JP6854690B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動軸と従動軸との間に設けられるクラッチ装置に関する。
従来、自動車等の車両に搭載されるパワーウィンド装置等の駆動源には、小型でありながら大きな出力が得られる減速機構付モータが用いられる。減速機構付モータでは、比較的大きな減速比が得られるウォーム減速機を用い、これにより出力軸に大きな負荷、例えば窓を無理にこじ開けるような負荷が掛かったとしても、出力軸は簡単には回転されることが無い。言い換えれば、ウォーム減速機は、防犯上有用な「ブレーキ力」を発生する。なお、より大きな負荷に耐えられるようにするには、より大きな減速比のウォーム減速機を採用すれば良い。
しかしながら、単にウォーム減速機の減速比を大きくしたのでは、防犯上では優れるものの、効率の悪い減速機構付きモータとなる。すなわち、減速比が大きいために、その分、窓を開閉する時間が長くなってしまう。そこで、モータの回転数を上げることも考えられるが、騒音の発生や消費電力の増大を招くことになる。よって、減速機構付きモータの効率を悪化させること無く、より大きな負荷に耐えられるようにするのが望ましい。
例えば、特許文献1には、モータおよびウォーム減速機を備えた駆動装置が記載されている。そして、モータの回転軸とウォーム減速機のウォーム軸との間には、クラッチが設けられている。このクラッチは、回転軸が停止状態で、ウォーム軸が回転されると「ロック状態」となり、これにより窓が無理にこじ開けられることが防止される。
国際公開第2000/008350号
特許文献1に記載された駆動装置では、クラッチの「ロック状態」を、ウォーム軸に固定された従動回転体と、ユニットハウジングに固定されたクラッチハウジングとの間で、複数のコロを挟持することで実現している。具体的には、従動回転体により複数のコロが径方向外側に移動されて、クラッチハウジングに対して複数のコロが押し付けられることで、従動回転体とクラッチハウジングとが相対回転不能となり、これにより「ロック状態」となる。
このように、特許文献1に記載された駆動装置では、部品点数が多い上に、長期使用により複数のコロが摩耗するという問題を生じ得る。そして、複数のコロが摩耗した場合には、十分なロック力(ブレーキ力)が得られなくなるという問題が生じ得る。
本発明の目的は、部品点数を削減しつつ、十分なロック力を長期に亘り発揮できるクラッチ装置を提供することにある。
本発明の一態様では、駆動軸と従動軸との間に設けられるクラッチ装置であって、前記駆動軸の端部に固定された第1回転体と、前記従動軸に軸方向に移動自在に設けられた第2回転体と、前記従動軸の端部に固定され、前記第1回転体と前記第2回転体との間に設けられたカム部材と、前記第1回転体および前記第2回転体を回転自在に収容するハウジングと、前記ハウジングに設けられた第1係合部と、前記第2回転体に設けられ、前記第1係合部に係合される第2係合部と、を備え、前記カム部材は、前記従動軸が前記駆動軸に対して回転するとき、前記第1回転体と前記第2回転体とを離間させて、前記第1係合部と前記第2係合部とを係合させ、前記第1回転体および前記第2回転体のそれぞれの対向面に、凹溝がそれぞれ設けられ、前記カム部材がそれぞれの前記凹溝の最深部に配置されているときに、前記第1回転体および前記第2回転体は突き合わせ状態となり、前記第1回転体および前記第2回転体に対する前記カム部材の相対回転により、前記カム部材が前記最深部から移動されて、前記第1回転体と前記第2回転体とが離間される。
本発明の他の態様では、前記凹溝がV字形状に形成され、前記カム部材が円柱形状に形成されている。
本発明の他の態様では、前記駆動軸が、電動モータのアーマチュア軸であり、前記従動軸が、ウォーム減速機のウォーム軸である。
本発明の他の態様では、前記クラッチ装置が、車両に設けられる開閉体を開閉させる減速機構付モータに用いられる。
本発明によれば、カム部材は、従動軸が駆動軸に対して回転するとき、第1回転体と第2回転体とを離間させて、第1係合部と第2係合部とを係合させる。これにより、クラッチ装置が「ロック状態」になる。クラッチ装置の「ロック状態」が、第1係合部と第2係合部との係合により達成されるので、従前のような複数のコロが不要となり、部品点数の削減が図れる。また、従前のような複数のコロの「押し付け(摩擦)」によるロック力では無いので、部品の摩耗等が効果的に抑えられて、ひいては十分なロック力を長期に亘り発揮することができる。
パワーウィンド装置を示す概要図である。 パワーウィンドモータを示す平面図である。 図2のクラッチ装置のA矢視図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 図3のC−C線に沿う断面図である。 クラッチ装置の分解斜視図である。 クラッチ装置の動作説明図(分解状態)である。 クラッチ装置の動作説明図(組立状態)である。
以下、本発明の一実施の形態にについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1はパワーウィンド装置を示す概要図を、図2はパワーウィンドモータを示す平面図を、図3は図2のクラッチ装置のA矢視図を、図4は図3のB−B線に沿う断面図を、図5は図3のC−C線に沿う断面図を、図6はクラッチ装置の分解斜視図をそれぞれ示している。
図1に示されるように、自動車等の車両の側面に設けられるサイドドア10には、ケーブル式のパワーウィンド装置11が搭載されている。パワーウィンド装置11は、サイドドア10のドア枠10aに設けられたウィンドガラス(開閉体)12を電動で昇降させる装置である。パワーウィンド装置11は、パワーウィンドモータ(減速機構付モータ)20と、このパワーウィンドモータ20によって駆動されるウィンドレギュレータ13と、を備えている。
パワーウィンドモータ20は、モータ部(電動モータ)21とギヤ部22とを備え、ギヤ部22には、外周部に駆動ケーブル14が巻き掛けられたドラム23が設けられている。ウィンドレギュレータ13は、サイドドア10の上下方向、つまりウィンドガラス12の昇降方向に延びるガイドレール13aを備え、ガイドレール13aの上下側には、駆動ケーブル14の移動方向を折り返す上側プーリ13bおよび下側プーリ13cがそれぞれ回転自在に取り付けられている。
ガイドレール13aには、ウィンドガラス12の下端部を支持するキャリアプレート13dが摺動自在に設けられている。キャリアプレート13dには、上側プーリ13bおよび下側プーリ13cにより折り返された駆動ケーブル14の一側端部14aおよび他側端部14bが連結されている。
そして、車室内に設けられた操作スイッチ(図示せず)を「開操作(OPEN操作)」することで、パワーウィンドモータ20は正方向に回転駆動され、ドラム23が時計回り方向に回転される。これにより、破線矢印に示されるように、駆動ケーブル14の他側端部14bが引っ張られて、キャリアプレート13dがガイドレール13aに沿って下降される。よって、ウィンドガラス12が破線矢印に示されるように下降して、ウィンドガラス12が開けられる。
一方、操作スイッチを「閉操作(CLOSE操作)」することで、パワーウィンドモータ20は逆方向に回転駆動され、ドラム23が反時計回り方向に回転される。これにより、実線矢印に示されるように、駆動ケーブル14の一側端部14aが引っ張られて、キャリアプレート13dがガイドレール13aに沿って上昇される。よって、ウィンドガラス12が実線矢印に示されるように上昇して、ウィンドガラス12が閉じられる。
図2に示されるように、パワーウィンドモータ20を形成するモータ部21およびギヤ部22は、複数の締結ねじ24(図示では2つのみを示す)によって、互いに接続されている。
モータ部21は、断面が略小判形状(詳細図示せず)に形成された有底のヨーク25を備えている。これにより、パワーウィンドモータ20の全体を扁平形状として、サイドドア10内の幅狭空間(図示せず)への搭載性を向上させている。ヨーク25は、導電性を有する金属板を深絞り成形(プレス成形)して形成され、ヨーク25内には、断面が略円弧形状に形成された一対の永久磁石26が、それぞれ対向配置されている。また、一対の永久磁石26の間には、所定の隙間を介してアーマチュア27が回転自在に設けられている。なお、アーマチュア27には、所定の巻き数および巻き方で、コイル(導線)28が巻装されている。
アーマチュア27の回転中心には、アーマチュア軸(駆動軸)29が固定されている。アーマチュア軸29の軸方向一側(図中右側)は、ヨーク25の底部に設けられた第1軸受30により回転自在に支持されている。一方、アーマチュア軸29の軸方向他側(図中左側)は、ギヤケース34内に固定されたクラッチケース51内にまで延在されている。
アーマチュア軸29の軸方向に沿うクラッチケース51とアーマチュア27との間には、コンミテータ31が一体に設けられている。コンミテータ31は、導電性を有する複数の整流子片(図示せず)を備えており、これらの整流子片にコイル28の端部が電気的に接続されている。これにより、コンミテータ31からコイル28に駆動電流が供給されて、アーマチュア27に電磁力が発生する。よって、アーマチュア軸29が正方向または逆方向に所定の回転数で回転される。
ヨーク25の開口側(図中左側)には、プラスチック等の樹脂材料よりなるブラシホルダ(図示せず)が装着され、当該ブラシホルダには、一対のブラシ32が移動自在に設けられている。一対のブラシ32は、コンミテータ31の外周に摺接されている。なお、一対のブラシ32は、それぞれスプリング33の弾性力により、安定した状態でコンミテータ31に摺接されている。
ギヤ部22は、複数の締結ねじ24によりヨーク25に連結されるギヤケース34を備えている。このギヤケース34は、プラスチック等の樹脂材料により形成され、略バスタブ形状に形成されたウォームホイール収容部35を備えている。そして、ウォームホイール収容部35には、ウォーム減速機SDを形成するウォームホイール36が回転自在に収容されている。なお、ウォームホイール36の外周部分には、ギヤ歯36a(詳細図示せず)が形成され、当該ギヤ歯36aには、ウォーム39が噛み合わされている。
ウォームホイール収容部35の開口部分は、ギヤカバー37により閉塞されている。そして、ギヤカバー37の中心部分からは、ウォームホイール36の回転中心に一体に設けられたセレーション部36bが突出されている。ここで、セレーション部36bには、駆動ケーブル14が巻き掛けられたドラム23(図1参照)が、一体回転可能に装着される。
また、ギヤケース34には、ウォームホイール収容部35に隣接して、ウォーム収容部38が設けられている。このウォーム収容部38は、ギヤケース34の内部で、かつアーマチュア軸29の軸線上に配置されている。そして、ウォーム収容部38内には、ウォーム39が固定されたウォーム軸(従動軸)40が回転自在に収容されている。なお、ウォーム軸40およびアーマチュア軸29は、図2に示されるように、それぞれ同軸上に配置されている。ここで、ウォーム減速機SDは、ウォームホイール36,ウォーム39およびウォーム軸40によって構成されている。
さらに、ギヤケース34には、ウォームホイール収容部35およびウォーム収容部38の双方に隣接して、クラッチ収容部41が設けられている。このクラッチ収容部41は、ギヤケース34のヨーク25寄りの部分に配置され、その内部には、クラッチ装置50が収容されている。
ここで、クラッチ装置50は、アーマチュア軸29の回転力に対して、ウォーム軸40の回転力が上回る場合に「ロック状態(オン状態)」となり、これによりウォーム軸40に掛かる大きな負荷で無理にウォーム軸40が回転されることが阻止される。これに対し、ウォーム軸40の回転力に対してアーマチュア軸29の回転力が上回る場合に「アンロック状態(オフ状態)」となり、アーマチュア軸29およびウォーム軸40が供回りする。つまり、ウィンドガラス12(図1参照)の昇降が可能となる。
このように、パワーウィンドモータ20では、減速機構に、比較的大きな減速比が得られるウォーム減速機SDを採用している。そして、このウォーム減速機SDは、アーマチュア軸29(ウォーム軸40)の回転を所定の速度にまで減速して高トルク化し、この高トルク化された回転力を外部のウィンドレギュレータ13(図1参照)に出力する。これにより、重量が嵩むウィンドガラス12(図1参照)を容易に昇降させることができる。
次に、クラッチ装置50の構造について、図面を用いて詳細に説明する。
図3ないし図6に示されるように、クラッチ装置50は、アーマチュア軸29と、ウォーム軸40との間に設けられている。クラッチ装置50は、有底筒状に形成されたクラッチケース(ハウジング)51を備え、当該クラッチケース51は、筒状本体51aおよび底壁51bを有している。底壁51bの中心部分には、アーマチュア軸29が隙間を持って挿通される貫通孔51cが設けられている。すなわち、クラッチケース51の底壁51b側がアーマチュア軸29側に配置され、クラッチケース51の開口側がウォーム軸40側に配置されている。
底壁51bの外周部分には、一対の固定部51dが一体に設けられている。これらの固定部51dは、底壁51bの周方向に等間隔(180度間隔)で設けられ、アーマチュア軸29(ウォーム軸40)を中心に対向配置されている。一対の固定部51dには、ねじ穴51eがそれぞれ設けられ、これによりクラッチケース51は、一対の固定ねじ(図示せず)によりギヤケース34(図2参照)内に強固に固定される。
筒状本体51aの軸方向に沿う底壁51b側とは反対側の開口部分には、3つの装着凹部51fが設けられている。これらの装着凹部51fは、筒状本体51aの周方向に等間隔(120度間隔)で設けられ、筒状本体51aの径方向内側に配置されている。そして、3つの装着凹部51fには、クラッチケース51の開口側を閉塞するカバー部材52の固定凸部52bがそれぞれ入り込んでいる。つまり、クラッチケース51の開口部分には、カバー部材52が相対回転不能に固定されている。
カバー部材52は、クラッチケース51とともに本発明におけるハウジングを構成し、鉄等の金属材料により環状に形成された環状本体52aを備えている。環状本体52aには、当該環状本体52aから径方向外側に突出された3つの固定凸部52bが設けられている。そして、これらの固定凸部52bは、環状本体52aの周方向に等間隔(120度間隔)で設けられている。
また、3つの固定凸部52bには、カバー部材52をクラッチケース51の開口部分に装着した状態で、クラッチケース51内に向けて所定高さで突出された係合凸部52cが、それぞれ一体に設けられている。すなわち、3つの係合凸部52cは、カバー部材52の軸方向に突出されている。ここで、3つの係合凸部52cは、本発明における第1係合部を構成している。
環状本体52aの径方向内側には、ウォーム軸40を回転自在に支持する第2軸受53が嵌め込まれている。ここで、第2軸受53およびヨーク25の底部に設けられた第1軸受30(図2参照)は、何れも粉末冶金法で製造された多孔質の金属体に潤滑油を含浸させた滑り軸受となっている。また、クラッチケース51内には、筒状の第3軸受54が圧入により固定されている。そして、この第3軸受54においても、第1軸受30および第2軸受53と同様の滑り軸受となっている。
さらに、クラッチケース51内には、鉄等の金属材料によりそれぞれ略円柱形状に形成された第1プレッシャーリング55および第2プレッシャーリング56が回転自在に収容されている。具体的には、第1,第2プレッシャーリング55,56は、クラッチケース51内において、第3軸受54により回転自在に支持されている。よって、第1,第2プレッシャーリング55,56は、クラッチケース51内でスムーズに回転可能となっている。なお、第1プレッシャーリング55は本発明における第1回転体を構成し、第2プレッシャーリング56は本発明における第2回転体を構成している。
第1プレッシャーリング55は、第2プレッシャーリング56の第2突き合わせ面56aに突き合わせられる第1突き合わせ面(対向面)55aを備えている。また、第1プレッシャーリング55の軸方向に沿う第1突き合わせ面55a側とは反対側には、第1底面55bが設けられている。
そして、第1底面55bの中心部分には、アーマチュア軸29の軸方向他側の端部が固定されている。ここで、第1プレッシャーリング55とアーマチュア軸29との固定構造は、所謂「Dカット」の凹凸嵌合構造を採っている。すなわち、第1底面55bには、断面がD字形状の嵌合穴55cが設けられ、当該嵌合穴55cに、アーマチュア軸29の軸方向他側の断面がD字形状に形成された嵌合部29a(図4参照)が嵌合されている。これにより、第1プレッシャーリング55およびアーマチュア軸29は、がたつくこと無く互いに強固に連結され、一体回転可能となっている。
第1突き合わせ面55aには、第1プレッシャーリング55の軸方向と交差する方向に沿う断面形状が略V字形状に形成された第1凹溝(凹溝)55dが設けられている。このV字形状に形成された第1凹溝55dは、第2プレッシャーリング56に向けて開口されている。
第2プレッシャーリング56は、第1プレッシャーリング55の第1突き合わせ面55aに突き合わせられる第2突き合わせ面(対向面)56aを備えている。また、第2プレッシャーリング56の軸方向に沿う第2突き合わせ面56a側とは反対側には、第2底面56bが設けられている。
そして、第2底面56bの中心部分には、ウォーム軸40を移動自在に支持する支持孔56cが設けられている。すなわち、第2プレッシャーリング56は、ウォーム軸40に軸方向に移動自在に設けられている。また、第2底面56bの支持孔56cの周囲には、カバー部材52に設けられた3つの係合凸部52cにそれぞれ係合され得る3つの係合凹部(第2係合部)56dが設けられている。なお、3つの係合凸部52cと3つの係合凹部56dとが互いに係合された状態が、クラッチ装置50の「ロック状態」である。ここで、クラッチ装置50の詳細な動作については、後で説明する。
第2突き合わせ面56aには、第2プレッシャーリング56の軸方向と交差する方向に沿う断面形状が略V字形状に形成された第2凹溝(凹溝)56eが設けられている。このV字形状に形成された第2凹溝56eは、第1プレッシャーリング55に向けて開口されている。
第1プレッシャーリング55と第2プレッシャーリング56とが突き合わされた状態では、第1凹溝55dおよび第2凹溝56eは、断面形状が略菱形となって空間Sを形成している(図5参照)。そして、第1プレッシャーリング55と第2プレッシャーリング56との間に形成された空間Sには、略円柱形状に形成されたカム部材57が内接するようにして収容されている。
カム部材57は、ウォーム軸40の軸方向に沿うウォーム39側とは反対側の端部に固定されている。具体的には、カム部材57の軸方向は、ウォーム軸40の軸方向と交差する方向となっており、ウォーム軸40のカム部材57が設けられた部分は、略T字形状となっている。なお、ウォーム軸40およびカム部材57は、十分な剛性を持たせるために鋼製となっている。
第1プレッシャーリング55と底壁51bとの間、および第2プレッシャーリング56とカバー部材52との間には、所定のばね定数に設定された皿ばね58がそれぞれ設けられている(図4および図5参照)。これらの皿ばね58は、第1プレッシャーリング55を第2プレッシャーリング56に向けて、第2プレッシャーリング56を第1プレッシャーリング55に向けて、それぞれ押圧している。つまり、一対の皿ばね58のばね力は、第1突き合わせ面55aと第2突き合わせ面56aとを、それぞれ突き合わせる方向に作用する。
ここで、クラッチ装置50は、クラッチケース51,カバー部材52,第2軸受53,第3軸受54,第1プレッシャーリング55,第2プレッシャーリング56,カム部材57,皿ばね58によって構成されている。
次に、以上のように形成されたクラッチ装置50の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
図7はクラッチ装置の動作説明図(分解状態)を、図8はクラッチ装置の動作説明図(組立状態)をそれぞれ示している。
なお、図7および図8においては、クラッチ装置50の動作を分かり易くするために、クラッチケース51等の図示を省略している。
[ウィンドガラスの通常の昇降動作(通常時動作)]
操作者により車室内に設けられた操作スイッチ(図示せず)が、「開操作」または「閉操作」されると、パワーウィンドモータ20は正方向または逆方向に回転駆動される。これにより、ウィンドガラス12(図1参照)が昇降される。このとき、パワーウィンドモータ20には、通常の負荷(ウィンドガラス12の荷重)が掛かった状態となっている。したがって、アーマチュア軸29の回転力の方がウォーム軸40の回転力よりも大きい状態となっている。
よって、クラッチケース51内に設けられた一対の皿ばね58のばね力により、第1プレッシャーリング55および第2プレッシャーリング56が互いに突き合わされて、第1突き合わせ面55aと第2突き合わせ面56aとが、それぞれ当接された状態となる。具体的には、図8に示されるように、第1突き合わせ面55aと第2突き合わせ面56aとが突き合わされて、第1凹溝55dおよび第2凹溝56eにより形成された略菱形の空間Sに、カム部材57が内接するようにして嵌まり込んだ状態となっている。言い換えれば、空間S(第1凹溝55dおよび第2凹溝56e)の長手方向とカム部材57の長手方向とが、互いに一致された状態とされ、カム部材57は、第1凹溝55dおよび第2凹溝56eの最深部(最も深い部分)に配置された状態となっている。
これにより、クラッチ装置50は「アンロック状態」とされて、アーマチュア軸29およびウォーム軸40が供回りする。つまり、第1プレッシャーリング55および第2プレッシャーリング56は、クラッチケース51の内部において、カム部材57とともに回転される。よって、ウィンドガラス12が昇降される。
[ウィンドガラスに大きな負荷が掛かった場合の動作(異常時および挟み込み時動作)]
例えば、ウィンドガラス12に、当該ウィンドガラス12を無理にこじ開けようとする大きな負荷が掛かった場合には、ウォーム軸40の回転力の方がアーマチュア軸29の回転力よりも大きい状態となる。これにより、ウォーム軸40がアーマチュア軸29に対して相対回転される。具体的には、アーマチュア軸29に固定された第1プレッシャーリング55に対して、カム部材57が相対回転される。
すると、第1プレッシャーリング55の第1凹溝55dにおける最深部に配置されていたカム部材57(図5および図8に示される状態)が、第1凹溝55dの最深部から登るように移動される。つまり、カム部材57は、第1凹溝55dに対して破線矢印Rに示されるように回転されて、第1凹溝55dの内部から外部に出ようとする。
これにより、第2プレッシャーリング56がカム部材57と一緒に連れ回されて、一対の皿ばね58のばね力に抗して、第2プレッシャーリング56と第1プレッシャーリング55とが離間される。すなわち、第1突き合わせ面55aと第2突き合わせ面56aとが、それぞれ引き離される。すると、破線矢印M1に示されるように、カバー部材52に対して、第2プレッシャーリング56が近接するように移動される。その後、破線矢印M2に示されるように、カバー部材52に設けられた3つの係合凸部52cが、第2プレッシャーリング56に設けられた3つの係合凹部56dにそれぞれ入り込んで係合される。
これにより、第2プレッシャーリング56の回転が阻止されて、クラッチ装置50は「ロック状態」とされる。よって、ウォーム軸40の回転が規制されて、ウィンドガラス12の下降(こじ開け)が阻止される。このとき、第2プレッシャーリング56のクラッチケース51内での軸方向への移動に対して、カム部材57が第1凹溝55dおよび第2凹溝56eから完全に抜け出すことが無い。つまり、第1プレッシャーリング55および第2プレッシャーリング56は、互いに空回りするようなことが無く、クラッチ装置50を効率良く「ロック状態」にでき、ウィンドガラス12の下降(こじ開け)を素早く阻止することができる。また、挟み込み時動作にも同様の動作がされる。
以上詳述したように、本実施の形態に係るクラッチ装置50によれば、カム部材57は、ウォーム軸40がアーマチュア軸29に対して回転するとき、第1プレッシャーリング55と第2プレッシャーリング56とを離間させて、3つの係合凸部52cと3つの係合凹部56dとを係合させる。これにより、クラッチ装置50が「ロック状態」になる。クラッチ装置50の「ロック状態」が、3つの係合凸部52cと3つの係合凹部56dとの係合により達成されるので、従前のような複数のコロが不要となり、部品点数の削減が図れる。また、従前のような複数のコロの「押し付け(摩擦)」によるロック力では無いので、部品の摩耗等が効果的に抑えられて、ひいては十分なロック力を長期に亘り発揮することができる。
また、本実施の形態に係るクラッチ装置50によれば、第1,第2プレッシャーリング55,56のそれぞれの第1,第2突き合わせ面55a,56aに、第1,第2凹溝55d,56eがそれぞれ設けられ、カム部材57がそれぞれの第1,第2凹溝55d,56eの最深部に配置されているときに、第1,第2プレッシャーリング55,56は互いに突き合わせ状態となり、第1,第2プレッシャーリング55,56に対するカム部材57の相対回転により、カム部材57が最深部から移動されて、第1,第2プレッシャーリング55,56とが離間される。したがって、従前に比して部品点数の少ない簡単な構成で、ウォーム軸40の回転運動が第2プレッシャーリング56の軸線運動に変換されて、確実に「ロック状態」にできる。よって、クラッチ装置50やパワーウィンドモータ20が大型化したり複雑化したりすることが無い。
さらに、本実施の形態に係るクラッチ装置50によれば、第1,第2凹溝55d,56eがそれぞれV字形状に形成され、カム部材57が円柱形状に形成されているので、両者の接触部分を略線接触にできる。これにより、第1,第2凹溝55d,56eとカム部材57との接触部分を小さくして、クラッチ装置50をスムーズに作動させることができる。したがって、長期に亘りクラッチ装置50を安定的に作動させることができ、ひいては信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るクラッチ装置50によれば、アーマチュア軸29とウォーム軸40との間にクラッチ装置50を設けたので、ウォーム減速機SDの出力側(セレーション部36b側)に設ける場合のクラッチ装置よりも、小型化を図ることができる。これは、ウォーム減速機SDに比較的大きな「ブレーキ力」が発生するためである。言い換えれば、本実施の形態に係るクラッチ装置50は、ウォーム減速機SDの「ブレーキ力」に対して、補助的に作用するものであって、敢えて複雑化かつ大型化させるようなものでは無い。
さらに、本実施の形態に係るクラッチ装置50によれば、クラッチ装置50が、車両に設けられるウィンドガラス12を開閉させるパワーウィンドモータ20に用いられるので、車両の防犯上、非常に有用である。したがって、車両のユーザーに対する信頼を大幅に向上させることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、クラッチ装置50を、車両のウィンドガラス12を昇降させるパワーウィンドモータ20に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、車両に搭載される電動サンルーフ装置やスライドドア装置等の駆動源にも適用することができる。
その他、上記実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。
10 サイドドア
10a ドア枠
11 パワーウィンド装置
12 ウィンドガラス(開閉体)
13 ウィンドレギュレータ
13a ガイドレール
13b 上側プーリ
13c 下側プーリ
13d キャリアプレート
14 駆動ケーブル
14a 一側端部
14b 他側端部
20 パワーウィンドモータ(減速機構付モータ)
21 モータ部(電動モータ)
22 ギヤ部
23 ドラム
24 締結ねじ
25 ヨーク
26 永久磁石
27 アーマチュア
28 コイル
29 アーマチュア軸(駆動軸)
29a 嵌合部
30 第1軸受
31 コンミテータ
32 ブラシ
33 スプリング
34 ギヤケース
35 ウォームホイール収容部
36 ウォームホイール
36a ギヤ歯
36b セレーション部
37 ギヤカバー
38 ウォーム収容部
39 ウォーム
40 ウォーム軸(従動軸)
41 クラッチ収容部
50 クラッチ装置
51 クラッチケース(ハウジング)
51a 筒状本体
51b 底壁
51c 貫通孔
51d 固定部
51e ねじ穴
51f 装着凹部
52 カバー部材(ハウジング)
52a 環状本体
52b 固定凸部
52c 係合凸部(第1係合部)
53 第2軸受
54 第3軸受
55 第1プレッシャーリング(第1回転体)
55a 第1突き合わせ面(対向面)
55b 第1底面
55c 嵌合穴
55d 第1凹溝(凹溝)
56 第2プレッシャーリング(第2回転体)
56a 第2突き合わせ面(対向面)
56b 第2底面
56c 支持孔
56d 係合凹部(第2係合部)
56e 第2凹溝(凹溝)
57 カム部材
58 皿ばね
S 空間
SD ウォーム減速機

Claims (4)

  1. 駆動軸と従動軸との間に設けられるクラッチ装置であって、
    前記駆動軸の端部に固定された第1回転体と、
    前記従動軸に軸方向に移動自在に設けられた第2回転体と、
    前記従動軸の端部に固定され、前記第1回転体と前記第2回転体との間に設けられたカム部材と、
    前記第1回転体および前記第2回転体を回転自在に収容するハウジングと、
    前記ハウジングに設けられた第1係合部と、
    前記第2回転体に設けられ、前記第1係合部に係合される第2係合部と、
    を備え、
    前記カム部材は、前記従動軸が前記駆動軸に対して回転するとき、前記第1回転体と前記第2回転体とを離間させて、前記第1係合部と前記第2係合部とを係合させ
    前記第1回転体および前記第2回転体のそれぞれの対向面に、凹溝がそれぞれ設けられ、
    前記カム部材がそれぞれの前記凹溝の最深部に配置されているときに、前記第1回転体および前記第2回転体は突き合わせ状態となり、
    前記第1回転体および前記第2回転体に対する前記カム部材の相対回転により、前記カム部材が前記最深部から移動されて、前記第1回転体と前記第2回転体とが離間される、
    クラッチ装置。
  2. 請求項1に記載のクラッチ装置において、
    前記凹溝がV字形状に形成され、前記カム部材が円柱形状に形成されている、
    クラッチ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のクラッチ装置において、
    前記駆動軸が、電動モータのアーマチュア軸であり、
    前記従動軸が、ウォーム減速機のウォーム軸である、
    クラッチ装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクラッチ装置において、
    前記クラッチ装置が、車両に設けられる開閉体を開閉させる減速機構付モータに用いられる、
    クラッチ装置。
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