JP6853860B2 - ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
改良技術の一つにブロック共重合化がある。これは、互いに異なる構造を有するポリマーを化学的に連結する方法であり、ポリマー同士の単純なブレンドに比較してより高性能化を図れる。
しかしながら、特許文献1および特許文献2のポリカーボネート樹脂は、有機溶媒への溶解性が必ずしも十分ではない。
また、本発明は、有機溶媒への溶解性に優れるポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂、およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
Ar50は二価の芳香族基であり、Ar51は、下記一般式(15)〜(17)のいずれかで表される二価の基であり、xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、x:yは100:0〜5:95である。ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
R107〜R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R107〜R110は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR107は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR108は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR109は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR110は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X101は、単結合または連結基であり、X101が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。)
R111〜R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R111〜R114は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR111は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR112は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR113は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR114は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X102は、単結合または連結基であり、X102が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR115R116−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R115およびR116は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
R117は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。)
R118〜R121は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R118〜R121は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR118は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR119は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR120は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR121は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X103は、単結合または連結基であり、X103が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。)
R122は、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R122は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR122は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。)
また、本発明によれば、有機溶媒への溶解性に優れるポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂、およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法を提供することができる。
なお、本実施形態において、前記一般式(a)におけるAr1、Ar2、Z、およびR1は、上記範疇の構造のうち、異なる複数の化合物であっても構わない。
R2は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
ハロゲン原子からなる群から選択される。
R2は、原料入手性の観点から、好ましくは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
R3およびR4は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R3およびR4は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR3は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR4は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X1は、単結合または連結基であり、X1が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR5R6−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R5およびR6は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
R3およびR4は、製品性能、特には機械的強度の観点から、好ましくは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基、エチル基、または水素原子である。
R7およびR8は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R7およびR8は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR7は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR8は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X2は、単結合または連結基であり、X2が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR9R10−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R9およびR10は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
なお、X2は、同一または異なる2つ以上の連結基が連続した基であってもよい。2つ以上が連続した基としては、例えば、アルキリデン−アリーレン−アルキリデン基(1,3−ビス(2−プロピル−2−イル)ベンゼン)等が挙げられる。
本実施形態において、機械的強度の観点から、前記一般式(a)におけるAr2を含むカーボネート単位は、下記一般式(40)で表されるカーボネート単位および下記一般式(41)で表されるカーボネート単位の少なくともいずれかを含む共重合体であることがより好ましい。
すなわち、前記一般式(a)は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
R11およびR12は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R11およびR12は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR11は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR12は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X3は、単結合または連結基であり、X3が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR13R14−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R13およびR14は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
また、やはり製造コストおよび原料入手性の観点から、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子であることが好ましい。
すなわち、前記一般式(1)中におけるAr3は、下記一般式(5−A)で表されることが好ましい。
R100〜R103は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R100〜R103は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR100は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR101は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR102は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR103は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X100は、単結合または連結基であり、X100が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR104R105−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R104およびR105は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
R106は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。
[η]=1.23×10−5Mv0.83
以下に、本発明の一実施形態に係るPC樹脂の製造方法を示す。
本実施形態のPC樹脂の製造方法は、分子内に少なくとも1つの脂肪族水酸基を有するポリカーボネート(I)を準備する工程、前記ポリカーボネート(I)と、分子内に脂肪族水酸基を有さず、前記ポリカーボネート(I)とは異なる繰り返し構造を有するポリカーボネート(II)およびポリエステル(III)の少なくともいずれかとを混合する工程、並びに前記混合したポリカーボネート(I)およびポリカーボネート(II)、前記混合したポリカーボネート(I)およびポリエステル(III)、または前記混合したポリカーボネート(I)、ポリカーボネート(II)、およびポリエステル(III)に対して、加熱混合下でエステル交換反応を行う工程を含む。
本実施形態において、原料入手性の観点から、前記ポリカーボネート(I)として、主鎖の少なくとも片方の末端に脂肪族水酸基を有するポリカーボネートを準備することが好ましい。これは脂肪族水酸基がエステル交換反応の活性が高く、従って無触媒の条件下あるいは電子写真感光体用途に用いる上で問題のないレベルでの触媒量の条件下で、ポリカーボネート(II)とエステル交換反応を起こしブロック共重合体が得られるためである。この時、ポリカーボネート(I)の主骨格は何らの制約条件も受けない。
Ar1は二価の芳香族基であり、R1は直鎖または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基である。Ar1、およびR1は、上記範疇の構造のうち、異なる複数の化合物であっても構わない。
原料入手性および反応活性の観点から、前記一般式(6)におけるR1は水酸基に隣接する炭素が一級であることが好ましく、メチレン基、1,2−エチレン基、プロピレン基、またはイソプロピリデン基であることがより好ましく、1,2−エチレン基であることがさらに好ましい。
R7およびR8は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R7およびR8は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR7は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR8は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X2は、単結合または連結基であり、X2が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR9R10−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R9およびR10は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
本実施形態において、溶媒への溶解性の観点から、前記一般式(7)で表されるカーボネート単位は、共重合体であることが好ましい。
本実施形態において、製品性能、特には機械的強度の観点から、前記一般式(7)で表されるカーボネート単位は、下記一般式(70)で表されるカーボネート単位および下記一般式(71)で表されるカーボネート単位の少なくともいずれかを含む共重合体であることがより好ましい。
次に、ポリカーボネート(I)を、ポリカーボネート(II)およびポリエステル(III)の少なくともいずれかと混合する。
ここで、ポリカーボネート(II)は、分子内に脂肪族水酸基を有さず、ポリカーボネート(I)とは異なる繰り返し構造を有するポリカーボネートである。
原料入手性および製品性能の観点から、ポリカーボネート(II)としては、芳香族ポリカーボネートを用いることが好ましく、製品性能、特には機械的強度の観点から、下記一般式(9)で表される構造を有するポリカーボネートを用いることがより好ましい。
R11およびR12は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R11およびR12は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR11は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR12は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X3は、単結合または連結基であり、X3が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR13R14−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R13およびR14は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される。
また、原料入手性の観点から、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子であることが好ましい。
次に、混合したポリカーボネート(I)およびポリカーボネート(II)、混合したポリカーボネート(I)およびポリエステル(III)、または混合したポリカーボネート(I)、ポリカーボネート(II)、およびポリエステル(III)に対して、加熱混合下でエステル交換反応を行う。
混合工程において、ポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)とを混合した場合、エステル交換反応に用いるポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)の質量比については、何らの制限もなく、得られるブロック共重合体が要求特性を満たせば、あらゆる質量比が好適に用いることができる。製品性能および製造コストの観点から、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜40:60である。
酸性触媒としては金属酸化物が原料入手性および安全性の観点から好適であり、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、および酸化鉛等が例として挙げられる。このうちでは酸化亜鉛が好ましい。
エステル交換反応に用いる装置としては、例えば、バンバリーミキサーに代表されるバッチ式の混練機、および短軸または二軸押出し機等の連続機等が、何らの制約も無く使用できる。製造コストの観点から二軸押出し機が好適に用いられる。この時、系内を減圧にして混練時に揮発する水分等を除去しても構わない。
本実施形態の塗工液は、少なくとも、本発明の一実施形態に係るPC樹脂、および溶媒を含む。溶媒は、本発明の一実施形態に係るPC樹脂を溶解、または分散可能であることが好ましい。
非ハロゲン系有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、およびジオキソラン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、パラキシレン、およびトルエン等)、並びにケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノン等)等を挙げることができる。中でも、本実施形態のPC樹脂の溶解性が高いことから、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、トルエン、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンのうち、1種または2種以上含む有機溶媒が好ましく、テトラヒドロフランを含む有機溶媒がより好ましい。
これら添加剤や他の樹脂としては、PC樹脂に含まれる物質として公知の物質を用いることができる。
また、電荷輸送物質を含む場合、製品性能の観点から、本実施形態の塗工液中のPC樹脂と電荷輸送物質との割合は、質量比で20:80〜80:20であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。
本実施形態の塗工液中、本実施形態のPC樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の電子写真感光体は、導電性基板と、前記導電性基板上に設けられた感光層とを有し、前記感光層の一成分として、本発明の一実施形態に係るPC樹脂を含有する。
製造コストの観点から、好ましくは、感光層が、少なくとも1層の電荷発生層と少なくとも1層の電荷輸送層とを有する積層型電子写真感光体、または、一層に電荷発生物質と電荷輸送物質とを有する単層型電子写真感光体である。
本実施形態の電子写真感光体において、本発明の一実施形態に係るPC樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、所望に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で、他のポリカーボネート等のバインダー樹脂成分を含有させてもよい。さらに、酸化防止剤等の添加物を含有させてもよい。
さらに、各層間の接着性を向上させるための接着層あるいは電荷のブロッキングの役目を果すブロッキング層等の中間層等が形成されていてもよい。
前記した電荷発生層や電荷輸送層のバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知の各種の樹脂を使用することができる。具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メタクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポリチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、およびポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を混合して用いることもできる。なお、製造コストの観点から、電荷発生層や電荷輸送層におけるバインダー樹脂としては、前記した本実施形態のPC樹脂を使用することが好適である。
この電荷輸送層において、本発明の一実施形態に係るPC樹脂は1種単独で用いることもでき、また2種以上混合して用いることもできる。また、本発明の目的を阻害しない範囲で、他のバインダー樹脂を、本発明の一実施形態に係るPC樹脂と併用することも可能である。
本発明の一実施形態に係るPC樹脂と共に使用できる電荷輸送物質としては、公知の各種の化合物を使用することができる。このような化合物としては、例えば、カルバゾール化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、スチルベン化合物、フルオレノン化合物、ブタジエン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、およびこれらの構造を主鎖や側鎖に有する重合体等が好適に用いられる。これら化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これら電荷輸送物質の中でも、特開平11−172003号公報において具体的に例示されている化合物、および以下の構造で表される電荷輸送物質が、性能および安全性の観点から、好適に用いられる。
製造コストの観点から、これら可塑剤、硬化触媒、流動性付与剤、およびピンホール制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5質量%以下で用いることが好ましい。
このような酸化防止剤の具体例としては、特開平11−172003号公報の明細書に記載された化学式[化94]〜[化101]の化合物が、製造コストおよび安全性の観点から好適である。
これら酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい、そして、これらは前記感光層のほか、表面保護層や下引き層、ブロッキング層に添加してもよい。
各層の塗布は公知の装置等各種の塗布装置を用いて行うことができ、具体的には、例えば、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、チップコーター、ロールコーター、ディップコーター、およびドクタブレード等を用いて行うことができる。
上記のようにして得られる電子写真感光体は、本実施形態のPC樹脂を用いるため、感光層作製時に塗工液が白濁することがなく、ゲル化することもない。
本実施形態の電子写真感光体は、電子写真装置に好適に用いることができる。
なお、本実施形態の電子写真感光体を使用するにあたっては、帯電には、例えば、コロナ放電(例えば、コロトロン、およびスコロトロン等)、並びに接触帯電(例えば、帯電ロール、および帯電ブラシ等)等が用いられる。帯電ロールとしては、例えば、DC帯電方式、およびAC電圧を重畳させたAC/DC重畳帯電方式等が挙げられる。また、露光には、ハロゲンランプ、蛍光ランプ、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、および感光体内部露光方式のいずれを採用してもよい。現像には、例えば、乾式現像方式(例えば、カスケード現像、二成分磁気ブラシ現像、一成分絶縁トナー現像、および一成分導電トナー現像等)、並びに湿式現像方式等が用いられる。転写には、例えば、静電転写法(例えば、コロナ転写、ローラ転写、およびベルト転写等)、圧力転写法、並びに粘着転写法等が用いられる。定着には、例えば、熱ローラ定着、ラジアントフラッシュ定着、オープン定着、および圧力定着等が用いられる。さらに、クリーニング・除電には、例えば、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、およびブレードクリーナー等が用いられる。なお、クリーナーレス方式を採用してもよい。また、トナー用の樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、および環状炭化水素の重合体等が適用できる。トナーの形状は、球形でも不定形でもよい。一定の形状(回転楕円体状、ポテト状等)に制御されたトナーも適用できる。トナーは、粉砕型トナー、懸濁重合トナー、乳化重合トナー、ケミカル造粒トナー、あるいはエステル伸長トナーのいずれでもよい。
本実施形態のPC−PEs樹脂は、下記一般式(b)で表される。本実施形態のPC−PEs樹脂は、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とをブロック共重合させた樹脂である。
R111〜R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R111〜R114は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR111は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR112は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR113は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR114は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X102は、単結合または連結基であり、X102が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR115R116−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R115およびR116は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
R117は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。
R118〜R121は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R118〜R121は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR118は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR119は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR120は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR121は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X103は、単結合または連結基であり、X103が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。
(第一の製造方法)
PC−PEs樹脂の第一の製造方法は、ポリエステル樹脂と、下記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる製造方法である。
Ar50は二価の芳香族基であり、Ar51は、下記一般式(15)〜(17)のいずれかで表される二価の基であり、xおよびyは( )内の構成単位のモル比であって、x:yは100:0〜5:95である。ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。
R107〜R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R107〜R110は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR107は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR108は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR109は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR110は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X101は、単結合または連結基であり、X101が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。
また、耐摩耗性および溶解性の観点から、前記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂としては、1,1−ビス(フェニレン−4−イル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)および4,4−ビフェノールから選ばれる少なくとも1種を含むポリカーボネート樹脂を原料として使用した樹脂が好ましく用いられる。
酸性触媒としては金属酸化物が原料入手性および安全性の観点から好適であり、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、および酸化鉛等が例として挙げられる。このうちでは酸化亜鉛が好ましい。
また、電子写真感光体用途向け等、触媒の残留が特性に影響する用途向けには、ブロック共重合体の製造の後に精製工程を設けて触媒を除去しても良い。第一の触媒除去方法としては、ブロック共重合体を溶媒(有機溶媒等)に溶解させて溶液を調製し、この溶液を同溶液の溶媒とは混じり合わない液体(水等)を用いて洗浄する方法が挙げられる。第二の触媒除去方法としては、吸着剤等を用いて触媒を除去する方法が挙げられる。触媒は、その他の公知の方法を利用して除去することもできる。
これらの触媒除去方法の中でも、第一の触媒除去方法は、残留不純物を定量的に低減できるので好ましい。第一の触媒除去方法を採用する場合には、水溶性の触媒を使用することが好ましい。水溶性の触媒としては、酸化亜鉛等が挙げられる。
PC−PEs樹脂の第二の製造方法は、第一のポリカーボネート樹脂および第二のポリカーボネート樹脂の少なくともいずれかと、下記一般式(10−A)で表されるポリエステル樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる工程を含む製造方法である。前記第一のポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA単独成分からなり、粘度平均分子量が20,000以上のポリカーボネート樹脂であり、前記第二のポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAとポリジメチルシロキサン構造を有するフェノール化合物との共重合ポリカーボネート樹脂である。
R122は、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R122は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR122は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。
また、耐摩耗性および潤滑性付与の観点から、第二のポリカーボネート樹脂としては、粘度平均分子量が20,000以上のポリジメチルシロキサン共重合ポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。より好ましくは粘度平均分子量22,000以上、さらに好ましくは25,000以上、さらにより好ましくは30,000以上のポリジメチルシロキサン共重合体ポリカーボネートが用いられる。
また、耐摩耗性の観点から、前記一般式(10−A)で表されるポリエステル樹脂としては、ビスフェノールAと、イソフタル酸およびテレフタル酸の少なくともいずれかとから誘導されるポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
ポリカーボネート(I)の製造例を下記する。
1,1−ビス(4−ビドロキシフェニル)シクロヘキサン87gを6%濃度の1.5規定の水酸化カリウム水溶液550mLに溶解した溶液と、塩化メチレン250mLとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950mL/分の割合で15分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホルメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を、有機層に得た。得られたオリゴマーの固形分濃度が146g/Lとなる様に有機層に塩化メチレンを加え、500mLのオリゴマー溶液を分取した(オリゴマー溶液)。
次に、4,4’−ジヒドロキシビフェニル12gを7質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液170mLに溶解し、これに4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール0.5gを加え、ビフェノール水溶液を得た(ビフェノール水溶液)。
前記したオリゴマー溶液に、ビフェノール水溶液を加えて混合し、この混合液を激しく撹拌しながら触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液を2mL加え、10℃に保った状態で撹拌を続けながら界面重縮合反応を1時間行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで1回、0.15規定水酸化ナトリウム水溶液1リットルで1回、0.01規定塩酸1リットルで1回、水1リットルで2回の順で洗浄してポリマー溶液を得た。
次に、撹拌羽根を装着したバッフル付き容器を別途用意し、これにメタノール5リットルを投入した。容器中のメタノールを撹拌羽根で十分撹拌しながら、前記したポリマー溶液のうち1リットルを、粒子が形成される速度でゆっくり滴下し、再沈によるフレーク化処理を行った。得られたフレークを濾過および乾燥してPC−1とした。
次に、PC−1を塩化メチレンに溶解して、濃度0.5g/dLの溶液を作製し、20℃における還元粘度[ηSP/C]を測定したところ、1.8dL/gであった。なお、PC−1の化学構造を1H−NMRにより分析したところ、脂肪族水酸基末端が確認された。
脂肪族水酸基を持たないポリカーボネートの製造例を下記する。
4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール0.5gを4−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.5gに変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、末端がPTBPで封止されたポリカーボネート(PC−2)を得た。このものを塩化メチレンに溶解して、濃度0.5g/dLの溶液を作製し、20℃における還元粘度[ηSP/C]を測定したところ、1.0dL/gであった。なお、PC−2の化学構造を1H−NMRにより分析したところ、脂肪族末端水酸基が含まれていないことが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)60.0kg(224モル)を塩化メチレン1080Lで懸濁し、そこにホスゲン66.0kg(667モル)を加えて溶解した。これに、トリエチルアミン44.0kg(435モル)を塩化メチレン120Lに溶解した液を、2.2℃〜17.8℃で2時間50分かけて滴下した。17.9℃〜19.6℃で30分間撹拌後、14〜20℃で塩化メチレン900Lを留去した。残液に純水210L、濃塩酸1.2kg、およびハイドロサルファイト450gを加え洗浄した。その後、純水210Lで5回洗浄を繰り返し、分子末端にクロロホーメート基を有するビスフェノールZオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られた溶液のクロロホーメート濃度は1.14モル/L、固形物濃度は0.23kg/Lであった。得られた原料をZ−CFという。
反応容器に、メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着し、上記合成したZ−CF(24mL)と塩化メチレン(36mL)を注入した。これに末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPと表記)(0.04g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。
この溶液に、別途調製したビフェノールモノマー溶液を全量添加し(モノマー溶液調製法:2Nの水酸化ナトリウム水溶液10mLを調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイトを0.1g、4,4’−ビフェノール2.6gを添加し、完全に溶解して調製した)、反応器内の温度が15℃になるまで冷却した後、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を0.2mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.2Lおよび水0.1Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.1Lで1回、0.03N塩酸0.1Lで1回、水0.1Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下温水中に滴下投入し、塩化メチレンを蒸発させると共に樹脂固形分を得た。得られた析出物をろ過、乾燥することにより下記構造のポリカーボネート共重合体(PC−X)を製造した。
PC−Xの還元粘度[ηsp/C]は1.16dl/gであり、NMRによりBisZ−BP共重合体(モル比6:4)であることが確認された。
製造例1で重合したPC−1 3.0gと、出光興産株式会社製ポリカーボネート タフロンA2500 7.0gとをよく混合した後に、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて360℃、2分間の条件で溶融混練して、ブロック共重合体aを得た。ブロック共重合体aの粘度平均分子量は33,000であった。
得られたサンプルを100mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたところ、完全に溶解し、均一な溶液が得られた。なお、タフロンは登録商標である。また、この溶液を23℃で一週間放置した後、目視にて観察したところ白化およびゲル化が起こっておらず、溶液安定性に優れることが確認できた。
製造例1で重合したPC−1 3.0gと、出光興産株式会社製ポリカーボネート タフロンA2500 7.0gと、酸化亜鉛100質量ppmとをよく混合した後に、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて320℃、2分間の条件で溶融混練して、ブロック共重合体bを得た。
得られたサンプルを100mLのTHFに溶解させたところ、完全に溶解し、均一な溶液が得られた。また、この溶液を23℃で一週間放置した後、目視にて観察したところ白化およびゲル化が起こっておらず、溶液安定性に優れることが確認できた。
実施例2で合成したブロック共重合体b(10g)を塩化メチレン(200mL)に溶解し、0.01Nの塩酸(50mL)で1回、純水(50mL)で2回洗浄した。得られた樹脂溶液を温水(70℃)に投入し、塩化メチレンを留去することで樹脂を固形化し、減圧下、110℃で乾燥し、固形状の樹脂(ブロック共重合体c)を得た。
得られたサンプルを100mLのTHFに溶解させたところ、完全に溶解し、均一な溶液が得られた。また、この溶液を23℃で一週間放置した後、目視にて観察したところ白化およびゲル化が起こっておらず、溶液安定性に優れることが確認できた。
実施例1で用いたPC−1の代わりに、比較製造例1で製造したPC−2を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い溶融混練物を得た。この溶融混練物を実施例1と同様にTHFへの溶解を試みたが不溶物がみられ、白濁した溶液しか得られなかった。
製造例1で得られたPC−1 6.0g、下記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)4.0g、およびフッ化セシウム0.01mgをよく混合した後、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて340℃、2分間の条件で溶融混練してブロック共重合体dを得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ノバレックス 7030PJ」(ビスフェノールA単独重合体 粘度平均分子量(Mv)=30,700) 6.0g、前記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)4.0g、およびフッ化セシウム0.01mgをよく混合した後、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて360℃、2分間の条件で溶融混練してブロック共重合体eを得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
上記合成したBisZ−BP共重合体(PC−X、BP比率=40モル%、粘度平均分子量(Mv)=50,000)6.0g、前記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)4.0g、およびフッ化セシウム0.01mgをよく混合した後、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて360℃、2分間の条件で溶融混練してブロック共重合体fを得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
実施例6で合成したブロック共重合体f(10g)を塩化メチレン(200mL)に溶解し、0.01Nの塩酸(50mL)で1回、純水(50mL)で2回洗浄した。得られた樹脂溶液を温水(70℃)に投入し、塩化メチレンを留去することで樹脂を固形化し、減圧下、110℃で乾燥し、固形状の樹脂(ブロック共重合体g)を得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
比較例2の樹脂として、PCA(タフロンA2500)(ビスフェノールAのホモポリマー)を用いた。タフロンA2500をTHFへ溶解させようと試みたが、不溶物がみられ、白濁した溶液しか得られなかった。
比較例3の樹脂として、前記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)を用いた。当該ポリエステル樹脂をTHFへ溶解させようと試みたが、不純物がみられ、白濁した溶液しか得られなかった。
実施例1で得られたブロック共重合体a 2gを、塩化メチレン12mLに溶解し、アプリケーターを用い市販のPETフィルム上にキャスト製膜した。このフィルムを減圧下加熱して溶媒を除去し、厚み約30μmのフィルムサンプルを得た。このフィルムサンプルのキャスト面の耐摩耗性をスガ摩耗試験機NUS−ISO−3型(スガ試験機社製)を用いて評価した。試験条件は4.9Nの荷重をかけた摩耗紙(粒径3μmのアルミナ粒子を含有)をキャスト面(感光層表面を模した面)と接触させて2,000回往復運動を行い、質量減少量(摩耗量)を測定した。結果を表1に示す。
試料2g(実施例1で得られたブロック共重合体a)を、電気炉中、550℃で灰化した。灰分をフッ化水素酸と硫酸で加熱溶解し、硫酸白煙処理後、純水で定容し、ICP質量分析装置で金属成分(残留金属量)を測定した。結果を表1に示す。
Claims (4)
- ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂であって、
前記ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂は、4,4’−ビフェノールを含むポリカーボネート樹脂、もしくは1,1−ビス(フェニレン−4−イル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)及び4,4’−ビフェノールの両方を含むポリカーボネート樹脂を原料として使用して、当該ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とをブロック共重合させた樹脂であり、
下記一般式(b)で表されることを特徴とするポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂。
Aは下記一般式(18)〜(21)のいずれかで表される二価の基であり、
Ar100およびAr50は、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、
Ar51は下記一般式(22)〜(24)のいずれかで表される二価の基であり、
xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、
x:yは100:0〜5:95であり、
m1およびm2はそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、
m1/(m1+m2)は0.05〜0.95である。
ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
R111〜R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R111〜R114は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR111は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR112は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR113は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR114は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X102は、単結合または連結基であり、
X102が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO2−、
−CR115R116−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R115およびR116は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
R117は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。)
R118〜R121は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R118〜R121は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR118は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR119は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR120は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR121は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X103は、単結合または連結基であり、
X103が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチレン基、
1,3−アダマンチレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群
から選択される。) - 前記ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAと、イソフタル酸およびテレフタル酸の少なくともいずれかとから誘導されるポリエステル樹脂である、
請求項1に記載のポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂。 - 前記ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に対して25℃で10質量%の濃度で溶解した溶液のHAZE値が10%以下であり、HAZE値は、スガ試験機製全自動ヘーズコンピュータ(HGM−2D)を用い、JISK7105に準拠して測定される、
請求項1又は請求項2に記載のポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂。 - ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法であって、
ポリエステル樹脂と、下記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる工程を含み、
前記ポリカーボネート樹脂は、4,4’−ビフェノールを含むポリカーボネート樹脂、もしくは1,1−ビス(フェニレン−4−イル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)及び4,4’−ビフェノールの両方を含むポリカーボネート樹脂であり、
前記ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂は、下記一般式(b)で表される、
ことを特徴とするポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法。
Ar50は二価の芳香族基であり、
Ar51は、下記一般式(15)〜(17)のいずれかで表される二価の基であり、
xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、
x:yは100:0〜5:95である。
ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
R107〜R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R107〜R110は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR107は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR108は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR109は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR110は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X101は、単結合または連結基であり、X101が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチレン基、
1,3−アダマンチレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。)
Aは下記一般式(18)〜(21)のいずれかで表される二価の基であり、
Ar 100 およびAr 50 は、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、
Ar 51 は下記一般式(22)〜(24)のいずれかで表される二価の基であり、
xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、
x:yは100:0〜5:95であり、
m1およびm2はそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、
m1/(m1+m2)は0.05〜0.95である。
ただし、x:yが100:0のとき、Ar 50 は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
R 111 〜R 114 は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R 111 〜R 114 は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR 111 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 112 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 113 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 114 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X 102 は、単結合または連結基であり、
X 102 が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO 2 −、
−CR 115 R 116 −、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
R 115 およびR 116 は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
R 117 は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。)
R 118 〜R 121 は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
R 118 〜R 121 は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR 118 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 119 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 120 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 121 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
X 103 は、単結合または連結基であり、
X 103 が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチレン基、
1,3−アダマンチレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群
から選択される。)
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