JP5064713B2 - 蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明はニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、リチウム二次電池などに係り、特に、正極板と負極板がセパレータを介して積層されて渦巻状に巻回された電極群の両端部に一対の集電体が溶接された電極体を一方極の端子を兼ねる金属製外装缶内に備え、この外装缶の開口部が絶縁体を介して他方極の端子を兼ねる封口体により密封された蓄電池に関する。
近年、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)、電動バイク、アシスト自転車あるいは電動工具等の大電流用途向けの電池として、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、リチウム二次電池などの密閉型蓄電池が用いられるようになった。この種の用途に用いられる密閉型蓄電池は、高出力特性、高エネルギー密度が要求される。高出力特性、高エネルギー密度を達成するためには集電部品の低抵抗化等が必要であり、特に、集電体と極板端部の導電端縁(極板芯体)との溶接強度を強くする必要がある。
この種の密閉型蓄電池は、通常、正極板と負極板とをセパレータを介して積層されて渦巻状に巻回して電極群とした後、この電極群の負極板の導電端縁(負極芯体)を負極集電体に溶接するとともに、正極板の導電端縁(正極芯体)を正極集電体に溶接して電極体とする。ついで、得られた電極体を負極端子を兼ねる金属製外装缶に挿入し、負極集電体を金属製外装缶の底部に溶接するとともに、正極集電体より延出する集電リード部を正極端子を兼ねる封口体の底部に溶接した後、電解液を注液し、外装缶の開口部に絶縁ガスケットを介して封口体を装着して密閉することにより作製される。
ところで、上述したような大電流の用途に用いられる蓄電池にあっては、数十アンペア〜数百アンペアの大電流で充放電が行われるため、上述した溶接部での抵抗に起因する電圧降下により作動電圧が低下し、高電圧および高エネルギー密度が得られないという問題を生じた。このため、集電体に多数の開孔を備えるとともに、これらの開孔の端縁より垂直方向に突出する突縁(周壁)を備え、これらの各突縁(周壁)と電極群の極板の導電端縁(極板芯体)とが溶接されるような集電体を用いることが、例えば、特許文献1〜特許文献3などで提案されるようになった。なお、このような端縁より垂直方向に突出する突縁(周壁)を備えた開孔は、通常、バーリング孔といわれる。
このようなバーリング孔を備えた集電体を用いると、バーリング孔の周壁(開口の端縁より垂直方向に突出する突縁)が電極群の極板の導電端縁(極板芯体)に食い込むようにして溶接されるため、これらの溶接部での抵抗が減少するようになり、電圧降下に起因する作動電圧の低下が防止でき、高電圧で高エネルギー密度の蓄電池が得られるようになる。
実公昭61−34695号公報 特開2000−315490号公報 特開2000−331667号公報
通常、上述のようなバーリング孔の周壁と電極群の極板の導電端縁(極板芯体)との溶接は抵抗溶接により行われる。ところが、この抵抗溶接においては、バーリング孔の周壁と極板の導電端縁(極板芯体)との接触部の接触抵抗が大きいため、溶接時に溶接スパッタ(ちり:金属粉)が発生しやすく、発生した溶接スパッタが電池内に浸入して短絡発生の原因となる。この場合、抵抗溶接における溶接電流を小さくすれば、溶接スパッタの発生を防止できるようになるが、反面、溶接部での溶接強度が低下して該部での抵抗値が高くなり、抵抗電圧降下に起因して電池出力が低下するという問題を生じるようになる。
なお、この種の抵抗溶接は図3に示すような一対の溶接電極R1,R2を用いて行われる。具体的には、図4に示すように、平面形状が略円形状の集電体上に、平面形状が略扇形状の一対の溶接電極R1,R2を配置してこれらに通電して抵抗溶接を行う。この場合、まず、図4(a)に示すように、一対の溶接電極R1,R2を配置して第1の抵抗溶接を実施し、図4(b)に示すように、一対の溶接電極R1,R2を配置して第2の抵抗溶接を実施し、図4(c)に示すように、一対の溶接電極R1,R2を配置して第3の抵抗溶接を実施するようにしている。
ところが、一対の溶接電極R1,R2を集電体上に配置してこれらに通電して抵抗溶接を行う場合、溶接電極R1,R2間に流れる溶接電流は均一ではなく、溶接電極R1,R2間距離が短い集電体の内周部側に電流密度が偏ったものとなる。その結果、集電体の内周部側に形成されたバーリング孔の周壁と電極群の極板の導電端縁(極板芯体)との接触部に過剰な溶接電流が流れることにより、該部で溶接スパッタが発生しやすいこととなる。
特に、上述のように複数回に分けて抵抗溶接を実施する場合、後の溶接工程ほど前の溶接工程で溶接された溶接部に無効電流が流れるようになるため、後の溶接工程ほど溶接電流を大きくする必要がある。このため、一層、集電体の内周部側に形成されたバーリング孔の周壁と電極群の極板の導電端縁(極板芯体)との接触部に過剰な溶接電流が流れることにより、該部での溶接スパッタが極めて発生しやすくなる。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、多くのバーリング孔が配置された集電体を用いても溶接時に溶接スパッタが発生するのを防止できるようにバーリング孔の周壁と電極群の極板の導電端縁(極板芯体)との接触部での接触抵抗を最適化して、集電体と極板の導電端縁(極板芯体)との溶接部での溶接の信頼性が向上し、高品質の蓄電池を提供できるようにすることを目的とするものである。
本発明の蓄電池は、正極板と負極板がセパレータを介して積層されて渦巻状に巻回された電極群の両端部に一対の集電体が溶接された電極体を一方極の端子を兼ねる金属製外装缶内に備え、この外装缶の開口部が絶縁体を介して他方極の端子を兼ねる封口体により密封されている。そして、上記課題を解決するため、前記集電体は略円形状で、その中心部から該集電体の外周部に向けて多数のバーリング孔が形成されているとともに、前記多数のバーリング孔の端縁には電極体の方向に突出する周壁が形成されており、バーリング孔の内、中心部側に存在するバーリング孔の周壁の高さは外周部側に存在するバーリング孔
の周壁の高さよりも高く形成されていることを特徴とする。
このように、バーリング孔の内、中心部側に存在するバーリング孔の周壁の高さが外周部側に存在するバーリング孔の周壁の高さよりも高く形成されていると、中心部側に存在するバーリング孔の周壁と極板の導電端縁(極板芯体)との接触部での接触が良好となって、該部での接触抵抗を外周部側よりも小さくすることが可能となる。これにより、集電体の内周側に形成されたバーリング孔の周壁と電極群の極板の導電端縁(極板芯体)との接触部に過剰な溶接電流が流れても、該部での溶接スパッタの発生を防止できるようになる。特に、複数回に分けて抵抗溶接を実施する溶接法に本発明を適用すると効果的である。
この場合、中心部側は当該集電体の最大半径の1/2未満の範囲であり、中心部から外周部側は当該集電体の最大半径の1/2以上の範囲であると、溶接強度を均等化することが可能となるので望ましい。なお、バーリング孔の周壁の高さは0.3mm〜0.7mmであるのが望ましい。
以下に、本発明をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の一実施の形態を図1〜図5に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。なお、図1は巻回途中の渦巻状電極群を模式的に示す斜視図である。図2は集電体(正極集電体、負極集電体)を示す図であり、図2(a)はその平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A断面を示す断面図であり、図2(c)は、図2(a)のB−B断面を示す断面図であり、図2(d)は、図2(a)のC−C断面を示す断面図である。図3は一対の溶接電極を模式的に示す斜視図である。図4は集電体の上に一対の溶接電極を配置して順次溶接する状態を模式的に示す図であり、図4(a)は第1溶接工程を模式的に示す平面図であり、図4(b)は第2溶接工程を模式的に示す平面図であり、図4(c)は第3溶接工程を模式的に示す平面図である。図5は電極体を外装缶内に収納して完成されたニッケル−水素蓄電池を示す断面図である。
1.電極群
パンチングメタルからなる正極芯体11aの表面にニッケル焼結多孔体を形成した後、化学含浸法により水酸化ニッケルを主体とする活物質をニッケル焼結多孔体に充填して活物質充填層11bを形成した。ついで、これを乾燥させた後、所定の厚みになるまで圧延し、所定の寸法になるように切断してニッケル正極板11を作製した。なお、このニッケル正極板11の上端部には正極芯体11aが露出した芯体露出部11cが形成されている。
一方、パンチングメタルからなる負極芯体12aの表面に水素吸蔵合金からなるペースト状負極活物質を充填して活物質充填層12bを形成した。ついで、これを、乾燥させた後、所定の厚みになるまで圧延し、所定の寸法になるように切断して水素吸蔵合金負極板12を作製した。なお、この水素吸蔵合金負極板12の下端部には負極芯体12aが露出した芯体露出部12cが形成されている。
これらのニッケル正極板11と水素吸蔵合金負極板12との間に、ポリプロピレン製不織布からなるセパレータ13を介在させて渦巻状に巻回して、直径が略30mmとなる渦巻状電極群10を作製した。なお、このようにして作製された渦巻状電極群10の上部にはニッケル正極板11の芯体露出部11cが露出しており、その下部には水素吸蔵合金負極板12の芯体露出部12cが露出している。
2.集電体
集電体(正極集電体、負極集電体)15は、図2に示すように、略円形(最大直径が30mm)の本体部15aの中心部に溶接電極挿入用の中心開口(直径は10mm)15bが形成されている。また、中心開口15bの周囲から本体部15aの端部に向けて多数のバーリング孔(例えば、直径が2mm)15cが形成されている。また、本体部15aの中心開口15bと端部までの中間から端縁に向けて開口する一対のスリット15e,15eが形成されている。このようなスリット15e,15eを設けることにより、無効な溶接電流を減少させ、有効な溶接電流を増大させることが可能となる。
この場合、厚みが0.3mmのニッケルメッキ鋼板(例えば、メッキの厚みは2μm)を最大直径が30mmの略円形状になるように打抜型で打ち抜いて本体部15aを形成するとともに、この本体部15aの中心部に直径が10mmの円形孔を打ち抜いて溶接電極挿入用の中心開口15bを形成する。また、本体部15aの端部で中心開口15bを介して対向する位置に一対のスリット15e,15eを形成することにより集電体(正極集電体、負極集電体)15が得られる。なお、負極集電体の場合は、中心開口15bが形成されていないが、それ以外は正極集電体と同様である。
(1)実施例1
ここで、実施例1の集電体aは以下のように形成されている。即ち、中心開口15bの中心部を中心とする半径が7.5mmの範囲内(X領域:図2(a)に示す点線円内)のバーリング孔15cにおいては、直径(r1)が2mm(r1=2mm)で、周壁15dの高さ(h1)が0.5mm(h1=0.5mm)で、周壁15dの厚み(t1)が0.12mm(t1=0.12mm)となるように形成されている。
また、中心開口15bの中心部を中心とする半径が7.5mmより外側の範囲(Y領域:図2(a)に示す点線円外)のバーリング孔15cにおいては、直径(r2)が2mm(r2=r1=2mm)で、周壁15dの高さ(h2)が0.5mm(h2=h1=0.5mm)で、周壁15dの厚み(t2)が0.12mm(t2=t1=0.12mm)となるように形成されている。
さらに、Y領域の内、最外側に位置する範囲(Z領域::図2(a)に示す点線四角内)のバーリング孔15cにおいては、直径(r3)が2mm(r3=r2=r1=2mm)で、周壁15dの高さ(h3)が0.4mm(h3=0.4mm)で、周壁15dの厚み(t3)が0.12mm(t3=t2=t1=0.12mm)となるように形成されている。
(2)実施例2
また、実施例2の集電体bは以下のように形成されている。即ち、中心開口15bの中心部を中心とする半径が7.5mmの範囲内(X領域:図2(a)に示す点線円内)のバーリング孔15cにおいては、直径(r1)が2mm(r1=2mm)で、周壁15dの高さ(h1)が0.5mm(h1=0.5mm)で、周壁15dの厚み(t1)が0.12mm(t1=0.12mm)となるように形成されている。
また、中心開口15bの中心部を中心とする半径が7.5mmより外側の範囲(Y領域:図2(a)に示す点線円外)のバーリング孔15cにおいては、直径(r2,r3)が2mm(r3=r2=r1=2mm)で、周壁15dの高さ(h2,h3)が0.4mm(h3=h2=0.4mm)で、周壁15dの厚み(t2,t3)が0.12mm(t3=t2=t1=0.12mm)となるように形成されている。
(3)比較例
さらに、比較例の集電体cは以下のように形成されている。即ち、全ての範囲(X領域,Y領域,Z領域)でのバーリング孔15cの直径(r1,r2,r3)が2mm(r3=r2=r1=2mm)で、周壁15dの高さ(h1,h2,h3)が0.4mm(h3=h2=h1=0.4mm)で、周壁15dの厚み(t1,t2,t3)が0.12mm(t3=t2=t1=0.12mm)となるように形成されている。
3.電極体
ついで、得られた渦巻状電極群10の上端面に露出するニッケル正極板11の芯体露出部11cの上に、上述のように作製された集電体(正極集電体)15(a,b,c)を載置し、この正極集電体15(a,b,c)の上に平面形状が扇型(開き角度が90°のもの)である一対の溶接電極R1,R2を載置した。このとき、一対の溶接電極R1,R2は、図4(a)に示すように、本体部15aの中心部に形成された中心開口15bに対して対角線方向になるように配置した。
ついで、一対の溶接電極R1,R2で正極集電体15を押圧することにより、各バーリング孔15cは極板群より若干突出した正極板11の芯体露出部11cに食い込むこととなる。これにより、一対の溶接電極R1,R2間に1回目の溶接電流を流して抵抗溶接した。この後、図4(b)に示すように、これらの一対の溶接電極R1,R2を正極集電体15上でそれぞれ時計回りに60°ずつ位置をずらして移動させた後、これらの一対の溶接電極R1,R2間に2回目の溶接電流を流して抵抗溶接した。さらに、図4(c)に示すように、これらの一対の溶接電極R1,R2を正極集電体15上でそれぞれ反時計回りに30°ずつ位置をずらして移動させた後、これらの一対の溶接電極R1,R2間に3回目の溶接電流を流して抵抗溶接した。
これにより、正極板11の芯体露出部11cと各バーリング孔15cの周壁15dとの接触部は強固に溶接され、渦巻状電極群10の上端面に正極集電体15が溶接されることとなる。これらの抵抗溶接時において、一対のスリット15e,15eにより無効電流が遮断されるので、溶接のための有効電流を増大させることが可能となる。
上述のように渦巻状電極群10の上端面に集電体(正極集電体)15(a,b,c)を溶接した後、これらを180°反転させて、これらの上に集電体(負極集電体)を載置して、上述と同様に一対の溶接電極を配置して、水素吸蔵合金負極板12の芯体露出部12cとを溶接した。これにより、渦巻状電極群10の上端面に集電体(正極集電体)15(a,b,c)が溶接され、渦巻状電極群10の下端面に集電体(負極集電体)(a,b,c)が溶接された電極体A,B,Cが得られることとなる。なお、集電体aを用いたものを電極体Aとし、集電体bを用いたものを電極体Bとし、集電体cを用いたものを電極体Cとした。
ついで、上述のようにして各電極体A,B,Cをそれぞれ3000個ずつ作製した後、溶接後の集電体(a,b,c)のショートチェックを行い、ショートが発生した電極体の個数を求めると下記の表1に示すような結果が得られた。
Figure 0005064713
上記表1の結果から明らかなように、電極体A,Bにおいてはショートの発生数が極めて少なくて、ショート発生率が低かったのに対して、電極体Cにおいては、3000個のうち20個にショートが発生し、ショート発生率が0.67%と高かったことが分かった。これは、上述のように複数回に分けて溶接を実施する場合、溶接の最終回に近づくほど芯体露出部11c,12cとバーリング孔15cの周壁15dとの接触部での溶接箇所が増大することとなる。このため、溶接の最終回に近づくほど溶接の無効電流が生じやすくなって、初回溶接時の溶接電流よりも大電流が流れるように設定する必要がある。この結果、溶接の最終回(第3溶接工程)においてはスパッタが発生しやすくなる。
この場合、電極体Cにおいては、各領域X,Y,Zに形成されたバーリング孔15cの周壁15dの高さは0.4mmに等しくなるように形成されている。このため、溶接の最終回(第3溶接工程)においては、領域Xに形成されたバーリング孔15cの周壁15dと芯体露出部11c,12cとの接触部で溶接スパッタが発生し、この溶接スパッタに起因してショートが発生したと考えられる。
一方、電極体Aにおいては、領域Zに形成されたバーリング孔15cの周壁15dの高さは0.4mmで、領域X,Yに形成されたバーリング孔15cの周壁15dの高さ0.5mmより低く形成されている。また、電極体Bにおいては、領域Yに形成されたバーリング孔15cの周壁15dの高さは0.4mmで、領域Xに形成されたバーリング孔15cの周壁15dの高さ0.5mmより低く形成されている。このため、最内周の領域Xに形成されたバーリング孔15cの周壁15dと芯体露出部11c,12cとの接触部での接触抵抗が低下することにより、溶接スパッタの発生を抑制することが可能となり、溶接スパッタに起因するショートの発生を防止することができたと考えられる。
3.ニッケル−水素蓄電池
ついで、上述のようにして作製された電極体Aを用いてニッケル−水素蓄電池を作製する例を図5(なお、図5においては、電極群10の下部に負極集電体14が溶接されて電極体Aが形成されているものとする)に基づいて以下に説明する。まず、得られた電極体Aの正極集電体15の上部に円筒状の正極用リード16を溶接する。この場合、円筒状の正極用リード16には、正極集電体15の溶接電極挿入用の中心開口15bに対応する位置にこの開口15bに連通する開口16aが形成されている。ついで、電極体Aを鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の外装缶(底面の外面は負極外部端子となる)17内に収納した後、開口17aおよび中心開口15bを通して図示しない溶接電極を挿入し、水素吸蔵合金負極板12に溶接された負極集電体14を外装缶17の内底面に溶接する。
ついで、外装缶17の上部内周側に防振リング19bを挿入し、外装缶17の上部外周側に溝入れ加工を施して防振リング19bの上端部に環状溝部17aを形成した。この後、外装缶17内に30質量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液からなる電解液を注入する。ついで、この外装缶17の開口部の上部に、封口板18aの底面が正極用リード16の円筒部分に接触するように配置する。ここで、封口板18aの上部には正極キャップ(正極外部端子)18bが設けられており、この正極キャップ18b内には弁板18cとスプリング18dからなる弁体を備えており、封口板18aの中央にはガス抜き孔が形成されており、封口板18aと正極キャップ18bとで封口体18が形成される。
ついで、正極キャップ(正極外部端子)18bの上面に一方の溶接電極(図示せず)を配置するとともに、外装缶17の底面(負極外部端子)の下面に他方の溶接電極(図示せず)を配置する。この後、これらの一対の溶接電極間に所定の圧力を加えながら、これらの溶接電極間に電池の放電方向に所定の電圧を印加し、所定のパルス電流を流す通電処理を施した。この通電処理により、封口板18aの底面と正極用リード16の周側縁との接触部分が溶接されることとなる。
このように、一対の溶接電極間に所定の圧力を加えながら、これらの溶接電極間に電圧を印加して、通電処理を施すことにより、円筒状の正極用リード16の高さ寸法にばらつきがあっても、円筒状の正極用リード16の周側縁と封口板18aの底面との間に接触点を形成することが可能となる。これにより、溶接強度に優れた溶接部を形成することができるようになる。なお、封口板18aの下面に小突起部を設けるか、あるいは円筒状の正極用リード16の下面に接触する周側縁に小突起部を設けると、この小突起部に電流が集中するようになるため、一層溶接強度が大きい溶接部が形成されるようになる。
ついで、封口体18の封口板18aの周縁に絶縁ガスケット19aを嵌着させ、プレス機を用いて封口体18に加圧力を加えて、絶縁ガスケット19aの下端が外装缶17の上部外周に設けられた環状溝部17aの位置になるまで封口体18を外装缶17内に押し込む。この後、外装缶17の開口端縁17bを内方にかしめて電池を封口することによりニッケル−水素蓄電池が得られる。なお、この封口時の加圧力により、円筒状の正極用リード16は押しつぶされ、その断面形状は円形が押しつぶされた楕円形状となる。
4.集電体の変形例
上述した実施形態の集電体においては、円形のバーリング孔15cを設ける例について説明したが、バーリング孔は円形に限らず、種々の形状を採用することが可能である。以下に、変形例の集電体の一例を図6(なお、図6は変形例の集電体を示す図であり、図6(a)はその平面図であり、図6(b)はその側面図である。)に基づいて説明する。
図6に示す変形例の集電体20は、略円形(最大で直径が30mm)の本体部21の中心部に溶接電極挿入用の中心開口(直径は10mm)22が形成されている。また、中心開口22の周囲から本体部21の端部に向けて略長方形状のバーリング孔23が4本形成されている。
この場合、各バーリング孔23においては、バーリング孔23の周壁の高さに高低差が形成されていて、中心部側の周壁23aの高さは、例えば、0.5mmになるように形成されおり、一方、外周部側の周壁23bの高さは、例えば、0.4mmになるように形成されいて、中心部側の周壁23aの高さが外周部側の周壁23bの高さよりも高くなるように形成されている。これにより、中心部側の周壁23aと芯体露出部11c,12cとの接触部での接触抵抗が低下することにより、溶接スパッタの発生を抑制することが可能となり、溶接スパッタに起因するショートの発生を防止することができるようになる。
なお、上述した実施の形態においては、中心部側のバーリング孔15c(23)の周壁15d(23a)の高さを0.4mmとし、外周部側(Y領域あるいはZ領域)の周壁15d(23b)の高さを0.5mmとする例について説明したが、バーリング孔15c(23)の周壁15d(23a,23b)の高さは0.3mm〜0.7mmの範囲で適宜変更して設定するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、本発明をニッケル−水素蓄電池に適用する例について説明したが、本発明はニッケル−水素蓄電池以外にも、ニッケル−カドミウム蓄電池、リチウム二次電池などの密閉型蓄電池に適用しても同様の効果が得られることは明らかである。
巻回途中の渦巻状電極群を模式的に示す斜視図である。 本発明の集電体(正極集電体、負極集電体)を示す図であり、図2(a)はその平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A断面を示す断面図であり、図2(c)は、図2(a)のB−B断面を示す断面図であり、図2(d)は、図2(a)のC−C断面を示す断面図である。 一対の溶接電極を模式的に示す斜視図である。 集電体の上に一対の溶接電極を配置して順次溶接する状態を模式的に示す図であり、図4(a)は第1溶接工程を模式的に示す平面図であり、図4(b)は第2溶接工程を模式的に示す平面図であり、図4(c)は第3溶接工程を模式的に示す平面図である。 電極体を外装缶内に収納して完成されたニッケル−水素蓄電池を示す断面図である。 変形例の集電体を示す図であり、図6(a)はその平面図であり、図6(b)はその側面図である。
符号の説明
10…渦巻状電極群、11…ニッケル正極板、11c…芯体露出部、12…水素吸蔵合金負極板、12c…芯体露出部、13…セパレータ、15…集電体(正極集電体、負極集電体)、15a…本体部、15b…中心開口、15c…バーリング孔、15d…周壁、16…正極用リード、17…外装缶、17a…環状溝部、17b…開口端縁、18…封口体、18a…封口板、18b…正極キャップ、18c…弁板、18d…スプリング、19a…絶縁ガスケット、19b…防振リング、20…変形例の集電体、21…本体部、22…中心開口、23…バーリング孔、23a…中心部側の周壁、23b…外周部側の周壁

Claims (3)

  1. 正極板と負極板がセパレータを介して積層されて渦巻状に巻回された電極群の両端部に一対の集電体が溶接された電極体を一方極の端子を兼ねる金属製外装缶内に備え、この外装缶の開口部が絶縁体を介して他方極の端子を兼ねる封口体により密封された蓄電池であって、
    前記集電体は略円形状で、その中心部から該集電体の外周部に向けて多数のバーリング孔が形成されているとともに、前記多数のバーリング孔の端縁には電極体の方向に突出する周壁が形成されており、
    前記バーリング孔の内、中心部側に存在するバーリング孔の周壁の高さは外周部側に存在するバーリング孔の周壁の高さよりも高く形成されていることを特徴とする蓄電池。
  2. 前記中心部側は当該集電体の最大半径の1/2未満の範囲であり、前記外周部側は当該集電体の最大半径の1/2以上の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電池。
  3. 前記バーリング孔の周壁の高さは0.3mm〜0.7mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電池。
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