JP6840287B2 - 入力装置、入力装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

入力装置、入力装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示の一側面は、入力装置、入力装置の制御方法、及びプログラムに関する。
物体の近接を検知するセンサは、様々な電子機器においてユーザの操作情報などを入力する装置に用いられている。物体の近接を検知するセンサには、抵抗膜方式や光学方式、静電容量方式などの種々のタイプが存在しており、例えばスマートフォンなどでは静電容量センサが広く採用されている。
一般的な静電容量センサとして、物体と検出電極との間における静電容量を検出する自己容量型センサや、駆動電極と検出電極との間における静電容量を検出する相互容量型センサなどが知られている。これらのセンサは、何れも静電容量の変化によって物体の近接を検知する。しかしながら静電容量の変化は、物体の近接以外の要因、例えば温度や湿度、周囲に置かれた物の状態などの環境的な要因でも発生する。すなわち、センサによる静電容量の検出値には、物体の近接に起因して変化する成分の他に、環境的な要因で変化する成分が含まれている。そのため、静電容量の検出値を一定のしきい値と比較する簡易な方法を用いた場合、ある温度では物体の近接を正常に検知できても、他の温度では正常に検知できなくなるといった不具合が生じる。
そこで、静電容量センサの検出値から物体の近接状態を判定する場合、一般に、対象物(指など)が近接していないときの検出値に基づいて設定された基準値(ベースライン値、キャリブレーション値などとも呼ばれる)が用いられる。基準値は物体の近接に応じて変化しない成分とみなされ、基準値に対する検出値の相対的な変化分(差分値)が物体の近接状態を表すものと推定される。差分値を適当なしきい値と比較することにより、物体の近接の有無が判定される。
基準値を用いる方法では、温度などの環境の変化が生じても、基準値を適切に更新することで近接状態の誤判定を回避できる。しかしながら、対象物が近接している状態で基準値の更新が行われると、この状態が判定の基準となるため、その後に対象物が近接しても、未近接の状態であると誤って判定されることになる。従って、基準値を用いる方法では、対象物が近接していない適切な状態で基準値の更新を行う必要がある。
下記の特許文献1に記載される装置では、全てのセンサにおける静電容量の各検出値が一定範囲内にある状態が一定時間以上継続した場合、操作面上に指が置かれていないと判断されて、基準値の更新が行われる。
特開2017−111507号公報
しかしながら、上述した特許文献1の方法では、複数のセンサの検出値が一定範囲内にある状態を基準値の更新タイミングとしているため、環境的な要因で複数のセンサの検出値にばらつきがある場合(例えば日光の照射などでセンサ群の温度の分布にばらつきがある場合や、一部のセンサの近くに文具などが置かれた場合)には基準値の更新が行われなくなり、誤判定が生じやすくなる。また、センサが単独である場合、この方法は適用できない。
複数のセンサの検出値を比較せずに基準値の更新タイミングを決定する方法として、例えば、検出値の変化が一定時間以上継続的に小さい状態を更新タイミングとする方法が考えられる。この方法では、更新タイミングの決定条件において検出値の状態の継続時間をあまり長くすると、その分だけ基準値の更新が遅れてしまい、誤判定が生じ易くなる。また、更新タイミングの決定条件における検出値の変化幅をあまり小さくしても、基準値が更新され難くなるため誤判定が生じ易くなる。しかしながら、センサの近くに手の一部などが置かれ続けた場合にも、検出値の変化が比較的小さい状態に保たれると予想されることから、このような場合は基準値が更新されないようにする必要がある。
そこで本開示の一側面は、検出対象の物体が近接している状態での基準値の更新を抑制できる入力装置、入力装置の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一側面では、物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置が提供される。この入力装置は、物体の近接の度合に応じて変化する検出信号を生成する検出部と、検出部において生成された一連の検出信号に基づいて、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じているか否か判定する判定部と、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定部において判定された場合、検出部において生成された検出信号に基づいて、物体が近接していない状態の検出信号の値を示す基準値を更新する基準値更新部とを有する。判定部は、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合が高いほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定し易くなるように判定基準を変更する。
本開示の一側面によれば、検出対象の物体が近接している状態での基準値の更新を抑制できる入力装置、入力装置の制御方法、及びプログラムを提供できる。
本実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。 検出部の構成の一例を示す図である。 検出信号の大きさと第2時間との関係を図解した図である。 本実施形態に係る入力装置において検出信号を取得してから差分値を算出するまでの処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第1時間における検出信号の最大値と最小値との差の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。 第1時間における検出信号の変化を近似する回帰直線の一例を示す図である。 第1時間における検出信号の変化を近似する回帰直線の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。 第3の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第3の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。 第4の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第5の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。 検出信号の大きさと第1時間との関係を図解した図である。 第6の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第7の実施形態に係る入力装置における判定部の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る入力装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。図1に示す入力装置は、n個の検出部10−1〜10−n(以下、区別せずに「検出部10」と記す場合がある。)と、処理部30と、記憶部40と、インターフェース部50とを有する。図2は、検出部10の構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る入力装置は、指やペンなどの物体の近接度合に応じた情報を入力する装置であり、例えばタッチセンサやタッチパッドなどのように、操作面における物体の接触の有無や接触位置、近接の度合などに関する情報を入力する。なお、本明細書における「近接」とは近くにあることを意味しており、接触の有無を限定しない。
(検出部10)
検出部10−i(iは1からnまでの整数を示す。)は、物体1(指など)の近接度合に応じた検出信号Si(以下、区別せずに「検出信号S」と記す場合がある。)を生成する。検出部10は、処理部30の後述する制御部301の制御に従って、検出信号Sを反復的に生成する。
検出部10は、例えば図2に示すように、検出電極101と静電容量検出回路102を含む。検出電極101は、物体1の近接度合に応じて静電容量が変化するキャパシタCxを形成する。キャパシタCxは、交流的に接地電位の導体とみなせる指などの物体1と検出電極101との間に形成される寄生的な容量成分である。キャパシタCxの静電容量は、物体1が検出電極101に近づくほど大きくなる。
静電容量検出回路102は、検出電極101を介して伝送されるキャパシタCxの電荷に基づいて、キャパシタCxの静電容量に応じた検出信号Sを生成する。静電容量検出回路102は、例えば図2に示すように、演算増幅器110と、駆動電圧供給部111と、キャパシタCf1と、アナログ−デジタル変換器(以下、「AD変換器」と記す。)112と、復調部113と、ローパスフィルタ114とを含む。
演算増幅器110の反転入力端子と出力端子との間には、キャパシタCf1が接続される。演算増幅器110の非反転入力端子には、駆動電圧供給部111によって交流の駆動電圧Vd1が供給される。検出電極101は、演算増幅器110の反転入力端子に接続される。駆動電圧供給部111の駆動電圧Vd1は、例えば正弦波の交流電圧である。演算増幅器110は、反転入力端子の電圧と非反転入力端子の電圧とがほぼ一致するように、出力電圧Vo1を制御するため、キャパシタCxには、駆動電圧Vd1とほぼ同じ交流電圧が発生する。キャパシタCxに交流電圧が発生するとき、この交流電圧とキャパシタCxの静電容量とに比例した電荷の変化が生じる。キャパシタCxにおける電荷の変化は、キャパシタCf1における電荷の変化とほぼ等しい。その結果、キャパシタCf1に生じる交流電圧は、キャパシタCxの静電容量に概ね比例した振幅を持つ。演算増幅器110の出力電圧Vo1は、キャパシタCf1に生じる交流電圧と駆動電圧Vd1との和に相当する電圧となる。
AD変換器112は、演算増幅器110の出力電圧Vo1をデジタル値に変換する。例えばAD変換器112は、駆動電圧供給部111の駆動電圧Vd1と演算増幅器110の出力電圧Vo1との差を増幅する差動アンプを含んでおり、この差動アンプの出力信号(キャパシタCf1の交流電圧に相当する信号)をデジタル値に変換する。
復調部113は、AD変換器112においてデジタル値に変換された信号から、キャパシタCf1の交流電圧の振幅に相当する成分、すなわち、キャパシタCxの静電容量に比例した成分を復調する。例えば復調部113は、AD変換器112においてデジタル値に変換された信号に駆動電圧Vd1とほぼ同相の交流信号を乗算する。ローパスフィルタ114は、復調部113の乗算処理による高調波成分やAD変換器112のエイリアシングによるノイズ成分を除去する。これにより、ローパスフィルタ114から出力される検出信号Sは、キャパシタCxの静電容量に概ね比例した信号となる。
(処理部30)
処理部30は、入力装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えば、記憶部40に格納されたプログラム401の命令コードに従って処理を行うコンピュータや、特定の機能を実現するように構成された専用のハードウェア(ロジック回路等)を含んで構成される。処理部30の処理は、全てコンピュータにおいてプログラム401に基づいて実現してもよいし、その少なくとも一部を専用のハードウェアで実現してもよい。
処理部30は、各検出部10からそれぞれ周期的に検出信号Sを取得して、検出部10ごとに検出信号Sと基準値BVとの差を算出する。そして処理部30は、この算出した差に基づいて、各検出部10(各検出電極101)における物体1の近接状態を判定する処理を行う。また処理部30は、物体1が近接していない状態での検出信号Sに基づいて、検出部10ごとに基準値BVを算出する処理を行う。
処理部30は、例えば図1に示すように、制御部301と、判定部302と、基準値更新部303と、差分値算出部304と、位置算出部305とを含む。
制御部301は、検出部10−1〜10−nにおける検出信号S1〜Snの生成を制御する。例えば制御部301は、駆動電圧供給部111における駆動電圧Vd1の生成や、AD変換器112のアナログ−デジタル変換、復調部113及びローパスフィルタ114におけるデジタル信号処理が適切なタイミングで行われるように、検出部10−1〜10−nをそれぞれ制御する。制御部301は、各検出部10から周期的に検出信号Sを取得して記憶部40に格納する。
判定部302は、後述する基準値更新部303において基準値BVの更新を行うか否かの判定を行う。すなわち、判定部302は、各検出部10において生成された一連の検出信号Sに基づいて、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じているか否かを検出部10ごとに判定する。
また判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差が示す物体1の近接の度合が高いほど、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定し易くなるように判定基準を変更する。一般に、検出信号Sと基準値BVとの差が示す物体1の近接の度合が高いほど、温度などの環境的な要因ではなく、物体1の近接に起因して検出信号Sの変化が生じている蓋然性が高い。そのため、このような判定基準の変更を行うことにより、物体1が近接している蓋然性が高い場合において、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなる。その結果、物体が近接している状態では、後述する基準値更新部303において基準値BVが更新され難くなる。
例えば判定部302は、第1時間T1における検出信号Sの変化の大きさを表す第1評価値E1を算出して、この第1評価値E1が所定の範囲(第1範囲)に含まれているか判定する処理を繰り返す。第1評価値E1が第1範囲に含まれている場合、検出信号Sの変化の大きさが比較的小さくなっており、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていない可能性が比較的高い。判定部302は、この処理を繰り返しながら、第1評価値E1が第1範囲に含まれている状態(以下、「検出信号Sの安定状態」と呼ぶ場合がある。)
の継続時間を計測する。そして判定部302は、検出信号Sの安定状態の継続時間が第2時間T2以上となった場合、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定する。
判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差が示す物体1の近接の度合に応じて、第2時間T2を変更する。すなわち判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差が示す物体1の近接の度合が高いほど、第2時間T2を長くする。第2時間T2を長くすることによって、第1時間T1における検出信号Sの変化が第1範囲から逸脱し易くなるため、判定部302は物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定し易くなる。
判定部302は、第1時間T1における検出信号Sの変化の大きさを表す第1評価値E1として、例えば第1時間T1における検出信号Sの平均値に対する検出信号Sのばらつきの大きさを表す値を算出する。具体的には、判定部302は、第1時間T1における検出信号Sの分散や標準偏差に応じた値を第1評価値E1として算出する。
基準値更新部303は、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定部302において判定された場合、検出部10において生成された検出信号Sに基づいて、物体1が近接していない状態の検出信号Sの値を示す基準値BVを更新する。例えば基準値更新部303は、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定部302において判定されたときに生成された検出信号Sや、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定部302において判定された状態における一連の検出信号Sの平均値を新たな基準値BVとして取得する。
差分値算出部304は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)を差分値として算出する。物体1の近接度合が大きくなるほど検出信号Sの値が大きくなるものとすると、物体1の近接度合が大きくなるほど差分値(S−BV)も大きくなる。
位置算出部305は、検出部10−1〜10−nにおいて生成された検出信号S1〜Snに基づいて、指などの物体1が近接した位置を算出する。例えば、検出部10−1〜10−nの各検出電極101は、物体1が近接する操作面において2つの方向(X方向、Y方向)に並んで配置されている。位置算出部305は、X方向に並んだ検出電極101に対応する一群の検出信号Sの分布と、Y方向に並んだ検出電極101に対応する一群の検出信号Sの分布とに基づいて、操作面における物体1の近接位置(X方向の座標及びY方向の座標)を算出する。
(記憶部40)
記憶部40は、処理部30において処理に使用される定数データや、処理の過程で一時的に参照される変数データを記憶する。また記憶部40は、処理部30のコンピュータによって実行されるプログラム401を記憶する。記憶部40は、例えば、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの磁気記憶装置のうちの1つ以上を含んで構成される。
(インターフェース部50)
インターフェース部50は、入力装置と他の制御装置(入力装置を搭載する電子機器のコントロール用ICなど)との間でデータをやり取りするための回路である。処理部30は、記憶部40に記憶される情報(物体1の座標の情報など)をインターフェース部50から図示しない制御装置へ出力する。また、インターフェース部50は、処理部30のコンピュータにおいて実行されるプログラム401を、光ディスクやUSBメモリなどの非一時的記録媒体やネットワーク上のサーバなどから取得して、記憶部40にロードしてもよい。
(動作)
ここで、上述した構成を有する入力装置の動作について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、検出信号の大きさと第2時間T2の設定値との関係を図解した図である。図3における3つの実線は、環境的な要因で時間の経過とともに変化する検出信号Sをそれぞれ表す。図3の例において、各検出信号Sの値(検出値)は何れも初期状態において「Sa」であり、時間の経過とともに上昇して、それぞれ「Sb」、「Sc」、「Sd」に到達した時刻t0から安定状態となっている。検出値は「Sb」が最も小さく、「Sb」、「Sc」、「Sd」の順で大きくなっている。判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差が大きいほど(すなわち検出値が大きいほど)第2時間T2を長くするため、図3の例では、検出値Sbにおける第2時間T2(Sb)が最も短く、検出値Sdにおける第2時間T2(Sd)が最も長い。従って、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定する時刻は、検出値Sbで安定状態となった検出信号Sが最も早く(時刻t1)、検出値Sdで安定状態となった検出信号Sが最も遅い(時刻t3)。従って、検出信号Sが大きいほど(物体1の近接度合が大きいほど)、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないとの判定が得られ難くなり、物体1が近接している状態での誤判定が回避され易くなる。他方、検出信号Sが小さいほど(物体1の近接度合が小さいほど)、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないとの判定が得られ易くなり、判定が得られるまでの時間が短縮される。
図4は、検出信号Sを取得してから差分値(S−BV)を算出するまでの処理の一例を説明するためのフローチャートである。入力装置は、n個の検出部10の各々について、図4に示す処理を一定の周期で反復的に実行する。
まず制御部301は、検出部10において静電容量の検出を行い、検出結果として生成された検出信号Sを取得する(ST100)。判定部302は、検出部10で生成された検出信号Sに基づいて、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じているか否かを判定する(ST105)。この判定の結果、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定された場合(ST110のNo)、基準値更新部303は、ステップST100で取得された検出信号Sに基づいて新たな基準値BVを算出し、元の基準値BVと置き換える(ST115)。差分値算出部304は、ステップST100で取得された検出信
号Sと基準値BVとの差分値(S−BV)を算出し、記憶部40に格納する(ST120)。
図5は、判定部302の判定処理(図4のST105)の一例を説明するためのフローチャートである。
判定部302は、最新の検出信号Sを含んだ第1時間T1分の一連の検出信号Sを記憶部40から読み出し、判定用の時系列データを構成する(ST220)。そして判定部302は、この時系列データに基づいて、第1時間T1における検出信号Sの変化の大きさを表す第1評価値E1(第1時間T1における検出信号Sの分散や標準偏差など)を算出する(ST250)。
判定部302は、ステップST250で算出した第1評価値E1と第1しきい値TH1とを比較し、第1評価値E1が第1しきい値TH1より大きい場合(ST255のYes)、計時カウンタCTをゼロに初期化する(ST260)。この例において、第1評価値E1が第1しきい値TH1より小さい範囲が上述した第1範囲であるため、第1評価値E1が第1しきい値TH1より大きい場合、第1評価値E1は第1範囲から逸脱している。
従って、判定部302は、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定する(ST265)。
他方、第1評価値E1が第1しきい値TH1より小さい場合(ST255のNo)、第1評価値E1が第1範囲に含まれており、検出信号Sが安定状態にあるため、判定部302は安定状態の継続時間を測定するための計時カウンタCTをインクリメントする(ST270)。
次いで判定部302は、ステップST100で取得された検出信号Sと現在の基準値BVとの差を差分値(S−BV)として算出する(ST275)。判定部302は、算出した差分値(S−BV)に基づいて第2時間T2を設定する(ST280)。第2時間T2は、周期的にインクリメントされる計時カウンタCTの値に対応した数値である。判定部302は、例えば差分値(S−BV)を変数とする所定の関数(一次関数など)に基づいて、差分値(S−BV)が大きくなるほど値が大きくなるように第2時間T2を算出する。あるいは、判定部302は、差分値(S−BV)と第2時間T2との対応関係を規定した所定のデータテーブルに基づいて、算出した差分値(S−BV)に対応する第2時間T2を取得してもよい。
なお、判定部302が第2時間T2の設定に用いる差分値(S−BV)は、1つの検出部10の検出信号Sについて算出した1つの差分値(S−BV)でもよいし、n個の検出部10の検出信号Sについて算出したn個の差分値(S−BV)の合計値や平均値でもよい。
判定部302は、ステップST280で設定した第2時間T2と計時カウンタCTとを比較し、計時カウンタCTが第2時間T2を超えている場合(ST285のYes)、計時カウンタCTをゼロに初期化する(ST290)。この場合、判定部302は、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定する(ST295)。
他方、計時カウンタCTが第2時間T2を超えていない場合(ST285のNo)、判定部302は、検出信号Sの安定状態の継続時間が基準に達していないため、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定する(ST265)。ただしこの場合、判定部302は、計時カウンタCTを初期化せずに維持する。従って、第1評価値E1が第1しきい値TH1より小さい状態(ST255のNo)が継続する間、判定部302は一定の周期で計時カウンタCTのインクリメント(ST270)を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態に係る入力装置によれば、物体1の近接の度合に応じて変化する一連の検出信号Sに基づいて、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じているか否か判定される。物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定された場合、物体1が近接していない状態の検出信号Sの値を示す基準値BVが更新される。
そして、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高いほど、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなるように、その判定基準が変更される。検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高い場合、この差(S−BV)は、温度などの環境的な要因によるものではなく、物体1の近接に起因するものである蓋然性が高い。従って、上記のように判定基準を変更することによって、物体1が近接している蓋然性が高い場合には、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなる。その結果、物体1が近接している状
態において、基準値BVが更新され難くなるため、不適切な基準値BVの更新による物体1の近接状態の誤判定を効果的に回避できる。
また、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が低いほど基準値BVの更新が行われ易くなるため、物体1が近接している蓋然性が低い場合には、基準値BVの更新のタイミングを早めることができる。これにより、環境の変化に対して基準値BVの更新が遅れることによる物体1の近接状態の誤判定を効果的に回避できる。
次に、第1の実施形態に係る入力装置の変形例について説明する。
図6は、第1時間T1における検出信号Sの最大値Smaxと最小値Sminとの差V1の一例を示す図である。判定部302が算出する第1評価値E1として、上記の説明では分散や標準偏差を例に挙げたが、第1評価値E1は第1時間T1における検出信号Sの変化の大きさを表すものであればよく、例えば図6に示すような差V1を第1評価値E1としてもよい。
また、判定部302では検出信号Sの変化の大きさに基づいて物体1の近接の有無を判定するため、判定の精度を高めるには、物体1(例えば人体)の動きに比べて著しく周波数の高い検出信号Sの成分は減衰されていることが好ましい。そこで判定部302は、図7のフローチャートにおいて示すように、検出信号Sを平滑化するローパスフィルタ処理を行い(ST200)、ローパスフィルタ処理により平滑化された検出信号Sに基づいて時系列データを構成し(ST220)、検出信号Sの第1時間T1における変化の大きさを表す第1評価値を算出してもよい(ST250)。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る入力装置について説明する。第2の実施形態に係る入力装置は、上述した第1の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理を一部変更したものであり、他の構成は第1の実施形態に係る入力装置と同じである。以下では、第1の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
図8A及び図8Bは、第1時間T1における検出信号Sの変化を近似する回帰直線の一例を示す図である。図8A及び図8Bのそれぞれにおいて、点線が回帰直線を示す。図8Aの例では、回帰直線に相関性を持たない検出信号Sの検出値のばらつきが大きく、回帰直線の傾きが小さい(回帰直線上の値が平均値に近い)。一方、図8Bの例では、回帰直線に対する検出信号Sの相関性が図8Aの例に比べて高く、回帰直線の傾きが大きい。図Bに示すように検出信号Sが直線的な変化の傾向を示す場合、指などの物体1の近接によって検出部10の温度が変化したことに伴う検出信号Sのドリフトを生じている蓋然性が高い。
そこで、本実施形態に係る入力装置の判定部302は、第1時間T1における検出信号Sの変化を近似する回帰直線の傾きAを算出し、回帰直線Aの傾きが大きいほど、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなるように第1時間T1を変更する。すなわち判定部302は、回帰直線の傾きAが大きいほど、第1時間T1を長くする。第1時間T1を長くすることによって、第1時間T1における検出信号Sの変化が大きくなり、第1評価値E1が第1範囲から逸脱し易くなるため、判定部302は物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定し易くなる。その結果、物体1が近接している状態での基準値BVの更新が抑制され易くなる。
図9は、第2の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。図9に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにステップST225〜ST245を追加したものであり、他のステップは図5に示すフローチャートと同じである。
ステップST220において第1時間T1分の検出信号Sの時系列データを構成した後、判定部302は、この時系列データから回帰直線の傾きAを算出する(ST225)。
そして判定部302は、算出した回帰直線の傾きAに基づいて、第1時間T1を設定する(ST230)。第1時間T1は、時系列データを構成する検出信号Sの数に対応した数値である。判定部302は、例えば傾きAを変数とする所定の関数(一次関数など)に基づいて、傾きAが大きくなるほど値が大きくなるように第1時間T1を算出する。あるいは、判定部302は、傾きAと第1時間T1との対応関係を規定した所定のデータテーブルに基づいて、算出した傾きAに対応する第1時間T1を取得してもよい。また、判定部302は、第1時間T1の値として予め定められた2つの値から、傾きAと所定のしきい値との比較結果に応じて一方の値を選択してもよい。
ステップST230において第1時間T1が変更された場合(ST240のYes)、判定部302は、変更後の第1時間T1に基づいて、検出信号Sの時系列データを再構成する(ST245)。時系列データから第1評価値E1を算出するステップST250以降の処理は、図4に示すフローチャートと同じであるため説明を割愛する。
本実施形態に係る入力装置によれば、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)の他に、検出信号Sの変化の直線性を加味して判定部302の判定基準が変更される。そのため、不適切な基準値BVの更新による物体1の近接状態の誤判定をより効果的に回避できるとともに、環境の変化に対して基準値BVの更新が遅れることによる物体1の近接状態の誤判定をより効果的に回避できる。
次に、第1の実施形態に係る入力装置の変形例について図10のフローチャートを参照して説明する。
検出信号Sの変化の直線性を評価するために、上記の例では第1時間T1における検出信号Sの回帰直線の傾きAが利用されている。直線性の評価には、回帰直線の傾きA以外にも、例えば回帰直線による検出信号の推定値と検出信号Sとの近似度合を利用可能である。この近似度合としては、例えば、回帰直線による推定値と検出値との残差から計算される決定係数などが挙げられる。そこで、この変形例における判定部302は、回帰直線による検出信号Sの推定値と検出信号Sとの近似の度合を表す第2評価値E2(決定係数など)を算出し、第2評価値E2が表す近似の度合が大きいほど、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなるように第1時間T1を変更する。
図10に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートにおけるステップST225及びST230をステップST225A及びST230Aに置き換えたものであり、他のステップは図9に示すフローチャートと同じである。
ステップST220において第1時間T1分の検出信号Sの時系列データを構成した後、判定部302は、この時系列データから回帰直線の傾きAと、決定係数などの第2評価値E2を算出する(ST225A)。そして判定部302は、算出した回帰直線の傾きAと第2評価値E2とに基づいて、第1時間T1を設定する(ST230A)。例えば判定部302は、傾きAと第2評価値E2を変数とする所定の関数に基づいて、傾きAが大きくなるほど第1時間T1の値を大きくするとともに、第2評価値E2が表す近似の度合が大きいほど第1時間T1の値を大きくする。あるいは、判定部302は、傾きA及び第2評価値E2と第1時間T1との対応関係を規定した所定のデータテーブルに基づいて、傾きA及び第2評価値E2に対応する第1時間T1を取得してもよい。また、判定部302は、第1時間T1の値として予め定められた2つの値から、傾きAと所定のしきい値との比較結果並びに第2評価値E2と所定のしきい値との比較結果に基づいて、何れか一方の値を選択してもよい。
このように、回帰直線による検出信号の推定値と検出信号Sとの近似度合を表す第2評価値E2を用いて検出信号Sの変化の直線性を評価することにより、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じているか否かをより正確に判定できる。従って、物体1が近接している状態での基準値BVの更新を適切に回避できる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る入力装置について説明する。第3の実施形態に係る入力装置は、上述した第2の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理を一部変更したものであり、他の構成は第2の実施形態に係る入力装置と同じである。以下では、第2の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
上述した第2の実施形態に係る入力装置の判定部302は、第1時間T1における検出信号Sの回帰直線の傾きAに応じて第1時間T1を変更する。これに対して、第3の実施形態に係る入力装置の判定部302は、回帰直線の傾きAに応じて、第1評価値E1の判定の基準である第1範囲を変更する。すなわち、判定部302は、回帰直線の傾きAが大きいほど、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなるように第1範囲を小さくする。
図11は、第3の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。図11に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートにおけるステップST230〜ST245をステップST235に置き換えたものであり、他のステップは図9に示すフローチャートと同じである。
ステップST235において、判定部302は、ステップST225で算出された回帰直線の傾きAに基づいて第1しきい値TH1を設定する。すなわち判定部302は、回帰直線の傾きAが大きいほど、第1しきい値TH1を小さい値に設定する。この例において、第1評価値E1が第1しきい値TH1より小さい範囲が上述した第1範囲であり、第1しきい値TH1が小さくなるほど、第1評価値E1は第1範囲から逸脱し易くなる。従って、回帰直線の傾きAが大きいほど、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなる。
本実施形態に係る入力装置においても、検出信号Sの変化の直線性を加味して判定部302の判定基準が変更されるため、第2の実施形態に係る入力装置と同様に、物体1の近接状態の誤判定を効果的に回避できる。
次に、第3の実施形態に係る入力装置の変形例について図12のフローチャートを参照して説明する。図12に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートにおけるステップST230A〜ST245をステップST235Aに置き換えたものであり、他のステップは図10に示すフローチャートと同じである。
ステップST235Aにおいて、判定部302は、ステップST225Aで算出した回帰直線の傾きAと第2評価値E2とに基づいて、第1しきい値TH1を設定する(ST235A)。例えば判定部302は、傾きAと第2評価値E2を変数とする所定の関数に基づいて、傾きAが大きくなるほど第1しきい値TH1を小さくするとともに、第2評価値E2が表す近似の度合が大きいほど第1しきい値TH1を小さくする。あるいは、判定部302は、傾きA及び第2評価値E2と第1しきい値TH1との対応関係を規定した所定のデータテーブルに基づいて、傾きA及び第2評価値E2に対応する第1しきい値TH1を取得してもよい。また、判定部302は、第1しきい値TH1の値として予め定められた2つの値から、傾きAと所定のしきい値との比較結果並びに第2評価値E2と所定のしきい値との比較結果に基づいて、何れか一方の値を選択してもよい。
このように、第2評価値E2を用いて検出信号Sの変化の直線性を評価することにより、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じているか否かをより正確に判定できるため、物体1が近接している状態での基準値BVの更新を適切に回避できる。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係る入力装置について説明する。第4の実施形態に係る入力装置は、上述した第1の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理を一部変更したものであり、他の構成は第1の実施形態に係る入力装置と同じである。以下では、第1の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係る入力装置の判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合に応じて、第2時間T2だけでなく第1時間T1も変更する。すなわち、判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高くなるほど第1時間T1の値を大きくして、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くする。
図13は、第4の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。図13に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおいてステップST220の前にステップST205〜ST210を追加するとともに、図5に示すフローチャートにおけるステップST275を省略したものであり、他のステップは図5に示すフローチャートと同じである。
判定部302は、ステップST100で取得された検出信号Sと現在の基準値BVとの差を差分値(S−BV)として算出し(ST205)、この差分値(S−BV)に基づいて第1時間T1を設定する(ST210)。判定部302は、例えば差分値(S−BV)を変数とする所定の関数(一次関数など)に基づいて、差分値(S−BV)が大きくなるほど第1時間T1の値を大きくする。あるいは、判定部302は、差分値(S−BV)と第1時間T1との対応関係を規定した所定のデータテーブルに基づいて、算出した差分値(S−BV)に対応する第1時間T1を取得してもよい。また、判定部302は、第1時間T1の値として予め定められた2つの値から、差分値(S−BV)と所定のしきい値との比較結果に基づいて、何れか一方の値を選択してもよい。
判定部302は、ステップST210において設定した第1時間T1に基づいて、検出信号Sの時系列データを構成する(ステップST220)。ステップST250以降の処理は、図5に示すフローチャートと概ね同じである。ただし、ステップST280における第2時間T2の設定には、ステップST205で算出された差分値(S−BV)が用いられる。
本実施形態に係る入力装置によれば、第2時間T2だけでなく第1時間T1も差分値(S−BV)に応じて変更されるため、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じたか否かの判定基準を柔軟に設定し易くなり、判定の精度を向上できる。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態に係る入力装置について説明する。第5の実施形態に係る入力装置は、上述した第1の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理を一部変更したものであり、他の構成は第1の実施形態に係る入力装置と同じである。以下では、第1の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係る入力装置の判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合に応じて、第2時間T2だけでなく第1しきい値TH1(第1範囲)も変更する。すなわち、判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高くなるほど第1しきい値TH1の値を小さくして、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くする。
図14は、第5の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。図14に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおいてステップST220の前にステップST205〜ST215を追加するとともに、図5に示すフローチャートにおけるステップST275を省略したものであり、他のステップは図5に示すフローチャートと同じである。
判定部302は、ステップST100で取得された検出信号Sと現在の基準値BVとの差を差分値(S−BV)として算出し(ST205)、この差分値(S−BV)に基づいて第1しきい値TH1を設定する(ST215)。判定部302は、例えば差分値(S−BV)を変数とする所定の関数(一次関数など)に基づいて、差分値(S−BV)が大きくなるほど第1しきい値TH1の値を小さくする。あるいは、判定部302は、差分値(S−BV)と第1しきい値TH1との対応関係を規定した所定のデータテーブルに基づいて、算出した差分値(S−BV)に対応する第1しきい値TH1を取得してもよい。また、判定部302は、第1しきい値TH1の値として予め定められた2つの値から、差分値(S−BV)と所定のしきい値との比較結果に基づいて、何れか一方の値を選択してもよい。
検出信号Sの時系列データを構成するステップST220以降の処理は、図5に示すフローチャートと概ね同じである。ただし、ステップST280における第2時間T2の設定には、ステップST205で算出された差分値(S−BV)が用いられる。
本実施形態に係る入力装置によれば、第2時間T2だけでなく第1しきい値TH1も差分値(S−BV)に応じて変更されるため、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じたか否かの判定基準を柔軟に設定し易くなり、判定の精度を向上できる。
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態に係る入力装置について説明する。第6の実施形態に係る入力装置は、上述した第4の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理を一部変更したものであり、他の構成は第4の実施形態に係る入力装置と同じである。以下では、第4の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係る入力装置の判定部302は、第1時間T1における検出信号Sの変化の大きさを表す第1評価値E1を算出して、この第1評価値E1が第1範囲に含まれているか判定する処理を繰り返す。第1評価値E1が第1範囲に含まれている場合、判定部302は、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定する。
第1〜第5の実施形態に係る入力装置の判定部302は、第1評価値E1が第1範囲に含まれる安定状態の継続時間が第2時間T2を超えた場合に、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化がないと判定する。これに対して、本実施形態に係る入力装置の判定部302は、第1評価値E1が第1範囲に含まれる場合に、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化がないと判定する。そのため、本実施形態に係る入力装置の判定部302は、1つの第1評価値E1の判定のみで適切な判定結果が得られるように、第1時間T1を適度に長い時間に設定する。
また、本実施形態に係る入力装置の判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合に応じて、第1時間T1を変更する。すなわち、判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高くなるほど第1時間T1の値を大きくして、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くする。
図15は、検出信号Sの大きさと第1時間T1との関係を図解した図である。図15の例において、検出信号Sの値(検出値)は、時刻t11から時刻t16にかけて上昇する。すなわち、時刻t14の検出値Sgは時刻t12の検出値Sfに比べて大きく、時刻t16の検出値Shは時刻t14の検出値Sgに比べて大きい。第1時間T1の値は、検出信号Sと基準値BVとの差が大きいほど(すなわち検出値が大きいほど)大きな値に設定されるため、時刻t14に設定される第1時間T1(Sg)は時刻t12に設定される第1時間T1(Sf)に比べて大きく、時刻t16に設定される第1時間T1(Sh)は時刻t14に設定される第1時間T1(Sg)に比べて大きい。
図15の例において、時刻t12に算出される第1評価値E1は、時刻t11から時刻t12までの第1時間T1(sf)における検出信号Sの変化を表し、時刻t14に算出される第1評価値E1は、時刻t13から時刻t14までの第1時間T1(sg)における検出信号Sの変化を表し、時刻t16に算出される第1評価値E1は、時刻t15から時刻t16までの第1時間T1(sh)における検出信号Sの変化を表している。第1時間T1は、1つの第1評価値E1によって物体1の近接に伴う検出信号Sの変化の有無を判定できる程度の長さに設定される。
図16は、第6の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。図16に示すフローチャートは、図13に示すフローチャート(第4の実施形態)におけるステップST260、ステップST270〜ST290を省略したものであり、他のステップは図13に示すフローチャートと同じである。
判定部302は、ステップST250において算出した第1評価値E1を第1しきい値TH1と比較する(ST255)。第1評価値E1が第1しきい値TH1を超えている場合(ST255のYes)、判定部302は、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定する(ST265)。第1評価値E1が第1しきい値TH1を超えていない場合(ST255のNo)、判定部302は、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定する(ST295)。
以上説明したように、本実施形態に係る入力装置によれば、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高いほど、第1時間T1が長い時間に設定される。これにより、物体1が近接している蓋然性が高い場合には、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなり、基準値BVが更新され難くなるため、不適切な基準値BVの更新による物体1の近接状態の誤判定を効果的に回避できる。
<第7の実施形態>
次に、第7の実施形態に係る入力装置について説明する。第7の実施形態に係る入力装置は、上述した第5の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理を一部変更したものであり、他の構成は第5の実施形態に係る入力装置と同じである。以下では、第5の実施形態に係る入力装置との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係る入力装置の判定部302は、第1時間T1における検出信号Sの変化の大きさを表す第1評価値E1を算出して、この第1評価値E1が第1範囲に含まれているか判定する処理を繰り返す。第1評価値E1が第1範囲に含まれている場合、判定部302は、上述した第6の実施形態と同様に、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていないと判定する。そのため、本実施形態に係る入力装置の判定部302も、1つの第1評価値E1の判定のみで適切な判定結果が得られるように、第1時間T1を十分長い時間に設定する。
また、本実施形態に係る入力装置の判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合に応じて、第1しきい値TH1(第1範囲)を変更する。すなわち、判定部302は、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高くなるほど第1しきい値TH1を小さくし、第1評価値E1が第1範囲を逸脱し易くすることによって、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じている
と判定され易くする。
図17は、第7の実施形態に係る入力装置における判定部302の判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。図17に示すフローチャートは、図14に示すフローチャート(第5の実施形態)におけるステップST260、ステップST270〜ST290を省略したものであり、他のステップは図14に示すフローチャートと同じである。ステップST250〜ST295の処理は、図16に示すフローチャートと同じであるため説明を割愛する。
以上説明したように、本実施形態に係る入力装置によれば、検出信号Sと基準値BVとの差(S−BV)が示す物体1の近接の度合が高いほど、第1しきい値TH1が小さい値に設定される(第1範囲が小さくなる)。これにより、物体1が近接している蓋然性が高い場合には、物体1の近接に伴う検出信号Sの変化が生じていると判定され易くなり、基準値BVが更新され難くなるため、不適切な基準値BVの更新による物体1の近接状態の誤判定を効果的に回避できる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、上述の例において示した検出部10,10Aでは、検出電極101と物体1との間に生じるキャパシタCxの静電容量(自己容量とも呼ばれる)が検出されているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態において、検出部は、2つの電極(駆動電極と検出電極)の間に形成されるキャパシタの静電容量(相互容量とも呼ばれる)を検出してもよい。また、検出部における物体の近接度合の検出方式は、静電容量方式に限定されるものではなく、他の方式(抵抗方式、電磁誘導方式など)でもよい。
上述した各実施形態の構成の一部(例えば、判定部302における判定処理の構成の一部)は、他の実施形態の構成に追加してもよいし、他の実施形態の構成の一部と置き換えてもよい。
本開示の一側面では、物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置が提供される。この入力装置は、物体の近接の度合に応じて変化する検出信号を生成する検出部と、検出部において生成された一連の検出信号に基づいて、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じているか否か判定する判定部と、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定部において判定された場合、検出部において生成された検出信号に基づいて、物体が近接していない状態の検出信号の値を示す基準値を更新する基準値更新部とを有する。判定部は、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合が高いほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定し易くなるように判定基準を変更する。
上記入力装置では、物体の近接の度合に応じて変化する一連の検出信号に基づいて、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じているか否か判定される。物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定された場合、物体が近接していない状態の検出信号の値を示す基準値が更新される。そして、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合が高いほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように、その判定基準が変更される。検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合が高い場合、この差は、物体の近接に起因するものである蓋然性が高い。従って、上記の判定基準の変更により、物体が近接している蓋然性が高い場合には、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなる。その結果、物体が近接している状態では、基準値が更新され難くなる。
好適に、判定部は、第1時間における検出信号の変化の大きさを表す第1評価値が第1範囲に含まれているか繰り返し判定し、第1評価値が第1範囲に含まれている状態が第2時間以上継続した場合、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定し、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合に応じて、第1時間、第1範囲及び第2時間の少なくとも1つを変更してよい。
この構成によれば、第1範囲が小さいほど、第1評価値が第1範囲から逸脱し易くなり、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなる。また、第1時間が長いほど、第1時間における検出信号の変化が大きくなり、第1評価値が第1範囲から逸脱し易くなるため、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなる。
更に、第2時間が長いほど、第1時間における検出信号の変化が第1範囲から逸脱し易くなるため、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなる。従って、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合に応じて、第1時間、第1範囲及び第2時間の少なくとも1つが変更されることにより、判定部の判定基準が変更される。
好適に、判定部は、第1時間における検出信号の変化の大きさを表す第1評価値が第1範囲に含まれているか繰り返し判定し、第1評価値が第1範囲に含まれている場合、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定し、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合に応じて、第1時間及び第1範囲の少なくとも1つを変更してよい。
この構成によれば、第1範囲が小さいほど、第1評価値が第1範囲から逸脱し易くなり、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなる。また、第1時間が長いほど、第1時間における検出信号の変化が大きくなり、第1評価値が第1範囲から逸脱し易くなるため、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなる。
従って、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合に応じて、第1時間及び第1範囲の少なくとも1つが変更されることにより、判定部の判定基準が変更される。
好適に、判定部は、第1時間における検出信号の平均値に対する検出信号のばらつきの大きさを表す第1評価値を算出してよい。例えば判定部は、第1時間における検出信号の分散又は標準偏差に応じた第1評価値を算出してよい。
好適に、判定部は、第1時間における検出信号の最大値と最小値との差に応じた第1評価値を算出してよい。
好適に、判定部は、検出信号を平滑化するローパスフィルタ処理を行い、ローパスフィルタ処理により平滑化された検出信号の第1時間における変化の大きさを表す第1評価値を算出してよい。
この構成によれば、物体の近接に伴う変化とは無関係な高い周波数における検出信号の変化が第1評価値に影響を与え難くなり、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じているか否かの判定精度が高まる。
好適に、判定部は、第1時間における検出信号の変化を近似する回帰直線の傾きを算出し、回帰直線の傾きが大きいほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように第1時間及び第1範囲の少なくとも一方を変更してよい。
この構成によれば、算出された回帰直線の傾きが大きいほど、第1時間における検出信号の変化が直線的な変化であり、物体の近接に伴う変化である蓋然性が高い。従って、回帰直線の傾きが大きいほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じている判定され易くなるように第1時間及び第1範囲の少なくとも一方を変更することによって、物体が近接している状態での基準値の更新が抑制され易くなる。
好適に、判定部は、回帰直線による検出信号の推定値と検出信号との近似の度合を表す第2評価値を算出し、第2評価値が表す近似の度合が大きいほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように第1時間及び第1範囲の少なくとも一方を変更してよい。
この構成によれば、算出された回帰直線の傾きが大きく、かつ、第2評価値が表す近似の度合が大きいほど、第1時間における検出信号の変化が直線的な変化であり、物体の近接に伴う変化である蓋然性が更に高い。従って、第2評価値が表す近似の度合が大きいほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように第1時間及び第1範囲の少なくとも一方を変更することによって、物体が近接している状態での基準値の更新が更に抑制され易くなる。
好適に、検出部は、物体の近接の度合に応じて静電容量が変化するキャパシタを形成する少なくとも1つの電極と、電極を介して伝送されるキャパシタの電荷に基づいて、静電容量に応じた検出信号を生成する静電容量検出回路とを含んでよい。
本開示の他の一側面によれば、物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置の制御方法が提供される。入力装置は、物体の近接の度合に応じて変化する検出信号を生成する検出部を有する。制御方法は、検出部において生成された一連の検出信号に基づいて、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じているか否か判定することと、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定された場合、検出部において生成された検出信号に基づいて、物体が近接していない状態の検出信号の値を示す基準値を更新することと、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合が高いほど、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように、当該変化が生じているか否かの判定基準を変更することとを有する。
好適に、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じているか否か判定することは、第1時間における検出信号の変化の大きさが第1範囲に含まれているか繰り返し判定することと、第1時間における検出信号の変化の大きさが第1範囲に含まれている状態が第2時間以上継続した場合、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定することとを含んでよい。判定基準を変更することは、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合に応じて、第1時間、第1範囲及び第2時間の少なくとも1つを変更することを含んでよい。
好適に、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じているか否か判定することは、第1時間における検出信号の変化の大きさが第1範囲に含まれているか繰り返し判定することと、第1時間における検出信号の変化の大きさが第1範囲に含まれている場合、物体の近接に伴う検出信号の変化が生じていないと判定することとを含んでよい。判定基準を変更することは、検出信号と基準値との差が示す物体の近接の度合に応じて、第1時間及び第1範囲の少なくとも1つを変更することを含んでよい。
本開示の他の一側面によれば、上記入力装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
以上、入力装置、入力装置の制御方法、及びプログラムを、本発明の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
本願は、日本特許庁に2018年3月12日に出願された基礎出願2018−044504号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
1…物体、10−1〜10−n…検出部、101…検出電極、102…静電容量検出回路、103…スイッチ回路、110…演算増幅器、111…駆動電圧供給部、112…AD変換器、113…復調部、114…ローパスフィルタ、30…処理部、301…制御部、302…判定部302、303…基準値更新部、304…差分値算出部、305…位置算出部、40…記憶部、401…プログラム、50…インターフェース部、S1〜Sn…検出信号

Claims (14)

  1. 物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、
    前記物体の近接の度合に応じて変化する検出信号を生成する検出部と、
    前記検出部において生成された一連の前記検出信号に基づいて、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じているか否か判定する判定部と、
    前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていないと前記判定部において判定された場合、前記検出部において生成された前記検出信号に基づいて、前記物体が近接していない状態の前記検出信号の値を示す基準値を更新する基準値更新部とを有し、
    前記判定部は、前記検出信号と前記基準値との差が示す前記物体の近接の度合が高いほど、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていると判定し易くなるように判定基準を変更する、
    入力装置。
  2. 前記判定部は、
    第1時間における前記検出信号の変化の大きさを表す第1評価値が第1範囲に含まれているか繰り返し判定し、
    前記第1評価値が前記第1範囲に含まれている状態が第2時間以上継続した場合、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていないと判定し、
    前記検出信号と前記基準値との差が示す前記物体の近接の度合に応じて、前記第1時間、前記第1範囲及び前記第2時間の少なくとも1つを変更する、
    請求項1に記載の入力装置。
  3. 前記判定部は、
    第1時間における前記検出信号の変化の大きさを表す第1評価値が第1範囲に含まれているか繰り返し判定し、
    前記第1評価値が前記第1範囲に含まれている場合、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていないと判定し、
    前記検出信号と前記基準値との差が示す前記物体の近接の度合に応じて、前記第1時間及び前記第1範囲の少なくとも1つを変更する、
    請求項1に記載の入力装置。
  4. 前記判定部は、前記第1時間における前記検出信号の平均値に対する前記検出信号のばらつきの大きさを表す前記第1評価値を算出する、
    請求項2又は3に記載の入力装置。
  5. 前記判定部は、前記第1時間における前記検出信号の分散又は標準偏差に応じた前記第1評価値を算出する、
    請求項4に記載の入力装置。
  6. 前記判定部は、前記第1時間における前記検出信号の最大値と最小値との差に応じた前記第1評価値を算出する、
    請求項2又は3に記載の入力装置。
  7. 前記判定部は、前記検出信号を平滑化するローパスフィルタ処理を行い、前記ローパスフィルタ処理により平滑化された前記検出信号の前記第1時間における変化の大きさを表す前記第1評価値を算出する、
    請求項2〜請求項6の何れか一項に記載の入力装置。
  8. 前記判定部は、前記第1時間における前記検出信号の変化を近似する回帰直線の傾きを算出し、前記回帰直線の傾きが大きいほど、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように前記第1時間及び前記第1範囲の少なくとも一方を変更する、
    請求項2〜請求項7の何れか一項に記載の入力装置。
  9. 前記判定部は、前記回帰直線による前記検出信号の推定値と前記検出信号との近似の度合を表す第2評価値を算出し、前記第2評価値が表す前記近似の度合が大きいほど、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように前記第1時間及び前記第1範囲の少なくとも一方を変更する、
    請求項8に記載の入力装置。
  10. 前記検出部は、
    前記物体の近接の度合に応じて静電容量が変化するキャパシタを形成する少なくとも1つの電極と、
    前記電極を介して伝送される前記キャパシタの電荷に基づいて、前記静電容量に応じた前記検出信号を生成する静電容量検出回路とを含む、
    請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の入力装置。
  11. 物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置の制御方法であって、
    前記入力装置は、前記物体の近接の度合に応じて変化する検出信号を生成する検出部を有し、
    前記制御方法は、
    前記検出部において生成された一連の前記検出信号に基づいて、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じているか否か判定することと、
    前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていないと判定された場合、前記検出部において生成された前記検出信号に基づいて、前記物体が近接していない状態の前記検出信号の値を示す基準値を更新することと、
    前記検出信号と前記基準値との差が示す前記物体の近接の度合が高いほど、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていると判定され易くなるように、当該変化が生じているか否かの判定基準を変更することとを有する、
    入力装置の制御方法。
  12. 前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じているか否か判定することは、
    第1時間における前記検出信号の変化の大きさが第1範囲に含まれているか繰り返し判定することと、
    前記第1時間における前記検出信号の変化の大きさが前記第1範囲に含まれている状態が第2時間以上継続した場合、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていないと判定することとを含み、
    前記判定基準を変更することは、前記検出信号と前記基準値との差が示す前記物体の近接の度合に応じて、前記第1時間、前記第1範囲及び前記第2時間の少なくとも1つを変更することを含む、
    請求項11に記載の入力装置の制御方法。
  13. 前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じているか否か判定することは、
    第1時間における前記検出信号の変化の大きさが第1範囲に含まれているか繰り返し判定することと、
    前記第1時間における前記検出信号の変化の大きさが前記第1範囲に含まれている場合、前記物体の近接に伴う前記検出信号の変化が生じていないと判定することとを含み、
    前記判定基準を変更することは、前記検出信号と前記基準値との差が示す前記物体の近接の度合に応じて、前記第1時間及び前記第1範囲の少なくとも1つを変更することを含む、
    請求項11に記載の入力装置の制御方法。
  14. 請求項11〜請求項13の何れか一項に記載の入力装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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