JP6839901B2 - 眼科用顕微鏡 - Google Patents
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Description
一方、ガリレオ式実体顕微境においては、対物レンズと結像光学系が偏心しているため、残存収差が左右で逆の向きになり、残存収差を小さくすることは困難である。
グリノー式実体顕微境によれば、対物レンズと結合光学系の偏心を少なくすることが可能であるが、2つの独立した観察光学系を斜交させるため、機構が複雑になるという問題があった。
また、ガリレオ式実体顕微境の対物レンズをOCT光学系の光路が透過しない方式も開発されている(特許文献8及び9)。
より詳細に説明すると、図11(特許文献9の図2を引用した図面)に示される眼科用顕微鏡においては、観察光学系の光軸が透過する対物レンズ(15)の下部で、対物レンズ(15)の側方から入射したOCT光源の光を偏向部材(106)で反射させて、被検眼にOCT光学系の光を入射させている。
尚、この眼科用顕微鏡では、走査用の偏向光学素子である第1スキャナ(102a)と第2スキャナ(102b)の間の位置(たとえば、中間位置)と患者眼Eの位置とが光学的に略共役であることが示されている(特許文献9の[0043]段落)。
例えば、特許文献3〜7に示されるように、ガリレオ式実体顕微境にOCT光学系を組み込んだ眼科用顕微鏡は、OCT光学系の光路がガリレオ式実体顕微境の対物レンズを透過する方式となっており、OCT光学系と観察光学系を独立させることができなかった。
OCT光学系の光路がガリレオ式実体顕微境の対物レンズを透過しない方式として、特許文献8及び9に示されるように、対物レンズの下部にOCT光学系を設ける方式があるが、被検眼と眼科用顕微鏡の間の作業空間を十分に確保できなくなるという問題があった。
しかしながら、グリノー式実体顕微境は、図10(A)に示されるように、左眼用観察光学系のピント位置(Q400L)が、右眼用観察光学系のピント位置(Q400R)と重ならず、図10(C)に示されるように周辺のピント差が左右眼の像で逆になるという問題点を有する。
また、グリノー式実体顕微鏡は、2つの独立した観察光学系を斜交させるため、機構的に複雑に成らざるを得ず、変倍光学系の組み立ても困難に成らざるを得ないという不都合があった。
前記眼科用顕微鏡内において、前記左眼用観察光学系の光軸と前記右眼用観察光学系の光軸が略平行であり、
前記左眼用観察光学系と前記右眼用観察光学系がそれぞれ対物レンズを有しており、
前記対物レンズが、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズとを少なくとも有するレンズ群からなり、
前記対物レンズによって、前記左眼用観察光学系の光軸の向きと前記右眼用観察光学系の光軸の向きが、前記被検眼の側で互いに交差する方向に変更され、
前記対物レンズとは別に、前記OCT光学系の光軸が透過するOCT用対物レンズを有し、
前記偏向光学素子と前記OCT用対物レンズが、光学的に略共役な位置関係であることを特徴とする眼科用顕微鏡に関する。
(2)本発明の眼科用顕微鏡においては、前記偏向光学素子が、走査する方向が異なる2つの対となる偏向光学素子からなる場合には、
前記2つの偏向光学素子の間の光路上に、リレー光学系を有しており、
前記2つの偏向光学素子のいずれも、前記OCT用対物レンズと略共役な位置関係であることが好ましい。
(3) 前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記光軸の向きを変更する光学素子がウェッジプリズムであることが好ましい。
(4) 前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記第1のレンズが負のパワーを有する凹レンズであり、前記第2のレンズが正のパワーを有する凸レンズであることが好ましい。
(5) 前記いずれかの眼科用鏡顕微鏡においては、前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでいる場合には、
前記左眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で交差する方向に傾斜していることが好ましい。
(6) 前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでいる場合には、
前記左眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で離れる方向に傾斜していることが好ましい。
本発明の眼科用顕微鏡は、被検眼を照明する照明光学系と、照明光学系で照明された被検眼を観察するための左眼用観察光学系と右眼用観察光学系を有する観察光学系と、光コヒーレンストモグラフィにより被検眼を検査するための測定光の光路と測定光を走査する偏向光学素子を有するOCT光学系とを備える眼科用顕微鏡に関するものである。
本発明の眼科用顕微鏡は、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系にそれぞれ小口径化された対物レンズを有しているため、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系が共通して透過する大口径の対物レンズを使用する必要がない。このため、対物レンズの光軸とその前にあるレンズの光軸との偏心が小さくなり、残存収差の補正が可能である。また、本発明の眼科用顕微鏡は、大口径の対物レンズを使用する必要がなく、対物レンズを小口径化できるので、OCT光学系等の別の光学系を容易に設置することができる。
本発明の眼科用顕微鏡は、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズとを少なくとも有するレンズ群を、対物レンズとして使用する。かかる対物レンズにより、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸の向きが、被検眼の側で互いにに交差する方向に変更されている。したがって、本発明の眼科用顕微鏡は、眼科用顕微鏡内において、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸を略平行としながら、対物レンズよりも被検眼側で2つの光軸を交差させることができ、グリノー式実体顕微鏡のように左右の観察光学系を斜交して配置する複雑な機構とする必要がない。
また、本発明の眼科用顕微鏡は、対物レンズとは別にOCT用対物レンズを有しており、OCT光学系の光軸はOCT用対物レンズを透過する。これにより、観察光学系とOCT光学系とが独立したものとなっており、光学設計の自由度が高まる。
ここで、「光学的に略共役な位置関係である」とは、光軸上で共役な2つの位置又はその前後の位置に、それぞれ偏向光学素子とOCT用対物レンズが位置することをいう。また、「共役な位置関係」とは、一方の位置に像が形成された場合に、他方の位置にも同じ像が形成される位置関係をいう。
偏向光学素子を2つ用いる場合には、例えば、1つの偏向光学素子をx軸方向に走査する偏向光学素子とし、もう一つの偏向光学素子をy軸方向に走査する偏向光学素子とすることにより、測定光を2次元で走査(スキャン)することができる。
この場合には、x軸方向に走査する偏向光学素子とOCT用対物レンズとを光学的に略共役な位置関係とすることにより、OCT用対物レンズの口径を小さくしても、x軸方向の走査の幅を大きく保つことができる。また、y軸方向に走査する偏向光学素子とOCT対物レンズとを光学的に略共役な位置関係とすることにより、OCT用対物レンズの口径を小さくしても、y軸方向の走査の幅を大きく保つことができる。好ましくは、x軸方向に走査する偏向光学素子とy軸方向に走査する偏向光学素子のいずれについても、OCT用対物レンズと光学的に略共役な位置関係とするのがよい。
ここで、リレー光学系とは、レンズ等の光学素子であり2つの偏向光学素子の間に設けられるものであればどのような光学系であってもよく、例えば、2つ以上のレンズからなるレンズ群であってもよい。
また、2つの偏向光学素子の間の距離を20mm程度以下とし、2つの偏向光学素子の中間の位置をOCT用対物レンズと共役な位置とすれば、前記リレー光学系を用いなくても、2つの偏向光学素子のいずれについてもOCT用対物レンズと略共役な位置関係とすることができる。
本発明の眼科用顕微鏡は、眼科分野における診療や手術において被検眼の拡大像を観察(撮影)するために使用される。観察対象部位は、患者眼の任意の部位であってよく、たとえば、前眼部においては角膜や虹彩、隅角や硝子体や水晶体や毛様体などであってよく、後眼部においては網膜や脈絡膜や硝子体であってよい。また、観察対象部位は、瞼や眼窩など眼の周辺部位であってもよい。
本発明の眼科用顕微鏡は、各レンズの位置や傾き等の制御や光源の制御を行うための制御部や、撮像した画像を表示する表示部等を含ませることができる。また、これらの制御部や表示部は、眼科用顕微鏡とは別のものとしてもよい。
また、本発明の「観察光学系」は、接眼レンズ等を通じて観察者が直接被検眼を観察できるものであってもよく、また、撮像素子等により受光して画像化することにより観察できるものであってもよく、あるいは、両方の機能を備えるものであってもよい。
また、本発明において、「偏向光学素子」とは、光の方向を変えて光を走査することができる光学素子であればどのようなものであってもよい。例えば、これらに限定されるわけではないが、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、回転ミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等のように、向きが変化する反射部を有する光学素子や、偏向プリズムスキャナやAO素子等のように、電界や音響光学効果等により光の向きを変えることができる光学素子を用いることができる。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜4は、本発明の眼科用顕微鏡の一例である第1の実施形態を模式的に示す図面である。図1は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡の光学系の構成を模式的に示す正面図であり、図2は、光学系の構成の側面図である。また、図3は、OCTユニットの光学構成を模式的に示す図面であり、図4は、対物レンズ周辺でのレンズの配置及び光路の配置を模式的に示す断面図である。
また、図2の側面図に示されるように、眼科用顕微鏡(1)の光学系は、さらに照明光学系(300)を有している。観察光学系(400)は、照明光学系(300)により照明されている被検眼(8)を、拡大して観察するために用いられる。
図1及び図2に示されるように、観察光学系(400)と、OCT光学系(500)と、照明光学系(300)は、一点鎖線で示される眼科用顕微鏡本体(6)に収納されている。
したがって、第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)は、グリノー式実体顕微鏡のように左右の観察光学系を斜交して配置する複雑な機構とする必要がない。
第1の実施形態においては、光軸の向きを変更する光学素子(401b)として、ウェッジプリズムが用いられ、基底方向は内側(ベースイン)である。ウェッジプリズムにより、左右の観察光学系の光軸(O−400L,O−400R)は、被検眼の側で互いに交差する方向に向きが変更される。
左右の観察光学系の光軸(O−400L,O−400R)の交点は対物レンズ(401)の前側焦点位置(U0)に略一致するのが望ましい。
また、第2のレンズ(401c)は、正のパワーを有する凸レンズである。
また、図1に示されるように、左右の対物レンズ(401)は、左右の観察光学系の光軸(O−400L,O−400R)を、被検眼の側で交差するように向きを変更できるので、被検眼の同一の箇所を左右眼により両眼観察することを可能としている。
このような構成により、第1の実施形態の眼科用顕微鏡では、観察光学系とOCT光学系(500)とが独立しており、光学設計の自由度を高めることができる。
図2に示されるように、照明光学系(300)は、被検眼(8)を照明するものであり、照明光源(9)、光ファイバ(301)、出射口絞り(302)、コンデンサレンズ(303)、照明野絞り(304)、コリメートレンズ(305)、反射ミラー(306)、及び照明用対物レンズ(7)を含んで構成されている。これらの照明光学系(300)の光軸を、図2において点線(O−300)で示す。
光ファイバ(301)の出射口(コンデンサレンズ(303)側のファイバ端)に臨む位置には、出射口絞り(302)が設けられている。出射口絞り(302)は、光ファイバ(301)の出射口の一部領域を遮断するように作用する。出射口絞り(302)による遮断領域が変更されると、照明光の出射領域が変更される。それにより、照明光による照射角度を変更することができる。
被検眼(8)に照射された照明光(の一部)は、角膜や網膜等の被検眼の組織で反射・散乱される。その反射・散乱した戻り光(「観察光」とも呼ばれる)は、観察光学系(400)に入射する。
変倍レンズ(402)は、複数のズームレンズ(402a,402b,402c)を含んだレンズ群となっている。各ズームレンズ(402a,402b,402c)は、図示しない変倍機構によって左右の観察光学系の光軸(O−400L,O−400R)に沿って移動可能となっている。これにより、被検眼(8)を観察又は撮影する際の拡大倍率が変更される。
テレビカメラ(1102)は、撮像素子(1102a)を備えている。撮像素子(1102a)は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等によって構成される。撮像素子(1102a)としては2次元の受光面を有するもの(エリアセンサ)が用いられる。
撮像素子(1102a)の受光面は、対物レンズ(401)の前側焦点位置(U0)と光学的に共役な位置に配置される。
ビームスプリッタ及び撮影光学系は左右双方の観察光学系にあっても良い。左右各々の撮像素子で視差のある画像を取得することで、立体的な画像を得ることができる。
テレビカメラの画像は観察画像とするだけでなく、OCT観察部位のトラッキングにも使用できる。被検眼の固視微動や手術操作等により被検眼がOCT走査中に動いてしまうと、OCTにより得られる断層像にズレが生じてしまうが、テレビカメラの画像を元に眼底の動きを検出して、眼底の動きに合わせてOCT光学系を走査することにより、ズレなくOCTの断層像を得ることが可能となる。
観察光学系(400L,400R)は、観察光学系の光路から挿脱可能に構成されたステレオバリエータを含んで構成されてもよい。ステレオバリエータは、左右の変倍レンズ系(402)によってそれぞれ案内される左右の観察光学系の光軸(O−400L,O−400R)の相対的位置を変更するための光軸位置変更素子である。ステレオバリエータは、例えば、観察光学系の光路に対して観察者側に設けられた退避位置に退避される。
また、角膜、虹彩等の前眼部を観察するときには、前置レンズ(14)を被検眼の眼前から脱離させ、対物レンズ(401)の前側焦点位置(U0)を前眼部に一致させて観察を行う。
照明野絞り(503)は、対物レンズ(401)の前側焦点位置(U0)と共役である。
ここで、第1走査ミラー(504a)とOCT用対物レンズ(509)を光学的に略共役な位置関係とすれば、OCT用対物レンズ(509)の大きさ(口径)による制限を低減し、OCT用対物レンズの口径が小さくとも、広い走査範囲を確保することができる。
ここで、第2走査ミラー(504a)とOCT用対物レンズ(509)を光学的に略共役な位置関係とすれば、OCT用対物レンズ(509)の大きさ(口径)による制限を低減し、OCT用対物レンズの口径が小さくとも、広い走査範囲とすることができる。
このような共役な位置関係とすることにより、第1の実施形態の眼科用顕微鏡においては、OCT用対物レンズ(509)の大きさ(口径)による制限を低減し、OCT用対物レンズの口径が小さくとも、広い照射領域とすることができる。
さらに、被検眼(8)に接する側には、OCT用対物レンズ(509)が設けられている。OCT用対物レンズ(509)は、光軸に沿って移動可能に構成されており、OCT用対物レンズの位置を制御することにより、OCT光学系の焦点(OCT走査面)を調整することができる。これにより、OCT光学系の焦点(OCT走査面)を、観察光学系の焦点(観察焦点面)とは異なる位置に調整することが可能となる。
ここではフーリエドメインタイプのOCTを実行可能な眼科装置について説明する。特に、実施形態に係る眼科装置は、スウェプトソースタイプのOCTの手法を適用可能である。なお、スウェプトソースタイプ以外のタイプ、例えばスペクトラルドメインタイプのOCTを実行可能な眼科装置に対して、この発明に係る構成を適用することも可能である。
図3に示されるように、OCTユニット(10)は、OCT光源ユニット(1001)から出射された光を測定光(LS)と参照光(LR)に分割し、別の光路を経た測定光(LS)と参照光(LR)の干渉を検出する干渉計を構成している。
OCT光源ユニット(1001)は、一般的なスウェプトソースタイプのOCT装置と同様に、出射光の波長を走査(掃引)可能な波長走査型(波長掃引型)光源を含んで構成される。OCT光源ユニット(1001)は、人の眼では視認できない近赤外の波長において、出力波長を時間的に変化させる。OCT光源ユニット(1001)から出力された光を符号L0で示す。
偏波コントローラ(1003)により偏光状態が調整された光L0は、光ファイバ(1004)によりファイバカプラ(1005)に導かれて測定光(LS)と参照光(LR)とに分割される。
コーナーキューブ(1010)は、コリメータ(1007)により平行光束となった参照光(LR)の進行方向を逆方向に折り返す。コーナーキューブ(1010)に入射する参照光(LR)の光路と、コーナーキューブ(1010)から出射する参照光(LR)の光路とは平行である。また、コーナーキューブ(1010)は、参照光(LR)の入射光路及び出射光路に沿う方向に移動可能とされている。この移動により参照光(LR)の光路(参照光路)の長さが変更される。
偏波コントローラ(1013)は、例えば、偏波コントローラ(1003)と同様の構成を有する。偏波コントローラ(1013)により偏光状態が調整された参照光LRは、光ファイバ(1014)によりアッテネータ(1015)に導かれて、演算制御ユニット(12)の制御の下で光量が調整される。アッテネータ(1015)により光量が調整された参照光(LR)は、光ファイバ(1016)によりファイバカプラ(1017)に導かれる。
図4(A)に示されるように、眼科用顕微鏡本体(6)の鏡筒内に、照明用対物レンズ(7)が設けられている。照明用対物レンズ(7)には3つの貫通孔(7a,7b,7c)が設けられたおり、そのうち2つの貫通孔(7a,7c)には、第1のレンズ(401a)が設けられている。
本発明の眼科用顕微鏡においては、それぞれの光学系が独自の対物レンズを有するため、それぞれの光学系の光路を独立させて、独立に制御することも可能となる。
照明用対物レンズ(7)は照明光路P−300のみをカバーする小口径のレンズでも良い。この場合は貫通孔(7a,7b,7c)を設けた大口径の照明用対物レンズを使用する必要がない。
図5(A)は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図5(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。
図5(B)に示されるように、第1のレンズの光軸(A−401a)は、内側(互いに被検眼の側で交差する方向)に傾斜している。ここで、対物レンズ(401)の前側焦点位置(U0)で各々の光軸は交差している。
次に、本発明の他の実施形態の例を、図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明の眼科用顕微鏡の他の一例である第2の実施形態の眼科用顕微鏡及び第3の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズ周辺での光路の配置を模式的に示す断面図である。
図6(A)は、第2の実施形態の眼科用顕微鏡の対物レンズ周辺での光路の配置を示し、図6(B)は、第3の実施形態の眼科用顕微鏡の対物レンズ周辺での光路の配置を示す。
副観察光学系は、主となる観察者(術者)以外の助手となる観察者が被検眼を観察するために用いられる。
本発明の眼科用顕微鏡においては、観察光学系とOCT光学系がそれぞれ独自の対物レンズを有するため、このように多くの光学系の光路を独立させて配置することも可能である。
本発明の眼科用顕微鏡で使用する対物レンズは、少なくとも、第1のレンズ、光軸の向きを変更する光学素子、及び第2のレンズを含んで構成されるレンズ群からなる対物レンズである。
ここで、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズは、どのような順序により並んでいてもよい。
また、これらのレンズにさらに他レンズや光学素子を加えて、対物レンズとして用いるレンズ群とすることもできる。
このような構成とすることにより、図10に示したような、周辺のピント差が左右眼の像で逆になるという問題を大きく改善することができる。
図7は、本発明の眼科用顕微鏡の他の一例である第4の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。
図7(A)は、第4の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図7(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。
このような構成とすることにより、図10に示したような、周辺のピント差が左右眼の像で逆になるという問題を大きく改善することができる。
図8は、本発明の眼科用顕微鏡の他の一例である第5の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。
図8(A)は、第5の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図8(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。
1 眼科用顕微鏡
2 被検体
300 照明光学系
301 光ファイバ
302 出射光絞り
303 コンデンサレンズ
304 照明野絞り
305 コリメートレンズ
306 反射ミラー
400 観察光学系
400L 左眼用の観察光学系
400R 右眼用の観察光学系
401 対物レンズ
401a 第1のレンズ
401b 光軸の向きを変更する光学素子
401c 第2のレンズ
402 変倍レンズ
402a,402b,402c ズームレンズ
403 ビームスプリッタ
404 結像レンズ
405 像正立プリズム
406 眼幅調整プリズム
407 視野絞り
408 接眼レンズ
500 OCT光学系
501 光ファイバ
502 コリメートレンズ
503 照明野絞り
504a,504b 走査ミラー
505 リレー光学系
506 第1レンズ群
507 第2レンズ群
508 反射ミラー
509 OCT用対物レンズ
6 眼科用顕微鏡本体
7 照明用対物レンズ
7a,7b,7c 貫通孔
8 被検眼
9 照明光源
10 OCTユニット
1001 OCT光源ユニット
1002 光ファイバ
1003 偏波コントローラ
1004 光ファイバ
1005 ファイバカプラ
1006 光ファイバ
1007 コリメータ
1008 光路長補正部材
1009 分散補償部材
1010 コーナーキューブ
1011 コリメータ
1012 光ファイバ
1013 偏波コントローラ
1014 光ファイバ
1015 アッテネータ
1016 光ファイバ
1017 ファイバカプラ
1018 光ファイバ
1019 光ファイバ
1020 光ファイバ
1021 検出器
1101 結像レンズ
1102 テレビカメラ
1102a 撮像素子
12 演算制御ユニット
13 表示部
14 前置レンズ
A−401 対物レンズの光軸
A−402 変倍レンズの光軸
A−401a 第1のレンズの光軸
A−401c 第2のレンズの光軸
O−300 照明光学系の光軸
O−400 観察光学系の光軸
O−400L 左眼用観察光学系の光軸
O−400R 右眼用観察光学系の光軸
O−500 OCT光学系の光軸
P−300 照明光学系の光路
P−400L 左眼用観察光学系の光路
P−400R 右眼用観察光学系の光路
P−400SL 副観察光学系の左眼用の光路
P−400SR 副観察光学系の右眼用の光路
P−500 OCT光学系の光路
Q400L 左眼用観察光学系のピント位置
Q400R 右眼用観察光学系のピント位置
V400L 左眼用の像
V400R 右眼用の像
L0 OCT光源ユニットから出力された光
LC 干渉光
LS 測定光
LR 参照光
U0 前側焦点位置
Claims (6)
- 被検眼を照明する照明光学系と、前記照明光学系で照明された前記被検眼を観察するための左眼用観察光学系と右眼用観察光学系を有する観察光学系と、光コヒーレンストモグラフィにより前記被検眼を検査するための測定光の光路と前記測定光を走査する偏向光学素子を有するOCT光学系とを備える眼科用顕微鏡において、
前記眼科用顕微鏡内において、前記左眼用観察光学系の光軸と前記右眼用観察光学系の光軸が略平行であり、
前記左眼用観察光学系と前記右眼用観察光学系がそれぞれ対物レンズを有しており、
前記対物レンズが、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズとを少なくとも有するレンズ群からなり、
前記対物レンズによって、前記左眼用観察光学系の光軸の向きと前記右眼用観察光学系の光軸の向きが、前記被検眼の側で互いに交差する方向に変更され、
前記対物レンズとは別に、前記OCT光学系の光軸が透過するOCT用対物レンズを有し、
前記偏向光学素子と前記OCT用対物レンズが、光学的に略共役な位置関係である
ことを特徴とする眼科用顕微鏡。 - 前記偏向光学素子は、走査する方向が異なる2つの対となる偏向光学素子からなり、
前記2つの偏向光学素子の間の光路上に、リレー光学系を有しており、
前記2つの偏向光学素子のいずれも、前記OCT用対物レンズと略共役な位置関係であることを特徴とする、請求項1に記載の眼科用顕微鏡。 - 前記光軸の向きを変更する光学素子がウェッジプリズムであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の眼科用顕微鏡。
- 前記第1のレンズが負のパワーを有する凹レンズであり、前記第2のレンズが正のパワーを有する凸レンズであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。
- 前記対物レンズにおいて、前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでおり、
前記左眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で交差する方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。 - 前記対物レンズにおいて、前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでおり、
前記左眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で離れる方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。
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