JP6852405B2 - 炭素繊維束の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は高品質、高品位に優れ、かつ工程安定性に優れた炭素繊維束の製造方法に関する。
炭素繊維は比強度、比弾性率に優れていることから、航空・宇宙産業をはじめ、釣竿、テニスラケットなどのスポーツ用途、風力発電のブレードや自動車など一般産業用途と幅広い分野で使用されている。
一般にポリアクリロニトリル系繊維を原料とする炭素繊維束は、ポリアクリロニトリル系重合体の単繊維を1000〜80000本束ねた前駆体繊維束を、200〜300℃の温度で耐炎化処理して耐炎化繊維束を得て、次いで不活性雰囲気中で、300〜2000℃の温度で加熱処理して得られる。また、必要に応じて更に高温で処理して弾性率を向上させることで黒鉛化糸を得ることも出来る。
このように得られる炭素繊維を高性能化し、しかも安定した品質を得るために、種々の検討がなされている。
ポリアクリロニトリル系繊維束の耐炎化処理においては、200〜300℃の酸化性気体が循環する熱処理室の入口と出口の両側面に複数のガイドローラーを配し、供給される繊維束をローラーで折り返しながら複数回熱処理室内を走行させて処理するのが一般的である。
炭素繊維束の製造工程における耐炎化工程では、微粒子が繊維束に付着した場合、その微粒子が繊維束に傷をつけ、強度低下を引き起こすなどの悪影響を与えることが知られている。
この問題を解決すべく、特許文献1では耐炎化炉の熱処理室内を循環する酸化雰囲気をフィルタで濾過することにより、繊維束への微粒子の付着を抑制して炭素繊維束の引張強度を改善させる方法が開示されている。
また、特許文献2では炭素繊維束製造工程雰囲気にクラス100のフィルタを介した気体を給気し、炭素繊維束製造工程全体の雰囲気をクリーン化することで炭素繊維束の引張強度を改善させる方法が開示されている。
一方、特許文献3では耐炎化工程での熱処理量の均一化を目的として、耐炎化炉の炭素繊維前駆体繊維束の出入り口に囲い体を設け、囲い体内部の温度を制御することが提案されている。
なお、炭素繊維前駆体繊維束の製造においては、焼成工程を経て得られる炭素繊維の単繊維の円相当断面積が小さく、表面が一定の粗さであることが好ましく、特許文献4では前駆体繊維束の繊度を調整するとともに、製糸・焼成の条件、特に製糸におけるエアギャップ紡糸や焼成での延伸と組み合わせてそのような特性の炭素繊維を製造することが開示されている。
さらに製糸工程で使用する界面活性剤に関して、特許文献5では単糸繊度が特定の範囲の炭素繊維の製造工程において耐炎化・炭化における耐熱性を向上させるため、特定の方法で測定した熱安定性が高いシリコーン系の界面活性剤を使用することが好ましいことが開示されている。
特開2010−222723号公報 特開昭50−52323号公報 特開2008−138325号公報 特表2010−510406号公報 特開2006−307407号公報
しかしながら特許文献1の方法では、外気に由来する異物が耐炎化炉周辺に滞留したり、耐炎化処理される際に前駆体繊維束から発生する微粒子成分が、熱処理室に糸が出入りするためのスリット部から炉外に漏れ出すことにより、耐炎化炉周辺雰囲気の微粒子濃度が高くなったりするため、熱処理室外を通過する繊維束への微粒子の付着は抑制できず、品質向上及び安定化の効果は限定的であった。
また、特許文献2の方法では、クラス100レベルの空気をどのように給気するか、すなわち、風量や換気回数についての条件が未開示であり、製造設備のコストやランニングコストを抑えて実質的に高い効果を得る方法は開示されていない。
さらに、特許文献3の方法でも、囲い体の大きさや空気の供給量や循環比、その内部の空気に存在する微粒子に関しては規定されておらず、単に温度を制御することを目的としており、耐炎化炉外での繊維束への異物付着を抑制することができず、高引張強度の炭素繊維束を得ることは困難であった。
一方、特許文献4によって前駆体の紡糸条件を調整し、焼成条件、特に特定の延伸倍率と組み合わせて、繊度が小さく特定の表面形態を有する炭素繊維を得、特許文献5に開示されているような耐熱性の良好な油剤を使用することによって高強度の炭素繊維を得ようとしても、耐炎化時に発生する微粒子の対策を考慮しない場合は、その品質を安定して得るには困難があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、繊維束への異物付着を抑制し、高強度で繊度斑の小さい炭素繊維束を低コストで製造できる方法を提供するものである。
かかる課題を解決するための本発明は、以下の構成からなる。すなわち、酸化性気体中でポリアクリロニトリル系繊維束を耐炎化処理する熱処理室と、ポリアクリロニトリル系繊維束の進行方向を変えるためのローラーと、熱処理室とローラーとを囲う囲い体と、囲い体内部であって熱処理室を含まない領域に微粒子除去手段を介して気体を給気する給気ラインと、囲い体内部であって熱処理室を含まない領域の気体を外部に排気する排気ラインとを有する耐炎化炉を用い、(式1)、(式2)、(式3)を満たす条件下でポリアクリロニトリル系繊維束を耐炎化処理して耐炎化繊維束を得る耐炎化工程と、耐炎化繊維束を300〜2000℃の温度で炭素化処理して炭素繊維束を得る炭素化工程とを少なくとも有する炭素繊維束の製造方法である。
/F>1.00 ・・・(式1)
/V≧5.0 ・・・(式2)
/V>3.0 ・・・(式3)
(但し、F:囲い体への給気流量[m/hr]、F:囲い体からの排気流量[m/hr]、V:熱処理室体積[m]、V:囲い体内部であって熱処理室を含まない領域の体積[m]、である)。
また、本発明では、上記の耐炎化工程において、以下に規定する微粒子濃度が3000個/リットル以下でポリアクリロニトリル系繊維束を耐炎化処理することが好ましい。
更に、本発明では、上記のポリアクリロニトリル系繊維束が、本文中に規定する界面活性剤の耐熱性が20%以上であるシリコーン油剤がポリアクリロニトリル系繊維束の質量に対して0.2〜3.0質量%付与されたものであることが好ましい。
ここで、本発明で規定する「微粒子濃度」および「界面活性剤の耐熱性」は以下のとおり定義される。
<微粒子濃度>
試料気体流量0.5リットル/分で34秒間(合計0.283リットル)気体を吸引し、0.283リットルに含まれる0.5μm以上1.0μm未満、1.0μm以上2.0μm未満、2.0μm以上5.0μm未満、5.0μm以上の4段階粒子数を同時に計測し、その値をD0.5、D1.0、D2.0、D5.0(個/0.283リットル)とするとき、以下の換算式によって各粒子の濃度を5.0μmの粒子数に換算した値を求める。ここで、微粒子濃度の測定場所は、熱処理室に糸が出入りする場所の最下部の炉外ローラー周囲10cmの場所とし、光散乱式パーティクルカウンタ(例えば、RION社 KC−01E)を用いて測定する。この測定を連続して3回実施し、その平均値を微粒子濃度とする。
5.0μmの粒子数への換算式=[{D0.5/(5.0/0.5)}+{D1.0/(5.0/1.0)}+{D2.0/(5.0/2.0)}+D5.0]/0.283(個/リットル)。
<界面活性剤の耐熱性>
乳化状態にある界面活性剤を、予め105℃・5時間乾燥したときの質量を基準とし、熱天秤分析によって空気中昇温速度10℃/分で240℃まで昇温し、240℃・2時間保持し、雰囲気を窒素に切り替えて10℃/分で昇温して、到達温度450℃・30秒保持した時点での質量保持率(%)を耐熱性とする。
本発明の炭素繊維束の製造方法では、熱処理室周辺に囲い体を設け、囲い体内部で熱処理室を含まない領域の換気条件を規定することで、炭素繊維のストランド引張強度が高く、長手方向の繊度斑が小さい炭素繊維束を製造することができる。
本発明の実施形態の一例である耐炎化炉の概略構成断面図である。
本発明において原料として用いられるポリアクリロニトリル系繊維束は、アクリルニトリルの単独重合体あるいは共重合体を、有機または無機溶媒を用いて紡糸することで得ることができる。
本発明で使用されるポリアクリロニトリル系繊維束の製造方法には特に制限がないが、湿式紡糸または乾湿式紡糸が好ましく用いられ、その後、延伸、水洗、油剤付与、乾燥緻密化、必要あれば後延伸などの工程を経て得ることができる。
本発明で使用するポリアクリロニトリル系繊維束に付与される界面活性剤は、耐熱性の観点から、耐炎化、とくにその初期の耐熱性を確保して、油剤による微粒子の発生を出来るだけ抑制するために、シリコーン系油剤を乳化又は分散したものが好ましい。特に、少なくともその一部にアミノ変性シリコーンを含む場合、耐熱性が向上するので好ましい。アクリロニトリル系繊維束に付与するシリコーン系油剤の付着量は、好ましくはポリアクリロニトリル系繊維束の質量に対して0.2〜3.0質量%、より好ましくは0.3〜2.0質量%である。かかるシリコーン系油剤には、さらに界面活性剤、熱安定剤などが加えられていてもよい。
また、シリコーン系油剤の種類としては、ジメチルシロキサンならびにそれらの官能基が変性されたものが好ましく用いられ、それらの例としては、アミノ基で変性したアミノ変性ジメチルシロキサンの他、ポリエーテル変性、エポキシ変性、チオエーテル変性などの一種又は2種以上の変性シリコーンが好ましく用いられ、またそれらの単独や混合、他の成分との混合を行い適用することが出来る。
本発明においては、熱安定性が高いものが好ましく、上記のとおり定義される界面活性剤の耐熱性が20%以上のものを用いることが、耐炎化での微粒子発生の抑制と単糸同士の接着を防止する上で好ましく、50%以上のものであることがより好ましい。このような特性を有する界面活性剤は、例えばアミノ変性ジメチルシロキサンをノニオン界面活性剤で乳化したものと、ポリエーテル変性シリコーンを混合して調製することにより、上記耐熱性と乳化安定性が両立した界面活性剤を得ることが出来る。
このようなシリコーン系油剤を付与することで、紡糸工程におけるポリアクリロニトリル系繊維束の収束性、柔軟性、工程安定性、及び帯電防止性が向上する。さらに耐炎化処理および炭素化処理における、通過性、収束性、および融着防止性が向上するとともに、本発明において、特に耐炎化工程で品質に悪影響を与える微粒子の発生を抑制することにより、強度の向上を達成することが出来る。
このようにして得られたポリアクリロニトリル系繊維束を、好ましくは200〜300℃の所定の温度で耐炎化処理を行う。ここで、耐炎化炉は図1に示されるように熱処理室7、ローラー14などから構成される。
このとき、繊維束はローラー14により進行方向を逆に変えて、熱処理室内の横断を繰り返すことが好ましい。具体的には、繊維束の横断を複数回繰り返すことで熱処理室の長手方向の機長が短くなり、耐炎化炉の小型化が可能となる。
また、折り返し部の少なくとも一部のローラーは完全に炉外に設置されていることが好ましい。炉外に設置されることによって、生産状態の確認が容易となるとともに、万一毛羽等の巻付きが発生した場合でも、作業者が熱処理室7内に直接入ることなく容易に処置することが可能となる。
酸化性気体の循環方式としては酸化性気体が繊維束と垂直方向に循環する直交流と、水平方向に循環する平行流が用いられ、またローラーの配置としては、水平方向にローラー14が設置されている横型耐炎化炉と、垂直方向に設置されている縦型耐炎化炉が用いられるが、本発明では特にその熱風の循環方向、ローラーの配置に制限は無い。
また、ローラー14と、熱処理室7の間にシール室12を設けることが好ましい。シール室12を設けることで、熱処理室7への雰囲気からの冷風の漏れ込みを防ぐことができ、エネルギー使用量の削減が可能となる。
本発明は、上述の熱処理室7を覆う囲い体1、囲い体内部で熱処理室7を含まない領域(以下、領域Aと記述する)中に気体を給気する給気ライン2ならびに給気ファン3、領域A中の気体を外部に排気する排気ライン4ならびに排気ファン5などで構成される耐炎化炉を用いて耐炎化処理をするに際し、その給排気条件を規定するものである。具体的には、囲い体への給気流量をF[m/hr]、囲い体からの排気流量をF[m/hr]、囲い体1の内部で、熱処理室7の体積をV[m]、囲い体1の内部で、熱処理室7を含まない領域(領域A)の体積をV[m]とするとき、
/F>1.00 ・・・(式1)
/V≧5.0 ・・・(式2)
/V>3.0 ・・・(式3)
を満たす条件下で炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理する必要がある。
(式1)〜(式3)を満たすことで、高品質な炭素繊維束の製造を行うことが可能となる。
具体的には、F/F>1.00を満たすことが必須であり、1.50>F/F≧1.05であることが好ましい。耐炎化工程周辺を給気過多で加圧状態にすることで、他工程で発生した微粒子が耐炎化工程に流入することを抑制し、耐炎化繊維素束に付着する微粒子の個数や、耐炎化繊維束の単糸表面の傷の個数を減少させることができる。一方、F/Fはかかる設備ないし運転コストの兼ね合いから1.50未満とすることが好ましい。
次に、F/V≧5.0を満たすことが必須であり、好ましくはF/V≧10、より好ましくはF/V≧15である。F/Vをかかる範囲とすることで、領域A中の体積に対する囲い体への給気流量が十分に大きくなるため、熱処理室から炉外へと漏れ出した微粒子や、他工程で発生した微粒子が耐炎化工程に流入することによる、汚染された領域A中の雰囲気を囲い体外部に排気することができ、耐炎化繊維束に付着する微粒子の個数や、耐炎化繊維束の単糸表面の傷の個数を減少させることができる。
さらに、本発明では、高品質と低コストを維持しつつ炭素繊維束の製造を行うためにV/V>3.0を満たすことが必要である。V/V≦3.0であると人が出入りした際、領域A中の温度変動が生じ、繊維束長手方向の繊度斑の原因となる。一方で、V/V≧20であると給排気に必要な給排気流量が増大するため一般的に設備費やランニングコスト面に難がある。したがって、V/Vの好ましい範囲としては、20.0>V/V>3.0であり、より好ましくは20.0>V/V>5.0、更に好ましくは20.0>V/V>9.0である。
また、領域Aへの給気は粒子除去装置6を介して給気することが必須である。ここで、用いられる粒子除去装置6に特に限定はなく、遠心力集塵機、電気集塵機、フィルタ集塵機などがあげられるが、設備費、ランニングコスト、メンテナンス性などの観点からフィルタ集塵機を用いることが好ましく、さらに好ましくは、粗塵用フィルタ、中高性能フィルタ、HEPAフィルタ、ULPAフィルタのいずれか1つもしくは複数を用いることが好ましい。
領域Aからの排気を行うことで、熱処理室内にて発生した後、炉外に漏れ出した微粒子を囲い体外部に排気することができる。
図1に示す形態においては、熱処理室7とローラー14の周辺を囲い体1で囲み、給気ファン3を介して領域Aに気体が給気し、排気ファン5を介して領域A中の気体が排気されている。気体が給気もしくは排気される位置に特に限定はないが、気体温度が低い場所から給気し、高いところから排気することが好ましい。
本発明における微粒子濃度とは、上記の定義のとおり、領域A中の、雰囲気中の下記する方法で測定された粒径0.5μm以上の粒子を、5.0μm相当に換算したときの1リットルあたりの個数のことを意味し、微粒子濃度が3000個/リットル以下となることが好ましい。
微粒子濃度を3000個/リットル以下とすることで、その微粒子がローラー上で繊維束を傷つけることを予防でき、高強度炭素繊維を得ることができる。微粒子濃度はF/FとF/VとV/Vおよび領域A給気ラインの粒子除去装置性能やポリアクリロニトリル系繊維束に付与される界面活性剤の耐熱性等によって制御可能である。
用いられる囲い体1の材質に特に限定はないが、不燃性の観点からコンクリート、モルタル、石膏ボードなどを用いることが好ましい。また、図1に示すように、炭素繊維束の連続的な生産を可能とするため、被処理繊維束は入側糸道開口部10を通過した後、囲い体内部に設けられた熱処理室にて耐炎化処理を行い、最後に出側糸道開口部11を通過することが好ましい。また、シール性を向上させるために、糸道開口部10、11は繊維束の形状に合わせ、繊維束との接触が起こらない範囲で最小化することが好ましい。
上記の実施形態においては、作業者が出入りするための出入り口の記載を省略しているが、トラブル時に迅速な処置が可能となるよう、作業者が出入りするための扉を設けることが好しく、作業者が出入りした際の温度変動を抑制するため、通常開閉できる扉の面積は作業者出入りできる範囲で最小化することが好ましい。
このようにして得られた耐炎化繊維束を、不活性雰囲気下で、好ましくは最高温度を300〜800℃の温度範囲内で予備炭化処理を行う。このように予備炭化処理を施した後、不活性雰囲気下で最高温度が1000〜2000℃の範囲で炭化処理することによって高強度な炭素繊維束を得ることができる。
ここで、予備炭化処理および炭化処理は不活性雰囲気中で行われるが、用いられる不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンおよびキセノンなどが好ましく例示され、ランニングコストの観点からは窒素が好ましく用いられる。
さらに、炭素繊維束は、その表面改質のため、電解処理することができる。かかる電解処理により、得られる複合材料において炭素繊維束とマトリックスとの接着性が適正化でき、繊維軸方向と非繊維軸方向の両方向にバランスのとれた強度特性が発現されるようになる。
次いで、得られる炭素繊維束に収束性を付与するため、サイジング処理をして、サイジング剤を付与することも好ましい。
最後に、これらの工程を経た炭素繊維束をボビンに巻き取ることにより、炭素繊維束を得ることができる。
本発明は、使用するアクリロニトリル系繊維束の単繊維繊度が0.5〜1.3dtexであり、炭化したときの単繊維の直径が3.8〜8.5μmであることが好ましい。1.3dtex以下および8.5μm以下とすることによって、繊維のプロセス通過性を一定の水準に保持し、又得られる炭素繊維強の特性も維持することが出来る。又、0.5dtex以上および3.8μm以上とすることによって、単糸の切断等によって生じるプロセス通過性の低下を防ぎ、生産性の低下も防ぐことが出来る。なおアクリロニトリル系単繊維の繊度と、炭素繊維単繊維の繊度は独立して変更できるわけではないが、用いる炭素繊維製造工程の条件によって変動するので、それぞれの値を上記の範囲とすることが好ましい。
本発明の炭素繊維束は、その断面の真円度が1.01〜1.07であるものが好ましく、1.02〜1.05であるものが更に好ましい。ここで真円度とは、炭素繊維束を常温硬化型エポキシ樹脂に包埋し、硬化後表面を研磨して走査型電子顕微鏡にて求めた。ここで、繊維束は弛みがない状態で研磨面に垂直となるようにして硬化させる。また電子顕微鏡の画像は、任意に選定した25本の単糸について、倍率3000倍で求めて、繊維断面を楕円として近似したときの最短距離を短径、最長距離を長径として真円度を長径/短径の値として定義する。
本発明の炭素繊維束の単糸の表面平滑性は、算術平均粗さRaで表したとき、好ましくは1.0nm〜15nm、さらに好ましくは2.0〜10nmである。これらは使用するアクリロニトリル系繊維束を紡糸するときに、原液のポリマ温度を可能な範囲で高く設定するとともに、湿式紡糸であれば、口金条件や紡糸浴の引取条件を組み合わせて得ることが出来、乾湿式紡糸であれば、やはり紡糸条件と、延伸条件などとを組み合わせ、それらを炭化することにより、ほぼ同程度の表面平滑性の炭素繊維を得ることが出来る。
以下に本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。表1には各種条件および微粒子濃度、評価結果の一覧を示す。なお、各特性の評価方法・測定方法は下記のとおりとした。
<界面活性剤(シリコーン油剤)の耐熱性>
乳化状態にある界面活性剤を、予め105℃・5時間乾燥したときの質量を基準とし、熱天秤分析によって空気中昇温速度10℃/分で240℃まで昇温し、240℃・2時間保持し、雰囲気を窒素に切り替えて10℃/分で昇温して、到達温度450℃・30秒保持した時点での質量保持率(%)を耐熱性とした。
<微粒子濃度>
試料気体流量0.5リットル/分で34秒間(合計0.283リットル)気体を吸引し、0.283リットルに含まれる0.5μm以上1.0μm未満、1.0μm以上2.0μm未満、2.0μm以上5.0μm未満、5.0μm以上の4段階粒子数を同時に計測し、その値をD0.5、D1.0、D2.0、D5.0(個/0.283リットル)とするとき、以下の換算式によって各粒子の濃度を5.0μmの粒子数に換算した値を求めた。ここで、微粒子濃度の測定場所は、熱処理室に糸が出入りする場所の最下部の炉外ローラー周囲10cmの場所とし、光散乱式パーティクルカウンタ(例えば、RION社 KC−01E)を用いて測定した。この測定を連続して3回実施し、その平均値を微粒子濃度とした。
5.0μmの粒子数への換算式=[{D0.5/(5.0/0.5)}+{D1.0/(5.0/1.0)}+{D2.0/(5.0/2.0)}+D5.0]/0.283(個/リットル)。
<界面活性剤の耐熱性>
<相対ストランド引張強度>
JIS R 7601:1986の「樹脂含浸ストランド試験法」に従いストランド引張強度を測定し、以下の換算式によって比較例1のストランド引張強度に対する相対ストランド引張強度を使用した。
相対ストランド引張強度への換算式=T/T
ここで、Tは各実施例、比較例におけるストランド引張強度、Tは比較例1のストランド引張強度である。
<炭素繊維束の長手方向の繊度斑>
炭素繊維束を20分おきにボビンに1分間巻き取った。これを24時間繰り返し、計72本のボビンを採取した。これらのボビンを温度23±5℃、相対湿度60±20%の雰囲気中に24時間以上放置したのち、同雰囲気中でそれぞれのボビンから長手方向に1m、撚りが入らないように切断したものを電子天秤で測定し、次式に基づいて長手方向の繊度斑を求めた。
長手方向繊度斑(%)=(σ/X)×100
ここで、σ:測定繊度全データの標準偏差、Xは測定繊度全データの平均値である。
なお、耐炎化工程では、作業者が運転状態の定期的な点検や、巻付きトラブルが発生したときなど領域Aに立ち入る。本実施例・比較例における炭素繊維束の長手方向の繊度斑は、必要時に人が領域Aに出入りして点検や巻付きトラブル対応を行った状況下において求められた。
<単糸表面粗さ測定>
炭素繊維単糸表面上の形態は、原子間力顕微鏡を用いた算術平均粗さとして求めた。測定方法は、Veeco社Digital Instruments製 NanoScopeIIIa AFM Dimennsion 3000 ステージシステムを使用し、タッピングモードで測定する。サンプルは、単糸を1.5cmにカットし、銀ペーストでSiウェハに固定した。探針にシリコンカンチレバーを用いて、走査範囲2.5μm×2.5μmの範囲を走査速度0.33Hzで測定を行った。3視野から測定を行った表面粗さを定量的に評価するために、3次元表面粗さ評価を行い、中心線からの偏差の絶対値の平均値を算術平均粗さRaとして示した。なお、サイジング剤が付着している炭素繊維については、脱サイジングを行った後測定を実施した。
(比較例1)
アクリロニトリルとイタコン酸からなる共重合体を、ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により製造し、アクリル系共重合体の含有率が22質量%である紡糸原液を得た。この紡糸原液を、40℃で、孔数4,000の紡糸口金を用いて一旦空気中に吐出した後、10℃にコントロールした35質量%ジメチルスルホキシドの水溶液からなる凝固浴に導入する乾湿式紡糸法により凝固させた。得られた凝固糸を、水洗、延伸、油剤付与した後、乾燥させ、スチーム延伸し、単糸繊度1.1dtex、単糸本数12,000本のポリアクリロニトリル系繊維束を得た。
ここで、油剤は、アミノ変性されたジメチルシロキサン油剤成分を、ノニオン系界面活性剤を用いて水分散系としたものと、ジメチルポリシロキサンをポリエチレングリコールで変性して水溶性にした油剤を純分で等量混合したものを用い、その耐熱性が56%のものを用いた。
次いで、熱処理室周辺に囲いを設けていない横型熱風循環式の耐炎化炉にて220〜270℃で耐炎化処理を行った。その後、窒素雰囲気中300〜800℃の温度領域で予備炭化処理した後、1000〜1500℃の温度領域で炭化処理して単糸直径が6.9μm、密度1.80g/cm、単糸の真円度が1.03、算術平均粗さRaが3.2nmの炭素繊維束を得た。熱処理室に糸が出入りする場所の最下部の炉外ローラー周囲10cmの微粒子濃度は10000個/リットルであり、また繊度斑は1.2%であった。比較例1で得られた炭素繊維束のストランド引張強度を基準として1.00とした。
(実施例1)
比較例1と同様に作製したポリアクリロニトリル繊維束を、熱処理室周辺に囲いが設けられた横型熱風循環式の耐炎化炉にて220〜270℃で耐炎化処理を行い、次いで同様に予備炭化、炭化を行って単糸直径が6.9μm、密度1.80g/cm、単糸の真円度が1.04、算術平均粗さRaが2.9nmの炭素繊維束を得た。このとき、F/F=1.03、F/V=5.0、V/V=6.0とし、領域Aへの給気ラインの粒子除去装置6内のフィルタスペックは粒子除去性能が中程度のものを使用した。相対ストランド引張強度は1.08、繊度斑も0.8%であった。また、熱処理室に糸が出入りする場所の最下部のローラー周囲10cmの微粒子濃度は3400個/リットルと減少した。
(実施例2、4)
/Fがそれぞれ1.05、1.10であること以外はすべて実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。その結果、炭素繊維束の相対ストランド引張強度はそれぞれ1.09、1.12であり、繊度斑はそれぞれ0.7%、0.6%と良好な結果となった。
(実施例3)
粒子除去装置6内のフィルタを粒子除去性能の高いものに交換した以外は実施例1と同様の方法で炭素繊維束を得た。熱処理室に糸が出入りする場所の最下部のローラー周辺の微粒子濃度は2900個/リットルであった。また、炭素繊維束の相対ストランド引張強度は1.12であり、繊度斑は0.7%と良好な結果となった。
(実施例5、6)
/Fが1.05、F/Vがそれぞれ10.0、15.0であること以外はすべて実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。その結果、炭素繊維束の相対ストランド引張強度はそれぞれ1.12、1.13であり、繊度斑も0.7%と良好な結果となった。
(実施例7)
/Fが1.05、F/Vが15.0、V/Vが10.0であること以外はすべて実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。その結果、炭素繊維束の相対ストランド引張強度は1.13であり、繊度斑は0.5%と良好な結果となった。
(実施例8)
/Vが3.5であること以外はすべて実施例2と同様にして炭素繊維束を得た。その結果繊度斑は0.9%とやや悪化したが、相対ストランド引張強度は1.09と良好な結果であった。
(実施例9)
油剤の成分の割合を調整することにより、耐熱性が35%の油剤を作製して用いた以外は、実施例3と同様の条件で炭素繊維を得た。その結果相対ストランド引張強度は1.07とやや低下したが、繊度斑は0.8%と良好な結果であった。
(実施例10)
油剤の成分の割合を調整することにより、耐熱性が18%の油剤を作製して用いた以外は、実施例9と同様の条件で炭素繊維を得た。その結果相対ストランド引張強度は1.05と低下したが、繊度斑は0.8%を保持することが出来た。
(比較例2)
/Fが0.95、F/Vが3.0であること以外は実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。炭素繊維束の相対ストランド引張強度は1.03と実施例1〜9に比べて発現しなかった。
(比較例3)
/Vが3.0であること以外は実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。炭素繊維束の相対ストランド引張強度は1.04と実施例1〜9に比べて発現しなかった。
(比較例4)
/Fが0.95であること以外は実施例1と同様にして炭素繊維束を得た。炭素繊維束の相対ストランド引張強度は1.03と実施例1〜9に比べて発現しなかった。
(比較例5)
/Vが2.0であること以外はすべて実施例2と同様にして炭素繊維束を得た。その結果、相対ストランド引張強度が1.05と若干低下し、繊度斑が1.3%と大きく悪化した。作業員の出入りが繊度斑に影響したと考えられる。
(比較例6)
領域Aへの給気ラインの粒子除去装置を経由せずに給気した以外はすべて実施例1と同様にして炭素繊維を得た。炭素繊維束の相対ストランド引張強度は1.02と実施例1〜9に比べて発現しなかった。
Figure 0006852405
1:囲い体
2:給気ライン
3:給気ファン
4:排気ライン
5:排気ファン
6:粒子除去装置
7:熱処理室
8:ポリアクリロニトリル系繊維束
9:炭素繊維束生産設備建屋
10:入側糸道開口部
11:出側糸道開口部
12:シール室
13:循環ライン
14:ローラー

Claims (1)

  1. 酸化性気体中でポリアクリロニトリル系繊維束を耐炎化処理する熱処理室と、ポリアクリロニトリル系繊維束の進行方向を変えるためのローラーと、熱処理室とローラーとを囲う囲い体と、囲い体内部であって熱処理室を含まない領域に微粒子除去手段を介して気体を給気する給気ラインと、囲い体内部であって熱処理室を含まない領域の気体を外部に排気する排気ラインとを有する耐炎化炉を用い、(式1)、(式2)、(式3)を満たす条件下でポリアクリロニトリル系繊維束を耐炎化処理して耐炎化繊維束を得る耐炎化工程と、耐炎化繊維束を300〜2000℃の温度で炭素化処理して炭素繊維束を得る炭素化工程とを少なくとも有する炭素繊維束の製造方法。
    /F>1.00 ・・・(式1)
    /V≧5.0 ・・・(式2)
    /V>3.0 ・・・(式3)
    (但し、F:囲い体への給気流量[m/hr]、F:囲い体からの排気流量[m/hr]、V:熱処理室体積[m]、V:囲い体内部であって熱処理室を含まない領域の体積[m]、である。)
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