JP2019010239A - 眼科用顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼科用顕微鏡本体の下方にOCT装置等を含んだ機能拡張ユニットを容易に設置することができ、残存収差の補正が可能で、残存収差を左右で均等に近いものとし、両眼視に好適な眼科用顕微鏡を提供する。
【解決手段】眼科用顕微鏡本体と、OCT光学系を備えた機能拡張ユニットを備えた眼科用顕微鏡であり、対物レンズが第1のレンズ401aと、光軸の向きを変更する光学素子401bと、第2のレンズ401cを少なくとも有するレンズ群からなり、左眼用観察光学系の光軸の向きと右眼用観察光学系の光軸の向きが被検眼の側で互いに交差する方向に変更され、機能拡張ユニットが、OCT光学系の信号光を前記被検眼の方向に偏向するための偏向部材508を格納しており、機能拡張ユニット7が対物レンズと被検眼との間に脱着可能に取り付けられていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、眼科用顕微鏡に関する。詳しくは、対物レンズを小口径とすることができ、眼科用顕微鏡本体が備えている対物レンズと被検眼の間にOCT装置等の別の光学系を含んだ拡張機能ユニットを容易に設置することができる眼科用顕微鏡に関する。さらに詳しくは、残存収差が少なく、左右眼で観察される像の残像収差が左右で均等に近く、両眼視に好適な眼科用顕微鏡に関する。
眼科分野では、眼を拡大観察するために各種の眼科用顕微鏡が使用されている。そのような眼科用顕微鏡としては、例えば、眼底カメラ、スリットランプ顕微鏡、手術用顕微鏡等がある。これらの眼科用顕微鏡は、眼を立体観察するために左眼と右眼との間で生じる両眼視差を与える双眼光学系を有している。
従来の典型的な眼科用顕微鏡は、ガリレオ式実体顕微鏡である。ガリレオ式実体顕微鏡は、左右の観察光学系の光軸が共通して透過する対物レンズを備えている点、及び左右の観察光学系の光軸が基本的には平行である点に技術的特徴を備えている。また、ガリレオ式実体顕微鏡は、他の光学系、光学素子と組み合わせ易いという利点を有している。一方、ガリレオ式実体顕微鏡は、対物レンズと結像光学系とが偏心しているため、残存収差が左右で逆の向きとなってしまうため、残存収差を小さくすることが困難であるという欠点を有している。
本発明者らは以前に、ガリレオ式実体顕微鏡とは別の方式である、グリノー式実体顕微鏡を採用した眼科用顕微鏡を開発した(特許文献1及び2)。グリノー式実体顕微鏡は、左右の2つに独立した観察光学系を有し、左右の観察光学系の光軸が交差するように配置された顕微鏡である。グリノー式実体顕微鏡は、共通の対物レンズを使用せず、左右の観察光学系のそれぞれが対物レンズを備えている。
グリノー式実体顕微鏡によれば、対物レンズと結像光学系の偏心を少なくすることが可能であるが、2つの独立した観察光学系を斜交させるため、機構的に複雑になるという問題があった。
ところで、眼科用顕微鏡と組み合わせることができる検査装置として、OCT(Optical Coherence Tomography)装置がある。OCT装置は、眼の断面像や三次元画像の取得、眼組織のサイズ(網膜厚等)の測定、眼の機能情報(血流情報等)の取得等に使用することができる。
眼科用顕微鏡にOCT装置を組み込んだ装置が数多く開発されているが、その多くは、ガリレオ式実体顕微鏡の対物レンズをOCT光学系の光路が透過するものであった(特許文献3〜7)。
また、ガリレオ式実体顕微鏡の対物レンズをOCT光学系の光路が透過しない方式も開発されているが(特許文献8)、対物レンズと被検眼の間にOCT光学系を設けるものであった。
さらに、ガリレオ式の実体顕微鏡において、OCT光学系の光軸が対物レンズを透過しない方式としては、対物レンズの上方、側方、下方のそれぞれから入射したOCT光源の光を、対物レンズの上方、側方、下方で偏向部材により反射させて、対物レンズを透過させずに被検眼に入射させる方式を採用した眼科用顕微鏡がある(特許文献9)。
特開2016−185177号公報 特開2016−185178号公報 特開平8−66421号公報 特開2008−264488号公報 特開2008−268852号公報 特表2010−522055号公報 特開2008−264490号公報 米国特許第8366271号明細書 特開2015−211734号公報
従来の眼科用顕微鏡システムに採用されているガリレオ式実体顕微鏡は、図11(A)に模式的に示すように、左眼用観察光学系の光軸(O-400L)と右眼用観察光学系の光軸(O-400R)が共通して透過する対物レンズ(2)を備えている。左眼用観察光学系及び右眼用観察光学系は、例えば、変倍レンズ(402)や接眼レンズ(408)等からなる。
しかしながら、図11(B)に模式的に示すように、変倍レンズの光軸(A-402)と、対物レンズの光軸(A-2)とは、10〜15mm程度偏心している。このため、左右眼において生じる収差を補正することが困難である。また、残存収差は、対物レンズ(2)の外周側でより大きく生じるため、図11(C)に模式的に示すように、被検体(X)を両眼で観察した場合において、倍率色収差やコマ収差が、左眼用の像(V400L)と右眼用の像(V400R)とで逆側に発生し、左右の眼で異なる像を観察しなければならないという問題点がある。ガリレオ式実体顕微鏡には、輻輳角が0°のタイプと、輻輳角が0°でないタイプとが存在するが、いずれのタイプであっても、残存収差を小さくすることは、困難であった。
また、ガリレオ式実体顕微鏡は、大径の対物レンズを使用する必要があるために、光学設計や機構設計の自由度が制限されるというデメリットを有している。
例えば、特許文献3〜7に示されるように、ガリレオ式実体顕微鏡にOCT光学系を組み込んだ眼科用顕微鏡は、OCT光学系の光路がガリレオ式実体顕微鏡の対物レンズを透過する方式となっており、OCT光学系と観察光学系を独立させることができなかった。
OCT光学系の光路がガリレオ式実体顕微鏡の対物レンズを透過しない方式として、特許文献8に示されるように、対物レンズの下部にOCT光学系を設ける方式があるが、被検眼と眼科用顕微鏡の間にOCT光学系の大部分を配置するため、作業空間を十分に確保できなくなるという問題があった。
さらに、OCT光学系の光軸が対物レンズを透過しない方式として、対物レンズの上方、側方、下方のそれぞれから入射したOCT光源の光を、対物レンズの上方、側方、下方で偏向部材により反射させて、対物レンズを透過させずに被検眼に入射させる方式がある。
より詳細に説明すると、図12(特許文献9の図2を引用した図面)に示されるように、このガリレオ式実体眼科用顕微鏡は、顕微鏡の鏡筒部に第1光学ユニット(16)が装着されており、観察光学系の光軸が透過する対物レンズ(19)の下部において、対物レンズ(19)の下部側方から入射したOCT光源の光を偏向部材(100)で反射させて、被検眼にOCT光学系の信号光(LS)を入射させている。
この方式では、OCT光源の光が対物レンズを透過せずに被検眼に入射している。しかしながら、対物レンズ(19)は、大口径のレンズであり、レンズの外側にOCT光学系を取り付けることで、取り付け後の側方への張り出しが大きくなるため、眼科用顕微鏡を操作するうえで邪魔になるという問題があった。
一方、図13(A)に示すように、グリノー式実体顕微鏡においては、左眼用観察光学系の光軸(O―400L)と右眼用観察光学系の光軸(O―400R)とを斜交させており、これらの光軸が共通して透過する対物レンズを設けず、それぞれの光学系が対物レンズ(2)を有している。そして、図13(B)に示すように、変倍レンズの光軸(A-402)と対物レンズの光軸(A-2)は偏心していないため、残存収差を小さくすることができる。また、グリノー式実体顕微鏡においては、左右眼において生じる倍率色収差、コマ収差が左右眼において逆側に発生するという技術上の問題は発生しない。
さらに、グリノー式実体顕微鏡は、大口径の対物レンズを使用しないため、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系との間に形成される空間にOCT光学系を独立して設けることができる。
しかしながら、グリノー式実体顕微鏡は、図13(A)に示されるように、左眼用観察光学系のピント面(Q400L)が、右眼用観察光学系のピント面(Q400R)と重ならず、図13(C)に示されるように周辺のピントズレが左右眼の像で逆になるという問題点を有する。
また、グリノー式実体顕微鏡は、2つの独立した観察光学系を斜交させるため、機構的に複雑に成らざるを得ず、変倍光学系の組み立ても困難に成らざるを得ないという不都合があった。
そこで、本発明の目的は、従来の眼科用顕微鏡が有している技術上の問題点を解消し、
対物レンズを小口径とすることができ、眼科用顕微鏡本体が備えている対物レンズの下方にOCT装置等の別の光学系を含んだ機能拡張ユニットを容易に設置することができる眼科用顕微鏡を提供することにある。また、本発明の目的は、残存収差が小さくかつ、左右で均等に近いものとし、両眼視に好適な眼科用顕微鏡を提供することにある。
そこで、本件発明者らは、鋭意検討を行った結果、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系が共通して透過する大口径の対物レンズを廃し、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系のそれぞれに別個の小口径の対物レンズを設けることによって、レンズの偏心が解消され、残存収差を小さくするとともに、上記小口径の対物レンズを採用することによって、眼科用顕微鏡本体が備えている対物レンズの下方にOCT装置等の別の光学系を含んだ機能拡張ユニットを容易に設置できることを見出した。
さらに、本件発明者らは、対物レンズとして、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズとを少なくとも有するレンズ群を採用することによって、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系とを斜交させることなく、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸とを交差させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下の技術的事項から構成される。
(1)本発明は、被検眼を照明する照明光学系と、
前記照明光学系で照明された前記被検眼を観察するための左眼用観察光学系と右眼用観察光学系を有する観察光学系と、
前記左眼用観察光学系の光軸が透過する対物レンズと、前記右眼用観察光学系の光軸が透過する対物レンズとを備えた眼科用顕微鏡本体と、
光コヒーレンストモグラフィにより前記被検眼を検査するためのOCT光学系を備えた機能拡張ユニットと、を備えた眼科用顕微鏡であって、
前記対物レンズが、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズとを少なくとも有するレンズ群からなり、
前記対物レンズによって、前記左眼用観察光学系の光軸の向きと前記右眼用観察光学系の光軸の向きが、前記被検眼の側で互いに交差する方向に変更され、
前記機能拡張ユニットが、前記OCT光学系の信号光を前記被検眼の方向に偏向するための偏向部材を格納しており、
前記機能拡張ユニットは、前記眼科用顕微鏡本体が備えている前記対物レンズと前記被検眼との間に脱着可能に取り付けられていることを特徴とする、眼科用顕微鏡に関する。
(2)本発明の眼科用顕微鏡においては、前記偏向部材が前記左眼用観察光学系の光軸と前記右眼用観察光学系の光軸との間に取り付けられていることが好ましい。
(3)前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記機能拡張ユニットがエイミング光を前記被検眼に照射するための可視光源ユニットを備えていることが好ましい。
(4)前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記光軸の向きを変更する光学素子がウェッジプリズムであることが好ましい。
(5)前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記第1のレンズが負のパワーを有する凹レンズであり、前記第2のレンズが正のパワーを有する凸レンズであることが好ましい。
(6)前記いずれかの眼科用鏡顕微鏡においては、前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでいる場合には、
前記左眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で交差する方向に傾斜していることが好ましい。
(7)前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでいる場合には、
前記左眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で離れる方向に傾斜していることが好ましい。
(8)前記いずれかの眼科用顕微鏡においては、前記機能拡張ユニットがレーザ治療ユニット、眼軸長測定ユニット、屈折力測定ユニット及び高次収差測定ユニットから選ばれる少なくとも1つのユニットをさらに備えていることが好ましい。
本発明によれば、眼科用顕微鏡を構成する光学部品である対物レンズを小口径とすることができるので、別の光学系を容易に設置することができ、光学設計の自由度の高い眼科用顕微鏡が提供される。また、本発明によれば、残存収差を小さくし、かつ、収差を左右均等に近いものとすることができるので、両眼視に好適な眼科用顕微鏡が提供される。さらに、本発明の眼科用顕微鏡は、対物レンズと被検眼との間にOCT光学系を設けるものであるが、大口径の対物レンズを使用する必要がないため、側方への張り出しを小さくできるなど、光学設計の自由度を高めることが可能である。
本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡の外観を模式的に示す図面である。 本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡の光学系の構成を模式的に示す正面図である。 本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡の光学系の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡について、機能拡張ユニットの構成を示したブロック図である。 本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡で用いられるOCTユニットの光学構成を模式的に示す図面である。 本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡における対物レンズ周辺での光路の配置を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡における対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。図7(A)は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図7(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。 本発明の眼科用顕微鏡の第2の実施形態の眼科用顕微鏡及び第3の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズ周辺での光路の配置を模式的に示す断面図である。図8(A)は、第2の実施形態の眼科用顕微鏡の対物レンズ周辺での光路の配置を示し、図8(B)は、第3の実施形態の眼科用顕微鏡の対物レンズ周辺の光路の配置を示す。 本発明の第4の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。図9(A)は、第4の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図9(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。 本発明の第5の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。図10(A)は、第5の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図10(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。 従来技術であるガリレオ式実体顕微鏡、及び当該実体顕微鏡によって、左右眼に観察される像を示した模式図である。図11(A)は、ガリレオ式実体顕微鏡の左右眼用の観察光学系の光学系の構成を示す模式図であり、図11(B)は、ガリレオ式実体顕微鏡のそれぞれのレンズの光軸を示す模式図であり、図11(C)は、左右眼により観察される像を示す模式図である。 特許文献9の図2を引用した図面である。 従来技術であるグリノー式実体顕微鏡、及び当該実体顕微鏡によって、左右眼に観察される像を示した模式図である。図13(A)は、グリーの式実体顕微鏡の左右眼用の観察光学系の光学系の構成を示す模式図であり、図13(B)は、グリノー式実体顕微鏡のそれぞれのレンズの光軸を示す模式図であり、図13(C)は、左右眼により観察される像を示す模式図である。
1. 眼科用顕微鏡
1−1. 本発明の眼科用顕微鏡の概要
本発明の眼科用顕微鏡は、被検眼を照明する照明光学系と、照明光学系で照明された被検眼を観察するための左眼用観察光学系と右眼用観察光学系を有する観察光学系とを備える眼科用顕微鏡に関するものである。
本発明の眼科用顕微鏡は、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系にそれぞれ小口径の対物レンズを有しているため、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系が共通して透過する大口径の対物レンズを使用する必要がない。このため、本発明の眼科用顕微鏡は、大口径の対物レンズを使用する必要がなく、対物レンズを小口径化できるので、別の光学系を容易に設置することができ、光学設計の自由度を高めることができる。また、本発明の眼科用顕微鏡は、対物レンズの光軸とその後ろにある観察光学系等との光軸との偏心が小さくなり、残存収差を小さくすることが可能である。
本発明の眼科用顕微鏡は、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズとを少なくとも有するレンズ群を、対物レンズとして使用する。かかる対物レンズにより、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸の向きが、被検眼の側で互いに交差する方向に変更されている。したがって、本発明の眼科用顕微鏡は、眼科用顕微鏡内において、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸が略平行としながら、対物レンズよりも被検眼側で2つの光軸を交差させることができ、グリノー式実体顕微鏡のように左眼用観察光学系と右眼用観察光学系を斜交して配置する複雑な機構とする必要がない。
本発明において「眼科用顕微鏡」とは、被検眼を拡大して観察することができる医療用又は検査用の機器をいい、ヒト用のみならず動物用のものも含む。「眼科用顕微鏡」には、これらに限定されるわけではないが、例えば、眼底カメラ、スリットランプ、眼科手術用顕微鏡等が含まれる。
本発明の眼科用顕微鏡は、眼科分野における診療や手術において被検眼の拡大像を観察(撮影)するために使用される。観察対象部位は、患者眼の任意の部位であってよく、たとえば、前眼部においては角膜や虹彩、隅角や硝子体や水晶体や毛様体などであってよく、後眼部においては網膜や脈絡膜や硝子体であってよい。また、観察対象部位は、瞼や眼窩など眼の周辺部位であってもよい。
本発明の眼科用顕微鏡は、被検眼を拡大観察するための顕微鏡としての機能に加え、他の眼科装置としての機能拡張ユニットを有することができる。機能拡張ユニットの例として、OCTユニット、レーザ治療ユニット、眼軸長測定ユニット、屈折力測定ユニット、高次収差測定ユニットなどがある。
特に、本発明の眼科用顕微鏡は、眼科用顕微鏡本体が備えている対物レンズとして、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系にそれぞれ小口径化された対物レンズを採用している。さらに、本発明の眼科用顕微鏡は、機能拡張ユニットを眼科用顕微鏡本体が備えている対物レンズと被検眼との間に脱着可能に取り付けているが、大口径の対物レンズを使用する必要がないため、側方への張り出しを小さくできるなど、光学設計の自由度が高まるという効果を奏する。
機能拡張ユニットには、被検眼の検査や測定や画像化を光学的手法で行うことが可能な任意の構成を備えることができる。
本発明の眼科用顕微鏡は、各レンズの位置や傾き等の制御や光源の制御を行うための制御部や、撮像した画像を表示する表示部等を含ませることができる。また、これらの制御部や表示部は、眼科用顕微鏡とは別のものとしてもよい。
本発明において、「照明光学系」とは、被検眼を照明するための光学素子を含んで構成されるものである。照明光学系には、さらに光源を含ませることができるが、自然光を被検眼に導くものであってもよい。
本発明において、「観察光学系」とは、照明光学系によって照明された被検眼において反射・散乱された戻り光により、被検眼を観察することを可能とする光学素子を含んで構成されるものである。本発明において、観察光学系は、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系を有しており、左右の観察光学系により得られる像に視差を生じさせた場合には、双眼視により立体的に観察することも可能となる。
また、本発明の「観察光学系」は、接眼レンズ等を通じて観察者が直接被検眼を観察できるものであってもよく、また、撮像素子等により受光して画像化することにより観察できるものであってもよく、あるいは、両方の機能を備えるものであってもよい。
本発明において、「照明光学系」、又は「観察光学系」に使用される光学素子としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、レンズ、プリズム、ミラー、光フィルタ、絞り、回折格子、偏光素子等を用いることができる。
本発明において、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸が、眼科用顕微鏡内で「略平行」であるとは、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸とが眼科用顕微鏡内の主要な経路で平行となっていることをいい、これらの光軸の一部が非平行となっていてもよく、また、主要な経路では5°以下の範囲で平行となっていればよい。しかしながら、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系のレンズを配置しやすくするためには、できるだけ0°に近づけて平行とするのがよく、3°以下の範囲で平行とするのが好ましい。
本発明において、「対物レンズ」とは、眼科用顕微鏡において、被検眼の側に設けられた複数の小径口化されたレンズからなるレンズ群をいう。例えば、対物レンズが3つのレンズからなるレンズ群からなる場合、被検眼の側から3つ目までのレンズが対物レンズとなる。また、対物レンズが4つのレンズからなるレンズ群からなる場合、被検眼の側から4つ目までのレンズが対物レンズとなる。ただし、対物レンズと被検眼の間に一時的に挿入して使用する前置レンズ(ルーペ)は、本発明でいう「対物レンズ」には含まれない。
本発明において、対物レンズであるレンズ群に含まれる「光軸の向きを変更させる光学素子」は、光路の方向を変更することができる光学素子であればよく、これらに限定されるわけではないが、屈折・反射により光路を変更するプリズムを用いることができ、ウェッジプリズムや、光軸の位置を向きと変更することができるロンボイド型のプリズム等を用いることができる。
1−2. 第1の実施形態
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の眼科用顕微鏡の一例である第1の実施形態を模式的に示す図面である。
図1は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡の外観を示す模式図である。図1に示されるように、第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)は、複数のレンズからなるレンズ群である対物レンズ(2)を備えた眼科用顕微鏡本体(6)と機能拡張ユニット(7)とを備えている。対物レンズ(2)は、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系のそれぞれ別個に設けられた小口径の対物レンズからなるレンズ群により構成されている。
眼科用顕微鏡本体(6)は、脚部(3)、支柱(4)、第1アーム部(51)、第2アーム部(52)、及びX−Y微動装置(11)によって位置を制御することができる。移動可能な脚部(3)に支持された支柱(4)には、前方に屈曲した第1アーム部(51)が係合しており、第1アーム(51)には、眼科用顕微鏡本体(6)を吊り下げて固定する第2アーム部(52)が連結している。第2アーム部(52)を上下させることにより、眼科用顕微鏡本体(6)の高さを制御することができる。また、第2アーム部(52)と眼科用顕微鏡本体(6)との間には、X−Y微動装置(11)があり、眼科用顕微鏡本体(6)の平面方向の位置を微調整することができる。
眼科用顕微鏡本体(6)は、左右の接眼部(12)を有しており、当該接眼部(12)により、被検眼(8)を直接観察することができる。接眼部(12)の上方には、OCT光学系により得られた画像を表示するモニタである表示部(20)が設置されている。表示部は接眼内に配置され、観察像として重畳して表示されていてもよい。また、接眼部(12)は、インバータ(13)と連結している。インバータ(13)は、眼科用顕微鏡本体(6)を構成する鏡筒部(14)と連結している。鏡筒部(14)の底面には、小口径の対物レンズからなるレンズ群である対物レンズ(2)が組み込まれている。
なお、後述するように、対物レンズ(2)は、レンズ(401a)、レンズ(401b)、レンズ(401c)から構成されるレンズ群である。鏡筒部(14)の側面には、助手用顕微鏡(15)が設置されている。助手用顕微鏡(15)は、鏡筒部(14)と垂直に交差する鏡筒部(14)を有し、眼科用顕微鏡本体(6)の接眼部(12)と異なる方向に、接眼部(12)とは、別個に接眼部を有している。
鏡筒部(14)の側面には、前置レンズ位置調整機構(16)が取り付けられている。前置レンズ位置調整機構(16)は、被検眼(8)に向かって延伸する保持アーム(17)を有している。保持アーム(17)の先端には、前置レンズ(18)が取り付けられている。保持アーム(17)は、上下方向に移動することができる。保持アーム(17)が上下方向に移動することによって、前置レンズ(18)と被検眼(8)との距離を適宜変更することができる。また、回動することにより、前置レンズ(18)を対物レンズ(2)の光軸に対して挿脱を可能とする。眼科用顕微鏡本体(6)の位置制御、及び前置レンズ(18)の位置制御は、術者の足元に設置されているフットスイッチ(19)を操作することによって行うことができる。
図2〜図6は、本発明の眼科用顕微鏡の一例である第1の実施形態を模式的に示す図面である。図2は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡の光学系の構成を模式的に示す正面図であり、図3は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡の光学系の構成を模式的に示す側面図である。また、図4は、本発明の第1の実施形態の眼科用顕微鏡について、機能拡張ユニットの構成を示したブロック図であり、図5は、OCTユニットの光学構成を模式的に示す図面である。さらに、図6は、対物レンズ周辺での光路の配置を模式的に示す断面図である。
図2の正面図に示されるように、眼科用顕微鏡(1)の光学系は、観察者の左眼用の観察光学系(400L)と右眼用の観察光学系(400R)からなる観察光学系(400)を有している。また、図3の側面図に示されるように、眼科用顕微鏡(1)の光学系は、さらに照明光学系(300)を有している。観察者の左眼用の観察光学系(400L)と右眼用の観察光学系(400R)からなる観察光学系(400)は、照明光学系(300)により照明されている被検眼(8)を、拡大して観察するために用いられる。
図2及び図3に示されるように、観察光学系(400)と照明光学系(300)は、
一点鎖線で示される眼科用顕微鏡本体(6)に収納されている。眼科用顕微鏡(1)の光学系は、OCT光学系(500)を有している。図2及び図3に示されるように、OCT光学系(500)は、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方に取り付けられている機能拡張ユニット(7)に収納されている。
図2において、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている左眼用の観察光学系(400L)の光軸を点線(O−400L)で示し、右眼用の観察光学系(400R)の光軸を点線(O−400R)で示す。また、図3において、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方に取り付けられている機能拡張ユニット(7)が備えているOCT光学系の光軸を点線(O−500)で示す。
図2に示されるように、左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と、右眼用観察光学系の光軸(O−400R)は、眼科用顕微鏡本体(6)内において、平行となっている。したがって、第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)は、グリノー式実体顕微鏡のように左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と右眼用観察光学系の光軸(O−400R)とを交差して配置する複雑な機構とする必要がない。
図2に示されるように、左眼用観察光学系(400L)と右眼用観察光学系(400R)は、それぞれ、対物レンズ(2)を有している。対物レンズ(2)は、複数のレンズからなるレンズ群であり、第1のレンズ(401a)、光軸の向きを変更する光学素子(401b)、及び第2のレンズ(401c)を含んで構成されている。
第1の実施形態においては、光軸の向きを変更する光学素子(401b)として、ウェッジプリズムが用いられ、基底方向は内側(ベースイン)である。ウェッジプリズムにより、左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と右眼用観察光学系の光軸(O−400R)とは、被検眼(8)の側で互いに交差する方向に向きが変更される。
第1の実施形態においては、第1のレンズ(401a)は、負のパワーを有する凹レンズである。左眼用の第1のレンズの光軸と右眼用の第1のレンズの光軸とは、内側(互いに被検眼の側で交差する方向)に傾斜している。また、第2のレンズ(401c)は、正のパワーを有する凸レンズである。
第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)で使用する対物レンズ(2)は、従来のガリレオ式実体顕微鏡のような、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸とが共通して透過する一枚の大口径のレンズではなく、左眼用観察光学系と右眼用観察光学系とが独立して有している対物レンズ(2)であり、複数の小口径化された複数の対物レンズからなるレンズ群からなる。
すなわち、図3に示されるように、対物レンズ(2)を小口径とすることにより、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の側方に拡張ユニット(7)の一部を配置する空間を確保することができる。
第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)においては、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方にOCT光学系(500)が収納されている機能拡張ユニット(7)を取り付けることができる。
また、図2に示されるように、左眼用観察光学系の対物レンズ(2)と右眼用観察光学系の対物レンズ(2)は、左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸(O−400L,O−400R)とを、被検眼(8)の側で交差するように向きを変更できるので、被検眼(8)の同一の箇所を左右眼により両眼観察することを可能としている。
図2に示されるように、第1の実施形態の眼科用顕微鏡においては、主となる観察者が使用する観察光学系の他に、助手となる観察者が使用するための図示しない副観察光学系が設けられている。
副観察光学系は、照明光学系(300)により照明されている被検眼(8)で反射・散乱した戻り光(観察光)を、対物レンズを経由して助手用接眼レンズに導く。
副観察光学系にも左右一対の光学系が設けられており、双眼による立体観察が可能である。
図2に示されるように、本発明の眼科用顕微鏡(1)は、観察光学系(400)を収納する眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方に機能拡張ユニット(7)を備えている。機能拡張ユニット(7)が備えている偏向部材(508)は、観察光学系の光軸(O−400)を構成する左眼用の光軸(O−400L)及び右眼用の光軸(O−400R)が通過しないように配置され、かつ、左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と右眼用観察光学系の光軸(O−400R)との間に取り付けられている。
偏向部材(508)が左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と右眼用観察光学系の光軸(O−400R)との間に取り付けられることによって、OCT計測用の信号光が被検眼(8)に対して、ほぼ垂直に出射される。これにより、OCT光学系の光軸(O−500)と観察光学系の光軸(O−400)との角度差が小さくなり、OCTにより得られる断層像と、観察光学系により得られる観察像との位置ズレを小さくすることができる。
なお、偏向部材(508)を左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と右眼用観察光学系の光軸(O−400R)との間以外の位置に取り付けることも可能である。偏向部材(508)を左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と右眼用観察光学系の光軸(O−400R)との間以外の位置に取り付けた場合には、OCT計測用の信号光が被検眼(8)に対して、斜めから出射されることになる。
偏向部材(508)は、観察光学系の光軸(O−400)を構成する左眼用の光軸(O−400L)及び右眼用の光軸(O−400R)が通過しないように配置されることが好ましい。偏向部材(508)が、観察光学系の光軸(O−400)を構成する左眼用の光軸(O−400L)及び右眼用の光軸(O−400R)を通過しないように配置されることにより、観察光学系の観察光の減衰による接眼観察像及び撮影画像の明るさが減少することを回避することができる。
一方、偏向部材(508)が、観察光学系の光軸(O−400)を構成する左眼用の光軸(O−400L)及び右眼用の光軸(O−400R)を通過するように配置されていてもよい。この配置の場合には、観察光の一部も偏向部材(508)により反射されるため、観察光学系の観察光が減衰する。
図2に示されるように、偏向部材(508)の形状は、必要なスキャン範囲を確保し、かつ観察光学系の光軸(O−400)を構成する左眼用の光軸(O−400L)及び右眼用の光軸(O−400R)が偏向部材(508)を通過しない形状であれば、特に制限されるものではない。例えば、左眼用の光軸(O−400L)及び右眼用の光軸(O−400R)の間隔を上辺とし、被検眼(8)の方向に向かって狭小している左眼用の光軸(O−400L)及び右眼用の光軸(O−400R)の間隔を下辺とする台形形状であってもよい。
なお、偏向部材(508)は、OCT計測用の信号光が被検眼(8)に対して略垂直に入射するよう偏向するために一定の傾きを有している。
以下、第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)について、さらに詳細に説明する。図3に示されるように、照明光学系(300)は、被検眼(8)を照明するものであり、照明光源(9)、光ファイバ(301)、出射口絞り(302)、コンデンサレンズ(303)、照明野絞り(304)、コリメートレンズ(305)、反射ミラー(306)、及び照明系対物レンズ(307)を含んで構成されている。これらの照明光学系(300)の光軸を、図3において点線(O−300)で示す。
照明光源(9)は、眼科用顕微鏡本体(6)の外部に設けられている。照明光源(9)には、光ファイバ(301)の一端が接続されている。光ファイバ(301)の他端は、眼科用顕微鏡本体(6)の内部のコンデンサレンズ(303)に臨む位置に配置されている。照明光源(9)から出力された照明光は、光ファイバ(301)により導光されてコンデンサレンズ(303)に入射する。
光ファイバ(301)の出射口(コンデンサレンズ(303)側の光ファイバ端)に臨む位置には、出射口絞り(302)が設けられている。出射口絞り(302)は、光ファイバ(301)の出射口の一部領域を遮断するように作用する。出射口絞り(302)による遮断領域が変更されると、照明光の出射領域が変更される。それにより、照明光による照射角度、つまり被検眼(8)に対する照明光の入射方向と複数のレンズ(401a、401b、401c)から構成されるレンズ群である対物レンズ(2)の光軸(O−400)とがなす角度を変更することができる。
照明野絞り(304)は、上記対物レンズ(2)の前側焦点位置(U0)と光学的に共役な位置(×の位置)に設けられている。コリメートレンズ(305)は、照明野絞り(304)を通過した照明光を平行光束にする。反射ミラー(306)は、コリメートレンズ(305)によって平行光束にされた照明光を小口径の照明系対物レンズ(307)に向けて反射する。反射された光は、前記照明系対物レンズ(307)を介して被検眼(8)に照射される。
被検眼(8)に照射された照明光(の一部)は、角膜や網膜等の被検眼の組織で反射・散乱される。その反射・散乱した戻り光(「観察光」とも呼ばれる)は、観察光学系(400)に入射する。
図2及び図3に示されるように、左眼用観察光学系(400L)と右眼用観察光学系(400R)は、それぞれ、対物レンズ(2)、変倍レンズ(402)、ビームスプリッタ(403)、結像レンズ(404)、像正立プリズム(405)、眼幅調整プリズム(406)、視野絞り(407)、及び接眼レンズ(408)を含んで構成されている。ビームスプリッタ(403)は、右眼用の観察光学系(400R)のみ有している。
変倍レンズ(402)は、複数のズームレンズ(402a,402b,402c)を含んだレンズ群となっている。各ズームレンズ(402a,402b,402c)は、図示しない変倍機構によって左眼用観察光学系の光軸(O−400L)と右眼用観察光学系の光軸(O−400R)に沿って移動可能となっている。これにより、被検眼(8)を観察又は撮影する際の拡大倍率が変更される。
図2に示されるように、右眼用の観察光学系(400R)のビームスプリッタ(403)は、被検眼(8)から右眼用観察光路に沿って導光された観察光の一部を分離して撮影光学系に導く。撮影光学系は、結像レンズ(1101)、反射ミラー(1102)及びテレビカメラ(1103)を含んで構成されている。
テレビカメラ(1103)は、撮像素子(1103a)を備えている。撮像素子(1103a)は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等によって構成される。撮像素子(1103a)としては2次元の受光面を有するもの(エリアセンサ)が用いられる。
撮像素子(1103a)の受光面は、対物レンズ(2)の前側焦点位置(U0)と共役な位置に配置される。
ビームスプリッタ(403)からテレビカメラ(1103)までの撮像系は、左側の光学系に(双方)にあってもよい。左右2個のカメラの画像を用いることによって、接眼レンズによる観察と同様に立体的な画像を得ることができる。
像正立プリズム(405)は、倒像を正立像に変換する。眼幅調整プリズム(406)は、観察者の眼幅(左眼と右眼との間の距離)に応じて、左眼用観察光学系の光路と右眼用観察光学系の光路との間の距離を調整するための光学素子である。
視野絞り(407)は、観察光の断面における周辺領域を遮断して観察者の視野を制限するものである。視野絞り(407)は、小口径化された複数の対物レンズからなる対物レンズ(2)の前側焦点位置(U0)と共役な位置(×の位置)に設けられている。
左眼用観察光学系(400L)と右眼用観察光学系(400R)は、観察光学系の光路から挿脱可能に構成されたステレオバリエータを含んで構成されてもよい。ステレオバリエータは、左右の変倍レンズ系(402)によってそれぞれ案内される。左眼用観察光学系の光軸と右眼用観察光学系の光軸(O−400L,O−400R)の相対的位置を変更するための光軸位置変更素子である。ステレオバリエータは、例えば、観察光学系の光路に対して観察者側に設けられた退避位置に退避される。
図2及び図3に示されるように、眼底の網膜を観察するときは、図示しない移動手段により、前置レンズ(18)が被検眼の眼前の光軸である眼科用顕微鏡本体(6)が備えている左眼用観察光学系の光軸(O−400L)、右眼用観察光学系の光軸(O−400R)、及び眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方に取り付けられている機能拡張ユニット(7)が備えているOCT光学系の光軸(O−500)上に挿入される。
この場合には、対物レンズ(2)の前側焦点位置(U0)は、眼底の網膜と共役となる。
また、角膜、虹彩等の前眼部を観察するときには、前置レンズ(18)を被検眼の眼前から脱離させて観察を行う。
図3に示されるように、OCT光学系(500)は、OCTユニット(10)、光ファイバ(501)、光ファイバ(725)、コリメートレンズ(726)、照明野絞り(727)、スキャナ(503a,503b)、リレー光学系(504)、第1レンズ群(505)、第2レンズ群(506)、OCT用対物レンズ(507)及び偏向部材(508)を含んで構成されている。
OCTユニット(10)は、コヒーレンスが低い(可干渉距離が短い)OCT光源からの光を測定光と参照光に分割する。測定光はOCT光学系(500)により導かれて被検眼(8)に照射され、被検眼の組織において反射・散乱し、それが戻り光となってOCTユニット(10)に導かれる。OCTユニット(10)では、測定光の戻り光と参照光との干渉を検出する。これにより、被検眼(8)の組織の断層像を得ることができる。
図3に示されるように、OCTユニット(10)は、眼科用顕微鏡本体(6)の外部に設けられているが、光ファイバ(501)の一端が接続されており、これにより眼科用顕微鏡本体(6)と連結している。OCTユニット(10)により、生成された信号光は、光ファイバ(501)を経由して、ファイバカプラ(719)に導かれ、ファイバカプラ(719)に接続した光ファイバ(725)の一端から出射する。光ファイバ(725)の一端から出射した信号光は、コリメートレンズ(726)、照明野絞り(727)、スキャナ(503a,503b)、リレー光学系(504)、第1レンズ群(505)、第2レンズ群(506)、OCT用対物レンズ(507)及び偏向部材(508)を経由して被検眼(8)に照射され、被検眼(8)の組織で反射・散乱した測定光の戻り光は、同じ経路を逆向きに進行して光ファイバ(501)の他端に入射する。
OCT光学系(500)において、偏向部材(508)は、対物レンズ(2)の下方において、OCT計測用の信号光が被検眼(8)に照射されるように配置されている。偏向部材(508)は、左側の対物レンズ(2)と右側の対物レンズ(2)との間に形成される中心軸と略直交するOCT計測用の信号光を被検眼(8)の上方において偏向させる。偏向部材(508)としては、ミラーやプリズム等を例示することができる。偏向部材(508)の大きさは、機能拡張ユニット(7)の仕様によって、適宜設定することができ、OCT光源からのOCT計測用の信号光を被検眼(8)に照射することができるものであれば、特に制限されるものではない。
なお、眼科用顕微鏡(1)を用いて、眼底の網膜を観察するときは、図示しない移動手段により、前置レンズ(18)が被検眼の眼前の光軸O−300、O−400、O−500上に挿入される。この場合には、対物レンズ(2)の前側焦点位置(U0)は、眼底の網膜と共役となる。また、角膜、虹彩等の前眼部を観察するときには、前置レンズ(18)を被検眼(8)の眼前から脱離させて観察を行う。
図3に示されるように、コリメートレンズ(726)は、光ファイバ(725)の一端から出射した測定光を平行光束にする。コリメートレンズ(726)と光ファイバ(725)の一端とは測定光の光軸に沿って相対的に移動可能に構成されている。第1の実施形態では、コリメートレンズ(726)が移動可能に構成されているが、光ファイバ(725)の一端が測定光の光軸に沿って移動可能に構成されていてもよい。
照明野絞り(727)は、対物レンズ(2)の前側焦点位置(U0)と共役である。
図3に示されるように、可視光源ユニット(723)を機能拡張ユニット(7)の外部に設けている。可視光源ユニット(723)には、光ファイバ(724)の一端が接続されており、これにより、可視光源ユニット(723)が機能拡張ユニット(7)と連結している。可視光源ユニット(723)により生成された可視光(後述するエイミング光)は、光ファイバ(724)を経由して、ファイバカプラ(719)に導かれ、ファイバカプラ(719)においてOCTの信号光と合成される。エイミング光は、光ファイバ(724)から出射後にダイクロイックミラー等でOCTの信号光と合成してもよい。OCTの信号光と合成されたエイミング光は、OCTの信号光と同じ経路により被検眼(8)に照射される。被検眼(8)で反射されたエイミング光は、観察光学系(400)を経由して術者により観察される。
光スキャナ(503a,503b)は、コリメートレンズ(726)により平行光束とされたOCT計測用の信号光及び可視光(エイミング光)を2次元的に偏向する。光スキャナ(503a,503b)には、違いに交差する2軸のそれぞれの軸を中心に回動可能に構成された偏向部材が用いられる。偏向部材の例として、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、回転ミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等がある。第1の実施形態では、光スキャナ(503a,503b)は、ガルバノミラーを含んで構成されている。すなわち、光スキャナ(503)は、第1軸を中心に回動可能な偏向面を有する第1スキャナ(503a)と、第1軸に直交する第2軸を中心に回動可能な偏向面を有する第2スキャナ(503b)を含む。第1スキャナ(503a)と第2スキャナ(503b)との間には、リレー光学系(504)が設けられている。
第1レンズ群(505)は、1以上のレンズを含んで構成される。第2レンズ群(506)も、1以上のレンズを含んで構成される。
さらに、第2レンズ群(506)と偏向部材(508)との間には、OCT用対物レンズ(507)が設けられていてもよい。
OCT用対物レンズ(507)は、光軸O−500に沿って移動可能に構成されており、OCT用対物レンズ(507)の位置を制御することにより、OCT光学系の焦点を調整することができる。これにより、OCT光学系の焦点を観察光学系の焦点とは異なる位置に調整することが可能となる。
第1の実施形態の眼科用顕微鏡では、機能拡張ユニット(7)が眼科用顕微鏡本体(6)の対物レンズ(2)の下方に配置され、眼科用顕微鏡本体(6)の対物レンズ(2)が
左眼用観察光学系と右眼用観察光学系のそれぞれに別個の小口径の対物レンズとなっている。このため、第1の実施形態の眼科用顕微鏡では、観察光学系(400)とOCT光学系(500)とを独立して制御することが可能であり、また、OCT光学系(500)を備えた機能拡張ユニット(7)を眼科用顕微鏡本体(6)に対して着脱可能なユニットとすることも可能である。
さらに、本発明の眼科用顕微鏡(1)では、対物レンズ(2)の下方にOCT光学系を備えた機能拡張ユニット(7)を配置しているので、既存の眼科用顕微鏡本体(6)に、被検眼の網膜等を観察するために、最も適切なOCT光学系を備えた機能拡張ユニット(7)を採択し、眼科用顕微鏡本体(6)に取り付けた眼科用顕微鏡(1)とすることも可能である。また、眼科用顕微鏡本体(6)に被検眼の底部等を観察するために最も適切なOCT光学系を備えた機能拡張ユニット(7)を取り付けた眼科用顕微鏡(1)から上記機能拡張ユニット(7)を取り外すこともできる。
図4は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)において、眼科用顕微鏡(1)が備えている対物レンズ(2)の下方に取り付けられている機能拡張ユニット(7)の構成例のブロック図である。機能拡張ユニット(7)は、OCT光学系(500)を構築する。機能拡張ユニット(7)は、眼科用顕微鏡本体(6)に対して着脱可能に構成されている。
すなわち、機能拡張ユニット(7)は、既存の眼科用顕微鏡本体(6)に対して着脱可能なユニットであり、眼科用顕微鏡本体(6)が有する既存の機能を活かしながら、さらに眼科用顕微鏡本体(6)に、OCT機能等、種々の機能を追加することができる。図4において、機能拡張ユニット(7)は、OCT光学系(500)を含んでおり、眼科用顕微鏡本体(6)に取り付けられることにより、被検眼(8)のOCT画像の取得が可能となる。
本発明の眼科用顕微鏡(1)においては、機能拡張ユニット(7)を第1機能拡張ユニット(71)と第2拡張ユニット(72)とを別個に分けて、設置することができる。
具体的には、機能拡張ユニット(7)は、少なくとも、偏向部材(508)、走査部(717)等を備えた第1機能拡張ユニット(71)と、少なくとも、OCTユニット(10)、可視光線ユニット(723)等を備えた第2機能拡張ユニット(72)から構成されていてもよい。
以下、第1機能拡張ユニット(71)、第2機能拡張ユニット(72)について、説明する。
図4に示されるように、第1機能拡張ユニット(71)は、偏向部材(508)、フォーカスレンズとして機能するOCT用対物レンズ(507)、ビームスプリッタ(712)、フィルタ(713)と結像レンズ(714)、CCDイメージセンサ(715)、演算制御部(716)、走査部(717)、走査制御部(718)、合成部(719)を備えている。第2機能拡張ユニット(72)は、OCTユニット(10)、演算制御ユニット(722)、可視光源ユニット(723)を備えている。
OCT光学系(500)において、OCT計測用の信号光は、第1機能拡張ユニット(71)が備えている合成部(719)から出力される。合成部(719)は、第2機能拡張ユニット(72)が備えているOCTユニット(10)に接続されている。また、合成部(719)は、第2機能拡張ユニット(72)が備えている可視光源ユニット(723)に接続されている。OCTユニット(10)により生成されたOCT計測用の信号光と、可視光源ユニット(723)により生成されたエイミング光は、合成部(719)に導かれる。
合成部(719)は、OCT計測用の信号光とエイミング光とを合成する。第2機能拡張ユニット(72)が備えているOCTユニット(10)は、中心波長が約1050nmであるOCT計測用の信号光を出力する。可視光源ユニット(723)は、中心波長が約633nmである可視光を含むエイミング光を出力する。OCTユニット(10)から出力されたOCT計測用の信号光と、可視光源ユニット(723)から出力されたエイミング光は、第1機能拡張ユニット(71)が備えている合成部(719)に導かれる。合成部(719)は、OCT計測用の信号光とエイミング光とを合成する。合成部(719)により合成された信号は、コリメータによって平行光束とされ、走査部(717)に出力される。なお、合成部(719)としては、ファイバカプラやダイクロイックミラー等を用いることができる。
エイミング光を被検眼(8)に照射することによって、術者が接眼部から眼を離すことなく、OCT計測用の信号光の走査位置を識別することできる。エイミング光を被検眼(8)に投射しつつ、可視光を用いて撮影された画像を取得することにより、OCT計測用の信号光の走査位置を表示画像によって確認することもできる。なお、エイミング光は、赤外光等の不可視光であってもよい。エイミング光として、不可視光を用いることができる場合は、エイミング光を、接眼部を介して観察しない場合である。
エイミング光を不可視光とすることで被検眼がエイミング光に追従して動いてしまうことを防ぐことが可能となる。
第1機能拡張ユニット(71)が備えている走査部(717)は、OCT計測用の信号光及びエイミング光の進行方向を変更することができる。走査部(717)としては、例えば、ガルバノミラーを備えた公知の光走査装置を採用することができる。走査部(717)は、OCT計測用の信号光及びエイミング光の進行方向をX、Y平面上の任意の方向に走査することができる。
走査部(717)に出力されたOCT計測用の信号光及びエイミング光は、ビームスプリッタ(712)に出力される。ビームスプリッタ(712)を透過したOCT計測用の信号光及びエイミング光は、OCT用対物レンズ(507)によって集光され、偏向部材(508)によって偏向され、被検眼(8)に照射される。
被検眼(8)に照射された後、被検眼(8)から反射されたOCT計測用の信号光は、偏向部材(508)によって偏向し、戻り光となる。被検眼(8)から反射されたOCT計測用の信号光は、OCT用対物レンズ(507)を透過し、ビームスプリッタ(712)に照射される。
一方、被検眼(8)に照射された後に、被検眼(8)で散乱反射したエイミング光の一部は、偏向部材(508)へ戻らず、観察光学系の光軸(O−400)に出射される。そして、エイミング光は、術者が接眼部を通じて観察することができ、また、撮像して表示画像とすることにより観察することができる。
OCT走査中に、被検眼の固視微動や手術操作等により被検眼が動いてしまうと、OCTにより得られる断層像にズレが生じてしまうが、被検眼の動きをトラッキングして、その動きに合わせてOCTを走査することにより、断層像のズレを防止することができる。トラッキングには、トラッキング用の光路と撮像素子(CCDイメージセンサ等)を用いて動画を取得し、動画の画像信号に基づきトラッキングを行うための演算処理を行って、これに基づきOCTの信号光の走査を制御することにより行う。
図4に示されるように、トラッキング用の光路は、ビームスプリッタ(712)側から順に、フィルタ(713)、結像レンズ(714)、CCDイメージセンサ(715)から構成されている。本発明の眼科用顕微鏡(1)において、被検眼(8)を照明しつつ、CCDイメージセンサ(715)を用い、赤外光や可視光の一部や全域により、撮影を行うことができる。
すなわち、第1の実施形態の眼科用顕微鏡(1)は、第1機能拡張ユニット(71)のCCDイメージセンサ(715)により得られた検出信号に基づいて、動画像を取得する。この動画像は、赤外光又は可視光を用いた動画撮影により取得される。
赤外光を用いた動画撮影を行う場合には、光源(9)を赤外領域の波長を含む光源とし、被検眼を照明する。具体的にはハロゲンランプ、キセノンランプなどを用いる。または、光源(9)内に可視のLEDと赤外LEDを配置して、個別または同時に点灯するにしてもよい。
一方、可視光による動画撮影を行う場合には、観察用光源(9)からの可視光を被検眼に照射し、この反射光を撮像する。
赤外光及び可視光を被検眼(8)に照射しつつ、赤外撮影を行う場合は、フィルタ(713)は、赤外光を透過し可視光を遮断させるフィルタとして機能する。ビームスプリッタ(712)により反射されたトラッキング用の光路を通過する光は、フィルタ(713)を透過して赤外光のみとなる。
赤外光のみを被検眼(8)に照射しつつ、赤外撮影を行う場合は、フィルタ(713)によるフィルタリングを必要としない。ビームスプリッタ(712)により分岐されたトラッキング用の光路を通過する光は、そのまま、CCDイメージセンサ(715)に入射される。
さらに、本発明の眼科用顕微鏡(1)において、可視光のみを被検眼(8)に照射しつつ、フィルタ(713)として可視光の内、一部の波長領域成分を遮断するフィルタを用い、可視光の内、特定の波長領域による撮影を行うことができる。エイミング光の波長を遮断する特性のフィルタを用いることにより、撮影される画像中にエイミングスポットが被ることを防止することができる。
さらに、本発明の眼科用顕微鏡(1)において、被検眼(8)の観察部位を考慮して、必要に応じて最適な波長帯の光を照射して、赤外撮影又は可視光による撮影を行うことができる。赤外撮影又は可視光撮影は、光源の切り替え、光源からの出力波長の切り替え、フィルタ(713)の切り替えによって行うことができる。第1機能拡張ユニット(71)が備えているフィルタ(713)を透過した光は、OCT用対物レンズ(507)により、CCDイメージセンサ(715)の受光面に結像される。
演算制御部(716)は、CCDイメージセンサ(715)によって検出された光に基づいた画像信号を一定のフレームレートに対応した時間間隔において受信する。演算制御部(716)は、上記画像信号に基づいて、トラッキング制御を行うための演算処理を行う。さらに、演算制御部(716)は、時系列において取得された複数の観察画像について、所定の基準観察画像に対する他の観察画像の変位を求める。そして、演算制御部(716)は、算出された変位に基づいて制御信号を生成する。演算制御部(716)が生成した制御信号は、走査制御部(718)に出力される。なお、演算制御部(716)は、通信インターフェイス、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphical Processor Unit)等を含んで構成されていてもよい。また、演算制御部(716)は、いわゆるCPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成されていてもよい。
走査制御部(718)は、演算制御部(716)から出力された制御信号に基づいて、OCT計測用の信号光及びエイミング光の進行方向を変更することができる走査部(717)の走査位置を制御する。これにより、被検眼の微細な動きをトラッキングして、その動きに合わせてOCT計測用の信号光及びエイミング光を走査することが可能となる。トラッキングは観察系に設けられたカメラユニット(1103)にて得られた画像情報を用いて行ってもよい。
なお、第1機能拡張ユニット(71)が備えている偏向部材508は、OCT計測用の信号光を被検眼(8)の方向に偏向するとともに、OCT計測用の信号光の被検眼(8)からの戻り光をOCT用対物レンズ(507)の方向に偏向する。第1機能拡張ユニット(71)は、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)下方に取り付けられているので、偏向部材(508)は、対物レンズ(2)と被検眼(8)との間に配置されることになる。
このように、第2機能拡張ユニット(72)は、OCT計測用の信号光の走査位置を識別可能とする目的で、当該信号光とともにエイミング光を被検眼(8)に照射することができる機能を備えている。エイミング光を被検眼(8)に照射することによって、術者が接眼部から眼を離すことなく、OCT計測用の信号光の走査位置を識別することできる。また、可視光源ユニットの点滅と偏向部材(508)の偏向角度を制御することにより、OCTスキャン範囲の外周や4隅のみでエイミング光が観察可能としてもよい。さらに、可視光源ユニットを点滅させることなく、可視光源ユニットから照射されるエイミング光の輝度を制御してもよい。さらに、プレスキャン時にエイミング光を点灯し、OCTの本測定時にはエイミング光を消灯してもよい。このように制御することにより、可視光を用いた場合であっても被検眼がエイミング光に追従して動いてしまうことを防止することができる。
図5は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡で用いられるOCTユニット(10)の光学構成を模式的に示す図面である。図5に示されるように、OCTユニット(10)は、OCT光源ユニット(1001)から出射された光を測定光(LS)と参照光(LR)に分割し、別の光路を経た測定光(LS)と参照光(LR)の干渉を検出する干渉計を構成している。
OCT光源ユニット(1001)は、一般的なスウェプトソースタイプのOCT装置と同様に、出射光の波長を走査(掃引)可能な波長走査型(波長掃引型)光源を含んで構成される。OCT光源ユニット(1001)は、人の眼では視認できない近赤外の波長において、出力波長を時間的に変化させる。OCT光源ユニット(1001)から出力された光を符号L0で示す。
OCT光源ユニット(1001)から出力された光L0は、光ファイバ(1002)により偏波コントローラ(1003)に導かれてその偏光状態が調整される。偏波コントローラ(1003)は、たとえばループ状にされた光ファイバ(1002)に対して外部から応力を与えることで、光ファイバ(1002)内を導かれる光L0の偏光状態を調整する。
偏波コントローラ(1003)により偏光状態が調整された光L0は、光ファイバ(1004)によりファイバカプラ(1005)に導かれて測定光(LS)と参照光(LR)とに分割される。
図5に示されるように、参照光(LR)は、光ファイバ(1006)によりコリメータ(1007)に導かれて平行光束となる。平行光束となった参照光LRは、光路長補正部材(1008)及び分散補償部材(1009)を経由し、コーナーキューブ(1010)に導かれる。光路長補正部材(1008)は、参照光(LR)と測定光(LS)の光路長(光学距離)を合わせるための遅延手段として作用する。分散補償部材(1009)は、参照光(LR)と測定光(LS)の分散特性を合わせるための分散補償手段として作用する。
コーナーキューブ(1010)は、コリメータ(1007)により平行光束となった参照光(LR)の進行方向を逆方向に折り返す。コーナーキューブ(1010)に入射する参照光(LR)の光路と、コーナーキューブ(1010)から出射する参照光(LR)の光路とは平行である。また、コーナーキューブ(1010)は、参照光(LR)の入射光路及び出射光路に沿う方向に移動可能とされている。この移動により参照光(LR)の光路(参照光路)の長さが変更される。
図5に示されるように、コーナーキューブ(1010)を経由した参照光(LR)は、分散補償部材(1009)及び光路長補正部材(1008)を経由し、コリメータ(1011)によって平行光束から集束光束に変換されて光ファイバ(1012)に入射し、偏波コントローラ(1013)に導かれて参照光(LR)の偏光状態が調整される。
偏波コントローラ(1013)は、例えば、偏波コントローラ(1003)と同様の構成を有する。偏波コントローラ(1013)により偏光状態が調整された参照光LRは、光ファイバ(1014)によりアッテネータ(1015)に導かれて、演算制御ユニット(722)の制御の下で光量が調整される。アッテネータ(1015)により光量が調整された参照光(LR)は、光ファイバ(1016)によりファイバカプラ(1017)に導かれる。
図5に示されるように、ファイバカプラ(1005)により生成された測定光(LS)は、光ファイバ(501)に導かれる。光ファイバ(501)から出射した測定光は、図3に示されるように、ファイバカプラ(719)と光ファイバ(725)を経由して、コリメートレンズ(726)に導かれる。そして、図3に示されるように、コリメートレンズ(726)に入射した測定光は、照明野絞り(727)、スキャナ(503a,503b)、リレー光学系(504)、第1レンズ群(505)、第2レンズ群(506)、OCT用対物レンズ(507)及び偏向部材(508)を経由して、被検眼(8)に照射される。測定光は、被検眼(8)の様々な深さ位置において反射・散乱される。被検眼(8)により測定光の後方散乱光は、往路と同じ経路を逆向きに進行して、図5に示されるように、ファイバカプラ(1005)に導かれ、光ファイバ(1018)を経由してファイバカプラ(1017)に到達する。
ファイバカプラ(1017)は、光ファイバ(1018)を介して入射された測定光(LS)と、光ファイバ(1016)を介して入射された参照光(LR)とを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバカプラ(1017)は、所定の分岐比(例えば50:50)で、測定光(LS)と参照光(LR)との干渉光を分岐することにより、一対の干渉光(LC)を生成する。ファイバカプラ(1017)から出射した一対の干渉光(LC)は、それぞれ2つの光ファイバ(1019,1020)により検出器(1021)に導かれる。
検出器(1021)は、例えば一対の干渉光(LC)をそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらにより検出結果の差分を出力するバランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode:以下、「BPD」という)である。検出器(1021)は、その検出結果(検出信号)を演算制御ユニット(722)に送る。演算制御ユニット(722)は、例えば、一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、検出器(1021)により得られた検出結果に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等を施すことで断面像を形成する。演算制御ユニット(722)は、形成された画像を表示部(20)に表示させる。
この実施形態では、マイケルソン型の干渉計を採用しているが、例えば、マッハツェンダー型等の任意のタイプの干渉計を適宜に採用することが可能である。
図6は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズ周辺での光路の配置を模式的に示す断面図である。
図6に示されるように、眼科用顕微鏡本体(6)の鏡筒部(14)内に、左眼用観察光学系の光路(P−400L)、右眼用観察光学系の光路(P−400R)、照明光学系の光路(P−300)が配置され、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方にOCT光学系の光路(P−500)が配置された機能拡張ユニット(7)が取り付けられている。本発明の眼科用顕微鏡(1)においては、大口径の対物レンズを使用しないため、それぞれの観察光学系の光路を独立させて、独立に制御することが可能となる。
しかも、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方にOCT光学系の光路(P−500)が配置された機能拡張ユニット(7)が取り付けられているが、大口径の対物レンズを使用しないため、拡張ユニットの一部を観察系対物レンズに近接して配置でき、横方向への張り出しを抑えることができる。
図7は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。図7(A)は、第1の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図7(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。
図7(A)に示されるように、第1の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズ(2)は、第1のレンズ(401a)、光軸の向きを変更する光学素子(401b)、及び第2のレンズ(401c)を含んで構成されている。そして、第1のレンズ(401a)は、負のパワーを有する凹レンズであり、光軸の向きを変更する光学素子(401b)は、ウェッジプリズムであり、第2のレンズ(401c)は、正のパワーを有する凸レンズである。
図7(B)に示されるように、第1のレンズの光軸(A−401a)は、内側(互いに被検眼の側で交差する方向)に傾斜している。
1−3. 第2及び第3の実施形態
次に、本発明の他の実施形態の例を、図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の眼科用顕微鏡の他の一例である第2の実施形態の眼科用顕微鏡及び第3の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズ周辺での光路の配置を模式的に示す断面図である。
図8(A)は、第2の実施形態の眼科用顕微鏡の対物レンズ周辺での光路の配置を示し、図8(B)は、第3の実施形態の眼科用顕微鏡の対物レンズ周辺の光路の配置を示す。
図8(A)に示されるように、第2の実施形態の眼科用顕微鏡では、眼科用顕微鏡本体(6)の鏡筒部(14)内に、左眼用観察光学系の光路(P−400L)と、右眼用観察光学系の光路(P−400R)と、照明光学系の光路(P−300)、OCT光学系の光路(P−500)が配置されている。
本発明の眼科用顕微鏡においては、大口径の対物レンズを使用することなく、小口径化された複数の対物レンズを使用しているため、このように多くの光学系の光路を独立させて配置することも可能である。
しかも、眼科用顕微鏡本体(6)が備えている対物レンズ(2)の下方にOCT光学系の光路(P−500)が配置された機能拡張ユニット(7)が取り付けられているが、大口径の対物レンズを使用しないため、拡張ユニットの一部を観察系対物レンズに近接して配置でき、横方向への張り出しを抑えることができる。
図8(B)に示されるように、第3の実施形態の眼科用顕微鏡では、眼科用顕微鏡本体(6)の鏡筒部(14)の中心付近に、左眼用観察光学系の光路(P−400L)と、右眼用観察光学系の光路(P−400R)と、照明光学系の光路(P−300)とを集中するように配置している。これにより、観察光学系の光路とOCT光学系の光路(P−500)を重ならせることなく、それぞれの光路のなす角度を小さくすることができるため、眼科用顕微鏡による形状観察とOCTによる断層観察を同時にできる範囲を広げることができる。
1−4. 対物レンズの構成
本発明の眼科用顕微鏡(1)で使用する対物レンズ(2)は、少なくとも、第1のレンズ(401a)、光軸の向きを変更する光学素子(401b)、及び第2のレンズ(401c)を含んで構成されるレンズ群からなる対物レンズ(2)である。
ここで、第1のレンズ(401a)と、光軸の向きを変更する光学素子(401b)と、第2のレンズ(401c)は、どのような順序により並んでいてもよい。
また、これらのレンズにさらに他レンズや光学素子を加えて、対物レンズ(2)として用いるレンズ群とすることもできる。
また、第1のレンズ(401a)と、第2のレンズ(401c)は、いかなるレンズを用いることもでき、焦点を合わせて被検眼を拡大することができるように、適宜設計することができる。好ましくは、第1のレンズ(401a)と第2のレンズ(401c)のいずれか一方を、正のパワーを有する凸レンズとし、もう一方を負のパワーを有する凹レンズとするのがよい。
光軸の向きを変更させる光学素子(401b)としては、光路の方向を変更することができる光学素子であればいかなるものでも使用することができ、これらに限定されるわけではないが、例えば、屈折・反射により光路を変更するプリズムを用いることができる。このようなプリズムとしては、例えば、ウェッジプリズムや、光軸の位置を向きと変更することができるロンボイド型のプリズム等を用いることができる。
被検眼の側から、第1のレンズ(401a)と、光軸の向きを変更する光学素子(401b)と、第2のレンズ(401c)とを、この順に並べた場合には、光軸の向きを変更する光学素子(401b)によって、観察光学系の光軸(O−400)を構成する左眼用の光軸(O−400L)と右眼用の光軸(O−400R)の向きが被検眼(8)の側で交差するように変更される。このため、左眼用観察光学系(O−400L)の第1のレンズ(401a)の光軸と、右眼用観察光学系(O−400R)の第1のレンズ(401a)の光軸が、互いに前記被検眼(8)の側で交差する方向に傾斜していることが好ましい。ここで、「レンズの光軸」とは、「光学系の光軸」とは異なり、レンズ単体の光軸を意味する。
また、被検眼(8)の側から、第1のレンズ(401a)と、光軸の向きを変更する光学素子(401b)と、第2のレンズ(401c)とを、この順に並べた場合には、左眼用観察光学系(O−400L)の第2のレンズ(401c)の光軸と、右眼用観察光学系(O−400R)の第2のレンズ(401c)の光軸が、互いに前記被検眼(8)の側で離れる方向に傾斜していることが好ましい。
このような構成とすることにより、図13に示したような、周辺のピント差が左右眼の像で逆になるという問題を大きく改善することができる。
1−5. 第4の実施形態
図9は、本発明の眼科用顕微鏡の他の一例である第4の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。
図9(A)は、第4の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図9(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。
図9(A)に示されるように、第4の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズ(2)は、第1のレンズ(401a)、光軸の向きを変更する光学素子(401b)、及び第2のレンズ(401c)を含んで構成されている。そして、第1のレンズ(401a)は、負のパワーを有する凹レンズであり、光軸の向きを変更する光学素子(401b)は、ウェッジプリズムであり、第2のレンズ(401c)は、正のパワーを有する凸レンズである。
図9(B)に示されるように、第2のレンズの光軸(A−401c)は、互いに被検眼の側で離れる方向に傾斜している。
このような構成とすることにより、図13に示したような、周辺のピント差が左右眼の像で逆になるという問題を大きく改善することができる。
1−6. 第5の実施形態
図10は、本発明の眼科用顕微鏡の他の一例である第5の実施形態の眼科用顕微鏡における、対物レンズの光学構成を模式的に示す正面図である。
図10(A)は、第5の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズの構成を示し、図10(B)は、対物レンズを構成する各レンズの光軸の向きを示す。
図10(A)及び(B)に示されるように、第5の実施形態の眼科用顕微鏡で使用される対物レンズ(2)は、被検眼の側から、ウェッジプリズム(401b)、負のパワーを有する凹レンズ(401a)、及び正のパワーを有する凸レンズ(401c)がこの順に並んでいる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は、全て本発明の適用範囲である。
本発明の眼科用顕微鏡は、対物レンズを小口径とすることができ、OCT装置等の別の光学系を眼科用顕微鏡本体が備えている対物レンズの下方に容易に設置することができ、残存収差を小さくすることを可能とし、左右均等に近い収差とピント差を有し、両眼視に好適な眼科用顕微鏡であるので、光学機器産業、医療機器関連産業において利用することができる。
1 眼科用顕微鏡
2 対物レンズ(レンズ群)
3 脚部
4 支柱
51 第1アーム部
52 第2アーム部
6 眼科用顕微鏡本体
7 機能拡張ユニット
8 被検眼
9 照明光源
10 OCTユニット
11 X-Y微動装置
12 接眼部
13 インバーター
14 鏡筒部
15 助手用顕微鏡
16 前置レンズ調整機構
17 保持アーム
18 前置レンズ
19 フットスイッチ
20 表示部(OCT系モニタ)
300 照明光学系
301 光ファイバ
302 出射光絞り
303 コンデンサレンズ
304 照明野絞り
305 コリメートレンズ
306 反射ミラー
307 照明系対物レンズ
400 観察光学系
400L 左眼用の観察光学系
400R 右眼用の観察光学系
401a 第1のレンズ
401b 光軸の向きを変更する光学素子
401c 第2のレンズ
402 変倍レンズ
402a,402b,402c ズームレンズ
403 ビームスプリッタ
404 結像レンズ
405 像正立プリズム
406 眼幅調整プリズム
407 視野絞り
408 接眼レンズ
1101 結像レンズ
1102 反射ミラー
1103 テレビカメラ
1103a 撮像素子
500 OCT光学系
501 光ファイバ
503a,503b スキャナ
504 リレー光学系
505 第1レンズ群
506 第2レンズ群
507 OCT用対物レンズ
508 偏向部材
71 第1機能拡張ユニット
712 ビームスプリッタ
713 フィルタ
714 結像レンズ
715 CCDイメージセンサ
716 演算制御部
717 走査部
718 走査制御部
719 合成部(ファイバカプラ)
72 第2機能拡張ユニット
722 演算制御ユニット
723 可視光源ユニット
724 光ファイバ
725 光ファイバ
726 コリメータレンズ
727 照明野絞り
73 術中観察用モニタ
1001 OCT光源ユニット
1002 光ファイバ
1003 偏波コントローラ
1004 光ファイバ
1005 ファイバカプラ
1006 光ファイバ
1007 コリメータ
1008 光路長補正部材
1009 分散補償部材
1010 コーナーキューブ
1011 コリメータ
1012 光ファイバ
1013 偏波コントローラ
1014 光ファイバ
1015 アッテネータ
1016 光ファイバ
1017 ファイバカプラ
1018 光ファイバ
1019 光ファイバ
1020 光ファイバ
1021 検出器
A−2 対物レンズの光軸
A−402 変倍レンズの光軸
A−401a 第1のレンズの光軸
A−401c 第2のレンズの光軸
O−300 照明光学系の光軸
O−400 観察光学系の光軸
O−400L 左眼用観察光学系の光軸
O−400R 右眼用観察光学系の光軸
O−500 OCT光学系の光軸
P−300 照明光学系の光路
P−400L 左眼用観察光学系の光路
P−400R 右眼用観察光学系の光路
P−500 OCT光学系の光路
Q400L 左眼用観察光学系のピント位置
Q400R 右眼用観察光学系のピント位置
V400L 左眼用の像
V400R 右眼用の像
L0 OCT光源ユニットから出力された光
LC 干渉光
LS 測定光
LR 参照光
U0 前側焦点位置
X 被検体

Claims (8)

  1. 被検眼を照明する照明光学系と、
    前記照明光学系で照明された前記被検眼を観察するための左眼用観察光学系と右眼用観察光学系を有する観察光学系と、
    前記左眼用観察光学系の光軸が透過する対物レンズと、前記右眼用観察光学系の光軸が透過する対物レンズとを備えた眼科用顕微鏡本体と、
    光コヒーレンストモグラフィにより前記被検眼を検査するためのOCT光学系を備えた機能拡張ユニットと、を備えた眼科用顕微鏡であって、
    前記対物レンズが、第1のレンズと、光軸の向きを変更する光学素子と、第2のレンズとを少なくとも有するレンズ群からなり、
    前記対物レンズによって、前記左眼用観察光学系の光軸の向きと前記右眼用観察光学系の光軸の向きが、前記被検眼の側で互いに交差する方向に変更され、
    前記機能拡張ユニットが、前記OCT光学系の信号光を前記被検眼の方向に偏向するための偏向部材を格納しており、
    前記機能拡張ユニットは、前記眼科用顕微鏡本体が備えている前記対物レンズと前記被検眼との間に脱着可能に取り付けられていることを特徴とする、眼科用顕微鏡。
  2. 前記偏向部材が前記左眼用観察光学系の光軸と前記右眼用観察光学系の光軸との間に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の眼科用顕微鏡。
  3. 前記機能拡張ユニットがエイミング光を前記被検眼に照射するための可視光源ユニットを備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の眼科用顕微鏡。
  4. 前記光軸の向きを変更する光学素子がウェッジプリズムであることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。
  5. 前記第1のレンズが負のパワーを有する凹レンズであり、前記第2のレンズが正のパワーを有する凸レンズであることを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。
  6. 前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでおり、
    前記左眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第1のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で交差する方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。
  7. 前記第1のレンズと、前記光軸の向きを変更する光学素子と、前記第2のレンズが、前記被検眼の側からこの順で並んでおり、
    前記左眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸と、前記右眼用観察光学系の前記第2のレンズの光軸が、互いに前記被検眼の側で離れる方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。
  8. 前記機能拡張ユニットがレーザ治療ユニット、眼軸長測定ユニット、屈折力測定ユニット及び高次収差測定ユニットから選ばれる少なくとも1つのユニットをさらに備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の眼科用顕微鏡。
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