JP6853860B2 - ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6853860B2
JP6853860B2 JP2019158402A JP2019158402A JP6853860B2 JP 6853860 B2 JP6853860 B2 JP 6853860B2 JP 2019158402 A JP2019158402 A JP 2019158402A JP 2019158402 A JP2019158402 A JP 2019158402A JP 6853860 B2 JP6853860 B2 JP 6853860B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
groups
substituted
unsubstituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019158402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019206721A (ja
Inventor
徹 板東
徹 板東
伊藤 一
一 伊藤
高明 彦坂
高明 彦坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Publication of JP2019206721A publication Critical patent/JP2019206721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6853860B2 publication Critical patent/JP6853860B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/64Polyesters containing both carboxylic ester groups and carbonate groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/04Aromatic polycarbonates
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂、それを用いた塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置、ポリカーボネート樹脂の製造方法、ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂、並びにポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、機械的性質や電気的性質に優れていることから、様々な産業分野において用いられてきた。この間、様々な改良技術により特性を向上させ、用途範囲を広げてきている。
改良技術の一つにブロック共重合化がある。これは、互いに異なる構造を有するポリマーを化学的に連結する方法であり、ポリマー同士の単純なブレンドに比較してより高性能化を図れる。
ポリカーボネート樹脂をベースにしたブロック共重合の製造法として、エステル交換法が知られている(特許文献1)。これは異なるポリカーボネート同士もしくはポリカーボネートとポリエステルをエステル交換触媒の存在下、溶融混練してブロック共重合を得る方法である。また、特許文献2では、エステル交換法において、溶融混練の最終段階でリン酸化合物を添加する方法が提案されている。
特開2012−158652号公報 特開2011−074342号公報
一方、近年になって、ポリカーボネート樹脂の優れた透明性を利用した電子写真感光体用途が広がりを見せている。これは、ポリカーボネート樹脂を、電荷発生材料や電荷輸送材料のバインダー樹脂とする用途である。電子写真感光体は通常、前述の電荷発生材料等と共にバインダー樹脂を有機溶媒に溶解し、導電性基板等にキャスト製膜する方法で製造されることから、ポリカーボネート樹脂には有機溶媒への溶解性も求められる。
しかしながら、特許文献1および特許文献2のポリカーボネート樹脂は、有機溶媒への溶解性が必ずしも十分ではない。
本発明は、有機溶媒への溶解性に優れるポリカーボネート樹脂、それを用いた塗工液、電子写真感光体、電子写真装置、並びにポリカーボネート樹脂の製造方法を提供すること目的とする。
また、本発明は、有機溶媒への溶解性に優れるポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂、およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るポリカーボネート樹脂は、下記一般式(a)で表される。
Figure 0006853860
(前記一般式(a)中、Zは隣接する繰返し単位とカルボン酸エステル結合または炭酸エステル結合で連結する二価の基であり、ArおよびArは、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、Rは直鎖または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基であり、mとnはそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、mは0.05〜0.5、nは0.5〜0.95であり、pとqはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、pは0.001〜0.4、qは0.6〜0.999である。ただし、m+n=1であり、p+q=1である。)
本発明の一態様に係る塗工液は、本発明の一態様に係るポリカーボネート樹脂、および溶媒を含む。
本発明の一態様に係る電子写真感光体は、導電性基板上に感光層を設けた電子写真感光体において、前記感光層の一成分として、本発明の一態様に係るポリカーボネート樹脂を含有する。
本発明の一態様に係る電子写真装置は、本発明の一態様に係る電子写真感光体を有する。
本発明の一態様に係るポリカーボネート樹脂の製造方法は、分子内に少なくとも1つの脂肪族水酸基を有するポリカーボネート(I)を準備する工程、前記ポリカーボネート(I)と、分子内に脂肪族水酸基を有さず、前記ポリカーボネート(I)とは異なる繰り返し構造を有するポリカーボネート(II)およびポリエステル(III)の少なくともいずれかとを混合する工程、並びに前記混合したポリカーボネート(I)およびポリカーボネート(II)、前記混合したポリカーボネート(I)およびポリエステル(III)、または前記混合したポリカーボネート(I)、ポリカーボネート(II)、およびポリエステル(III)に対して、加熱混合下でエステル交換反応を行う工程を含む。
本発明の一態様に係るポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法では、ポリエステル樹脂と、下記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる。
Figure 0006853860
(前記一般式(50)中、
Ar50は二価の芳香族基であり、Ar51は、下記一般式(15)〜(17)のいずれかで表される二価の基であり、xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、x:yは100:0〜5:95である。ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
(前記一般式(15)〜(17)中、
107〜R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
107〜R110は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR107は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR108は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR109は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR110は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
101は、単結合または連結基であり、X101が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。)
本発明の一態様に係るポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂は、下記一般式(b)で表される。
Figure 0006853860
(前記一般式(b)中、Aは下記一般式(18)〜(21)のいずれかで表される二価の基であり、Ar100およびAr50は、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、Ar51は下記一般式(22)〜(24)のいずれかで表される二価の基であり、xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、x:yは100:0〜5:95であり、m1およびm2はそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、m1/(m1+m2)は0.05〜0.95である。ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
(前記一般式(18)〜(21)中、
111〜R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
111〜R114は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR111は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR112は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR113は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR114は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
102は、単結合または連結基であり、X102が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR115116−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
115およびR116は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
117は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。)
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
(前記一般式(22)〜(24)中、
118〜R121は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
118〜R121は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR118は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR119は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR120は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR121は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
103は、単結合または連結基であり、X103が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。)
本発明の一態様に係るポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法では、第一のポリカーボネート樹脂および第二のポリカーボネート樹脂の少なくともいずれかと、下記一般式(10−A)で表されるポリエステル樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる工程を含み、前記第一のポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA単独成分からなり、粘度平均分子量が20,000以上のポリカーボネート樹脂であり、前記第二のポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAとポリジメチルシロキサン構造を有するフェノール化合物との共重合ポリカーボネート樹脂である。
Figure 0006853860
(前記一般式(10−A)中、
122は、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
122は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR122は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。)
本発明によれば、有機溶媒への溶解性に優れるポリカーボネート樹脂、それを用いた塗工液、電子写真感光体、電子写真装置、並びにポリカーボネート樹脂の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、有機溶媒への溶解性に優れるポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂、およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係るポリカーボネート樹脂(以下、単に「PC樹脂」ともいう)、当該PC樹脂を用いた塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置、ポリカーボネート樹脂の製造方法、本発明の一実施形態に係るポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂(以下、単に「PC−PEs樹脂」ともいう)、並びに本発明の一実施形態に係るポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法について、詳細に説明する。
[PC樹脂]
本実施形態のPC樹脂は、下記一般式(a)で表される。本実施形態のPC樹脂は、ポリカーボネート同士をブロック共重合させた樹脂(以下、「ブロック共重合体」ともいう)である。
Figure 0006853860
前記一般式(a)中、Zは隣接する繰返し単位とカルボン酸エステル結合または炭酸エステル結合で連結する二価の基であり、ArおよびArは、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、Rは直鎖または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基であり、mとnはそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、mは0.05〜0.5、nは0.5〜0.95であり、pとqはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、pは0.001〜0.4、qは0.6〜0.999である。ただし、m+n=1であり、p+q=1である。
なお、本実施形態において、前記一般式(a)におけるAr、Ar、Z、およびRは、上記範疇の構造のうち、異なる複数の化合物であっても構わない。
本実施形態において、原料入手性および反応活性の観点から、前記一般式(a)におけるRが、飽和炭化水素基(例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、ブチレン基、イソブチレン基、オクチレン基、およびシクロヘキシレン基等)であることが好ましく、反応活性の観点から、カーボネート酸素原子に隣接している炭素が一級であることがより好ましく、さらに原料入手性の観点からは、1,2−エチレン基であることがさらに好ましい。
本実施形態において、反応活性の観点から、前記一般式(a)におけるArは、下記一般式(2)で表される二価の芳香族基であることが好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(2)中、rは4であり、
は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
ハロゲン原子からなる群から選択される。
は、原料入手性の観点から、好ましくは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
本実施形態において、原料入手性の観点から、前記一般式(a)におけるArは、下記一般式(3)で表される二価の基であることも好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(3)中、
およびRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
およびRは、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のRは、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のRは、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
は、単結合または連結基であり、Xが連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
およびRは、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
は、原料入手性の観点から、好ましくは単結合、または−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−CR−(RおよびRは、それぞれ独立に、前記と同義である)、および置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基からなる群から選択される連結基であり、より好ましくは単結合、または−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−CR−(RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基である)、および置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデンン基からなる群から選択される連結基であり、さらに好ましくは−CR−(RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基である)であり、さらにより好ましくはイソプロピリデン基である。
およびRは、製品性能、特には機械的強度の観点から、好ましくは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基、エチル基、または水素原子である。
本実施形態において、製品性能、特には機械的強度の観点から、前記一般式(a)におけるArは、下記一般式(4)で表される二価の基であることが好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(4)中、
およびRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
およびRは、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のRは、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のRは、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
は、単結合または連結基であり、Xが連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR10−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
およびR10は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
なお、Xは、同一または異なる2つ以上の連結基が連続した基であってもよい。2つ以上が連続した基としては、例えば、アルキリデン−アリーレン−アルキリデン基(1,3−ビス(2−プロピル−2−イル)ベンゼン)等が挙げられる。
本実施形態において、溶媒への溶解性の観点から、前記一般式(a)におけるArを含むカーボネート単位は、共重合体であることが好ましい。
本実施形態において、機械的強度の観点から、前記一般式(a)におけるArを含むカーボネート単位は、下記一般式(40)で表されるカーボネート単位および下記一般式(41)で表されるカーボネート単位の少なくともいずれかを含む共重合体であることがより好ましい。
Figure 0006853860
本実施形態において、前記一般式(a)におけるZは、−O−Ar−O−(C=O)−で表される二価の基であることが好ましい。この場合、前記Arは二価の芳香族基であることが好ましい。
すなわち、前記一般式(a)は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(1)におけるAr、Ar、R、m、n、p、およびqは、前記一般式(a)におけるAr、Ar、R、m、n、p、およびqとそれぞれ同義である。
本実施形態において、原料入手性の観点から、前記一般式(1)におけるArが、下記一般式(5)で表される二価の基であることが好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(5)中、
11およびR12は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
11およびR12は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR11は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR12は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
は、単結合または連結基であり、Xが連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR1314−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
13およびR14は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
前記一般式(5)において、製造コストおよび原料入手性の観点から、Xは−CR1314−であることが好ましく、R13およびR14がメチル基であることがより好ましい。
また、やはり製造コストおよび原料入手性の観点から、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子であることが好ましい。
すなわち、前記一般式(1)中におけるArは、下記一般式(5−A)で表されることが好ましい。
Figure 0006853860
本実施形態において、前記一般式(a)におけるZは、下記一般式(10)で表される二価の基であることも好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(10)中、Aは下記一般式(11)〜(14)のいずれかで表される二価の基であり、Ar100は二価の芳香族基である。
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
前記一般式(11)〜(14)中、
100〜R103は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
100〜R103は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR100は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR101は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR102は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR103は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
100は、単結合または連結基であり、X100が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR104105−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
104およびR105は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
106は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。
本実施形態において、R106としては、例えば、−(CHn1−で表される、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、およびテトラメチレン基等が挙げられる。なお、n1は1以上20以下の整数である。
本実施形態において、耐摩耗性の観点から、前記一般式(10)におけるAは、2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の成分)であることが好ましい。
本実施形態において、耐摩耗性の観点から、前記一般式(10)におけるAr100は、1,3−フェニレン基および1,4−フェニレン基の少なくともいずれかであることが好ましい。
本実施形態において、PC樹脂は、粘度平均分子量が15,000以上200,000以下であることが好ましく、20,000以上100,000以下であることがより好ましく、23,000以上80,000以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度[η]を求め、次式にて算出することができる。
[η]=1.23×10−5Mv0.83
[PC樹脂の製造方法]
以下に、本発明の一実施形態に係るPC樹脂の製造方法を示す。
本実施形態のPC樹脂の製造方法は、分子内に少なくとも1つの脂肪族水酸基を有するポリカーボネート(I)を準備する工程、前記ポリカーボネート(I)と、分子内に脂肪族水酸基を有さず、前記ポリカーボネート(I)とは異なる繰り返し構造を有するポリカーボネート(II)およびポリエステル(III)の少なくともいずれかとを混合する工程、並びに前記混合したポリカーボネート(I)およびポリカーボネート(II)、前記混合したポリカーボネート(I)およびポリエステル(III)、または前記混合したポリカーボネート(I)、ポリカーボネート(II)、およびポリエステル(III)に対して、加熱混合下でエステル交換反応を行う工程を含む。
本実施形態の製造方法により、上述の本発明の一実施形態におけるPC樹脂を製造することができる。
(準備工程)
本実施形態において、原料入手性の観点から、前記ポリカーボネート(I)として、主鎖の少なくとも片方の末端に脂肪族水酸基を有するポリカーボネートを準備することが好ましい。これは脂肪族水酸基がエステル交換反応の活性が高く、従って無触媒の条件下あるいは電子写真感光体用途に用いる上で問題のないレベルでの触媒量の条件下で、ポリカーボネート(II)とエステル交換反応を起こしブロック共重合体が得られるためである。この時、ポリカーボネート(I)の主骨格は何らの制約条件も受けない。
やはり原料入手性の観点から、前記ポリカーボネート(I)として、下記一般式(6)で表される構造を有するポリカーボネートを準備することが好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(6)中、「PC」とはポリカーボネートを意味し、芳香族であっても脂肪族であってもよく、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
Arは二価の芳香族基であり、Rは直鎖または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基である。Ar、およびRは、上記範疇の構造のうち、異なる複数の化合物であっても構わない。
原料入手性および反応活性の観点から、前記一般式(6)におけるRは水酸基に隣接する炭素が一級であることが好ましく、メチレン基、1,2−エチレン基、プロピレン基、またはイソプロピリデン基であることがより好ましく、1,2−エチレン基であることがさらに好ましい。
前記ポリカーボネート(I)として、芳香族ポリカーボネートを用いることが好ましい。電子写真感光体用途を想定した場合、耐傷擦性および耐摩耗性等の機械的強度が要求されるためである。
原料入手性の観点から、前記ポリカーボネート(I)として、前記PCが下記一般式(7)で表される構造を有するポリカーボネートを準備することが好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(7)中、Arは二価の芳香族基である。
溶媒溶解性および製品性能、特には機械的強度の観点から、前記ポリカーボネート(I)として、前記Arが下記一般式(8)で表される二価の基であるポリカーボネートを用いることが好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(8)中、
およびRは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
およびRは、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のRは、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のRは、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
は、単結合または連結基であり、Xが連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR10−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
およびR10は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択される。
本実施形態において、前記一般式(7)におけるArは、上記範疇の構造のうち、異なる複数の化合物であっても構わない。
本実施形態において、溶媒への溶解性の観点から、前記一般式(7)で表されるカーボネート単位は、共重合体であることが好ましい。
本実施形態において、製品性能、特には機械的強度の観点から、前記一般式(7)で表されるカーボネート単位は、下記一般式(70)で表されるカーボネート単位および下記一般式(71)で表されるカーボネート単位の少なくともいずれかを含む共重合体であることがより好ましい。
Figure 0006853860
準備工程において準備するポリカーボネート(I)は、例えば、後述する実施例に記載の方法により製造することができる。具体的には、下記一般式(100)で表されるビスクロロホーメートオリゴマーのオリゴマー溶液と、下記一般式(101)で表される二価フェノール性化合物および下記一般式(102)で表される末端封止剤を含むビフェノール水溶液とを別々に調製し、これらを触媒の存在下、界面重縮合反応させることにより、製造することができる。
Figure 0006853860
前記一般式(100)および(101)におけるArは、前記一般式(a)におけるArとそれぞれ同義であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記一般式(100)におけるq11は、ビスクロロホーメートオリゴマーの平均量体数を示し、生産性の観点から、1以上10以下であることが好ましい。前記一般式(102)におけるArおよびRは、前記一般式(a)におけるArおよびRとそれぞれ同義である。
(混合工程)
次に、ポリカーボネート(I)を、ポリカーボネート(II)およびポリエステル(III)の少なくともいずれかと混合する。
ここで、ポリカーボネート(II)は、分子内に脂肪族水酸基を有さず、ポリカーボネート(I)とは異なる繰り返し構造を有するポリカーボネートである。
原料入手性および製品性能の観点から、ポリカーボネート(II)としては、芳香族ポリカーボネートを用いることが好ましく、製品性能、特には機械的強度の観点から、下記一般式(9)で表される構造を有するポリカーボネートを用いることがより好ましい。
Figure 0006853860
前記一般式(9)中、
11およびR12は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
11およびR12は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR11は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR12は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
は、単結合または連結基であり、Xが連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR1314−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
13およびR14は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される。
前記一般式(9)において、製造コストの観点から、Xは−CR1314−であることが好ましく、R13およびR14がメチル基であることがより好ましい。
また、原料入手性の観点から、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子であることが好ましい。
耐摩耗性の観点から、前記ポリエステル(III)としては、ビスフェノールAと、イソフタル酸およびテレフタル酸の少なくともいずれか、より好ましくは両方、とから得られたポリエステルを用いることが好ましくい。
ポリカーボネート(I)と、ポリカーボネート(II)およびポリエステル(III)の少なくともいずれかとの混合は、例えば、紛体同士の混合、またはそれぞれ溶液状態での溶液ブレンド等で実施できる。取扱いの簡便さの観点から、紛体同士の混合が好ましい。
(エステル交換反応工程)
次に、混合したポリカーボネート(I)およびポリカーボネート(II)、混合したポリカーボネート(I)およびポリエステル(III)、または混合したポリカーボネート(I)、ポリカーボネート(II)、およびポリエステル(III)に対して、加熱混合下でエステル交換反応を行う。
混合工程において、ポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)とを混合した場合、エステル交換反応に用いるポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)の質量比については、何らの制限もなく、得られるブロック共重合体が要求特性を満たせば、あらゆる質量比が好適に用いることができる。製品性能および製造コストの観点から、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜40:60である。
エステル交換反応の際の温度は、ポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)とが、溶融する温度条件であれば特に制限はないが、反応が進行し易くなるとともに、分解反応を引き起こす恐れもないことから、260℃〜400℃の範囲が好ましい。より好ましくは280℃〜380℃、さらに好ましくは300℃〜360℃である。
混合工程において、ポリカーボネート(I)とポリエステル(III)とを混合した場合、エステル交換反応に用いるポリカーボネート(I)とポリエステル(III)の質量比については、何らの制限もなく、得られるブロック共重合体が要求特性を満たせば、あらゆる質量比が好適に用いることができる。製品性能および製造コストの観点から、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜40:60である。
エステル交換反応の際の温度は、ポリカーボネート(I)とポリエステル(III)とが、溶融する温度条件であれば特に制限はないが、反応が進行し易くなるとともに、分解反応を引き起こす恐れもないことから、260℃〜400℃の範囲が好ましい。より好ましくは280℃〜380℃、さらに好ましくは300℃〜360℃である。
混合工程において、ポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)とポリエステル(III)とを混合した場合、エステル交換反応に用いるポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)とポリエステル(III)の質量比については、何らの制限もなく、得られるブロック共重合体が要求特性を満たせば、あらゆる質量比が好適に用いることができる。製品性能および製造コストの観点から、好ましくは、ポリカーボネート(I)に対して、ポリカーボネート(II)およびポリエステル(III)の合計量の質量比は、5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜40:60である。
エステル交換反応の際の温度は、ポリカーボネート(I)とポリカーボネート(II)とポリエステル(III)とが、溶融する温度条件であれば特に制限はないが、反応が進行し易くなるとともに、分解反応を引き起こす恐れもないことから、260℃〜400℃の範囲が好ましい。より好ましくは280℃〜380℃、さらに好ましくは300℃〜360℃である。
本実施形態の製造方法で使用されるエステル交換触媒としては、例えば、酸性触媒、および塩基性触媒等が、反応活性の観点から好適に用いられる。
酸性触媒としては金属酸化物が原料入手性および安全性の観点から好適であり、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、および酸化鉛等が例として挙げられる。このうちでは酸化亜鉛が好ましい。
塩基性触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、および含リン化合物等が挙げられる。具体的には、アルカリ金属化合物としては、例えば、アルカリ金属の、水酸化物、無機塩、有機塩、ハロゲン化物、および水素化物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属の、水酸化物、無機塩、有機塩、ハロゲン化物、および水素化物等が挙げられる。また、含窒素化合物としては、例えば、アミン類等が挙げられる。また、含リン化合物としては、例えば、各種のホスホニウム塩等が挙げられる。より具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、およびトリフェニルアミン等)、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、並びにテトラフェニルホスホニウムクロライド等が挙げられる。
これらの触媒は、ブロック共重合体に要求される特性を満足すれば、添加量には特に制限はないが、触媒残渣が残留する恐れがなく、製品性能をより向上させることができる観点から、好ましくはブロック共重合体に対し1000質量ppm以下、好ましくは500質量ppm以下、より好ましくは100質量ppm以下、さらに好ましくは10質量ppm以下であり、触媒を使用しないことが望ましい。
エステル交換反応に用いる装置としては、例えば、バンバリーミキサーに代表されるバッチ式の混練機、および短軸または二軸押出し機等の連続機等が、何らの制約も無く使用できる。製造コストの観点から二軸押出し機が好適に用いられる。この時、系内を減圧にして混練時に揮発する水分等を除去しても構わない。
本実施形態の製造方法により得られるPC樹脂は、粘度平均分子量が15,000以上200,000以下であることが好ましく、20,000以上100,000以下であることがより好ましく、23,000以上80,000以下であることがさらに好ましい。
[塗工液の構成]
本実施形態の塗工液は、少なくとも、本発明の一実施形態に係るPC樹脂、および溶媒を含む。溶媒は、本発明の一実施形態に係るPC樹脂を溶解、または分散可能であることが好ましい。
本実施形態で使用される溶媒としては、本発明の一実施形態に係るPC樹脂およびその他の材料の、溶解性、分散性、粘度、蒸発速度、科学的安定性、および物理的変化に対する安定性等を考慮し、単独、あるいは複数の溶媒を混合して使用することができる。
本実施形態において、取扱いの容易さの観点から、溶媒は、有機溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒の具体例としては、例えば、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびクロロベンゼン等)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、およびメチルイソブチルケトン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、エチルセロソルブ、およびεカプロラクタム等)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、およびテトラクロロエタン等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、およびジオキサン等)、アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、およびジエチルホルムアミド等)、並びにスルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド等)等を挙げることができる。プロセス適用性の観点から、好ましくは、沸点が、160℃以下の有機溶媒である。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合溶媒として使用してもよい。
本実施形態において、有機溶媒は、環境衛生、蒸発性、溶解性、取り扱い性および経済性の観点から、アミド系有機溶媒およびハロゲン系有機溶媒のいずれも含まないことが好ましい。また、本実施形態において、安全性の観点から、有機溶媒は、非ハロゲン系有機溶媒を含むことが好ましい。本実施形態のPC樹脂は、沸点が比較的低い非ハロゲン系有機溶媒に対しても溶解性が高い。
非ハロゲン系有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、およびジオキソラン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、パラキシレン、およびトルエン等)、並びにケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノン等)等を挙げることができる。中でも、本実施形態のPC樹脂の溶解性が高いことから、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、トルエン、シクロヘキサノン、およびシクロペンタノンのうち、1種または2種以上含む有機溶媒が好ましく、テトラヒドロフランを含む有機溶媒がより好ましい。
本実施形態の塗工液中の、本発明の一実施形態に係るPC樹脂成分の濃度は、同塗工液の使用法に合わせた適切な粘度となる濃度であればよく、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。40質量%以下であれば、粘度が高くなりすぎることもなく塗工性が良好となる。0.1質量%以上であれば、適度な粘度に保つことができ、均質な膜が得られる。また、塗工後の乾燥時間の短縮や、容易に目標とする膜厚とするのに適度な濃度となる。
本発明の一実施形態に係るPC樹脂は、前記溶媒、特には非ハロゲン系有機溶媒に溶解しても白化またはゲル化を起こすことがない。従って、上記PC樹脂および溶媒を含有する本実施形態の塗工液は、長期に亘ってPC樹脂成分の白化およびゲル化を起こすことなく安定に保存することが可能である。また、本実施形態の塗工液は成形性に優れているため、当該塗工液を用いて成形体を形成した場合、成形品が結晶化を起こすこともなく、透明性の高い成形体を作製することができる。
塗工液には、本発明の一実施形態に係るPC樹脂および溶媒以外に、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、低分子化合物、着色剤(例えば、染料、および顔料等)、機能性化合物(例えば、電荷輸送材、電子輸送材、正孔輸送材、および電荷発生材等)、充填材(例えば、無機または有機のフィラー、ファイバー、および微粒子等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、並びに酸捕捉剤等が挙げられる。また、塗工液には、本発明の一実施形態に係る樹脂以外の他の樹脂が含まれていてもよい。
これら添加剤や他の樹脂としては、PC樹脂に含まれる物質として公知の物質を用いることができる。
本発明の一実施形態に係るPC樹脂は、前記電荷輸送材との相溶性がよい上に、前記有機溶媒に溶解しても白化およびゲル化を起こすことがない。従って、本実施形態の塗工液は、長期に亘ってPC重合体成分の白化およびゲル化を起こすことなく安定に保存することが可能である。また、この塗工液を用いて電子写真感光体の感光層を形成した場合、感光層が結晶化を起こすこともなく、画質上のディフェクトを生じない優れた電子写真感光体を作製することができる。
また、電荷輸送物質を含む場合、製品性能の観点から、本実施形態の塗工液中のPC樹脂と電荷輸送物質との割合は、質量比で20:80〜80:20であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。
本実施形態の塗工液中、本実施形態のPC樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の塗工液は、通常、感光層が少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体の電荷輸送層の形成に好適に用いられる。また、上記塗工液に、さらに上記電荷発生物質を含有させることにより、単層型の電子写真感光体の感光層の形成に使用することも可能である。
[電子写真感光体の構成]
本実施形態の電子写真感光体は、導電性基板と、前記導電性基板上に設けられた感光層とを有し、前記感光層の一成分として、本発明の一実施形態に係るPC樹脂を含有する。
本実施形態の電子写真感光体は、本発明の一実施形態に係るPC樹脂を感光層中に用いる限り、公知の種々の形式の電子写真感光体はもとより、どのようなものとしてもよい。
製造コストの観点から、好ましくは、感光層が、少なくとも1層の電荷発生層と少なくとも1層の電荷輸送層とを有する積層型電子写真感光体、または、一層に電荷発生物質と電荷輸送物質とを有する単層型電子写真感光体である。
本発明の一実施形態に係るPC樹脂は、感光層中のどの部分にも使用してもよいが、本発明の効果を十分に発揮するためには、電荷輸送層中において電荷移動物質のバインダー樹脂として使用するか、単一の感光層のバインダー樹脂として使用することが望ましい。また、感光層のみならず、表面保護層として使用することが望ましい。電荷輸送層を2層有する多層型の電子写真感光体の場合には、そのいずれかの電荷輸送層に使用することが好ましい。
本実施形態の電子写真感光体において、本発明の一実施形態に係るPC樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、所望に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で、他のポリカーボネート等のバインダー樹脂成分を含有させてもよい。さらに、酸化防止剤等の添加物を含有させてもよい。
本実施形態の電子写真感光体は、感光層を導電性基板上に有する。感光層が電荷発生層と電荷輸送層とを有する場合、電荷発生層上に電荷輸送層が積層されていてもよく、また電荷輸送層上に電荷発生層が積層されていてもよい。また、一層中に電荷発生物質と電荷輸送物質を同時に含む感光層であってもよい。さらにまた、必要に応じて表面層に導電性または絶縁性の保護膜が形成されていてもよい。感光体のいずれかの層に本発明の一実施形態に係るPC樹脂を用いることで、電子写真プロセスにおける感度や電気特性に実用上問題のない電子写真感光体を得ることができる。
さらに、各層間の接着性を向上させるための接着層あるいは電荷のブロッキングの役目を果すブロッキング層等の中間層等が形成されていてもよい。
本実施形態の電子写真感光体に用いられる導電性基板材料としては、公知の材料等各種の材料を使用することができる。具体的には、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、パラジウム、チタン、モリブデン、インジウム、金、白金、銀、銅、亜鉛、真鍮、ステンレス鋼、酸化鉛、酸化錫、酸化インジウム、ITO(インジウムチンオキサイド:錫ドープ酸化インジウム)、およびグラファイト等からなる板、ドラム、およびシート、導電処理(例えば、蒸着、スパッタリング、および塗布等によるコーティング等)したガラス、布、および紙、プラスチックのフィルム、シート、およびシームレスベルト、ならびに電極酸化等により金属酸化処理した金属ドラム等を使用することができる。
前記電荷発生層は少なくとも電荷発生材料を有する。この電荷発生層はその下地となる導電性基板上に真空蒸着、スパッタ法等により電荷発生材料の層を形成するか、またはその下地となる基板上に電荷発生材料を、バインダー樹脂を用いて結着してなる層を形成することによって得ることができる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形成方法としては公知の方法等各種の方法を使用することができる。通常、例えば、電荷発生材料をバインダー樹脂と共に適当な溶媒により分散または溶解した塗工液を、所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥せしめて湿式成形体として得る方法が、製造コストの観点から、好適である。
前記電荷発生層における電荷発生材料としては、公知の各種の材料を使用することができる。具体的な化合物としては、例えば、セレン単体(例えば、非晶質セレン、および三方晶セレン等)、セレン合金(例えば、セレン−テルル等)、セレン化合物もしくはセレン含有組成物(例えば、AsSe等)、酸化亜鉛、周期律表第12族および第16族元素からなる無機材料(例えば、CdS−Se等)、酸化物系半導体(例えば、酸化チタン等)、シリコン系材料(例えば、アモルファスシリコン等)、無金属フタロシアニン顔料(例えば、τ型無金属フタロシアニン、およびχ型無金属フタロシアニン等)、金属フタロシアニン顔料(例えば、α型銅フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、γ型銅フタロシアニン、ε型銅フタロシアニン、X型銅フタロシアニン、A型チタニルフタロシアニン、B型チタニルフタロシアニン、C型チタニルフタロシアニン、D型チタニルフタロシアニン、E型チタニルフタロシアニン、F型チタニルフタロシアニン、G型チタニルフタロシアニン、H型チタニルフタロシアニン、K型チタニルフタロシアニン、L型チタニルフタロシアニン、M型チタニルフタロシアニン、N型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、X線回折図におけるブラック角2θが27.3±0.2度に強い回折ピークを示すチタニルフタロシアニン、およびガリウムフタロシアニン等)、シアニン染料、アントラセン顔料、ビスアゾ顔料、ピレン顔料、多環キノン顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、ピリリウム染料、スクアリウム顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料、アゾ顔料、チオインジゴ顔料、キノリン顔料、レーキ顔料、オキサジン顔料、ジオキサジン顔料、トリフェニルメタン顔料、アズレニウム染料、トリアリールメタン染料、キサンチン染料、チアジン染料、チアピリリウム染料、ポリビニルカルバゾール、並びにビスベンゾイミダゾール顔料等が挙げられる。これら化合物は、1種を単独であるいは2種以上の化合物を混合して、電荷発生物質として用いることができる。これら電荷発生物質の中でも、性能および安全性の観点から、好適な電荷発生物質としては、特開平11−172003号公報に具体的に記載の電荷発生物質が挙げられる。
前記電荷輸送層は、下地となる導電性基板上に、電荷輸送物質をバインダー樹脂で結着してなる層を形成することによって、湿式成形体として得ることができる。
前記した電荷発生層や電荷輸送層のバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知の各種の樹脂を使用することができる。具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メタクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポリチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、およびポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いることもできるし、また、2種以上を混合して用いることもできる。なお、製造コストの観点から、電荷発生層や電荷輸送層におけるバインダー樹脂としては、前記した本実施形態のPC樹脂を使用することが好適である。
電荷輸送層の形成方法としては、公知の各種の方式を使用することができるが、製造コストの観点から、電荷輸送物質を本発明の一実施形態に係るPC樹脂とともに適当な溶媒に分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥して湿式成形体として得る方法が好適である。電荷輸送層形成に用いられる電荷輸送物質と、本発明の一実施形態に係るPC樹脂との配合割合は、製品性能の観点から、好ましくは質量比で20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜70:30である。
この電荷輸送層において、本発明の一実施形態に係るPC樹脂は1種単独で用いることもでき、また2種以上混合して用いることもできる。また、本発明の目的を阻害しない範囲で、他のバインダー樹脂を、本発明の一実施形態に係るPC樹脂と併用することも可能である。
このようにして形成される電荷輸送層の厚さは、好ましくは5μm以上100μm以下程度、より好ましくは10μm以上30μm以下である。この厚さが5μm以上であれば、初期電位が低くなることもなく、100μm以下であれば、電子写真特性の低下を防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係るPC樹脂と共に使用できる電荷輸送物質としては、公知の各種の化合物を使用することができる。このような化合物としては、例えば、カルバゾール化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、スチルベン化合物、フルオレノン化合物、ブタジエン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、およびこれらの構造を主鎖や側鎖に有する重合体等が好適に用いられる。これら化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これら電荷輸送物質の中でも、特開平11−172003号公報において具体的に例示されている化合物、および以下の構造で表される電荷輸送物質が、性能および安全性の観点から、好適に用いられる。
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
なお、製造コストの観点から、本実施形態の電子写真感光体においては、電荷発生層および電荷輸送層の少なくともいずれかに本実施形態のPC樹脂をバインダー樹脂として用いることが好適である。
本実施形態の電子写真感光体においては、前記導電性基板と感光層との間に、通常使用されるような下引き層を設けることができる。この下引き層としては、例えば、微粒子(例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン鉛、チタンブラック、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、酸化インジウム、および酸化珪素等)、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、並びにポリビニルブチラール樹脂等の成分を使用することができる。また、この下引き層に用いる樹脂として、前記バインダー樹脂を用いてもよいし、本実施形態のPC樹脂を用いてもよい。これら微粒子および樹脂は、単独または種々混合して用いることができる。これらの混合物として用いる場合には、無機質微粒子と樹脂を併用すると、平滑性のよい皮膜が形成されることから好適である。
この下引き層の厚みは、好ましくは0.01μm以上10μm以下、より好ましくは0.1μm以上7μm以下である。この厚みが0.01μm以上であると、下引き層を均一に形成することが可能となり、また10μm以下であると電子写真特性が低下することを抑制できる。
また、前記導電性基板と感光層との間には、通常使用されるような公知のブロッキング層を設けることができる。このブロッキング層としては、前記のバインダー樹脂と同種の樹脂を用いることができる。また本発明の一実施形態に係るPC樹脂を用いてもよい。このブロッキング層の厚みは、好ましくは0.01μm以上20μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下である。この厚みが0.01μm以上であると、ブロッキング層を均一に形成することが可能となり、また20μm以下であると電子写真特性が低下することを抑制できる。
さらに、本実施形態の電子写真感光体には、感光層の上に、保護層を積層してもよい。この保護層には、前記のバインダー樹脂と同種の樹脂を用いることができる。また、本発明の一実施形態に係るPC樹脂を用いることが好ましい。製品性能の観点から、この保護層の厚みは、好ましくは0.01μm以上20μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下である。そして、この保護層には、前記電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、金属やその酸化物、窒化物、塩、合金、カーボンブラック、有機導電性化合物等の導電性材料を含有していてもよい。
さらに、この電子写真感光体の性能向上のために、前記電荷発生層および電荷輸送層には、例えば、結合剤、可塑剤、硬化触媒、流動性付与剤、ピンホール制御剤、および分光感度増感剤(増感染料)等を添加してもよい。また、繰り返し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低下を防止する目的で種々の化学物質、酸化防止剤、界面活性剤、カール防止剤、およびレベリング剤等の添加剤を添加することができる。
前記結合剤としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ホルマール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合樹脂、およびポリエステルカーボネート樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂の少なくとも一方も使用できる。いずれにしても、電気絶縁性で通常の状態で皮膜を形成し得る樹脂であり、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に制限はない。製品性能の観点から、結合剤は、前記電荷輸送物質に対して、80質量%以下で用いることが好ましい。
前記可塑剤の具体例としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、o−ターフェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、トリフェニルフォスフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ラウリル酸ブチル、メチルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコールフタレート、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびフルオロ炭化水素等が挙げられる。
前記硬化触媒の具体例としては、例えば、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、およびジノニルナフタレンジスルホン酸等が挙げられ、流動性付与剤としては、例えば、モダフロー、およびアクロナール4F等が挙げられ、ピンホール制御剤としては、例えば、ベンゾイン、およびジメチルフタレート等が挙げられる。
製造コストの観点から、これら可塑剤、硬化触媒、流動性付与剤、およびピンホール制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5質量%以下で用いることが好ましい。
また、分光感度増感剤としては、増感染料を用いる場合には,例えば、トリフェニルメタン系染料(例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、およびビクトリアブルー等)、アクリジン染料(例えば、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、およびフラペオシン等)、チアジン染料(例えば、メチレンブルー、およびメチレングリーン等)、オキサジン染料(例えば、カプリブルー、およびメルドラブルー等)、シアニン染料、メロシアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料、並びにチオピリリウム塩染料等が、製造コストおよび安全性の観点から適している。
感光層には、感度の向上、残留電位の減少、および反復使用時の疲労低減等の目的で、電子受容性物質を添加することができる。その具体例としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、p−ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、2,3−ジクロロベンゾキノン、ジクロロジシアノパラベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4’−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデン−(ジシアノメチレンマロノニトリル)、ポリニトロ−9−フルオレニリデン−(ジシアノメチレンマロノジニトリル)、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、およびメリット酸等の電子親和力の大きい化合物が好ましい。これら化合物は電荷発生層、および電荷輸送層のいずれに加えてもよく、その配合割合は、製品性能の観点から、電荷発生物質または電荷輸送物質の量を100質量部としたときに、好ましくは0.01質量部以上200質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上50質量部以下である。
また、表面性の改良のため、例えば、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体、並びにフッ素系グラフトポリマー等を用いてもよい。これら表面改質剤の配合割合は、前記バインダー樹脂に対して、好ましくは0.1質量%以上60質量%以下、より好ましくは5質量%以上40質量%以下である。この配合割合が0.1質量%以上であれば、表面耐久性、および表面エネルギー低下等の表面改質が充分であり、60質量%以下であれば、電子写真特性の低下を招くこともない。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、および有機リン酸系酸化防止剤等が好ましい。これら酸化防止剤の配合割合は、製品性能の観点から、前記電荷輸送物質に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。
このような酸化防止剤の具体例としては、特開平11−172003号公報の明細書に記載された化学式[化94]〜[化101]の化合物が、製造コストおよび安全性の観点から好適である。
これら酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい、そして、これらは前記感光層のほか、表面保護層や下引き層、ブロッキング層に添加してもよい。
前記電荷発生層、および電荷輸送層の形成の際に使用する前記溶媒の具体例としては、例えば、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびクロロベンゼン等)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、およびシクロヘキサノン等)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、およびイソプロパノール等)、エステル(例えば、酢酸エチル、およびエチルセロソルブ等)、ハロゲン化炭化水素(例えば、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、およびテトラクロロエタン等)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、およびジオキサン等)、並びにアミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびジエチルホルムアミド等)等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、あるいは、2種以上を混合溶媒として使用してもよい。
単層型電子写真感光体の感光層は、前記の電荷発生物質、電荷輸送物質、および添加剤を用い、本発明の一実施形態に係るPC樹脂をバインダー樹脂として適用することで容易に形成することができる。また、製品性能の観点から、電荷輸送物質としては前述したホール輸送性物質および電子輸送物質の少なくとも一方を添加することが好ましい。電子輸送物質としては、特開2005−139339号公報に例示される電子輸送物質が、製造コストおよび安全性の観点から好ましく適用できる。
各層の塗布は公知の装置等各種の塗布装置を用いて行うことができ、具体的には、例えば、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、チップコーター、ロールコーター、ディップコーター、およびドクタブレード等を用いて行うことができる。
電子写真感光体における感光層の厚さは、好ましくは5μm以上100μm以下、より好ましくは8μm以上50μm以下である。感光層の厚さが5μm以上であると、初期電位が低くなることを防ぐことができ、100μm以下であると電子写真特性が低下することを抑制することができる。電子写真感光体の製造に用いられる電荷発生物質:バインダー樹脂の比率は、製品性能および製造コストの観点から、質量比で1:99〜30:70であることが好ましく、3:97〜15:85であることがより好ましい。また、電荷輸送物質:バインダー樹脂の比率は、製品性能および製造コストの観点から、質量比で10:90〜80:20であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。
電子写真感光体は、通常、機能性材料と共にバインダー樹脂を有機溶媒に溶解し、導電性基板等にキャスト製膜する方法で製造されることから、機能性材料およびバインダー樹脂には、有機溶媒への溶解性および安定性が求められる。
上記のようにして得られる電子写真感光体は、本実施形態のPC樹脂を用いるため、感光層作製時に塗工液が白濁することがなく、ゲル化することもない。
[電子写真装置]
本実施形態の電子写真感光体は、電子写真装置に好適に用いることができる。
なお、本実施形態の電子写真感光体を使用するにあたっては、帯電には、例えば、コロナ放電(例えば、コロトロン、およびスコロトロン等)、並びに接触帯電(例えば、帯電ロール、および帯電ブラシ等)等が用いられる。帯電ロールとしては、例えば、DC帯電方式、およびAC電圧を重畳させたAC/DC重畳帯電方式等が挙げられる。また、露光には、ハロゲンランプ、蛍光ランプ、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、および感光体内部露光方式のいずれを採用してもよい。現像には、例えば、乾式現像方式(例えば、カスケード現像、二成分磁気ブラシ現像、一成分絶縁トナー現像、および一成分導電トナー現像等)、並びに湿式現像方式等が用いられる。転写には、例えば、静電転写法(例えば、コロナ転写、ローラ転写、およびベルト転写等)、圧力転写法、並びに粘着転写法等が用いられる。定着には、例えば、熱ローラ定着、ラジアントフラッシュ定着、オープン定着、および圧力定着等が用いられる。さらに、クリーニング・除電には、例えば、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、およびブレードクリーナー等が用いられる。なお、クリーナーレス方式を採用してもよい。また、トナー用の樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、および環状炭化水素の重合体等が適用できる。トナーの形状は、球形でも不定形でもよい。一定の形状(回転楕円体状、ポテト状等)に制御されたトナーも適用できる。トナーは、粉砕型トナー、懸濁重合トナー、乳化重合トナー、ケミカル造粒トナー、あるいはエステル伸長トナーのいずれでもよい。
[PC−PEs樹脂]
本実施形態のPC−PEs樹脂は、下記一般式(b)で表される。本実施形態のPC−PEs樹脂は、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とをブロック共重合させた樹脂である。
Figure 0006853860
前記一般式(b)中、Aは下記一般式(18)〜(21)のいずれかで表される二価の基であり、Ar100およびAr50は、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、Ar51は下記一般式(22)〜(24)のいずれかで表される二価の基であり、xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、x:yは100:0〜5:95であり、m1およびm2はそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、m1/(m1+m2)は0.05〜0.95である。ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
前記一般式(18)〜(21)中、
111〜R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
111〜R114は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR111は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR112は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR113は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR114は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
102は、単結合または連結基であり、X102が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−CO−、
−S−、
−SO−、
−SO−、
−CR115116−、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
1,8−メンタンジイル基、
2,8−メンタンジイル基、
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
115およびR116は、それぞれ独立に、
水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、
トリフルオロメチル基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
117は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
前記一般式(22)〜(24)中、
118〜R121は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
118〜R121は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR118は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR119は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR120は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR121は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
103は、単結合または連結基であり、X103が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。
本実施形態のPC−PEs樹脂は、有機溶媒への溶解性に優れるため、例えば、電子写真感光体用途として好適である。
本実施形態において、耐摩耗性と溶解性の観点から、前記一般式(b)で表されるPC−PEs樹脂は、1,1−ビス(フェニレン−4−イル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)および4,4−ビフェノールから選ばれる少なくとも1種を含むポリカーボネート樹脂を原料として使用した樹脂であることが好ましい。
本実施形態において、PC−PEs樹脂は、粘度平均分子量が15,000以上200,000以下であることが好ましく、20,000以上100,000以下であることがより好ましく、23,000以上80,000以下であることがさらに好ましい。
[PC−PEs樹脂の製造方法]
(第一の製造方法)
PC−PEs樹脂の第一の製造方法は、ポリエステル樹脂と、下記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる製造方法である。
Figure 0006853860
前記一般式(50)中、
Ar50は二価の芳香族基であり、Ar51は、下記一般式(15)〜(17)のいずれかで表される二価の基であり、xおよびyは( )内の構成単位のモル比であって、x:yは100:0〜5:95である。ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。
Figure 0006853860
Figure 0006853860
Figure 0006853860
前記一般式(15)〜(17)中、
107〜R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
107〜R110は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR107は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR108は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR109は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR110は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
101は、単結合または連結基であり、X101が連結基である場合の連結基は、
−O−、
−S−、
2,2−アダマンチル基、
1,3−アダマンチル基、
置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
カルボニル基、および
α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。
第一の製造方法によれば、特性の異なるポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とを種々組合わせることで、目的とする構造および特性を併せ持つPC−PEs樹脂を、簡易に得ることができる。
第一の製造方法により、上述の本発明の一実施形態におけるPC−PEs樹脂を製造することもできる。
第一の製造方法において、耐摩耗性の観点から、ポリエステル樹脂としては、種々の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
また、耐摩耗性および溶解性の観点から、前記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂としては、1,1−ビス(フェニレン−4−イル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)および4,4−ビフェノールから選ばれる少なくとも1種を含むポリカーボネート樹脂を原料として使用した樹脂が好ましく用いられる。
第一の製造方法において、溶融下反応(溶融混練)の際のポリエステル樹脂と前記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂の質量比については、何らの制限もなく、得られるブロック共重合体が要求特性を満たせば、あらゆる質量比が好適に用いることができる。製品性能および製造コストの観点から、好ましくは5:95〜95:5であり、より好ましくは10:90〜90:10である。
反応の際の温度は、ポリエステル樹脂と前記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂とが、溶融する温度条件であれば特に制限はないが、反応が進行し易くなるとともに、分解反応を引き起こす恐れもないことから、260℃〜400℃の範囲が好ましい。より好ましくは280℃〜380℃、さらに好ましくは300℃〜360℃である。
第一の製造方法で使用されるエステル交換触媒としては、例えば、酸性触媒、および塩基性触媒等が、反応活性の観点から好適に用いられる。
酸性触媒としては金属酸化物が原料入手性および安全性の観点から好適であり、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、および酸化鉛等が例として挙げられる。このうちでは酸化亜鉛が好ましい。
塩基性触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、および含リン化合物等が挙げられる。具体的には、アルカリ金属化合物としては、例えば、アルカリ金属の、水酸化物、無機塩、有機塩、ハロゲン化物、および水素化物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属の、水酸化物、無機塩、有機塩、ハロゲン化物、および水素化物等が挙げられる。また、含窒素化合物としては、例えば、アミン類等が挙げられる。また、含リン化合物としては、例えば、各種のホスホニウム塩等が挙げられる。より具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、およびトリフェニルアミン等)、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、並びにテトラフェニルホスホニウムクロライド等が挙げられる。
これらの触媒は、ブロック共重合体に要求される特性を満足すれば、添加量には特に制限はないが、触媒残渣が残留する恐れがなく、製品性能(例えば、電子写真感光体特性、長期安定性、および耐熱性等)をより向上させることができる観点から、好ましくはブロック共重合体に対し1000質量ppm以下、好ましくは500質量ppm以下、より好ましくは100質量ppm以下、さらに好ましくは10質量ppm以下である。電子写真感光体用途向け等、触媒の微量な残留が特性に影響する用途向けには、特に高活性の触媒(CsF等)を用いて残留量を低減したり、特性に影響の出にくい触媒を用いたりする等の対応をとることが好ましい。
また、電子写真感光体用途向け等、触媒の残留が特性に影響する用途向けには、ブロック共重合体の製造の後に精製工程を設けて触媒を除去しても良い。第一の触媒除去方法としては、ブロック共重合体を溶媒(有機溶媒等)に溶解させて溶液を調製し、この溶液を同溶液の溶媒とは混じり合わない液体(水等)を用いて洗浄する方法が挙げられる。第二の触媒除去方法としては、吸着剤等を用いて触媒を除去する方法が挙げられる。触媒は、その他の公知の方法を利用して除去することもできる。
これらの触媒除去方法の中でも、第一の触媒除去方法は、残留不純物を定量的に低減できるので好ましい。第一の触媒除去方法を採用する場合には、水溶性の触媒を使用することが好ましい。水溶性の触媒としては、酸化亜鉛等が挙げられる。
溶融下反応に用いる装置としては、例えば、バンバリーミキサーに代表されるバッチ式の混練機、および短軸または二軸押出し機等の連続機等が、何らの制約も無く使用できる。製造コストの観点から二軸押出し機が好適に用いられる。溶融下反応時には、系内を減圧にして混練時に揮発する水分等を除去しても構わない。
第一の製造方法により得られるPC−PEs樹脂は、粘度平均分子量が15,000以上200,000以下であることが好ましく、20,000以上100,000以下であることがより好ましく、23,000以上80,000以下であることがさらに好ましい。
(第二の製造方法)
PC−PEs樹脂の第二の製造方法は、第一のポリカーボネート樹脂および第二のポリカーボネート樹脂の少なくともいずれかと、下記一般式(10−A)で表されるポリエステル樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる工程を含む製造方法である。前記第一のポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA単独成分からなり、粘度平均分子量が20,000以上のポリカーボネート樹脂であり、前記第二のポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAとポリジメチルシロキサン構造を有するフェノール化合物との共重合ポリカーボネート樹脂である。
Figure 0006853860
前記一般式(10−A)中、
122は、
水素原子、
ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、
炭素数1〜12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、および
置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
122は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR122は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。
第二の製造方法によれば、テトラヒドロフラン(THF)に対して25℃で10質量%の濃度で溶解した溶液のHAZE値が10%以下であるPC−PEs樹脂を得ることができる。HAZE値は、スガ試験機製全自動ヘーズコンピュータ(HGM−2D)を用い、JISK7105に準拠して測定することができる。
また、第二の製造方法によれば、特性の異なるポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とを種々組合わせることで、目的とする構造および特性を併せ持つPC−PEs樹脂を、簡易に得ることができる。
第二の製造方法により、上述の本発明の一実施形態におけるPC−PEs樹脂を製造することもできる。
第二の製造方法において、耐摩耗性の観点から、第一のポリカーボネート樹脂としては、粘度平均分子量が20,000以上のポリカーボネート樹脂が用いられる。好ましくは粘度平均分子量22,000以上、より好ましくは25,000以上、さらに好ましくは30,000以上のポリカーボネート樹脂が用いられる。
また、耐摩耗性および潤滑性付与の観点から、第二のポリカーボネート樹脂としては、粘度平均分子量が20,000以上のポリジメチルシロキサン共重合ポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。より好ましくは粘度平均分子量22,000以上、さらに好ましくは25,000以上、さらにより好ましくは30,000以上のポリジメチルシロキサン共重合体ポリカーボネートが用いられる。
また、耐摩耗性の観点から、前記一般式(10−A)で表されるポリエステル樹脂としては、ビスフェノールAと、イソフタル酸およびテレフタル酸の少なくともいずれかとから誘導されるポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
第二の製造方法において、溶融下反応の際のポリカーボネート樹脂と共重合ポリカーボネート樹脂と前記一般式(10−A)で表されるポリエステル樹脂の質量比については、何らの制限もなく、得られるブロック共重合体が要求特性を満たせば、あらゆる質量比が好適に用いることができる。製品性能および製造コストの観点から、好ましくは5:95〜95:5であり、より好ましくは10:90〜90:10である。
反応の際の温度は、ポリエステル樹脂と前記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂とが、溶融する温度条件であれば特に制限はないが、反応が進行し易くなるとともに、分解反応を引き起こす恐れもないことから、260℃〜400℃の範囲が好ましい。より好ましくは280℃〜380℃、さらに好ましくは300℃〜360℃である。
第二の製造方法において、エステル交換触媒および装置は、上述のPC−PEs樹脂の第一の製造方法と同様のエステル交換触媒および装置を用いることができる。
第二の製造方法により得られるPC−PEs樹脂は、粘度平均分子量が15,000以上200,000以下であることが好ましく、20,000以上100,000以下であることがより好ましく、23,000以上80,000以下であることがさらに好ましい。
次に、本発明を実施例および比較例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲での種々の変形および応用が可能である。
(製造例1)
ポリカーボネート(I)の製造例を下記する。
1,1−ビス(4−ビドロキシフェニル)シクロヘキサン87gを6%濃度の1.5規定の水酸化カリウム水溶液550mLに溶解した溶液と、塩化メチレン250mLとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950mL/分の割合で15分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホルメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を、有機層に得た。得られたオリゴマーの固形分濃度が146g/Lとなる様に有機層に塩化メチレンを加え、500mLのオリゴマー溶液を分取した(オリゴマー溶液)。
次に、4,4’−ジヒドロキシビフェニル12gを7質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液170mLに溶解し、これに4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール0.5gを加え、ビフェノール水溶液を得た(ビフェノール水溶液)。
前記したオリゴマー溶液に、ビフェノール水溶液を加えて混合し、この混合液を激しく撹拌しながら触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液を2mL加え、10℃に保った状態で撹拌を続けながら界面重縮合反応を1時間行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで1回、0.15規定水酸化ナトリウム水溶液1リットルで1回、0.01規定塩酸1リットルで1回、水1リットルで2回の順で洗浄してポリマー溶液を得た。
次に、撹拌羽根を装着したバッフル付き容器を別途用意し、これにメタノール5リットルを投入した。容器中のメタノールを撹拌羽根で十分撹拌しながら、前記したポリマー溶液のうち1リットルを、粒子が形成される速度でゆっくり滴下し、再沈によるフレーク化処理を行った。得られたフレークを濾過および乾燥してPC−1とした。
次に、PC−1を塩化メチレンに溶解して、濃度0.5g/dLの溶液を作製し、20℃における還元粘度[ηSP/C]を測定したところ、1.8dL/gであった。なお、PC−1の化学構造をH−NMRにより分析したところ、脂肪族水酸基末端が確認された。
(比較製造例1)
脂肪族水酸基を持たないポリカーボネートの製造例を下記する。
4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール0.5gを4−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.5gに変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、末端がPTBPで封止されたポリカーボネート(PC−2)を得た。このものを塩化メチレンに溶解して、濃度0.5g/dLの溶液を作製し、20℃における還元粘度[ηSP/C]を測定したところ、1.0dL/gであった。なお、PC−2の化学構造をH−NMRにより分析したところ、脂肪族末端水酸基が含まれていないことが確認された。
(ビスフェノールZオリゴマー(クロロホーメート)の合成)
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)60.0kg(224モル)を塩化メチレン1080Lで懸濁し、そこにホスゲン66.0kg(667モル)を加えて溶解した。これに、トリエチルアミン44.0kg(435モル)を塩化メチレン120Lに溶解した液を、2.2℃〜17.8℃で2時間50分かけて滴下した。17.9℃〜19.6℃で30分間撹拌後、14〜20℃で塩化メチレン900Lを留去した。残液に純水210L、濃塩酸1.2kg、およびハイドロサルファイト450gを加え洗浄した。その後、純水210Lで5回洗浄を繰り返し、分子末端にクロロホーメート基を有するビスフェノールZオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られた溶液のクロロホーメート濃度は1.14モル/L、固形物濃度は0.23kg/Lであった。得られた原料をZ−CFという。
反応容器に、メカニカルスターラー、撹拌羽根、および邪魔板を装着し、上記合成したZ−CF(24mL)と塩化メチレン(36mL)を注入した。これに末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPと表記)(0.04g)を添加し、十分に混合されるように撹拌した。
この溶液に、別途調製したビフェノールモノマー溶液を全量添加し(モノマー溶液調製法:2Nの水酸化ナトリウム水溶液10mLを調製し、室温以下に冷却した後、酸化防止剤としてハイドロサルファイトを0.1g、4,4’−ビフェノール2.6gを添加し、完全に溶解して調製した)、反応器内の温度が15℃になるまで冷却した後、撹拌しながらトリエチルアミン水溶液(7vol%)を0.2mL添加し、1時間撹拌を継続した。
得られた反応混合物を塩化メチレン0.2Lおよび水0.1Lで希釈し、洗浄を行った。下層を分離し、さらに水0.1Lで1回、0.03N塩酸0.1Lで1回、水0.1Lで3回の順で洗浄を行った。得られた塩化メチレン溶液を、撹拌下温水中に滴下投入し、塩化メチレンを蒸発させると共に樹脂固形分を得た。得られた析出物をろ過、乾燥することにより下記構造のポリカーボネート共重合体(PC−X)を製造した。
PC−Xの還元粘度[ηsp/C]は1.16dl/gであり、NMRによりBisZ−BP共重合体(モル比6:4)であることが確認された。
Figure 0006853860
(実施例1)
製造例1で重合したPC−1 3.0gと、出光興産株式会社製ポリカーボネート タフロンA2500 7.0gとをよく混合した後に、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて360℃、2分間の条件で溶融混練して、ブロック共重合体aを得た。ブロック共重合体aの粘度平均分子量は33,000であった。
得られたサンプルを100mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたところ、完全に溶解し、均一な溶液が得られた。なお、タフロンは登録商標である。また、この溶液を23℃で一週間放置した後、目視にて観察したところ白化およびゲル化が起こっておらず、溶液安定性に優れることが確認できた。
(実施例2)
製造例1で重合したPC−1 3.0gと、出光興産株式会社製ポリカーボネート タフロンA2500 7.0gと、酸化亜鉛100質量ppmとをよく混合した後に、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて320℃、2分間の条件で溶融混練して、ブロック共重合体bを得た。
得られたサンプルを100mLのTHFに溶解させたところ、完全に溶解し、均一な溶液が得られた。また、この溶液を23℃で一週間放置した後、目視にて観察したところ白化およびゲル化が起こっておらず、溶液安定性に優れることが確認できた。
(実施例3)
実施例2で合成したブロック共重合体b(10g)を塩化メチレン(200mL)に溶解し、0.01Nの塩酸(50mL)で1回、純水(50mL)で2回洗浄した。得られた樹脂溶液を温水(70℃)に投入し、塩化メチレンを留去することで樹脂を固形化し、減圧下、110℃で乾燥し、固形状の樹脂(ブロック共重合体c)を得た。
得られたサンプルを100mLのTHFに溶解させたところ、完全に溶解し、均一な溶液が得られた。また、この溶液を23℃で一週間放置した後、目視にて観察したところ白化およびゲル化が起こっておらず、溶液安定性に優れることが確認できた。
(比較例1)
実施例1で用いたPC−1の代わりに、比較製造例1で製造したPC−2を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い溶融混練物を得た。この溶融混練物を実施例1と同様にTHFへの溶解を試みたが不溶物がみられ、白濁した溶液しか得られなかった。
(実施例4)
製造例1で得られたPC−1 6.0g、下記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)4.0g、およびフッ化セシウム0.01mgをよく混合した後、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて340℃、2分間の条件で溶融混練してブロック共重合体dを得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
Figure 0006853860
前記一般式(PEs−1)において、( )内のフェニレンジカルボン酸構造は、50モル%がイソフタロイル基であり、50モル%がテレフタロイル基である。
(実施例5)
三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ノバレックス 7030PJ」(ビスフェノールA単独重合体 粘度平均分子量(Mv)=30,700) 6.0g、前記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)4.0g、およびフッ化セシウム0.01mgをよく混合した後、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて360℃、2分間の条件で溶融混練してブロック共重合体eを得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
(実施例6)
上記合成したBisZ−BP共重合体(PC−X、BP比率=40モル%、粘度平均分子量(Mv)=50,000)6.0g、前記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)4.0g、およびフッ化セシウム0.01mgをよく混合した後、レオ・ラボ社製小型混練機MC15を用いて360℃、2分間の条件で溶融混練してブロック共重合体fを得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
(実施例7)
実施例6で合成したブロック共重合体f(10g)を塩化メチレン(200mL)に溶解し、0.01Nの塩酸(50mL)で1回、純水(50mL)で2回洗浄した。得られた樹脂溶液を温水(70℃)に投入し、塩化メチレンを留去することで樹脂を固形化し、減圧下、110℃で乾燥し、固形状の樹脂(ブロック共重合体g)を得た。得られたサンプルを樹脂含有量が10質量%となる様にTHFに溶解させたところ、完全に溶解し均一な溶液が得られた。得られた溶液のHAZEは5%以下であった。
(比較例2)
比較例2の樹脂として、PCA(タフロンA2500)(ビスフェノールAのホモポリマー)を用いた。タフロンA2500をTHFへ溶解させようと試みたが、不溶物がみられ、白濁した溶液しか得られなかった。
(比較例3)
比較例3の樹脂として、前記一般式(PEs−1)で表されるポリエステル樹脂(粘度平均分子量=55,000)を用いた。当該ポリエステル樹脂をTHFへ溶解させようと試みたが、不純物がみられ、白濁した溶液しか得られなかった。
<質量減少量(摩耗量)の測定>
実施例1で得られたブロック共重合体a 2gを、塩化メチレン12mLに溶解し、アプリケーターを用い市販のPETフィルム上にキャスト製膜した。このフィルムを減圧下加熱して溶媒を除去し、厚み約30μmのフィルムサンプルを得た。このフィルムサンプルのキャスト面の耐摩耗性をスガ摩耗試験機NUS−ISO−3型(スガ試験機社製)を用いて評価した。試験条件は4.9Nの荷重をかけた摩耗紙(粒径3μmのアルミナ粒子を含有)をキャスト面(感光層表面を模した面)と接触させて2,000回往復運動を行い、質量減少量(摩耗量)を測定した。結果を表1に示す。
また、ブロック共重合体aの代わりに、実施例2〜7で得られたブロック共重合体b〜g、および比較例2〜3の樹脂を用いて、実施例2〜7および比較例2〜3についても、上記と同様に質量減少量(摩耗量)を測定した。結果を表1に示す。
実施例1で得られたブロック共重合体a 1.2g、および電荷輸送剤として下記一般式(CTM−1)で表される化合物0.8gを、塩化メチレン12mLに溶解し、アプリケーターを用い市販のPETフィルム上にキャスト製膜し、電子写真感光体の電荷輸送層と同一組成のフィルムを作製した。このフィルムを減圧下加熱して溶媒を除去し、厚み約30μmのフィルムサンプルを得た。このフィルムサンプルのキャスト面の耐摩耗性をスガ摩耗試験機NUS−ISO−3型(スガ試験機社製)を用いて評価した。試験条件は4.9Nの荷重をかけた摩耗紙(粒径3μmのアルミナ粒子を含有)をキャスト面(感光層表面を模した面)と接触させて2,000回往復運動を行い、質量減少量(摩耗量)を測定した。結果を表1に示す。
また、ブロック共重合体aの代わりに、実施例2〜7で得られたブロック共重合体b〜g、および比較例2〜3の樹脂を用いて、実施例2〜7および比較例2〜3についても、上記と同様に質量減少量(摩耗量)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006853860
<金属成分(残留金属量)の測定>
試料2g(実施例1で得られたブロック共重合体a)を、電気炉中、550℃で灰化した。灰分をフッ化水素酸と硫酸で加熱溶解し、硫酸白煙処理後、純水で定容し、ICP質量分析装置で金属成分(残留金属量)を測定した。結果を表1に示す。
また、ブロック共重合体aの代わりに、実施例2〜7で得られたブロック共重合体b〜g、および比較例2〜3の樹脂を用いて、実施例2〜7および比較例2〜3についても、上記と同様に金属成分(残留金属量)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006853860
表1で見るように、実施例で得られたブロック共重合体は、ホモポリマーであるタフロンA2500に比較して摩耗量が少なく、すなわち機械的強度の観点から電子写真感光体用途に好適であることが分かる。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂であって、
    前記ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂は、4,4’−ビフェノールを含むポリカーボネート樹脂、もしくは1,1−ビス(フェニレン−4−イル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)及び4,4’−ビフェノールの両方を含むポリカーボネート樹脂を原料として使用して、当該ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とをブロック共重合させた樹脂であり、
    下記一般式(b)で表されることを特徴とするポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂。
    Figure 0006853860
    (前記一般式(b)中、
    Aは下記一般式(18)〜(21)のいずれかで表される二価の基であり、
    Ar100およびAr50は、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、
    Ar51は下記一般式(22)〜(24)のいずれかで表される二価の基であり、
    xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、
    x:yは100:0〜5:95であり、
    m1およびm2はそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、
    m1/(m1+m2)は0.05〜0.95である。
    ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    (前記一般式(18)〜(21)中、
    111〜R114は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
    炭素数1〜12のアルコキシ基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
    111〜R114は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR111は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR112は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR113は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR114は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
    102は、単結合または連結基であり、
    102が連結基である場合の連結基は、
    −O−、
    −CO−、
    −S−、
    −SO−、
    −SO−、
    −CR115116−、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
    置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
    1,8−メンタンジイル基、
    2,8−メンタンジイル基、
    α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
    115およびR116は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    炭素数1〜12のアルキル基、
    トリフルオロメチル基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
    117は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。)
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    (前記一般式(22)〜(24)中、
    118〜R121は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
    炭素数1〜12のアルコキシ基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
    118〜R121は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR118は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR119は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR120は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR121は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
    103は、単結合または連結基であり、
    103が連結基である場合の連結基は、
    −O−、
    −S−、
    2,2−アダマンチレン基、
    1,3−アダマンチレン基、
    置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
    カルボニル基、および
    α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群
    から選択される。)
  2. 前記ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAと、イソフタル酸およびテレフタル酸の少なくともいずれかとから誘導されるポリエステル樹脂である、
    請求項1に記載のポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂。
  3. 前記ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に対して25℃で10質量%の濃度で溶解した溶液のHAZE値が10%以下であり、HAZE値は、スガ試験機製全自動ヘーズコンピュータ(HGM−2D)を用い、JISK7105に準拠して測定される、
    請求項1又は請求項に記載のポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂。
  4. ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法であって、
    ポリエステル樹脂と、下記一般式(50)で表されるポリカーボネート樹脂とを、エステル交換触媒の存在下で溶融下反応させる工程を含み、
    前記ポリカーボネート樹脂は、4,4’−ビフェノールを含むポリカーボネート樹脂、もしくは1,1−ビス(フェニレン−4−イル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)及び4,4’−ビフェノールの両方を含むポリカーボネート樹脂であり、
    前記ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂は、下記一般式(b)で表される、
    ことを特徴とするポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法。
    Figure 0006853860
    (前記一般式(50)中、
    Ar50は二価の芳香族基であり、
    Ar51は、下記一般式(15)〜(17)のいずれかで表される二価の基であり、
    xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、
    x:yは100:0〜5:95である。
    ただし、x:yが100:0のとき、Ar50は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    (前記一般式(15)〜(17)中、
    107〜R110は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
    炭素数1〜12のアルコキシ基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
    107〜R110は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR107は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR108は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR109は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR110は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
    101は、単結合または連結基であり、X101が連結基である場合の連結基は、
    −O−、
    −S−、
    2,2−アダマンチレン基、
    1,3−アダマンチレン基、
    置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
    カルボニル基、および
    α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群から選択される。)
    Figure 0006853860
    (前記一般式(b)中、
    Aは下記一般式(18)〜(21)のいずれかで表される二価の基であり、
    Ar 100 およびAr 50 は、それぞれ独立に、二価の芳香族基であり、
    Ar 51 は下記一般式(22)〜(24)のいずれかで表される二価の基であり、
    xおよびyはそれぞれ( )内の構成単位のモル比であって、
    x:yは100:0〜5:95であり、
    m1およびm2はそれぞれ[ ]内の構成単位の質量比であって、
    m1/(m1+m2)は0.05〜0.95である。
    ただし、x:yが100:0のとき、Ar 50 は2,2−ビス(フェニレン−4−イル)プロパン基(ビスフェノールA由来の基)ではない。)
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    (前記一般式(18)〜(21)中、
    111 〜R 114 は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
    炭素数1〜12のアルコキシ基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
    111 〜R 114 は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR 111 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 112 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 113 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 114 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
    102 は、単結合または連結基であり、
    102 が連結基である場合の連結基は、
    −O−、
    −CO−、
    −S−、
    −SO−、
    −SO −、
    −CR 115 116 −、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜20のビシクロ炭化水素ジイル基、
    置換もしくは無置換の炭素数5〜20のトリシクロ炭化水素ジイル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、
    置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
    1,8−メンタンジイル基、
    2,8−メンタンジイル基、
    α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基からなる群から選択され、
    115 およびR 116 は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    炭素数1〜12のアルキル基、
    トリフルオロメチル基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基からなる群から選択され、
    117 は直鎖、分岐または環状構造を含む置換または無置換の炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基である。)
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    Figure 0006853860
    (前記一般式(22)〜(24)中、
    118 〜R 121 は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基、
    炭素数1〜12のアルコキシ基、および
    置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリールオキシ基からなる群から選択され、
    118 〜R 121 は、一つの芳香環に複数付加していてもよく、この場合、複数のR 118 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 119 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 120 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、複数のR 121 は、互いに同一の基であっても異なる基であってもよく、
    103 は、単結合または連結基であり、
    103 が連結基である場合の連結基は、
    −O−、
    −S−、
    2,2−アダマンチレン基、
    1,3−アダマンチレン基、
    置換もしくは無置換の9,9−フルオレニリデン基、
    カルボニル基、および
    α,ω−ビス(ポリアルキレン)ジメチルシリルポリジメチルシロキシ基からなる群
    から選択される。)
JP2019158402A 2015-02-25 2019-08-30 ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法 Active JP6853860B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015035704 2015-02-25
JP2015035704 2015-02-25

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017502497A Division JP6696965B2 (ja) 2015-02-25 2016-02-25 ポリカーボネート樹脂、それを用いた塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置、並びにポリカーボネート樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019206721A JP2019206721A (ja) 2019-12-05
JP6853860B2 true JP6853860B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=56789533

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017502497A Active JP6696965B2 (ja) 2015-02-25 2016-02-25 ポリカーボネート樹脂、それを用いた塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置、並びにポリカーボネート樹脂の製造方法
JP2019158402A Active JP6853860B2 (ja) 2015-02-25 2019-08-30 ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017502497A Active JP6696965B2 (ja) 2015-02-25 2016-02-25 ポリカーボネート樹脂、それを用いた塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置、並びにポリカーボネート樹脂の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP6696965B2 (ja)
WO (1) WO2016136922A1 (ja)

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58101112A (ja) * 1981-12-11 1983-06-16 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカ−ポネ−ト共重合体の製造方法
JPH02147624A (ja) * 1988-11-30 1990-06-06 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリエステルカーボネートの製造方法
US4933424A (en) * 1988-12-30 1990-06-12 General Electric Company Hydroxy terminated polycarbonate from hydroxy benzene alkanol
JPH0780994B2 (ja) * 1990-11-29 1995-08-30 三菱電機株式会社 エポキシ樹脂組成物および銅張積層板
JPH0534951A (ja) * 1991-08-01 1993-02-12 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
JPH07258420A (ja) * 1994-02-07 1995-10-09 Daicel Chem Ind Ltd 樹脂製造装置の洗浄溶媒
JPH1081737A (ja) * 1996-09-05 1998-03-31 Nippon Steel Chem Co Ltd 樹脂組成物及びその製造方法並びにそれを用いた塗膜又は電子写真感光体
JP2001220506A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Kuraray Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
WO2003037963A1 (fr) * 2001-10-30 2003-05-08 Kaneka Corporation Copolymere sequence silicone
US20030139529A1 (en) * 2001-11-02 2003-07-24 General Electric Company Method of making block copolymers by solid state polymerization
US6864026B2 (en) * 2003-03-14 2005-03-08 Xerox Corporation Photoconductive imaging members
US6818366B2 (en) * 2003-03-14 2004-11-16 Xerox Corporation Photoconductive imaging members
JP4774202B2 (ja) * 2004-08-10 2011-09-14 三菱化学株式会社 電子写真感光体並びにそれを用いた電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
JP4592381B2 (ja) * 2004-10-19 2010-12-01 三菱化学株式会社 電子写真感光体
US7321014B2 (en) * 2004-12-29 2008-01-22 General Electric Company Transparent compositions, methods for the preparation thereof, and articles derived therefrom
US7326764B2 (en) * 2005-05-20 2008-02-05 General Electric Company Transparent compositions, methods for the preparation thereof, and articles derived therefrom
JP5221076B2 (ja) * 2006-09-22 2013-06-26 出光興産株式会社 末端に反応基を有するポリカーボネート樹脂を用いた複合材料
JP2009249465A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 熱可塑性ポリエステルエラストマーの製造方法及びその原料ポリカーボネートオリゴマー組成物
KR101862904B1 (ko) * 2011-12-27 2018-05-31 이데미쓰 고산 가부시키가이샤 폴리카보네이트 공중합체, 및 그것을 이용한 도공액 및 전자사진 감광체
JP6073700B2 (ja) * 2013-02-06 2017-02-01 帝人株式会社 強化ポリカーボネート樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016136922A1 (ja) 2016-09-01
JP6696965B2 (ja) 2020-05-20
JPWO2016136922A1 (ja) 2017-11-30
JP2019206721A (ja) 2019-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6441793B2 (ja) ポリカーボネート共重合体、それを用いた塗工液、成形体、および電子写真感光体
JP6530448B2 (ja) ポリカーボネート共重合体の製造方法、ポリカーボネート共重合体、塗工液及び電子写真感光体
JP5680887B2 (ja) ポリカーボネート共重合体、それを用いた塗工液、及び電子写真感光体
JPWO2012115088A1 (ja) ポリカーボネート共重合体、それを用いた塗工液、電子写真感光体、およびポリカーボネート共重合体の製造方法
JPWO2017204339A1 (ja) 樹脂組成物、電子写真感光体、および電子写真装置
JP5349709B1 (ja) ポリカーボネート共重合体、それを用いた塗工液、及び電子写真感光体
JP2004354759A (ja) 電子写真感光体
JP6634011B2 (ja) ポリカーボネート共重合体、塗工液、電子写真感光体、および電気機器
JP6893205B2 (ja) ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂の製造方法、塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置
WO2013099965A1 (ja) ポリカーボネート共重合体、並びにそれを用いた塗工液及び電子写真感光体
JP5680886B2 (ja) ポリカーボネート共重合体、それを用いた塗工液、及び電子写真感光体
JP6853860B2 (ja) ポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂およびポリカーボネート−ポリエステル共重合樹脂の製造方法
JP3611654B2 (ja) 電子写真感光体
JP6883523B2 (ja) ビスクロロホーメート組成物、ビスクロロホーメート組成物の製造方法、ビスクロロホーメート組成物含有溶液、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂の製造方法、塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置
WO2021201225A1 (ja) ポリカーボネート共重合体、塗工液、電子写真感光体、ポリカーボネート共重合体の製造方法、および電気機器
WO2018116960A1 (ja) ポリカーボネート共重合体、塗工液、電子写真感光体、電子写真装置、及びポリカーボネート共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190927

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6853860

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150