JP6840937B2 - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、3つの回転要素にエンジンと第1モータと第2モータとが接続された遊星歯車機構における第2モータが接続された回転要素が有段変速機を介して車輪に連結された駆動軸に接続されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、キャパシタおよびバッテリが第1,第2インバータを介して第1モータおよび第2モータに接続されている。そして、変速中でないときには、キャパシタの充電量が所定範囲内となるように第1,第2インバータを制御する。これにより、変速中において、バッテリより応答性の良好なキャパシタから第1モータへ電力を供給して第1モータを応答性よく駆動することができ、第1モータの制御遅れを抑制して、変速を円滑に行なっている。
特開2007−118726号公報
一般に、上述した構成のハイブリッド自動車では、シフトポジションがニュートラルポジションにシフト操作されたときには、エンジンや第1,第2モータから駆動軸への動力の出力が遮断されるニュートラル状態を形成する。ニュートラル状態を形成する手法として、有段変速機により第2モータが接続された回転要素と駆動軸とを接続した状態で第1,第2インバータをゲート遮断する手法が考えられるが、この手法では、エンジンからの動力を用いた第1モータの発電よってバッテリの充電を行なうことができないから、バッテリの蓄電量が低下する。ニュートラル状態を形成しつつバッテリの充電を行なう手法としては、有段変速機により第2モータが接続された回転要素と駆動軸との接続を解除してニュートラル状態を形成する手法が考えられる。しかしながら、この手法では、シフトポジションがニュートラルポジションにシフト操作されてから短時間でドライブポジションにシフト操作されると、有段変速機による第2モータが接続された回転要素と駆動軸との接続を解除してから短時間で回転要素と駆動軸とを再接続することになり、再接続時にショックが生じる場合がある。
本発明のハイブリッド自動車は、第2モータが接続された回転要素と駆動軸との接続の解除と再接続とが短時間で行なわれることを回避することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、第1モータと、前記第1モータを駆動する第1インバータと、前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸と第3軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記第3軸に動力を入出力可能な第2モータと、前記第2モータを駆動する第2インバータと、前記第3軸と車軸に連結された駆動軸との間に設けられた有段変速機と、前記第1インバータおよび前記第2インバータを介して前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、前記エンジンと前記第1インバータと前記第2インバータと前記有段変速機とを制御する制御装置と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、シフトポジションがニュートラルポジションにシフト操作されたときにおいて、
前記バッテリの充電を行なわないときには、前記有段変速機により前記第3軸と前記駆動軸とを接続した状態で前記第1インバータおよび前記第2インバータをゲート遮断してニュートラル状態を形成し、
前記バッテリの充電を行なうときには、前記有段変速機による前記第3軸と前記駆動軸との接続を解除してニュートラル状態を形成すると共に前記エンジンからの動力を用いた前記第1モータの発電によって前記バッテリを充電し、
更に、前記制御装置は、前記シフトポジションが前記ニュートラルポジションにシフト操作されてから所定時間が経過するまでは、前記有段変速機による前記第3軸と前記駆動軸との接続の解除を行なわない、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、シフトポジションがニュートラルポジションにシフト操作されたときにおいて、バッテリの充電を行なわないときには、有段変速機により第3軸と駆動軸とを接続した状態で第1インバータおよび前記第2インバータをゲート遮断してニュートラル状態を形成する。そして、バッテリの充電を行なうときには、有段変速機による第3軸と駆動軸との接続を解除してニュートラル状態を形成すると共にエンジンからの動力を用いた第1モータの発電によってバッテリを充電する。更に、シフトポジションがニュートラルポジションにシフト操作されてから所定時間が経過するまでは、有段変速機による第3軸と駆動軸との接続の解除を行なわない。これにより、バッテリの充電を行なうときでもあっても、シフトポジションがニュートラルポジションにシフト操作されてから所定時間が経過するまでは、有段変速機による第3軸と駆動軸との接続の解除を行なわないから、有段変速機による第2モータが接続された回転要素と駆動軸との接続の解除と再接続が短時間で行なわれることを回避することができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記シフトポジションが前記ニュートラルポジションにシフト操作されてから前記所定時間が経過した後であっても、前記バッテリへの充電が要求されるまでは、前記有段変速機による前記第3軸と前記駆動軸との接続の解除を行なわないものとしてもよい。こうすれば、バッテリの充電が要求されていないにも拘わらず、有段変速機による第2モータが接続された回転要素と駆動軸との接続の解除と再接続とが不必要に行なわれることを抑制することができる。
本発明の実施例のハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行されるNポジション時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 シフトポジションSPやNポジション継続時間tn,蓄電割合SOC,変速機130の接続解除要求,インバータ41,42のシャットダウン要求、充電要求、充電履歴の時間変化の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例のハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、変速機130と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートから入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrや、スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットル開度THなどを挙げることができる。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動制御信号や、燃料噴射弁への駆動制御信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの駆動制御信号などを挙げることができる。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、中間軸32が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が中間軸32に接続されている。インバータ41,42は、電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40に入力される信号としては、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流などを挙げることができる。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、温度センサ51cからの電池温度Tbと蓄電割合SOCとに基づいてバッテリ50の出力制限Woutを演算している。出力制限Woutは、バッテリ50から放電してもよい最大許容電力である。
変速機130は、油圧駆動による前進方向に複数段(例えば、2段,3段,4段など)変速の有段自動変速機として構成されている。変速機130は、中間軸32(変速機130の入力軸)と、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36(変速機130の出力軸)と、の間に接続されている。変速機130は、中間軸32と駆動軸36との接続を解除することもできるよう構成されている。変速機130は、HVECU70からの制御信号によって変速する。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPなどを挙げることができる。また、車速センサ88からの車速Vや、モード切替スイッチ90からのモード切替制御信号なども挙げることもできる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
ここで、シフトポジションSPとしては、駐車ポジション(Pポジション)、後進ポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、前進ポジション(Dポジション)、マニュアルポジション(Mポジション)などがある。そして、マニュアルポジション(Mポジション)には、アップシフトポジション(+ポジション)とダウンシフトポジション(−ポジション)とが併設されている。モード切替スイッチ90は、若干の燃費の悪化は伴うが運転者の運転感覚(ドライバビリティ・ドライブフィーリング)を優先する運転感覚優先モードと燃費を優先する通常運転モードとを含む走行モードを選択するスイッチである。走行モードについては、本発明の中核をなさないので、その説明を省略する。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、ハイブリッド走行(HV走行)モードと電動走行(EV走行)モードとを含む複数の走行モードの何れかで走行する。ここで、HV走行モードは、エンジン22を運転しながら、エンジン22からの動力とモータMG1,MG2からの動力とを用いて走行するモードである。EV走行モードは、エンジン22を運転せずに、モータMG2からの動力によって走行するモードである。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、シフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)にシフト操作されたときの動作について説明する。図2は、HVECU70により実行されるNポジション時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)にシフト操作されたときに、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
本ルーチンが実行されると、HVECU70は、蓄電割合SOCやNポジション継続時間tn,充電履歴など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。蓄電割合SOCは、バッテリECU52により演算されたものを通信により入力している。Nポジション継続時間tnは、シフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)に操作されてからの経過時間として、HVECU70に内蔵された図示しないタイマーにより計測された時間を入力している。Nポジション継続時間tnは、シフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)と異なるポジションに操作されたときに値0に設定される。充電履歴は、シフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)にシフト操作されてから、エンジン22からの動力を用いたモータMG1の発電によってバッテリ50を充電した履歴であり、後述するステップS190の処理で設定される。充電履歴は、シフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)とは異なるシフトポジション(例えば、Dポジションなど)にシフト操作されたときにクリアされる。
こうしてデータを入力したら、続いて、Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過しているか否かを判定する(ステップS110)。所定時間tnrefは、例えば、25sec,30sec,35secなどに設定される。
Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過していないときには、変速機130によって中間軸32と駆動軸36とが接続されるように変速機130を制御して(ステップS120)、インバータ41,42のゲート遮断要求(インバータ41,42を構成する複数のスイッチング素子のゲートをオフとする要求)をモータECU40に送信して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。ゲート遮断要求を受信したモータECU40は、インバータ41,42を構成する複数のスイッチング素子のゲートをオフとする処理を実行する。こうした処理により、変速機130により中間軸32と駆動軸36とを接続した状態で、インバータ41,42をゲート遮断してニュートラル状態を形成することができる。
Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過したときには、続いて、蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満であるか否かを判定する(ステップS150)。所定割合SOC1は、バッテリ50の蓄電割合SOCの目標範囲の下限として予め定めた割合であり、例えば、25%,27%,29%などに設定される。したがって、ステップS150の処理は、蓄電割合SOCを目標範囲内とするためにバッテリ50の充電が必要であるか否かを判定する処理となる。
蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満であるときには、バッテリ50を充電する必要があると判断して、中間軸32と駆動軸36との接続の解除要求を出力して、中間軸32と駆動軸36との接続が解除されるように変速機130を制御し(ステップS160)、インバータ41,42のゲート遮断要求の解除をモータECU40に送信し(ステップS170)、充電要求を出力し(ステップS180)、充電履歴を有りに設定して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。充電要求が出力されると、HVECU70は、エンジン22からの動力を用いたモータMG1の発電によってバッテリ50が充電されるようにエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して、目標回転数Ne*,目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。目標回転数Ne*,目標トルクTe*を受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転されるようにエンジン22の燃料噴射制御などを実行する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動するように、インバータ41,42を制御する。
蓄電割合SOCが所定割合SOC1以上であるときには、充電履歴が有るか否かを判定する(ステップS200)。充電履歴が有るときには、蓄電割合SOCが所定割合SOC2を超えているか否かを判定する(ステップS210)。ここで、所定割合SOC2は、バッテリ50の蓄電割合SOCの目標範囲の上限として予め定めた割合であり、例えば、38%,40%,42%などに設定される。したがって、ステップS210の処理は、バッテリ50の充電を継続すると蓄電割合SOCが目標範囲外となるか否かを判断する処理となる。
蓄電割合SOCが所定割合SOC2を超えているときには、バッテリ50の充電を継続すると蓄電割合SOCが目標範囲外がなっていると判断して、充電要求の出力を停止して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。充電要求の出力を停止すると、HVECU70は、エンジン22からの動力を用いたモータMG1の発電が停止されるようにエンジン22とモータMG1,MG2とを制御する。このとき、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続を解除してニュートラル状態を形成する。
蓄電割合SOCが所定割合SOC2以下であるときには、現在の制御を継続して、本ルーチンを終了する。つまり、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続を解除してのニュートラル状態の形成を継続する。また、充電要求の出力されているときには充電要求の出力を継続し、充電要求の出力が停止しているときには充電要求の出力の停止を継続する。
蓄電割合SOCが所定割合SOC1以上であり、且つ、充電履歴が無いときには、変速機130による中間軸32と駆動軸36とを接続するように変速機130を制御して(ステップS120)、インバータ41,42のゲート遮断要求をモータECU40に送信して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。
図3に、シフトポジションSPやNポジション継続時間tn,蓄電割合SOC,変速機130の接続解除要求,インバータ41,42のゲート遮断要求、充電要求、充電履歴の時間変化の一例を示す。シフトポジションSPがニュートラルポジション(Nポジション)にシフト操作されると(時刻t1)、変速機130により中間軸32と駆動軸36とを接続して、インバータ41,42をゲート遮断することによりニュートラル状態を形成する(ステップS110〜S130)。このとき、バッテリ50の充電要求が出力されていないから、バッテリ50の充電を行なわれない。
そして、Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過したときに(時刻t2)、蓄電割合SOCが所定割合SOC1以上であり、且つ、充電履歴が無いときには、変速機130により中間軸32と駆動軸36とを接続して、インバータ41,42をゲート遮断することによりニュートラル状態を形成する(ステップS110,S150,S200,S120,S130)。このとき、バッテリ50の充電要求が出力されないから、バッテリ50の充電を行なわれない。Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過したときに、蓄電割合SOCが所定割合SOC1以上であり、且つ、充電履歴が無いときは、シフトポジションSPがニュートラルポジションにシフト操作されたときに、バッテリ50が十分に充電されているから、バッテリ50を充電する必要がなく、変速機130により中間軸32と駆動軸36とを接続する必要がない。そのため、変速機130により中間軸32と駆動軸36とを接続して、インバータ41,42をゲート遮断することによりニュートラル状態を形成することにより、不必要な中間軸32と駆動軸36との接続を抑制することができる。
例えば、図示しない補機などの駆動によりバッテリ50の電力が消費され、蓄電割合SOCが低下して所定割合SOC1未満になると(時刻t3)、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続を解除してニュートラル状態を形成し、インバータ41,42のゲート遮断を解除して、充電要求を出力して、エンジン22からの動力を用いたモータMG1の発電でバッテリ50を充電する(ステップS110,S150〜S190)。このように、実施例では、Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過し、且つ、蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満となるまで、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続を解除しない。ここで、例えば、信号待ちでシフトポジションSPがNポジションにシフト操作されて停車し、その後、比較的短時間で、シフトポジションSPが他のポジション(例えば、前進ポジション(Dポジション)など)にシフト操作されて発進する場合を考える。この場合、シフトポジションSPがNポジションにシフト操作された後に直ちに中間軸32と駆動軸36との接続を解除すると、その後、短時間でシフトポジションSPが他のポジションにシフト操作されたときに、発進のために中間軸32と駆動軸36とを再接続するから、発進時にショックが生じる場合がある。実施例のハイブリッド自動車20では、Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過し、且つ、蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満となるまで、中間軸32と駆動軸36との接続を解除しないから、中間軸32と駆動軸36との接続の解除と再接続とが短時間でなされることを回避することができ、ショックの発生を回避することができる。
バッテリ50を充電して蓄電割合SOCが所定割合SOC1以上となると、蓄電割合SOCが所定割合SOC2を超えるまで、変速機130によって中間軸32と駆動軸36との接続を解除してのニュートラル状態の形成を継続し、エンジン22の動力を用いたモータMG1の発電でバッテリ50を充電する(ステップS150,S200,S210)。これにより、バッテリ50の蓄電割合SOCを目標範囲内でより高くすることができる。
そして、蓄電割合SOCが所定割合SOC2を超えたときには(時刻t3)、蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満になるまで、充電要求の出力を停止し、エンジン22の動力を用いたモータMG1の発電によるバッテリ50の充電を停止する(ステップS210,S220)。このとき、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続を解除してのニュートラル状態の形成を継続する。
そして、蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満になると(時間t4)、エンジン22からの動力を用いたモータMG1の発電でバッテリ50を充電する(ステップS150〜S190)。このように、シフトポジションSPがニュートラルポジションにシフト操作されてから所定時間tnrefが経過して一旦蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満になったとき以降は、変速機130により中間軸32と駆動軸36との接続を解除してのニュートラル状態の形成を継続することにより、よりスムーズに、エンジン22の動力を用いたモータMG1の発電を行なうことができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、シフトポジションSPがニュートラルポジションにシフト操作されたときにおいて、バッテリ50の充電を行なわないときには、変速機130により中間軸32と駆動軸36とを接続した状態でインバータ41,42をゲート遮断してニュートラル状態を形成し、バッテリ50の充電を行なうときには、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続を解除してニュートラル状態を形成すると共にエンジン22からの動力を用いたモータMG1の発電によってバッテリ50を充電し、シフトポジションSPがニュートラルポジションにシフト操作されてから所定時間tnrefが経過して蓄電割合SOCが所定割合SOC1未満になるまで、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続の解除を行なわないから、中間軸32と駆動軸36との接続が解除と再接続とが短時間に行なわれることを回避することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過した場合において、蓄電割合SOCが所定割合SOC1以上であり且つ充電履歴が無いときには、変速機130により中間軸32と駆動軸36とを接続しているが、Nポジション継続時間tnが所定時間tnrefを経過した場合においては、蓄電割合SOCや充電履歴に拘わらず、変速機130による中間軸32と駆動軸36との接続を解除してニュートラル状態を形成してもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、インバータ41が「第1インバータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「遊星歯車機構」に相当し、インバータ42が「第2インバータ」に相当し、変速機130が「有段変速機」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、エンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とが「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、32 中間軸、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 モード切替スイッチ、130 変速機、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、第1モータと、前記第1モータを駆動する第1インバータと、前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸と第3軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記第3軸に動力を入出力可能な第2モータと、前記第2モータを駆動する第2インバータと、前記第3軸と車軸に連結された駆動軸との間に設けられた有段変速機と、前記第1インバータおよび前記第2インバータを介して前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、前記エンジンと前記第1インバータと前記第2インバータと前記有段変速機とを制御する制御装置と、を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記制御装置は、
    フトポジションがニュートラルポジションにシフト操作されてから所定時間が経過していないとき、および、前記シフトポジションが前記ニュートラルポジションにシフト操作されてから前記所定時間が経過している場合において前記バッテリの蓄電割合が所定割合以上のときには、前記有段変速機により前記第3軸と前記駆動軸とを接続した状態で前記第1インバータおよび前記第2インバータをゲート遮断し、
    前記シフトポジションが前記ニュートラルポジションにシフト操作されてから前記所定時間が経過している場合において前記バッテリの前記蓄電割合が前記所定割合未満のときには、前記有段変速機による前記第3軸と前記駆動軸との接続を解除すると共に前記第1インバータおよび前記第2インバータのゲート遮断を解除して前記エンジンからの動力を用いた前記第1モータの発電によって前記バッテリを充電する、
    ハイブリッド自動車。
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