JP5978663B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示パネルへの検対象物の近接および接触を検出する表示装置に関するものである。
従来、静電容量検出部が検出した静電容量値とベースライン値との差分値と、近接基準容量値及び接触基準容量値と比較して指の近接および接触を検出するようにした静電容量式タッチセンサがある。このような静電容量式タッチセンサでは、検知対象物が近接または接触した状態でベースライン値を更新してしまうと、検知対象物が近接または接触した領域の感度が低下してしまう。
そこで、検知対象物が近接または接触状態にあるか否かを判定し、検知対象物が近接または接触状態にない場合にベースライン値を更新し、検知対象物が近接または接触状態にある場合にはベースライン値を更新しないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−257046号公報
上記特許文献1に記載されたタッチセンサは、近接基準容量値、接触基準容量値といった判定閾値が固定値となっており、このような判定閾値を用いて検出対象物の近接または接触を検出し、検出対象物の近接または接触が検出されない場合に、ベースライン値の更新を行うようになっている。すなわち、上記特許文献1に記載された装置は、判定閾値を固定値として検出対象物の近接または接触を検出するようになっているので、例えば、温度変動、振動等、周囲の環境により誤検出が生じると、ベースラインの更新が行われなくなり、検出精度が低下してしまうといった問題がある。
本発明は上記問題に鑑みたもので、検出精度を向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1、4、6、8に記載の発明は、表示パネルと重ねて配置された検知電極の静電容量値を検出する静電容量検出部と、ベースライン値を記憶する記憶手段と、静電容量検出部により検出される静電容量値とベースライン値との差分値の大きさと近接検出の判定閾値を比較して表示パネルへの検出対象物の近接を検出する検出手段と、検出手段により検出対象物の近接が検出されない場合に、ベースライン値を更新するベースライン更新手段と、を備えた表示装置であって、ベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定する状況判定手段と、状況判定手段によりベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定された場合、近接検出の判定閾値を大きくする判定閾値変更手段と、を備え、車両に搭載されることを特徴としている。
このような構成によれば、ベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定し、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定された場合、近接検出の判定閾値が大きくなるように変更されるので、例えば、温度変動、振動等、周囲の環境による近接の誤検出により、ベースライン値の更新が行われなくなるといったことが防止され、検出精度を向上することができる。
また、請求項11に記載の発明のように、検出手段は、差分値の大きさと近接検出の判定閾値よりも大きな値である接触検出の判定閾値とを比較して表示パネルへの検出対象物の接触を検出し、ベースライン更新手段は、検出手段により検出対象物の近接または接触が検出されない場合に、ベースライン値を更新することもできる。
また、請求項に記載の発明は、状況判定手段は、車両用空調装置が作動を開始した直後を、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、車両用空調装置が作動を開始した後の予め定められた期間、近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴としている。
車両用空調装置が作動を開始した直後は、表示パネルにおける温度ばらつきが大きく、誤検出が生じやすくなるため、ベースラインの更新が行われなくなるといったことが考えられるが、上記した構成によれば、車両用空調装置が作動を開始した直後を、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、車両用空調装置が作動を開始した後の予め定められた期間、近接検出の判定閾値を大きくするので、検出精度を向上することができる。
また、請求項に記載の発明は、判定閾値変更手段は、車両用空調装置が作動を開始し
た後、ベースライン値の更新を実施するまでの期間、近接検出の判定閾値を大きくし、そ
の後、近接検出の判定閾値を変更前の値に戻すことを特徴としている。
車両用空調装置が作動を開始した後、いつまでも近接検出の判定閾値を大きくした状態が継続すると、かえって近接検出の検出精度が低下してしまうが、上記した構成によれば、車両用空調装置が作動を開始した後、ベースライン値の更新を実施するまでの期間、近接検出の判定閾値を大きくし、その後、近接検出の判定閾値を変更前の値に戻すので、近接検出の検出精度を良好に維持することが可能である。
また、請求項3、4に記載の発明は、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されているか否かを判定する第1の表示画像判定手段と、状況判定手段は、第1の表示画像判定手段により、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴としている。
表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されているような状況では、表示パネルへの操作が行われる可能性が低い。上記した構成によれば、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されているか否かを判定し、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、近接検出の判定閾値を大きくするので、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像の表示中に、誤検出により、ベースラインの更新が行われなくなるといったことが防止され、検出精度を向上することができる。
また、請求項5、6に記載の発明は、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域と表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されているか否かを判定する第2の画像判定手段を備え、状況判定手段は、第2の画像判定手段により、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域と表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、非反応領域に対して近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴としている。
このような構成によれば、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域と表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されているか否かを判定する第2の画像判定手段を備え、状況判定手段は、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域と表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、非反応領域に対して近接検出の判定閾値を大きくするので、検出精度を向上することができる。
また、請求項7、8に記載の発明は状況判定手段は、運転者による表示パネルへの操作が実施されることのない状況を、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定することを特徴としている。
このように、運転者による表示パネルへの操作が実施されることのない状況を、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定することもできる。
また、請求項に記載の発明は、運転者以外の乗員が乗車しているか否かを判定する乗員判定手段と、表示パネル以外の操作部が操作されているか否かを判定する操作判定手段と、を備え、操作判定手段は、乗員判定手段により運転者以外の乗員が乗車していないと判定され、かつ、操作判定手段により表示パネル以外の操作部が操作されていると判定された場合に、運転者による表示パネルへの操作が実施されることのない状況であると判定することを特徴としている。
このように、運転者以外の乗員が乗車していないと判定され、かつ、表示パネル以外の操作部が操作されていると判定された場合に、運転者による表示パネルへの操作が実施されることのない状況であると判定することもできる。
また、請求項10に記載の発明は、車両がカーブを走行中であるか否かを判定するカーブ走行判定手段を備え、状況判定手段は、カーブ走行判定手段により車両がカーブを走行中であると判定された場合に、運転者による表示パネルへの操作が実施されることのない状況と判定することを特徴としている。
このように、カーブ走行判定手段により車両がカーブを走行中であると判定された場合に、運転者による表示パネルへの操作が実施されることのない状況と判定することもできる。
本発明の第1実施形態に係る表示装置の全体構成を示す図である。 判定閾値の変更について説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る表示装置の制御部のフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る表示装置の制御部による近接判定閾値決定処理のフローチャートである。 温度変化により表示パネルの上部における静電容量値が上昇した場合の近接判定閾値の変更について説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る表示装置の制御部による近接判定閾値決定処理のフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る表示装置の制御部による近接判定閾値決定処理のフローチャートである。 環境変化により表示パネルの上端の静電容量値が変動した場合と、手指の接触により表示パネルの上端の静電容量値が変動した場合の静電容量値の分布例を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を図1に示す。本表示装置は、表示パネルに静電容量式タッチパネルを採用したナビゲーションシステムの表示装置として構成されている。本表示装置は、検知電極2の静電容量を出力する表示パネル1と、検知電極2と検知対象物の間の静電容量値を検出する静電容量検出部3と、表示パネル1に検知対象物が近接または接触しているかを判断するための基準値であるベースライン値を用いて検知対象物の近接及び接触を検出する近接・接触検出部4と、近接・接触検出部4で用いるベースライン値を更新するベースライン更新部5と、更新したベースライン値を格納するベースライン格納部6と、これら各部の動作を制御する制御部7とを備えている。
表示パネル1には検知電極2が配置されており、これらの検知電極2は検知対象物であるユーザの指8(又は誘電体)の近接、接触によって静電容量が変化する。
静電容量検出部3は、制御部7から検出指示信号を受けると、検知電極2の各静電容量を順次検出し、検出した静電容量値を近接・接触検出部4とベースライン更新部5に出力する。
一般的に、指(バーチャルグランド電極)と検知電極の間に生じる静電容量値は、(指と検知電極間の物質の誘電率)×(検知電極と指の重なり面積)/(指と検知電極の間の距離)で決まる。ここで、指と検知電極間の物質の誘電率は、(真空の誘電率)×(物質の比誘電率)であり、このうち真空の誘電率は固定であるから、物質の比誘電率が大きいほど指と検知電極間に生じる静電容量値は大きくなる。ここで、本表示装置における表示パネル1の場合、検知電極にITO(酸化インジウムスズ)等の透明電極を用いるが、通常はこの電極上面に保護用のガラス、アクリル等を重ねて被覆し、ガラス又はアクリル面への指の接触を検知する。通常、静電容量値の単位にはF(ファラド)が用いられるが、指と検知電極間の静電容量値の検出方法には、充放電時間の変異を計測する方法、正弦波及び矩形波等の電圧変化を計測する方法等、様々な方法があるので、本実施の形態で説明する際の静電容量値の単位は、正規化された尺度として表す。
制御部7は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されている。制御部7のCPUは、メモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
また、制御部7には、ナビゲーションECU10およびエアコンECU20が接続されている。
ナビゲーションECU10は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されている。ナビゲーションECU10の処理としては、現在位置を特定するための情報に基づいて自車位置を特定する自車位置特定処理、自車位置周辺の地図データを地図データ記憶媒体から読み出して地図上の自車位置に自車位置マークを重ねて表示させる地図表示処理、目的地を検索する目的地検索処理、現在位置から目的地に至る案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を行う走行案内処理等がある。
エアコンECU20は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されている。エアコンECU20の処理としては、操作部より入力される信号に基づいて車室内吹出空気の目標吹出温度を算出する目標吹出温度算出処理、この目標吹出温度に基づいて、送風機の回転数(送風量)、デフロスタ・フェイスドアおよびフットドアの開閉状態(吹出モード)、エアミックスドアの目標開度等を決定し、決定した制御状態が得られるように各種アクチュエータを制御するアクチュエータ制御処理等がある。
本表示装置における制御部7は、静電容量検出部3により検出される静電容量値とメモリ(記憶手段に相当する)に記憶されたベースライン値との差分値の大きさと近接検出の判定閾値(すなわち、上記差分値に対する閾値。以降、近接判定閾値ともいう。)を比較して表示パネルへの検知対象物(例えば手指)の近接を検出するとともに、差分値の大きさと近接判定閾値よりも大きな接触検出の判定閾値(接触判定閾値)を比較して表示パネルへの検知対象物の接触を検出する。また、検出対象物の近接または接触が検出されない場合に、ベースライン値を更新するようになっている。
本表示装置における制御部7は、温度変化、振動等、周囲の環境により表示パネル1の検知電極の静電容量値が変化して誤検出が生じ、ベースラインの更新が行われなくなると、検出精度が低下してしまうという問題を解決するため、ベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定し、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定した場合、近接判定閾値を変更するようになっている。つまり、より詳しく説明すると、環境変化により静電容量値が変化してベースライン値との差分値が一時的にこの近接判定閾値に近づく、あるいは閾値を超えた場合、実際には手指を近接していないにもかかわらず、手指が近接したとして誤検出が起こる。このとき、手指の近接を検出したと誤認してベースラインの更新を行わないと、近接判定の感度が不必要に高くなってしまい、手指の近接検出が精度よくできなくなる問題が生じる。この問題を解決するために、本発明の実施形態では、表示装置がおかれた状況がベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定し、ベースライン更新条件を変更すべき状況(環境)であると判定した場合、近接判定閾値を事前に変更し、ベースライン値を適切に更新できるようする。この結果、検出対象物の近接判定の感度が適正に保たれ、検出精度が向上する(検出対象物の近接をより正しく検出できるようになる)。以下、それぞれ状況例を取り上げ詳しく説明する。
本実施形態(第1実施形態)では、この状況例として車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した直後に発生する温度変動により、表示パネルにおける温度ばらつきが大きくなり、表示パネル1の検知電極の静電容量値が変化して誤検出が生じやすくなるという点に着目し、車両用空調装置が作動を開始した直後であるか否かを判定し、車両用空調装置が作動を開始した直後であると判定した場合に、近接検出の判定閾値を大きくする。このときの近接検出の判定閾値の制御(変更)の詳細については後述の近接判定閾値決定処理にて説明する。
次に、図2を参照して、判定閾値の変更について概要を説明する。(a)は、初期状態、(b)は、静電容量変化時、(c)は、ベースライン更新後の状態を表している。また、図2(b)、(c)における(α)は、静電容量検出部3により検出される静電容量値が近接判定閾値を超えていない場合のベースライン値と静電容量値の関係を表したもので、(β)は、静電容量検出部3により検出される静電容量値が近接判定閾値を超え、かつ、接触判定閾値を超えていない場合のベースライン値と静電容量値の関係を表したもので、(γ)は、静電容量検出部3により検出される静電容量値が接触判定閾値を超えている場合のベースライン値と静電容量値の関係を表したものである。
初期状態では、図2(a)に示すように、ベースライン値が静電容量検出部3により検出される静電容量値と同じに設定される。なお、図2(a)では、少しずらしてベースライン値と静電容量値を示してある。静電容量値が変化した場合、図2(b)に示すように、(α)静電容量検出部3により検出される静電容量値が近接判定閾値を超えていないためベースライン値の更新が行われる場合と、(β)静電容量検出部3により検出される静電容量値が近接判定閾値を超え、かつ、接触判定閾値を超えていないため近接判定され、ベースライン値の更新が行われない場合と、(γ)静電容量検出部3により検出される静電容量値が接触判定閾値を超えているため接触判定され、ベースライン値の更新が行われない場合に分かれる。
図2(b)の(α)に示すように、静電容量検出部3により検出される静電容量値が近接判定閾値を超えていない場合、ベースライン値の更新が行われ、図2(c)の(α)に示すように、ベースライン値が更新される。ただし、図2(b)の(β)、(γ)に示すように、静電容量検出部3により検出される静電容量値が近接判定閾値を超えていない場合、ベースライン値の更新が行われないため、図2(c)の(β)、(γ)に示すように、ベースライン値は変更されない。
続いてこれらを踏まえ、図3に、近接判定閾値決定処理を含む制御部7の主動作フローチャートを示す。車両のイグニッションスイッチがオン状態になると、本表示装置、ナビゲーションECU10およびエアコンECU20は動作状態となり、制御部7は、図3に示す処理を開始する。
まず、静電容量検出部3により検出された検知電極2と検知対象物の間の静電容量値を特定する(S100)。
次に、近接検出の判定閾値を決定する近接判定閾値決定処理を行う(S200)。図4に、本実施形態における近接判定閾値決定処理のフローチャートを示す。この近接判定閾値決定処理では、まず、エアコンECU20から車両用空調装置(エアコン)が作動状態を特定するための情報を取得して、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始したか否かを判定する(S202)。なお、車両用空調装置の作動には、冷房だけでなく、送風、暖房も含まれる。ここで、車両用空調装置(エアコン)が作動を停止中または作動を継続中の場合、S202の判定はNOとなり、次に、近接判定閾値を通常の値(予め定められた所定の値)に決定する(S208)。
また、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した場合、S202の判定はYESとなり、近接判定閾値を変更する(S204)。具体的には、ベースライン値の更新が行われやすくなるように近接判定閾値を大きくする。
次に、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した後、ベースライン値の更新が行われたか否かを判定する(S206)。ここで、ベースライン値の更新が行われていない場合、S206の判定はNOなり、S204へ戻る。したがって、近接判定閾値が大きく変更された状態が継続される。
そして、ベースライン値の更新が行われると、S206の判定はYESとなり、近接判定閾値を通常の値(ステップS204で変更する前の値)に決定する(S208)。
なお、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した後、1回でもベースライン値が更新されると、誤検出の発生する可能性は低くなるため、このように、近接判定閾値を通常の値に戻すようになっている。
このようにすれば、環境変化により、自然に静電容量値が変化したとしても、それに応じて近接判定閾値を変更して誤検出を防ぐとともに、ベースライン値を適切に更新できるようになる。その結果、環境変化がおこったとしても検出対象物の近接検出を精度よく行うことができるようになる。
上記の動作について図5を参照してより詳しく説明する。図5(a)は、極端な温度変化により表示パネル1の上部における静電容量値が上昇した場合の静電容量値、ベースライン値および近接判定閾値の関係を示したもので、図5(b)は、近接判定閾値を変更した場合の静電容量値と近接判定閾値の関係を示したもので、図5(c)は、近接判定閾値を通常時の近接判定閾値に戻した状態の静電容量値と近接判定閾値の関係を示したものである。
図5(a)に示すように、極端な温度変化により表示パネル1の上部における静電容量値が上昇した場合、表示パネル1の上部で指が近接されているものと誤検出される場合がある。したがって、図5(b)に示すように、近接判定閾値を通常よりも大きくすることで、誤認識を防ぐようにしている。なお、いつまでも近接検出の判定閾値を大きくした状態が継続すると、かえって近接検出の検出精度が低下してしまうため、ベースライン値を更新すると、図5(c)に示すように、近接判定閾値を通常時の近接判定閾値に戻すようにする。
図3の説明に戻り、次に、近接判定閾値決定処理にて決定された近接判定閾値を用いて検知対象物(指)が表示パネル1に近接したか否かを判定する(S300)。すなわち、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始したと判定されてからベースライン値の更新が行われるまでの間、近接判定閾値を通常よりも大きな値として近接検出を行い、それ以外は近接判定閾値を通常の値として近接検出を行う。
ここで、検知対象物が表示パネル1に近接したと判定された場合、S300の判定はYESとなり、次に、検知対象物(指)が表示パネル1に接触したか否かを判定する(S300)。具体的には、接触判定閾値を用いて検知対象物が表示パネル1に接触したか否かを判定する。
ここで、接触判定閾値を用いて検知対象物が表示パネル1に接触したと判定された場合、検知対象物(指)が表示パネル1に接触したことを表す接触情報をナビゲーションECU10へ出力し(S304)、S100へ戻る。
また、接触判定閾値を用いて検知対象物が表示パネル1に接触していないと判定された場合、検知対象物(指)が表示パネル1に近接したことを表す近接情報をナビゲーションECU10へ出力し(S306)、S100へ戻る。
また、検知対象物が表示パネル1に近接していない場合、S300の判定はNOとなり、新規ベースライン値を算出する(S308)。具体的には、静電容量検出部3により検出された最新の、近接状態にないと判定した静電容量値を新たなベースライン値とする。なお、過去の一定数のサンプルまで遡った平均値を新たなベースライン値とするようにしてもよい。
次に、308にて算出したベースライン値をベースライン格納部6に格納し(S310)、S100へ戻る。
上記した構成によれば、車両用空調装置が作動を開始した直後を、ベースライン更新条件を変更すべき状況として、ベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定し、ベースライン更新条件を変更すべき状況と判定した場合、近接検出の判定閾値を大きくするので、車両用空調装置が作動を開始した直後に、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した直後に発生する温度変動により、表示パネル1の検知電極の静電容量値が変化して誤検出され、ベースライン値が更新されなくなるといったことが防止され、検出精度を向上することができる。
また、車両用空調装置が作動を開始した後、いつまでも近接検出の判定閾値を大きくした状態が継続すると、かえって近接検出の検出精度が低下してしまうが、上記した構成によれば、車両用空調装置が作動を開始した後、ベースライン値の更新を実施するまでの期間、近接検出の判定閾値を大きくし、その後、近接検出の判定閾値を変更前の値に戻すので、近接検出の検出精度を良好に維持することが可能である。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、近接判定閾値決定処理において、車両用空調装置が作動を開始した直後を、ベースライン更新条件を変更すべき状況例として、ベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定し、ベースライン更新条件を変更すべき状況と判定した場合、近接検出の判定閾値を大きくした。これに対して、本実施形態では、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されている場合、および、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域と表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されている場合を、ベースライン更新条件を変更すべき状況として、ベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定し、ベースライン更新条件を変更すべき状況と判定した場合、近接検出の判定閾値を大きくする。
つまり、表示パネルにどのような画像が表示されるか(表示状況)によって、表示装置へのタッチ操作の可能性の大小がある程度推測できる。これにより、静電容量値の変化がタッチ操作での近接、接触によるものか環境変化によるものかがある程度推測できる。本実施形態ではこのことに着目し、状況に応じた適切な判定閾値の制御を行うのである。
なお、上記第1実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を中心に説明する。第1実施形態では、表示装置にエアコンECU20が接続されているのに対し、本実施形態では、表示装置にエアコンECU20が接続されていない点が異なる。また、本実施形態と第1実施形態とでは、近接判定閾値決定処理が異なる。
さて、図6に、本実施形態における近接判定閾値決定処理のフローチャートを示す。本実施形態では、まず、表示パネル1に表示された表示画面が初期画面、エンディング画面、バックカメラ画面のいずれかであるか否かを判定する(S220)。なお、これらの画面は、全面に反応領域が含まれない画面であり、タッチ操作される可能性が他の画面に比べて低い画面である。すなわち、意図的な近接や接触の可能性が少なく、表示装置の静電容量値の変動は主に環境変化によるものと推測できる。
ここで、上記したような全面に反応領域が含まれない画面が表示されている場合、S220の判定はYESとなり、近接判定閾値を通常よりも大きくして(S222)、ベースラインを更新しやすくする。これにより、表示パネル1に、反応領域が含まれない画面が表示されるような場合でも、なんらかの環境変化(温度や振動変化)が生じて静電容量値が変化した結果、誤検出が発生してベースライン値が更新されなくなり、検出精度が低下してしまうといったことが防止される。
また一方、これらの画面以外の画面(少なくとも一部に反応領域が含まれる画面)が表示されている場合、S220の判定はNOとなり、次に、表示パネル1に表示された表示画面が地図画面、DVD再生画面、テレビ画面のいずれかであるか否かを判定する(S224)。なお、地図画面、DVD再生画面、テレビ画面は、全面が反応領域となっている画面であり、タッチ操作される可能性が他の画面に比べて高い画面である。すなわち、意図的な近接や接触の可能性が高く、表示装置の静電容量値の変動は主にこれが原因によるものと推測できる。
ここで、表示パネル1に上記した全面が反応領域となっている画面が表示されている場合、S224の判定はYESとなり、近接判定閾値を通常の値に決定する(S226)。これにより、表示パネル1に、全てが反応領域である画像が表示されるような場合は、タッチ操作による近接、接触がなされたときに、適正にベースラインの更新が停止される。よって、ベースライン値が適切に維持され、結果として検出精度が良好に保たれる。
また、ステップS224にてこれら地図画、DVD画、TV画以外の画面となっている場合(表示パネル1に上記した全面が反応領域となっている画面でない場合、すなわち、表示パネル1に反応領域と非反応領域を含む画像が表示されている場合)、S224の判定はNOとなり、反応領域については近接判定閾値を通常の値に決定し、非反応領域については近接判定閾値を通常よりも大きく変更する(S228)。このように、反応領域と非反応領域とで、近接判定閾値をきめ細かに異ならせる。これにより、表示パネル1に、反応領域と非反応領域が含まれる画面が表示されている場合で、非反応領域でステップS222での説明と同様に誤検出が発生し、ベースライン値が更新されなくなり、検出精度が低下してしまうといったことが防止される。一方、反応領域ではステップS226での説明と同様、検出精度が良好に維持される。
つまり、上記した構成によれば、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されているか否かを判定し、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、近接検出の判定閾値を大きくするので、表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像の表示中に、誤検出により、ベースラインの更新が行われなくなるといったことが防止され、検出精度を向上することができる。
また、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域と表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されているか否かを判定する第2の画像判定手段を備え、状況判定手段は、表示パネルに、表示パネルへの操作に反応する反応領域と表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、判定閾値変更手段は、非反応領域に対して近接検出の判定閾値を大きくするので、検出精度を向上することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、近接判定閾値決定処理において、助手席に乗員がいない場合で、かつ、タッチパネル以外のスイッチ操作が実施した場合、また、カーブを走行中であると判定した場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況として、ベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定し、ベースライン更新条件を変更すべき状況と判定した場合、近接検出の判定閾値を大きくする。
つまり、乗員の状況に応じて表示装置へのタッチ操作の可能性の大小がある程度推測できる。これにより、静電容量値の変化がタッチ操作での近接、接触によるものか環境変化によるものかがある程度推測できる。本実施形態ではこのことに着目し、状況に応じた適切な判定閾値の制御を行うのである。
本実施形態では、車両の各座席に乗員が乗車しているか否かを判定するため、各座席に備えられた着座センサ(図示せず)から着座の有無を表す信号が制御部7に入力されるようになっている。また、制御部7には、ステアリングスイッチ、表示パネル1の周囲に配置されたハードスイッチ、窓開閉スイッチ、エアコンスイッチ等のタッチパネル以外の操作スイッチからのスイッチ信号およびステアリング操作に応じた舵角を表す舵角信号が入力されている。
図7に、本実施形態における近接判定閾値決定処理のフローチャートを示す。本実施形態では、まず、助手席に人がいるか否かを判定する(S240)。具体的には、各座席に備えられた着座センサより入力される信号に基づいて助手席に人がいるか否かを判定する。
ここで、助手席に人がいる場合、S240の判定はYESとなり、近接判定閾値を通常の値に決定する(S242)。助手席者が同乗している場合、運転者が運転中であっても表示装置は助手席者によりタッチ操作される可能性が高い。すなわち、意図的な近接や接触の可能性が高く、表示装置の静電容量値の変動は主にこれが原因によるものと推測できる。そこで、助手席に人がいる場合には近接閾値を通常の値に決定する。これにより、表示装置にタッチ操作による近接、接触がなされたときに、適正にベースラインの更新が停止される。よって、ベースライン値が適切に維持され、結果として検出精度が良好に保たれる。
また一方、助手席に人がいない場合、S240の判定はNOとなり、次に、タッチパネル以外の操作スイッチが操作されているか否かを判定する(S244)。ここで、タッチパネル以外の操作スイッチとは、ステアリングスイッチ、表示パネル1の周囲に配置されたハードスイッチ、窓開閉スイッチ、エアコンスイッチ等がある。これらのスイッチは、通常、表示パネル1に対する操作と同時に行われないスイッチである。
ここで、タッチパネル以外の操作スイッチが操作されている場合、S244の判定はYESとなり、近接判定閾値を通常の値よりも大きくする(S246)。助手席に人がおらず、かつ運転者がタッチパネル以外の操作スイッチを操作している場合には、タッチパネル(表示装置)へのタッチ操作の可能性は低い。つまり、タッチパネルの静電容量値の変動は、主に環境変化によるものと推測できる。そこで、この場合は近接判定閾値を通常の値よりも大きくし、ベースライン更新を行いやすくするのである。このようにすれば、なんらかの環境変化(温度や振動変化)が生じて静電容量値が変化した結果、誤検出が発生してベースライン値が更新されなくなり、検出精度が低下してしまうといったことが防止される。
さてステップS244で、タッチパネル以外の操作スイッチが操作されていない場合、S244の判定はNOとなり、次に、車両がカーブを走行中であるか否かを判定する(S248)。本実施形態では、ステアリング操作に応じた舵角を表す舵角信号に基づいてカーブを走行中であるか否かを判定する。
ここで、車両がカーブを走行中の場合、S248の判定はYESとなり、近接判定閾値を通常の値よりも大きくする(S246)。一方、車両がカーブを走行中でない場合、S248の判定はNOとなり、近接判定閾値を通常の値に決定する(S242)。
タッチパネル以外のスイッチを操作していなくとも、カーブ走行中など、運転者により負担がかかる状況では、タッチパネルへのタッチ操作の可能性は低い。よってタッチパネルの静電容量値の変動は、主に環境変化によるものと推測できる。そこで、この場合は近接判定閾値を通常の値よりも大きくし、ベースライン更新を行いやすくするのである。このようにすれば、なんらかの環境変化(温度や振動変化)が生じて静電容量値が変化した結果、誤検出が発生してベースライン値が更新されなくなり、検出精度が低下してしまうといったことが防止される。
一方タッチパネル以外のスイッチを操作しておらず、カーブ走行中でない(停止中、道なり経路を直進中など、運転操作において負担の少ない)状況ではタッチパネルへのタッチ操作の可能性は比較的高い。すなわち、意図的な近接や接触の可能性が高く、表示装置の静電容量値の変動は主にこれが原因によるものと推測できる。そこで、ステップS248が否定判定(S248:No)の場合は、近接閾値を通常の値に決定するのである。これにより、表示装置にタッチ操作による近接、接触がなされたときに、適正にベースラインの更新が停止される。よって、ベースライン値が適切に維持され、結果として検出精度が良好に保たれる。
上記したように、助手席に乗員が乗車していないと判定され、かつ、表示パネル以外の操作部が操作されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定することもできる。
また、車両がカーブを走行中の状況を、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定することもできる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、車両に搭載されたナビゲーションシステムの表示を行う装置として表示装置を構成した例を示したが、車両に搭載されるものや、ナビゲーションシステムの表示を行う装置に限定されるものではない。
また、上記第1実施形態では、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した直後をベースライン更新条件を変更すべき状況として判定したが、更に、表示パネルにおける静電容量値の分布をモニタ(監視)し、表示パネルにおける静電容量値の分布に基づいて静電容量値の変化が環境変化によるものか、手指の近接あるいは接触によるものかを判断し、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した直後で、かつ、静電容量値の変化が環境変化によるものであると判断された場合に、ベースライン更新条件を変更すべき状況として判定するように構成してもよい。この場合、車両用空調装置(エアコン)が作動を開始した直後で、かつ、静電容量値の変化が環境変化によるものであると判断された場合に、ベースラインを更新しやすくするために近接検出の判定閾値を変化させ、手指の近接であれば近接検出の判定閾値を維持するように構成すればよい。
図8に、環境変化により表示パネルの上端の静電容量値が変動した場合と、手指の接触により表示パネルの上端の静電容量値が変動した場合の静電容量値の分布例を示す。この図8における横軸は、表示パネル1の縦方向(検知電極のY方向)を表しており、縦軸は、静電容量値となっている。図8に示されるように、手指の接触により静電容量値が変動した場合、環境変化により静電容量値が変動した場合と比較して、静電容量値の分布は尖度が高くなる。因みに、図8において、環境要因時の尖度は3.3であるのに対し、手指の接触時の尖度は9.8となっている。つまり、静電容量値の分布の尖度が一定値以下の場合には環境要因と判断してベースラインの更新を実施し、尖度が一定値より大きい場合には手指の近接、接触と判断してベースラインの更新を実施しないという判断を加えるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザによる意図的な近接・接触と環境要因との区別を高精度で行うことができる。
また、上記第2、第3実施形態についても、表示パネルにおける静電容量値の分布をモニタ(監視)し、表示パネルにおける静電容量値の分布の尖度が一定値以下の場合には環境要因と判断してベースラインの更新をより実施しやすくし、尖度が一定値より大きい場合には手指の近接、接触と判断してベースラインの更新を実施しないという判断を加えるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態において、エアコンECU20が表示装置に接続されていない前提で説明したが、接続されていてもよい。つまり、第1実施形態と第2実施形態とは両立できる。
また、第3実施形態において、S240にてNOと判定され、かつ、S244にてNOと判定された場合に、S248にて車両がカーブを走行中であるか否かを判定するようにしたが、S240およびS244の判定と関係なく、車両がカーブを走行中であるか否かを判定するようにしてもよい。
また、上記第3実施形態において、助手席に乗員が乗車していないと判定され、かつ、表示装置以外の操作部から操作が実施されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定したが、運転者以外の乗員が乗車していないと判定され、かつ、表示パネル以外の操作部から操作が実施されていると判定された場合、ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定するようにしてもよい。
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S300、S302が検出手段に相当し、S310がベースライン更新手段に相当し、S206、S220、S224、S240、S244、S248が状況判定手段に相当し、S204、S222、S228、S246が判定閾値変更手段に相当し、S220が第1の表示画像判定手段に相当し、S224が第2の画像判定手段に相当し、S240が乗員判定手段に相当し、S244が操作判定手段に相当し、S248がカーブ走行判定手段に相当する。
1 表示パネル
2 検知電極
3 静電容量検出部
4 近接・接触検出部
5 ベースライン更新部
6 ベースライン格納部
7 制御部
10 ナビゲーションECU
20 エアコンECU

Claims (11)

  1. 表示パネルと重ねて配置された検知電極の静電容量値を検出する静電容量検出部と、ベースライン値を記憶する記憶手段と、前記静電容量検出部により検出される静電容量値と前記ベースライン値との差分値の大きさと近接検出の判定閾値を比較して前記表示パネルへの検出対象物の近接を検出する検出手段と、前記検出手段により前記検出対象物の近接が検出されない場合に、前記ベースライン値を更新するベースライン更新手段と、を備えた表示装置であって、
    前記ベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定する状況判定手段と、
    前記状況判定手段により前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定された場合、近接検出の判定閾値を大きくする判定閾値変更手段と、を備え
    車両に搭載され
    前記状況判定手段は、車両用空調装置が作動を開始した直後を、前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、
    前記判定閾値変更手段は、前記車両用空調装置が作動を開始した後の予め定められた期間、前記近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴とする表示装置。
  2. 前記判定閾値変更手段は、前記車両用空調装置が作動を開始した後、前記ベースライン値の更新を実施するまでの期間、前記近接検出の判定閾値を大きくし、その後、前記近接検出の判定閾値を変更前の値に戻すことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
  3. 前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されているか否かを判定する第1の表示画像判定手段と、
    前記状況判定手段は、前記第1の表示画像判定手段により、前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されていると判定された場合、前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、
    前記判定閾値変更手段は、前記近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 表示パネルと重ねて配置された検知電極の静電容量値を検出する静電容量検出部と、ベースライン値を記憶する記憶手段と、前記静電容量検出部により検出される静電容量値と前記ベースライン値との差分値の大きさと近接検出の判定閾値を比較して前記表示パネルへの検出対象物の近接を検出する検出手段と、前記検出手段により前記検出対象物の近接が検出されない場合に、前記ベースライン値を更新するベースライン更新手段と、を備えた表示装置であって、
    前記ベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定する状況判定手段と、
    前記状況判定手段により前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定された場合、近接検出の判定閾値を大きくする判定閾値変更手段と
    前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されているか否かを判定する第1の表示画像判定手段と、を備え
    車両に搭載され
    前記状況判定手段は、前記第1の表示画像判定手段により、前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域を含まない画像が表示されていると判定された場合、前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、
    前記判定閾値変更手段は、前記近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴とする表示装置。
  5. 前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域と前記表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されているか否かを判定する第2の画像判定手段を備え、
    前記状況判定手段は、前記第2の画像判定手段により、前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域と前記表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されていると判定された場合、前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、
    前記判定閾値変更手段は、非反応領域に対して前記近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の表示装置。
  6. 表示パネルと重ねて配置された検知電極の静電容量値を検出する静電容量検出部と、ベースライン値を記憶する記憶手段と、前記静電容量検出部により検出される静電容量値と前記ベースライン値との差分値の大きさと近接検出の判定閾値を比較して前記表示パネルへの検出対象物の近接を検出する検出手段と、前記検出手段により前記検出対象物の近接が検出されない場合に、前記ベースライン値を更新するベースライン更新手段と、を備えた表示装置であって、
    前記ベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定する状況判定手段と、
    前記状況判定手段により前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定された場合、近接検出の判定閾値を大きくする判定閾値変更手段と
    前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域と前記表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されているか否かを判定する第2の画像判定手段と、を備え
    車両に搭載され
    前記状況判定手段は、前記第2の画像判定手段により、前記表示パネルに、前記表示パネルへの操作に反応する反応領域と前記表示パネルへの操作に反応しない非反応領域を含む画像が表示されていると判定された場合、前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定し、
    前記判定閾値変更手段は、非反応領域に対して前記近接検出の判定閾値を大きくすることを特徴とする表示装置。
  7. 記状況判定手段は、運転者による前記表示パネルへの操作が実施されることのない状況を、前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の表示装置。
  8. 表示パネルと重ねて配置された検知電極の静電容量値を検出する静電容量検出部と、ベースライン値を記憶する記憶手段と、前記静電容量検出部により検出される静電容量値と前記ベースライン値との差分値の大きさと近接検出の判定閾値を比較して前記表示パネルへの検出対象物の近接を検出する検出手段と、前記検出手段により前記検出対象物の近接が検出されない場合に、前記ベースライン値を更新するベースライン更新手段と、を備えた表示装置であって、
    前記ベースライン値を更新するベースライン更新条件を変更すべき状況か否かを判定する状況判定手段と、
    前記状況判定手段により前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定された場合、近接検出の判定閾値を大きくする判定閾値変更手段と、を備え
    車両に搭載され
    前記状況判定手段は、運転者による前記表示パネルへの操作が実施されることのない状況を、前記ベースライン更新条件を変更すべき状況であると判定することを特徴とする表示装置。
  9. 運転者以外の乗員が乗車しているか否かを判定する乗員判定手段と、
    前記表示パネル以外の操作部が操作されているか否かを判定する操作判定手段と、を備え、
    前記状況判定手段は、前記乗員判定手段により前記運転者以外の乗員が乗車していないと判定され、かつ、前記操作判定手段により前記表示パネル以外の操作部が操作されていると判定された場合に、前記運転者による前記表示パネルへの操作が実施されることのない状況であると判定することを特徴とする請求項7または8に記載の表示装置。
  10. 前記車両がカーブを走行中であるか否かを判定するカーブ走行判定手段を備え、
    前記状況判定手段は、前記カーブ走行判定手段により前記車両がカーブを走行中であると判定された場合に、前記運転者による前記表示パネルへの操作が実施されることのない状況と判定することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1つに記載の表示装置。
  11. 前記検出手段は、前記差分値の大きさと前記近接検出の判定閾値よりも大きな値である接触検出の判定閾値とを比較して前記表示パネルへの前記検出対象物の接触を検出し、
    前記ベースライン更新手段は、前記検出手段により前記検出対象物の近接または接触が検出されない場合に、前記ベースライン値を更新することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の表示装置。
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