への配光制御を行っていた。なお、表示パネル5の背面には、文字部分だけ光るように印刷されたシート5aが重ねられている。
意匠登録第1514909号公報 意匠登録第1518469号公報
しかしながら、前記表示器4では、LEDからの光を垂直方向へ配光制御して側方の表示パネル5に出射していたが、単に光の方向転換だけを意図しており、LEDの指向特性や表示パネル5における光強度の分布等は特に考慮していなかった。そのため、LEDに近い表示パネル5の上部では明るく、LEDから遠い表示パネル5の下部では暗くなる傾向が強い。従って、LEDの点灯時に表示パネル5の正面より文字を見ると、均斉度が低く文字を読みづらい虞があった。
また、前記表示器4では、光反射面部4bが垂直方向のみ配光制御を行うように設計されており、特に表示パネル5の水平方向への配光制御は行っていなかった。そのため、表示パネル5の水平方向(左右方向)へ隈無く光が届くように、LED基板6上にはLEDを狭い間隔で密に配置して、各LEDごとの照射範囲の広がりだけに頼って、表示パネル5の水平方向への照射を行っていた。
このように、表示パネル5の水平方向への配光が無制御である場合、多くのLEDを密に配置する必要があり、製品単価のコストアップを招いてしまう。従って、コスト低減のために、より少ない数のLEDによって、従来と同等以上の表示性能を実現するための工夫が望まれていた。
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、表示面の垂直方向における均斉度を高めて表示内容の視認性をいっそう向上させることができ、また、表示面の水平方向における表示性能を維持しつつ、簡易な構成により光源数を減らしてコストを低減することができる表示器を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]光源(120)からの光を受けて発光し各種情報を表示する表示パネル(101)と、該表示パネル(101)を保持すると共に前記光源(120)を取り付ける本体(110)と、を備えた表示器(100)において、
前記光源(120)である複数の発光素子(121)は、前記表示パネル(101)の上辺の背面側に沿って互いに間隔をあけて配列し、それぞれ下方へ光を照射する向きで前記本体(110)に取り付けられ、
前記本体(110)には、前記各発光素子(121)から照射された直接光を前記表示パネル(101)の背面側へ拡散反射する光反射面部(113)が設けられ、
前記光反射面部(113)は、前記各発光素子(121)からの直接光を受けて配光制御する反射面(114)を有し、
前記反射面(114)には、前記表示パネル(101)の垂直方向の配光制御に関して、前記各発光素子(121)からの直接光の一部を、前記表示パネル(101)の背面のうち表示領域(101a)の下側部分に集光して反射する反射領域(114a)が設けられ、前記表示パネル(101)の水平方向の配光制御に関して、前記各発光素子(121)からの直接光の一部を、前記表示パネル(101)の背面のうち各発光素子(121)の間に集光して反射する反射領域(114d)が、各発光素子(121)ごとに対応して設けられたことを特徴とする表示器(100)。
]前記反射面(114)は、前記本体(110)の上端の背面側で前記発光素子(121)の後方より前記本体(110)の下端の背面側に向かって連なる放物線の垂直断面形状であり、その上側部分は、前記放物線の途中より後方へ屈曲した別の曲線ないし直線の垂直断面形状であることを特徴とする前記[1]に記載の表示器(100)。
]前記本体(110)における上端側に、前記各発光素子(121)からの直接光のうち前記表示パネル(101)の背面の上側部分に入射する一部を遮るための遮光部(111c)が設けられたことを特徴とする前記[1]または[]に記載の表示器(100)。
]前記反射面(114)は、金属の蒸着により鏡面加工されていることを特徴とする前記[1],[2]または[]に記載の表示器(100)。
]前記表示器(100)は、歩行者用信号灯器に付帯する押ボタン箱(10)に備えられ、
前記本体(110)は、保持した前記表示パネル(101)が、前記押ボタン箱(10)の前面部(30)に開設された開口部(31)に内側から合致した状態で前面部(30)の裏側に固定され、
前記表示パネル(101)に表示する各種情報は、前記歩行者用信号灯器の作動ないし前記押ボタン箱(10)の操作に関する文字であることを特徴とする前記[1],[2],[3]または[]に記載の表示器(100)。
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の表示器(100)によれば、光源(120)である複数の発光素子(121)は、本体(110)に保持された表示パネル(101)の上辺の背面側に沿って互いに間隔をあけて配列する。各発光素子(121)は、それぞれ下方へ光を照射する。
各発光素子(121)から照射された直接光のうち、光軸より外れた周囲の一部は、そのまま表示パネル(101)の背面に斜めに入射する。ただし、各発光素子(121)からの直接光の大部分は、本体(110)の光反射面部(113)によって、表示パネル(101)の背面側へ拡散反射する。
光反射面部(113)は、各発光素子(121)からの直接光を受けて配光制御する反射面(114)を有する。ここで反射面(114)には、表示パネル(101)の垂直方向の配光制御に関して、各発光素子(121)からの直接光の一部を、表示パネル(101)の背面のうち表示領域(101a)の下側部分に集光して反射する反射領域(114a)が設けられている。
これにより、表示パネル(101)の背面のうち発光素子(121)に近い表示領域(101a)の上側部分だけでなく、発光素子(121)から遠い表示領域(101a)の下側部分も、積極的に集光して明るくなるように照度を高めることができる。よって、表示パネル(101)の正面より表示する各種情報では、その上下間での照度ムラが解消されて均斉度が向上し、各種情報の視認性を高めることができる。
さらに、表示パネル(101)の垂直方向の配光制御だけでなく、水平方向の配光制御も行う。すなわち、前記光反射面部(113)の反射面(114)には、表示パネル(101)の水平方向の配光制御に関して、各発光素子(121)からの直接光の一部を、表示パネル(101)の背面のうち各発光素子(121)の間に集光して反射する反射領域(114d)が、各発光素子(121)ごとに対応して設けられている。
光源(120)である発光素子(121)の数を、従来の配光無制御の場合に比べて減らすと、数を減らした分だけ広がる各発光素子(121)の間の領域では、通常は発光素子(121)の指向性の高い照射範囲から外れて明るさが低減する。しかしながら、各発光素子(121)の間に、明るさを補うように集光する水平方向の配光制御により、照度低下を回避することができる。よって、表示性能を維持しつつ発光素子(121)の数を減らすことが可能となる。
前記[]に記載の表示器(100)によれば、前記光反射面部(113)の反射面(114)は、本体(110)の上端の背面側で発光素子(121)の後方より本体(110)の下端の背面側に向かって連なる放物線の垂直断面形状である。ここで反射面(114)における放物線の垂直断面形状の上側部分は、そのまま放物線の延長とせず、放物線の途中より外側へ屈曲した別の曲線ないし直線の垂直断面形状とする。これにより、反射面(114)の上側部分における配光効率を高めることができる。
前記[]に記載の表示器(100)によれば、前記本体(110)における上端側に、各発光素子(121)からの直接光のうち表示パネル(101)の背面の上側部分に入射する一部を遮るための遮光部(111c)を設けた。これにより、表示パネル(101)の背面のうち発光素子(121)に近い上側部分が、明るくなり過ぎることを回避することができる。
前記[]に記載の表示器(100)によれば、前記反射面(114)を、金属の蒸着により鏡面加工されたものとする。これにより、反射面(114)は一般的な白色塗料とする場合に比べて、反射効率を高めることができ、いっそう容易に配光制御を行うことが可能となる。
以上のような表示器(100)は、具体的には例えば前記[]に記載したように、歩行者用信号灯器に付帯する押ボタン箱(10)に適用することができる。押ボタン箱(10)の前面部(30)には開口部(31)が開設され、前記本体(110)は、保持した前記表示パネル(101)が、前記開口部(31)を前面部(30)の裏側から塞ぐように合致した状態で固定される。表示パネル(101)に表示する各種情報は、歩行者用信号灯器の作動ないし前記押ボタン箱(10)の操作に関する文字とすることで、歩行者を支援することができる。
本発明に係る表示器によれば、表示パネルの垂直方向における均斉度を高くして表示内容の視認性をいっそう向上させることができ、また、表示性能を維持しつつ、簡易な構成により光源数を減らしてコストを低減することができる。
本発明の実施の形態に係る表示器を正面側から見た分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る表示器を背面側から見た分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体を示す背面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体を示す底面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体を示す右側面図である。 図4のVIII−VIII線拡大断面図(a)と、光反射面部の反射面の縦断面形状を模式的に示した説明図(b)である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体におけるLEDの配置を示す平面図である。 図3のX−X線拡大断面図である。 図10のA部拡大図である。 本発明の実施の形態に係る表示器のLED基板を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器のLED基板を示す底面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体の光反射面部における反射面の各反射領域を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体の光反射面部による垂直方向の配光制御を従来技術と比較して示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の本体の光反射面部による水平方向の配光制御を従来技術と比較して示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の光反射面部における横断反射領域の変形例を拡大して示す横断面図(a)と、この変形例による水平方向の配光制御を示す説明図(b)である。 本発明の実施の形態に係る表示器を前面ケースに取り付ける状態を後側から見た分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る表示器を前面ケースに取り付ける状態を前側から見た分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の表示パネルの印刷を示す背面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器の表示パネルの印刷を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る表示器のパッキンを示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器のパッキンを示す背面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器のパッキンを示す側面図である。 図23のXVI−XVI線の拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る表示器を取り付ける押ボタン箱を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る表示器を取り付ける押ボタン箱の変形例を示す斜視図である。 従来の表示器を前面ケースに取り付ける状態を後側から見た分解斜視図である。 従来の表示器を背面側から見た分解斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図27は、本発明の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る表示器100は、光源からの光を受けて発光し各種情報を正面に表示する表示パネル101と、該表示パネル101を背面側から保持すると共に光源を取り付ける本体110と、を備えたものである。以下、表示器100を、歩行者用信号灯器に付帯する押ボタン箱10に適用した例について説明する。
押ボタン箱10は、歩行者用信号灯器における作動を指示するものである。ここで歩行者用信号灯器は、図示省略したが一般道路の交差点等に設置された各車両用信号灯器に、それぞれ対応して横断歩道の両端等に設置される。押ボタン箱10は、歩行者用信号灯器ごとに近くの電信柱等の支持体に固定される。押ボタン箱10の前面部に、歩行者用信号灯器の作動ないし押ボタン箱の操作に関する各種情報を表示する表示器100が設けられている。
押ボタン箱10は、図26に示すように、各種構成部品を収納する筐体11を本体とする。筐体11は、その背面側を含み前面側が開口したベース本体20と、該ベース本体20の開口を前方から覆うように組み合わされた前面ケース30とから成る。ベース本体20や前面ケース30は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料から成形されている。前面ケース30は筐体11の前面部となり、その略中央にスイッチ(押ボタン)40が設けられ、スイッチ40の上方に表示器100が設けられている。
図18,図19に示すように、前面ケース30の上部には、表示器100の表示パネル101の正面を裏側から合致させる開口部31が開設されている。開口部31は、表示器100の表示パネル101よりも一回り小さい横長矩形に開設されている。前面ケース30の裏側で開口部31の周縁には、表示パネル101の正面の周縁がパッキン130を介して当接する。
図1,図2に示すように、表示器100は、ディスプレイである表示パネル101と、該表示パネル101を背面側から保持する本体110と、光源であるLED基板120とを備えている。表示パネル101は、光源からの光を受けて発光し各種情報を表示するものである。表示パネル101は、正面視で両側方向に長い横長矩形であり、例えば、ポリカーボネート等の透光性材質から所定の厚さの板状に形成されている。ここで透光性材質とは、光の透過率が極めて高い透明な材質だけでなく、透明よりも光の透過率が低いものも含まれる。
表示パネル101の上端縁(上辺)の両側の角隅は、上下の方向性を認知させるために切り欠かれている。また、表示パネル101の上端縁の一端側には、上方に突出した位置決め片102が設けられている。さらに、表示パネル101の両側端には、それぞれ中央に向かって半円形に凹む一対の溝部103,103が設けられている。これら位置決め片102や溝部103について詳しくは後述する。
表示パネル101の正面は、そのまま表示器100の表示面となり、表示パネル101の背面には、光源であるLED基板120からの光によって表示する表記情報が直接印刷されている。ここで表記情報とは、表示パネル101の正面に表示する各種情報のうち、予め定められて記された文字等である。例えば、本実施の形態における表記情報は、歩行者用信号灯器の赤色点灯に応じて歩行者に待機を指示する「おまちください」の文字である。
表示パネル101の背面における表記情報の印刷は、例えば、孔版をスクリーンとして表示パネル101の背面を覆い、孔からインクを付けて印刷するシルク印刷が好適である。図20に示すように、表示パネル101の背面には、表記情報である文字部分にのみ光が透過し、他の部分(図中の斜線ハッチング)には光が透過しないように、他の部分に遮光性インク105が塗られている。遮光性インク105は、例えば黒色インクが該当する。
このように、表示パネル101の背面における印刷は、遮光性インク105が乗る画線部と、遮光性インク105が乗らない非画線部との境界によって、文字部分が象られている。本実施の形態では、文字部分のみ光るように、この文字部分を光が透過する非画線部とし、他の部分を光が透過しない画線部としている。かかる場合、文字部分のみが光って浮かび上がるように表示することができる。
図21に示すように、表示パネル101の背面には、遮光性インク105の下層に重なり画線部と非画線部との境界を少なくともなぞる下地として、LED121の消灯時の画線部と非画線部との輝度の比を小さくする中性色インク104も塗られている。中性色インク104は、遮光性インク105と表示パネル101自体の地色との中間の色彩であって、ある程度光が透過するものが好ましい。例えば、表示パネル101が、ブルースモークと称される光透過率が20%程度の青味がかった黒っぽい色の透光性材質である場合、遮光性インク105が黒色インクであれば、中性色インク104は、灰色インクが該当する。
また、表示パネル101の背面には、遮光性インク105の上層(図21中では下側)に重なり画線部を越えない範囲で、LED基板120からの光を反射させる光反射性インク106が塗られている。光反射性インク106は、例えば白色インクが該当する。さらに、表示パネル101の背面には、画線部および非画線部を含む全域で、光反射性インク106の上層に重ねて、LED基板120からの光を拡散させる光拡散性インク107も塗られている。光拡散性インク107は、例えば、シリコンパウダー等の光拡散顔料を含むインクである。
表示器100の本体110は、前記表示パネル101を背面側から保持すると共に、光源であるLED基板120を取り付けるものである。図3〜図7に示すように、本体110は、前記表示パネル101の背面に合わさる正面壁部111と、この正面壁部111の周囲を残して背面側に窪むように設けられた光反射面部113と、該光反射面部113の上端側にて、LED基板120を表示パネル101の背面と直角となる略水平な状態に取り付ける基板取付部115とを備えている。本体110は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料から形成されている。
正面壁部111は、前記表示パネル101の背面に合致するように、正面視で両側方向に長い横長矩形であり、その上端縁の両側の角隅は、表示パネル101と同様に上下の方向性を認知させるために切り欠かれている。正面壁部111の外周縁に沿って、所定幅で前方へ延出するフランジ112が設けられ、本体110は、表示パネル101が背面側から収まる底浅なケース状をなしている。正面壁部111には、表示パネル101の正面のうち表記情報を囲む表示領域101a(図20参照)を背面側から縁取る横長矩形の開口部111aが設けられている。光反射面部113は、開口部111aの内側で背面側に窪むように設けられている。
正面壁部111の上端縁に沿ったフランジ112の一端側には、位置決め切欠112aが設けられている。この位置決め切欠112aは、前記表示パネル101の上端縁の一端側にある位置決め片102が合致することで、本体110に対して表示パネル101の表裏が逆向きになることを防ぐための位置決めとなる。また、正面壁部111の両側端には、前記表示パネル101にある溝部103に合致するように、それぞれフランジ112も含め中央側に半円形に切り欠かれて凹む一対の溝部116,116が設けられている。
また、正面壁部111の上端縁と下端縁に沿った上下のフランジ112の先端縁には、両側方向に間隔をあけて並び、横長直線状に前方へ突出した複数の押さえリブ117が設けられている。各押さえリブ117は、後述するパッキン130にあるスリット134に嵌合して位置ずれを防止するための部位である。さらに、正面壁部111の下端縁に沿って、フランジ112とは逆向きの後方へ所定幅で延出する補強片118が設けられている。補強片118の上面と、次述する光反射面部113の背面壁との間には、両側方向に間隔をあけて並び、それぞれ上下間に連なる複数の補強リブ119も設けられている。
光反射面部113は、LED基板120の下面に一列に配列された各LED121からの直接光を前記表示パネル101の背面側へ拡散反射するための部位である。光反射面部113は、後述の基板取付部115の後端側より下方へ湾曲して延び、その下端は前記開口部111aの下端縁に連なっている。かかる光反射面部113の内側正面は、各LED121からの直接光の各部分を受けて、前記表示パネル101の背面に向けて配光制御する反射面114となっている。
反射面114には、光を反射させる光反射性塗料として、一般に白色塗料が塗布されるが、金属の蒸着により鏡面加工すれば、いっそう容易に配光制御を行うことが可能となる。反射面114は基本的には、本体110の上端の背面側でLED121の後方より本体110の下端の背面側に向かって連なる放物線の垂直断面形状であるが、表示パネル101の垂直方向および水平方向に自由曲面で配光制御する複数の反射領域に区画されている。
図14に示すように、反射面114には、表示パネル101の垂直方向の配光制御に関して、各LED121からの直接光の一部を、表示パネル101の背面のうち表示領域101aの下側部分に集光して反射する下段反射領域114aが設けられている。下段反射領域114aは、特に表示パネル101のうち表示領域101aの下側部分に反射光を集光するように光学設計され(図15(a)参照)、図8(a)に示した放物線状の垂直断面形状となっている。
下段反射領域114aの上側には、上段反射領域114bが連なっている。上段反射領域114bは、図8(a)に示すように、下段反射領域114aと同一の放物線上に連なる垂直断面形状であるが、各LED121からの直接光を表示領域101aの主に中段付近に拡散反射するように光学設計されている(図15(a)参照)。なお、下段反射領域114aが反射光を集光する表示領域101aの下側部分とは、表示パネル101の背面のうち、正面壁部111の開口部111aで縁取られた内側の下側部分であり、正面壁部111の周縁に重なる開口部111aの下端より下方の部位ではない。
上段反射領域114bの上側部分は、そのまま同一の放物線に沿う垂直断面形状ではなく、放物線の途中より後方へ屈曲した別の曲線ないし直線の垂直断面形状に設けられている。図8(a),(b)に示すように、上段反射領域114bの上側部分は、鉛直線が反射面114の内側から交差し得る上限となる境付近より、上端反射領域114cとして、鉛直線と平行ないし背面側にさらに屈曲する断面形状に設けられている。上端反射領域114cの具体的な断面形状は、図8(a),(b)に示した例では鉛直線とほぼ平行な直線状であるが、直線に限らず別の放物線等の曲線であっても良い。
さらに、図14に示すように、反射面114には、表示パネル101の水平方向の配光制御に関して、各LED121からの直接光の一部を、表示パネル101の背面のうち各LED121の間に集光して反射する横断反射領域114dが、各LED121ごとに対応して設けられている。横断反射領域114dは、特に表示パネル101のうち正面視で各LED121の間となる中間領域に反射光を集光するように光学設計され(図16(a)参照)、図10,図11に示した楕円状の水平断面形状となっている。
図9に示すように、本実施の形態では、正面壁部111の上端縁の背面側に沿って合計4個のLED121が互いに間隔をあけて配列している。これらの4個のLED121に対応して、同じく4つの横断反射領域114dが横方向に繰り返し並ぶように設けられている。ここで各LED121の光軸は、反射面114の水平方向では、各横断反射領域114dの両側方向の中央に上から入射するように設定されている。
図14に示すように、反射面114において、横列に並ぶ4つの横断反射領域114dと、縦列に並ぶ下段反射領域114a、上段反射領域114b、および上端反射領域114cとは、それぞれ反射領域の一部として重複している。すなわち、横断反射領域114dにおいて、下半側は下段反射領域114aでもあり、上半側は上段反射領域114bおよび上端反射領域114cでもある。
図8(a)に示すように、本体110における上端側には、各LED121からの直接光のうち前記表示パネル101の背面の上側部分に入射する一部を遮るための遮光部111cが設けられている。本実施の形態では、開口部111aの上端に対して、その後方でLED基板120は上方に引っ込む状態に配される。そのため、各LED121の前方には、開口部111aの上端が段差となって塞がり、かかる段差がそのまま遮光部111cとなっている。
遮光部111cにより直接光の入射が遮られる表示パネル101の上側部分とは、正面壁111の周縁に重なる開口部111aの上端より上方の部位だけではなく、前述した開口部111aの上端と各LED121の高さとの段差により、直接光の入射が遮られる表示領域101aの上端側も含まれている。なお、遮光部111cを、開口部111aの上端とは別に、該上端より下方へ延出する突片として設けても良い。
図1,図2に示すように、本体110にある基板取付部115は、正面壁部111の背面側で、開口部111aの上端より後方へ所定幅で水平に延出する台座状に形成されている。基板取付部115に取り付けられたLED基板120は、LED121のある下面が正面壁部111の背面側で表示パネル101の背面と直交し、光反射面部113に対して上方向から光を照射するように配置されている。図5に示すように、基板取付部115には、次述するLED基板120にある各LED121に対向する位置に、各LED121の光を下方へ照射するための透過孔115dが開設されている。
図12,図13に示すように、LED基板120は、両側方向に長い横長矩形であり、その下面に表面実装型のチップ状LED121が所定間隔おきに複数配列している。本実施の形態におけるLED121の数は4個であり、従来のLED基板6(図29参照)における6個よりも少ない。LED121自体は、一般的であるので詳細な説明は省略するが、LED基板120の下面に対して直交する光軸を中心に所定角度の照射範囲で光を出射するものである。LED121の発光色は任意に選択できる。LED基板120は、その下面が実装面であり、LED121、その配線回路や抵抗の他、コネクタ122等が配置されている。
LED基板120におけるLED121等の関連部品の配置は、下面だけに集中した片面実装となっている。また、各LED121の具体的な配置は、互いに均等に並ぶ状態に限られることなく、例えば光反射面部113の両端部における輝度低下を防ぐために、LED基板120の両端部に若干寄せた配置としても良い。なお、LED121には、例えばコーティング剤を塗布する等の硫化(ガス)対策を施すと良い。
LED基板120を本体110の基板取付部115に取り付けるには、スナップフィットによる係合が用いられる。すなわち、図1,図8(a)に示すように、基板取付部115の前端側が連なる正面壁部111の上端背面側には、LED基板120の前端縁を沿わせた際に係止できる引掛爪111bが設けられている。一方、引掛爪111bと対向する基板取付部115の後端側には、断面L字形で上向きの突片115aが設けられており、この突片115aの略中央に、スナップフィットによりLED基板120の後端縁にある切欠溝123に係合する係止爪115bが設けられている。
また、LED基板120の前端縁の一端には、基板取付部115の前端側にある位置決め突起115cに係合することで、LED基板120の前後の正しい取り付け向きに規制する位置決め切欠124が設けられている。なお、図4に示すように、基板取付部115の前端側が連なる正面壁部111の背面側上部には、互いに間隔をあけて上下方向に延びる突条のリブ111dが2箇所に設けられている。各リブ111dに対してLED基板120の前端縁が当接することで、この前端縁の両端の角がLED基板120の前端縁の両端のアール面に干渉することを避けることができる。
図18,図19に示すように、表示パネル101の正面の周囲と前面ケース30の内壁との間には、防水性を高めるパッキン130が介装される。図22〜図25に示すように、パッキン130は、表示パネル101の正面から被さるカバー状に形成され、予め表示パネル101の周囲に被せた状態に仮止め可能である。パッキン130は、表示パネル101の周囲に沿って被さる枠組状であり、例えば、シリコンやブチルゴム等の弾性材質から形成される。
パッキン130は、前記表示パネル101の正面に合致する形状の正面壁部131を備えている。正面壁部131は、前記表示パネル101と同様に、正面視で両側方向に長い横長矩形であり、その上端縁の両側の角隅は、表示パネル101に合わせて切り欠かれている。正面壁部131の外周縁に沿って、所定幅で後方へ延出するフランジ132が設けられ、表示パネル101の正面側から被さるカバー状となっている。フランジ132が周回方向で折れ曲がる角隅には、表示パネル101を収めた本体110の角隅に背面側より被さるストッパ片132aが設けられている。
正面壁部131には、表示パネル101の正面のうち前記文字部分を囲む表示領域を正面側から縁取る横長矩形の開口部131aが設けられている。パッキン130の両側端には、前記表示パネル101や本体110の溝部103等に合致するように、それぞれ中央側に半円形に凹む一対の溝部133,133が設けられている。また、正面壁部131の上端側と下端側には、両側方向に間隔おいて並ぶ複数の横長直線状のスリット134が設けられている。各スリット134は、前記本体110の正面壁部111にある押さえリブ117が嵌合して、互いの位置ずれを防止するものである。
また、正面壁部131の正面側には、開口部131aを縁取るように周回する水切り山であるリップ135が設けられている。同様に、パッキン130の背面側にも、開口部131aを縁取るように周回する水切り山であるリップ136が設けられている。表示器100の取付時に、正面側のリップ135は、前面ケース30の内壁と線接触して、前面ケース30とパッキン130との間の防水性を高める。背面側のリップ136は、表示パネル101の正面と線接触して、表示パネル101とパッキン130との間の防水性を高める。
次に、押ボタン箱10における表示器100の作用について説明する。
本表示器100によれば、図8(a),図9に示すように、LED基板120は、本体110の基板取付部115に略水平な状態で下向きに取り付けられる。LED基板120の下面に実装された各LED121は、本体110の正面側に保持された表示パネル101の上端縁の背面側に沿って、互いに間隔をあけて配列する。図15(a)に示すように、各LED121は下方へ光を照射し、それぞれの光軸は表示パネル101の背面と平行に垂下する。
これにより、LED121の指向性の強い光軸近くの光が、表示パネル101の背面と交差することはない。すなわち、LED121からの直接光が、表示パネル101に対して局所的に強く入射することはない。従って、各LED121と表示パネル101との間の距離を短くしても、表示パネル101の正面に照度ムラが生じにくく、本体110全体の厚み(奥行き寸法)を薄型化することが可能となる。
図15(a)において、LED121から照射された直接光のうち、光軸より外れた周囲の一部は、図中に実線で示したように表示パネル101の背面に斜めに入射する。LED121からの直接光の大部分は、本体110の光反射面部113によって、図中に破線で示したように表示パネル101の背面側へ拡散反射する。このように、光反射面部113からの反射光によって、表示パネル101の表示領域101aにおける光強度の分布は均一化される。
ただし、図15(b)に比較のために示した従来の表示器4のように、LEDから下方へ向かう光を単に側方へ方向転換するだけの配光制御では、LEDに近い表示パネルの上部ほど明るく、LEDから遠い表示パネルの下部では暗くなる傾向が強かった。
そこで、本表示器100では、光反射面部113の反射面114に、表示パネル101の垂直方向の配光制御に関して、各LED121からの直接光の一部を、特に図15(a)中に太い破線で示した方向へ集光して反射する下段反射領域114aを設けた。
このような下段反射領域114aによって、表示パネル101の背面のうちLED121から遠い表示領域101aの下側部分も、積極的に集光して明るくなるように照度を高めることができる。よって、表示パネル101の正面より表示する文字部分では、その上下間での照度ムラが解消されて均斉度が向上し、文字部分の視認性を高めることができ、文字が読みやすくなる。また、長期使用によってLED121の光束維持率(明るさ)が低下しても、文字部分の下部の視認性を維持することができる。
さらに、本表示器100では、表示パネル101の垂直方向の配光制御だけではなく、LED121の光軸と直交する水平方向の配光制御も行う。すなわち、光反射面部113の反射面114に、各LED121からの直接光の一部を、特に図16(a)中に太い破線で示した方向へ集光して反射する横断反射領域114dを設けた。横断反射領域114dからの反射光は、表示パネル101の背面のうち各LED121の間となる中間領域に集光することになる。
図16(b)に比較のために示した従来の表示器4では、表示パネルの水平方向における配光は、LED基板上にLEDを狭い間隔で密に配列(図中では6個)することで行っていた(配光無制御)。ここでLED基板におけるLEDの数をコスト低減のために減らすと、数を減らした分だけ幅が広がる各LEDの間の中間領域では、通常はLEDの指向性の高い照射範囲から外れて明るさが低減する。
しかしながら、本表示器100では、横断反射領域114dによる水平方向の配光制御によって、特に各LED121の間の明るさを補うように集光することで、局所的な照度低下を回避することができる。よって、従来の表示器4と同等以上の表示性能を維持しつつ、LED121の数を減らすことが可能となり、その分製品コストを低減することができる。
また、図17(a)に示すように、表示パネル101の背面において各LED121から一番近いのは、各LED121の光軸が垂下する各横断反射領域114dの両側方向の中央に正面視で重なる近接領域である。かかる近接領域には、各LED121間の中間(各横断反射領域114d間の境界)に正面視で重なる中間領域よりも、LED121からの直接光が強く当たる。よって、図11に示した横断反射領域114dの変形例として、横断反射領域114dの水平断面形状の中央に、上下に延びる凸部114eを設けた自由曲面としても良い。
凸部114eは、その頂端より左右に緩やかに湾曲して、表示パネル101における前記近接部位へのLED121からの反射光が集中することを防止する。このような凸部114eを設けたことにより、図17(b)に示すように、LED121からの反射光を図中に太い破線で示した左右方向へ集光し、表示パネル101における照度をよりいっそう均一化して均斉度を高めることができる。なお、図17(b)は、正面視に近い斜視図であり、正面視より若干斜め前方の下側から見た反射光の光線を模式的に示している。図16についても同様である。
ところで、光反射面部113の反射面114は、基本的には、本体110の上端の背面側で各LED121の配列の後方より本体110の下端の背面側に向かって連なる放物線の垂直断面形状である。この放物線の上端部分が、図8(b)に示すように、LED121の光軸と平行な鉛直線が外側から交差するように内側へ迫り出す状態であると、LED121からの直接光を受け入れ難い。また、本体110を樹脂で一体成形する場合に、本体110を図8(a)に示す姿勢で垂直方向に型抜きすると、放物線の上端部分がアンダーカットとなる。
そこで、反射面114における放物線の垂直断面形状の上側部分は、そのまま放物線の延長とせず、放物線の途中より後方へ屈曲した別の曲線ないし直線の垂直断面形状とする。このとき、LED121の光軸と平行な鉛直線が、反射面114の上側部分の外側ではなく内側から交差ないし平行となる断面形状にすると良い。これにより、反射面114の上側部分に入る直接光を少しでも増やすことで、配光効率を高めることができる。また、本体110の成形時におけるアンダーカットを回避して、容易に製造することも可能となる。
また、図8(a)に示すように、本体110における上端側では、開口部111aの上端の段差が遮光部111cとなり、各LED121からの直接光のうち表示パネル101の背面の上側部分に入射する一部を遮ることになる。これにより、表示パネル101の背面のうちLED121に近い上側部分が、局所的に明るくなり過ぎることを回避することができる。その他、反射面114を、金属の蒸着により鏡面加工すれば、一般的な白色塗料の場合に比べて、反射効率を高めることができ、いっそう容易に配光制御を行うことができる。
図20に示すように、表示パネル101では、その背面に表記情報である文字を直接印刷している。これにより、図29に示すように、従来は表示パネル5と別部品であった印刷シート5aが不要となり、表示器100の部品点数や組付工数が削減される。また、表示パネル101自体に印刷した文字は、印刷シート5aの場合のように位置ずれする虞もない。本実施の形態では、LED基板120からの直接光ないし光反射面部113からの反射光が表示パネル101の背面より入射すると、遮光性インク105が塗られた画線部では光の透過が遮られ、文字部分のみが光って表示することができる。
表示パネル101の背面には、遮光性インク105の下層に重なり画線部と非画線部との境界をなぞる下地として、中性色インク104も塗られている。これにより、LED121の消灯時には、画線部(遮光性インク105)と非画線部(表示パネル101の地色)との境界における両者のコントラスト比が、この境界を覆う中性色インク104によって小さく抑えられる。従って、画線部と非画線部の境界線が目立たなくなり、表示パネル101の表面から文字が見え難く、誤認知を防ぐことができる。
また、表示パネル101の背面には、遮光性インク105の上層に重なり文字部分を越えない範囲で、LED121からの光を反射させる光反射性インク106が塗られている。これにより、LED121の点灯時に、表示パネル101の背面で光を透過させる文字部分(非画線部)以外の他の部分(画線部)では、LED121からの光は背面側へ反射され、この反射光が光反射面部113により反射されて、再び表示パネル101の背面に入射するので、LED121からの光を無駄なく使用することができる。
さらに、表示パネル101の背面には、画線部および非画線部を含む表示領域の全域で、光反射性インク106の上に重ねて、LED121からの光を拡散させる光拡散性インク107も塗られている。これにより、表示パネル101の背面における印刷の最上層にて、入射した光がなるべく均等になるように拡散させることができる。また、表示パネル101の表面側から、その奥上方にあるLED基板120が透けて見えることを防ぎ、表示器100の外観品質を向上させることができる。
以上のような表示器100は、図26に示すように、歩行者用信号灯器に付帯する押ボタン箱10に適用される。押ボタン箱10の前面ケース30には開口部31が開設されており、表示器100は、前記開口部31を前面ケース30の裏側から表示パネル101で塞ぐように取り付けられる。表示パネル101に表示する表記情報は、歩行者用信号灯器の作動ないし前記押ボタン箱10の操作に関する文字とすることで、歩行者を支援することができる。
次に、図18,図19に基づき、表示器100の組み立てについて説明する。
表示パネル101は、その背面側から本体110の正面壁部111の内側に嵌め込むように取り付ける。この時、表示パネル101の正面が表側となる状態でのみ、表示パネル101の位置決め片102が本体110の位置決め切欠112aに合致するため、表示パネル101の表裏が逆向きになることを防ぐことができる。
LED基板120を本体110に取り付けるには、LED基板120の前端縁を、基板取付部115の前端側に向けて斜め下方に傾けながら引掛爪111bに係止する。そして、LED基板120の前端縁を支点として後端縁を下方へ水平になるまで押し込む。すると、LED基板120の後端縁にある切欠溝123に対して、基板取付部115の後端側にある係止爪115bが噛み合ってスナップフィットにより係合し、LED基板120は基板取付部115に固定される。なお、LED基板120を外す時は、係止爪115bを内側から押して切欠溝123から離脱させれば良い。
続いて、パッキン130を、表示パネル101の正面側から装着する。パッキン130は、表示パネル101の正面から被さるカバー状であり、予め表示パネル101および本体110の正面壁部111の周囲に被せた状態に仮止めすることができる。特に、パッキン130のフランジ132の角隅にはストッパ片132aがあり、各ストッパ片132aが表示パネル101を収めた本体110の角隅に背面側より被さる。よって、パッキン130が表示パネル101から容易に離脱することはない。
このように、組み立てが完了した表示器100は、図18に示すように、押ボタン箱10の前面ケース30にある開口部31に対して、前面ケース30の裏側から表示パネル101を合致させる。この時、パッキン130、表示パネル101、それに本体110の両側端にある溝部133,103,116は、前面ケース30にあるネジ止め用のボス32に嵌合する。かかる状態で、表示器100の両側端をネジ5で固定する。
なお、押ボタン箱10の内部には、図示省略したが制御基板も収納されており、この制御基板に格納された所定プログラムに従って、表示器100の表示を含む押ボタン箱10の各種機能は制御される。表示器100は、例えば交通信号制御機から送出される表示駆動信号により点灯するように制御されるが、歩行者用信号灯器の作動に関する各種情報を表示可能に構成しても良い。
図26,図27に示すように、押ボタン箱10の前面ケース30には、上下に2つの開口部31が設けられており、表示器100は、上側の開口部31に対して固定されている。下側の開口部31は、図26に示したように、表示板35によって塞がれている。ただし、図27に示したように、下側の開口部31にも、もう一つの表示器100を取り付けるように構成しても良い。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述したような実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、表示器100は、押ボタン箱10に限定されることなく、他の様々に分野において活用することができる。また、光反射面部113の反射面114に含まれる反射領域114a〜114dの具体的な断面形状は、図示したものに限定されることはない。
本発明に係る表示器は、歩行者用信号灯器に付設される押ボタン箱の他にも、様々な分野で幅広く利用することができる。
10…押ボタン箱
11…筐体
20…ベース本体
30…前面ケース
31…開口部
100…表示器
101…表示パネル
110…本体
111…正面壁部
112…フランジ
113…光反射面部
114…反射面
114a…下段反射領域
114b…上段反射領域
114c…上端反射領域
114d…横断反射領域
115…基板取付部
120…LED基板
121…LED
130…パッキン

Claims (5)

  1. 光源からの光を受けて発光し各種情報を表示する表示パネルと、該表示パネルを保持すると共に前記光源を取り付ける本体と、を備えた表示器において、
    前記光源である複数の発光素子は、前記表示パネルの上辺の背面側に沿って互いに間隔をあけて配列し、それぞれ下方へ光を照射する向きで前記本体に取り付けられ、
    前記本体には、前記各発光素子から照射された直接光を前記表示パネルの背面側へ拡散反射する光反射面部が設けられ、
    前記光反射面部は、前記各発光素子からの直接光を受けて配光制御する反射面を有し、
    前記反射面には、前記表示パネルの垂直方向の配光制御に関して、前記各発光素子からの直接光の一部を、前記表示パネルの背面のうち表示領域の下側部分に集光して反射する反射領域が設けられ、前記表示パネルの水平方向の配光制御に関して、前記各発光素子からの直接光の一部を、前記表示パネルの背面のうち各発光素子の間に集光して反射する反射領域が、各発光素子ごとに対応して設けられたことを特徴とする表示器。
  2. 前記反射面は、前記本体の上端の背面側で前記発光素子の後方より前記本体の下端の背面側に向かって連なる放物線の垂直断面形状であり、その上側部分は、前記放物線の途中より後方へ屈曲した別の曲線ないし直線の垂直断面形状であることを特徴とする請求項1に記載の表示器。
  3. 前記本体における上端側に、前記各発光素子からの直接光のうち前記表示パネルの背面の上側部分に入射する一部を遮るための遮光部が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の表示器。
  4. 前記反射面は、金属の蒸着により鏡面加工されていることを特徴とする請求項1,2または3に記載の表示器。
  5. 前記表示器は、歩行者用信号灯器に付帯する押ボタン箱に備えられ、
    前記本体は、保持した前記表示パネルが、前記押ボタン箱の前面部に開設された開口部に内側から合致した状態で前面部の裏側に固定され、
    前記表示パネルに表示する各種情報は、前記歩行者用信号灯器の作動ないし前記押ボタン箱の操作に関する文字であることを特徴とする請求項1,2,3またはに記載の表示器。
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