JP6843845B2 - 1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−フタロイルアゼチジン−2−オンおよびその誘導体 - Google Patents

1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−フタロイルアゼチジン−2−オンおよびその誘導体 Download PDF

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Description

発明の背景
緒言
本発明は、化合物1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−フタロイルアゼチジン−2−オン(1,4-di-(4-methylthiophenyl)-3-phtaloylazetidine-2-one)およびその誘導体、それらの合成方法およびそれらの使用、特に、それらの治療的使用、とりわけ、エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する病状の治療における使用、ならびに、純粋に審美的目的のため、とりわけ、体重減少を可能にするためのそれらの使用に関する。
エンドカンナビノイド系(ECS)は、カンナビノイド受容体、それらの内因性リガンド(すなわち、それぞれ、アナンダミドおよび2−アラキドノイルグリセロールとしてより一般的に知られている、エンドカンナビノイドAEAおよび2−AG)およびエンドカンナビノイドの形成および分解を触媒する数多くの代謝酵素を含んでなる複雑な系である。現在、エンドカンナビノイドは、膜脂質前駆体から「要求に応じて」生成されること、およびそれらの生物学的効果は、より詳細には、7回膜貫通型ドメインを有する2つのGタンパク質共役型受容体、すなわち、CB1および/またはCB2受容体によって伝えられることが広く受け入れられている。
CB1およびCB2受容体は、ヒトの体の多くの器官および組織に存在する:実際に、それらの発現が優勢である脳および免疫系に加えて、CB1およびCB2受容体は、とりわけ、腸(Di Carlo et al., 2003)、膀胱(Pertwee, 2001)、脂肪組織(Cota et al., 2003)、肝臓(Osei-Hyiaman et al., 2005)、精巣(Gye et al., 2001)、子宮(Das et al., 1995)、網膜(Buckley et al., 1998)、血管内皮(Liu et al., 2003)、および筋肉において同定されている。
これらの受容体は、組織内に広範囲に存在するため、多くの生物学的機能の調節に関与するが、多種多様な生理病理学的プロセスにも関与する。エンドカンナビノイドCB1および/もしくはCB2受容体の発現またはエンドカンナビノイドを代謝しかつ/もしくはエンドカンナビノイド合成経路に関与する酵素の発現の変化に起因するエンドカンナビノイド系の調節異常は、実際に無数の病状において観察されている。これらの中で、肥満および関連代謝障害、糖尿病およびその合併症、肝臓、腎臓および心血管疾患、骨粗鬆症、癌ならびに不妊問題は、エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連し、炎症性腸疾患ならびに精神および神経変性疾患は、前記系の低活動に関連する(Di Marzo, 2008; Izzo et al., 2010; Pacher et al., 2013;Maccarone et al., 2015)。
肥満の場合、エンドカンナビノイド系の過剰活動化が食欲の刺激につながり、従って、体重増加を促進し、同時に血中インスリン、インスリン抵抗性、血糖、血中脂質などの代謝パラメーターを変化させることが明らかにされている。(Ravinet Trillou C. et al., 2003; Di Marzo and Matias, 2005; Despres and Lemieux, 2006)。
結果として、この系のメディエーター、すなわち、CB1および/またはCB2受容体に直接作用することによって、このエンドカンナビノイド系調節異常を矯正することを目的とする様々な治療戦略が開発され、科学文献に広く記載されている。
例えば、CB1受容体作動薬を用いたエンドカンナビノイド系の活動化は、食道の一過性弛緩を誘導し、それによって、胃食道逆流を治療すること(Beaumont et al., 2009; Lehman et al., 2002)、また、とりわけ、胃腸運動および炎症に作用しながら、過敏性腸症候群または胃潰瘍などの腸疾患に関連する症状を改善すること(Izzo et al., 2001; Izzo et al., 1999; Massa et al., 2004)を可能にすることが示されている。
CB1受容体の作用に拮抗する化合物、例えば、リモナバントなどの使用は、食物摂取に中枢的に作用するだけでなく、高インスリン血症、インスリン抵抗性、高血糖および脂質異常症に末梢的にも作用し、それによって、関連する心血管系リスクの低下も可能にすることにより、肥満およびメタボリックシンドロームの治療において有効であることが示されている(Ravinet Trillou C. et al., 2003; Tam et al., 2010;Tam et al., 2012)。
CB1受容体に対する拮抗作用の有益な効果は、糖尿病およびその合併症(腎症、細尿管症)の状況(Jourdan et al., 2014)、ならびに線維症、特に、肝線維症および腎線維症の発症(Teixeira-Clerc et al., 2006)の中でも観察されている。
従って、カンナビノイド受容体、特に、CB1受容体の作動薬および拮抗薬は、エンドカンナビノイド系の調節異常を伴う疾患において治療上極めて興味深い。
それにもかかわらず、これらの分子の長期使用後、特に、それらが血液脳関門を通過する際に、重大な副作用が観察されている。これらの分子の中で、肥満を治療することを最初に目指したリモナバントは、中枢CB1受容体への作用によって引き起こされる抑うつ精神医学的作用のために、2008年に市場から撤退しなければならなかった。
従って、これらの有害な向精神作用を制限し、あるいは完全に無効にするために、中枢神経系にほとんどまたは全く拡散しない新規なCB1受容体阻害剤を開発する必要がある。
本発明は、末梢CB1受容体に作用する新規化合物を使用してこの必要性を満たすことを提案する。
本発明者らは、驚くべきことに、化合物1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−フタロイルアゼチジン−2−オンおよびその構造類似体は、それらに末梢CB1受容体に対する優先的逆作動薬活性を誘導する薬物動態プロファイルを与える物理化学的特徴を有することを実際に発見した。以下に開示される実験データは、これらの分子が、炭水化物および脂質代謝だけでなく、肥満マウスの耐糖能、インスリン感受性および体重、胃腸運動にも有益な効果を発揮し、これには肝毒性がないことをさらに示している。従って、これらの新規化合物は、肥満関連代謝障害および胃腸運動機能の欠陥だけでなく、選好的にCB1受容体を含むエンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する総ての疾患に対する新規治療戦略への道を開く。
従って、本発明は、1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−フタロイルアゼチジン−2−オンおよびその誘導体、その合成方法、ならびにその用途、とりわけ、治療的および非治療的用途に関する、以下に定義される式(I)の末梢CB1受容体の選択的逆作動薬を提案する。
JM−00.246、JM−02.003、JM−01.1006、JM−00.266またはJM−00.242の分子で21時間処置したob/obマウスの肝臓移植片におけるCB1受容体の発現。 pcDNA3.1−mCB1(50ng)およびpGlo(100ng)プラスミドでトランスフェクトし、AEAの存在または不在下で漸増濃度のJM−02.003(2A)、JM−01.1006(2B)およびJM−00.266(2C)に供したHEK293T/17細胞におけるcAMPの変化。 野生型(それぞれ、3Aおよび3B)またはCB1R KOマウス(それぞれ、3Cおよび3D)における耐糖能に対するJM−02.003(M2)またはJM−00.266(M6)の10mg/kg i.p.注射の効果。 野生型マウスにおけるOGTT中の血漿インスリン濃度(4A)およびインスリン耐性(ITT;4B)に対するビヒクルまたはJM−00.266(M6)の10mg/kg i.p.注射の効果。 野生型マウスにおける胃腸管通過に対する、ビヒクル、アナンダミド(AEA)またはAEA+JM−00.266(M6)の10mg/kg i.p.注射の効果。 オープンフィールド試験により決定した、肥満マウスにおける不安および運動活動に対する、SR141716(すなわち、リモナバント)、JM−00.266化合物(M6)またはビヒクルでの30日間の長期処置の効果、6A:中心で過ごした時間(単位、秒);6B:中心へのエントリー数;6C:移動した総距離(単位、cm)。 SR141716(リモナバント)およびビヒクルと比較したJM−00.266(M6)化合物での30日間の長期処置中の食物摂取(7A)および体重(7B)における変化。(7C)処置前(D0)および処置終了時(D30)の体組成(EchoMRI)における変化。 肥満マウス(OGTT 2g/kg)における基礎血糖値(8A)および耐糖能に対する、SR141716(リモナバント)またはJM−00.266(M6)での10mg/kg長期処置の効果(8B:リモナバントの場合および8C:M6の場合)。 肥満マウスにおけるインスリン耐性(ITT)に対する、SR141716(リモナバント)(9A)またはJM−00.266(M6)(9B)での10mg/kg長期処置の効果。 低脂肪食条件でのビヒクル(VEH+LF)または高脂肪(HF)条件でのビヒクル(VEH+HF)と比較した、低脂肪(LF)食を受容し、JM−00.266化合物(M6)で43日間処置した肥満マウス(M6+LF)の体重における変化。 耐糖能に対する、ビヒクル(VEH+LF)と比較した、低脂肪食を受容した肥満マウスにおけるJM−00.266化合物(M6)での43日間の処置(M6+LF)の効果。 ビヒクルと比較した、食物と同時に経口投与される(10mg/kg)JM−00.266化合物(M6)で28日間処置した肥満マウスの体重の変化。 耐糖能に対する、ビヒクルと比較した、肥満マウスにおける、食物と同時に経口投与されるJM−00.266化合物(M6)での28日間の処置の効果。 ビヒクル(VEH)と比較した、食物と同時に経口投与されるJM−00.266化合物(M6)で28日間処置した肥満マウスの肝臓における、CB1R、CB2R受容体、エンドカンナビノイド合成酵素(NAPE)、エンドカンナビノイド分解酵素(FAAH)、脂肪酸シンターゼ(FAS)の発現。 ビヒクル(VEH)と比較した、食物と同時に経口投与されるJM−00.266化合物(M6)で28日間処置した肥満マウスの肝臓における、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ1(SCD−1)、アシル補酵素A:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)、グルコース−6−ホスファターゼ(G6P)、成熟マクロファージマーカーF4/80、およびグルコース輸送体GLUT2の発現。 ビヒクル(VEH)と比較した、食物と同時に経口投与されるJM−00.266化合物(M6)で28日間処置した肥満マウスの皮下脂肪組織における、CB1R、CB2R受容体、エンドカンナビノイド合成酵素(NAPE)、エンドカンナビノイド分解酵素(FAAH)、脂肪酸シンターゼ(FAS)、グルコース−6−ホスファターゼ(G6P)の発現。 ビヒクル(VEH)と比較した、食物と同時に経口投与されるJM−00.266化合物(M6)で28日間処置した肥満マウスの皮下脂肪組織移植片における、グルコース輸送体GLUT4、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、および成熟マクロファージマーカーF4/80の発現。 ビヒクル(VEH)と比較した、食物と同時に経口投与されるJM−00.266化合物(M6)で28日間処置した肥満マウスの内臓脂肪組織の移植片における、CB1R、CB2R受容体、エンドカンナビノイド合成酵素(NAPE)、エンドカンナビノイド分解酵素(FAAH)、脂肪酸シンターゼ(FAS)およびグルコース−6−ホスファターゼの発現。 ビヒクル(VEH)と比較した、食物と同時に経口投与されるJM−00.266化合物(M6)で28日間処置した肥満マウスの内臓脂肪組織の移植片における、グルコース輸送体GLUT4、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、および成熟マクロファージマーカーF4/80の発現。
発明の具体的説明
従って、本発明は、まず、以下の一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および/もしくは溶媒和物に関する:
[式中、
・RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはCOR、SOもしくはCONR基を表すか;またはそれらを有する窒素原子と共に、少なくとも1個のさらなるヘテロ原子、C=O基、アリール基またはヘテロアリール基を含んでなる5員または6員複素環を形成し;
・R3、、RおよびRは、独立に、水素原子、またはアリールもしくはヘテロアリール基を表し、前記基は、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、SONR1314、OCOR15、NR16COR17、NR18C(O)OR19、CO20、CONR2122、OCO23、OCONR2425、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)、オキソ(=O)およびCFから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
・R〜R26は、独立に、水素原子または(C−C)アルキル、アリールもしくはアリール−(C−C)アルキル基を表す]。
一般式(I)の化合物の立体異性体、とりわけ、トランスジアステレオ異性体、ならびにそれらの混合物もまた、本発明の一部を形成する。
本発明の意味において、「立体異性体」とは、幾何異性体(もしくは立体配置異性体)または光学異性体を意味する。
幾何異性体は、二重結合または環上の置換基の異なる位置から生じ、従って、シスまたはトランスとも呼ばれるZまたはE立体配置を有し得る。
光学異性体は、特に、4つの異なる置換基を含んでなる炭素原子上の置換基の空間における異なる位置から生じる。従って、この炭素原子は、キラルまたは不斉中心を構成する。光学異性体としては、ジアステレオ異性体および鏡像異性体が挙げられる。互いの鏡像であるが重ね合わせることができない光学異性体は「鏡像異性体」と呼ばれる。互いの重ね合わせることができる鏡像ではない光学異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれる。
反対のキラリティーをもつ2つの個々の鏡像異性体形態を等量含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
一般式(I)の化合物の互変異性体もまた、本発明の一部を形成する。
本発明の意味において、「互変異性体」とは、プロトトロピーによって、すなわち、水素原子の移動および二重結合の位置の変化によって得られる化合物の構造異性体を意味する。化合物の異なる互変異性体は、一般的に相互変換可能であり、使用される溶媒、温度またはpHに応じて変化し得る割合で、溶液中平衡状態で存在する。
本発明において、「薬学的に許容可能な」は、一般的に安全で無毒であり、生物学的にも他の点でも望ましくないものではなく、かつ、獣医ならびにヒト用医薬品使用に許容される医薬組成物の製造において有用なものを意味することを意図する。
化合物の「薬学的に許容可能な塩」とは、本明細書で定義されるように薬学上許容され、かつ、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。
薬学的に許容可能な塩としては、特に、以下が挙げられる:
(1)例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの薬学的に許容可能な無機酸とともに形成されるか;または例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸(camphosulphonic acid)、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプタン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、ジベンゾイル−L−酒石酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸、トリフルオロ酢酸などの薬学的に許容可能な有機酸とともに形成される、薬学的に許容可能な酸付加塩および
(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオンで置換されている場合に形成されるか;または例えば、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどの薬学的に許容可能な有機塩基と;または例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの薬学的に許容可能な無機塩基と配位結合させた、薬学的に許容可能な塩基付加塩。
化合物が酸官能基を含んでなる場合、それはナトリウム塩であり得る。
これらの塩は、塩基性または酸性部分および対応する酸または塩基を含有する本発明の化合物から、従来の化学的方法に従って合成することができる。
本発明の化合物の薬学的に許容可能な溶媒和物には、溶媒が存在するために本発明の化合物の最終製造工程の間に形成されるものなどの従来の溶媒和物が含まれる。例として、水(水和物)またはエタノールの存在による溶媒和物を挙げることができる。
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
本発明の意味において、「(C−C)アルキル」基とは、1〜6個、とりわけ、1〜4個の炭素原子を含んでなる直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素鎖を意味する。例として、以下の群:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルを挙げることができる。
本発明の意味において、「アリール」とは、好ましくは、6〜10個の炭素原子を含んでなり、かつ、1つ以上の縮合環、例えば、フェニルまたはナフチル基などを含んでなる、芳香族炭化水素基を意味する。有利には、それはフェニルである。
本発明の意味において、「アリール−(C−C)アルキル」とは、上記で定義した(C−C)アルキル鎖を介して分子の残りの部分と結合している、上記で定義したアリール基を意味する。例として、ベンジル基を挙げることができる。
本発明の意味において、「ヘテロアリール」とは、1〜4個、特に、1個または2個の炭素原子がそれぞれ独立に、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって置換されている、上記で定義したアリール基を意味する。
本発明の特定の実施形態によれば、RおよびRは、それらを有する窒素原子と共に、少なくとも1個、好ましくは、1個または2個の、さらなるヘテロ原子、とりわけ、1個または2個の窒素原子(N)、C=O基、アリール基、とりわけ、フェニル、またはヘテロアリール基、とりわけ、ピリジンを含んでなる5員または6員複素環を形成する。
好ましくは、RおよびRは、それらを有する窒素原子と共に、下記式(II)または(III)の複素環を形成する:
(式中、R27は水素原子またはCORもしくはSO基を表し、RおよびRは、請求項1に記載の通りであり、具体的には、R27は水素原子を表す)。
本発明の別の特定の実施形態によれば:
・RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはCOR、SOもしくはCONR基を表し;かつ
・R、R、RおよびRは、独立に、水素原子、またはアリール、好ましくは、フェニル、もしくはヘテロアリール基、例えば、ピリジンなどを表し、前記基は、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、SONR1314、OCOR15、NR16COR17、NR18C(O)OR19、CO20、CONR2122、OCO23、OCONR2425、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、OCOR15、CO20、OCO23、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SO12、およびCFから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;R〜R26は上記で定義した通りである。
好ましくは:
・RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはCOR、SOもしくはCONR基を表し;
・R3、およびRは、独立に、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、SONR1314、OCOR15、NR16COR17、NR18C(O)OR19、CO20、CONR2122、OCO23、OCONR2425、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、OCOR15、CO20、OCO23、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SO12、およびCFから選択される基で置換されていてよい、アリール基、好ましくは、フェニルを表し、R〜R26は、上記で定義した通りであり;かつ
・Rは水素原子を表す。
好ましくは、Rは水素原子であり、かつRはCOR、SOもしくはCONR基を表し、ここで、R、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、Rは水素原子であり、かつRはCOR基を表し、Rは、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、SONR1314、OCOR15、NR16COR17、NR18C(O)OR19、CO20、CONR2122、OCO23、OCONR2425、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、OCOR15、CO20、OCO23、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SO12、およびCF、有利には、ハロゲン原子、SOCH、およびCFから選択される基で置換されていてよい、アリール、好ましくは、フェニルであり、R〜R26は、上記で定義した通りである。
本発明の別の特定の実施形態によれば、Rは水素原子であり、かつRはSO基を表し、Rは、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、SONR1314、OCOR15、NR16COR17、NR18C(O)OR19、CO20、CONR2122、OCO23、OCONR2425、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、OCOR15、CO20、OCO23、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SO12、およびCF、有利には、ハロゲン原子、SOCH、およびCFから選択される基で置換されていてよい、アリール、好ましくは、フェニルであり、R〜R26は、上記で定義した通りである。
本発明の別の特定の実施形態によれば、Rは水素原子であり、かつRはCONR基を表し、Rは水素原子であり、かつRは、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、SONR1314、OCOR15、NR16COR17、NR18C(O)OR19、CO20、CONR2122、OCO23、OCONR2425、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、OCOR15、CO20、OCO23、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)およびCF、有利には、ハロゲン原子、OR、NR、SO12、およびCF、有利には、ハロゲン原子、SOCH、およびCFから選択される基で置換されていてよい、アリール、好ましくは、フェニルであり、R〜R26は、上記で定義した通りである。
本発明の化合物は、より好ましくは、以下に記載される化合物IA〜IF、ならびにそれらの薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物から選択され得る:
本発明のより特に好ましい実施形態によれば、本発明による式(I)の化合物は、式(IA)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩および/もしくは溶媒和物である:
本発明はまた、本発明による式(I)の化合物を製造するための方法に関する。
本発明による式(I)の化合物を製造するための方法は、以下の工程を含んでなる:
(i)4−メチルチオベンズアルデヒドと4−メチルチオアニリンとを縮合して、下記式(IV):
の化合物を得る工程;
(ii)得られた式(IV)の化合物と下記式(V):
のケテンとの間でシュタウディンガー付加環化して、下記式(IA):
の化合物を得る工程;
(iii)場合により、好ましくは、メチルヒドラジンの作用により、式(IA)の化合物のフタロイル化アミン官能基を脱保護して、下記式(IF):
の化合物を得、その後、場合により、そのようにして得られた式(IF)の化合物と式R−Xおよび/またはR−X’[式中、R−XおよびR−X’は、上記で定義した基RおよびRの、活性化形態、例えば、塩化アシル、塩化スルホニルおよびアリールイソシアネートなどである]の化合物とをカップリングする工程;および
(iv)工程(ii)または工程(iii)で得られた化合物を回収する工程。
工程(ii)の塩化アシルの例として、特定の実施形態によれば、塩化フタロイルグリシニルを使用することができる。
好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、式(I)[式中、RおよびRは、それらを有する窒素原子と共に、式(II)の複素環を形成する]の化合物に対応する式(IA):
の化合物の製造に関する。
この方法は、以下の工程を含んでなる:
(i)4−メチルチオベンズアルデヒドと4−メチルチオアニリンとを縮合して、下記式(IV):
の化合物を得る工程;
(ii)工程(i)で得られた式(IV)の化合物と下記式(V):
のケテンとの間でシュタウディンガー付加環化する工程;
その後、式(IA)の化合物を回収する工程。
縮合反応(分子間脱水)は、有利には、トルエンなどの溶媒の存在下、およびその反応中に生成される乾燥剤、例えば、無水硫酸ナトリウムなどの存在下で行われる。
ケテン−イミン[2+2]付加環化とも呼ばれるシュタウディンガー付加環化は、当業者に知られている化学反応である。この反応は、ジクロロエタン(DCE)中、室温で、不活性雰囲気下、例えば、窒素下またはアルゴン下などで、好ましくは、窒素下で行うことができる。
ケテン(V)は、有利には、フタロイルグリシンの酸塩化物に対するトリエチルアミン(TEA)などの塩基の作用によりin situで生成することができる。この酸塩化物は、当業者に知られている方法により、とりわけ、市販のN−フタロイルグリシンに対する塩化チオニルの作用により外部から、またはジクロロリン酸フェニルなどのカップリング剤を用いて、トリエチルアミンなどのプロトン受容体の存在下で反応混合物中で直接的に得ることができる。
そのようなプロセスを、以下のスキーム1に詳細に示される。
従って、このプロセスは、式(I)の他の化合物の製造方法において出発試薬として役立ち得る化合物(IA)を得ることを可能にする。
本発明はまた、出発物質として式(IA)の化合物を用いかつ以下の工程を含んでなる、式(I)の化合物を製造するための方法に関する:
(i)4−メチルチオベンズアルデヒドと4−メチルチオアニリンとを縮合して、式(IV)の化合物を得る工程;
(ii)工程(i)で得られた式(IV)の化合物と式(V)のケテンとの間でシュタウディンガー付加環化する工程;
(iii)好ましくは、メチルヒドラジンの作用により、工程(ii)で得られた式(IA)の化合物のフタロイル化アミン官能基を脱保護して、下記式(IF):
の化合物を得る工程;
その後、場合により、そのようにして得られた式(IF)の化合物と式R−Xおよび/またはR−X’[式中、R−XおよびR−X’は、上記で定義した基RおよびRの、活性化形態、例えば、塩化アシル、塩化スルホニルおよびアリールイソシアネートなどである]の化合物とをカップリングする工程;および
(iv)工程(iii)で得られた化合物を回収する工程。
工程(ii)の塩化アシルの例として、特定の実施形態によれば、塩化フタロイルグリシニルを使用することができる。
特定の実施形態によれば、出発物質として式(IA)の化合物を用いて式(I)の化合物を製造するための方法は、以下の工程を含んでなり得る:
(i)4−メチルチオベンズアルデヒドと4−メチルチオアニリンとを縮合して、式(IV)の化合物を得る工程;
(ii)ジクロロリン酸フェニルなどのカップリング剤を用いて、トリエチルアミンなどのプロトン受容体の存在下で、工程(i)で得られた式(IV)の化合物とin situで得られた式(V)のケテンとの間でシュタウディンガー付加環化する工程;
(iii)好ましくは、メチルヒドラジンの作用により、工程(ii)で得られた式(IA)の化合物のフタロイル化アミン官能基を脱保護して、式(IF)の化合物を得る工程、その後、場合により、そのようにして得られた式(IF)の化合物とN−フタロイルグリシンとを、ジクロロリン酸フェニルなどのカップリング剤を用いて、トリエチルアミンなどのプロトン受容体の存在下でカップリングして、式
の誘導体を得る工程;および
(iv)工程(ii)または工程(iii)で得られた化合物を回収する工程。
従って、本発明の別の側面は、式(IG):
の化合物(IA)の誘導体/類似体、またはその薬学的に許容可能な塩および/もしくは溶媒和物に関する。
化合物(IA)のフタロイル化アミン官能基の脱保護反応は、当業者に周知の典型的な反応である。この脱保護は、有利には、化合物(IA)に対して、好ましくは、ジクロロメタン中で、ヒドラジン水和物またはメチルヒドラジン、好ましくは、メチルヒドラジンの作用により行われる。この反応は、式(I)[式中、RおよびRそれぞれは水素原子を表す]の化合物に対応する化合物(IF)を得ることを可能にする。
特定の実施形態によれば、化合物(IF)は、カップリング反応を行わずに、直接回収される。
別の特定の実施形態によれば、化合物(IF)は、化合物(IA)以外の式(I)の化合物を製造するための合成中間体としてこのプロセス中で引き続き使用される。
従って、本発明はまた、化合物(IA)以外の式(I)の化合物の合成中間体としての化合物(IF)に関する。
カップリング反応は、当業者に周知の実験条件下、有利には、室温で、ジクロロエタンなどの溶媒、およびトリエチルアミン(TEA)などの塩基の存在下で行うことができる。
本発明の意味において、化学基の「活性化形態」とは、求核試薬に対してより活性化するように修飾された前記化学基を意味する。これらの活性化形態は、当業者に周知であり、特に、塩化アシル、塩化スルホニルまたはアリールイソシアネートであり得る。塩化アシルの例として、具体的には、塩化フタロイルグリシニルを使用することができる。
上記のプロセスは、必要に応じて、当業者に知られているかまたは実験セクションで例示されている文献に記載されている任意の標準操作、とりわけ、追加の官能基化、環化および/または保護/脱保護反応によって補うことができる。
式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物を得るために、これら2つのプロセスの最後に、1つ以上の追加の塩化および/または溶媒和工程を行うことができる。
塩化工程は、当業者に周知の条件下、薬学的に許容可能な酸または塩基の存在下で行うことができる。
式(I)の化合物が溶媒和形態である場合、この溶媒和は、一般的に、このプロセスの最後の工程で行われ、溶媒和形態の溶媒は、この場合、反応混合物の溶媒である。
これら2つの上記プロセスのうちの1つによって得られた式(I)の化合物は、当業者に周知の方法、例えば、抽出、溶媒蒸発または沈殿および濾過などによって、反応混合物から分離することができる。
加えて、式(I)の化合物は、必要に応じて、当業者に周知の技術により、例えば、化合物が結晶性である場合には再結晶化により、蒸留により、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製することができる。
本発明者らは、末梢エンドカンナビノイドCB1受容体に対する本発明の化合物の逆作動薬活性、およびエンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患の治療または予防におけるそれらの重要性を示した。
従って、本発明の別の側面は、末梢エンドカンナビノイドCB1受容体の逆作動薬として、好ましくは、前記受容体の選択的逆作動薬としての、上記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物のin vitroでの使用に関する。すなわち、本発明は、好ましくは、選択的な様式で、末梢エンドカンナビノイドCB1受容体の活性を低下させるかまたは阻害するための式(I)の少なくとも1つの化合物の使用に関する。
本明細書で使用されるように、「逆作動薬」とは、この受容体の天然作動薬と同じ受容体と相互作用するが反対の薬理学的効果を生じ、前記受容体の活性、特に、その基礎活性を低下させるか、または阻害する化合物を意味する。逆作動薬は、天然作動薬とは異なる結合部位と結合することができ、その受容体の立体配座変化をもたらし、従って、天然作動薬の結合を妨げる。本発明の文脈において、天然作動薬はエンドカンナビノイドである。
本明細書で使用されるように、「選択的逆作動薬」とは、他の受容体、特に、関連受容体に影響を及ぼすことなく、または最小限にしか影響を及ぼさずに、単一受容体型と選好的に結合する、上記で定義した逆作動薬を意味する。本発明の文脈において、本発明による式(I)の化合物は、エンドカンナビノイドCB1受容体に対して選択的に作用し、すなわち、前記受容体と選好的に結合するがエンドカンナビノイドCB2受容体とは全く結合しないかまたは非常に弱く結合する逆作動薬である。
本明細書で使用されるように、「エンドカンナビノイドCB1受容体」または「CB1受容体」という表現は、内因性および外因性カンナビノイドと相互作用することができ、それによって、主に、アデニル酸シクラーゼの3つの細胞内シグナル伝達経路のうちの少なくとも1つ、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路および特定のイオンチャンネルに対して作用することができる、7回膜貫通型ドメインを有するGタンパク質共役型受容体、特に、百日咳毒素感受性Gi/0共役型ならびにGqおよびGsタンパク質共役型のものを意味する。従って、CB1受容体活性は、例えば、細胞を前記受容体の既知の作動薬、例えば、アナンダミド(AEA)などと接触させた後に、cAMP濃度を測定することにより、in vitroで評価することができ、これらの濃度は、このエンドカンナビノイドがそれらの受容体と結合した後に低下する;そのような試験は、以下に記載される実施例に記載される。ヒトでは、エンドカンナビノイドCB1受容体は、6q14−q15の染色体6に位置するCnr1遺伝子によってコードされ(Hoehe et al., 1991)、2つのアイソフォームで現れる:472アミノ酸の主要な生理的に活性なアイソフォームであるCB1;およびその発現がCB1のものよりもはるかに低い(組織発現部位に応じて1/10〜1/100)より短いアイソフォーム(411アミノ酸)であるCB1A(Rinaldi-Carmona et al., 1996)。今日まで、CB1受容体は、ラット、マウス、ネコ、トリ、両生類および魚においても同定されており、そのタンパク質配列は脊椎動物において高度に保存されている。
用語「末梢エンドカンナビノイドCB1受容体」とは、脳内、すなわち、中枢に位置していない、上記で定義したCB1受容体を意味する。従って、この用語は、いわゆる、中枢CB1受容体とは対照的に、本明細書で使用され、限定されるものではないが、脂肪組織、肝臓、腎臓、胃腸系、膀胱、骨格筋、心血管組織、精巣、子宮、免疫系、膵臓、網膜細胞、内皮細胞、副腎、肺などで発現されるCB1受容体を含む。
本発明はまた、有効成分として、本発明による式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物に関する。
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能な賦形剤」という表現とは、活性剤の送達、安定性またはバイオアベイラビリティを増強する医薬グレードの化合物を意味し、この化合物は、代謝され得、投与される対象にとって非毒性である。本発明による好ましい賦形剤は、医薬製剤において一般的に使用される賦形剤、例えば、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、および大豆粉末などのいずれか1つを含んでなる。
式(I)の前記化合物は、好ましくは、本発明による組成物中に、より詳細には、エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患の予防的または治療的処置の状況において、末梢CB1受容体の活性を阻害するのに十分な量で存在する。特に関連する疾患を以下に記載する。
好ましくは、本発明の組成物は、本発明による式(I)の1つ以上の化合物の組成物を0.01重量%〜10重量%、好ましくは、0.02重量%〜5重量%、より好ましくは、0.05〜1重量%含んでなる。
本発明による組成物は、本発明の文脈において許容される剤形のいずれでもあり得る。例えば、その組成物は、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮または直腸の投与に適した形態であり得る。医薬組成物の最も好ましい形態は、である経口経路および固体によるものであり、好ましくは、カプセル剤または錠剤の形態である。
本発明による組成物は、例えば、エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患を予防または治療するための、1種以上の治療薬をさらに含んでなり得る。当業者は、予防または治療すべき疾患に応じて本発明の式(I)の化合物と組み合わせることができる治療薬を容易に決定することができる。例として、予防または治療すべき疾患が糖尿病およびその合併症、ならびに/または肥満関連代謝障害である場合、前記薬剤は、脂質低下薬、コレステロール低下薬、抗糖尿病薬、および/または抗肥満薬から選択することができる。本発明による脂質低下薬およびコレステロール低下薬としては、限定されるものではないが、アルフィブラート、ベクロブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラートなどのフィブラート;アトルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンなどのスタチン(HMG−CoA還元酵素阻害剤)、またはアシピモクス、ニコチン酸アルミニウム、アザコステロール、コレスチラミン、デキストロチロキシン、メグルトール、ニセリトロール、ニコクロナート、ニコチン酸、β−シトステロール、およびチアデノールなどの化合物が挙げられる。本発明による抗糖尿病薬としては、限定されるものではないが、スルホニル尿素類、ビグアニジン類、α−グルコシダーゼ阻害剤類、チアゾリジンジオン類、アカルボース、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブゾール、グリミジン、メタヘキサミド、メトホルミン、ミグリトール、ナテグリニド、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、およびボグリボースなどのメグリチニド類が挙げられる。
上記の治療薬はまた、本発明による式(I)の化合物と組み合わせて、同時に、別々に、または逐次に投与することもできる。本発明による化合物および治療薬を別々に、または逐次に投与する場合、それらは異なる剤形で投与することができる。
従って、本発明の別の側面は、同時、別々または逐次の投与のための組合せ製剤としての、本発明による式(I)の化合物および上記の治療薬に関する。言い換えると、本発明は、本発明による式(I)の化合物と、同時、別々または逐次の投与のための上記の治療薬との併用に関する。
本発明はまた、医薬品としての使用のための、上記で定義した式(I)の化合物または医薬組成物に関する。言い換えると、本発明は、医薬品としての、式(I)の前記化合物または前記医薬組成物の使用に関する。
本発明は、より詳細には、エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患の予防または治療における使用のための、上記で定義した式(I)の化合物または医薬組成物に関する。言い換えると、本発明は、エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患を予防または治療するための医薬品を製造するための、式(I)の前記化合物または前記医薬組成物の使用に関する。より正確には、本発明は、エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患を予防または治療するための方法に関し、その方法は、それを必要とする対象に本発明による式(I)の化合物または組成物の有効量を投与する工程を含んでなる。
本明細書で使用されるように、用語「予防」(または「予防すること」)および「治療」(または「治療すること」)とは、一般的に、対象となる症状または疾患の重篤度の程度に応じて所望の生理学的または薬理学的効果を得ることを意味する。この効果は、症状または疾患の部分的または完全な予防の観点から予防的であり(「予防」)、または症状または疾患の部分的または完全な軽減の観点から治療的であり得る(「治療」)。用語「予防」には、その発症前の症状または疾患の発症または発展を回避または遅延させる能力が含まれる。次に、用語「治療」は、症状または疾患の阻害(すなわち、その発展の停止)、および症状または疾患からの軽減(すなわち、改善につながる寛解)を含んでなる。本発明の文脈において、予防は、エンドカンナビノイド系の過剰活動の発現を回避または遅延させることを目的とし、一方、治療は、前記過剰活動を停止および/または寛解させることを目的とする。前記治療または前記予防は、好ましくは、本明細書において、内因性系カンナビノイドを生まれながら有する対象、すなわち、ヒトおよび動物に関係すると理解される。
エンドカンナビノイド系の過剰活動の影響を受ける対象に投与される式(I)の化合物の有効量は、当業者によって容易に決定され得る。一般には、活性剤の治療上有効な量は、1日当たり約10mg〜1日当たり約1000mg、好ましくは、1日当たり10mg〜100mgの範囲である。
本明細書で使用されるように、「エンドカンナビノイド系の過剰活動」という表現は、影響を受けた対象においてエンドカンナビノイドCB1および/もしくはCB2受容体の過剰発現および/もしくは過剰活性として、かつ/またはエンドカンナビノイドを代謝する酵素の過剰発現および/もしくは過剰活性により、かつ/またはそれらの合成経路の調節異常に続くエンドカンナビノイド(例えば、2AGおよび/もしくはアナンダミド)の異常に高いレベルにより、発現されるエンドカンナビノイド系の調節異常を意味する。本発明の状況において、前記過剰活動は、好ましくは、CB1受容体により媒介され、より詳細には、(CB2受容体と組み合わせてまたはCB2受容体を伴わずに)末梢CB1受容体を含む。従って、この過剰活動は、選好的に、末梢CB1受容体が発現される組織中に存在する。当業者は、好ましくは、CB1受容体により媒介されるエンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患を同定することができる。
好ましくは、前記疾患は、肥満および肥満関連代謝障害(Di Marzo et al., 2005; Bluher et al., 2006; Cote et al., 2007;インスリン抵抗性(Song et al., 2011; Eckardt et al., 2009)、好ましくは、肥満関連代謝障害;糖尿病、好ましくは、II型、および関連合併症(Matias et al., 2006; Jensen, 2006);アルコール性または非アルコール性肝臓脂肪症、(Osei-Hyiamann et al., 2005; Osei-Hyiaman et al., 2008; Jeong et al., 2008);肝線維症(Teixeira-Clerc et al., 2006);肝硬変;腎線維症(Lecru et al., 2015);腎症(Jourdan et al., 2012);心筋症(Montecucco and Di Marzo, 2012; Rajesh et al., 2012; Slavic et al., 2013; Schaich et al., 2014; Pacher and Kunos, 2013);胃不全麻痺(Izzo and Sharkey, 2010);例えば、骨粗鬆症または歯周炎に関連する骨および/または軟骨の損失(Tam et al., 2008);筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど)などの、例えば、外傷後の、または自然(加齢性)もしくは遺伝性の、筋肉の喪失(Iannotti et al., 2014);ならびに、例えば、精子の低運動性および/もしくは生存率または卵母細胞着床不全に関連する不妊問題(Amoako et al., 2014)から選択される。
さらに好ましくは、前記疾患は、肥満および肥満関連代謝障害、ならびに胃不全麻痺から選択される。より好ましくは、前記疾患は、肥満関連代謝障害、および胃不全麻痺から選択される。
肥満関連代謝障害のうち、限定されるものではないが、インスリン抵抗性、耐糖能低下、高トリグリセリド血症および高コレステロール血症などの脂質異常症、前糖尿病ならびに肝臓脂肪症を挙げることができる。
糖尿病関連の合併症のうち、限定されるものではないが、失明に至り得る、糖尿病性網膜症、眼球浮腫および緑内障などの眼疾患;腎不全、糖尿病性腎症および糖尿病性糸球体腎症などの腎臓疾患;微小血管障害および大血管障害、末梢性コロノパチー(peripheral coronopathies)ならびに動脈病などの血管病;肝臓脂肪症;心血管疾患;勃起機能障害;糖尿病性胃不全麻痺;糖尿病性神経障害、末梢の自律神経障害および心臓神経障害などの神経疾患を挙げることができる。
好ましくは、肥満および/または肥満関連代謝障害に対する治療は、上記のように、抗肥満薬、脂質低下薬、コレステロール低下薬、もしくは抗糖尿病薬と、かつ/またはカロリー摂取量を減少させるための食事、特に、バランスの取れた正常カロリー食と組み合わせることができ、それによって、本発明による式(I)の化合物により媒介されるインスリン感受性、耐糖能および脂血症を改善すると同時に、体重減少を促進する。
本明細書で使用されるように、「バランスの取れた正常カロリー食」という表現は、その組成がANSESの炭水化物/脂質/タンパク質比率推奨値(それぞれ、50〜55%/35〜40%/10〜30%)を満たす食事を意味する。従って、当業者は、対象の性別、体重、身長、年齢、および/または健康状態に応じて、治療すべき対象に使用するために、バランスの取れた正常カロリー食を適合させることができる。
従って、本発明の好ましい実施形態によれば、特に、肥満および/または肥満関連代謝障害を予防および/または治療するために、対象にバランスの取れた正常カロリー食を摂取させる。
さらに好ましくは、前記対象に、本発明による式(I)の化合物または医薬組成物の投与と同時に、前記バランスの取れた正常カロリー食を摂取させる。
別の好ましい実施形態によれば、本発明による式(I)の化合物または医薬組成物の投与は、対象の食前および/またはその間に行われる。この実施形態は、場合により、上記のように、バランスの取れた正常カロリー食と組み合わせることができる。本明細書で使用されるように、「食前」という表現は、本発明による式(I)の化合物または医薬組成物の投与が、食事の30分前までに、好ましくは、食事の15分前までに、より好ましくは、食事の直前に行われることを意味する。
以下に示す実験データによれば、当業者は、本発明による式(I)の化合物は、比類なく審美的な目的のために、とりわけ、体重減少を促進するためにも使用することができることを容易に理解するであろう。
従って、別の側面では、本発明は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための、本発明の式(I)の化合物の非治療的使用に関する。
言い換えると、本発明は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための非治療的方法であって、前記対象に本発明の化合物の有効量を投与する工程を含んでなる方法に関する。
本明細書に関連する使用は、治療的(二次的)効果を有さない、すなわち、疾患またはその症状の1つを予防または治療するためのではなく、人の審美的外観を改善するためだけの使用である。従って、本非治療的方法が適用される対象は、好ましくは、エンドカンナビノイド系の過剰活動、例えば、肥満などに罹患していない対象、および/または良好な健康状態の対象(すなわち、健康な個体)である。特定の実施形態によれば、対象は、身長に対して過体重であり得るが肥満ではない。
この使用の状況において、対象に投与する式(I)の化合物の有効量は、当業者によって容易に決定され得る。一般には、有効量は、1日当たり10mg〜1日当たり約1000mg、好ましくは、1日当たり10mg〜100mgの範囲である。
好ましい実施形態によれば、前記対象にバランスの取れた正常カロリー食を摂取させる。
好ましくは、前記対象に、本発明による式(I)の化合物の投与と同時に前記バランスの取れた正常カロリー食を摂取させる。
別の好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物の投与は、対象の食前および/またはその間に行われる。この実施形態は、上記のように、場合により、バランスの取れた正常カロリー食と組み合わせることができる。
本発明の化合物はまた、痩身法を支援することを目的とする組成物においても使用することができる。
従って、別の側面によれば、本発明は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための、非治療用組成物に関し、前記組成物は、本発明による少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの許容される賦形剤とを含んでなる。
より正確には、本発明は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための、前記組成物の非治療的使用に関する。
言い換えると、本発明は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための、非治療的方法に関し、前記方法は、前記対象に前記組成物の有効量を投与する工程を含んでなる。
式(I)の前記化合物は、好ましくは、この組成物中に、体重減少を促進および/もしくは加速するか、または体重増加を減速および/もしくは減少させるのに十分な量で存在する。
好ましくは、前記組成物は、本発明による式(I)の1つ以上の化合物の組成物を0.01重量%〜10重量%、好ましくは、0.02重量%〜5重量%、より好ましくは、0.05重量%〜1重量%含んでなる。
前記組成物は、本明細書において記載される非治療的使用に対して許容される形態のいずれでもあり得る。例えば、前記組成物は、経口、舌下、局所または局部投与などに適した形態であり得る。前記組成物の最も好ましい形態は、経口投与に好適である。
本発明による非治療用組成物は、散剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、錠剤、丸剤、飲料、溶液、濃縮物、シロップ、懸濁液、液体バイアル、または分散液の形態、および他の同様の形態であり得る。好ましくは、本発明による食品組成物は、錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、および/または飲料の形態である。
本明細書で使用されるように、「許容される賦形剤」とは、組成物(本明細書では、非治療的なもの)の送達、安定性またはバイオアベイラビリティを増強することができる化合物を意味し、この化合物は、代謝され得、投与される対象にとって非毒性である。本発明による好ましい賦形剤は、審美的製品、化粧品または食事療法製品において一般的に使用される賦形剤、例えば、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、および大豆粉末などのいずれか1つを含んでなる。
好ましい実施形態によれば、前記非治療用組成物は、体重減少を促進および/もしくは加速するか、または体重増加を減速および/もしくは減少させることができる少なくとも1つの薬剤をさらに含んでなる。前記薬剤は、本明細書において痩身薬として記載することができ、抗肥満薬、脂質低下薬、コレステロール低下薬、または抗糖尿病薬、例えば、上記のようなものであり得る。
本発明の別の側面は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための、本発明の痩身組成物の非治療的使用に関する。
言い換えると、本発明は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための、非治療的方法に関し、前記方法は、前記対象に、前記組成物の有効量を投与する工程を含んでなる。
好ましい実施形態によれば、前記対象に、バランスの取れた正常カロリー食を摂取させる。
好ましくは、前記対象に、本発明による非治療用組成物の投与と同時に、前記バランスの取れた正常カロリー食を摂取させる。
別の好ましい実施形態によれば、非治療用組成物の投与は、対象の食前および/またはその間に行われる。この実施形態は、場合により、上記のように、バランスの取れた正常カロリー食と組み合わせることができる。
本発明の化合物はまた、痩身薬と組み合わせて、かつ/または痩身食とともに、同時に、別々に、または逐次に投与され得る。前記薬剤は、抗肥満薬、脂質低下薬、コレステロール低下薬、または抗糖尿病薬であり得るが、食事は低カロリーおよび/または低脂肪食であり得る。
本発明による化合物および痩身薬を別々に、または逐次に投与する場合、それらは異なる形態で投与することができる。
従って、本発明の別の側面は、同時、別々または逐次の投与のための組合せ製剤としての、本発明による式(I)の化合物と、上記のような、体重減少を促進および/もしくは加速するか、または体重増加を減速および/もしくは減少させることができる薬剤に関する。言い換えると、本発明は、同時、別々または逐次の投与のための、本発明による式(I)の化合物と、上記のような、体重減少を促進および/もしくは加速するか、または体重増加を減速および/もしくは減少させることができる薬剤との併用に関する。
本発明の別の目的は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための非治療的方法であり、前記方法は、前記対象に、本発明の式(I)の化合物の有効量を投与することおよび前記対象に、同時に、別々に、または逐次にバランスの取れた正常カロリー食を摂取させることを含んでなる。
本発明の別の目的は、対象において、体重減少を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための非治療的方法であり、前記方法は、前記対象に、本発明による式(I)の化合物の有効量と、上記の痩身化合物とを投与すること、および前記対象に、同時に、別々に、または逐次にバランスの取れた正常カロリー食を摂取させることを含んでなる。
本発明は、以下の限定されない実施例によって例示される。
I.本発明による化合物の合成
1.材料
融点は、Electrothermal社製IA9300装置を用いて決定され、未補正であると報告されている。
1Hおよび13C NMRスペクトルは、Bruker Avance 400分光計(400MHz)を用いて得た。化学シフト(δ)は、テトラメチルシランを内部標準としてppmで表す。スペクトルの記述には、従来の表現(s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、sext=六重線、m=多重線およびb=幅広)を使用する。結合定数はヘルツ(Hz)で表す。
質量分析(MS)解析は、Waters社製Acquity UPLCシステムZaQ 2000シングル四重極分光計で行った。
赤外線スペクトルは、Perkin−Elmer社製Paragon FTIR 1000 PC装置で得られる。特徴的な吸収バンドのみが示される;波数値はcm−1で表される。
反応のモニタリングは、シリカゲル60F−254(5735 Merck)での薄層クロマトグラフィー(TLC)およびシリカゲル60(70−230メッシュ、ASTM、Merck)でのクロマトグラフィー精製カラムにより行われる。
使用される総ての試薬および溶媒は市販品である。
2.4−メチルチオベンジル−4−メチルチオベンズアルジミン(IV)の合成
トルエン50mL中に、4−メチルチオベンズアルデヒド5.57g(36.6mM)および4−メチルチオアニリン5.0g(35.92mM)を溶解する。無水硫酸ナトリウム3gを加え、撹拌しながら4時間、溶媒を加熱還流する。その時間の終わりに、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧除去する。回収された固体をイソプロピルオキシド10mL中で摩砕し、得られた懸濁液を焼結ガラスで濾過する。このようにして、イミン7.66gを回収する(収率=78%)。
化学的特徴
MP℃=143〜144(ジイソプロピルオキシド)。
1H-NMR (CDCl3): δ 2.51, s, 3H, 4-SCH3;: 2.54, s, 3H, 4’-SCH3; 7.18, d, 2H, H3H5, J = 6.7 Hz; 7.29, d, 2H, H2H6; 7.30, d, 2H, H3’H5’, J = 8.4 Hz; 7.80, d, 2H, H2’H6’; 8.41, s, 1H, HC=N。
MS (ESI) m/z (%): 274[M+H]+
IR (KBr, cm-1): 1552.53 (ν C=N)。
3.フタロイルグリシンの酸塩化物の合成
N−フタロイルグリシン2g(9.75mM)を塩化チオニル20mL中に溶解し、3時間還流する。その時間の終わりに、ロータリーエバポレーターで塩化チオニルを減圧蒸発させる。得られた生成物をトルエン50mL中に3回溶かし、毎回減圧蒸発させる。3回目の蒸発の終わりに、得られた生成物を、真空下に30分間保持し、次いで、乾燥ジクロロエタン20mL中に再度溶かし、使用するまでそのまま貯蔵する。
4.トランス−1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−N−フタロイル−アゼチジン−2−オン(化合物IA=以下JM−00.266またはM6とも呼ばれる)の合成
250mL丸底フラスコ内で、イミン(IV)2.73g(10.0mM)を乾燥ジクロロメタン50mL中に溶解する。トリエチルアミン5mLを加え、総てを撹拌下に置く。次に、混合物を10℃より低い温度に保ちながら、フタロイルグリシンの酸塩化物の溶液(9.75mM)をゆっくりと導入する。添加が完了したら、混合物を室温に戻し、TLCにより反応の進行をモニタリングしながらそのまま維持する。3時間の終わりには、反応はそれ以上進行しない。反応混合物を水100mLに注ぎ、分液漏斗で有機相を集める。同量の水で再び洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発乾固する。次いで、得られた残渣を、クロロメタンで溶出するシリカカラムでのクロマトグラフィーに付し、これにより、化合物(IA)2.39gを得ることができる(Y=53%)。
化学的特徴
MP℃=118〜120(ジエチルエーテル)
1H-NMR (CDCl3): δ 2.44, s, 3H, CH 3; 2.49, s, 3H, CH 3; 5.26, d, 1H, Ha; 5.33, d, 1H, Hb (JHaHb = 2.4Hz); 7.18, d, 2 arom.H, (J = 8.4Hz); 7.25-7.30, m, 4 arom.H; 7.78, m, 2H, H4’’-H5’’; 7.88, m, 2H, H3’’-H6’’。
13C-NMR (100.6 MHz, CDCl) 16.45(CH3); 16.50(CH3); 60.99(Cb); 62.77(Ca); 118.15(2C); 123.85(C3’’-C6’’); 126.63(2C); 127.00(2C); 127.91(2C); 131.65(C2’’-C7’’); 132.10(C1); 134.14(C4-C1’); 134.61(C4’’-C5’’); 140.11(C4’); 161.75(C1’’-C8’’); 166.65(Cc)。
MS (ESI) m/z (%): 461.6 [M+H]+
IR (KBr, cm-1): 3064, ν CHar; 2974, 2922, 2835, ν CHaliph; 1759, 1714, ν C=O.
5.試験した他の化合物
6.トランス−1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−N−フタロイル−アゼチジン−2−オン(化合物IA=以下JM−00.266またはM6とも呼ばれる)の代替合成経路
化合物JM−00.266の別の合成経路を開発した。それは、イミン(化合物IV)をN−フタロイルグリシンと接触させ、プロトン受容体としてのトリエチルアミンの存在下でカップリング剤であるジクロロリン酸フェニルによってin situでケテンを生成することにある。この方法の利点は、塩化チオニルの使用を回避することであり、その取扱いおよび除去は注意を要し得る。
1つの手順によれば、イミン(化合物IV)1.38g(5mM)をジクロロメタン20mLに撹拌しながら溶解する;トリエチルアミン3mL、次いで、N−フタロイルグリシン1.128gを加える。次いで、ジクロロリン酸フェニル1.5mL(2.11g、すなわち、10mM)を混合物に滴下し、反応物を室温で3時間放置する。その時間の終わりに、反応混合物を水で洗浄し、有機相を回収し、乾燥させ、減圧濃縮する。得られた残渣を、ジクロロメタンで溶出するシリカゲルカラムでのクロマトグラフィーに付す。このようにして、化合物IA(JM−00.266 トランス;シス異性体は反応混合物中に存在しない)1.51gを66%収率で回収する。
7.トランス−1,4−ジ−(4−メチルチオフェニル)−3−N−フタロイル−アゼチジン−2−オン(化合物IA=以下JM−00.266またはM6とも呼ばれる)で出発するアミン官能基の脱保護
加えて、化合物JM−00.266上のフタロイル化アミン官能基の脱保護を行った。アミン官能基の離脱は、塩化メチレン中でのメチルヒドラジンの作用によりうまく完了した。
1つの手順によれば、メチルヒドラジン0.1mL(2.18mM)をジクロロメタン(DCM)20mL中の化合物IA JM−00.266 0.44g(0.955mM)の溶液に加え;混合物をまず室温で、次いで、DCMの還流温度までゆっくりと温度を上げながら、その後、TLCにより反応の進行をモニタリングしながら、撹拌しながら放置する。反応が完了したら(4時間)、反応混合物を水で洗浄し、その後、乾燥させ、蒸発乾固により濃縮する。得られた残渣を、ショートカラム(直径=30mm;長さ=70mm)を用い、酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーに付す。このようにして、所望のアミン(化合物IF、以下HR−0131 トランスとも呼ばれる)221mgを回収し、最適化された合成および精製プロセスにより収率は70〜81%の範囲である。
化合物HR−0131の物理化学的特徴:
実験式:C1718O;分子量:330.47; M = 134°C (AcOEt)。
IR (KBr, cm-1): 3350-3061 (νCHar); 2981-2835 (νCHaliph); 1728 (vC=O)。
1H-NMR, δ(ppm), DMSO-d6: 2.43, s, 3H, SCH3(benzald); 2.49, s, 3H, SCH3(anil); 3.66, 2H, NH 2; 3.92, d, 1H, (NCHlact); 4.73, d, 1H, (COCHlact), J= 2.0 Hz; 7.18-7.34, m, 8 Har。
13C-NMR, δ(ppm), DMSO-d6: 14.73; 15.54; 65.41; 70.82; 117.75; 124.31; 126.41; 126.91; 127.52; 128.91; 132.41; 132.51; 133.08; 134.30; 135.01; 138.14; 168.80.
MS (ESI) m/z (%): 331 [M+H]+
8.アミンHR−0131で出発する誘導体の合成。
先に製造したアミンから出発して、化合物JM−00266の優れた同族誘導体(HR−0133)を合成することが考えられた。この誘導体は、HR−0131上のフタロイルグリシンの縮合から生じ、ラクタム環とフタロイル置換基との間に空間が導入された構造を表す。
1つの手順によれば、N−フタロイルグリシン144mg(0.7mM)およびトリエチルアミン1mLをジクロロメタン15mL中のHR−0131 183mg(0.55mM)の溶液に加える。次いで、ジクロロリン酸フェニル169mg(0.8mM)を滴下し、混合物を撹拌しながら3時間放置する。その時間の終わりに、溶媒を蒸発させ、得られた残渣を、エチルエーテルで溶出するシリカカラムでのクロマトグラフィーに付す。目的生成物(HR−0133 トランス)61mgを得る(Y=21%、この収率は、合成および精製プロセスの最適化により改善し得る)。
化合物HR−0133の物理化学的特徴:
実験式:C2723;分子量:517.63; M = 190-192°C (iPrOiPr)。
IR (KBr, cm-1): 3348 (νCHar); 2998-2918 (νCHaliph); 1728, 1693 (vC=O)。
1H-NMR, δ(ppm), DMSO-d6: 2.43, s, 3H, SCH 3(benzald); 2.49, s, 3H,S CH 3(anil); 4.37, s, 2H, CH 2; 4.72, dd, 1H, (COCHlact), J = 2.4 Hz, J = 7.6 Hz; 5.05, d, 1H, (NCHlact), J = 2.4 Hz; 7.18, d, 2H, H2H6benzald, J = 8.8 Hz; 7.23, d, 2H, H3H5benzald, J = 8.8 Hz; 7.29, d, 2H, H3H5anil, J = 8.4 Hz; 7.40, d, 2H, H2H6anil, J = 8.4 Hz; 7.90-7.98, m, 4H, FtarH, 9.20, d, 1H, NH, J = 7.6 Hz。
13C-NMR, δ(ppm), DMSO-d6: 14.62; 15.39; 40.33; 61.49; 65.08; 117.86(2C); 123.44(2C); 126.34(2C); 127.35(2C); 127.39; 131.88; 133.09(2C); 133.19(2C); 134.40; 134.80(2C); 141.00; 163.98; 166.98; 167.59(2C)。
MS (ESI) m/z (%): 518 [M+H]+
II.合成した化合物の生物学的活性
1.材料および方法
1.1.in vitro研究
1.1.1.肝臓移植片培養
マウスの肝臓を、ペントバルビタールナトリウム麻酔(50mg/kg)下、酸素で飽和したハンクス培地(pH7.4)で、in situで潅流した。次に、肝臓を同じ培地中でBrendel/Vitronスライサー(Tucson、AZ、米国)を用いて切片にした。次いで、肝臓切片(約200μm)を、制御された雰囲気(5%CO2)下で、酸素処理し不活化ウシ胎仔血清(10%)および抗生物質/抗真菌薬カクテル(1%)を補給したウィリアム培地E(WME)中で21時間インキュベートし、これに、試験すべき拮抗薬またはビヒクルのいずれかを加える。
1.1.2.遺伝子発現
全メッセンジャーRNA(mRNA)抽出を、Tri Reagent(Euromedex、フランス)を用いて行い、Bio−Rad社製iScript(商標)Reverse Transcription super mixキット(Bio−Rad、フランス)を用いてmRNA 1μgから相補的DNA(cDNA)の連続合成を行った。
遺伝子発現は、半定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により評価した。使用したプライマーは、Primer3Plusソフトウェア(http://www.bioinformatics.nl/cgi-bin/primer3plus/primer3plus.cgi)を用いて設計し、MWG−Biotech社が合成した(TATAボックス結合タンパク質:センスacggcacaggacttactcca、アンチセンスgctgtctttgttgctcttccaa;CB1R:センスccgcaaagatagtcccaatg、アンチセンスaaccccacccagtttgaac)。遺伝子発現の半定量は、各PCRの有効性を考慮し、レポーター遺伝子、TATAボックス結合タンパク質で標準化した後に得られた。
1.1.3.GloSensor cAMPアッセイ
HEK293T/17(ATCC)細胞をDMEM 10%FCS中で培養し、その後、96ウェルプレート(96-well plates plates)に30000細胞/ウェルで播種した。24時間後、細胞を、百日咳毒素(PTX)を有するまたは有さないpcDNA3.1−mCB1(50ng)およびpGlo(100ng)プラスミドによるFuGENE HD(Promega)により一時的トランスフェクションに付した。対照アッセイでは、細胞を、PTXを有するまたは有さない空のpcDNA3(EV)およびpGloベクターでトランスフェクトした。48時間後(トランスフェクションの24時間後)、細胞を、10%FCSを含むCO2非依存性培地中に2%GloReagentとともに2時間入れた(80μL/ウェル)。
次いで、t=0時点に、基礎cAMP濃度を高めるために、最終濃度1μMのフォルスコリン(FSK)10μL/ウェルを加えることにより細胞を処置した。cAMPの出現の速度を10分間モニタリングした。t=10時点に、試験すべき分子を加え、cAMPの変化を20分間測定した。光信号は、RLUで測定し、t=10分時点に読み取った信号(FSK1μM)に対する応答率%として表す。S状曲線は、分子濃度の関数としての光信号のパーセンテージの試験すべき分子の添加後t=10分(従って、全体としてt=20分)時点の測定値により得た。4PL回帰は、Sigma Plotソフトウェアを用いて行い、EC50を得ることを可能にした(1回の実験、n=3)。
1.2.短期in vivo研究:急性試験。
1.2.1.消化管通過
本明細書で非吸収性マーカーとして使用されるアラビアガム中に懸濁された木炭の経口投与によって、胃および腸の通過を測定した。簡潔に述べると、短時間の絶食後、木炭の経口投与前に対象となる分子JM−00.266(すなわち、化合物IA)(10mg/kg)の存在または不在下でC57BL/6マウスにアナンダミド(10mg/kg)を腹膜内(i.p.)注射した。25分後、腸を完全に除去するために、動物を頸椎脱臼により犠牲にした。幽門の始まりと木炭ボーラスの位置との間の距離を測定した。
1.2.2.経口糖負荷試験(OGTT)
リモナバント様分子の短期効果、ならびにCB1Rに対するそれらの選択性を評価するために、野生型C57BL/6マウスおよびCB1R−/−マウスに、ビヒクルまたはJM−02.003もしくはJM−00.266(すなわち、化合物IA)(10mg/kg)のi.p.注射の10分後に経口糖負荷試験(2g/kgでのOGTT、)を行った。血糖は、Contour(登録商標)TS血糖モニター(参照番号81574201、Bayer HealthCare)および反応性ストリップ(参照番号81574274、Bayer HealthCare)を用いてグルコース経口投与後t=0、t=15分、t=30分、t=45分、t=60分、t=90分、およびt=120分の時点で測定した。
1.2.3.インスリン耐性試験(ITT)
インスリン耐性試験の間にインスリン感受性に対する分子JM−00.266(すなわち、化合物IA)の短期効果を測定した。この目的のために、ビヒクルまたはJM−00.266(すなわち、化合物IA)(10mg/kg)のi.p.注射の10分後に野生型C57BL/6マウスに即効性インスリン(0.5IU/kg;参照番号YT60088、Actrapid(登録商標))を腹膜内注射した。血糖は、血糖モニターを用いてインスリンi.p.注射後t=0、t=15分、t=30分、t=45分、t=60分、t=90分、およびt=120分の時点で測定した。
1.2.4.血漿インスリン
血漿インスリンのアッセイは、ALPCO(商標)マウスインスリンELISAキット(参照番号AKRIN−011T、ALPCO Diagnostics)を用い、供給者の指示に従って行った。OGTT中、経口グルコースボーラス(2g/kg)の投与後t=0、t=30、t=60、t=120分の時点で血液サンプルを採取した。
1.3.長期in vivo研究:長期投与
1.3.1.動物の食餌、食物摂取および体組成
対象となる分子の長期効果を判定するために、C57BL/6マウスを、高ショ糖、高脂肪食(HSHF:30%粗脂肪、33.5%炭水化物;参照番号E15126−34,;参照番号E15126−34、SSNIFF、ゾースト、ドイツ)を用いて20週間肥満させた。その後、これらのマウスに30日の間毎日リモナバント、JM−00.266(すなわち、化合物IA)またはビヒクルのi.p.注射を行った。並行して、処置開始後2日ごとに体重および食物摂取をモニタリングした。
体組成に対する処置の長期効果を、麻酔を行わずに生きた動物の核磁気共鳴(NMR)による脂肪量、除脂肪量および体液組成の非侵襲的分析を可能にするEchoMRI(商標)スキャナーを用いて測定した。
1.3.2.行動研究:オープンフィールド試験
リモナバントまたは分子JM−00.266(すなわち、化合物IA)での長期処置の終了時に赤外線モニタリングシステムによりマウスの自発的運動を測定した。この目的のために、動物を個別に43×43cmプレキシガラスボックス(MED associates)に20分間入れた。16個のパルス赤外線ビーム2系列を対向壁に2.5cm離して配置し、100ms分解能で歩行X−Y移動を記録した。中心は中央の32×32cmの正方形と定義した。自発運動情報に加えて、この試験により、新規性または不安惹起環境に応じた抗不安作用を予測することが可能になる。オープンフィールドで測定した変数は、全歩行活動(単位、cm)、エントリー数および中央エリアで過ごした時間、ならびに中央で移動した距離を移動した総距離で割ったものである。
1.3.3.血漿アッセイ
Dimension Vista Intelligent Lab System(Siemens、Saint−Denis、フランス)により好適な試薬を用いて総コレステロール、トリグリセリドおよび肝臓マーカーをアッセイした。
1.3.4.経口糖負荷試験およびインスリン耐性試験
血糖制御に対する処置の長期効果を評価するために、耐糖能(OGTT)およびインスリン感受性(ITT)を処置の前および後に評価した。従って、OGTTについては、マウスに強制的にグルコース(2g/kg)を与え、ITTについては、マウスにインスリン(0.5IU/kg)のi.p.注射を行った。いずれの場合も、Contour(登録商標)TS血糖モニター(参照番号81574201、Bayer HealthCare)および反応性ストリップ(参照番号81574274、Bayer HealthCare)を用いたグルコース経口摂取後t=0、t=15分、t=30分、t=45分、t=60分、t=90分、およびt=120分の時点で血糖を測定した。
1.4 長期in vivo研究:肥満マウスにおけるエネルギー供給減少と組み合わせた化合物IAの投与
1.4.1 高脂肪食、低脂肪食に関連する食物摂取および動物の体重
対象となる化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)の長期効果を判定するために、C57BL/6マウスを、高脂肪食(30%粗脂肪、33.5%炭水化物;参照番号E15126−34、SSNIFF、ゾースト、ドイツ)用いて15週間肥満させた。その後、これらのマウスに低脂肪食(5%脂質;標準食AO4;UAR、エピネー−シュル−オルジュ、フランス)を施し、JM−00.266(すなわち、化合物IA)またはビヒクルの経口用量を43日間にわたって毎日昼頃与えた。処置の開始から2日ごとに動物の体重を測定した。
1.4.2 糖負荷試験
血糖制御に対する処置の長期効果を評価するために、耐糖能を処置期間の最後に評価した。マウスにグルコース(2g/kg)の腹膜内注射を行い、その後、血糖を、My Life Pura血糖モニター(Ypsomed、パリ、フランス)を用いてグルコース注射後t=0、t=15分、t=30分、t=45分、t=60分、t=90分、およびt=120分の時点で測定した。
1.5 長期in vivo研究:高脂肪食で維持した肥満マウスにおける、食物摂取と同時での化合物IAの投与
このアプローチの選択は、M6の投与がグルコース負荷に先行するときに耐糖能が非常に明確に改善されることを前の結果が示しているという事実によって正当化される。
1.5.1 高脂肪食、食物摂取と同時での化合物の投与および動物の体重
C57BL/6マウスを、高脂肪食(35%粗脂肪、25.3%炭水化物;参照番号E15742−34、SSNIFF、ゾースト、ドイツ)を用いて15週間肥満させた。その後、同じ食餌で維持したマウスに、飼料に組み込んだJM−00.266(すなわち、化合物IA)またはビヒクルの経口用量を43日間にわたって毎日与えた。処置の開始から2日ごとに動物の体重を測定した。
1.5.2 糖負荷試験
血糖制御に対する処置の長期効果を評価するために、耐糖能を処置期間の最後に評価した。マウスに、グルコース(2g/kg)の腹膜内注射を行い、その後、血糖を、My Life Pura血糖モニター(Ypsomed、パリ、フランス)を用いてグルコース注射後t=0、t=15分、t=30分、t=45分、t=60分、t=90分、およびt=120分の時点で測定した。
1.5.3 遺伝子発現
全メッセンジャーRNA(mRNA)抽出を、Tri−Reagent(Euromedex、フランス)を用いて行い、Bio−Rad社製iScript(商標)Reverse Transcription super mixキット(Bio−Rad、フランス)を用いてmRNA 1μgから相補的DNA(cDNA)の連続合成を行った。遺伝子発現は、半定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により評価した。以下に記載する使用プライマーは、Primer3Plusソフトウェア(http://www.bioinformatics.nl/cgi-25 bin/primer3plus/primer3plus.cgi)を用いて選択し、MWG−Biotech社が合成した。遺伝子発現の半定量は、各PCRの有効性を考慮し、レポーター遺伝子、TATAボックス結合タンパク質(TBP)で標準化することにより得られた。
1)受容体CB1RおよびCB2Rの遺伝子発現、2)エンドカンナビノイド合成酵素、N−アシルホスファチジルエタノールアミンホスホリパーゼD(NAPE−PLD)の遺伝子発現、ならびに3)エンドカンナビノイド分解酵素、脂肪酸アミドヒドロラーゼ(FAAH)の遺伝子発現を測定することにより、エンドカンナビノイド系活性に対する処置の影響を評価する。
脂肪酸シンターゼ(FAS)、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ1(SCD−1)およびグリセロール−リン酸アシル−トランスフェラーゼ(GPAT2)は、その発現変化が脂肪合成活性を反映する酵素である。
肝臓におけるグルコース−6−ホスファターゼ(G6P)およびグルコース輸送体GLUT2およびGLUT4は、本明細書において糖新生マーカーとして使用される。
F4/80は成熟マクロファージマーカーである。
腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−a)は、免疫機能、細胞分化およびエネルギー代謝などの数多くの生物学的プロセスの調節に影響を及ぼす炎症誘発性サイトカインである。
2.結果
2.1.化合物JM−00.246、JM−02.003、JM−01.1006、JM−00.242およびJM−00.266(すなわち、化合物IA)に関する短期in vitroおよびin vivo実験(急性注射)。
2.1.1.Ob/ObマウスにおけるCB1Rの肝臓発現に対する候補分子JM−00.246、JM−02.003、JM−01.006、JM−00.266(すなわち、化合物IA)およびJM−00.242の効果
研究室で以前に実施された研究は、作動薬または拮抗薬の存在下で培養された肝臓移植片においてCB1R発現を調節することが可能であることを示した(Jourdan et al. 2012)。例えば、肝臓移植片におけるCB1R発現は、SR141716(すなわち、リモナバント)での処置後に低下する。結果として、本明細書ではこのin vitroモデルを用いて、CB1R発現を改変するそれらの能力に基づいて候補分子を予め選択した。
SR141716(すなわち、リモナバント)を用いて得られたこれらの以前の結果に基づいて、CB1R発現を低下させる各化合物の能力を同じ肝臓移植片モデルで試験した。
分子JM−02.003、JM−01.006およびJM−00.266(すなわち、化合物IA)のみが肝臓のCB1R発現における有意な低下、すなわち、SR141716(すなわち、リモナバント)を用いた過去の研究で観察された効果に匹敵する効果を引き起こした(図1)。分子JM−00.246およびJM−00.242は、残りの研究のために選択しなかった。
2.1.2.CB1受容体活性に対する、予め選択した分子JM−02.003、JM−01.1006およびJM−00.266の効果
CB1Rに拮抗するJM−02.003、JM−01.006およびJM−00.266(すなわち、化合物IA)の能力をCB1Rトランスフェクト細胞モデルにおいてcAMPの変化を測定することにより試験した(GloSensor cAMPアッセイ)。
第1に、このin vitroモデルを用いることにより、作動薬、この場合、AEA、による受容体の活性化が実際に細胞内cAMP濃度の低下をもたらすことが確認された(データは示していない)。この結果は、JM−02.003およびJM−00.266(すなわち、化合物IA)で処置した細胞では作動薬(AEA)の不在下でcAMP濃度が増加するが、JM−01.006には効果がないことを示す(図2)。これらのデータにより、分子JM−02.003およびJM−00.266(すなわち、化合物IA)のみがCB1Rリガンドであり、受容体に対して逆作動薬効果を発揮することが確認される。従って、分子JM−01.1006は、残りの研究のために選択しなかった。
2.1.3.野生型C57Bl/6Jマウスにおける耐糖能に対する、分子JM−02.003およびJM−00.266(すなわち、化合物IA)での急性処置の効果。
選択した分子のin vivo効果を評価するために、本発明者らは、単一回のi.p.注射によりマウスの炭水化物代謝を調節することができたかどうかを判定しようとした。実際、最近の研究では、AEA(CB1R作動薬)の単一回のi.p.注射に応答するCB1R活性化が耐糖能およびインスリン抵抗性を変化させることが示された(Liu et al., 2012)。
この目的のために、野生型C57Bl/6Jマウスに、2g/kg経口グルコース負荷の10分前に拮抗薬JM−02.003またはJM−00.266(すなわち、化合物IA)の10mg/kg i.p.注射を行った。これらの結果は、これら2つの分子のi.p.注射がビヒクルを受けたマウスと比べて耐糖能を改善することを示す(図3AおよびB)。
これらの実験をCB1R KOマウスで繰り返すと、JM−00.266(すなわち、化合物IA)で処置したマウスでは耐糖能の改善がなくなり、JM−02.003ではそれが持続することが観察される(図3CおよびD)。これにより、分子JM−00.266(すなわち、化合物IA)のみが特異的CB1R逆作動薬効果を発揮することが確認される。従って、分子JM−02.003は、残りの研究のために選択しなかった。
2.1.4.野生型C57Bl/6Jマウスにおけるインスリン感受性および産生に対する、JM−00.266(すなわち、化合物IA)での急性処置の効果。
JM−00.266(すなわち、化合物IA)のi.p.注射に応答して観察される血糖制御における改善が、インシュリン分泌の増加および/またはより良好なインスリン感受性による可能性があるかどうかを知るために、インスリン耐性試験(ITT)と同様に、グルコースボーラスの経口投与の後に血漿インスリンアッセイを行った。
結果は、グルコース投与によって誘導されるインスリン産生がJM−00.266によって刺激されないことを示す(図4A)。対照的に、t=30分の血液インスリンは、JM−00.266(すなわち、化合物IA)で処置したマウスにおいてより低く、グルコースを利用する能力の改善が示唆される。ITTはまた、対照動物(図4B)と比較して、JM−00.266(すなわち、化合物IA)で最初に処置された動物において、インスリンが血漿グルコースクリアランスに対してより強力な効果を発揮することを明らかにする。
これらのデータは、分子JM−00.266(すなわち、化合物IA)がインスリン感受性を増加させることによってグルコース耐性を改善することを示唆する。
2.1.5.野生型C57Bl/6Jマウスにおける胃腸管通過に対する、JM−00.266(すなわち、化合物IA)での急性処置の効果。
CB1Rの活性化が胃腸運動を強く阻害することは、文献に明らかに示されている(Di Marzo et al., 2008)。これに基づいて、本発明者らは、強制給餌により投与した非吸収性木炭ボーラスの消化管に沿ったin vivo進行を測定することにより、分子JM−00.266(すなわち、化合物IA)が、CB1R作動薬(AEA)によって誘発された胃不全麻痺を改善することができるかどうかを知ろうとした。試験した実験モデルでは、予想通り、通過はAEAによって強く阻害される。興味深いことに、JM−00.266(すなわち、化合物IA)の注射は、作動薬の効果を事前に完全になくし、胃腸管通過を正常化する(図5)。これらのデータは、第1に、消化管がJM−00.266(すなわち、化合物IA)の標的であること、第2に、この分子がCB1Rに対する作動薬の効果を相殺すること、すなわち、消化管に受容体に対する拮抗作用を及ぼすことができることを示している。
2.2.化合物JM−00.266を用いた肥満マウスにおける長期in vivo実験(慢性注射)。
化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)の長期効果を判定するために、C57BL/6マウスを、20週間投与する高ショ糖、高脂肪食を用いて肥満させた。その後、これらのマウスに、SR141716(すなわち、リモナバント)(10mg/kg)、JM−00.266(すなわち、化合物IA)(10mg/kg)またはビヒクルのi.p.注射を30日の間毎日与えた。
2.2.1.肝臓損傷のマーカーに対する、化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)での長期処置の効果
肝臓酵素であるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、小腸型アルカリ性ホスファターゼ(ALPI)、ガンマGTおよび総ビリルビンは、細胞損傷のマーカーである。化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)の肝臓毒性の可能性を検出するために、これらのマーカーを血漿中で測定した。
表1に示す結果は、SR141716(すなわち、リモナバント)またはJM−00.266(すなわち、化合物IA)での30日間の長期処置が、対照と比較して、肝臓損傷マーカーの増加を引き起こさないことを示している。対照的に、肥満マウスの血漿中で検出されたALTおよびASTの濃度は、SR141716(すなわち、リモナバント)によって有意に低下するが、JM−00.266(すなわち、化合物IA)で同じ傾向が観察される。
結論として、これらの結果は、化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)の長期投与が肝臓毒性を引き起こさないだけでなく、肥満によって引き起こされる細胞損傷を減少させることも示唆している。
2.2.2.中枢CB1Rの活性化に関連する特定の行動パラメーターに対する、化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)での長期処置の効果。
オープンフィールド試験は、ストレスの多い環境を表す照明のついた囲い内で、赤外線ビーム系により、動物の活動を測定することにある。オープンフィールドで測定した変数は、全歩行活動およびエントリー数および中央エリアで過ごした時間である。この試験により、自発運動の測定に加えて、動物の不安状態について知ることが可能になる。
試験結果は、一方では、SR141716(すなわち、リモナバント)の投与もJM−00.266(すなわち、化合物IA)の投与も、アリーナの中心(最も不安が惹起されるエリア)で過ごした時間に対して大きな影響を与えないことを示し、肥満マウスの不安状態が30日間の処置の終わりに変わらなかったことを示唆している(図6)。もう一方では、SR141716(すなわち、リモナバント)は運動活動を増加させ、化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)はこのパラメーターに関して影響を与えず、JM−00.266(すなわち、化合物IA)が中枢作用を示さないことを示唆していることに留意すべきである。
2.2.3.食物摂取、体重および体組成に対する、化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)での長期処置の効果。
処置期間中、2日間ごとに、食物摂取および体重を測定した。図7Aは、処置した動物の食物摂取が、JM−00.266(すなわち、化合物IA)での処置によって、ビヒクルを受けた対照マウスのものと比較して変わらないことを示す。SR141716(すなわち、リモナバント)を受けたマウスのみが食物摂取を一時的に減少させる。
食物摂取と並行して、処置に応答した体重の変化を2日ごとにモニタリングした(図7B)。結果は、SR141716(すなわち、リモナバント)で処置したマウスが体重を減少させ、これは観察された食物摂取の減少と一致することを示している。JM−00.266(すなわち、化合物IA)で処置した動物の体重は対照マウスに対して減少しない。
処置の終わりに、マウスの体組成(脂肪量、除脂肪量)をNMRで分析した。図7Cは、SR141716(すなわち、リモナバント)で処置したマウスのみが対照マウスのものよりも脂肪量が低く、除脂肪量がより多いことを示している。
この研究で観察されたSR141716(すなわち、リモナバント)の効果は、既に文献に記載されており、食物摂取の急速(であるが一時的)な減少に続いて体重の減少をもたらす、CB1Rに対するSR141716の中枢作用によって説明される(Ravinet Trillou et al., 2003)。化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)が食物摂取または体重に影響を与えないという事実により、試験したタイムスケールにおいて、その化合物の作用が実際に末梢CB1受容体に限定されていることが確認される。
2.2.4.血糖および耐糖能に対する、化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)での長期処置の効果
炭水化物代謝に対する化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)の長期効果を評価するために、糖負荷試験(OGTT 2g/kg)を処置の前および処置の終わりに行った。結果は、JM−00.266およびSR141716(すなわち、リモナバント)での処置の30日後の肥満マウスにおける基礎血糖値(図8A)および耐糖能(図8B)の有意な改善を示す。
2.2.5.血中インスリンおよびインスリン感受性に対する、化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)での長期処置の効果
化合物JM−00.266(すなわち、化合物IA)の長期投与によって誘導される血糖制御の改善がインスリン抵抗性の改善に関連し得るかどうかを知るために、ITTを使用して、インスリン感受性に対する処置の効果を測定した。この試験は、処置の開始前に検出された肥満マウスのインスリン抵抗性がSR141716(すなわち、リモナバント)およびJM−00.266(すなわち、化合物IA)の30日間の投与後に改善されることを示す(図9)。インスリン注射により誘導される血糖の低下は、JM−00.266(すなわち、化合物IA)で処置したマウスではSR141716(すなわち、リモナバント)で処置したマウスよりも顕著であることに留意すべきである。
2.3.肥満マウスにおける、エネルギー供給の低下と組み合わせた化合物IA(M6またはJM−00.266とも呼ばれる)の長期投与のin vivo効果
2.3.1.体重に対する効果
図10のグラフに示されている結果が示す通り:
・肥満マウス(46.21±1.18g)を高脂肪食(30%粗脂肪、33.5%炭水化物)(VEH+HF)で維持すると、それらのマウスの体重は安定したままであり;
・30%粗脂肪を含む高脂肪食の代わりに低脂肪食(5%脂質)(VEH+LF)を肥満マウス(46.01±0.84g)に供給すると、それらのマウスは体重を減らし;
・肥満マウス(45.83±0.82g)に5%脂質を含む低脂肪食を供給し、化合物M6(M6+LF)を与えると、それらのマウスの体重は大幅に減少する。
その結果として、低脂肪食の補助として化合物M6を投与すると、高脂肪食で最初に肥満させたマウスのカロリー制限によって誘発される体重減少が増強されることが観察された。
2.3.2.耐糖能に対する効果
図11のグラフに示されている結果が示す通り:1日1回経口投与する化合物M6(JM−00.266)(10mg/kg)またはビヒクルでの処置の43日後に、低脂肪食(M6+LF)を受けたマウスは、各対照、ビヒクルと低脂肪食(VEH+LF)およびビヒクルと高脂肪食(VEH+HF)と比較してより良好な耐糖能を示す。
2.4.肥満マウスにおける、食物と同時での化合物IA(M6またはJM−00.266とも呼ばれる)の長期投与のin vivo効果
2.4.1.体重に対する効果
図12のグラフに示されている結果が示す通り:高脂肪食(35%粗脂肪)を受けた肥満マウス(46.81±3.02g)を、食事中に1日1回投与の割合にて化合物M6で処置する(M6)と、それらはビヒクルで処置したマウス(VEH)よりも体重を多く減らす。
その結果として、食事中の化合物M6の投与は、高脂肪食によって肥満させ処置中にこの同じ食餌を受けたマウスの体重減少を促進する。グルコース投与の10分前にそれを急性投与した場合に血糖制御に対して観察された化合物M6の効果を考慮すると、食事の直前に化合物M6を投与する場合にも同様の結果が予想される(上節2.1.3参照)。
2.4.2.耐糖能に対する効果
図13のグラフに示されている結果が示す通り:食事と同時に投与する化合物M6での処置の28日後に、マウスは、食事と同時でのビヒクルの投与で処置したマウスよりも良好な耐糖能を示す。
2.4.3.マーカーの遺伝子発現に対する効果
M6での処置は、試験した組織におけるNAPE−PLDの発現の低下をもたらし、エンドカンナビノイドトーンの低下を示唆した。
CB1Rおよびエンドカンナビノイド分解酵素(脂肪酸アミドヒドロラーゼ、FAAH)の発現は、試験した組織のいずれにおいても処置によって修飾されない。また、CB2R発現はM6で処置した動物の組織においてより低い。CB2Rは主に免疫細胞で発現されるため、この結果はマクロファージ浸潤の減少を反映する可能性がある。
脂肪酸シンターゼ(FAS)、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ1(SCD−1)およびグリセロール−リン酸アシル−トランスフェラーゼ(GPAT2)は、その発現変化が脂肪合成活性を反映する酵素である。従って、M6で処置した動物の肝臓におけるSCD−1およびGPATならびに脂肪組織におけるFASの発現の低下は、これらの組織での脂質合成の低下を示唆する。
肝臓におけるグルコース−6−ホスファターゼ(G6P)およびグルコース輸送体GLUT2およびGLUT4は、本明細書において糖新生マーカーとして使用される。この結果は、M6での処置が、肝臓によるグルコース産生の低下と関連している可能性があることを示唆している。
M6で処置したマウスの脂肪組織におけるG6PおよびGLUT4発現の低下は、脂肪生成経路に関与するグルコースの使用の減少を反映し得る。
F4/80は成熟マクロファージマーカーである。F4/80発現は肝臓および脂肪組織において明らかに低下しているようであり、マクロファージ浸潤の減少を示唆する。
腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−a)は、免疫機能、細胞分化およびエネルギー代謝などの数多くの生物学的プロセスの調節に影響を及ぼす炎症誘発性サイトカインである。肥満マウスの脂肪組織に浸潤したマクロファージは、TNF−a産生の増加に関与することが認められている。本研究では、M6によるF4/80発現の低下と組み合わせて、脂肪組織におけるTNF−a発現の低下傾向が観察される。これらの結果は、本質的に免疫細胞上に位置するCB2R発現の低下と一致するようである。
III.結論
肥満は、エンドカンナビノイド系(ECS)のエンドカンナビノイド1受容体(CB1R)依存性過剰活動化に関連している。従って、CB1Rの不活性化は、肥満関連代謝障害に対抗するための治療戦略を構成する。CB1R逆作動薬であるSR141716(リモナバント)は、最初の市販抗肥満薬であったが、中枢CB1Rの遮断に起因する神経精神医学的副作用のために、市場から速やかに撤退された。しかしながら、末梢CB1Rを標的とする作用は、それ自体で肥満症および特定の肥満関連疾患を治療するための治療的解決策を構成し得る。実際、食物摂取の減少が、体重減少および代謝パラメーターの改善の主要原因であると思われる場合でも、動物およびヒトにおけるいくつかの研究は、末梢CB1Rが脂質およびグルコース代謝の調節にも関与し得ることを示している(Nogueiras et al., 2008; Osei-Hyiaman et al., 2008)。従って、エンドカンナビノイド系の不活性化の有益な長期的効果は、食物摂取に対する中枢効果と、脂肪組織、肝臓、骨格筋および膵臓に対する末梢効果の両方に起因することが示唆された。末梢CB1Rの役割は、末梢性拮抗薬によるこれらの受容体の遮断が肥満マウスの心血管代謝リスクを低下させることを示す2010年のTamらの研究によって明らかに示されている。2つの最近の研究もまたこの概念と一致している。第1の研究は、内臓脂肪組織におけるエンドカンナビノイド系活性の低下が、肥満マウスにおいて観察される肝臓脂肪症の逆転に有利な脂肪細胞代謝の正常化に関連することを示唆する(Jourdan et al., 2010)。第2の研究は、in vitroアプローチにより、肝臓CB1Rの不活性化が脂肪酸ベータ酸化の刺激につながることを示している(Jourdan et al., 2012)。従って、エンドカンナビノイドCB1受容体(CB1R)拮抗薬として作用する化合物の使用は、公衆衛生上重大な影響を与えるメタボリックシンドロームなどの疾患における食物摂取ならびに炭水化物および脂質代謝の調節制御において疑う余地のなく興味深い。さらに、末梢CB1Rに対する活性を保有するが血液脳関門を通過しない化合物の開発により、リモナバント生成分子の臨床使用の困難性を回避することが可能となる。
「in vitro」、「短期in vivo」および「長期in vivo」という3つのアプローチに基づくこれらの結果は、試験した5つの新規分子の中で、化合物JM−00.266のみが以下であることを示している:
(1)CB1受容体に対する逆作動薬特性を有すること、
(2)わずかな末梢作用しかなく、そのため、開発における過去の試みから生じる化合物の場合と同様に有害な向精神薬の副作用を生じる可能性が低いこと、
(3)肥満の状況において、特に、耐糖能およびインスリン感受性を改善することによって、かつ血中トリグリセリドを減少させることによって、炭水化物−脂質代謝に対して有益な効果を有すること、および
(4)化合物のin vivoでの強力な拮抗作用を示す、胃腸運動に対するアナンダミド(天然CB1R作動薬)の阻害作用を妨げる能力、ならびに胃不全麻痺の治療におけるその有用性を有すること。
投与様式に応じた肥満マウスの体重および特定の生物学的パラメーターに対する化合物JM−00.266のin vivoでの効果により、以下のことを明らかにすることができた:
・低脂肪食の補助として投与されたこの化合物は、高脂肪食で最初に肥満させたマウスのカロリー制限によって誘発される体重減少を増強し、耐糖能を改善させる。これらの結果により、この種の化合物と、正常カロリー食および/または食物摂取を負に調節することが知られている化合物とを組み合わせる処置を想定することができる;
・食事中に投与されたこの化合物は、高脂肪食によって肥満させ処置中にこの同じ食餌を受けたマウスの体重減少を促進し、耐糖能を改善させる。これらの結果により、対象となる化合物を、好ましくは、食事の直前および/または食事中に、投与するためのプロトコールを想定することができる;
・エンドカンナビノイド系活性、脂肪合成活性、およびマクロファージ浸潤についての様々なマーカーに対するこの化合物のin vivo効果は、とりわけ、エンドカンナビノイドトーンの低下、組織における脂質合成の低下、脂肪生成経路に関与するグルコースの使用の減少およびマクロファージ浸潤の減少を示唆する。
さらに、この新規な化合物の構造およびその薬理学的変化の可能性が、上記の式(I)の化合物によって表される、中枢神経系においてほとんどまたは全く拡散しない分子にアクセスすることを可能にする。
本研究の状況において観察される特性を考慮すると、本発明による式(I)の化合物は、肥満関連疾患だけでなく、様々な末梢組織においてCB1Rの関与が示されている疾患に関しても治療上重大な問題はない。従って、本発明による化合物による末梢CB1R不活性化により、インスリン抵抗性(Song et al., 2011; Eckardt et al., 2009)、II型糖尿病(Matias et al. 2006; Jensen, 2006)、非アルコール性肝臓脂肪症(Osei-Hyiamann et al., 2005; Osei-Hyiaman et al. 2008; Jeong et al. 2008)、肝線維症(Teixeira-Clerc et al. 2006)、腎症(Jourdan et al., 2012)、腎線維症(Lecru et al., 2015)、心筋症(Montecucco and Di Marzo, 2012; Rajesh et al., 2012; Slavic et al., 2013; Schaich et al., 2014; Pacher and Kunos, 2013)、胃不全麻痺(Izzo and Sharkey, 2010)、骨成長および軟骨発達(Tam et al., 2008; Wasserman et al., 2015)、筋肉発達(Iannotti et al., 2014)、生殖能力、とりわけ、男性の精子運動性および生存率(Amoako et al., 2014)ならびに女性の卵母細胞着床(Wang et al., 2006)を治療することが可能になる。

Claims (16)

  1. 下記式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および/もしくは溶媒和物:
    [式中、
    ・RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはCOR、SOもしくはCONR基を表すか;またはそれらを有する窒素原子と共に、少なくとも1個のさらなるヘテロ原子、C=O基、アリール基またはヘテロアリール基を含んでなる5員または6員複素環を形成し;
    ・R3、、RおよびRは、独立に、水素原子、またはアリールもしくはヘテロアリール基を表し、前記基は、ハロゲン原子、OR、NR、SR10、S(O)R11、SO12、SONR1314、OCOR15、NR16COR17、NR18C(O)OR19、CO20、CONR2122、OCO23、OCONR2425、COR26、ニトロ(NO)、シアノ(CN)、オキソ(=O)およびCFから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
    ・R〜R26は、独立に、水素原子または(C−C)アルキル、アリールもしくはアリール−(C−C)アルキル基を表す]。
  2. およびRは、それらを有する窒素原子と共に、下記式(II)または(III)の複素環を形成する、請求項1に記載の化合物:
    [式中、R27は水素原子またはCORもしくはSO基を表し、RおよびRは、請求項1に記載の通りである]。
  3. ・RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはCOR、SOもしくはCONR基を表し;
    ・R、RおよびRは、独立に、ハロゲン原子、CFおよびSO12から選択される基で置換されていてもよい、アリール基を表し、ここで、R12は(C−C)アルキル基を表し;かつ
    ・Rは水素原子を表す、
    請求項1に記載の化合物。
  4. は水素原子であり、かつRはCOR、SOもしくはCONR基を表し、ここで、R3、、RおよびRは、請求項1または3に記載の通りである、請求項1または3に記載の化合物。
  5. 以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩および/もしくは溶媒和物:
    (式中、Xは水素原子、ハロゲンまたはCFを表す)。
  6. 以下の工程を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を製造するための方法:
    (i)4−メチルチオベンズアルデヒドと4−メチルチオアニリンとを縮合して、下記式(IV):
    の組成物を得る工程;
    (ii)得られた式(IV)の組成物と下記式(V):
    のケテンとの間でシュタウディンガー付加環化して、下記式(IA):
    の組成物を得る工程;
    (iii)場合により、式(IA)の化合物のフタロイル化アミン官能基を脱保護して、下記式(IF):
    の組成物を得、
    その後、場合により、そのようにして得られた式(IF)の化合物と式R−Xおよび/またはR−X’[式中、R−XおよびR−X’は、請求項1に記載の基RおよびRの、活性化形態、塩化スルホニルおよびアリールイソシアネートである]の化合物とをカップリングする工程;および
    (iv)工程(ii)または工程(iii)で得られた化合物を回収する工程。
  7. 有効成分として、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる、医薬組成物。
  8. 末梢エンドカンナビノイドCB1受容体の逆作動薬としてのin vitroの使用のための、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの許容される賦形剤とを含んでなる、非治療用組成物。
  10. 医薬品としての使用のための、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  11. エンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患の予防または治療における使用のための、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  12. 前記疾患は、肥満および肥満関連代謝障害、インスリン抵抗性、糖尿病および関連合併症、肝臓脂肪症、肝線維症、肝硬変、腎線維症、腎症、心筋症、胃不全麻痺、骨および/または軟骨の損失、筋肉の喪失、ならびに不妊問題から選択される、請求項11に記載の使用のための医薬組成物。
  13. 象にバランスの取れた正常カロリー食を摂取させる、請求項11または12に記載の使用のための医薬組成物。
  14. 前記組成物は、対象にその対象の食前および/またはその間に投与される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  15. 同時、別々または逐次の投与のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、およびエンドカンナビノイド系の過剰活動に関連する疾患を予防または治療するための治療薬を含む、組合せ製剤。
  16. 重増加を促進および/もしくは加速するため、または体重増加を減速および/もしくは減少させるための、請求項9に記載の非治療用組成物。
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