JP6835686B2 - 配線・配管材布設具の設置構造及び配線・配管材布設具の設置装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、ワイヤの揺れを抑制できる配線・配管材布設具の設置構造及び配線・配管材布設具の設置装置を提供することにある。
前記貫通孔の長手方向両側の上方には、該貫通孔を短手方向に横切る状態に前記ワイヤ保持部材が配置されていてもよい。
上記問題点を解決するための配線・配管材布設具の設置装置は、梯子状であり、2本のワイヤと、該2本のワイヤに架け渡され、かつ前記ワイヤの長手方向に複数設置された配線・配管材支持部と、を有し、建築物の少なくとも1つの床又は壁を貫通して延びる配線・配管材布設経路を形成する配線・配管材布設具と、前記ワイヤの長手方向の一部を保持するワイヤ保持手段を有する2つのワイヤ保持部材と、を備え、前記2つのワイヤ保持部材は、前記配線・配管材布設具が通過する貫通孔が形成された前記床又は壁に対し、2本のワイヤの並び方向の間隔で、かつ前記床又は壁の厚み方向から見て前記貫通孔の内側に位置する状態に設置され、前記ワイヤ保持手段を前記貫通孔の内側に向けて突出した状態に配置することを要旨とする。
また、配線・配管材布設具の設置装置について、前記ワイヤには、前記配線・配管材支持部の前記ワイヤの長手方向への移動を規制する位置決め部材が取着されており、前記ワイヤ保持部材には、前記ワイヤの長手方向に沿った少なくとも2箇所に前記ワイヤ保持手段が設けられ、前記長手方向に沿った2つの前記ワイヤ保持手段のうち少なくとも2箇所の間隔は、前記ワイヤの長手方向に沿った前記位置決め部材の寸法より長く設定されていてもよい。
図1に示すように、建築物は、4階建てであり、4つの階を有する。各階は、床と天井で区画されている。建築物は、1階の床として機能する1階床F1を有し、1階の天井として機能する2階床F2を有する。また、建築物は、2階の天井として機能する3階床F3を有し、3階の天井として機能する4階床F4を有する。さらに、建築物は、4階の天井として機能する5階床F5を有する。1階床F1、2階床F2、3階床F3、4階床F4、及び5階床F5はそれぞれコンクリート製である。1階床F1、2階床F2、3階床F3、4階床F4及び5階床F5には、厚み方向に貫通する貫通孔11が形成されている。なお、床の厚み方向は、貫通孔11が床を貫通する方向であり、配線・配管材布設経路Kが延びる方向でもある。本実施形態では、床の厚み方向は高さ方向でもある。また、1階床F1、2階床F2、3階床F3、4階床F4、及び5階床F5は建築物の躯体である。
図2(a)に示すように、布設具20は梯子状である。布設具20は、2本のワイヤ21と、2本のワイヤ21に架け渡された状態で各ワイヤ21に設置された複数の配線・配管材支持部31とを備える。本実施形態において、布設具20は、配線・配管材支持部31を15本備えるとともに、配線・配管材支持部31は、ワイヤ21の長手方向に間隔を開けてワイヤ21に取り付けられている。
図3に示すように、布設具20は、ワイヤ中間部Cに一体化された位置決め部材28を配線・配管材支持部31の数だけ備える。複数の位置決め部材28は、ワイヤ21の長手方向に等間隔おきに設置されている。位置決め部材28は、ワイヤ21より大径の筒状部材をワイヤ21にかしめて一体化されている。そして、位置決め部材28によって配線・配管材支持部31がワイヤ中間部Cに位置決めされ、ワイヤ21の長手方向への配線・配管材支持部31の移動が規制されている。位置決め部材28によって配線・配管材支持部31が位置決めされることにより、配線・配管材支持部31は、ワイヤ21の長手方向に等間隔おきに設置されている。
図4又は図5に示すように、貫通孔形成部材50は、四角筒状である。貫通孔形成部材50は、一対の長壁51と、一対の長壁51の一端同士又は他端同士を繋ぐ一対の短壁52とを有する。貫通孔形成部材50は、深さ方向の一端としての上端にフランジ53を備える。フランジ53は、貫通孔形成部材50の上端の四辺全体に亘って存在するとともに、各長壁51及び各短壁52の外面より外へ突出している。貫通孔形成部材50において、対向する短壁52の内面間同士の寸法は、2本のワイヤ21の並び方向への布設具20の寸法より長い。すなわち、対向する短壁52の内面間同士の寸法は、配線・配管材支持部31の長手方向への寸法より長い。このため、貫通孔形成部材50の内側に布設具20を通過させることができる。
図1に示すように、布設具20は、1階床F1から3階床F3に跨って1つ張設され、3階床F3から5階床F5に跨って1つ張設されている。
(1)建築物の配線・配管材布設経路Kは、2つの布設具20によって形成されているが、各布設具20のワイヤ中間部Cにおいて、貫通孔11を通過する直前の部分は、ワイヤ取付用U字ボルト65によって架設部材60に保持されている。このため、例えば、地震等の振動により、揺れが生じた場合に、架設部材60及びワイヤ取付用U字ボルト65によってワイヤ中間部Cの揺れを規制し、ワイヤ21の揺れを小さく抑えることができる。その結果、ワイヤ21が貫通孔形成部材50の内面に接触することを抑制できる。
○ 図13に示すように、ワイヤ保持部材90を、実施形態の架設部材60よりも長手方向への寸法を長くしたものとしてもよい。なお、ワイヤ保持部材90は、実施形態の架設部材60と同様に、長手方向から見た側面視がコ字状であり、対向する矩形板状の第1架設片91及び第2架設片92を備えるとともに、第1架設片91と第2架設片92を連結する矩形板状の連結片93を備える。
○ 布設具20において、配線・配管材支持部31はワイヤ21に一体化され、取り外しできなくてもよい。
○ 架設部材60又はワイヤ保持部材90を取り付けるための台座55は、貫通孔形成部材50に溶接されていたが、台座55は貫通孔形成部材50に溶接されていなくてもよい。例えば、台座55の第1取付片56を床に載せ、その第1取付片56の孔56aに挿通したアンカーボルトによって台座55を床に直接固定してもよい。すなわち、台座55における第1取付片56の孔56aを、台座55を床に固定するために使用してもよい。
○ 貫通孔11は、貫通孔形成部材50を使用せず、床又は壁に直接穿設されていてもよい。この場合、床又は壁には、床又は壁の厚み方向から見て貫通孔11,Waの内側に位置するように架設部材60又はワイヤ保持部材90が配置され、架設部材60又はワイヤ保持部材90にはワイヤ取付用U字ボルト65が取り付けられる。そして、貫通孔11,Waを通過した2本のワイヤ21の長手方向の一部は、それぞれワイヤ取付用U字ボルト65によって架設部材60又はワイヤ保持部材90に保持される。この場合、布設具20と、ワイヤ取付用U字ボルト65を有する架設部材60又はワイヤ保持部材90とから、設置装置が構成される。
Claims (11)
- 建築物の少なくとも1つの床又は壁を貫通して延びる配線・配管材布設経路を形成する配線・配管材布設具の設置構造であって、
前記配線・配管材布設具は、梯子状であり、
2本のワイヤと、
前記2本のワイヤに架け渡され、かつ前記ワイヤの長手方向に複数設置された配線・配管材支持部と、を有し、
前記床又は壁には貫通孔が形成されるとともに、該貫通孔を前記配線・配管材布設具が通過し、
前記床又は壁には、前記床又は壁の厚み方向から見て前記貫通孔の内側に位置するワイヤ保持部材が配置され、
前記ワイヤ保持部材は、該ワイヤ保持部材よりも前記貫通孔の内側に突出したワイヤ保持手段を有し、
前記貫通孔を通過した前記配線・配管材布設具の2本のワイヤの長手方向の一部は、それぞれ前記ワイヤ保持手段によって前記ワイヤ保持部材に保持されていることを特徴とする配線・配管材布設具の設置構造。 - 前記床又は壁を厚み方向に見て前記貫通孔は長方形状であり、該貫通孔の長手方向への寸法は、前記2本のワイヤの並び方向に沿った前記配線・配管材布設具の寸法より長く、
2つの前記ワイヤ保持手段が、前記2本のワイヤの並び方向への間隔と同じ間隔となるように前記ワイヤ保持部材が配置されている請求項1に記載の配線・配管材布設具の設置構造。 - 前記配線・配管材布設具は、前記床の貫通孔を貫通して前記建築物の高さ方向に延びる前記配線・配管材布設経路を形成し、
前記貫通孔の長手方向両側の上方には、該貫通孔を短手方向に横切る状態に前記ワイヤ保持部材が配置されている請求項2に記載の配線・配管材布設具の設置構造。 - 前記貫通孔は、前記床に埋設された貫通孔形成部材によって区画され、前記貫通孔形成部材は、上端が前記床の上面より突出し、前記ワイヤ保持部材は前記貫通孔形成部材の上端より上方に配置されている請求項3に記載の配線・配管材布設具の設置構造。
- 前記貫通孔を通過する配線・配管材と、前記貫通孔の内面との間に熱膨張性耐火材が配置されている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の配線・配管材布設具の設置構造。
- 梯子状であり、2本のワイヤと、該2本のワイヤに架け渡され、かつ前記ワイヤの長手方向に複数設置された配線・配管材支持部と、を有し、建築物の少なくとも1つの床又は壁を貫通して延びる配線・配管材布設経路を形成する配線・配管材布設具と、
前記ワイヤの長手方向の一部を保持するワイヤ保持手段を有する2つのワイヤ保持部材と、を備え、
前記2つのワイヤ保持部材は、前記配線・配管材布設具が通過する貫通孔が形成された前記床又は壁に対し、2本のワイヤの並び方向の間隔で、かつ前記床又は壁の厚み方向から見て前記貫通孔の内側に位置する状態に設置され、前記ワイヤ保持手段を前記貫通孔の内側に向けて突出した状態に配置することを特徴とする配線・配管材布設具の設置装置。 - 梯子状であり、2本のワイヤと、該2本のワイヤに架け渡され、かつ前記ワイヤの長手方向に複数設置された配線・配管材支持部と、を有し、建築物の少なくとも1つの床又は壁を貫通して延びる配線・配管材布設経路を形成する配線・配管材布設具と、
前記ワイヤの長手方向の一部を保持するワイヤ保持手段を有するワイヤ保持部材と、を備え、
前記ワイヤ保持部材は、前記2本のワイヤの並び方向への間隔より長い寸法を有し、かつ前記2本のワイヤの並び方向への間隔で2つ設けられた前記ワイヤ保持手段を有し、
前記ワイヤ保持部材は、前記配線・配管材布設具が通過する貫通孔が形成された前記床又は壁に対し、前記床又は壁の厚み方向から見て前記貫通孔の内側に位置する状態に設置され、前記ワイヤ保持手段を前記貫通孔の内側に向けて突出した状態に配置することを特徴とする配線・配管材布設具の設置装置。 - 前記貫通孔は、前記床又は壁に埋設された貫通孔形成部材によって区画され、前記配線・配管材布設具の設置装置は前記貫通孔形成部材を含み、前記貫通孔形成部材には、前記ワイヤ保持手段が前記2本のワイヤの並び間隔に位置するように、前記ワイヤ保持部材を取り付ける台座が設置される請求項6又は請求項7に記載の配線・配管材布設具の設置装置。
- 前記台座は、前記貫通孔を挟んで対向するように前記貫通孔形成部材に設置され、前記ワイヤ保持部材は、前記台座の対向方向への前記貫通孔の寸法より長い寸法を有する請求項8に記載の配線・配管材布設具の設置装置。
- 前記配線・配管材支持部は、前記ワイヤから取り外し可能である請求項6〜請求項9のうちいずれか一項に記載の配線・配管材布設具の設置装置。
- 前記ワイヤには、前記配線・配管材支持部の前記ワイヤの長手方向への移動を規制する位置決め部材が取着されており、前記ワイヤ保持部材には、前記ワイヤの長手方向に沿った少なくとも2箇所に前記ワイヤ保持手段が設けられ、前記長手方向に沿った2つの前記ワイヤ保持手段のうち少なくとも2箇所の間隔は、前記ワイヤの長手方向に沿った前記位置決め部材の寸法より長く設定されている請求項6〜請求項10のうちいずれか一項に記載の配線・配管材布設具の設置装置。
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