JP2011073606A - 小型船舶 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和装置によって状態調整された空気をデッキ上の外部空間に供給することができる小型船舶を提供する。
【解決手段】小型船舶1は、外部空間12に開放された上デッキ18を有する船体2と、船体2に備えられたエアコンユニット30と、上デッキ18に配置された吹き出し口50と、エアコンユニット30によって調整された空気を吹き出し口50へと導く第1送風ダクト46と、第1送風ダクト46の途中に配置され、吹き出し口50から入り込んだ水を第1送風ダクト46外に排水する水抜き構造とを含んでいる。
【選択図】図3

Description

この発明は、小型船舶に関する。小型船舶とは、総トン数20トン未満の船舶をいう。ただし、総トン数が20トン以上の船舶であっても、長さが20メートル未満であるものは小型船舶に含まれるものとする。この発明が適用される小型船舶は、主として、スポーツまたはレクリエーションに用いられるもの、すなわち、レジャー用の小型船舶である。
小型船舶の船体は、たとえば、キャビン(客室)と、デッキとを含む。小型船舶には、空気調和装置が備えられる場合がある(たとえば、下記特許文献1参照)。小型船舶の空気調和装置は、通常、キャビン内に配置された熱交換器(室内機)と、キャビン外に配置された熱交換器(室外機)とを含み、これらの熱交換器を熱媒流体が循環するようになっている。たとえば、冷房時、キャビン内の熱交換器は、熱媒流体が気化することでキャビン内の空気から熱を奪い、キャビン内の空気を冷却する。このとき、キャビン外の熱交換器は、熱媒流体を凝縮させることにより熱媒流体が熱を放出する。
特開2008−165583号公報
小型船舶のための空気調和装置は、一般に、キャビン内の空気の状態を整えるために設計されている。したがって、キャビン外のデッキ上では、乗員は外部空間の空気に晒されるから、気温や湿度によっては、不快感に堪えなければならない。この不快感を和らげることができれば、とくにレジャー用途の小型船舶の快適性を向上できるので、小型船舶の魅力を増大することができる。
陸上で使用される空気調和装置の中には、開放された空間で使用される屋外の空気調和装置がある。しかし、この型の空気調和装置は、雨水にさらされることのない屋外空間、すなわち、屋根のある場所での使用を前提としている。可搬型の空気調和装置であれば、屋根のない空間での使用も可能であるけれども、降雨時には、雨のかからない場所に保管する必要がある。
小型船舶のデッキ上は、むろん、雨水に晒されるうえに、航走時の波しぶきにも晒される。したがって、前述のような屋外型の空気調和装置は、小型船舶のデッキでの使用には到底堪えることができない。
そこで、この発明の目的は、空気調和装置によって状態調整された空気をデッキ上の外部空間に供給することができる小型船舶を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、外部空間に開放されたデッキを有する船体と、前記船体に備えられた空気調和装置と、前記デッキに配置された吹き出し口と、前記空気調和装置によって調整された空気を前記吹き出し口へと導く第1送風路と、前記第1送風路の途中に配置され、前記吹き出し口から入り込んだ水を前記送風路外に排水する水抜き構造とを含む、小型船舶である。
この構成によれば、空気調和装置によって調整された空気は、第1送風路を通って吹き出し口に送られ、吹き出し口からデッキに吹き出される。これにより、デッキ上の外部空間に、空気調和装置で調整された空気を供給することができる。したがって、デッキ上の外部空間をより快適な空間にすることができる。これにより、小型船舶の快適性を高めることができるから、小型船舶の魅力を増大できる。
一方、吹き出し口は、外部空間に開放されたデッキに配置されていることから、雨水、海水その他の水が吹き出し口から第1送風路内に入りやすい。第1送風路に水が溜まったままだと、たとえば、第1送風路に設けられる送風ブロワのモータなどの電装品が水に浸かり、故障する恐れがある。そこで、この発明では、吹き出し口から第1送風路に入り込んだ水が、水抜き構造によって第1送風路から排出されるようになっている。これにより、第1送風路内に水が溜まることを抑制できる。したがって、前記電装品などが水に浸かることによる故障を抑制することができる。このようにして、デッキ上の外部空間での使用に堪える送風路構造を提供できるから、デッキ上の外部空間へと、空気調和装置からの調整された空気を供給できる。
前記空気調和装置による空気の調整の態様は、冷却、加熱、除湿、および清浄のいずれ1一つまたは任意の2つ以上の組み合わせであってもよい。たとえば、空気調和装置が空気を冷却するときは、冷却された空気が吹き出し口からデッキに吹き出される。これにより、夏季には、暑く湿度の高い外気と冷風とがデッキ上で混合される。その結果、さわやかな涼風の中にいるときのような快適感を乗員に与えることができる。たとえば、空気調和装置が空気を加熱するときは、加熱された空気が吹き出し口からデッキに吹き出される。これにより、冬季には、冷たい外気と温風とがデッキ上で混合される。その結果、乗員に暖かい空気を供給できるから、快適性を増すことができる。たとえば、空気調和装置が空気を除湿するときは、除湿された空気が吹き出し口からデッキに吹き出される。これにより、雨季などに、湿度の高い外気と乾燥した空気とがデッキ上で混合される。その結果、デッキ上の外気の湿度を低くできるので、さわやかな空気の中にいるときのような快適感を乗員に与えることができる。たとえば、空気調和装置が空気を脱臭などによって清浄するときは、清浄された空気が吹き出し口からデッキに吹き出される。これにより、外気と清浄された空気とがデッキ上で混合される。その結果、臭いの少ないさわやかな空気の中にいるときのような快適感を乗員に与えることができる。
前記水抜き構造は、第1送風路に貫通形成された水抜き孔であってもよい。このような水抜き孔は、第1送風路に容易に形成することができる。また、第1送風路内の水を自重で自然に排水できるので、ポンプなどを用いて第1送風路から水を汲み出す必要が無い。したがって、水抜き構造を簡単にすることができる。
前記小型船舶の具体例は、クルーザ、釣り船、ウォータージェット、水上滑走艇(watercraft)を含む。
請求項2記載の発明は、前記船体は、外部空間から仕切られた内部空間を形成するキャビンをさらに含み、前記空気調和装置は、前記キャビン内の空気と熱交換する熱交換器を含み、前記小型船舶は、前記熱交換器で熱交換された空気を前記キャビンの内部空間に向けて送風する第2送風路をさらに含み、前記第1送風路は、前記第2送風路の途中から前記吹き出し口へと分岐している、請求項1記載の小型船舶である。
この構成により、キャビン内の温度調整をすることができ、かつ、吹き出し口からデッキに吹き出される空気の温度調整を行うことができる。これにより、キャビン内の雰囲気を快適にでき、かつ、デッキ上の雰囲気を快適にできる。また、キャビン内の空気のための熱交換器と、デッキに吹き出し口から吹き出される空気のための熱交換器とが同じであるので、熱交換器の数が少なくて済む。これにより、空気調和装置の配置スペースが少なくて済む。配置スペースの制約が多い小型船舶において、配置スペースを少なくできる効果は大きい。
さらに、キャビン内の空気を熱交換器で熱交換する構成であるので、熱交換器によって既に熱交換されたキャビン内の空気を再度、熱交換器によって熱交換することができる。このように、所望の温度に近い温度になったキャビン内の空気を再度熱交換することができるので、より所望の温度に近い温度の快適な空気を、第1送風ダクトを介して吹き出し口からデッキ上に吹き出すことができる。しかも、このとき、熱交換器で熱交換する熱量が少なくて済む結果、空気調和装置の消費エネルギーが少なくて済む。小型船舶は、一般的に電力の余裕が少ないので、空気調和装置の消費エネルギーが少なくて済む効果は大きい。
請求項3記載の発明は、前記第1送風路に配置され、前記吹き出し口に向けて送風するブロワをさらに含み、前記水抜き構造が、前記ブロワと前記吹き出し口との間に配置されている、請求項1または2記載の小型船舶である。
この構成により、ブロワによって、第1送風路内の空気を確実に吹き出し口に送風することができる。これにより、吹き出し口からの風量を大きくできるので、デッキ上に快適な空気をより多く送ることができる。さらに、ブロワによって十分な風量が確保されているので、第1送風路の圧損が大きくてもよく、第1送風路を長くすることができる。これにより、吹き出し口の配置の自由度を高めることができる。その結果、吹き出し口からの風をより快適に感じることのできる位置に吹き出し口を配置することができる。このような位置の一例は、デッキに配置された操船ステーションである。より具体的には、ダッシュボードと運転席との間の領域のいずれかの位置に吹き出し口を配置できる。また、運転席後方にゲストシートを設け、このゲストシートの近くにテーブルが固定されていてもよい。この場合、このテーブルに吹き出し口を配置してもよい。より具体的には、テーブルの天板側面部に吹き出し口が配置されていてもよい。
水抜き構造が、ブロワと吹き出し口との間に配置されているから、吹き出し口から浸入した水は、ブロワに到達する前に、水抜き構造によって第1送風路から排水される。これにより、ブロワを駆動するモータに水が溜まることを抑制できるので、ブロワの故障を抑制できる。
請求項4記載の発明は、前記空気調和装置の運転中に前記ブロワを運転または停止させるために操作者によって操作されるブロワスイッチをさらに含む、請求項3記載の小型船舶。である。
この構成により、ブロワスイッチをオンにすることで、ブロワを運転することができる。これにより、第2送風路から第1送風路を通って吹き出し口に向かう風を強制的に生じさせることができる。したがって、吹き出し口から吹き出される風量を大きくできる。たとえば、ブロワを運転することで、吹き出し口から吹き出される風量とキャビン内に吹き出される風量とが略同じになるようにしてもよい。一方、ブロワスイッチをオフにすることで、ブロワを停止することができる。これにより、第2送風路から第1送風路を通って吹き出し口に向かう風量を小さく(たとえばゼロに)できる。それに応じて、キャビン内に送られる風量を大きくできる。このように、ブロワの運転と停止とにより、吹き出し口への送風量を変更することができるので、必要な箇所により多くの調整された空気を吹き出すことができる。
請求項5記載の発明は、前記吹き出し口を開閉する開閉手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の小型船舶である。
この構成により、吹き出し口から調整された空気を吹き出さないときには、開閉手段によって吹き出し口を閉じておくことができる。たとえば、ブロワの運転を停止し、かつ、吹き出し口を閉じておけば、熱交換器で調整された空気の略全てをキャビン内に送風することができる。これにより、キャビン内への送風量を大きくできるので、キャビン内の空気の調整を迅速にできる。また、キャビン内の空気を循環させることができるので、空気調和装置に同じ空気を循環させることができる。したがって、空気調和装置の消費エネルギーを少なくすることができる。
請求項6記載の発明は、前記第1送風路は、下方に凹んだ凹状部を有しており、前記凹状部に前記水抜き構造が配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の小型船舶である。
この構成により、吹き出し口から第1送風路内に浸入した水は、凹状部に溜まる。凹状部に溜まった水を水抜き構造によって第1送風路から排出することができる。このように、吹き出し口から浸入した水を、水抜き構造が配置された凹状部に集めることができるので、第1送風路内の水を水抜き構造で確実に排水することができる。
請求項7記載の発明は、前記水抜き構造は、船内空間を通って船外に至るように配置された排水路を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の小型船舶である。この構成により、第1送風路に溜まった水を、排水路を通して船外に排出することができる。排水路が船内空間に通されているので、船舶の外観が損なわれない。
請求項8記載の発明は、前記吹き出し口からの吹き出し風量を変更する風量変更手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の小型船舶である。この構成により、たとえば、船舶の航行状態や、天候などの種々の条件に応じて、吹き出し口からの吹き出し風量を変更することができる。したがって、乗員が最も快適と感じることのできる態様で吹き出し口から風を吹き出すことができる。
請求項9記載の発明は、前記小型船舶の速度を検出する速度検出手段をさらに含み、前記風量変更手段は、前記速度検出手段によって検出される速度に応じて前記吹き出し風量を変更する風量制御手段を含む、請求項8記載の小型船舶である。
前記吹き出し風量の変更は、ブロワの送風量を変更することにより行われてもよい。
風量制御手段は、たとえば、船速が遅いときは吹き出し風量を少なくし、船速が速いときは吹き出し風量を大きくしてもよい。これにより、船舶の航行によって乗員に当たる風(航行風)の強さに応じて、吹き出し口からの風量を変更することができる。これにより、船速が低いときに吹き出し口からの風が乗員に過剰に当たることを抑制することができる。その結果、吹き出し口からの風によって乗員に不快感を与えることを抑制することができる。また、船速が高いときに吹き出し口から十分な量の風を吹き出すことにより、吹き出し口からの風と航行風とを適切な混合比で混合できる。これにより、乗員に爽快感を与えることができる。
また、この構成は、空気調和装置の電力が、小型船舶のエンジンによって駆動される発電機に依存している場合には、別の観点からも有利である。すなわち、船速が低いとき(エンジンの回転速度が低いとき)の発電量は少なく、船速が高いとき(エンジンの回転速度が高いとき)の発電量は多い。そこで、船速に応じて風量を変更すると、概ね発電量に応じて風量を変更できる。これにより、一般的に発電容量の少ない発電機を搭載している小型船舶において、その発生電力を効率よく使用することができる。
請求項10記載の発明は、前記吹き出し口からの吹き出し風向を変更する風向変更手段をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の小型船舶である。
この構成により、たとえば、船舶の航行状態や、天候などの種々の条件に応じて、吹き出し口からの吹き出し風向を変更することができるので、乗員が最も快適と感じることのできる態様で吹き出し口から風を吹き出すことができる。
風向変更手段は、たとえば、上下方向に風向を変更するように構成されていてもよい。この構成により、たとえば、吹き出し口からの吹き出し風向を、船速が低いときに乗員に向かう方向とし、船速が高いときに乗員に向かう方向よりも上向きにすることができる。このように風向を変更すると、船速が低いときは、吹き出し口から吹き出された風は、略吹き出し口から真っ直ぐに乗員に当たる。一方、船速が高いときは、吹き出し口から上向きに吹き出された風は、航行風と混ざって、より水平に近い向きに方向を変えて乗員に達する。その結果、船速に拘らず、吹き出し口からの風を乗員の一定箇所(たとえば、首周辺)に当てることができる。これにより、吹き出し口からの風が乗員に当たる箇所を略一定にできるので、乗員の快適感を高くすることができる。
請求項11記載の発明は、前記小型船舶の速度を検出する速度検出手段をさらに含み、前記風向変更手段は、前記速度検出手段によって検出される速度に応じて前記吹き出し風向を変更する風向制御手段を含む、請求項10記載の小型船舶である。
このように、前記速度検出手段によって検出される速度に応じて前記吹き出し風向を変更する風向制御手段を設けることで、風向を自動的に変更できる。これにより、たとえば、前述のように、船速に拘らず、吹き出し口からの風を乗員の一定箇所(たとえば、首周辺)に当てることができる。
請求項12記載の発明は、前記吹き出し口からの吹き出し風向は、前記デッキの床面に対して45度以上の仰角をなす方向にすることが可能とされている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の小型船舶である。
たとえば、航行時において、デッキの床面に対して45度以上の仰角をなす方向であって、後方に向かう方向に、吹き出し風向が設定されることが好ましい。
この構成により、吹き出し口から吹かれた風と、航行風とを適切に混合することができる。これにより、乗員に、空気調和装置で調整された空気が当たることによる爽快感と、航行風が当たることによる爽快感の両方を与えることができるので、爽快感にあふれた空気の中に居るように感じさせることができる。
たとえば、吹き出し口から吹かれる風が、熱媒体の気化により空気を冷却する気化器を含む熱交換器で冷却された冷風である場合、この風は、熱交換器での結露によって、湿度が下がっている。この低湿度の風を航行風と混合することにより、航行風が含む不快な臭い(たとえば磯臭さ)を緩和することができるので、乗員の爽快感をより一層増すことができる。
また、たとえば、停船時には、吹き出し口からの吹き出し風向は、デッキの床面に対して45度未満の仰角をなす方向にすることが好ましい。これにより、停船時に乗員の顔や首に向けて吹き出し口からの風を当てることができる。したがって、停船時にも、乗員に、空気調和装置で調整された空気を当てることができる。
請求項13記載の発明は、前記デッキに配置された操船ステーションと、前記操船ステーションの前方部に配置されたウィンドシールドとをさらに含み、前記吹き出し口が、前記操船ステーションにおいて、前記ウィンドシールドが取り付けられる取り付け部よりも後方に配置されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の小型船舶である。
この構成により、吹き出し口から吹き出された風を、ウィンドシールドの前方から後方に流れる航行風と混合させることができる。これにより、乗員に、空気調和装置で調整された空気が当たることによる爽快感と、航行風が当たることによる爽快感の両方を与えることができるので、爽快感にあふれた空気の中に居るように感じさせることができる。
また、ウィンドシールドが取り付けられる取り付け部よりも後方に位置する吹き出し口は、雨水や波しぶきにさらされるけれども、前述の水抜き構造により、吹き出し口から侵入した水が空気調和装置に達することを抑制または防止できる。これにより、乗員に爽快感を与えることができる適切な位置に吹き出し口を有し、かつ、耐久性の高い空気調和装置を、小型船舶に備えることができる。
前記吹き出し口は、前記ウィンドシールドの後端縁よりも後方に配置される場合がある。この場合、吹き出し口から吹き出された風を、ウィンドシールドに当たることなく航行風に混合することができる。これにより、乗員に、空気調和装置で調整された空気が当たることによる爽快感と、航行風が当たることによる爽快感の両方をより一層強く与えることができる。
請求項14記載の発明は、前記デッキに配置されたテーブルをさらに含み、前記吹き出し口は、前記テーブルに設けられている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の小型船舶である。
この構成により、デッキのテーブルの近傍にいる乗員に、空気調和装置で調整された空気を当てることができる。
前記吹き出し口は、たとえば、前記テーブルの天板の外側面部に配置される。これにより、テーブルから、たとえば略真横方向に向けて、調整された空気を吹き出すことができる。その結果、調整された空気を、テーブルの周囲に居る乗員に確実に当てることができる。
前記テーブルは、前記デッキの中央近傍に配置される場合がある。この場合、平面視において、デッキのより広い範囲に、調整された空気を吹き出すことができる。
この発明の第1実施形態に係る小型船舶の概略構成を示す右側面図である。 小型船舶の一部平面図である。 小型船舶の要部を拡大した図解的な右側面図であり、一部を断面で図示している。 キャビンの右壁の後部周辺を平面的に視た図解的な断面図である。 エアコンユニットの第1送風ダクト周辺の要部の図解的な斜視図である。 操船ステーション周辺を平面的に視た一部断面図である。 上デッキの操船席周辺の斜視図である。 第1吹き出し口および第2吹き出し口周辺の要部の図解的な断面図である。 第1吹き出し口を右側から視た要部の図解的な断面図である。 第2吹き出し口を右側から視た要部の図解的な断面図である。 吹き出し口に関連する電気的構成を説明するための図である。 空気調和ECUによる空気調和制御の処理を説明するためのフローチャートである。 吹き出し風向について説明するための図解図である。 吹き出し風向について説明するための図解図である。 この発明の第2実施形態に係る小型船舶の要部の右側面図であり、一部を断面で示している。 吹き出し口の周辺の要部の図解的な斜視図である。 第1吹き出し口の右吹き出し口の周辺の要部を右側から視た断面図である。 第1吹き出し口の左吹き出し口の周辺の要部を右側から視た断面図である。 第2吹き出し口の右吹き出し口の周辺の要部を右側から視た断面図である。 第2吹き出し口の左吹き出し口の周辺の要部を右側から視た断面図である。 この発明の第3実施形態に係る小型船舶の要部の右側面図である。 上デッキのテーブル周辺の斜視図である。 テーブルの周辺の構成を説明するための図解的な断面図であり、テーブルを前方から視た状態を示している。 この発明の第4実施形態に係る小型船舶の要部の断面図である。 この発明の第4実施形態に係る小型船舶の要部の断面図である。 空気調和ECUによる空気調和制御の処理を説明するためのフローチャートである。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態に係る小型船舶の概略構成を示す右側面図である。図2は、小型船舶の一部平面図である。小型船舶1は、船体2と、船外機3とを備えている。船体2は、キャビン4と、デッキ5とを含んでいる。船体2は、この船体2の前後方向FBに延び、かつ船体2の左右方向RLに所定の幅を有している。以下では、船体2の前後方向FBを単に「前後方向」という。また、船体2の左右方向RLを単に「左右方向」という。また、小型船舶1が水上に正常姿勢で静止しているときの船体2の上下方向UDを単に「上下方向」という。さらに、単に「左右」、「前後」、または「上下」というときは、船体2の左右方向、前後方向または上下方向を意味している。
キャビン4は、船体2の前後方向の中間部に配置されている。キャビン4は、前壁6と、右壁7と、左壁8と、後壁9と、底壁10と、上壁11とを含んでいる。これらの壁6〜11によって、外部空間12から仕切られた内部空間13(乗員室)が形成されている。前壁6は、後方ほど上方に位置するように傾斜している。前壁6には、複数(たとえば、3つ)の窓枠が形成されており、それぞれの窓枠に透明板が嵌め込まれて固定されている。右壁7および左壁8は、左右に間隔をあけて互いに対向しており、前後に延びている。後壁9には、出入り口14が形成されており、乗員は出入り口14からキャビン4に出入りすることができる。出入り口14には、ドア15が配置されている。
デッキ5は、キャビン4に隣接して配置されており、外部空間12に開放されている。デッキ5は、キャビン4の後方に配置された下デッキ16と、キャビン4の上方に配置された上デッキ18とを含んでいる。下デッキ16の床面は、キャビン4の床面(底壁10の床面)と連続している。これにより、乗員は、下デッキ16から出入り口14を通ってキャビン4の内部空間13に入ることができる。
平面視において、上デッキ18は、前後方向におけるキャビン4の中間部に配置されている。上デッキ18の前端、および左右両端には、上デッキ18と一体的に周壁19が形成されている。したがって、上デッキ18の床面18aが周壁19に囲まれている。周壁19は、前壁191と、右壁192と、左壁193とを含んでいる。前壁191は、上デッキ18の前端から上方に延びており、平面視において、前方に凸となる弓形に形成されている。右壁192は、前壁191の右後端に連なり、そこから後方に延びている。左壁193は、前壁191の左後端に連なり、そこから後方に延びている。
周壁19の前壁191は、キャビン4の前壁6と連続している。周壁19の右壁192および左壁193は、それぞれ、キャビン4の右壁7および左壁8と連続している。
上デッキ18の左後方には、下デッキ16の床面との間に、梯子20が配置されている。梯子20は、船体2に固定されている。乗員は、上デッキ18と下デッキ16との間を梯子20で行き来することができる。
船外機3は、1機または複数機備えられている。この実施形態では、2機の船外機3が、船体2の船尾に左右に並べて取り付けられている。これらの船外機3は、それぞれエンジン(内燃機関)を備えており、このエンジンの駆動力によって回転されるプロペラ(スクリュー)によって推進力を発生する。船外機3には、エンジンの駆動力によって発電する発電機22が備えられている。
図2を参照して、上デッキ18には、操船ステーション23が設けられている。操船ステーション23には、操船席24と、同乗者席25と、ダッシュボード26と、ハンドル装置27と、リモコン装置28と、ウィンドシールド29とが備えられている。
操船席24および同乗者席25は、周壁19で囲まれた空間において左右に並んで配置されており、上デッキ18の床面18aに固定されている。
ダッシュボード26は、周壁19と、操船席24および同乗者席25との間に配置されている。より具体的には、操船席24および同乗者席25の前方に配置されている。
ハンドル装置27は、操船者によって回転操作されるステアリングハンドル27aを備えている。ステアリングハンドル27aは、操船席24の前方において、ダッシュボード26に取り付けられている。このステアリングハンドル27aの操作が、ケーブルを含む伝達機構(図示せず)によって、船尾に設けられた舵取り機構(図示せず)に伝達されるようになっている。この舵取り機構は、2機の船外機3を連動させて、それらの方向を左右に変化させる。これにより、推進力の方向が変化し、それに応じて小型船舶1の進行方向を変更できる。
リモコン装置28は、たとえば、周壁19の右壁192に取り付けられている。リモコン装置28は、2機の船外機3に対応して2個備えられている。リモコン装置28は、前後に傾倒可能なレバー28aを備え、このレバー28aの操作位置が検出されるようになっている。この検出された操作位置に応じて船外機3の動作が制御されるようになっている。むろん、レバー28aの操作が、ケーブルその他の伝達機構によって機械的に船外機3に伝達されるようになっていてもよい。
より具体的には、レバー28aを所定の中立位置から所定量以上前方に傾倒させることによって、船外機3のシフト位置が前進位置となり、当該船外機3から前進方向の推進力が発生される。レバー28aを前記中立位置から所定量以上後方に傾倒させることによって、船外機3のシフト位置が後退位置となり、当該船外機3から後退方向の推進力が発生される。レバー28aが前記中立位置にあれば、船外機3のシフト位置が中立位置となり、船外機3は推進力を発生しない。また、レバー28aの傾倒量に応じて、船外機3の出力、すなわち、船外機3に備えられたエンジンの目標エンジン回転速度を変化させることができる。
図1および図2を参照して、ウィンドシールド29は、操船ステーション23の前方部に配置されている。具体的には、ウィンドシールド29は、周壁19の前壁191に沿って、前壁191の上方に配置されている。ウィンドシールド29は、平面視において、ダッシュボード26の前部、右部および左部を囲むように弓形に形成されている。また、側面視においては、ウィンドシールド29の前方部は、鉛直方向に対して前方に傾斜した姿勢で形成されている。ウィンドシールド29の上端と、ダッシュボード26の上端とは、略同じ高さとされている。平面視において、ウィンドシールド29は、ダッシュボード26を覆っていない。ウィンドシールド29の下端部は、周壁19の前壁191の取り付け部191aに取り付けられている。
図3は、小型船舶1の要部を拡大した図解的な右側面図であり、一部を断面で図示している。船体2には、エアコンディショナーユニット30(以下、エアコンユニット30という。)が備えられている。エアコンユニット30は、本発明の「空気調和装置」の一例である。
エアコンユニット30は、たとえば、冷房運転と暖房運転とを択一的に行うことができるように構成されている。このエアコンユニット30は、第1熱交換ユニット31と、第2熱交換ユニット32と、圧縮機ユニット33と、第1膨張弁34と、第2膨張弁35と、媒体配管36とを含む。媒体配管36は、熱媒体をエアコンユニット30の各部に供給する。
第1熱交換ユニット31は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には気化器として機能する第1熱交換器31Aと、水収容部31Bとを含む。第1熱交換器31Aは、たとえば、外面に多数のフィンが設けられた蛇行状のチューブの形態を有している。第1熱交換器31Aおよび水収容部31Bは、キャビン4の底壁10の下方に配置されている。第1熱交換器31Aは、水収容部31Bに収容された水に浸されている。水収容部31Bには、船体2の底面に形成された水取り入れ口(図示せず)から、外部の水が取り入れられるようになっている。外部の水とは、海水や湖水など、小型船舶1の周囲に存在する水である。これにより、船外の水と、第1熱交換器31A内の熱媒体との間で熱交換される。
第2熱交換ユニット32は、キャビン4の内部空間13の近傍に配置されている。第2熱交換ユニット32は、箱状のケーシング38と、第2熱交換器39と、ファン40とを含んでいる。ケーシング38内に、第2熱交換器39およびファン40が収容されている。第2熱交換器39は、本発明の「熱交換器」の一例である。
第2熱交換器39は、冷房運転時には気化器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能する。第2熱交換器39は、たとえば、外表面に多数のフィンが設けられた蛇行状のチューブの形態を有している。第2熱交換器39は、キャビン4の内部空間13内の空気と、第2熱交換器39内の熱媒体との間の熱交換を行う。ファン40は、キャビン4内の空気をケーシング38内に取り込み、第2熱交換器39を通過させた後、ケーシング38から排出する。
圧縮機ユニット33は、キャビン4の下方に配置されており、圧縮機42と、切替弁43とを含んでいる。
圧縮機42は、電動モータなどの動力源によって駆動されることにより、熱媒体を圧縮する。切替弁43は、圧縮機42から吐出された熱媒体の流れ方向を切り替えるために設けられている。切替弁43は、冷房運転時、圧縮機42から吐出された熱媒体を第1熱交換器31Aから第2熱交換器39に送るように熱媒体の流れ方向を設定する。一方、切替弁43は、暖房運転時、圧縮機42から吐出された熱媒体を第2熱交換器39から第1熱交換器31Aに送るように熱媒体の流れ方向を設定する。
第1膨張弁34および第2膨張弁35は、媒体配管36の途中部に設けられている。第1膨張弁34は、逆止弁付きの膨張弁である。第1膨張弁34は、冷房運転時には、熱媒体を膨張させる一方、暖房運転時には、熱媒体が流れないように構成されている。第2膨張弁35は、逆止弁付きの膨張弁である。第2膨張弁35は、冷房運転時には、熱媒体を流さず、暖房運転時には、熱媒体を膨張させるように構成されている。
上記の構成により、冷房運転時、熱媒体は第2熱交換器39で気化し、その際に周囲の空気から熱を奪う。これにより、第2熱交換器39の外側の空気(キャビン4内の空気)が冷却される。その後、熱媒体は、圧縮機ユニット33で圧縮され、高温となり、切替弁43を通って第1熱交換器31Aに入る。第1熱交換器31Aに入った熱媒体は、水と熱交換することで熱を放出して凝縮した後、第1膨張弁34に送られる。この熱媒体は、第1膨張弁34で膨張されることにより低温になり、再び第2熱交換器39に入る。
一方、暖房運転時、熱媒体の流れ方向は、切替弁43によって、冷房運転のときとは逆にされる。具体的には、暖房運転時、熱媒体は、第1熱交換器31Aの外側の水から熱を吸収して気化する。その後、熱媒体は、圧縮機ユニット33で圧縮されて高温となり、切替弁43を通って第2熱交換器39に入る。第2熱交換器39に入った熱媒体は、第2熱交換器外側の空気(キャビン4内の空気)と熱交換して熱を与える。これにより、キャビン4内の空気が加熱される。熱を放出することにより凝縮した熱媒体は、第2膨張弁35に送られる。この熱媒体は、第2膨張弁35で膨張されることによって低温になり、再び第1熱交換器31に入る。
図4Aは、キャビン4の右壁7の後部周辺を平面的に視た図解的な断面図である。図4Bは、エアコンユニットの第1送風ダクト周辺の要部の図解的な斜視図である。図3および図4Aを参照して、キャビン4の右壁7の後部は、2重壁構造になっており、左右に間隔を空けて配置された内壁7aおよび外壁7bを含んでいる。内壁7aの後端部は、内壁7aの中間部に対して左側(キャビン4の内側)に張り出している。この後端部と外壁7bとの間に形成された船内空間7cに、第2熱交換ユニット32が収容されている。
図4Aおよび図4Bを参照して、第2熱交換ユニット32のケーシング38には、吸い込みダクト44と、第1送風ダクト46と、第2送風ダクト45とが接続されている。第1および第2送風ダクト46,45は、それぞれ、本発明の「第1送風路」および「第2送風路」の一例である。吸い込みダクト44は、船内空間7cに配置されている。吸い込みダクト44の一端は、内壁7aの内側面に開放されており、他端は、第2熱交換ユニット32のケーシング38に開放されている。キャビン4内の空気は、吸い込みダクト44を通って、第2熱交換ユニット32のケーシング38内に導入される。
第2送風ダクト45は、第2熱交換ユニット32の近傍に配置されている。第2送風ダクト45の一端部は、第2熱交換ユニット32のケーシング38に開放されており、他端部は、内壁7aの内側面に開放されている。キャビン4から第2熱交換ユニット32のケーシング38内に導入された空気の少なくとも一部は、熱交換の後、第2送風ダクト45を通って、キャビン4の内部空間13に戻される。
第1送風ダクト46は、第2送風ダクト45の途中部に接続されている。第1送風ダクト46は、キャビン4内から導入されて第2熱交換ユニット32を通過して熱交換された空気(エアコンユニット30によって調整された空気。以下、単に「調整された空気」という。)の一部を第2送風ダクト45から分岐させる。
第1送風ダクト46は、耐水性を有する材料、たとえば塩化ビニルを用いて形成されており、内壁7aと外壁7bとの間の空間に配置されている。第1送風ダクト46の第1端部47と、第2送風ダクト45の中間部とは、たとえばY字状の中空ジョイント部材を用いて接続されている。第1送風ダクト46は、第1端部47よりも第2端部56(第1端部47とは反対側の端部)が上方に位置している。
図5は、操船ステーション23周辺を平面的に視た一部断面図である。図3および図5を参照して、第1送風ダクト46は、調整された空気を、ダッシュボード26(上デッキ18)に配置された第1吹き出し口51および第2吹き出し口52へと導くように配置されている。以下、第1吹き出し口51および第2吹き出し口52を総称するときは「吹き出し口50」という。吹き出し口50は、周壁19の前壁191のうちウィンドシールド29が取り付けられている取り付け部191aよりも後方に配置されており、この実施形態では、ウィンドシールド29の後端縁29aよりも後方に配置されている。
第1送風ダクト46は、当該第1送風ダクト46の第1端部47に連続し、上下に延びる縦長部53を有している。第1送風ダクト46は、さらに、縦長部53に連続し円弧状に湾曲する湾曲部54と、前後に延びる横長部55と、横長部55に連続し吹き出し口50に接続される第2端部56とを含んでいる。
第1送風ダクト46の第1端部47および縦長部53は、キャビン4の右壁7内に配置されている。第1送風ダクト46の湾曲部54および横長部55は、周壁19の右壁192内に配置されている。右壁192は、中空(二重壁)に形成されている。
湾曲部54は、上方ほど前方に位置するように湾曲している。湾曲部54と横長部55との接続部には、ブロワ57が配置されている。ブロワ57は、本発明の「風量変更手段」の一例である。
ブロワ57は、羽根と、羽根を回転駆動するためのモータ(電装品)とを含んでいる。ブロワ57は、第2熱交換ユニット32で調整された空気を第1送風ダクト46を介して引き込み、吹き出し口50に向けて送風する。
図3を参照して、横長部55は、前後に延びており、途中に凹状部58が形成されている。凹状部58は、横長部55の中間部を下方に凹ませることにより形成されている。凹状部58は、ブロワ57から吹き出し口50に至る送風路内で最も低い通路部を有している。雨水や海水などの水が、外部空間12から吹き出し口50を通って第1送風ダクト46内に浸入する可能性がある。このような水は、凹状部58まで達するけれども、この凹状部58を越えてブロワ57に至ることはない。すなわち凹状部58の下端は、ブロワ57の下端よりも低い位置に配置されている。これにより、第1送風ダクト46内に浸入した水にブロワ57が浸からないようにされている。
さらに、凹状部58の下端には、水抜き構造が設けられている。すなわち、水抜き構造は、ブロワ57と吹き出し口50との間に配置されている。水抜き構造は、吹き出し口50から入り込んだ水を第1送風ダクト46の外側に排水するために設けられている。
この水抜き構造は、凹状部58に配置され、第1送風ダクト46の一部を形成するジョイント部59と、ジョイント部59に接続された排水路60と、排水路60を開閉可能に塞ぐ栓61とを含んでいる。
ジョイント部59は、たとえばT字状に形成されており、凹状部58内の空間と排水路60内の空間とを連通している。ジョイント部59は、凹状部58内に配置された主管59aと、主管59aから分岐する分岐管59bとを有している。分岐管59aは、水抜き孔62を形成している。
ジョイント部59の分岐管59bには、排水路60の上端部60aが接続されている。排水路60は、二重壁構造の右壁192内(船内空間)に配置されており、上端部60aから下端部60bに向かって下り勾配を付けられている。これにより、凹状部58から分岐管59bを通って排水路60に入った水は、重力により、下端部60bに向かう。排水路60は、さらに周壁19の右壁192の外側面に開放されている。これにより、排水路60内の水は、右壁192の外側面から船外に排出される。
栓61は、右壁192の外側面に配置されている。栓61は、排水路60内の水を排出するときは、排水路60の下端部60bから取り外される。一方、栓61は、排水路60内の水を排出しないときには、排水路60の下端部60bを塞いでいる。これにより、必要なときにだけ、排水路60から水を排出することができる。
横長部55の前端部は、凹状部58よりも上方に配置されている。第1送風ダクト46の第2端部56は、横長部55から左側に向けて延びている。
図6は、上デッキ18の操船席24周辺の斜視図である。第1送風ダクト46の第2端部56は、左右に延びる主管64と、この主管64に接続される分岐管65とを含んでいる。
第2端部56の主管64は、ダッシュボード26の下方に配置されている。第2端部56の主管64は、前後に沿って視たときにL字状に形成されている。主管64の基端部64aが横長部55の前端部に接続されている。第2端部56の主管64は、横長部55から左方向に延びており、左ほど上方に位置している。これにより、主管64には、右側に向けて下り勾配がつけられており、主管64内に外部からの水が入り込むと、この水を横長部55に送ることができる。主管64の先端部は、上方に延びており、ダッシュボード26に設けられた第2吹き出し口52に接続されている。第2吹き出し口52は、本発明の「吹き出し口」の一例である。
分岐管65は、主管64の途中部に配置されており、主管64から立ち上がるように上方に延びている。この分岐管65には、第1吹き出し口51が接続されている。第1吹き出し口51は、本発明の「吹き出し口」の一例である。第1吹き出し口51の右側には、ダッシュボード26上に、ブロワスイッチ66が配置されている。
ブロワスイッチ66は、第1送風ダクト46内の空気の送風と、送風の停止とを行うためのものである。すなわち、ブロワスイッチ66は、エアコンユニット30の運転中にブロワ57を運転または停止させるために操作者(操船者などの乗員)によって操作される。ブロワスイッチ66をオンにすることにより、調整された空気が吹き出し口50から吹き出される。一方、ブロワスイッチ66をオフにすることにより、調整された空気の吹き出し口50からの吹き出しが停止される。
第1吹き出し口51は、ステアリングハンドル27aと操船席24との間に配置されており、第1送風ダクト46内の空気を操船席24に向けて吹き出す。第1吹き出し口51は、ダッシュボード26に固定されており、左右に並ぶ右吹き出し口67および左吹き出し口68を含んでいる。
図7は、第1吹き出し口51および第2吹き出し口52周辺の要部の図解的な断面図であり、第1吹き出し口51および第2吹き出し口52を下から視た状態を示している。第1吹き出し口51の右吹き出し口67および左吹き出し口68は、それぞれ筒状に形成されており、分岐管65の先端部と接続されている。分岐管65の先端部は、二股に分かれており、右先端部651と左先端部652とを含んでいる。第1吹き出し口51の右吹き出し口67および左吹き出し口68は、右先端部651および左先端部652にそれぞれ接続されている。後述するように、右吹き出し口67からの吹き出し風向と、左吹き出し口68から吹出し風向とは、異なっている。
分岐管65の中間部には、第1吹き出し口51からの吹き出し風向を変更する風向変更装置69が設けられている。風向変更装置69は、本発明の「風向変更手段」の一例である。
風向変更装置69は、風向変更モータ70と、揺動フラップ71とを含んでいる。風向変更モータ70は、分岐管65の先端部の近傍に配置されており、たとえば分岐管65に支持されている。揺動フラップ71は、分岐管65の右先端部651と左先端部652との境界に配置されている。揺動フラップ71は、風向変更モータ70の回転軸の回転によって、この回転軸の回りに揺動される。これにより、揺動フラップ71は、分岐管65の右先端部651と、左先端部652とを択一的に閉じるようになっている。
図7では、左先端部652を閉じた状態の揺動フラップ71を実線で示しており、右先端部651を閉じた状態の揺動フラップ71を2点鎖線で示している。左先端部652が閉じられているとき、第1送風ダクト46の分岐管65内の空気は、右先端部651を通って右吹き出し口67に流れる。一方、右先端部651が閉じられているとき、第1送風ダクト46の分岐管65内の空気は、左先端部652を通って左吹き出し口68に流れる。
また、第1送風ダクト46の主管64には、第1吹き出し口51および第2吹き出し口52を開閉する開閉装置72が設けられている。開閉装置72は、本発明の「開閉手段」の一例である。
開閉装置72は、開閉モータ73と、開閉弁74とを含んでいる。開閉モータ73は、たとえば主管64に支持されている。開閉弁74は、主管64内に配置されている。開閉弁74は、第1送風ダクト46内の空気の流れ方向A1において、分岐管65との接続部よりも上流側に位置している。開閉弁74は、板状に形成されており、開閉モータ73の回転軸の回転によってこの回転軸の回りを揺動する。
これにより、開閉弁74は、主管64(吹き出し口50)を開閉するようになっている。図7では、主管64を開いた状態の開閉弁74を実線で示しており、主管64を閉じた状態の開閉弁74を2点鎖線で示している。主管64が開かれているとき、第1送風ダクト46から第1および第2吹き出し口51,52に空気が流れる。一方、主管64が閉じられているとき、第1送風ダクト46から第1および第2吹き出し口51,52には空気が流れない。
図8は、第1吹き出し口51を右側から視た要部の図解的な断面図である。第1吹き出し口51の右吹き出し口67には、複数(たとえば、3つ)の整流板75が固定されている。各整流板75は、右吹き出し口67からの吹き出し風向を規定している。各整流板75は、平板状に形成されており、互いに平行に配置されている。
第1吹き出し口51の右吹き出し口67は、停船時または低速航行時(たとえば、毎時数ノット未満での航行時)に、調整された空気を吹き出す。右吹き出し口67からの吹き出し風向B1は、上デッキ18の床面18aに対して45度未満(たとえば、約40度)の仰角C1をなす方向である。
第1吹き出し口51の左吹き出し口68にも同様に、複数(たとえば、3つ)の整流板76が固定されている。各整流板76は、左吹き出し口68からの吹き出し風向を規定している。各整流板76は、平板状に形成されており、互いに平行に配置されている。
左吹き出し口68は、高速航行時に調整された空気を吹き出す。左吹き出し口68からの吹き出し風向B2は、上デッキ18の床面18aに対して45度以上(たとえば、約80度)の仰角C2をなす方向である。
図6を参照して、第2吹き出し口52は、第1送風ダクト46内の空気を同乗者席25に向けて吹き出すために設けられており、同乗者席25の前方に配置されている。第2吹き出し口52は、第1吹き出し口51と同様の構成を有している。具体的には、第2吹き出し口52は、ダッシュボード26に固定され左右に並ぶ右吹き出し口67および左吹き出し口68を含んでいる。右吹き出し口67からの吹き出し風向と、左吹き出し口68から吹出し風向とは、異なっている。
図7を参照して、第2吹き出し口52の右吹き出し口67および左吹き出し口68は、主管64の先端部と接続されている。主管64の先端部は、二股に分かれており、右先端部641と左先端部642とを含んでいる。第2吹き出し口52の右吹き出し口67および左吹き出し口68は、右先端部641および左先端部642にそれぞれ接続されている。
主管64の中間部には、第2吹き出し口52からの吹き出し風向を変更する風向変更装置69が設けられている。風向変更装置69は、本発明の「風向変更手段」の一例である。
主管64の風向変更装置69の風向変更モータ70は、主管64の先端部の近傍に配置されており、たとえば主管64に支持されている。風向変更装置69の揺動フラップ71は、主管64の右先端部641と左先端部642との境界に配置されている。この揺動フラップ71は、主管64の右先端部641と、左先端部642とを択一的に閉じるようになっている。
図7では、左先端部642を閉じた状態の揺動フラップ71を実線で示しており、右先端部651を閉じた状態の揺動フラップ71を2点鎖線で示している。左先端部642が閉じられているとき、第1送風ダクト46の主管64内の空気は、右先端部641を通って第2吹き出し口52の右吹き出し口67に流れる。一方、右先端部641が閉じられているとき、第1送風ダクト46の主管64内の空気は、左先端部642を通って第2吹き出し口52の左吹き出し口68に流れる。
図9は、第2吹き出し口52を右側から視た要部の図解的な断面図である。第2吹き出し口52の右吹き出し口67には、複数(たとえば、3つ)の整流板75が固定されている。
右吹き出し口67は、停船時または低速航行時に、調整された空気を吹き出す。右吹き出し口67からの吹き出し風向B1は、上デッキ18の床面18aに対して45度未満(たとえば、約40度)の仰角C1をなす方向である。
第2吹き出し口52の左吹き出し口68も同様に、複数(たとえば、3つ)の整流板76が固定されている。各整流板76は、左吹き出し口68からの吹き出し風向を規定している。
左吹き出し口68は、高速航行時に調整された空気を吹き出す。左吹き出し口68からの吹き出し風向B2は、上デッキ18の床面18aに対して45度以上(たとえば、約80度)の仰角C2をなす方向である。
図10は、吹き出し口50に関連する電気的構成を説明するための図である。船体2には、マイクロコンピュータを含む空気調和ECU(Electronic Control Unit)77と、船速センサ78とが備えられている。船速センサ78は、小型船舶1の速度(船速)を検出するセンサであり、本発明の「速度検出手段」の一例である。
空気調和ECU77は、船速センサ78に接続されており、船速信号が空気調和ECU77に入力される。空気調和ECU77は、ブロワ57のモータに接続されており、このブロワ57の風量を制御する。また、空気調和ECU77は、ブロワスイッチ66に接続されており、ブロワスイッチ66のオン/オフを検出する。空気調和ECU77は、さらに、開閉モータ73に接続されており、開閉弁74の開閉を制御する。また、空気調和ECU77は、第1吹き出し口51および第2吹き出し口52の風向変更モータ70(701,702)にそれぞれ接続されており、第1および第2吹き出し口51,52において、右吹き出し口67と左吹き出し口68の何れから空気を吹き出すかを制御する。
ブロワ57は、本発明の「風量変更手段」の一例である。また、空気調和ECU77は、本発明の「風量変更手段」、「風量制御手段」、「風向変更手段」および「風向制御手段」の一例である。
図11は、空気調和ECU77による空気調和制御を説明するためのフローチャートである。エアコンユニット30が駆動しており、第2熱交換器39でキャビン4内の空気に対する熱交換が行われているとき、空気調和ECU77は、ブロワスイッチ66がオンにされたかどうかを判断する(ステップS1)。ブロワスイッチ66がオンにされると(ステップS1:YES)、開閉モータ73が駆動される。これにより、開閉弁74が開かれ(ステップS2)、第1送風ダクト46に調整された空気が送られる。
空気調和ECU77は、次に、船速が低速(たとえば、毎時数ノット未満、船速がゼロである停船時を含む)であるか、高速(たとえば、毎時数ノット以上)であるかを判断する(ステップS3)。
船速が低速であると(ステップS3:低速)、空気調和ECU77は、風向変更モータ70,70の駆動によって、2つの揺動フラップ71,71が主管64の左先端部642および分岐管65の左先端部652をそれぞれ閉じる。これにより、主管64の右先端部641と分岐管65の右先端部651とが開く。第1送風ダクト46内の調整された空気は、第1および第2吹き出し口51,52の各右吹き出し口67から吹き出される(ステップS4)。
空気調和ECU77は、このときのブロワ57の風量(吹き出し口50からの吹き出し風量)を、船速に応じて設定する(ステップS5)。より具体的には、空気調和ECU77は、船速が速いほどブロワ57のモータの出力を大きくして、ブロワ57の風量を大きくする。
これにより、図解的な側面図である図12Aに示すように、第1および第2吹き出し口51,52の各右吹き出し口67からは、上デッキ18の床面18aに対して仰角C1で、調整された空気が後方に向けて吹き出される。第1および第2吹き出し口51,52の右吹き出し口67からの風は、たとえば、それぞれ操船者D1および同乗者(同乗者席25の乗員)の首に向けて略真っ直ぐに進み、操船者D1および同乗者の首に当たる。
図11を参照して、船速が高速であると(ステップS3:高速)、風向変更モータ70,70の駆動によって、2つの揺動フラップ71,71が主管64の右先端部641および分岐管65の右先端部651をそれぞれ閉じる。これにより、主管64の左先端部642と分岐管65の左先端部652とが開く。第1送風ダクト46内の調整された空気は、第1および第2吹き出し口51,52の左吹き出し口68から吹き出される(ステップS5)。このときのブロワ57の風量は、船速に応じて設定される(ステップS5)。
これにより、図解的な側面図である図12Bに示すように、左吹き出し口68からは、上デッキ18の床面18aに対して仰角C2で、調整された空気が後方に向けて吹き出される。左吹き出し口68からの風は、たとえば、操船者D1および同乗者(同乗者席25の乗員)よりも前方でそれぞれ上方に向かい、前方からの航行風E1と混合される。航行風E1と混合された風E2は、操船者D1および同乗者の首に向かう方向(後方)に進み、操船者D1および同乗者の首に当たる。
この第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。すなわち、エアコンユニット30で調整されたキャビン4内の空気は、第1送風ダクト46を通って吹き出し口50に送られ、吹き出し口50から上デッキ18に吹き出される。これにより、上デッキ18上の外部空間12に、エアコンユニット30で調整された空気を供給することができる。したがって、上デッキ18上の外部空間12をより快適な空間にすることができる。これにより、小型船舶1の快適性を高めることができるから、小型船舶1の魅力を増大できる。
吹き出し口50は、外部空間12に開放された上デッキ18に配置されているので、雨水や海水が吹き出し口50から第1送風ダクト46内に入りやすい。第1送風ダクト46に水が溜まったままだと、第1送風ダクト46に設けられる送風ブロワ57のモータなどの電装品が水に浸かり、故障する恐れがある。
第1実施形態によれば、吹き出し口50から第1送風ダクト46に入り込んだ水は、水抜き構造によって第1送風ダクト46から船外に排出される。したがって、第1送風ダクト46内に水が溜まることを抑制できる。したがって、前記電装品などが水に浸かることによる故障を抑制することができる。このようにして、上デッキ18上の外部空間12での使用に堪える送風路構造を提供できるから、上デッキ18上の外部空間12へと、エアコンユニット30からの調整された空気を供給できる。
エアコンユニット30が冷房運転しているときは、冷却された空気が吹き出し口50から上デッキ18に吹き出される。これにより、夏季には、暑く湿度の高い外気と冷風とが上デッキ18上で混合される。その結果、乗員に、さわやかな空気の中にいるときの快適感を与えることができる。
また、第2熱交換器39で含まれていた水分の一部が凝縮されて除湿された空気が吹き出し口50からデッキに吹き出される。これにより、外気と乾燥したされた空気とがデッキ上で混合される。その結果、乗員に臭いの少ないさわやかな空気を提供することができる。
さらに、この吹き出し口50からは、凝縮作用によって除湿された空気が吹き出し口50から上デッキ18に吹き出される。これにより、雨季などにおいては、湿度の高い外気と乾燥した空気とが上デッキ18上で混合される。その結果、上デッキ18上の外気の湿度を低くできるので、さわやかな空気の中にいるような快適感を乗員に与えることができる。
また、エアコンユニット30が暖房運転しているときは、加熱された空気が吹き出し口50から上デッキ18に吹き出される。これにより、冬の冷たい外気と温風とが上デッキ18上で混合される。その結果、乗員に暖かい空気を供給できるから、快適性を増すことができる。
また、水抜き構造は、第1送風ダクト46に貫通形成された水抜き孔62を含む。このような水抜き孔62であれば、第1送風ダクト46に容易に形成することができる。また、第1送風ダクト46内の水を自重で自然に排水することができるので、ポンプなどを用いて第1送風ダクト46から水を汲み出す必要が無い。したがって、水抜き構造を簡単にすることができる。
また、第1送風ダクト46は、第2送風ダクト45の途中から吹き出し口50へと分岐している。このような構成により、キャビン4内に送られる空気の温度調整をすることができ、かつ、吹き出し口50から上デッキ18に吹き出される空気の温度調整を行うことができる。
これにより、キャビン4内の雰囲気を快適にでき、かつ、上デッキ18上の雰囲気を快適にできる。また、キャビン4内の空気のための熱交換器と、上デッキ18に吹き出される空気のための熱交換器とが同じ(どちらも第2熱交換器39)であるので、熱交換器の数が少なくて済む。これにより、エアコンユニット30の配置スペースが少なくて済む。配置スペースの制約が多い小型船舶1において、配置スペースを少なくできる効果は大きい。
さらに、キャビン4内の空気を第2熱交換器39で熱交換する構成であるので、第2熱交換器39によって既に熱交換されたキャビン4内の空気を再度、第2熱交換器39によって熱交換することができる。このように、所望の温度に近い温度になったキャビン4内の空気を再度熱交換することができるので、より所望の温度に近い温度の快適な空気を、第1送風ダクト46を介して吹き出し口50から上デッキ18上に吹き出すことができる。しかも、このとき、第2熱交換器39で交換する熱量が少なくて済む結果、エアコンユニット30の消費エネルギーが少なくて済む。小型船舶1は、電力の余裕が少ないので、エアコンユニット30の消費エネルギーが少なくて済む効果は大きい。
また、ブロワ57によって、第1送風ダクト46内の空気を確実に吹き出し口50に送風することができる。これにより、吹き出し口50からの風量を大きくできるので、上デッキ18上に快適な空気をより多く送ることができる。さらに、ブロワ57によって十分な風量が確保されているので、第1送風ダクト46の圧損が大きくてもよく、第1送風ダクト46を長くすることができる。これにより、吹き出し口50の配置の自由度を高めることができる。その結果、吹き出し口50からの風をより快適に感じることのできる位置に吹き出し口50を配置することができる。
また、水抜き構造が、ブロワ57と吹き出し口50との間に配置されているから、吹き出し口50から浸入した水は、ブロワ57に到達する前に、水抜き構造によって第1送風ダクト46から排水される。その結果、水がブロワ57まで到達しないようにできる。これにより、ブロワ57のモータに水が溜まることを抑制できるので、ブロワ57の故障を確実に抑制することができる。
また、ブロワスイッチ66をオンにすることで、ブロワ57を運転することができる。これにより、第2送風ダクト45から第1送風ダクト46を通って吹き出し口50に向かう風を強制的に生じさせることができる。したがって、吹き出し口50から吹き出される風量を大きくできる。このとき、たとえば、ブロワ57を運転することで、吹き出し口50から吹き出される風量とキャビン4内に吹き出される風量とを略同じにできる。
一方、ブロワスイッチ66をオフにすることで、ブロワ57を停止することができる。これにより、第2送風ダクト45から第1送風ダクト46を通って吹き出し口50に向かう風を少ないか、またはゼロにできる。それに応じて、キャビン4内に送られる風量を大きくできる。このように、ブロワ57の運転と停止とにより、吹き出し口50への送風量を変更することができるので、必要な箇所により多くの調整された空気を吹き出すことができる。
また、吹き出し口50を開閉する開閉装置72が設けられている。この構成により、吹き出し口50から調整された空気を吹き出さないときには、開閉装置72によって吹き出し口50を閉じておくことができる。
したがって、ブロワ57の運転を停止し、かつ、吹き出し口50を閉じておけば、第2熱交換器39で調整された空気の略全てをキャビン4内に送風することができる。これにより、キャビン4内への送風量を大きくできるので、キャビン4内の空気の調整を迅速にできる。また、キャビン4内の空気を循環させることができるので、エアコンユニット30の第2熱交換器39に同じ空気を循環させることができる。したがって、エアコンユニット30の消費エネルギーを少なくすることができる。
また、第1送風ダクト46の横長部55の凹状部58に水抜き構造が配置されている。この構成により、吹き出し口50から第1送風ダクト46内に浸入した水は、凹状部58に溜まる。凹状部58に溜まった水を水抜き構造によって第1送風ダクト46から排出することができる。このように、吹き出し口50から浸入した水を、水抜き構造が配置された凹状部58に集めることができるので、第1送風ダクト46内の水を水抜き構造で確実に排水することができる。
また、水抜き構造は、右壁192内の空間を通って船外に至るように配置された排水路60を含む。この構成により、第1送風ダクト46に溜まった水を、排水路60を通して船外に排出することができる。
また、排水路60は、上デッキ18の周壁19の右壁192内に配置されている。この構成により、乗員には見えない空間に排水路60を配置することができるので、乗員の見える位置に水路を這わさずに済む。したがって、船体2の見栄えをよりよくすることができる。
また、吹き出し口50からの吹き出し風量を変更することができるようになっている。この構成により、小型船舶1の航行状態に応じて、吹き出し口50からの吹き出し風量を変更することができる。したがって、乗員が最も快適と感じることのできる態様で吹き出し口50から風を吹き出すことができる。
より具体的には、吹き出し口50から吹かれる風量は、船速が遅いときは小さく、船速が速いときは大きい。これにより、小型船舶1の航行によって乗員に当たる風(航行風)の強さに応じて、吹き出し口50からの風の風量を変更することができる。これにより、船速が低いときには、吹き出し口50からの風が乗員に過剰に多く当たることを抑制することができる。その結果、吹き出し口50からの風によって乗員に不快感を与えることを抑制することができる。また、船速が高いときには、吹き出し口50から十分な量の風を吹き出すことにより、吹き出し口50からの風と航行風とを適切な混合比で混合できる。これにより、乗員に爽快感を与えることができる。
しかも、エアコンユニット30の電力は、船外機3のエンジンによって駆動される発電機22に依存している。小型船舶1は、船速が低いとき(エンジンの回転速度が低いとき)の発電量は少なく、船速が高いとき(エンジンの回転速度が高いとき)の発電量は多い。したがって、船速に応じて吹き出し口50からの風量を変更すると、結果として、発電機22の発電量に応じて風量が変化することになる。これにより、発電容量の少ない発電機22の発生電力を効率よく使用することができる。
また、吹き出し口50からの吹き出し風向を変更することができるようになっている。この構成により、たとえば、小型船舶1の航行状態に応じて、吹き出し口50からの吹き出し風向を変更することができるので、乗員が最も快適と感じることのできる態様で吹き出し口50から風を吹き出すことができる。
吹き出し口50からの吹き出し風向は、上下方向に自動的に変更されるようになっている。この構成により、吹き出し口50からの吹き出し風向を、船速が低いときに乗員に向かう方向にし、船速が高いときに乗員に向かう方向よりも上向きにすることができる。このように風向を変更すると、船速が低いときは、各右吹き出し口67,67から吹き出された風は、各右吹き出し口67,67から略真っ直ぐに乗員に当たる。一方、船速が高いときは、左吹き出し口68,68から上向きに吹き出された風は、航行風E1と混ざって、より水平に近い向きに方向を変えて乗員に達する。その結果、船速に拘らず、吹き出し口50からの風を乗員の一定箇所(たとえば、首周辺)に当てることができる。これにより、吹き出し口50からの風が乗員に当たる箇所を略一定にできるので、乗員の快適感を高くすることができる。
また、高速航行時における左吹き出し口68,68からの吹き出し風向B2,B2は、上デッキ18の床面18aに対して45度以上の仰角をなす方向である。この構成により、各左吹き出し口68,68から吹かれた風と、航行風E1とを適切に混合することができる。これにより、乗員に、エアコンユニット30で調整された空気が当たることによる爽快感と、航行風E1が当たることによる爽快感の両方を与えることができるので、爽快感にあふれた空気の中に居るように感じさせることができる。
エアコンユニット30が冷房運転しているときには、吹き出し口50から吹かれる風は、気化器としての第2熱交換器39で冷却された冷風である。この冷風は、第2熱交換器39での結露によって、湿度が下がっている。この低湿度の風を航行風E1と混合することにより、航行風が含む不快な臭い(たとえば磯臭さ)を緩和することができるので、乗員の爽快感をより一層増すことができる。
また、低速航行時または停船時における右吹き出し口67,67からの吹き出し風向B1,B1は、上デッキ18の床面18aに対して45度未満の仰角C1をなす方向である。これにより、低速航行時または停船時に乗員の顔や首に向けて、右吹き出し口67,67からの風を当てることができる。したがって、低速航行時や停船時にも、乗員に、エアコンユニット30で調整された空気を当てることができる。
また、吹き出し口50は、周壁19の前壁191のうちウィンドシールド29が取り付けられる取り付け部191aよりも後方で、かつ、ウィンドシールド29の後端縁29aよりも後方に配置されている。この構成により、吹き出し口50から吹き出された風を、ウィンドシールド29に当たることなく航行風E1に混合することができる。すなわち、吹き出し口50から吹き出された風を、ウィンドシールド29の前方から後方に流れる航行風E1と混合させることができる。これにより、乗員に、エアコンユニット30で調整された空気が当たることによる爽快感と、航行風E1が当たることによる爽快感との両方を与えることができるので、爽快感にあふれた空気の中に居るように感じさせることができる。
また、ウィンドシールド29の後端縁29a(取り付け部191a)よりも後方に位置する吹き出し口50は、雨水や波しぶきにさらされるけれども、前述の水抜き構造により、吹き出し口50から侵入した水がエアコンユニット30のブロワ57などに達することを抑制または防止できる。これにより、乗員に爽快感を与えることができる適切な位置に吹き出し口50を有し、かつ、耐久性の高いエアコンユニット30を、小型船舶1に備えることができる。
<第2実施形態>
図13は、この発明の第2実施形態に係る小型船舶の要部の右側面図であり、一部を断面で示している。図14Aは、吹き出し口の周辺の要部の図解的な斜視図である。図14Bは、第1吹き出し口51の右吹き出し口67の周辺の要部を右側から視た断面図である。図14Cは、第1吹き出し口の左吹き出し口の周辺の要部を右側から視た断面図である。
以下では、第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、図に同一の符号を付し、説明を省略する。
この第2実施形態では、エアコンユニット30Aに第3熱交換器81を含む第3熱交換ユニット82と、媒体配管36から分岐する第2媒体配管83とが設けられている。そして、第3熱交換器81によって、上デッキ18上の空気を調整するようになっている。
第2媒体配管83は、第2熱交換器39の近傍において媒体配管36に接続されており、第3熱交換器81に熱媒体を循環させる。第2媒体配管83は、第1送風ダクト46(図3参照)と同様の態様で配置されている。すなわち、第2媒体配管83は、右壁7の2重壁構造の間において、媒体配管36から分岐し、右壁7内および周壁19の右壁192内を通って、第3熱交換器81に接続されている。
図13を参照して、第2熱交換器39および第3熱交換器81には、並列的に熱媒体が通過する。具体的には、エアコンユニット30Aの冷房運転時、熱媒体は、第1膨張弁34を通った後、一部が媒体配管36を通って第2熱交換器39に送られ、残りの一部は、媒体配管36および第2媒体配管83を通って第3熱交換器81に送られる。第2熱交換器39に送られた熱媒体は、媒体配管36を通って圧縮機42に送られ、第3熱交換器81に送られた熱媒体は、第2媒体配管83および媒体配管36を通って圧縮機42に送られる。
一方、エアコンユニット30Aの暖房運転時、熱媒体は、圧縮機42を通った後、一部が媒体配管36を通って第2熱交換器39に送られ、残りの一部は、媒体配管36および第2媒体配管83を通って第3熱交換器81に送られる。第2熱交換器39に送られた熱媒体は、媒体配管36を通って第2膨張弁35に送られ、第3熱交換器81に送られた熱媒体は、第2媒体配管83および媒体配管36を通って第2膨張弁35に送られる。
図14Bを参照して、第3熱交換ユニット82は、上デッキ18の空気を調整するために設けられている。この第3熱交換ユニット82は、箱状のケーシング84と、ケーシング84内に収容された第3熱交換器81とを含んでいる。
ケーシング84は、上デッキ18の床面18aに固定されており、ダッシュボード26の下方に位置している。ケーシング84には、吸い込み口85が形成されており、上デッキ18の外部空間12の空気をケーシング84内に取り込むことができるようになっている。また、ケーシング84の上端には、第1送風ダクト46の基端部86が接続されている。
ブロワ57は、第1送風ダクト46Aの基端部86に配置されている。ブロワ57は、上デッキ18内の空気をケーシング84内に取り込み、第3熱交換器81を通過させた後、ケーシング84から第1送風ダクト46Aに送る。
第3熱交換器81は、冷房運転時には気化器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能する。第3熱交換器81は、たとえば、外表面に多数のフィンが設けられた蛇行状のチューブを含む。第3熱交換器81は、外部空間12の空気と、第3熱交換器81内の熱媒体との間で熱交換を行う。
図14Aおよび図14Bを参照して、第1送風ダクト46Aは、第3熱交換器81を通過した空気(調整された空気)を吹き出し口50へと導くために、ダッシュボード26の下方に配置されている。第1送風ダクト46Aは、第1送風ダクト46の第2端部56(図6参照)と同様の構成を有しており、主管64Aと、この主管64Aに接続される分岐管65Aとを含んでいる。
主管64Aの基端部86は、ケーシング84の上端に接続されており、ケーシング84内を通過した空気がこの基端部86に導入される。主管64Aは、基端部86から上方に進んだ中間部が左側に屈曲している。
分岐管65Aは、主管64Aの途中部に配置されており、主管64Aから上方に延び、途中で下向きとなるように屈曲されている。この分岐管65Aは、その先端側が、右先端部651Aと、左先端部652Aとに分岐している。
右先端部651Aには、右吹き出し口67を含む右吹き出し口形成体87が接続されている。右吹き出し口形成体87は、箱型に形成されており、上デッキ18の床面18aに対して傾いた状態でダッシュボード26に固定されている。右吹き出し口形成体87の上部に右吹き出し口67が形成されている。右吹き出し口形成体87の下部871の上面には、分岐管65Aの右先端部651Aが接続されている。右吹き出し口形成体87の下部871および第1送風ダクト46Aによって、第1送風路88が形成されている。第1送風路88は、第1吹き出し口51の右吹き出し口67に、調整された空気(たとえば、冷房運転時には、冷気)を導く。
右吹き出し口形成体87の下部871の下端には、水抜き構造が形成されている。具体的には、右吹き出し口形成体87の下部871の下端に水抜き孔62Aが上下に沿って貫通形成されている。これにより、右吹き出し口67から浸入した水を上デッキ18の床面18aに排水することができる。
図14Aおよび図14Cを参照して、分岐管65の左先端部652Aには、左吹き出し口68を含む左吹き出し口形成体89が接続されている。左吹き出し口形成体89は、右吹き出し口形成体87と同様の構成である。具体的には、左吹き出し口形成体89は、箱型に形成されており、上デッキ18の床面18aに対して傾いた状態でダッシュボード26に固定されている。左吹き出し口形成体89の上部に左吹き出し口68が形成されている。左吹き出し口形成体89の下部891の上面には、分岐管65Aの左先端部652Aが接続されている。左吹き出し口形成体89の下部891および第1送風ダクト46Aによって、第1送風路90が形成されている。第1送風路90は、第1吹き出し口51の左吹き出し口68に、調整された空気を導く。
左吹き出し口形成体89の下部891の下端には、水抜き構造が形成されている。具体的には、左吹き出し口形成体89の下部891の下端に水抜き孔62Aが上下に沿って貫通形成されている。これにより、左吹き出し口68から浸入した水を上デッキ18の床面18aに排水することができる。
図15Aは、第2吹き出し口52の右吹き出し口67の周辺の要部を右側から視た断面図である。また、図15Bは、第2吹き出し口52の左吹き出し口68の周辺の要部を右側から視た断面図である。図14Aを参照して、主管64Aの先端部は、主管64Aの中間部に対して上方に延び、途中で下向きとなるように屈曲されている。この主管64Aの先端側は、右先端部641Aと、左先端部642Aとに分岐している。
図14Aおよび図15Aを参照して、右先端部641Aには、右吹き出し口67を含む右吹き出し口形成体87が接続されている。右吹き出し口形成体87の下部871の上面には、主管64Aの右先端部641Aが接続されている。第2吹き出し口52の右吹き出し口形成体87の下部871および第1送風ダクト46Aによって、第1送風路91が形成されている。第1送風路91は、第2吹き出し口52の右吹き出し口67に、調整された空気を導く。
図14Aおよび図15Bを参照して、主管64Aの左先端部642Aには、左吹き出し口68を含む左吹き出し口形成体89が接続されている。左吹き出し口形成体89の下部891の上面には、主管64Aの左先端部642Aが接続されている。第2吹き出し口52の左吹き出し口形成体89の下部891および第1送風ダクト46Aによって、第1送風路92が形成されている。第1送風路92は、第2吹き出し口52の左吹き出し口68に、調整された空気を導く。
この第2実施形態によれば、第1送風ダクト46Aは、ダッシュボード26の下方のわずかな空間に配置すればよいので、第1送風ダクト46Aをキャビン4から上デッキ18に延ばす必要がない。したがって、第1送風ダクト46を短くできる。
<第3実施形態>
図16は、この発明の第3実施形態に係る小型船舶の要部の右側面図である。以下では、第1実施形態と異なる点について説明する。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、図に同一の符号を付し、説明を省略する。
この第3実施形態では、上デッキ18に固定されたテーブル93に吹き出し口が形成されている。そして、第1送風路107が、テーブル93の吹き出し口に向けて、調整された空気を送るようになっている。テーブル93は、上デッキ18において、操船席24の後方に配置されている。
図17は、上デッキ18のテーブル93周辺の斜視図である。テーブル93の左方および後方には、たとえば、平面視L字状の後部シート95が配置されている。後部シート95および同乗者席25に座る乗員によってテーブル93が取り囲まれるようになっている。
テーブル93は、上デッキ18の床面18aに固定された板状のベース96と、ベース96から上方に延びる筒状の脚部97と、脚部97に支持された中空の天板98とを含んでいる。
天板98は、たとえば平面視楕円形状に形成されており、所定の厚みを有している。天板98の側面部98aには、複数の吹き出し口50Bが形成されている。吹き出し口50Bは、側面部98aの周方向に間隔を開けて複数配置されており、調整された空気が吹き出し口50Bから吹き出される。これにより、吹き出し口50Bからの風が、後部シート95、同乗者席25および操船席24に向けて吹き出される。吹き出し口50Bは、たとえば横長の長孔形状に形成されている。
また、天板98の上面には、複数の凹部99が形成されている。各凹部99は、たとえば、ペットボトルなどの飲料容器を保持するために設けられている。凹部99の底面99aは平坦である。底面99aには、底面99aを上下に貫通することで吹き出し口50Cが形成されている。吹き出し口50Cからの風は、凹部99に吹き出される。これにより、凹部99に保持された飲料容器を冷却または加熱(保温)することができる。
図18は、テーブル93の周辺の構成を説明するための図解的な縦断面図である。天板98は、中空に形成されており、上板100と、上板100に固定された下板101とを含んでいる。上板100に、凹部99が形成されている。下板101は、脚部97の外周面に固定される筒状の固定部102と、固定部102に連なる下板本体103とを含んでいる。
下板本体103は、上方に進むほど脚部97から離れて外側に広がるように形成されている。これにより、下板本体103は、その外周部から内周部に向かって下向きに傾斜している。下板本体103の内周部(下端部)には、水抜き構造が形成されている。具体的には、下板本体103の内周部に水抜き孔62Bが上下に沿って貫通形成されている。水抜き孔62Bは、下板本体103の周方向に1または複数(たとえば、1つ)設けられている。これにより、各吹き出し口50B,50Cから浸入した水は、水抜き孔62Bを通して上デッキ18の床面18aに排水される。
脚部97の上端は、下板本体103の内周部よりも上方に位置している。これにより、下板本体103を流れる水が脚部97内に入ることを抑制することができる。また。脚部97と凹部99とは、水平方向の位置がずらされている。これにより、凹部99の吹き出し口50Cから天板98の内部空間98bに浸入した水が脚部97内に入ることを抑制している。
図16および図18を参照して、上デッキ18の床面18aの下方には、第1送風ダクト46Bに設けられた延設管104が配置されている。延設管104は、第1送風ダクト46Bの湾曲部54を通る空気の一部を吹き出し口50B,50Cに送るために設けられている。延設管104の基端部104aは、第1送風ダクト46Bの湾曲部54に接続されている。基端部104aの近傍に、第2ブロワ108が配置されている。第2ブロワ108は、本発明の「風量変更手段」の一例である。第2ブロワ108によって、延設管104内の空気が吹き出し口50B,50Cに向けて送風される。この第2ブロワ108は、ブロワ57と同期して駆動される。
延設管104の先端部104bは、筒状の固定部材105に固定されている。固定部材105は、環状に形成されており、上デッキ18の底面に固定されている。延設管104は、固定部材105、上デッキ18の床面18aに形成された貫通孔106、および脚部97を介して、天板98の内部空間98bに連通している。内部空間98bは、吹き出し口50B,50Cに連通している。第1送風ダクト46B、脚部97および天板98によって、調整された空気を吹き出し口50B,50Cへと導く第1送風路107が形成されている。
図16を参照して、第1送風ダクト46Bの横長部55Bは、湾曲部54から前方に向けて延びている。横長部55Bの先端に、ブロワ57が配置されている。ブロワ57には、第1送風ダクト46Bの第2端部56Bが接続されている。この第2端部56Bのうち、ブロワ57との接続部の近傍に、凹状部58Bが形成されている。
凹状部58Bの下端は、ブロワ57の下端よりも低い位置に配置されている。これにより、第1送風ダクト46Bの凹状部58B内に溜まった水にブロワ57が浸からないようにされている。凹状部58Bの下端には、水抜き構造が設けられている。この水抜き構造は、第1実施形態の水抜き構造と同様であるので、詳細な説明は省略する。
この第3実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。すなわち、テーブル93に吹き出し口50Bを配置していることにより、上デッキ18のテーブル93の近傍にいる乗員に、調整された空気を当てることができる。
また、吹き出し口50Bを、テーブル93の天板98の側面部98aに配置している。これにより、テーブル93から略真横方向に向けて調整された空気を吹き出すことができる。その結果、調整された空気を、テーブル93の周囲に居る乗員に確実に当てることができる。
さらに、テーブル93を上デッキ18の中央近傍に配置している。これにより、平面視において、上デッキ18のより広い範囲に、調整された空気を吹き出すことができる。
<第4実施形態>
図19Aおよび図19Bは、この発明の第4実施形態に係る小型船舶の要部の断面図である。以下では、第1実施形態と異なる点について説明する。第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、図に同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態の構成が第1実施形態と異なるのは、主に、第1吹き出し口51Cと第2吹き出し口52Cのそれぞれの風向の変更のための構成である。
図19Aを参照して、第1吹き出し口51Cは、筒状に形成されており、第1送風ダクト46Cの分岐管65Cの先端部110に接続されている。分岐管65Cの先端部110は、二股に分岐しておらず、1本の筒状に形成されている。
第1吹き出し口51Cには、ルーバー111が配置されている。ルーバー111は、本発明の「風向変更手段」の一例である。ルーバー111は、複数(たとえば、3つ)の整流板75Cを含んでいる。各整流板75Cは、第1吹き出し口51Cからの吹き出し風向を規定している。各整流板75Cは、平板状に形成されており、互いに平行に配置されている。
各整流板75Cは、左右に延びる回転軸112を有しており、対応する回転軸112回りに上下に揺動可能である。
1つの回転軸112には、風向変更モータ70Cの回転軸が固定されている。この風向変更モータ70Cの回転によって、ルーバー111の各整流板75Cの向きが変わる。これにより、第1吹き出し口51Cからの吹き出し風向B11が変わる。風向変更モータ70Cは、ダッシュボード26の下方に配置されている。
図19Bを参照して、第2吹き出し口52Cは、第1吹き出し口51Cと同様の構成を有している。具体的には、第2吹き出し口52Cは、筒状に形成されており、第1送風ダクト46Cの主管64Cの先端部113に接続されている。主管64Cの先端部113は、二股に分岐しておらず、1本の筒状に形成されている。
第2吹き出し口52Cには、ルーバー111が配置されている。第2吹き出し口52Cのルーバー111は、第2吹き出し口52Cからの吹き出し風向を規定している。
第2吹き出し口52Cのルーバー111の1つの回転軸112には、風向変更モータ70Cの回転軸が固定されている。この風向変更モータ70Cの回転によって、ルーバー111の各整流板75Cの向きが変わる。これにより、第2吹き出し口52Cからの吹き出し風向が変わる。
図20は、空気調和ECU77による空気調和制御の処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートでは、第1実施形態のフローチャート(図11)と異なる点について説明する。空気調和ECU77は、開閉モータ73を駆動させて開閉弁74を開いた後(ステップS2)、第1吹き出し口51Cおよび第2吹き出し口52Cからの吹き出し風向を、船速に応じて変更する(ステップS43)、
具体的には、図19Aに示すように、風向変更モータ70Cを駆動することにより、船速が低いときほど、第1吹き出し口51C(第2吹き出し口52C)からの吹き出し風向B11が上デッキ18の床面18aとなす仰角C11を小さくする
また、図19Bに示すように、風向変更モータ70Cを駆動することにより、船速が高いときほど、第2吹き出し口52C(第1吹き出し口51C)からの吹き出し風向B11が上デッキ18の床面18aとなす仰角C11を大きくする。
以上説明したように、第4実施形態によれば、船速に応じて、第1吹き出し口51C(第2吹き出し口52C)からの吹き出し風向B11を、連続的に変化させることができる。これにより、船速に応じたよりきめ細かい風向制御を行うことができる。その結果、調整された空気を、より狙い通りの向きに吹き出すことができる。
以上、この発明の4つの実施形態について説明したけれども、この発明は、さらに他の実施形態で実施することもできる。
たとえば、エアコンユニット30,30Aは、冷房運転と暖房運転とが可能であるとしたけれども、冷房運転または暖房運転のみ可能であってもよい。また、除湿機能を有するエアコンユニットを用いてもよいし、空気清浄機能を有するエアコンユニットを用いてもよい。
また、吹き出し口は、上デッキ18または下デッキ16に配置されていればよく、その配置場所は各上記実施形態に限定されない。
また、吹き出し口50,50B,50Cを、上向きに配置する構成としたけれども、下向きに配置してもよい。
また、水抜き構造は、水抜き孔62,62A,62Bを有する構成に限らない。水抜き構造は、対応する第1送風路46,88,90,91,92,94,107内の水を排水できるものであればよい。
また、ブロワスイッチ66のオン/オフによって各ブロワ57,108を駆動する構成としているけれども、これに限定されない。たとえば、ブロワスイッチ66を省略し、エアコンユニット30,30Aが作動しているときには常に対応する吹き出し口50,50B,50Cに対応するブロワ57,108で送風してもよい。
また、水抜き構造は、第1送風路46,88,90,91,92,94,107に配置されていればよく、その設置場所は限定されない。
また、各吹き出し口50,50B,50Cからの吹き出し風量は、船速に応じて変更される構成としたけれども、外気温などの他の条件に応じて変更される構成としてもよい。同様に、各吹き出し口50,50B,50Cからの吹き出し風向は、船速に応じて変更される構成としたけれども、外気温などの他の条件に応じて変更される構成としてもよい。
また、各吹き出し口50,50B,50Cからの風向および風量は、モータを用いて変更する構成としたけれども、手動で変更する構成でもよい。
また、第1実施形態において、吹き出し口50は、周壁19の前壁191の取り付け部191aよりも後方、より具体的には、ウィンドシールド29のうち最も後方に位置する後端縁29aよりも後方に配置される構成を説明したけれども、これに限定されない。吹き出し口50は、ウィンドシールド29によって上方から覆われていなければよい。具体的には、吹き出し口50は、ウィンドシールド29のうち吹き出し口50と前後に並ぶ位置での後端縁よりも後方に配置されていればよい。
また、第1実施形態において、吹き出し口50からの吹き出し風向が、上デッキ18の床面18aに対して45度以上の仰角をなす方向のときに、吹き出し口50からの風が航行風E1と混合される構成を説明したけれども、これに限定されない。吹き出し口50からの吹き出し風向が、上デッキ18の床面18aに対して下限が45度以外の仰角(たとえば、40度)をなす方向のときに、吹き出し口50からの風が航行風E1と混合される構成としてもよい。
また、上デッキ18に第3熱交換ユニット82を配置し、上デッキ18の空気をエアコンユニット30で調整する構成(第2実施形態の構成)を、第3実施形態または第4実施形態に適用してもよい。第3実施形態に適用する場合、第1送風ダクトは、第1吹き出し口、第2吹き出し口、およびテーブルの吹き出し口と、第3熱交換ユニットとを接続する。
また、テーブル93に吹き出し口50B,50Cを設ける構成(第3実施形態の構成)を、第4実施形態に適用してもよい。
また、前述の実施形態では、推進機として船外機(アウトボードモータ)を例にとったけれども、他の形態の推進機を備えた小型船舶にもこの発明の適用が可能である。推進機の他の例としては、船内外機(スターンドライブ。インボードモータ、アウトボードドライブ)、船内機(インボードモータ)、ウォータージェットドライブを挙げることができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、特許請求の範囲に記載された構成要素と前述の実施形態における構成要素との対応関係を示す。
小型船舶:小型船舶1
船体:船体2
キャビン:キャビン4
デッキ:デッキ5
外部空間:外部空間12
内部空間:内部空間13
デッキの床面:床面18a
操船ステーション:操船ステーション23
ウィンドシールド:ウィンドシールド29
空気調和装置:エアコンユニット30,30A
キャビン内の空気と熱交換する熱交換器:第2熱交換器39
第2送風路:第2送風ダクト45
第1送風路:第1送風ダクト46,46B、第1送風路88,90,91,92,107
吹き出し口:吹き出し口50,50B,50C
風量変更手段:ブロワ57,108
凹状部:凹状部58,58B
排水路:排水路60
ブロワスイッチ:ブロワスイッチ66
風向変更手段:風向変更装置69、ルーバー111
開閉手段:開閉装置72
風量変更手段、風量制御手段、風向変更手段,風向制御手段:空気調和ECU77
風量変更手段:ブロワ57、第2ブロワ108
速度検出手段:船速センサ78
テーブル:テーブル93
取り付け部:取り付け部191a
吹き出し風向:吹き出し風向B1,B2,B11
仰角:仰角C1,C2,C11
1 小型船舶
2 船体
4 キャビン
5 デッキ
12 外部空間
13 内部空間
18a 床面(デッキの床面)
23 操船ステーション
29 ウィンドシールド
30,30A エアコンユニット(空気調和装置)
39 第2熱交換器(キャビン内の空気と熱交換する熱交換器)
45 第2送風ダクト(第2送風路)
46,46B 第1送風ダクト(第1送風路)
50,50B,50C 吹き出し口
57 ブロワ(風量変更手段)
58,58B 凹状部
60 排水路
66 ブロワスイッチ
69 風向変更装置(風向変更手段)
72 開閉装置(開閉手段)
77 空気調和ECU(風量変更手段、風量制御手段、風向変更手段,風向制御手段)
78 船速センサ(速度検出手段)
88 第1送風路
90 第1送風路
91 第1送風路
92 第1送風路
93 テーブル
107 第1送風路
108 第2ブロワ(ブロワ、風量変更手段)
111 ルーバー(風向変更手段)
191a 取り付け部
B1,B2,B11 吹き出し風向
C1,C2,C11 仰角

Claims (14)

  1. 外部空間に開放されたデッキを有する船体と、
    前記船体に備えられた空気調和装置と、
    前記デッキに配置された吹き出し口と、
    前記空気調和装置によって調整された空気を前記吹き出し口へと導く第1送風路と、
    前記第1送風路の途中に配置され、前記吹き出し口から入り込んだ水を前記第1送風路外に排水する水抜き構造とを含む、小型船舶。
  2. 前記船体は、外部空間から仕切られた内部空間を形成するキャビンをさらに含み、
    前記空気調和装置は、前記キャビン内の空気と熱交換する熱交換器を含み、
    前記小型船舶は、前記熱交換器で熱交換された空気を前記キャビンの内部空間に向けて送風する第2送風路をさらに含み、
    前記第1送風路は、前記第2送風路の途中から前記吹き出し口へと分岐している、請求項1記載の小型船舶。
  3. 前記第1送風路に配置され、前記吹き出し口に向けて送風するブロワをさらに含み、
    前記水抜き構造が、前記ブロワと前記吹き出し口との間に配置されている、請求項1または2記載の小型船舶。
  4. 前記空気調和装置の運転中に前記ブロワを運転または停止させるために操作者によって操作されるブロワスイッチをさらに含む、請求項3記載の小型船舶。
  5. 前記吹き出し口を開閉する開閉手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の小型船舶。
  6. 前記第1送風路は、下方に凹んだ凹状部を有しており、前記凹状部に前記水抜き構造が配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の小型船舶。
  7. 前記水抜き構造は、船内空間を通って船外に至るように配置された排水路を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の小型船舶。
  8. 前記吹き出し口からの吹き出し風量を変更する風量変更手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の小型船舶。
  9. 前記小型船舶の速度を検出する速度検出手段をさらに含み、
    前記風量変更手段は、前記速度検出手段によって検出される速度に応じて前記吹き出し風量を変更する風量制御手段を含む、請求項8記載の小型船舶。
  10. 前記吹き出し口からの吹き出し風向を変更する風向変更手段をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の小型船舶。
  11. 前記小型船舶の速度を検出する速度検出手段をさらに含み、
    前記風向変更手段は、前記速度検出手段によって検出される速度に応じて前記吹き出し風向を変更する風向制御手段を含む、請求項10記載の小型船舶。
  12. 前記吹き出し口からの吹き出し風向は、前記デッキの床面に対して45度以上の仰角をなす方向にすることが可能とされている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の小型船舶。
  13. 前記デッキに配置された操船ステーションと、
    前記操船ステーションの前方部に配置されたウィンドシールドとをさらに含み、
    前記吹き出し口が、前記操船ステーションにおいて、前記ウィンドシールドが取り付けられる取り付け部よりも後方に配置されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の小型船舶。
  14. 前記デッキに配置されたテーブルをさらに含み、
    前記吹き出し口は、前記テーブルに設けられている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の小型船舶。
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JP2013103525A (ja) * 2011-11-10 2013-05-30 Yamaha Motor Co Ltd 小型船舶
WO2020162097A1 (ja) * 2019-02-08 2020-08-13 株式会社デンソー 空調装置
JP7474677B2 (ja) 2020-10-20 2024-04-25 三菱重工業株式会社 医療用シェルター設備及び船舶

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