JP6841201B2 - ガス推定装置および真空排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス推定装置および真空排気装置に関する。
エッチング装置等の真空装置においては、プロセスチャンバにプロセスガスを流入させつつチャンバ内圧力を所定の圧力維持し、プロセスが行われる。そのため、プロセスチャンバと真空ポンプとの間に自動圧力調整バルブ(APCバルブとも呼ばれる)が設けられ、この自動圧力調整バルブによってプロセスチャンバの圧力を所望の圧力に制御している(例えば、特許文献1参照)。
真空ポンプと自動圧力調整バルブとを備える真空排気装置でプロセスチャンバを排気する場合、予め真空排気装置の排気特性データを自動圧力調整バルブのコントローラに記憶させておき、その排気特性データ基づいて自動圧力調整バルブによる調圧動作が行われる。
特開2014−093497号公報
しかしながら、予め記憶されている排気特性データは、実際に使用されるプロセスガスとは異なる標準的なガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガス)に基づくものが一般的である。排気特性データはガス種にも依存しているので、排気しているガスのガス種が分からないと精度良い圧力調整を行うことができないという問題があった。
本発明の好ましい態様によるガス推定装置は、真空ポンプと、前記真空ポンプの吸気口に接続された自動圧力調整バルブを備える真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定するガス推定装置であって、前記自動圧力調整バルブの開度制御ゲイン値に関する相関データおよび前記真空排気装置の実効排気速度に関する相関データを含む第1相関データと、前記真空ポンプにおける流量、ガス種およびモータ電流値の間の相関関係を表す第2相関データとを記憶する相関データ記憶部と、少なくとも前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定する第1推定部と、を備え、前記開度制御ゲイン値に関する相関データは、前記開度制御ゲイン値、前記真空排気装置により真空排気するガスのガス種と流量、および前記自動圧力調整バルブのバルブ開度の間の相関関係を表し、前記実効排気速度に関する相関データは、前記実効排気速度、前記真空排気装置により真空排気するガスのガス種と流量、および前記自動圧力調整バルブのバルブ開度の間の相関関係を表し、前記第1推定部の推定結果に基づいて、前記自動圧力調整バルブの制御に用いられる制御補正情報を出力する。
さらに好ましい態様では、前記第1推定部は、前記真空ポンプのモータ電流値、前記自動圧力調整バルブのバルブ開度、前記真空排気装置により真空排気する真空チャンバの圧力計測値、前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定し、前記第1推定部の推定結果を前記制御補正情報として出力する。
さらに好ましい態様では、所定流量のガス排気時における複数のバルブ開度毎の圧力計測値、前記複数のバルブ開度、前記真空ポンプのモータ電流値、前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定する第2推定部と、前記第2推定部により推定されるガス種に基づいて前記第1相関データを校正する校正部と、を備え、前記相関データ記憶部に記憶されている校正前の前記第1相関データは、前記校正部で校正された第1相関データにより置き換えられる。
さらに好ましい態様では、前記第2推定部で推定される流量に基づいて、複数のバルブ開度毎の圧力計測時における流量が前記所定流量か否かを判定する判定部を備える。
本発明の好ましい態様による真空排気装置は、上述の態様のいずれか一項に記載のガス推定装置と、真空ポンプと、前記真空ポンプの吸気口側に接続される自動圧力調整バルブと、を備え、前記自動圧力調整バルブは、バルブ開度を計測する開度計測器と、前記第1推定部で推定された流量およびガス種とバルブ開度計測値と、前記相関データ記憶部に記憶されている第1相関データとに基づいて、調圧時のバルブ開度制御のゲイン値を設定するゲイン値設定部と、設定されたゲイン値と前記圧力計測値とに基づいてバルブ開度を制御するバルブ開度制御部とを備える。
本発明の好ましい態様による真空排気装置は、上述の態様のいずれか一項に記載のガス推定装置と、真空ポンプと、前記真空ポンプの吸気口側に接続される自動圧力調整バルブと、を備え、前記真空ポンプは、前記真空ポンプにより排気されるガスのガス種と許容上限流量との相関を表す許容流量データを記憶する許容流量データ記憶部と、前記第1推定部で推定される流量が、前記許容流量データおよび前記第1推定部で推定されるガス種に基づいて取得される許容上限流量よりも大きい場合に、警報情報を出力するポンプ制御部とを備える。
本発明の好ましい態様によるガス推定装置では、前記第1推定部は、所定流量のガス排気時における複数のバルブ開度毎の圧力計測値、前記複数のバルブ開度、前記真空ポンプのモータ電流値、前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定し、 前記第1推定部により推定されるガス種に基づいて前記第1相関データを校正する校正部をさらに備え、前記校正部で校正された校正後第1相関データを前記制御補正情報として出力する。
本発明の好ましい態様による真空排気装置は、前記ガス推定装置と、真空ポンプと、前記真空ポンプの吸気口側に接続される自動圧力調整バルブと、を備え、前記自動圧力調整バルブは、バルブ開度を計測する開度計測器と、予め設定されたガス種、バルブ開度計測値、および前記校正後第1相関データに基づいて、調圧時のバルブ開度制御のゲイン値を設定するゲイン値設定部と、設定されたゲイン値と前記圧力計測値とに基づいてバルブ開度を制御するバルブ開度制御部とを備える。
本発明によれば、少なくともガス種に基づく制御補正情報が得られるので、自動圧力調整バルブをガス種に応じて制御することが可能となる。
図1は、真空排気装置の一例を示す図である。 図2は、バルブボディの平面図である。 図3は、プラントゲインを説明する図である。 図4は、プラントゲインの特性カーブを示す図である。 図5は、逆数感度の一例を示す図である。 図6は、開度制御(調圧制御)を説明するためのブロック図である。 図7は、実効排気速度の開度依存性を示す図である。 図8は、開度が大きい領域における実効排気速度のガス種依存性を説明する図である。 図9は、プラントゲインGpのガス種依存性の一例を示す図である。 図10は、ガス推定器の制御部に関する機能ブロック図である。 図11は、初期データユニット群GDU1の模式図である。 図12は、初期データユニット群GDU2の模式図である。 図13は、初期データユニット群GDU3の模式図である。 図14は、流量Qを一定とした場合のモータ電流値Iと分子量Mとの関係を説明する図である。 図15は、校正処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、初期データユニットDU3(I)と仮流量Qtempとを示す図である。 図17は、調圧時のガス種および流量の推定処理の一例を示すフローチャートである。 図18は、初期データユニットDU3(I)と仮流量Qtempとを示す図である。 図19は、校正後データユニットCDU1(M1,Q3)を示す図である。 図20は、許容流量データQmax(M)の一例を示す図である。 図21は、予防保全処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明に係る真空排気装置1の一例を示す図である。真空排気装置1は、ターボ分子ポンプ2,自動圧力調整バルブ(以下では、APCバルブと呼ぶことにする)3およびガス推定器4を備えている。ターボ分子ポンプ2は、ポンプ本体21と、ポンプ本体21を駆動制御するポンプコントローラ22とを備えている。APCバルブ3は、バルブプレート311が設けられたバルブボディ31と、バルブプレート311を駆動するモータ321が設けられたモータハウジング32と、バルブコントローラ33とを備えている。なお、図示していないが、ポンプ本体21の排気側にはバックポンプが接続される。
バルブボディ31の図示下側に設けられたバルブ排気口(不図示)にはポンプ本体21の吸気口フランジが固定され、バルブボディ31の図示上側に設けられたバルブ吸気口(不図示)は真空チャンバ5の排気口フランジに固定されている。真空チャンバ5は、ポンプ本体21によって真空排気される。真空チャンバ5の圧力は真空計6によって計測される。真空チャンバ5へのガス導入は、マスフローコントローラ7を介して行われる。
ポンプコントローラ22は、制御部221、モータ駆動部222および記憶部223を備えている。モータ駆動部222はインバータ等を備え、ポンプ本体21に設けられたポンプロータ回転用のモータ(不図示)を駆動する。制御部221は例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成され、モータ駆動部222を制御すると共にモータ電流値Irをガス推定器4へ出力する。記憶部223はROMや不揮発性メモリなどで構成され、後述する許容流量データQmax等が記憶される。
バルブコントローラ33は、制御部331,モータ321を駆動するモータ駆動部332および記憶部333を備えている。モータ駆動部332を制御する制御部331は、ガス推定器4から入力される調圧時推定値(Mest2,Qest2)に基づいて、後述するバルブ開度制御を行う。記憶部333はROMや不揮発性メモリなどで構成され、後述する逆数感度(1/Gp)等が記憶される。バルブコントローラ33には、真空計6からの圧力計測値Prおよびエンコーダ322で計測されたAPCバルブ3の開度θrが入力される。
ガス推定器4は、後述するようにガス種および流量等の推定等を行う装置であり、制御部41、記憶部42、表示部43および入力操作部44を備えている。ガス推定器4には、ポンプコントローラ22からのモータ電流値Ir、真空計6からの圧力計測値Prおよびエンコーダ322で計測されたAPCバルブ3の開度θrが入力される。
図2は、バルブボディ31を真空チャンバ5側から見た平面図である。モータ321を正方向および逆方向に回転駆動してバルブプレート311を揺動駆動させると、バルブプレート311が水平方向にスライド駆動されてバルブ開閉動作が行われる。バルブプレート311は、バルブ開口部31aの全体に対向する全遮蔽位置C2と、バルブ開口部31aに全く対向しない全開放位置C1との間の任意の位置にスライド移動させることができる。
バルブプレート311によるバルブ開口部31aの遮蔽状態は、開度と呼ばれるパラメータで表される。開度とは、比=(バルブプレートの揺動角):(全遮蔽状態からバルブ開口部31aが全て解放されるまでの揺動角)をパーセントで表したものである。図2の全遮蔽位置C2は開度=0%であり、全開放位置C1は開度=100%である。すなわち、バルブプレート311の開度を調整することにより、APCバルブ3のコンダクタンスを制御する。上述したように、バルブプレート311の開度θrは、図1のモータハウジング32に設けられたエンコーダ322によって検出される。
(APCバルブ3における調圧制御)
まず、APCバルブ3における調圧制御について説明する。APCバルブ3の制御システムは、図3に示すように制御対象(プラント)と制御器(コントローラ)に分けられる。プラント出力であるチャンバ圧力は真空計6により計測される。この圧力計測値Prがフィードバックされ、チャンバ圧力が目標圧力値Psになるように制御される。ここで、図3に示すプラントは、バルブプレート311の開度θを入力とし、圧力計測値Prを出力とするAPCバルブ3のガス排気部である。図3のコントローラは、バルブコントローラ33およびモータ321を含むアクチュエータ部で、コントローラ入力は目標圧力値Psと圧力計測値Prとの偏差であり、コントローラ出力はエンコーダ322により検出される開度θである。
図3に示すプラントの入出力特性は、開度変化に対する圧力変化(ΔP/Δθ)を圧力Pで規格化した量((ΔP/Δθ)/P)であり、プラントのゲイン特性を表している。以下では、(ΔP/Δθ)/Pの絶対値|(ΔP/Δθ)|/PをプラントゲインGpと呼ぶことにする。プラントゲインGpは、図4に示すような特性カーブで表される。プラントゲインGpは、開度θが比較的小さな開度位置(開度θ_Gp_max)に最大値を有している。このことは、最大値を取る開度θ_Gp_max付近では開度変化に対して圧力変化が大きく敏感に反応し、プラントゲインGpの値が低い曲線の裾野付近(開度θが大きな領域)では開度変化に対する圧力変化が鈍感になっていることを示している。
このように、応答感度は開度位置により大きく異なり駆動制御し難いので、それを解消するために、プラントゲインGpの逆数に相当する感度値(1/Gp)が図3のコントローラに対して予め与えられる。通常、感度値(1/Gp)は、後述する校正時に取得したデータから算出され記憶される。感度値(1/Gp)は図5に示すような特性カーブであり、以下では、感度値(1/Gp)を逆数感度と呼ぶことにする。このような逆数感度(1/Gp)を導入することにより、プラントの偏ったゲイン特性が大枠で相殺され、通常のPI等の制御器構成で開度位置によらず均一な制御が容易になる。
図6は、APCバルブ3の制御部331の開度制御(調圧制御)を説明するためのブロック図である。制御部331は、圧力目標値Psに対する圧力計測値Prの偏差である圧力偏差ΔP(=Pr−Ps)を解消する開度操作量Δθを算出し、開度指令θs(=θr+Δθ)を出力する。開度操作量Δθは、圧力偏差ΔPを概ね解消するための圧力変化(−ΔP)を発生させるものであり、プラントゲインGpに基づく逆数感度(1/Gp)を用いて次式(1)のように表される。式(1)において、Kは圧力偏差ΔPに対する比例ゲインである。(1/P)・(1/Gp)は、上述したプラントゲインの影響を相殺するために導入されたゲイン補正である。
Δθ=(1/P)・(1/Gp)・K・ΔP …(1)
詳細は後述するが、記憶部333には後述する初期データユニット群GDU1または校正後データユニット群CGDU1が記憶されている。図6に示す例では、記憶部333には校正後データユニット群CGDU1が記憶されている。ゲイン値設定部340には、ガス推定器4から調圧時推定値(Mest2,Qest2)が入力され、エンコーダ322から開度θrが入力される。ゲイン値設定部340は、調圧時推定値(Mest2,Qest2)に対応するデータユニットCDU1を校正後データユニット群CGDU1から選択し、開度θrにおける逆数感度(1/Gp(θr))を出力する。この逆数感度(1/Gp(θr))を用いて、式(1)に示すようなゲイン補正(1/P)・(1/Gp)が行われる。
式(1)において、例えばPr>Psであった場合には、ΔP>0なので開度操作量ΔθはΔθ>0となる。すなわち、圧力が低下するように開度θを増加させる。算出された開度操作量Δθにエンコーダ322で計測された開度θrが加算され、加算結果を開度指令θs(=θr+Δθ)としてモータ駆動部332に出力する。
なお、図6に示す例では、比例ゲインを用いる場合を例に説明したが、積分成分、微分成分、その他のフィードバック制御時にも適用することができる。ちなみに、図6のKを比例ゲイン+積分ゲイン(所謂PIゲイン)にすると、式(1)で表されるΔθがそのまま開度指令θsとなり(θs=Δθ)、θrの加算は不要になる。
(プラントゲインGpと実効排気速度Se)
ところで、開度θの変化Δθと圧力の変化ΔPとの関係は、式(2)に示す排気の式に基づいて与えられる。式(2)において、V[m]は真空チャンバ5の容積であり、P[Pa]は真空チャンバ5内の圧力である。また、Seはターボ分子ポンプ2の排気速度SpとAPCバルブ3のコンダクタンスCから決まる実効排気速度であり、式(3)により算出される。
Q=V・(ΔP/Δt)+P・Se …(2)
(1/Se)=(1/Sp)+(1/C) …(3)
ターボ分子ポンプ2の排気速度Spは排気する気体のガス種Mおよび流量Qに依存し、APCバルブ3のコンダクタンスCは開度θに応じて変化するので、実効排気速度SeはSe(M,Q,θ)のようにガス種M、流量Qおよび開度θに依存する。なお、本明細書では、ガスの種類(名称)または分子量のことをガス種と呼び、符号Mで表すことにする。すなわち、ガス種Mとは分子量Mを有するガスのことである。また、複数ガス種が混合されたガスの場合は、流量混合比から算出される平均的な分子量Mを有するものとして、ガス種Mに相当するものとする。
真空系の平衡点ではQ=一定、ΔP/Δt=0であるので、式(2)はQ=P・Seとなる。増分ΔP、ΔSeの関係は、Q=(P+ΔP)・(Se+ΔSe)とQ=P・Seの差分より、0=P・ΔSe+Se・ΔPである。一方、ΔSe=(ΔSe/Δθ)・Δθであるから両式より、式(4)が求まる。式(4)をさらに変形すると、次式(5)が得られる。このように、プラントゲインGpは、真空排気装置1の実効排気速度Seによって表される。
Δθ=−{(1/P)・Se/(ΔSe/Δθ)}・ΔP …(4)
Gp=−(ΔP/Δθ)/P=(ΔSe/Δθ)/Se …(5)
(実効排気速度Seの特性)
図7は、実効排気速度Seの開度依存性を示す図である。図7において、縦軸は排気速度またはコンダクタンス[L/s]を表し、横軸は開度θ(%)を表す。ラインL1は実効排気速度Seを示し、ラインL2はAPCバルブ3のコンダクタンスCを示し、ラインL3はターボ分子ポンプ2の排気速度Spを示す。ターボ分子ポンプ2の排気速度Spは開度θに関係なく一定の値である。
一般に、開度θが小さい領域R1では式(3)の右辺はコンダクタンスCを含む第2項が支配的となり、実効排気速度SeのラインL1はAPCバルブ3のコンダクタンスCのラインL2に近づく。逆に、開度θが大きい領域R2では式(3)の右辺は排気速度Spを含む第1項が支配的となり、実効排気速度SeのラインL1はターボ分子ポンプ2の排気速度SpのラインL3に近づく。図7では、コンダクタンスCが支配的な領域とターボ分子ポンプ2の排気速度Spが支配的な領域との境界θthを20%とした場合を示しており、開度θが20%未満ではAPCバルブ3のコンダクタンスCが支配的となり、開度θが20%以上ではターボ分子ポンプ2の排気速度Spが支配的となる。上述したプラントゲインGpが最大となる開度θ_Gp_maxは、コンダクタンスCが支配的な開度領域に含まれる。
また、ターボ分子ポンプ2の排気速度Spは排気するガスのガス種によって異なる。そのため、排気速度Spが支配的な領域では、実効排気速度SeのラインL1はガス種に応じて上下にずれる。一般的なターボ分子ポンプでは、Nガスと同程度の分子量を有するガス種に対して排気速度が最大となるように設計されており、分子量がNガスよりも小さくてもまたは大きくても排気速度は低下する。
図8は、開度が大きい領域における実効排気速度Seのガス種依存性を説明する図である。ラインSp(M1)はガス種M1の場合のターボ分子ポンプ2の排気速度Spを示しており、ラインSp(M2)はM1とは異なるガス種M2の場合のターボ分子ポンプ2の排気速度Spを示している。ガス種M1が、排気速度が最大となるNガスである場合、Nガスと異なるガス種M2の排気速度Sp(M2)はガス種に依らず排気速度Sp(M1)を下回ることになる。そのため、排気速度Spが支配的な開度領域において、ガス種M2の実効排気速度Se示すラインL1(M2)は、ガス種M1の実効排気速度Seを示すラインL1(M1)に対して下側にずれることになる。
(プラントゲインGpの特性)
ところで、図4に示したプラントゲインGpは、式(5)に示したように真空排気装置1の実効排気速度Seを用いて表される。開度θの小さな領域ではAPCバルブ3のコンダクタンスCが支配的であり、同一開度におけるコンダクタンスCは分子量が大きいほど小さいので、分子量の大きなガス種ほどプラントゲインGpは大きい傾向にある。逆に、開度θの大きな領域ではターボ分子ポンプ2の排気速度Spが支配的なので、分子量の大小ではなく、排気速度Spが小さなガス種ほどプラントゲインGpは大きい傾向にある。
図9は、上述したプラントゲインGpのガス種依存性の一例を示したものである。図9の場合も、図7の場合と同様に、実効排気速度Seは、θ<θthではAPCバルブ3のコンダクタンスCが支配的であり、θ≧θthではターボ分子ポンプ2の排気速度Spが支配的であるとして説明する。
図9(a)はθ<θthにおけるプラントゲインGpの特性を示したものであり、分子量の大きなガス種ほどプラントゲインGpは大きくなる。分子量M1,M2,M3はM1<M2<M3のような大小関係にあり、各分子量M1,M2,M3を有するガス種のプラントゲインGp(M1),Gp(M2),Gp(M3)の大小関係は、Gp(M1)<Gp(M2)<Gp(M3)となっている。
図9(b)はθ≧θthにおけるプラントゲインGpの特性を示したものであり、排気速度Spが小さなガス種ほどプラントゲインGpは大きい傾向にある。分子量M1,M2,M3を有するガス種の排気速度Sp1(M1),Sp2(M2),Sp3(M3)の大小関係は、Sp1(M1)<Sp2(M2)<Sp3(M3)であると仮定する。この場合、排気速度がSp1(M1),Sp2(M2),Sp3(M3)である各ガス種のプラントゲインGp(Sp1),Gp(Sp1),Gp(Sp3)の大小関係は、Gp(Sp1)>Gp(Sp1)>Gp(Sp3)となっている。
従来、APCバルブ3をエッチング装置等の真空処理装置で使用する場合、真空排気装置1(ターボ分子ポンプ2+APCバルブ3)を真空処理装置の真空チャンバ5に装着した後に、通常、初期校正処理が行われる。一般に、前述した制御部331におけるゲイン補正(図6参照)は、適用するプロセス条件の代表的なガス条件、または平均的なガス条件を前提に行われる。このときに使用されるガスとしては、例えば、混合ガスの平均分子量を求め、その平均分子量に相当する分子量を有する取り扱いが比較的容易なガス種で代用されることが多い。
しかしながら、プラントゲインGpは上述したようにガス種によって大小差異が生じるので、上述した初期校正処理において代表的なガス種のみでプラントゲインGpを校正して逆数感度(1/Gp)を設定しても、ガス種の異なる実際の制御では圧力調整を適切に行えない場合がある。
例えば、校正後の逆数感度(1/Gp)に対して調圧時の実際のプラントゲインGpが高めになっていた場合には、フィードバック制御系の閉ループゲインが相対的に高くなるので振動的な応答になる。逆に、校正後の逆数感度(1/Gp)に対して調圧時の実際のプラントゲインGpが低めになっていた場合には、フィードバック制御系の閉ループゲインが相対的に低くなるので過減衰的な応答になる。
従来のAPCバルブでは、調圧時のガス種を推定することができないので、仮に逆数感度(1/Gp)データとして種々のガス種におけるデータユニットとして記憶していたとしても、調圧時にどのガス種のデータユニットを適用すべきかを判断することができない。そのため、調圧制御時における上述のような問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、ガス推定器4の制御部41においてガス種および流量を推定し、バルブコントローラ33の制御部331は推定されたガス種および流量に基づいて調圧制御を行うようにした。
図10は、制御部41の機能ブロック図を示す図である。制御部41は、第1推定部411、第2推定部412、校正部413および判定部414を有する。
ガス推定器4の記憶部42には、初期データユニット群GDU1、初期データユニット群GDU2および初期データユニット群GDU3が記憶される。初期データユニット群GDU1は逆数感度(1/Gp)に関するデータである。初期データユニット群GDU2は、真空排気装置1の実効排気速度Seに関するデータである。これらGDU1の逆数感度(1/Gp),GDU2の実効排気速度Seは、真空排気されるガスのガス種Mおよび流量Qと、APCバルブ3の開度θとの間の相関関係を表す第1相関データである。初期データユニット群GDU3は、ターボ分子ポンプ2における流量Q、ガス種Mおよびモータ電流値Iの間の相関関係を表す第2相関データである。
第2推定部412には、校正処理時に、所定流量Q0のガス排気時において開度θを複数の開度θ1〜θ20に順に変化させたときの各圧力計測値Prが入力される。第2推定部412は、開度θ1〜θ20と、取得した複数の圧力計測値Prと、ターボ分子ポンプ2のモータ電流値Irと、初期データユニット群GDU2と、初期データユニット群GDU3とに基づいて、真空排気装置1により真空排気されるガスの流量Qestおよびガス種Mestを推定する。
校正部413は、第2推定部412により推定される校正処理時のガス種Mestと、所定流量Q0と、取得した複数の圧力計測値Prと、開度θ1〜θ20と、初期データユニット群GDU2とに基づいて、初期データユニット群GDU1およびGDU2を校正する。校正後データユニット群CGDU1およびCGDU2は記憶部42に記憶されると共に、APCバルブ3のバルブコントローラ33に出力される。
判定部414は、第2推定部412で推定された校正処理時の流量Qestが適正流量か否かを判定する。判定処理の詳細は後述するが、校正時に導入する所定流量Q0に対して流量Qestが閾値ΔQthに対して、|Q0−Qest|≧ΔQthとなる場合には適正でないと判定する。判定結果は表示部43に表示される。
第1推定部411は、ターボ分子ポンプ2のモータ電流値Ir、APCバルブ3の開度θr、真空チャンバ5の圧力計測値Pr、校正後データユニット群CGDU2および初期データユニット群GDU3に基づいて、調圧時に真空排気されるガスの流量Qest2およびガス種Mest2を推定する。その推定結果はバルブコントローラ33に入力され、後述する調圧制御に利用される。
(初期データユニット群の説明)
上述したように、ガス推定器4の記憶部42には、逆数感度(1/Gp)に関する初期データユニット群GDU1と、実効排気速度Seに関する初期データユニット群GDU2と、ターボ分子ポンプ2のモータ電流値Iを一定に維持した場合のガスの分子量Mと流量Qとの相関に関する初期データユニット群GDU3とが記憶される。これらの初期データユニット群GDU1〜GDU3は、メーカーにおいて、真空排気装置1に予め定められたチャンバを装着して取得されたものであり、図1に示す真空処理装置の真空チャンバ5に必ずしも対応していない。
なお、ポンプコントローラ22の記憶部223には初期データユニット群GDU3が記憶されており、ガス推定器4は初期データユニット群GDU3をポンプコントローラ22の記憶部223から読み込んで記憶部42に記憶させるようにする。もちろん、初期データユニット群GDU3をポンプコントローラ22からガス推定器4に読み込む代わりに、予めガス推定器4の記憶部42に初期データユニット群GDU3を記憶させておいても良い。
逆数感度(1/Gp)に関する初期データユニット群GDU1や、実効排気速度Seに関する初期データユニット群GDU2についても同様である。すなわち、初期データユニット群GDU1,GDU2がバルブコントローラ33の記憶部333に記憶されていて、ガス推定器4がこれらの初期データユニット群GDU1,GDU2を記憶部333から読み込んで記憶部42に記憶させるという構成であっても良いし、初期データユニット群GDU1,GDU2が記憶部42に予め記憶されている構成であっても良い。
図11は、逆数感度(1/Gp)に関する初期データユニット群GDU1のイメージを表す模式図である。初期データユニット群GDU1は、開度θと逆数感度(1/Gp)との相関関係を表す初期データユニットDU1(M,Q)の集合である。初期データユニットDU1(M,Q)は、ある特定のガス種(分子量)Mおよび流量Qにおける開度θと逆数感度(1/Gp)との相関関係を表すデータユニットである。
図11では、初期データユニット群GDU1に含まれる複数の初期データユニットDU1(M,Q)の内の、ガス種(分子量)Mおよび流量Qに関する5種類の組み合わせ(M1,Q1),(M2,Q2),(M3,Q3),(M4,Q4),(M5,Q5)に対応した5つの初期データユニットDU1(M1,Q1),DU1(M2,Q2),DU1(M3,Q3),DU1(M4,Q4),DU1(M5,Q5)を示した。例えば、初期データユニットDU1(M1,Q1)は、ガス種M1のガスを流量Q1だけ流入させた場合の開度θと逆数感度(1/Gp)との相関関係を表している。
例えば、開度θについては0%から100%までの間に20点設定し、ガス種としては代表的なガス種としてH,He,N,Ar,Kr,Xeの6種を選び、流量Qについては10sccmから2000sccmまでの間に6点設定し、合計で720点(=20×6×6)に対する(1/Gp)値が入力される。この場合、図11の初期データユニットDU1(M1,Q1)には20点の(1/Gp)値が入力されており、初期データユニット群GDU1にはこのような初期データユニットDU1(M,Q)が36ユニット含まれている。
図12は、実効排気速度Seに関する初期データユニット群GDU2のイメージを表す模式図である。初期データユニット群GDU2は、開度θと実効排気速度Seとの相関関係を表す初期データユニットDU2(M,Q)の集合である。初期データユニットDU2(M,Q)は、ある特定のガス種(分子量M)および流量Qにおける開度θと実効排気速度Seとの相関関係を表すデータユニットである。
図12では、初期データユニット群GDU2に含まれる複数の初期データユニットDU2(M,Q)の内の、分子量Mおよび流量Qに関する5種類の組み合わせ(M1,Q1),(M2,Q2),(M3,Q3),(M4,Q4),(M5,Q5)に対応した5つの初期データユニットDU2(M1,Q1),DU2(M2,Q2),DU2(M3,Q3),DU2(M4,Q4),DU2(M5,Q5)を示した。例えば、初期データユニットDU2(M1,Q1)は、分子量M1のガスを流量Q1だけ流入させた場合の開度θと実効排気速度Seとの相関関係を表している。
図13は、初期データユニット群GDU3のイメージを表す模式図である。初期データユニット群GDU3は複数の初期データユニットDU3(I)で構成されており、図13では、その内の6つの初期データユニットDU3(I1),DU3(I2),DU3(I3),DU3(I4),DU3(I5),DU3(I6)を図示した。モータ電流値I1〜I6の大小関係はI1<I2<I3<I4<I5<I6である。
ターボ分子ポンプ2は、ガス分子に対して排気側方向へ運動量成分を与えることで、吸気口から流入したガス分子を排気口側へと移送している。そのため、ターボ分子ポンプ2は、ガス流量Qが一定であっても排気するガス種(分子量)Mが異なると、ポンプロータを定格回転数で回転駆動するためのモータ電流値Iが異なる。
図14は、流量Qを一定とした場合のモータ電流値Iと分子量Mとの関係を説明する図である。図14では、3種類の流量Q1,Q2,Q3に関するI−M曲線を示したものである。なお、流量Q1,Q3に関するI−M曲線については、モータ電流値IがI4〜I5付近の場合のI−M曲線を示した。流量Q1,Q2,Q3の大小関係はQ1<Q2<Q3である。
図14におけるモータ電流値I4(一定値)の場合のデータ群(M,Q)を図13のM−Q座標上にプロットしたものが、図13の初期データユニットDU3(I4)である。同様に、図14におけるモータ電流値I5(一定値)の場合のデータ群(M,Q)を図13のM−Q座標上にプロットしたものが、図13の初期データユニットDU3(I5)である。
ガス種(分子量)Mのデータ数が6点、モータ電流値Iのデータ数が20点であるとした場合、図13における初期データユニット群GDU3は、初期データユニットDU3(I1)〜DU3(I20)を表す20のラインから構成される。初期データユニットDU3(I1)〜DU3(I20)を表す各ラインには、データが6点含まれていることになる。
(1:ガス推定器4における初期データユニット群の校正)
上述したように、記憶部42に予め記憶されている初期データユニット群GDU1〜GDU3は、特定の真空チャンバに基づいて取得されたものである。そのため、APCバルブ3による圧力調整を精度良く行うためには、初期データユニット群GDU1〜GDU3を、真空排気装置1が実際に装着される真空系(真空チャンバ)に即したデータユニット群に校正する必要がある。なお、校正処理は、例えば排気システムを真空処理装置に装着したときにオペレータの指示により行われ、その後は定期メンテナンス時やプロセス条件が大きく異なるような場合にオペレータの指示により行われる。
図15は、ガス推定器4の校正部413実行される校正処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の真空排気装置1では、オペレータがガス推定器4の入力操作部44を操作することで、校正処理指令を入力することができる。ガス推定器4の制御部41は、校正処理指令が入力されると図15に示す校正処理をスタートする。
ステップS10では、制御部41は、表示部43に校正処理用の表示画面を表示する。その表示画面上には、真空チャンバ5へ流量Q0のガスを流入させる指示画面が表示される。オペレータは現場で使用可能なガス種M0のガスを流量Q0だけ真空チャンバ5へ流入させ、校正処理開始の指令を入力操作部44により入力する。
ステップS20では、オペレータによる校正処理開始の指令が入力されたか否かを判定し、入力があった場合にはステップS30へ進む。
ステップS30では、開度θを順にθ1からθ20まで間欠的に変化させる指令をAPCバルブ3に送信し、各開度θ1〜θ20における圧力計測値Pr(Q0,θ1)〜Pr(Q0,θ20)を真空計6から取得する処理を実行する。圧力計測値Prの計測は、例えば、開度変化後の圧力変化ΔPが予め定めた閾値以下となるまで待ってから行う。
ステップS40では、ステップS30で取得された圧力計測値Pr(Q0,θ1)〜Pr(Q0,θ20)に基づいて、ガス種M1〜M6毎に、仮流量Qtemp(M1,θ1)〜Qtemp(M1,θ20)、Qtemp(M2,θ1)〜Qtemp(M2,θ20)、Qtemp(M3,θ1)〜Qtemp(M3,θ20)、Qtemp(M4,θ1)〜Qtemp(M4,θ20)、Qtemp(M5,θ1)〜Qtemp(M5,θ20)、Qtemp(M6,θ1)〜Qtemp(M6,θ20)、を算出する。各仮流量Qtemp(Mi,θj)は、次式(6)に示すように、圧力計測値Pr(Q0,θj)と、実効排気速度Seに関する初期データユニット群GDU2(図12参照)の内の流量Q0におけるSe(Q0,Mi,θj)とに基づいて算出される。ただし、iは1≦i≦6の整数であり、jは1≦j≦20の整数である。
Qtemp(Mi,θj)=Se(Q0,Mi,θj)×Pr(Q0,θj) …(6)
式(6)で算出される仮流量Qtemp(Mi,θj)は、ガス種Miが実際に導入されたガスと同一ガス種であればQtemp(Mi,θj)=Q0となり、異なるガス種であればQtemp(Mi,θj)≠Q0となる。ただし、初期データユニット群GDU2を取得した真空チャンバとユーザの真空チャンバ5とは構成(形状や内部構造など)が異なっていて、APCバルブ3よりも上流側のコンダクタンスが異なっているので、実際の実効排気速度とSe(Q0,Mi,θj)との間にずれが生じる。そのため、仮にガス種Miが導入ガスと一致していたとしても、算出される仮流量Qtemp(Mi,θj)は実際の流量Q0から僅かにずれることになる。
ステップS50では、仮流量Qtempの流量Q0からの誤差が閾値(許容誤差)よりも小さいものを、校正時に導入されているガスのガス種および流量の推定値(Mest,Qest)(ここでは、校正時推定値と呼ぶことにする)の候補として選択する。ここでは、一例として、同一ガス種Miに関する20個の仮流量Qtemp(Mi,θj)に関して、流量Q0との差分についてRMS(root mean square)を算出し、そのRMSが所定閾値よりも小さい複数個や、最も小さなRMSから順に複数個を、校正時推定値(Mest,Qest)の候補とする。
具体的には、6個のガス種Miのそれぞれに関して、θ1〜θ20の各開度θjに対して差分ΔQj=Qtemp(Mi,θj)−Q0をそれぞれ求め、式(7)のように二乗平均平方根RMS(Mi)を演算する。そして、6個のRMS(Mi)の内の最も小さいものから順に複数個(例えば、3個)を校正時推定値(Mest,Qest)の候補とする。
RMS(Mi)=√{(ΔQ1+ΔQ2+ΔQ3+・・・+ΔQ19+ΔQ20)/20}
…(7)
ステップS60では、ターボ分子ポンプ2のモータ電流値Iに基づいて、ステップS50で選択した校正時推定値(Mest,Qest)の候補から最終的な校正時推定値(Mest,Qest)を決定する。
前述したように、一般的なターボ分子ポンプでは、Nガスと同程度の分子量を有するガス種に対して排気速度Spが最大となるように設計されており、分子量がNガスよりも小さくてもまたは大きくても排気速度は低下する。そのため、分子量がNガスよりも大きなガス種に対する排気速度Spと、分子量がNガスよりも小さなガス種に対する排気速度Spとがほぼ同一なる場合がある。そのようなガス種が上述した6つのガス種に含まれている場合には、ガス種が異なっていても実効排気速度Seがほぼ同一となり、RMSも同一となる可能性がある。そのため、いずれが最終的な校正時推定値(Mest,Qest)であるかを正確に決定することができない。
ところで、図13に示した初期データユニット群GDU3に示すように、分子量(ガス種)Mと流量Qとの相関を表すM−Q曲線すなわち初期データユニットDU3は、モータ電流値Iの大きさに応じてそれぞれ異なる。例えば、モータ電流値がI4であれば、データ(M,Q)は初期データユニットDU3(I4)を表す曲線上にある。そのため、候補のガス種を図16に示すようにMa、Mb、Mcとした場合、それらのガス種を初期データユニットDU3(I)に適用して得られるQ(Ma)、Q(Mb)、Q(Mc)と、それらに対応する仮流量Qtemp(Ma,θj)、Qtemp(Mb,θj)、Qtemp(Mc,θj)との差が最も小さいものが最終的な校正時推定値(Mest,Qest)となる。
図16は、初期データユニットDU3(I)を示すラインと仮流量Qtemp(Ma,θj)、Qtemp(Mb,θj)、Qtemp(Mc,θj)とをMQ座標上に示した図である。なお、図16では仮流量Qtemp(Ma,θj)、Qtemp(Mb,θj)、Qtemp(Mc,θj)をQtemp(Ma)、Qtemp(Mb)、Qtemp(Mc)と表した。また、初期データユニットDU3(I)のラインは、分子量(ガス種)Maにおける流量がQ0となっている。図16に示す例の場合、仮流量Qtemp(Ma,θj)が最も初期データユニットDU3(I)を示すラインに近く、(Ma,Q0)が校正時推定値(Mest,Qest)に決定される。
ステップS60では、ターボ分子ポンプ2のポンプコントローラ22からモータ電流値Irを取得し、モータ電流値Irに対応する初期データユニットDU3(Ir)から上述したQ(Ma)、Q(Mb)、Q(Mc)を求める。ここで、Ma、Mb、McはM1〜M6のいずれかである。そして、差の大きさ|Q(Ma)−Qtemp(Ma,θj)|、|Q(Mb)−Qtemp(Mb,θj)|、|Q(Mc)−Qtemp(Mc,θj)|を比較し、差の大きさが最も小さいガス種を最終的な校正時推定値(Mest,Qest)のMestとする。Qestは実際に流入させた流量Q0とする。
なお、差の大きさを比較する際の仮流量Qtemp(Mi,θj)の開度θjは、θ1〜θ20のいずれでも良いが、実効排気速度Seにおいてターボ分子ポンプの排気速度Spが支配的になる領域の開度(例えば、θ20)を選ぶのが好ましい。
ステップS70では、推定された流量Qestが導入した流量Q0と大きく乖離していないか否かを判定する。ここでは、オペレータが、ステップS10において表示部43に表示された通りの流量Q0を真空チャンバ5へ流入させたか否かを判定する。流入量が流量Q0と異なっている場合、流量Q0を前提として算出される流量Qestは流量Q0と大きく乖離することとなる。そのため、ステップS70の処理は、オペレータが指示通りに流量Q0のガスを流入させたか否かを判定していることになる。
ステップS70では、差分の大きさΔQ=|Q0−Qest|が閾値ΔQthに対してΔQ<ΔQthか否かで乖離を判定している。この場合、ΔQ<ΔQthの場合には、乖離が小さく指示通りの流量Q0が流入されたと判定し、ステップS80へ進む。一方、ΔQ≧ΔQthの場合には、乖離が大きく指示通りの流量Q0が流入されていないと判定し、ステップS75へ進む。
ΔQ≧ΔQthと判定されてステップS70からステップS75へ進んだ場合には、ステップS75において流量の確認を促す確認用画面を表示部43に表示する。その後、ステップS20に進んでオペレータからの校正処理指令を待つ。
一方、ΔQ<ΔQthと判定されてステップS80へ進んだ場合には、ステップS60で決定したガス種推定値Mest、校正時の流量Q0および校正時に計測された圧力計測値Pr(Q0,θ1)〜Pr(Q0,θ20)に基づいて、初期データユニット群GDU2に校正処理を施した校正後データユニット群CGDU2を生成する。
まず、校正時の流量Q0および校正時に計測された圧力計測値Pr(Q0,θ1)〜Pr(Q0,θ20)を用いて、計測値に基づく実効排気速度(以下では、校正時取得排気速度と呼ぶことにする)Scal(Mest,Q0,θj)を次式(8)により算出する。生成された校正後データユニット群CGDU2は、記憶部42に記憶される。
Scal(Mest,Q0,θj)=Q0/Pr(Q0,θj) …(8)
校正時取得排気速度Scal(Mest,Q0,θj)はAPCバルブ3が装着された真空系(真空チャンバ5)のコンダクタンスに依存した排気速度である。一方、初期データユニット群GDU2の実効排気速度Se(Mest,Q0,θj)はメーカーにおいて実効排気速度Se(Mi,Qk,θj)を取得したときの真空系のコンダクタンスに依存した排気速度である。そのため、次式(9)で表されるα(θj)は、初期データユニット群GDU2の実効排気速度Se(θj)を校正後データユニット群CGDU2の校正時取得排気速度Scal(θj)に補正する補正係数になる。補正係数α(θj)は、APCバルブ3の開度θjに応じてそれぞれ設定される。
α(θj)=Scal(Mest,Q0,θj)/Se(Mest,Q0,θj) …(9)
なお、図7において説明したように、開度θがθthよりも大きい開度領域ではポンプ排気速度が支配的であり、開度θがθthよりも小さい領域ではバルブコンダクタンスが支配的である。上述したように、補正係数α(θj)はAPCバルブ3よりも上流側の影響を考慮したものであり、この影響はポンプ排気速度が支配的な開度θ>θthで大きい。よって、補正係数α(θj)の算出にあたって、θ>θthの開度領域にのみ補正係数α(θj)を算出し、θ≦θthの開度領域に関してはα(θj)=1のように設定しても良い。
式(9)の補正係数α(θj)は、ガス種がMestで流量がQ0である場合以外の実効排気速度Se(Mi,Qk,θj)にも適用することができる。すなわち、校正後データユニット群CGDU2の校正後実効排気速度Secal (Mi,Qk,θj)は次式(10)により算出される。なお、i,j,kは、1≦i,k≦6、1≦j≦20を満たす整数である。
Secal(Mi,Qk,θj)=α(θj)・Se(Mi,Qk,θj) …(10)
ステップS90では、ステップS80で生成された校正後データユニット群CGDU2に基づいて、初期データユニット群GDU1に対する校正後データユニット群CGDU1を生成する。生成された校正後データユニット群CGDU1は、記憶部42に記憶される。逆数感度(1/Gp)は前述した式(5)から次式(11)のように表される。よって、校正後データユニット群CGDU2の校正後実効排気速度Secal(Mi,Qk,θj)を式(11)の実効排気速度Seに適用することにより、校正後データユニット群CGDU1における校正後逆数感度(1/Gp)を求めることができる。
1/Gp=Se/|(ΔSe/Δθ)| …(11)
ステップS100では、校正後データユニット群CGDU1,CGDU2は、APCバルブ3のバルブコントローラ33に出力され、バルブコントローラ33の記憶部333に記憶される。この場合、校正後データユニット群CGDU1,CGDU2は、初期データユニット群GDU1,GDU2とは別に記憶されてもよいし、初期データユニット群GDU1,GDU2に上書きされる形で記憶されてもよい。
なお、逆数感度(1/Gp)の初期データユニット群GDU1について、校正時取得排気速度Scal(Mest,Q0,θj)による逆数感度(1/Gp)のデータユニットと校正時に推定される実効排気速度Se(Mest,Q0,θj)による逆数感度(1/Gp)のデータユニットとの差が、予め定めた閾値よりも小さい場合には、逆数感度(1/Gp)に関する校正処理を実施しなくても良い。
(2:第1推定部411による調圧時のM,Q推定)
上述した校正処理によって、初期データユニット群GDU1,GDU2は校正後データユニット群CGDU1,CGDU2に校正される。APCバルブ3のバルブコントローラ33は、ガス推定器4から入力された校正後データユニット群CGDU1の逆数感度(1/Gp)に基づいて調圧制御を行う。ところで、校正時に用いられるガスのガス種はプロセス時のガス種と異なるので、調圧制御を行う際には、プロセス時のガス種を逐次推定し、推定されたガス種に基づく逆数感度(1/Gp)を用いて調圧制御を行う必要がある。そのため、制御部41の第1推定部411では、APCバルブ3で調圧制御を行う際のガス種および流量すなわち調圧時推定値(Mest2,Qest2)の推定を行う。
図17は、制御部41で実行される調圧時のガス種Mおよび流量Qの推定処理の一例を示すフローチャートである。ステップS200では、開度θrをエンコーダ322から取得するとともに、圧力計測値Prを真空計6から取得する。ステップS210では、校正後データユニット群CGDU2に含まれる36の校正後データユニットCDU2(Se−θ相関)に対して取得された開度θrを適用し、開度θrにおける校正後実効排気速度Secal(Mi,Qk,θr)を36組の(Mi,Qk)に関して算出する(図12を参照)。
ステップS220では、ステップS200で取得した圧力計測値Pr(θr)とステップS210で算出された校正後実効排気速度Secal(Mi,Qk,θr)とから、各(Mi,Qk)における仮流量Qtemp(Mi,Qk,θr)を算出する。調圧時は、バルブプレート311は常に動作して開度が変化しているので、必ずしも平衡状態とは限らない。そのため、仮流量Qtemp(Mi,Qk,θr)は次式(12)によって算出する。式(12)において、Vは真空チャンバ5の容積であり、容積Vは校正時にビルドアップ法等により取得される。また、Δtは制御サイクルの時間間隔であり、通常は1ms〜10ms程度である。
Qtemp(Mi,Qk,θr)=Secal(Mi,Qk,θr)×Pr(θr)
+V×(ΔP/Δt) …(12)
理屈の上では、代入したMi,Qkが実際に導入されているガス種M、流量Qと同一であれば、式(12)で算出される仮流量Qtemp(Mi,Qk,θr)と流量Qkとの差はゼロとなる。そこで、ステップS230では、仮流量Qtemp(Mi,Qk,θr)と流量Qkとの差が閾値(許容誤差)よりも小さいものを、調圧時に推定されるガス種Mest2および流量Qest2の候補として選択する。ここでも、前述した図15のステップS50の場合と同様に、閾値よりも小さい複数個の(Ma,Qtemp(Ma))、(Mb,Qtemp(Mb))、(Mc,Qtemp(Mc))が候補として選択されるとして説明する。
ステップ240では、図15のステップS70の場合と同様の処理によって調圧時のガス種Mおよび流量Qの推定値(Mest,Qest)が決定される。すなわち、ターボ分子ポンプ2のポンプコントローラ22からモータ電流値Iを取得し、モータ電流値Iに対応する初期データユニットDU3(I)からガス種Mの推定値Ma,Mb,Mcに対応する流量Q(Ma)、Q(Mb)、Q(Mc)を求める。
なお、調圧時においては、バルブプレート動作やプロセス条件の切り替わりによってガスの流量が変化し、モータ電流値Irも変動することになる。そのため、モータ電流値をローパス処理したものを上記のモータ電流値Irとして用いるのが好ましい。さらに、求めた推定値(Mest,Qest)に対して、移動平均などの平滑化処理を施して変動誤差を緩和するようにしても良い。
図18は、初期データユニットDU3(I)を示すラインと仮流量Qtemp(Ma,Qa,θr)、Qtemp(Mb,Qb,θr)、Qtemp(Mc,Qc,θr)とをMQ座標上に示した図である。なお、図18では仮流量Qtemp(Ma,Qa,θr)、Qtemp(Mb,Qb,θr)、Qtemp(Mc,Qc,θr)を仮流量Qtemp(Ma)、Qtemp(Mb)、Qtemp(Mc)と表した。図18に示す例の場合、仮流量Qtemp(Ma,Qa,θr)が最も初期データユニットDU3(I)を示すラインに近く、(Ma,Qa)が調圧時推定値(Mest2,Qest2)に決定される。制御部41の第1推定部411で推定された調圧時推定値(Mest2,Qest2)は、バルブコントローラ33およびポンプコントローラ22に入力される。
図17に示した推定処理は、バルブコントローラ33の制御部331における調圧制御の制御時間間隔に同期して逐次実行される。バルブコントローラ33の制御部331は、ガス推定器4から入力される調圧時推定値(Mest2,Qest2)とエンコーダ322から入力される開度θrとに対応する逆数感度1/Gpを、記憶部333から読み出す。例えば、調圧時推定値(Mest2,Qest2)が(M1,Q3)であった場合、校正後データユニット群CGDU1から図19に示す校正後データユニットCDU1(M1,Q3)を選ぶ。そして、制御部331は、校正後データユニットCDU1(M1,Q3)から、現在の開度θrにおけるデータ1/Gp(θr)を選び、その逆数感度1/Gp(θr)を用いて調圧制御を行う。
なお、図17に示した推定処理では、校正後データユニット群CGDU2を用いて調圧時のガス種Mest2および流量Qest2を推定したが、初期データユニット群GDU2を用いて推定処理を行っても良い。例えば、初期校正を行っていない場合には、校正後データユニット群CGDU2を生成していないので、推定処理には初期データユニット群GDU2が用いられる。校正処理は、初期データユニット群GDU2を取得時の真空チャンバのコンダクタンスと真空処理装置の真空チャンバ5のコンダクタンスとの違いを補正するものであり、両者の間のコンダクタンス差が小さい場合には校正時推定値(Mest,Qest)の差も小さいので、校正後データユニット群CGDU2の代わりに初期データユニット群GDU2を用いることが可能である。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
変形例1では、ガス推定器4の演算負荷軽減の一例について説明する。逆数感度(1/Gp)は、流量よりもガス種依存性が大きいことを考慮すると、流量については予め代表的な流量に固定し、ガス種のみをパラメータとして実効排気速度Seのデータユニット、逆数感度(1/Gp)のデータユニットを構成しても良い。さらに、ガス種のパラメータについても3つとし、その3つの中から選択するように構成する。
例えば、流量については200sccmの1種類とし、最も軽いガスとしてH(M=2)を選び、中間ガスHe〜N(M=4〜28)の代表としてHe(M=4)を選び、重いガスAr〜Xe(M=40〜)の代表としてAr(M=40)を選ぶ。このようにパラメータを少なくすることで、推定値(Mest,Qest)を求める際の演算負荷を軽減することができる。
(変形例2)
上述した実施形態では、図1に示したように、ガス推定器4を、ポンプコントローラ22およびバルブコントローラ33とは別に設ける構成としたが、ガス推定器4をバルブコントローラ33やポンプコントローラ22に組み込んでも良い。ガス推定器4をバルブコントローラ33に組み込んだ場合、バルブコントローラ33とポンプコントローラ22との間で、調圧時推定値(Mest2,Qest2)およびモータ電流値Irのデータの送受信が行われる。また、ガス推定器4をポンプコントローラ22に組み込んだ場合、調圧時推定値(Mest2,Qest2)およびモータ電流値Irをポンプコントローラ22からバルブコントローラ33へと送信する。
(変形例3)
上述した図9では、プラントゲインGpのガス種による差異傾向を示した。一方で、図9に示した通り、ガス種が異なっても、プラントゲインGpが最大になる開度θ_Gp_maxはほぼ同じ位置になる。この特性は、ガス種依存性を緩和する特性でもある。例えば、プロセス条件がごく短時間で変化して、常時圧力変動が大きい場合、上述の調圧時のガス種およびガス流量推定が容易でない。そのような場合は、調圧時のガス種およびガス流量推定が正確でない場合の副作用を考慮して、上述の制御性改善の効果には及ばないまでもGpのガス種依存性が弱い面を利用し、初期校正で得られた校正後プラントゲインデータ(校正後データユニット群CGDUの逆数感度(1/Gp))の内、予め決めておいた特定のガス種条件のプラントゲインデータをガス推定器4からAPCバルブ3のバルブコントローラ33へ送信する。バルブコントローラ33は、プロセス条件(ガス種)にかかわらず、この特定データを常に適用して調圧制御のゲイン設定を行う。
−第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、ガス推定器4の調圧時推定値(Mest2,Qest2)に基づいてAPCバルブ3の調圧制御を行った。第2の実施の形態では、ターボ分子ポンプ2の制御部221は、ガス推定器4から入力される調圧時推定値(Mest2,Qest2)に基づいて、図1の真空排気装置1に設けられたターボ分子ポンプ2の予防保全動作を行う。
ターボ分子ポンプ2には、ガス種M毎に排気可能な許容上限流量が定められている。図20は、許容上限流量に関する許容流量データQmax(M)の一例を示す図である。この許容流量データQmax(M)はポンプコントローラ22の記憶部223に記憶されている。ガスの流量が多くなると排気に伴う発熱でポンプロータの温度が上昇するが、温度上昇が高すぎるとロータ寿命の低下を招く。そのため、ターボ分子ポンプ2おいては、ロータ寿命の低下を防止できる流量の上限として図20に示すような許容流量データQmax(M)が設定されている。
図20に示す例では、図13に示す初期データユニットDU3(I1)〜DU3(I6)に重ねて許容流量データQmax(M)のラインを示した。例えば、分子量の小さなガス種(分子量)Meの場合には流量Qeでも許容上限流量Qmax(Me)を下回っているが、分子量の大きなガス種Md(>Me)の場合には、流量Qeよりも小さな流量Qdであっても許容上限流量Qmax(Md)を超えてしまう。
第2の実施の形態では、ポンプコントローラ22の制御部221は、ガス推定器4から入力された調圧時推定値(Mest2,Qest2)に基づいて、図21に示すような予防保全処理を実行する。図21は、予防保全処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す一連の処理は、ターボ分子ポンプ2の回転駆動が開始されるとスタートし、回転駆動が停止されると終了する。
ステップS300では、ガス推定器4からの調圧時推定値(Mest2,Qest2)を受信したか否かを判定し、受信するとステップS310へ進む。
ステップS310では、推定された流量Qest2とガス種Mest2における許容上限流量Qmax(Mest2)とを比較し、流量Qestが許容上限流量Qmax(Mest2)を超えたか否か、すなわち、Qest2>Qmax(Mest2)か否かを判定する。ステップS310でQest2≦Qmax(Mest2)と判定された場合には、ステップS300へ戻る。
一方、ステップS310でQest2>Qmax(Mest2)と判定された場合には、ステップS320へ進んで警報動作を実行する。警報動作の例としては、警報信号をポンプコントローラ22からガス推定器4に出力して表示部43に警報画面を表示しても良いし、真空排気装置1の上位のコントローラに警報信号を出力しても良い。
ステップS330では、ポンプロータの寿命悪化を防止するための保護動作を実行し、ステップS300へ戻る。例えば、ターボ分子ポンプのロータ回転速度を低下させたり、あるいは、ロータ回転を停止させることで、ターボ分子ポンプ2へのガス負荷を低減する。これにより、ポンプロータの温度上昇を抑えることができ、ポンプロータの寿命悪化を抑制することができる。また、真空排気装置1を搭載する真空処理装置側の上位コントローラにガス流量を低下させる保護動作信号を出力して、ターボ分子ポンプ2のガス負荷低減を図っても良い。
なお、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態で説明した変形例1〜3を適用することができる。
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(C1)図1,6,10に示すように、ガス推定器4は、APCバルブ3の開度制御ゲイン値1/Gpに関する相関データである初期データユニット群GDU1および真空排気装置1の実効排気速度Seに関する相関データである初期データユニット群GDU2を含む第1相関データと、ターボ分子ポンプ2における流量Q、ガス種Mおよびモータ電流値Iの間の相関関係を表す初期データユニット群GDU3である第2相関データとを記憶する記憶部42と、少なくとも第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、真空排気装置1により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定する第1推定部と、を備え、第1推定部の推定結果に基づいて、APCバルブ3の制御に用いられる制御補正情報を出力する。
第1推定部の推定結果に基づく制御補正情報はガス種に基づく情報なので、制御補正情報を利用することで、APCバルブ3の調圧制御をより高精度に行うことができる。なお、少なくとも第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、真空排気装置1により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定する第1推定部は、図10の第1推定部411または第2推定部412が対応する。後述するように、第1推定部411が対応する場合の制御補正情報は流量Qest2およびガス種Mest2であり、第2推定部412が対応する場合の制御補正情報は校正後データユニット群CGDU1,CGDU2である。
(C2)上述した(C1)における第1推定部として図10の第1推定部411が対応する場合、第1推定部411は、ターボ分子ポンプ2のモータ電流値Ir、APCバルブ3の開度θ、真空排気装置1により真空排気する真空チャンバ5の圧力計測値Pr、第1相関データおよび第2相関データに基づいて、真空排気装置1により真空排気されるガスの流量Qest2およびガス種Mest2を推定し、第1推定部411の推定結果である流量Qest2およびガス種Mest2を上述した制御補正情報として出力する。
APCバルブ3は、ガス推定器4により出力された推定結果(流量Qest2およびガス種Mest2)を利用することで、調圧制御をより高精度に行うことができる。
(C3)さらに、所定流量Q0のガス排気時における複数のバルブ開度毎θ1〜θ20の圧力計測値Pr、開度θ1〜θ20、真空ポンプ(ターボ分子ポンプ2)のモータ電流値Ir、第1相関データ(初期データユニット群GDU1,GDU2)および第2相関データ(初期データユニット群GDU3)に基づいて、真空排気装置1により真空排気されるガスの流量Qestおよびガス種Mestを推定する第2推定部412と、第2推定部412により推定されるガス種Mestに基づいて第1相関データ(初期データユニット群GDU1,GDU2)を校正する校正部413と、を備え、記憶部42に記憶されている校正前の第1相関データ(初期データユニット群GDU1,GDU2)を、校正部413で校正された第1相関データ(校正後データユニット群CGDU1,CGDU2)で置き換えるようにしても良い。
このように、校正部413で校正された第1相関データを用いて上述した第1推定部411による流量Qest2およびガス種Mest2の推定を行うことにより、調圧時推定値(Mest2、Qest2)の推定精度が向上し、調圧制御の精度をさらに向上させることができる。なお、ガス推定器4にとって初期校正時のガス種は未知であるが、上述のように第2推定部412によってガス種Mestを推定することで、校正部413における校正をより精度良く行うことができる。
(C4)また、判定部414は、第2推定部412で推定される流量Qestに基づいて、複数のバルブ開度毎の圧力計測時における流量が所定流量Q0か否かを判定する。その判定により校正時に流入されるガスの流量が適切か否かを判断できるので、図15のフローチャートのように判定結果を校正処理に反映させることで、適切な校正処理を確実に実行することができる。
(C5)第1推定部411から出力される流量Qest2およびガス種Mest2を真空排気装置1のAPCバルブ3の調圧制御に適用する場合、図6に示すように、ゲイン値設定部340では、第1推定部411で推定された流量Qest2およびガス種Mest2とエンコーダ322により計測された開度θrとゲインデータ(校正後データユニット群CGDU1)とに基づいて調圧時のゲイン値である逆数感度(1/Gp)を設定する。そして、APCバルブ3の制御部331は、設定されたゲイン値と圧力計測値Prとに基づいてバルブ開度θを制御する。その結果、APCバルブ3の調圧制御をより高精度に行うことができる。
(C6)また、第1推定部411から出力される流量Qest2およびガス種Mest2を真空排気装置1の真空ポンプ(ターボ分子ポンプ2)に適用する場合、第1推定部411で推定される流量Qest2が、許容流量データQmax(M)および第1推定部411で推定されるガス種Mest2に基づいて取得される許容上限流量Qmax(Mest2)よりも大きい場合に、ポンプコントローラ22の制御部221より警報情報を出力する。その結果、警報情報に基づいて、ポンプロータの寿命悪化を防止するための処置を速やかに取ることができる。また、寿命に関する警報情報を真空処理装置側の上位コントローラに伝え、さらにきめ細やかな寿命対応処置を可能にできる。
(C7)また、上述した(C1)における第1推定部として図10の第2推定部412が対応する場合、上述した変形例3のように、第2推定部412は、所定流量Q0のガス排気時における複数のバルブ開度毎θ1〜θ20の圧力計測値Pr、開度θ1〜θ20、真空ポンプ(ターボ分子ポンプ2)のモータ電流値Ir、第1相関データ(初期データユニット群GDU1,GDU2)および第2相関データ(初期データユニット群GDU3)に基づいて、真空排気装置1により真空排気されるガスの流量Qestおよびガス種Mestを推定する。校正部413は、推定部412により推定されるガス種Mestに基づいて第1相関データ(初期データユニット群GDU1,GDU2)を校正する。校正部413で校正された校正後第1相関データ(校正後データユニット群CGDU1およびCGDU2)をガス推定器4の外部へ出力する。
APCバルブ3は、ガス推定器4から出力された校正後第1相関データ(校正後データユニット群CGDU1およびCGDU2)を用いることによって、より精度の高い開度制御を行うことができる。
(C8)例えば、図6のゲイン値設定部340は、予め設定されたガス種、バルブ開度計測値θr、および校正後第1相関データ(校正後データユニット群CGDU1およびCGDU2)に基づいて、調圧時のバルブ開度制御のゲイン値1/Gp(θr)を設定する。そして、設定されたゲイン値1/Gp(θr)と圧力計測値Prとに基づいてバルブ開度を制御する。
図9に示したように、プラントゲインGpが最大になる開度θ_Gp_maxはガス種が異なってもほぼ同じ位置になる。これは、プラントゲインGpはガス種依存性が弱いことを表しており、このことを利用して、ガス種が不明なプロセス中のガスについて特定のガス種を仮定し、その特定のガス種条件と校正後データユニット群CGDU1とに基づく逆数感度(1/Gp)を用いることで、バルブ開度制御の精度向上を図ることができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。例えば、APCバルブ3に接続される真空ポンプとしてターボ分子ポンプ2を用いる場合を例に説明したが、真空ポンプはターボ分子ポンプに限定されない。また、APCバルブはバルブプレートを揺動駆動する方式のバルブであったが、この方式に限定されない。
1…真空排気装置、2…ターボ分子ポンプ、3…自動圧力調整バルブ(APCバルブ)、4…ガス推定器、5…真空チャンバ、6…真空計、41,221,331…制御部、42,223,333…記憶部、322…エンコーダ、340…ゲイン値設定部、411…第1推定部、412…第2推定部、413…校正部、414…判定部、GUD1〜GUD3…初期データユニット群、CGUD1,CGUD2…校正後データユニット群

Claims (8)

  1. 真空ポンプと、前記真空ポンプの吸気口に接続された自動圧力調整バルブを備える真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定するガス推定装置であって、
    前記自動圧力調整バルブの開度制御ゲイン値に関する相関データおよび前記真空排気装置の実効排気速度に関する相関データを含む第1相関データと、前記真空ポンプにおける流量、ガス種およびモータ電流値の間の相関関係を表す第2相関データとを記憶する相関データ記憶部と、
    少なくとも前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定する第1推定部と、を備え、
    前記開度制御ゲイン値に関する相関データは、前記開度制御ゲイン値、前記真空排気装置により真空排気するガスのガス種と流量、および前記自動圧力調整バルブのバルブ開度の間の相関関係を表し、
    前記実効排気速度に関する相関データは、前記実効排気速度、前記真空排気装置により真空排気するガスのガス種と流量、および前記自動圧力調整バルブのバルブ開度の間の相関関係を表し、
    前記第1推定部の推定結果に基づいて、前記自動圧力調整バルブの制御に用いられる制御補正情報を出力する、ガス推定装置。
  2. 請求項1に記載のガス推定装置において、
    前記第1推定部は、前記真空ポンプのモータ電流値、前記自動圧力調整バルブのバルブ開度、前記真空排気装置により真空排気する真空チャンバの圧力計測値、前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定し、
    前記第1推定部の推定結果を前記制御補正情報として出力する、ガス推定装置。
  3. 請求項2に記載のガス推定装置において、
    所定流量のガス排気時における複数のバルブ開度毎の圧力計測値、前記複数のバルブ開度、前記真空ポンプのモータ電流値、前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定する第2推定部と、
    前記第2推定部により推定されるガス種に基づいて前記第1相関データを校正する校正部と、を備え、
    前記相関データ記憶部に記憶されている校正前の前記第1相関データは、前記校正部で校正された第1相関データにより置き換えられる、ガス推定装置。
  4. 請求項3に記載のガス推定装置において、
    前記第2推定部で推定される流量に基づいて、複数のバルブ開度毎の圧力計測時における流量が前記所定流量か否かを判定する判定部を備える、ガス推定装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のガス推定装置と、
    真空ポンプと、
    前記真空ポンプの吸気口側に接続される自動圧力調整バルブと、を備え、
    前記自動圧力調整バルブは、
    バルブ開度を計測する開度計測器と、
    前記第1推定部で推定された流量およびガス種とバルブ開度計測値と、前記相関データ記憶部に記憶されている第1相関データとに基づいて、調圧時のバルブ開度制御のゲイン値を設定するゲイン値設定部と、
    設定されたゲイン値と前記圧力計測値とに基づいてバルブ開度を制御するバルブ開度制御部とを備える、真空排気装置。
  6. 請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のガス推定装置と、
    真空ポンプと、
    前記真空ポンプの吸気口側に接続される自動圧力調整バルブと、を備え、
    前記真空ポンプは、
    前記真空ポンプにより排気されるガスのガス種と許容上限流量との相関を表す許容流量データを記憶する許容流量データ記憶部と、
    前記第1推定部で推定される流量が、前記許容流量データおよび前記第1推定部で推定されるガス種に基づいて取得される許容上限流量よりも大きい場合に、警報情報を出力するポンプ制御部とを備える、真空排気装置。
  7. 請求項1に記載のガス推定装置において、
    前記第1推定部は、所定流量のガス排気時における複数のバルブ開度毎の圧力計測値、前記複数のバルブ開度、前記真空ポンプのモータ電流値、前記第1相関データおよび前記第2相関データに基づいて、前記真空排気装置により真空排気されるガスの流量およびガス種を推定し、
    前記第1推定部により推定されるガス種に基づいて前記第1相関データを校正する校正部をさらに備え、
    前記校正部で校正された校正後第1相関データを前記制御補正情報として出力する、ガス推定装置。
  8. 請求項7に記載のガス推定装置と、
    真空ポンプと、
    前記真空ポンプの吸気口側に接続される自動圧力調整バルブと、を備え、
    前記自動圧力調整バルブは、
    バルブ開度を計測する開度計測器と、
    予め設定されたガス種、バルブ開度計測値、および前記校正後第1相関データに基づいて、調圧時のバルブ開度制御のゲイン値を設定するゲイン値設定部と、
    設定されたゲイン値と前記圧力計測値とに基づいてバルブ開度を制御するバルブ開度制御部とを備える、真空排気装置。
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