以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るコージェネレーションシステムの構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るコージェネレーションシステム1は、発電ユニット10と、熱源機20と、暖房水回路30と、第一バイパス配管41と、第二バイパス配管42と、第三バイパス配管43と、切換装置としての三方弁50と、制御装置60と、を備える。
発電ユニット10は、熱及び電気を生成する機能を有する。本実施形態において、発電ユニット10は、内部空間を有する発電ユニットケース11と、ガスエンジン12と、発電機13と、排気熱交換器14と、冷却水回路15と、冷却水ポンプ16と、暖房水熱交換器17と、第二ポンプ18とを備える。発電ユニットケース11内に、ガスエンジン12、発電機13、排気熱交換器14、冷却水回路15、冷却水ポンプ16、暖房水熱交換器17、及び第二ポンプ18が配設される。
ガスエンジン12は、プロパンガス或いは都市ガス等のガス燃料を燃焼させることにより駆動する。ガスエンジン12は、出力軸12aを備える。ガスエンジン12が駆動してガスエンジン12内の燃焼室で燃料が燃焼することにより、熱が生成される。また、ガスエンジン12が駆動すると、出力軸12aが回転する。この出力軸12aに発電機13が接続される。従って、ガスエンジン12が駆動して出力軸12aが回転することにより、発電機13が発電する。これにより電気が生成される。発電機13の発電電力は、図示しない電力負荷に供給される。
また、ガスエンジン12は、排気管12bを有する。排気管12bには、ガスエンジン12内の燃焼室で燃焼した高温のガスが排気ガスとして流通する。この排気管12bが、排気熱交換器14に接続される。従って、排気管12b内の排気ガスは、排気熱交換器14を通過してから外部に排出される。
冷却水回路15は内部に冷却水が流通するように構成される配管であり、冷却水ポンプ16の吐出口と吸入口とを接続する。従って、冷却水ポンプ16が作動して、その吸入口から冷却水を吸入するととともにその吐出口から冷却水を吐出すると、冷却水回路15内を冷却水が循環する。この冷却水回路15に排気熱交換器14介装される。従って、冷却水回路15内を循環する冷却水は、排気熱交換器14を通過する。上記したように、ガスエンジン12の排気管12b内の排気ガスも排気熱交換器14を通過する。排気熱交換器14は、排気管12bを流れる排気ガスと冷却水回路15を流れる冷却水が熱接触するように構成される。従って、排気熱交換器14にて、冷却水と排気ガスが熱交換する。斯かる熱交換により、冷却水が加熱されるとともに排気ガスが冷却される。冷却水を熱媒体として、発電ユニット10にて生成された熱が外部に取り出される。
また、冷却水回路15には、暖房水熱交換器17も介装される。従って、冷却水回路15内を循環する冷却水は、暖房水熱交換器17を通過する。この暖房水熱交換器17には、後述するように暖房水も通過する。
熱源機20は、暖房端末に供給する温水である暖房水を生成する機能を有する。ここで、本明細書において、「暖房端末」とは、温水或は熱水が供給され、供給された温水或は熱水を熱源として利用する機器を言う。暖房端末として、例えば、パネルヒータ、床暖房装置、乾燥器、などを例示することができる。また、熱源機20は、暖房端末に供給する温水以外の温水或は熱水を生成する機能を有していてもよい。例えば、熱源機20は、給湯器として利用され得るし、また、浴槽に供給する温水を生成することもできる。
熱源機20は、内部空間を有する熱源機ケース21と、吸入口22a及び吐出口22bを有する第一ポンプ22と、加熱手段としてのフィンチューブ式熱交換器23とを有する。熱源機ケース21内に、第一ポンプ22及びフィンチューブ式熱交換器23が配設される。
暖房水回路30は、上流側配管31と、下流側配管32と、上流側配管31と下流側配管32とを接続する複数本(本実施形態では7本)の分岐配管33(331,332,333,334,335,336,337)と、低温配管34とを有する。これらの配管により暖房水回路30が構成される。暖房水回路30内を暖房水が流れる。
上流側配管31は、熱源機ケース21内に配設された上流側機内配管31aと、熱源機ケース21外に配設された上流側機外配管31bを有する。同様に、下流側配管32も、熱源機ケース21内に配設された下流側機内配管32aと、熱源機ケース21外に配設された下流側機外配管32bを有する。上流側機内配管31aの一方端と上流側機外配管31bの一方端が、熱源機ケース21に設けられた上流側ジョイント21aを介して接続される。下流側機内配管32aの一方端と下流側機外配管32bの一方端が、熱源機ケース21に設けられた下流側ジョイント21bを介して接続される。
上流側機内配管31aの他方端は、熱源機ケース21内の第一ポンプ22の吐出口22bに接続され、下流側機内配管32aの他方端は、第一ポンプ22の吸入口22aに接続される。従って、第一ポンプ22が作動すると、第一ポンプ22は、その吸入口22aから暖房水回路30(下流側機内配管32a)内の暖房水を吸入するとともに、その吐出口22bから暖房水を暖房水回路30(上流側機内配管31a)に吐出する。この第一ポンプ22の作動により、暖房水回路30内を暖房水が循環する。第一ポンプ22の吐出口22bは、上流側配管31の最上流に位置し、第一ポンプ22の吸入口22aは、下流側配管32の最下流に位置する。つまり、第一ポンプ22は、暖房水回路30の最上流位置と最下流位置との間に設けられる。
上流側機内配管31aの途中に熱源機ケース21内のフィンチューブ式熱交換器23が介装される。フィンチューブ式熱交換器23は、フィンチューブ231及びバーナー232を有する。フィンチューブ231は、アルミニウム或は銅などの熱伝導の良好な材料により形成されたフィンが設けられたチューブである。このフィンチューブ231が上流側機内配管31aに介挿される。従って、上流側機内配管31aを流れる暖房水は、フィンチューブ231を通過する。また、バーナー232による燃焼によって、フィンチューブ231を通過する暖房水が加熱される。つまり、フィンチューブ式熱交換器23は、暖房水回路30(上流側機内配管31a)に介装され、暖房水回路30を循環する暖房水を加熱することができるように構成される。
上流側機外配管31bの下流側に、五本の分岐配管(第一分岐配管331、第二分岐配管332、第三分岐配管333、第四分岐配管334、第五分岐配管335)の一方端がそれぞれ並列的に接続される。これらの分岐配管の他方端は、下流側機外配管32bの上流側に接続される。
第一分岐配管331に第一暖房端末D1が介装される。従って、第一暖房端末D1には、第一分岐配管331を流れる暖房水が供給される。第一暖房端末D1は、本実施形態では、ある室内に設置されたパネルヒータである。第二分岐配管332に第二暖房端末D2が介装される。従って、第二暖房端末D2には、第二分岐配管332を流れる暖房水が供給される。第二暖房端末D2は、本実施形態では、上記室内とは別の室内に設置されたパネルヒータである。
第三分岐配管333に第三暖房端末D3が、第四分岐配管334に第四暖房端末D4が、第五分岐配管335に第五暖房端末D5が、それぞれ介装される。従って、第三暖房端末D3には第三分岐配管333を流れる暖房水が、第四暖房端末D4には第四分岐配管334を流れる暖房水が、第五暖房端末D5には第五分岐配管335を流れる暖房水が、それぞれ供給される。第三暖房端末D3として、例えば、デシカント式乾燥器(除湿器)を例示できる。第四暖房端末D4として、例えば、浴室乾燥装置を例示できる。第五暖房端末D5として、例えば、ファンコンベクターを例示できる。
また、上流側機内配管31aの途中の部分であって且つフィンチューブ式熱交換器23が介装されている部分よりも上流側(第一ポンプ22の吐出口に近い側)の部分に、低温配管34が接続される。この低温配管34には、二本の分岐配管(第六分岐配管336.第七分岐配管337)の一方端が接続される。第六分岐配管336及び第七分岐配管337の他方端は下流側機外配管32bに接続される。また、第六分岐配管336及び第七分岐配管337の途中に、第六暖房端末D6が介装される。従って、第六暖房端末D6には、第六分岐配管336及び第七分岐配管337を流れる暖房水が供給される。第六暖房端末D6として、例えば、床暖房装置を例示できる。
上記説明からわかるように、上流側機外配管31bと下流側機外配管32bは、それぞれ暖房端末が介装された複数の分岐配管により接続される。また、上流側機内配管31aは第一ポンプ22の吐出口22bに接続され、下流側機内配管32aは第一ポンプ22の吸入口22aに接続される。従って、上流側配管31は、暖房水回路30のうち、第一ポンプ22の吐出口22bと暖房端末との間の部分を構成する配管であり、下流側配管32は、暖房水回路30のうち、第一ポンプ22の吸入口22aと暖房端末との間の部分を構成する配管である。
また、第一ポンプ22が作動して、その吐出口22bから吐出された暖房水は、上流側配管31を通って各分岐配管に流れ、各分岐配管に介装された暖房端末を通過し、その後、下流側配管32に流出し、さらに下流側配管32から第一ポンプ22に帰還する。このように、第一ポンプ22が作動することにより、上流側配管31、各分岐配管、下流側配管32、の順に、暖房水が暖房水回路30を循環する。
また、各分岐配管(第一分岐配管331、第二分岐配管332、第三分岐配管333、第四分岐配管334、第五分岐配管335、第六分岐配管336、第七分岐配管337)に、サブ開閉弁(第一サブ開閉弁351、第二サブ開閉弁352、第三サブ開閉弁353、第四サブ開閉弁354、第五サブ開閉弁355、第六サブ開閉弁356、第七サブ開閉弁357)がそれぞれ介装される。サブ開閉弁が開状態であるときには、それが介装された分岐配管内における暖房水の流通が許可される。サブ開閉弁が閉状態であるときは、それが介装された分岐配管内における暖房水の流通が禁止される。なお、各分岐配管には、ユーザーの指示に基づいて各分岐配管内を流れる暖房水の流量を調整することができる流量調整弁が介装されていてもよい。
また、上流側機外配管31bのうち、各分岐配管が接続されている部分よりも上流側の部分に、主開閉弁36が介装される。主開閉弁36が開状態であるときには、上流側機外配管31b内における暖房水の流通が許可される。主開閉弁36が閉状態であるときには、上流側機外配管31b内における暖房水の流通が禁止される。よって、主開閉弁36が閉状態であるとき、上流側機外配管31bからの暖房水を、第一暖房端末D1、第二暖房端末D2、第三暖房端末D3、第四暖房端末D4、第五暖房端末D5に供給することができない。
第一バイパス配管41は、その一方端にて、暖房水回路30の下流側機外配管32bのうち各分岐配管が接続されている部分よりも下流側(第一ポンプ22の吸入口22aに近い側)の部分P1に接続される。第二バイパス配管42は、その一方端にて、暖房水回路30の上流側機外配管31bのうち主開閉弁36が介装されている部分と各分岐配管が接続されている部分との間の部分P2に接続される。第三バイパス配管43は、その一方端にて、暖房水回路30の下流側機外配管32bのうち第一バイパス配管41との接続部分P1よりも上流側(暖房端末に近い側)の部分P3に接続される。このように、いずれのバイパス配管も、暖房水回路30に接続される。従って、これらのバイパス配管内には、暖房水が流れる。
図1に示すように、第三バイパス配管43は、吸入側配管431と、吐出側配管432を有する。吸入側配管431の一方端が、部分P3にて下流側機外配管32bに接続される。吸入側配管431はその一方端から先の部分にて発電ユニットケース11内に進入し、その他方端にて発電ユニットケース11内の第二ポンプ18の吸入口に接続される。また、吐出側配管432は、その一方端にて第二ポンプ18の吐出口に接続され、その他方端にて三方弁50の入口ポート51に接続される。従って、第二ポンプ18は、第三バイパス配管43に介装されていることになる。この第二ポンプ18は、作動することにより、第三バイパス配管43の一方端(部分P3にて暖房水回路30の下流側機外配管32bに接続されている端)側から他方端(三方弁50の入口ポート51に接続されている端)側に向かって第三バイパス配管43内の暖房水が流れるように構成される。なお、本実施形態においては、第二ポンプ18の作動回転数は、一定である。
また、吐出側配管432に、発電ユニットケース11内の暖房水熱交換器17が介装される。従って、第二ポンプ18が作動して、吸入側配管431内の暖房水が第二ポンプ18に吸入されるとともに、第二ポンプ18から吐出側配管432に暖房水が吐出されると、吐出された暖房水が暖房水熱交換器17を通過する。暖房水熱交換器17には、上述したように、冷却水回路15内の冷却水も通過する。暖房水熱交換器17は、冷却水回路15を流れる冷却水と第三バイパス配管43(吐出側配管432)を流れる暖房水が熱接触するように構成される。従って、この暖房水熱交換器17にて、ガスエンジン12を冷却した高温の冷却水、すなわち発電ユニット10にて生成された熱と暖房水が熱交換する。斯かる熱交換により、暖房水が加熱されるとともに冷却水が冷却される。この暖房水熱交換器17により、発電ユニット10にて生成された熱が外部(暖房水回路30)に受け渡される(放熱される)。
また、第一バイパス配管41の他方端、第二バイパス配管42の他方端、第三バイパス配管43の他方端(吐出側配管432の他方端)は、三方弁50に接続される。三方弁50は、入口ポート51と、第一出口ポート52と、第二出口ポート53を備え、入口ポート51と第一出口ポート52が連通する第一連通状態と、入口ポート51と第二出口ポート53が連通する第二連通状態とを選択的に切換可能に構成される。なお、ここにおいて、「選択的に切換可能」とは、基本的に、一方の出口ポートが入口ポートに連通しているときに他方の出口ポートが入口ポートに連通しないように、入口ポートと2つの出口ポートとの連通状態を切り換えることができることを意味する。しかしながら、切換状態の過渡状態等の特別な状態において入口ポートと両出口ポートが連通するような連通状態が存在していても、定常的な場合において連通状態が第一連通状態又は第二連通状態に切り換えられているならば、「選択的に切換可能」であると解釈する。
三方弁50は、上記構造及び機能を有するものであればどのようなものでも良いが、本実施例では、三方弁50として、熱動三方弁が採用される。熱動三方弁として、例えば、通電されることにより発熱するセラミックスヒータと、セラミックスヒータが発熱した場合にその熱が伝達されることにより熱膨張する感温部材(例えば感温ワックス)を備え、感温部材の熱膨張及び熱収縮により、第一連通状態と第二連通状態とを切り換えることができるような構造を例示することができる。この場合、所定の条件の成立時にセラミックスヒータに通電し、所定の条件の非成立時にセラミックスヒータへの通電を停止することで、連通状態を切り換えることができる。
三方弁50の入口ポート51には、第三バイパス配管43の他方端(吐出側配管432の他方端)が接続される。従って、第三バイパス配管43は、暖房水回路30の下流側配管32(下流側機外配管32b)と三方弁50の入口ポート51とを接続する配管である。また、三方弁50の第一出口ポート52には、第一バイパス配管41の他方端が接続される。従って、第一バイパス配管41は、暖房水回路30の下流側配管32(下流側機外配管32b)と三方弁50の第一出口ポート52とを接続する配管である。また、三方弁50の第二出口ポート53には、第二バイパス配管42の他方端が接続される。従って、第二バイパス配管42は、暖房水回路30の上流側配管31(上流側機外配管31b)と三方弁50の第二出口ポート53とを接続する配管である。
三方弁50の連通状態が第一連通状態であるとき、すなわち入口ポート51と第一出口ポート52が連通しているときには、第三バイパス配管43と第一バイパス配管41が三方弁50を介して連通する。また、三方弁50の連通状態が第二連通状態であるとき、すなわち入口ポート51と第二出口ポート53が連通しているときには、第三バイパス配管43と第二バイパス配管42が三方弁50を介して連通する。
また、各暖房端末D1〜D6には、それを操作するためのリモコンR1〜R6が設けられる。各リモコンには、それに対応する暖房端末の起動スイッチ及び停止スイッチが、少なくとも設けられる。各リモコンに設けられた起動スイッチが操作された場合、リモコンから起動信号が出力される。各リモコンに設けられた停止スイッチが操作された場合、リモコンから停止信号が出力される。これらの信号は、制御装置60に入力される。制御装置60は、入力されたこれらの信号に基づいて、熱負荷が要求される暖房端末を特定するとともに、特定した暖房端末に対応するサブ開閉弁を開閉制御する。
また、第一暖房端末D1としてのパネルヒータが設置された室内、及び、第二暖房端末D2としてのパネルヒータが設置された室内には、それぞれ、室温検出センサ71,72が設置される。各室温検出センサ71,72は、それが設置されている室内の温度を検出し、検出した温度を表す信号を、制御装置60に入力する。なお、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2以外の暖房端末により暖房される室内が存在している場合、その室内にも室温検出センサが設置されていてもよい。この場合、その室内に設置された室温検出センサが検出した信号も、制御装置60に入力される。
制御装置60は、CPU,ROM,RAMを備えるマイクロコンピュータにより構成されており、所定の制御処理を実行して、発電ユニット10の運転、熱源機20の運転、主開閉弁36の開閉状態、三方弁50の連通状態、等を制御することにより、コージェネレーションシステム1の運転を制御する。
具体的には、制御装置60は、発電ユニット10の運転を制御するための発電ユニット運転制御処理と、熱源機20の運転を制御するための熱源機運転制御処理と、主開閉弁36の開閉状態及び三方弁50の連通状態を制御するための弁制御処理とを実行し得るように構成される。これらの処理は、コージェネレーションシステム1の作動時に、所定の短時間ごとに繰り返し実行される。これらの制御処理が実行されることにより、コージェネレーションシステム1の運転が制御される。制御装置60が実行する弁制御処理が、本発明の切換装置制御処理に相当する。
以下において、制御装置60による制御について説明する。図2は、制御装置60が実行する発電ユニット運転制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図2のS101にて、暖房端末(熱負荷)の少なくとも一つからの熱エネルギーの供給が要求されているか否か、すなわち熱負荷要求の有無を判断する。制御装置60は、熱源機制御装置から入力された信号、すなわち熱負荷が要求される暖房端末を表す信号に基づいて、上記判断を行うことができる。
S101にて、熱負荷要求が無いと判断した場合(S101:No)、制御装置60はS105に処理を進めて、発電ユニット10に停止指令信号を出力する。停止指令信号が発電ユニット10に入力された場合、ガスエンジン12の駆動、冷却水ポンプ16の作動、第二ポンプ18の作動が停止する。これにより、発電ユニット10の運転が停止する。なお、既にガスエンジン12の駆動、冷却水ポンプ16の作動、第二ポンプ18の作動が停止されている場合、その停止状態が維持される。S105の処理の実行後、制御装置60はこのルーチンを終了する。
S101にて、熱負荷要求が有ると判断した場合(S101:Yes)、制御装置60は、S102に処理を進める。S102では、制御装置60は、図示しない電力負荷から電気エネルギーの供給が要求されているか否か、すなわち電力負荷要求の有無を判断する。電力負荷要求が無い場合(S102:No)、制御装置60は、S105に処理を進めて、発電ユニット10に停止指令信号を出力する。これにより、発電ユニット10の運転が停止する。S105の処理の実行後、制御装置60はこのルーチンを終了する。
また、S102にて、電力負荷要求が有ると判断した場合(S102:Yes)、制御装置60は、S103に処理を進めて、発電ユニット10の電源がONにされているか否かを判断する。発電ユニット10の電源がOFFである場合(S103:No)、制御装置60はS105に処理を進めて、発電ユニット10に停止信号を出力する。これにより、発電ユニット10が停止する。この場合、図示しない商用電源からの電力が電力負荷に供給される。S105の処理の実行後、制御装置60はこのルーチンを終了する。
S103にて、発電ユニット10の電源がONであると判断した場合(S103:Yes)、制御装置60は、S104に処理を進める。S104では、制御装置60は、発電ユニット10に運転指令信号を出力する。運転指令信号が発電ユニット10に入力された場合、ガスエンジン12の駆動、冷却水ポンプ16の作動、第二ポンプ18の作動が開始される。これにより、発電ユニット10の運転が開始される。なお、既にガスエンジン12の駆動、冷却水ポンプ16の作動、第二ポンプ18の作動がなされている場合、その状態が維持される。S104の処理の実行後、制御装置60はこのルーチンを終了する。
制御装置60が上記した発電ユニット運転制御処理を実行することにより、熱負荷要求及び電力負荷要求が有り、且つ、発電ユニット10の電源がONであるときに限り、発電ユニット10が運転し、それ以外の場合には、発電ユニット10は停止する。発電ユニット10が運転された場合、ガスエンジン12の駆動に伴い発電機13が発電する。発電機13の発電電力は、電力負荷に供給される。また、ガスエンジン12の駆動により生じた排気ガスが排気熱交換器14を通過する。また、冷却水ポンプ16の作動により冷却水回路15内を冷却水が循環する。そして、排気熱交換器14にて、排気ガスと冷却水が熱交換することにより、冷却水回路15内を循環する冷却水が加熱される。
図3は、制御装置60が実行する熱源機運転制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図3のS201にて、熱負荷要求の有無を判断する。熱負荷要求が無い場合(S201:No)、制御装置60は、S206に処理を進める。S206では、制御装置60は、熱源機20に停止指令信号を出力する。熱源機20は、停止指令信号を入力した場合に、第一ポンプ22の作動を停止し、且つ、フィンチューブ式熱交換器23が備えるバーナー232の燃焼を停止する。これにより、熱源機20が停止する。なお、既に第一ポンプ22の作動が停止され且つフィンチューブ式熱交換器23が備えるバーナー232の燃焼が停止されている場合、その状態が維持される。制御装置60は、S206の処理の実行後、このルーチンを終了する。
一方、S201にて、熱負荷要求が有ると判断した場合(S201:Yes)、制御装置60は、S202に処理を進める。S202では、制御装置60は、電力負荷要求の有無を判断する。電力負荷要求が有る場合(S202:Yes)、制御装置60は、S203に処理を進める。S203では、制御装置60は、発電ユニット10の電源がONにされているか否かを判断する。発電ユニット10の電源がONである場合(S203:Yes)、制御装置60はS204に処理を進める。S204では、制御装置60は、平均室温Tavが閾値室温Tthよりも小さいか否かを判断する。ここで、平均室温Tavは、暖房端末により暖房されている室内の温度の平均値である。平均室温Tavに関し、説明を簡便化するために、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2のみから熱負荷要求が有り、且つ、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2のみに暖房水が供給されることにより、これらの暖房端末が配設された室内が暖房される場合について説明する。この場合、平均室温Tavは、第一暖房端末D1としてのパネルヒータが設置されている室内の温度と、第二暖房端末D2としてのパネルヒータが設置されている室内の温度の平均値である。各室内の温度は、各室内に設置された室温検出センサ71,72で検出されており、その検出信号が制御装置60に入力されている。従って、制御装置60は、S204の処理を実行するにあたり、室温検出センサ71,72から入力されている最新の室温の平均値を演算し、その演算結果を平均室温Tavとして設定する。そして、S204にて、設定した平均室温Tavと閾値室温Tthとを比較する。閾値室温Tthは、任意の温度に設定されてもよいし、制御装置60が予め設定してもよい。閾値室温Tthは、例えば、23℃〜27℃の範囲のある温度に設定されるとよい。なお、例えば、第一暖房端末D1のみから熱負荷要求がされている場合、平均室温Tavは、第一暖房端末D1により暖房されている室内の温度に一致する。また、S204における判断条件は、室内暖房に関与する暖房端末から熱負荷が要求されている場合に適用され得る判断条件である。従って、室内暖房に関与しない暖房端末から熱負荷が要求されている場合には、S204の判断条件は、要求されている熱負荷の大小を判断することができる条件に置き換えることができる。
S204にて、平均室温Tavが閾値室温Tth以上であると判断した場合(S204:No)、制御装置60は、S206に処理を進めて、熱源機20に停止指令信号を出力する。これにより、熱源機20が停止する。制御装置60は、S206の処理の実行後、このルーチンを終了する。ここで、平均室温Tavが閾値室温Tth以上である場合は、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2が設置された室内温度が比較的高く、それ故に、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2から要求されている熱負荷が小さいと判断できる。従って、本制御では、暖房端末からの熱負荷要求は有るが、要求されている熱負荷が小さい場合、熱源機20が停止することになる。
一方、S204にて、平均室温Tavが閾値室温Tth未満であると判断した場合(S203:Yes)、制御装置60は、S205に処理を進める。S205では、制御装置60は、熱源機20に運転指令信号を出力する。熱源機20は、運転指令信号を入力した場合、第一ポンプ22の作動を開始し、且つ、フィンチューブ式熱交換器23が備えるバーナー232の燃焼を開始する。これにより、熱源機20の運転が開始される。なお、既に第一ポンプ22の作動が開始され且つフィンチューブ式熱交換器23が備えるバーナー232の燃焼が開始されている場合、その状態が維持される。制御装置60は、S205の処理の実行後、このルーチンを終了する。ここで、平均室温Tavが閾値室温Tth未満である場合は、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2が設置された室内温度が比較的低く、それ故に、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2から要求されている熱負荷が大きいと判断できる。従って、本制御では、暖房端末からの熱負荷要求が有り、且つ、要求されている熱負荷が大きい場合、熱源機20が運転することになる。
上記したS204における判断条件、すなわち、平均室温Tavが閾値室温Tth未満であるという条件は、暖房端末が要求する熱負荷の大きさに関する予め定められる条件であって、その条件を満たす場合に熱負荷が大きいと判断され、その条件を満たさない場合に熱負荷が小さいと判断される熱負荷条件である。そして、この熱負荷条件を満たす場合(S204:Yes)、熱源機20が運転し、熱負荷条件を満たさない場合(S204:No)、熱源機20が停止するように、熱源機20の運転が制御される。
また、S202にて、電力負荷要求が無いと判断した場合(S202:No)、制御装置60は、S203及びS204の処理を飛ばしてS205に処理を進める。そして、S205にて、熱源機20に運転指令信号を出力する。これにより、熱源機20の運転が開始される。また、S203にて、発電ユニット10の電源がOFFであると判断した場合(S203:No)、制御装置60は、S204の処理を飛ばしてS205に処理を進める。そして、S205にて、熱源機20に運転指令信号を出力する。これにより、熱源機20の運転が開始される。つまり、熱負荷要求が有り、且つ電力負荷要求が無い場合或いは電力負荷要求が有っても発電ユニット10の電源がOFFである場合、要求されている熱負荷の大小にかかわらず、熱源機20が運転する。制御装置60は、S205の処理の実行後、このルーチンを終了する。
制御装置60が上記した熱源機運転制御処理を実行することにより、熱負荷要求が有り、且つ電力負荷要求が無い場合、及び、熱負荷要求が有り、且つ、平均室温Tavが閾値室温Tth未満であるときに(熱負荷条件を満たすとき(熱負荷が大きいとき)に)、熱源機20が運転される。一方、熱負荷要求が無い場合、及び、熱負荷要求が有り、且つ、平均室温Tavが閾値室温Tth以上であるときに(熱負荷条件を満たさないとき(熱負荷が小さいとき)に)、熱源機20が停止される。
図4は、制御装置60が実行する弁制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。図4に示すルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図4のS301にて、熱源機20が運転中であるか否かを判断する。熱源機20が運転中である場合(S301:Yes)、制御装置60はS302に処理を進める。S302では、制御装置60は、主開閉弁36に開作動信号を出力する。これにより、主開閉弁36が開弁する。また、既に主開閉弁36が開弁している場合は、その開弁状態が維持される。
制御装置60は、S302にて主開閉弁36に開作動信号を出力した後に、S303に処理を進める。S303では、制御装置60は、三方弁50が第一連通状態となるように、三方弁50を制御する。これにより、三方弁50の連通状態が第一連通状態とされ、三方弁50を介して第三バイパス配管43と第一バイパス配管41が連通する。S303の処理の実行後、制御装置60はこのルーチンを終了する。
また、制御装置60は、S301にて、熱源機20が停止中であると判断した場合(S301:No)、S304に処理を進める。S304では、制御装置60は、主開閉弁36に閉作動信号を出力する。これにより、主開閉弁36が閉弁する。また、既に開閉弁が閉弁している場合は、その閉弁状態が維持される。
制御装置は、S304にて開閉弁に閉作動信号を出力した後に、S305に処理を進める。S305では、制御装置60は、三方弁50が第二連通状態となるように、三方弁50を制御する。これにより、三方弁50の連通状態が第二連通状態とされ、三方弁50を介して第三バイパス配管43と第二バイパス配管42が連通する。S304の処理の実行後、制御装置60はこのルーチンを終了する。
制御装置60が上記した弁制御処理を実行することにより、熱源機20が運転中である場合には、主開閉弁36が開弁するとともに三方弁50の連通状態が第一連通状態にされ、熱源機20が停止中である場合には、主開閉弁36が閉弁するとともに三方弁50の連通状態が第二連通状態にされる。
発電ユニット運転制御処理、熱源機運転制御処理、弁制御処理が、並列的に実行された場合、発電ユニット10の運転状態、熱源機20の運転状態、主開閉弁36の開閉状態、及び三方弁50の連通状態、の組み合わせが、以下の4パターンに分類される。
<パターンA:熱負荷要求が無い場合>
熱負荷要求が無い場合(S101:No、S201:No)、発電ユニット10及び熱源機20の双方が停止し(S105、S206)、主開閉弁36が閉弁し(S304)、三方弁50の連通状態が第二連通状態にされる(S305)。この場合、第一ポンプ22及び第二ポンプ18が共に停止しているので、暖房水は暖房水回路30を循環しない。また、発電ユニット10が停止しているため、電力負荷要求が有る場合には、商用電源からの電力が電力負荷に供給される。
なお、パターンAの場合(熱負荷要求が無い場合)であって、且つ電力負荷要求が有る場合、発電ユニット10のガスエンジン12を駆動させると、ガスエンジン12にて生じた熱を十分に放熱することができない。この場合、ガスエンジン12が高温になりすぎるのを防止するために制御装置60がガスエンジン12を停止させる。従って、本実施形態では、暖房端末からの熱負荷要求が無い場合には、電力負荷要求が有る場合でも、発電ユニット10が運転しないように構成される。
<パターンB:熱負荷要求が有り、電力負荷要求が無い場合>
この場合、図2のS102の判定結果がNoであるために発電ユニット10が停止し(S105)、図3のS202の判定結果がNoであるために熱源機20が運転する(S205)。また、主開閉弁36が開弁し(S302)、三方弁50の連通状態が第一連通状態にされる(S303)。
パターンBの場合、発電ユニット10は停止しているので、ガスエンジン12は停止し、冷却水ポンプ16及び第二ポンプ18は作動していない。また、熱源機20は運転しているので、熱源機20の第一ポンプ22が作動するとともに、フィンチューブ式熱交換器23のバーナー232が燃焼を行う。
図5は、パターンBの場合における暖房水の流通経路が示されたコージェネレーションシステム1の構成図である。図5において、暖房水の流通経路が、暖房水回路30内の実線で示される。また、サブ開閉弁のうち、第一サブ開閉弁351及び第二サブ開閉弁352が開弁し、その他のサブ開閉弁が閉弁していると仮定する。
パターンBの場合、図5に示すように、第一ポンプ22から上流側機内配管31aに暖房水が吐出される。吐出された暖房水は、上流側機内配管31aに介装されたフィンチューブ式熱交換器23を通過することにより加熱される。その後、加熱された暖房水は上流側機外配管31bを通り、さらに、第一分岐配管331及び第二分岐配管332に流れる。そして、これらの分岐配管に介装された第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2に暖房水が供給されることにより、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2による暖房がなされる。その後、暖房水は、第一分岐配管331及び第二分岐配管332から下流側機外配管32bに流出し、さらに、下流側機内配管32aを経由して、第一ポンプ22に帰還する。なお、発電ユニット10の第二ポンプ18が作動していないので、下流側機外配管32bを流れる暖房水が、下流側機外配管32bの部分P3又は部分P1から第三バイパス配管43又は第一バイパス配管41に流れることはない。
<パターンC:要求される熱負荷が小さく、電力負荷要求が有る場合>
この場合、図2のS101、S102の判定結果がYesである。よって、発電ユニット10の電源がONであれば、発電ユニット10が運転する(S104)。また、図3のS204の判定結果がNoであるので、熱源機20が停止する(S206)。また、主開閉弁36が閉弁し(S304)、三方弁50の連通状態が第二連通状態にされる(S305)。
パターンCの場合、発電ユニット10の電源がONであれば、発電ユニット10が運転するので、ガスエンジン12は駆動し、冷却水ポンプ16及び第二ポンプ18は作動する。冷却水ポンプ16の作動により冷却水回路15内を冷却水が循環する。冷却水回路15内を循環する冷却水は、冷却水回路15に介装された排気熱交換器14を通過する。これにより冷却水が加熱される。また、排気熱交換器14にて加熱された冷却水は、冷却水回路15に介装された暖房水熱交換器17を通過する。また、熱源機20は停止しているので、第一ポンプ22は作動せず、フィンチューブ式熱交換器23のバーナー232は燃焼を行わない。
図6は、パターンCの場合における暖房水の流通経路が示されたコージェネレーションシステム1の構成図である。図6において、暖房水の流通経路が暖房水回路30内の実線で示される。また、パターンCの場合は要求される熱負荷が小さい。図6においては、要求される熱負荷が小さいことを、サブ開閉弁のうち第一サブ開閉弁351のみが開弁し、その他のサブ開閉弁が閉弁していることにより表現している。しかしながら、第一サブ開閉弁351以外のサブ開閉弁が開弁している場合であっても、上記した平均室温Tavが閾値室温Tth以上である場合には、暖房水は図6に示す流通経路に従って流れる。
パターンCの場合、第二ポンプ18の作動により第三バイパス配管43内を暖房水が流れる。このため第三バイパス配管43内の暖房水は、第三バイパス配管43に介装された暖房水熱交換器17を通過する。上述したように加熱された冷却水も暖房水熱交換器17を通過するので、暖房水熱交換器17にて、暖房水と冷却水が熱交換する。斯かる熱交換により暖房水が加熱されるとともに冷却水が冷却される。
暖房水熱交換器17にて加熱されて第三バイパス配管43を流れる暖房水は、三方弁50の入口ポート51から三方弁50に流入する。三方弁50は第二連通状態にされており、入口ポート51と第二出口ポート53が三方弁50を介して連通しているので、入口ポート51から三方弁50に流入した暖房水は第二出口ポート53から三方弁50を流出して第二バイパス配管42に至る。第二バイパス配管42に至った暖房水は、第二バイパス配管42から図6の部分P2にて上流側機外配管31bに流れ、さらに上流側機外配管31bから第一分岐配管331に流れる。そして、第一分岐配管331に介装された第一暖房端末D1に暖房水が供給されることにより、第一暖房端末D1による暖房がなされる。なお、主開閉弁36が閉弁しているので、第二バイパス配管42から図6の部分P2にて上流側機外配管31bに流れた暖房水が、主開閉弁36を経由して熱源機20側に流入することはない。
第一暖房端末D1を流れた暖房水は、第一分岐配管331から下流側機外配管32bに流出する。そして、下流側機外配管32bの部分P3の位置にて、第三バイパス配管43に流入し、その後、第二ポンプ18に帰還する。なお、熱源機20の第一ポンプ22は作動しておらず、且つ、主開閉弁36は閉弁しているので、下流側機外配管32b内の暖房水が熱源機20側に流れることはない。また、三方弁50の連通状態が第二連通状態であるので、三方弁50の第一出口ポート52は入口ポート51及び第二出口ポート53に連通されていない。よって、下流側機外配管32b内の暖房水が、部分P1にて第一バイパス配管41を流れて三方弁50に至ることもない。
このように、パターンCの場合、第三バイパス配管43−第二バイパス配管42−暖房水回路30の上流側機外配管31b−第一暖房端末D1(第一分岐配管331)−暖房水回路30の下流側機外配管32b−第三バイパス配管43、がこの順に接続され、これらの配管により暖房水の循環回路が形成される。このようにして形成された循環回路は、上流側配管31の最上流位置と下流側配管32の最下流位置との間に設けられる第一ポンプ22を迂回するバイパス回路である。そして、このバイパス回路中の第三バイパス配管43に介装された暖房水熱交換器17にて、ガスエンジン12の駆動により生成した熱により加熱された冷却水と暖房水とを熱交換させることによって暖房水を加熱することができる。このようにして、第一ポンプ22を迂回したバイパス回路内を暖房水が循環することにより、第一ポンプ22を作動させることなく発電ユニット10側で生成された熱により加熱された暖房水を第一暖房端末D1に供給することができる。よって、熱負荷が小さいときに作動させるべきポンプの個数を減じることができ、それにより、エネルギー効率が向上する。つまり、本実施形態によれば、要求される熱負荷が小さい場合に効率的な運転を行い得るコージェネレーションシステム1が提供される。
また、図6からわかるように、熱源機20のフィンチューブ式熱交換器23は暖房水回路30のうち上流側機内配管31aに介装されている。上流側機内配管31aは、上流側配管31のうち、上流側機外配管31bよりも上流側(第一ポンプ22の吐出口22bに近い側)を構成する配管である。また、第二バイパス配管42は、上流側機内配管31aよりも下流側の上流側機外配管31bの部分P2にて上流側配管31に接続されている。従って、フィンチューブ式熱交換器23が上流側配管31に介装されている位置は、第二バイパス配管42が上流側配管31に接続されている部分P2よりも上流側の位置である。換言すれば、フィンチューブ式熱交換器23は、上流側配管31のうち、第一ポンプ22の吐出口22bと、第二バイパス配管42の接続部分P2との間に介装される。上記バイパス回路の第二バイパス配管42を流れる暖房水は、接続部分P2にて上流側配管31(上流側機外配管31b)に流入した後、下流側に向かうため、上記バイパス回路は、第一ポンプ22のみならず、加熱手段としてのフィンチューブ式熱交換器23をも迂回することになる。つまり、上記バイパス回路は、熱源機20を迂回する。よって、暖房水が上記バイパス回路を循環する際に、作動していないフィンチューブ式熱交換器23を暖房水が通過することによる放熱を防止することができる。その結果、暖房水の熱損失を低減することができ、より効率的にコージェネレーションシステム1を運転させることができる。
<パターンD:要求される熱負荷が大きく、電力負荷要求が有る場合>
この場合、図2のS101、S102の判定結果がYesである。よって、発電ユニット10の電源がONであれば、発電ユニット10が運転する(S104)。また、図3のS204の判定結果がYesであるので、熱源機20が運転する(S205)。また、主開閉弁36が開弁し(S302)、三方弁50の連通状態が第一連通状態にされる(S303)。
パターンDの場合、発電ユニット10の電源がONであれば、発電ユニット10が運転するので、ガスエンジン12が駆動し、冷却水ポンプ16及び第二ポンプ18は作動する。このためパターンCの場合と同様、排気熱交換器14にて冷却水が加熱され、加熱された冷却水が、暖房水熱交換器17を通過する。また、熱源機20が運転しているので、第一ポンプ22が作動し、フィンチューブ式熱交換器23のバーナー232が燃焼を行う。
図7は、パターンDの場合における暖房水の流通経路が示されたコージェネレーションシステム1の構成図である。図7において、暖房水の流通経路が暖房水回路30内の実線で示される。また、サブ開閉弁のうち、第一サブ開閉弁351及び第二サブ開閉弁352が開弁し、その他のサブ開閉弁が閉弁していると仮定する。
パターンDの場合、図7に示すように、熱源機20内の第一ポンプ22の作動により第一ポンプ22から上流側機内配管31aに吐出された暖房水がフィンチューブ式熱交換器23を通過する。これにより暖房水が加熱される。フィンチューブ式熱交換器23を通過した暖房水は、上流側機内配管31aから上流側機外配管31bに流れ、さらに上流側機外配管31bから第一分岐配管331及び第二分岐配管332に流れる。そして、これらの分岐配管に介装された第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2に暖房水が供給されることにより、第一暖房端末D1及び第二暖房端末D2による暖房がなされる。その後、暖房水は、第一分岐配管331及び第二分岐配管332から下流側機外配管32bに流入する。
下流側機外配管32bに流入した暖房水の一部は、下流側機外配管32bの部分P3にて、そのまま下流側機外配管32bを流れて下流側機内配管32aに至る暖房水と、部分P3から第三バイパス配管43に流入する暖房水とに分流される。部分P3にてそのまま下流側機外配管32bを流れて下流側機内配管32aに至った暖房水は、さらに下流側機内配管32aから第一ポンプ22に帰還する。また、部分P3から第三バイパス配管43に流入した暖房水は、第二ポンプ18を経由して暖房水熱交換器17を通る。この暖房水熱交換器17にて暖房水が冷却水と熱交換するによって暖房水が加熱されるとともに冷却水が冷却される。そして、暖房水熱交換器17によって加熱された暖房水は、第三バイパス配管43から三方弁50の入口ポート51に流入する。パターンDの場合には三方弁50は第一連通状態とされており、入口ポート51と第一出口ポート52が連通している。よって、第三バイパス配管43から三方弁50の入口ポート51に流入した暖房水は、三方弁50の第一出口ポート52から三方弁50を流出して、第一バイパス配管41に流入する。そして、第一バイパス配管41から部分P1にて下流側機外配管32bに流入する。下流側機外配管32bに流入した暖房水は、さらに下流側機内配管32aに流れ、下流側機内配管32aから第一ポンプ22に帰還する。
このように、発電ユニット10が運転中であり、且つ、熱負荷要求が大きい場合、暖房水は、熱源機20のフィンチューブ式熱交換器23及び発電ユニット10の暖房水熱交換器17の双方により加熱される。こうして発電ユニット10で生じた熱を有効利用して暖房水を加熱することにより、例えばフィンチューブ式熱交換器23のバーナーの燃焼量を低減することができる。これにより、省エネルギー及び二酸化炭素排出削減に貢献することができる。
従来のコージェネレーションシステムでは、発電ユニットが運転している場合、要求される熱負荷の大小にかかわらず、暖房水は図7に示されるようなパターンDの場合の流通経路に沿って流れる。これに対し、本実施形態では、暖房水の流通経路が熱負荷の大きさにより変更される。具体的には、要求される熱負荷が大きい場合は、暖房水の流通経路が図7に示される流通経路、すなわちパターンDの場合における流通経路にされる。一方、要求される熱負荷が小さい場合は、暖房水の流通経路が図6に示される流通経路、すなわちパターンCの場合における流通経路にされる。熱負荷が小さい場合に図6に示す流通経路に沿って暖房水を流すことにより、暖房水が第一ポンプ22を迂回する。よって、第一ポンプ22を作動させることなく暖房端末に暖房水を供給することができる。また、熱負荷が小さい場合に図6に示す流通経路に沿って暖房水を流すことにより、暖房水がフィンチューブ式熱交換器23を迂回する。よって、停止しているフィンチューブ式熱交換器23を暖房水が通過する際の放熱を防止できる。このため暖房水の熱損失を低減することができる。
また、本実施形態によれば、要求される熱負荷が大きいか否は、暖房端末により暖房される室内の温度、或いは室内の温度の平均値が閾値温度未満であるといった熱負荷条件を満たすか否かにより判断される。これによれば、暖房端末により暖房される室内の温度に基づいて、要求される熱負荷の大小、並びに、三方弁50の連通状態を第一連通状態にすべきか第二連通状態にすべきかを、判断することができる。
また、制御装置60は、熱源機運転制御処理にて、要求される熱負荷が大きい場合(上記熱負荷条件を満たす場合)に熱源機20が運転し(S205)、要求される熱負荷が小さい場合(上記熱負荷条件を満たさない場合)に熱源機20が停止する(S206)ように、熱源機の運転を制御する。さらに、制御装置60は、弁制御処理にて、熱源機20が停止している場合に三方弁50の連通状態が第二連通状態にされる(S305)ように三方弁50を制御し、熱源機20が運転している場合に三方弁50の連通状態が第一連通状態にされるように三方弁50を制御する。このように制御装置60が三方弁50及び熱源機20を制御することで、熱負荷条件を満たさない場合(熱負荷が小さい場合)に、熱源機20の停止(第一ポンプ22及びフィンチューブ式熱交換器23の作動の停止)と、三方弁50の連通状態を第二連通状態にすることとを、連動させることができる。こうした連動制御によって、要求される熱負荷が小さい場合に、効率的にコージェネレーションシステム1を運転させることができる。
また、制御装置60は、発電ユニット運転制御処理にて、暖房端末から熱負荷要求が無い場合及び暖房端末から熱負荷要求が有り且つ電力負荷要求が無い場合に発電ユニット10が停止し(S105)、暖房端末から熱負荷要求が有り、且つ、電力負荷要求も有る場合に発電ユニット10が運転する(S104)ように、発電ユニット10の運転を制御する。これによれば、発電ユニット10が運転している場合であって、且つ、要求される熱負荷が小さい場合に、発電ユニット10にて生じた熱を利用して効率的にコージェネレーションシステム1を運転させることができる。
また、本実施形態においては、三方弁50が熱動弁である。熱動弁は作動時における動作が緩やかであるので、これを三方弁50に適用することにより、連通状態が切り替わる際における急激な圧力変動に伴うウォーターハンマー現象の発生を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態においては、要求される熱負荷が大きいか否かを、平均室温Tavが閾値温度Tth未満であるか否かに基づいて判断する例を示したが、室温と設定室温との温度差の平均値が閾値温度差よりも大きいか否かに基づいて熱負荷の大小を判断してもよいし、複数の室内の温度のうちの最低温度が閾値温度未満であるか否かに基づいて熱負荷の大小を判断してもよい。また、室内温度の平均値を閾値温度と比較するか、複数の室内温度のうちの最低温度を閾値温度と比較するかを、ユーザーにより選択するように構成してもよい。また、上記実施形態では、発電ユニット10がガスエンジン12を備える例について説明したが、例えばガソリンエンジンを用いても良いし、或いは外燃機関を用いても良い。さらに、発電ユニット10は、熱及び電気を生成することができるように構成されていれば、上記した熱機関以外の装置を備えていても良い。例えば、発電ユニットが、熱を利用して発電する燃料電池発電システム(例えばSOFC発電システム)であってもよい。この場合、燃料電池発電に伴い生じる熱を、暖房水の加熱に利用することができる。また、上記実施形態では、第二ポンプ18が発電ユニット10に備えられるが、第二ポンプ18は、発電ユニット10とは別に構成されていてもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。