JP5377257B2 - 二次電池および金属薄板の超音波溶接方法 - Google Patents
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- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Description
これによって、被接合部材界面付近に塑性変形が生じ、被接合部材表面に存在する酸化物等は取り除かれ、さらに摩擦熱により原子の拡散が促進されることにより、溶接がなされる。
そこで、特許文献1記載の超音波溶接方法では、被接合部材である金属箔の上面に、金属箔よりも機械的強度が大きい保護用金属板を配し、この保護用金属板を介して、金属箔に超音波振動を印加して、金属箔の損傷を防止しつつ、保護用金属板を金属箔と一体化して、溶接品質を改善している。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の二次電池において、保護用金属薄板は、金属薄板積層部材を構成する金属薄板と相溶性を有することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の二次電池において、保護用金属薄板の厚みが50μm以上200μm以下であることを特徴とする。
(4)請求項4の発明による超音波溶接方法は、金属薄板を積層した金属薄板積層部材を支持手段で支持しつつ、超音波発振ホーンによって金属薄板積層部材を励振して、金属薄板積層部材を溶接する超音波溶接法であって、金属薄板積層部材と超音波発振ホーンとの間に金属薄板よりも厚い保護用金属薄板を介在させ、保護用金属薄板のエッジ部が金属薄板積層部材の金属薄板に溶接されず、超音波発振ホーンと接する領域の金属薄板積層部材が溶接されるように、保護用金属薄板に溶接領域の両端で金属薄板積層部材とは溶接されない折曲部を設け、かつ、保護用金属薄板の折曲部の各エッジ部から溶接領域までの距離を0.5mm以上に設定して保護用金属薄板を介して超音波発振ホーンによって金属薄板積層部材を励振することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項4に記載の超音波溶接方法において、保護用金属薄板は、金属薄板積層部材を構成する金属薄板と相溶性を有することを特徴とする。
(6)請求項4または5に記載される超音波溶接方法において、保護用金属薄板は、焼鈍した材料もしくは加工硬化の程度を抑えた材料であることを特徴とする。
(7)請求項4乃至6のいずれか1項に記載される超音波溶接方法において、保護用金属薄板の厚みが50μm以上200μm以下であることを特徴とする。
[第1の実施の形態]
ここで、上記距離weは、図2に示すように、保護用金属薄板3のエッジ部3Eから、超音波発振ホーン4の超音波放射領域の端縁4Eを保護用金属薄板3上に投影した線4Lまでの距離と云うことができる。
また、比較例2、5は保護用金属薄板3を使用せず、超音波発振ホーン4を直接金属薄板積層部材20に当接させた。これによって、金属薄板積層部材20には、超音波発振ホーン4のエッジ部に接する部分に大きな面圧、応力が生じる。
実施例1〜6では、金属薄板積層部材20は50枚積層されたアルミニウム箔である。また実施例1〜4,6では、保護用金属薄板3はアルミニウム薄板リボン(1枚)であり、実施例5では、ニッケル薄板リボン(1枚)である。
実施例7〜12では、金属薄板積層部材20は50枚積層された電解銅箔である。また実施例7〜10,12の保護用金属薄板3は銅薄板リボン(1枚)であり、実施例11では、ニッケル薄板リボン(1枚)である。
比較例1〜3では、金属薄板積層部材20は、実施例1〜6と同様であり、比較例4〜6では、金属薄板積層部材20は、実施例7〜12と同様である。
また、超音波発振ホーン4の保護用金属薄板3への当接面は、長さ60mm、幅3mmとした。
[実施例・比較例仕様]
次に、実施例、比較例の仕様を詳述する。
実施例1の金属薄板積層部材20は50枚積層されたアルミニウム箔であるが、その材質は(A1085−H18)、厚さは20μmである。
また保護用金属薄板3はアルミニウム薄板リボン(1枚)であるが、その寸法は、長さ60mm、幅6mm、厚さ100μmであり、材質は(A1050−H12)である。
実施例2では、保護用金属薄板3であるアルミニウム薄板リボンの厚さを50μmとし、他の仕様は実施例1と同様とした。
実施例3では、保護用金属薄板3であるアルミニウム薄板リボンの厚さを200μmとし、他の仕様は実施例1と同様とした。
実施例4では、保護用金属薄板3であるアルミニウム薄板リボンの厚さを300μmとし、他の仕様は実施例1と同様とした。
実施例5では、保護用金属薄板3は厚さ100μmのニッケル薄板リボンとし、他の仕様は実施例1と同様とした。
実施例6では、保護用金属薄板3であるアルミニウム薄板リボンの材質を、加工硬化の程度が最も大きいA1050−H18とし、他の仕様は実施例1と同様とした。
実施例7の金属薄板積層部材20は50枚積層された電解銅箔であるが、その材質は(C1020−H1/4)、厚さは30μmである。
また保護用金属薄板3は銅薄板リボン(1枚)であるが、その寸法は、長さ60mm、幅6mm、厚さ100μmであり、材質は(C1020−H1/4)である。
実施例8では、保護用金属薄板3である銅薄板リボンの厚さを50μmとし、他の仕様は実施例7と同様とした。
実施例9では、保護用金属薄板3である銅薄板リボンの厚さを200μmとし、他の仕様は実施例7と同様とした。
実施例10では、保護用金属薄板3である銅薄板リボンの厚さを300μmとし、他の仕様は実施例7と同様とした。
実施例11では、保護用金属薄板3は厚さ100μmのニッケル薄板リボンとし、他の仕様は実施例7と同様とした。
実施例12では、保護用金属薄板3である銅薄板リボンの材質を、加工硬化の程度が最も大きいC1020−Hとし、他の仕様は実施例7と同様とした。
比較例1では、保護用金属薄板3であるアルミニウム薄板リボンの厚さを30μmとし、他の仕様は実施例1と同様とした。
比較例2は、保護用金属薄板3を使用せず、超音波発振ホーン4を金属薄板積層部材20に直接当接した。その他の仕様は実施例1と同様である。
比較例3は、超音波発振ホーン4を保護用金属薄板3のエッジ部3Eから僅かにはみ出すように配置した。その他の仕様は実施例1と同様である。
比較例4では、保護用金属薄板3である銅薄板リボンの厚さを30μmとし、他の仕様は実施例7と同様とした。
比較例5は、保護用金属薄板3を使用せず、超音波発振ホーン4を金属薄板積層部材20に直接当接した。その他の仕様は実施例7と同様である。
比較例6は、超音波発振ホーン4を保護用金属薄板3のエッジ部3Eから僅かにはみ出すように配置した。その他の仕様は実施例7と同様である。
(定義)
表3は、実施例1〜6および比較例1〜3について、各々6サンプルの超音波溶接試験を行った結果を示す。
表4は、実施例7〜12および比較例4〜6について、各々6サンプルの超音波溶接試験を行った結果を示す。
保護用金属薄板3を使用しなかった比較例2、5では、全ての試験サンプルで金属薄板積層部材20に破損が生じた。
保護用金属薄板3を使用したが、エッジ部3Eを金属薄板積層部材20に溶接した比較例3、6では、エッジ溶接部位以外での破損は見られなかったが、エッジ溶接部位において、エッジ部3Eに沿って金属薄板積層部材20に切断が生じたものがあった。
また、比較例3、6では、破損が観察されなかった試験サンプルにおいて、その後超音波洗浄器を用いて振動負荷を与えたときに、エッジ溶接部位に切断が生じたものがあった。
保護用金属薄板3を使用し、エッジ部3Eを溶接しなかった実施例1、7では、金属薄板積層部材20の破損は発生せず、さらに超音波洗浄器を用いて振動負荷を与えても新たな破損は観察されなかった。
保護用金属薄板3の厚さを30μmとした比較例1、4では、超音波発振ホーン4に接した保護用金属薄板3および金属薄板積層部材20に亀裂が生じた試験サンプルがあった。
保護用金属薄板3の厚さを50μmとした実施例2、8、厚さを200μmとした実施例3、9では、良好な溶接状態が得られた。すなわち、金属薄板積層部材20を構成する金属薄板2よりも厚い保護用金属薄板3を使用することによって良好な結果が得られた。
また、保護用金属薄板3の厚さを300μmとした実施例4、10では、金属薄板積層部材20の一部が溶接されなかった試験サンプルがあり、超音波溶接時の印加エネルギーが不足していたものと考えられた。
実施例1〜4、実施例7〜10、比較例1、4の結果から、保護用金属薄板3の厚さは50μmから200μmが好ましいと考えられる。
一方、保護用金属薄板3の厚さが200μm超の実施例4、10においても、超音波溶接時の印加エネルギーを増すことで良好な溶接強度が得られる可能性がある。但し、超音波振動による金属箔の破損には充分配慮すべきである。
実施例1〜4および実施例7〜10は、溶接状態に違いはあるものの、何れにおいても金属箔のエッジ溶接部位には切断等は見られず、超音波洗浄器を用いて振動負荷を与えても新たな破損は観察されなかった。
保護用金属薄板3として、ニッケル薄板リボンを使用した実施例5、11、加工硬化の程度が大きいアルミニウム薄板リボン(A1050−H18)を使用した実施例6、加工硬化の程度が大きい銅薄板リボン(C1020−H)を使用した実施例12においては、金属薄板積層部材20の一部が溶接されなかった試験サンプルがあり、超音波溶接時の印加エネルギーが不足していたものと考えられた。
正極板6P1は、乾燥後ロールプレスで密度が調整されている。
[第2の実施の形態]
本実施の形態における距離weは、第1の実施の形態同様、保護用金属薄板3のエッジ部3Eから測定される。
[第3の実施の形態]
[第4の実施の形態]
[第5の実施の形態]
[第6の実施の形態]
2 金属薄板
3 保護用金属薄板
4 超音波発振ホーン
20、21、22 金属薄板積層部材
Claims (7)
- 金属薄板積層部材および発電要素群を有する二次電池であって、
前記発電要素群は、正極板と負極板を、セパレータを介して形成され、
前記正極板、前記負極板には、活物質合剤が塗布されない未塗工部が形成され、
前記正極板の未塗工部と、前記負極板の前記未塗工部が、それぞれ、積層されて前記金属薄板積層部材が構成され、
前記金属薄板積層部材の上面に前記正極板または前記負極板よりも厚い保護用金属薄板が形成され、
前記保護用金属薄板と前記正極板および負極板の前記各金属薄板積層部材とは溶接領域において超音波溶接により溶接され、
前記保護用金属薄板は、前記溶接領域の両端で前記金属薄板積層部材とは溶接されない折曲部を有し、前記保護用金属薄板の前記折曲部の各エッジ部から前記溶接領域までの距離は0.5mm以上であることを特徴とする二次電池。 - 請求項1に記載の二次電池において、
前記保護用金属薄板は、前記金属薄板積層部材を構成する前記金属薄板と相溶性を有することを特徴とする二次電池。 - 請求項1または2に記載の二次電池において、
前記保護用金属薄板の厚みが50μm以上200μm以下であることを特徴とする二次
電池。 - 金属薄板を積層した金属薄板積層部材を支持手段で支持しつつ、超音波発振ホーンによって前記金属薄板積層部材を励振して、前記金属薄板積層部材を溶接する超音波溶接法であって、
前記金属薄板積層部材と前記超音波発振ホーンとの間に前記金属薄板よりも厚い保護用金属薄板を介在させ、
前記保護用金属薄板のエッジ部が前記金属薄板積層部材の金属薄板に溶接されず、前記超音波発振ホーンと接する領域の前記金属薄板積層部材が溶接されるように、前記保護用金属薄板に前記溶接領域の両端で前記金属薄板積層部材とは溶接されない折曲部を設け、かつ、前記保護用金属薄板の前記折曲部の各エッジ部から前記溶接領域までの距離を0.5mm以上に設定して前記保護用金属薄板を介して前記超音波発振ホーンによって前記金属薄板積層部材を励振することを特徴とする超音波溶接方法。 - 請求項4に記載の超音波溶接方法において、
前記保護用金属薄板は、前記金属薄板積層部材を構成する前記金属薄板と相溶性を有することを特徴とする超音波溶接方法。 - 請求項4または5に記載される超音波溶接方法において、
前記保護用金属薄板は、焼鈍した材料もしくは加工硬化の程度を抑えた材料であることを特徴とする超音波溶接方法。 - 請求項4乃至6のいずれか1項に記載される超音波溶接方法において、
前記保護用金属薄板の厚みが50μm以上200μm以下であることを特徴とする超音波溶接方法。
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