JP6853498B2 - 排水装置 - Google Patents
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このような排水装置では、ディップチューブ延長管から流れた排水がサイフォン体に入ると、バッフルによってサイフォン体の内部をU字形に流れ、下流側パイプに排出される。また、サイフォン体の内部には横方向開口よりも下側に常に排水の一部が貯留されている。
しかしながら、上記の構造の排水装置では、ディップチューブ延長管との接続部分も、下流側パイプとの接続部分も樹脂で形成されており、必要な支持強度を確保することができない。
一方、強度を確保するためサイフォン体を例えば金属等の材料で形成しようとすると、サイフォン体の内部の形状が複雑であるため、製造が難しい。更に、接続部分における必要な強度を確保するために接続部分を強固に構成しようとすると、接続部分の寸法が大きくなり、排水装置の外観を損なうことになる。
とともに、開口部を覆う着脱可能な蓋部が設けられている、ことを特徴としている。
一方、樹脂部材の外側に金属部材が設けられているので、排水装置の外観が良好になる。
以上のような構成により、排水装置の外観を損なうことなく必要な接続強度を確保することが可能になる。
このように構成された本発明においては、蓋部を取り外せば、金属部材の開口部が開放され、樹脂部材の下部に外部からアクセス可能になる。よって排水装置内部の掃除が容易になる。
このように構成された本発明においては、金属部材の下端に開口部が設けられているため、蓋部を取り外すと、樹脂部材が下方に落下するおそれがある。本発明では、抜け止めを有することにより、蓋部を取り外した際に樹脂部材が金属部材から下方に抜けてしまうのが防止されるから、排水装置内部の掃除が容易になる。
このように構成された本発明においては、抜け止めが樹脂製のCリングであるから、簡単な構造で樹脂部材が金属部材から抜けてしまうのが防止される。
このように構成された本発明においては、樹脂部材及び金属部材のいずれか一方に爪部が、いずれか他方に受部が設けられているので、爪部を受部内に配置することにより、樹脂部材の金属部材に対する回転方向の向きが決まる。これにより、例えばメンテナンス等で樹脂部材を金属部材から外して再度取り付ける場合に、誤取付が防止される。
このように構成された本発明においては、金属部材がステンレス鋼、青銅、耐脱亜鉛処理を施した黄銅のいずれかで形成されるので、耐食性が高い金属部材が形成される。よって、必要な耐食性を確保するのに必要な金属部材の肉厚を薄くすることが可能であるから、排水装置の軽量化が促進され、上流側接続部及び下流側接続部にかかる荷重も小さくなり、これによっても上流側接続部及び下流側接続部において排水装置を支持しやすくなる。
図1は、本発明の一実施形態に係る排水装置1が取り付けられた状態を示す斜視図である。本実施形態の排水装置1は、洗面台のボウル2から排出される排水を、建物の壁面等の配管(図示せず)へ排出するためにボウル2と壁面の配管との間に取り付けられる。ボウル2の排水口4には、下方に延びるとともに排水装置1の上流側に配置される上流側パイプ6が接続されている。また、建物の壁面等の配管には、横方向(水平方向)に延びるとともに排水装置1の下流側に配置される下流側パイプ8が接続されている。
金属部材10は、全体が、例えばステンレス鋼、青銅、耐脱亜鉛処理を施した黄銅等の金属材料で形成されており、排水を排出するとともに排水の一部を貯留するための筒部14と、筒部14の上部に設けられた上流側接続部16と、筒部14の周面に設けられた下流側接続部18と、を有する。
筒部14の上端には上方に突出するように上流側接続部16が一体的に形成されている。また、筒部14の上端には、下方に突出するように、樹脂部材14を筒部14に取り付けるための取付機構20が一体的に形成されている。上流側接続部16と取付機構20には、これらの両方を上下方向に貫通するように、上流側挿入孔22が形成されており、この上流側挿入孔22には上流側パイプ6が挿入されている。
また、取付機構20において第2の段差28から上方の部分には、その外周上の一部が径方向に直交する方向の平面で切り欠かれた切欠部30が形成されている(図5参照)。切欠部30は、第2の段差28の位置から筒部14の内部空間の上端まで延びている。切欠部30は、取付機構20の周方向に関して下流側接続部18に最も近い位置に形成されており、切欠部30の平面は、下流側接続部18の軸線方向にほぼ直交する。
ここで、ねじ部44のねじ山における上流側接続部16の直径D1は、筒部14の直径D2よりも小さく設定されている。これにより、上流側接続部16と筒部14との間には、肩部46が形成されている。また、ねじ部44のねじ山から上流側接続部16の内周面、すなわち上流側挿入孔22の内周面までの、上流側接続部16の肉厚T1は、筒部14の肉厚T2よりも大きく設定されている。
また、下流側接続部18の外周面にはねじ部56が形成されている。このねじ部56には、下流側ナット58のねじ部60が螺合されている。そして、下流側接続部18の端部と、下流側パイプ8の端部に形成されたフランジ部62との間には、シール部材64が配置され、このシール部材64により、下流側接続部18と下流側パイプ8との間がシールされている。
このような構造により、排水装置1の側方部が下流側パイプ8に支持・接続される。
上側部分66の内周面には、取付機構20の第1の段差26及び第2の段差28にそれぞれ対向する第1の段部72及び第2の段部74が設けられている。これにより、上側部分66の内周面の直径は、上方に向かうにつれて段階的に大きくなっている。第1の段部72は、第1の段差26に対向し、その間にはOリング24が配置され、第2の段部74は、第2の段差28に対向している。また、上側部分66の上端面76は、第3の段差29に対向している。
円筒面80は、樹脂部材12が金属部材10に挿入されたとき、下流側接続部18から遠い側に位置するように、つまり爪部78と半径方向反対側に設けられている。円筒面80は、上側部分66と同じ円弧半径を有するので、樹脂部材12が金属部材10に挿入されたとき、円筒面80の全外周面が筒部14にほぼ当接する。また、円筒面80の内壁には、下流側接続部18の下流側接続孔54の内周面最下部と同じ高さ位置に、段差部81が形成されている。この段差部81により、円筒面80の内壁の円弧半径は、段差部81の上方の部分の方が下方の部分よりも小さくなっている。
仕切り面82の上端は、上側部分66の下端に連続するように湾曲している。
ここで、下側部分68の下端は、断面半円形に形成される一方で、位置決め部70は断面円形に形成されているので、下側部分68の仕切り面82の下端と位置決め部70の上端の間には、半円形の開口部84が形成される。
上流側通路86は、上側部分66の内壁で囲まれた空間と、下側部分68の円筒面80の内面及び仕切り面82の内面、つまり下側部分68の内壁で囲まれた空間とによって形成されている。したがって、上流側通路86は上側部分66の上端から下側部分68の下端まで全周が樹脂材料で形成される。また、上流側通路68は、下側部分68において流路断面積が小さくなっているとともに、下流側接続部18から半径方向に遠い側において筒部14の内周面に当接するように設けられ、したがって筒部14の中心に対して偏芯して設けられている。
図7は、本実施形態に係る排水装置1において樹脂部材12を金属部材10に挿入する様子を示す縦断面図であり、図8は、本実施形態に係る排水装置1において金属部材10に蓋部36を取り付ける様子を示す縦断面図である。
まず、樹脂部材12を金属部材10に挿入する際には、図7に示すように、蓋部36を取り外し、Cリング42を凹部40から取り外した状態で、筒部14の下端の開口部32に下方から樹脂部材12を金属部材10に挿入する。このとき、樹脂部材12の爪部78が切欠部30に受け入れられることにより、樹脂部材12が金属部材10の軸線を中心とする回転方向に関して、金属部材10内で位置決めされる。その後、図8に示すように、凹部40にCリング42を取り付けて樹脂部材12が金属部材10から下方に抜けるのを防止する。そして、蓋部36を筒部14の下端に取り付けることにより開口部32を覆う。
図9は、本実施形態に係る排水装置1の排水の流れを示す縦断面図であり、図10は、本実施形態に係る排水装置1に排水が貯留した状態を示す縦断面図である。排水装置1に排水が流入した場合、図9に示すように、上流側パイプ6からの排水は、樹脂部材12の上側部分66から下側部分68の上流側通路86へ流入し、下側部分68の仕切り面82の下端よりも下方の領域を通って開口部84から下流側通路88に流入し、下流側パイプ8へ排出される。
また、下流側通路88において下流側接続部18に近い側の面は、金属材料10で形成されているので、喫水面付近に位置する下流側接続部18の内周面最下部とこれに連続する下流側通路88の外周面との接続部分は金属部材10のみで形成されている。
筒部14、上流側接続部16、及び下流側接続部18が金属材料で形成されているので、上流側接続部16及び下流側接続部18を堅固に形成することができ、排水装置1の支持強度を向上させることができる。また、ねじ部44が設けられた部分の上流側接続部16の肉厚T1が筒部14の肉厚T2よりも大きく設定されているので、上流側接続部16の接続強度を確保でき、排水装置1の支持強度を確保することができる、一方で、筒部14の肉厚T2が筒部14の上流側接続部16の肉厚T1より小さいので、筒部14の重量を軽くすることができる。これにより、上流側接続部16及び下流側接続部18にかかる荷重を小さくすることができるので、これによっても上流側接続部16及び下流側接続部18における排水装置1の支持強度を確保することができる。
一方、樹脂部材12の外側に金属部材10を設けているので、排水装置1の外観を良好にすることができる。
金属材料は、ステンレス鋼、青銅、耐脱亜鉛処理を施した黄銅のいずれかで形成されていたが、これに限らず、金属材料であれば任意の材料を採用することができる。
前述の実施形態では、爪部78が樹脂部材12に設けられ、受部である切欠部30は金属部材10に設けられていたが、逆に、樹脂部材に受部が設けられ、金属部材に爪部が設けられていてもよい。要するに、樹脂部材及び金属部材のいずれか一方に爪部が設けられ、いずれか他方に受部が設けられていればよい。
10 金属部材
12 樹脂部材
16 上流側接続部
18 下流側接続部
30 切欠部(受部)
32 開口部
36 蓋部
42 Cリング
44 ねじ部
66 上側部分
68 下側部分
70 位置決め部
78 爪部
86 上流側通路
88 下流側通路
Claims (5)
- 排水を排出するとともに排水の一部を貯留するための筒部、前記筒部の上部に設けられた上流側接続部、及び前記筒部の周面に設けられた下流側接続部を有する金属部材と、
前記筒部の内部に挿入され、前記筒部の内部に、前記上流側接続部から下方に排水を導く上流側通路と、前記金属部材とともに形成され前記上流側通路に連続して前記下流側接続部まで上方に排水を導く下流側通路とを形成する樹脂部材と、を備え、
前記上流側接続部には、ねじ部が設けられ、前記ねじ部が設けられた部分の前記上流側接続部の肉厚は、前記筒部の肉厚よりも大きく設定され、
前記筒部の下端には、前記樹脂部材を挿入可能な開口部が形成されるとともに、前記開口部を覆う着脱可能な蓋部が設けられている、
ことを特徴とする排水装置。 - 前記樹脂部材が前記金属部材の前記開口部から下方に抜けるのを防止する抜け止めを更に有する、
請求項1に記載の排水装置。 - 前記抜け止めは、樹脂製のCリングである、
請求項2に記載の排水装置。 - 前記樹脂部材及び前記金属部材のいずれか一方には、前記金属部材の軸線を中心とする回転方向に関して前記樹脂部材を前記金属部材に対して位置決めするための爪部が設けられ、前記樹脂部材及び前記金属部材のいずれか他方には、前記爪部を受け入れるための受部が設けられている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排水装置。 - 前記金属部材は、ステンレス鋼、青銅、耐脱亜鉛処理を施した黄銅のいずれかで形成される、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の排水装置。
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