以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態]
まず、図1を参照して、本実施形態によるショーケース100(ショーケース本体部100a)の構成について説明する。
図1に示すように、ショーケース100(ショーケース本体部100a)には、複数(本実施形態では、7個)の棚部10(棚部10a〜10g)が設けられている。複数の棚部10には、ヒータ20が配置されている。
また、ヒータ20は、複数の棚部10の各々のX1方向側の部分11に設けられるヒータ21a〜21gと、複数の棚部10の各々のX方向の略中央の部分12に設けられるヒータ22a〜22gと、複数の棚部10の各々のX2方向側の部分13に設けられるヒータ23a〜23gとを含む。なお、部分11は、特許請求の範囲の「第1の部分」の一例である。また、部分12および部分13は、特許請求の範囲の「第2の部分」の一例である。また、ヒータ21a〜21gは、特許請求の範囲の「第1ヒータ」の一例である。また、ヒータ22a〜22g、および、ヒータ23a〜23gは、特許請求の範囲の「第2ヒータ」の一例である。
また、複数の棚部10は、図示しない冷却装置により冷却可能に構成されている。すなわち、複数の棚部10の各々は、加熱する運転から冷却する運転、および、冷却する運転から加熱する運転へ切り替え可能に構成されている。
また、ショーケース100(ショーケース本体部100a)には、ヒータ20および図示しない冷却装置を制御するための制御装置30が設けられている。
図2に示すように、ショーケース100(制御装置30)には、ショーケース100の全体の動作を制御するための主制御部31が設けられている。主制御部31には、電源トランス部32から、たとえば200Vの交流電力(または100Vの交流電力)が入力される。
また、主制御部31は、表示部33と通信可能に構成されている。また、主制御部31は、後述する通電用制御部34および異常判定用制御部38と通信可能に構成されており、通電用制御部34および異常判定用制御部38を制御するように構成されている。主制御部31、通電用制御部34、および、異常判定用制御部38は、たとえばマイコンにより構成されている。
また、主制御部31には、冷却される棚部10の除霜を開始する信号(除霜入力)が入力される。
図2に示すように、ショーケース100(制御装置30)には、ヒータ20の通電制御を行う通電用制御部34が設けられている。通電用制御部34には、棚部10の各々に設けられた温度センサ35(図1参照)からの情報(棚部10の温度情報)が入力される。また、通電用制御部34は、温度センサ35からの情報に基づいて、ヒータ20のオンオフを制御する信号を出力する。なお、温度センサ35は、各棚部10に3個ずつ、合計21個設けられている。
また、通電用制御部34には、電源トランス部36aから、たとえば200Vの交流電力が入力されるか、または、直流電源部36bから、たとえば24Vの直流電力が入力される。
また、通電用制御部34(通電用制御部34a〜34c)は、複数(本実施形態では、3個)設けられている。通電用制御部34aは、ヒータ21a〜21gの通電制御を行うように構成されている。また、通電用制御部34bは、ヒータ22a〜22gの通電制御を行うように構成されている。また、通電用制御部34cは、ヒータ23a〜23gの通電制御を行うように構成されている。なお、通電用制御部34aは、特許請求の範囲の「第1通電用制御部」の一例である。また、通電用制御部34bおよび34cは、特許請求の範囲の「第2通電用制御部」の一例である。
また、通電用制御部34(通電用制御部34a〜34c)には、操作部37からの信号が入力される。ユーザは、操作部37を操作することにより、棚部10を、加熱する運転から冷却する運転へ、または、冷却する運転から加熱する運転へ切り替えることが可能である。
ここで、本実施形態では、ショーケース100(制御装置30)には、通電用制御部34に対して独立して動作し、ヒータ20に流れる電流を検知することにより、ヒータ20が異常であるか否かを判定する異常判定用制御部38が設けられている。異常判定用制御部38には、電流センサ部39からの電流の情報が入力される。そして、異常判定用制御部38は、電流センサ部39からの電流の情報に基づいて、ヒータ20に流れる電流を検知することにより、ヒータ20が異常であるか否かを判定する。なお、電流センサ部39は、特許請求の範囲の「電流検知部」の一例である。
具体的には、図3に示すように、電流センサ部39は、カレントトランスから構成されている。これにより、比較的容易に、ヒータ20に流れる電流を検知することが可能である。そして、電流センサ部39は、ヒータ20に電力を供給するヒータ電源40からヒータ20に流れる電流の電流値を検知して、電流値を、アナログ入力I/F41を介して、異常判定用制御部38に入力する。なお、ヒータ20は、複数の相(たとえば、R相、S相およびT相)の交流電力により駆動される。そして、電流センサ部(カレントトランス)39は、複数の相に対応して、複数(電流センサ部39a〜39c)設けられている。
また、図3に示すように、異常判定用制御部38には、交流電力(たとえば、10V)が入力される。また、異常判定用制御部38は、主制御部31と通信可能に構成されている。
ここで、本実施形態では、異常判定用制御部38は、ショーケース本体部100aの起動時、棚部10を冷却する運転から棚部10を加熱する運転への切り替え時、冷却されている棚部10の除霜終了後、および、所定の時間間隔毎のうちの、少なくとも1つの場合において、ヒータ20に流れる電流を検知することにより、ヒータ20が異常であるか否かを判定するように構成されている。なお、本実施形態では、ショーケース本体部100aの起動時、棚部10を冷却する運転から棚部10を加熱する運転への切り替え時、冷却されている棚部10の除霜終了後(終了と略同時)において、ヒータ20の異常が判定される。なお、冷却されている棚部10の除霜終了後のヒータ20の異常判定は、所定の時間間隔毎(たとえば、3時間〜6時間毎)のヒータ20の異常判定の代わりに行われる。
具体的には、異常判定用制御部38は、ショーケース本体部100aを起動後、ヒータ20による棚部10(棚部10に配置された物品)の加熱が始まる前に、ヒータ20が異常であるか否かを判定する。
また、異常判定用制御部38は、ユーザが操作部37を操作することにより、複数の棚部10のうち、所望の棚部10を冷却する運転から棚部10を加熱する運転への切り替えた後、ヒータ20による棚部10の加熱が始まる前に、ヒータ20が異常であるか否かを判定する。
なお、本実施形態では、異常判定用制御部38は、複数の棚部10のうち、加熱する運転から冷却する運転へ切り替えられた棚部10において、ヒータ20が異常であるか否かを判定せずに、冷却する運転から加熱する運転へ切り替えられた棚部10において、ヒータ20が異常であるか否かを判定するように構成されている。たとえば、棚部10a〜10g(図1参照)を全て加熱する運転にしていた状態から、棚部10fおよび10gを、加熱する運転から冷却する運転へ切り替えた場合、棚部10fおよび10gのヒータ20については、ヒータ20が異常であるか否かを判定しない。
また、異常判定用制御部38は、冷却されている棚部10の除霜終了後、ヒータ20が異常であるか否かを判定する。ここで、図4に示すように、棚部10の除霜終了前に、ヒータ20が異常であるか否かを判定する場合、棚部10(たとえば、棚部10d〜10g)が冷却されたままであるので、ヒータ20の異常の判定のために、ヒータ20の通電を一時的に停止すると、冷却される棚部10(棚部10d〜10g)の冷気による、異常判定中のヒータ20が配置される棚部10(棚部10a〜10c)の温度低下(Temp1)が比較的大きくなる。
一方、図5に示すように、棚部10の除霜時には、図示しない冷却装置による棚部10(たとえば、棚部10d〜10g)の冷却が停止される。このため、棚部10の除霜時には、棚部10(棚部10d〜10g)の温度が上昇する。そこで、棚部10の除霜終了後に、ヒータ20が異常であるか否かを判定することにより、ヒータ20の異常の判定のために、ヒータ20の通電を一時的に停止しても、冷却される棚部10(棚部10d〜10g)の冷気による、異常判定中のヒータ20が配置される棚部10(棚部10a〜10c)の温度低下(Temp2)が抑制される。
また、ショーケース本体部100aの起動時、ヒータ20が異常であるか否かを判定する場合、全ての棚部10a〜10gに配置されている全てのヒータ20について、ヒータ20が異常であるか否かを判定する。なお、冷却されている棚部10の除霜終了後では、全ての棚部10a〜10gに配置されている全てのヒータ20か、または、加熱される棚部10に配置されているヒータ20のみについて、ヒータ20が異常であるか否かが判定される。
また、本実施形態では、異常判定用制御部38は、ヒータ20が通電された際に、ヒータ20に流れる電流の電流値が第1のしきい値未満の場合に、ヒータ20が断線(ヒータ回路の断線)していると判定する。また、異常判定用制御部38は、通電用制御部34がヒータ20に流す電流をオフした場合に、ヒータ20に流れる電流の電流値が第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値以上の場合に、ヒータ20が短絡(ヒータ回路の短絡)していると判定する。
具体的には、図6に示すように、主制御部31からの指令により、ヒータ20の異常判定を開始する場合、時刻t0において、判定対象となる全てのヒータ20の通電が停止される。そして、時刻t0から期間T1(たとえば、1秒)経過後の時刻t1からt2(期間T1)の間において、全ての棚部10のヒータ20について、電流が流れているか否かが判定される。ここで、ヒータ20に、第2のしきい値(たとえば、0.29A)以上の電流が流れていることが検知された場合、ヒータ20が短絡していると判定される。なお、加熱時(通常時)、ヒータ20には、たとえば、0.5Aの電流が流される。
また、時刻t3において、主制御部31からの指令によって、通電用制御部34aにより、棚部10aのヒータ21aが通電(ON)される。なお、通電の期間は、T2(たとえば、2.5秒)である。そして、主制御部31からの指令によって、時刻t3から期間T1経過後の時刻t4において、異常判定用制御部38によって、ヒータ21aが異常であるか否かが判定される。具体的には、時刻t4〜t5の間(期間T1)において、ヒータ21aに流れる平均の電流値が、第1のしきい値(たとえば、0.2A)未満であるか否かが判定される。平均の電流値が、第1のしきい値未満の場合、ヒータ21aは、断線していると判定される。
また、本実施形態では、第2のしきい値は、表示部33(図2参照)により、設定および変更されるように構成されている。たとえば、表示部33は、タッチパネルなどにより構成されており、ユーザが表示部33(タッチパネル)を操作することより、第2のしきい値の設定および変更が行われる。ここで、ヒータ20は、ヒータ20の容量誤差などに起因して、ヒータ20に流れる電流の電流値は、ヒータ20毎にばらつく。また、ヒータ20に流れる電流の電流値は、ヒータ20のワット数によって異なる。そこで、表示部33を操作することにより、第2のしきい値を、判定対象のヒータ20に適した値に変更する。なお、第2のしきい値の変更は、ユーザが値を入力してもよいし、予め準備された複数の第2のしきい値の中から、判定対象のヒータ20に適した値を選択するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図1(点線矢印参照)に示すように、異常判定用制御部38は、複数の棚部10a〜10gの各々のヒータ21a〜21gが異常であるか否かを判定した後、複数の棚部10a〜10gの各々のヒータ22a〜22gが異常であるか否かを判定するように構成されている。さらに、異常判定用制御部38は、ヒータ22a〜22gが異常であるか否かを判定した後、複数の棚部10a〜10gの各々のヒータ23a〜23gが異常であるか否かを判定するように構成されている。
すなわち、図6に示すように、棚部10aのヒータ21aの異常判定が行われた後、時刻t6において、棚部10aのヒータ21aがオフされ、棚部10bのヒータ21bがオンされる。すなわち、同じ棚部10に配置されるヒータ20が連続してオンされずに、異常判定が終了したヒータ20が配置される棚部10と異なる棚部10に配置されているヒータ20の異常判定が行われる。そして、主制御部31からの指令によって、時刻t5から期間T3経過後の時刻t7において、異常判定用制御部38によって、棚部10bのヒータ21bが異常であるか否かが判定される。具体的には、時刻t7〜t8の間(期間T1)において、ヒータ21bに流れる平均の電流値が、第1のしきい値(たとえば、0.2A)未満であるか否かが判定される。平均の電流値が、第1のしきい値未満の場合、ヒータ21bは、断線していると判定される。
その後、時刻t8において、棚部10bのヒータ21bがオフされ、棚部10cのヒータ21cがオンされる。そして、ヒータ21c〜21g、ヒータ22a〜22g、ヒータ23a〜23gの順で、ヒータ20の異常判定が行われる。なお、時刻t0〜t3の間の期間T4、および、時刻t3〜t9の間の期間T4は、たとえば、5秒である。
また、本実施形態では、ヒータ20は、複数の相の電流により駆動されるように構成されている。たとえば、ヒータ20は、3相の交流電流により駆動される。そして、異常判定用制御部38は、複数の相のうちの少なくとも1つ相の電流値が略ゼロであることに基づいて、ヒータ20に通電するヒータ電源40および電流センサ部39のうちの少なくとも一方が異常であると判定するように構成されている。たとえば、R相、S相およびT相の交流電流によりヒータ20が駆動されている場合に、R相の電流値が略ゼロである一方、S相およびT相の電流値が略ゼロでない値を有する時、ヒータ電源40(ヒータ電源40のR相の電流を生成する部分)、および、R相の電流を検知する電流センサ部39(カレントトランス)の少なくとも一方が異常であると判定される。
また、通電用制御部34は、複数の棚部10の各々に設けられている複数のヒータ20の通電制御を行うように構成されている。そして、本実施形態では、異常判定用制御部38は、通電用制御部34が通電制御する複数のヒータ20に流れる電流が全て略ゼロであることに基づいて、通電用制御部34が異常であると判定するように構成されている。たとえば、複数の棚部10a〜10gの各々に設けられているヒータ22a〜22g、および、ヒータ23a〜23gには電流が流れている一方、ヒータ21a〜21gに流れる電流が全て略ゼロである場合、ヒータ21a〜21gの通電を制御する通電用制御部34aが異常であると判定するように構成されている。この場合、通電用制御部34bおよび34cは、正常であると判定される。
次に、図6〜図11を参照して、主制御部31と、通電用制御部34および異常判定用制御部38との間の通信について説明する。
(通常運転時)
図7に示すように、ショーケース100の通常運転時には、指令対象を特定して指令を行うユニキャスト方式により、主制御部31と、通電用制御部34および異常判定用制御部38との間の通信が行われている。たとえば、主制御部31から、通電用制御部34aに対して、通電用制御部34aが制御するヒータ21a〜21g(図1参照)への通電を行うように指令する。この指令に対して、通電用制御部34aから肯定応答(ACK:Acknowledgement)が主制御部31に対して送信される。
(異常判定時)
図8に示すように、ショーケース100の異常判定時には、主制御部31は、通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して略同時に指令を行うブロードキャスト方式により、通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して、指令を行うように構成されている。
具体的には、時刻t0において、主制御部31から通電用制御部34a〜34cの各々に対して、異常判定(診断)の開始の指令が送信される。詳細には、全てのヒータ20の通電を停止するとともに、時刻t1からt2(図6参照)の間において、全ての棚部10のヒータ20について、電流が流れているか否かを判定する指令が送信される。
なお、主制御部31から通電用制御部34a〜34cおよび異常判定用制御部38に対して送信される指令の内容は、各々異なるものではなく、ヒータ20の通電の停止の指令と電流が流れているか否かを判定する指令とがまとめられた同じ内容の1つの指令が、主制御部31から通電用制御部34a〜34cおよび異常判定用制御部38の各々に対して送信される。すなわち、この1つの指令により、通電用制御部34aが、ヒータ21a〜21gをオフにする動作、通電用制御部34bが、ヒータ22a〜22gをオフにする動作、通電用制御部34cが、ヒータ23a〜23gをオフにする動作、および、異常判定用制御部38が、ヒータ20に電流が流れているか否かを判定する動作が行われる。また、以下の説明においても、ブロードキャスト方式により、主制御部31から通電用制御部34a〜34cおよび異常判定用制御部38に対して送信される指令は、同じ内容の1つの指令である。
また、図8などでは、主制御部31からの指令が、通電用制御部34a〜34cおよび異常判定用制御部38に順次送信されるように矢印で記載されているが、実際には、主制御部31からの指令は、通電用制御部34a〜34cおよび異常判定用制御部38の各々に同時に並行して送信されている。
次に、本実施形態では、時刻t3において、主制御部31は、通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して略同時に指令を行うブロードキャスト方式により、通電用制御部34に対してヒータ20に通電するように指令するとともに、異常判定用制御部38に対してヒータ20が異常であるか否かを判定するように指令するように構成されている。具体的には、時刻t3において、主制御部31は、通電用制御部34a〜34cおよび異常判定用制御部38に対して、「ヒータ21aおよびヒータ21bの異常判定を行う」という内容の指令を送信する。そして、通電用制御部34a〜34cは、予めヒータ20のON/OFFのタイミングチャートを有している。そして、図6に示すように、このタイミングチャートに基づき、通電用制御部34aは、時刻t3〜t6の間(期間T2)、ヒータ21aをONにするとともに、ヒータ21bをOFFにする。また、通電用制御部34aは、時刻t6〜t9の間(期間T2)、ヒータ21aをOFFにするとともに、ヒータ21bをONにする。これに対して、異常判定用制御部38は、通電用制御部34aの制御に同期させて、時刻t4〜時刻t5の間、ヒータ21aの異常の判定(通電のチェック)を行うとともに、時刻t7〜時刻t8の間、ヒータ21bの異常の判定(通電のチェック)を行う。なお、通電用制御部34bおよび34cは、ヒータ20への通電を行わない。
このように、主制御部31は、1つ(1回)の指令によって、2つのヒータ20の通電と異常の判定とを行うように構成されている。なお、主制御部31からの1つ(1回)の指令によって多数(たとえば7個)のヒータ20の通電と異常の判定とを行うことも可能である一方、この場合、ヒータ20の数が多くなる分、通電用制御部34と異常判定用制御部38との同期のずれ(タイマの値のずれ)が大きくなる。そこで、本実施形態では、1つ(1回)の指令によって、2つのヒータ20の通電と異常の判定とが行われている。
なお、主制御部31、通電用制御部34a〜34c、および、異常判定用制御部38は、それぞれ、CPUのクロック数に基づいたタイマを有している。そして、主制御部31、通電用制御部34a〜34c、および、異常判定用制御部38は、タイマに基づいて、各時刻において動作(通電、判定)を行うことにより、各動作が同期(同期通信)される。これにより、各動作のタイミングのずれを抑制しながら、各動作を行うことが可能になる。また、通電用制御部34および異常判定用制御部38が各々有するタイマの値にばらつきが生じている場合でも、同期通信による通信ごとに、このばらつきは補正される。これにより、ヒータ20の通電と異常判定とのタイミングのずれが低減されるので、比較的短いヒータ20への通電時間(ON時間)の間で、異常判定を行うことが可能になる。
その後、図9に示すように、残りのヒータ20も同様に、1つ(1回)の指令によって、2つのヒータ20ずつ(ヒータ21cと21d、・・・)、通電と異常の判定とが行われる。なお、通電用制御部34a〜34cが制御するヒータ20の数は奇数(7個、図1参照)である。そこで、7個目のヒータ20(たとえば、ヒータ23g)の通電と異常の判定とを行う指令には、7個目のヒータ20のみについて通電と異常の判定とを行う指令が含まれている。
また、各ヒータ20の異常の判定(通電のチェック)の結果は、異常判定用制御部38に記憶(保存)される。また、通電用制御部34a〜34cは、各々、主制御部31からのヒータ20の通電の指令に対する動作ログを記憶している。なお、通電用制御部34a〜34cが記憶する動作ログとは、たとえば、「ヒータ21aの通電を行った」などの通電に関するログである。また、異常判定用制御部38は、主制御部31からの異常の判定の指令に対する動作ログを記憶している。なお、異常判定用制御部38が記憶する動作ログとは、たとえば、「ヒータ21aの異常の判定(通電チェック)を行った」などの異常の判定に関するログである。
そして、図8に示すように、全てのヒータ20についての通電と異常の判定とが終了した後、時刻t10において、主制御部31は、通電用制御部34a〜34cおよび異常判定用制御部38に対して、全てのヒータ20の通電を停止する指令を送信する。
次に、本実施形態では、図10に示すように、主制御部31は、指令対象を特定して指令を行うユニキャスト方式により、異常判定用制御部38に対してヒータ20が異常であるか否かの判定結果を送信するように指令(時刻t17)する前に、時刻t11において、通電用制御部34に対して通電用制御部34の状態情報を送信するように指令する。そして、主制御部31は、通電用制御部34からの状態情報が取得できない場合、または、通電用制御部34から異常であるとの状態情報を取得した場合、今回のヒータ20が異常であるか否かの判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータ20の制御を継続するように構成されている。
具体的には、主制御部31は、ユニキャスト方式により、時刻t11において通電用制御部34aに対して指令を送信し、時刻t12において通電用制御部34aから状態情報を取得する。同様に、主制御部31は、ユニキャスト方式により、時刻t13において通電用制御部34bに対して指令を送信し、時刻t14において通電用制御部34bから状態情報を取得する。また、主制御部31は、ユニキャスト方式により、時刻t15において通電用制御部34cに対して指令を送信し、時刻t16において通電用制御部34cから状態情報を取得する。
また、本実施形態では、主制御部31は、異常判定用制御部38によるヒータ20が異常であるか否かの判定が終了した後、指令対象を特定して指令を行うユニキャスト方式により、異常判定用制御部38に対してヒータ20が異常であるか否かの判定結果を送信するように指令するように構成されている。具体的には、主制御部31は、ユニキャスト方式により、時刻t17において異常判定用制御部38に対して指令を送信し、時刻t18において異常判定用制御部38から判定結果を取得する。なお、異常判定用制御部38から判定結果の詳細については、後述する。
ここで、通電用制御部34に対する状態情報に関する指令に対して、通電用制御部34からの状態情報の送信が無い場合には、異常判定時に通信異常があった可能性がある。そこで、今回の異常判定の結果を採用しないようにして(破棄して)、今回の異常判定が行われる直前に行われていたヒータ20の制御が継続される。なお、通電用制御部34からの状態情報の送信が無い場合、主制御部31からの再度の通電用制御部34に対する状態情報に関する指令の送信(リトライ)は行われない。
また、通電用制御部34に対する状態情報に関する指令に対して、異常判定時に通電用制御部34が再起動したことや通信異常が生じていたことなどの状態情報を取得した場合、異常判定時にヒータ20の制御が正常に行われていない可能性がある。そこで、今回の異常判定の結果を採用しないようにして(破棄して)、今回の異常判定が行われる直前に行われていたヒータ20の制御が継続される。
また、本実施形態では、図10に示すように、主制御部31は、通電用制御部34に対する状態情報に加えて、ユニキャスト方式により、通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して、それぞれ、ヒータ20の異常判定時の動作ログを送信するように指令する。そして、主制御部31は、通電用制御部34の動作ログと、異常判定用制御部38の動作ログとを比較する。主制御部31は、通電用制御部34の動作ログと、異常判定用制御部38の動作ログとが矛盾している場合、今回のヒータ20が異常であるか否かの判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータ20の制御を継続するように構成されている。
たとえば、上記のように、通電用制御部34aは、「ヒータ21aの通電を行った」という通電に関する動作ログを記憶している。また、異常判定用制御部38は、「ヒータ21aの異常の判定(通電チェック)を行った」という動作ログを記憶している。この場合、「ヒータ21aの通電を行った」という動作ログと、「ヒータ21aの異常の判定(通電チェック)を行った」という動作ログとは、動作内容が矛盾していない(一致している)。一方、通電用制御部34aの動作ログが、「ヒータ21aの通電を行った」である一方、異常判定用制御部38の動作ログが「ヒータ21aの異常の判定(通電チェック)を行っていない」である場合、動作内容が矛盾している。この場合、異常判定時に通信異常に起因してヒータ20の制御が正常に行われていない可能性や、判定動作の抜けが生じている可能性がある。そこで、今回の異常判定の結果を採用しないようにして(破棄して)、今回の異常判定が行われる直前に行われていたヒータ20の制御が継続される。
また、通電用制御部34からの状態情報が取得され、通電用制御部34から正常であるとの状態情報を取得し、かつ、通電用制御部34の動作ログと異常判定用制御部38の動作ログとが矛盾しない場合、主制御部31は、今回の異常判定結果に基づいて制御を行うように構成されている。
また、1つの棚部10に配置されている3つのヒータ20の全てが断線していると判定された場合、この棚部10が外されている可能性があるため、主制御部31は、この棚部10についてのその後の異常判定は行わない。また、主制御部31は、今回の異常判定が終了した後から、今回の異常判定に基づく制御が開始されるまでの間は、今回の異常判定の直前に行われていた制御を継続する。
(判定結果の詳細)
次に、図11を参照して、異常判定用制御部38から送信される判定結果の詳細について説明する。
図11に示すように、異常判定用制御部38から主制御部31に送信される信号には、判定結果、短絡情報、断線情報が含まれている。判定結果では、ビットD3〜D0に、それぞれ、ヒータ20の断線の有無、異常判定用制御部38の異常の有無、通電用制御部34の異常の有無、ヒータ20の短絡の有無が示されている。また、短絡情報では、ビットD2〜D0に、それぞれ、R相、S相およびT相のヒータ電源40の短絡の有無が示されている。また、断線情報では、ビットD0〜D6に、それぞれ、各棚部10a〜10gにおける各相毎のヒータ20の断線の有無が示されている。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、通電用制御部34に対して独立して動作し、ヒータ20に流れる電流を検知することにより、ヒータ20が異常であるか否かを判定する異常判定用制御部38を備える。これにより、ヒータ20の通電制御を行う通電用制御部34が故障した場合でも、通電用制御部34に対して独立して動作する異常判定用制御部38により、ヒータ20が異常であるか否かを判定することができる。また、ヒータ20の配置(数)が変更された場合、ヒータ20の配置に対応させて通電用制御部34の回路構成を変更することにより、異常判定用制御部38の回路構成を変更することなく、ヒータ20が異常であるか否かを判定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、異常判定用制御部38を、ショーケース本体部100aの起動時、棚部10を冷却する運転から棚部10を加熱する運転への切り替え時、冷却されている棚部10の除霜終了後、および、所定の時間間隔毎のうちの、少なくとも1つの場合において、ヒータ20に流れる電流を検知することにより、ヒータ20が異常であるか否かを判定するように構成する。ここで、ショーケース本体部100aの起動時、棚部10を冷却する運転から棚部10を加熱する運転への切り替え時に、ヒータ20が異常であるか否かを判定する場合には、ヒータ20による加熱が始まる前に、ヒータ20が異常であるか否かが判定されるので、異常であるヒータ20が存在した状態でショーケース本体部100aが駆動されること(異常であるヒータ20に通電されること)を抑制することができる。
また、ショーケース本体部100aに加熱される棚部10と冷却される棚部10とが混在する場合、ショーケース本体部100aの除霜時には、冷却される棚部10の冷却が停止されているので、棚部10の冷却に起因する加熱される棚部10の温度低下の程度が小さい。また、ヒータ20が異常であるか否かを判定する際、一時的にヒータ20への通電が停止される。すなわち、棚部10の温度が一時的に低下する。このため、比較的棚部10の温度低下の程度が小さい除霜終了後に、ヒータ20が異常であるか否かを判定する場合には、棚部10の温度の一時的な低下を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、異常判定用制御部38を、複数の棚部10のうち、加熱する運転から冷却する運転へ切り替えられた棚部10において、ヒータ20が異常であるか否かを判定せずに、冷却する運転から加熱する運転へ切り替えられた棚部10において、ヒータ20が異常であるか否かを判定するように構成する。これにより、ヒータ20が使用されない、加熱する運転から冷却する運転へ切り替えられた棚部10において、ヒータ20が異常であるか否かが判定されないので、全ての棚部10のヒータ20の異常の判定を行う場合と異なり、ヒータ20の異常の判定時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、異常判定用制御部38を、ヒータ20が通電された際に、ヒータ20に流れる電流の電流値が第1のしきい値未満の場合に、ヒータ20が断線していると判定し、通電用制御部34がヒータ20に流す電流をオフした場合に、ヒータ20に流れる電流の電流値が第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値以上の場合に、ヒータ20が短絡していると判定するように構成する。これにより、1つのしきい値に基づいて、ヒータ20の断線および短絡を判定する場合と異なり、ヒータ20の断線と短絡とが個別のしきい値により判定されるので、ヒータ20の断線と短絡とを精度よく判定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2のしきい値を設定および変更するための表示部33を備える。ここで、ヒータ20の容量誤差などに起因して、ヒータ20に流れる電流のばらつきは、比較的大きい。また、第2のしきい値は、ヒータ20のワット数(容量)によって異なる。このため、ヒータ20の断線を判定する場合に、断線を誤判定する場合がある。そこで、第2のしきい値を設定および変更するための表示部33を備えることによって、第2のしきい値を、判定対象のヒータ20に適した値に変更することができるので、断線の誤判定を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、異常判定用制御部38を、複数の相のうちの少なくとも1つ相の電流値が略ゼロであることに基づいて、ヒータ20に通電するヒータ電源40および電流センサ部39のうちの少なくとも一方が異常であると判定するように構成する。これにより、ヒータ20の断線および短絡に加えて、ヒータ電源40および電流センサ部39のうちの少なくとも一方の異常も判定することができるので、異常判定の対象を広げることができる。
また、本実施形態では、上記のように、異常判定用制御部38を、通電用制御部34が通電制御する複数のヒータ20に流れる電流が全て略ゼロであることに基づいて、通電用制御部34が異常であると判定するように構成する。これにより、ヒータ20の断線および短絡に加えて、通電用制御部34の異常も判定することができるので、異常判定の対象をより広げることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ヒータ20は、複数の棚部10の各々の部分11に設けられるヒータ21a〜21gと、複数の棚部10の各々の略中央の部分12(部分13)に設けられるヒータ22a〜22g(ヒータ23a〜23g)とを含む。そして、異常判定用制御部38を、複数の棚部10の各々のヒータ21a〜21gが異常であるか否かを判定した後、複数の棚部10の各々のヒータ22a〜22g(ヒータ23a〜23g)が異常であるか否かを判定するように構成する。ここで、同じ棚部10のヒータ20(たとえば、ヒータ21a、ヒータ22aおよびヒータ23a)を連続して異常であるか否かを判定した場合、判定時にヒータ20の通電が一時的に遮断されることに起因して、異常判定を行っている棚部10の温度が低下してしまう。そこで、上記のように構成することによって、同じ棚部10のヒータ20への通電が連続して遮断されることが抑制されるので、異常判定を行っている棚部10の温度が低下してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部31は、通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して略同時に指令を行うブロードキャスト方式により、通電用制御部34に対してヒータ20に通電するように指令するとともに、異常判定用制御部38に対してヒータ20が異常であるか否かを判定するように指令するように構成されている。ここで、指令対象を特定して指令を行うユニキャスト方式により、通電用制御部34および異常判定用制御部38に指令をした場合では、通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して順次指令をした後に、その都度、通電用制御部34および異常判定用制御部38から肯定応答(ACK)が返信されるので、その分、通信回数が多くなる。そこで、本実施形態のように構成することによって、1度の通信で通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して指令を行うことができるので、通信回数を低減することができる。その結果、ヒータ20の異常判定に要する時間を短縮することができるので、ヒータ20の異常判定時にヒータ20が停止されることに起因する棚部10の温度の低下を抑制することができる。また、ヒータ20の異常判定に要する時間を短縮することができるので、電力の消費量を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部31は、ブロードキャスト方式により、通電用制御部34aおよび通電用制御部34b(通電用制御部34c)に対して、ヒータ20に通電するように指令するとともに、ヒータ20の異常を判定するように異常判定用制御部38に対して指令するように構成されている。これにより、通電用制御部34が複数(通電用制御部34a〜34c)設けられている場合でも、ブロードキャスト方式により、1度の通信で複数の通電用制御部34に対して指令を行うことができる。その結果、通電用制御部34が複数設けられている場合でも、ヒータ20の異常判定時にヒータ20が停止されることに起因する棚部10の温度の低下を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部31は、異常判定用制御部38によるヒータ20が異常であるか否かの判定が終了した後、指令対象を特定して指令を行うユニキャスト方式により、異常判定用制御部38に対してヒータ20が異常であるか否かの判定結果を送信するように指令するように構成されている。これにより、ヒータ20が複数設けられている場合でも、複数のヒータ20の判定結果をまとめて取得することができるので、個々のヒータ20の異常判定ごとに判定結果を送信する場合と異なり、通信回数を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部31は、異常判定用制御部38に対してヒータ20が異常であるか否かの判定結果を送信するように指令する前に、ユニキャスト方式により、通電用制御部34に対して通電用制御部34の状態情報を送信するように指令する。そして、主制御部31は、通電用制御部34からの状態情報が取得できない場合、または、通電用制御部34から異常であるとの状態情報を取得した場合、今回のヒータ20が異常であるか否かの判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータ20の制御を継続するように構成されている。ここで、通電用制御部34からの状態情報が取得できない場合や、通電用制御部34に異常が発生した場合、ヒータ20の異常判定が正常に行われない可能性がある。そこで、通電用制御部34からの状態情報が取得できない場合、または、通電用制御部34から異常であるとの状態情報を取得した場合、今回のヒータ20が異常であるか否かの判定結果に基づいた制御を行わないように構成することによって、ヒータ20の異常判定が正常に行われない状態での判定結果(すなわち、誤判定を含む可能性のある判定結果)に基づく、ヒータ20の制御が行われるのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部31は、通電用制御部34に対する状態情報に加えて、ユニキャスト方式により、通電用制御部34および異常判定用制御部38に対して、それぞれ、ヒータ20の異常判定時の動作ログを送信するように指令する。そして、主制御部31は、通電用制御部34の動作ログと、異常判定用制御部38の動作ログとを比較して、通電用制御部34の動作ログと、異常判定用制御部38の動作ログとが矛盾している場合、今回のヒータ20が異常であるか否かの判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータ20の制御を継続するように構成されている。ここで、主制御部31との通信異常や判定動作の抜けなどが生じた場合には、通電用制御部34の動作ログの内容と、異常判定用制御部38の動作ログの内容とが矛盾している。そこで、通電用制御部34の動作ログと、異常判定用制御部38の動作ログとが矛盾している場合、今回のヒータ20が異常であるか否かの判定結果に基づいた制御を行わないことによって、通信異常や判定動作の抜けなどが生じた状態での判定結果(すなわち、誤判定を含む可能性のある判定結果)に基づく、ヒータ20の制御が行われるのを防止することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、異常判定用制御部が、ショーケース本体部の起動時、棚部を冷却する運転から棚部を加熱する運転への切り替え時、冷却されている棚部の除霜終了後において、ヒータが異常であるか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却されている棚部の除霜終了後の代わりに、所定の時間間隔毎(たとえば、3時間〜6時間毎)にヒータが異常であるか否かを判定してもよい。これにより、ショーケースを使用している期間中において、ヒータが異常であるか否かを定期的に判定することができる。
また、上記実施形態では、異常判定用制御部は、複数の棚部のうち、加熱する運転から冷却する運転へ切り替えられた棚部において、ヒータが異常であるか否かを判定しない例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、加熱する運転から冷却する運転へ切り替えられた棚部においても、ヒータが異常であるか否かを判定してもよい。
また、上記実施形態では、断線を判定するための第1のしきい値が0.2Aであり、短絡を判定するための第2のしきい値が0.29Aである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1のしきい値および第2のしきい値が、それぞれ、0.2Aおよび0.29A以外の値であってもよい。
また、上記実施形態では、棚部が7個設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、棚部の数は、7個以外でもよい。
また、上記実施形態では、ヒータが、1つの棚部に3個設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ヒータが、1つの棚部に3個以外の数設けられていてもよい。この場合、通電用制御部は、1つの棚部に設けられるヒータの数に対応するように(数が一致するように)、設けられる。また、棚部に設けられる温度センサの数も、1つの棚部に設けられるヒータの数に対応するように(数が一致するように)、設けられる。
また、上記実施形態では、カレントトランスからなる電流センサ部により、ヒータに流れる電流を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、カレントトランス以外の電流センサ部により、ヒータに流れる電流を検知してもよい。
また、上記実施形態では、冷却されている棚部の除霜終了後、ヒータが異常であるか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷却されている棚部の温度が比較的高い状態であれば、除霜中に、ヒータが異常であるか否かを判定してもよい。
また、上記実施形態では、ヒータに期間T2(たとえば、2.5秒)の間、通電されている際に、ヒータが異常であるか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ヒータに、2.5秒よりも短い期間(たとえば、1秒)の間、通電されている際に、ヒータが異常であるか否かを判定してもよい。
また、上記実施形態では、全て(21個)のヒータについて、順次、異常であるか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、2回または3回に分けて、ヒータが異常であるか否かを判定してもよい。
また、上記実施形態では、ヒータ21a〜21g、22a〜22g、23a〜23gの順に、異常であるか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ヒータ22a〜22g(部分12)、23a〜23g(部分13)の異常を判定した後に、ヒータ21a〜21g(部分11)の異常を判定してもよい。
また、上記実施形態では、主制御部から3つの通電用制御部(および異常判定用制御部)に対して、ブロードキャスト方式により指令を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、主制御部から1つまたは2つの通電用制御部に対して、または、4つ以上の通電用制御部に対して、ブロードキャスト方式により指令を行ってもよい。
また、上記実施形態では、主制御部からの1回(1つ)の指令により、2つのヒータの異常判定を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、通電用制御部および異常判定用制御部の各々のタイマの値のずれが小さければ、主制御部からの1回(1つ)の指令により、3つ以上のヒータの異常判定を行ってもよい。
また、上記実施形態では、通電用制御部からの状態情報が取得できない場合、または、通電用制御部から異常であるとの状態情報を取得した場合、今回の異常判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータの制御を継続するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、異常判定の終了後に、判定結果の送信の指令に対して異常判定用制御部からの応答がない場合についても、今回の異常判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータの制御を継続してもよい。
また、上記実施形態では、通電用制御部からの状態情報が取得できない場合、通電用制御部から異常であるとの状態情報を取得した場合、および、通電用制御部の動作ログと異常判定用制御部の動作ログとが矛盾している場合の3つの場合に、今回の判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータの制御を継続するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3つの場合のうちのいずれか1つの場合、または、2つの場合にのみ、今回の判定結果に基づいた制御を行わずに、今回の異常判定の直前のヒータの制御を継続するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、通電用制御部の動作ログと、異常判定用制御部の動作ログとを比較する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、通電用制御部の通信ログと、異常判定用制御部の通信ログとを比較してもよい。なお、通信ログとは、「あるヒータを通電しなさいという指令を受け取った」、「あるヒータの異常判定を行いなさいという指令を受け取った」などの通信の内容に関するログである。