JP6835947B2 - 切削インサート及びこれを備えた切削工具 - Google Patents

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Description

本態様は、切削加工において用いられる切削インサート及びこれを備えた切削工具に関する。
被削材に転削及び旋削などの切削加工をする際に切削工具が用いられる。切削工具は、一般的に、ポケットを有するホルダと、このポケットに取り付けられた切削インサートとを備えている。切削インサートとしては、例えば特許文献1に記載の切削インサートが知られている。
特許文献1に記載の切削インサートは、基体(ボディ)及びこの基体を被覆する被覆層(被膜)を備えている。また、特許文献1に記載の切削インサートは、すくい面及び逃げ面を有し、これらの面が交差する部分に切刃が形成された多角板形状の構成となっている。
特開2013−163264号公報
一態様に基づく切削インサートは、基体と、基体の上の少なくとも一部に位置する被覆層とを備える。前記被覆層は、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒化物及び炭窒酸化物のいずれかを含有している。また、切削インサートは、すくい面を有する第1面と、逃げ面を有する第2面と、前記第1面及び前記第2面が交差する稜線の少なくとも一部に位置する切刃とを有している。該切刃は、主切刃及びワイパー刃を有する。前記被覆層は、前記切刃と、該切刃に繋がる第1面および該切刃に繋がる第2面において連続して基体の上に位置している。前記主切刃における前記被覆層の厚みをC31、前記ワイパー刃における前記被覆層の厚みをC32としたとき、前記C31は、1.5μm以上、4.0μm以下であり、前記C32は0.5μm以上、1.5μm以下である。前記C31が前記C32よりも大きい。
一実施形態の切削インサートを示す斜視図である。 図1に示す切削インサートにおけるA1−A1断面の断面図である。 図2に示す領域A2における拡大図である。 一実施形態の切削工具を示す斜視図である。
以下、一実施形態の切削インサート(以下、単にインサートともいう。)について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、インサートは、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
本実施形態のインサート1は、四角板形状であって、四角形の第1面3(図1における上面)と、第2面5(図1における側面)と、第1面3及び第2面5が交差する稜線の少なくとも一部に位置する切刃7とを有している。第1面3はすくい面と呼ばれる面である。第2面5は逃げ面と呼ばれる面である。
本実施形態のインサート1においては、第1面3の外周の全体が切刃7となっていてもよい。インサート1はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、四角形の第1面3における1辺のみ、若しくは、部分的に切刃7を有するものであってもよい。
第1面3は、少なくとも一部にすくい面領域を有しており、第1面3における切刃7に沿った第1領域3aは少なくともすくい面領域である。第2面5は、少なくとも一部に逃げ面領域を有しており、第2面5における切刃7に沿った第2領域5aは少なくとも逃げ面領域である。言い換えれば、すくい面領域及び逃げ面領域が交差する部分に切刃7が位置している。
図1では、第1面3における第1領域3a及びそれ以外の領域の境界と、第1面3における第2領域5a及びそれ以外の領域の境界とを一点鎖線で示している。図1においては、第1面3及び第2面5が交差する稜線の全てが切刃7である例を示しているため、第1面3において切刃7に沿った環状の一点鎖線が示されている。
インサート1の大きさは特に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、第1面3の一辺の長さが3〜20mm程度に設定される。また、第1面3から第1面3の反対側に位置する面(図1における下面)までの高さは5〜20mm程度に設定される。
本実施形態のインサート1は、図2及び図3に示すように、四角板形状の基体9と、この基体9の表面を被覆する被覆層11とを備えている。被覆層11は、基体9の表面の全体を覆っていてもよく、また、一部のみを被覆していてもよい。一部のみが被覆されているときには、被覆層11は、基体9の上の少なくとも一部に位置しているとも言うことができる。
本実施形態における被覆層11は、第1面3における切刃7に沿った第1領域3a及び第2面5における切刃7に沿った第2領域5aに少なくとも存在している。図1においては、第1領域3aを含む第1面3の全体及び第2領域5aを含む第2面5の全体に被覆層11が存在する例を示している。
本実施形態における被覆層11の厚みは一定ではなく、第1領域3aにおける被覆層11の厚みと第2領域5aにおける被覆層11の厚みとが互いに異なっている。具体的には、第1領域3aにおける被覆層11の厚みをC1、第2領域5aにおける被覆層11の厚みをC2としたときに、C1がC2よりも大きい。
なお、C1は、第1領域3aにおける被覆層11の厚みの平均値である。また、C2は第2領域5aにおける被覆層11の厚みの平均値である。
第1領域3aにおける被覆層11の厚みのC1は、切刃7から0.3〜1.0mmの範囲における被覆層11の厚みの平均値である。また、第2領域5aにおける被覆層11の厚みのC2は、切刃7から0.05〜1.0mmの範囲における被覆層11の厚みの平均値である。
第1領域3aにおける被覆層11の厚みとは、図3に示すような断面における、第1面3から被覆層11までの距離のことであり、平均値の算出にあたっては、n数を3以上とする。また、第2領域3bにおける被覆層11の厚みとは、図3に示すような断面における、第2面5から被覆層11までの距離のことであり、平均値の算出にあたっては、n数を3以上とする。
第1領域3aにおける被覆層11の厚みC1がC2よりも相対的に大きいことから、インサート1の耐久性が高められる。切削加工時において第1領域3aの上を被削材の切屑が流れるため、被覆層11における第1領域3aに位置する部分は比較的摩耗し易い。その第1領域3aにおける被覆層11の厚みC1がC2よりも相対的に大きいことによって基体9が露出しにくくなる。
第2領域5aにおいては、被覆層11の厚みC2がC1よりも相対的に小さいことから第2領域5aにおいて被覆層11が剥離するおそれが小さくなる。切削加工時において第2領域5aに対しては比較的小さな角度で切削負荷が加わるため、第2領域5aにおける被覆層11に対しては、せん断力が加わり易い。第2領域5aにおける被覆層11の厚みC2がC1よりも相対的に小さいことによって第2領域5aにおける被覆層11がせん断されにくくなる。
また、本実施形態における被覆層11の表面粗さは一定ではなく、第1領域3aにおける被覆層11の表面粗さと第2領域5aにおける被覆層11の表面粗さとが互いに異なっている。具体的には、第1領域3aにおける被覆層11の十点平均粗さをRz1a、第2領域5aにおける被覆層11の十点平均粗さをRz2aとしたとき、Rz1aがRz2aよりも大きい。
第1領域3aの表面粗さが相対的に大きいことから、切削加工時において切屑がすくい面領域に接触する面積を小さくできる。そのため、摩擦係数が過度に大きくなることが避けられ、発熱量を小さく抑えられる。これにより、すくい面領域において被覆層11が劣化しにくくなる。
また、第2領域5aの表面粗さRz2aがRz1aよりも相対的に小さいことから、逃げ面領域が被削材の仕上げ面に接触した場合であっても、仕上げ面の表面粗さが過度に悪化することが避けられる。
以上の通り、本実施形態の切削インサート1によれば、第1領域3aにおける被覆層11の厚みの平均値をC1、第2領域5aにおける被覆層11の厚みの平均値をC2としたときに、C1がC2よりも大きく、且つ、第1領域3aにおける被覆層11の十点平均粗さをRz1a、第2領域5aにおける被覆層11の十点平均粗さをRz2aとしたとき、Rz1aがRz2aよりも大きい。これにより、被覆層11が剥離しにくくインサート1の耐久性が良好であって、且つ、仕上げ面の面状態を良好にできる。
第1領域3aにおける被覆層11の厚みC1は、特定の厚みに限定されるものではない。第1領域3aにおける被覆層11の厚みC1は、例えば、1.5〜4μm程度に設定できる。また、第2領域5aにおける被覆層11の厚みC2も、特定の厚みに限定されるものではない。第2領域5aにおける被覆層11の厚みC2は、例えば、0.5〜1.5μm程度に設定できる。
なお、上記の通り被覆層11の厚みがインサート1の大きさに対して非常に薄いため、基体9の大きさがインサート1の大きさとほぼ一致する。従って、具体的な基体9の大きさについては、説明を省略する。
第1領域3aにおける被覆層11の十点平均粗さRz1aは、特定の値に限定されるものではないが、例えば、1.0〜3.0μm程度に設定できる。また、第2領域5aにおける被覆層11の十点平均粗さRz2aは、特定の値に限定されるものではないが、例えば、0.1〜1.0μm程度に設定できる。
本実施形態において第1領域3aの十点平均粗さRz1a及び第2領域5aの十点平均粗さRz2aを測定するには、カットオフ値を0.08mmに固定する以外はJISB0601−2001規格に準じて、第1領域3a及び第2領域5aの表面形状を測定すればよい。測定は、例えば、触針を用いた接触式表面粗さ測定機、あるいは、レーザを用いた非接触式表面粗さ測定機を利用すればよい。測定した結果に基づいて、第1領域3aの十点平均粗さRz1a及び第2領域5aの十点平均粗さRz2aを算出すればよい。なお、Rz1a及びRz2aは、それぞれ切刃7に平行な方向に沿って測定するものとする。Rz1a及びRz2aは、それぞれ、C1及びC2の測定範囲で測定すればよい。
第1領域3aにおける十点平均粗さRz1aが、第2領域5aにおける十点平均粗さRz2aと異なる値である一方で、基体9における第1領域3aに相当する部分での十点平均粗さが、基体9における第2領域5aに相当する部分での十点平均粗さと概ね同じである場合には、基体9及び被覆層11の接合性のバラつきが小さいため、被覆層11が基体9から剥離しにくくなっている。このような場合における基体9の十点平均粗さは、例えば1.0〜1.4μm程度に設定できる。
切刃7における被覆層11の十点平均粗さをRz3としたとき、Rz1aがRz3よりも大きくてもよい、言い換えれば、Rz3がRz1aよりも小さくてもよい。このような場合には、切削加工時に切刃7が欠けるおそれを小さくできる。そのため、インサート1の耐久性を高めることができる。
また、Rz3がRz1aよりも小さくRz2aと同等であってもよい。このような場合には、切削加工時に切刃7が欠けるおそれを小さくしつつ、仕上げ面の面状態を良好にできる。ただし、Rz3がRz2aと同等であるとは、厳密に同じである必要はなく、Rz2aとRz3との比Rz2a/Rz3が、0.9〜1.2であればよい。
切刃7の十点平均粗さRz3を測定するには、第2面5が正面となる向きにインサート1を置いて、切刃7の凹凸を観察すればよい。すなわち、第1領域3a及び第2領域5aの十点平均粗さの測定と同様に、表面粗さ測定機を利用してもよいが、第2面5が正面となる向きにインサート1を置いて撮影し、撮影した写真の画像分析を行うことによって切刃7の十点平均粗さRz3を測定すればよい。
切刃7における被覆層11の十点平均粗さRz3は、0.1〜1.0μmとしてもよい。
切刃7の構成は特に限定されるものではないが、図1においては、切刃7が主切刃13及びワイパー刃15を有する構成が示されている。例えば、第1面3を正面視した場合に、主切刃13及びワイパー刃15がそれぞれ第1面3の辺上に位置しており、主切刃13が直線形状であって、ワイパー刃15が緩やかな凸曲線形状である。ここで緩やかな凸曲線形状であるとは、外方に向かって凸となる曲線形状であって、曲線の曲率半径が第1面3の最大幅よりも大きな値であることを意味している。
主切刃13は、切削加工時に被削材を切削する主要な切刃7として機能する。また、ワイパー刃15は、切削加工時に被削材の仕上げ面の平滑性を高める切刃7として機能する。そのため、通常、主切刃13が仕上げ面に対して傾斜するとともに、ワイパー刃15が仕上げ面に対して平行な状態でインサート1が切削加工に用いられる。
ここで、主切刃13における被覆層11の厚みをC31、ワイパー刃15における被覆層11の厚みをC32としたとき、C31がC32よりも大きい場合には、切削加工時に仕上げ面の平滑性を高めるためのワイパー刃15において膜剥離が起こりにくく、加工面が良好になる。
主切刃13における被覆層11の厚みC31は、特定の厚みに限定されるものではないが、例えば、1.5〜4.0μm程度に設定できる。また、ワイパー刃15における被覆層11の厚みC32も、特定の厚みに限定されるものではないが、例えば、0.5〜1.5μm程度に設定できる。
なお、主切刃13またはワイパー刃15における被覆層11の厚みとは、図3に示すような断面における、第1面3と第2面5との交稜部から被覆層11までの距離のことである。図3に示す例が主切刃13を含む断面であるとき、符号C31と矢印で示す部分のことであり、具体的には、第1面3と第2面5とが交わった角部と、被覆層11において2つの面が交わった角部との距離のことである。また、基体9の第1面3と第2面5とがR部を有するように交わっているときであっても、厚みの算出方法は同様である。
さらに、本実施形態においては、主切刃13における被覆層11の十点平均粗さをRz31、ワイパー刃15における被覆層11の十点平均粗さをRz32としたとき、Rz31がRz32よりも大きくなっていてもよい。上記の通り、ワイパー刃15は、切削加工時に被削材の仕上げ面の平滑性を高める切刃7として機能する。主切刃13及びワイパー刃15における被覆層11の十点平均粗さが上記の関係である場合には、ワイパー刃15の表面粗さが特に小さくなっているため、仕上げ面の平滑性がさらに高められる。
なお、主切刃13における被覆層11の十点平均粗さRz31及びワイパー刃15における十点平均粗さRz32とを比較した場合に、主切刃13における十点平均粗さであるRz31が相対的に大きくてもよい。また、Rz32とRz31とは、Rz1aよりも小さくしてもよい。
Rz31は、0.1〜1.0μmとしてもよい。また、Rz32は、0.1〜0.7μmとしてもよい。
第2領域5aにおける切刃7に直交する方向での被覆層11の十点平均粗さをRz2bとしたとき、Rz2aがRz2bよりも小さくなっていてもよい。
Rz2aは、0.1〜1.0μmとしてもよい。また、Rz2bは、0.5〜1.4μmとしてもよい。
第2領域5aは、切削加工時に仕上げ面に接触する場合がある。このとき、切刃7に平行な方向での被覆層11の表面形状が仕上げ面に転写された場合であっても、Rz2aがRz2bよりも相対的に小さいため、仕上げ面の平滑性が損なわれることが避けられる。また、Rz2bがRz2aよりも相対的に大きいため、第2領域5aが仕上げ面に接触する場合であっても、仕上げ面への第2領域5aの接触面積を減らすことができる。そのため、摩擦熱などによって仕上げ面の状態が変性することが避けられ易い。
被覆層11における残留応力が圧縮応力であるときには、被覆層11が部分的に剥離した場合や被覆層11に亀裂が発生した場合のように仮に被覆層11の一部が損傷した場合であっても、この損傷が進展しにくい。これにより、インサート1の耐久性が大きく低下することが避けられる。
被覆層11における残留応力が圧縮応力であるか否かは、例えば2D法を用いた測定に基づき判断すればよい。具体的には、第1面3及び第2面5における切刃7から1mm以上離れた部分をそれぞれ測定位置とする。これらの位置でX線回折ピークを測定する。測定結果から特定された結晶構造に関して、測定結果における2θの値が、JCPDSカードに記載された基準となる2θの値に対してどのようにずれているかを確認することで被覆層11の残留応力を特定することが可能である。
本実施形態のインサート1は、図1に示すように四角板形状であるが、インサート1の形状としてはこのような形状に限定されるものではない。例えば、上面が四角形ではなく、三角形、六角形又は円形であってもよい。
本実施形態のインサート1は、図1に示すように、貫通孔17を有していてもよい。本実施形態における貫通孔17は、第1面3から第1面3の反対側に位置する面にかけて形成されており、これらの面において開口している。貫通孔17は、インサート1をホルダに保持する際に、ねじ又はクランプ部材を取り付けるために用いることが可能である。なお、貫通孔17は、第2面5における互いに反対側に位置する領域において開口する構成であってもよい。
基体9の材質としては、例えば、超硬合金、サーメット及びセラミックスなどの無機材料が挙げられる。超硬合金の組成としては、例えば、WC(炭化タングステン)−Co、WC−TiC(炭化チタン)−Co及びWC−TiC−TaC(炭化タンタル)−Coが挙げられる。ここで、WC、TiC及びTaCは硬質粒子であり、Coは結合相である。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、TiC又はTiN(窒化チタン)を主成分とした化合物が挙げられる。なお、基体9の材質としては、これらに限定されるものではない。
被覆層11の材質としては、例えば、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒化物及び炭窒酸化物などが挙げられる。被覆層11は、上記の材質のうち1つのみを含有していてもよく、複数を含有していてもよい。また、被覆層11は、1つのみの層によって構成されていてもよく、複数の層が積層された構成であってもよい。なお、被覆層11の材質としては、これらに限定されるものではない。
被覆層11は、化学蒸着(CVD)法又は物理蒸着(PVD)法を用いることによって、基体9の上に位置させることが可能である。例えば、貫通孔17の内周面で基体9を保持した状態で上記の蒸着法を利用して被覆層11を形成する場合には、貫通孔17の内周面を除く基体9の表面の全体を覆うように被覆層11を位置させることができる。
被覆層11の厚みは、研磨処理により適宜調整することができる。例えば、被覆層11の厚くしたい部分にマスキングし、薄くしたい部分を露出させて、ブラスト処理を施してもよい。また、ブラシと研磨剤を用いて研磨した場合にはブラシの回転方向に沿って被覆層11の表面に研磨傷が形成される。これを利用すると、切刃7に平行な方向の十点平均粗さと切刃7に垂直な方向の十点平均粗さとを異なるものとすることができる。
また、被覆層11における残留応力を圧縮応力とするには、例えば、被覆膜11をPVD法で形成し、75〜200Vの高バイアス条件で製膜するとよい。また、被覆層11における残留応力を圧縮応力とする他の方法として、CVD法で基体9よりも熱膨張係数が小さい被覆膜11を形成してもよい。
次に、一実施形態の切削工具101について図面を用いて説明する。本実施形態の切削工具101は、図4に示すように、第1端(図4における上端)から第2端(図4における下端)に向かって延びる棒状体であり、第1端側にポケット103を有するホルダ105と、ポケット103に位置する上記のインサート1とを備えている。
ポケット103は、インサート1が装着される部分であり、ホルダ105の下面に対して平行な着座面と、着座面に対して傾斜する拘束側面とを有している。また、ポケット103は、ホルダ105の第1端側において開口している。
ポケット103にはインサート1が位置している。このとき、インサート1の下面がポケット103に直接に接していてもよく、また、インサート1とポケット103との間にシートを挟んでいてもよい。
インサート1は、第1面及び第2面が交差する稜線における切刃7として用いられる部分がホルダ105から外方に突出するように装着される。本実施形態においては、インサート1は、固定ネジ107によって、ホルダ105に装着されている。すなわち、インサート1の貫通孔に固定ネジ107を挿入し、この固定ネジ107の先端をポケット103に形成されたネジ孔(不図示)に挿入してネジ部同士を螺合させることによって、インサート1がホルダ105に装着されている。
ホルダ105としては、鋼、鋳鉄などを用いることができる。特に、これらの部材の中で靱性の高い鋼を用いることが好ましい。
本実施形態においては、いわゆる旋削加工に用いられる切削工具を例示している。旋削加工としては、例えば、内径加工、外径加工及び溝入れ加工が挙げられる。なお、切削工具としては旋削加工に用いられるものに限定されない。例えば、転削加工に用いられる切削工具に上記の実施形態のインサート1を用いてもよい。
1・・・インサート
3・・・第1面
3a・・・第1領域
5・・・第2面
5a・・・第2領域
7・・・切刃
9・・・基体
11・・・被覆層
13・・・主切刃
15・・・ワイパー刃
17・・・貫通孔
101・・・切削工具
103・・・ポケット
105・・・ホルダ
107・・・固定ネジ
C1・・・第1領域における被覆層の厚み
C2・・・第2領域における被覆層の厚み

Claims (8)

  1. 基体と、該基体の上の少なくとも一部に位置する被覆層とを備える切削インサートであって、
    前記被覆層は、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒化物及び炭窒酸化物のいずれかを含有しており、
    該切削インサートは、すくい面を有する第1面と、逃げ面を有する第2面と、前記第1面及び前記第2面が交差する稜線の少なくとも一部に位置する切刃とを有し、
    該切刃は、主切刃及びワイパー刃を有し、
    前記被覆層は、前記切刃と、該切刃に繋がる第1面および該切刃に繋がる第2面において連続して基体の上に位置しており、
    前記主切刃における前記被覆層の厚みをC31、前記ワイパー刃における前記被覆層の厚みをC32としたとき、
    前記C31は、1.5μm以上、4.0μm以下であり、前記C32は0.5μm以上、1.5μm以下であり、
    前記C31が前記C32よりも大きいことを特徴とする切削インサート。
  2. 前記第1面において、前記切刃から0.3mm以上、1.0mm以下離れた領域を第1領域とし、
    前記第2面において、前記切刃から0.05mm以上、1.0mm以下離れた領域を第2領域とし、
    前記第1領域における前記被覆層の厚みの平均値をC1、前記第2領域における前記被覆層の厚みの平均値をC2としたとき、
    前記C1は、1.5μm以上、4μm以下であり、
    前記C2は、0.5μm以上、1.5μm以下であり、
    前記C1が前記C2よりも大きく、
    前記第1領域における前記切刃に平行な方向での十点平均粗さをRz1a、前記第2領域における前記切刃に平行な方向での十点平均粗さをRz2aとしたとき、
    前記Rz1aは、1.0μm以上、3.0μm以下であり、前記Rz2aは0.1μm以上、1.0μm以下であり、
    前記Rz1aが前記Rz2aよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記切刃における十点平均粗さをRz3としたとき、前記Rz1aが前記Rz3よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の切削インサート。
  4. 前記Rz3は、0.1μm以上、1.0μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の切削インサート。
  5. 前記主切刃における十点平均粗さをRz31、前記ワイパー刃における十点平均粗さをRz32としたとき、前記Rz31が前記Rz32よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の切削インサート。
  6. 前記第2領域における前記切刃に直交する方向での十点平均粗さをRz2bとしたとき、前記Rz2aが前記Rz2bよりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の切削インサート。
  7. 前記被覆層における残留応力が圧縮応力であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の切削インサート。
  8. 先端側にポケットを有するホルダと、
    前記ポケットに位置する請求項1〜のいずれか1つに記載の切削インサートとを備えた切削工具。
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