JP6843870B2 - セパレータの超音波溶着方法 - Google Patents

セパレータの超音波溶着方法 Download PDF

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Description

本発明は、セパレータの超音波溶着方法に関する。
例えば携帯電話、電気自動車等の様々な機器に充放電可能な二次電池が使用されている。近年、これらの機器の高出力化や高性能化に伴い、より小型で電気容量の大きな二次電池が求められている。
一般に二次電池は、表面に正極活物質層が形成された正極板と表面に負極活物質層が形成された負極板とを電気絶縁性を有するセパレータを介して交互に積層して形成される。このような二次電池で単位体積当たりの電気容量を大きくするには、セパレータを薄くすることが有効である。このため、セパレータを樹脂フィルムによって形成した二次電池が実用化されている。
二次電池では、負極において電析によって生成される金属析出物(例えばリチウムデンドライト)がセパレータを貫通して正極板と負極板とを微小短絡させるおそれがある。このため、正極板又は負極板を挟み込む一対のセパレータの外縁を溶着して袋状にすることで、正極板近傍の電解質に析出物を生成し得る金属イオンを生じる金属種が混入することを抑制したり、金属イオンが負極に接触して電析することを抑制したりする構成が採用される場合がある。
樹脂フィルムから形成されるセパレータは、比較的熱に弱いため、二次電池の電気容量を大きくすると、セパレータが熱により損傷し、電析によって生成される析出物がセパレータを貫通して正極板と負極板とを微小短絡させるおそれがある。このため、セパレータの電極板に当接する面に耐熱層(無機層)を形成し、セパレータの耐熱性を向上した二次電池が提案されている。
しかしながら、樹脂フィルムの表面に耐熱層を有するセパレータを耐熱層同士を当接させて重ね合わせると耐熱層が樹脂フィルムの溶着を阻害するため、セパレータを容易に溶着することができない。
特開2013−143337号公報には、耐熱層を介して樹脂材料からなるセパレータ層が積層され、さらにその両側から外装材が積層されている部分を加圧加振部と冶具受部により挟んで加圧しつつ振動を加える二次電池の製造方法において、加圧加振部及び冶具受部に凸部を形成することで耐熱層を破壊して、破壊部分でセパレータ層樹脂を溶着することが提案されている。
特開2015−185372号公報には、電気デバイス(袋詰電極板)のセパレータ接合方法として、溶融材(ポリプロピレン層)と耐熱材(セラミックス層)を含むセパレータ(セラミックセパレータ)を用い、電極(正極または負極)を挟持しセラミックス層同士を対面させたセラミックセパレータを切断しつつ接合する方法として、電極を介して対面するセラミックセパレータの接合領域を切断しつつ、一の接合領域のポリプロピレン層を他の接合領域のポリプロピレン層に向けて移動させ、接合領域のポリプロピレン層同士を溶融して接合することが提案されている。
特開2013−143337号公報 特開2015−185372号公報
特開2013−143337号公報に記載の方法では、加圧加振部及び冶具受部に凸部を形成するため、溶着が断続的に行われ、全体として溶着面積を大きくすることが難しく、十分な接合強度を得ることが容易ではない。
また、特開2015−185372号公報に記載の方法では、連続してポリプロピレン層同士を溶着することができるが、比較的鋭利な切断刃を用いるのでポリプロピレンの溶着幅を大きくすることが困難であるため、やはり、全体として溶着面積を大きくすることが難しく、十分な接合強度を得ることが容易ではない。
かかる状況に鑑みて、本発明は、耐熱層を有する2枚のセパレータを耐熱層同士を対向させて溶着することができ、比較的接合強度が大きいセパレータの超音波溶着方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係るセパレータの超音波溶着方法は、樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを前記耐熱層同士を対向させて支持部材で支持すること、及び前記セパレータに点状に当接して超音波振動する振動部材を前記少なくとも2枚のセパレータに押し当てながらセパレータに対して相対移動することを備える。
本発明の別の態様に係るセパレータの超音波溶着方法は、樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを前記耐熱層同士を対向させること、超音波振動する振動部材と、前記セパレータを点状に支持する支持部材との間に前記少なくとも2枚のセパレータを挟むこと、並びに前記振動部材及び支持部材に対して前記少なくとも2枚のセパレータを相対移動することを備える。
以上のセパレータの超音波溶着方法は、耐熱層を有するセパレータを耐熱層同士を対向させて溶着することができ、かつ比較的接合強度が大きい。
本発明の一実施形態のセパレータの超音波溶着方法を示す模式的断面図である。 図1のセパレータの超音波溶着方法の模式的平面図である。 本発明の図1とは異なるセパレータの超音波溶着方法を示す模式的断面図である。 図3のセパレータの超音波溶着方法の模式的部分断面側面図である。
本発明者らは、線状に延びる超音波印加部材を用いる従来の超音波溶着方法では、2枚のセパレータの耐熱層を対向させた状態でそれらセパレータ十分に接合することが難しいことを確認し、その理由について、次の仮説をたてた。
(仮説1)
線状に延びる超音波印加部材では、エネルギーが分散しやすい。
(仮説2)
線状に延びる超音波印加部材を用いる場合、エネルギーを可能な限り集中させるために、超音波印加部材の先端を細くする必要があるため、セパレータ上に形成される溶着幅が狭くなり、十分な接合強度が得られにくい。
(仮説3)
線状に延びる超音波印加部材を用いる場合、超音波印加部材で破壊された耐熱層の破片が、セパレータ内で、超音波印加部材が延びる線を境とした両サイドにのみ押し出される。そのため、エネルギー集中のために先端を細くする必要性とあいまって、セパレータ上に形成される溶着幅が狭くなり、十分な接合強度が得られにくい。
本発明者らは、上記の仮説に基づいて、線状に延びる部材に代えて、超音波振動する振動部材(例えば、先端が球形状の振動部材)を用いて、2枚の耐熱層付きセパレータを溶着する実験を行った。つまり、超音波振動する振動部材を2枚のセパレータに押し当てながらセパレータに対して相対移動することによって溶着点を移動させることにより線状の溶着部を形成した。驚くべきことに、この方法により、超音波出力を増大させなくても、2枚のセパレータの耐熱層を対向させた状態でそれらセパレータを十分に接合することができた。
本発明の一態様は、樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを前記耐熱層同士を対向させて支持部材で支持すること、及び前記セパレータに点状に当接して超音波振動する振動部材を前記少なくとも2枚のセパレータに押し当てながらセパレータに対して相対移動することを備えるセパレータの超音波溶着方法である。
当該セパレータの超音波溶着方法は、樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを耐熱層同士を対向させて支持部材上に載置し、超音波振動する振動部材(ultrasonic vibrating indenter)を前記少なくとも2枚のセパレータに押し当てることにより、振動部材と支持部材とで少なくとも2枚のセパレータを挟み込んで超音波振動を加えることによって、耐熱層を破壊して樹脂層同士を溶着することができる。
具体的には、当該セパレータの超音波溶着方法は、従来の線状に延びる超音波印加部材とは異なり、セパレータに点状に当接する振動部材を使用するため、エネルギーが一カ所に集中することで比較的大きな点状の領域の耐熱層を破壊して耐熱層の砕片を平面方向外側に押し出して樹脂層同士を溶着するのに十分なエネルギーが得られると考えられる。さらに、当該セパレータの超音波溶着方法は、振動部材をセパレータに対して相対移動することで連続的な溶着を行うことができる。このため、比較的大きい幅で連続した線状の溶着部を形成することができるので、セパレータの接合強度を比較的大きくすることができる。
前記振動部材の相対移動を前記振動部材の絶対位置の移動により行うとよい。このように、前記振動部材の相対移動を前記振動部材の絶対位置の移動により行うことによって、装置の構成を比較的簡素にすることができると共に、生産性を向上することができる。また、振動部材を移動することによって、例えば線状、破線状等、2枚のセパレータに形成する溶着部の形態を比較的自由に選択することができる。
前記振動部材の相対移動を前記セパレータを搬送しながら行うとよい。このように、前記振動部材の相対移動を前記セパレータを搬送しながら行うことによって、生産性を一層高めることができる。
前記振動部材の前記セパレータへの当接部分の曲率半径が0.5mm以上であるとよい。このように、前記振動部材の前記セパレータへの当接部分の曲率半径が0.5mm以上であることによって、溶着部の幅を比較的大きくすることができ、より確実にセパレータ間の接合強度を向上できる。なお、「曲率半径」は、セパレータに当接する点を含み、セパレータに垂直な振動部材の断面の中で輪郭線の曲率半径が最大となる断面の曲率半径と、これに直交する断面における輪郭線の曲率半径との平均値を意味するものとする。
前記振動部材の相対移動が、前記振動部材を前記セパレータに対して第1の方向に相対移動すること、及び前記振動部材を前記セパレータに対して前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動することを含むとよい。前記振動部材の相対移動が、第1の方向の相対移動と第2の方向の相対移動とを含むことによって、従来の線状に延びる部材と比較して、2枚のセパレータより複雑な平面形状の溶着部を形成することができる。例えば、2枚のセパレータの間に電極板を配置し、その電極板の輪郭に沿って溶着部を形成することも比較的容易である。
前記振動部材を前記セパレータに対して前記第1の方向に相対移動した時に形成されたセパレータ溶着部を避けて、前記振動部材を前記セパレータに対して前記第2の方向に相対移動するとよい。このように、一度溶着した箇所を避けて次の溶着を行うことで、生産性を向上でき、かつ、良好な溶着状態を維持できる。
前記少なくとも2枚のセパレータの間に電極板を配置することをさらに備え、前記振動部材の相対移動により前記電極板の輪郭に沿って線状の溶着部を形成するとよい。このように、前記少なくとも2枚のセパレータの間に電極板を配置することをさらに備え、前記振動部材の相対移動により前記電極板の輪郭に沿って線状の溶着部を形成することによって、電極板を袋状のセパレータで覆った袋詰め電極を効率よく製造することができる。
本発明の別の態様は、樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを前記耐熱層同士を対向させること、超音波振動する振動部材と、前記セパレータを点状に支持する支持部材との間に前記少なくとも2枚のセパレータを挟むこと、並びに前記振動部材及び支持部材に対して前記少なくとも2枚のセパレータを相対移動することを備えるセパレータの超音波溶着方法である。
当該セパレータの超音波溶着方法は、セパレータに点状に当接する支持部材を使用するため、エネルギーが一カ所に集中することで比較的大きな点状の領域の耐熱層を破壊して耐熱層の砕片を平面方向外側に押し出して樹脂層同士を溶着するのに十分なエネルギーが得られると考えられる。さらに、当該セパレータの超音波溶着方法は、前記振動部材及び支持部材に対してセパレータを相対移動することで連続的な溶着を行うことができる。このため、比較的大きい幅で連続した線状の溶着部を形成することができるので、セパレータの接合強度を比較的大きくすることができる。
前記振動部材に対して前記少なくとも2枚のセパレータを相対移動することにより前記少なくとも2枚のセパレータを切断してもよい。このように、前記振動部材に対して前記少なくとも2枚のセパレータを相対移動することにより前記少なくとも2枚のセパレータを切断することで、溶着工程と切断工程とを同時に行って製造効率を向上することができる。
前記振動部材の当接面が平面状であり、前記セパレータの相対移動方向に垂直な側面視において前記支持部材の支持面が円弧状であるとよい。このように、前記振動部材の当接面が平面状であり、前記セパレータの相対移動方向に垂直な側面視において前記支持部材の支持面が円弧状であることによって、前記振動部材と支持部材との間に挟み込まれているセパレータを比較的スムーズに移動させることができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るセパレータの超音波溶着方法について詳説する。
[セパレータの超音波溶着方法]
本発明の一実施形態に係るセパレータの超音波溶着方法は、図1に示すように、樹脂層1とこの樹脂層1上に形成された耐熱層2とを有する少なくとも2枚のセパレータSを耐熱層2同士を対向させて支持部材(アンビル)Aで支持することと、図2に示すように、超音波振動する振動部材(ホーン)Hを前記少なくとも2枚のセパレータSに押し当てながらセパレータSに対して相対移動することとを備える。
当該セパレータの超音波溶着方法は、典型的には、蓄電素子用の電極板Pを2枚のセパレータSによって挟み込み、電極板(正極板又は負極板)Pの外側で2枚のセパレータSを溶着して封筒状に接合した袋詰電極板を製造するための一工程として採用できる。このような袋詰電極板を用いることにより、蓄電素子の正極板において異物等の混入によって生成される金属イオンが負極に移動して電析することを抑制することができ、電析による微小短絡を防止することができる。
<セパレータ>
セパレータSは、長尺のシートを巻き取ったリールから供給され、当該超音波溶着方法によって溶着後に切断されてもよい。また、1枚の大判のシートを2つ折りにすることで、2枚のセパレータSを構成してもよい。
2枚のセパレータSをリールから連続供給することで、多数の袋詰電極板を連続して効率よく製造することができる。なお、袋詰電極板は、当該超音波溶着方法により溶着部Cを形成した長尺のシートを2本の溶着部Cの間又は1本の溶着部Cの中央で切断してセパレータSを切り離すことで得られる。
(樹脂層)
樹脂層1は、多孔質樹脂フィルムから形成される。
この樹脂層1の主成分としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリオレフィン誘導体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステル等のポリエステルなどを採用することができる。中でも、樹脂層1の主成分としては、耐電解液性、耐久性及び溶着性に優れるポリエチレン及びポリプロピレンが好適に用いられる。なお、「主成分」とは、最も質量含有率が大きい成分を意味する。
樹脂層1の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、樹脂層1の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。樹脂層1の平均厚さを前記下限以上とすることで、樹脂層1が破断することなくセパレータSを溶着することができる。また、樹脂層1の平均厚さを前記上限以下とすることで、セパレータSの厚さが不必要に増大することなく蓄電素子の体積当たりの容量を十分な大きさにできる。
(耐熱層)
耐熱層2は、多数の無機粒子と、この無機粒子間を接続するバインダとを含む構成とされる。
無機粒子の主成分としては、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレイ、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。中でも、耐熱層2の無機粒子の主成分としては、アルミナ、シリカ及びチタニアが特に好ましい。
耐熱層2の無機粒子の平均粒子径の下限としては、1nmが好ましく、7nmがより好ましい。一方、無機粒子の平均粒子径の上限としては、5μmが好ましく、1μmがより好ましい。無機粒子の平均粒子径を前記下限以上とすることで、耐熱層2中のバインダの比率が大きくなることはなく、十分な耐熱性を有する耐熱層2を得ることができる。また、無機粒子の平均粒子径を前記上限以下とすることで、均質な耐熱層2を容易に形成することができる。なお、「平均粒子径」とは、透過電子顕微鏡(TEM)又は走査電子顕微鏡(SEM)を用いてJIS−R1670に準じて測定される値である。
耐熱層2のバインダの主成分としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びその水素化物、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等の合成ゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩等のセルロース誘導体、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド及びその前駆体(ポリアミック酸等)等のポリイミド樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルなどが挙げられる。
耐熱層2の平均厚さの下限としては、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましい。一方、耐熱層2の平均厚さの上限としては、10μmが好ましく、6μmがより好ましい。耐熱層2の平均厚さを前記下限以上とすることで、セパレータSの耐熱性を十分に向上することができる。また、耐熱層2の平均厚さを前記上限以下とすることで、セパレータSの厚さが不必要に増大することなく蓄電素子の体積当たりの容量を十分な大きさにできる。
(電極板)
電極板Pとしては、金属箔の表面に活物質層を積層したものが使用される。
電極板Pの金属箔の材質としては、正極の場合には例えばアルミニウム等を用いることができ、負極の場合には例えば銅、鉄、ステンレス等を用いることができる。
電極板Pの活物質としては、正極の場合には例えばLiCoO、LiNiO、LiMn等の酸化物材料を主成分とする材料を用いることができ、負極の場合には例えば黒鉛等を主成分とする材料を用いることができる。
(支持部材)
支持部材Aとしては、セパレータSが載置される天面が平坦で、十分な表面硬度を有し、強度を有するものであればよい。
2枚のセパレータSを搬送しながら溶着する場合、支持部材Aの上でセパレータSを滑らせてもよいが、支持部材AをセパレータSと共にピッチ送りすることにより、セパレータSの振動部材Hの当接領域に不必要な張力を作用させることを防止できる。従って、支持部材AをセパレータSと共に移動することで、複数対のセパレータSを連続して効率よく溶着しながら、セパレータSの接合強度の低下を防止できる。
(振動部材)
振動部材Hとしては、セパレータSに点状に当接するものであればよく、例えば丸棒状かつ先端が半球状に成形されたものとすることができる。
振動部材HのセパレータSへの当接部分の曲率半径の下限としては、0.5mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。一方、振動部材HのセパレータSへの当接部分の曲率半径の上限としては、8mmが好ましく、15mmがより好ましい。振動部材HのセパレータSへの当接部分の曲率半径を前記下限以上とすることで、2枚のセパレータSの溶着部Cの幅が小さくならずに、十分な接合強度を得ることができる。また、振動部材HのセパレータSへの当接部分の曲率半径を前記上限以下とすることで、超音波振動がセパレータSの広い範囲に分散されず、耐熱層2を効率よく破壊することができる。
振動部材Hの振動方向は、セパレータSの表面に対して傾斜していることが好ましい。振動部材の振動方向がセパレータSの表面に対して傾斜していることによって、振動部材Hの超音波振動により耐熱層2を破壊すると共に、破壊した耐熱層2の砕片を振動部材Hの超音波振動により掻き分けて、樹脂層1同士を比較的容易に溶着することができる。
また、振動部材Hの振動方向がセパレータSの表面に対して傾斜していることにより、製造時の振動部材Hと支持部材Aとのクリアランス(超音波振動していない状態での間隔)を、超音波振動による振動部材Hの先端の移動幅(振幅の2倍)よりも小さく調整しても、振動部材Hと支持部材Aとがぶつかり合うことがない。このため、振動部材Hの振動方向がセパレータSの表面に対して傾斜していることで、振動部材Hの超音波振動のエネルギーを効率よく伝えることができるので、より少ないエネルギーで、比較的厚さが大きく剥離強度の大きい溶着部Cを形成できると考えられる。
振動部材Hの振動方向のセパレータSの表面に対する傾斜角度の下限としては、5°が好ましく、10°がより好ましい。一方、振動部材Hの振動方向のセパレータSの表面に対する傾斜角度の上限としては、70°が好ましく、60°がより好ましい。振動部材Hの振動方向のセパレータSの表面に対する傾斜角度を前記下限以上とすることで、耐熱層2に効率よく超音波振動を加えることができ、耐熱層2を効率よく破壊でき、ひいてはセパレータSの十分な接合強度を得ることができる。また、振動部材Hの振動方向のセパレータSの表面に対する傾斜角度を前記上限以下とすることで、破壊した耐熱層2の砕片を押しのけて樹脂層1同士を効率よく溶着することができるようになり、効率を向上させることができる。
このような振動を実現するためには、図1に示すように、先端部でセパレータSに当接し、軸方向に超音波振動する棒状の振動部材Hを用い、この棒状の振動部材HをセパレータSの表面に対して傾斜して配置するとよい。
振動部材Hの振幅の下限としては、10μmが好ましく、27μmがより好ましい。一方、振動部材Hの振幅の上限としては、80μmが好ましく、68μmがより好ましい。振動部材Hの振幅を前記下限以上とすることで、耐熱層2を容易に破壊することができる。また、振動部材Hの振幅を前記上限以下とすることで、樹脂層1の損傷を抑制したり、エネルギー効率の不必要な低下を抑制したりすることができる。
振動部材Hの超音波振動の周波数としては、10kHzが好ましく、20kHzがより好ましい。一方、振動部材Hの超音波振動の周波数の上限としては、80kHzが好ましく、40kHzがより好ましい。振動部材Hの超音波振動の周波数を前記下限以上とすることで、樹脂層1へのダメージが抑制され、セパレータSの溶着部Cの強度の低下を抑制したり、溶着時のセパレータSの破断を抑制したりすることができる。また、振動部材Hの超音波振動の周波数を前記上限以下とすることで、装置が不必要に高価となることが回避できる。
振動部材HのセパレータSに対する圧接力(超音波振動により作用する力を除く)の下限としては、5Nが好ましく、10Nがより好ましい。一方、振動部材HのセパレータSに対する圧接力の上限としては、50Nが好ましく、30Nがより好ましい。振動部材HのセパレータSに対する圧接力を前記下限以上とすることで、耐熱層2を効率よく破壊することができる。また、振動部材HのセパレータSに対する圧接力を前記上限以下とすることで、溶着部Cの厚さの減少やそれに伴う強度の低下を抑制することができ、また溶着時のセパレータSの破断を抑制することができる。
振動部材Hの移動方向は、平面視で振動部材Hの振動方向に対して角度を有することが好ましい。つまり、振動部材Hの振動は、形成する溶着部Cの幅方向の成分を有することが好ましい。平面視での振動部材Hの移動方向が振動方向と異なることによって、振動部材Hの超音波振動による圧接点の往復移動が形成される溶着部Cの幅を増大させると共に、破壊された耐熱層2の砕片を左右に掻き分けて効率よく樹脂層1同士を溶着することができる。
平面視での振動部材Hの振動方向に対する振動部材Hの移動方向の角度の下限としては、30°が好ましく、40°がより好ましい。平面視での振動部材Hの振動方向に対する振動部材Hの移動方向の角度を前記下限以上とすることで、破壊した耐熱層2の砕片を効率よく溶着部Cの外側に押しのけることができ、効率よく溶着を行ったり、セパレータSの十分な接合強度を得たりすることができる。一方、平面視での振動部材Hの振動方向に対する振動部材Hの移動方向の角度の上限としては、特に制限されず、溶着性だけを考慮すると90°が理想的であるが、図2に示すように、2枚のセパレータSに互いに垂直な線状の溶着部Cを形成する場合、平面視での振動部材Hの振動方向(振動部材Hの長さ方向)に対する振動部材Hの移動方向D1,D2の角度を45°とすることで振動部材Hの向きを変える機構が不要となる。
振動部材Hは、支持部材A上に載置される2枚のセパレータSの上面に圧接した状態で、超音波振動しつつその絶対位置を移動することにより、セパレータSに対して相対移動して2枚のセパレータSに線状の溶着部Cを形成する。このため、振動部材Hは、例えば多関節ロボット、直交座標系ロボット等から形成される位置決め駆動機構によって任意に移動できるよう保持されることが好ましい。
振動部材HのセパレータSに対する相対移動としては、例えば図2に示すように、第1の方向D1の移動と、第2の方向D2の移動とを含む。これにより、セパレータSに対して点状に当接する振動部材Hを用いながら、電極板Pの輪郭に沿った線状に2枚のセパレータSを溶着することができる。
このとき、先に形成した第1の方向D1の溶着部Cを避けて、第2の方向D2の溶着部Cを形成するよう振動部材Hを相対移動することが好ましい。つまり、振動部材HでセパレータSの同じ位置を2度以上押圧しないようにすることによって、先に形成されている溶着部CのセパレータSを剥離させたり、溶着部CでセパレータSを破断させたりすることを防止できる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該セパレータの超音波溶着方法では、3枚以上のセパレータを溶着してもよい。例えば、複数の正極板及び複数の負極板をセパレータを介して交互に積層し、正極板及び負極板の外側で全てのセパレータを一括して溶着することによって電極積層体を形成してもよい。
当該超音波溶着方法において、振動部材をセパレータに圧接した状態で固定し、セパレータを積載した支持部材を移動することで、振動部材をセパレータに対して相対移動してもよい。
当該超音波溶着方法において、例えば破線状に断続的な溶着部を形成してもよい。
振動部材の相対移動により少なくとも2枚のセパレータを溶着しながら切断してもよい。この場合、形成される溶着部の幅方向中央においてセパレータを切断できるよう、振動部材の当接面の形状が相対移動方向の左右に略対称となることが好ましい。
上述した実施形態では、超音波振動する振動部材と、支持部材との間に2枚のセパレータを挟んでいたが、本発明はその形態に限定されない。本発明に係るセパレータの超音波溶着方法は、樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを前記耐熱層同士を対向させること、超音波振動する振動部材と、前記セパレータを点状に支持する支持部材との間に前記少なくとも2枚のセパレータを挟むこと、並びに前記振動部材及び支持部材に対して前記少なくとも2枚のセパレータを相対移動することを備えてもよい。
上記の超音波溶着方法は、例えば、図3及び図4に示す超音波溶着装置を用いて実施してもよい。この超音波溶着装置において、超音波振動する振動部材H1は、セパレータSの相対移動方向に垂直な側面視において直線状に伸びる好ましくは平面状の当接面を有する。一方、支持部材A1は、セパレータSの相対移動方向に垂直な側面視において円弧状に延び、セパレータSの相対移動方向に垂直な方向の幅が十分に小さいことにより、セパレータSに対して点状に当接する。この超音波溶着装置は、特に、セパレータSを溶着しながら切断するために好適に用いることができる。
当該超音波貼着方法では、振動部材H1の当接面と支持部材A1の支持面との間に少なくとも2枚のセパレータSを挟み込み、振動部材H1及び支持部材A1に対してセパレータSを相対移動することにより、相対移動の方向に沿って2枚のセパレータSを溶着できる。図3の超音波溶着装置では、当接面と支持面とがセパレータSを介して点状に接触するため、超音波振動のエネルギーが一カ所に集中することで比較的大きな点状の領域の耐熱層を破壊して耐熱層の砕片を押し出して樹脂層同士を溶着するのに十分なエネルギーが得られると考えられる。
支持部材A1は、図示するように、セパレータに向かって膨出する凸状に形成され、強度を担保する基部Bと、この基部BからさらにセパレータSの相対移動方向に延在する線状に突出し、セパレータSに当接する支持面を形成する凸部Eとを有する構成とすることができる。
凸部Eの平均幅(セパレータSに対する実質的な当接幅)の下限としては、0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。一方、凸部Eの平均幅の上限としては、1mmが好ましく、0.6mmがより好ましい。凸部Eの平均幅を前記下限以上とすることで、形成される溶着部の幅を十分に確保することができる。また、凸部Eの平均幅を前記上限以下とすることで、セパレータSに対する接触面積が過度に大きくなることが回避でき、溶着を確実にすることができる。
支持部材A1は、特に凸部Eの幅が小さいことによりセパレータSに対して実質的に点状に当接する。凸部EのセパレータSに対する当接点は、1mm程度の幅を有してもよいため、凸部Eの先端部の断面形状としては、特に限定されず、例えば方形状、台形状、半円形状等の多様な形状を採用することができる。特に好ましい例として、凸部Eの先端部断面形状は、半径が0.2mm程度の半円形状とすることができる。
また、セパレータSの相対移動方向に垂直な方向視における凸部Eの外形形状としては、円弧状又は楕円弧状とするとよい。セパレータSの相対移動方向に垂直な方向視における凸部EのセパレータSに対する接触位置での曲率半径の下限としては、1cmが好ましく、2cmがより好ましい、一方、前記凸部Eの接触位置での曲率半径の上限としては、10cmが好ましく、8cmがより好ましい。前記凸部Eの接触位置での曲率半径を前記下限以上とすることで、セパレータSの相対移動を容易にすることができる。また、前記凸部Eの接触位置での曲率半径を前記上限以下とすることで、支持部材A1がセパレータSに対して線状に当接して圧接力が分散することを回避することができ、セパレータSの溶着を確実にすることができる。
振動部材H1の振動方向は、セパレータSの移動方向(面方向)に垂直な方向であることが好ましい。これにより、装置構成が比較的簡単となると共に、セパレータSの相対移動が容易となる。また、振動部材H1の振動方向がセパレータS面方向に垂直であることによって、形成される溶着部の中央でセパレータSを切断することができる。
なお、振動部材H1と支持部材A1との位置関係は、任意に変更でき、例えば振動部材H1がセパレータSの下面に当接し、支持部材A1がセパレータSの上面に当接してもよい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
(セパレータ)
超音波溶着するセパレータとして、ポリプロピレンを主成分として形成される平均厚さ16μmの多孔質フィルムを樹脂層とし、この樹脂層の表面にアルミナ粉末をポリフッ化ビニリデンをバインダとして塗工して形成した平均厚さ5μmの耐熱層を有するセパレータを用意した。2枚のセパレータを、以下に説明する要領で、耐熱層同士を対向させて超音波溶着する試験を行った。また、比較のために、耐熱層を積層しておらず、前記樹脂層のみからなるセパレータを用意した。
(試験No.1)
試験No.1として、先端が半径3.25mmの球形状の棒状の振動部材を用い、この振動部材を軸方向がセパレータの表面に対して20°傾斜するよう支持してセパレータに圧接した。この振動部材を軸方向に周波数39.5kHzで振動させて平面視で振動方向と垂直な方向に移動させることで、2枚のセパレータを溶着した。この試験No.1では、セパレータに対する圧接荷重を16N、振動部材の振幅を最大振幅(67.7μm)の80%に設定し、振動部材の移動速度を500mm/secとした。
こうして溶着された2枚のセパレータをマイクロスコープで観察して溶着部の平均厚さを測定したところ、31.2μmであった。さらに、2枚のセパレータの接合強度の指標として、溶着された2枚のセパレータを幅3cmに切断した試験片を用い、JIS−K6854−3(1999)に準拠したT型剥離試験を行った。この結果試験No.1における剥離強度は、1.3Nであった。また、剥離試験後の試験片の剥離面を確認したところ、溶着部で剥離していた。また、2枚のセパレータの溶着部のシール性について浸透探傷剤を用いて検査したが、シール性は良好であった。
(試験No.2)
試験No.2として、振動部材の振幅を最大振幅の100%に設定した以外は、試験No.1と同様の試験をした。この試験No.2では、溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均厚さは32.6μm、剥離強度は4.9Nであった。また、剥離試験後の試験片の剥離面を確認したところ、溶着部で剥離していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果は良好であった。
(試験No.3)
試験No.3として、樹脂層のみからなるセパレータを用いた以外は、試験No.2と同様の試験をした。この試験No.3では、溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均厚さは37.1μm、剥離強度は14.5Nであった。また、剥離試験後の試験片は溶着部で剥離していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果は良好であった。
(試験No.4)
試験No.4として、振動部材の移動速度を250mm/secとした以外は、試験No.2と同様の試験をした。この試験No.4では、溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均厚さは17.1μm、剥離強度は10.5Nであった。また、剥離試験後の試験片は溶着部で剥離していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果は良好であった。
(試験No.5)
試験No.5として、振動部材の圧接荷重を18Nとした以外は、試験No.2と同様の試験をした。この試験No.5では、溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均厚さは28.2μm、剥離強度は5.9Nであった。また、剥離試験後の試験片は溶着部で剥離していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果は良好であった。
(試験No.6)
試験No.6として、振動部材の圧接荷重を24Nとした以外は、試験No.2と同様の試験をした。この試験No.6では、2枚のセパレータが溶着されると共に溶着部において切断された。こうして溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均幅(切断された両側の合計)は23.7μm、剥離強度(切断された一方側のみ)は2.0Nであった。また、剥離試験後の試験片は樹脂層が破断していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果は良好であった。
(試験No.7)
試験No.7として、振動部材の移動速度を250mm/secとした以外は、試験No.1と同様の試験をした。この試験No.7では、溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均幅は23.7μm、剥離強度は5.6Nであった。また、剥離試験後の試験片は樹脂層が破断していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果は良好であった。
(試験No.8)
試験No.8として、振動部材の振幅を最大振幅の60%に設定し、振動部材の移動速度を250mm/secとした以外は、試験No.1と同様の試験をした。この試験No.8では、2枚のセパレータを溶着することができた。こうして溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均厚さは20.0μm、剥離強度は5.7Nであった。また、剥離試験後の試験片は樹脂層が破断していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果は良好であった。
(試験No.9)
試験No.9として、振動部材の振幅を最大振幅の90%に設定し、振動部材の移動速度を250mm/secとした以外は、試験No.1と同様の試験をした。この試験No.9では、2枚のセパレータを溶着することができた。こうして溶着された2枚のセパレータの溶着部の平均厚さは25.2μmm、剥離強度は18.2Nであった。
(試験No.10)
試験No.10として、セパレータに線状に当接する振動部材を用い、振動部材の圧接荷重を200Nとし、周波数30kHzで、振動部材の振幅を最大振幅(49μm)の90%に設定して溶着を試みた。この試験No.10では、2枚のセパレータをかろうじて溶着することができた。しかしながら、こうして溶着された2枚のセパレータの剥離強度は測定時のハンドリングにて剥離したため測定できなかった。また、剥離試験後の試験片は樹脂層が破断していた。また、浸透探傷剤を用いたシール性の検査結果はシール不良であった。
前記試験No.1〜10について、その条件及び結果を次の表1及び表2に示す。なお、溶着状態の評価として、「A」は2枚のセパレータが溶着されたことを示し、「B」は2枚のセパレータが溶着されると共に溶着部で切断されたことを示し、「C」は2枚のセパレータが溶着されなかったことを示す。
Figure 0006843870
Figure 0006843870
以上のように、耐熱層を有するセパレータを耐熱層同士を対向させて配置しても、セパレータに点状に当接して超音波振動する振動部材をセパレータに押し当てながら相対移動することによって、耐熱層を破壊して樹脂層同士を溶着できることが確認された。また、振動部材の圧接荷重、振幅及び移動速度を調節することにより、比較的接合強度が大きい溶着を行うことも、2枚のセパレータを溶着しつつ切断することもできることが確認できた。
本発明に係るセパレータの溶着方法は、袋詰電極板を製造するために好適に利用することができる。
1 樹脂層
2 耐熱層
A,A1 支持部材
B 基部
C 溶着部
D1 第1の方向
D2 第2の方向
E 凸部
H,H1 振動部材
P 電極板
S セパレータ

Claims (11)

  1. 樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを前記耐熱層同士を対向させて支持部材で支持すること、及び
    前記セパレータに点状に当接して超音波振動する振動部材を前記少なくとも2枚のセパレータに押し当てながらセパレータに対して相対移動すること
    を備えるセパレータの超音波溶着方法。
  2. 前記振動部材の相対移動を前記振動部材の絶対位置の移動により行う請求項1に記載のセパレータの超音波溶着方法。
  3. 前記振動部材の絶対位置の移動を前記セパレータを搬送しながら行う請求項2に記載の超音波溶着方法。
  4. 前記振動部材の前記セパレータへの当接部分の曲率半径が0.5mm以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の超音波溶着方法。
  5. 前記振動部材の相対移動が、
    前記振動部材を前記セパレータに対して第1の方向に相対移動すること、及び
    前記振動部材を前記セパレータに対して前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動することを含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波溶着方法。
  6. 前記振動部材を前記セパレータに対して前記第1の方向に相対移動した時に形成されたセパレータ溶着部を避けて、前記振動部材を前記セパレータに対して前記第2の方向に相対移動する請求項5に記載の超音波溶着方法。
  7. 前記少なくとも2枚のセパレータの間に電極板を配置することをさらに備え、
    前記振動部材の相対移動により前記電極板の輪郭に沿って線状の溶着部を形成する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超音波溶着方法。
  8. 前記振動部材の相対移動により前記少なくとも2枚のセパレータを切断する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超音波溶着方法。
  9. 樹脂層と前記樹脂層上に形成された耐熱層とを有する少なくとも2枚のセパレータを前記耐熱層同士を対向させること、
    超音波振動する振動部材と、前記セパレータを点状に支持する支持部材との間に前記少なくとも2枚のセパレータを挟むこと、並びに
    前記振動部材及び支持部材に対して前記少なくとも2枚のセパレータを相対移動すること
    を備えるセパレータの超音波溶着方法。
  10. 前記振動部材に対して前記少なくとも2枚のセパレータを相対移動することにより前記少なくとも2枚のセパレータを切断する請求項9に記載の超音波溶着方法。
  11. 前記振動部材の当接面が平面状であり、前記セパレータの相対移動方向に垂直な側面視において前記支持部材の支持面が円弧状である請求項9又は請求項10に記載の超音波溶着方法。
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