JP6014407B2 - 歩行者用押ボタン箱および歩行者用押ボタン箱用表示器 - Google Patents
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Description
押ボタン付信号機の交通信号制御器には、歩行者用押ボタン箱が接続されている。歩行者用押ボタン箱には歩行者が操作する押しボタンが設けられており、この押しボタンを操作すると、交通信号制御器は、押ボタン付信号機の点灯色を変更するように制御する。例えば、押ボタンが操作されるまでは、常時、青色が点灯した状態を維持し、押ボタンが操作されると、一定期間経過後に、青色点灯から赤色点灯に切り替わるように、交通信号制御器は車両用信号機の点灯色を制御する。
かかる問題を防ぐために、歩行者用押ボタン箱には、その正面の上部を囲むように庇状の部分が形成されている。これは、庇状の部分の影が表示部にかかれば、表示部の文字が見やすくなるし、表示部の文字が透けて見えることを防止できる、という効果を狙ったものである。
この正面板は、下端を支点として上端を下方に揺動させることができるように、その下端と本体の下端との間がリンク機構等によって連結されている。このため、正面板の上端を下方に揺動させれば、本体の開口を開くことができる。
そして、従来の歩行者用押ボタン箱では、本体の開口を開いた状態で、交通信号制御器に接続されている配線を内部の電子機器などに接続したり、内部の電子機器などのメンテナンスを行ったりしている。
庇状の部分の長さを長くすれば上記問題を解消できるものの、歩行者用押ボタン箱が大型化してしまう。歩行者用押ボタン箱が大型化すると、歩道を通行する歩行者や自転車等が歩行者用押ボタン箱と接触する危険性が高くなるので、歩行者用押ボタン箱は極力薄型が望ましい。しかし、従来の歩行者用押ボタン箱では、箱本体を小型化できないので、庇状の部分の突出量を10mm以上にすることは実際上難しい。
以上のような事情もあり、従来の歩行者用押ボタン箱では、日中等における表示部の文字が見えにくかったり文字が透けて見えたりするという問題を解消することは難しい。
一方、本体内部の端子台に外部の交通信号制御器からの配線(外部配線)を接続する場合、外部配線を本体下方または背面から本体内部に導入して端子台に接続される。この際、本体の開口を開いて作業を行うが、本体の開口を開いた状態とすると、内部配線が本体の開口を覆うように配置されるので、この内部配線の背後を通して外部配線を端子台に接続しなければならない。また、メンテナンスを行う場合でも、外部配線と内部配線とが重なった状態で作業を行わなければならなくなる。
したがって、従来の歩行者用押ボタン箱では、歩行者用押ボタン箱を設置する作業や内部の電子機器などのメンテナンスが非常にやりにくいという問題がある。
また、本発明は、歩行者用押ボタン箱の表示部に適した色弱の方に優しい歩行者用押ボタン箱用表示器を提供することを目的とする。
第2発明の歩行者用押ボタン箱は、第1発明において、外部機器および/または前記表示部と配線によって連結される端子台が、前記本体部の内部上方に配設されており、前記表示部は、エッジライト方式を採用した表示器を備えていることを特徴とする。
第3発明の歩行者用押ボタン箱は、第2発明において、前記正面カバーの正面上部を囲むように、庇部が設けられており、該庇部は、前記正面カバーの正面からの突出量が15mm以上となるように形成されていることを特徴とする。
第4発明の歩行者用押ボタン箱は、第1、第2または第3発明において、前記移動プレートは、前記固定プレートに対して前記連結軸の軸方向に沿って移動させると、前記固定プレートに対して着脱可能となるように設けられており、前記正面カバーが前記本体部に対して下方に揺動した状態において、前記固定プレートに対して前記移動プレートが前記連結軸の軸方向に沿って移動することを規制する軸方向移動規制機構が設けられていることを特徴とする。
第5発明の歩行者用押ボタン箱は、第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記本体部は前記正面カバーが揺動可能に連結される上部プレートと、該上部プレートを挟むように設けられた一対の側壁と、を有する正面が開口した中空な箱型の部材であり、前記正面カバーは、前記本体部に揺動可能に連結される上部プレートと、該上部プレートを挟むように設けられた一対の側壁と、を有する背面が開口した中空な箱型の部材であり、該正面カバーは、前記上部プレートおよび前記一対の側壁の後端によって囲まれた背面の開口から前記本体部をその内部に収容しうる大きさに形成されており、前記本体部の一対の側壁の外面には、前記本体部の正面を向きかつ該本体部の上下方向に沿って延びた側方連結面を有する段差が形成されており、前記正面カバーの一対の側壁の内面には、前記正面カバーの背面を向きかつ該正面カバーの上下方向に沿って延びた側方連結面を有する段差が形成されており、前記正面カバーの側方連結面および前記本体部の側方連結面は、前記本体部の開口を覆うように前記正面カバーが配置された状態において、両者が互いに対向する位置に形成されていることを特徴とする。
第6発明の歩行者用押ボタン箱は、第5発明において、前記本体部の上部プレートの外面には、前記本体部の正面を向きかつ該本体部の一対の側壁間を繋ぐように形成された上方連結面を有する段差が形成されており、前記正面カバーの上部プレートの内面には、前記正面カバーの背面を向きかつ該正面カバーの一対の側壁間を繋ぐように形成された上方連結面を有する段差が形成されており、前記正面カバーの上部連結面および前記本体部の上方連結面は、前記本体部の開口を覆うように前記正面カバーが配置された状態において、両者が互いに対向する位置に形成されており、前記本体部の上方連結面は前記本体部の側方連結面と連続し、前記正面カバーの上部連結面は前記正面カバーの側方連結面と連続するように設けられていることを特徴とする。
第7発明の歩行者用押ボタン箱は、第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記本体部は、該本体部の開口を覆うように前記正面カバーが配置された状態において、該本体部の下端部の先端面と、前記正面カバーの背面との間に隙間が形成されるように形成されていることを特徴とする。
第8発明の歩行者用押ボタン箱は、第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記表示部が、光によって情報を表示する表示器であって、情報が描かれた情報表示部と、該情報表示部の情報を隠蔽するカバー部と、からなる情報提示部と、該情報提示部の背面から光を供給する光源部と、を備えており、該光源部が、エッジライト方式を採用した光源であることを特徴とする。
第9発明の歩行者用押ボタン箱は、第8発明において、前記表示器は、前記光源部からの光で前記情報表示部に表示される情報が、色弱の方でも視認できる色となるように調整されていることを特徴とする。
第2発明によれば、端子台が本体部の内部上方に配設されているので、本体部が開口した状態において、その下部に形成される空間を大きくすることができる。また、表示部としてエッジライト方式を採用した表示器を使用しているので、表示器の厚さを薄くすることができる。このため、端子台および表示器を、両者が重なるような位置に配置した場合でも、両者を収容するために必要な空間を狭くすることができる。すると、歩行者用押ボタン箱自体の厚さも薄くすることができる。
第3発明によれば、庇状の部分の影によって表示部を覆うことができる領域が大きくなるので、表示部の文字が見やすくなるし、表示部の文字が透けて見えることを防止しやすくなる。しかも、歩行者用押ボタン箱自体の厚さが薄いので、庇部の突出量が長くなっても、歩行者用押ボタン箱の大きさを小さくすることができる。
第4発明によれば、正面カバーを上方に揺動させれば、移動プレートを固定プレートから取り外すことができる。すると、正面カバーを本体部から取り外すことができるので、作業性を向上することができる。しかも、正面カバーを下方に揺動した状態、つまり、本体部の開口を閉じた状態では、軸方向移動規制機構によって、固定プレートに対する移動プレートの移動が規制される。したがって、本体部の開口を閉じた状態では、本体部から正面カバーが外れることを防ぐことができる。
第5発明によれば、本体部の一対の側壁外面と正面カバーの一対の側壁内面との間を通って水が流れる際の、外部から歩行者用押ボタン箱の内部までの径路を長くすることができる。しかも、径路が、断面視で略クランク状になるので、正面カバーの側方連結面の位置で、本体部の側壁外面に沿った水の流れを遮ることができる。したがって、正面カバーの側壁の内面と本体部の側壁の外面との間の隙間に侵入した水が、正面カバーの側方連結面より内方に侵入することを防止できる。しかも、正面カバーの側方連結面は上下方向に沿うように配置されるので、正面カバーの側方連結面まで到達した水を正面カバーの側方連結面に沿って下方に流して外部に排出することができる。つまり、正面カバーの側壁の内面と本体部の側壁の外面との間に侵入した水が歩行者用押ボタン箱内に侵入することを防ぎつつ、水を外部に効果的に排出することができる。
第6発明によれば、本体部の上部プレートの外面と正面カバーの上部プレートの内面との間を通って水が流れる際の、外部から歩行者用押ボタン箱の内部までの径路を長くすることができる。しかも、径路が、断面視で略クランク状になるので、正面カバーの上部連結面の位置で、本体部の上部プレートの外面に沿った水の流れを遮ることができる。正面カバーの上部プレートの内面と本体部の上部プレートの外面との間の隙間に侵入した水が、歩行者用押ボタン箱内に侵入することに侵入することを防止できる。しかも、正面カバーの上部連結面まで到達した水を、正面カバーの上部連結面に沿って移動させて、正面カバーの側方連結面の位置まで導くことができる。したがって、正面カバーの側方連結面に沿って水を外部に排出することができる。つまり、正面カバーの上部プレートの内面と本体部の上部プレートの外面との間に侵入した水が歩行者用押ボタン箱内に侵入することを防ぎつつ、水を外部に効果的に排出することができる。
第7発明によれば、本体部の下端部の先端面と正面カバーの背面との間に形成された隙間から、歩行者用押ボタン箱内に侵入した水を排出することができる。すると、水抜き穴を形成する手間が省けるので、本体部等の加工工数を少なくできる。しかも、形成される隙間を調整すれば、隙間の幅を通常の水抜き穴の直径よりも短くしても、開口面積を水抜き穴を設けた場合と同等以上にすることも可能となる。したがって、歩行者用押ボタン箱からの排水性を維持または向上しつつ、歩行者用押ボタン箱内に外部から虫や水などが侵入しにくくすることができる。
第8発明によれば、光源部がエッジライト方式を採用した光源であるので、表示器を薄い板状に形成することができる。すると、既存の歩行者用押ボタン箱に取り付けられている表示器と取り替えても、歩行者用押ボタン箱内に確実に収めることができる。
第9発明によれば、光源部からの光で情報提示部に表示される情報が、色弱の方でも視認できるように調整されているので、既存の歩行者用押ボタン箱の表示部と交換すれば、既存の歩行者用押ボタン箱を、簡単に色弱の方に対応した歩行者用押ボタン箱とすることができる。
本実施形態の歩行者用押ボタン箱1は、車両用信号機の信号柱Pに取り付けて使用されるものである。この本実施形態の歩行者用押ボタン箱1は、配線LWによって、車両用信号機の作動を制御する交通信号制御器に電気的に接続されている。そして、歩行者用押ボタン箱1に設けられている押ボタン3が歩行者等によって押されると、交通信号制御器によって車両用信号機の点灯色を切り替える制御が行われるように構成されている。
つまり、本実施形態の歩行者用押ボタン箱1は、押ボタン式信号機を操作するための操作用押ボタンが設けられている箱である。
以下、本実施形態の歩行者用押ボタン箱1(以下、単に歩行者用押ボタン箱1という)の構成を説明するが、歩行者用押ボタン箱1を構成する各部の構造を説明する前に、歩行者用押ボタン箱1が有する一般的な構成を簡単に説明する。
なお、案内表示4は上記の構造に限られず、情報を表示する種々の方法を採用することができる。例えば、表示部30と同様に、光源からの光によって文字および/または図柄など情報を表示する表示器を設けて案内表示4を構成してもよいし、情報が印刷等された金属プレート等を本体部10の表面に貼り付けて案内表示4としてもよい。
また、図示しないが、歩行者用押ボタン箱1の側面に反射板などを貼り付けてもよい。すると、自動車のヘッドライト等が当たれは反射板が光るので、夜間でも、歩行者が歩行者用押ボタン箱1を認識しやすくなる。また、自動車の運転手も、反射板が光ることによって、信号柱Pの存在や歩行者が横断する可能性があることを把握しやすくなる。
さらに、歩行者用押ボタン箱1を夜間に認識しやすくするのであれば、歩行者用押ボタン箱1の塗料として、蓄光塗料を使用することも有効である。
つぎに、歩行者用押ボタン箱1の構造について詳細に説明する。
まず、図2〜図6、図8に示すように、歩行者用押ボタン箱1は、本体部10と正面カバー20とを備えている。
なお、図5および図6では、構造をわかりやすくするために、配線LWおよび配線CWは記載を割愛している。
本体部10は、正面に開口を有する略箱状の部材である。この本体部10は、背面プレート11と、この背面プレート11の左右に設けられた一対の側壁12,12と、背面プレート11の上端に設けられた上部プレート13と、背面プレート11の下端に設けられた下部プレート14と、を備えている。そして、背面プレート11の前面側に、一対の側壁12,12、上部プレート13および下部プレート14によって囲まれた収容空間10hが形成されている(図8(A)参照)。
正面カバー20は、背面に開口を有する略箱状の部材である。この正面カバー20は、正面プレート21と、その左右に設けられた一対の側壁22,22と、正面プレート21の上端に設けられた上部プレート23と、を備えている。そして、背面プレート11の背面側には、一対の側壁22,22、上部プレート23によって囲まれた収容空間20hが形成されている(図8(B)参照)。
一方、正面カバー20の上部プレート23の内面には、その先端縁を切り取るように凹み部23gが設けられている。この凹み部23gは、正面カバー20の左右方向の中央部に設けられている。
そして、各凹み部13g,23gには、丁番5の一対のプレート5a,5bがそれぞれ取り付けられている。
かかる丁番5を設けた場合には、正面カバー20全体が本体部10よりも上方に位置するまで、正面カバー20を上方に揺動させる(図6(A)、図7(A))。
すると、その状態から正面カバー20が下方に揺動しても、正面カバー20の側壁12が本体部10の上部プレート13の上面に載った状態となる(図6(B))。
また、本体部10の上部プレート13と正面カバー20の一方の側壁22(図2、図3、図6(B)では右側の側壁22)が特許請求の範囲にいう揺動規制機構を構成している。
さらに、本体部10の側壁12と正面カバー20の側壁22が特許請求の範囲にいう軸方向移動規制機構を構成している。
通常の使用時には、本体部10と正面カバー20は両者が揺動できないように固定される。両者を固定する方法はとくに限定されず、どのような方法を用いてもよい。
例えば、正面カバー20に貫通孔を設け、正面カバー20を本体部10に被せたときに、本体部10において貫通孔と対応する位置にネジ穴を形成しておく。すると、ボルト等を正面カバー20の貫通孔を通して本体部10のネジ穴に螺合すれば、本体部10と正面カバー20とを固定することができる。
本実施形態の歩行者用押ボタン箱1は屋外に設置されるものである。このため、雨などから内部の電子機器を保護するために、歩行者用押ボタン箱1内に雨水などが侵入しないように、両者の間がシールされていることが好ましい。
このため、この隙間を埋めるように、正面カバー20の一対の側壁22,22の内面および/または本体部10の一対の側壁12,12の外面に棒状や板状のゴムなどのシール部材を設けてもよい。すると、正面カバー20と本体部10との隙間から、雨水などが歩行者用押ボタン箱1内に入りにくくすることができる。
もちろん、正面カバー20の上部プレート23の内面および/または本体部10の上部プレート13の外面にも、両者間に隙間ができないように、棒状や板状のゴムなどのシール部材を設けてもよい。この場合、正面カバー20を本体部10に被せたときに、正面カバー20の自重などによってゴムシール等が押しつぶされる。すると、正面カバー20の上部プレート23の内面と本体部10の上部プレート13の外面との間のシール性を高めることができる。
また、正面カバー20の正面プレート21の背面および/または本体部10の下部プレート14の先端面にも、両者間に隙間ができないように、棒状や板状のゴムなどのシール部材を設けてもよい。すると、正面カバー20を本体部10に被せたときに、両者間で隙間ができないので、歩行者用押ボタン箱1内に雨水などが侵入する可能性を低くすることができる。
つまり、本体部10の一対の側壁12,12の外面に、本体部10の正面を向きかつ本体部10の上下方向に沿って延びた側方連結面12cを有する段差を形成する。言い換えれば、側方連結面12cを本体部10の一対の側壁12,12と交差する側方連結面22cが形成されるように段差を形成する(図2、図3、図8参照)。
一方、正面カバー20の一対の側壁22,22の外面に、正面カバー20の背面を向きかつ正面カバー20の上下方向に沿って延びた側方連結面22cを有する段差を形成する。言い換えれば、側方連結面22cを正面カバー20の一対の側壁22,22と交差する側方連結面22cが形成されるように段差を形成する(図2、図3、図8参照)。
そして、側方連結面22cおよび側方連結面12cは、正面カバー20を本体部10に被せたときに、両者が互いに対向するように形成する。好ましくは、両者が面接触するように形成する。
つまり、本体部10の上部プレート13の外面に、本体部10の正面を向きかつ本体部10の一対の側壁12,12間を繋ぐように形成された上方連結面13cを有する段差を形成する(図5、図8参照)。また、正面カバー20の上部プレート23の内面に、正面カバー20の背面を向きかつ正面カバー20の一対の側壁22,22間を繋ぐように形成された上方連結面23cを有する段差を形成する(図5、図8参照)。
そして、上方連結面23cおよび上方連結面13cは、正面カバー20を本体部10に被せたときに、両者が互いに対向するように形成する。好ましくは、両者がほぼ面接触するように形成する。
図8に示すように、一対の側壁12,12の下部において、連結面12cの近傍にそれぞれ、本体部10内と外部との間を貫通する貫通孔14tを形成しておく。そして、棒状のゴムパッキンgの一端部を前述した一方の貫通孔14tから本体部10内に入れた状態で、棒状のゴムを引っ張りながら、連結面12cおよび連結面13cに沿って棒状のゴムパッキンgを配置する。つまり、棒状のゴムパッキンgが連結面12cおよび連結面13cと接触した状態となるように、連結面12cおよび連結面13cに沿って棒状のゴムパッキンgを配置する。そして、棒状のゴムパッキンgの他端部を他方の貫通孔から本体部10内に入れた状態で、棒状のゴムパッキンgの両端部を、圧着スリーブで連結したりくくったりすれば、棒状のゴムパッキンgを本体部10の所定の位置に配置して取り付けることができる(図2〜図5参照)。
なお、棒状のゴムパッキンgは、その両端部を連結しなくてもよく、その端部が貫通孔14tから抜けないようになっていればよい。例えば、棒状のゴムパッキンgの一端部を一方の貫通孔14t内に入れた状態でこの一端部において本体部10の内部にある部分に結び目などの抜け防止構造を設け、同様に、棒状のゴムパッキンgの他端部にも他方の貫通孔14tから本体部10内に入れた状態でこの他端部において本体部10の内部にある部分に結び目などの抜け防止構造を設ける。すると、棒状のゴムパッキンgの両端部が貫通孔14tから抜けないので、本体部10の所定の位置に配置して取り付けることができる。
また、棒状のゴムパッキンgを取り付ける方法はとくに限定されず、棒状のゴムパッキンgを連結面12cおよび連結面13cに接着して固定してもよい。棒状のゴムパッキンg以外のシール部材(例えば、ゴム板等)も、連結面12cおよび連結面13cに接着すれば、簡単に連結面12cおよび連結面13cに固定することができる。
歩行者用押ボタン箱1において、端子台Tを設ける位置はとくに限定されないが、図2に示すように、端子台Tは本体部10の上部に設けることが好ましい。交通信号制御器から延びた配線LWは、通常、歩行者用押ボタン箱1の底(上記構成では本体部10の下部プレート14)に形成された孔から歩行者用押ボタン箱1内部に導入される。このため、端子台Tは本体部10の上部に設けられていれば、配線LWを端子台Tに接続する作業が行い易くなる。とくに、歩行者用押ボタン箱1では、正面カバー20が上方に揺動して開口する。このため、端子台Tが本体部10の上部に設けられていれば、本体部10の開口を開けたときに、押ボタン3や表示部30から延びた導線CWが本体部10の下部を覆わない。したがって、より一層、配線LWを端子台Tに接続する作業が行い易くなる。
また、歩行者用押ボタン箱1内に水が入った場合などにおいて、端子台Tに水がかかったりすることを防ぐことができるので、漏電等の問題も生じにくくなる。
また、本実施形態の歩行者用押ボタン箱1では、事前に孔を設けずに、現場において作業者が形成するようにすることができる。通常、歩行者用押ボタン箱では、箱の底部に、配線LWを通す孔が事前に形成されている。このため、現場の状況によっては、配線LWを孔に通しにくかったり、配線LWの取り回しがやりにくかったりする場合がある。
しかし、本実施形態の歩行者用押ボタン箱1では、事前に孔を設けていないので、現場での設置状況に応じて、作業者が適切な位置に配線LWを通す孔を形成することができる。しかも、歩行者用押ボタン箱1では、端子台Tは本体部10の上部に設けられており、本体部10の開口を開けたときに導線CWが本体部10の下部に位置しない。したがって、下部プレート14に孔を形成する作業において、端子台Tや配線などを損傷する可能性が低くなるので、孔を形成する作業も容易になる。
また、正面カバー20には、その上部には表示部30が設けられている。具体的には、正面カバー20の正面プレート21には、その上部に窓21wが設けられており、この窓21wを塞ぐように、正面プレート21の背面には表示部30の表示器31が取り付けられている。このため、端子台Tは本体部10の上部に設けると、端子台Tと表示器31が接近し、両者が重なりあうように配置される可能性がある。すると、両者が接触したりしないように、正面カバー20の正面プレート21の背面と本体部10の背面プレート11の正面との距離を取らなければならなくなる。この距離が大きくなると、歩行者用押ボタン箱1の奥行き(つまり厚さ)を大きく取らなければならなくなる。
すると、正面カバー20の正面プレート21の背面と本体部10の背面プレート11の正面との距離D3(図5(B)参照)をそれほど大きくしなくても、端子台Tと表示器31の接触を防ぐことができるから、歩行者用押ボタン箱1を薄くすることができる。
例えば、正面カバー20の正面プレート21の背面と本体部10の背面プレート11の正面との距離が30〜40mm程度であっても、端子台Tと表示器31の接触しない状態とすることができる。
そして、歩行者用押ボタン箱1には、通常、正面カバー20の正面プレート21の上部または全周を囲うように庇部25を設けている。上述したように、歩行者用押ボタン箱1を薄くできれば、この庇部25の長さ、つまり、庇部25の先端が正面カバー21の正面からの突出している量(突出量)を大きくすることができる。突出量が大きくなれば庇状25によって正面カバー21に影が形成される領域を大きくできるので、その影によって表示部30を覆うことができる。すると、表示部30の文字が見やすくなるし、表示部30の文字が透けて見えることを防止できる。
なお、庇部25の突出量の上限はとくに限定されない。しかし、庇部25の突出量があまり長くなると、庇部25を除いた歩行者用押ボタン箱1の厚さを薄くできても、歩行者用押ボタン箱1全体の厚さが厚くなってしまう。このため、庇部25の突出量は、50mm程度までが現実的である。
したがって、庇部25の突出量は、15mm以上であればよく、20mm〜50mm、好ましくは30mm〜50mmとすること可能であるが、表示部30の文字の見えやすさ等と薄さとを両立する上では、30mm〜40mm程度が好ましい。
キノコ型の押ボタン3は正面カバー20の正面プレート21からの突出量が大きくなるので、庇部の突出量が小さい場合、通行人などが誤って押ボタン3に触れてしまう可能性が高くなるという問題がある。このため、従来の歩行者用押ボタン箱の押ボタンとして採用できなかった。
しかし、庇部25を上述したような突出量とすれば、キノコ型の押ボタンでも、庇部25よりも突出している量を少なくできるので(図4(B)参照)、上記のごとき問題を防ぐことができる。
しかも、通常使用されている平型では、ボタンを指で押し込まなければならないため、お年寄りや子供、手の不自由な方は、ボタンを押しにくい。しかし、キノコ型の押ボタンであれば、押ボタン3を叩くようにしてもボタンを押すことができる。すると、お年寄りや子供、手の不自由な方でも、ボタンを押しやすくなるという利点も得られる。
また、庇部25の突出量は、庇部25の全体で同じ突出量としてもよいし、位置によって突出量を変化させてもよい。例えば、図5に示すように、正面カバー20の側端縁に設けられている庇部25を、上端から下端に向けて庇部25の突出量が短くなるようにしてもよい。
表示部30には、上述したようにエッジライト方式を採用した光源35を有する表示器31を備えている。以下、表示器31の構造を説明する。
例えば、所定の色の塗料など使用して、カバー部32bの背面に所定の文字や図柄などの情報(図9であれば「おまちください」の文字)を印刷して、情報表示部32cを形成することができる。
また、遮光プレートなどに、所定の文字や図柄の形状を有する貫通孔を形成して、情報表示部32cとすることも可能である。
この拡散板37には、その表裏を貫通する一対の長孔37h,37hが形成されている。この一対の長孔37h,37hは、その軸方向が拡散板37の長手方向に沿うように形成されている。しかも、拡散板37を基板36の表面に重ねると、一対のLED素子列がそれぞれ一対の長孔37h,37h内に収容されるように、一対の長孔37h,37hは形成されている。
つまり、LED素子36aが放出した光が、一対の長孔37h,37hの内面から拡散板37内に入り、拡散板37内で散乱した散乱光が拡散板37の表面から放出される。すると、この散乱光は、情報表示部32cを光らせる、または、情報表示部32cの貫通孔の部分だけを通過するので、情報表示部32cの情報はカバー部32bを通しても視認することができるのである。
また、光源部35の発光体としてLED素子を使用した場合を説明したが、発光体はLED素子に限られず、他の公知の発光素子を使用することも可能である。
そして、上述したような表示器31について、表示器31を歩行者用押ボタン箱に取り付けるための孔ピッチPTなどを調整すれば、既設の歩行者用押ボタン箱の表示器と上記の表示器31とを交換することも可能となる。
すると、既設の表示器を上述したような表示器31に交換するだけで、既存の歩行者用押ボタン箱を、簡単に色弱の方に対応した歩行者用押ボタン箱とすることができる。しかも、表示器31が薄い板状であるので、既設の表示器と交換しても、歩行者用押ボタン箱内の他の機器との干渉を少なくできる。したがって、表示器31を歩行者用押ボタン箱内に確実に収めることができる。
3 押ボタン
5 丁番
10 本体部
20 正面カバー
25 庇部
30 表示部
31 表示器
32 情報提示部
35 光源部
Claims (9)
- 情報を表示する表示部を備えた歩行者用押ボタン箱であって、
正面が開口した本体部と、
該本体部の開口を覆うように設けられた正面カバーと、を備えており、
該正面カバーは、
その上端を支点として、その下端が上下に揺動可能に設けられており、
前記正面カバーは、
前記本体部と丁番によって連結されており、
該丁番は、
前記本体部に固定された固定プレートと、
前記正面カバーに固定された移動プレートと、
該移動プレートと前記固定プレートとを揺動可能に連結する連結軸と、を備えており、
前記移動プレートは、
前記固定プレートに対して、前記連結軸の軸方向に沿って接近離間可能となるように該連結軸を介して連結されており、
前記正面カバーを前記本体部に対して上方まで揺動させかつ前記移動プレートを前記固定プレートに対して離間させた場合において、前記正面カバーの下方への揺動を規制する揺動規制機構が設けられている
ことを特徴とする歩行者用押ボタン箱。 - 外部機器および/または前記表示部と配線によって連結される端子台が、前記本体部の内部上方に配設されており、
前記表示部は、
エッジライト方式を採用した表示器を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の歩行者用押ボタン箱。 - 前記正面カバーの正面上部を囲むように、庇部が設けられており、
該庇部は、
前記正面カバーの正面からの突出量が15mm以上となるように形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の歩行者用押ボタン箱。 - 前記移動プレートは、
前記固定プレートに対して前記連結軸の軸方向に沿って移動させると、前記固定プレートに対して着脱可能となるように設けられており、
前記正面カバーが前記本体部に対して下方に揺動した状態において、前記固定プレートに対して前記移動プレートが前記連結軸の軸方向に沿って移動することを規制する軸方向移動規制機構が設けられている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の歩行者用押ボタン箱。 - 前記本体部は
前記正面カバーが揺動可能に連結される上部プレートと、該上部プレートを挟むように設けられた一対の側壁と、を有する正面が開口した中空な箱型の部材であり、
前記正面カバーは、
前記本体部に揺動可能に連結される上部プレートと、該上部プレートを挟むように設けられた一対の側壁と、を有する背面が開口した中空な箱型の部材であり、
該正面カバーは、
前記上部プレートおよび前記一対の側壁の後端によって囲まれた背面の開口から前記本体部をその内部に収容しうる大きさに形成されており、
前記本体部の一対の側壁の外面には、前記本体部の正面を向きかつ該本体部の上下方向に沿って延びた側方連結面を有する段差が形成されており、
前記正面カバーの一対の側壁の内面には、前記正面カバーの背面を向きかつ該正面カバーの上下方向に沿って延びた側方連結面を有する段差が形成されており、
前記正面カバーの側方連結面および前記本体部の側方連結面は、
前記本体部の開口を覆うように前記正面カバーが配置された状態において、両者が互いに対向する位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の歩行者用押ボタン箱。 - 前記本体部の上部プレートの外面には、前記本体部の正面を向きかつ該本体部の一対の側壁間を繋ぐように形成された上方連結面を有する段差が形成されており、
前記正面カバーの上部プレートの内面には、前記正面カバーの背面を向きかつ該正面カバーの一対の側壁間を繋ぐように形成された上方連結面を有する段差が形成されており、
前記正面カバーの上部連結面および前記本体部の上方連結面は、
前記本体部の開口を覆うように前記正面カバーが配置された状態において、両者が互いに対向する位置に形成されており、
前記本体部の上方連結面は前記本体部の側方連結面と連続し、
前記正面カバーの上部連結面は前記正面カバーの側方連結面と連続するように設けられている
ことを特徴とする請求項5記載の歩行者用押ボタン箱。 - 前記本体部は、
該本体部の開口を覆うように前記正面カバーが配置された状態において、該本体部の下端部の先端面と、前記正面カバーの背面との間に隙間が形成されるように形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の歩行者用押ボタン箱。 - 前記表示部が、
光によって情報を表示する表示器であって、
情報が描かれた情報表示部と、該情報表示部の情報を隠蔽するカバー部と、からなる情報提示部と、
該情報提示部の背面から光を供給する光源部と、を備えており、
該光源部が、
エッジライト方式を採用した光源である
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の歩行者用押ボタン箱。 - 前記表示器は、
前記光源部からの光で前記情報表示部に表示される情報が、色弱の方でも視認できる色となるように調整されている
ことを特徴とする請求項8記載の歩行者用押ボタン箱。
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