WO2020162097A1 - 空調装置 - Google Patents
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Abstract
車両進行方向に沿って並んで配置される複数の座席(10)のうち、最前列に配置される前席(11)および前席よりも車両進行方向の後方側に配置される後席(12)を互いに対向させる向きとなる座席対向配置に設定可能な車両に適用され、車室内を空調する空調機能を発揮する空調装置は、冷熱または温熱を生成する熱生成部(30)と、熱生成部によって生成された冷熱または温熱を乗員(P)に提供することで乗員に冷熱感または温熱感を提供する熱提供部(40)とを備える。熱提供部は、車両進行方向の前方側および後方側のそれぞれに同時に冷熱または温熱を提供可能に構成されており、前席よりも車両進行方向の後方側であって、且つ、後席よりも車両進行方向の前方側に配置される。
Description
本出願は、2019年2月8日に出願された日本特許出願番号2019-21778号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
本開示は、車両に適用される空調装置に関する。
自動運転モード時に前席が車両後方側を向いて前席に着座した乗員および後席に着座した乗員が向かい合わせになることができる車両が、例えば、2015年の東京モータショーなどの展示会で紹介されている。
また、前席に着座した乗員および後席に着座した乗員が向かい合わせになった場合に、前席の背もたれ部に阻まれることなく、空調風を乗員に送風することができる空調装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この空調装置は、インストルメントパネルに配置された吹出口から吹き出された空調風を吸込むための送風通路部を前席の背もたれ部に設け、前席の乗員の背後に空調風を送風することが可能になっている。
しかしながら、上述の空調装置は、前席の乗員および後席の乗員が向かい合わせになった場合に、空調風を前席の乗員の背後に送風することはできるが、前席の乗員の正面側や後席の乗員に送風することができない。
本開示は、前席の乗員および後席の乗員が向かい合わせになった場合に、前席の乗員の正面側および後席の乗員の正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することを目的とする。
本開示は、前席の乗員および後席の乗員が向かい合わせになった場合に、前席の乗員の正面側および後席の乗員の正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することを目的とする。
本開示の1つの観点によれば、
車両進行方向に沿って並んで配置される複数の座席のうち、最前列に配置される前席および前席よりも車両進行方向の後方側に配置される後席を互いに対向させる向きとなる座席対向配置に設定可能な車両に適用され、車室内を空調する空調機能を発揮する空調装置であって、
冷熱または温熱を生成する熱生成部と、
熱生成部によって生成された冷熱または温熱を乗員に提供することで乗員に冷熱感または温熱感を提供する熱提供部と、を備え、
熱提供部は、車両進行方向の前方側および後方側のそれぞれに同時に冷熱または温熱を提供可能に構成されており、前席よりも車両進行方向の後方側であって、且つ、後席よりも車両進行方向の前方側に配置される。
車両進行方向に沿って並んで配置される複数の座席のうち、最前列に配置される前席および前席よりも車両進行方向の後方側に配置される後席を互いに対向させる向きとなる座席対向配置に設定可能な車両に適用され、車室内を空調する空調機能を発揮する空調装置であって、
冷熱または温熱を生成する熱生成部と、
熱生成部によって生成された冷熱または温熱を乗員に提供することで乗員に冷熱感または温熱感を提供する熱提供部と、を備え、
熱提供部は、車両進行方向の前方側および後方側のそれぞれに同時に冷熱または温熱を提供可能に構成されており、前席よりも車両進行方向の後方側であって、且つ、後席よりも車両進行方向の前方側に配置される。
これによれば、空調装置は、前席および後席が座席対向配置となる場合において、前席に着座した乗員の正面側および後席に着座した乗員の正面側に向けて、同時に冷熱感または温熱感を提供することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1~図6を参照して説明する。本実施形態では、乗員Pが着座する座席10を備え、乗員Pの運転操作によらず、自動運転システムによって運転可能に構成された車両に空調装置1が適用される例について説明する。
本実施形態について、図1~図6を参照して説明する。本実施形態では、乗員Pが着座する座席10を備え、乗員Pの運転操作によらず、自動運転システムによって運転可能に構成された車両に空調装置1が適用される例について説明する。
空調装置1は、車両進行方向DRfrに沿って並んで配置される複数の座席10のうち、最前列に配置される前席11および前席11よりも車両進行方向DRfrの後方側に配置される後席12を備える車両に搭載されている。具体的には、図1に示すように、本実施形態の空調装置1は、最前列に配置された前席11である運転席11aおよび助手席11bと、運転席11aおよび助手席11bのそれぞれの後方側に1つずつ配置された後席12と、を備える車両に搭載されている。
本実施形態の空調装置1は、冷熱または温熱を生成する熱生成部30、乗員Pに冷熱感または温熱感を提供する熱提供部40、各種機器を制御する空調制御装置90を備えている。
前席11は、着座向きを回転させる座席回転機構22を有しており、座席回転機構22によって前席11の着座向きを変更可能に構成されている。
図2に示すように、座席回転機構22は、前席11の着座部20の車両上下方向DRudの下側に配置されており、前席11の回転を規制する回転ロック機構23が設けられている。前席11は、座席回転機構22の回転ロック機構23が解除されると着座向きを変更可能な状態となる。すなわち、図3および図4に示すように、本実施形態において、前席11は、回転ロック機構23を解除することで、着座向きを前席11の車両進行方向DRfrの後方側に設けられたそれぞれの後席12と向かい合うように変更することができる。
なお、車両に搭載された複数の座席10のうち、全ての座席10の着座向きが車両進行方向DRfrの前方方向となる状態を座席標準配置とも呼ぶ。また、車両に搭載された複数の座席10のうち、前席11および後席12が対向する状態を座席対向配置とも呼ぶ。すなわち、座席10は、前席11の座席回転機構22に設けられた回転ロック機構23を解除し、前席11を回転させることで、座席標準配置および座席対向配置に変更可能に構成されている。
ここで、座席対向配置とは、前席11の背もたれ部21の背面21bが表面21aよりも車両進行方向DRfrの前方側に位置し、且つ、後席12の背もたれ部21の背面21bが表面21aよりも後方側に位置する状態をいう。なお、車室内に複数の後席12が設けられている場合、座席対向配置は、複数の後席12のうち、少なくともいずれか1つの後席12において、背もたれ部21の背面21bが表面21aよりも後方側に位置する状態が含まれる。すなわち、座席対向配置には、前席11が複数の後席12の全てと対向する状態だけでなく、前席11が複数の後席12の一部と対向する状態も含まれる。
座席回転機構22は、座席10が座席標準配置の状態であるか座席対向配置の状態であるかを検出可能に構成されている。座席回転機構22は、空調制御装置90に接続されており、座席10の配置情報を空調制御装置90に送信可能に構成されている。
熱生成部30は、冷熱または温熱を生成するものである。空調装置1は、熱生成部30が生成した冷熱または温熱を後述する熱提供部40が乗員Pに提供することで空調機能を発揮する。
熱生成部30は、本実施形態において、熱生成部30に導入された空気の温度を所望の温度に調整することで冷熱または温熱である空調風を生成する空調ユニット31で構成されている。本実施形態において、冷熱とは、車室内の温度に比較して低い温度の空気である。また、温熱とは、車室内の温度に比較して高い温度の空気である。
また、空調ユニット31には、空気吹出口36に空調風を導くための図示しない吹出開口部および熱提供部40に空調風を導くための後述する熱提供開口部35が設けられている。さらに、空調ユニット31には、吹出開口部および熱提供開口部35の空気流れ上流側に空調風の吹出モードを変更する図示しないモード切替ドアが配置されている。空調ユニット31に収容されたモード切替ドアなどの各種機器は、空調制御装置90によって制御可能に構成されている。
本実施形態の空気吹出口36は、具体的には、インストルメントパネル3に配置されたデフロスタ吹出口36a、フェイス吹出口36b、フット吹出口36cで構成されている。
デフロスタ吹出口36aは、空調ユニット31が生成した空調風を車両前面に設けられた図示しない窓ガラスに向けて吹き出すための吹出口である。デフロスタ吹出口36aは、インストルメントパネル3において、車両の窓ガラス付近の表面に開口している。デフロスタ吹出口36aは、図示しないダクトを介して吹出開口部に接続されている。デフロスタ吹出口36aは、モード切替ドアの開閉によって、空調風の送風量を調整可能に構成されている。
フェイス吹出口36bは、空調ユニット31が生成した空調風を前席11の乗員Pの上半身に向けて吹き出すための吹出口である。図1および図2に示すように、フェイス吹出口36bは、インストルメントパネル3において、デフロスタ吹出口36aよりも車両進行方向DRfrの後方側の表面に開口している。フェイス吹出口36bは、図示しないダクトを介して吹出開口部に接続されている。フェイス吹出口36bは、モード切替ドアの開閉によって、空調風の送風量を調整可能に構成されている。
フット吹出口36cは、空調ユニット31が生成した空調風を前席11の乗員Pの下半身に向けて吹き出すための吹出口である。図1および図2に示すように、フット吹出口36cは、インストルメントパネル3の内側に開口している。フット吹出口36cは、吹出開口部に接続されている。フット吹出口36cは、モード切替ドアの開閉によって、空調風の送風量を調整可能に構成されている。
空調装置1は、空調制御装置90がモード切替ドアの開閉を制御することによって、空気吹出口36から吹き出す空調風の吹出モードを切り替え可能に構成されている。吹出モードは、例えば、空調風をデフロスタ吹出口36aから車両前面の窓ガラスに向けて吹き出すデフモード、フェイス吹出口36bから前席11の乗員Pの上半身に向けて吹き出すフェイスモードがある。また、吹出モードは、フット吹出口36cから前席11の乗員Pの下半身に向けて吹き出すフットモードがある。
なお、前席11は、座席回転機構22によって、着座向きを変更可能に構成されている。このため、空調装置1は、座席10が座席標準配置となる状態の場合に、フェイス吹出口36bから前席11の乗員Pの上半身に向けて、或いは、フット吹出口36cから前席11の乗員Pの下半身に向けて、空調風を吹き出すことが可能となっている。
熱提供開口部35は、空調ユニット31が生成した空調風を熱提供部40に向けて吹き出す開口部である。熱提供開口部35は、床下ダクト37を介して熱提供部40に接続されている。
床下ダクト37は、空調ユニット31が生成した空調風を熱提供部40に導入する空気流路を形成するダクトである。床下ダクト37は、空調ユニット31から車両進行方向DRfrの後方側に向かって延伸して形成されている。また、床下ダクト37は、車両の床下であって車両左右方向DRwの略中央に配置されている。床下ダクト37は、空気流れ上流側が熱提供開口部35に接続されており、下流側が熱提供部40に接続されている。
熱提供部40は、熱生成部30が生成した冷熱または温熱を乗員Pに提供することで乗員Pに冷熱感または温熱感を提供するものである。本実施形態において、熱提供部40は、空調ユニット31が生成した空調風を前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに向けて吹き出すことで前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに冷熱感または温熱感を提供するものである。熱提供部40は、熱提供開口部35の空気流れ上流側に配置されたモード切替ドアの開閉によって、熱提供部40から吹き出す空調風の送風量を調整可能に構成されている。
熱提供部40は、車両進行方向DRfrの前方側および後方側のそれぞれに同時に冷熱または温熱を提供可能に構成されており、前席11よりも車両進行方向DRfrの後方側であって、且つ、後席12よりも前方側に配置されている。
また、熱提供部40は、空調機能とは異なる機能を発揮する車両装備品41を兼ねて構成されている。具体的には、図5および図6に示すように、本実施形態において、車両装備品41は、天板部60および天板部60を支持する支持部50を有するテーブル41aである。すなわち、熱提供部40は、乗員Pが使用するテーブル41aとして機能を発揮可能なように、テーブル41aを兼ねて構成されている。
支持部50は天板部60を支持するものであって、円筒状に形成されており、支持部50の軸心である支持軸心SCLに沿って、車室内の床部38から車両上下方向DRudの上側に延伸して形成されている。支持部50は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた材料(例えば、ポリプロピレン)で構成されている。また、支持部50の内部には、床下ダクト37から導入された空調風を天板部60に導く空気流路である支持ダクト51が形成されている。
支持ダクト51は、支持軸心SCLに沿って、支持部50を車両上下方向DRudに貫通して形成されている。支持ダクト51は、空気流れ上流側が床下ダクト37に接続されており、下流側が天板部60に接続されている。
天板部60は、支持部50の車両上下方向DRudの上側に配置されるものであって、天板部60の上面の少なくとも一部に、水平方向に拡がる平坦部が形成されるものである。また、本実施形態において、天板部60は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが使用するテーブル41aの天板として機能するものである。
本実施形態において、天板部60は、板状の円柱形状で形成されている。天板部60は、天板部60の車両上下方向DRudの上側に配置される天板上面60a、天板上面60aに対面するように下側に配置される天板下面60b、天板部60の側面である天板側面60cで構成されている。
天板部60は、天板部60の軸心である天板軸心TCLが支持軸心SCLと同一線上になるように配置されている。また、天板部60の直径は、支持部50の直径に比較して大きく形成されている。天板部60の内部には、支持ダクト51から導入された空調風が流れる天板ダクト61が形成されている。また、天板側面60cには、天板ダクト61に導入された空調風を吹き出す天板吹出口62が設けられている。
天板ダクト61は、支持ダクト51を介して導入された空調風を天板吹出口62に導く空気流路である。天板ダクト61は、車両上下方向DRud(すなわち、垂直方向)に形成された垂直天板ダクト61aと水平方向に形成された2つの水平天板ダクト61bで構成されている。
垂直天板ダクト61aは、天板軸心TCLに沿って、天板下面60bから天板部60の車両上下方向DRudの略中央に形成されている。垂直天板ダクト61aは、空気流れ上流側が支持ダクト51に接続されており、下流側が水平天板ダクト61bに接続されている。
2つの水平天板ダクト61bは、天板軸心TCLを通るように水平方向に貫通して形成されている。また、2つの水平天板ダクト61bは、お互いが直交するように形成されている。2つの水平天板ダクト61bの両端側には、それぞれに天板吹出口62が接続されている。
天板吹出口62は、天板ダクト61から導入された空調風を前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに向けて吹き出すための吹出口である。図5に示すように、天板吹出口62は、座席10が座席対向配置となる場合において、天板吹出口62から吹き出される空調風が前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに向かって吹き出されるように天板側面60cに開口している。具体的には、座席10が座席対向配置となる場合において、天板吹出口62のうち、前席天板吹出口62aは、運転席11aおよび助手席11bのそれぞれに対向する位置に配置されている。また、天板吹出口62のうち、後席天板吹出口62bは、2つの後席12のそれぞれに対向する位置に配置されている。すなわち、天板吹出口62は、全ての座席10の乗員Pの正面側に空調風を吹き出すことが可能な位置に配置されている。
また、天板吹出口62は、車両上下方向DRudにおいて、天板吹出口62から吹き出される空調風が乗員Pの上半身に向けて吹き出し可能な位置に配置されている。例えば、天板吹出口62は、車両上下方向DRudの位置が座席10の背もたれ部21の略中央と同じ位置になるように配置される。
また、天板吹出口62には、図示しない吹出グリルが設けられている。天板吹出口62は、吹出グリルによって、天板吹出口62から吹き出される空調風の風量や風向きの調整が可能に構成されている。
続いて、空調制御装置90について説明すると、空調制御装置90は、プロセッサおよびメモリ等を含むマイクロコンピュータとその周辺回路で構成されている。空調制御装置90は、メモリに記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。なお、当該メモリは、非遷移的実体的記憶媒体である。
空調制御装置90は、その入力側に、図示しない種々の空調制御用のセンサが接続されている。空調制御用のセンサとしては、例えば、内気センサ、外気センサ、日射センサ、蒸発器から吹き出される空気の温度を検出する蒸発器温度センサ、車室内の温度を検出する車室内温度センサなどがある。
また、空調制御装置90の入力側には、座席回転機構22が接続されている。空調制御装置90には、座席回転機構22から送信される座席10の配置情報の信号が入力される。空調制御装置90は、座席回転機構22から送信される座席10の配置情報によって、座席10の状態を認識可能に構成されている。
また、空調制御装置90の入力側には、図示しない空調操作パネルが接続されている。空調制御装置90には、空調操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。空調操作パネルは、インストルメントパネル3の付近に配置されている。各種空調操作スイッチとしては、例えば、空調ユニット31を作動させる作動スイッチ、吹出モードを設定する吹出モード設定スイッチ、車室内の目標温度を設定する温度設定スイッチなどがある。
空調制御装置90は、その出力側に接続される各種制御機器を制御するソフトウェアおよびハードウェアが空調制御手段として一体に構成されている。なお、空調制御装置90は、出力側に接続された制御機器の一部が別体の制御手段として構成されていてもよい。
次に、本実施形態の空調装置1の作動について説明する。空調ユニット31は、空調操作パネルに設けられた作動スイッチがオンされると動作を開始する。そして、空調ユニット31が生成した空調風は、空気吹出口36または熱提供部40を介して吹き出される。すなわち、空調制御装置90は、空調操作パネルに設けられた作動スイッチがオンされると、空気吹出口36または熱提供部40から空調風が送風されるように空調ユニット31を制御する。
ここで、図1および図2に示すように、座席10が座席標準配置となっている場合、座席回転機構22は、座席10が座席標準配置の状態であることを検出し、座席10の配置情報を空調制御装置90に出力する。空調制御装置90は、座席回転機構22から座席10が座席標準配置である配置情報を受信すると、モード切替ドアの位置を制御することによって吹出開口部を開放状態にし、熱提供開口部35を閉鎖状態にする。
そして、空調ユニット31が生成した空調風は、空調ユニット31の内部に収容された送風機の回転によって、デフロスタ吹出口36a、フェイス吹出口36b、フット吹出口36cなどから吹き出される。例えば、吹出モードがデフモードの場合、空調ユニット31が生成した空調風は、図示しないダクトを介して、デフロスタ吹出口36aから車両前面の窓ガラスに向けて吹き出される。また、吹出モードがフェイスモードの場合、空調ユニット31が生成した空調風は、図示しないダクトを介して、フェイス吹出口36bから前席11の乗員Pの上半身に向けて吹き出される。また、吹出モードがフットモードの場合、空調ユニット31が生成した空調風は、フット吹出口36cから前席11の乗員Pの下半身に向けて吹き出される。空調制御装置90は、送風機の回転数を調整することによって、空気吹出口36から吹き出す空調風の風速を調整する。
一方、図3および図4に示すように、座席10が座席対向配置となっている場合、座席回転機構22は、座席10が座席対向配置の状態であることを検出し、座席10の配置情報を空調制御装置90に出力する。空調制御装置90は、座席回転機構22から座席10が座席対向配置である配置情報を受信すると、モード切替ドアの位置を制御することによって吹出開口部を閉鎖状態にし、熱提供開口部35を開放状態にする。
そして、空調ユニット31が生成した空調風は、空調ユニット31の内部に収容された送風機の回転によって、熱提供開口部35から床下ダクト37に吹き出される。床下ダクト37に導入された空調風は、熱提供部40の内部の支持ダクト51を介して天板ダクト61に導入される。天板ダクト61に導入された空調風は、前席天板吹出口62aから前席11の乗員Pの上半身に吹き出され、後席天板吹出口62bから後席12の乗員Pの上半身に吹き出される。
このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pの正面側へ同時に空調風を吹き出すことができる構成は、夏の気温が高い日や冬の気温が低い日に車両に乗り込んだ直後など、強い空調能力が必要になり易い場合に特に有効である。
また、本実施形態において、熱提供部40は、空調機能とは異なる機能を発揮する車両装備品41を兼ねて構成されている。これにより、空調装置1は、熱提供部40および車両装備品41が別体に構成されている場合に比較して、熱提供部40の設置スペースが確保され易くなる。
また、本実施形態において、車両装備品41は、天板部60および支持部50を有するテーブル41aである。すなわち、熱提供部40は、乗員Pが使用するテーブル41aとして機能を発揮することが可能に構成されている。また、天板部60は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに近接する位置に配置することができるため、前席11および後席12の乗員Pの周囲を効率よく空調することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、座席10の配置情報が座席回転機構22から空調制御装置90に送信されると、空調制御装置90がモード切替ドアを調整することで吹出開口部および熱提供開口部35を開閉する例について説明したが、これに限定されない。空調制御装置90は、例えば、乗員Pが操作する空調操作スイッチからの操作信号に基づいて、吹出開口部および熱提供開口部35を開閉可能に構成されていてもよい。
上述の第1実施形態では、座席10の配置情報が座席回転機構22から空調制御装置90に送信されると、空調制御装置90がモード切替ドアを調整することで吹出開口部および熱提供開口部35を開閉する例について説明したが、これに限定されない。空調制御装置90は、例えば、乗員Pが操作する空調操作スイッチからの操作信号に基づいて、吹出開口部および熱提供開口部35を開閉可能に構成されていてもよい。
また、上述の第1実施形態では、空調ユニット31がインストルメントパネル3の内側に配置されている例について説明したが、これに限定されない。空調ユニット31は、例えば、図7に示すように、車室内の床下であって、支持部50の車両上下方向DRudの下側に配置されていてもよい。
これによれば、空調装置1は、空調ユニット31をインストルメントパネル3の内側に配置する場合に比較して、床下ダクト37を短い構成にすることができる。また、空調装置1は、床下ダクト37を短い構成とすることで、空調風が床下ダクト37の内部を通過する際に発生する圧力損失や熱の損失を抑制することができる。
また、上述の第1実施形態では、空調装置1が全ての天板吹出口62から同時に空調風を吹き出すように構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、空調装置1は、空調制御装置90が天板吹出口62に設けられた吹出グリルの開閉を制御することによって、複数の座席10のうち、乗員Pが着座している座席10のみに向けて空調風を吹き出し可能に構成されていてもよい。
また、上述の第1実施形態では、天板部60が板状の円柱形状で形成されている例について説明したが、これに限定されない。天板部60は、例えば、車室内のスペースや使用用途などに合わせて適宜設計することが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8および図9を参照して説明する。本実施形態では、支持部50に支持吹出口52が追加して設けられている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第2実施形態について、図8および図9を参照して説明する。本実施形態では、支持部50に支持吹出口52が追加して設けられている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図8に示すように、本実施形態の支持ダクト51は、支持ダクト51の流路途中にある流路分岐部54で分岐しており、支持ダクト51に導入した空調風が分岐先の流路である分岐ダクト53に導入可能に構成されている。
分岐ダクト53は、支持ダクト51から導入された空調風が支持軸心SCLの径方向外側に向かって流れるように形成されている。また、分岐ダクト53は、内部を流れる空調風の向きが支持軸心SCLに対して傾斜しており、空調風が分岐ダクト53より車両上下方向DRudの上側に流れるように形成されている。分岐ダクト53は、空気流れ下流側に支持吹出口52が設けられている。
支持吹出口52は、支持ダクト51から導入された空調風を前席11および後席12の各乗員Pの下半身に向けて送風するための吹出口である。支持吹出口52は、支持吹出口52から吹き出される空調風が天板下面60bに衝突するように、支持吹出口52の開口方向が上向きに設定されている。具体的には、支持吹出口52の開口方向は、支持吹出口52から吹き出された空調風が天板下面60bに衝突後、前席11および後席12に着座した各乗員Pの下半身に向かって送風されるように設定されている。
なお、支持ダクト51には、分岐ダクト53に流れる空調風の流量を調整する支持切替部55が設けられている。支持切替部55は、回転軸を中心に回転する回転ドアで形成されており、回転位置によって分岐ダクト53に流れる空調風の流量を調整可能に構成されている。支持切替部55は、空調制御装置90に接続されており、空調制御装置90から送信される信号によって支持切替部55の回転位置が調整可能に構成されている。
例えば、支持切替部55が空調制御装置90によって分岐ダクト53を全閉する位置に調整されると、空調ユニット31が生成した空調風は、全て天板ダクト61を介して天板吹出口62から吹き出される。
また、支持切替部55が空調制御装置90によって分岐ダクト53を全開する位置に調整されると、空調ユニット31が生成した空調風は、全て分岐ダクト53を介して支持吹出口52から吹き出されるように構成されている。
具体的には、図8に示すように、空調装置1は、支持切替部55が分岐ダクト53を全閉している場合、空調風を天板吹出口62から前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pの上半身に向けて吹き出すことができる。また、図9に示すように、空調装置1は、支持切替部55が分岐ダクト53を全開している場合、空調風を支持吹出口52から天板下面60bに向けて吹き出すことができる。天板下面60bに向けて吹き出された空調風は、天板下面60bに衝突後、前席11および後席12に着座した各乗員Pの下半身に向かって送風される。
このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
なお、空調装置1は、主に空調装置1を冷房で使用する場合など、乗員Pの上半身に強い冷熱感を提供することが必要となり易い場合、乗員Pの上半身に向けて空調風を吹き出すことができる。また、空調装置1は、主に空調装置1を暖房で使用する場合など、乗員Pの下半身に強い温熱感を提供することが必要となり易い場合、乗員Pの下半身に向けて空調風を送風することができる。本実施形態において、支持吹出口52から吹き出される空調風は、天板下面60bに衝突させてから、乗員Pの下半身に向けて送風される。このため、空調装置1は、空調装置1を暖房で使用する場合、乗員Pの下半身近辺の空間全体を暖めることで乗員Pに下半身全体が暖められる快適感を提供することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態では、天板下面60bにガイド機構63が設けられている点が第2実施形態と相違している。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第3実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態では、天板下面60bにガイド機構63が設けられている点が第2実施形態と相違している。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図10に示すように、本実施形態の天板下面60bには、支持吹出口52から吹き出された空調風が天板部60の径方向外側に拡がることを抑制するガイド機構63が設けられている。
ガイド機構63は、天板下面60bの端部である下面端部63aであって、支持吹出口52に対向する位置に配置されている。ガイド機構63は、車両上下方向DRudの下側に向けて板状に延伸して形成されている。
これにより、支持吹出口52から天板下面60bに向けて吹き出された空調風は、ガイド機構63に衝突することで、天板下面60bの下面端部63aより天板軸心TCLの径方向外側への流れが抑制され、車両上下方向DRudの下側への流れが促進される。このため、天板下面60bに衝突した空調風は、ガイド機構63がない場合に比較して多くの空調風が乗員Pの下半身に向けて送風される。
すなわち、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、ガイド機構63がない場合に比較し、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに対して冷熱感または温熱感を充分に提供することができる。
また、空調装置1が暖房で使用される場合、支持吹出口52から吹き出された空調風は、天板下面60bの下面端部63aより天板軸心TCLの径方向外側への流れが抑制され、車両上下方向DRudの下側へ流れが促進されることで、上側への流れも抑制される。このため、空調装置1は、乗員Pの頭部のほてり感をなくし、且つ、乗員Pの下半身の温熱感を確保して乗員Pに頭寒足熱による快適感を提供することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態では、支持吹出口52から吹き出される空調風が乗員Pの下半身に向けて直接吹き出される点が第2実施形態と相違している。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第4実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態では、支持吹出口52から吹き出される空調風が乗員Pの下半身に向けて直接吹き出される点が第2実施形態と相違している。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図11に示すように、本実施形態の分岐ダクト53は、支持ダクト51から分岐ダクト53に導入された空調風が水平方向に流れるように形成されている。すなわち、支持吹出口52は、車両上下方向DRudにおける位置が、流路分岐部54と略同じ位置になるように配置されている。また、支持吹出口52は、車両上下方向DRudにおける位置が、座席10における着座面20aと略同じ位置になるように配置される。
本実施形態において、支持切替部55が空調制御装置90によって分岐ダクト53を全開する位置に調整されると、空調ユニット31が生成した空調風は、全て分岐ダクト53を介して支持吹出口52から吹き出される。支持吹出口52から水平方向に吹き出された空調風は、直接、前席11の乗員Pおよび後席12に着座した各乗員Pの下半身に吹き出される。
これにより、空調装置1は、空調制御装置90によって支持切替部55が全開となる位置に調整された場合、空調風を前席11の乗員Pおよび後席12に着座した各乗員Pの下半身に向けて直接、吹き出すことができる。このため、空調装置1は、空調風を天板下面60bに衝突させてから乗員Pの下半身に向けて送風する場合に比較して、乗員Pに対して冷熱感または温熱感を充分に提供することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図12および図13を参照して説明する。本実施形態では、乗員Pの足元に向けて空調風を吹き出すための床吹出口67が追加して設けられている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第5実施形態について、図12および図13を参照して説明する。本実施形態では、乗員Pの足元に向けて空調風を吹き出すための床吹出口67が追加して設けられている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図12に示すように、床下ダクト37は、空気流れ最下流側が、支持部50より車両進行方向DRfrの後方側であって、後席12の前方側まで延伸して形成されている。また、床下ダクト37は、流路途中で前席足元ダクト66aに分岐しており、最下流部分で後席足元ダクト66bに分岐している。
前席足元ダクト66aは、床下ダクト37の流路途中から運転席11aおよび助手席11bに向かって延伸して形成されている。具体的には、前席足元ダクト66aは、座席10が座席対向配置となる場合において、前席11の車両進行方向DRfrの後方側であって支持部50の前方側の部分から床下ダクト37に対して直交するように配置されている。
また、後席足元ダクト66bは、床下ダクト37の最下流部分から2つの後席12に向かって延伸して形成されている。具体的には、後席足元ダクト66bは、床下ダクト37の最下流側の部分から床下ダクト37に対して直交するように配置されている。
前席足元ダクト66aおよび後席足元ダクト66bの両端側には、床吹出口67が設けられている。なお、足元ダクト66には、足元ダクト66に流れる空調風の流量を調整する流路切替部が設けられていてもよい。
床吹出口67は、床下ダクト37に導入された空調風を前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pの足元に向けて吹き出すため吹出口である。図13に示すように、床吹出口67は、座席10が座席対向配置となる場合において、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pの足元となる位置の床部38に開口している。具体的には、前席11の乗員Pの足元となる床部38に配置された床吹出口67は、座席10が座席対向配置となる場合において、前席11の着座部20より車両進行方向DRfrの後方側であって、支持部50より前方側に配置されている。後席12の乗員Pの足元となる床部38に配置された床吹出口67は、後席12の着座部20より車両進行方向DRfrの前方側であって、支持部50より後方側に配置されている。
本実施形態において、床吹出口67から吹き出される空調風は、前席11の乗員Pおよび後席12に着座した各乗員Pの足元に吹き出される。
これにより、空調装置1は、前席11が車両後方側を向く座席対向配置となる場合に、空調風を前席11および後席12に着座した各乗員Pの上半身および足元に向けて吹き出すことができる。このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、図14および図15を参照して説明する。本実施形態では、天板部60に上面天板吹出口62cが追加されている点が第4実施形態と相違している。本実施形態では、第4実施形態と異なる部分について主に説明し、第4実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第6実施形態について、図14および図15を参照して説明する。本実施形態では、天板部60に上面天板吹出口62cが追加されている点が第4実施形態と相違している。本実施形態では、第4実施形態と異なる部分について主に説明し、第4実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図14に示すように、本実施形態の天板部60の内部に形成された垂直天板ダクト61aは、天板軸心TCLに沿って、天板部60を貫通して形成されている。垂直天板ダクト61aは、空気流れ上流側が支持ダクト51に接続されており、下流側が上面天板吹出口62cに接続されている。
上面天板吹出口62cは、天板ダクト61に導入された空調風を前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pの頭上に向けて吹き出すための吹出口である。上面天板吹出口62cは、天板上面60aの略中央に配置され、垂直天板ダクト61aと連通して形成されている。また、上面天板吹出口62cは、上面天板吹出口62cから吹き出された空調風が車両上下方向DRudの上側に向けて吹き出されるように形成されている。
天板ダクト61には、上面天板吹出口62cから吹き出す空調風の送風量を調整する上面切替部64と、前席天板吹出口62aおよび後席天板吹出口62bから吹き出す空調風の送風量を調整する側面切替部65と、が設けられている。上面切替部64および側面切替部65は、回転軸を中心に回転する回転ドアで形成されており、回転位置によってそれぞれの吹出口から吹き出す空調風の流量を調整可能に構成されている。上面切替部64および側面切替部65は、空調制御装置90に接続されており、空調制御装置90から送信される信号によって、上面切替部64および側面切替部65の回転位置が調整可能に構成されている。
例えば、側面切替部65が前席天板吹出口62aおよび後席天板吹出口62bを全開する位置に調整されると、天板ダクト61に導入された空調風は、全て前席天板吹出口62aおよび後席天板吹出口62bから吹き出される。また、側面切替部65が前席天板吹出口62aおよび後席天板吹出口62bを全閉する位置に調整され、上面切替部64が上面天板吹出口62cを全開する位置に調整されると、天板ダクト61に導入された空調風は、全て上面天板吹出口62cから吹き出される。
これにより、空調装置1は、支持切替部55が分岐ダクト53を全開する場合、空調風を支持吹出口52から乗員Pの下半身に向けて吹き出すことができる。また、空調装置1は、支持切替部55が分岐ダクト53を全閉し、側面切替部65が前席天板吹出口62aおよび後席天板吹出口62bを全開する場合、空調風を前席天板吹出口62aおよび後席天板吹出口62bから乗員Pの上半身に向けて吹き出すことができる。また、空調装置1は、支持切替部55と側面切替部65が分岐ダクト53、前席天板吹出口62a、後席天板吹出口62bを全閉し、上面切替部64が上面天板吹出口62cを全開する場合、空調風を上面天板吹出口62cから乗員Pの頭上に吹き出すことができる。
このため、空調装置1は、前席11が車両後方側を向く座席対向配置となる場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、空調風を吹き出すことができる。具体的には、図14に示すように、空調装置1は、空調風を前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pの上半身および下半身に加えて、頭上に向けて吹き出すことができる。このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
また、空調装置1は、上面天板吹出口62cから乗員Pの頭上に向けて空調風を吹き出す場合、乗員Pに直接、空調風が当たることによる不快感を抑制することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について、図16から図18を参照して説明する。本実施形態では、天板部60の位置が車両上下方向DRudに調整可能に構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第7実施形態について、図16から図18を参照して説明する。本実施形態では、天板部60の位置が車両上下方向DRudに調整可能に構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図16から図18に示すように、本実施形態の支持部50および支持ダクト51は、車両上下方向DRudの大きさが調整可能に構成されている。支持部50および支持ダクト51は、例えば、蛇腹状に構成されており、支持部50が車両上下方向DRudの上下に伸縮すると、それに伴い、支持ダクト51も上下に伸縮可能なように構成されている。なお、支持部50および支持ダクト51は、天板部60の位置が調整可能であれば、蛇腹状以外の構成でもよい。
支持部50が車両上下方向DRudの上下に伸縮すると、支持部50の上側に配置された天板部60は、支持部50の伸縮に伴い、位置が上下に調整される。図16に示すように、天板部60は、例えば、天板下面60bが背もたれ部21の上面21cより車両上下方向DRudの上側の位置であって、床部38から天板下面60bまでの距離がL1である第1天板位置に調整可能に構成されている。また、図17に示すように、天板部60は、天板下面60bが座席10の着座面20aより車両上下方向DRudの下側の位置であって、床部38から天板下面60bまでの距離がL2である第2天板位置に調整可能に構成されている。また、図18に示すように、天板部60は、天板下面60bが第1天板位置および第2天板位置の間の位置であって、床部38から天板下面60bまでの距離がL3である第3天板位置に配置可能に調整されている。なお、支持部50は、所望の大きさに調整可能に構成されており、天板部60を上述の位置だけではなく、所望の位置に調整可能に構成されていてもよい。
これにより、空調装置1は、支持部50によって天板部60の高さ位置が第1天板位置に配置された場合、空調風を天板吹出口62から乗員Pの頭上に向けて吹き出すことができる。また、空調装置1は、支持部50によって天板部60の高さ位置が第2天板位置に配置された場合、空調風を天板吹出口62から乗員Pの下半身に向けて吹き出すことができる。また、空調装置1は、支持部50によって天板部60の高さ位置が第3天板位置に配置された場合、空調風を天板吹出口62から乗員Pの上半身に向けて吹き出すことができる。
すなわち、空調装置1は、前席11が車両後方側を向く座席対向配置となる場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側であって、異なる高さに、空調風を吹き出すことができる。このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
さらに、空調装置1は、熱提供部40をテーブル41aとして使用する場合、テーブル41aの天板部60の高さを調整して使用することができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について、図19を参照して説明する。本実施形態では、支持部50が熱伝導性の良い材料で構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第8実施形態について、図19を参照して説明する。本実施形態では、支持部50が熱伝導性の良い材料で構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態の支持部50は、ポリプロピレンよりも熱伝導性がよい材料で構成されている。具体的には、支持部50は、例えば、ポリプロピレンよりも熱伝導性がよい金属材料(例えば、アルミ)で構成されている。なお、支持部50は、例えば、ポリプロピレンよりも熱伝導性がよい樹脂材料(例えば、ポリカーボネート)で構成されていてもよい。
これにより、空調ユニット31が生成した空調風は、支持ダクト51を通過する際に、空調風の冷熱または温熱を支持部50に伝えることで、支持部50を冷却または加熱する。また、支持ダクト51を通過した空調風は、天板ダクト61を介して天板吹出口62から吹き出される。
このため、空調装置1を冷房で使用した場合、空調装置1は、冷却された支持部50によって支持部50の周囲の空気を冷却し、且つ、天板吹出口62から冷却された空調風を吹き出すことができる。また、空調装置1を暖房で使用した場合、空調装置1は、加熱された支持部50から輻射熱を放射し、且つ、天板吹出口62から加熱された空調風を吹き出すことができる。
さらに、空調装置1は、乗員Pが冷却または加熱された支持部50に手や足などの体の一部を接触させることで、乗員Pが接触した部分に対して直接冷熱感または温熱感を提供することができる。
このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について、図20を参照して説明する。本実施形態では、床下ダクト37および支持ダクト51の内部にダクト仕切板56が配置されており、空調風が床下ダクト37および支持ダクト51を循環するように構成されている点が第8実施形態と相違している。本実施形態では、第8実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第9実施形態について、図20を参照して説明する。本実施形態では、床下ダクト37および支持ダクト51の内部にダクト仕切板56が配置されており、空調風が床下ダクト37および支持ダクト51を循環するように構成されている点が第8実施形態と相違している。本実施形態では、第8実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図20に示すように、本実施形態において、床下ダクト37および支持ダクト51の内部には、空気流路を仕切るためのダクト仕切板56が配置されている。このため、床下ダクト37および支持ダクト51の空気流路は、2つに分かれている。
具体的には、床下ダクト37は、ダクト仕切板56によって、空調ユニット31から導入される空調風を支持ダクト51まで導く往路床下ダクト37aおよび支持ダクト51から導入された空調風を空調ユニット31に戻す復路床下ダクト37bに仕切られている。
また、支持ダクト51は、ダクト仕切板56によって、支持ダクト51の内部が車両進行方向DRfrの前方側の流路および後方側の流路に仕切られている。ダクト仕切板56は、支持ダクト51の内部の前方側の流路および後方側の流路が支持ダクト51の車両上下方向DRudの最上部で連通可能なように、天板下面60bに対して所定の隙間を空けて配置されている。このため、往路床下ダクト37aから導入された空調風は、支持ダクト51の車両上下方向DRudの最上部まで流れ、天板下面60bに衝突し、復路床下ダクト37bに向かって流れる。
なお、本実施形態において、天板部60には、天板ダクト61および天板吹出口62が設けられていない。すなわち、本実施形態において、空調装置1は、天板部60から空調風が吹き出されないように構成されている。
これにより、空調ユニット31が生成した空調風は、往路床下ダクト37aを介して支持ダクト51の内部の前方側の流路に流れ、支持ダクト51の内部を車両上下方向DRudの上側に向かって流れる。支持ダクト51の内部の前方側の流路を流れる空調風は、天板下面60bに衝突後、支持ダクト51の内部の後方側の流路を車両上下方向DRudの下側に向かって流れ、復路床下ダクト37bに導入される。往路床下ダクト37aに導入された空調風は、空調ユニット31に導入される。すなわち、空調ユニット31から吹き出された空調風は、往路床下ダクト37a、支持ダクト51、復路床下ダクト37bと空調装置1の内部を循環して流れながら支持部50を冷却または加熱する。
そして、空調装置1を冷房で使用した場合、空調装置1は、冷却された支持部50によって支持部50の周囲の空気を冷却するができる。また、空調装置1を暖房で使用した場合、空調装置1は、加熱された支持部50から輻射熱を放射することができる。
このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、乗員Pに向けて空調風を吹き出すことなく、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。また、空調装置1は、乗員Pに向けて空調風を吹き出すことがないため、乗員Pに対して煩わしい送風感を与えることなく、自然な快適感を与えることができる。
さらに、空調装置1は、空調ユニット31が生成した空調風を空調装置1から吹き出すことなく内部を循環させることによって、空調ユニット31の負荷を抑制し、空調装置1の消費電力を抑制することができる。
(第9実施形態の変形例)
上述の第9実施形態では、空調ユニット31が生成した空調風が全て空調ユニット31に循環されるように構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、図21に示すように、天板部60に天板ダクト61および天板吹出口62が設けられて構成されていてもよい。
上述の第9実施形態では、空調ユニット31が生成した空調風が全て空調ユニット31に循環されるように構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、図21に示すように、天板部60に天板ダクト61および天板吹出口62が設けられて構成されていてもよい。
この場合、第6実施形態で説明したように、空調装置1は、天板ダクト61の内部に設けられた側面切替部65によって、天板吹出口62から吹き出す空調風の送風量を調整可能に構成されている。
これにより、空調装置1は、空調制御装置90が側面切替部65の位置を調整することで、空調ユニット31が生成した空調風を空調装置1の内部で循環させる循環モードおよび空調風を天板吹出口62から吹き出す吹出モードに切り替えることができる。このため、空調装置1は、冷却または加熱された支持部50、或いは、冷却または加熱された空調風によって、乗員Pに冷熱感または温熱感を提供するかを切り替えることができる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について、図22を参照して説明する。本実施形態では、座席10の数や向きが第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第10実施形態について、図22を参照して説明する。本実施形態では、座席10の数や向きが第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図22に示すように、本実施形態の空調装置1は、最前列に配置される1つの前席11および前席11よりも車両進行方向DRfrの後方側であって3列で構成される5つの後席12を備える車両に搭載されている。3列で構成される後席12は、車両進行方向DRfrの最前列に配置された2つの第1後席12a、第1後席12aのそれぞれの後方側に配置された2つの第2後席12b、第2後席12bの後方側に配置された1つの第3後席12cで構成されている。
本実施形態において、前席11は、背もたれ部21の背面21bが表面21aよりも前方側に設定可能に構成されている。また、第2後席12bおよび第3後席12cは、背もたれ部21の背面21bが表面21aよりも後方側に設定可能に構成されている。すなわち、座席10は、前席11が第2後席12bおよび第3後席12cと対向する座席対向配置に設定可能に構成されている。
例えば、前席11は、座席対向配置の状態で、天板部60を挟んで第3後席12cと向かい合う位置に配置可能に構成されている。また、第1後席12aは、天板部60を挟んで、車両左右方向DRwのそれぞれの反対側に位置する第2後席12bと向かい合う位置に配置可能に構成されている。
また、天板吹出口62は、座席10が座席対向配置となる場合において、天板吹出口62から吹き出される空調風が前席11、第1後席12a、第2後席12b、第3後席12cに着座する各乗員Pに向かって吹き出されるように天板側面60cに開口している。具体的には、天板吹出口62は、座席10が座席対向配置となる場合において、前席11、第1後席12a、第2後席12b、第3後席12cに対向する位置における天板側面60cに開口している。すなわち、天板吹出口62は、水平天板ダクト61bから導入された空調風を各座席10に着座する乗員Pの正面側に吹き出すことが可能な位置に配置されている。
本実施形態において、水平天板ダクト61bは、天板部60の内部に3つ形成されている。3つの水平天板ダクト61bは、天板軸心TCLを通るように水平方向に貫通して形成されており、それぞれの水平天板ダクト61bの両端側に天板吹出口62が接続されている。このため、支持ダクト51を介して天板ダクト61に導入された空調風は、各座席10に着座する乗員Pの正面側に向けて吹き出される。
これにより、空調装置1は、座席10が座席対向配置になった場合に、前席11の乗員Pの正面側および全ての後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について、図23および図24を参照して説明する。本実施形態では、天板部60が上板71および下板72で構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第11実施形態について、図23および図24を参照して説明する。本実施形態では、天板部60が上板71および下板72で構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図23に示すように、本実施形態において、天板部60は、車両上下方向DRudに並んで配置される上板71および下板72を有している。
上板71は、板状の円柱形状であって、車両上下方向DRudの上側に位置する上面部(以下、上板上面71a)および下側に位置する下面部(以下、上板下面71b)を含んで構成されている。
下板72は、板状の円柱形状であって、車両上下方向DRudの上側に位置する上面部(以下、下板上面72a)および下側に位置する下面部(以下、下板下面72b)を含んで構成されている。下板72の内部には、垂直天板ダクト61aが下板72を天板軸心TCLに沿って貫通して形成されている。垂直天板ダクト61aは、支持ダクト51から導入される空調風を上板71および下板72の間に導入するためのダクトである。
上板71および下板72は、略同じ大きさで形成されており、それぞれの軸心が支持軸心SCLと同一線上になるように配置されている。
また、図23に示すように、天板部60は、上板71を下板72で支持する支柱部73を有している。支柱部73は、円柱形状であって、車両上下方向DRudに所定の大きさに延伸して形成されている。支柱部73は、天板軸心TCLに直交するとともに車両進行方向DRfrに延びる仮想線上、および天板軸心TCLに直交するとともに車両左右方向DRwに延びる仮想線上に一対ずつ配置されている。
上板71および下板72は、支柱部73を挟むように構成されることで、上板下面71bおよび下板上面72aの間に垂直天板ダクト61aから導入される空調風が流れる隙間流路部74を形成する。隙間流路部74は、垂直天板ダクト61aに接続されており、垂直天板ダクト61aから隙間流路部74に導入された空調風を天板軸心TCLの径方向外側に向かって流すことが可能に構成されている。すなわち、隙間流路部74は、下板72の内部に形成される垂直天板ダクト61aと合わせて本実施形態における天板ダクト61を構成する。
また、支柱部73の直径は、支持部50の直径に比較して、小さく形成されており、各支柱部73の間を空調風が通過可能に構成されている。各支柱部73の間を通過した空調風は、上板下面71bの外縁部をなす上板下面端部75および下板上面72aの外縁部をなす下板上面端部76によって形成される天板開口部77から吹き出される。すなわち、上板下面端部75および下板上面端部76によって形成される天板開口部77は、本実施形態における天板吹出口62を構成する。
これにより、空調装置1は、図24に示すように、天板開口部77の周方向の全域から、天板軸心TCLの径方向外側に向けて空調風を吹き出すことができる。このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
また、天板部60は、上板下面71bおよび下板上面72aの間に隙間流路部74を構成することにより、天板部60の内部を貫通して水平天板ダクト61bを形成する場合に比較して、天板部60の構造を簡素化することができる。
(第11実施形態の変形例)
上述の第11実施形態では、上板71および下板72が所定の大きさの支柱部73を挟むように構成することで上板下面71bおよび下板上面72aの間に隙間流路部74が形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、図25に示すように、支柱部73は、車両上下方向DRudに伸縮可能に構成されており、上板下面71bおよび下板上面72aの間に形成される隙間流路部74の流路の大きさを調整可能に構成されていてもよい。
上述の第11実施形態では、上板71および下板72が所定の大きさの支柱部73を挟むように構成することで上板下面71bおよび下板上面72aの間に隙間流路部74が形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、図25に示すように、支柱部73は、車両上下方向DRudに伸縮可能に構成されており、上板下面71bおよび下板上面72aの間に形成される隙間流路部74の流路の大きさを調整可能に構成されていてもよい。
この場合、支柱部73は、例えば、図示しないアクチュエータによって、車両上下方向DRudに伸縮可能に構成されている。
これにより、空調装置1は、空調ユニット31の内部に配置された送風機の回転数を変更することなく、天板開口部77から吹き出す空調風を調整することができる。具体的には、空調装置1は、支柱部73を縮小し、隙間流路部74の大きさを小さくすることによって、天板開口部77から吹き出す空調風の風速を隙間流路部74が大きい場合に比較して速くすることができる。また、空調装置1は、支柱部73を延長し、隙間流路部74の大きさを大きくすることによって、天板開口部77から吹き出す空調風を隙間流路部74が小さい場合に比較して、車両上下方向DRudに拡散させることができる。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について、図26を参照して説明する。本実施形態では、空調ユニット31の内部に収容された送風機とは別に、隙間流路部74に遠心送風機78が追加されている点が第11実施形態と相違している。本実施形態では、第11実施形態と異なる部分について主に説明し、第11実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第12実施形態について、図26を参照して説明する。本実施形態では、空調ユニット31の内部に収容された送風機とは別に、隙間流路部74に遠心送風機78が追加されている点が第11実施形態と相違している。本実施形態では、第11実施形態と異なる部分について主に説明し、第11実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態において、上板下面71bおよび下板上面72aの間に形成された隙間流路部74には、遠心送風機78が配置されている。遠心送風機78は、例えば、内部のファンが回転することでファンの軸心に沿って空気を吸い込み、ファンの軸心の径方向外側に向けて空気を吹き出すシロッコファンで構成されている。遠心送風機78は、内部のファンが回転することで支持ダクト51および隙間流路部74に気流を発生させる。なお、遠心送風機78は、ターボファンで構成されていてもよい。
遠心送風機78は、ファンの軸心が支持軸心SCLと同一線上に配置されており、空気を吸い込む空気吸込み口が車両上下方向DRudの下側に配置されるように上板下面71bに取り付けられる。また、遠心送風機78は、吸い込んだ空気をファンの軸心の周方向の全域からファンの軸心の径方向外側に向けて送風可能に構成されている。
これにより、空調装置1は、天板開口部77の周方向の全域から天板軸心TCLの径方向外側に向けて空調風を吹き出すことができる。このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
また、空調装置1は、空調ユニット31に比較して、乗員Pの近くに位置する隙間流路部74に遠心送風機78が配置されている。このため、空調装置1は、空調ユニット31内にのみ送風機が配置される場合に比較して、乗員Pに対して冷熱感または温熱感を充分に提供することができる。
また、遠心送風機78は、乗員Pに対して近い位置に配置されているため、空調装置1は、天板開口部77から同じ風量を送風する場合であっても、空調ユニット31内の送風機の出力に比較して遠心送風機78の出力を抑制することができる。このため、空調装置1は、空調ユニット31内にのみ送風機が配置される場合に比較して、空調ユニット31の消費電力を抑制することができる。さらに、遠心送風機78は、乗員Pに対して近い位置に配置されているため、空調ユニット31内に配置された送風機に比較して、メンテナンス性がよい。
(第12実施形態の変形例)
上述の第12実施形態では、空調ユニット31の内部に収容された送風機とは別に、隙間流路部74に遠心送風機78が追加される例について説明したが、これに限定されない。例えば、空調装置1がインストルメントパネル3に空気吹出口36を配置しておらず、熱提供部40からのみ空調風が吹き出されるように構成されている場合、空調装置1は、隙間流路部74内にのみ、遠心送風機78が配置される構成でもよい。すなわち、空調装置1は、空調ユニット31内に送風機が配置されない構成でもよい。
上述の第12実施形態では、空調ユニット31の内部に収容された送風機とは別に、隙間流路部74に遠心送風機78が追加される例について説明したが、これに限定されない。例えば、空調装置1がインストルメントパネル3に空気吹出口36を配置しておらず、熱提供部40からのみ空調風が吹き出されるように構成されている場合、空調装置1は、隙間流路部74内にのみ、遠心送風機78が配置される構成でもよい。すなわち、空調装置1は、空調ユニット31内に送風機が配置されない構成でもよい。
これにより、空調装置1は、空調ユニット31の内部に送風機が配置される場合に比較して、空調ユニット31を小さくすることができる。
また、上述の第12実施形態では、上板下面71bおよび下板上面72aの間に形成された隙間流路部74に遠心送風機78を配置する例について説明したが、これに限定されない。例えば、空調装置1は、第1実施形態で示した水平天板ダクト61bの内部に遠心送風機78が配置されるように構成されていてもよい。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について、図27を参照して説明する。本実施形態では、下板72に車室内の空気である内気を導入するための内気導入穴79が形成されている点が第12実施形態と相違している。本実施形態では、第12実施形態と異なる部分について主に説明し、第12実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第13実施形態について、図27を参照して説明する。本実施形態では、下板72に車室内の空気である内気を導入するための内気導入穴79が形成されている点が第12実施形態と相違している。本実施形態では、第12実施形態と異なる部分について主に説明し、第12実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態において、下板下面72bには、内気を導入するための内気導入穴79が形成されている。内気導入穴79は、垂直天板ダクト61aの直径に比較して小さな穴であって、車両上下方向DRudに、下板72を貫通して形成されている。内気導入穴79は、遠心送風機78が回転することによって内気を導入可能なように、支持部50の外縁部より支持軸心SCLの径方向外側であって、遠心送風機78の空気吸込み口の外縁部よりファンの軸心の径方向内側に配置されている。なお、下板下面72bには、内気導入穴79に流れる空調風の流量を調整する流量調整機構が設けられていてもよい。
これにより、隙間流路部74に配置された遠心送風機78が回転すると、遠心送風機78は、内気導入穴79を介して内気を隙間流路部74に吸い込む。隙間流路部74に導入された内気は、支持ダクト51を介して隙間流路部74に導入された空調風と一緒に遠心送風機78の空気吸込み口から吸い込まれ、ファンの軸心の周方向の全域からファンの軸心の径方向外側に向けて吹き出される。
このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
また、空調装置1は、隙間流路部74に空調ユニット31から吹き出された空調風および内気を取り込むことができるため、内気導入穴79がない場合に比較して多くの空気を天板開口部77から吹き出すことができる。
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について、図28および図29を参照して説明する。本実施形態では、天板上面60aに情報機器部Tが設置されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第14実施形態について、図28および図29を参照して説明する。本実施形態では、天板上面60aに情報機器部Tが設置されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図28に示すように、本実施形態において、天板部60の天板上面60aには、乗員Pが使用する情報機器部Tが設置されている。すなわち、本実施形態において、車両装備品41は、天板部60および天板部60を支持する支持部50を有するテーブル41aであって、且つ、情報機器部Tが設置される機器設置台41bである。すなわち、熱提供部40は、乗員Pが使用するテーブル41aおよび情報機器部Tが設置される機器設置台41bを兼ねて構成されている。
図29に示すように、天板部60は、支持軸心SCL上に車両左右方向DRwの軸心を有する図示しない回転軸を中心に回転可能に構成されている。天板部60は、回転することによって、天板上面60aに設置された情報機器部Tが前席11の乗員Pまたは後席12の乗員Pに向かい合うことが可能に構成されている。
情報機器部Tは、入力部および出力部の少なくともいずれか一方を有し、入力部から車載機器への情報入力または出力部から乗員Pへの情報出力が可能に構成されている機器である。本実施形態において、情報機器部Tは、例えば、操作画面を有するタッチパネルで構成されており、操作画面に配置された空調操作スイッチを乗員Pが操作することで空調装置1を操作可能に構成されている。
なお、情報機器部Tは、操作画面にナビゲーション操作スイッチやオーディオ操作スイッチが配置されており、乗員Pの操作によって、図示しないナビゲーションシステムやオーディオシステムが操作可能に構成されていてもよい。また、情報機器部Tは、例えば、内部にマイクが配置されており、乗員Pが発する音声によって、車載機器を操作可能に構成されていてもよい。また、情報機器部Tは、入力部を有しておらず、車両情報や映像などを表示するための表示器で構成されていてもよく、音を出力するためのスピーカとして構成されていてもよい。
熱提供部40は、図28に示すように、天板部60の天板上面60aが水平に配置される場合(すなわち乗員Pが熱提供部40をテーブル41aとして使用する場合)、天板吹出口62から乗員Pの上半身に向けて空調風を吹き出すことができる。
また、熱提供部40は、図29に示すように、天板上面60aに設置された情報機器部Tが前席11の乗員Pまたは後席12の乗員Pに向かい合うように配置される場合、機器設置台41bとして機能を発揮可能に構成されている。さらに、熱提供部40は、天板吹出口62から乗員Pの下半身または頭上に向けて空調風を吹き出すことができる。
このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
また、本実施形態において、熱提供部40は、乗員Pが使用するテーブル41aおよび情報機器部Tが設置される機器設置台41bを兼ねて構成されている。これにより、乗員Pは、熱提供部40をテーブル41aおよび機器設置台41bとして使用することができる。
(第15実施形態)
次に、第15実施形態について、図30および図31を参照して説明する。本実施形態では、車両装備品41が機器設置台41bとしてのみ使用可能に構成されている点が第14実施形態と相違している。本実施形態では、第14実施形態と異なる部分について主に説明し、第14実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第15実施形態について、図30および図31を参照して説明する。本実施形態では、車両装備品41が機器設置台41bとしてのみ使用可能に構成されている点が第14実施形態と相違している。本実施形態では、第14実施形態と異なる部分について主に説明し、第14実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図30に示すように、本実施形態において、車両装備品41は、情報機器部Tが設置される機器設置部601および機器設置部601を支持する支持部50を有する機器設置台41bである。すなわち、熱提供部40は、乗員Pが使用する情報機器部Tが設置される機器設置台41bを兼ねて構成されている。
機器設置部601は、機器設置部601の表面または内部の少なくともいずれか一方に車載機器を設置するための機器設置部分を有するものである。
本実施形態において、機器設置部601は、略直方体形状であって、車両進行方向DRfrに対面する一対の設置部前面601aおよび設置部後面601bを含んで構成されている。機器設置部601は、設置部前面601aが前席11と対向し、設置部後面601bが後席12と対向するように配置されている。
図31に示すように、設置部前面601aおよび設置部後面601bは、車両左右方向DRwに延伸して形成されており、それぞれの車両上下方向DRudの中央より下側に空調風を吹き出す設置部吹出口621が設けられている。また、設置部前面601aおよび設置部後面601bには、設置部吹出口621の車両上下方向DRudの上側に情報機器部Tが設置されている。
機器設置部601の内部には、支持ダクト51から導入された空調風が流れる設置部ダクト611が形成されている。
設置部ダクト611は、支持ダクト51から導入された空調風を設置部吹出口621に導く空気流路である。設置部ダクト611は、車両上下方向DRudに延伸して形成される垂直部分および車両進行方向DRfrに貫通して形成される水平部分が接続されて構成されている。設置部ダクト611は、空気流れ上流側が支持ダクト51に接続されており、下流側が設置部吹出口621に接続されている。
設置部吹出口621は、座席10が座席対向配置となる場合において、機器設置部601における前席11および後席12に対向する位置に開口している。具体的には、設置部前面601aには、1つの前席設置部吹出口621aが運転席11aおよび助手席11bに対向するように車両左右方向DRwに拡がって配置されている。また、設置部後面601bには、1つの後席設置部吹出口621bが2つの後席12に対向するように車両左右方向DRwに拡がって配置されている。
前席設置部吹出口621aは、運転席11aの乗員Pおよび助手席11bの乗員Pに向けて同時に空調風を吹き出すことが可能に構成されている。また、後席設置部吹出口621bは、2つの後席12の乗員Pに向けて同時に空調風を吹き出すことが可能に構成されている。
本実施形態において、空調ユニット31が生成した空調風は、天板ダクト61を介して前席設置部吹出口621aおよび後席設置部吹出口621bから吹き出される。このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
また、本実施形態において、熱提供部40は、機器設置台41bを構成する支持部50および機器設置部601を有しており、乗員Pが車両装備品41を機器設置台41bとして使用可能に構成している。これにより、熱提供部40は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが使用する機器設置台41bとして機能を発揮することが可能に構成されている。
(第15実施形態の変形例)
上述の第15実施形態では、機器設置部601が略直方体形状であって、一対の設置部前面601aおよび設置部後面601bを含んで構成されている例について説明したが、これに限定されない。天板部60は、例えば、車室内のスペースや設置機器などに合わせて適宜設計することが可能である。
上述の第15実施形態では、機器設置部601が略直方体形状であって、一対の設置部前面601aおよび設置部後面601bを含んで構成されている例について説明したが、これに限定されない。天板部60は、例えば、車室内のスペースや設置機器などに合わせて適宜設計することが可能である。
(第16実施形態)
次に、第16実施形態について、図32を参照して説明する。本実施形態では、熱生成部30が輻射ヒータ80で構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
次に、第16実施形態について、図32を参照して説明する。本実施形態では、熱生成部30が輻射ヒータ80で構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態において、熱生成部30は、温熱を生成する輻射ヒータ80で構成されている。輻射ヒータ80は、給電されることによって発熱する発熱部81および発熱部81に電源を供給する図示しない電源部で構成されている。本実施形態において、温熱とは、発熱部81から放射される輻射熱である。また、本実施形態において、熱提供部40は、電源部から電力供給を受けることで発生する輻射熱を乗員Pに提供することで乗員Pに温熱感を提供する発熱部81で構成されている。なお、図32において、発熱部81を明確にするため、輻射ヒータ80に対してハッチングを付している。
発熱部81は、高い熱伝導率を有する材料によって膜状に形成されており、テーブル41aを構成する支持部50および天板部60に配置されている。
具体的には、発熱部81は、支持部50の表面上であって、車両上下方向DRudにおける所定の範囲の外周部に配置されている。支持部50に配置された発熱部81は、乗員Pの下半身を加熱可能な位置に配置されている。
また、発熱部81は、天板部60の天板下面60bおよび天板側面60cの全域に亘って配置されている。すなわち、天板下面60bに配置された発熱部81は、主に、乗員Pの大腿部を加熱可能な位置に配置されている。また、天板側面60cに配置された発熱部81は、乗員Pの上半身を加熱可能な位置に配置されている。
なお、発熱部81は、天板部60の天板下面60bおよび天板側面60cのいずれか一方や、天板部60の天板上面60aに配置されてもよい。また、発熱部81は、支持部50および天板部60のいずれか一方に配置されていてもよい。また、発熱部81は、支持部50または天板部60において、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに対向する位置にのみに配置されていてもよい。
本実施形態において、空調装置1の作動スイッチがオンされると、発熱部81は、電源部から電力供給されることによって発熱する。発熱部81は、前席11が車両後方側を向く座席対向配置となる場合に、発熱することによって発生する輻射熱を前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに向けて放射する。
これにより、空調装置1は、前席11が車両後方側を向く座席対向配置となる場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、輻射熱を放射することができる。このため、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、温熱感を提供することができる。
また、空調装置1は、乗員Pに向けて空調風を吹き出すことなく、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに温熱感を提供することができる。このため、空調装置1は、乗員Pに対して煩わしい送風感を与えることなく、自然な快適感を与えることができる。
(第16実施形態の変形例)
上述の第16実施形態では、熱生成部30が、給電されることによって発熱する発熱部81および発熱部81に電源を供給する電源部で構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、熱生成部30は、支持部50や天板部60の内部に温水や冷媒などが循環されるように構成されており、支持部50や天板部60が温水や冷媒によって加熱されるように構成されていてもよい。
上述の第16実施形態では、熱生成部30が、給電されることによって発熱する発熱部81および発熱部81に電源を供給する電源部で構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、熱生成部30は、支持部50や天板部60の内部に温水や冷媒などが循環されるように構成されており、支持部50や天板部60が温水や冷媒によって加熱されるように構成されていてもよい。
この場合、支持部50や天板部60の内部には、温水や冷媒が循環可能な配管が配置される。そして、温水や冷媒が配管を流れることによって加熱された支持部50や天板部60は、乗員Pに向けて輻射熱を放射可能に構成される。
温水は、例えば、エンジンで加熱されるエンジン冷却水で構成されていてもよい。また、冷媒は、例えば、空調ユニット31で加熱される冷媒で構成されていてもよい。
これにより、空調装置1は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pが向かい合わせになった場合に、前席11の乗員Pの正面側および後席12の乗員Pの正面側へ同時に、温熱感を提供することができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、空調装置1が、前席11の着座向きを変更可能に構成されている車両に搭載されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、空調装置1は、座席10が座席対向配置に固定されている車両に搭載されていてもよい。この場合、座席10には、座席回転機構22が設けられなくてもよい。
また、上述の実施形態では、空調装置1が自動運転システムによって自動運転可能に構成された車両に適用される例について説明したが、これに限定されない。例えば、空調装置1は、乗員Pの運転操作によって走行可能に構成されている車両に適用されてもよい。
また、上述の実施形態では、熱提供部40が空調機能とは異なる機能を発揮する車両装備品41を兼ねている例について説明したが、これに限定されない。例えば、熱提供部40は、空調機能を発揮する専用の機器を構成し、他の車両装備品41を兼ねていないものでもよい。
また、上述の実施形態では、車両装備品41がテーブル41aおよび機器設置台41bである例について説明したが、これに限定されない。例えば、車両装備品41は、テーブル41aおよび機器設置台41b以外のものでもよい。
また、上述の実施形態では、空調ユニット31が、前席11の着座向きを変更可能に構成されている車両に搭載されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、空調ユニット31は、前席11の乗員Pおよび後席12の乗員Pに冷熱感または温熱感を提供可能であることに加えて、車室内の空気に芳香を提供し、または空気を加湿し、または空気を清浄することが可能に構成されていてもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空調装置1は、前席および後席を互いに対向させる向きとなる座席対向配置に設定可能な車両に適用され、車室内を空調する空調機能を発揮するものである。空調装置は、冷熱または温熱を生成する熱生成部と、熱生成部によって生成された冷熱または温熱を乗員に提供することで乗員に冷熱感または温熱感を提供する熱提供部と、を備える。熱提供部は、車両進行方向の前方側および後方側のそれぞれに同時に冷熱または温熱を提供可能に構成されており、前席よりも車両進行方向の後方側であって、且つ、後席よりも車両進行方向の前方側に配置される。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空調装置1は、前席および後席を互いに対向させる向きとなる座席対向配置に設定可能な車両に適用され、車室内を空調する空調機能を発揮するものである。空調装置は、冷熱または温熱を生成する熱生成部と、熱生成部によって生成された冷熱または温熱を乗員に提供することで乗員に冷熱感または温熱感を提供する熱提供部と、を備える。熱提供部は、車両進行方向の前方側および後方側のそれぞれに同時に冷熱または温熱を提供可能に構成されており、前席よりも車両進行方向の後方側であって、且つ、後席よりも車両進行方向の前方側に配置される。
第2の観点によれば、熱提供部は、空調機能とは異なる機能を発揮する車両装備品を兼ねている。
これによると、空調装置は、熱提供部および車両装備品が別体に構成されている場合に比較して、熱提供部の設置スペースが確保され易くなる。
第3の観点によれば、車両装備品は、天板部および天板部を支持する支持部を有するテーブルである。
これによると、熱提供部は、前席の乗員および後席の乗員が使用するテーブルとして機能を発揮することが可能に構成されている。また、天板部は、前席の乗員および後席の乗員に近接する位置に配置することができるため、前席および後席の乗員を効率よく空調することができる。
第4の観点によれば、熱生成部は、車室内の温度と異なる温度の空調風を生成する空調ユニットで構成されている。また、天板部は、車室内に向けて空調風を吹き出す天板吹出口および空調風を天板吹出口に導く空気流路である天板ダクトを有している。また、支持部は、空調風を天板ダクトに導く空気流路である支持ダクトを有している。
これによると、空調装置は、前席の乗員および後席の乗員が向かい合わせになった場合に、天板吹出口から前席の乗員および後席の乗員に同時に空調風を吹き出すことができる。このため、空調装置は、前席の乗員の正面側および後席の乗員の正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
第5の観点によれば、天板部は、車両上下方向に並んで配置される上板および下板と、上板および下板の間に隙間が形成されるように上板を下板で支持する支柱部と、を有している。天板ダクトは、上板の下面部である上板下面および下板の上面部である下板上面とで形成される隙間流路部を含んでいる。天板吹出口は、上板下面の外縁部をなす上板下面端部と下板上面の外縁部をなす下板上面端部によって形成される開口部で構成されている。
これによると、空調装置は、開口部の周方向の全域から天板軸心の径方向外側に向けて空調風を吹き出すことができる。このため、空調装置は、前席の乗員および後席の乗員が向かい合わせになった場合に、前席の乗員の正面側および後席の乗員の正面側へ同時に、冷熱感または温熱感を提供することができる。
また、天板部は、上板下面および下板上面の間に隙間流路部を構成することにより、天板部の内部を貫通して水平天板ダクトを形成する場合に比較して、天板部の構造を簡素化することができる。
Claims (5)
- 車両進行方向に沿って並んで配置される複数の座席(10)のうち、最前列に配置される前席(11)および前記前席よりも前記車両進行方向の後方側に配置される後席(12)を互いに対向させる向きとなる座席対向配置に設定可能な車両に適用され、車室内を空調する空調機能を発揮する空調装置であって、
冷熱または温熱を生成する熱生成部(30)と、
前記熱生成部によって生成された前記冷熱または前記温熱を乗員(P)に提供することで前記乗員に冷熱感または温熱感を提供する熱提供部(40)と、を備え、
前記熱提供部は、前記車両進行方向の前方側および後方側のそれぞれに同時に前記冷熱または前記温熱を提供可能に構成されており、前記前席よりも前記車両進行方向の後方側であって、且つ、前記後席よりも前記車両進行方向の前方側に配置される空調装置。 - 前記熱提供部は、前記空調機能とは異なる機能を発揮する車両装備品(41)を兼ねている請求項1に記載の空調装置。
- 前記車両装備品は、天板部(60)および前記天板部を支持する支持部(50)を有するテーブル(41a)である請求項2に記載の空調装置。
- 前記熱生成部は、前記車室内の温度と異なる温度の空調風を生成する空調ユニット(31)で構成され、
前記天板部は、前記車室内に向けて前記空調風を吹き出す天板吹出口(62)および前記空調風を前記天板吹出口に導く空気流路である天板ダクト(61)を有し、
前記支持部は、前記空調風を前記天板ダクトに導く空気流路である支持ダクト(51)を有する請求項3に記載の空調装置。 - 前記天板部は、車両上下方向に並んで配置される上板(71)および下板(72)と、前記上板および前記下板の間に隙間が形成されるように前記上板を前記下板で支持する支柱部(73)と、を有しており、
前記天板ダクトは、前記上板の下面部である上板下面(71b)および前記下板の上面部である下板上面(72a)とで形成される隙間流路部(74)を含み、
前記天板吹出口は、前記上板下面の外縁部をなす上板下面端部(75)と前記下板上面の外縁部をなす下板上面端部(76)によって形成される天板開口部(77)で構成される請求項4に記載の空調装置。
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2020
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