JP6844927B2 - 自動車用空調ダクト構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用空調ダクト構造に関する。特に、後席での空調不要時には後席乗員の足元スペース等を確保し易く、後席での空調時には空調風の風向や風量を調整し易い自動車用空調ダクト構造に関する。
空調ユニットの空調風を車両の前方から後席側に案内する車両用空調ダクト構造として、特許文献1に記載の構成が知られている。このタイプの空調ダクト構造は、図5に示すように、車室100のほぼ中央を前方から後方に向かって延びるダクト本体111と、ダクト本体111の後端で左右二股に分岐して前席の下方を通る分岐ダクト113とを備える。ダクト本体111と分岐ダクト113は車室100のフロアカーペットFcの下方に配置されている。分岐ダクト113の後端は吹き出し口115となっており、図示しない後席に向かって配置され、空調風を後席側に吹き出すように構成されている。
特開2001−088543号公報
後席での空調の要否に応じて、空調の必要時と不要時の双方の要求特性を両立する自動車用空調ダクト構造が求められている。
図6(A)に示すように、前席FrSの下方を通る分岐ダクト113のうち、その前方側をフロアカーペットFcの下方に配置し、後端部をフロアカーペットFcに設けた開口部に通して上方に露出させた構成では、風向や風量を調整し易い。それは、分岐ダクト113の後端の正面に遮蔽物がなく、空調風の風向をほぼ水平とできるからである。一方、フロアカーペットFcの上方に分岐ダクト113の後端部が露出されるため、前席FrSの下面とフロアカーペットFcとのクリアランスが狭く、後席の乗員の足元スペースや積載スペースが確保し難い。特に、前席FrSの前方へのスライド量によっては、分岐ダクト113の後端部が前席FrSの後方から露出することがあり、その後端部の踏み付けや見栄えの対策も求められる。
図6(B)に示すように、分岐ダクト113の後端部をフロアカーペットFcの下方に位置すると、フロアカーペットFcの上方に分岐ダクト113の後端部が露出しないため、後端部の踏み付けや見栄えの問題はない。その上、前席FrSの下面とフロアカーペットFcとのクリアランスが確保でき、後席の乗員の足元スペースや積載スペースが確保し易い。一方、分岐ダクト113の後端の正面には、当該後端の開口からフロアカーペットFcの上方に空調風を案内する傾斜面が遮蔽物として存在する。そのため、空調風の風向が斜め上方となって風向が限定され、意図する方向への風量も制限されてしまう。
本発明の目的の一つは、後席での空調不要時には後席乗員の足元スペースや積載スペースを確保し易く、後席での空調時には空調風の風向や風量を調整し易い自動車用空調ダクト構造を提供することにある。
本発明の一態様に係る自動車用空調ダクト構造は、
車室のフロア表面よりも下方に配置される管路で、前記車室の前方から後端開口を経て後席側に空調ユニットの空調風を案内する床下ダクトと、
前記フロア表面に形成されたダクト用開口と、
前記ダクト用開口に昇降自在に嵌められて、ダクト側壁と、ダクト側壁の上部を塞ぐ上面とを有する昇降ダクトとを備え、
前記昇降ダクトのダクト側壁は、
前記車室の前方側又は側方側に開口する連通孔と、
前記連通孔よりも上部で、前記車室の後方側に開口する吹き出し口とを有し、
前記昇降ダクトの昇降位置は、
前記吹き出し口が前記フロア表面よりも上方に露出した状態で、前記後端開口及び連通孔を介して前記床下ダクトと前記昇降ダクトとが連通される通風位置と、
前記上面が前記フロア表面以下の下方に位置し、前記後端開口を前記連通孔よりも上部の前記ダクト側壁で塞ぐ収納位置とを有する。
上記の構成によれば、後席側に向かって空調風を吹き出す箇所に昇降ダクトを用いることで、後席での空調の要否に応じた空調ダクト構造を構成することができる。後席での空調が必要なときは、昇降ダクトを通風位置とすることで吹き出し口をフロア表面よりも上方に露出させることができる。その際、吹き出し口の正面(後方)には遮蔽物がないため、風向や風量を調整し易い。一方、後席での空調が不要なときは、昇降ダクトを収納位置とすることでフロア表面から昇降ダクトが突出しない状態とすることができる。それにより、空調ダクト構造の後端部の踏み付けや見栄えの問題も生じない上に、後席乗員の足元スペースや積載スペースを確保し易い。
実施形態1に係る自動車用空調ダクト構造を示す全体模式図である。 実施形態1に係る自動車用空調ダクト構造の吹き出し箇所近傍を示し、後席での空調が必要な通風位置での部分模式図である。 実施形態1に係る自動車用空調ダクト構造の吹き出し箇所近傍を示し、後席での空調が不要な収納位置での部分模式図である。 実施形態1に係る自動車用空調ダクト構造の吹き出し箇所近傍を示し、前席でのみ空調が必要な遮蔽位置での部分模式図である。 従来の空調ダクト構造の模式図である。 従来の空調ダクト構造における後席側への吹き出し箇所近傍を示し、(A)はフロア表面上に分岐ダクトを突出させた構成の模式図、(B)はフロア表面の下方に分岐ダクトを収納した構成の模式図である。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を説明する。主に図1から図4を参照するが、必要に応じて図5も参照する。いずれの図においても、Frは車両前方、Rrは車両後方、Upは車両上方、Lwrは車両下方を示す。本発明は実施形態に示される構成に限定されるわけではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
〈概要〉
実施形態1の自動車用空調ダクト構造は、図1に示すように、車室100のフロア表面100Fよりも下方に配置される床下ダクト110を備える。床下ダクト110は、図5の空調ダクトと同様に、空調ダクトの一部を構成し、車両前方に設けられた空調ユニットACから後席側に空調風を案内する。この空調ダクト構造の特徴の一つは、図1に示すように、床下ダクト110の後端部に昇降ダクト120を設け、この昇降ダクト120を所定位置に上下動させることで、後席での空調の要否などの状況に応じた空調環境や車室内環境を実現することにある。以下、各部の構成を詳しく説明する。
〈車室〉
車室100の概要は、図5に示す従来の構成と概ね共通である。この車室100の前方には、インストルメントパネルIPが設けられ、後方に向かって順次、前席FrS、後席(図示略)が設けられている。インストルメントパネルIPには、その内部に空調ユニットACが内蔵され、同パネルIPの表面には前席FrSの空調用として、DEF用、Face用、Foot用などの複数の吹き出し口AC1,AC2,AC3が開口されている(図1、図5)。
前席FrS、後席、空調ユニットACは、公知の構成が利用できる。運転席と助手席とを有する前席FrSは、シートクッションScとシートバックSbとを備え、フロア表面100Fに対してシートクッションScを前後にスライドできる。後席は、ベンチシート、独立シートのいずれであってもよい。空調ユニットACは、暖房用として空気を温めるヒータコアや、冷房用として空気を冷やす蒸発器を有し、それらで空調された暖気又は冷気を吹き出し口125から車室100内に供給する。
車室100のフロア表面100Fは、車室100内でフロアの最表面を構成する面である。図1ではフロア表面100Fをハッチングで示している。例えば、本例のように、フロアベースパネルFb上にスペーサで間隔を開けてフロアカーペットFcを配置する場合、フロアカーペットFcの表面がフロア表面である。この他、フロアベースパネルFb上にスペーサで間隔を開けてフロアアッパーパネルを配置する場合、フロアアッパーパネルの表面がフロア表面100Fである。このフロア表面100FとフロアベースパネルFbとの間の空間に、後述する床下ダクト110が配置される。
さらに、フロア表面100Fのうち前席FrSの後方に対応する位置には、後述する昇降ダクト120が嵌められるダクト用開口100Hが形成されている(図2〜図4)。ダクト用開口100Hの開口形状は特に限定されない。ダクト用開口100Hの開口形状は昇降ダクト120の横断面形状に対応した形状とすることが好適である。本例では、ほぼD型の開口形状としている。
本例のように、次述するダクト収納筒130を用いる場合、ダクト収納筒130の上部開口133がダクト用開口100Hに相当し、ダクト収納筒130に昇降ダクト120が嵌められることになる。ダクト収納筒130の横断面形状も、昇降ダクト120の横断面形状に対応した形状とすることが好適である。
ダクト収納筒130は、ダクト用開口100Hに嵌められることで、昇降ダクト120の上下動のガイドとして機能する筒状体である。さらにダクト収納筒130は、床下ダクト110の後端を接続することで、この後端の支持部材としての機能を兼ねることもできる。
ダクト収納筒130は、上部が開口した筒状部材で形成され、空調ダクトの後端部を構成する昇降ダクト120(後述)が収納される(図2〜図4)。本例では、平面視した形状がほぼD型の有底筒状部材でダクト収納筒130を形成している。ダクト収納筒130の平面形状は、D型に限定されるわけではなく、昇降ダクト120の外形に対応した適宜な形状が選択できる。例えば、矩形などの多角形や円形、楕円形であってもよい。この有底筒状部材は、床下ダクト110を介して送られた空調風の導入口131が開口される収納側壁132と、上部開口133と、フロアベースパネルFbに接する底面134とを有する。本例の収納側壁は、車幅方向の両側面から前方側にかけて形成される曲面と、その両曲面を繋ぐ前方側平面と、両側面の後方側をつなぐ後方側平面とを有する。導入口131は、床下ダクト110の後端開口110Hに対応して形成される。この導入口131の形成位置は、収納側壁132の前方側又は側方側とする。本例では、前方側平面における高さ方向の途中に導入口131を形成している。空調風の導入口131の形状と面積は、床下ダクト110の後方側を構成する分岐ダクト113(後述)の後端開口110Hにほぼ対応した形状と面積を有する。一方、後方側平面の車幅方向の長さは、前席FrSの幅よりも若干小さい程度としている。このダクト収納筒130は、必要に応じて用いればよく、発明の構成上、必須ではない。
〈空調ダクト〉
空調ダクトは、空調ユニットACからフロア表面100Fの下方を通って車室100の後方に延びるダクト本体111と、ダクト本体111の後端で複数に分岐される分岐ダクト113と、分岐ダクト113の後端に繋がれる昇降ダクト120とを備える。ダクト本体111と分岐ダクト113が床下ダクト110を構成している。
(ダクト本体)
ダクト本体111は、空調ユニットACから一旦下方に延び、車両後方に屈曲されて、前席FrSの途中あたりまで空調風を案内する管路である。本例では、断面が扁平な矩形のダクトを車幅方向のほぼ中央に配置してダクト本体111としている。ダクト本体111の断面形状は特に限定されず、円形や楕円形でもよい。この点は、次述の分岐ダクト113でも同様である。
(分岐ダクト)
分岐ダクト113は、ダクト本体111の後端から分岐して、後席足元における車幅方向の複数箇所に空調風を供給する管路である。本例では、ダクト本体111の後端部から二股に分岐する2本の分岐ダクト113を有している。分岐ダクト113の数は2本に限定されるわけではなく、例えば3本であってもよい。いずれの分岐ダクト113も断面が扁平な矩形のダクトである。各分岐ダクト113は、前席FrSの下方に対応する位置に配置され、ほぼ前席FrSの後部に至る箇所まで延びている。本例では、分岐ダクト113の後端がダクト収納筒130の導入口131に嵌められて支持されている。
(昇降ダクト)
昇降ダクト120は、ダクト収納筒130に昇降自在に収納され、空調ダクトの後端部を構成する中空部材である。本例では、平面視した形状がほぼD型の中空部材としているが、この形状は特に限定されない。矩形などの多角形や円形、楕円形であってもよい。
この中空部材は、ダクト収納筒130の収納側壁132に対向されるダクト側壁121と、ダクト側壁121の上部を塞ぐ上面122と、ダクト側壁121の下部を塞ぐ底面123とを有する(図2〜図4)。昇降ダクト120(中空部材)の形状とダクト収納筒130の形状は対応しているため、ダクト側壁121は、車幅方向の両側面から前方側にかけて形成される曲面と、その両曲面を繋ぐ前方側平面と、両側面の後方側をつなぐ後方側平面とを有する。
さらに中空部材のダクト側壁121は、前方側又は側方側に設けられた連通孔124と、後方側に設けられた吹き出し口125とを有する(図2)。
連通孔124は、吹き出し口125がフロア表面100Fよりも上方に露出した状態で、ダクト収納筒130の導入口131(分岐ダクト113の後端開口110H)に重なる開口である。ダクト収納筒130の導入口131と昇降ダクト120の連通孔124が重なることで、分岐ダクト113と昇降ダクト120とが連通され、吹き出し口125から後席側に空調風を供給できる。本例では、昇降ダクト120の前方平面の高さ方向の途中に連通孔124が形成されている。連通孔124の形状と面積は、吹き出し口125がフロア表面100Fよりも上方に露出した状態で、ダクト収納筒130の導入口131に重なることができれば特に限定されないが、導入口131と相似形で同等以上の面積を有することが好ましい。それにより、導入口131を通る空調風を遮ることなく昇降ダクト120内に導入できる。
吹き出し口125は、空調ダクトの後端に相当し、フロア表面100Fより上方に露出することで、後席側に空調風を供給する開口である(図1、図2)。吹き出し口の形状や面積は特に問わないが、導入口131及び連通孔124よりも大きな面積を有することが好ましい。本例では、後方側平面のほぼ全面を吹き出し口としている。より具体的には、吹き出し口125の車幅方向のほぼ中央に仕切を有し、さらにその仕切と昇降ダクト120の両側面との間に、車幅方向に延びる導風板126を有する以外は、後方側平面は開口されている。導風板126の向きを上下に揺動できるようにすれば、空調風の風向を上下に調整できる。
昇降ダクト120の高さは、ダクト収納筒130の深さに対応していることが好ましい。この構成であれば、昇降ダクト120をダクト収納筒130の最も下方にまで収納した際、昇降ダクト120の上面122がフロア表面100Fとほぼ面一となる(図3)。フロア表面100Fから昇降ダクト120が突出しなければ、フロア表面100F上の空間を確保し易く、昇降ダクト120の上面がフロア表面100Fから低くならなければ、上部開口133から昇降ダクト120の上面122までの間に凹部が形成されないため、その凹部への異物の落ち込みも解消できる。
昇降ダクト120の車幅方向の幅は、前席FrSの幅にほぼ対応することが好ましい。昇降ダクト120の幅が大きいと、後述する「遮蔽位置」において、フロア表面100Fから突出した昇降ダクト120が、前席FrSの下面とフロア表面100Fとの間の空間を昇降ダクト120よりも前方の空間と後方の空間とに仕切り易い。
昇降ダクト120の上下動は、手動でも良いし、モータなどのアクチュエータとモータの回転を昇降ダクトの上下動として伝達する動力伝達機構とを用いて電動としても良い。手動であれば、昇降ダクト120の駆動源が不要で、構成が簡易である。昇降ダクト120の下降は、乗員が足で昇降ダクトの上面を踏むことにより行ってもよい。電動であれば、アクチュエータにより、昇降ダクト120の上下位置を任意の位置に制御できる。
さらに本例の空調ダクト構造は、この昇降ダクト120をダクト収納筒内の所定の上下位置で保持できる保持機構(図示略)も備える。昇降ダクト120を手動で上下動する場合、保持機構としては、昇降ダクト120を保持したい所定位置で、昇降ダクト120とダクト収納筒130とを係合させる係合部を有することが挙げられる。係合部は、昇降ダクト120のダクト側壁121とダクト収納筒130の収納側壁132との一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部とで構成し、凸部と凹部を嵌合することで昇降ダクト120の上下位置を保持する。昇降ダクト120を電動で上下動する場合、モータなどのアクチュエータを制御することで、昇降ダクト120を任意の上下位置に保持できるため、アクチュエータとその制御部及び上記動力伝達機構が保持機構に相当することになる。
この昇降ダクト120の所定の昇降位置には、後席での空調が必要な「通風位置」と、後席での空調が不要な「収納位置」とを有する。さらに本例の昇降位置には、後席での空調が不要で、かつ前席の空調効率を高められる「遮蔽位置」をも備える。
〈動作〉
上記の通風位置、収納位置、及び遮蔽位置の各位置における昇降ダクト120の昇降状態と後席側での空調状態を図2〜図4に基づいて説明する。
(1)通風位置(図2)
通風位置は、後席に乗員が乗車しており、後席乗員のために後席側で空調が必要な場合に好適な位置である。通風位置では、昇降ダクト120を上昇させて、フロア表面100Fの上部開口133から突出させ、吹き出し口125がフロア表面100Fよりも上方に露出した状態とする。このとき、昇降ダクト120の連通孔124がダクト収納筒130の導入口131と重なる。つまり、床下ダクト110(分岐ダクト113)と昇降ダクト120とが導入口131及び連通孔124を介して連通される。そのため、分岐ダクト113内を通ってきた空調風は、後端開口110H、導入口131、連通孔124を介して昇降ダクト120内に導入され、吹き出し口125から後席側に供給される。このとき、前席FrSの下面と昇降ダクト120の上面122との間には、ある程度のクリアランスが形成されるため、このクリアランスを介して前席FrSでの空調風を後席側に供給することも可能である。さらに、昇降ダクト120の連通孔124がダクト収納筒130の導入口131とずれて部分的に重なる位置で昇降ダクト120の上下位置を保持すれば、連通孔124と導入口131とが合致して重なる場合に比べて昇降ダクト120内に導入される空調風の風量を規制することができる。
(2)収納位置(図3)
収納位置は、上記通風位置と次述する遮蔽位置以外の場合に好適な位置である。例えば、後席に乗員が乗車しているが、後席の空調が不要な場合が挙げられる。収納位置では、昇降ダクト120をダクト収納筒130の最奥部まで押し込む。このとき、昇降ダクト120の底面123はダクト収納筒130の底面134に突き当たり、昇降ダクト120の上面122はフロア表面100Fとほぼ面一となる。つまり、上部開口133からフロア表面100Fの上方に突出する部分がない。一方、昇降ダクト120の連通孔124は、ダクト収納筒130の導入口131よりも下方に位置する。換言すれば、ダクト収納筒130の導入口131は、連通孔124よりも上部のダクト側壁121で塞がれる。そのため、分岐ダクト113を通ってきた空調風が昇降ダクト120内に導入されることはなく、吹き出し口125から空調風が供給されることもない。
(3)遮蔽位置(図4)
遮蔽位置は、後席での空調は行わないが、前席FrSのみで空調を行う場合、前席FrSの下面とフロア表面100Fとの間のクリアランスを昇降ダクト120で仕切り、前席FrSの空調風が昇降ダクト120の前方空間側から後方空間側に抜けることを抑制することに有効な位置である。遮蔽位置では、通風位置よりもさらに昇降ダクト120を上昇させる。そのとき、昇降ダクト120の連通孔124はフロア表面100Fよりも上方には露出せず、ダクト収納筒130における導入口131よりも上方の収納側壁132で塞がれる。併せて、ダクト収納筒130の導入口131は、昇降ダクト120の連通孔124よりも下方のダクト側壁121で塞がれる。そのため、分岐ダクト113を通ってきた空調風が昇降ダクト120内に導入されることはなく、吹き出し口125から空調風が供給されることもない。一方、フロア表面100Fから上方に突出した昇降ダクト120は、前席FrSの後方において、前席FrSの下面とフロア表面100Fとの間の空間を昇降ダクト120よりも前方の空間と後方の空間とに仕切ることができる。そのため、前席FrSの空調風が昇降ダクト120の前方空間側から後方空間側に抜けることを抑制することができる。
〈効果〉
上記の空調ダクト構造によれば、後席での空調の要否や後席での乗員の有無に応じて、以下の効果を奏することができる。
(1)通風位置では、後席側への空調風の風向や風量の調整が行い易い。通風位置では、昇降ダクト120を上昇させて、フロア表面100Fの上部開口133から突出させ、吹き出し口125がフロア表面100Fよりも上方に露出した状態とされるため、吹き出し口125の正面に空調風の遮蔽物がないからである。特に、暖房時には、後席乗員の足元に向けて暖気を吹き出すことに好適である。
(2)通風位置では、吹き出し口125が後方に開口し、上方に開口していないので、吹き出し口125から昇降ダクト120内に異物が入り難い。
(3)収納位置では、ダクト収納筒130に昇降ダクト120を収納することで、フロア表面100Fに突出した部材を無くすことができる。そのため、後席乗員の足元スペースの確保や、積載スペースの確保がし易い。勿論、フロア表面100Fに突出した部材がなければ、空調ダクトの後端部の踏み付けや見栄えの対策も不要である。
(4)収納位置では、ダクト収納筒130の導入口131が連通孔124よりも上部のダクト側壁121で塞がれる。そのため、分岐ダクト113を通ってきた空調風が吹き出し口125から供給されることもなく、後席側への無駄な空調風の供給を行わずに済む。
(5)遮蔽位置では、昇降ダクト120をフロア表面100Fよりも大きく突出させることで、前席FrSの下面とフロア表面100Fとの間の空間を昇降ダクト120よりも前方の空間と後方の空間とに仕切ることができる。そのため、前席FrSの空調風が昇降ダクト120の前方空間側から後方空間側に抜けることを抑制することができ、前席FrSの空調効率を高めることができる。
(6)遮蔽位置では、分岐ダクト113を通ってきた空調風が昇降ダクト120内に導入されることはなく、吹き出し口125から空調風が供給されることもない。そのため、後席側への無駄な空調風の供給を行わずに済む。
〈変形例〉
上述の実施形態では、ダクト収納筒130を用いる構成を説明したが、ダクト収納筒130を省略しても良い。ダクト収納筒130を用いない場合、ダクト用開口100Hに直接昇降ダクト120が嵌められる。通風位置では、床下ダクト110(分岐ダクト113)の後端開口110Hが昇降ダクト120の連通孔124に対向することになる。収納位置では、床下ダクト110の後端開口110Hが連通孔124よりも上部のダクト側壁121で塞がれる。そして、床下ダクト110の後端開口110Hが連通孔124よりも下部のダクト側壁121で塞がれる。
100 車室
IP インストルメントパネル
FrS 前席
Sc シートクッション
Sb シートバック
AC 空調ユニット
AC1 DEF用吹き出し口
AC2 Face用吹き出し口
AC3 Foot用吹き出し口
100F フロア表面
100H ダクト用開口
Fb フロアベースパネル
Fc フロアカーペット
110 床下ダクト
110H 後端開口
111 ダクト本体
113 分岐ダクト
115 吹き出し口
120 昇降ダクト
121 ダクト側壁
122 上面
123 底面
124 連通孔
125 吹き出し口
126 導風板
130 ダクト収納筒
131 導入口
132 収納側壁
133 上部開口
134 底面

Claims (1)

  1. 車室のフロア表面よりも下方に配置される管路で、前記車室の前方から後端開口を経て後席側に空調ユニットの空調風を案内する床下ダクトと、
    前記フロア表面に形成されたダクト用開口と、
    前記ダクト用開口に昇降自在に嵌められて、ダクト側壁と、ダクト側壁の上部を塞ぐ上面とを有する昇降ダクトとを備え、
    前記昇降ダクトのダクト側壁は、
    前記車室の前方側又は側方側に開口する連通孔と、
    前記連通孔よりも上部で、前記車室の後方側に開口する吹き出し口とを有し、
    前記昇降ダクトの昇降位置は、
    前記吹き出し口が前記フロア表面よりも上方に露出した状態で、前記後端開口及び前記連通孔を介して前記床下ダクトと前記昇降ダクトとが連通される通風位置と、
    前記上面が前記フロア表面以下の下方に位置し、前記後端開口を前記連通孔よりも上部の前記ダクト側壁で塞ぐ収納位置とを有する自動車用空調ダクト構造。
JP2017106033A 2017-05-29 2017-05-29 自動車用空調ダクト構造 Active JP6844927B2 (ja)

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