以下、本発明に係る集電リードを含むアルカリ二次電池について、図面を参照して説明する。
本発明が適用される一実施形態の二次電池として、図1に示す4/3FAサイズの円筒形のニッケル水素二次電池(以下、電池という)1を例に説明する。
電池1は、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶2を備え、外装缶2は導電性を有し、その底壁は負極端子として機能する。外装缶2の中には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)とともに電極群4が収容されている。
図1に示すように、外装缶2の開口3は封口体14によって閉塞されている。封口体14は、導電性を有する円板形状の蓋板16、この蓋板16の外面の上に配設された弁体20及び正極端子22を含んでいる。蓋板16の外周部には、この蓋板16を囲むようにリング形状の絶縁ガスケット18が配置され、絶縁ガスケット18及び蓋板16は外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより外装缶2の開口縁17に固定されている。即ち、蓋板16及び絶縁ガスケット18は互いに協働して外装缶2の開口3を封止している。ここで、蓋板16は、中央に中央貫通孔19を有し、そして、蓋板16の外面の上には、中央貫通孔19を閉塞するようにゴム製の弁体20が配置されている。更に、蓋板16の外面の上には弁体20を覆うようにフランジ付きの円筒形状の正極端子22が電気的に接続されている。この正極端子22は弁体18を蓋板16に向けて押圧している。また、この正極端子22は、側面にガス抜き孔23を有している。
通常時、中央貫通孔19は弁体20によって気密に閉じられている。一方、外装缶2の内部にガスが発生し、ガスの圧力が高まれば、弁体20はガスの圧力によって圧縮され、中央貫通孔19が開かれる。その結果、外装缶2内から中央貫通孔19及び正極端子22のガス抜き孔23を介して外部にガスが放出される。つまり、中央貫通孔19、弁体20及び正極端子22のガス抜き孔23は電池1のための安全弁を形成している。
電極群4は、それぞれ帯状の正極6、負極8及びセパレータ10を含み、これらは正極6と負極8との間にセパレータ10が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ10を介して正極6及び負極8が互いに重ね合わされている。このような電極群4は、全体としては円柱状をなしている。
この電極群4においては、一方の端面から正極6の端縁部が渦巻状に露出しており、他方の端面から負極8の端縁部が渦巻状に露出している。ここで、露出している正極6の端縁部を正極接続端縁部32とし、露出している負極8の端縁部を負極接続端縁部(図示せず)とする。これら露出している正極接続端縁部32及び負極接続端縁部には、後述する正極集電体28及び負極集電体(図示せず)がそれぞれ溶接される。
負極8は、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体に負極合剤が保持されている。
負極芯体は、帯状の金属材であり、その厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が多数設けられている。このような負極芯体としては、例えば、パンチングメタルシートを用いることができる。
負極合剤は、負極芯体の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極芯体の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤は、水素吸蔵合金の粒子、導電材、結着剤等を含む。ここで、水素吸蔵合金は、負極活物質である水素を吸蔵及び放出可能な合金であり、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられている水素吸蔵合金が好適に用いられる。上記した結着剤は水素吸蔵合金の粒子及び導電材を互いに結着させると同時に負極合剤を負極芯体に結着させる働きをする。ここで、導電材及び結着剤としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。
負極8は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、水素吸蔵合金粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤及び水を混練して負極合剤のペーストを調製する。得られた負極合剤のペーストは負極芯体に塗着され、乾燥させられる。その後、水素吸蔵合金粒子等を含む負極合剤が付着した負極芯体にはロール圧延及び裁断が施される。これにより負極8が得られる。
次に、正極6について説明する。
正極6は、導電性の正極基材と、この正極基材に保持された正極合剤とを含む。詳しくは、正極基材は、多数の空孔を有する多孔質構造をなしており、正極合剤は、前記した空孔内及び正極基材の表面に保持されている。
正極基材としては、例えば、発泡ニッケルを用いることができる。
正極合剤は、正極活物質粒子としての水酸化ニッケル粒子、導電材としてのコバルト化合物、結着剤等を含んでいる。上記した結着剤は、水酸化ニッケル粒子及び導電材を互いに結着させると同時に水酸化ニッケル粒子及び導電材を正極基材に結着させる働きをする。ここで、結着剤としては、ニッケル水素二次電池に一般的に用いられているものが好適に用いられる。
正極6は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、正極活物質粒子(水酸化ニッケル粒子)の集合体である正極活物質粉末、導電材、水及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製する。得られた正極合剤スラリーは、例えば、発泡ニッケルに充填され、乾燥させられる。その後、水酸化ニッケル粒子等が充填された発泡ニッケルには、ロール圧延及び裁断が施される。これにより、正極の中間製品が得られる。この正極の中間製品は、全体として長方形状をなしている。そして、この正極の中間製品における正極接続端縁部32となるべき所定の端縁部については、正極合剤の除去が行われ、正極基材がむき出しの状態とされる。次いで、正極合剤が除去された端縁部は、正極の中間製品の厚さ方向に圧縮加工され正極接続端縁部32となる。このように圧縮加工されることにより、正極基材は、稠密な状態となるので、この正極接続端縁部32は溶接がし易い状態となる。また、正極接続端縁部32にNiめっき鋼の薄板を抵抗溶接により接続し、更に溶接をし易くする場合もある。このようにして、正極接続端縁部32を有する正極6が得られる。ここで、正極合剤の除去方法としては、特に限定はされないが、例えば、超音波振動を与えることにより除去する方法が好適に用いられる。なお、正極接続端縁部32以外の領域には、正極合剤が充填されたままの状態である。
次に、セパレータ10としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、あるいは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。
以上のようにして製造された正極6及び負極8は、上記したセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回され、これにより電極群4が形成される。詳しくは、巻回の際、正極6及び負極8は、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置されるとともに、これら正極6及び負極8の間には、所定サイズのセパレータ10が所定位置に配置され、この状態で巻回作業が行われる。その結果、円柱状の電極群4が得られる。得られた電極群4の態様としては、電極群4の一端側においては、正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側においては、負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。
なお、電極群4は、上記した正極6、負極8及びセパレータ10が、所定の外径寸法を有する巻芯により巻回されて形成され、巻回作業後は、この巻芯が抜き取られるので、電極群4の中央には貫通孔9が形成されている。
以上のような電極群4においては、一端側に正極集電体28が接続され、他端側に負極集電体が接続される。
まず、負極集電体については、特に限定されるものではなく、例えば、従来から用いられている円板形状の金属板を用いることが好ましい。準備した負極集電体は、電極群4の他端側の負極接続端縁部に溶接される。
次に、正極集電体28について説明する。
正極集電体28は、導電性材料で形成された板状体であり、平面視形状は特に限定されるものではなく、円板形状、多角形状等任意の形状のものを採用することができる。また、正極集電体28の大きさは、電極群4の外径寸法よりも小さく、且つ、電極群4の一端側から突出している正極6の正極接続端縁部32をカバーできる大きさに設定される。
本実施形態においては、図2に示すように、平面視形状が十角形状の板材が用いられる。詳しくは、正極集電体28は、全体として十角形状のNiめっき鋼製の薄板であり、中央に円形の中央貫通孔29と、この中央貫通孔29を囲むように放射状に延びる6個のスリット30とを含んでいる。スリット30は、打ち抜き加工で形成し、スリット30のエッジの部分に下方(電極群4側)へ延びる突起(バリ)を生じさせることが好ましい。更に、中央貫通孔29の周囲の所定位置には、プレス加工により、電極群4側とは反対側に突出する集電体突起部31を設けることが好ましい。この集電体突起部31の個数は特に限定されないが、例えば、図2に示すように4個設けることが好ましい。
電池1においては、図1に示すように、正極集電体28と封口体14との間に集電リード34が介在し、この集電リード34が、電極群4の正極6に接続されている正極集電体28と、正極端子22を有する封口体14とを電気的に接続する。
集電リード34は、図1から明らかなように、封口体14の蓋板16に接続されている頂壁50と、正極集電体28に接続されている底壁36と、頂壁50の両側の端縁46、48及び底壁36の両側の端縁38、40の間にそれぞれ存在する一対の側壁42、44とを有している。
この集電リード34について、図3、4を参照して詳しく説明する。なお、図3においては、底壁36が上側に、頂壁50が下側になる状態で示しており、図4においては、底壁36が下側に、頂壁50が上側になる状態で示している。
底壁36は、図3から明らかなように、正方形状をなしており、中央に円形の底壁貫通孔51が設けられている。この底壁貫通孔51は、アルカリ電解液を外装缶2内へ注入する際に、電極群4へのアルカリ電解液の供給を阻害しないために設けられている。ここで、参照符号56で示された仮想円は、抵抗溶接が行われた場合に溶接部となる溶接予定箇所を示している。本実施形態では、底壁36における溶接予定箇所(底壁溶接予定部)56は、4箇所であり、底壁貫通孔51を囲むように、底壁36における4つのコーナー部付近にそれぞれ位置付けられる。
頂壁50は、図4から明らかなように、底壁36と対向する位置に位置付けられており、全体として長方形状をなしている。詳しくは、頂壁50は、その短辺方向の中央において長辺方向に沿って延びるスリット53により分割されている。つまり、頂壁50は、分割された一方の第1半体部52と、分割された他方の第2半体部54とを含んでいる。
これら第1半体部52及び第2半体部54は、詳しくは、底壁36と対向する対向部52c、54cと、この対向部52c、54cから頂壁50の長手方向に延びる延出部52a、52b、54a、54bとを有している。
第1半体部52の対向部52cにおける中央には、上記したスリット53に臨む半円形の第1半円切欠55が設けられている。また、第2半体部54の対向部54cにおける中央には、上記したスリット53に臨む半円形の第2半円切欠57が設けられている。これら第1半円切欠55及び第2半円切欠57は、互いに対向する位置に位置付けられており、全体として、ほぼ円形の頂壁貫通孔59を形成している。この頂壁貫通孔59は、集電リード34が封口体14に接続された際に、蓋板16の中央貫通孔19と連通する。
延出部52a、52b、54a、54bには、封口体14の側に向かって突出したリード突起部58が設けられている(図4参照)。このリード突起部58は、抵抗溶接を行う際に、溶接電流を集中させる部分として利用される。つまり、抵抗溶接では、このリード突起部58を加圧し、その状態でリード突起部58に大電流を集中して流すことにより生じる熱でリード突起部58を溶かし、部材同士の溶接が行われる。このリード突起部58は、頂壁50における溶接予定箇所(頂壁溶接予定部)68となる。
このリード突起部58は、例えば、プレス加工により形成される。なお、図3における参照符号60は、延出部52a、52b、54a、54bにリード突起部58を設ける際にリード突起部58の裏側に生じた凹部を示す。
これら延出部52a、52b、54a、54bは、底壁36と対向する対向部52c、54cから外側に延びており、底壁36とのオーバーラップを避けている。このため、集電リード34を封口体14に抵抗溶接する際に、底壁36と干渉することなく抵抗溶接機の電極棒を延出部52a、52b、54a、54bに当接させることができる。また、延出部52a、52b、54a、54bが、底壁36と対向する対向部52c、54cから外側に延びていることで、集電リード34が封口体14に接続された際に集電リード34の安定性を高める働きをする。
側壁42、44は、図3に示すように、底壁36の両側の端縁38、40から頂壁50の両側の端縁46、48へ延びている。側壁42、44の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、台形状等任意の形状を採用することができる。また、これら側壁42、44には、側壁貫通孔64、66が設けられている。
この側壁貫通孔64、66は、側壁42、44の変形抵抗を低くするために設けられている。ここで、変形抵抗とは、変形させるのに必要な荷重の大きさの度合いをいう。変形させるのに必要な荷重の大きさが大きいほど、変形抵抗は高く、変形させるのに必要な荷重の大きさが小さいほど、変形抵抗は低い。
上記のように、側壁貫通孔64、66が穿設された側壁42、44は、側壁貫通孔64、66が無い側壁に比べて変形抵抗は低くなる。このため、側壁貫通孔64、66を有する側壁42、44は、側壁貫通孔64、66が無い側壁に比べてより低い荷重で変形させることができる。つまり、側壁貫通孔64、66を有する側壁42、44は変形させ易い。
また、圧縮荷重が加えられた場合に集電リード34の変形を促すために、側壁42、44の断面形状は、図5に示すように、外側に突出する湾曲形状とすることが好ましい。
ここで、集電リード34は、集電体28と封口体14との間を電気的につなぐ部品であり、その内部を電流が流れる。集電リード34内において、電流の流れ方は一様ではなく、電流密度の高い部分と低い部分が存在する。つまり、側壁42、44においても電流密度の高い部分と低い部分が存在する。この側壁42、44における電流密度の高い部分に側壁貫通孔64、66を設けると、電流が流れる部分の断面積が減少し、電気抵抗値が高くなってしまい、電池1の高率放電特性を阻害する原因となるおそれがある。そこで、本発明においては、側壁貫通孔64、66を設ける位置を以下のように特定する。
すなわち、頂壁50、側壁42、44及び底壁36にわたって延びる仮想線であって、頂壁50における溶接予定箇所(頂壁溶接予定部)68と、底壁36における溶接予定箇所(底壁溶接予定部)56との間を最短距離で結ぶ仮想線(以下、電流経路仮想線90という)を想定し、この電流経路仮想線90を避けた位置に側壁貫通孔64、66を設ける。
ここで、ある導電部材において、ある部分(一方部分)から別の部分(他方部分)へ電流が流れる場合、電流は一方部分と他方部分との間において、導電部材内における最短距離を通る傾向がある。このため、一方部分と他方部分との間を最短距離で結ぶ電流経路仮想線90に沿った部分は電流密度が高く、この電流経路仮想線90から離れるにしたがい電流密度は低くなると考えられる。導電部材において貫通孔が設けられると、かかる導電部材の断面積が減少し、電気抵抗値が高くなる。このような貫通孔が、電流密度が高くなる部分に設けられると、電気抵抗値の増加は著しくなると考えられる。逆に、このような貫通孔を電流密度が低い部分に設けても、電気抵抗値の増加は少ないと考えられる。よって、側壁42、44の変形を促すための側壁貫通孔64、66を設ける箇所としては、電気抵抗値の増加に対して影響がより少ない部分を選ぶことが有効であるので、電流密度が高いと考えられる部分(上記のような電流経路仮想線90の部分)を避けた位置に側壁貫通孔64、66を設けることとする。
また、側壁貫通孔64、66の形状としては、特に限定されるものではなく、円形、楕円形、角丸長方形、オーバル形状等、任意の形状を採用することができる。
また、側壁貫通孔64、66は、1つの側壁に少なくとも1つ設けられ、1つの側壁に2以上設けられていても構わない。
上記した集電リード34は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、金属製の薄板を加工することにより、図6に示すような、平面視形状がほぼH形の薄板で形成された集電リード34の中間製品62を準備する。なお、この薄板は、従来の正極リボンに比べて十分に厚い。この中間製品62において、両側部に位置付けられた長尺部分が、第1半体部52となる第1半体部予定領域70及び第2半体部54となる第2半体部予定領域72である。第1半体部予定領域70及び第2半体部予定領域72の内側に連なる領域は、側壁42、44となる側壁予定領域74、76である。そして、側壁予定領域74と側壁予定領域76との間に挟まれた領域が、底壁36となる底壁予定領域78である。
この中間製品62においては、プレス加工により、第1半体部予定領域70及び第2半体部予定領域72のそれぞれの両端部における所定位置にリード突起部58が設けられている。このリード突起部58の部分は、抵抗溶接により溶融し、溶接部となる。なお、リード突起部58は、第1半体部予定領域70の図6中上側に位置するものをリード突起部58aとし、第1半体部予定領域70の図6中下側に位置するものをリード突起部58bとし、第2半体部予定領域72の図6中下側に位置するものをリード突起部58cとし、第2半体部予定領域72の図6中上側に位置するものをリード突起部58dとする。
また、中間製品62においては、打ち抜き加工により、第1半体部予定領域70及び第2半体部予定領域72の側縁の中央に第1半円切欠55及び第2半円切欠57が設けられており、底壁予定領域78の中央に底壁貫通孔51が穿設されており、側壁予定領域74、76の所定位置に側壁貫通孔64、66がそれぞれ穿設されている。
底壁予定領域78における底壁貫通孔51の周りには、正極集電体28の集電体突起部31と当接し、抵抗溶接により溶接部が形成される予定の底壁溶接予定部56が4箇所想定され、この底壁溶接予定部56は仮想円で表されている。なお、底壁溶接予定部56は、図6に示すように、底壁貫通孔51を中心として時計回りに、底壁溶接予定部56a、底壁溶接予定部56b、底壁溶接予定部56c、底壁溶接予定部56dが存在するものとする。
本発明では、側壁予定領域74、76(側壁)において、図6中の矢印Xで示す方向(底壁予定領域78から第1半体部予定領域70に向かう方向)に沿う方向を側壁の高さ方向とし、図6中の矢印Yで示す方向(第1半体部予定領域70において第1半体部52の延出部52a、52bとなる部分が延出している方向)に沿う方向を側壁の幅方向とする。そして、側壁の高さ方向における側壁予定領域74、76の長さを側壁高さL1とし、側壁の高さ方向における側壁貫通孔64、66の長さを側壁貫通孔高さL2とし、側壁の幅方向における側壁予定領域74、76の最大の長さを側壁最大幅W1とし、側壁の幅方向における側壁貫通孔64、66の長さを側壁貫通孔幅W2とする。
ここで、側壁貫通孔64、66が穿設される所定位置について以下に説明する。
中間製品62において、リード突起部58(頂壁溶接予定部68)と底壁溶接予定部56との間の中間製品62内を通る最短距離を結ぶ電流経路仮想線90を想定する。本実施形態では、リード突起部58aと溶接部予定領域56aとを結ぶ電流経路仮想線92、リード突起部58bと溶接部予定領域56bとを結ぶ電流経路仮想線94、リード突起部58cと溶接部予定領域56cとを結ぶ電流経路仮想線96及びリード突起部58dと溶接部予定領域56dとを結ぶ電流経路仮想線98が想定される。
側壁貫通孔64、66は、これら電流経路仮想線92、94、96、98を避けた位置に穿設される。詳しくは、側壁貫通孔64、66は、少なくとも電流経路仮想線92、94、96、98と交差させない。そして、側壁貫通孔64、66は、なるべく電流経路仮想線92、94、96、98から離れた位置に設ける。本実施形態では、側壁貫通孔64、66は、側壁の高さ方向の中央部分に設けている。これは、側壁の高さ方向の中央部分に貫通孔が存在すると、貫通孔が側壁の高さ方向において偏った位置に存在する場合よりも側壁を変形させ易いと考えられるためである。そして、図6中の左側に位置する側壁予定領域74においては、電流経路仮想線96及び電流経路仮想線98から等間隔離れるようにこれら仮想線の中間部分に左側の側壁貫通孔66が穿設され、図6中の右側に位置する側壁予定領域76においては、電流経路仮想線92及び電流経路仮想線94から等間隔離れるようにこれら仮想線の中間部分に右側の側壁貫通孔64が穿設される。
また、側壁貫通孔64、66の大きさとしては、特に限定されるものではないが、側壁貫通孔幅W2の寸法は、側壁最大幅W1の寸法に対して9%以上、60%以下に設定することが好ましく、より好ましくは、9%以上、40%以下に設定する。これは、側壁貫通孔幅W2の寸法が、側壁最大幅W1の寸法に対して9%未満の場合、集電リード34が変形し難くいためである。また、側壁貫通孔幅W2の寸法が、側壁最大幅W1の寸法に対して60%を超える場合、集電リード34の電気抵抗値が高くなってしまうからであり、40%以下であれば、電気抵抗値の増加率を低く抑えることができるからである。
なお、側壁貫通孔が1つの側壁に2以上設けられている場合、側壁貫通孔の合計の幅寸法が側壁の最大幅寸法に対して9%以上、40%以下に設定することが好ましい。
上記したようなプレス加工及び打ち抜き加工を施すことによって得られた中間製品62においては、第1半体部予定領域70と側壁予定領域76との間に想定される折曲げ仮想線80、側壁予定領域76と底壁予定領域78との間に想定される折曲げ仮想線82、底壁予定領域78と側壁予定領域74との間に想定される折曲げ仮想線84、側壁予定領域74と第2半体部予定領域72との間に想定される折曲げ仮想線86の部分を折り曲げることにより、図3、4に示すような集電リード34を形成する。なお、側壁予定領域74、76については、湾曲形状に加工することが好ましい。
次に、電池1の組み立て手順の一例について説明する。
まず、上記したような電極群4を準備する。そして、電極群4の他方端側に負極集電体を接続した後、当該電極群4を外装缶の中に収容する。そして、外装缶の底壁に負極集電体を抵抗溶接する。
次いで、電極群4の一方端側に正極集電体28を載置し、電極群4における正極接続端縁部32と正極集電体28とが抵抗溶接される。このとき、正極集電体28のスリット30のバリと正極接続端縁部32とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、正極6の正極接続端縁部32と正極集電体28とが溶接される。
次いで、外装缶2内にアルカリ電解液を所定量注入する。外装缶2内に注入されたアルカリ電解液は、電極群4に保持され、その大部分はセパレータ10に保持される。このアルカリ電解液は、正極6と負極8との間での充放電の際の電気化学反応(充放電反応)を進行させる。このアルカリ電解液としては、KOH、NaOH及びLiOHのうちの少なくとも一種を溶質として含むアルカリ電解液を用いることが好ましい。
一方、別工程において、封口体14の蓋板16の内面と集電リード34の頂壁50とを抵抗溶接し、封口体14と集電リード34との複合体を形成しておく。詳しくは、集電リード34の頂壁50としての第1半体部52及び第2半体部54における突起部58と封口体14の蓋板16の内面とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、これにより封口体14と集電リード34とが溶接された複合体が得られる。
次いで、上記した複合体を正極集電体28の上部へ載置する。このとき、集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56と、正極集電体28の集電体突起部31とが接触するように、正極集電体28のスリット30を基準にして複合体は位置合わせされる。また、封口体14の蓋板16の外周縁には、絶縁ガスケット18が配設されており、蓋板16は、この絶縁ガスケット18を介して、外装缶2の上端開口部に位置付けられる。
その後、電池1の正極端子22と負極端子との間に加圧しながら電流を流し、抵抗溶接(プロジェクション溶接)を行う。このとき、正極集電体28の集電体突起部31と集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、正極集電体28と集電リード34の底壁36とが溶接される。
上記のような溶接が完了した後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより、外装缶2の開口3を封止する。このようにして、電池1が形成される。
上記したような抵抗溶接の際及びかしめ加工の際、電極群4、正極集電体28、集電リード34等の電池1を構成する部品には、電池1の軸線に沿う方向に圧縮荷重が加えられる。ここで、頂壁50と底壁36とが近づく方向(図5の矢印A方向及ぶ矢印B方向)に圧縮荷重を受けると、集電リード34は、側壁42、44が変形し易いので、この側壁42、44の部分から変形し、集電リード34は全体として頂壁50と底壁36とが近づく方向に潰れる。このように集電リード34が変形し易いと、集電リード34及び正極集電体28に圧縮荷重が加えられても、集電リード34の方が優先的に変形し、正極集電体28の変形が抑えられ、電極群4を圧迫することを抑制することができる。その結果、電池の内部短絡の発生を抑制することができる。
本発明においては、正極集電体28よりも集電リード34を変形し易くするために、集電リード34の側壁42、44に側壁貫通孔64、66を設けて集電リード34の変形抵抗を正極集電体28の変形抵抗よりも小さくしている。ここで、側壁貫通孔64、66は、集電リード34における電流経路仮想線90を避けた位置に設けているので、電池1の内部抵抗の上昇は抑えられている。このため、優れた高率放電特性を維持することができる。
よって、本発明によれば、優れた高率放電特性を維持しつつ、内部短絡の発生が従来よりも少ない二次電池を得ることができる。
ここで、近年、各種機器の小型化が進んでおり、小型の機器についても高率での放電が要求されている。このような状況にともない、小型の機器に使用される、4/3FA形、AA形(R6形、単3形に相当)やAAA形(R03形、単4形に相当)といった小形の電池についてもより高率での放電が要求されている。
しかしながら、これら小形の電池においては、D形(R20形、単1形に相当)やC形(R14形、単2形に相当)の大型の電池の場合に比べ、集電リードを小形化しなければならない。集電リードの小形化にともない、集電リードの可撓性が低下することから、電池の軸線方向に圧縮荷重が加えられる際に、集電リードが十分に変形せず、集電体にダイレクトに荷重が伝わる。そうすると、正極集電体が変形し、電極群を圧迫して短絡がより発生し易くなっている。また、小形の電池では、電極群の巻回数が少ないため、電極群自体の軸線方向の強度も低くなっている。このため、優れた高率放電特性を得るために単純に小形化した集電リードを用いた小形の電池では、大形の電池に比べ、正極集電体の変形にともなう短絡が発生し易くなっている。
このような状況に対し、本発明は、集電リードを優先的に変形させ、正極集電体の変形を抑制し、それにより電極群への圧迫を回避することができるので、特に、高率放電特性に優れる小形の電池、具体的には、直径18mm以下の電池の短絡の発生を抑えることに有効である。
[実施例]
実施例1
(1)集電リードの製造
いわゆるSPCC(冷間圧延鋼板)に相当する鋼の薄板に厚さが2μmのNiめっきが施されたNiめっき鋼板を準備した。このNiめっき鋼板の厚さは0.30mmである。そして、このNiめっき鋼板に打ち抜き加工及びプレス加工を施すことにより、図6に示すような、ほぼH形の集電リードの中間製品62を製造した。この中間製品62においては、その中央に貫通孔51が穿設されており、両側の第1半体部予定領域70及び第2半体部予定領域72の所定位置に第1半円切欠55及び第2半円切欠57が穿設されており、側壁予定領域74、76の所定位置に角丸長方形の側壁貫通孔64、66が穿設されている。また、第1半体部予定領域70及び第2半体部予定領域72の所定位置には、リード突起部58が形成されている。実施例1においては、側壁貫通孔64、66は、電流経路仮想線92、94、96、98と交差しないように、これら電流経路仮想線92、94、96、98を避けた位置に穿設した。
ここで、中間製品62の各部の寸法を以下に記載する。
側壁最大幅W1は8.18mmであり、側壁貫通孔幅W2は1.5mmであり、側壁高さL1は3.46mmであり、側壁貫通孔高さL2は0.6mmである。そして、底壁予定領域78の矢印Xで示す方向の長さL3が6.4mmであり、第1半体部予定領域70及び第2半体部予定領域72における矢印Xで示す方向の長さL4が3.1mmであり、底壁予定領域78の矢印Yで示す方向の長さW3が7.5mmであり、第1半体部予定領域70及び第2半体部予定領域72における矢印Yで示す方向の長さW4が12.4mmである。また、底壁貫通孔51、第1半円切欠55及び第2半円切欠57の半径は、1.5mmである。
次いで、折曲げ仮想線80、82、84、86の部分を折り曲げることにより、図3、4に示すような集電リード34を形成した。
得られた集電リード34について、電流分布の解析を行い、電流密度の可視化を行った。得られた電流分布の解析結果を図7、8に示した。この図7、8においては、灰色の濃淡により電流密度の高低を表しており、灰色が濃いほど電流密度は高く、灰色が薄いほど電流密度は低い。
また、得られた集電リード34について、頂壁部50と底壁部36との間の電気抵抗値を測定した。その結果、実施例1の集電リード34の電気抵抗値は、0.35mΩであった。
(2)電池の製造
一般的なニッケル水素二次電池に用いられる正極6、負極8及びセパレータ10を準備した。これら正極6、負極8及びセパレータ10はそれぞれ帯状をなしている。準備した正極6及び負極8の間にセパレータ10を介在させた状態で、渦巻き状に巻回し、4/3FAサイズ用の電極群4を形成した。巻回の際、正極6及び負極8を、互いに、電極群4の軸線方向に沿う方向に僅かにずれた状態となるように配置するとともに、これら正極6及び負極8の間の所定位置にセパレータ10を配置し、この状態で巻回作業を行い、円柱状の電極群4を得た。得られた電極群4は、電極群4の一端側において正極6の正極接続端縁部32が、セパレータ10を介して隣り合っている負極8よりも突出した状態となっており、電極群4の他端側において負極8の負極接続端縁部が、セパレータ10を介して隣り合っている正極6よりも突出した状態となっている。
次に、円板形状をなし、Niめっき鋼の薄板で形成された4/3FAサイズ用の負極集電体を準備した。この負極集電体は、電極群4の負極接続端縁部に溶接した。
次に、図2に示すような、全体として十角形状をなし、中央に円形の中央貫通孔29と、この中央貫通孔29を囲むように放射状に延びる6個のスリット30とを含んでいる4/3FAサイズ用の正極集電体28を準備した。この正極集電体28は、いわゆるSPCC(冷間圧延鋼板)に相当する鋼の薄板にNiめっきが施されたNiめっき鋼板で形成されている。この正極集電体28の厚さは0.40mmである。
次に、負極集電体が溶接された電極群4を有底円筒形状の外装缶4の中に収容した。そして、外装缶4の底壁の内面と負極集電体とを溶接した。
次に、電極群4の上端部に正極集電体28を載置し、電極群4における正極接続端縁部32と正極集電体28とを抵抗溶接した。
次に、外装缶2内にKOHを溶質として含むアルカリ電解液を所定量注入した。
次に、上記のようにして製造した集電リード34を封口体14に抵抗溶接し、封口体14と集電リード34との複合体を形成した。詳しくは、集電リード34の頂壁50としての第1半体部52及び第2半体部54における突起部58と封口体14の蓋板16の内面とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、これにより封口体14と集電リード34とが溶接された複合体を得た。
得られた複合体は正極集電体28の上部へ載置した。このとき、集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56と、正極集電体28の集電体突起部31とが接触するように、正極集電体28のスリット30を基準にして複合体を位置合わせした。また、封口体14の蓋板16の外周縁には、絶縁ガスケット18を配設した。これにより、蓋板16は、この絶縁ガスケット18を介して、外装缶2の上端開口部に位置付けられた状態となる。
その後、封口体14の正極端子22と負極端子との間に加圧しながら電流を流し、抵抗溶接(プロジェクション溶接)を行った。このとき、正極集電体28の集電体突起部31と集電リード34の底壁36における溶接予定箇所56とが接触する部分に電流が集中して溶接部が形成され、正極集電体28と集電リード34の底壁36とが溶接された。
上記のような溶接が完了した後、外装缶2の開口縁17をかしめ加工することにより、外装缶2の開口3を封止した。このようにして、電池1を製造した。
得られた電池1についてX線撮影を行い、内部の正極接続端縁部32の状態を観察した。観察の結果、正極接続端縁部32に短絡を起こすほどの座屈は認められなかった。
比較例1
側壁貫通孔を設けなかったことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。この集電リードの電流分布の解析結果を図9、10に示した。また、比較例1の集電リードの電気抵抗値は、0.31mΩであった。
次いで、この比較例1に係る側壁貫通孔を有していない集電リードを用いて実施例1と同様にして電池を製造した。
得られた電池についてX線撮影を行い、内部の状態の観察を行った結果、電極群4の正極接続端縁部32の一部に座屈した箇所が認められた。
比較例2
側壁貫通孔幅W2を6.0mmとし、側壁貫通孔高さL2を0.8mmとし、電流経路仮想線90と交差するように側壁貫通孔を形成したことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。この集電リードの電流分布の解析結果を図11、12に示した。また、比較例2の集電リードの電気抵抗値は、0.95mΩであった。
次いで、この比較例2の集電リードを用いて実施例1と同様にして電池を製造した。
得られた電池についてX線撮影を行い、内部の状態の観察を行った結果、正極接続端縁部32に短絡を起こすほどの座屈は認められなかった。
実施例2
側壁貫通孔高さL2を0.31mmとし、側壁貫通孔幅W2を1.54mmとしたことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。ここで、このときの側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率は9%であり、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は19%である。
得られた集電リードについて、頂壁部50と底壁部36との間の電気抵抗値を測定した。得られた測定結果から、比較例1の電気抵抗値を基準とした場合の電気抵抗値の増加率を求めた。実施例2の集電リードの抵抗値増加率は2.8%であった。
次に、実施例1と同様にして負極集電体及び正極集電体が溶接された状態の電極群4を準備した。
準備された電極群4の正極集電体の上部に実施例2の集電リードを載置した。この状態の電極群4及び集電リードに対して、電極群4の軸線方向に沿う方向に圧縮加重をかけていき、電極群4の正極接続端縁部32が座屈したところで、圧縮加重をかけるのを停止した。そして、潰れた集電リードを回収し、潰される前の集電リードの高さ方向H(図5参照)の寸法から、潰された後の集電リードの高さ方向Hの寸法を減算し、高さ方向Hの潰された長さを求め、斯かる潰された長さを集電リード潰れ量として得た。実施例2の集電リード潰れ量は0.87mmであった。
実施例3
側壁貫通孔高さL2を0.31mmとし、側壁貫通孔幅W2を3.03mmとしたことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。ここで、このときの側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率は9%であり、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は37%である。
そして、実施例2と同様にして、集電リードの抵抗値増加率及び集電リード潰れ量を求めた。実施例3において、集電リードの抵抗値増加率は5.6%であり、集電リード潰れ量は1.09mmであった。
実施例4
側壁貫通孔高さL2を0.31mmとし、側壁貫通孔幅W2を4.67mmとしたことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。ここで、このときの側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率は9%であり、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は57%である。
そして、実施例2と同様にして、集電リードの抵抗値増加率及び集電リード潰れ量を求めた。実施例3において、集電リードの抵抗値増加率は19.4%であり、集電リード潰れ量は1.12mmであった。
比較例3
側壁貫通孔高さL2を0.31mmとし、側壁貫通孔幅W2を6.14mmとしたことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。ここで、このときの側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率は9%であり、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は75%である。なお、この比較例3においては、側壁貫通孔が電流経路仮想線90と交差している。
そして、実施例2と同様にして、集電リードの抵抗値増加率及び集電リード潰れ量を求めた。比較例3において、集電リードの抵抗値増加率は47.2%であり、集電リード潰れ量は1.20mmであった。
実施例5
側壁貫通孔高さL2を0.62mmとし、側壁貫通孔幅W2を3.03mmとしたことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。ここで、このときの側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率は18%であり、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は37%である。
そして、実施例2と同様にして、集電リードの抵抗値増加率及び集電リード潰れ量を求めた。実施例5において、集電リードの抵抗値増加率は6.5%であり、集電リード潰れ量は1.05mmであった。
実施例6
側壁貫通孔高さL2を0.93mmとし、側壁貫通孔幅W2を3.03mmとしたことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。ここで、このときの側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率は27%であり、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は37%である。
そして、実施例2と同様にして、集電リードの抵抗値増加率及び集電リード潰れ量を求めた。実施例6において、集電リードの抵抗値増加率は7.4%であり、集電リード潰れ量は1.07mmであった。
実施例7
側壁貫通孔高さL2を1.25mmとし、側壁貫通孔幅W2を3.03mmとしたことを除き、実施例1と同様にして集電リードを製造した。ここで、このときの側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率は36%であり、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は37%である。
そして、実施例2と同様にして、集電リードの抵抗値増加率及び集電リード潰れ量を求めた。実施例7において、集電リードの抵抗値増加率は8.3%であり、集電リード潰れ量は1.09mmであった。
上記した比較例1、実施例2〜4、比較例3の結果から、側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率を9%で一定とし、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率を変化させた場合の集電リードの抵抗値増加率の変化を図13に示し、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率を変化させた場合の集電リード潰れ量の変化を図14に示した。なお、図13においては、縦軸を集電リードの抵抗値増加率[%]、横軸を側壁貫通孔の幅比率[%]とした。また、図14においては、縦軸を集電リードの潰れ量[mm]、横軸を側壁貫通孔の幅比率[%]とした。
また、比較例1、実施例3、5〜7の結果から、側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率を37%で一定とし、側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率を変化させた場合の集電リードの抵抗値増加率の変化を図15に示し、側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率を変化させた場合の集電リード潰れ量の変化を図16に示した。なお、図15においては、縦軸を集電リードの抵抗値増加率[%]、横軸を側壁貫通孔の高さ比率[%]とした。また、図16においては、縦軸を集電リードの潰れ量[mm]、横軸を側壁貫通孔の高さ比率[%]とした。
ここで、比較例1においては、側壁貫通孔を含んでいないので、側壁高さL1に対する側壁貫通孔高さL2の比率及び側壁最大幅W1に対する側壁貫通孔幅W2の比率は0%である。また、比較例1の集電リード潰れ量は0.54mmであった。
[考察]
(1)比較例1について
比較例1の集電リードは、側壁に側壁貫通孔が穿設されていない従来型の集電リードであり、その電気抵抗値は0.31mΩである。この比較例1の集電リードの電流分布の解析結果を示した図9、10を確認すると、側壁42、44において、僅かな色調の変化が現れており、側壁42、44の中央部分の灰色の色調が薄く、側壁42、44の中央部分から離れていくほど灰色の色調が濃くなっている。よって、側壁42、44の中央部分から離れるほど大きな電流が流れていることがわかる。また、この比較例1の集電リードを用いて製造した電池においては、電極群4の正極接続端縁部32の一部に座屈した箇所が認められており、比較例1の集電リードを含む電池は内部短絡を起こすおそれがある。
(2)比較例2について
比較例2の集電リードは、側壁に側壁貫通孔が穿設されているため、変形し易い。このため、比較例2の集電リードを含む電池においては、製造過程で、この集電リードが優先的に変形するので、電極群の正極接続端縁部の過度の変形を抑制することができる。このことは、比較例2の集電リードを含む電池の内部の状態の観察結果において、正極接続端縁部32に短絡を起こすほどの座屈は認められなかったことから明らかである。よって、比較例2の集電リードを含む電池は、比較例1の集電リードを含む電池に比べ内部短絡を起こし難いと考えられる。一方、比較例2の集電リードの電流分布の解析結果を示した図11、12を見ると、側壁貫通孔64、66に隣接する側壁42、44が細くなっている部分の灰色の色調が極めて濃くなっていることが認められる。比較例2の集電リードにおいては、側壁貫通孔64、66が、電流経路仮想線90の部分と交差するように設けられているので、電流が流れる範囲が狭まり、電流密度が大きく増加している。その結果、比較例2の集電リードにおいては、全体としての電気抵抗値が増大している。このことは、比較例2の集電リードの電気抵抗値が0.95mΩであり、比較例1の集電リードの電気抵抗値に比べて大幅に増加していることからも明らかである。このように電気抵抗値が大きいと、比較例2の集電リードを含む電池は、比較例1の集電リードを含む電池に比べて高率放電特性が劣る。つまり、比較例2の集電リードは、電池の内部短絡の抑制には有効であるが、電池の高率放電特性の向上にはあまり寄与しないといえる。
(3)実施例1について
実施例1の集電リードは、電気抵抗値が0.35mΩであり、比較例1の集電リードに比べ、電気抵抗値は僅かに増加しただけである。このため、実施例1の集電リードを含む電池は、比較例1の集電リードを含む電池と同等の高率放電特性を示すと考えられる。ここで、実施例1の集電リードの電流分布の解析結果を示す図7、8を見ると、実施例1の集電リードの色調の変化は、比較例1の集電リードの色調の変化とほぼ同じであり、実施例1の集電リードと比較例1の集電リードとは、電流密度が同程度であるといえる。一方、比較例2の集電リードの電流分布と比べると、実施例1の集電リードは、電流経路仮想線90を避けた位置に側壁貫通孔64、66が設けられているので、比較例2の集電リードほどの電流密度の増加は見られない。また、実施例1の集電リードは、側壁42、44に側壁貫通孔64、66が穿設されているため、変形し易い。このため、実施例1の集電リードを含む電池においては、電極群4の正極接続端縁部32に短絡を起こすほどの座屈は認められていない。よって、実施例1の集電リードを含む電池は、比較例1の集電リードを含む電池に比べ内部短絡を起こし難いと考えられる。
以上より、実施例1の集電リードは、側壁において電流経路仮想線を避けた位置に側壁貫通孔が設けられているので、電流密度の増加にともなう電気抵抗値の増加を抑制することができるとともに、変形し易い。このため、実施例1の集電リードは、側壁貫通孔を有していない集電リードと同等の電気抵抗値を維持したまま、電池の製造の際に優先的に変形し、電極群の正極接続端縁部の変形や座屈を抑制する。その結果、実施例1の集電リードは、電池の優れた高率放電特性を維持しつつ、電池における内部短絡の発生の抑制に有効であるといえる。
(4)側壁貫通孔の幅比率について
側壁貫通孔の幅比率と集電リードの抵抗値増加率との関係を示した図13から、側壁貫通孔の幅が大きくなるに従い集電リードの電気抵抗値が増加することがわかる。この図13から、側壁貫通孔の幅比率が60%以下の場合、抵抗値増加率は23%以下と比較的低く、高率放電特性への影響を少なくでき、側壁貫通孔の幅比率が40%以下の場合、抵抗値増加率は7%未満と十分低く、高率放電特性への影響を極めて少なくできることがわかる。よって、側壁貫通孔の幅比率は、60%以下とすることが好ましく、40%以下とすることがより好ましいといえる。
集電リードは、電池の組立工程において潰されるが、集電リードの潰れ量が大きくなると集電リードの下部に位置する正極集電体に負荷がかかることで電極群の正極接続端縁部が座屈し内部短絡を発生し易くなる。集電リードにおいては、側壁貫通孔の大きさが大きいほど潰れやすい。このため、側壁貫通孔の大きさが第1の大きさである第1の集電リードと、側壁貫通孔の大きさが第1の大きさよりも小さい第2の大きさである第2の集電リードとでは、潰されたときの潰れ量が同じ場合、より大きい第1の大きさの側壁貫通孔を有する第1の集電リードの方が第2の集電リードよりも潰れ易い(変形し易い)ので正極集電体への負荷は小さくなる。このため、第1の集電リードを用いた場合の方が第2の集電リードを用いた場合に比べ、正極接続端縁部の座屈はより発生し難い。図14は、側壁貫通孔の幅比率と集電リードの潰れ量との関係を示している。正極接続端縁部の座屈が発生する領域を不良領域として、図14のグラフ内において、網掛けにて示した。電池の製造過程において集電リードは潰されていくが、集電リードの潰れ量は、正極接続端縁部の座屈が生じてしまう不良領域に入らないようにする必要がある。また、通常、電池の外装缶内における集電リードが配置される正極集電体と封口体との間の空間は、電池の組立に際し、電池の軸線方向に最大で0.7mm圧縮される。このため、集電リードは、0.7mm潰されても不良領域に入ってしまうことを回避する必要がある。ここで、図14を見ると、集電リードの側壁貫通孔の幅比率が0%(側壁貫通孔無し)の場合、集電リードの潰れ量が0.7mmでは正極接続端縁部が座屈してしまう不良領域に完全に入ってしまっている。しかしながら、側壁貫通孔の幅比率が9%以上であれば、集電リードが0.7mm潰されても不良領域に入ることを回避することが可能であることがわかる。よって、正極接続端縁部の座屈の発生を抑えるには、側壁貫通孔の幅比率を9%以上とすることが有効であることがわかる。
以上より、側壁貫通孔の幅比率は、9%以上、60%以下とすることが好ましく、9%以上、40%以下とすることがより好ましいといえる。
(5)側壁貫通孔の高さ比率について
側壁貫通孔の高さ比率と集電リードの抵抗値増加率との関係を示した図15から、側壁貫通孔の高さ寸法が大きくなっても集電リードにおける電気抵抗値の増加率の変化は小さいことがわかる。
図16は、側壁貫通孔の高さ比率と集電リードの潰れ量との関係を示している。正極接続端縁部の座屈が発生する領域を不良領域として、図16のグラフ内において、網掛けにて示した。この図16から、集電リードの側壁貫通孔の高さ比率が3%以上であれば不良領域に入ることを回避できることがわかる。
図16から、集電リードの潰れ量に対して、側壁貫通孔の高さ比率は、側壁貫通孔の幅比率よりも影響が少ないといえる。このため、集電リードの側壁貫通孔の高さ比率は、電池の優れた高率放電特性を維持しつつ、電池における内部短絡の発生を抑制するという本発明の効果に対して影響は少ないといえる。よって、集電リードの側壁貫通孔高さは、集電リードの製造のし易さを考慮したものであればよいといえる。
なお、本発明は上記した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々の変形が可能であって、例えば、電池の種類は、ニッケル水素二次電池に限定されず、ニッケル−カドミウム二次電池、リチウムイオン二次電池等であってもよい。