JP6842816B2 - スケール剥離性組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕フッ化水素アンモニウム(化合物A)、硫酸(化合物B)、硫酸塩(化合物C)及び硝酸(化合物D)並びに水を配合してなり、配合総質量中、前記化合物A100質量部に対して、
前記化合物Bが10〜2000質量部であり、
前記化合物Cが1〜1000質量部であり、
前記化合物Dが1〜1000質量部であり、
残量が実質的に水であり、
pHが2〜6であるスケールを剥離するためのスケール剥離性組成物(以下、本発明1ともいう)、及び、
〔2〕前項〔1〕記載のスケール剥離性組成物から水を除去してなるスケール剥離性粉末組成物(以下、本発明2ともいう)である。
本発明1は、フッ化水素アンモニウム(化合物A)、硫酸(化合物B)、硫酸塩(化合物C)及び硝酸(化合物D)並びに水を配合してなり、配合総質量中、前記化合物A100質量部に対して、
前記化合物Bが10〜2000質量部であり、
前記化合物Cが1〜1000質量部であり、
残量が実質的に水であり、
pHが2〜6であるスケールを剥離するためのスケール剥離性組成物である。
配合総質量中、化合物A100質量部に対して、
化合物Bは、10〜2000質量部であり、好ましくは100〜1500質量部、より好ましくは200〜1000質量部であり、更に好ましくは300〜800質量部であり、
化合物Cが1〜1000質量部であり、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは50〜300質量部、更に好ましくは70〜200質量部であり、
化合物Dは、1〜1000質量部であり、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは50〜300質量部、更に好ましくは70〜200質量部であり、
残量が実質的に水である。
pHは2〜6であり、好ましくは2〜5であり、更に好ましくは2〜4であり、更に好ましくは2〜3である。
分子中にポリオキシアルキレン基を有するノニオン系界面活性剤、
分子中にスルホン酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホキシル基及びホスホノキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有するアニオン系界面活性剤、
カルボン酸塩型、アミノ酸型及びベタイン型に代表される両性界面活性剤、並びに、
パーフルオロアルキルスルホン酸及びペルフルオロアルキルカルボン酸に代表されるフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤が好ましく、ノニオン系界面活性剤がより好ましい。
ステンレス鋼板(幅5cm、長さ5cm、厚さ1mm、SUS310S2B)を試験用オーブン中で1050℃、10分焼成して表面がモデルスケールで被覆された試験ステンレス鋼板を、温度50度の請求項1又は2記載の組成物に浸漬して30分間放置後に取り出して、当該試験ステンレス鋼板が鉛直の状態で、当該試験ステンレス鋼板の表裏面に水道水10ml/秒を10秒間注いだ後、当該試験ステンレス鋼板の表面及び裏面の水分をウェス(旭化成社製、BEMCOT M−1)でふき取り、モデルスケールが除去された程度を目視評価する。
本発明2は、本発明1から水を除去してなる粉末組成物である。
化合物A、B、C及びDの合計配合質量が、本発明2の合計配合質量に対して、好ましくは95〜100質量%、より好ましくは97〜100質量%、更に好ましくは99〜100質量%、更に好ましくは100質量%である。
それぞれが粉末の化合物A、B、C及びDを、本発明1における質量比で混合して本発明2を得てもよい。
(1−1)化合物A:フッ化水素アンモニウム(関東化学社、工業グレード)
(1−2)化合物B:硫酸(関東化学社、濃度95質量%、工業グレード)
(1−3)化合物C:硫酸アンモニウム(関東化学社、工業グレード)
(1−4)化合物D:硝酸(広田化学社、工業グレード)
(1−5)硝酸アンモニウム(関東化学社、工業グレード)
(1−6)スルファミン酸アンモニウム(関東化学社、工業グレード)
(1−7)界面活性剤(ノニオン系界面活性剤)
(1−8)水:イオン交換水
上記化合物を表に記載した組成で混合して、ビーカー(300ml)中に配合し、スタラーを回転して25℃で混合して水溶液にして、それぞれ200mlの実施例1〜3のスケール剥離性組成物及び比較例1〜4の比較組成物を得た。
ステンレス鋼板(幅5cm、長さ5cm、厚さ1mm、SUS310S2B)を、試験用オーブン中で1050℃、10分焼成して、表面がモデルスケールで黒く覆われた試験ステンレス鋼板を得た(図1〜7の浸漬前の試験ステンレス鋼板)。
試験ステンレス鋼板全体を、ポリ円筒容器の温度50度に加熱した本発明1中に浸漬し、本発明1を50℃にしたまま10分放置した。
実施例1のスケール剥離性組成物に対するスケール剥離試験において、実施例1のスケール剥離性組成物を、実施例2及び3のスケール剥離性組成物及び比較例1〜4の比較組成物に置き換えて、同様の条件で、放置時間10、30及び60分とした剥離試験を行い、試験ステンレス鋼板の表と裏を写真撮影した。
(1)実施例1では、表面も裏面も腐食されることなく、ステンレス鋼板表面上のモデルスケールは放置時間30分で視認できない程度に除去された(図1)。
Claims (5)
- フッ化水素アンモニウム(化合物A)、硫酸(化合物B)、硫酸塩(化合物C)及び硝酸(化合物D)並びに水を配合してなるスケール剥離性組成物であって、
前記スケール剥離性組成物の配合総質量中、前記化合物A100質量部に対して、
前記化合物Bが300〜2000質量部であり、
前記化合物Cが70〜1000質量部であり、
前記化合物Dが1〜1000質量部であり、
前記スケール剥離性組成物の固形分の合計中、前記化合物A、B、C及びD以外の化合物が0〜5質量%であり、
残量が水であり、
pHが2〜6であるスケールを剥離するためのスケール剥離性組成物(但し、前記スケール剥離性組成物の固形分の濃度において、前記化合物Aが5〜15質量%又は前記化合物Dが5〜20質量%の場合を除く)。 - 前記化合物Cが硫酸アンモニウムである請求項1記載のスケール剥離性組成物。
- 前記スケールが、熱間圧延鋼板上に形成されている請求項1又は2記載のスケール剥離性組成物。
- 前記スケール剥離性組成物が、下記標準試験において、試験ステンレス鋼板の表面のモデルスケールが視認できない程度に除去されていると評価される請求項1〜3のいずれか1項記載のスケール剥離性組成物:
〔標準試験〕
ステンレス鋼板(幅5cm、長さ5cm、厚さ1mm、SUS310S2B)を試験用オーブン中で1050℃、10分焼成して表面がモデルスケールで被覆された試験ステンレス鋼板を、温度50度の請求項1又は2記載の組成物に浸漬して30分間放置後に取り出して、当該試験ステンレス鋼板が鉛直の状態で、当該試験ステンレス鋼板の表裏面に水道水10ml/秒を10秒間注いだ後、当該試験ステンレス鋼板の表面及び裏面の水分をウェス(旭化成社製、BEMCOT M−1)でふき取り、モデルスケールが除去された程度を目視評価する。 - 請求項1〜4のいずれか1項記載のスケール剥離性組成物から水を除去してなるスケール剥離性粉末組成物。
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