JP6843880B2 - 光エネルギーを用いた植物中における物質の浸透を促進するシステムおよび方法 - Google Patents

光エネルギーを用いた植物中における物質の浸透を促進するシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6843880B2
JP6843880B2 JP2018549750A JP2018549750A JP6843880B2 JP 6843880 B2 JP6843880 B2 JP 6843880B2 JP 2018549750 A JP2018549750 A JP 2018549750A JP 2018549750 A JP2018549750 A JP 2018549750A JP 6843880 B2 JP6843880 B2 JP 6843880B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
plant
site
therapeutic
depression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018549750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019501668A (ja
Inventor
ピー ドルイラード グレゴリー
ピー ドルイラード グレゴリー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Premier Citrus Apz LLC
Original Assignee
Premier Citrus Apz LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Premier Citrus Apz LLC filed Critical Premier Citrus Apz LLC
Publication of JP2019501668A publication Critical patent/JP2019501668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6843880B2 publication Critical patent/JP6843880B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01GHORTICULTURE; CULTIVATION OF VEGETABLES, FLOWERS, RICE, FRUIT, VINES, HOPS OR SEAWEED; FORESTRY; WATERING
    • A01G7/00Botany in general
    • A01G7/06Treatment of growing trees or plants, e.g. for preventing decay of wood, for tingeing flowers or wood, for prolonging the life of plants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ecology (AREA)
  • Forests & Forestry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Description

発明の分野
本発明の技術分野は、植物への物質を送達するための装置および方法である。
背景技術の記述は、本発明の理解に有用な情報を含むものである。本明細書で提供されるいかなる情報も、先行技術であることもしくは現在請求されている発明と関連していることを自認するものではなく、または、明示的もしくは黙示的に参照されるいかなる出版物も先行技術であることを自認するものではない。
植物病原体は、植物産業に対して特有の挑戦的な課題を提起している。病原体を抑制することに仕損じると、作物を著しく損失する結果に繋がってしまう。例えば、Huanglongbing(以下、“HLB”と称する)またはカンキツグリーニング病は、柑橘類の生産にとって深刻な脅威であり、HLBに感染した一本の樹木から他の樹木にまで拡大し、その結果多くの樹木が失われることになりうる。そのため、HLBは、樹木および他の植物生命体を有するような大規模な事業に対して、極めて大きな損害を与えるものである。
スプレー治療を用いてHLBによる損害を緩和する方法がいくつか提案されている。例えば、マサオカ(US2013/0259954号)は、Feイオンおよび少なくとも一部がFe2+イオン形態のFeイオンを含む液体治療剤を用いることを提案している。前記液体治療剤を、カンキツグリーニング病に感染した柑橘類の樹木の葉面上に散布すること、またはカンキツグリーニング病に感染した柑橘類の根元に灌水することができる。別の例において、ボラス ヒダルゴ(EP2681997号)では、サリチル酸、ジャスモン酸/エチレンおよび過敏反応の経路に関連する遺伝子の同時活性化によってHLBを治療する方法を開示している。またマサオカと同様に、治療はスプレーを介して行うことができる。
スプレー治療についていくつかの方法が開示されているが、その他の治療方法には、植物に対して直接治療を送達する方法が採用されている。例えば、デ ソウザ(US2014/0024857号)では、感染した植物の篩管内の細菌クラスターを破壊することを目的としたシステインアミノ酸化合物を用いてHLBを抑制することが開示されている。当該システインアミノ酸化合物は、灌注処理(すなわち、植物近傍の小さな領域を薬液で充満させる処理)またはカプセル化形態の肥料として施用されうる。また別の例において、ワン(WO2013/148677号)では、SecA阻害化合物を用いて、タンパク質移行および潜在的なシグナルペプチド依存性病原性因子、すなわちHLBの原因物質であるカンキツグリーニング病菌(CLas)に作用を及ぼすことを開示している。化合物は、散布、散水、刷毛塗り、浸漬、塗抹、含浸、維管束への注入、および根系への施用などの従来の方法によって投与することができる。
熟畑樹における抗菌物質を用いたCLasの抑制結果は、HLB菌との闘いにおいて今後の有望な手段となりうる。しかしながら、このような抗菌物質による治療の成功例は、抗菌剤自体の有効性以外の要因に対して密接に依存している点で注意を払う必要がある。例えば、抗菌剤治療の成功に影響を与える2つの要因には、(i)植物内部への抗菌剤の浸透の度合い、および(ii)師部細胞による取り込みの割合が含まれる。
上記の方法のいくつかの問題点は、植物の地上部(例えば苗条)への物質の浸透が、葉、および茎上の樹皮の上に形成されているクチクラ(ワックス/クチン)のような保護層が存在することによって著しく妨げられることである。これらの保護被膜の主な機能は、害虫の侵入を防御し、かつ水分喪失を最小限にすることであるが、クチクラおよび樹皮は、また、外部から供給される物質の浸透(例えば、噴霧、灌水、散水など)を事実上不可能にする驚異的な保護シールドを形成する。
その結果、外部から供給される物質の葉への浸透は、通常、気孔開口部(柑橘類の葉の軸方向の側の表面にのみ見出される)およびクチクラ自体に偶発的に発生する亀裂を通してのみ可能となる。にもかかわらず、しばしば様々な生物的および非生物的状況下で気孔が閉じるため、外部から供給される溶液を葉内部へ浸透させうる気孔開口部の集口的表面積は、最適条件下であっても最小限である。同様に、前記樹皮は、外側には壊死してコルク質化したコルク細胞と内側には師部細胞とで構成されている複雑な組織であり、細胞壁の繊維質体を介した透過性を非常にわずか有している。したがって、植物への効果的な治療に必要な十分量の物質の吸収を確保するためには、より多くの物質の供給が必要とされうるため、クチクラおよび樹皮の限られた低い透過性により治療には費用がかさむ可能性がある。さらに、多量の物質を使用すると、汚染の問題が発生し、土壌の品質を大幅に低下させる可能性がある。
物質送達の他の方法は、エップステイン(CA2276312号)およびワタナベ(US2005/0210744号)に開示されている。
したがって、物質を植物に送達するための、より効率的な装置および方法が依然として必要とされている。
本発明の対象は、植物内への物質の浸透を促進するために光エネルギーを使用できる装置、システムおよび方法を提供する。本明細書中で使用される場合、用語“植物”は、樹木、ブドウ、飼料、多年生植物、条播作物、潅木作物、観賞植物、一年生植物および草を含む任意の種類の植物生命体を意味する。本発明は、光エネルギーを植物の第1の部分に照射してくぼみを形成することによって達成される。くぼみは、破裂、除去、破壊または軽度の切開であることが認識されうる。
くぼみが形成された後、第1の投与量の物質を前記植物に投与する。したがって、植物への摂取を改善することにより、非常に環境にやさしい治療方法を提供することができる、なぜなら、(i)物質の投薬は、主に特定の部位(例えば、くぼみを有する位置)に限定されており、(ii)灌注処理量およびスプレー噴霧処理量が大幅に削減され、また場合によってはこれらの処理が不要になるため、本発明の方法により地面および大気に吸収される物質を低減でき、ならびに(iii)植物中への摂取量が改善されていることに起因して、必要な物質の量を減らすことができるからである。植物中への摂取量の改善を行うことにより、最低2液量オンスの投与量を採用できることが認識されうる。
第1の態様において、疾患を有する植物を治療することができる。想定される疾患は、概して、事実上植物全体であり、病原体が植物組織内で生じることを意味する。しかしながら、表面疾患(例えば、柑橘類潰瘍病)も治療することができると考えられている。従って、表面疾患を治療するためにスプレーによって過剰な投与量の物質(例えば、抗菌物質)を投与する代わりに、本明細書中に開示されるような少なくとも1つのくぼみを有する治療領域に前記物質を供給することによって、物質の投与量を大幅に減少させることができると考えられる。植物は感染部位を有し、これは通常植物体内(例えば、師部、根)に存在する。植物上の治療領域に光エネルギーを照射して、第1のくぼみを形成する。典型的な実施形態において、治療領域は、感染部位から遠位である。くぼみが形成されると、第1の投与量の物質は、治療応答を誘発するための有効量で、治療領域に投与されうる。
植物を治療することは、疾患からの植物の完全治癒を必要とするものではないが、疾患の状態の低下または疾患の症状の軽減を含むものである点を認識すべきである。さらに、植物の治療には、植物の健康を増強するための栄養素およびサプリメントの提供もまた含まれうる。
想定される実施形態において、光エネルギーを照射する工程は、くぼみパターンを形成する工程を含む。当該くぼみのパターンは、単一のドット、複数のドット、単一のライン、複数のライン、連続的に曲がるライン(例えば、渦巻き、ランダムな曲線など)、複数の連続的に曲がるラインおよびこれらの組み合わせが挙げられる。くぼみパターンは、治療応答を誘発させるための効果が発揮するのに必要な量である、物質の第1の投与量に影響を及ぼし得る。さらに、第1のくぼみは、約100〜500μmの直径を有することができる。したがって、種々のくぼみ深さ、幅、長さ、表面積、およびパターンが採用され、最小侵襲手法で治療応答を促進することができること点を認識すべきである。
想定される実施形態において、光エネルギーを照射する工程は、第1の投与量を投与する工程の前に行われものである。しかしながら、植物を治療するために逆の順序を行うこともできることを理解すべきである。第1のくぼみを介した植物への物質の効果的な摂取を確保する目的で所定時間を設けて当該工程の実施を調整してもよい。例えば、光エネルギーを照射する工程および第1の投与量を投与する工程は、互いに1時間未満内、30分未満内、またはさらに1分未満内で行うとよい。
上記で簡単に述べたように、感染部位は、師部中に存在する可能性が高い。そのような実施形態において、適切な治療領域は、植物の葉、茎および樹皮の少なくとも1つの表面を含む。例えば、植物は、HLBを保菌する柑橘類の樹木でありうる。HLBを保菌する柑橘類の樹木は、師部に感染部位が存在する。柑橘類の樹木を治療するために、光エネルギーを照射して、治療領域上に第1のくぼみを形成することができ、当該治療領域には、葉、茎および樹皮の少なくとも1種が含みうる。前記くぼみが形成されると、第1の投与量の物質(例えば、抗菌物質)は、治療応答(例えば、HLBの症状を軽減する)を誘発するための有効量で、治療領域に投与されうる。治療応答(例えば、HLBの症状を軽減する)を誘発するための有効量で、物質の第1の投与(例えば、抗菌物質)を治療領域に行うことができる。前記第1のくぼみは、くぼみを介して師部に物質を導入することができるように、葉にクチクラを破断することを含むことができるものと理解すべきである。
上述の実施形態は、第1のくぼみを生成する光エネルギーについて説明したが、光エネルギーを治療領域に照射する工程は、第2のくぼみを形成することも含みうるとみなされる。第2のくぼみを用いると、物質の第1の投与は、第1および第2のくぼみによって有利に受け入れられることができる。したがって、形成されたくぼみの量が植物の損傷を抑制または低減するために最小侵襲性である限り、さらに追加のくぼみの形成も想定されうる。
本発明者は、植物への損傷の危険性を低減するために、治療領域に光エネルギーを照射する工程後、第1のくぼみを封止するために有効量のワックスを治療領域に塗布することにより、治療領域への物質の投与が完了することを考えた。疎水性コーティング剤を前記治療領域上に噴霧して呼吸機能(水分損失)を低下させることも考えられる。予防策のさらなる工程として、抗菌物質スプレーを治療領域に塗布することができる。
前記治療領域および前記感染部位は、植物内における別個の植物器官中に存在し得る。例えば、前記治療部位は植物の表皮器官(例えばクチクラ、コルク)内であるが、前記感染部位は植物の維管束系(例えば、師部)に存在しうる。さらに、上記で簡単に説明したが、前記治療領域および前記感染部位は遠位であり得る。本明細書中で使用される“遠位”は、“から離れて位置する”ことを意味する。いくつかの例では、遠位は、治療領域と感染領域との間の物理的距離をいい、例えば、0.01cm〜100cm、より好ましくは0.05cm〜50cm、最も好ましくは0.1cm〜〜25cmの距離である。その他の例として、遠位は、全身経路に関して治療領域と感染部位との間の距離を示してもよい。例えば、治療領域および感染部位は、植物表皮の1から2層または樹皮組織の1〜2層の遠位にある。さらに、遠位は、複数の器官(例えば、表皮器官、維管束器官、地中器官)を横切る全体の距離を表わしてもよい。さらに、遠位は、植物の異なる枝および/または葉上の位置を表わしてもよい。
別の態様において、第1の物質が植物内の第1の部位に送達されることが考えられる。このような実施形態では、植物表面上に位置する第2の部位に光エネルギーを照射して第1の破壊部を形成させる。前記第1の破壊部は、破裂、切除、圧痕または軽微な切開でありうる。第1の部位(例えば、師部、木部)および第2の部位(例えばクチクラ、コルク)は、それぞれ組織の種類が異なっていてもよい。換言すると、前記第1の部位および第2の部位は、異なる植物器官(例えば、表皮器官、維管束器官)または異なる植物組織でありうる。破壊部が形成されると、第1の投与量の第1の物質は、第1の物質の摂取および前記第1の破壊部経由で第1の部位への送達を促進させるための有効量で、第2の部位に投与されうる。前記第1の投与量および前記第1の破壊部は、十分な生物学的応答を示すことができる。
前記第1の物質は、抗菌剤、殺虫剤(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤など)、肥料、除草剤、殺菌剤、または所望の応答を提供する他の化合物の少なくとも1つを含んでもよい。第1の物質の第1の投与は、生物学的応答にとって有益であり得るが、第1の投与後に第1の物質または第2の物質のいずれかの第2の投与ができると考えられる。第2の物質は、抗菌剤、農薬、肥料、除草剤および殺菌剤の少なくとも1つを含むことができる。
植物は、樹木、穀物、潅木、および観賞植物を含む。さらに、予防手段として、第2の部位に光エネルギーを照射し、第1の投与量の物質を第2の部位に投与する工程の後に、第1の破壊部を封止するための有効量のワックスを第2の部位に塗布することができる。
さらに別の態様では、化合物を生きた植物に送達することができる。そのような実施形態において、植物の第1の部分に光エネルギーを照射して、第1のくぼみを生成する。その後、第1の投与量の前記化合物は、生物学的応答を誘発するための有効量で、第1表面のくぼみに投与される。
本発明の対象の様々な目的、特徴、態様および利点は、詳細な説明と同様の数表示により詳細な説明と同様の構成要素を表す添付の図面を参照するとともに、以下の好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
図1は、植物の感染部位で疾患を有する植物を治療する方法の概略図である。 図2A〜図2Fは、治療領域から感染部位への第1の物質の送達を示す実施形態の斜視図である。 図3A〜図3Fは、全身経路によって分離された治療部位から感染部位への第1の物質の送達を示す実施形態の斜視図である。 図4A〜4Dは、くぼみパターンの様々な実施形態を示す。 図5は、植物の第1の部位に第1の物質を送達する方法の概略図である。 図6は、光エネルギーで照射されたクチクラの側断面図である。 図7は、くぼみに塗布された抗菌剤溶液の側断面図である。 図8A−8Bは、光エネルギーを照射した後の処理および未治療の柑橘類葉の立面図である。 図9A−9Bは、小葉脈および大葉脈における師部可動性化合物の摂取を示した後の柑橘類の葉の立面図である。 図10は、師部可動化合物の移動を示す柑橘類の葉の葉柄の断面図である。 図11A−11Bは、未治療のコントロール樹木(図11A)および治療された樹木からの樹皮の水平断面図である。 図12A−12Bは、物質を植物に送達するための装置の実施形態の上面斜視図である。
詳細な説明
以下の説明は、本発明の対象について多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、本発明の要素の単一の組み合わせを表しているが、本発明の対象は、開示された要素のすべての可能な組み合わせを含むと考えられる。したがって、ある実施形態が要素A、B、およびCを含み、第2の実施形態が要素BおよびDを含む場合、本発明の対象は、明示的記載がなくても、A、B、CまたはDの他の残りの組み合わせも含むものと考えられる。
光エネルギーが植物内の物質の浸透を促進するために用いられることが見出された。これは、植物の第1の部位に光エネルギーを照射してくぼみを作り、それによってクチクラおよび樹皮の少なくとも1つにより課された吸収の障壁を乗り越えて達成できるものである。前記くぼみが形成されると、物質の第1の投与量を植物に投与することができ、それによって、前記第1の投与量の少なくとも一部が、くぼみを介して植物内に浸透することができる。投与物質が、植物の師部に直接送達されうることで、当技術分野の従来の方法よりもはるかに多くの物質の摂取を促すことができる点を理解すべきである。したがって、上記の通り、環境にやさしい物質の送達手段は、以下の理由により提供しうる。(i)物質の投与は、主に特定の部位(例えば、くぼみを有する位置)にのみ限定される、(ii)灌注処理量およびスプレー噴霧処理量が大幅に低減される、また場合によってはこれらの処理が無くなるため、当該手法により地中および大気中に吸収される物質量も低減することができる、ならびに(iii)摂取量の向上により必要な物質の量が減少する。
図1は、感染部位を有する植物を治療するための方法100の概略図を示すものである。当該方法100は、植物上の治療領域に光エネルギーを照射して第1のくぼみを形成する工程102を有する。治療領域は、主に感染部位から遠位である。別の工程104において、第1の投与量の物質は、前記感染部位での治療応答を誘発するための有効量で、治療領域に投与される。植物の種類および所望の治療応答にも依存するが、200ppmの抗菌剤の濃度を有する2液量オンス程度の最低限の投与量でも、治療応答を効果的に誘発すると考えられる。しかしながら、より多くの投薬量およびより高い濃度でも効果を奏することを想定しているものと考えられる。
適切な治療応答には、感染領域の原因である疾患の完全な治癒、感染領域の減少、感染領域の原因である疾患の症状の軽減、または健康刺激が含まれうる。適切な治療応答には、また植物の健康の向上を含み、当該健康の向上は、植物の色の変化(例えば、多少変化の少ない葉)、新しい葉の成長および新しい果実の成長のうち少なくとも1つを、主に外観から観察できるものであると考えられるべきである。
好ましい実施形態では、治療領域に光エネルギーを照射する工程102は、前記物質の前記第1の投与量を投与する工程104の前に行われる。しかしながら、植物を治療するために逆の順序を行ってもよく、工程104が工程102の前に行うことも想定されている。工程102および工程104の順序にかかわらず、各工程がいつ完了するかを決定するために、所定の時間を設けてもよい。例えば、工程102および工程104は、互いに、1時間未満以内、より好ましくは30分未満以内、最も好ましくは1分以内に完了することができる。したがって、所定の時間内に工程102および工程104を実行することによって、第1のくぼみによる物質の摂取を促進することができる。物質の治療活性に遅延時間を有する薬物(例えば、ある期間が経過するまで薬物が活性化しない)を用いる場合、実行する工程102と工程104との間を経過する時間を埋め合わせる調整を行って、前記物質の遅延性の治療活性効果が発揮されるようにしてもよい。同様に、物質の活性時間が限られた薬物(例えば、ある期間後に薬物が不活性になる)を用いる場合、実行する工程102と工程104との間を経過する時間を埋め合わせる調整を行って、当該限られた時間内に前記物質の治療活性効果が発揮されるようにしてもよい。
第1のくぼみのパラメータ(例えば、大きさ、形状、深さ、パターンなど)は、感染領域における治療応答に影響を及ぼすことができるものとさらに期待される。光エネルギーを照射する追加の工程108には、くぼみパターンを生成する工程を含んでもよい。適切なくぼみ(刻み目)パターンは、1ドットまたは1ラインと同程度の基本的な形状であってもよい。くぼみパターンは、より複雑であってもよく、複数の点、線、連続的な曲線、またはそれらの組み合わせを含むことができる。物質を吸収するために異なる寸法形状および領域が付与されることにより、くぼみパターンが、植物内への物質の摂取に影響を与えることができる点に留意すべきである。方法100には、第2のくぼみまたは任意の数の追加のくぼみを形成する目的で光エネルギーを照射する追加工程110を含んでもよいと考えられる。
方法100はまた、第1のくぼみおよび任意の追加のくぼみを封止する目的で有効量のワックスを治療領域に塗布する追加工程106を含んでもよい。ワックスを塗布する工程は、光エネルギーを治療領域に照射して、第1の投与量の物質を治療領域に投与する工程の後に実施されることを想定している。このようにして、外部環境から第1のくぼみを封止することによって、有害な汚染物質が第1のくぼみを介して植物に侵入することを抑制することができる。さらに、ワックスは、物質の蒸散量を減少させることで植物内への物質の吸収を助ける作用を示す。
図2A〜図2Fは、感染部位206を有する植物200の断面を示す図である。当該図は、感染部位206を治療する方法を模式的に示すものである。植物200は、樹木、ブドウ、飼料、多年生作物、条播作物、潅木作物、観賞用植物、一年生植物、および草を含む任意の種類の植物体を含むことができる。一例では、植物200は柑橘類の樹木である。したがって、本明細書に開示された方法は、植物内への物質の送達を改善するために、すべての異なる植物種にも適用することができることに留意すべきである。これまでに開示された方法は、疾患のある植物の治療に関するものであるが、本明細書の方法は、予防的ケアまたは健康全般(例えば、肥料施用)を奨励するために健康な植物にも適用できることに留意すべきである。
植物は、複数の感染部位を有してもよい。感染部位206は、種々の既知の疾患/病原体による影響を受ける領域を有してもよい。想定される疾患は、主に事実上全身性疾患であり、ここでいう全身性疾患は病原体が植物組織内に生じることを意味するものである。したがって、このような全身性疾患の治療は、従来の表面治療を用いて抑制することが困難である。例えば、想定される疾患には、HLB、シトラストリステーザウイルス(CTV)、シトラスバリエゲイトクロロシス(CVC)、ローレルウィルト病、フザリウムウィルト病、フィトプラズマ、ゼブラチップ病、バクテリアキウイフルーツブドウ病、チェスナット枯病、オークウィルト、フザリウムウィルトおよびピアス疾患を含む。
感染部位206は、HLB、シトラストリスザウイルス(CTV)、シトラスバリゲイトクロリシス(CVC)、ローレルウィルト病、フザリウムウィルト、フィトプラズマ、ゼブラ病、バクテリアキウイフルーツブドウ病、チェスナット病、オークウィルト、フザリウムウィルトおよびピアス病などに挙げられる疾患に冒された植物内の領域でありうる。図2Aでは、一例として、植物200内の感染部位206を示しているが、例えばミカン類潰瘍病の場合のように、感染部位206が植物200の外表面上に存在し得ることも想定されている。
図2Aは、植物200の治療領域204に照射される光エネルギー202を示す図である。治療領域204は、主に植物200の表面上に存在する。しかしながら、治療領域204は、また、植物200の内部(すなわち、外側の外皮を超えて)にあってもよいことが想定されている。治療領域204は、植物の領域または植物の特定の器官(例えば、葉、樹皮、茎など)であってもよい。さらに、治療領域204は、標的となりうる被覆領域を含んでもよい。例えば、治療領域204は、植物の表面積の25%未満(例えば、葉、茎、幹など)、より好ましくは植物の表面積の20%未満を構成することができる。
治療領域204は、通常、感染部位206から遠位である。例えば、治療領域204は、葉、茎および樹皮の少なくとも1つの表面であり得る一方、感染部位は、植物200の師部内に存在する。特に、治療領域204は、植物200の表皮またはクチクラ器官内に存在することができ、感染部位206は、植物200の維管束器官内に存在することができる。したがって、治療領域および感染部位は別個の植物器官(例えば、皮、維管束、地中)にあることが想定される。
光エネルギー202は、図2Bに示すように、第1のくぼみ208を形成するために使用される。共同発明された米国特許第5,660,747号および第5,897,797号、米国特許公開第2005/0226875では、COレーザーからのエネルギーを用いて生成物の皮膚をエッチングするための様々な技術が記載されている。本発明の対象の方法は、これらの参考文献に記載された技術、またはその技術の改変、および適切な操作パラメータとの組み合わせを採用して、本発明の対象の目的の課題を達成してもよいと考えられる。例えば、光エネルギー202は、特定の治療表面(例えば、葉)で所望のくぼみを生成するのに十分なパラメータ(例えば、サイズ/直径、品質、空間強度分布、発散、波長など)で構成されたCOレーザーを有することができる。いくつかの実施形態において、光エネルギー202(例えば、レーザー)の適切なパラメータは、約10マイクロメートル(例えば、10.6マイクロメートル)を有する波長と、30〜2000マイクロ秒で20〜90%の出力範囲とを含む。光エネルギー202の出力は、10乃至100ワットの範囲であることが想定されている。適切なパラメータは、光エネルギー202に影響を及ぼしうる様々な環境要因に対応するようにリアルタイムで調整することができることを理解すべきである。
治療領域204は植物200の異なる部分(例えば、葉および樹皮)を含みうるため、光エネルギー202の異なるパラメータを植物200の異なる部分にそれぞれ用いることができるものと考えられる。例えば、くぼみを作り出すために樹皮に照射される光エネルギー202は、くぼみを作り出すために葉に適用される光エネルギー202よりも多くの出力および照射時間(滞留時間)を通常必要とする。樹皮に光エネルギー202を照射するための適切な出力設定は、植物200の年齢に依存して、1200〜2000μsecの照射時間(滞留時間)で80〜90%出力の範囲内にある。一方、草の場合は、30〜120μsecの照射時間(滞留時間)で20〜50%の出力範囲内といったより少ない出力を通常必要とする。
光エネルギー202の他の考えられるパラメータには、ジャンプ速度、マーキング速度、マーキング強度、パルス周波数が含まれる。当該ジャンプ速度は、1〜3000mm/s、より好ましくは1000〜2000mm/sの範囲であり得る。当該マーキング速度は、100〜3000mm/s、より好ましくは1000〜2000mm/sの範囲であり得る。当該マーキング強度:20〜100%、より好ましくは30〜70%である。パルス周波数:15〜20000Hz、より好ましくは1000〜20000Hzの間である。ジャンプ速度、マーキング速度、マーキング強度、パルス周波数は、葉、枝、茎、樹皮を含む植物200のすべての領域に適用できることを理解すべきである。
さらに、光エネルギー202は、ビーム特性およびエネルギーを変更することなく約14インチ×14インチの走査ウィンドウを備える400mm出力レンズを使用して生成することができると考えられる。当該走査ウィンドウは、光エネルギー202によって照射され得る領域である。例えば、前記出力レンズは、15インチの最適焦点距離および9インチの有効焦点深度を供すると考えられる。使用される出力レンズのサイズに基づいて、焦点および焦点深度を変更することができることを留意すべきである。例えば、200mmレンズは7インチの焦点及び4インチの焦点深度を供し、かつ800mmレンズは23インチの焦点及び15インチの焦点深度を供する。したがって、“スクライビング”レーザーまたは連続波レーザーが想定され、これらのレーザーは空気冷却され、屋外環境用に設計することができることを留意すべきである。
さらに、検流計を使用して、光エネルギー202のスクライビング経路を制御することができることに留意すべきである。通常、検流計はレーザー出力レンズの後方に配置され、光エネルギー202はレーザー出力レンズの前に検流計の方に進行する。レーザー出力レンズの前方の方向に移動する。さらに、2つ以上の検流計を使用して、2つの方向(例えば、xおよびy方向)内で光エネルギー202の方向を制御できることを認識すべきである。
上述したように、光エネルギー202の適切なパラメータは、とりわけ環境要因に応じて変化し得る。光エネルギー202を調整するリアルタイムシステムをより良く操作するために、センサーを有する制御システム(例えば、フィードバックループ)は、光エネルギー202と統合することを想定している。植物200の異なる部分(例えば、樹皮 対 葉)、天候、植物200の樹齢、第1のくぼみ208の深さおよびサイズ、ならびに光エネルギー源および治療領域204からの距離などといった、光エネルギー202の照射に影響を及ぼす様々なパラメータを検出するために、前記センサーが使用されてもよい。様々なパラメータに関するセンサーデータを取得すると、制御システムは、光エネルギー202を調整してくぼみを形成する。例えば、センサーは、治療領域204が植物200の樹皮の一部であることを感知し、光エネルギー202の出力設定を調整してくぼみを形成することができ、そして次の時点で、前記センサーは、治療領域204が草の表面上に存在することを感知し、かつ光エネルギー202の出力を低減することにより出力設定を調整してくぼみを形成する。別の例では、光エネルギー202は、デフォルト設定(例えば、植物200の葉上にくぼみを作成するための出力設定)を備えており、植物200の別の部分(例えば、幹、樹皮)を感知すると、制御システムは、デフォルトの設定に戻る前にくぼみを形成するよう光エネルギー202を調整することができる。さらに別の例では、第1のくぼみ208が所定の組織層に達したか否かを判定するために、光エネルギー202内にセンサーを統合することができる。
本発明として想定される実施形態において、治療領域204と接する光エネルギー源を備えた光エネルギー202を照射することができる。しかしながら、他のより典型的な実施形態においては、治療領域204と離間した光エネルギー源を備えた光エネルギー202を照射することができる。例えば、光エネルギー源は、治療領域204から4〜14インチ(例えば、7インチ)の間に存在してもよい。別の例では、光エネルギー202はCOレーザーを含み、かつ治療領域204は葉の表面上に存在するものである、また、ここでは、当該COレーザーから葉までの距離は4〜14インチであり、より好ましくは5〜8インチである。
第1のくぼみ208は、治療領域204における除去された部分または破壊された部分である。想定される実施形態では、第1のくぼみ208は、治療領域204を通る開口部を有する。換言すると、第1のくぼみ208は、治療領域204を通って延在して、治療領域204の下方表面を露出させる。例えば、第1のくぼみ208は、葉上のクチクラの破裂、切除、または破壊であり得る。第1のくぼみは、植物に対して最小侵襲性であることが意図されている点を認識すべきである。したがって、第1のくぼみ208の通常の直径は、約100μm〜約300μmであり、かつ通常約50μmの深さを有する。第1のくぼみ208は、より大きいまたはより小さい深さを有することができるが、多くの細胞を破壊する可能性があるため、原則として深さは75μmを超えてはならないことに留意すべきである。
第1のくぼみ208は、治療領域204を貫通して延在することができるが、第1のくぼみ208は、治療領域204を部分的に貫通して延在することができると考えられる。換言すると、第1のくぼみ208は、治療領域204を貫通する完全な裂け目である必要はない(例えば、第1のくぼみ208の深さはクチクラの厚さ全体に広がらない)。しかしその一方、第1のくぼみ208は、治療領域204を越えて様々な層を通って延在してもよいと考えられる。好ましくは、第1のくぼみ208は、植物への害を最小限に抑えながら物質の最大摂取を達成するように構成される。
第1のくぼみ208が形成されると、図2Cに示すように、第1の投与量の物質210を治療領域204に投与する。物質210の第1の投与量は、物質210が200〜2000ppmであってよく、当該投与量は、植物200のサイズに応じて調整することができる。物質210は、噴霧、散布、散液、刷毛塗り、塗抹および灌注処理を含む様々な方法を用いて、第1のくぼみ208に投与することができる。前記第1の投与の投与方法は、また、植物に水を送達する潅水システム(例えば、スプリンクラーシステム)へ物質210を注入することによって達成することができる。物質210の第1の投与量には、植物200中の物質210の吸収を向上させるために界面活性剤を含んでもよいと考えられる。これらの投与手法を用いて、物質210の少なくとも一部が第1のくぼみ内に208に注入される。より目的を見定めた投与手法を用いて、第1のくぼみ208の領域上への物質210の投与に注力することもまた考えられる。
物質210は、主に植物200の全体的な健康または治療を促進する物質である。ある一つの実施形態において、物質210は抗菌物質であってもよい。当該実施形態において、物質210の第1の投与量は、抗菌物質200〜2000ppmでありうると考えられる。適切な抗菌物質には、HLB治療物質(例えば、FeイオンおよびFe2+イオンを含む少なくともいくつかのFeイオン、システインアミノ酸化合物、SecA阻害化合物、オキシテトラサイクリン、ストレプトマイシン、他の抗菌剤などを含む液体治療薬)およびその他の病原性疾患(シトラストリステーザウイルス(CTV)、シトラスバリエゲイトクロロシス(CVC)、ミカン類潰瘍病、ピアス疾患など)を治療する物質を含む。さらに、物質210は、カンキツグリーニング病菌を抑制するのに有効であると考えられる。他の適切な抗菌性物質もまた、本明細書に開示される改良された送達方法を用いた塗布を行うことで、植物病原体を治療することができる。
物質210は、植物を治療するのに有効であり得るが、物質210は、農薬(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤など)、肥料、除草剤、殺菌剤またはビタミン/サプリメントであってもよいと考えられる。さらに、植物の全身的な健康を支援するために、他の物質を添加してもよい。したがって、本明細書に開示されている改善された送達方法は、適用される物質の種類によって制限されないことを理解されたい。
さらに他の実施形態では、物質210は、植物を枯らして排除するように構成された有害な化学物質または化合物を含んでもよい。このようにして、本発明の方法および装置は、雑草、感染植物、より古い植物などを除去するために、特定の植物を作物から選択的に除去するために使用することができる。このような実施形態では、第1のくぼみ208は、最小侵襲性の心配なしに取り込みを最適化するように構成することができる。
物質210は、種々の脂溶性ナノ粒子に包摂されることがさらに考えられる。これらのナノ粒子は、より高い保持率および改善されたクチクラの浸透を提供しうる。物質210のくぼみを作り出すために光エネルギーの使用と組み合わせると、ナノ粒子(または溶液中の物質)の浸透が格段に向上されうる。
通常、物質210は、図2Dに示すように、第1のくぼみ208により良好に吸収される。より良好な吸収の様々な理由の内、第1のくぼみ208内の物質210は、植物200の外層(すなわち、治療領域204の外面)にある物質210の吸収経路とは対照的に、植物200内でより直接的な吸収経路を有することに留意すべきである。治療領域204に投与される物質210の前記第1の投与量は、感染部位206において治療応答を誘導するための有効量であることが好ましい。
植物200における治療応答は、様々な様式であり得る。例えば、治療効果は、図2Eに示すように、感染部位206の減少を含むことができる。別の例において、治療応答は、病原体の症状を軽減すること、疾患の原因を減少させること、および疾患を完全に治癒することのうち少なくとも1つを含む。ある実施形態では、物質210は抗菌物質であり、治療応答はHLBの症状を軽減することを含む。物質210は殺虫剤(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤など)であり、治療応答は、植物を捕食する昆虫およびダニの少なくとも1つの数が減少することを含むものと考えられる。
物質210は、生物学的応答を達成しうることを理解すべきである。生物学的応答は、病原体の症状を軽減すること、病気を完全に治癒すること、および植物200の健康を改善することのうちの少なくとも1つにおける治療応答を含み得る。例えば、物質210に殺生物剤が含まれる場合、所望の生物学的応答は、任意の有害生物を抑制し、無害化し、または制御効果を発揮することであると考えられる。別の例では、物質210に殺菌剤が含まれる場合、所望の生物学的応答は、真菌(例えば、ローレルウィルト病、フザリウムウィルト病、チェスナット枯病、オークウィルト、フザリウムウィルトなど)または真菌胞子を殺菌または抑制すると考えられる。さらに別の例では、物質210に肥料が含まれる場合、生物学的応答が植物の生育に必須の植物栄養素を送達することが考えられうる。別の例では、物質210に農薬(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤など)が含まれる場合、生物学的応答は、植物を捕食する昆虫およびダニの少なくとも1つの数を減少させることが考えられる。例えば、物質210は、第1のくぼみ208を介して植物の維管束系(例えば、木部および師部)に導入されるネオニコチノイド系殺虫剤でありうる。したがって、通常、スプレー噴霧、灌注処理および土壌処理によって施用される農薬を植物に直接導入することができる。想定されている方法は、環境上の懸念のため抑制されつつある、スプレー噴霧および灌注処理を実質的に減らすものであることを理解すべきである。
第1のくぼみ208を形成し物質210を投与した後、図2Fに示すように、ワックス212を治療領域204に塗布してもよい。ワックス212は、病原体または他の有害な汚染物質が第1のくぼみに侵入することを防いだり、水分減少を抑制したり、および第1のくぼみ208から物質210の蒸散を減少させるといった種々の利点を有する点を理解すべきである。したがって、水分損失は主に局在化し、全体的な樹木に水に関する影響を与えてはならない。
図3A〜3Fは、植物300の断面を示す図であり、全身経路305を横切る治療領域304から遠位に位置する感染部位306を有する植物300の断面を示す図である。例えば、治療領域304は第1の葉上に存在し、かつ感染部位306は第2の葉上に存在し、前記第1の葉および第2の葉は、それぞれ異なる茎および/または枝に位置する。光エネルギー302が、治療領域304に照射され、図3A−図3Bに示されるような第1のくぼみ308が形成される。第1のくぼみ308が形成されると、図3Cに示すように、第1の投与量の物質310を治療領域304に投与する。上述したように、物質310は、様々な投与方法を採用することができ、物質の吸収向上のために界面活性剤をさらに含んでもよい。
物質310は、図3Dに示すように、第1のくぼみ308を介して植物300に吸収される。物質310は植物300内部に取り込まれたとしても、感染部位306が治療領域304から遠位であったり、物質310が迅速に感染部位306に接触せず、かつ物質310が全身経路によって分離されるといったいくつかの状況に留意すべきである。したがって、物質310の第1の投与および第1のくぼみ308は、感染部位306において治療応答を発揮するために、物質310の十分な摂取および感染部位306への送達ができるよう構成されている(例えば、第1の投与量、投与の回数、第1のくぼみ308のサイズおよび深さ、第1のくぼみ308の被覆率など)。第1のくぼみ308は、摂取の観点で約10nLの物質310を受け入れるように寸法決がされていると想定される。
物質310は、図3Eに示すように、植物の全身経路305を移動して感染部位306に到達することができると考えられる。図では、物質310が第1のくぼみ308に直接隣接する領域に存在するように示されているが、物質310は、全身経路305を通過するまで効果(例えば、治療または生物学的応答)を発揮しないと考えられる。図3Fに示す通り、第1のくぼみ308および物質310は、感染部位306の面積を減少させるなどの治療応答を十分誘発することができる。
上述したように、治療領域は1つ以上のくぼみを有してもよく、くぼみパターンを含んでもよい。図4A〜4Dに、治療領域404における種々のくぼみパターン403a〜403dの実施可能な一例を示す。例えば、パターン403aは単一の実線であり、パターン403bは複数の実線を含み、パターン404cは等間隔離間した複数の円形ドットを含み、パターン404dはランダムな間隔に離間された複数のドットを含む例である。
治療領域は、植物の様々な部分に広がりうることを認識すべきである。例えば、治療領域404は、植物の葉、茎および幹を包含してもよい。別の例では、治療領域404は、植物における一つの領域または一部(例えば、葉、茎、樹皮、根など)に限定してもよい。
くぼみは、治療領域の様々な部分(例えば、樹皮およびクチクラ)の間の吸収速度の差を構成するために、そのサイズおよび形状を変えてもよいことを理解すべきである。例えば、樹皮上のくぼみ内の物質は、クチクラ上のくぼみ内の物質よりも吸収が遅いと判断される場合、遅い吸収速度を補うために、樹皮表面のくぼみをより大きくしてもよい。さらに、抗菌物質の毛細管現象を促進するためにくぼみを作成してもよい。
別の態様において、方法500は、図5に示されるように、植物の第1の部位(例えば、組織、細胞、感染部位)に第1の物質を送達することが想定される。工程502において、植物表面上に位置する第2の部位(例えば植物の表皮、治療領域)に光エネルギーを照射して第1の破壊を起こす。想定される実施形態において、第1の部位および第2の部位は、種類が異なる(例えば、異なる組織、細胞、器官、植物系、遠位)。別の工程504において、第1の投与量の第1の物質は、第1の破壊部経由によって、第1の部位への前記第1の物質の摂取を促進させるための有効量で、前記第2の部位に投与されうる。生物学的応答は、第1の投与および第1の破壊部を用いることで達成される。
前記物質の前記第1投与量および前記第1の破壊部は、前記物質の摂取および対応する生物学的応答に影響を及ぼしうる。前記第1の破壊部は、第2の部位における破裂、除去、圧痕または軽度の切開であってよい。第2の部位に1つ以上の破壊部を形成することにより、第1の物質の第1の投与の量を、生物学的応答に影響を与えることなく低減することができる。しかしながら、複数の破壊部を形成すると、直接植物に物質を導入する部位が増加するようになるが、植物への永久的な損傷を避けるためには、破壊部は、最大でも第1の部位の25%を占めることが一般的には好ましい。いくつかの用途、特に植物を有害物質から保護するために破壊部を形成した後、ワックス処理の追加工程が行われる場合などにおいては、第1の部位の25%以上を破壊部で占めることが有利な効果を示す可能性がある。
上記の実施形態で説明したように、第1の物質は、抗菌剤、農薬、肥料、除草剤および殺菌剤の少なくとも1つを含み、それぞれ生物学的応答を生じさせることができる。例えば、第1の部位はクチクラであり、第2の部位は木部および師部の少なくとも1つを含む態様が考えられる。そのような場合、第1の物質は抗菌剤でよく、かつ生物学的応答はHLB症状の軽減でよい。
方法500において、光エネルギーを用いて、工程506で第1のくぼみ部を形成してもよい。さらに、別の工程508は、第1の物質の別の投与を追加で含んでもよく、または第2の物質の投与も含んでもよい。例えば、第1の投与量の第1の物質を投与してもよく、次いで所定の時間後に、第2の投与量の第1の物質を投与してもよい。別の例では、第1の投与量の第1の物質を投与してもよく、次いで第1の投与量の第2の物質を所定の時間後に投与してもよい。
第2の物質は、抗菌剤、農薬、肥料、除草剤および殺菌剤であってよい。さらに、第2の物質は、効能促進剤であっても、または第1の物質をさらに活性化するための第1の物質用の触媒であってもよい。第2の物質は、第2の生物学的応答を誘導してもよく、ここでいう第2の生物学的応答は、第1の生物学的応答に連動されても、または第1の生物学的応答とは別個に区別されてもよいと考えられる。第1および第2の投与の量は、同量であると考えられる。他の実施形態において、第1および第2の投与の量は、生物学的応答を誘発するのに必要な有効投与量に応じて調整される。
破壊部を形成した後の植物への負担を抑制するために、第2の部位に抗菌スプレーを施す工程512および第2の部位にワックスを塗布する工程514のうちの少なくとも1つを行ってもよい。工程514において、光エネルギーを第2の部位に照射し、第1の投与量の物質を第2の部位に投与する工程後に、第1の破壊部を封止するため有効量のワックスを塗布することが考えられる。
本明細書に開示された方法の例示的な応用例において、図6は、くぼみ601を形成するために植物の葉に光エネルギーを照射する様子を示す図である。光エネルギーには、低レベルの光エネルギーを使用して植物のクチクラ603を分散させ、それによりクチクラ603を貫通した微小くぼみを形成するといったレーザー光技術を取り入れてもよい。これにより、葉への物質の浸透が著しく促進され、当該物質は、師部細胞によって輸送および吸収されうる。この現象は、葉上のクチクラ(例えば、ワックス/クチン)および茎の樹皮などの保護層の除去による結果の一例である。前記くぼみは、約200μm幅のレーザー生成孔でありうる。
単一の光線を用いてクチクラまたは樹皮を破裂させるために、光エネルギーを照射してもよい。加えて、光エネルギーは、複数のくぼみを生成するために多数の位置でクチクラを破裂できる複数の光ビームを備えてもよい。一般的な実施形態では、光エネルギーは、葉と同様の方法で、茎または樹皮の下部に照射してもよい。例えば、光エネルギーは、樹木の根または冠に照射して表面のくぼみを形成してもよい。別の例では、光エネルギーを、植物の花または茎に照射して、表面のくぼみを形成してもよい。
クチクラ603を破裂させることにより、くぼみに物質を塗布してもよいことに留意すべきである。図7は、物質701に関する吸収が促進された師部細胞703への経路を示す葉の断面略図を示す。くぼみ702は、クチクラまたは樹皮の限られた透過性をバイパスすることによって、葉への物質の浸透を可能にする。物質は、植物細胞壁のセルロース繊維を通って師部に達するまで移動する。したがって、一旦葉組織の内部に入ると、物質はアポプラストを介して能動的輸送経路に沿って移動し、師部細胞によって吸収され、樹木全体に輸送される。
したがって、一般的な態様では、化合物を生きた植物体に送達する方法が想定される。第1の工程では、光エネルギーが植物の第1の部位に照射され、第1のくぼみが形成される。第2の工程では、第1の投与量の化合物は、生物学的応答を誘発する有効量で、第1のくぼみに投与されうる。
本明細書に開示される方法の有効性を説明するために、試験物質を用いて、葉面への塗布を介する浸透の向上の様子を示した。試験物質の中、師部可動性化合物であるNBDG(グルコース蛍光類似体(植物中に見出される天然糖))およびカルボキシフルオレシン−SE(生細胞中でのみ蛍光性の膜透過性物質)を実験に使用した。これら両方の物質を、5mg/mLの濃度で、(13×39ドットのくぼみパターン801を用いて)光照射した葉の上に手動で投与した。以下の説明はNBDGの使用に関連するものであるが、カルボキシフルオレシン−SEを使用した場合も、上記と同様の結果を示した。
これらの物質における試験した葉への摂取は、光照射された葉に対して溶液の投与を行わない場合の葉(図8Aに示されている)と比べると、照射領域(図8Bに示される)内の蛍光の広がりによって迅速に確認された。光照射無しの葉の表面にNBDGを投与したコントロールの葉は、摂取が無いことを示す蛍光(暗視野)を示した。また、図8A−8Bは、蛍光顕微鏡下で観察された様子を示すものであり、図8Bは、NBDG 5を投与してから10分後に採取した様子を示すものである。
投与から2時間以内に、塗布された領域から生じる(図9A〜9Bに示す)葉の側方葉脈内にNBDG由来の蛍光が観察された。また、図9A−9Bは、柑橘類の葉の一部の蛍光顕微鏡写真の画像である。図9Aは、光照射された葉のくぼみパターン801と、小葉脈903および主葉脈905におけるNBDGの動きを示している。図9Bは、小葉脈903および主葉脈905におけるNBDGを示す別の画像である。
投与から4時間後、NBDGは、図10に示すように、すでに葉柄1001の底まで移動して達している。したがって、上記の画像は、(i)クチクラのレーザエッチングが塗布された物質の浸透を促進するための効果的な方法であること、(ii)光合成組織を介した師部への移動は投与方法の影響を受けないこと、および(iii)塗布された師部可動性物質は自然な形で進行したこと、を実証している。
葉面に塗布されたNBDGの移動は、茎下および根の先にまで及んだことが認識されよう。投与から8時間以内に、NBDG由来の蛍光が、治療された葉から約20cmの樹皮組織の師部で観察された。図11A〜図11Bは、若木の樹皮部分を示すものである。図11Aは、未治療の樹木のコントロール樹皮片1101を示すものである。図11Bは、葉の上にNBDGを塗布して8時間後の治療済の樹木の樹皮片1103を示すものである。光照射された葉と樹皮片1103との間の距離は約20cmであった。
図12Aおよび図12Bは、物質を植物に送達するための装置1200の実施形態を示す。装置1200は、複数の電子制御ロボットアーム1201を備え、当該複数の電子制御ロボットアーム1201は、(i)植物1205(例えば、柑橘類の樹木)上の治療領域または第2の部位に光を分散させるレーザー発光素子1203、(ii)物質アプリケータ1207、および(iii)図12Aに示すように治療領域を封止するためのワックスアプリケータ1209のうち少なくとも1つを備える。レーザー発光素子1203、物質アプリケータ1207、およびワックスアプリケータ1209のうちの少なくとも1つを、それ自身の電子制御ロボットアーム1201に取り付けることによって、レーザー発光素子1203、物質アプリケータ1207、およびワックスの少なくとも1つが、独立した動作を行うことを可能にすると考えられる。
通常の順序では、レーザー発光素子1203は、レーザー光線1211を出射して、植物上の治療領域または第2の部位に瞬間的な破損(例えば、くぼみ、破裂、アブレーション、破壊)を形成することができ、物質アプリケータ1207は、物質(例えば、抗菌剤、農薬、肥料、除草剤、殺菌剤)を、植物中の治療領域または第2の部位の隅々まで送達することができ、かつワックスアプリケータ1209は、装置1200が方向1220に向かって移動できるため、植物上の治療領域または第2の部位を再封止することができる。装置1200は、林冠全体/一部領域上ではなく、植物上の治療領域または第2の部位上にのみ塗布することによって必要な物質の量を低減することができ、また、水分喪失および他の病原体から保護するために前記くぼみを確実に封止する。
複数の電子制御ロボットアーム1201は、図12Bに示すように、それぞれ独立して制御され、かつ電子的に作動されるような5つの個別アームを備えることができる。これらのアームは、垂直に積み重ねられ、各レーザーは約14インチ×14インチの走査ウィンドウを有する。当該走査ウィンドウは、レーザー発光素子1203によってレーザー照射可能な領域である。レーザービーム1211のスクライビング経路を制御するために検流計を使用できることを認識すべきである。通常、検流計は、レーザー出力レンズの後方に配置され、前記レーザービーム1211は、前記レーザー出力レンズの前に検流計の方に進行する。さらに、2つ以上の検流計を使用して、2つの方向(例えば、xおよびy方向)内でレーザービーム1211の方向を制御することができることが認識されよう。
約6フィート(例えば、14インチ×5インチの70インチ)の最大レーザー処理高さを確保するために、複数のレーザー発光素子1203が、前記ロボットアーム上の垂直方向に積み重ねられていることを想定している。このようなシステム設計は、より多くのレーザアームを垂直に追加で積み重ねることで、より大きな樹木を収容することができ、または必要に応じてより小さな樹木を収容するためにレーザアームを取り外すことができるよう、モジュール形式となっている。
図12Bに示すように、個別のアームを“C型”の形態で配置することができ、これにより、上部アームおよび下部アームは、ミドルアームに比べて、トレーラ1213からより外方に延伸される。このようにして、各々のアームは植物1205から等距離に配置され、それにより、植物1205の林冠であるC字形の側面輪郭(例えば、輪郭線)をトレースする。一対のセンサーは、レーザー発光素子1203のレーザー出力レンズと植物1205の葉との間の距離を調整するために使用され、最適な焦点距離、例えば、通常400mm出力レンズを用いた場合は15インチ、を検出することができると考えられる。レーザー発光素子1203の光学レンズを、9インチの有効焦点深度を検出するシステムに設計することもできるが、前記システムは、電子制御ロボットアーム1201を使用して最適焦点距離を検出し、レーザー発光素子1203と植物1205との間の距離を調整できることが意図されている。このような調整は、植物1203にレーザー照射する間、最適な焦点距離を維持するものであり、かつ果樹園または植樹された作物畑を転々と移動している間、目標の葉に伝って、目標の葉を越えて、または目標の葉に沿っての移動において、1センチメートルごとに当該調整を連続的に実行することができる。使用される出力レンズのサイズに基づいて、焦点および焦点深度を変更できることを認識すべきである。例えば、200mmレンズの場合は7インチの焦点および4インチの焦点深度を示し、また800mmレンズの場合は23インチの焦点及び15インチの焦点深度を示す。
複数の電子制御ロボットアーム1201は、トラクター1215によって牽引されるトレーラ1213上に搭載することができる。柑橘類の樹木の果樹園を通るトラクター1215の一般的な速度は、2.3〜2.7mphであると考えられる。トラクター1215が、果樹園の下に降りて行くと、光学レンズおよび/またはセンサーが、各アームをキャノピー上の決められた位置に導き、不均一な長さの枝との絡み合いを回避するようにする。装置1200は、走行距離の関数としてレーザー発光素子1203からのレーザー照射量を調節する制御システムをさらに備えてもよい。1つの想定される実施形態としては、センサーがその視野内に植物1205を捉えている間、レーザー発光素子1203が移動した所定距離の間隔でレーザービーム1211を生成するように制御システムを構成するものである。例えば、制御システムは、植物1205の葉上のくぼみが約1インチ離間しているような場合、1インチの移動間隔でレーザービーム1211を生成するレーザー発光素子1203から構成されることが考えられる。当該制御システムは、トラクター1215の移動速度に基づいてレーザーの走査速度を調整する目的でも使用することができる。
複数の電子制御ロボットアーム1201の各々は、通常、植物1205に向かってまたは植物1205から離れるように水平方向に移動するように設計される。上述したように、複数の電子制御ロボットアーム1201の各々は、他のアームから独立して動くことができることが想定されている。この独立した方式は、電子制御ロボットアーム1201上に搭載された複数のレーザー発光素子1203が、その移動経路中に存在する植物1205の林冠の輪郭に追従することを可能とするものである。複数の物質アプリケータ1207およびワックスアプリケータ1209は、追加の電子制御ロボットアーム1201上に搭載することができ、レーザー発光素子1203からの移動経路における林冠の輪郭に追従する、または複数の物質アプリケータ1207およびワックスアプリケータ1209は、同一の電子制御ロボットアーム1201上に搭載することができるが、図12Aに示すように、レーザー発光素子1203から水平方向にずらして搭載してもよいことが想定されている。複数の電子制御ロボットアーム1201およびレーザー発光素子1203上の複数のセンサーは、レーザービーム1211が植物1205の林冠を確実にトレースするようにするものである。
レーザー発光素子1203は、樹高に応じてより高いまたは低い垂直面でレーザービーム1211を生成するように構成されてもよい。林冠の不規則な形状および異なる草丈を理由に、レーザー発光素子1203上のセンサーは、その移動経路内で治療される林冠の存在に基づいて、レーザー発光素子1203を“オンおよびオフ”に切り替えすることが想定される。上述した追加のセンサーおよび/または同じセンサーを使用して、物質アプリケータ1207およびワックスアプリケータ1209からの物質および/またはワックスの塗布を制御してもよい。植物1205のいくつかの葉は、異なる角度でレーザー照射されうるが、治療領域または第2の部位に物質を塗布する塗布方法は、レーザーが照射された領域に必要な溶液を送達するのになお有効であることに留意すべきである。
想定されるいくつかの実施形態では、レーザー発光素子1203、物質アプリケータ1207、およびワックスアプリケータ1209の少なくとも1つは、回転マウントを使用して電子制御ロボットアーム1201に連結することができる。この回転マウントは、レーザー発光素子1203、物質アプリケータ1207、およびワックスアプリケータ1209の少なくとも1つを、より良いレーザー照射を行うために、植物1205の林冠に対して特定の角度に向かせることができる、ならびに/または、物質および/もしくは植物1205の葉の向軸(上)にワックスを塗布することができる。加えて、または代替的に、発光素子1203は、垂直方向に積み重ねられた複数の発光体1203が垂直方向に接続された複数のレーザービーム1211を生成するために、垂直形状を有するレーザービーム1211を出力するように構成されてもよい。例えば、レーザー発光素子1203のそれぞれが、15インチの垂直線型であるレーザービーム1211を生成するように構成することができ、当該種々レーザー発光素子1203の垂直線型は、互いに隣接するか、または一部重なり合って単一の垂直線を形成するものである。
過酷な作業環境下においては、トレーラが果樹園または他の地域を転々と移動するため、レーザー発光素子1203を取り付けたトレーラ1213は、トレーラ1213自身の輸送運行を無くすために(または少なくとも低減する)、分離ユニット1221を備えてもよい。前記複数の電子制御ロボットアーム1201は、現場においてレーザシステムの操作に影響を与える任意の振動を最小限に抑えるように設計された分離システムを有する。
図12Bに示すように、ジェネレータ1217およびポンプ付きタンク1219をトレーラ1213に取り付けてもよい。ジェネレータ1217は、複数の電子制御ロボットアーム1201、レーザー発光素子1203、物質アプリケータ1207、ワックスアプリケータ1209、タンク1219及びそれらの関連するポンプを含むトレーラ1213に搭載された機器に十分な電力を供給する。タンク1219は、物質およびワックスの少なくとも1つを貯蔵する。上記のように、適切な物質には、抗菌剤、農薬(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤など)、肥料、除草剤、殺菌剤が含まれる。2つのポンプを使用して、物質アプリケータ1207およびワックスアプリケータ1209に物質およびワックスをそれぞれ送達してもよい。全体的なシステム設計は、環境の作業条件、温度、湿度、雨および様々な果樹園の条件が考慮されていることが好ましい。
図12A〜図12Bには示されていないが、トレーラ1213の一方の側方の植物は、装置1200を用いて治療できるように、少なくとも1つの電子制御ロボットアームを電子制御ロボットアーム1201の反対側に配置することができると考えられる。樹木、ブドウ、飼料、多年生作物、条播作物、潅木作物、観賞用植物、一年生植物および草を含む任意の種類の植物の生存を含む、種々の植物1205に物質を投与するための装置1200を使用できることに留意すべきである。
実験データ
以下の実験データは、本明細書に提示される本発明の主題の様々な態様を例示的に示すために提供される。より具体的には、当該実験データは、抗菌剤の驚異的な摂取が植物へ効果的な治療をもたらすことを示すものである。柑橘類の樹木は、コントロール群(樹木1〜6)、抗菌剤+界面活性剤群(樹木7〜12)、および抗菌剤のみの群(樹木13〜18)のみからなる3つの群で試験した。各群の樹木はレーザー照射され、場合によっては抗菌剤で治療され、2週間後、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)分析を用いて樹木中に存在するHLBの量を算出して分析した。この実験における全ての樹木は、実験の開始時にHLBを既に有していたことに留意すべきである。実験で使用した抗菌物質は、抗菌物質+界面活性剤群では、界面活性剤(タクチット)を含むオキシテトラサイクリン(ファイアーライン(登録商標))を用い、また界面活性剤を含まない抗菌物質のみの群では、オキシテトラサイクリンを用いた。レーザー照射のパラメータは、2000mm/sのジャンプ速度、850mm/sのマーキング速度、70%のマーキング強度、15000Hzのパルス周波数を備えていた。
コントロール群(樹木1〜6)にはレーザー照射を行ったが、抗菌剤および/または界面活性剤による治療は施さなかった。レーザー照射のみ行った1本の樹木(樹木7)を除いて、抗菌剤+界面活性剤群に対してはレーザー照射を行い、かつ界面活性剤を含む抗菌剤で治療を施した。レーザー照射のみ行った1本の樹木(樹木13)を除いて、抗菌剤のみの群には、抗菌剤(界面活性剤を含まない)だけで治療を施した。各群の樹木は、樹木の一方の側面(“A”試料を含む側)にのみレーザー照射を施した。抗菌剤(界面活性剤の有無にかかわらず)を塗布した際、当該抗菌剤は、レーザー照射された樹木の側面側に塗布した。抗菌剤は、1ガロン容量中、200ppm、500ppm、1000ppm、1500ppmおよび2000ppmの濃度で調製した。この実験では、1本の樹木当たり2液量オンス(1群当たり10オンス)のみの条件で各濃度において使用した。
2週間後、レーザー照射された葉、および場合によっては抗菌剤で治療が施された葉を採取し、分析した。さらに、直接レーザー照射および/または治療が施されなかった葉であり、かつレーザー照射された葉から最も遠い点に位置する葉(“B”試料を含む側)を採取し、分析した。葉を粉砕し、HLBの存在を検出するためPCR分析用に調製した。PCRは、生存するHLB菌由来のDNAが存在するかどうかを検出するものである。PCR分析は、DNAの小さなセグメントを増幅し、コピーするものである。そして増幅した後分析を行うために十分なDNAサンプルを得ることができる。この実験では、治療対象群((コントロール群、抗菌剤+界面活性剤群、および抗菌剤のみの群))あたり6本の樹木が存在する。各樹木は、HLB含有を決定する2つの数値範囲のいずれかに属し、HLB含値が29以下はHLB陽性(緑化)とみなされ、30以上はHLB陰性(非緑化)とみなされる。PCRサイクル数が30回以上を要する分析の場合、標的のHLB菌由来のDNAを見出すことができない。PCRサイクル数が最大40回のサンプル対して分析を行う場合、その分析結果は不確定の結果となり、HLB菌由来のDNAのコピーを一つも見出せないということになる。値“30”を超える数においては、死んだHLB菌由来のDNAの人工物しか存在しないことになるため、値“30”を超える数の場合は、依然としてHLBが存在しないことに留意すべきである。
以下の表(表1)は、PCR分析を用いたHLBの存在に関する実験結果の要約である:
界面活性剤(すなわち、抗菌物質+界面活性剤群)を含む抗菌物質の投与を伴うレーザー照射が、樹木からHLBを顕著に排除していることが表1から明確に示されている。実際に、抗菌物質+界面活性剤群の実験結果において、レーザー照射された葉から最も遠い点から採取された“B”試料の結果から示されるように、HLBの治療は樹木内を通って進むと考えられる。“B”サンプルは、通常、“A”サンプル中のレーザー照射された葉と同様の樹齢であり、かつ“B”サンプルは、より低い位置であり、かつ“A”サンプルから反対側の枝に位置する。“A”サンプルと“B”サンプルとの間の平均距離は約25インチであり、当該距離は、樹木上の経路をたどる距離によって測定される。当該樹木の経路をたどる距離は、レーザー照射され、かつ治療された葉からスタートし、次に枝を下って、さらに幹を下がって、そして治療された葉が無い枝に向かって、最終的には葉に枝を下ろすまでの距離としている。抗菌剤のみの群は、「A」試料中でHLBの局所的な治療効果を示したが、「B」試料に示されているように、抗菌剤+界面活性剤群と同様に治療効果が効果的に伝播されていなかった。最後に、コントロール群の実験結果から、レーザー照射だけの単独の治療はHLBを減少させるのに有効でないことが示される。
いくつかの実施形態において、本発明の特定の実施形態を記載および請求するために使用される、成分の量、濃度、反応条件などの特性を表す数字は、場合によっては“約”という用語によって修飾されることに理解すべきである。したがって、いくつかの実施形態において、記載された詳細な説明および添付の特許請求の範囲に規定された数値パラメータは、特定の実施形態により得られることを求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態において、前記数値パラメータは、記載された有効桁の数と、通常の四捨五入を適用する観点を考慮して解釈されるべきである。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を規定する数値範囲およびパラメータが、近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に規定された数値は、実施可能な限り正確に記載されるものである。本発明の実施形態における数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含んでもよい。
文脈上反対の意味として定義されていない限り、本明細書に記載された全ての範囲は、それらの端点を含むものとして解釈されるべきであり、オープンエンド範囲は、商業的に実用的な値のみを含むと解釈されるべきである。同様に、文脈上反対の意味として定義されていない限り、値の全列挙は中間値を含むものとして考慮されるべきである。
本明細書の記載および以下の特許請求の範囲を通して使用されるように、“a”、“an”、および“the”の意味は、文脈上他に明確に定義されない限り、複数の意味を包含する。また、本明細書の記載で使用されているように、“内”の意味は、文脈上他に明確に定義されない限り、“内”および“上”を含む。
本明細書における値域の列挙は、当該値域の範囲内に入る各個独立の値ごとに言及する簡略な方法としての役割を単に果たしているだけにすぎない。本明細書中で他に定義されていない限り、個々の各値は、本明細書中に個別に列挙されているかのように明細書内に包含される。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他に定義されていない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書の特定の実施形態に関して記載される、任意の例および全実施例、または例示的な用語(例えば、「など」)の使用は、単により明確に本発明を説明する意図であり、特に必要が無い限り、本発明の範囲に制限を設けるものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に必須の任意の非請求の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
本明細書に開示されている本発明に係る代替要素または実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループ構成要素は、それぞれ個別に参照され、かつ要求されるだけでなく、本明細書中に記載されている、グループの他の構成要素または他の要素との任意の組み合わせで参照および要求される。利便性および/または特許性の理由から、あるグループにおける1以上の構成要素を含み、またはグループから削除することができる。そのような包含または削除が生じる場合、明細書は、改変されたグループを含むとみなされ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの記述を満たすものとみなされる。
本明細書中で使用される場合、および文脈が他に定義しない限り、用語“連結する”は、直接結合(互いに結合した2つの要素が互いに接触する)および間接結合(少なくとも1つの追加要素2つの要素の間に位置する)の両者を含むと解される。したがって、“〜に連結された”および“〜と連結した”という用語は、同義語として使用される。
本明細書の発明概念から逸脱することなく、既に説明した内容に加えて多くの変更が可能であることは、当業者には明らかである。したがって、本発明の対象は、添付の特許請求の範囲の精神を除いて制限されるものではない。さらに、明細書および特許請求の範囲の両方を解釈するにあたり、すべての用語は、文脈と一致する最も広い可能な方法で解釈されるべきである。特に、用語“含む”および“有する”は、要素、構成要素または工程を非排他的な方法で参照するものと解釈され、参照された要素、構成要素または工程が存在するか、他の要素、コンポーネント、または工程が明示的に参照されていないものとする。明細書の請求項が、A、B、C・・・およびNのみからなる群から選択されたもののうち少なくとも1つを言及する場合、A+N、またはB+Nなどではなく、前記群から選ばれる要素を1つだけ必要と解釈されるべきである。

Claims (20)

  1. 感染部位を有する植物の治療方法であって、
    前記植物上における前記感染部位から遠位端である治療領域に対してレーザー光エネルギーを照射し、100〜500μmの直径を有するくぼみを形成すること、
    抗菌物質を前記治療領域に投与し、前記感染部位に治療応答を誘発させること、ならびに
    前記感染部位はカンキツグリーニング病(「HLB」)を含み、かつ前記治療応答はHLBの症状を軽減することを含む、感染部位を有する植物の治療方法。
  2. 前記感染部位は師部内に存在し、かつ前記治療領域は、1以上の葉、茎および樹皮の表面である、請求項1に記載の治療方法。
  3. 前記くぼみは、葉上のクチクラの断裂である、請求項1に記載の治療方法。
  4. 前記抗菌物質は、水3.79リットルあたり、200ppm〜2000ppmの濃度を有するオキシテトラサイクリンを含む、請求項1に記載の治療方法。
  5. 前記抗菌物質を適用することは、前記治療領域に、59.15ミリリットルの前記抗菌物質の投与を施すことを含む、請求項4に記載の治療方法。
  6. 前記抗菌物質は、オキシテトラサイクリンを含む、請求項1に記載の治療方法。
  7. 前記抗菌物質は、界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記レーザー光エネルギーは、10乃至100ワットの範囲の出力、1乃至3000mm/sの間のジャンプ速度、100乃至3000mm/sの間のマーキング速度、20乃至100%の間のマーキング強度、および15乃至20000Hzの間のパルス周波数を有するレーザーから生成される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記治療領域に前記レーザー光エネルギーを照射し、かつ前記治療領域に抗菌物質を投与した後に、前記治療領域にワックスを塗布して前記くぼみを封止することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 植物に沿って、(i)レーザー光エネルギーを生成するよう構成されたレーザー光源および(ii第1の物質を放射する物質アプリケータを輸送すること、
    前記レーザー光源及び物質アプリケ−タが輸送される間、第1の植物の第2の部位に前記レーザー光エネルギーを照射して、第1の破壊部を形成すること、および
    前記第1の物質を、前記第1の植物の前記第2の部位に投与し、前記レーザー光源及び物質アプリケ−タが輸送される間、前記第1の破壊部を経由して第1の部位に対して前記第1の物質の摂取を促進させることを備えた、植物に第1の物質を送達する方法。
  11. 前記第1の物質は、抗菌剤、農薬、肥料、除草剤、殺生物剤および殺菌剤のうちいずれか1つを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1の物質は、水3.79リットルあたり、200ppm〜2000ppmの濃度を有するオキシテトラサイクリンを含み、前記第1の物質を適用することは、前記第2の部位に、59.15ミリリットルの前記第1の物質の投与を施すことを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記第1の植物は、樹木、条播作物、潅木作物および観賞用植物のうちのいずれか1つを含む、請求項10に記載の方法。
  14. 抗菌剤、農薬、肥料、除草剤、殺生物剤および殺菌剤のうちのいずれか1つを含む第2の物質を投与することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  15. 第1の位置から第2の位置の間に調節されるよう構成されるコントローラと連結される電子制御アーム、
    植物と前記電子制御アームとの間の距離を測定するよう構成されたセンサー、
    前記植物に接触してくぼみを形成するレーザービームを生成するよう構成された前記電子制御アームと連結されるレーザエミッタ、および
    前記距離の関数として前記アームを前記第1の位置から前記第2の位置に調整する前記コントローラ、を備えた物質送達システム。
  16. (i)前記電子制御アームに連結され、植物に物質を適用するよう構成される物質アプリケータ、および
    (ii)前記電子制御アームに連結され、植物にワックスを適用するよう構成されるワックスアプリケータ
    のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記物質は抗菌物質を含み、かつ前記物質アプリケータは、生物学的応答を誘発させる有効量の前記抗菌物質の少なくとも一部を前記くぼみに投与するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記レーザエミッタは、200mm〜800mmの間の出力レンズ、17.78cm58.42cmの間の焦点、および10.16cm38.1cmの間の焦点深度を有する、請求項15に記載のシステム。
  19. 前記距離は焦点であり、前記コントローラは、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記アームを調整して前記アームと前記植物との間の距離を維持する、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記電子制御アームの垂直上方に配置された第2の電子制御アームをさらに備え、
    前記第2の電子制御アームは前記コントローラおよび第2のセンサーと連結され、前記第2のセンサーを介して測定される前記植物と前記第2の電子制御アームとの間の第2の距離の関数として前記第2の電子制御アームを前記コントローラにより第3の位置から第4の位置の間に調整される、請求項15に記載のシステム。
JP2018549750A 2015-12-10 2015-12-10 光エネルギーを用いた植物中における物質の浸透を促進するシステムおよび方法 Active JP6843880B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/US2015/065123 WO2017099787A1 (en) 2015-12-10 2015-12-10 Systems and methods for using light energy to facilitate penetration of substances in plants

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019501668A JP2019501668A (ja) 2019-01-24
JP6843880B2 true JP6843880B2 (ja) 2021-03-17

Family

ID=59013893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018549750A Active JP6843880B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 光エネルギーを用いた植物中における物質の浸透を促進するシステムおよび方法

Country Status (11)

Country Link
EP (1) EP3386289B1 (ja)
JP (1) JP6843880B2 (ja)
CN (1) CN108777945B (ja)
AU (1) AU2015417085B2 (ja)
BR (1) BR112018011816B1 (ja)
CA (1) CA3008016C (ja)
CU (1) CU24681B1 (ja)
ES (1) ES2828686T3 (ja)
MX (1) MX2018007015A (ja)
WO (1) WO2017099787A1 (ja)
ZA (1) ZA201803846B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11178823B2 (en) 2014-04-07 2021-11-23 Premier Citrus Apz, Llc Systems and methods for using light energy to facilitate penetration of substances in plants
CN113654950B (zh) * 2021-04-13 2022-11-11 北京师范大学 化学物质环境系统模拟中与植物相关的行为模拟

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1273896B (de) * 1965-12-16 1968-07-25 Riedel De Haeen Ag Wundpflegemittel fuer Pflanzen
DE3483934D1 (de) * 1983-10-13 1991-02-21 Rikagaku Kenkyusho Verfahren und apparat zum einpflanzen eines fremdstoffes in lebende zelle.
US5278423A (en) * 1992-12-30 1994-01-11 Schwartz Electro-Optics, Inc. Object sensor and method for use in controlling an agricultural sprayer
BR9508620A (pt) * 1994-08-19 1997-11-25 Monsanto Co Liberação de substâncias quimicas exógenas para tecidos de plantas
JPH09220522A (ja) * 1996-02-15 1997-08-26 Toyota Motor Corp 樹脂塗布方法
ATE365026T1 (de) * 1996-12-31 2007-07-15 Altea Therapeutics Corp Mikroporation von gewebe zur verabreichung von bioaktiven substanzen
JP3985203B2 (ja) * 1997-11-07 2007-10-03 株式会社友清白蟻 自走型探査及び作業ロボット
US6172328B1 (en) * 1998-02-17 2001-01-09 Advanced Foliar Technologies, Inc. Laser marking of plant material
US20030078499A1 (en) * 1999-08-12 2003-04-24 Eppstein Jonathan A. Microporation of tissue for delivery of bioactive agents
JP2002000093A (ja) * 2000-04-21 2002-01-08 Toshimune Koshimizu 立木の切口塗布用組成物および立木の切口保護方法
JP2002325572A (ja) * 2000-12-25 2002-11-12 Univ Osaka 外来物質の導入方法
JP4809552B2 (ja) * 2001-08-22 2011-11-09 三菱レイヨン株式会社 植物保護用ペースト
GB0421863D0 (en) * 2004-10-01 2004-11-03 Retainagroup Ltd Apparatus for marking a vehicle
WO2006111201A1 (en) * 2005-04-18 2006-10-26 Pantec Biosolutions Ag Laser microporator
EP2001290A2 (de) * 2006-03-29 2008-12-17 Bayer CropScience AG Penetrationsförderer für fungizide wirkstoffe
WO2012081420A1 (ja) * 2010-12-14 2012-06-21 国立大学法人広島大学 カンキツグリーニング病の治療液及びこれを用いた治療方法
JP2012191903A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Nikon Corp 植物選別装置、ロボット、植物栽培システム、植物選別方法、及びプログラム
JP2013051939A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Nikon Corp 照射装置、ロボット、および植物栽培プラント
WO2013148677A1 (en) * 2012-03-26 2013-10-03 University Of Florida Research Foundation, Inc. Antimicrobial compounds and their use in treating plant disease
CN103202187B (zh) * 2013-04-15 2014-07-30 吴世盘 一种柑桔柚类用化学诱变繁育抗黄龙病种苗的方法
CN104422660A (zh) * 2013-08-23 2015-03-18 西北农林科技大学 一种高光谱的植物叶片病虫害诊断系统
JP2015078136A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 日本農薬株式会社 農園芸用有害生物防除剤組成物及びその使用方法
CN104430308B (zh) * 2014-11-04 2016-06-29 广西大学 一种防治柑橘黄龙病的纳米药物及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2015417085B2 (en) 2019-07-18
WO2017099787A1 (en) 2017-06-15
EP3386289A1 (en) 2018-10-17
CN108777945A (zh) 2018-11-09
EP3386289A4 (en) 2019-07-10
CU24681B1 (es) 2023-10-06
CN108777945B (zh) 2022-01-11
EP3386289B1 (en) 2020-08-12
CA3008016A1 (en) 2017-06-15
ZA201803846B (en) 2019-06-26
BR112018011816A2 (pt) 2018-12-04
AU2015417085A1 (en) 2018-06-28
JP2019501668A (ja) 2019-01-24
CU20180058A7 (es) 2019-06-04
CA3008016C (en) 2020-06-30
BR112018011816B1 (pt) 2021-06-01
MX2018007015A (es) 2018-11-09
ES2828686T3 (es) 2021-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10219443B2 (en) Systems and methods for using light energy to facilitate penetration of substances in plants
US11178823B2 (en) Systems and methods for using light energy to facilitate penetration of substances in plants
JP2006217911A (ja) 切断しながら切断面に処理剤等を押し付け擦り付けて付着させる鋏。
Meadows News overview: Researchers develop alternatives to methyl bromide fumigation
JP6843880B2 (ja) 光エネルギーを用いた植物中における物質の浸透を促進するシステムおよび方法
Li et al. Precision trunk injection technology for treatment of huanglongbing (HLB)-affected citrus trees—A review
US11191278B2 (en) Systems and methods for delivering nucleic acids to a plant
US10278334B2 (en) Systems and methods for delivering nucleic acids to a plant
US20190082615A1 (en) Phloem-based delivery of therapeutics
WO2019055022A1 (en) SYSTEMS AND METHODS OF NUCLEIC ACID ADMINISTRATION TO A PLANT
RU2567367C2 (ru) Способ уничтожения пней от деревьев на приусадебном участке
JPH0527601B2 (ja)
ES2279700B1 (es) Compuestos para reactivar la circulacion de la savia en arboles y arbustos en general y en los olivos en especial y procedimiento de aplicacion.
CN106818925A (zh) 一种防治番茄灰霉病的生物农药及制备方法
TH1801003382A (th) ระบบและวิธีการสำหรับการใช้พลังงานแสงเพื่อทำให้การซึมผ่านของสารในพืชง่ายขึ้น
JP2010268695A (ja) 薬剤散布方法及びその方法に使用する薬剤散布ノズル
RU2037296C1 (ru) Способ защиты грибов от насекомых-мицетобионтов
JP2024053662A (ja) 地際部処理用植物害虫防除剤、及び、植物害虫防除方法
Santos et al. Control of yellow Himalayan raspberry (Rubus ellipticus Sm.) with cut stump herbicide treatments in Hawaii Volcanoes National Park
JP2002065064A (ja) 植物の活性化方法
CN114760833A (zh) 用于表现出病害症状的至少一个有症状的果树的保守治疗的方法
CN110074130A (zh) 一种防治松材线虫及天牛幼虫的组合式杀虫剂及其使用方法
Walia et al. Performance of oxyfluorfen for weed control in Mentha arvensis
CN107371916A (zh) 一种茶树爬行性害虫防治装置及防治方法
UA119232U (uk) Лікувально-профілактичний засіб для плодових та декоративних дерев і чагарників

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191002

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200804

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6843880

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250