JP6424685B2 - 切削インサート - Google Patents

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Description

本発明は、刃先交換式のバイトなどに取り付けられて被削材の旋削加工を行う切削インサートに関するものである。
このような切削インサートとして、例えば特許文献1には、機械工作面の滑度の向上を目的として、ノーズ切刃が少なくとも5つの円セグメントに分割された切削インサートが提案されている。ここで、この特許文献1に記載された切削インサートでは、ノーズ半径の二等分線が第1曲率半径reを有する第1セグメントに交差し、第1セグメントの両側には第2曲率半径r2を有する第2セグメントが接合し、さらに第2セグメントには第3曲率半径r3を有する第3セグメントが接合していて、第1〜第3曲率半径re、r2、r3はr3>re>r2の関係を有している。
また、特許文献2にも、面粗さが良好な仕上げ面を得ることなどを目的として、先行して被削材に切り込ませる仕上げ刃(コーナ刃)と、この仕上げ刃に続いて被削材を仕上げ加工する超仕上げ刃を有し、超仕上げ刃を、仕上げ刃の位置から切り込み量を増加させる方向に所定量突出させるとともに、工具送り方向に延びるバニシング部と仕上げ刃からバニシング部に至るさらえ部を備えたものとした切削インサートが提案されている。
特開2006−224295号公報 再公表WO2007/039944号公報
ところで、このような切削インサートは、ISO(国際標準化機構)やJIS(日本工業規格)によって寸法や形状、精度などが規格化されており、例えばすくい面となるインサート本体の多角形面の内接円の精度や、この内接円からコーナ刃の先端までのコーナ高さも、精度の等級によって許容差が設定されている。従って、インサート本体の側面を刃先交換式バイトに形成されたインサート取付座の壁面に当接させて切削インサートを取り付けることにより、刃先交換式バイトにおけるコーナ刃の位置を把握することができるので、この刃先交換式バイトをCNC旋盤等に取り付け、把握したコーナ刃の位置に基づいて数値制御することにより、被削材に対して高精度かつ自在に倣い加工などを行うことが可能となる。
ところが、特許文献1に記載された切削インサートのように、コーナ刃が曲率半径の異なる複数の円セグメントに分割されていると、内接円からコーナ刃の先端までのコーナ高さも規格化された寸法とは大きく異なる寸法となって、上述のような倣い加工を精度良く行うことが困難となるおそれがある。また、この特許文献1に記載された切削インサートでは、通常の仕上げ加工の際には、コーナ部の二等分線に交差した第1セグメントの両側の第2、第3セグメントによって被削材の加工面が仕上げられるが、これら第2、第3セグメントは曲率半径r2、r3を有するものであり、被削材との接触長さが長くなって切削抵抗が増大し、ビビリ振動が発生して仕上げ面粗さを低下させるおそれもある。
これは、特許文献2に記載された切削インサートでも同様であり、すなわちこの特許文献2に記載された切削インサートでは、上述のように超仕上げ刃がコーナ刃の位置から切り込み量を増加させる方向に突出しているので、倣い加工の際には突出した超仕上げ刃が加工面と干渉して加工精度を損なうおそれがある。また、超仕上げ刃は工具送り方向に延びるバニシング部を備えているので、通常の仕上げ加工の際には、やはり被削材と超仕上げ刃の接触長さが長くなり、切削抵抗の増大による仕上げ面粗さの低下を招いたり、突出した超仕上げ刃が欠損したりするおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、仕上げ加工の際に仕上げ面粗さの向上を図ることができるとともに、倣い加工を行う場合にも精度の高い加工を行うことが可能な切削インサートを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は第1に、コーナ角80°のコーナ部を有する菱形板状のインサート本体の菱形状面と側面との交差稜線部に、上記菱形状面をすくい面とするとともに上記側面を逃げ面とする切刃が形成され、上記切刃は、上記すくい面のコーナ部に形成された半径0.4mm〜1.2mmの凸円弧状のコーナ刃と、このコーナ刃に連なる直線状の第1仕上げ刃と、この第1仕上げ刃に178°50’〜173°54’の範囲内の開き角で交差するとともに上記コーナ部の二等分線に対して43°〜45°の範囲内の傾き角で傾斜する直線状の第2仕上げ刃とを備えていることを特徴とする。
このように構成された切削インサートでは、コーナ角80°のコーナ部を有する菱形板状のインサート本体のすくい面となる菱形状面と逃げ面となる側面との交差稜線部に、このすくい面のコーナ部の半径0.4mm〜1.2mmの凸円弧状のコーナ刃に順に連なる直線状の第1、第2仕上げ刃が形成されており、コーナ刃から送り方向の反対側に連なるこれら第1、第2仕上げ刃によって通常の仕上げ加工が行われる。
そして、このうち第2仕上げ刃は、第1仕上げ刃に178°50’〜173°54’の範囲内の開き角で交差していて、第1仕上げ刃との該開き角が平角(180°)に近く、しかもコーナ部の二等分線に対して43°〜45°の範囲内の傾き角で傾斜しており、通常の仕上げ加工の際に第1、第2仕上げ刃の交点を切削ポイントとして切り込み方向に最も被削材側に位置させたときには、この切削ポイントから送り方向の反対側に向けて延びる直線、すなわち仕上げ面に沿った直線に対して、2°以下の小さな角度で傾斜することになる。
このため、被削材の回転と切削インサートの相対的な送りに伴い形成される送りマークをこの第2仕上げ刃によって除去して、平滑な仕上げ面を形成することができる。また、第1、第2仕上げ刃は直線状であるので、被削材との接触長さを短くして切削抵抗の増大を抑えることが可能となり、ビビリ振動等の発生を防いで一層仕上げ面精度の高い仕上げ加工を行うことができる。
さらに、第1、第2仕上げ刃の開き角が上述のように平角に近いので、コーナ刃がなす凸円弧を、主切刃をそのまま延長した延長線に接するように配置し易くなって、すくい面の内接円からコーナ刃の先端までのコーナ高さを規格化された寸法に維持することが可能となる。従って、刃先交換式バイトのホルダーに取り付けたときのコーナ刃の位置を正確に把握することができるので、倣い加工を行う場合でも、これに基づいてCNC旋盤を数値制御することにより、高精度の加工などを行うことが可能となる。
ここで、特に第2仕上げ刃の傾き角が43°よりも小さいと、この第2仕上げ刃の被削材に対する傾きが大きくなって、送りマークを確実に除去することができなくなり、仕上げ加工の際の仕上げ面粗さが劣化するおそれがある。また、こうして第2仕上げ刃の傾き角が43°より小さかったり、第1、第2仕上げ刃の開き角が178°50’よりも大きかったりすると、コーナ刃の半径が小さい場合やコーナ高さが許容差の下限側にある場合に、第1仕上げ刃をコーナ刃に連続させることができなくなるおそれがある。
一方、第2仕上げ刃の傾き角が45°よりも大きかったり、第1、第2仕上げ刃の開き角が173°54’よりも小さかったりすると、コーナ刃の半径が大きい場合やコーナ高さが許容差の上限側にある場合に、第1仕上げ刃によってコーナ刃が大きく切り欠かれてしまい、必要な切刃長をコーナ刃に確保することができなくなって倣い加工に支障を来すおそれがある。
なお、インサート本体の表面には、少なくとも上記切刃を被覆するように、例えば周期律表の4a、5a、6a族元素およびAlのうちの少なくとも1種の元素の窒化物、炭化物、酸化物、炭窒化物、または酸炭窒化物よりなる硬質被膜を被覆してもよい。この場合には、硬質被膜の被覆前の切削インサートにおいて、コーナ刃に連なるように上述のような第1、第2仕上げ刃が形成されていればよい。
以上説明したように、本発明によれば、倣い加工を行う場合にはコーナ刃の位置を正確に把握して高精度の加工を行うことができるとともに、仕上げ加工を行う場合でも送りマークを確実に除去するとともに切削抵抗が増大するのを防いで加工面粗さの向上を図ることができる。
本発明の一実施形態を示す平面図である。 図1におけるZZ断面図である。 図1に示す実施形態のコーナ刃周辺の拡大平面図である。 図1に示す実施形態のコーナ刃、第1、第2仕上げ刃周辺のさらなる拡大図である。 本発明の第1実施例の結果を示す図である。 本発明の第2実施例の結果を示す図である。 本発明の第3実施例の結果を示す図である。 本発明の第4実施例の結果を示す図である。
図1ないし図4は、本発明の切削インサートの一実施形態を示すものである。本実施形態の切削インサートは、コーナ角αが80°のコーナ部Cを有する菱形板状のインサート本体1の菱形状面と側面との交差稜線部に、この菱形状面をすくい面2とするとともに側面を逃げ面3とする切刃4が形成されたものであり、これらすくい面2と逃げ面3とが直交するネガティブタイプの切削インサートである。
本実施形態では、インサート本体1は、超硬合金よりなる略菱形板状の台金5の表裏の菱形状面の合計4つの上記コーナ部Cに、図2に示すように断面L字状の凹部6が形成され、これらの凹部6に、超硬合金層7とcBN(立方晶窒化硼素)層8とを積層して焼結した積層焼結体9を、cBN層8がすくい面2側を向くようにロウ付けすることにより、菱形板状に形成されたものである。また、表裏の菱形状面の中央部には、これらの菱形状面の中心を通るインサート中心線Oを中心としてインサート本体1を貫通する取付孔10が開口している。
切刃4においては、上記cBN層8上のすくい面2のコーナ部Cに、インサート中心線Oに沿ってすくい面2に対向する方向から見て図3に示すように、半径Rが0.4mm〜1.2mmの凸円弧状をなすコーナ刃11が形成されている。JIS−B4120−1998では、この範囲内に規定されるコーナ刃の半径Rは、0.4mm、0.8mm、1.2mmの3種である。
また、すくい面2の各辺稜部において、コーナ刃11とは反対側には、コーナ部Cに向けて上記コーナ角αで交差する方向に延びる2つの主切刃12が形成されている。許容差を0とした場合、コーナ刃11がなす凸円弧は、これら2つの主切刃12のコーナ刃11側への延長線に接しており、この凸円弧の中心は、コーナ部Cの二等分線Lすなわち上記2つの主切刃12がなすコーナ角αを二等分する直線上に位置している。
そして、さらに切刃4には、このコーナ刃11と主切刃12との間に、コーナ刃11に連なる直線状の第1仕上げ刃13と、この第1仕上げ刃13に鈍角の開き角βで交点Pにおいて交差するやはり直線状の第2仕上げ刃14とが形成されており、開き角βは178°50’〜173°54’の範囲内に設定されている。また、第2仕上げ刃14は、上記二等分線Lに対して43°〜45°の範囲内の傾き角γで傾斜している。
なお、第1仕上げ刃13は、コーナ刃11に接するか、あるいは図4に示すように交点Qにおいて交差しており、すなわち該交点Qにおけるコーナ刃11の接線に対して鈍角に交差するように延びている。また、本実施形態では、第2仕上げ刃14と主切刃12との間に、これら第2仕上げ刃14と主切刃12に鈍角に交差して、上記二等分線Lに対して例えば40°30’の傾き角δで傾斜する直線状の繋ぎ刃15が形成されている。
このような切削インサートは、刃先交換式バイトのホルダーに形成されたインサート取付座に取り付けられてCNC旋盤等により被削材の旋削加工に用いられる。インサート取付座には、平坦な底面と、この底面に垂直で上記コーナ角αと等しい角度で交差する方向に延びる2つの壁面が形成されており、インサート本体1は、上記底面に1つの菱形状面を密着させるとともに、上記2つの壁面に同じくコーナ角αで交差する方向に延びる2つの側面を当接させてインサート取付座に着座させられ、上記取付孔10に挿通されるクランプピン等によって上記2等分線L方向に2つの壁面側に引き込まれることにより、ホルダーに固定される。
こうして取り付けられた切削インサートによって図3に示すように被削材Wに仕上げ加工を行う場合には、インサート取付座の底面に密着した菱形状面とは反対側の菱形状面のすくい面2を被削材Wの回転方向に対向させるとともに、このすくい面2の上記2つの壁面に挟まれたコーナ部Cとは反対側のコーナ部Cのコーナ刃11を送り方向Fに向けて刃先交換式バイトを支持する。そして、この送り方向Fに向けられたコーナ刃11から送り方向Fの反対側に延びる主切刃12には、この主切刃12とコーナ刃11との間に位置する第1、第2仕上げ刃13、14の上記交点Pが切り込み方向(図3における下向き方向)に最も被削材W側に位置するように、例えば5°の切り込み角θが与えられる。
従って、送り方向Fに向けられたコーナ刃11の送り方向F反対側に連なる第1仕上げ刃13には、送り方向Fの反対側に向かうに従い被削材W側に向かうように僅かな傾きが与えられる。また、この第1仕上げ刃13に交点Pを介して交差する第2仕上げ刃14には、送り方向Fの反対側に向かうに従い被削材Wから離れる方向に向かうように、上記交点Pから送り方向Fの反対側に向かう直線M、すなわち仕上げ面に沿った直線に対して2°以下の僅かな傾きが与えられる。例えば、第1、第2仕上げ刃13、14の開き角βが176°30’で第2仕上げ刃14の傾き角γが43°の場合、上述のように主切刃12に5°の切り込み角θを与えると、上記直線Mに対して第1仕上げ刃13は1°30’傾き、第2仕上げ刃14はちょうど2°傾く。
このため、こうして支持した刃先交換式バイトを被削材Wに対して相対的に送り方向Fに送り出すと、送り方向Fに向けられたコーナ刃11から送り方向Fの反対側に連なる第1仕上げ刃13が被削材Wに切り込まれて仕上げ加工が行われる。そして、被削材Wの回転と刃先交換式バイトの送りに伴い仕上げ面に残される螺旋状の送りマークは、この第1仕上げ刃13に交点Pを介して交差して送り方向Fの反対側に2°以下の僅かな傾きで延びる第2仕上げ刃14によって除去されるので、上記構成の切削インサートによれば平滑な仕上げ面を得ることができる。
しかも、これら第1、第2仕上げ刃13、14は直線状であるとともに、第2仕上げ刃14を仕上げ面に対して上述のように傾けることができるので、特許文献1に記載された切削インサートのように複数の円セグメントにより形成されている場合や、特許文献2に記載された切削インサートのように工具送り方向に延びるバニシング部を備えている場合に比べ、第1、第2仕上げ刃13、14の被削材Wとの接触長さを短くすることができ、切削抵抗の増大を抑えてビビリ振動等の発生を防ぐことができる。このため、仕上げ面粗さの一層の向上を図ることが可能となる。
また、第1、第2仕上げ刃13、14の開き角βが178°50’〜173°54’の範囲内で平角に近いので、コーナ刃11がなす凸円弧を、主切刃12をコーナ部Cにそのまま延長した延長線に接するように配置し易くなって、図1に示すすくい面2の内接円Dからコーナ刃11の先端までのコーナ高さHを、JISやISOで規格化された寸法に維持することできる。
このため、上述のように刃先交換式バイトのホルダーに取り付けたときのコーナ刃11の位置を正確に把握することができるので、通常の仕上げ加工の他にコーナ刃11の全体を使用して被削材Wの倣い加工を行う場合でも、把握されたコーナ刃11の位置に基づいてCNC旋盤を数値制御することにより、高精度の倣い加工を行うことが可能となる。また、特許文献2に記載された切削インサートのように突出した超仕上げ刃が加工面と干渉して加工精度を損なうおそれもない。
ここで、特に第2仕上げ刃14の傾き角γが43°よりも小さいと、第2仕上げ刃14の被削材Wに対する傾きが大きくなって、この第2仕上げ刃14によって送りマークを確実に除去することができなくなり、仕上げ加工の際の仕上げ面粗さの劣化を招くことになる。また、このように第2仕上げ刃14の傾き角γが43°よりも小さかったり、第1、第2仕上げ刃13、14の開き角βが178°50’よりも大きかったりすると、コーナ刃11の半径Rが小さい場合やコーナ高さHが許容差の下限側にある場合に、第1仕上げ刃13をコーナ刃11に連続させることができなくなるおそれがある。
また、第2仕上げ刃14の傾き角γが45°よりも大きかったり、第1、第2仕上げ刃13、14の開き角βが173°54’よりも小さかったりすると、特にコーナ刃11の半径Rが大きい場合やコーナ高さHが許容差の上限側にある場合に、第1仕上げ刃13によってコーナ刃11が大きく切り欠かれてしまい、必要な切刃長をコーナ刃11に確保することができなくなって倣い加工に支障を来すおそれがある。
なお、インサート本体1の表面には、少なくとも切刃4を被覆するように硬質被膜が被覆されていてもよい。このような硬質被膜としては、例えば周期律表の4a、5a、6a族元素およびAlのうちの少なくとも1種の元素の窒化物、炭化物、酸化物、炭窒化物、または酸炭窒化物よりなるものが挙げられる。そして、このように硬質被膜を被覆した場合には、硬質被膜の被覆前の切削インサートにおいて、コーナ刃11に連なるように上述のような第1、第2仕上げ刃13、14が形成されていればよい。
また、本実施形態では、すくい面2と逃げ面3とが切刃4を介して直交するネガティブタイプの切削インサートについて説明したが、逃げ面3がすくい面2に鋭角に交差するポジティブタイプの切削インサートに本発明を適用することも可能である。この場合には、インサート本体1の一方の菱形状面だけがすくい面2として使用される。
次に、第2仕上げ刃の傾き角について実施例を挙げて、本発明の効果を実証する。本実施例では、第1〜第4実施例として、コーナ刃の半径が互いに等しく、第2仕上げ刃の傾き角が43°〜45°の範囲内にある4種の切削インサート(実施例1〜4)と、第2仕上げ刃の傾き角が43°よりも小さい4種の切削インサート(比較例1〜4)とで同一の旋削条件で仕上げ加工を行った。
このうち、第1、第2実施例における実施例1、2および比較例1、2の切削インサートは、図1および図2に示した実施形態と同様に、cBN層がすくい面側を向くように積層焼結体がコーナ部にロウ付けされたコーナ角が80°の菱形板状のネガティブタイプの切削インサートであって、cBN層におけるcBN含有量は55vol%、残部はTiN、Alと不可避の不純物である。なお、インサート本体の表面全体に硬質被膜としてTiAlSiN膜を被覆した。
さらに、第1実施例の実施例1および比較例1の切削インサートは、コーナ刃の半径が0.4mmであってJIS−B4120−1998で規定されるCNGA120404タイプの切削インサートである。また、第2実施例の実施例2および比較例2の切削インサートは、コーナ刃の半径が1.2mmであって同じくJIS−B4120−1998で規定されるCNGA120412タイプの切削インサートである。
さらにまた、実施例1では、第2仕上げ刃の傾き角を44°とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を174°54’とし、実施例2では、第2仕上げ刃の傾き角を43°とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を178°50’とした。これに対して、比較例1では、第2仕上げ刃の傾き角を42°30’とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を173°24’とし、比較例2では、第2仕上げ刃の傾き角を42°とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を173°44’とした。
一方、第3、第4実施例の実施例3、4と比較例3、4の切削インサートは、第1、第2実施例と同様にcBN層がすくい面側を向くように積層焼結体がコーナ部にロウ付けされたコーナ角が80°の菱形板状の切削インサートであって、cBN層におけるcBN含有量も55vol%、残部はTiN、Alと不可避の不純物で共通するものの、すくい面と逃げ面とが83°の鋭角で交差して逃げ面に7°の逃げ角が与えられたポジティブタイプの切削インサートである。なお、インサート本体には、やはりその表面全体に硬質被膜としてTiAlSiN膜を被覆した。
また、第3実施例における実施例3および比較例3の切削インサートは、コーナ刃の半径が0.4mmであってJIS−B4120−1998で規定されるCCGW09T304タイプの切削インサートである。さらに、第4実施例の実施例4および比較例4の切削インサートは、コーナ刃の半径が0.8mmであって同じくJIS−B4120−1998で規定されるCCGW09T308タイプの切削インサートである。
さらにまた、実施例3では、第2仕上げ刃の傾き角を44°とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を175°45’とし、実施例4では、第2仕上げ刃の傾き角を44°30’とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を177°35’とした。また、比較例3では、第2仕上げ刃の傾き角を42°とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を171°45’とし、比較例4では、第2仕上げ刃の傾き角を42°30’とするとともに第1、第2仕上げ刃の開き角を173°35’とした。
そして、これら実施例1〜4および比較例1〜4の切削インサートを、第1、第2仕上げ刃の交点が切り込み方向に最も被削材側に位置して、主切刃に5°の切り込み角が与えられるように刃先交換式バイトのホルダーに支持し、切削速度120m/min、送り0.1mm/rev、切り込み0.1mmで、硬さ60HRCの合金鋼(SCr420)を乾式旋削して、その際の仕上げ面の表面粗さ(JIS−B0601−2001における十点平均粗さRzjis)を、旋削開始からの60秒ごとの位置で測定した。この結果を第1〜第4実施例の順に図5〜図8に示す。
これら図5〜図8の結果より、第1〜第4実施例に共通して、実施例1〜4と比較例1〜4ともに、全体としては旋削開始からの時間が多くなるほど、すなわち旋削長が長くなるほど仕上げ面粗さが大きくなる傾向にあることが分かる。そして、同じく第1〜第4実施例に共通して、旋削開始からの時間が同じで、すなわち旋削長が等しい場合には、実施例1〜4による仕上げ面粗さが比較例1〜4よりも小さく、従って平滑な仕上げ面が得られていることが分かる。
1 インサート本体
2 すくい面
3 逃げ面
4 切刃
8 cBN層
10 取付孔
11 コーナ刃
12 主切刃
13 第1仕上げ刃
14 第2仕上げ刃
C コーナ部
O インサート中心線
F 送り方向
W 被削材
L コーナ部Cの二等分線
R コーナ刃11の半径
P 第1、第2仕上げ刃13、14の交点
M 交点Pから送り方向Fの反対側に向かう直線
D すくい面2の内接円
H コーナ高さ
α コーナ角
β 第1、第2仕上げ刃13、14の開き角
γ 第2仕上げ刃14の傾き角
θ 主切刃12の切り込み角

Claims (2)

  1. 日本工業規格「刃先交換チップ」に規定されるコーナ半径およびコーナ高さを有する菱形の切削インサートであって、
    コーナ角80°のコーナ部を有する菱形板状のインサート本体の菱形状面と側面との交差稜線部に、前記菱形状面をすくい面とするとともに前記側面を逃げ面とする切刃が形成され、
    前記切刃は、
    前記すくい面のコーナ部に形成された半径0.4mm〜1.2mmの凸円弧状のコーナ刃と、
    前記コーナ部の二等分線に対して40°の傾き角で交差する直線状の主切刃と、
    前記コーナ刃に連なる直線状の第1仕上げ刃と、
    前記第1仕上げ刃に178°50’〜173°54’の範囲内の開き角で交差するとともに前記コーナ部の二等分線に対して43°〜45°の範囲内の傾き角で傾斜する直線状の第2仕上げ刃と、
    前記第2仕上げ刃と前記主切刃との間に位置し、前記第2仕上げ刃および前記主切刃に鈍角に交差する直線状の繋ぎ刃と、
    を備え、
    被削材に対して切り込み角5°で配置したときに、前記第1仕上げ刃と前記第2仕上げ刃の交点Pが、切り込み方向に最も被削材側に位置する、
    切削インサート。
  2. 前記インサート本体は、超硬合金からなる台金と、前記台金の前記コーナ部に位置し前記切刃を有するcBN層と、を有する、請求項1に記載の切削インサート。
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