以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る箱詰め装置1について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態の箱詰め装置1の構成について説明する。図1(A)は、箱詰め装置1の上面図であり、同図(B)は収容手段を抜き出して示す上面図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚み等を適宜誇張して表現する。
本実施形態の箱詰め装置1は、展開された(扁平状に折り畳まれ、組み立て前の)緩衝箱YA1を搬送しながら側面板を起立させて製函し、物品XA1を収容して封函する装置であって、搬送手段10と、緩衝箱YA1の供給手段2と、製函手段3と、収容手段6と、封函手段7と、各種センサー(図示省略)と、制御ユニット(図示省略)等を有する。以下の実施形態では、緩衝箱YA1に収容される物品XA1が卵(ゆで卵)である場合を例に説明する。
搬送手段10は例えば第1搬送手段10A、第2搬送手段10Bと第3搬送手段10Cを含む。この例では第1搬送手段10Aはフィンガーコンベアであり、第2搬送手段10Bはプッシャー装置であり、第3搬送手段10Cはバケットコンベアである。第1搬送手段10Aは製函手段3の搬送手段であり、第2搬送手段10Bは製函手段3から排出された緩衝箱YA1の前後を位置決めして封函手段7に送り込む搬送手段である。以下の説明においては、第1搬送手段10Aにおける緩衝箱YA1の搬送方向L(図1では左右方向)を基準に、搬送方向Lに直交する搬送面の幅方向(図1では上下方向)を搬送幅方向Wとし、搬送面に対して垂直な方向を搬送高さ方向Hとする。
緩衝箱の供給手段2は、例えば、緩衝箱YA1のホッパー2であり、展開された緩衝箱YA1を起立状態でストックするストッカー21と、ストッカー21から緩衝箱YA1を取り出す緩衝箱YA1の保持手段(緩衝箱保持ハンド)22を有する。緩衝箱保持ハンド22はこの例では吸着手段によって緩衝箱YA1を保持する吸着ハンドであるが、緩衝箱YA1を挟持(把持)するようなハンドであってもよい。ホッパー2は、ストッカー21から展開された緩衝箱YA1を一枚ずつ取り出し、搬送手段10(第1搬送手段10)上に扁平状に折り畳まれた状態のまま緩衝箱YA1を供給する。
製函手段3は、展開された緩衝箱YA1を立体化して箱体とする製函ユニット(または製函装置)であり、第1搬送手段10Aと、仮折り手段4と、起函手段5等を有する。
仮折り手段4は、起函手段5の上流側に設けられ、ホッパー2によって第1搬送手段10A上に供給された展開された緩衝箱YA1を所定の折り目に沿って仮折りする仮折りユニット(または仮折り装置)であり、仮折りをするためのガイド手段である第1折りガイド41(第一ガイド手段)と、仮折りをするための他のガイド手段である第2折りガイド42(第二ガイド手段、図1では図示省略)と、第2折りガイド42の駆動手段等を有する。
起函手段5は、仮折りされた緩衝箱YA1の側面板(後述する)を起函し、立体化して箱体にする起函ユニット(またな起函装置)であり、正確な起函をするための別のガイド手段である第3折りガイド51(図1では図示省略)と、正確な起函をするための更に別のガイド手段である第4折りガイド52(図1では図示省略)等を有する。
収容手段6は、物品XA1を保持して起函された緩衝箱YA1内に収容する例えばロータリー式の収容ロボット6であり、同図(B)に示すように平面(搬送手段10の搬送面に水平な平面)内を回転移動する円盤状のベース(回転ベース部)61と、ベース61に対して垂直方向(搬送高さ方向H)に延在するように取り付けられ、同時に上下方向(搬送高さ方向H)に移動可能な複数(この例では2つ)の物品保持手段(物品保持ハンド62)等を有する。収容手段6については後に詳述する。
なお、物品XA1は、移送手段60によって所定位置から収容ロボット6の位置まで移送される。移送手段60は、例えば複数のバケット601を循環移動させるサーボループコンベアであり、この例では各バケット601に一つずつ物品XA1(卵)が載置されている。なお、図示は省略するが、各バケット601の物品XA1は、例えば所定位置にいる作業者がストッカーなどから取り出して各バケット601に載置するが、他の供給手段などによって自動的に各バケット601に物品XA1が載置されるようにしてもよい。
収容ロボット6は例えば、下降動作において、一の物品保持ハンド62が移送手段(サーボループコンベア)60から物品XA1を吸着保持し、他の物品保持ハンド62が緩衝箱YA1に物品XA1を収容するとともに製函を行う。
具体的には、収容ロボット6は、複数の物品保持ハンド62のうち一つが移送手段60によって移送される物品XA1のうち一部の直上に位置し、他の一つが起函ユニット5の直上に位置するように、例えば同図(A)の破線の位置に配置される。物品保持ハンド62は移送手段60上で下降してバケット601内の物品XA1を保持し、上昇して物品XA1を取り出す。そして例えば図示の反時計回りにベース61を回転させ、起函ユニット5の上方で一旦停止して下降する。物品保持ハンド62は物品XA1を保持した状態で、起函ユニット5で待機する緩衝箱YA1内に物品XA1を収容しつつ、緩衝箱YA1を下方へ押し込み、下方の所定位置で物品XA1を解放する。緩衝箱YA1は物品保持ハンド62の下方への押し込みによって起函され、また箱内に物品XA1が収容される。つまり、収容ロボット6の一部(物品保持ハンド62)は、起函ユニット5の一部としても機能する。
封函手段7は、物品XA1が収容された緩衝箱YA1の本体101の一部に接着剤を塗布して蓋体(蓋面板)107を閉蓋・接着する封函ユニット(または封函装置)7であり、第3搬送手段10Cと、接着剤の塗布ユニット8と、蓋面板107を押圧する押圧手段9等を有している。押圧手段9は例えば、蓋面板107の一部と当接してこれを押圧する複数のローラー91(91A,91B)と、ローラー91より上流において緩衝箱YA1の蓋面板107を押さえながらローラー91に引き込む押さえ手段92等を有している。
<緩衝箱>
図2を参照して、本実施形態の緩衝箱YA1について説明する。同図(A)は、展開された(扁平状に折り畳まれた状態)の緩衝箱YA1の内側面の上面図(平面図)であり、同図(B)は、同図(A)の裏側となる緩衝箱YA1の外側面の上面図(平面図)であり、同図(C)、同図(D)が組み立て(起函)途中の緩衝箱YA1の外観斜視図であり、同図(E)が組み立て後の緩衝箱YA1の外観斜視図である。なお、図2において収容される物品(卵)XA1の図示は省略している。
緩衝箱YA1は例えば、予め折り目線が形成され、製函ユニット3によって折り癖または折り目を付けることが可能な例えば紙製の箱体(緩衝紙箱)であり、物品(卵)XA1を収容する本体101と蓋面板107とを有し、本体101は、底面板102(外側底面板102A、内側底面板102B)と、保持板103(前方保持板103A、後方保持板103B)と、側面補助板104(104A〜104F)と、側面板105(前方側面板105A、後方側面板105B)と、糊代板106(前方糊代板106A,後方糊代板106B)とを有している。
また、保持板103には中央部に物品XA1を保持可能な孔部(保持孔(物品保持孔))1031が設けられている。緩衝箱YA1ではこの保持孔1031に物品XA1を嵌まり込ませることによって、当該物品XA1を箱内の所定位置に保持する。この例では、同図(A)の上下、同図(C)の左右に対向配置された一組の保持孔1031に物品(卵)XA1を嵌まり込ませることによって、一つの物品(卵)XA1を保持する。つまり同図に示す緩衝箱YA1は、1箱に2つ(2個)の物品XA1を収容可能となっている。しかし、収容する物品XA1の数はこれに限らず、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
なお、本実施形態では一例として、緩衝箱YA1の蓋面板107が設けられていない側(同図(A)、同図(B)では下側、同図(C)〜同図(E)では左側)を「前方」とし、「前方」に対向する側(同図(A)では上側、同図(C)〜同図(E)では右側)を「後方」とするが、この「前方」および「後方」は説明の便宜上のものであり、入れ替えてもよい。
展開状態では、側面板105と保持板103とは組み立て前は前方側同士、および後方側同士がそれぞれ重畳するように折り畳まれている(同図(A))。
外側の蓋面板107および、本体101の前方側面板105A、外側底面板102A,後方側面板105B、側面補助板104は、製函および閉蓋した場合に外観が視認できる外側面101Aを構成する。また、本体101の前方糊代板106A,前方保持板103A、内側底面板102B、後方保持板103B、後方糊代板106B(および内側の蓋面板107)は製函および閉蓋した場合に視認不可または視認困難となる内側面101Bを構成する。
具体的には、同図(A)に示すように内側面101Bは、展開状態において前方側から後方側(図示の下方から上方)に向かう第一方向に沿って前方糊代板106A,前方保持板103A、内側底面板102B、後方保持板103B、後方糊代板106B、蓋面板107がこの順に、互いの間にある折り目線a,b,c,d、hを介して連設されている。
また、同図(B)に示すように、外側面101Aは、展開状態において前方側から後方側(図示の下方から上方)に向かう第一方向に沿って、前方側面板105A、外側底面板102A,後方側面板105B、蓋面板107がこの順に、互いの間にある折り目線f、g、hを介して連設されている。
また、前方側面板105Aの第二方向(第一方向に直交する方向)に沿う両側には側面補助板104A,104Dがそれぞれ折り目線i、lを介して連設され、外側底面板102Aの第二方向に沿う両側には側面補助板104B,104Eがそれぞれ折り目線j、mを介して連設され、後方側面板105Bの第二方向に沿う両側には側面補助板104C,104Fがそれぞれ折り目線k、nを介して連設されている。側面補助板104(104A〜104F)の第三方向BHの長さは、側面板105の第三方向BHの長さよりも短く、これにより、製函および閉蓋した場合に物品(卵)XA1を視認できる(図13(D)〜同図(F)参照)。
外側面101Aと内側面101Bは両端部で前方側面板105Aと前方糊代板106Aとが折り目線eを介して連結され、後方糊代板106Bと後方側面板105Bとが折り目線hを介して連結されている。
そして、前方保持板103Aと後方保持板103Bとが起立状態で対向するように、各折り目線a〜hを折って起函すると(同図(C)〜同図(D))、物品(卵)XA1を収容可能な状態に製函される。
以下の説明では、同図(E)に示すように、製函され立体化した緩衝箱YA1における搬送途中の方向によらない絶対的な方向として、奥行き(厚み方向)を第一方向BD,第一方向BDに直交する幅方向を第二方向BW、第一方向BDおよび第二方向BWのいずれにも直交する高さ方向を第三方向BHとして説明する。同図の例では、1つの物品(卵)XA1は、第一方向BDが長軸方向となるように、第一方向BDにおいて対向する保持孔1031で保持される。また、同図の緩衝箱YA1は1箱で2個の物品XA1が収容可能なものであり、第二方向BWに沿って2個の物品XA1が並べて収容される。
前方保持板103Aと後方保持板103Bは内側底面板102Bから起立し、前方側面板105Aと後方側面板105Bは外側底面板102Aから起立する。すなわち、内側底面板102Bは外側底面板102Aよりも第一方向BDにおける長さが小さく、前方保持板103Aと前方側面板105Aおよび、後方保持板103Bと後方側面板105Bとはそれぞれ、内側底面板102Bと外側底面板102Aの第一方向BDにおける差分の半分で離間される。また、内側底面板102Bと重畳しない外側底面板102Aと対向するように前方糊代板106Aと後方糊代板106Bとが配置される。これにより、保持板103と側面板105の間には、物品XA1に係る外力を緩衝可能な中空構造の緩衝部108(前方緩衝部108A,後方緩衝部108B)が創出する。
この緩衝箱YA1を起函しながら保持板103(保持孔1031)に物品XA1を保持させることで、起函後の状態(同図(D),同図(E))において物品XA1は保持孔1031のみで支持され、底面板102、側面板105および蓋面板107のいずれとも非接触の状態となる。これにより、本体101の外部からの衝撃(通常の運搬や陳列等で受ける衝撃)を緩和することができ、ゆで卵などの壊れ易い物品XA1の収容に好適な箱体となっている。
<製函ユニット/仮折りユニット>
図3〜図6を参照して、製函ユニット3の詳細について説明する。
図3は、ホッパー2から製函ユニット3に展開された緩衝箱YA1を供給する状態を示す図であり、同図(A)が上面図、同図(B)が上流側(図3(A)の左方)から見た側面図である。
また、図4は、第1搬送手段10A上に緩衝箱YA1を供給した後の状態を示す図であり、同図(A)が上面図、同図(B)が上流側(図4(A)の左方)から見た側面図である。
また、図5は、仮折りユニット4における緩衝箱YA1付近の拡大図であり、同図(A)が仮折りをしている状態の図4(B)の拡大図であり、同図(B)が同図(A)の上面図である。また、図6は、移送手段60側(図1の下方)から見た製函ユニット3の正面図である。
図3〜図6に示すように、製函ユニット3の第1搬送手段10Aは、搬送方向Lの前後に配置されたスプロケット11を含む複数のスプロケット11と、その複数のスプロケット11に掛け渡されたエンドレスチェーン12と、そのエンドレスチェーン12に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー13と、緩衝箱YA1の搬送面となるレール15などを有している。これにより、緩衝箱YA1の進行方向後部に押送フィンガー13が突き当たると、押送フィンガー13の移動に伴い、緩衝箱YA1もレール15上を前進移動する。
図3に示すように、ホッパー2の緩衝箱保持ハンド22は、例えば、アーム23の関節部を中心に揺動自在に、あるいはアーム23を3軸方向に移動自在に構成されており、展開された緩衝箱YA1を起立状態でストックするストッカー21から緩衝箱YA1を吸着保持し、一枚ずつ第1搬送手段10Aの供給位置P0(仮折りユニット4の供給位置P0)に供給する。緩衝箱保持ハンド22は、緩衝箱YA1の第二方向BWが搬送方向Lに沿うように供給位置P0に供給し、緩衝箱YA1はその第二方向BWが搬送方向Lに沿うように搬送される(図4(A)参照)。
仮折りユニット4は、第1折りガイド41(第一ガイド手段)と、第2折りガイド42(第二ガイド手段)と、これらの駆動手段を有する(図3参照)。第1折りガイド41は、ホッパー2の緩衝箱保持ハンド22に取り付けられた爪部であり、緩衝箱保持ハンド22と一体的に移動するとともに、仮折りユニット4の供給位置P0においては、緩衝箱保持ハンド22に対して相対的に上下方向に移動し、緩衝箱YA1の底面板102と側面板105の境界付近に内側面101B側から当接して側面板105を折り曲げ易くするための仮折り(折り曲げのガイド)を行う。
第2折りガイド42は、レール15の下方からレール15の上方に向かって進退可能に構成されたプレート部材であり、第1折りガイド41の動作に同期して緩衝箱YA1の側面板105に外側面101A側から当接して側面板105を折り曲げ易くするための仮折り(折り曲げのガイド)を行う。
図5(A)に示すように、第2折りガイド42は、レール15に対して垂直に立設する側面42Aと側面42Aの上方端部において、上方に向かうにつれて開放が大きくなるように側面42Aに対して所定の角度で傾斜する傾斜面42Bを有している。側面42Aおよび傾斜面42Bは、緩衝箱YA1の側面板105に対応してレール15を挟んでその両側に対向配置されている。対向配置される側面42A間の距離(搬送幅方向Wの距離)は、起函された緩衝箱YA1を受け入れ可能であり、かつ緩衝箱YA1の側面板105と当接できる程度に、緩衝箱YA1の側面板105間の距離よりわずかに大きく設定されている。
また、傾斜面42Bの搬送方向Lに沿う両端部には、補助側面42Cが設けられている。補助側面42Cは、緩衝箱YA1の側面補助板104A、104C,104D,104Fに対応して対向配置されている。一方の傾斜面42B(例えば、図5(A)の左側)において対向配置される補助側面42C(例えば、側面補助板104A、104Dに対応する補助側面42C)間の距離(搬送方向Lの距離)は、起函された緩衝箱YA1を受け入れ可能であり、かつ緩衝箱YA1の側面補助板104A、104Dと当接できる程度に、緩衝箱YA1の側面板105の第二方向BWの距離よりわずかに大きく設定されている。
また、他方の傾斜面42B(例えば、図5(A)の右側)において対向配置される補助側面42C(例えば、側面補助板104C、104Fに対応する補助側面42C)間の距離(搬送方向Lの距離)は、起函された緩衝箱YA1を受け入れ可能であり、かつ緩衝箱YA1の側面補助板104C、104Fと当接できる程度に、緩衝箱YA1の側面板105の第二方向BWの距離よりわずかに大きく設定されている。
補助側面42Cの開放端は、傾斜面42Bの開放端よりも上方に突出させて配置されており、側面補助板104A、104C、104D、104Fは、側面板105よりも先に折り曲げられる。
緩衝箱保持ハンド22に設けられている第1折りガイド41は、緩衝箱保持ハンド22の軸方向に延在し、その先端は、例えば緩衝箱保持ハンド22の吸着面と略同一平面内に位置するように固定されている。
一方、第2折りガイド42は、駆動手段43(例えば図6(A)に示すクランク機構)によって、レール15に対して上下方向に移動可能に構成されており、緩衝箱YA1の供給前は、傾斜面42Bがレール15から突出しないようにレール15の下方に待避し、第1折りガイド41が下降するとこれに同期して傾斜面42Bがレール15の上方に突出するように上昇する(図4参照)。これにより、緩衝箱YA1は、第1折りガイド41と第2折りガイド42に挟まれるようにして、仮折りされる。
図4(A)および図5に示すように、第1折りガイド41は、緩衝箱保持ハンド22のコーナー部付近に複数個所(この例では4箇所)設けられており、その位置は、供給位置P0に載置された展開状態の緩衝箱YA1の折り目線gおよび折り目線fの上に内側面101B側から、保持孔1031を介して当接する位置に設定されている。既述のとおり、折り目線gおよび折り目線fは、側面板105と底面板102の境界であり、保持板103と底面板102の境界となる折り目線b、折り目線cより外側に位置する。
また、第1搬送手段10Aのレール15は、その搬送幅方向Wの長さ(幅)が緩衝箱YA1の前方側面板105Aと後方側面板105Bの間の距離(第一方向BDの距離)、すなわち折り目線g、f間の距離よりも小さくなっている。更に、第2折りガイド42の対向する側面42A間の距離は、レール15の搬送幅方向Wの長さよりも大きくなっている。
そして緩衝箱保持ハンド22は、供給位置P0においてレール15の搬送方向Lの中心と緩衝箱YA1の第二方向BWにおける底面板102の中心とが一致するように、緩衝箱YA1をレール15上に載置する。
つまり、供給位置P0の緩衝箱YA1にあっては、折り目線gおよび折り目線fの下方は支持するものが存在せず、中空状態となるようにレール15上に載置される。そしてこの状態で、第1折りガイド41が緩衝箱YA1の内側面101Bから、折り目線g上に2点および、折り目線f上に2点当接し、折り目線g、折り目線fを下方に押出す。また、同時に、第2折りガイド42の傾斜面42Bがレール15の搬送幅方向Wの両側から上昇する。
これにより、緩衝箱YA1の側面板105の外側が第2折りガイド42の傾斜面42Bに当接・支持された状態で、緩衝箱YA1の側面板105と底面板102の境界付近(折り目線gおよび折り目線fとその付近)が第1折りガイド41の先端と、第2折りガイド42の側面42Aの間に挟まれ、これにより、折り目線gおよび折り目線fが仮折りされる。
また、第2折りガイド42が上昇し、側面板105の外側が第2折りガイド42の傾斜面42Bに当接・支持される際、緩衝箱YA1の側面補助板104A、104C,104D,104Fは、補助側面42Cによって下側から押し上げられ、同様に折り目線i、k、l、nが仮折りされる。
このように、本実施形態では、側面板105の起立に先立って底面板102と側面板105の境界付近に当接して側面板105の仮折りをガイドする第1折りガイド41および第2折りガイド42を有する仮折りユニット4によって仮折りを行うため、後に詳述する下流の起函ユニット5において物品(卵)XA1を収容する際に、保持板103の折り曲げを回避して、起函できる。
なお、緩衝箱保持ハンド22は、供給位置P0において緩衝箱YA1を一旦停止させ、また第1折りガイド41の仮折りが終了するまでは緩衝箱YA1を開放しない。つまり、仮折りを行っている間は、緩衝箱保持ハンド22によっても緩衝箱YA1の底部の中央付近が押さえられている。これによって、緩衝箱YA1の腰が強い(反発力が大きい)場合であっても、反発およびそれによる位置ずれを防止して仮折りをすることができる。
仮折りユニット4の仮折りでは、側面板105は完全には起立状態とはならず、レール15に対して側面板105の上方(糊代板106方向)が僅かに浮いた状態で、起函ユニット5に搬送される(図6参照)。
また、仮折りユニット4と起函ユニット5の間に配置された塗布ユニット16(図1(A)参照)によって、緩衝箱YA1の側面補助板104のそれぞれに接着剤が塗布される。
<製函ユニット/起函ユニット>
図6から図11を参照して起函ユニット5について説明する。図6は既述のとおり製函ユニット3の正面図であり、図7は収容ロボット6の概要を示す側断面図であり、図8は収容ロボット6の駆動機構を示す平面図であって、同図(A)が図7のA−A線矢視図であり、同図(B)が図7のB−B線矢視図である。図9は、物品保持ハンド62を示す図であり、同図(A)が正面概要図であり、同図(B)が一部を抜き出して示す上面図であり、同図(C)が物品保持ハンド62の吸着部637の断面図である。図10(A)は、物品保持ハンド62の正面概要図であり、同図(B)は、物品保持ハンド62の側面図である。また図11は、物品保持ハンド62について説明する(A)側面図、(B)上面図、(C)〜(E)側面図である。なお、物品保持ハンド62は回転可能に構成されており、図9から図11における「正面」および「側面」は異なる面であることを示す便宜上の方向に過ぎない。
図6に示すように、起函ユニット5は、仮折りされた緩衝箱YA1の側面板105、保持板103および側面補助板104を底面板102に対して略垂直に起立させて立体化し、箱体にするユニットであり、側面板105を起立させるためのガイド手段である第3折りガイド51と、第4折りガイド52を有する。
レール15の下流端部には、開口部OPが設けられている。開口部OPは、緩衝箱YA1の外側底面板102Aのサイズよりわずかに大きく、また搬送方向Lに沿う長さは、また、仮折り状態の緩衝箱YA1の搬送方向Lに沿う長さ(緩衝箱YA1の第二方向BWの長さ)よりも小さい長さを有している。なお、仮折り状態の緩衝箱YA1の搬送方向Lに沿う長さは、側面補助板104が完全に起立状態とはなっていないため、底面板102の搬送方向Lに沿う長さよりは長くなっている。
また、開口部OPの下方は、搬送面(レール15)に水平な断面の形状が開口部OPと同サイズの矩形の筒状部55となっている。
第1搬送手段10A上で搬送される仮折り状態の緩衝箱YA1は、開口部OP上で側面補助板104(特に側面補助板104B、104E)がレール15に係止され、底面板102が浮いた状態でレール15に保持される(図6(A))。
そして、収容ロボット6の物品保持ハンド62が物品(卵)XA1を保持した状態で、開口部OPで係止される緩衝箱YA1に向かって下降し、緩衝箱YA1を筒状部55の下方に向かって押し込むことによって、本体101の内側面101Bにおいては保持板103が底面板102に対して略垂直に立設し、外側面101Aにおいては、側面板105が底面板102に対して略垂直に立設し、加えて全ての側面補助板104が底面板102に対して略垂直に立設して緩衝箱YA1が起函される。
また、起函と同時に、保持板103の保持孔1031に物品XA1を嵌まり込ませることによって物品XA1が保持されて緩衝箱YA1内に物品XA1が収容される(図6(B))。
このとき、緩衝箱YA1は起函ユニット5の第3折りガイド51と第4折りガイド52によって起函がガイドされる。
第3折りガイド51は、収容ロボット6の物品保持ハンド62に設けられた爪部であり、物品保持ハンド62に連動して移動し、緩衝箱YA1の内側面101Bから保持板103と内側底面板102Bとの折り目線bおよび折り目線cを下方に押出す。
また、第4折りガイド52は、筒状部55の上端部に設けられたプレート部材であり、緩衝箱YA1の底部を除く外側面101Aに当接することで側面板105と側面補助板104の立設を補助する。緩衝箱YA1は、物品保持ハンド62に押し込まれながら所定長さの筒状部55を下降し、その下降中において側面板105と側面補助板104が筒状部55によって立設した状態に押さえられる。
図7および図11を参照して収容ロボット6および物品保持ハンド62について説明する。なお、図11(A)、同図(C)〜同図(E)は、図10(B)と同じ向きの側面図である。
図7に示すように、収容ロボット6は、円盤状のベース(回転ベース部)61を有し、当該ベース61が平面(搬送手段10の搬送面に水平な平面)内を回転移動する。ベース61の中心部分にはベース61に対して垂直下方に延在する主軸603が設けられ、主軸603は、機枠Fに取り付けられたブラケット605によって回転可能に支持される。ベース61と接続している主軸603の上方の端部側には、ギヤ621が取り付けられ、下方の端部側にはギヤ627が取り付けられる。
主軸603は中空の内部を貫通する軸607を有し、軸607の下方の端部は上下方向に揺動するレバー609に取り付けられ、不図示のカム機構によってレバー609を揺動させることにより、物品保持ハンド62を昇降させることができる。一方、軸607の上方の端部はベース61から突出し、係合部材611が取り付けられる。係合部材611は、ベース61とは離間してその上方に位置する。
係合部材611の近傍には、端部にカムフォロアー613を供える取付板617が配置され、カムフォロアー613は係合部材611と係合する。取付板617は、ベース61に垂直方向に延在するガイド673に沿って上下移動する。
取付板617の下方には垂直方向に延在するスプライン軸619が配置される。スプライン軸619は、ロータリーボールスプライン675によってベース61に対して回転、及び上下方向に摺動自在に取付けられており、下方の端部には物品保持ハンド62が取り付けられ、上方の端部は取付板617に回転可能に取付けられている。
図8(A)に示すように、ベース61の上面側には、駆動プーリ661、物品保持ハンド用プーリ663が、テンションプーリ665が取り付けられ、これらにタイミングベルト667が掛け渡されている。
また、同図(B)に示すように、ベース61の下面側において、ギヤ623、及びギヤ625がベース61に取り付けられる。ギヤ623はギヤ621と噛合するとともにギヤ625に噛合し、ギヤ625は、駆動プーリ661を駆動する。また、物品保持ハンド用プーリ663は、物品保持ハンド62を回転させる。このような構成により、主軸603の下端側に取り付けられたギヤ627が回転すると主軸603の上端側に取り付けられたギヤ621が回転し、ベース61は主軸603を中心に180度回転する。また、ベース61が主軸603を中心に180度回転すると、ギヤ623、625を介して駆動プーリ661が回転し、物品保持ハンド用プーリ663がベース61に対して相対的に180度回転する。
このようにして、収容ロボット6は、ベース61の回転に伴って物品保持ハンド62を水平面内で(回転)旋回させ、また物品保持ハンド62を昇降させる。具体的には、物品保持ハンド62を移送手段(例えば、サーボループコンベア)60上で下降させ、バケット601内の物品XA1を保持する。その後、収容ロボット6は、物品保持ハンド62を上昇させて物品XA1をバケット601から取り出す。さらに収容ロボット6はベース61を回転させ、起函ユニット5の上方で一旦停止して物品XA1を保持している物品保持ハンド62を下降させ、緩衝箱YA1内に物品XA1を収容する。またこのとき、収容ロボット6は、移送手段60のバケット601から取り出した物品XA1の向きを変えることなく、緩衝箱YA1に収容することができる。
図9を参照して物品保持ハンド62について説明する。図9(A)が物品保持ハンド62の正面概要図であり、同図(B)が下限ストッパー655の上面図であり、同図(C)が吸着部637の断面図である。なお、同図(A)では第3折りガイド51を省略している。
物品保持ハンド62は、物品XA1に吸着してこれを保持する吸着部637と、吸着部637を支持する支持部651と、吸着部637の付勢機構(緩衝機構)631と、位置調整手段645と、下限ストッパー655と、リンク機構653と、第3折りガイド51(図9、及び図10参照)などを有している。
図9(A)に示すように、支持部651は、中央にスプライン軸619の一端(下端部)が挿通されて固定される。スプライン軸619の中空の中心部を貫通する軸619Aは、支持部651の下方に突出し、その先端(下端部)に第3折りガイド51(ここでは不図示)を駆動するリンク機構653が取り付けられる。
支持部651には、吸着部637を保持する下限ストッパー655が取り付けられている。下限ストッパー655は、吸着部637の位置が所定の下限に留まるように下方への任意の移動を規制する。吸着部637は、例えば同図に示すように、1つの支持部651に対して複数(この例では2本)取り付けられるが、1つの支持部651に対して単一(1本)の吸着部637が取り付けられる構成でもよい。
吸着部637(の吸着ノズル637B)は、ロータリージョイント641を介してエア配管(不図示)が接続し、不図示の吸引手段に接続されている。吸着ノズル637Bの下側端部に吸着パッド637Aが設けられ、上側端部にストッパー633が取り付けられている。下限ストッパー655は同図(A)、同図(B)に示すように、例えば板状体を側面視においてコの字状に曲折してなり、その先端部(下端部)655Aは、上面視においてコの字状を呈するように一部が切り欠かれている。切り欠きの領域は、吸着ノズル637Bの直径よりも大きく、ストッパー633のサイズ(直径)より小さい(同図(B))。従って、吸着ノズル637Bは、先端部655Aの内側(切り欠きの領域)において上下方向に移動自在であるが、ストッパー633が先端部655Aに当接することによって、吸着ノズル637Bおよび吸着パッド637Aの下限の位置は、所定の位置よりも下降しないように移動が規制される。
また、下限ストッパー655はこの例では上端部に位置調整手段645が設けられており、これにより支持部651に対する下限ストッパー655の相対的な上下方向の位置が調整可能に構成されている。位置調整手段645は例えば、位置調整ねじであり、締結又は弛緩によって支持部651に対して下限ストッパー655が相対的に上昇又は下降する。つまり、位置調整手段645によって、下限ストッパー655の先端部655Aの位置、すなわち、吸着ノズル637Bおよび吸着パッド637Aの下限の位置は、所定範囲内で調整が可能となっている。これにより、物品(卵)XA1のサイズに応じて、緩衝箱YA1の保持孔1031の位置に合わせて吸着部637(吸着パッド637Aの吸着面)の下限位置(支持部651からの下限位置)を変位させることができ、緩衝箱YA1の保持孔1031に物品XA1を嵌まり込ませることができる。
なお、位置調整手段645は、下限ストッパー655の上下方向の位置を調節可能な構成であれば、位置調整ねじにかぎらない。
また、同図(C)に示すように、吸着部637は、付勢機構(緩衝機構)631によって例えば下方に付勢されている。具体的には、付勢機構631は、ナット629などによって支持材647に固定される。支持材647は、下限ストッパー655に対して相対位置が変化しないように側板671に固定されている。付勢機構631の筐体631A内部には付勢手段(例えばコイルばね)635が内蔵され、また吸着ノズル637Bが上下移動可能に挿通されている。また、吸着ノズル637Bの所定位置(筐体631Aの内部の所定位置)には内部ストッパー639が固定される。内部ストッパー639は、筐体631A内の下端部で停止し外部へは露出しないように構成されており、付勢手段635の下端部は内部ストッパー639に接続してこれを例えば下方に付勢する。
これにより、同図(C)左図に示すように、吸着ノズル637Bの上端のストッパー633が下限ストッパー655の先端部655Aに当接している状態では、付勢機構631によって内部ストッパー639が下方に付勢され、吸着部637(吸着パッド637A)は最も下降した状態(下限位置)となる。
一方、移送手段60のバケット601から物品XA1を取り出す際や、緩衝箱YA1に物品XA1を収容する際において、物品XA1に(予期せぬ)負荷(押圧力)が係った場合、同図(C)右図に示すように付勢手段635が収縮し、吸着部637を下限ストッパー655に対して相対的に上昇させることができる。これにより当該負荷(押圧力)をある程度吸収することができる。
図10を参照して第3折りガイド51について説明する。図10(A)は物品保持ハンド62の例えば正面図であり、同図(B)は、同図(A)を正面とした場合の側面図である。
図10(A)に示すように、リンク機構653は一端に駆動軸643が挿通される。なお、同図(A)では、吸着部637、付勢機構(緩衝機構)631、位置調整手段645および下限ストッパー655の図示を省略している。
第3折りガイド51は、1つの支持部651に対して2つ取り付けられ、リンク機構653(およびここでは不図示の2本の吸着部637)を挟んで対向するように配置される。第3折りガイド51は全て同一構成であり、開閉可能な2つのガイド片51Aを有している。
より詳細には、図10(A)に示すように1つの支持部651において2つの第3折りガイド51は一の方向(図10(A)では左右方向)に並べて配置され、それぞれの第3折りガイド51のガイド片51Aは、図10(B)に示すように一の方向に垂直な方向(図10(B)において左右方向)に沿って、その先端が近接・離間するように開閉可能となっている。
具体的には、物品保持ハンド62の第3折りガイド51は、スプライン軸619を貫通する軸619Aを、シリンダー615(図7参照)によって進退させることによって、物品保持ハンド62のリンク機構653が作動して、図10(B)において左右方向に沿って、その先端が近接・離間するように開閉する。
ガイド片51Aは、吸着部637がサーボループコンベア60のバケット601上の物品XA1を吸着する際には同図(B)に破線で示すように互いの先端が離間するように開放され、物品XA1を吸着した後は、同図(B)に実線で示すように互いの先端が近接するように閉じられる。そして、物品XA1を保持してガイド片51Aを閉じた状態では、当該ガイド片51Aが物品XA1の側面に当接、又は近接するように構成されている。つまり、第3折りガイド51は、吸着部637が保持した物品XA1の搬送中の揺れや、それに起因する落下を抑える支持手段ともなる。
また、図10(B)に示すように第3折りガイド51(ガイド片51A)の先端(爪部51B)は、第3折りガイド51を閉じた状態で物品XA1の下端部より僅かに突出するように設定されている。更に、図11(A)および同図(B)に示すように、第3折りガイド51を閉じた状態の爪部51Bの位置はいずれも、折り目線bまたは折り目線c上に一致するように設定されている。
これにより、物品保持ハンド62で緩衝箱YA1を押し込みながら側面板105を起函する際、第3折りガイド51の爪部51Bが緩衝箱YA1の保持板103と内側底面板102Bの境界となる折り目線bおよび折り目線cに内側面101Bから当接し、折り目線bおよび折り目線cを下方に向かって押し込むことになる(図11(A),同図(B))。
加えて、搬送面(緩衝箱YA1の底面板102)に対して垂直に設けられた第4折りガイド52(筒状部55上端部)が側面板105(および側面補助板104)に外側から当接し、筒状部55に案内されることによって、側面板105が底面板102に対して略垂直に起立され、これに伴い保持板103も底面板102に対して略垂直に起立されるようになる。
本実施形態の緩衝箱YA1は、緩衝部108を創出させるため、起函時に起立させる側面部が単一の側面板105ではなく、空間(隙間)を挟んだ側面板105と保持板103の二重構造となっている。そして、一つの底面板102に対して保持板103は箱の第一方向BDにおける内側(折り目線b、c)で起立させ、側面板105はその外側(折り目線f、g)で起立させる箱構造を有している。
つまり、側面板105と保持板103は異なる折り目線でありながら、起函ユニット5において一度の工程で起立させなければならない。
従来では、図15(B)に示すように物品保持ハンド202に取り付けたガイド手段204と外側を支持する筒状部材205(本実施形態の筒状部55に対応)のみによって起函を行っていた。ガイド手段204は、本実施形態の第3折りガイド51と同様に保持する物品XA1のゆれを防止する支持手段でもあり、物品XA1を保持した状態では折り目線b、cしか押し込むことはできず、すなわち起函ユニット5において折り目線b、cの押し込みで保持板103を起立させ、これに連動して(引っ張るようにして)側面板105を起立させていた。
また、保持板103には孔部(保持孔)1031が設けられており、このため、保持板103の強度(腰)が低下している。また、従来は筒状部材205があるにしても、直接的に側面板105および保持板103の起立に寄与する押圧力を付与するのはガイド手段204であり、ガイド手段204による折り目線b、cの押し込みのみで、折り目線f、gに折り癖が付いていない側面板105まで確実に起立させることができない。
特に、物品(卵)XA1のサイズや形状にばらつきがある場合(保持孔1031に対して卵の形状やサイズが合わない場合)には、強度の弱い保持板103に過度の押圧力が係ることとなり、保持板103が外方に突出するように折れ曲がってしまう問題があった。
本実施形態では、起函ユニット5による起函(本折り)に先立ち、仮折りユニット4において、起函ユニット5における起函の際に接触することができない(第3折りガイド51では接触できない)折り目線f、gに折り癖を付ける仮折りを行う。
仮折りユニット4で折り目線f、gに折り癖を付けることで、起函ユニット5において第3折りガイド51が折り目線b、cのみに接触して折り癖を付ける構成であっても、(第4折りガイド52も作用して)第3折りガイド51が接触できない折り目線f、gも容易に折り曲げることができ、保持板103に過度な押圧力がかかることによる保持板103の折れ曲がりを回避することができる。
また、本実施形態によれば、下限ストッパー655によって吸着部637(吸着パッド637Aの吸着面)の下限位置を変更(調整)できる。従って、物品(卵)XA1の形状やサイズが変化した場合であっても、緩衝箱YA1の保持孔1031に適合する位置に物品XA1が収容されるよう、吸着部637の下限位置を適宜変更(調整)することができる。
図11(C)〜同図(E)を参照して吸着部637の下限位置の調整について説明する。
緩衝箱YA1の保持板103の保持孔1031の位置は、全ての箱に共通のある一定の位置である。あるいは、物品(卵)YA1の形状やサイズのばらつきに対応して保持孔1031の位置が異なる緩衝箱YA1が複数種類準備されていたとしても、例えば2〜4種類に大別される。
いずれの場合であっても、保持孔1031はその中心が、緩衝箱YA1の高さ(第三方向BH)方向の中心と一致するように設けられている。そして、吸着部637は物品XA1が所定の形状とサイズ(例えば説明の便宜上、図11(C)に示す「M」で示した形状・サイズ)であることを想定し、その吸着面が下限位置PL(一点鎖線で示す)にある場合に、物品XA1が保持孔1031に適合するように(物品XA1の中心が保持孔1031の中心に合致するように)設定される(図11(C)参照)。
このような状況において、想定した形状やサイズと異なる物品XA1(例えば説明の便宜上、図11(D)に示す「L」で示した形状・サイズの物品XA1)を保持する場合、従来では、吸着部637の下限位置PLは調整ができなかったため、吸着部637を下限位置PLに移動させたとしても、必ずしも物品XA1の中心と保持孔1031の中心位置が合わない問題があった。
物品XA1である卵は、季節や日によってその形状やサイズのばらつきが大きく、例えば、図11(D)に示すように、物品XA1が想定(同図(C))より大きければ、吸着部637の下限位置PLでは、保持孔1031の中心より物品XA1の中心が下方となり、保持孔1031と物品XA1の位置が適合しなくなる。例えば、同図(D)では、保持孔1031の下端部が物品XA1と当接しており、この状態で起函のために物品保持ハンド62を無理に押し下げると、物品XA1が弱い保持板103に当接し押圧力がかかるため、これによっても保持板103が折れ曲がってしまう問題があった。
しかしながら、本実施形態では、下限ストッパー655によって吸着部637(吸着パッド637Aの吸着面)の下限位置を調整できるので、物品XA1の形状やサイズが変わった場合であっても、容易に保持孔1031に適合する位置に合わせることができる。
例えば、物品XA1が保持孔1031に想定されるサイズより大きい場合、同図(E)に示すように吸着部637(吸着パッド637Aの吸着面)の下限位置PLを上方(第三方向BH,搬送高さ方向H)に変更することによって、物品XA1の中心位置と保持孔1031の中心位置を合わせることができる。
つまり、緩衝箱YA1の保持孔1031に物品XA1を嵌まり込ませることができるように、緩衝箱YA1の保持孔1031の位置に合わせて吸着部637(吸着パッド637Aの吸着面)の下限位置(支持部651からの下限位置)を変位させることができる。
これにより、物品保持ハンド62で緩衝箱YA1を押し込みながら起函する場合であっても、保持板103の折れ曲がりを防止できる。
また、図示は省略するが、想定より小さい物品XA1の場合は、収容ロボット6によって移送手段60のバケット601から物品XA1を取り出す際に、吸着部637を下限位置に下降させても物品XA1に接触できず、取り出しが困難になる問題がある。このような場合であっても本実施形態の下限ストッパー62は下限位置の調整が可能であるので、移送手段60のバケット601に収容されている物品XA1を確実に保持し、取り出すことができる。
図12は、第1折りガイド41の他の例を示す図である。同図(A)は仮折りユニット4の他の例であり、同図(B)は起函ユニット5の他の例である。
第1折りガイド41は、緩衝箱YA1の外側面101Aから側面板105と外側底面板102Aの境界付近を吸引する吸引手段であってもよい。この場合、緩衝箱YA1は、展開された緩衝箱YA1の保持孔1031から折り目線g、および折り目線fが視認できない位置(第1折りガイド41が、展開状態の緩衝箱YA1の折り目線gおよび折り目線fの上に保持孔1031を介して当接できない位置)に形成されたものでもよいし、また、保持孔1031が設けられていない緩衝箱YA1であってもよい。
同図(A)に示すように、仮折りユニット4における第1折りガイド41に吸引手段を採用した場合、第1折りガイド41は、第1搬送手段10A(レール15)の下方から上昇し、折り目線f、g付近の例えば、外側底面板102Aを吸着保持する。そして、吸着した状態で下降することで、折り目線f、gに折り癖をつける(仮折りする)ことができる。また、この第1折りガイド41の吸引に同期して、上述の第2折りガイド42を上昇させるようにすると更に好適である。
また、同図(B)に示すように、起函ユニット5において、第3折りガイド51および第4折りガイド52に加えて、吸引手段の第1折りガイド41を採用してもよい。この場合、起函ユニット5において物品保持ハンド62に設けた第3折りガイド51が緩衝箱YA1の折り目線b、cを緩衝箱YA1の内側面101Bから押出すタイミングに合わせて、下方から第1折りガイド41を上昇させ、折り目線g、f付近の例えば、外側底面板102Aを吸着保持し、第3折りガイド51(物品保持ハンド62)による押し込みに合わせて、第1折りガイド41は吸引しながら下方へ移動する。
つまり、物品保持ハンド62によって緩衝箱に物品XA1を収容する際の起函(折り目線b、cの本折り)において、第1折りガイド41によって折り目線e、fを折るガイドをしてもよい。
さらに、上記の実施形態では、仮折りユニット4を設ける例を説明したが、仮折りユニット4は省略し、起函ユニット5のみにおいて、図12(B)に示す吸着手段の第1折りガイド41を設けても良い。仮折りユニット4を省略した場合であっても、第3折りガイド51および第4折りガイド52が側面板105の起立に際して底面板102と側面板105の境界付近に当接して側面板105の折り曲げをガイドするため、物品(卵)XA1を収容する際に、保持板103の折り曲げを回避して、起函できる。この場合、箱は緩衝箱YA1に限定されず、保持板103のない箱であってもよい。更にこの場合、物品XA1を製函後に供給するようにしてもよい。
<封函ユニット>
次に、図13を参照して封函ユニット7について説明する。同図(A)は、封函ユニット7の上面図であり、同図(B)〜同図(F)は、同図(A)の搬送路上の各位置P2〜P4における上流側から見た側面図であり、同図(G)は他の例を示す側面図である。
図6に示すように、起函ユニット5の筒状部55を通過し、起函され立体化された状態で下方に排出された緩衝箱YA1は第2搬送手段10B上を搬送され、封函ユニット7の上流端に至る。
なお、仮折りユニット4と起函ユニット5の間に配置された塗布ユニット16(図1(A)参照)によって、緩衝箱YA1の側面補助板104のそれぞれに接着剤が塗布される。
図13(A)に示すように封函ユニット7は、第3搬送手段10Cと、塗布ユニット8と、押圧手段9とを有している。緩衝箱YA1は、箱の第二方向BWが第3搬送手段10Cにおける搬送方向Lと一致するようにして第3搬送手段10C(バケットコンベア)によって搬送される。
まず、封函ユニット7の上流端部の位置P1において、センサSによって外観検査が行われる。外観検査では、緩衝箱YA1の製函不良等をチェックし、不良の緩衝箱YA1については搬送経路外に搬出する。このとき、側面板105と保持板103を連結する糊代板106の状態(底面板102に対する傾斜の程度)も確認される。
本実施形態では上述した製函の工程において、保持板103の折れ曲がりは抑制されているが、仮に保持板103の折れ曲がりがあった場合、中空構造の緩衝部108の天面を構成する糊代板106が底面板102に対して傾斜し、封函が良好に行えない場合がある。また、緩衝箱YA1の外観が変形しているような場合には、搬送系路上で引っかかりなどの問題となる場合がある。
そこで、位置P1において緩衝箱YA1の状態を検知し、不良が生じている場合には搬送経路外に排出し、正常な緩衝箱YA1のみが塗布ユニット8に搬送される。センサSは例えば、搬送幅方向Wに3列配置され、多方向からの検知をできるようにしている。
同図(A),同図(B)に示すように位置P2では、塗布ユニット8により接着剤の塗布が行われる。塗布ユニット8はノズル8Aを有し、位置P2において緩衝箱YA1の糊代板106に接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)を噴射して塗布する。
その後、蓋面板107は、第3搬送手段10Cに対して進退可能となるように第3搬送手段10Cの側部に設けられた閉蓋手段17によって折り目線hから折り畳まれ、緩衝箱YA1が閉蓋される。蓋面板107は一部が糊代板106と密着する。
同図(A)、同図(C)〜同図(E)に示すように塗布ユニット8の下流に設けられた押圧手段9は、緩衝箱YA1を搬送しながら(移動中に)蓋面板107の一部を押圧して糊代板106に確実に接着させる押圧ユニット(または押圧装置)であり、蓋面板107の一部を上方から押圧するローラー91A,91Bと、押さえ手段92と、押さえ手段92の駆動手段(不図示)等を備える。
同図(A),同図(C)に示すように、押圧ユニット9の上流端部には押さえ手段92が設けられる。押さえ手段92は、例えばローラー91A,91Bとは別体に設けられ、緩衝箱YA1に対して(搬送方向Lに)進退可能に構成されている。具体的には、押さえ手段92は、蓋面板107が閉蓋されるとすぐに(ローラー91A、91Bの上流の位置P3において)上流に向かって進出し、蓋面板107の下流側端部を押さえ、緩衝箱YA1の搬送に同期して、ローラー91側に後退する。ホットメルト接着剤は、再接着ができず、また瞬間的には接着が困難であるため、或る程度の押圧力または、密着させた状態での時間経過が必要である。本実施形態では、塗布ユニット8にて糊代板106に接着剤を塗布し、閉蓋するが、その直後は緩衝箱YA1の反発力、又は外観検査の結果により塗布ユニットで接着剤を塗布しなかった場合などによって開蓋してしまう場合があり、そうなると次のローラー91A、91Bに引っかかってしまう恐れがある。
そこで、糊代板106に接着剤を塗布して閉蓋した直後から、ローラー91A、91Bが蓋面板107の一部に当接するまでの間、押さえ手段92によって蓋面板107を押さえ、開蓋を回避しつつローラー91A,91Bの下方に引き込む。
その後は、同図(A),同図(D)および同図(E)に示すように、ローラー91(91A、91B)によって、糊代板106上の蓋面板107が押圧される。この例では、ローラー91A、91Bは前方糊代板106Aおよび後方糊代板106Bに対応して、緩衝箱YA1の第一方向BDに離間して対向配置されたローラ群である。なお、本実施形態では、(少なくとも押圧ユニット9においては)緩衝箱YA1は第二方向BWが搬送幅方向Wに沿うように搬送されており、ローラー91A、91Bは前方糊代板106Aおよび後方糊代板106Bに対応して搬送幅方向Wに離間して対向配置されたローラ群であるともいえる。
また、ローラー91A,91Bは、第一方向BDにおける長さが第二方向BWにおける長さよりも短い、矩形状(長方形状)面の前方糊代板106Aおよび後方糊代板106Bに対応するように、搬送方向Lに沿って長尺に(少なくとも緩衝箱YA1の第二方向BWの長さよりは長尺に)構成されている。なお、この例では1箱に2個の物品XA1が収容可能な緩衝箱YA1を示しているが、1箱に1個の物品XA1が収容可能な緩衝箱YA1であっても同様である。
一例として、それぞれの列のローラー(ローラ群)91A、91Bは、複数のローラ91AA、91BBから構成されている。複数のローラ91AA、91BBはそれぞれ、搬送方向Lに延びる支持体93に中心軸が搬送幅方向Wに伸びる回転軸94が取り付けられ、各列において径方向に隣接して配置されている。
塗布された接着剤が固化するまでの時間は、緩衝箱YA1の搬送方向の長さ、及び処理能力によって決まり、よって、ローラー(ローラ群)91A,91Bの搬送方向Lの長さは、接着剤が固化するのに十分な時間の確保ができる長さに設定される。
このような構成により、本実施形態では、緩衝箱YA1を搬送方向Lに沿って移動させながら(停止させることなく)、糊代板106の上部を蓋面板107を介してローラー(ローラ群)91A、91Bで押圧し、蓋面板107の一部を糊代板106に接着させることができる。
そして、ローラー91A,91Bは効率よく糊代板106上(のみ)を押圧できるよう、その位置が設定されている。具体的には、同図(E)に拡大して示すように、搬送高さ方向Hにおける、ローラー91A,91Bの外周面の押圧面の位置(第3搬送手段10Cの搬送面からの高さH1)は、緩衝箱YA1の第三方向BHの高さH2より僅かに低い(例えば、1mm〜5mm、好適には2mm〜3mm低い)位置に設定されている。つまり、ローラー91A,91Bによって緩衝箱YA1は下方(搬送面方向)に僅かに押し付けられるように構成されている。これにより、糊代板106上に蓋面板107の一部を当接させて押圧しつつ、緩衝箱YA1を下流に搬送することができる。なお、押圧面の位置(高さH1)は押圧力に関わるので、緩衝箱YA1が変形せず、かつ糊代板106上に蓋面板107を十分に押し付けることができ、更に緩衝箱YA1をスムーズに下流に搬送可能な高さH1が適宜選択される。
また、搬送幅方向Wにおけるローラー91A,91B(各ローラー91AA、91BB)の押圧面は、緩衝箱YA1(蓋面板107)の第一方向BDの長さより狭い領域で、且つ蓋面板107の第一方向BDの両端部(折り目線e、h)より内側の領域を押圧するように設定される。具体的には、ローラー91A,91B(各ローラー91AA、91BB)の押圧面の支持体93側(外側)端部はいずれも、緩衝箱YA1の第一方向BDの両端部(折り目線e、h)より僅かに内側(例えば、1mm〜5mm、好適には2mm〜3mm内側)に収まる位置に設定される。なお、各ローラー91AA、91BBの押圧面の内側端部の位置は任意であるが、糊代板106の内側端部(折り目線a、d)より僅かに外側(糊代板106中心側、例えば、1mm〜5mm、好適には2mm〜3mm外側)に収まる位置に設定すると、糊代板106にかかる押圧力を集中できるので好ましい。
なお、ローラー91A、91Bは、緩衝箱YA1のサイズに応じて搬送幅方向Wに位置の調整が可能に構成されている。
既に述べたが、ホットメルト接着剤を良好に接着させるには、押圧力を高めるか時間を掛ける必要があるが、外観を損なわずに押圧力を高めるには限界がある。また、従来では、封函の工程において、接着剤を塗布した緩衝箱YA1を一旦停止させ、蓋面板107の中央付近を単一の押圧手段で押圧し、接着していた。しかしこの場合、処理能力が向上できない上に、押圧手段の押圧力が、接着が必要な端部の糊代板106の全域まで至らず、接着が不十分になる恐れがあった。特に、糊代板106が傾斜した場合には、単一の押圧手段では、側面板105の高さH2よりも低い位置まで押圧することができないため、接着が不十分になる恐れがある。
また、上述のように緩衝箱YA1の保持板103に折れ曲がりが生じ、糊代板106が底面板102に対して傾斜してしまっている場合は特に、蓋面板107の中央付近を単一の押圧手段で押圧する方法では、接着不良が増加してしまう問題があった。
本実施形態では、矩形状の糊代板106の長手方向(第二方向BW)を搬送方向Lに合わせて、ローラー91A,91で緩衝箱YA1を下流に搬送しながら押圧することとしたので、接着に要する時間が係るホットメルト接着材であっても、搬送中の時間を利用しつつ、十分な時間を掛けて確実な接着が可能となる。また、ローラー91A、91Bの押圧力を分散させることなく、接着したい糊代板106のみの上に効率よく与えることができ、る。従って、接着が不要な箇所までを押圧することによる緩衝箱YA1の外観不良(変形や傷など)が発生するリスクを最小限に抑え、効率よく接着することができる。
更に、ローラー(ローラー群)91A、91Bを複数のローラ91AA,91BBで構成することにより、仮に緩衝箱YA1の蓋面板107に不良にならない程度の僅かな歪み(変形)や、糊代板106の傾斜等が生じる場合があっても、当該変形や傾斜に個々のローラー91AA,91BBが柔軟に追従でき、十分押圧することが可能となる。
各ローラ91AA、91BBは例えばシリコンゴムなどにより構成されると好適である。これにより、緩衝箱YA1に対する傷を防止し、また、仮に上記の変形や傾斜があってもそれらを吸収可能になる(形状の変化等を吸収できる)と共に、緩衝箱YA1の滑りすぎ(押圧力の低下)を防止することができる。
なお、ローラー91A、91Bの長さ(押圧時間)や押圧力(搬送面からの高さH1)は糊代板106に塗布する接着剤の種類や接着に要する時間、あるいは緩衝箱YA1の材質等に応じて適宜選択される。
また、上記のローラー91A,91Bはそれぞれ複数のローラー91AA、91BBの集合体であったが、搬送方向Lに長い単一のローラー91A,91Bを2列配置するようにしてもよい。この場合であっても、ローラー91A,91Bの押圧面の高さH1は、緩衝箱YA1の第三方向BHの高さH2より僅かに低くし、ローラー91A,91Bの押圧面の支持体93側(外側)端部はいずれも、緩衝箱YA1の第一方向BDの両端部(糊代板106の折り目線h、e)より僅かに内側に収まる位置に設定される。
また、同図(G)に示すように単一のローラー91で押圧するようにしてもよい。この場合であっても、ローラー91の押圧面の高さH1は、緩衝箱YA1の第三方向BHの高さH2より僅かに低くし、ローラー91の押圧面の支持体93側(外側)端部はいずれも、緩衝箱YA1の第一方向BDの両端部(糊代板106の折り目線h、e)より僅かに内側に収まる位置に設定される。
また、上記の実施形態では、押さえ手段92はローラー91A,91Bとは別体に設けられ、緩衝箱YA1に対して進出するとともに緩衝箱YA1を押さえながら同期して後退する構成を説明した。
しかしこれに限らず、押さえ手段92は緩衝箱YA1に対して進出した後は所定位置に待機し、その下方を緩衝箱YA1が滑るように移動してローラー91A,91Bに到達するように構成してもよい。この場合、ローラー91A、91Bに到達後は押さえ手段92は待機位置に後退する。
また、押さえ手段92は、ローラー91(91A,91B)の一部であってもよい。例えば、ローラー91は全体的に搬送方向Lに沿って移動するか、あるいは、上流側の一部が搬送方向Lに沿って伸縮可能に構成される。
そして、接着剤が塗布されて蓋面板107が閉じられた後すぐに、ローラー91が緩衝箱YA1の位置に進出し、蓋面板107の上部を押さえながら、ローラー91の下方に引き込む構成であってもよい。
更に、ローラー91A,91Bは内側(支持体93側の逆側となる回転軸94の先端)が外側(支持体93側)より下方に位置するように、それぞれの回転軸94の傾斜を可能(傾斜角度を調整可能)としてもよい。これにより、仮に保持板103の折れ曲がりによって、糊代板106の傾斜の程度が大きい緩衝箱YA1が不良品となることなく搬送された場合であっても、ローラー91A、91Bの回転軸94を当該糊代板106の傾斜に合わせて傾けるように調整することで、ローラー91A、91Bの押圧面を糊代板106に対して略水平に当接させることができる。
また、押さえ手段92を設けずに、閉蓋手段17により閉蓋した後、閉蓋手段17を待機位置にもどさずに、緩衝箱YA1がその下方を滑るように移動してローラー91A、及びローラー91Bに到達するように構成してもよい。
以上、本発明は上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、物品XA1の外形状は、球体、円柱、直方体等でもよく、物品XA1は食品に限らず非食品でもよい。
また、緩衝箱YA1に2個の物品(卵)XA1を収容する構成に限らず、緩衝箱YA1に1個の物品(卵)XA1を収容するようにしてもよい。この場合、収容手段6は物品保持ハンド62を4つ備え、かつ緩衝箱YA1の供給手段2を2箇所に配置することにより、1台の収容手段6によって、2箇所で製函するようにしてもよい。
また、緩衝箱YA1は、搬送幅方向Wに沿って複数の物品XA1を収容するものでもよい。
また、ローラー91(91A,91B)は直線状に配置するものに限らず、千鳥状に配置する構成でもよい。この場合、例えば、ローラー91Aにおいて搬送方向Lに沿って複数ブロックで離間して配置し、ローラー91Bにおいて搬送方向Lに沿って複数ブロックで離間して配置し、ローラー91Aとローラー91Bの各ブロックが千鳥状に配置されてもよい。また、ローラー91Aを構成する個々のローラー91AAを千鳥状に配置し、ローラー91Bを構成する個々のローラー91BBを千鳥状に配置する構成であってもよい。
また、移送手段60はサーボループコンベアに限らず、バケットコンベアであってもよい。
また、収容手段6はロータリー式のロボットに限らず、複数の物品保持ハンド62を往復移動させるロボットや物品保持ハンド62を3軸で任意に移動可能なロボットであってもよい。
本発明の封函ユニット7(箱詰め装置1)は、緩衝箱YA1を封函する場合に限定されず、物品XA1を保持する保持板103が設けられていない箱を封函する場合にも適用できる。例えば、蓋体と搬送方向に沿って設けられた内フラップとを有する箱の場合において、蓋体と内フラップとを、搬送中の時間を利用しつつ、十分な時間を掛けて確実に接着することができる。特に、物品が箱に対して小さく物品の上部に空間があり、蓋体を物品に押し当てて封函できない場合に有効である。