以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[第1実施例]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が稼働して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、第1実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機50の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓5a等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域3の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9および第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34は、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
なお、本実施例の遊技盤1には、変位可能な演出可動役物としてのタイトル役物100が設けられている。タイトル役物100は、センターケース5の上部且つ略左右中央位置を初期位置として配設される。
ここで、図16を参照して、タイトル役物100の具体的な構成について説明する。タイトル役物100は、横長矩形状の略薄板状に形成され、その前面部に本パチンコ機50の機種タイトルを象ったロゴを備えてなる。また、タイトル役物100の裏面側には、該タイトル役物100を上下方向に変位(昇降)可能とする構成として、駆動機構を備える。詳述すると、図16に示すように、タイトル役物100は、センターケース5の所定位置に固定して取り付けられたタイトル役物モータ100aを動力源として、ピニオン100cが回転駆動されることにより、タイトル役物100の裏面側の所定位置に固定して取り付けられたラック100dが平行移動することにより、タイトル役物100を上下に移動させる。なお、タイトル役物センサ100bは、ラック100dが初期位置(タイトル役物100が図2のように収納された状態)にあることを検出する。
さらに、タイトル役物100は、上記駆動機構が後述するサブ統合制御装置83に駆動制御されることによって、図2に示す位置を初期位置として、下方に向かって2種類の下降変位が可能となっている。すなわち、最も下降した最終位置までの下降変位と、該最終位置と初期位置との間に位置する中間位置までの下降変位を行うよう構成されている。最終位置までの下降変位は、タイトル役物100が、初期位置から変位を開始して、中間位置を介して、最終位置まで変位を行うものである。この場合、中間位置にて一時停止しても良いし、停止することなく通過しても良い。初期位置から最終位置までの変位の経路上に、中間位置が設けられていれば良い。また、何れの下降変位も、その変位後には、所定時間の経過後に初期位置への戻り変位を行う。タイトル役物100の具体的な作用については、後で詳述する。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、電源基板85には、図示しないが、電源の入切操作を行うための電源スイッチ、及び、後述するRAMクリア処理を行うためのRAMクリアスイッチが設けられている。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ(ホールメインコンピュータ)87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は清算表示装置(精算表示基板)25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための貸出ボタン(球貸スイッチ)57、精算を要求するための精算ボタン(清算スイッチ)58、残高表示器59(図4には図示せず、図1参照)が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
なお、本実施例のスピーカ66は、サブ統合制御装置83の制御に基づいて、各種音声を発生出力する。特に本実施例では、演出音として、音1〜音5(後述する図17(a)参照)を少なくとも出力するよう構成されている。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄(疑似図柄、擬似図柄、装飾図柄、飾り図柄とも呼称する)等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、演出図柄は、特別図柄に対応して変動表示を行い、当否判定の結果を遊技者に示す演出用の図柄である。該演出図柄の変動表示を伴って、当否判定の結果を煽る表示演出を、本実施例では疑似演出として備えている。
また、本発明の要部として、サブ統合制御装置83には、タイトル役物モータ100a、タイトル役物センサ100bが接続されており、センサの検出結果や主制御装置80からのコマンドに応じ、これらモータを駆動して演出動作を行なう。
さらに、これも本発明の要部として、先述したスピーカ66は、サブ統合制御装置83が行う音声制御によって、遊技音を出力するものである。当該遊技音は、特別図柄の変動表示に対応した疑似演出における演出音声をはじめ、後で詳述するところの本発明における、タイトル役物(演出可動役物)100の変位に係る変位音を含む音声である。変位音の種別等に関する説明は、後で詳述する。なお、後述する第2実施例における遊技音とは、盾役物(演出可動役物)101の形態変化に係る形態変化音を含む音声であり、同じく後述する第3実施例における遊技音とは、第1剣役物(演出可動役物)41のみが変位する場合、又は第1剣役物(演出可動役物)41に続いて第2剣役物(演出可動役物)42が変位する場合に、第1剣役物(演出可動役物)41の変位に係る変位音を含む音声である。
図5を参照して、本実施例のパチンコ機50の主制御装置80による電源投入時処理について説明する。図5は、電源投入時処理のフロー図である。
パチンコ機50の電源が投入されると、主制御装置80は、スタックポインタのポイント値を8000Hに設定し(S500)、割込みモードを設定し(S505)、内蔵RAMのアクセスを許可し(S510)、電源断のフラグをクリアする処理を実行して(S515)、S520に処理を移行する。
なお、これらの処理は、図示しないが、電源断発生時の処理、詳しくは、電源断フラグの設定処理、RAM判定値の算出保存処理、電源断時の発生情報の保存処理、内蔵RAMのアクセス禁止処理等により構成される「電源断発生時処理」に対応した電源投入時の処理となる。
「電源断発生時処理」は、パチンコ機50への電源供給が停止される直前に記憶していた数値データを、電源供給が遮断されている状態であっても保持するための処理である。
S520では、主制御装置80は、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S520:Yes)、S560に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S520:No)、S525に処理を移行する。
S525では、主制御装置80は、電源断時の発生情報が正常であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S525:Yes)、S530に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S525:No)、S560に処理を移行する。
S530では、主制御装置80は、主側RAMのRAM判定値を算出し、S535に処理を移行する。
S535では、主制御装置80は、主側RAMのRAM判定値が正常であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S535:Yes)、S540に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S535:No)、S560に処理を移行する。
S540では、主制御装置80は、電源断時の発生情報をクリアし、S545に処理を移行する。
S545では、主制御装置80は、復電時のコマンド送信処理を実行し、S550に処理を移行する。
S520で肯定判定、S525またはS535で否定判定の場合に移行する、S560では、主制御装置80は、初期状態に戻すための処理として、記憶された電源遮断直前の情報としての、主側RAMの全てを0クリアし、S565に処理を移行する。
S565では、主制御装置80は、各種乱数の初期値設定を行い、S570に処理を移行する。
S570では、主制御装置80は、主側RAMの初期設定を行い、S550に処理を移行する。
S550では、主制御装置80は、可動役物テストフラグに1を設定する処理を実行して、S555に処理を移行する。可動役物テストフラグは、1が設定されていることにより、電源投入時に行われる可動役物のテスト駆動の実行条件となるフラグである。該フラグが立っていることを、後述するメインルーチンの「各出力処理」(S60)にて判定し、肯定判定であれば、電源投入時にのみ実行が予定される可動役物のテスト駆動に係る実行を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理が行われるよう構成されている。
次いで、S555では、主制御装置80は、割込み許可設定を実行し、これによってパチンコ機50を電源遮断直前の状態に復旧して、或いは、パチンコ機50を電源遮断直前の記憶情報がクリアされた状態にして、本処理を終了し、メインルーチンに移行する。
主制御装置80により実行されるメインルーチンを図6に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、大抵が電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
なお、本実施例の各出力処理(S60)では、図示しないが上記処理に加えて、可動役物テストフラグに1が設定されているか否かの判定処理を実行し、該判定処理にて肯定判定となった場合に、電源投入時の最初の割り込み時のみに実行が予定される可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理が行われる構成となっている。また、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対して可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを送信する処理と併せて、可動役物テストフラグに0を設定してクリアする処理を行う。これにより、可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドの送信、及び該コマンドに基づいてサブ統合制御装置が実行する後述する可動役物のテスト駆動は、電源投入時のみ1回だけ実行可能に構成されている。
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図6に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
前述のメインルーチンに設けられたS50の入賞確認処理(始動入賞確認処理)について、図7を参照して説明する。図7は、主制御装置80により実行される始動入賞確認処理のフローチャートである。主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S125)。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
図8〜図11に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図9のS250に移行し、第2保留記憶(上記、S125による保留記憶)があるか否かを判断する(S250)。
この保留記憶があれば(S250:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。第2保留記憶がなければ(S250:no)、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S260)。第1保留記憶があれば(S260:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S265)、S270に進む。
S270では第2保留記憶(S265から移行した場合は第1保留記憶)の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当たり確率は1/39.67となる。否定判断であれば(S270:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S280)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり当たり確率は約1/397となる。
S275またはS280の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S285)、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。こうして大当たり図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。なお、2ラウンド確変大当り又は2ラウンド通常大当りの場合のオープニング時間およびエンディング時間は、特別図柄の保留記憶数に応じ異なった時間が設定される。以下、2ラウンド確変大当り及び2ラウンド通常大当りを総じて2ラウンド大当りとも言う。
S285において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S305)。小当りとは、最大0.5秒の大入賞口15の開放を2回行なうもので、その終了後には、確率変動機能、時間短縮機能、及び開放延長機能のいずれも作動しない。ただし、これは「小当りの発生・終了を契機としてこれらの機能が作動することはない」という意味であり、小当りを発生することとなった特別図柄の変動開始時の状態は維持される。すなわち、確率変動状態で該変動が開始された場合、小当り後の遊技状態は確率変動状態であり、時短状態で該変動が開始された場合には時短状態であり、開放延長状態で該変動が開始された場合には開放延長状態である。ここで大当り決定用乱数が、301〜313のときに小当りとする。つまり小当り確率は約1/305である。肯定判断であれば、小当り図柄を決定し(S310)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S315)。小当り図柄の決定は、第1始動口11または第2始動口12に入球したときに取得される小当り図柄決定用乱数によって行なわれる。この乱数は0〜9の値をとり、大当り図柄決定用乱数を更新する際に更新される。小当りも外れのときは(S305:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S320)。こうしてS315またはS320により変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S325)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
S300又はS325に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、ラウンド数、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、小当り、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S330)、特別遊技処理を行なう。なお、S330の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図8のS205において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図10のS350に移行し、図柄変動時間(S295、S315、又はS320の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判定の場合(S350:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S350:yes)の場合は、確定図柄を表示する設定を行い(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S360)。肯定判断された場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1の場合、特別図柄および普通図柄の時間短縮機能が作動していることを示す。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
S385では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS390にて役物連続作動装置を作動させ、S395にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合(S360:no)は、確変フラグが1か否かを判定し(S400)、1であれば(S400:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S405)。確変回数が0であれば(S405:yes)、S410にて確変フラグを0にしてS415に進む。確変フラグが1でないとき(S400:no)又は確変回数が0ではないとき(S405:no)はそのままS415に移行する。
S415では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S415:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S420)。時短回数が0であれば(S420:yes)、S425にて時短フラグを0にしてS430に進む。時短フラグが1でないとき(S415:no)又は時短回数が0ではないとき(S420:no)はそのままS430に移行する。
S430では、確定表示させた特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定する。小当りになる図柄であれば(S430:yes)、特別電動役物作動開始処理(S435)を行い、S440にて小当り開始演出処理を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を実行する。S430で、小当りになる図柄でないと判定された場合は(S430:no)、そのまま特別遊技処理を実行する。
図8のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図11のS450に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S450:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断(S450:yes)であれば確定図柄表示処理(S455)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
このように、本実施例の主制御装置80による「当否判定処理」は、第1始動口11または第2始動口12への入球に起因して抽出された数値データ(乱数値)に基づいて、大当り遊技を実行するための契機である当選(当り、又は大当り)とするか否かを判定する処理である。
また、当否判定処理による判定結果は、前述した第1特図表示装置9および第2特図表示装置10における、変動表示態様また、該変動表示の結果である確定表示態様によって表示されるようになっている。
また、演出図柄表示装置82では、上記特別図柄に対応した疑似図柄(飾り図柄、或いは装飾図柄とも呼称する)を変動表示することで、遊技者に当否抽選の結果を煽り、また報知するものである。
[可動役物テスト処理]
次に、図12を参照して可動役物テスト処理について説明する。可動役物テスト処理は、前述した主制御装置80による各出力処理(S60)において、可動役物テストフラグに1が設定されていると判定されたことに基づいて送信される演出可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを受信した場合に、サブ統合制御装置83が演出可動役物(本実施例では、タイトル役物100)のテスト駆動を実行するための処理である。
S580で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から演出可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを受信したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S580:yes)、S585に処理を移行し、否定判定であれば(S580:no)、本処理を終了する。
S585で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物のテスト駆動処理を実行して、本処理を終了する。第1実施例のS585が実行されることで、タイトル役物100は、中間位置を介して、最終位置まで変位するテスト駆動を行う。
なお、本実施例の可動役物テスト処理では、前述したように電源投入時にのみ送信されてくるテスト駆動に係る指示コマンドを受信したときだけ、テスト駆動を実行するように構成されている。
また、S585にてテスト駆動処理が実行される際、演出可動役物に対して所定の駆動処理を行ったとしても、後述する演出用の駆動の実行時とは異なって、サブ統合制御装置83は、スピーカ66から前記所定の駆動に対応した変位音を出力する処理は行わない構成となっている。
[演出パターン設定処理]
次に、図13を参照して演出パターン設定処理について説明する。本実施例の演出パターン設定処理は、前述した主制御装置80から、特別図柄に対応した疑似図柄の変動表示を開始するための変動開始コマンドを受信したとき、所謂疑似演出に係る演出パターンの種別を設定し、該疑似演出が行われる際に駆動する演出可動役物の位置確認等の駆動に先立つ準備等を行って、疑似演出、演出可動役物の駆動、および該駆動に対応した音声出力等の演出を開始する処理である。
先ず、S700で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S700:yes)、S705に処理を移行し、否定判定であれば(S700:no)、本処理を終了する。変動開始コマンドは、前述した当否判定処理(図9)のS330にて、主制御装置80がサブ統合制御装置83に向けて出力される表示制御コマンドであり、該コマンドの受信により、演出図柄表示装置6にて特別図柄に対応した疑似図柄(演出図柄)の変動表示を開始し、加えて演出図柄表示装置6にキャラクタ等を表示して当否判定の結果を視覚的に煽る疑似演出を実行する。
S705で、サブ統合制御装置83は、実行する演出パターンの種別を決定する処理を実行し、S710に処理を移行する。サブ統合制御装置83は、複数種類の演出パターンを備え、S705にて何れかの演出パターンを選択決定する。本実施例のサブ統合制御装置83は、複数種類の演出パターンで構成される演出パターン選択テーブルとして、例えば後述する図17〜図21に示す各種選択テーブルを備えており、条件(特別図柄の変動時間の種別、当否判定の結果、及び、実行するスーパーリーチの種別)に応じて何れかの選択テーブルを参照して、演出パターンを決定する。この際に選択される本実施例の演出パターンの内容は、演出図柄表示装置6にて表示される表示態様(例えば、表示されるキャラクタや文字等の形、大きさ、および色等に関する態様)、演出可動役物(本実施例ではタイトル役物100)の変位の可否、変位種別、および変位音種別が含まれている。そして、S705では当該演出パターンの内容を、後で実行する演出の内容として設定する。後で、図17〜図21を参照して詳述する。
S710で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(タイトル役物100)が所定の初期位置(図2参照)にあるか否かの確認処理を実行し、S715に処理を移行する。
S715で、サブ統合制御装置83は、S710の確認結果に基づいて、所定の初期位置にないと確認されたときには演出可動役物(タイトル役物100)を所定の初期位置すなわち原点に復帰する処理を行い、S720に処理を移行し、また、所定の初期位置にあるときにはそのまま、S720に処理を移行する。
原点に復帰する処理では、原点に向けて復帰移動するためにタイトル役物モータ100aを駆動し、タイトル役物センサ100bにて正常な検出を得られなければ、所定回数(例えば3回)を上限として繰返しタイトル役物モータ100aを駆動する。所定回数に亘るタイトル役物モータ100aの駆動にもかかわらず、タイトル役物センサ100bにて正常な検出を得られなければ、タイトル役物100に異常有りとして例えば「役物異常フラグ」に1を設定する処理を行う。
S720で、サブ統合制御装置83は、「役物異常フラグ」に1が設定されていないか否か、すなわち役物に異常が無いか否か、を確認し、肯定判定であれば(S720:yes)、S730に処理を移行し、否定判定であれば(S720:no)、S725に処理を移行する。
本実施例では、S710およびS715の処理は、S700にて変動開始コマンドを受信したことに基づいて、つまり何れの変動パターンが選択決定されているとしても、変動パターンの種別に関係無く、変動開始コマンドの受信の都度、毎回実行される。
また、本実施例では、S710およびS715の処理は、S700にて変動開始コマンドを受信したことに基づいて、変動表示の開始時毎に実行するものである。しかし、変動開始時に限定せず、例えば、変動表示の終了時毎に実行するようにしても良い。これにより、変動表示が終了する都度、駆動した演出可動役物が初期位置に在るか否か、無ければ原点復帰処理を実行するので、次の変動表示の開始に先立って、余裕をもって準備ができる。また、異常な状態となった場合には、次の変動表示が開始される前に余裕をもって、当該異常状態の報知や、該異常状態に対する対処処理を実行することが出来る。
S725で、サブ統合制御装置83は、前述したS705にて既に設定した演出パターンの内容の内で、演出可動役物(タイトル役物100)の変位種別(変位態様)以外、すなわち、疑似演出の内容や変位音の内容に関してのみ限定して、演出の実行対象として再度設定する設定処理を行い、S730に処理を移行する。
S730で、サブ統合制御装置83は、役物異常が無ければS705で決定した演出パターンの内容で、また、役物異常が有ればS725で役物駆動以外の演出(音声や発光)に制限された内容で、演出を開始する処理を実行し、本処理を終了する。S730では、役物異常の有無によって、前述したように実行する演出内容を異ならせるので、具体的には、たとえ演出可動役物(タイトル役物100)が原点復帰しない状態が発生した場合であっても、役物駆動以外の演出手段による演出は実行するように構成されている。
S730が実行されると、S705およびS725で設定或いは再設定された演出パターンの演出内容に基づき、演出が開始される。
S705の設定内容に基づく場合は、疑似演出を開始し、本実施例では該疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に、所定の変位音を出力し、同じタイミングで、演出可動役物(タイトル役物100)の変位を開始する、ように構成されている。
S725の設定内容に基づく場合は、疑似演出を開始し、本実施例では該疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に、所定の変位音を出力するのみ、とするように構成されている。
なお、このような演出には、パチンコ機50に設けられた各種発光部材による発光演出も併せて実行される構成としても良い。
このように、本実施例のサブ統合制御装置83による「演出パターン設定処理」では、S705で後述する各種演出パターン選択テーブルを参照して、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBが実行されている際に、演出可動役物(本実施例ではタイトル役物100)の変位の可否、変位種別、および変位音種別を決定する。すなわち、タイトル役物100を初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位させるか、或いは、初期位置から中間位置までしか変位させないか、さらに、その際の変位に係る変位音として音1から音5の何れを出力するかを決定する。
また、本実施例のサブ統合制御装置83による「演出パターン設定処理」のS730では、S705にて決定した変位音種別に基づき、タイトル役物100の変位に係る演出音として、該変位音をスピーカ66から出力するよう構成されている。
[可動役物駆動開始処理]
次に、図14を参照して可動役物駆動開始処理について説明する。本実施例の可動役物駆動開始処理は、前述した演出パターン設定処理(図13)のS730が実行されることに基づいて実行される処理である。但し、その場合、S705の設定内容に基づいた役物異常が認められていない場合に実行される処理である。
先ず、S600で、サブ統合制御装置83は、今回実行される変動演出が所定のリーチ、すなわち本実施例ではスーパーリーチA、又はスーパーリーチBであるか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S600:yes)、S605に処理を移行し、否定判定であれば(S600:no)、本処理を終了する。
S605で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(タイトル役物100)の駆動開始タイミングであるか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S605:yes)、S610に処理を移行し、否定判定であれば(S605:no)、本処理を終了する。前述したように、本実施例において、駆動開始タイミングは、疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に到来するよう構成されている。なお、該タイミングの到来を計時するために、疑似演出の開始からカウントダウンし、カウンタ値が0となったことに基づいて、該タイミングが到来したものと判断する基準となる特別なカウンタを備えても良い。なお、本実施例における駆動開始タイミングは、スーパーリーチAと、スーパーリーチBの何れが実行される場合でも同じタイミングである構成としが、これに限らず、スーパーリーチの種別に応じて、駆動開始タイミングを異ならせても良い。この場合には、駆動開始タイミングを計時するための特別なカウンタとして、スーパーリーチA用とスーパーリーチB用に個別に設けるようにすることが好ましい。これにより、確実に個別の駆動開始タイミングを計時することができる。また、この個別の特別なカウンタの計時開始は、共に疑似演出の開始から計時する構成が望ましいが、これに限らず、両者が異なるタイミングで計時を開始するような構成であってもよい。
S610で、サブ統合制御装置83は、今回の演出パターンの内容に従って、演出可動役物(タイトル役物100)の駆動処理を開始し、本処理を終了する。具体的には、タイトル役物モータ100aを駆動して、演出パターンの内容に従って、中間位置または最終位置まで変位させ、変位後にその位置にて「所定の駆動時間」が終了するまで待機させる。
[可動役物駆動終了処理]
次に、図15を参照して可動役物駆動終了処理について説明する。本実施例の可動役物駆動終了処理は、前述した可動役物駆動開始処理(図14)のS610が実行されることで開始された駆動処理を、終了させるための処理である。
先ず、S650で、サブ統合制御装置83は、駆動処理の終了タイミングが到来したか否か、つまり前記「所定の駆動時間」が終了したか否か、の判定を行い、肯定判定であれば(S650:yes)、S655に処理を移行し、否定判定であれば(S650:no)、本処理を終了する。
S655で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(タイトル役物100)の駆動処理を終了し、本処理を終了する。具体的には、タイトル役物モータ100aを駆動して、演出可動役物(タイトル役物100)を初期位置へ戻す処理を実行し、本処理を終了する。
[第1実施例の演出可動役物の作用]
図22を参照して、本実施例の演出可動役物(タイトル役物100)の作用について説明する。すなわち、本実施例の演出可動役物(タイトル役物100)は、前述した可動役物駆動開始処理および可動役物駆動終了処理の制御処理によって、図2に示す初期位置(原点)から、中間位置まで、又は、最終位置まで変位する。つまり、選択決定された演出パターンの内容に示されている変位種別にしたがって、中間位置或いは最終位置の何れかまで変位し、所定の駆動時間の終了時期が到来すると、初期位置への戻り変位を行う。
中間位置までの変位を行う場合、演出可動役物(タイトル役物100)は、初期位置から下方に向かって下降変位し、図22(a)に示す位置、すなわち中間位置まで変位する。なお、図示破線は初期位置を示す。本実施例の中間位置まで変位する場合、下降変位量は、概ね演出可動役物(タイトル役物100)の高さ寸法の1/3程度の距離となっている。
最終位置までの変位を行う場合、演出可動役物(タイトル役物100)は、同じく、初期位置から下方に向かって下降変位し、図22(b)に示す位置、すなわち最終位置まで変位する。なお、図示破線は初期位置を示す。本実施例の最終位置まで変位する場合、下降変位量は、概ね演出可動役物(タイトル役物100)の高さ寸法の2/3程度の距離となっている。
なお、初期位置から最終位置までの変位ルート上に、上記中間位置が設定されている。よって、換言すれば、サブ統合制御装置83は、演出パターンの内容を参照して、該内容に変位種別として最終位置まで変位する情報が有る場合、演出可動役物(タイトル役物100)を、初期位置から下降変位を開始させ、中間位置を介して、最終位置まで変位させる。なお、中間位置を介して変位する、という構成は、変位の途上で中間位置に到着した場合に、一旦停止しても、停止せずに通過しても、何れであっても構わない。その両方を適宜、例えば抽選によって選択して、一旦停止する場合や停止しない場合を発生させるようにしても良い。このようにすることで、今回の変位が、一旦停止したまま中間位置までの変位だったのか、或いは、一旦停止した後に再度変位を開始して最終位置まで変位を行うものなのか、といった煽りを行い、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、一旦停止する場合には、一旦停止する停止時間を長短複数種類備え、何れを選択するかを抽選にて決定するようにしても良い。また、このような一旦停止するか否か、更に一旦停止する場合の停止時間の長短に関して、当否抽選の結果に対応して、大当りの期待度に応じて設定するようにしても良い。これにより、一旦停止するか否か、そして一旦停止した場合の停止時間の長短によって、遊技者は大当りへの期待度を推知するので、興趣が向上する。
なお、本実施例の演出可動役物(タイトル役物100)は、初期位置から中間位置および最終位置への変位を、下降変位する構成とした。これに限定せず、上昇変位、左方向又は右方向、斜め上方、又は斜め下方への変位であっても良い。何れの変位であっても、最終位置までの過程(プロセス)上に中間位置を備える構成であれば良い。
[第1実施例の各種演出パターンについて]
図17〜図21を参照して、前述した本実施例の各種演出パターンについて説明する。図17(a)は、演出可動役物の変位に対応して出力される音種別及び出力内容を示す図表であり、図17(b)は、大当り時且つスーパーリーチAが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルAである。図18は、ハズレ時且つスーパーリーチAが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルAである。図19は、大当り時且つスーパーリーチBが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルBである。図20は、ハズレ時且つスーパーリーチBが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルBである。図21(a)は、大当り時且つスーパーリーチCが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルCであり、図21(b)は、ハズレ時且つスーパーリーチCが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルCである。
(1)第1実施例の音種別及び出力内容について
図17(a)に示すように、本実施例では、疑似演出の実行時に、当否判定の結果すなわち大当りとなるかハズレとなるか、実行が予定されるリーチ種別、に応じて、後述する各種演出パターンテーブルを参照して、所定の振分け率で振り分けられた演出パターンを選択し、実行する。この演出パターンには、前述したように、予め演出パターンの内容として、演出図柄表示装置6にて表示される疑似演出の表示態様(例えば、表示されるキャラクタや文字等の形、大きさ、および色等に関する態様)、演出可動役物(本実施例ではタイトル役物100)の変位の可否、変位種別、さらに変位音種別が含まれている。本実施例の当該変位音種別等について説明する。
本実施例では、タイトル役物100の変位の種別が最終的に判明(確定)するのに先立って出力される音種別が、図17(a)に示すように、音1〜音5までの5種類の音にて、設定されている。具体的に出力される音声内容は、音1は「ピロン」、音2は「ドーン」、音3は「チチチ」、音4は「ゴゴゴ」、音5は「シャキーン」である。また、音1を第1変位音とした場合、音2が第2変位音となり、音3を第1変位音とした場合、音4が第2変位音となり、音1又は音3を第1変位音とした場合、音5が第2変位音となる。
なお、音1〜音4が出力された場合、後述する各演出パターンテーブルに設定されているように、タイトル役物100の変位の種別は、中間位置まで変位する場合と、最終位置まで変位する場合の何れの場合も設定されているが、音5が出力された場合には、必ず最終位置まで変位する設定となっている。
(2)第1実施例の当り時演出パターン選択テーブルAについて
図17(b)に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチAが選択されている場合、演出パターンA−1〜5、演出パターンB−1〜5、演出パターンC−1〜5、および演出パターンD−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチAが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、タイトル役物100の変位種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
例えば、演出パターンA−1について説明する。演出パターンA−1が選択された場合、疑似演出が開始されて、所定時間(例えば、500ms)経過後に、音1(「ピロン」)が出力される。該出力に併せて、タイトル役物100は、可動役物駆動開始処理(図14)のS610によって中間位置までの変位を開始する。該演出パターンA−1は、内部的に大当りであって、且つスーパーリーチAが選択された場合の、3%で抽選により振り分けされる。
内部的に大当りとなる場合に参照される当該、「当り時演出パターン選択テーブルA」において、タイトル役物100が中間位置まで変位する各演出パターンと、最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間位置まで変位する場合が32%であるのに対して、最終位置まで変位する場合が68%に設定されている。すなわち、当り時演出パターン選択テーブルAにおいては、当否抽選にて大当りと判定され且つスーパーリーチAが行われる際には、タイトル役物100を初期位置から中間位置までしか変位させないと決定する確率(演出パターンA−1の3%、演出パターンA−2の5%、演出パターンA−3の3%、演出パターンA−4の5%、演出パターンB−1の3%、演出パターンB−2の5%、演出パターンB−3の3%、演出パターンB−4の5%、の合計である、32%)よりも高い確率(演出パターンA−5の4%、演出パターンB−5の4%、演出パターンC−1の5%、演出パターンC−2の7%、演出パターンC−3の5%、演出パターンC−4の7%、演出パターンC−5の6%、演出パターンD−1の5%、演出パターンD−2の7%、演出パターンD−3の5%、演出パターンD−4の7%、演出パターンD−5の6%、の合計である、68%)で、初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位させるように設定されている。
「当り時演出パターン選択テーブルA」において、タイトル役物100が最終位置まで結果的に変位する場合、該変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は14%(演出パターンC−2の7%、演出パターンD−2の7%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は10%(演出パターンC−1の5%、演出パターンD−1の5%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「当り時演出パターン選択テーブルA」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Aとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンA−1の3%、演出パターンB−1の3%、演出パターンC−1の5%、および演出パターンD−1の5%の合計で、16%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記10%であって、割合Aは、10/16となる。
また、同じく「当り時演出パターン選択テーブルA」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Bとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンA−2の5%、演出パターンB−2の5%、演出パターンC−2の7%、および演出パターンD−2の7%の合計で、24%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記14%であって、割合Bは、14/24となる。
したがって、割合A(10/16=60/96)は、割合B(14/24=56/96)よりも振分け率が高く設定されている。すなわち、「当り時演出パターン選択テーブルA」の設定において、音1(第1変位音)が出力された場合には、音2(第2変位音)が出力された場合よりも高い確率で、タイトル役物100は初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位するように設定されている。
なお、この音2と音1との設定の関係については、図示した振分け率の設定状態からも明らかなように、音4と音3との設定の関係においても同様のことがいえる。さらには、音5と、音1または音3との設定の関係においても同じである。すなわち、音1を第1変位音としたときに音2を第2変位音とする関係は、音3を第1変位音としたときに音4を第2変位音とする関係や、音1又は音3を第1変位音としたときに音5を第2変位音とする関係、と同じであり、本実施例は複数種類の第1変位音および第2変位音を備えている。この点は、後述する他の演出パターン選択テーブルにおいても同じである。
(3)第1実施例のハズレ時演出パターン選択テーブルAについて
図18に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチAが選択されている場合、演出パターンa−1〜5、演出パターンb−1〜5、演出パターンc−1〜5、および演出パターンd−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチAが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、タイトル役物100の変位種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
例えば、演出パターンa−1について説明する。演出パターンa−1が選択された場合、疑似演出が開始されて、所定時間(例えば、500ms)経過後に、音1(「ピロン」)が出力される。該出力に併せて、タイトル役物100は、可動役物駆動開始処理(図14)のS610によって中間位置までの変位を開始する。該演出パターンa−1は、内部的にハズレであって、且つスーパーリーチAが選択された場合の、7%で抽選により振り分けされる。
内部的にハズレとなる場合に参照される当該、「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、タイトル役物100が中間位置まで変位する各演出パターンと、最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間位置まで変位する場合が64%であるのに対して、最終位置まで変位する場合が36%に設定されている。すなわち、ハズレ時演出パターン選択テーブルAにおいては、前述した当り時演出パターン選択テーブルAとは逆に、当否抽選にてハズレと判定され且つスーパーリーチAが行われる際には、タイトル役物100を初期位置から中間位置までしか変位させないと決定する確率(演出パターンa−1の7%、演出パターンa−2の9%、演出パターンa−3の7%、演出パターンa−4の9%、演出パターンb−1の7%、演出パターンb−2の9%、演出パターンb−3の7%、演出パターンb−4の9%、の合計である、64%)よりも低い確率(演出パターンa−5の8%、演出パターンb−5の8%、演出パターンc−1の1%、演出パターンc−2の3%、演出パターンc−3の1%、演出パターンc−4の3%、演出パターンc−5の2%、演出パターンd−1の1%、演出パターンd−2の3%、演出パターンd−3の1%、演出パターンd−4の3%、演出パターンd−5の2%、の合計である、36%)で、初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位させるように設定されている。
「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、タイトル役物100が最終位置まで結果的に変位する場合、該変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は6%(演出パターンc−2の3%、演出パターンd−2の3%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は2%(演出パターンc−1の1%、演出パターンd−1の1%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Cとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンa−1の7%、演出パターンb−1の7%、演出パターンc−1の1%、および演出パターンd−1の1%の合計で、16%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記2%であって、割合Cは、2/16となる。
また、同じく「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Dとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンa−2の9%、演出パターンb−2の9%、演出パターンc−2の3%、および演出パターンd−2の3%の合計で、24%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記6%であって、割合Dは、6/24となる。
したがって、割合C(2/16=12/96)は、割合D(6/24=24/96)よりも振分け率が低く設定されている。
但し、ここで前述した「当り時演出パターン選択テーブルA」も対象として、すなわち割合Aおよび割合Bも含めて判断すると、割合Aと割合Cの振分け率の合計は、(60+12)/96=72/96となり、一方、割合Bと割合Dの振分け率の合計は、(56+24)/96=80/96となる。したがって、当否判定の結果に関係無く、スーパーリーチAが実行される場合において、音2(第2変位音)が出力された場合には、音1(第1変位音)が出力された場合よりも高い確率で、タイトル役物100は初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位するように設定されている。
(4)第1実施例の当り時演出パターン選択テーブルBについて
図19に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチBが選択されている場合、演出パターンE−1〜5、演出パターンF−1〜5、演出パターンG−1〜5、および演出パターンH−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチBが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、タイトル役物100の変位種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
内部的に大当りとなる場合に参照される当該、「当り時演出パターン選択テーブルB」において、タイトル役物100が中間位置まで変位する各演出パターンと、最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間位置まで変位する場合が32%であるのに対して、最終位置まで変位する場合が68%に設定されている。すなわち、当り時演出パターン選択テーブルBにおいては、当否抽選にて大当りと判定され且つスーパーリーチBが行われる際には、タイトル役物100を初期位置から中間位置までしか変位させないと決定する確率(演出パターンE−1の2%、演出パターンE−2の6%、演出パターンE−3の2%、演出パターンE−4の6%、演出パターンF−1の2%、演出パターンF−2の6%、演出パターンF−3の2%、演出パターンF−4の6%、の合計である、32%)よりも高い確率(演出パターンE−5の4%、演出パターンF−5の4%、演出パターンG−1の4%、演出パターンG−2の8%、演出パターンG−3の4%、演出パターンG−4の8%、演出パターンG−5の6%、演出パターンH−1の4%、演出パターンH−2の8%、演出パターンH−3の4%、演出パターンH−4の8%、演出パターンH−5の6%、の合計である、68%)で、初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位させるように設定されている。
「当り時演出パターン選択テーブルB」において、タイトル役物100が最終位置まで結果的に変位する場合、該変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は16%(演出パターンG−2の8%、演出パターンH−2の8%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は8%(演出パターンG−1の4%、演出パターンH−1の4%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「当り時演出パターン選択テーブルB」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Eとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンE−1の2%、演出パターンF−1の2%、演出パターンG−1の4%、および演出パターンH−1の4%の合計で、12%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記8%であって、割合Eは、8/12となる。
また、同じく「当り時演出パターン選択テーブルB」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Fとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンE−2の6%、演出パターンF−2の6%、演出パターンG−2の8%、および演出パターンH−2の8%の合計で、28%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記16%であって、割合Fは、16/28となる。
したがって、割合E(8/12=56/84)は、割合F(16/28=48/84)よりも振分け率が高く設定されている。すなわち、「当り時演出パターン選択テーブルB」の設定において、音1(第1変位音)が出力された場合には、音2(第2変位音)が出力された場合よりも高い確率で、タイトル役物100は初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位するように設定されている。
(5)第1実施例のハズレ時演出パターン選択テーブルBについて
図20に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチBが選択されている場合、演出パターンe−1〜5、演出パターンf−1〜5、演出パターンg−1〜5、および演出パターンh−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチBが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、タイトル役物100の変位種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
内部的にハズレとなる場合に参照される当該、「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、タイトル役物100が中間位置まで変位する各演出パターンと、最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間位置まで変位する場合が56%であるのに対して、最終位置まで変位する場合が44%に設定されている。すなわち、ハズレ時演出パターン選択テーブルBにおいては、前述した当り時演出パターン選択テーブルBとは逆に、当否抽選にてハズレと判定され且つスーパーリーチBが行われる際には、タイトル役物100を初期位置から中間位置までしか変位させないと決定する確率(演出パターンe−1の5%、演出パターンe−2の9%、演出パターンe−3の5%、演出パターンe−4の9%、演出パターンf−1の5%、演出パターンf−2の9%、演出パターンf−3の5%、演出パターンf−4の9%、の合計である、56%)よりも低い確率(演出パターンe−5の7%、演出パターンf−5の7%、演出パターンg−1の1%、演出パターンg−2の5%、演出パターンg−3の1%、演出パターンg−4の5%、演出パターンg−5の3%、演出パターンh−1の1%、演出パターンh−2の5%、演出パターンh−3の1%、演出パターンh−4の5%、演出パターンh−5の3%、の合計である、44%)で、初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位させるように設定されている。
「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、タイトル役物100が最終位置まで結果的に変位する場合、該変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は10%(演出パターンg−2の5%、演出パターンh−2の5%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は2%(演出パターンg−1の1%、演出パターンh−1の1%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Gとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンe−1の5%、演出パターンf−1の5%、演出パターンg−1の1%、および演出パターンh−1の1%の合計で、12%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記2%であって、割合Gは、2/12となる。
また、同じく「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合の割合を、割合Hとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンe−2の9%、演出パターンf−2の9%、演出パターンg−2の5%、および演出パターンh−2の5%の合計で、28%となる。その内、タイトル役物100が最終位置まで変位する場合は、上記10%であって、割合Hは、10/28となる。
したがって、割合G(2/12=14/84)は、割合H(10/28=30/84)よりも振分け率が低く設定されている。
但し、ここで前述した「当り時演出パターン選択テーブルB」も対象として、すなわち割合Eおよび割合Fも含めて判断すると、割合Eと割合Gの振分け率の合計は、(56+14)/84=70/84となり、一方、割合Fと割合Hの振分け率の合計は、(48+30)/84=78/84となる。したがって、当否判定の結果に関係無く、スーパーリーチBが実行される場合において、音2(第2変位音)が出力された場合には、音1(第1変位音)が出力された場合よりも高い確率で、タイトル役物100は初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位するように設定されている。
(6)第1実施例の当り時演出パターン選択テーブルC及びハズレ時演出パターン選択テーブルCについて
図21(a)は、内部的に大当りとなる場合、且つスーパーリーチCが選択されている場合、に参照される「当り時演出パターン選択テーブルC」である。すなわち、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチCが選択されている場合、演出パターンI−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチCが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。但し、当該「当り時演出パターン選択テーブルC」が参照された場合には、何れの演出パターンであっても、タイトル役物100の変位の実行、および変位音の出力は、行われないように設定されている。
また、図21(b)は、内部的にハズレとなる場合、且つスーパーリーチCが選択されている場合、に参照される「ハズレ時演出パターン選択テーブルC」である。すなわち、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチCが選択されている場合、演出パターンi−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチCが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。但し、当該「ハズレ時演出パターン選択テーブルC」が参照された場合には、「当り時演出パターン選択テーブルC」と同様に、何れの演出パターンであっても、タイトル役物100の変位の実行、および変位音の出力は、行われないように設定されている。
第1実施例では、上記各種演出パターン選択テーブルの設定によって、大当りとなる期待度の高い疑似演出すなわちスーパーリーチA又はBが選択されているとき、内部的に大当りとなっている場合には演出可動役物を最終位置まで変位し易く、ハズレとなっている場合には中間位置までしか変位せずに最終位置まで変位し難く設定していることから、演出可動役物の変位種別に応じて大当りとなる期待度を推知可能とし、さらに、変位種別が確定する前に出力される変位音種別に応じて変位種別を推知可能とした。これにより、演出可動役物の変位に先立って出力される変位音によって、遊技者は変位種別、さらに大当り期待度を予想する面白みを得ることができる。
[第2実施例]
次に第2実施例について説明する。第2実施例は前述した第1実施例と一部同様の構成を備えており、当該同様の構成に係る図面及び説明は第1実施例を援用することで、割愛するものとする。具体的には、第1実施例の図2、図4、図17〜図22、に対して、第2実施例の図23、図24、図25〜図30を示して、主にこの相違点について説明する。但し、図12〜図15については、第1実施例の図面をそのまま参照しつつ、第2実施例固有の内容に則した説明を適宜行う。
図23は、第2実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。なお、遊技盤1に設けられた各種装置等については、第1実施例の図2と略同様であるため、敢えて符号を付与せず、説明も割愛する。また、第1実施例で遊技盤1が備えると説明したタイトル役物100については、本実施例において備えないものとする。すなわち、図に同様の構成が示されているもののこれは、演出可動役物として機能しない構成として説明する。このような前提において、以下、本実施例の構成を説明する。
本実施例の遊技盤1には、形態変化可能な演出可動役物としての盾役物101が設けられている。盾役物101は、演出図柄表示装置6の画面6aの右上部を遮蔽する位置に、図示のとおり配設される。なお、図23に示した盾役物101の形態は、未だ形態変化する前の初期形態である。
図示しないが、ここで、盾役物101の概略構成について説明する。盾役物101は、略瓜実状に象られた平板で形成されると共に、画面6aの右上部から左斜め下方に向けて下り傾斜した姿勢で配置される。さらに、盾役物101は、その前面部に、左右一対の略嘴状に形成されてなる可動片(左)(右)を備える。
さらに、図24も参照して説明する。可動片(左)および可動片(右)は、何れもその上部において、個々に図示しない回転軸によって枢設され、該個々の回転軸には各々個別の駆動源である盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bが、該回転軸を回転駆動可能に連結されて構成されている。盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bは、所謂ステッピングモータを採用して任意の回転角度だけ回転軸を回転させることが可能であって、これにより可動片(左)または可動片(右)を任意の変位態様にて変位可能となっている。また、盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bは、相互に相反する回転方向に回転し、加えて、回転角度は同じ角度となるように制御される。よって、一方が初期形態から15度だけ回転した場合は、他方も15度だけ回転して、合計すると初期形態を0度とした場合に、30度開口した形態(図30(a)に示す中間形態を参照)となるよう構成されている。また更に、一方が初期形態から30度だけ回転した場合は、他方も30度だけ回転して、合計すると初期形態を0度とした場合に、60度開口した形態(図30(b)に示す最終形態を参照)となるよう構成されている。
また、盾役物101は、可動片(左)および可動片(右)の駆動によって形態変化するものの、形態変化後に初期形態に復帰したか否かを検出するための、盾役物左可動片用センサ101cおよび盾役物左可動片用センサ101dを備える。盾役物左可動片用センサ101cは可動片(左)が、また、盾役物左可動片用センサ101dは可動片(右)が、図23に示す位置にあることを検出することで、初期形態に戻っていることを確認する指標とする。
盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bが、サブ統合制御装置83に駆動制御されることによって、盾役物101は、図23に示す形態を初期形態として、開口の程度の異なる2種類の形態に形態変化が可能となっている。すなわち、図30(b)に示すような最も開口した最終形態までの形態変化と、該最終形態と初期形態との間に存在する図30(a)に示すような中間形態までの形態変化を行うよう構成されている。最終形態までの形態変化は、盾役物101が、初期形態から形態変化を開始して、中間形態を介して、最終形態まで形態変化を行うものである。この場合、中間形態にて一時停止しても良いし、停止することなく通過しても良い。初期形態から最終形態までの形態変化のプロセス上に、中間形態が設けられていれば良い。また、何れの形態変化も、その形態変化後には、所定時間の経過後に初期形態への戻り形態変化を行う。盾役物101の具体的な作用については、後で詳述する。
[可動役物テスト処理]
次に、図12を参照して、第2実施例における可動役物テスト処理について説明する。可動役物テスト処理は、前述した主制御装置80による各出力処理(S60)において、可動役物テストフラグに1が設定されていると判定されたことに基づいて送信される演出可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを受信した場合に、サブ統合制御装置83が演出可動役物(本実施例では、盾役物101)のテスト駆動を実行するための処理である。
S580で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から演出可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを受信したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S580:yes)、S585に処理を移行し、否定判定であれば(S580:no)、本処理を終了する。
S585で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物のテスト駆動処理を実行して、本処理を終了する。第2実施例のS585が実行されることで、盾役物101は、中間形態を介して、最終形態まで形態変化するテスト駆動を行う。
なお、本実施例の可動役物テスト処理では、前述したように電源投入時にのみ送信されてくるテスト駆動に係る指示コマンドを受信したときだけ、テスト駆動を実行するように構成されている。
また、S585にてテスト駆動処理が実行される際、演出可動役物に対して所定の駆動処理を行ったとしても、後述する演出用の駆動の実行時とは異なって、サブ統合制御装置83は、スピーカ66から前記所定の駆動に対応した形態変化音を出力する処理は行わない構成となっている。
[演出パターン設定処理]
次に、図13を参照して、第2実施例における演出パターン設定処理について説明する。本実施例の演出パターン設定処理は、前述した主制御装置80から、特別図柄に対応した疑似図柄の変動表示を開始するための変動開始コマンドを受信したとき、所謂疑似演出に係る演出パターンの種別を設定し、該疑似演出が行われる際に駆動する演出可動役物の形態(盾役物左可動片および盾役物右可動片の位置)確認等の駆動に先立つ準備等を行って、疑似演出、演出可動役物の駆動(形態変化)、および該駆動に対応した音声(形態変化音)出力等の演出を開始する処理である。
先ず、S700で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S700:yes)、S705に処理を移行し、否定判定であれば(S700:no)、本処理を終了する。変動開始コマンドは、前述した当否判定処理(図9)のS330にて、主制御装置80がサブ統合制御装置83に向けて出力される表示制御コマンドであり、該コマンドの受信により、演出図柄表示装置6にて特別図柄に対応した疑似図柄(演出図柄)の変動表示を開始し、加えて演出図柄表示装置6にキャラクタ等を表示して当否判定の結果を視覚的に煽る疑似演出を実行する。
S705で、サブ統合制御装置83は、実行する演出パターンの種別を決定する処理を実行し、S710に処理を移行する。サブ統合制御装置83は、複数種類の演出パターンを備え、S705にて何れかの演出パターンを選択決定する。本実施例のサブ統合制御装置83は、複数種類の演出パターンで構成される演出パターン選択テーブルとして、例えば後述する図25〜図29に示す各種選択テーブルを備えており、条件(特別図柄の変動時間の種別、当否判定の結果、及び、実行するスーパーリーチの種別)に応じて何れかの選択テーブルを参照して、演出パターンを決定する。この際に選択される本実施例の演出パターンの内容は、演出図柄表示装置6にて表示される表示態様(例えば、表示されるキャラクタや文字等の形、大きさ、および色等に関する態様)、演出可動役物(本実施例では盾役物101)の形態変化の可否、形態変化種別、および形態変化音種別が含まれている。そして、S705では当該演出パターンの内容を、後で実行する演出の内容として設定する。後で、図25〜図29を参照して詳述する。
S710で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(盾役物101)が所定の初期形態(図23参照)にあるか否かの確認処理を実行し、S715に処理を移行する。
S715で、サブ統合制御装置83は、S710の確認結果に基づいて、所定の初期形態ではないと確認されたときには演出可動役物(盾役物101)を所定の初期形態すなわち、盾役物左可動片および盾役物右可動片の位置を原点に復帰する処理を行い、S720に処理を移行し、また、所定の初期形態であるときにはそのまま、S720に処理を移行する。
原点に復帰する処理では、原点に向けて復帰移動するために盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bを駆動し、盾役物左可動片用センサ101cおよび盾役物右可動片用センサ101dにて正常な検出を得られなければ、所定回数(例えば3回)を上限として繰返し盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bを駆動する。所定回数に亘る盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bの駆動にもかかわらず、盾役物左可動片用センサ101cおよび盾役物右可動片用センサ101dにて正常な検出を得られなければ、盾役物101に異常有りとして例えば「役物異常フラグ」に1を設定する処理を行う。
S720で、サブ統合制御装置83は、「役物異常フラグ」に1が設定されていないか否か、すなわち役物に異常が無いか否か、を確認し、肯定判定であれば(S720:yes)、S730に処理を移行し、否定判定であれば(S720:no)、S725に処理を移行する。
本実施例では、S710およびS715の処理は、S700にて変動開始コマンドを受信したことに基づいて、つまり何れの変動パターンが選択決定されているとしても、変動パターンの種別に関係無く、変動開始コマンドの受信の都度、毎回実行される。
また、本実施例では、S710およびS715の処理は、S700にて変動開始コマンドを受信したことに基づいて、変動表示の開始時毎に実行するものである。しかし、変動開始時に限定せず、例えば、変動表示の終了時毎に実行するようにしても良い。これにより、変動表示が終了する都度、形態変化した演出可動役物が初期形態に在るか否か、無ければ原点復帰処理を実行するので、次の変動表示の開始に先立って、余裕をもって準備ができる。また、異常な状態となった場合には、次の変動表示が開始される前に余裕をもって、当該異常状態の報知や、該異常状態に対する対処処理を実行することが出来る。
S725で、サブ統合制御装置83は、前述したS705にて既に設定した演出パターンの内容の内で、演出可動役物(盾役物101)の形態変化種別(形態変化態様)以外、すなわち、疑似演出の内容や形態変化音の内容に関してのみ限定して、演出の実行対象として再度設定する設定処理を行い、S730に処理を移行する。
S730で、サブ統合制御装置83は、役物異常が無ければS705で決定した演出パターンの内容で、また、役物異常が有ればS725で役物駆動以外の演出(音声や発光)に制限された内容で、演出を開始する処理を実行し、本処理を終了する。S730では、役物異常の有無によって、前述したように実行する演出内容を異ならせるので、具体的には、たとえ演出可動役物(盾役物101)が初期形態に復帰しない状態が発生した場合であっても、役物駆動以外の演出手段による演出は実行するように構成されている。
S730が実行されると、S705およびS725で設定或いは再設定された演出パターンの演出内容に基づき、演出が開始される。
S705の設定内容に基づく場合は、疑似演出を開始し、本実施例では該疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に、所定の形態変化音を出力し、同じタイミングで、演出可動役物(盾役物101)の形態変化を開始する、ように構成されている。
S725の設定内容に基づく場合は、疑似演出を開始し、本実施例では該疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に、所定の形態変化音を出力するのみ、とするように構成されている。
なお、このような演出には、パチンコ機50に設けられた各種発光部材による発光演出も併せて実行される構成としても良い。
このように、本実施例のサブ統合制御装置83による「演出パターン設定処理」では、S705で後述する各種演出パターン選択テーブルを参照して、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBが実行されている際に、演出可動役物(本実施例では盾役物101)の形態変化の可否、形態変化種別、および形態変化音種別を決定する。すなわち、盾役物101を初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化させるか、或いは、初期形態から中間形態までしか形態変化させないか、さらに、その際の形態変化に係る形態変化音として音1から音5の何れを出力するかを決定する。
また、本実施例のサブ統合制御装置83による「演出パターン設定処理」のS730では、S705にて決定した形態変化音種別に基づき、盾役物101の形態変化に係る演出音として、該形態変化音をスピーカ66から出力するよう構成されている。
[可動役物駆動開始処理]
次に、図14を参照して、第2実施例における可動役物駆動開始処理について説明する。本実施例の可動役物駆動開始処理は、前述した演出パターン設定処理(図13)のS730が実行されることに基づいて実行される処理である。但し、その場合、S705の設定内容に基づいた役物異常が認められていない場合に実行される処理である。
先ず、S600で、サブ統合制御装置83は、今回実行される変動演出が所定のリーチ、すなわち本実施例ではスーパーリーチA、又はスーパーリーチBであるか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S600:yes)、S605に処理を移行し、否定判定であれば(S600:no)、本処理を終了する。
S605で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(盾役物101)の駆動(形態変化)開始タイミングであるか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S605:yes)、S610に処理を移行し、否定判定であれば(S605:no)、本処理を終了する。前述したように、本実施例において、駆動開始タイミングは、疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に到来するよう構成されている。なお、該タイミングの到来を計時するために、疑似演出の開始からカウントダウンし、カウンタ値が0となったことに基づいて、該タイミングが到来したものと判断する基準となる特別なカウンタを備えても良い。なお、本実施例における駆動開始タイミングは、スーパーリーチAと、スーパーリーチBの何れが実行される場合でも同じタイミングである構成としが、これに限らず、スーパーリーチの種別に応じて、駆動開始タイミングを異ならせても良い。この場合には、駆動開始タイミングを計時するための特別なカウンタとして、スーパーリーチA用とスーパーリーチB用に個別に設けるようにすることが好ましい。これにより、確実に個別の駆動開始タイミングを計時することができる。また、この個別の特別なカウンタの計時開始は、共に疑似演出の開始から計時する構成が望ましいが、これに限らず、両者が異なるタイミングで計時を開始するような構成であってもよい。
S610で、サブ統合制御装置83は、今回の演出パターンの内容に従って、演出可動役物(盾役物101)の駆動処理を開始し、本処理を終了する。具体的には、盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bを駆動して、演出パターンの内容に従って、中間形態または最終形態まで形態変化させ、形態変化後にその形態にて「所定の駆動時間」が終了するまで待機させる。
[可動役物駆動終了処理]
次に、図15を参照して、第2実施例における可動役物駆動終了処理について説明する。本実施例の可動役物駆動終了処理は、前述した可動役物駆動開始処理(図14)のS610が実行されることで開始された駆動処理を、終了させるための処理である。
先ず、S650で、サブ統合制御装置83は、駆動処理の終了タイミングが到来したか否か、つまり前記「所定の駆動時間」が終了したか否か、の判定を行い、肯定判定であれば(S650:yes)、S655に処理を移行し、否定判定であれば(S650:no)、本処理を終了する。
S655で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(盾役物101)の駆動処理を終了し、本処理を終了する。具体的には、盾役物左可動片用モータ101aおよび盾役物右可動片用モータ101bを駆動して、演出可動役物(盾役物101)を初期形態へ戻す処理を実行し、本処理を終了する。
[第2実施例の演出可動役物の作用]
図30を参照して、第2実施例の演出可動役物(盾役物101)の作用について説明する。すなわち、本実施例の演出可動役物(盾役物101)は、前述した可動役物駆動開始処理および可動役物駆動終了処理の制御処理によって、図23に示す初期形態(原点)から、中間形態まで、又は、最終形態まで形態変化する。つまり、選択決定された演出パターンの内容に示されている形態変化種別にしたがって、中間形態或いは最終形態の何れかまで形態変化し、所定の駆動時間の終了時期が到来すると、初期形態への戻り形態変化を行う。
中間形態までの形態変化を行う場合、演出可動役物(盾役物101)は、初期形態から盾役物左可動片および盾役物右可動片が共に上部の回転軸を中心に各々15度だけ回転して離隔し、図30(a)に示す形態、すなわち中間形態まで形態変化する。
最終形態までの形態変化を行う場合、演出可動役物(盾役物101)は、同じく、初期形態から盾役物左可動片および盾役物右可動片が共に上部の回転軸を中心に各々30度だけ回転して離隔し、図30(b)に示す形態、すなわち最終形態まで形態変化する。
なお、初期形態から最終形態までの形態変化のプロセス上に、上記中間形態が設定されている。よって、換言すれば、サブ統合制御装置83は、演出パターンの内容を参照して、該内容に形態変化種別として最終形態まで形態変化する情報が有る場合、演出可動役物(盾役物101)を、初期形態から形態変化を開始させ、中間形態を介して、最終形態まで形態変化させる。なお、中間形態を介して形態変化する、という構成は、形態変化の途上で中間形態になった場合に、一旦停止しても、停止せずに通過しても、何れであっても構わない。その両方を適宜、例えば抽選によって選択して、一旦停止する場合や停止しない場合を発生させるようにしても良い。このようにすることで、今回の形態変化が、一旦停止したまま中間形態までの形態変化だったのか、或いは、一旦停止した後に再度形態変化を開始して最終形態まで形態変化を行うものなのか、といった煽りを行い、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、一旦停止する場合には、一旦停止する停止時間を長短複数種類備え、何れを選択するかを抽選にて決定するようにしても良い。また、このような一旦停止するか否か、更に一旦停止する場合の停止時間の長短に関して、当否抽選の結果に対応して、大当りの期待度に応じて設定するようにしても良い。これにより、一旦停止するか否か、そして一旦停止した場合の停止時間の長短によって、遊技者は大当りへの期待度を推知するので、興趣が向上する。
なお、本実施例の演出可動役物(盾役物101)は、初期形態から中間形態および最終形態への形態変化を、盾役物左可動片および盾役物右可動片が共に上部の回転軸を中心に所定角度だけ回転して離隔する構成とした。これに限定せず、盾役物101が様々な態様によって、形態を変化する構成を本発明は包含する。そして、何れの形態変化であっても、最終形態までの過程(プロセス)上に中間形態を備える構成であれば良い。
[第2実施例の各種演出パターンについて]
図25〜図29を参照して、前述した、第2実施例における各種演出パターンについて説明する。図25(a)は、演出可動役物の形態変化に対応して出力される音種別及び出力内容を示す図表であり、図25(b)は、大当り時且つスーパーリーチAが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルAである。図26は、ハズレ時且つスーパーリーチAが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルAである。図27は、大当り時且つスーパーリーチBが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルBである。図28は、ハズレ時且つスーパーリーチBが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルBである。図29(a)は、大当り時且つスーパーリーチCが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルCであり、図29(b)は、ハズレ時且つスーパーリーチCが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルCである。
(1)第2実施例の音種別及び出力内容について
図25(a)に示すように、第2実施例では、疑似演出の実行時に、当否判定の結果すなわち大当りとなるかハズレとなるか、実行が予定されるリーチ種別、に応じて、後述する各種演出パターンテーブルを参照して、所定の振分け率で振り分けられた演出パターンを選択し、実行する。この演出パターンには、前述したように、予め演出パターンの内容として、演出図柄表示装置6にて表示される疑似演出の表示態様(例えば、表示されるキャラクタや文字等の形、大きさ、および色等に関する態様)、演出可動役物(本実施例では盾役物101)の形態変化の可否、形態変化種別、さらに形態変化音種別が含まれている。本実施例の当該形態変化音種別等について説明する。
本実施例では、盾役物101の形態変化の種別が最終的に判明(確定)するのに先立って出力される音種別が、図25(a)に示すように、音1〜音5までの5種類の音にて、設定されている。具体的に出力される音声内容は、音1は「ピロン」、音2は「ドーン」、音3は「チチチ」、音4は「ゴゴゴ」、音5は「シャキーン」である。また、音1を第1形態変化音とした場合、音2が第2形態変化音となり、音3を第1形態変化音とした場合、音4が第2形態変化音となり、音1又は音3を第1形態変化音とした場合、音5が第2形態変化音となる。
なお、音1〜音4が出力された場合、後述する各演出パターンテーブルに設定されているように、盾役物101の形態変化の種別は、中間形態まで形態変化する場合と、最終形態まで形態変化する場合の何れの場合も設定されているが、音5が出力された場合には、必ず最終形態まで形態変化する設定となっている。
(2)第2実施例の当り時演出パターン選択テーブルAについて
図25(b)に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチAが選択されている場合、演出パターンA−1〜5、演出パターンB−1〜5、演出パターンC−1〜5、および演出パターンD−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチAが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、盾役物101の形態変化種別、さらに形態変化音種別が、予め設定されている。
例えば、演出パターンA−1について説明する。演出パターンA−1が選択された場合、疑似演出が開始されて、所定時間(例えば、500ms)経過後に、音1(「ピロン」)が出力される。該出力に併せて、盾役物101は、可動役物駆動開始処理(図14)のS610によって中間形態までの形態変化を開始する。該演出パターンA−1は、内部的に大当りであって、且つスーパーリーチAが選択された場合の、3%で抽選により振り分けされる。
内部的に大当りとなる場合に参照される当該、「当り時演出パターン選択テーブルA」において、盾役物101が中間形態まで形態変化する各演出パターンと、最終形態まで形態変化する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間形態まで形態変化する場合が32%であるのに対して、最終形態まで形態変化する場合が68%に設定されている。すなわち、当り時演出パターン選択テーブルAにおいては、当否抽選にて大当りと判定され且つスーパーリーチAが行われる際には、盾役物101を初期形態から中間形態までしか形態変化させないと決定する確率(演出パターンA−1の3%、演出パターンA−2の5%、演出パターンA−3の3%、演出パターンA−4の5%、演出パターンB−1の3%、演出パターンB−2の5%、演出パターンB−3の3%、演出パターンB−4の5%、の合計である、32%)よりも高い確率(演出パターンA−5の4%、演出パターンB−5の4%、演出パターンC−1の5%、演出パターンC−2の7%、演出パターンC−3の5%、演出パターンC−4の7%、演出パターンC−5の6%、演出パターンD−1の5%、演出パターンD−2の7%、演出パターンD−3の5%、演出パターンD−4の7%、演出パターンD−5の6%、の合計である、68%)で、初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化させるように設定されている。
「当り時演出パターン選択テーブルA」において、盾役物101が最終形態まで結果的に形態変化する場合、該形態変化の開始時に音2(第2形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は14%(演出パターンC−2の7%、演出パターンD−2の7%)であるのに対して、音1(第1形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は10%(演出パターンC−1の5%、演出パターンD−1の5%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「当り時演出パターン選択テーブルA」において、音1(第1形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Aとして算出する。音1(第1形態変化音)が出力する場合は、演出パターンA−1の3%、演出パターンB−1の3%、演出パターンC−1の5%、および演出パターンD−1の5%の合計で、16%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記10%であって、割合Aは、10/16となる。
また、同じく「当り時演出パターン選択テーブルA」において、音2(第2形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Bとして算出する。音2(第2形態変化音)が出力する場合は、演出パターンA−2の5%、演出パターンB−2の5%、演出パターンC−2の7%、および演出パターンD−2の7%の合計で、24%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記14%であって、割合Bは、14/24となる。
したがって、割合A(10/16=60/96)は、割合B(14/24=56/96)よりも振分け率が高く設定されている。すなわち、「当り時演出パターン選択テーブルA」の設定において、音1(第1形態変化音)が出力された場合には、音2(第2形態変化音)が出力された場合よりも高い確率で、盾役物101は初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化するように設定されている。
なお、この音2と音1との設定の関係については、図示した振分け率の設定状態からも明らかなように、音4と音3との設定の関係においても同様のことがいえる。さらには、音5と、音1または音3との設定の関係においても同じである。すなわち、音1を第1形態変化音としたときに音2を第2形態変化音とする関係は、音3を第1形態変化音としたときに音4を第2形態変化音とする関係や、音1又は音3を第1形態変化音としたときに音5を第2形態変化音とする関係、と同じであり、本実施例は複数種類の第1形態変化音および第2形態変化音を備えている。この点は、後述する他の演出パターン選択テーブルにおいても同じである。
(3)第2実施例のハズレ時演出パターン選択テーブルAについて
図26に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチAが選択されている場合、演出パターンa−1〜5、演出パターンb−1〜5、演出パターンc−1〜5、および演出パターンd−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチAが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、盾役物101の形態変化種別、さらに形態変化音種別が、予め設定されている。
例えば、演出パターンa−1について説明する。演出パターンa−1が選択された場合、疑似演出が開始されて、所定時間(例えば、500ms)経過後に、音1(「ピロン」)が出力される。該出力に併せて、盾役物101は、可動役物駆動開始処理(図14)のS610によって中間形態までの形態変化を開始する。該演出パターンa−1は、内部的にハズレであって、且つスーパーリーチAが選択された場合の、7%で抽選により振り分けされる。
内部的にハズレとなる場合に参照される当該、「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、盾役物101が中間形態まで形態変化する各演出パターンと、最終形態まで形態変化する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間形態まで形態変化する場合が64%であるのに対して、最終形態まで形態変化する場合が36%に設定されている。すなわち、ハズレ時演出パターン選択テーブルAにおいては、前述した当り時演出パターン選択テーブルAとは逆に、当否抽選にてハズレと判定され且つスーパーリーチAが行われる際には、盾役物101を初期形態から中間形態までしか形態変化させないと決定する確率(演出パターンa−1の7%、演出パターンa−2の9%、演出パターンa−3の7%、演出パターンa−4の9%、演出パターンb−1の7%、演出パターンb−2の9%、演出パターンb−3の7%、演出パターンb−4の9%、の合計である、64%)よりも低い確率(演出パターンa−5の8%、演出パターンb−5の8%、演出パターンc−1の1%、演出パターンc−2の3%、演出パターンc−3の1%、演出パターンc−4の3%、演出パターンc−5の2%、演出パターンd−1の1%、演出パターンd−2の3%、演出パターンd−3の1%、演出パターンd−4の3%、演出パターンd−5の2%、の合計である、36%)で、初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化させるように設定されている。
「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、盾役物101が最終形態まで結果的に形態変化する場合、該形態変化の開始時に音2(第2形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は6%(演出パターンc−2の3%、演出パターンd−2の3%)であるのに対して、音1(第1形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は2%(演出パターンc−1の1%、演出パターンd−1の1%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、音1(第1形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Cとして算出する。音1(第1形態変化音)が出力する場合は、演出パターンa−1の7%、演出パターンb−1の7%、演出パターンc−1の1%、および演出パターンd−1の1%の合計で、16%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記2%であって、割合Cは、2/16となる。
また、同じく「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、音2(第2形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Dとして算出する。音2(第2形態変化音)が出力する場合は、演出パターンa−2の9%、演出パターンb−2の9%、演出パターンc−2の3%、および演出パターンd−2の3%の合計で、24%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記6%であって、割合Dは、6/24となる。
したがって、割合C(2/16=12/96)は、割合D(6/24=24/96)よりも振分け率が低く設定されている。
但し、ここで前述した「当り時演出パターン選択テーブルA」も対象として、すなわち割合Aおよび割合Bも含めて判断すると、割合Aと割合Cの振分け率の合計は、(60+12)/96=72/96となり、一方、割合Bと割合Dの振分け率の合計は、(56+24)/96=80/96となる。したがって、当否判定の結果に関係無く、スーパーリーチAが実行される場合において、音2(第2形態変化音)が出力された場合には、音1(第1形態変化音)が出力された場合よりも高い確率で、盾役物101は初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化するように設定されている。
(4)第2実施例の当り時演出パターン選択テーブルBについて
図27に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチBが選択されている場合、演出パターンE−1〜5、演出パターンF−1〜5、演出パターンG−1〜5、および演出パターンH−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチBが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、盾役物101の形態変化種別、さらに形態変化音種別が、予め設定されている。
内部的に大当りとなる場合に参照される当該、「当り時演出パターン選択テーブルB」において、盾役物101が中間形態まで形態変化する各演出パターンと、最終形態まで形態変化する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間形態まで形態変化する場合が32%であるのに対して、最終形態まで形態変化する場合が68%に設定されている。すなわち、当り時演出パターン選択テーブルBにおいては、当否抽選にて大当りと判定され且つスーパーリーチBが行われる際には、盾役物101を初期形態から中間形態までしか形態変化させないと決定する確率(演出パターンE−1の2%、演出パターンE−2の6%、演出パターンE−3の2%、演出パターンE−4の6%、演出パターンF−1の2%、演出パターンF−2の6%、演出パターンF−3の2%、演出パターンF−4の6%、の合計である、32%)よりも高い確率(演出パターンE−5の4%、演出パターンF−5の4%、演出パターンG−1の4%、演出パターンG−2の8%、演出パターンG−3の4%、演出パターンG−4の8%、演出パターンG−5の6%、演出パターンH−1の4%、演出パターンH−2の8%、演出パターンH−3の4%、演出パターンH−4の8%、演出パターンH−5の6%、の合計である、68%)で、初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化させるように設定されている。
「当り時演出パターン選択テーブルB」において、盾役物101が最終形態まで結果的に形態変化する場合、該形態変化の開始時に音2(第2形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は16%(演出パターンG−2の8%、演出パターンH−2の8%)であるのに対して、音1(第1形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は8%(演出パターンG−1の4%、演出パターンH−1の4%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「当り時演出パターン選択テーブルB」において、音1(第1形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Eとして算出する。音1(第1形態変化音)が出力する場合は、演出パターンE−1の2%、演出パターンF−1の2%、演出パターンG−1の4%、および演出パターンH−1の4%の合計で、12%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記8%であって、割合Eは、8/12となる。
また、同じく「当り時演出パターン選択テーブルB」において、音2(第2形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Fとして算出する。音2(第2形態変化音)が出力する場合は、演出パターンE−2の6%、演出パターンF−2の6%、演出パターンG−2の8%、および演出パターンH−2の8%の合計で、28%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記16%であって、割合Fは、16/28となる。
したがって、割合E(8/12=56/84)は、割合F(16/28=48/84)よりも振分け率が高く設定されている。すなわち、「当り時演出パターン選択テーブルB」の設定において、音1(第1形態変化音)が出力された場合には、音2(第2形態変化音)が出力された場合よりも高い確率で、盾役物101は初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化するように設定されている。
(5)第2実施例のハズレ時演出パターン選択テーブルBについて
図28に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチBが選択されている場合、演出パターンe−1〜5、演出パターンf−1〜5、演出パターンg−1〜5、および演出パターンh−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチBが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、盾役物101の形態変化種別、さらに形態変化音種別が、予め設定されている。
内部的にハズレとなる場合に参照される当該、「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、盾役物101が中間形態まで形態変化する各演出パターンと、最終形態まで形態変化する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、中間形態まで形態変化する場合が56%であるのに対して、最終形態まで形態変化する場合が44%に設定されている。すなわち、ハズレ時演出パターン選択テーブルBにおいては、前述した当り時演出パターン選択テーブルBとは逆に、当否抽選にてハズレと判定され且つスーパーリーチBが行われる際には、盾役物101を初期形態から中間形態までしか形態変化させないと決定する確率(演出パターンe−1の5%、演出パターンe−2の9%、演出パターンe−3の5%、演出パターンe−4の9%、演出パターンf−1の5%、演出パターンf−2の9%、演出パターンf−3の5%、演出パターンf−4の9%、の合計である、56%)よりも低い確率(演出パターンe−5の7%、演出パターンf−5の7%、演出パターンg−1の1%、演出パターンg−2の5%、演出パターンg−3の1%、演出パターンg−4の5%、演出パターンg−5の3%、演出パターンh−1の1%、演出パターンh−2の5%、演出パターンh−3の1%、演出パターンh−4の5%、演出パターンh−5の3%、の合計である、44%)で、初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化させるように設定されている。
「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、盾役物101が最終形態まで結果的に形態変化する場合、該形態変化の開始時に音2(第2形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は10%(演出パターンg−2の5%、演出パターンh−2の5%)であるのに対して、音1(第1形態変化音)の出力に起因した形態変化となる場合の振分け率の合計は2%(演出パターンg−1の1%、演出パターンh−1の1%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、音1(第1形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Gとして算出する。音1(第1形態変化音)が出力する場合は、演出パターンe−1の5%、演出パターンf−1の5%、演出パターンg−1の1%、および演出パターンh−1の1%の合計で、12%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記2%であって、割合Gは、2/12となる。
また、同じく「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、音2(第2形態変化音)が出力する全ての場合のうちで、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合の割合を、割合Hとして算出する。音2(第2形態変化音)が出力する場合は、演出パターンe−2の9%、演出パターンf−2の9%、演出パターンg−2の5%、および演出パターンh−2の5%の合計で、28%となる。その内、盾役物101が最終形態まで形態変化する場合は、上記10%であって、割合Hは、10/28となる。
したがって、割合G(2/12=14/84)は、割合H(10/28=30/84)よりも振分け率が低く設定されている。
但し、ここで前述した「当り時演出パターン選択テーブルB」も対象として、すなわち割合Eおよび割合Fも含めて判断すると、割合Eと割合Gの振分け率の合計は、(56+14)/84=70/84となり、一方、割合Fと割合Hの振分け率の合計は、(48+30)/84=78/84となる。したがって、当否判定の結果に関係無く、スーパーリーチBが実行される場合において、音2(第2形態変化音)が出力された場合には、音1(第1形態変化音)が出力された場合よりも高い確率で、盾役物101は初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化するように設定されている。
(6)第2実施例の当り時演出パターン選択テーブルC及びハズレ時演出パターン選択テーブルCについて
図29(a)は、内部的に大当りとなる場合、且つスーパーリーチCが選択されている場合、に参照される「当り時演出パターン選択テーブルC」である。すなわち、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチCが選択されている場合、演出パターンI−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチCが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。但し、当該「当り時演出パターン選択テーブルC」が参照された場合には、何れの演出パターンであっても、盾役物101の形態変化の実行、および形態変化音の出力は、行われないように設定されている。
また、図29(b)は、内部的にハズレとなる場合、且つスーパーリーチCが選択されている場合、に参照される「ハズレ時演出パターン選択テーブルC」である。すなわち、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチCが選択されている場合、演出パターンi−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチCが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。但し、当該「ハズレ時演出パターン選択テーブルC」が参照された場合には、「当り時演出パターン選択テーブルC」と同様に、何れの演出パターンであっても、盾役物101の形態変化の実行、および形態変化音の出力は、行われないように設定されている。
第2実施例では、盾役物101の形態変化を発生させる盾役物左可動片と盾役物右可動片に対して、各々、盾役物左可動片用モータ101a、および、盾役物右可動片用モータ101bを備えた。しかし、各可動片に固有の駆動源を備えるのではなく、単一の駆動源から、リンク等の駆動力伝動手段によって、双方の可動片を駆動させるように構成しても良い。これにより、何らかの異常が発生したときには、左右一対で駆動しない状態となるので、何れか一方の可動片が駆動せず、他方のみ駆動するといった不具合が発生しない。
第2実施例では、上記各種演出パターン選択テーブルの設定によって、大当りとなる期待度の高い疑似演出すなわちスーパーリーチA又はBが選択されているとき、内部的に大当りとなっている場合には演出可動役物を最終形態まで形態変化し易く、ハズレとなっている場合には中間形態までしか形態変化せずに最終形態まで形態変化し難く設定していることから、演出可動役物の形態変化種別に応じて大当りとなる期待度を推知可能とし、さらに、形態変化種別が確定する前に出力される形態変化音種別に応じて形態変化種別を推知可能とした。これにより、演出可動役物の形態変化に先立って出力される形態変化音によって、遊技者は形態変化種別、さらに大当り期待度を予想する面白みを得ることができる。
[第3実施例]
次に第3実施例について説明する。第3実施例は前述した第1実施例と一部同様の構成を備えており、当該同様の構成に係る図面及び説明は第1実施例を援用することで、割愛するものとする。具体的には、第1実施例の図2、図4、図17〜図22、に対して、第3実施例の図31、図32、図33〜図39を示して、主にこの相違点について説明する。但し、図12〜図15については、第1実施例の図面をそのまま参照しつつ、第3実施例固有の内容に則した説明を適宜行う。
図31は、第3実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。なお、遊技盤1に設けられた各種装置等については、第1実施例の図2と略同様であるため、特に説明は割愛する。また、第1実施例で遊技盤1が備えると説明したタイトル役物100については、本実施例において備えないものとする。すなわち、図に同様の構成が示されているもののこれは、演出可動役物として機能しない構成として説明する。このような前提において、以下、本実施例の構成を説明する。
本実施例の遊技盤1には、変位可能な演出可動役物としての第1剣役物41および第2剣役物42が設けられている。第1剣役物41および第2剣役物42は、通常時すなわち駆動していない初期位置に位置しているときは、センターケース5の左側部に内蔵されているため、図31では便宜上、破線の引き出し線にて概略の配設位置を示した。なお、後述する図39に示すように、本実施例の第1剣役物41および第2剣役物42は、剣を象った形状で構成され、各々の「柄」に相当する部分(センターケース5の左側部に内蔵)に設けられた回転軸(図示しない)によって回転可能に枢設されている。具体的な作用については、後で詳述するものとして、次により詳細な第1剣役物41および第2剣役物42の構成を、図31、図32、図38および図39を参照して説明する。
上述したように、本実施例の第1剣役物41および第2剣役物42は、何れも略同じ大きさの、剣を象った形状で構成され、各々の「柄」に相当する部分(柄部と呼称する)に設けられた回転軸(図示しない)によって回転可能に枢設されている。図39は、変位後の第1剣役物41および第2剣役物42の状態を示すものである。第1剣役物41は、切先が斜め右上方に向いた姿勢となっており、第2剣役物42は、切先が斜め右下方に向いた姿勢となっている。センターケース5の左側部は、その下部にて第1剣役物41の回転軸を備えた柄部を内蔵し、またその上部にて第2剣役物42の回転軸を備えた柄部を内蔵する。変位後の第1剣役物41は、第2剣役物42の僅かに前方(遊技者側)に近接して位置し、更に両者は図示のとおり、交差した姿勢となる。このような第1剣役物41および第2剣役物42が交差した態様は、第3実施例における変位役物個数が2個である場合の変位結果であって、変位個数が1個である場合には、図38に示すように第1剣役物41のみが変位し、第2剣役物42は変位しない状態となる。このような本実施例の作用については、後で詳述する。なお、図39は第1剣役物41および第2剣役物42の双方が変位完了した状態を示しているが、変位前の状態は、図31にて示したように何れもセンターケース5の左側部の内部に収納される。具体的には、第1剣役物41は切先を真上方に向けてセンターケース5の左側下部から起立した状態(起立状態)で収納され、また、第2剣役物42は切先を真下方に向けてセンターケース5の左側上部から垂下した状態(垂下状態)で収納される。これらの収納された状態を変位前の初期位置として、個々の変位が行われると、各々図39に示した其々の最終位置に変位する。
さらに、図32も参照して説明する。第1剣役物41の柄部に設けられた回転軸(図示しない)には、第1剣役物41を回転駆動変位させる駆動源としての第1剣役物モータ41aが、該回転軸を回転駆動可能に連結されて構成されている。また同様に、第2剣役物42の柄部に設けられた回転軸(図示しない)には、第2剣役物42を回転駆動変位させる駆動源としての第2剣役物モータ42aが、該回転軸を回転駆動可能に連結されて構成されている。第1剣役物モータ41aおよび第2剣役物モータ42aは、所謂ステッピングモータを採用して任意の回転角度だけ回転軸を回転させることが可能であって、これにより第1剣役物41または第2剣役物42を任意の変位態様にて変位可能となっている。
また、第1剣役物41および第2剣役物42は、第1剣役物モータ41aおよび第2剣役物モータ42aの駆動によって変位し、上述した初期位置から其々の最終位置に変位する。そして、該変位後に再度、初期位置に復帰したか否かを検出するための、検出手段として、第1剣役物センサ41bおよび第2剣役物センサ42bを備える。第1剣役物センサ41bは第1剣役物41が、また、第2剣役物センサ42bは第2剣役物42が、図31のセンターケース5の左側部に内蔵されて、起立状態或いは垂下状態となる位置にあることを検出することで、初期位置に戻っていることを確認する指標とする。
第1剣役物モータ41aおよび第2剣役物モータ42aは、個別にサブ統合制御装置83に駆動制御される。これにより、後述する「変位役物個数種別」が1個の場合には、サブ統合制御装置83は第1剣役物モータ41aのみを駆動することで、第1剣役物41のみを変位させる。一方、「変位役物個数種別」が2個の場合には、サブ統合制御装置83は第1剣役物モータ41aおよび第2剣役物モータ42aを共に駆動することで、第1剣役物41および第2剣役物42を変位させる。なお、第3実施例において、サブ統合制御装置83は「変位役物個数種別」が2個の場合に、先ず第1剣役物モータ41aを駆動して第1剣役物41のみを最終位置に変位させ、当該変化が完了してから、続いて第2剣役物モータ42aを駆動して第2剣役物42を最終位置に変位させるよう構成されている。したがって、「変位役物個数種別」が2個の場合には、「変位役物個数種別」が1個の場合の状態すなわち、第1剣役物41の最終位置に変位した状態を介して、第2剣役物42を最終位置に変位する制御が行われる。この際、第2剣役物42が最終位置に変位するまで、第1剣役物41は最終位置にて待機し、第2剣役物42が最終位置に変位してから、所定時間の経過後に第1剣役物41および第2剣役物42は、各々初期位置への戻り変位を行う。第1剣役物41および第2剣役物42の具体的な作用については、後で詳述する。
[可動役物テスト処理]
次に、図12を参照して、第3実施例における可動役物テスト処理について説明する。可動役物テスト処理は、前述した主制御装置80による各出力処理(S60)において、可動役物テストフラグに1が設定されていると判定されたことに基づいて送信される演出可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを受信した場合に、サブ統合制御装置83が演出可動役物(本実施例では、第1剣役物41および第2剣役物42)のテスト駆動を実行するための処理である。
S580で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から演出可動役物のテスト駆動に係る指示コマンドを受信したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S580:yes)、S585に処理を移行し、否定判定であれば(S580:no)、本処理を終了する。
S585で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物のテスト駆動処理を実行して、本処理を終了する。第3実施例のS585が実行されることで、第1剣役物41が初期位置から最終位置に変位し、これに続いて、第2剣役物42が初期位置から最終位置に変位するテスト駆動を行う。
なお、本実施例の可動役物テスト処理では、前述したように電源投入時にのみ送信されてくるテスト駆動に係る指示コマンドを受信したときだけ、テスト駆動を実行するように構成されている。
また、S585にてテスト駆動処理が実行される際、演出可動役物に対して所定の駆動処理を行ったとしても、後述する演出用の駆動の実行時とは異なって、サブ統合制御装置83は、スピーカ66から前記所定の駆動に対応した変位音を出力する処理は行わない構成となっている。
[演出パターン設定処理]
次に、図13を参照して、第3実施例における演出パターン設定処理について説明する。本実施例の演出パターン設定処理は、前述した主制御装置80から、特別図柄に対応した疑似図柄の変動表示を開始するための変動開始コマンドを受信したとき、所謂疑似演出に係る演出パターンの種別を設定し、該疑似演出が行われる際に駆動する演出可動役物の位置(第1剣役物41および第2剣役物42の位置)確認等の駆動に先立つ準備等を行って、疑似演出、演出可動役物の駆動(変位)、および該駆動に対応した音声(変位音)出力等の演出を開始する処理である。
先ず、S700で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S700:yes)、S705に処理を移行し、否定判定であれば(S700:no)、本処理を終了する。変動開始コマンドは、前述した当否判定処理(図9)のS330にて、主制御装置80がサブ統合制御装置83に向けて出力される表示制御コマンドであり、該コマンドの受信により、演出図柄表示装置6にて特別図柄に対応した疑似図柄(演出図柄)の変動表示を開始し、加えて演出図柄表示装置6にキャラクタ等を表示して当否判定の結果を視覚的に煽る疑似演出を実行する。
S705で、サブ統合制御装置83は、実行する演出パターンの種別を決定する処理を実行し、S710に処理を移行する。サブ統合制御装置83は、複数種類の演出パターンを備え、S705にて何れかの演出パターンを選択決定する。本実施例のサブ統合制御装置83は、複数種類の演出パターンで構成される演出パターン選択テーブルとして、例えば後述する図33〜図37に示す各種選択テーブルを備えており、条件(特別図柄の変動時間の種別、当否判定の結果、及び、実行するスーパーリーチの種別)に応じて何れかの選択テーブルを参照して、演出パターンを決定する。この際に選択される本実施例の演出パターンの内容は、演出図柄表示装置6にて表示される表示態様(例えば、表示されるキャラクタや文字等の形、大きさ、および色等に関する態様)、演出可動役物(本実施例では第1剣役物41および第2剣役物42)の変位の可否、変位役物個数種別、および変位音種別が含まれている。そして、S705では当該演出パターンの内容を、後で実行する演出の内容として設定する。後で、図33〜図37を参照して詳述する。
S710で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42)が所定の初期位置(図31で図示されていないが前述した起立状態或いは垂下状態にある位置)にあるか否かの確認処理を実行し、S715に処理を移行する。
S715で、サブ統合制御装置83は、S710の確認結果に基づいて、所定の初期位置ではないと確認されたときには演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42)を所定の初期位置すなわち、原点に復帰する処理を行い、S720に処理を移行し、また、所定の初期位置であるときにはそのまま、S720に処理を移行する。
原点に復帰する処理では、原点に向けて復帰移動するために第1剣役物モータ41aおよび/または第2剣役物モータ42aを駆動し、第1剣役物センサ41bおよび/または第2剣役物センサ42bにて正常な検出を得られなければ、所定回数(例えば3回)を上限として繰返し第1剣役物モータ41aおよび/または第2剣役物モータ42aを駆動する。所定回数に亘る第1剣役物モータ41aおよび/または第2剣役物モータ42aの駆動にもかかわらず、第1剣役物センサ41bおよび/または第2剣役物センサ42bにて正常な検出を得られなければ、第1剣役物41および/または第2剣役物42に異常有りとして例えば「役物異常フラグ」に1を設定する処理を行う。
S720で、サブ統合制御装置83は、「役物異常フラグ」に1が設定されていないか否か、すなわち役物に異常が無いか否か、を確認し、肯定判定であれば(S720:yes)、S730に処理を移行し、否定判定であれば(S720:no)、S725に処理を移行する。
本実施例では、S710およびS715の処理は、S700にて変動開始コマンドを受信したことに基づいて、つまり何れの変動パターンが選択決定されているとしても、変動パターンの種別に関係無く、変動開始コマンドの受信の都度、毎回実行される。
また、本実施例では、S710およびS715の処理は、S700にて変動開始コマンドを受信したことに基づいて、変動表示の開始時毎に実行するものである。しかし、変動開始時に限定せず、例えば、変動表示の終了時毎に実行するようにしても良い。これにより、変動表示が終了する都度、変位した演出可動役物が初期位置に在るか否か、無ければ原点復帰処理を実行するので、次の変動表示の開始に先立って、余裕をもって準備ができる。また、異常な状態となった場合には、次の変動表示が開始される前に余裕をもって、当該異常状態の報知や、該異常状態に対する対処処理を実行することが出来る。
S725で、サブ統合制御装置83は、前述したS705にて既に設定した演出パターンの内容の内で、演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42)の変位役物個数種別以外、すなわち、疑似演出の内容や変位音の内容に関してのみ限定して、演出の実行対象として再度設定する設定処理を行い、S730に処理を移行する。
S730で、サブ統合制御装置83は、役物異常が無ければS705で決定した演出パターンの内容で、また、役物異常が有ればS725で役物駆動以外の演出(音声や発光)に制限された内容で、演出を開始する処理を実行し、本処理を終了する。S730では、役物異常の有無によって、前述したように実行する演出内容を異ならせるので、具体的には、たとえ演出可動役物(第1剣役物41および/または第2剣役物42)が初期位置に復帰しない状態が発生した場合であっても、役物駆動以外の演出手段による演出は実行するように構成されている。
S730が実行されると、S705およびS725で設定或いは再設定された演出パターンの演出内容に基づき、演出が開始される。
S705の設定内容に基づく場合は、疑似演出を開始し、本実施例では該疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に、所定の変位音を出力し、同じタイミングで、演出可動役物(第1剣役物41)の変位を開始する、ように構成されている。
S725の設定内容に基づく場合は、疑似演出を開始し、本実施例では該疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に、所定の変位音を出力するのみ、とするように構成されている。
なお、このような演出には、パチンコ機50に設けられた各種発光部材による発光演出も併せて実行される構成としても良い。
このように、本実施例のサブ統合制御装置83による「演出パターン設定処理」では、S705で後述する各種演出パターン選択テーブルを参照して、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBが実行されている際に、演出可動役物(本実施例では第1剣役物41および第2剣役物42、又は第1剣役物41のみ)の変位の可否、変位役物個数種別、および変位音種別を決定する。すなわち、第1剣役物41を初期位置から最終位置まで変位させ続いて第2剣役物42を初期位置から最終位置まで変位させるか、或いは、第1剣役物41を初期位置から最終位置まで変位させ第2剣役物42は変位させないか、さらに、その際の変位に係る変位音として音1から音5の何れを出力するかを決定する。
また、本実施例のサブ統合制御装置83による「演出パターン設定処理」のS730では、S705にて決定した変位音種別に基づき、第1剣役物41および第2剣役物42、又は第1剣役物41のみの変位に係る演出音として、該変位音をスピーカ66から出力するよう構成されている。
[可動役物駆動開始処理]
次に、図14を参照して、第3実施例における可動役物駆動開始処理について説明する。本実施例の可動役物駆動開始処理は、前述した演出パターン設定処理(図13)のS730が実行されることに基づいて実行される処理である。但し、その場合、S705の設定内容に基づいた役物異常が認められていない場合に実行される処理である。
先ず、S600で、サブ統合制御装置83は、今回実行される変動演出が所定のリーチ、すなわち本実施例ではスーパーリーチA、又はスーパーリーチBであるか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S600:yes)、S605に処理を移行し、否定判定であれば(S600:no)、本処理を終了する。
S605で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(第1剣役物41)の駆動(変位)開始タイミングであるか否かの判定を行い、肯定判定であれば(S605:yes)、S610に処理を移行し、否定判定であれば(S605:no)、本処理を終了する。前述したように、本実施例において、駆動開始タイミングは、疑似演出の開始から所定時間(例えば、500ms)経過後に到来するよう構成されている。なお、該タイミングの到来を計時するために、疑似演出の開始からカウントダウンし、カウンタ値が0となったことに基づいて、該タイミングが到来したものと判断する基準となる特別なカウンタを備えても良い。なお、本実施例における駆動開始タイミングは、スーパーリーチAと、スーパーリーチBの何れが実行される場合でも同じタイミングである構成としが、これに限らず、スーパーリーチの種別に応じて、駆動開始タイミングを異ならせても良い。この場合には、駆動開始タイミングを計時するための特別なカウンタとして、スーパーリーチA用とスーパーリーチB用に個別に設けるようにすることが好ましい。これにより、確実に個別の駆動開始タイミングを計時することができる。また、この個別の特別なカウンタの計時開始は、共に疑似演出の開始から計時する構成が望ましいが、これに限らず、両者が異なるタイミングで計時を開始するような構成であってもよい。
S610で、サブ統合制御装置83は、今回の演出パターンの内容に従って、演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42、又は第1剣役物41のみ)の駆動処理を開始し、本処理を終了する。本処理が開始されると具体的には、第1剣役物モータ41aに続いて第2剣役物モータ42a、又は第1剣役物モータ41aのみを駆動して、演出パターンの内容に従って、第1剣役物41に続いて第2剣役物42、又は第1剣役物41のみを最終位置まで変位させ、変位後にその状態にて「所定の駆動時間」が終了するまで待機させる。
[可動役物駆動終了処理]
次に、図15を参照して、第3実施例における可動役物駆動終了処理について説明する。本実施例の可動役物駆動終了処理は、前述した可動役物駆動開始処理(図14)のS610が実行されることで開始された駆動処理を、終了させるための処理である。
先ず、S650で、サブ統合制御装置83は、駆動処理の終了タイミングが到来したか否か、つまり前記「所定の駆動時間」が終了したか否か、の判定を行い、肯定判定であれば(S650:yes)、S655に処理を移行し、否定判定であれば(S650:no)、本処理を終了する。
S655で、サブ統合制御装置83は、演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42、又は第1剣役物41のみ)の駆動処理を終了し、本処理を終了する。具体的には、第1剣役物モータ41aおよび第2剣役物モータ42a、又は第1剣役物モータ41aのみを駆動して、演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42、又は第1剣役物41のみ)を初期位置へ戻す処理を実行し、本処理を終了する。
[第3実施例の演出可動役物の作用]
図38および図39を参照して、第3実施例の演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42)の作用について説明する。すなわち、本実施例の演出可動役物(第1剣役物41および第2剣役物42)は、前述した可動役物駆動開始処理および可動役物駆動終了処理の制御処理によって、図31に破線によって示す初期位置(原点)から、第1剣役物41が最終位置まで変位し、更に続いて第2剣役物42が最終位置まで変位するか、又は、第1剣役物41のみが最終位置まで変位する。換言すれば、最終的に2個の役物が変位するか、又は、単に1個の役物が変位するのみか、の何れかが実行される。つまり、選択決定された演出パターンの内容に示されている変位役物個数種別にしたがって、第1剣役物41のみ、或いは、第1剣役物41および第2剣役物42が共に、最終位置まで変位し、所定の駆動時間の終了時期が到来すると、初期位置への戻り変位を行う。
変位役物個数種別が1個の場合、第1剣役物41のみが、図31に示す状態から、回転軸を中心に時計方向に回転変位して、図38に示す最終位置まで変位して停止する。変位役物個数種別が1個の場合には、当該状態までが予定された変位パターンであり、第2剣役物42が変位することはない。
変位役物個数種別が2個の場合、上記、第1剣役物41の変位が完了後、続いて第2剣役物42が、図31に示す状態から、回転軸を中心に反時計方向に回転変位して、図39に示す最終位置まで変位して停止する。変位役物個数種別が2個の場合には、当該状態までが予定された変位パターンである。
このように、変位役物個数種別が2個の場合の第1剣役物41および第2剣役物42による変位のプロセス上には、変位役物個数種別が1個の場合の第1剣役物41のみの変位を介して発展するよう構成されている。よって、換言すれば、サブ統合制御装置83は、演出パターンの内容を参照して、該内容に変位役物個数種別として「2個の役物が変位する」との情報が有る場合、先ず第1剣役物41を初期位置から最終位置まで変位させ、次いで、第2剣役物42を初期位置から最終位置まで変位させる。なお、この場合、第1剣役物41が初期位置から最終位置まで変位したとき、第2剣役物42の変位開始を一旦、遅延させても、または遅延せずに即時開始しても、何れであっても構わない。その両方を適宜、例えば抽選によって選択して、一旦、遅延する場合や遅延しない場合を発生させるようにしても良い。このようにすることで、今回の変位が、一旦、遅延したまま第2剣役物42の変位が行われないのか、或いは、行われるのか、といった煽りを行い、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、一旦、遅延する場合には、遅延時間を長短複数種類備え、何れを選択するかを抽選にて決定するようにしても良い。また、このような一旦、遅延するか否か、更に一旦、遅延する場合の遅延時間の長短に関して、当否抽選の結果に対応して、大当りの期待度に応じて設定するようにしても良い。これにより、一旦、遅延するか否か、そして遅延した場合の遅延時間の長短によって、遊技者は大当りへの期待度を推知するので、興趣が向上する。
なお、本実施例の演出可動役物である第1剣役物41および第2剣役物42は、同様の構成の例を示したが、これに限らず、全く異なる変位の態様となる複数の役物であっても良い。つまり、一方は直線変位であるのに対して、他方は回転変位や揺動変位であっても良い。複数の役物の変位に関して、一方の変位が終了後に他方の変位が行われる構成と、前記一方の変位のみで完了する構成の双方を備えて、一方の変位が終了した時点で、このまま終了するのか又は進展するのか、といった期待を遊技者に与えることが可能な構成であれば、演出可動役物の構成および作用は、適宜選択し得る。
[第3実施例の各種演出パターンについて]
図33〜図37を参照して、前述した、第3実施例における各種演出パターンについて説明する。図33(a)は、演出可動役物の変位に対応して出力される音種別及び出力内容を示す図表であり、図33(b)は、大当り時且つスーパーリーチAが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルAである。図34は、ハズレ時且つスーパーリーチAが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルAである。図35は、大当り時且つスーパーリーチBが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルBである。図36は、ハズレ時且つスーパーリーチBが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルBである。図37(a)は、大当り時且つスーパーリーチCが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示す当り時演出パターン選択テーブルCであり、図37(b)は、ハズレ時且つスーパーリーチCが実行される場合に選択決定される演出パターンの種別及び演出内容を示すハズレ時演出パターン選択テーブルCである。
(1)第3実施例の音種別及び出力内容について
図33(a)に示すように、第3実施例では、疑似演出の実行時に、当否判定の結果すなわち大当りとなるかハズレとなるか、実行が予定されるリーチ種別、に応じて、後述する各種演出パターンテーブルを参照して、所定の振分け率で振り分けられた演出パターンを選択し、実行する。この演出パターンには、前述したように、予め演出パターンの内容として、演出図柄表示装置6にて表示される疑似演出の表示態様(例えば、表示されるキャラクタや文字等の形、大きさ、および色等に関する態様)、演出可動役物(本実施例では第1剣役物41および第2剣役物42)の変位の可否、変位役物個数種別、さらに変位音種別が含まれている。本実施例の当該変位音種別等について説明する。
本実施例では、第1剣役物41および第2剣役物42の変位役物個数の種別が最終的に判明(確定)するのに先立って出力される音種別が、図33(a)に示すように、音1〜音5までの5種類の音にて、設定されている。具体的に出力される音声内容は、音1は「ピロン」、音2は「ドーン」、音3は「チチチ」、音4は「ゴゴゴ」、音5は「シャキーン」である。また、音1を第1変位音とした場合、音2が第2変位音となり、音3を第1変位音とした場合、音4が第2変位音となり、音1又は音3を第1変位音とした場合、音5が第2変位音となる。
なお、音1〜音4が出力された場合、後述する各演出パターンテーブルに設定されているように、第1剣役物41および第2剣役物42の変位役物個数の種別は、1個だけ変位する場合と、2個変位する場合の何れの場合も設定されているが、音5が出力された場合には、必ず2個変位する設定となっている。
(2)第3実施例の当り時演出パターン選択テーブルAについて
図33(b)に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチAが選択されている場合、演出パターンA−1〜5、演出パターンB−1〜5、演出パターンC−1〜5、および演出パターンD−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチAが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、第1剣役物41および第2剣役物42の変位役物個数種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
例えば、演出パターンA−1について説明する。演出パターンA−1が選択された場合、疑似演出が開始されて、所定時間(例えば、500ms)経過後に、音1(「ピロン」)が出力される。該出力に併せて、変位役物個数種別が1個であることから、第1剣役物41のみの変位が、可動役物駆動開始処理(図14)のS610によって開始する。この際、第1剣役物41の変位が完了しても、第2剣役物42の変位が開始されることはない。該演出パターンA−1は、内部的に大当りであって、且つスーパーリーチAが選択された場合の、3%で抽選により振り分けされる。
内部的に大当りとなる場合に参照される当該、「当り時演出パターン選択テーブルA」において、「変位役物個数種別が1個の場合」すなわち第1剣役物41だけが最終位置まで変位する各演出パターンと、「変位役物個数種別が2個の場合」すなわち先ず第1剣役物41が最終位置まで変位した後で続いて第2剣役物42が最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、「変位役物個数種別が1個の場合」が32%であるのに対して、「変位役物個数種別が2個の場合」が68%に設定されている。すなわち、当り時演出パターン選択テーブルAにおいては、当否抽選にて大当りと判定され且つスーパーリーチAが行われる際には、第2剣役物42を最終位置に変位させずに、第1剣役物41だけしか最終位置まで変位させないと決定する確率(演出パターンA−1の3%、演出パターンA−2の5%、演出パターンA−3の3%、演出パターンA−4の5%、演出パターンB−1の3%、演出パターンB−2の5%、演出パターンB−3の3%、演出パターンB−4の5%、の合計である、32%)よりも高い確率(演出パターンA−5の4%、演出パターンB−5の4%、演出パターンC−1の5%、演出パターンC−2の7%、演出パターンC−3の5%、演出パターンC−4の7%、演出パターンC−5の6%、演出パターンD−1の5%、演出パターンD−2の7%、演出パターンD−3の5%、演出パターンD−4の7%、演出パターンD−5の6%、の合計である、68%)で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位させるように設定されている。
「当り時演出パターン選択テーブルA」において、「変位役物個数種別が2個の場合」、第1剣役物41の変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は14%(演出パターンC−2の7%、演出パターンD−2の7%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は10%(演出パターンC−1の5%、演出パターンD−1の5%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「当り時演出パターン選択テーブルA」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Aとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンA−1の3%、演出パターンB−1の3%、演出パターンC−1の5%、および演出パターンD−1の5%の合計で、16%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記10%であって、割合Aは、10/16となる。
また、同じく「当り時演出パターン選択テーブルA」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Bとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンA−2の5%、演出パターンB−2の5%、演出パターンC−2の7%、および演出パターンD−2の7%の合計で、24%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記14%であって、割合Bは、14/24となる。
したがって、割合A(10/16=60/96)は、割合B(14/24=56/96)よりも振分け率が高く設定されている。すなわち、「当り時演出パターン選択テーブルA」の設定において、音1(第1変位音)が出力された場合には、音2(第2変位音)が出力された場合よりも高い確率で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位する(最終位置に向けての変位を開始する)ように設定されている。
なお、この音2と音1との設定の関係については、図示した振分け率の設定状態からも明らかなように、音4と音3との設定の関係においても同様のことがいえる。さらには、音5と、音1または音3との設定の関係においても同じである。すなわち、音1を第1変位音としたときに音2を第2変位音とする関係は、音3を第1変位音としたときに音4を第2変位音とする関係や、音1又は音3を第1変位音としたときに音5を第2変位音とする関係、と同じであり、本実施例は複数種類の第1変位音および第2変位音を備えている。この点は、後述する他の演出パターン選択テーブルにおいても同じである。
(3)第3実施例のハズレ時演出パターン選択テーブルAについて
図34に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチAが選択されている場合、演出パターンa−1〜5、演出パターンb−1〜5、演出パターンc−1〜5、および演出パターンd−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチAが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、第1剣役物41および第2剣役物42の変位役物個数種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
例えば、演出パターンa−1について説明する。演出パターンa−1が選択された場合、疑似演出が開始されて、所定時間(例えば、500ms)経過後に、音1(「ピロン」)が出力される。該出力に併せて、変位役物個数種別が1個であることから、第1剣役物41のみの変位が、可動役物駆動開始処理(図14)のS610によって開始する。この際、第1剣役物41の変位が完了しても、第2剣役物42の変位が開始されることはない。該演出パターンa−1は、内部的にハズレであって、且つスーパーリーチAが選択された場合の、7%で抽選により振り分けされる。
内部的にハズレとなる場合に参照される当該、「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、「変位役物個数種別が1個の場合」すなわち第1剣役物41だけが最終位置まで変位する各演出パターンと、「変位役物個数種別が2個の場合」すなわち先ず第1剣役物41が最終位置まで変位した後で続いて第2剣役物42が最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、「変位役物個数種別が1個の場合」が64%であるのに対して、「変位役物個数種別が2個の場合」が36%に設定されている。すなわち、ハズレ時演出パターン選択テーブルAにおいては、前述した当り時演出パターン選択テーブルAとは逆に、当否抽選にてハズレと判定され且つスーパーリーチAが行われる際には、第2剣役物42を最終位置に変位させずに、第1剣役物41だけしか最終位置まで変位させないと決定する確率(演出パターンa−1の7%、演出パターンa−2の9%、演出パターンa−3の7%、演出パターンa−4の9%、演出パターンb−1の7%、演出パターンb−2の9%、演出パターンb−3の7%、演出パターンb−4の9%、の合計である、64%)よりも低い確率(演出パターンa−5の8%、演出パターンb−5の8%、演出パターンc−1の1%、演出パターンc−2の3%、演出パターンc−3の1%、演出パターンc−4の3%、演出パターンc−5の2%、演出パターンd−1の1%、演出パターンd−2の3%、演出パターンd−3の1%、演出パターンd−4の3%、演出パターンd−5の2%、の合計である、36%)で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位させるように設定されている。
「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、「変位役物個数種別が2個の場合」、第1剣役物41の変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は6%(演出パターンc−2の3%、演出パターンd−2の3%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は2%(演出パターンc−1の1%、演出パターンd−1の1%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Cとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンa−1の7%、演出パターンb−1の7%、演出パターンc−1の1%、および演出パターンd−1の1%の合計で、16%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記2%であって、割合Cは、2/16となる。
また、同じく「ハズレ時演出パターン選択テーブルA」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Dとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンa−2の9%、演出パターンb−2の9%、演出パターンc−2の3%、および演出パターンd−2の3%の合計で、24%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記6%であって、割合Dは、6/24となる。
したがって、割合C(2/16=12/96)は、割合D(6/24=24/96)よりも振分け率が低く設定されている。
但し、ここで前述した「当り時演出パターン選択テーブルA」も対象として、すなわち割合Aおよび割合Bも含めて判断すると、割合Aと割合Cの振分け率の合計は、(60+12)/96=72/96となり、一方、割合Bと割合Dの振分け率の合計は、(56+24)/96=80/96となる。したがって、当否判定の結果に関係無く、スーパーリーチAが実行される場合において、音2(第2変位音)が出力された場合には、音1(第1変位音)が出力された場合よりも高い確率で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位するように設定されている。
(4)第3実施例の当り時演出パターン選択テーブルBについて
図35に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチBが選択されている場合、演出パターンE−1〜5、演出パターンF−1〜5、演出パターンG−1〜5、および演出パターンH−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチBが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、第1剣役物41および第2剣役物42の変位役物個数種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
内部的に大当りとなる場合に参照される当該、「当り時演出パターン選択テーブルB」において、「変位役物個数種別が1個の場合」すなわち第1剣役物41だけが最終位置まで変位する各演出パターンと、「変位役物個数種別が2個の場合」すなわち先ず第1剣役物41が最終位置まで変位した後で続いて第2剣役物42が最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、「変位役物個数種別が1個の場合」が32%であるのに対して、「変位役物個数種別が2個の場合」が68%に設定されている。すなわち、当り時演出パターン選択テーブルBにおいては、当否抽選にて大当りと判定され且つスーパーリーチBが行われる際には、第2剣役物42を最終位置に変位させずに、第1剣役物41だけしか最終位置まで変位させないと決定する確率(演出パターンE−1の2%、演出パターンE−2の6%、演出パターンE−3の2%、演出パターンE−4の6%、演出パターンF−1の2%、演出パターンF−2の6%、演出パターンF−3の2%、演出パターンF−4の6%、の合計である、32%)よりも高い確率(演出パターンE−5の4%、演出パターンF−5の4%、演出パターンG−1の4%、演出パターンG−2の8%、演出パターンG−3の4%、演出パターンG−4の8%、演出パターンG−5の6%、演出パターンH−1の4%、演出パターンH−2の8%、演出パターンH−3の4%、演出パターンH−4の8%、演出パターンH−5の6%、の合計である、68%)で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位させるように設定されている。
「当り時演出パターン選択テーブルB」において、「変位役物個数種別が2個の場合」、第1剣役物41の変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は16%(演出パターンG−2の8%、演出パターンH−2の8%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は8%(演出パターンG−1の4%、演出パターンH−1の4%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「当り時演出パターン選択テーブルB」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Eとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンE−1の2%、演出パターンF−1の2%、演出パターンG−1の4%、および演出パターンH−1の4%の合計で、12%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記8%であって、割合Eは、8/12となる。
また、同じく「当り時演出パターン選択テーブルB」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Fとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンE−2の6%、演出パターンF−2の6%、演出パターンG−2の8%、および演出パターンH−2の8%の合計で、28%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記16%であって、割合Fは、16/28となる。
したがって、割合E(8/12=56/84)は、割合F(16/28=48/84)よりも振分け率が高く設定されている。すなわち、「当り時演出パターン選択テーブルB」の設定において、音1(第1変位音)が出力された場合には、音2(第2変位音)が出力された場合よりも高い確率で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位するように設定されている。
(5)第3実施例のハズレ時演出パターン選択テーブルBについて
図36に示すように、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチBが選択されている場合、演出パターンe−1〜5、演出パターンf−1〜5、演出パターンg−1〜5、および演出パターンh−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチBが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。さらに、各演出パターンには、第1剣役物41および第2剣役物42の変位役物個数種別、さらに変位音種別が、予め設定されている。
内部的にハズレとなる場合に参照される当該、「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、「変位役物個数種別が1個の場合」すなわち第1剣役物41だけが最終位置まで変位する各演出パターンと、「変位役物個数種別が2個の場合」すなわち先ず第1剣役物41が最終位置まで変位した後で続いて第2剣役物42が最終位置まで変位する各演出パターンの振分け率の、各々の合計は、「変位役物個数種別が1個の場合」が56%であるのに対して、「変位役物個数種別が2個の場合」が44%に設定されている。すなわち、ハズレ時演出パターン選択テーブルBにおいては、前述した当り時演出パターン選択テーブルBとは逆に、当否抽選にてハズレと判定され且つスーパーリーチBが行われる際には、第2剣役物42を最終位置に変位させずに、第1剣役物41だけしか最終位置まで変位させないと決定する確率(演出パターンe−1の5%、演出パターンe−2の9%、演出パターンe−3の5%、演出パターンe−4の9%、演出パターンf−1の5%、演出パターンf−2の9%、演出パターンf−3の5%、演出パターンf−4の9%、の合計である、56%)よりも低い確率(演出パターンe−5の7%、演出パターンf−5の7%、演出パターンg−1の1%、演出パターンg−2の5%、演出パターンg−3の1%、演出パターンg−4の5%、演出パターンg−5の3%、演出パターンh−1の1%、演出パターンh−2の5%、演出パターンh−3の1%、演出パターンh−4の5%、演出パターンh−5の3%、の合計である、44%)で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位させるように設定されている。
「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、「変位役物個数種別が2個の場合」、第1剣役物41の変位の開始時に音2(第2変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は10%(演出パターンg−2の5%、演出パターンh−2の5%)であるのに対して、音1(第1変位音)の出力に起因した変位となる場合の振分け率の合計は2%(演出パターンg−1の1%、演出パターンh−1の1%)であって、当該テーブルにおいては、前者が後者よりも高く設定されている。
さらに、「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、音1(第1変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Gとして算出する。音1(第1変位音)が出力する場合は、演出パターンe−1の5%、演出パターンf−1の5%、演出パターンg−1の1%、および演出パターンh−1の1%の合計で、12%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記2%であって、割合Gは、2/12となる。
また、同じく「ハズレ時演出パターン選択テーブルB」において、音2(第2変位音)が出力する全ての場合のうちで、「変位役物個数種別が2個の場合」の割合を、割合Hとして算出する。音2(第2変位音)が出力する場合は、演出パターンe−2の9%、演出パターンf−2の9%、演出パターンg−2の5%、および演出パターンh−2の5%の合計で、28%となる。その内、「変位役物個数種別が2個の場合」は、上記10%であって、割合Hは、10/28となる。
したがって、割合G(2/12=14/84)は、割合H(10/28=30/84)よりも振分け率が低く設定されている。
但し、ここで前述した「当り時演出パターン選択テーブルB」も対象として、すなわち割合Eおよび割合Fも含めて判断すると、割合Eと割合Gの振分け率の合計は、(56+14)/84=70/84となり、一方、割合Fと割合Hの振分け率の合計は、(48+30)/84=78/84となる。したがって、当否判定の結果に関係無く、スーパーリーチBが実行される場合において、音2(第2変位音)が出力された場合には、音1(第1変位音)が出力された場合よりも高い確率で、第1剣役物41が最終位置まで変位した後に第2剣役物42が最終位置に変位するように設定されている。
(6)第3実施例の当り時演出パターン選択テーブルC及びハズレ時演出パターン選択テーブルCについて
図37(a)は、内部的に大当りとなる場合、且つスーパーリーチCが選択されている場合、に参照される「当り時演出パターン選択テーブルC」である。すなわち、内部的すなわち当否抽選の結果が大当りとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチCが選択されている場合、演出パターンI−1〜5が、図示のように大当りでスーパーリーチCが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。但し、当該「当り時演出パターン選択テーブルC」が参照された場合には、何れの演出パターンであっても、第1剣役物41および第2剣役物42の変位の実行、および変位音の出力は、行われないように設定されている。
また、図37(b)は、内部的にハズレとなる場合、且つスーパーリーチCが選択されている場合、に参照される「ハズレ時演出パターン選択テーブルC」である。すなわち、内部的すなわち当否抽選の結果がハズレとなっている変動表示の実行に関して、スーパーリーチCが選択されている場合、演出パターンi−1〜5が、図示のようにハズレでスーパーリーチCが選択される場合の所定の振分け率にて振り分けされている。但し、当該「ハズレ時演出パターン選択テーブルC」が参照された場合には、「当り時演出パターン選択テーブルC」と同様に、何れの演出パターンであっても、第1剣役物41および第2剣役物42の変位の実行、および変位音の出力は、行われないように設定されている。
第3実施例では、上記各種演出パターン選択テーブルの設定によって、大当りとなる期待度の高い疑似演出すなわちスーパーリーチA又はBが選択されているとき、内部的に大当りとなっている場合には第1演出可動役物を最終位置まで変位した後に第2演出可動役物を変位し易く、ハズレとなっている場合には第1演出可動役物を最終位置まで変位するのみでその後に第2演出可動役物を最終位置までの変位をし難く設定していることから、変位役物個数種別に応じて大当りとなる期待度を推知可能とし、さらに、変位役物個数種別が確定する前に出力される変位音種別に応じて変位役物個数種別を推知可能とした。これにより、演出可動役物の変位に先立って出力される変位音によって、遊技者は変位役物個数種別、さらに大当り期待度を予想する面白みを得ることができる。
以上、本発明に係る実施形態として、複数の実施例を示して説明してきたが、これに限定することなく、本発明の技術思想の範疇であれば、他の構成を採用しても構わない。
なお、第1実施例における中間位置とは、初期位置と最終位置との間で、演出可動役物の変位する距離に関して丁度中間(真ん中)となる位置を意味する場合に限定するものではない。つまり例えば、演出可動役物の可動範囲について、初期位置よりも大きく(最終位置に近く)、最終位置よりも小さい(初期位置に近い)位置であれば、どのような位置であっても良い、とすることも可能である。そのような概念を採用した場合、換言すれば、中間位置とは、予め定められた演出可動役物の変位するルート(初期位置を起点とし、最終位置を終点とする軌道)上の、初期位置及び最終位置とは異なる所定の位置である。
また、第1実施例において、中間位置を介して最終位置まで変位させる、とは、中間位置にて演出可動役物を一旦停止させる構成であっても、一旦停止させない構成であってもよい。一旦停止させる構成であれば、一旦停止している期間において、今回の変位が、このまま中間位置で終了してしまわずに、最終位置まで変位するのではないか、と遊技者に期待感を抱かせることが出来、興趣が向上する。また、一旦停止しない構成であれば、徒に間を持たせることなく、テンポよく演出を進行させることができる。
第2実施例における中間形態とは、初期形態と最終形態との間で、演出可動役物の駆動によって変化する形態の変位量において、変位量が丁度中間(真ん中)となる形態を意味する場合に限定するものではない。つまり例えば、演出可動役物の変位量について、初期形態よりも大きく、最終形態よりも小さい形態であれば、どのような形態であっても良い、とすることも可能である。そのような概念を採用した場合、換言すれば、中間形態とは、予め定められた演出可動役物が駆動により変化するプロセス(初期形態を起点とし、最終形態を終点とする一定の展開過程)上の、初期形態及び最終形態とは異なる所定の形態である。
また、第2実施例において、中間形態を介して最終形態まで形態変化させる、とは、中間形態にて演出可動役物を一旦停止させる構成であっても、一旦停止させない構成であってもよい。一旦停止させる構成であれば、一旦停止している期間において、今回の形態変化が、このまま中間形態で終了してしまわずに、最終形態まで形態変化するのではないか、と遊技者に期待感を抱かせることが出来、興趣が向上する。また、一旦停止しない構成であれば、徒に間を持たせることなく、テンポよく演出を進行させることができる。
また、第3実施例において、第1演出可動役物を変位させた後に第2演出可動役物を変位させる、とは、第1演出可動役物の変位終了後に第2演出可動役物の変位の開始を遅延させる構成であっても遅延させない構成であってもよい。遅延させる構成であれば、遅延している期間において、今回の変位が、このまま第1演出可動役物の変位のみで終了してしまわずに、続く第2演出可動役物まで変位するのではないか、と遊技者に期待感を抱かせることが出来、興趣が向上する。また、遅延しない構成であれば、徒に間を持たせることなく、テンポよく演出を進行させることができる。
第1実施例および第3実施例における変位音は、第1変位音、第2変位音以外にも、異なる変位音を設けても、当然良い。また、演出可動役物が変位しても変位音を出力させない場合も、あって良い。これにより、変位音が発生する場合と発生しない場合の複数の展開を備えることができ、バリエーションが豊かになって興趣が向上する。
第2実施例における形態変化音は、第1形態変化音、第2形態変化音以外にも、異なる形態変化音を設けても、当然良い。また、演出可動役物が形態変化しても形態変化音を出力させない場合も、あって良い。これにより、形態変化音が発生する場合と発生しない場合の複数の展開を備えることができ、バリエーションが豊かになって興趣が向上する。
第1実施例および第3実施例において、第1変位音と第2変位音の組み合わせとして、複数種類の組み合わせを設けても良い。このような場合、異なる組合せにおける複数種類の第1変位音は、第1変位音として、また同じく、異なる組合せにおける複数種類の第2変位音は、第2変位音として、定義することが好ましい。
第2実施例において、第1形態変化音と第2形態変化音の組み合わせとして、複数種類の組み合わせを設けても良い。このような場合、異なる組合せにおける複数種類の第1形態変化音は、第1形態変化音として、また同じく、異なる組合せにおける複数種類の第2形態変化音は、第2形態変化音として、定義することが好ましい。
第1実施例において、変位音出力手段によって出力される変位音とは、所定の疑似演出の実行中に、演出可動役物が初期位置から中間位置まで変位している際に出力されている演出音であれば良い。よって、演出可動役物が変位するよりも前から出力されていても、演出可動役物が中間位置で停止されている状態において継続して出力されていても、或いは、中間位置から最終位置まで変位している際も継続して出力されていても、問題無く、全て「変位音」の範囲である。なお、変位音の出力は、遅くとも中間位置まで変位が行われるまでに開始される構成が好ましい。
同じく第1実施例において、第2変位音を、第1変位音を含んだ音声で構成しても良い。すなわち、第2変位音を、第1変位音と他の音声との合成された音声、第1変位音と他の音声とが重複して出力される音声、或いは第1変位音との和音、として構成されても良い。したがって、このように構成された第2変位音は、出力当初は第1変位音と同じ音声が出力されて、途中で第1変位音とは異なる前記他の音声が第1変位音に重複して出力される。なお、このような第2変位音の具体的な出力方法としては、演出可動役物が初期位置から変位を開始して中間位置に到達する前に、第1変位音には無い他の音声が付加して出力される構成が好適である。
第2実施例において、形態変化音出力手段によって出力される形態変化音とは、所定の疑似演出の実行中に、演出可動役物が初期形態から中間形態まで形態変化している際に出力されている演出音であれば良い。よって、演出可動役物が形態変化するよりも前から出力されていても、演出可動役物が中間形態で停止されている状態において継続して出力されていても、或いは、中間形態から最終形態まで形態変化している際も継続して出力されていても、問題無く、全て「形態変化音」の範囲である。なお、形態変化音の出力は、遅くとも中間位置まで変位が行われるまでに開始される構成が好ましい。
同じく第2実施例において、第2形態変化音を、第1形態変化音を含んだ音声で構成しても良い。すなわち、第2形態変化音を、第1形態変化音と他の音声との合成された音声、第1形態変化音と他の音声とが重複して出力される音声、或いは第1形態変化音との和音、として構成されても良い。したがって、このように構成された第2形態変化音は、出力当初は第1形態変化音と同じ音声が出力されて、途中で第1形態変化音とは異なる前記他の音声が第1形態変化音に重複して出力される。なお、このような第2形態変化音の具体的な出力方法としては、演出可動役物が初期形態から形態変化を開始して中間形態に到達する前に、第1形態変化音には無い他の音声が付加して出力される構成が好適である。
第3実施例において、変位音出力手段によって出力される変位音とは、所定の疑似演出の実行中に、第1演出可動役物が初期位置から中間位置まで変位している際に出力されている演出音であれば良い。よって、第1演出可動役物が変位するよりも前から出力されていても、第1演出可動役物が最終位置で停止し未だ第2演出可動役物が変位を開始していない状態において継続して出力されていても、或いは、第2演出可動役物が初期位置から最終位置まで変位している際も継続して出力されていても、問題無く、全て「変位音」の範囲である。なお、変位音の出力は、遅くとも第1演出可動役物が変位を終了するまでに開始される構成が好ましい。
同じく第3実施例において、第2変位音を、第1変位音を含んだ音声で構成しても良い。すなわち、第2変位音を、第1変位音と他の音声との合成された音声、第1変位音と他の音声とが重複して出力される音声、或いは第1変位音との和音、として構成されても良い。したがって、このように構成された第2変位音は、出力当初は第1変位音と同じ音声が出力されて、途中で第1変位音とは異なる前記他の音声が第1変位音に重複して出力される。なお、このような第2変位音の具体的な出力方法としては、第1演出可動役物が初期位置から変位を開始して最終位置に到達する前に、第1変位音には無い他の音声が付加して出力される構成が好適である。
第1実施例において、変位範囲決定手段(演出パターン設定処理)は、当否判定手段によって当選と判定された場合にしか、初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位させると決定しない構成にしても良い。これにより、最終位置まで変位する場合の期待度が高くなる。同様に、第2変位音が決定された場合には、必ず、初期位置から中間位置を介して最終位置まで変位させる構成にしても良い。これにより、第2変位音が出力された場合の期待度が高くなる。但し、第1変位音が決定された場合でも、最終位置まで変位する場合を設ける構成が好適である。
同じく第1実施例において、なお、変位範囲が決定された後に該決定に応じて変位音が決定される構成であっても、変位音が決定された後に該決定に応じて変位範囲が決定される構成であっても、或いは、変位範囲と変位音が一緒に決定される構成であっても良い。何れの構成であっても、本発明の作用効果において差異はない。
第2実施例において、形態変化決定手段(演出パターン設定処理)は、当否判定手段によって当選と判定された場合にしか、初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化させると決定しない構成にしても良い。これにより、最終形態まで形態変化する場合の期待度が高くなる。同様に、第2形態変化音が決定された場合には、必ず、初期形態から中間形態を介して最終形態まで形態変化させる構成にしても良い。これにより、第2形態変化音が出力された場合の期待度が高くなる。但し、第1形態変化音が決定された場合でも、最終形態まで形態変化する場合を設ける構成が好適である。
同じく第2実施例において、なお、形態変化が決定された後に該決定に応じて形態変化音が決定される構成であっても、形態変化音が決定された後に該決定に応じて形態変化が決定される構成であっても、或いは、形態変化と形態変化音が一緒に決定される構成であっても良い。何れの構成であっても、本発明の作用効果において差異はない。
第3実施例において、変位役物個数決定手段(演出パターン設定処理)は、当否判定手段によって当選と判定された場合にしか、第1演出可動役物を変位させた後に前記第2演出可動役物を変位させると決定しない構成にしても良い。これにより、第1演出可動役物と第2演出可動役物の2個が変位する場合の期待度が高くなる。同様に、第2変位音が決定された場合には、必ず、第1演出可動役物と第2演出可動役物の2個が変位する構成にしても良い。これにより、第2変位音が出力された場合の期待度が高くなる。但し、第1変位音が決定された場合でも、第1演出可動役物と第2演出可動役物の2個が変位する場合を設ける構成が好適である。
同じく第3実施例において、なお、変位役物個数が決定された後に該決定に応じて変位音が決定される構成であっても、変位音が決定された後に該決定に応じて変位役物個数が決定される構成であっても、或いは、変位役物個数と変位音が一緒に決定される構成であっても良い。何れの構成であっても、本発明の作用効果において差異はない。
第1実施例および第3実施例において、初期位置判定手段は、センサの検出状態で初期位置に存在するか否かを判定する構成で、演出可動役物を変位させるか否かに拘らず、全ての変動開始時に判定する構成が好適である。また、変動開始時に限定せず、変動停止時に判定する構成としても良い。これにより、変動表示の都度、常時、初期位置の異常を判定するので、安定した性能の維持を実現できる。
第2実施例において、初期形態判定手段は、センサの検出状態で初期位置に存在するか否かを判定する構成で、演出可動役物を形態変化させるか否かに拘らず、全ての変動開始時に判定する構成が好適である。また、変動開始時に限定せず、変動停止時に判定する構成としても良い。これにより、変動表示の都度、常時、初期形態の異常を判定するので、安定した性能の維持を実現できる。
第1実施例および第3実施例において、初期位置復帰制御手段によって演出可動役物を初期位置に戻す制御を行ったにも拘らず、演出可動役物が初期位置に戻らなかった場合、原因は高い確率で故障が予想される。この際、変位音出力手段は、演出可動役物が故障等によって変位しないことが想定される前提において、変位音を決定するよう構成されている。よって、特別な変位音カテゴリを備えて、このような状況にのみ選択される変位音を出力するようにしても良い。
第2実施例において、初期形態復帰制御手段によって演出可動役物を初期形態に戻す制御を行ったにも拘らず、演出可動役物が初期形態に戻らなかった場合、原因は高い確率で故障が予想される。この際、変位音出力手段は、演出可動役物が故障等によって戻るための形態変化をしないことが想定される前提において、形態変化音を決定するよう構成されている。よって、特別な形態変化音カテゴリを備えて、このような状況にのみ選択される形態変化音を出力するようにしても良い。
第1実施例〜第3実施例において、演出可動役物として、変位したり形態を変化させたりする機能のみを備えた役物を例示したが、これに限らず、他の機能すなわち変位したり形態を変化させたりする機能に加えて他の機能も併せて備えた構成であっても良い。例えば所謂、可動サブ液晶等の構成を、本発明の演出可動役物の一例として採用しても良い。これにより、従来の可動サブ液晶が変位したり、或いは形態変化する機能が発動される前に、これに対応した音声が出力されることで、可動サブ液晶の変位や形態変化の結果が確定するまでの期間でも、音声の種別を参照して特別遊技の期待度を遊技者は推知する楽しみを得ることができる。さらに、変位や形態変化の結果が確定するまでに、前記結果の予想演出を可動サブ液晶が自ら演出表示する構成とすることも出来、従来に無い興趣を提供することが出来る。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
第1始動口11および第2始動口12が、始動口の一例に相当する。
大当り遊技(大当り遊技状態)が、特別遊技の一例に相当する。
主制御装置80が実行する当否判定処理(図8〜図11)が、当否判定手段の一例に相当する。
第1特図表示装置9および第2特図表示装置10が、特別図柄表示装置の一例に相当する。
演出図柄表示装置82が、演出表示装置の一例に相当する。
スーパーリーチAおよびスーパーリーチBが、所定の疑似演出の一例に相当する。
タイトル役物100が、演出可動役物の一例に相当する。
パチンコ機50が、弾球遊技機の一例に相当する。
演出パターン設定処理(図13)が、変位範囲決定手段の一例に相当する。
演出パターン設定処理(図13)のS730が、変位音出力手段の一例に相当する。
音1が第1変位音の一例に、また、音1が第1変位音である場合の音2が第2変位音の一例に相当する。
音3が第1変位音の一例に、また、音3が第1変位音である場合の音4が第2変位音の一例に相当する。
音1又は音3が第1変位音の一例に、また、音1又は音3が第1変位音である場合の音5が第2変位音の一例に相当する。
演出パターン設定処理(図13)のS710が、初期位置判定手段の一例に相当する。
演出パターン設定処理(図13)のS715が、初期位置復帰制御手段の一例に相当する。
電源断発生時処理(図示しない)が、バックアップ手段の一例に相当する。
可動役物テスト処理(図12)が、電源投入時変位手段の一例に相当する。