JP2017189855A - 切削インサート及び刃先交換式回転切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削インサートを工具本体のインサート取り付け座に装着する際に、高い取り付精度を持って切れ刃の位置決めをすること、ねじ締結時の拘束力を安定させること、インサート取り付時の繰返し精度を向上させることである。
【解決手段】上面部が長辺稜線と短辺稜線から構成され、一方の長辺稜線側に凸円弧状切れ刃を有し、一対の短辺稜線は前方短辺側稜線と後方短辺側稜線からなり、凸円弧状切れ刃の円弧半径R1と、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1における側面部間の幅寸法D3との比は、3≦R1/D3≦9の関係を有し、上面部から下面部まで貫通するネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、後方短辺側稜線の二等分線G上にあり、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ前記凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、後方端点P2側に配置されている略平行四辺形状で板状をなす切削インサートである。
【選択図】図1
【解決手段】上面部が長辺稜線と短辺稜線から構成され、一方の長辺稜線側に凸円弧状切れ刃を有し、一対の短辺稜線は前方短辺側稜線と後方短辺側稜線からなり、凸円弧状切れ刃の円弧半径R1と、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1における側面部間の幅寸法D3との比は、3≦R1/D3≦9の関係を有し、上面部から下面部まで貫通するネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、後方短辺側稜線の二等分線G上にあり、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ前記凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、後方端点P2側に配置されている略平行四辺形状で板状をなす切削インサートである。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属製の複雑な曲面形状を有する部品や、傾斜勾配の大きな斜面を有する成型金型等の被削材等を5軸数値制御工作機械(以下、NC工作機械、と記す。)を用いて3次元曲面切削加工をする場合において、高い切削効率を維持しつつ、切削抵抗を小さく制御して仕上げ加工用途に好適なインサート、及びこのインサートを着脱自在に装着した刃先交換式回転切削工具に関する。
超硬合金製インサートを工具本体に着脱自在に装着した刃先交換式回転切削工具は、被削材を高い切削効率で切削できる。特に、仕上げ加工用途では、切削工具が被削材へ加える力を小さくするために、切削抵抗を小さく制御することが好ましい。この理由は、切削加工時における切削工具の振動によって、びびりが発生するのを抑え、被削材の加工面性状を良好に保つことができるからである。たとえば、被削材を加工装置のテーブル上に装着した際に、装着剛性の低い状態で切削加工を行う場合などでは、切削抵抗の抑制は重要な課題事項となっている。ステンレス鋼、Ni基合金(例えばインコネル、登録商標)等の耐熱合金、Ti合金等の難削材の切削加工においては、切削抵抗を抑制することや、被削材の加工面性状を良好に保つために、インサートの形状に工夫を施すなどの種々の改善が提案されている。
特開2003−260607号は、刃先強度を十分確保しつつ切削抵抗が低減されたインサートとして、ほぼ平行四辺形をした平板状のインサート本体の角部にノーズ部を有し、このノーズ部を挟んで隣り合う一対の逃げ面と上面とがなす稜線に長辺側切れ刃と短辺側切れ刃が形成されたインサートを開示している。このインサートの長辺側切れ刃から見た側面視において、長辺側切れ刃はノーズ部から離れるに従って底面方向に傾斜している。またインサート上面から見た正面視において、長辺側切れ刃はノーズ部から順に、インサートの幅方向に緩やかな凸円弧状切れ刃及び直線状切れ刃からなっている。また、凸円弧状切れ刃は上段逃げ面及び下段逃げ面を有している。さらに、インサートの中央部にはピン穴が穿設され、固定用ネジにより、工具本体の取り付座に着脱自在に装着される構造を有している。
しかし、直線状切れ刃の部分があるので、仕上げ加工用途においては、3次元曲面切削加工をする場合には、高い切削効率を得る事や、切削抵抗を小さく制御することが困難である。また、インサートは、対抗する長辺に2コーナーの凸円弧状切れ刃を有しているので、工具本体に精度良く、高い剛性をもって拘束するための拘束面積を確保するのが困難であるという問題がある。
特開2008−213078号は、上面及び側面にすくい面及び逃げ面を有するほぼ平行四辺形平板状であって、すくい面と逃げ面の間にコーナー刃から鈍角コーナー部まで延びる緩やかな凸曲線状の主切れ刃を有し、固定用ネジを挿通するために上面から側面まで貫通する取り付孔と副切れ刃とを有するインサートを開示している。また、切れ刃稜線に直交する断面視において、主切れ刃の逃げ面は、主切れ刃側から順に捩れ面部、凹曲面部及び平面部からなり、切れ刃の強度を高めるために凹曲面部の曲率半径がコーナー側より中央部で大きいインサートを提案している。
このインサートの中央部には固定用ネジを挿通するための取り付孔が穿設され、2コーナー分の切れ刃を使用することができる。しかし、この取り付孔が主切れ刃と最も接近する中央近傍付近では、切削加工負荷が大きい場合に切れ刃強度が十分ではないといった問題がある。
特開平11−156621号は、エンドミル本体の一端に円弧状の切れ刃を回転軸線方向に備え、他端にはシャンクを備えたソリッドエンドミルにおいて、円弧状の切れ刃の円弧半径を工具径の0.6倍ないし3倍とする円弧刃エンドミルを開示している。また、このエンドミルは曲面加工に関するものであり、複数の異なる曲率半径の円弧が連続するように接続された外周刃を備えている。また、最も大きな曲率半径から先端側及びシャンク側へ順次曲率半径を小さくすることも記載されている。
特許文献3の円弧刃エンドミルは、被削材を加工する円弧状切れ刃の半径が、工具の半径より大きい。そのため、ピック送りの間隔を広く設定したピックフィード加工を行った場合に、ピック送り間の段差を小さくすることができる。従って、金型等の勾配の大きな斜面部といった3次元曲面加工を、高能率でしかも高精度に加工することに有効である。
しかし、特許文献3の円弧刃エンドミルは、工具の回転軸方向にシャンク側であって、回転軸と直交する線上に円弧刃の中心が設けられている。また、インサートによる刃先交換式回転工具ではなく、シャンクタイプの切削工具であるため、工具ホルダーにインサートを装着する際に用いる取り付孔の構成については、何の記載もない。
本発明の第1の目的は、切削インサートの取り付寸法において、偏差を生じない経済的で精度の高い刃先交換式回転切削工具を提供することである。すなわち、切削インサートを工具本体のインサート取り付け座に装着する際に、高い取り付精度をもって切れ刃の位置決めをすることであり、ねじ締結時の締結力を安定させること、またインサート取り付時の繰り返し精度を向上させることである。
本発明の第2の目的は、ねじ挿通穴の最外周縁が凸円弧状切れ刃と最も接近する切れ刃の中央近傍付近において、その切れ刃強度を確保することである。
本発明の第3の目的は、切削インサートを工具本体のインサート取り付け座に装着する際に、十分な拘束力を得る事である。
本発明の第4の目的は、切削インサートを工具本体のインサート取り付け座に装着する際に、切削インサートの切れ刃を備えた側を間違えること無く誤装着操作を防止して、容易に交換可能な切削インサートを提供することである。
本発明の第5の目的は、切削能率を高くするためにピック送り量を大きくしても、高い面精度を得ることができる刃先交換式回転切削工具を提供することである。
本発明の実施形態による切削インサートは、刃先交換式回転切削工具(30)の工具本体(31)が備えているインサート取り付座(33)に着脱自在に装着され、平面視で長辺と短辺を有する略平行四辺形で板状をなす上面部(2)及び下面部(3)と、前記上面部と前記下面部を繋ぐ長辺側の側面部(4a1、4a2)と短辺側の側面部(4b1、4b2)と、前記上面部から前記下面部まで貫通するネジ挿通穴(5)と、前記上面部及び前記下面部が前記長辺側の側面部と交差する一方の長辺側交差稜線部(6a1)に凸円弧状切れ刃(8)を備えた切削インサートであって、前記切削インサートの前記長辺側交差稜線部(6a1)の前方端点P1における側面部間の幅寸法(mm)をD1とし、後方端点P2における側面部間の幅寸法(mm)をD2とし、前記凸円弧状切れ刃(8)の最凸点Q1における側面部間の幅寸法(mm)をD3とし、前記凸円弧状切れ刃の円弧半径(mm)をR1としたとき、前記幅寸法は、D3>D2>D1、の関係を有し、3≦R1/D3≦9、の関係を有し、前記ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、後方短辺側稜線(6b2)の二等分線G上にあり、かつ、前記凸円弧状切れ刃(8)の前記最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ前記凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、前記後方端点P2側に配置されていること、を特徴とする。なお前記切削インサートの幅寸法と円弧半径の単位は「mm」である。
本発明の切削インサートの凸円弧状切れ刃は、D3>D2>D1、の関係を有し、3≦R1/D3≦9、の関係を満たしているので、凸円弧状切れ刃の工具回転軌跡は、工具回転軸から外周方向に向かって凸形状となる。従ってこの形状は、例えば略樽型形状の様になっている。従って、前方端点P1と後方端点P2が被削材表面から所定の距離だけ離れることになる。これよって、両端点が切削加工に関与することが少なくなる。D1値がD2値よりも小さく、最小値となるように設定されることによって、切屑の滑らかな排出性において有効となり、また、被削材表面に影響を及ぼすことが小さくすることができる。またより好ましくは、R1/D3値が、4≦R1/D3≦8、の関係を満たしていることである。さらには、5≦R1/D3≦7、の関係を満たしていることがより好ましい。
また、R1/D3の値を本発明の規定する範囲内に設定することによって、凸円弧状切れ刃の円弧半径が、3次元曲面加工によって高能率でかつ高精度で加工する用途において、適切な設定となる。
本発明の切削インサートにおけるネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、短辺の垂直二等分線G上にあって、切れ刃の最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、後方端点P2側に配置されている。このことにより、ねじ挿通穴の中心点Q2が回転軸方向の拘束面に近づくように設定される。従って、切削インサート側のねじ挿通穴と工具本体側のねじ穴の位置を高精度で位置決めすることができるので、ねじ締結時の締結力が安定し、取り付時の繰り返し精度を向上させることができる。
本発明の切削インサートにおいて、前記ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部の二等分線H2に対して、前記後方端点P2側に配置されていること、が好ましい。
本発明の切削インサートにおけるネジ挿通穴の中心点Q2の位置が、長辺の垂直二等分線H2に対して、後方端点P2側に配置されている。切削インサートは、最凸点Q1の位置が、ねじ挿通穴中心点Q2から離れるような設定をすることによって、インサートの最凸点Q1とねじ挿通穴中心Q2とを結んだ断面視において、その断面積を確保している。従って、切削インサートの切れ刃の最凸点Q1近傍の強度が強化されて欠損等の発生を防止することに有効となる。すなわち、切削インサートの最凸点Q1近傍を起点とする工具損傷に対して耐欠損強度を向上させることができる。
本発明の切削インサートにおいて、前記ネジ挿通穴の中心点Q2を通って前記法線H1と平行な線分を線分H3としたとき、前記法線H1、前記二等分線H2と前記線分H3とは相互に平行関係を有し、前記法線H1と前記二等分線H2との距離(mm)をS1、前記法線H1と前記線分H3との距離(mm)をS2としたとき、S1<S2の関係を満たすのが好ましい。なお、前記インサートの線間距離の寸法の単位は「mm」である。
本発明の切削インサートは、S1<S2の関係を満たすので、凸円弧状切れ刃と対抗した位置にあるインサートの長辺側の側面部(4a2)に相当する拘束面において、切削加工時に、切削インサートをねじ穴を中心として回転させようとする力が、前方短辺側から後方短辺側の側面部へ向かって(L/2)+S1+S2という、より広い範囲にわたって工具本体側の拘束壁面へ印加される。従って、切削インサートを工具本体のインサート取り付け座に装着する際に、十分な拘束力を得る事ができる。
また、S1の値に対してS2の値を大きく設定することによって、切削インサートの凸円弧状切れ刃の最凸点Q1近傍の強度が強化されて欠損等の発生を防止することに有効となる。
更に、S1の値に対してS2の値を大きく設定することによって、切削インサートを工具本体の切削インサート取り付け座に装着する際に、切削インサートの凸円弧状切れ刃を備えた稜線側を間違えること無く、誤装着操作を防止することに有効となる。
本発明の切削インサートにおいて、前記切削インサートの前記最凸点Q1における接線Tと前記前方端点P1との距離(mm)をF1とし、前記接線Tと前記後方端点P2との距離(mm)をF2としたとき、前記F1の数値範囲は、0.2≦F1(mm)≦0.8、に設定され、F1>F2、の関係を満たすのが好ましい。なお前記インサートの距離寸法の単位は「mm」である。
本発明の切削インサートの凸円弧状切れ刃は、F1>F2、の関係を満たすので、凸円弧状切れ刃の工具回転軌跡は、工具回転軸から外周方向に向かって凸形状となる。従って、前方端点P1と後方端点P2が被削材表面から所定の距離分だけ離れることになる。これよって、両端点が切削加工に関与することや、影響を及ぼすことがなくなる。また、F1値がF2値よりも大きくなるように設定されることによって、切屑が工具回転接線方向へ滑らかに排出されることから、切屑排出性において好都合となる。さらに、切屑が被削材表面への悪影響を及ぼすことが少なくなる。F1値の数値範囲を、0.2≦F1(mm)≦0.8、に規定することによって、3次元曲面加工による高能率加工が達成される。高精度で加工する用途において、凸円弧状切れ刃の円弧半径が、適切な設定となるので好ましい。またより好ましくは、F1値が、0.3≦F1≦0.6、の関係を満たしていることである。さらには、0.4≦F1≦0.6、の関係を満たしていることがより好ましい。
本発明の刃先交換式回転切削工具は、切削インサートを、工具回転軸の回りに回転する工具本体(31)の先端外周面に設けた着座面(34)に装着し、前記工具本体の回転軸を被削材の加工表面に対して傾けた同時5軸高能率加工に用いる刃先交換式回転切削工具(30)であって、前記切削インサートは、前記下面部(3)を前記着座面に当接させ、前記切削インサートの切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)に連なる側面部(4a2)を、前記着座面から立設した長辺側取り付拘束壁面(36)に当接させ、後方短辺側の側面部(4b2)を、前記着座面から立設した短辺側取り付拘束壁面(37)に当接させて工具本体に装着し、前記ネジ挿通穴に固定用ネジ(38)を用いて工具本体に固定され、前記凸円弧状切れ刃が回転外周方向に向くように装着し、前記刃先交換式回転切削工具の工具半径(mm)をR2としたとき、1.5≦R1/R2≦7、の関係に設定され、前記凸円状弧切れ刃のアキシャルレーキ角(Ar)が正、ラジアルレーキ角(Rr)が負、となる姿勢に装着して構成されていることを特徴とする。なお前記工具半径の単位は「mm」である。
本発明のインサートを装着した刃先交換式回転切削工具は、長辺側交差稜線の凸円弧状切れ刃が外周刃となるように、回転外周方向へ向けて装着している。この凸円弧状切れ刃の工具半径(mm)をR2としたとき、1.5≦R1/R2≦7、の関係に設定される。凸円弧状切れ刃に連なる側面部を工具本体の外周側へ向けることにより逃げ面とし、回転方向前方側に位置する前記上面部をすくい面とし、凸円弧状切れ刃のアキシャルレーキ(Ar)角が正、ラジアルレーキ(Rr)角が負、となる姿勢に装着する。これにより、被削材表面の有する勾配が大きく連続した斜面などを3次元曲面加工によって高能率でかつ高精度で加工する場合に、ピック送りの間隔を広く、ピック送り間の段差(以下、カスプと称する。)を小さくすることができる。また、凸円弧状切れ刃のアキシャルレーキ(Ar)角を正とすることで、切屑の排出性が向上する効果が得られる。ラジアルレーキ(Rr)角を負とすることにより、切削抵抗を低減する効果が得られる。またより好ましくは、R1/R2値が、2≦R1/R2≦6、の関係を満たしていることである。さらには、3≦R1/R2≦5、の関係を満たしていることがより好ましい。
以上説明したように、本発明の切削インサート及び刃先交換式回転切削工具によれば、本発明の第1の効果としては、切削インサートの取り付寸法において、偏差を生じない経済的で精度の高い刃先交換式回転切削工具を提供することができる。すなわち、切削インサートを工具本体のインサート取り付座に装着する際に、高い取り付精度をもって、切れ刃の位置決めをすることができる。また、ねじ締結時の拘束力を安定させることと、さらにインサート取り付時の繰り返し精度を向上させることができる。
本発明のインサートは、1コーナー仕様であるため、インサート締結に用いる軸方向の拘束面と径方向の拘束面の面積を十分に確保することができる。ここで、径方向の拘束面となるのは、切削インサートの切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)に連なる側面部(4a2)である。この径方向の拘束面を、取り付座面から立設した長辺側取り付拘束壁面(36)に当接させている。一方、軸方向の拘束面となるのは、後方短辺側の側面部(4b2)である。この軸方向の拘束面を、取り付座面から立設した短辺側取り付拘束壁面(37)に当接させて工具本体に装着し、ネジ挿通穴に固定用ネジ(38)を用いて工具本体に固定している。
本発明の切削インサートは、ねじ挿通穴中心点Q2の位置が、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、所定の距離S2だけ離れるように設定されている。すなわち、ねじ挿通穴の中心点Q2が、軸方向の拘束面へ近づくように設定されている。
前記法線H1と切削インサートの切れ刃を備えない長辺側交差稜線部の二等分線H2との距離をS1、前記法線H1とネジ挿通穴の中心点Q2を通って法線H1と平行な線分H3との距離をS2としたとき、ねじ挿通穴中心点Q2の位置が、S1値とS2値との和の分だけ、長辺側交差稜線部の二等分線H2から離れているように設定されている。
このように、ねじ挿通穴中心点Q2の位置を設定することによって、インサート側のねじ挿通穴の中心点Q2と、工具本体側に設けられたねじ穴(35)との中心位置について、その寸法絶対値が小さくなるため、製造上発生する全長Lのばらつきの影響を小さくすることができる。従って、インサート側のねじ挿通穴と工具本体側のねじ穴の位置を高精度で位置決めすることができるので、ねじ締結時の締結力が安定し、取り付時の繰り返し精度を向上させることができる。
本発明の第2の効果としては、凸円弧状切れ刃と最も接近する中央近傍付近における切れ刃強度を向上させることができる。
例えば、本発明の刃先交換式回転切削工具を用いて各種金型における抜きテーパ部分の立壁部を切削加工する場合には、工具回転軸を被削材の立壁面に対して傾斜させる。この場合、凸円弧状切れ刃は、最凸点Q1から前方端点P1方向に連なる凸円弧状切れ刃稜線領域が主に使用されることになる。切削加工の最中は、切削インサートの凸円弧状切れ刃にかかる切削加工負荷により、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1から前方端点P1にかけて応力が集中し、切れ刃領域の摩耗が発生しやすい。この切れ刃領域では摩耗の進行とともに、切れ刃の摩耗に伴う切削加工負荷の増大が想定される。従って、インサートの最凸点Q1の近傍における強度を向上させることは、切れ刃のクラック発生を防止するために有効である。
本発明の切削インサートにおいて、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1とねじ挿通穴中心点Q2との間に適切な距離を設定することによって、凸円弧状切れ刃の強度は、広い断面積によって確保される。この凸円弧状切れ刃を用いて被削材の立壁を切削加工するときに、被削材に最初に接触する切れ刃の最凸点Q1近傍は、強度が維持されている。従って、切削インサートのねじ挿通穴が最も接近する切れ刃中央近傍付近において、切削加工負荷が大きい場合に切れ刃強度が不十分になる、といった課題を解決することができる。
一方、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1が、ねじ挿通穴中心点Q2に接近している場合は、切れ刃の強度不十分によりクラック等が発生した際に、ねじ挿通穴中心を結んだ断面視においての断面積を確保することができずに、クラック部から亀裂が伸展して大きな工具破損につながる可能性を有する。
本発明の第3の効果としては、切削インサートを工具本体のインサート取り付け座に装着する際に、十分な拘束力を得る事ができる。
本発明のインサートは、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1位置が、二等分線H2を基準にして、長辺側長さ方向の後端点P2側に、距離S1値の長さを有して離れて配置されている。また、本発明のインサートは、ねじ挿通穴中心点Q2の位置が、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部の二等分線H2を基準にして、長辺側長さ方向の後端点P2側に、距離S1値と距離S2値との和をとった長さを有し、離れて配置されている。
これらにより、切削インサートの拘束力が増し、回動しにくくなるという好都合な効果が得られる。この効果は、凸円弧状切れ刃により被削材壁面の凹凸曲面が切削加工される場合に、この切れ刃と被削材との接触点において、被削材壁面と工具回転軸との間に傾斜角度が設定された状態において発揮される。
これらにより、切削インサートの拘束力が増し、回動しにくくなるという好都合な効果が得られる。この効果は、凸円弧状切れ刃により被削材壁面の凹凸曲面が切削加工される場合に、この切れ刃と被削材との接触点において、被削材壁面と工具回転軸との間に傾斜角度が設定された状態において発揮される。
この理由は、次の様に説明される。まず、本発明のインサートは、ねじ挿通穴中心点Q2の位置を、切削インサートの後端点P2側となる上部側へ移動させている。この事によって、凸円弧状切れ刃と対抗した位置にあるインサートの長辺側の側面部(4a2)に相当する拘束面において、切削時にねじ穴を中心に回転させようとする力が、前方短辺側から後方短辺側の側面部へ向かって(L/2)+S1+S2という、より広い範囲にわたって工具本体側の拘束壁面へ印加されるからである。
被削材壁面に対して工具回転軸を傾けて使用した場合に、工具先端部には切削抵抗の負荷によって、切削インサートを固定しているねじ部材に、ねじ穴を中心として回転しようとする力が印加された場合であっても、十分な拘束力を得る事ができる。従って、本発明の刃先交換式回転切削工具は、切削工具の回転軸を被削材に対して相対的に傾斜させるような、5軸NC工作機械での使用に適している。
本発明の第4の効果としては、切削インサートを工具本体のインサート取り付け座に装着する際に、切削インサートの凸円弧状切れ刃を備えた側を間違えること無く、誤装着操作を防止して、容易に交換可能な切削インサート及び、切削インサートの取り付寸法に偏差を生じない経済的で精度の高い刃先交換式回転切削工具を提供することができる。
本発明の切削インサートは、略平行四辺形となる形状を有しており、その2つの長辺側稜線のうち、一方の稜線側に凸円弧状切れ刃を有し、この凸円弧状切れ刃稜線をはさんで、上面部には切れ刃のすくい面、側面部には逃げ面が形成されている。他方の稜線側には、切れ刃を備えていない略直線上の稜線を有し、これに連なる側面部は、インサート拘束面が形成されている。また、本発明の切削インサートは、凸円弧状切れ刃の円弧半径が大きいため、2つの長辺側稜線において、切れ刃を備える長辺側稜線と、切れ刃を備えていない長辺側稜線を見間違えることが予想される。このため、工具本体への誤装着操作を防止するための工夫を施すことが必要となってくる。
そこで、本発明の切削インサートは、ネジ挿通穴の中心点Q2の位置を、切削インサートの中心から移動させた位置に配置している。すなわち、ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、短辺の垂直二等分線G上にあって、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、後方端点P2側に配置している。この様な配慮によって、切削インサートを工具本体へ装着する際に、誤装着操作を防止することができる。
本発明の第5の効果としては、切削能率を高くするためにピック送り量を大きくしても、高い面精度を得ることができる刃先交換式回転切削工具を提供することができる。
本発明の切削インサートを装着した刃先交換式回転切削工具は、凸円弧状切れ刃の回転軌跡における凸円弧半径が大きい。そこで、切削能率を高くするためにピック送り量を大きくしても、高い面精度を得ることができるという効果を有する。従って、被削材表面の有する凹凸曲面の両端の間をピック送りに設定し、切削工具の回転軸と直角方向に往復移動して、凸円弧状切れ刃により被削材表面の凹凸曲面を加工する場合に有効となる。たとえば、被削材表面の有する勾配が大きく連続した斜面などを3次元曲面加工によって高能率でかつ、高精度で加工する場合に、ピック送りの間隔を広く、カスプ高さを小さくすることができる。
本発明の切削インサートを装着した刃先交換式回転切削工具を用いて3次元曲面加工を行う場合に、工具回転軸と立壁面とのなす角度は、5から20度程度の傾斜角度に設定して切削加工をすることができる。これは例えば、被削材の立壁面の切削加工において、工具刃径に対してより大きな凸円弧の半径を有する切れ刃を備えているからである。
本発明の実施形態を添付図面を参照して以下詳細に説明するが、一実施形態の説明は特に断りがなければ他の実施形態にも適用される。いずれの実施形態にも共通の部位には同じ参照番号を付与する。
[1]インサート
本発明のインサートは、超硬合金、セラミックス等の硬質材料により形成するのが好ましい。例えば、WC(炭化タングステン)粉末にCo粉末及びバインダーを添加した超硬合金粉末を、粉末成形装置で加圧成形することにより切削インサートのプレス成形体を製造する成形工程と、このプレス成形体を1300°から1400℃近くの温度で所定時間焼成して高硬度な焼結体を得る焼結工程を経て製造することができる。また、焼結した成形体(切削インサート)については、仕上げ加工を必要とする部位にはダイヤモンド砥石などを用いて仕上げ加工を行う。なお、本発明の切削インサートは、上記超硬合金の他に、サーメット、サイアロン系セラミックス等の硬質材料製としてもよい。
本発明のインサートは、超硬合金、セラミックス等の硬質材料により形成するのが好ましい。例えば、WC(炭化タングステン)粉末にCo粉末及びバインダーを添加した超硬合金粉末を、粉末成形装置で加圧成形することにより切削インサートのプレス成形体を製造する成形工程と、このプレス成形体を1300°から1400℃近くの温度で所定時間焼成して高硬度な焼結体を得る焼結工程を経て製造することができる。また、焼結した成形体(切削インサート)については、仕上げ加工を必要とする部位にはダイヤモンド砥石などを用いて仕上げ加工を行う。なお、本発明の切削インサートは、上記超硬合金の他に、サーメット、サイアロン系セラミックス等の硬質材料製としてもよい。
図1から図4は本発明の実施形態によるインサート(1)を示す。このインサートは、対向する上面(2)及び下面(3)と、前記上面と前記下面を繋ぐ長辺側の側面部(4a1、4a2)と、短辺側の側面部(4b1、4b2)と、インサートの上面から下面まで貫通するネジ挿通穴(5)とを具備するほぼ平行四辺形の平板状の外形を有する。インサートの下面は、後述するように工具本体(31)の着座面(34)に密着する平坦、平面状の底面である。ネジ挿通穴は、インサートを固定用ネジ(38)で工具本体のインサート取り付座(33)(図6参照)に固定するときに、固定用ネジ(38)が貫通する穴である。固定用ネジの締め付けによりインサートをインサート取り付座に固定したとき、インサートの平坦な下面はインサート取り付座の着座面(34)に密着する。
図2に示すように、インサート上面と長辺側の側面部(4a1)との交差稜線部(6)は、切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)である。上面と長辺側の側面部(4a2)との交差稜線部(6)は、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)である。インサート上面と前方短辺側の側面部(4b1)に接する前方短辺側稜線(6b1)を備え、また、上面と後方短辺側の側面部(4b2)に接する後方短辺側稜線(6b2)を有している。
図2、図5に示すように、切れ刃を備えない長辺稜線部(6a2)の全長Lは、一対の前方短辺側の側面部(4b1)と後方短辺側の側面部(4b2)との間隔を表す。また、前方短辺側の側面部(4b1)と後方短辺側の側面部(4b2)とは、ネジ挿通穴(5)の中心点Q2を通る線分H3に平行な関係を有する。
図2に示すように、凸円弧状切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)、切れ刃を備えない長辺側稜線部(6a2)と、前方短辺側稜線(6b1)、後方短辺側稜線(6b2)とが相互に交差する4つのコーナー部は、それぞれコーナー部(7a1、7a2)及びコーナー部(7b1、7b2)からなっている。
前記コーナー部(7a1)は小さな円弧形状であるが、前方短辺側稜線(6b1)を延長した線分が、切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)と交差する点においては、両者は鈍角に交差している。前記コーナー部(7a2)でも同様に、後方短辺側稜線(6b2)を延長した線分が、切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)と交差する点においては、両者は鈍角に交差している。そこで、前記コーナー部(7a1、7a2)は、鈍角に交差しているコーナー部(7a1、7a2)と言うこともできる。
前記コーナー部(7b1)も小さな円弧形状であるが、前方短辺側稜線(6b1)を延長した線分が、
切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)と交差する点においては、両者は直角に交差している。
前記コーナー部(7b2)でも同様に、後方短辺側稜線(6b2)を延長した線分が、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)と交差する点においては、両者は直角に交差している。そこで、前記コーナー部(7b1、7b2)は、直角に交差しているコーナー部(7b1、7b2)と言うこともできる。
前記コーナー部(7a1)は小さな円弧形状であるが、前方短辺側稜線(6b1)を延長した線分が、切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)と交差する点においては、両者は鈍角に交差している。前記コーナー部(7a2)でも同様に、後方短辺側稜線(6b2)を延長した線分が、切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)と交差する点においては、両者は鈍角に交差している。そこで、前記コーナー部(7a1、7a2)は、鈍角に交差しているコーナー部(7a1、7a2)と言うこともできる。
前記コーナー部(7b1)も小さな円弧形状であるが、前方短辺側稜線(6b1)を延長した線分が、
切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)と交差する点においては、両者は直角に交差している。
前記コーナー部(7b2)でも同様に、後方短辺側稜線(6b2)を延長した線分が、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)と交差する点においては、両者は直角に交差している。そこで、前記コーナー部(7b1、7b2)は、直角に交差しているコーナー部(7b1、7b2)と言うこともできる。
(1)凸円弧状切れ刃
図2に示すように、凸円弧状切れ刃(8)を備えた長辺側交差稜線部(6a1)と前方短辺側稜線(6b1)及び、後方短辺側稜線(6b1)が鈍角で交差している。また、凸円弧状切れ刃(8)は、長辺側交差稜線部(6a1)の前方端点P1から最凸点Q1を通って後方端点P2へ向かって延びている。
図2に示すように、凸円弧状切れ刃(8)を備えた長辺側交差稜線部(6a1)と前方短辺側稜線(6b1)及び、後方短辺側稜線(6b1)が鈍角で交差している。また、凸円弧状切れ刃(8)は、長辺側交差稜線部(6a1)の前方端点P1から最凸点Q1を通って後方端点P2へ向かって延びている。
(a)一対の長辺側交差稜線部の側面部間における幅寸法
図2及び図5に示すように、長辺側交差稜線部(6a2)と前方短辺側稜線(6b1)及び、後方短辺側稜線(6b1)が、コーナー部(7b1、7b2)で交差している。このコーナー部(7b1)から他方のコーナー部(7b2)に向かって延びる長辺側交差稜線部(6a2)には切れ刃を備えていない。この切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)と切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)との距離を、側面部間の幅寸法D1、D2、D3値として比較する。長さの単位は「mm」である。
図2及び図5に示すように、長辺側交差稜線部(6a2)と前方短辺側稜線(6b1)及び、後方短辺側稜線(6b1)が、コーナー部(7b1、7b2)で交差している。このコーナー部(7b1)から他方のコーナー部(7b2)に向かって延びる長辺側交差稜線部(6a2)には切れ刃を備えていない。この切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)と切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)との距離を、側面部間の幅寸法D1、D2、D3値として比較する。長さの単位は「mm」である。
図5に示すように、切削インサートの長辺側交差稜線部(6a1)の前方端点P1における側面部間の幅寸法(mm)をD1、後方端点P2における側面部間の幅寸法(mm)をD2、凸円弧状切れ刃(8)の最凸点Q1における側面部間の幅寸法(mm)をD3、凸円弧状切れ刃の円弧半径(mm)をR1としたとき、幅寸法は、D3>D2>D1、の関係を有し、また3≦R1/D3≦9、の関係を有している。またより好ましくは、R1/D3値が、4≦R1/D3≦8、の関係を満たしていることである。さらには、5≦R1/D3≦7、の関係を満たしていることがより好ましい。
上記のように、D2値に対してD1値を小さくして、D1値が最小値となるように設定することによって、切削加工により生成された切屑を排出するための十分な間隙領域を、被削材と切れ刃との間に形成する。これによって、切屑の分断及び後方への安定した排出を可能にすることができる。すなわち、切屑の容易な排出と、工具本体や被削材の加工面の損傷防止が図られる。また、D1値が最小値となるように設定することによって、前方端点P1が被削材の加工面に接触するのを回避、防止するのに好都合となる。
凸円弧状切れ刃の円弧半径のR1値とD3値との比を、3≦R1/D3≦9、の範囲に設定することによって、切削抵抗の変動幅を小さくすることができる。これによって、びびり振動の発生を抑制して、切削加工面を高精度に維持することが可能となる。被削材の立壁面を高精度に切削加工するには、円弧状切れ刃の最凸点近傍を中心とした切域を使用することが好都合である。切削効率を高めた加工条件に設定した場合において、切削加工面の段差が小さく抑えられ、高精度及び高品位の切削加工を行うことができる。
上記のような凸円弧状切れ刃を有するインサートを装着した刃先交換式回転切削工具は、主として被削材の立壁面、特に凹凸曲面を有した垂直な壁面の切削加工に好適である。
(b)凸円弧状切れ刃の曲率中心点Q3の位置
凸円弧状切れ刃の曲率中心点Q3の位置は、凸円弧状切れ刃の法線H1上にあり、凸円弧状切れ刃の最凸点Q2から見て、インサートの後方短辺側稜線の二等分線Gを越えて、最凸点Q2とは反対側の長辺側交差稜線部(6a2)方向へ延びる位置に設定されている。しかも、曲率中心点Q3の位置はインサート本体内にはなく、インサート本体の外側へ離れた位置に存在している。このことは、3≦R1/D3≦9、によっても表現されている。
凸円弧状切れ刃の曲率中心点Q3の位置は、凸円弧状切れ刃の法線H1上にあり、凸円弧状切れ刃の最凸点Q2から見て、インサートの後方短辺側稜線の二等分線Gを越えて、最凸点Q2とは反対側の長辺側交差稜線部(6a2)方向へ延びる位置に設定されている。しかも、曲率中心点Q3の位置はインサート本体内にはなく、インサート本体の外側へ離れた位置に存在している。このことは、3≦R1/D3≦9、によっても表現されている。
本発明の切削インサートにおける凸円弧状切れ刃の曲率中心点Q3を通る法線H1と、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部の二等分線H2との距離であるS1値は、切削インサートを工具本体に装着したときの凸円弧状切れ刃の軸方向すくい角や、工具径等によって決定される値である。そこで、S1値の好ましい数値範囲は、0.05から0.300(mm)の範囲に規定することが好ましい。またより好ましい値は、0.08から0.200(mm)の範囲であり、さらに好ましい値は、0.08から0.160(mm)の範囲である。このときのインサートにおける切れ刃を備えない長辺稜線部(6a2)の全長L値は、9.53mmである。
(2)インサートの上面
図1及び図2に示すように、切削インサート(1)は上面部(2)から下面部(3)まで貫通するネジ挿通穴(5)を有する。ネジ挿通穴は、切削インサートを工具本体(31)のインサート取り付座(33)に固定するための固定用ネジ(38)が挿通する穴である。
図1及び図2に示すように、切削インサート(1)は上面部(2)から下面部(3)まで貫通するネジ挿通穴(5)を有する。ネジ挿通穴は、切削インサートを工具本体(31)のインサート取り付座(33)に固定するための固定用ネジ(38)が挿通する穴である。
図1、図2及び図3に示すように、切削インサートの上面は、各コーナー部(7a1)、(7a2)、(7b1)、(7b2)を備え、その近傍域がネジ挿通穴の開口部近傍とほぼ同じ高さの平坦面となっている。この略平坦な上面部は、下面部に平行であるとともに、切削インサートのすくい面になる。
図5に示すように、ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、後方短辺側稜線の二等分線G上にある。また、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ凸円弧状切れ刃の法線H1を基準にして、後方端点P2側に配置されている。さらに、ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部の二等分線H2に対しても、後方端点P2側に配置されている。
本発明の切削インサートにおいて、凸円弧状切れ刃の曲率中心点Q3は、法線H1上に存在する。この法線H1と、ネジ挿通穴の中心点Q2を通って法線H1と平行な線分H3との距離であるS2値は、ねじ挿通穴の中心点Q2を、軸方向の拘束面に連なる後方短辺側稜線(6b2)側へ近づくように設定するために、重要な値である。ここで、S2値が十分大きな値となるように、S1<S2の関係を満たすように設定することは、ねじ締結時の拘束力が安定し、取付時の繰り返し精度を向上させることに有効となる。
本発明の切削インサートにおけるS1値とS2値について、S1<S2の関係を満たすように設定することによって、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1とねじ挿通穴の中心点Q2との間に、効果的な長さとなる距離関係を設定することができる。最凸点Q1の位置が、ねじ挿通穴の中心点Q2から、より離れるように設定することによって、最凸点Q1とねじ挿通穴の中心Q2とを結んだ断面視において、より広い断面積を確保することができる。そのため、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1近傍を起点とする工具損傷に対して耐欠損強度を向上させることができる。
本発明の切削インサートは、ネジ挿通穴の中心点Q2の位置を、切削インサート中心となる位置から離れた位置に配置している。すなわち、ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、後方短辺側稜線の二等分線G上にあって、切れ刃の最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、後方端点P2側に配置している。この様に、ネジ挿通穴の中心点Q2の位置を、インサート中心となる位置から離れた位置に配置するという配慮によって、切削インサートを工具本体へ装着する際に、誤装着操作を防止することができる。このような配慮は、凸円弧状切れ刃の円弧半径が大きいため、切れ刃を備えない長辺稜線部(6a2)との区別を見誤ることを回避するのに有効となる。
図5に示すように、本発明の切削インサートは、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1における接線Tと切れ刃稜線との距離が、前方端点P1から最凸点Q1までは連続的に減少し、一方、最凸点Q1から後方端点P1まで連続的に増加していることを特徴とする。図5に示すように、接線Tを基準としてみると、接線Tと前方端点P1との距離はF1値を、接線Tと後方端点P2との距離はF2値を有している。
図11、図12に示すように、F1値とF2値との比較においては、F1>F2、の関係を満たすことによって、凸円弧状切れ刃の工具回転軌跡は、工具回転軸から外周方向に向かって凸形状となる。従って、切削加工時においては、前方端点P1と後方端点P2が被削材表面から所定の距離分だけ離れることになる。これよって、両端点が切削加工に関与することや、影響を及ぼすことがなくなる。また、F1値がF2値よりも大きくなるように設定されることによって、切屑が工具回転接線方向へ滑らかに排出されることから、切屑排出性において好都合となる。また、被削材表面への悪影響を及ぼすことが小さくなる。
切削加工中に切屑が噛み込むような不具合を防止するために、本発明のインサートの切れ刃のF1値を以下の通り調整する。すなわち、F1値(mm)の数値範囲を、0.2≦F1≦0.8、に規定することが好ましい。これによって、切屑の噛み込みによる切れ刃の欠損を回避することができる。また、凸円弧状切れ刃による3次元曲面加工によって、高能率加工が達成され、かつ高精度で加工する用途において、適切な設定値となるので好ましい。より好ましくは、F1値が、0.3≦F1≦0.6、の関係を満たしていることである。さらには、0.4≦F1≦0.6、の関係を満たしていることがより好ましい。
(3)インサートの側面
図3及び図4に示すように、切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)に接する長辺側の側面部(4a1)は、凸曲面状の逃げ面を備える。他方の、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)に接する長辺側の側面部(4a2)は、平面状の拘束面を備える。前方短辺側稜線(6b1)に接する前方短辺側の側面部(4b1)は、平面状な面を備える。後方短辺側稜線(6b2)に接する後方短辺側の側面部(4b2)は、平面状の拘束面を備える。
図3及び図4に示すように、切れ刃を備えた長辺側交差稜線部(6a1)に接する長辺側の側面部(4a1)は、凸曲面状の逃げ面を備える。他方の、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)に接する長辺側の側面部(4a2)は、平面状の拘束面を備える。前方短辺側稜線(6b1)に接する前方短辺側の側面部(4b1)は、平面状な面を備える。後方短辺側稜線(6b2)に接する後方短辺側の側面部(4b2)は、平面状の拘束面を備える。
切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)に接する長辺側の側面部(4a2)は、径方向の拘束面の機能を備えている。そこで切削インサートを工具本体のインサート取り付座に固定したとき、長辺側の側面部(4a2)は、インサート取り付座の長辺側取り付拘束壁面(36)に密着する。また、後方短辺側稜線(6b2)に接する後方短辺側の側面部(4b2)は、軸方向の拘束面の機能を備えている。そこで切削インサートを工具本体のインサート取り付座に固定したとき、インサート取り付座の短辺側取り付拘束壁面(37)に密着する。
[2]刃先交換式回転切削工具
本発明の切削インサート(1)を着脱自在に装着する刃先交換式回転切削工具は、いかなる工具径でも良く、例えば工具径16mm以上とすることが好ましい。図6に示すように、刃先交換式回転切削工具を構成する工具本体(31)はシャンク部(32)及び複数のインサート取り付座(33)を有し、各インサート取り付座(33)は、切削インサートの下面(3)が密着する平坦な着座面(34)と、切削インサートを固定する固定用ネジ(38)が螺合するように着座面に形成したネジ穴(35)と、インサートの長側面が当接する長辺側取り付拘束壁面(36)と、切削インサートの短側面が当接する短辺側取り付拘束壁面(37)とを有する。図6に示す符号Oは刃先交換式回転切削工具の回転軸である。
本発明の切削インサート(1)を着脱自在に装着する刃先交換式回転切削工具は、いかなる工具径でも良く、例えば工具径16mm以上とすることが好ましい。図6に示すように、刃先交換式回転切削工具を構成する工具本体(31)はシャンク部(32)及び複数のインサート取り付座(33)を有し、各インサート取り付座(33)は、切削インサートの下面(3)が密着する平坦な着座面(34)と、切削インサートを固定する固定用ネジ(38)が螺合するように着座面に形成したネジ穴(35)と、インサートの長側面が当接する長辺側取り付拘束壁面(36)と、切削インサートの短側面が当接する短辺側取り付拘束壁面(37)とを有する。図6に示す符号Oは刃先交換式回転切削工具の回転軸である。
図7は、図6に示す工具本体(31)に切削インサートを固定した刃先交換式回転切削工具を示す。符号Yは加工機に装着した刃先交換式回転切削工具の回転方向を示す。刃先交換式回転切削工具では、インサートの凸円弧状切れ刃は工具本体の外周側に位置する。
図7に示す刃先交換式回転切削工具は2つのインサート取り付座を有するが、インサート取り付座の数は限定的でなく、工具本体の刃径に応じて2〜5個にすることができる。刃先交換式回転切削工具において、切削インサートの凸円弧状切れ刃は、軸方向すくい角を3から5度程度とすることにより、切削抵抗を低減できる。
本発明の切削インサートを固定用ネジ(38)によりインサート取り付座に固定したとき、凸円弧状切れ刃の最凸点Q1は、工具回転軸Oに対して工具本体の最外周に位置するのが好ましい。そのために、切削インサートの各部の形状及びサイズを適宜調整する。
刃先交換式回転切削工具を用いて被削材の立壁を切削加工するとき、切れ刃の最凸点Q1近傍は、主要な切れ刃領域として使用できる。従って、被削材の加工面が良好な面性状となるように加工できるとともに、切削抵抗も低減される。また、切れ刃形状を凸円弧状の構成とすることにより、切削加工により生成される切屑が良好に排出される。
工具本体のインサート取り付座に装着した切削インサートの取り付け位置が正確であるか否かを画像検出装置等を使用して確認する。このとき、本発明の刃先交換式回転切削工具は、切れ刃を備えない長辺側交差稜線(6a2)とこれに連なる長辺側の側面部(4a2)が回転軸Oと平行となる設定なので、確認作業が容易である。また、切れ刃を備えない長辺側交差稜線(6a2)とこれに連なる長辺側の側面部(4a2)が回転軸Oと平行なので、刃先交換式回転切削工具を装着したNC制御の加工機により切削工具の動作制御が容易になるとともに、NC制御用プログムも簡素化される。
1:切削インサート
2:上面部
3:下面部
4a1:長辺側の側面部
4a2:長辺側の側面部
4b1:前方短辺側の側面部
4b2:後方短辺側の側面部
5:ネジ挿通穴
6:交差稜線部
6a1:切れ刃を備えた長辺側交差稜線部
6a2:切れ刃を備えない長辺側交差稜線部
6b1:前方短辺側稜線
6b2:後方短辺側稜線
7a1、7a2:コーナー部
7b1、7b2:コーナー部
8:凸円弧状切れ刃
30:刃先交換式回転切削工具
31:工具本体
32:シャンク部
33:インサート取付座
34:着座面
35:ネジ穴
36:長辺側取り付拘束壁面
37:短辺側取り付拘束壁面
38:固定用ネジ
D1:前方端点P1における側面部間の幅寸法
D2:後方端点P2における側面部間の幅寸法
D3:最凸点Q1点における側面部間の幅寸法
F1:接線Tと前方端点P1との距離
F2:接線Tと後方端点P2との距離
G:後方短辺側稜線の二等分線
H1:凸円弧状切れ刃の法線
H2:切れ刃を備えない長辺側交差稜線部の二等分線
H3:ネジ挿通穴の中心点Q2を通って法線H1と平行な線分
L:切れ刃を備えない長辺稜線部(6a2)の全長
O:刃先交換式回転切削工具(30)の工具回転軸
P1:長辺側交差稜線(6a1)の前方端点
P2:長辺側交差稜線(6a1)の後方端点
Q1:凸円弧状切れ刃(8)の最凸点
Q2:ネジ挿通穴(5)の中心点
Q3:凸円弧状切れ刃(8)の曲率中心点
R1:凸円弧状切れ刃の円弧半径
R2:刃先交換式回転切削工具の工具半径
S1:法線H1と二等分線H2との距離
S2:法線H1と線分H3との距離
T:凸円弧状切れ刃の最凸点Q1における接線
Y:加工機に装着した刃先交換式回転切削工具(30)の回転方向
2:上面部
3:下面部
4a1:長辺側の側面部
4a2:長辺側の側面部
4b1:前方短辺側の側面部
4b2:後方短辺側の側面部
5:ネジ挿通穴
6:交差稜線部
6a1:切れ刃を備えた長辺側交差稜線部
6a2:切れ刃を備えない長辺側交差稜線部
6b1:前方短辺側稜線
6b2:後方短辺側稜線
7a1、7a2:コーナー部
7b1、7b2:コーナー部
8:凸円弧状切れ刃
30:刃先交換式回転切削工具
31:工具本体
32:シャンク部
33:インサート取付座
34:着座面
35:ネジ穴
36:長辺側取り付拘束壁面
37:短辺側取り付拘束壁面
38:固定用ネジ
D1:前方端点P1における側面部間の幅寸法
D2:後方端点P2における側面部間の幅寸法
D3:最凸点Q1点における側面部間の幅寸法
F1:接線Tと前方端点P1との距離
F2:接線Tと後方端点P2との距離
G:後方短辺側稜線の二等分線
H1:凸円弧状切れ刃の法線
H2:切れ刃を備えない長辺側交差稜線部の二等分線
H3:ネジ挿通穴の中心点Q2を通って法線H1と平行な線分
L:切れ刃を備えない長辺稜線部(6a2)の全長
O:刃先交換式回転切削工具(30)の工具回転軸
P1:長辺側交差稜線(6a1)の前方端点
P2:長辺側交差稜線(6a1)の後方端点
Q1:凸円弧状切れ刃(8)の最凸点
Q2:ネジ挿通穴(5)の中心点
Q3:凸円弧状切れ刃(8)の曲率中心点
R1:凸円弧状切れ刃の円弧半径
R2:刃先交換式回転切削工具の工具半径
S1:法線H1と二等分線H2との距離
S2:法線H1と線分H3との距離
T:凸円弧状切れ刃の最凸点Q1における接線
Y:加工機に装着した刃先交換式回転切削工具(30)の回転方向
Claims (5)
- 刃先交換式回転切削工具(30)の工具本体(31)が備えているインサート取り付座(33)に着脱自在に装着され、平面視で長辺と短辺を有する略平行四辺形で板状をなす上面部(2)及び下面部(3)と、前記上面部と前記下面部を繋ぐ長辺側の側面部(4a1、4a2)と短辺側の側面部(4b1、4b2)と、前記上面部から前記下面部まで貫通するネジ挿通穴(5)と、前記上面部及び前記下面部が前記長辺側の側面部と交差する一方の長辺側交差稜線部(6a1)に凸円弧状切れ刃(8)を備えた切削インサートであって、前記切削インサートの前記長辺側交差稜線部(6a1)の前方端点P1における側面部間の幅寸法(mm)をD1とし、後方端点P2における側面部間の幅寸法(mm)をD2とし、前記凸円弧状切れ刃(8)の最凸点Q1における側面部間の幅寸法(mm)をD3とし、前記凸円弧状切れ刃(8)の円弧半径(mm)をR1としたとき、前記幅寸法は、D3>D2>D1、の関係を有し、3≦R1/D3≦9、の関係を有し、前記ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、後方短辺側稜線(6b2)の二等分線G上にあり、かつ、前記凸円弧状切れ刃(8)の前記最凸点Q1と曲率中心点Q3とを結んだ前記凸円弧状切れ刃の法線H1に対して、前記後方端点P2側に配置されていること、を特徴とする切削インサート。
- 請求項1に記載の切削インサートにおいて、前記ネジ挿通穴の中心点Q2の位置は、切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)の二等分線H2に対して、前記後方端点P2側に配置されていること、を特徴とする切削インサート。
- 請求項1又は請求項2に記載の切削インサートにおいて、前記ネジ挿通穴の中心点Q2を通って前記法線H1と平行な線分を線分H3としたとき、前記法線H1、前記二等分線H2と前記線分H3とは相互に平行関係を有し、前記法線H1と前記二等分線H2との距離(mm)をS1、前記法線H1と前記線分H3との距離(mm)をS2としたとき、S1<S2、の関係に設定されていること、を特徴とする切削インサート。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の切削インサートにおいて、前記切削インサートの前記最凸点Q1における接線Tと前記前方端点P1との距離(mm)をF1とし、前記接線Tと前記後方端点P2との距離(mm)をF2としたとき、前記F1の数値範囲は、0.2≦F1≦0.8、に設定され、F1>F2、の関係に設定されていること、を特徴とする切削インサート。
- 請求項1から4のいずれかに記載の切削インサートを、工具回転軸の回りに回転する工具本体(31)の先端外周面に設けた着座面(34)に装着し、前記工具本体の回転軸を被削材の加工表面に対して傾けた同時5軸高能率加工に用いる刃先交換式回転切削工具(30)であって、前記切削インサートは、前記下面部(3)を前記着座面に当接させ、前記切削インサートの切れ刃を備えない長辺側交差稜線部(6a2)に連なる側面部(4a2)を、前記着座面から立設した長辺側取り付拘束壁面(36)に当接させ、後方短辺側の側面部(4b2)を、前記着座面から立設した短辺側取り付拘束壁面(37)に当接させて工具本体に装着し、前記ネジ挿通穴に固定用ネジ(38)を用いて工具本体に固定され、前記凸円弧状切れ刃が回転外周方向に向くように装着し、前記刃先交換式回転切削工具の工具半径(mm)をR2としたとき、1.5≦R1/R2≦7、の関係に設定され、前記凸円弧状切れ刃のアキシャルレーキ角(Ar)が正、ラジアルレーキ角(Rr)が負、となる姿勢に装着して構成されていることを特徴とする刃先交換式回転切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016081904A JP2017189855A (ja) | 2016-04-15 | 2016-04-15 | 切削インサート及び刃先交換式回転切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016081904A JP2017189855A (ja) | 2016-04-15 | 2016-04-15 | 切削インサート及び刃先交換式回転切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017189855A true JP2017189855A (ja) | 2017-10-19 |
Family
ID=60085364
Family Applications (1)
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JP2016081904A Pending JP2017189855A (ja) | 2016-04-15 | 2016-04-15 | 切削インサート及び刃先交換式回転切削工具 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017189855A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6977228B1 (ja) * | 2020-09-02 | 2021-12-08 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 回転切削工具用切削インサートおよび回転切削工具 |
EP4119271A1 (en) | 2021-07-15 | 2023-01-18 | Tungaloy Corporation | Cutting insert, indexable rotary cutting tool, and body of the same |
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2016
- 2016-04-15 JP JP2016081904A patent/JP2017189855A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6977228B1 (ja) * | 2020-09-02 | 2021-12-08 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 回転切削工具用切削インサートおよび回転切削工具 |
WO2022049659A1 (ja) * | 2020-09-02 | 2022-03-10 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 回転切削工具用切削インサートおよび回転切削工具 |
EP4119271A1 (en) | 2021-07-15 | 2023-01-18 | Tungaloy Corporation | Cutting insert, indexable rotary cutting tool, and body of the same |
US20230014557A1 (en) * | 2021-07-15 | 2023-01-19 | Tungaloy Corporation | Cutting insert, indexable rotary cutting tool, and body of the same |
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